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特開2024-163085双眼眼底観察のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163085
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】双眼眼底観察のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/12 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076736
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】18/315,434
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524175653
【氏名又は名称】パシフィック ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】PACIFIC UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー マーク
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】ソリア アンドレス フアン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイ ケイ.リラ
(72)【発明者】
【氏名】オデイ フィッシャー テリー
(72)【発明者】
【氏名】ケッピンジャー ノーマン マーク
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB16
4C316AB20
4C316FA08
4C316FC04
4C316FY01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンパクト、低コストで高品質の眼底の双眼ビューを生成するのに役立ち得る調整機能を提供する。
【解決手段】眼底の双眼観察のためのシステム300及び方法であって、第2のセクション304に結合された第1のセクション302を含むケーシング303と、第1のセクションの患者に面する端部に結合されており、眼底に向かう光路に沿って光を提供するように構成された光源206と、ケーシングの第2のセクションの医師に面する端部内に形成されたレンズ受容開口部314と、を備える、システム及び方法。レンズ受容開口部は、第2のセクション内にレンズを受容し保持するように構成され得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼底の双眼観察のためのシステムであって、
第2のセクションに結合された第1のセクションを備えるケーシングと、
前記第1のセクションの患者に面する端部に結合されており、前記眼底に向かう光路に沿って光を提供するように構成された光源と、
前記ケーシングの前記第2のセクションの医師に面する端部内に形成されたレンズ受容開口部であって、前記レンズ受容開口部が、前記第2のセクション内にレンズを受容し保持するように構成された、レンズ受容開口部と、を備える、システム。
【請求項2】
前記光の前記光路が、前記眼底から前記第1のセクションの前記患者に面する端部に向かって戻る前記光の反射を含み、患者に面する端部が、前記患者に面する端部に向かって戻る前記光路上に導かれた前記光を受光するように構成された受光アパーチャを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ケーシングの前記第1のセクションが、前記ケーシングの前記第2のセクションに取り外し可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、双眼倒像検眼鏡検査(BIO)システムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のセクションが、前記レンズを前記第2のセクション内に位置決めし保持するように構成された調整可能なロック機構を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
受光アパーチャが、前記レンズ受容開口部内に開口し、前記光源が、前記受光アパーチャを取り囲むライトリングであり、前記光路が、前記受光アパーチャを通り前記レンズ受容開口部から外に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ケーシングの前記第1のセクション内に位置決めされた光学系支持構造体を更に備え、前記光学系支持構造体が、複数の光ファイバケーブルを円錐形状に誘導する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
双眼倒像検眼鏡検査(BIO)システムであって、
ケーシングであって、前記ケーシングが、光源セクション及びレンズ受容セクションを備える、ケーシングと、
前記ケーシングの前記光源セクションに第1の端部で結合されたライトリングであって、前記ライトリングが、前記光源セクションの前記第1の端部内に形成された受光アパーチャを取り囲む、ライトリングと、
前記ケーシングの前記レンズ受容セクションによって画定されたレンズ開口部であって、前記レンズ開口部が、レンズを受容し所定の位置に保持するように構成されている、レンズ開口部と、を備える、双眼倒像検眼鏡検査(BIO)システム。
【請求項9】
前記ライトリングが、光学系支持構造体を介して誘導されている複数の光ファイバケーブルを備え、前記光学系支持構造体が、第1の支持リング及び第2の支持リングを備える、請求項8に記載のBIOシステム。
【請求項10】
前記ライトリングが、複数の光ファイバケーブルを備え、前記複数の光ファイバケーブルの角度が、前記ライトリングにおいて調整可能である、請求項8に記載のBIOシステム。
【請求項11】
前記レンズを前記ケーシングの前記レンズ受容セクション内に位置決めするように構成された調整可能なロック機構を更に備える、請求項8に記載のBIOシステム。
【請求項12】
前記ライトリングが、前記レンズ開口部から離れる方向に光を提供するように構成されている、請求項8に記載のBIOシステム。
【請求項13】
眼底の双眼観察のための方法であって、
光源から前記眼底に直接光を提供することと、
レンズで前記眼底から前記光を受光することと、
前記レンズで受光された前記光によって前記眼底の双眼像を生成することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記光が、前記眼底に提供される前に前記レンズを通過させられない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記双眼像が、前記レンズを通る前記光のシングルパスによって生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
双眼像が、空中像であり、前記空中像が、水平方向に左右反転された真像である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記光源が、ライトリングである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記レンズが、受光側と、前記受光側の反対側である像観察側と、を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記光源のリングを回転させて、前記光源によって提供された前記光の焦点を調整することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記双眼像が、空中像である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、眼底の双眼観察のためのシステム及び方法に関する。1つ以上の例では、本開示は、双眼倒像検眼鏡検査(BIO(binocular indirect ophthalmoscopy))のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼底の双眼観察は、患者の眼の健康を監視するために用いられる。眼底は、網膜、脈絡膜、視神経、及び黄斑などのいくつかの解剖学的特徴を含む、瞳孔の反対側の眼の後部領域である。病変及び変性疾患を監視するために、眼底の双眼検査を定期的に実行することが一般的である。例えば、眼底の双眼観察は、例えば、出血、網膜剥離、又は虚血性イベントなどの可能性のある網膜の問題の検出に役立ち得る深部情報を提供する。例えば、眼底の腫脹領域又は固有領域を正確に判定するためには、深部知覚が特に必要である。
【0003】
眼底の双眼観察のための従来のアプローチには、双眼倒像検眼鏡検査(BIO)が含まれる。標準的なBIOシステムは、観察者が着用するヘッドマウント機器、及び手持ちレンズを備える。従来のBIO検査中、医師はヘッドマウント光源を着用しながら、医師は患者の眼の前でコンデンサレンズを保持する。医師が着用するヘッドマウント光源を使用して、手持ちレンズを通して患者の眼内に光を導く。次に、光は患者の眼底で反射され、再度手持ちレンズを通過して戻されて、眼底の双眼像を生成する一方、追加のヘッドマウントミラー及びレンズは、医師が双眼像を観察することを可能にする。このように、光が同じレンズを2回通過するようなデュアルパスアプローチが、眼底の双眼像を生成するために以前から使用されてきた。
【0004】
例えば、Schepensらによる米国特許第5,400,092号明細書を参照すると、その中で、臨床医によって着用されたヘッドマウント機器からの光が最初にレンズを通過する、眼底の双眼ビューを生成するためのデュアルパスアプローチが開示されている。次に、レンズを通過した光は、患者の眼底で反射され、再度レンズを通過して戻されて、眼底の双眼ビューを生成する。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、本明細書の発明者らは、そのような以前のシステムに関するいくつかの潜在的な問題を認識している。1つの例として、これらの従来のBIOシステムは大型であり、操作及び輸送が困難な場合がある構成要素を必要とする。更に、構成要素の数に起因して、これらの従来のBIOシステムは高価であり、かつユーザが望む調整機能が欠けている場合がある。更に、デュアルパス光アプローチは、延長された光路により、意図しない歪みを生じやすい場合がある。
【0006】
なお更に、眼底の画像を記録することへの関心が高まっている。例えば、そのような画像は、患者のカルテにおいて疾患の発生及び進行を追跡するのに役立つだけでなく、リソースのより少ない地域に対するケアのアクセシビリティを向上させるのに役立ち得る。従来のBIOシステムは、別の撮像デバイスを介した直接撮像には適しておらず、理由としては、そのような直接撮像デバイスがデュアルパス光路を中断するためである。眼底カメラが利用可能である。しかしながら、そのような眼底カメラは、双眼能力を有していない。撮像するための従来のBIOシステム用のアダプタもある。しかしながら、これらのアダプタは、BIOシステムの既に高いコストに追加コストがかかる。
【0007】
1つの例では、上記の問題は、光源セクション及びレンズ受容セクションを含むケーシングを備える眼底の双眼観察のためのシステムによって対処され得る。このように、ヘッドマウント光源を必要とせずに、レンズを通る光のシングルパスのみによって、眼底の双眼観察が達成され得る。
【0008】
1つの例として、光源は、受光アパーチャを取り囲むライトリングであり得て、レンズ受容セクションは、レンズ受容セクション内にレンズを結合させるように構成され得る。ライトリングは、更に、焦点及びライトリングから放出された光の色のうちの1つ以上がユーザによって設定され得るように、調整可能であり得る。そのような特徴によって、システムは、ケーシングのレンズ受容セクションを通る光のシングルパスを用いて眼底の双眼ビューを生成するように構成されている。特に、光は、ライトリングから放出され、患者の眼底で反射され、受光アパーチャを通過させられ、次いで、レンズ受容セクションを通るシングルパスのために導かれて、双眼ビューを生成し得る。双眼ビューは、本明細書では、双眼像と呼ばれ得ることに留意されたい。
【0009】
したがって、開示されるシステムは、以前のBIOシステムよりもコンパクトであり得て、少なくとも部分的には、ヘッドマウント光源の排除に起因して、以前のBIOシステムと比較して低コストで製造され得る。更に、開示されるシステムは、他の方法で可能であるよりも高品質の眼底の双眼ビューを生成するのに役立ち得る調整機能を提供する。追加的に、開示されるシステム及び方法の構成は、撮像デバイス(例えば、モバイルデバイス)が生成された双眼像を直接撮像することを可能にする。
【0010】
上記の概要は、詳細な説明で更に説明される概念の抜粋を簡略化された形で導入するために提供されていることを理解されたい。これは、特許請求される主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図せず、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一意に定義される。更に、特許請求される主題は、上記又は本開示のいずれかの部分に記述されるいずれかの不利点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】先行技術による眼底のデュアルパス双眼観察についての概略図を示す。
図2】本開示による眼底のシングルパス双眼観察についての概略図を示す。
図3】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムの斜視図を示す。
図4】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムの切断図を示す。
図5】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムの分解図を示す。
図6】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからのレンズ受容セクションケーシングの分解図を示す。
図7】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからの電子基板ユニットの図を示す。
図8】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからの光源構成の部分切断図を示す。
図9】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからの光ファイバ支持構造体の斜視図を示す。
図10】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからの光ファイバ支持構造体の部分切断図を示す。
図11】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムのための偏向リングデバイスの偏向リングの図を示す。
図12】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムのための偏向リングデバイスの分解図を示す。
図13A】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムのための偏向リングデバイスによって実行される角度調整の第1の部分図を示す。
図13B】本開示の1つ以上の例による、第2の位置にある双眼眼底観察システムのための偏向リングデバイスによって実行される角度調整の第2の図を示す。
図14】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからのケーシングの光源セクションの第1の図を示す。
図15】本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システムからのケーシングの光源セクションの第2の図を示す。
図16】本開示の1つ以上の例による、光源構成の第1の回路図を示す。
図17】本開示の1つ以上の例による、光源構成の第2の回路図を示す。
図18】本開示の1つ以上の例による、例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、双眼眼底観察のためのシステム及び方法、例えば、BIOに関する。図1に示すように、双眼眼底観察のための先行技術のアプローチには、光がレンズを2回通過させられるデュアルパスアプローチが含まれる。更に、図1に見られるように、双眼眼底観察のための先行技術のシステム(例えば、先行技術のBIOシステム)は、ヘッドマウント機器及び手持ち機器を利用する。
【0013】
対照的に、図2及び図18に見られるように、双眼眼底観察(BIOを含む)のための本明細書で開示されるシステム及び方法は、代わりに、光がレンズを一度だけ通過させられるシングルパスアプローチを用いる。図2に更に示すように、本明細書で開示されるシステム及び方法は、図1の先行技術の例で必要とされるヘッドマウント光源などのヘッドマウント機器を必要としない。むしろ、図3に見られるように、本明細書に開示されるシステムは、光源セクション及びレンズ受容セクションを有するケーシングを備える。
【0014】
レンズ受容セクションは、図6に見られるように、レンズ受容セクション内にレンズを結合するように構成された1つ以上の調整可能なロック機構を備え得る。光源セクションは、受光アパーチャを取り囲むライトリングを備え得る。図4に見られるように、例えば、受光アパーチャは、光源セクションの内部内に開口し、光源セクションの内部は、光がレンズ受容セクションまで通過することを可能にするように構成されている。システムは、例えば、システムの図5図15に示すように、光を妨害することなく光源セクションを介してレンズ受容セクションで光を受容することを可能にするような方法で、ライトリングの光ファイバケーブルを誘導するように構成された構成要素を更に備え得る。
【0015】
更に、図10図13Bに示すように、ライトリングの光ファイバケーブルの各々の角度は、ライトリングから放出された光を集光させるように調整可能であり得る。図16及び図17に示される回路図に示すように、ライトリングから放出される光の色及び明るさに関する更なる調整機能が提供されてもよい。
【0016】
図3図15は、おおよそ一定の縮尺で示されている。更に、論述を目的として、図はまとめて説明される。したがって、図面にわたる同様の特徴は、同様の参照番号が付与され得て、再導入されない場合がある。更に、1つの図面に向けられた論述は、1つの図と他の図に見られる特徴との関係に関する説明も含み得る。
【0017】
ここで図1を参照すると、図1は、先行技術による、眼底102の双眼観察のための概略図100を示している。特に、概略図100は、先行技術による、双眼倒像検眼鏡検査(BIO)のためのアプローチを示している。
【0018】
図1に見られ得るように、先行技術による眼底102の双眼観察は、デュアルパスアプローチに依存する。先行技術のデュアルパスアプローチでは、光源106から生成された光104が、レンズ108を2回通るように導かれる。光104は、104a及び104bの両方を指し、実線で表された光104aが、眼底102で反射されていない光であることに留意されたい。破線で表された光104bは、眼底102で反射された光である。
【0019】
最初に光104aは、レンズ108を通して導かれ、これは本明細書では第1のパスとも呼ばれ、光104aは光源106から患者の眼110の上流のレンズ108を通って導かれる。すなわち、第1のパスは、患者の眼110を通過することなく、レンズ108を通過している光に関係する。
【0020】
光104bが再度レンズ108を通して導かれ、これは本明細書で第2のパスとも呼ばれ、患者の眼底102からの光の反射に続く。特に、第1のパスの後、レンズ108を一度通過させられた光104aは、患者の眼110に導かれ、患者の眼底102で反射され、次いで、眼底102で反射された光104bは、第2のパスのためにレンズ108を通って戻るように導かれる。
【0021】
図1のデュアルパスアプローチに見られるように、第1のパスのために、光源106は光104aを生成し、光104aは、光源106からレンズ108を通して導かれる。レンズ108は、例えば、集光レンズであり得ることに留意されたい。
【0022】
第1のパスのために、光104aは、光源106からレンズ108のおおよそ中心を通して導かれ得る。更に、第1のパスの光104aは、レンズ108の第1の側112上に入射し、レンズ108の第1の側112は、患者の眼110から離れるように観察者に向かって面する。
【0023】
光104aがレンズ108を通る第1のパスを完了した後、光104aは次いで、患者の眼110に到達し、眼110の瞳孔114を通過し得る。例えば、レンズ108は、光源106から受けた光104aを眼110の瞳孔114に向けて集光し得る。次に、眼110の瞳孔114を通過させられた光104aは、眼底102で反射し得て、眼底102で反射された光104bは、第2のパスのためにレンズ108に向かって戻るように導かれる。
【0024】
第2のパスのために、患者の眼底102で反射された光104bは、再度レンズ108を通過させられる。患者の眼底102で反射された光104bは、例えば、第2のパスにおいて、レンズ108の外周近くでレンズ108を通過させられ得る。光は、第2のパスのためにレンズ108の第2の側116上に入射し、レンズ108の第2の側116は、患者の眼110に向き、観察者から離れるように面することに留意されたい。
【0025】
眼底102で反射され、第2のパスのためにレンズ108を通して導かれた光104bは、眼底102の空中像118を作り、空中像118は、水平方向に左右反転された真像である。空中像118は、レンズ108と観察者との間に位置決めされていることに留意されたい。次いで、空中像118は、第1のミラー120及び第2のミラー122を介して反射及び反転され、観察者の眼128a、128bによって、第1のパワード凸レンズ(a first powered convex lens)124及び第2のパワー凸レンズ(a second power convex lens)126を通して観察される。このように、図1の先行技術のアプローチは、眼底102の立体視を提供する。
【0026】
図1に示すデュアルパスアプローチは、従来、観察者によって保持された手持ちレンズと組み合わせて、観察者によって着用されたヘッドマウント機器によって実装される。
【0027】
ヘッドマウント機器は、光源106、第1のミラー120、第2のミラー122、第1のパワード凸レンズ124、及び第2のパワー凸レンズ126を備え得る。光源106は、観察者の頭部に装着され、観察者自身の眼128a、128bの上方及び直接間の場所に位置決めされて、光104aを手持ちレンズを通して誘導し得て、手持ちレンズには、例えば、レンズ108が含まれ得る。
【0028】
そのような従来のアプローチを通じて、手持ちレンズ(例えば、レンズ108)は、患者の眼110からの手持ちレンズの焦点距離で臨床医によって保持され、臨床医は、眼底のBIO検査を実行するために、ヘッドマウント機器(少なくとも光源106を含む)を更に調整する。したがって、そのようなアプローチのために、臨床医は、眼底102の立体視を得るために、手持ちレンズと一緒に、ヘッドマウント機器の両方を調整する必要がある。
【0029】
ここで図2を見ると、図2は、本開示による眼底202の双眼観察のための概略図200を示している。特に、図2に示す概略図200は、BIO用であり得る。
【0030】
図2に見られ得るように、本開示は、患者の眼底202の双眼観察のためのシングルパスアプローチを利用する。したがって、光104a、104bをレンズ108に2回通過させて眼底102のビューを提供する図1に開示された先行技術のアプローチとは対照的に、図2の本開示は、代わりに光204をレンズ208に一度だけ通過させる。光204は、204a及び204bの両方を指し、実線で表された光204aは、眼底202で反射されていない光であることに留意されたい。破線で表された光204bは、眼底202で反射されている光である。このように、開示されたシステムによって達成される単一の光路及び光物性が、図2によって示されている。
【0031】
図2に開示されたシングルパスアプローチでは、光源206は、最初に光204aを患者の眼210に導く。特に、光源206からの光204aは、眼210の瞳孔214内に導かれ得る。少なくとも1つの例では、光源206は、ライトリングであり得て、したがって、本明細書ではライトリング206と呼ばれ得る。ライトリング206は、光204aを眼210の瞳孔214に向けて集光し得る。この目的のために、ライトリング206の焦点は、本明細書で以下により詳細に説明するように、1つ以上の例で調整可能であり得る。
【0032】
図2に見られ得るように、光源206からの光204aは、眼210内に導かれる前に、任意のレンズを通過しない。むしろ、光源206からの光204aは、患者の眼210に到達する前に任意のレンズを通過することなく、光源206から患者の眼210に直接提供され得る。更に、光源206によって生成された光204aは、レンズ208から離れる方向に提供され得て、光源206は、レンズ208の下流に位置決めされ得る。これは、図1で開示されたものなどの先行技術のアプローチとは対照的である。図1に見られるように、光源106はレンズ108の上流にあり、その結果、光源106からの光104aはレンズ108に向かって導かれ、光104aが患者の眼110に到達する前にレンズ108を通過し得る。
【0033】
図2を振り返ると、図2の眼210内の瞳孔214に向かって導かれた光204aは、瞳孔214を通過し、眼底202で反射される。次に、眼底202で反射された光204bは、瞳孔214を通過して戻り、光源206に向かって導かれる。次に、眼底202で反射された光204bは、受光アパーチャ207を通過し得て、受光アパーチャ207は、光源206によって取り囲まれた開口部であり得る。例えば、受光アパーチャ207は、本明細書で以下により詳細に説明するように、ライトリング構成の光源206によって取り囲まれた開口部であり得る。
【0034】
眼底202で反射された光204bが受光アパーチャ207を通過させられた後、次いで光204bは、レンズ208を通る第1のパスのためにレンズ208で受容され、光204bは、第1のパスのために眼210に向かって面しているレンズ208の側216上に入射する。側216は、1つ以上の例では、レンズ208の受光側と呼ばれ得ることに留意されたい。次いで、レンズ208を通る光204bの第1のパスが発生する。光204bは、例えば、第1のパスのためにレンズ208の外周近くで受光され得て、レンズ208はコンデンサレンズであり得ることに留意されたい。
【0035】
レンズ208を通過させられた光204bは、眼底202の双眼像218を生成する。例えば、双眼像218(本明細書では双眼ビューとも呼ばれる)は、眼底202の空中像であり得て、空中像は双眼性を有する。空中像は、レンズと観察者との間に位置決めされた水平方向に左右反転された真像であり得る。
【0036】
次いで、双眼像218は、観察者の第1の眼220a及び第2の眼220bによって観察することができる。追加的に、1つ以上の例では、双眼像218は、撮像デバイス222(例えば、カメラ、電話、ビデオなど)によって撮像され得る。双眼像218が撮像されるような例では、双眼性及び撮像能力の両方が、単一の光パスを用いて同時に達成されることに留意されたい。
【0037】
したがって、図2に示すように、レンズ208を通る光204bの第1のパスは、光204bが既に眼底202で反射された後である。更に、レンズ208を通る第1のパスは、眼底202の双眼像を生成するために使用されるレンズ208を通る光204bの唯一のパスである。
【0038】
このようにして、図2に示すように、レンズ108を通る光104の2つのパスを介して図1で生成される双眼像ではなく、レンズ208を通る光204のシングルパスを介して双眼像が生成される。
【0039】
特に、図2に示すように、光204aは、最初に患者の眼210に向かって導かれ、眼210の瞳孔214に向かって(例えば、ライトリング構成によって)集光される。患者の眼210に向かって導かれた光204aは、光204aが眼210に到達する前にレンズ208を通過させられない。次に、光204aは、眼底で反射され、眼底で反射された光204bは、受光アパーチャ207(例えば、ライトリング構成によって取り囲まれた開口部)で受光される。光204bが受光アパーチャ207を通過した後、光204bは、続いて、第1のパスである唯一のパスのためにレンズ208を通して導かれて、眼底202の双眼像218を生成する。
【0040】
更に、図3を見て明らかにされているように、眼底202の双眼観察のための図2のアプローチは、ヘッドマウント光源を必要とせず、従来のBIOシステムと比較して実質的にコンパクトであるシステムによって実行することができる。
【0041】
図3を見ると、図3は、本開示の1つ以上の例による、双眼眼底観察システム300(本明細書ではシステム300とも呼ばれる)の斜視図301を示している。システム300は、BIOシステムであり得る。1つ以上の例では、図3のシステム300は、眼底の双眼像のシングルパス生成のための図2で開示されたステップを実行するために使用され得る。
【0042】
双眼眼底観察システム300は、略円筒の形状であるケーシング303を備え、ケーシング303は、それぞれ光源セクション302及びレンズ受容セクション304と呼ばれる第1のセクション及び第2のセクションを備える。図3に見られ得るように、システム300のケーシング303は、異なる直径のセクションを備え得る。例えば、図3に示すように、ケーシング303は、直径が異なる第1のリングセクション322、第2のリングセクション324、第3のリングセクション326、及び第4のリングセクション328を含む4つのリングセクションを含み得る。システム300は、手持ちシステムとして構成されていることに留意されたい。したがって、ケーシング303の長さに沿った直径の変化は、ユーザが検査を実施している間にシステム300をより容易に保持しバランスをとり得るように、感触の改善(improved tactile support)を可能にする。
【0043】
光源セクション302を見ると、光源セクション302は、第1のリングセクション322及び第2のリングセクション324を含み得て、光源206が光源セクション302の端部にある。
【0044】
光源206は、ライトリング構成であり得て、したがって、本明細書ではシステム300のライトリング206とも呼ばれる。1つ以上の例では、ライトリング206は、受光アパーチャ207を取り囲み得る。少なくとも1つの例では、ライトリング206は、対応する光ファイバケーブル308によって光(例えば、図2で論述された光204a)が通って放出される複数の光放出開口部306を備え得る。
【0045】
特に、光放出開口部306の各々は、その中に位置決めされた光ファイバケーブル308のうちの1つを有し得て、光ファイバケーブル308は、光放出開口部306を通して光を放出する。光放出開口部306は、(本明細書に更に詳細に記載される)光ファイバ支持構造体の一部であるライトリング206の表面309内に形成され得る。1つ以上の例では、複数の光放出開口部306及び対応する光ファイバケーブル308は、受光アパーチャ207を円周方向に取り囲み得る。更に、本明細書で以下に更に詳細に説明するように、ライトリング206は、ライトリング206によって出力された光(例えば、光204a)の焦点が臨床医によって所望されるように調整されることを可能にするように調整可能であり得る。この目的のために、1つ以上の例では、光放出開口部306は、そのような焦点調整のために光放出開口部306内の光ファイバケーブル308の位置の調整を可能にするように構成され得る。
【0046】
ライトリング206は、システム300の中心軸310を取り囲み得て、中心軸310は、システム300の中心を通って軸方向に延在する。中心軸310は、ライトリング206に対する中心線として機能し得る。ライトリング206は、双眼眼底観察システム300の端面312でシステム300の外面の一部を更に形成し得る。1つ以上の例では、端面312は、断面が円形であり得る。したがって、端面312及びライトリング206は、受光アパーチャ207を取り囲み画定する同心円リングであり得る。端面312及び光源206を備えるシステム300の端部は、システム300の基部又は患者に面する端部と呼ばれ得ることに留意されたい。レンズ受容開口部314が位置するシステム300の反対側の端部は、プロバイダに面する端部と呼ばれ得る。
【0047】
光源セクション302は、ライトリング206に加えて、充電セクション318及びユーザ入力デバイス320を更に備え得る。充電セクション318は、充電ポート319を介して、ライトリング206のためのバッテリの充電を可能にし得る。充電ポート319は、1つ以上の例では、USBポート、マイクロUSBポート、又は他の好適なポートであり得る。ユーザ入力デバイス320に関して、ユーザ入力デバイス320は、ボタン若しくはスイッチなどの機械的デバイス、又はユーザがライトリング206の動作を調整することを可能にする他のユーザ入力オプションを備え得る。例えば、ユーザ入力デバイス320は、ライトリング206がオン及びオフにされることを可能にし得る。追加的に、ユーザ入力デバイス320は、異なる光の色モード及び異なる光強度モードのうちの1つ以上など、ライトリング206のための他の照明モードが作動されることを更に可能にし得る。
【0048】
光源セクション302は、レンズ受容セクション304に結合され得て、光源セクション302は、レンズ受容開口部314を画定し得る。1つ以上の例では、光源セクション302は、係合セクション316を介してレンズ受容セクション304に結合され得る。係合セクション316は、光源セクション302及びレンズ受容セクション304を一緒に機械的に結合するための係合面を備え得る。例えば、係合セクション316は、1つ以上の例においてねじ山であり得て、ねじ山は、レンズ受容セクション304の外面の一部を形成し得る。
【0049】
例えば、図4を見ると、図4は、図3の双眼眼底観察システム300の切断図400を示している。
【0050】
図4において見ることができるように、係合セクション316は、ケーシング303の光源セクション302とレンズ受容セクション304とを取り外し可能に結合するように構成されている。例えば、係合セクション316はねじ山を備え得て、ねじ山は、光源セクション302をレンズ受容セクション304の対応する係合面401に結合し得る。図4に示すように、対応する係合面401は、ケーシング303の第2のリングセクション324においてレンズ受容セクション304の内面に形成され得る。したがって、第2のリングセクション324の内径は、係合セクション316及び対応する係合面401が、光源セクション302及びレンズ受容セクション304が取り外し可能に結合され得る接合部を形成することを可能にするように、ケーシングの第3のリングセクション326の外径よりも大きい。
【0051】
係合セクション316に加えて、レンズ受容セクション304は、レンズ受容セクション304の内部にレンズ結合構成要素を更に備え得て、レンズ結合構成要素は、内部係合セクション402、ロックリング404、スペーサ406、及びスペーサ溝408のうちの1つ以上を含み、ケーシング303のレンズ受容セクション304内の所定の位置にレンズ(例えば、レンズ208)を係合及び保持するように構成されている。すなわち、レンズは、ケーシング303がレンズを取り囲むように、ケーシングのレンズ受容セクション304内に保持される。このように、レンズ受容セクション304は、レンズを取り囲み固定し得るスリーブを形成する。
【0052】
レンズ結合構成要素は、レンズを所定の位置に保持するための調整可能なロック機構を形成し得る。特に、内部係合セクション402及びロックリング404は、第1の調整可能なロック機構を形成し得て、スペーサ406及びスペーサ溝408は、レンズを所定の位置に保持するための第2の調整可能なロック機構を形成し得る。このように、システム300は、2つの異なるタイプの調整可能なロック機構を含み得る。あるいは、1つ以上の例では、調整可能なロック機構のうちの1つのみがシステム300に含まれ得る。更に、本開示の範囲から逸脱することなく、レンズを所定の位置に保持するために、3つ以上の調整可能なロック機構がシステム300に含まれ得る。
【0053】
内部係合セクション402及びロックリング404を備える第1の調整可能なロック機構に関して、内部係合セクション402は、少なくとも1つの例において、ケーシング303のレンズ受容セクション304の内側壁内に形成された隆起412及び溝414を含むねじ山を備え得る。1つ以上の例では、他の形態の係合が内部係合セクション402に対して可能であり得る。例えば、ねじ、摩擦継手、及び磁気結合要素のうちの1つ以上が、内部係合セクション402のねじ山に加えて、又はその代替として可能であり得る。内部係合セクション402は、本明細書で以下に更に詳細に説明するように、システム300が様々なレンズを収容できるように、ロックリング404と係合するように構成され得る。
【0054】
第2の調整可能なロック機構に関して、第2の調整可能なロック機構は、1つ以上のスペーサ406及びスペーサ溝408を含み得る。なお、図4の図は、スペーサ406のうちの1つ及びスペーサ溝408のうちの1つのみを示していることに留意されたい。特に、図4の図は、1つのスペーサ406のレンズ係合面410及びスペーサ溝408のうちの1つを示しており、レンズ係合面410は、システム300内に位置決めされたレンズの縁部に接触するように構成された表面である。図6を簡単に見ると、図6は、レンズ受容セクション304の分解図600によって、第1の調整可能なロック機構及び第2のロック調整可能機構をより詳細に示している。
【0055】
図6に見られ得るように、内部係合セクション402及びロックリング404を備える第1の調整可能なロック機構が示されている。内部係合セクション402は、螺旋状のねじ山を形成する複数の溝414及び隆起412を備え得る。ロックリングに関して、ロックリング404は、ロックリング404が中心軸に対して平行な方向に上下にねじ込まれ得るように、ねじ込み内部係合セクション402のねじ山と互換性のある縁部602を備え得る。このように、様々な高さを有するレンズが、システム300によって収容され得る。
【0056】
ロックリング404は、中心軸310に向かって面するロックリング404の表面内に形成された1つ以上のノッチ603を更に備え得る。そのようなノッチ603は、例えば、直径方向に対向し得る。
【0057】
スペーサ406及びスペーサ溝408を備える第2のタイプの調整可能なロック機構に関して、スペーサ406は、スペーサ溝408内に摺動するように構成されている。スペーサ406は各々、延在部608及びレンズ係合セクション604を含み得て、延在部608の長さは様々であり得る。すなわち、図6の延在部608に示す長さは延在部608の長さであり得るが、他の例では、異なる長さが延在部608に用いられ得る。このようにして、異なる直径を有するレンズがシステム300によって収容され得る。例えば、より長い延在部608は、より小さな直径を有するレンズがレンズ受容セクション304内の所定の位置に保持されることを可能にし得て、スペーサ406のより短い延在部608は、より大きな直径を有するレンズがレンズ受容セクション304内の所定の位置に保持されることを可能にし得る。更に、図6に示すように、全てのスペーサ406の延在部608は、同じ長さであり得るか又は実質的に同じ長さであり得る。あるいは、1つ以上の例では、延在部608の長さは、レンズ受容セクション304内で結合されたスペーサ406中において異なり得る。このように、様々なレンズへの更なる適応性が可能になり得る。
【0058】
図6に示すように、複数のスペーサ406及び対応するスペーサ溝408があり得る。図6の例には、スペーサ406及び対応するスペーサ溝408のうちの4つがあるが、より多くの又はより少ないスペーサ406及びスペーサ溝408が可能であることに留意されたい。1つ以上の例では、1つのスペーサ溝408のみが存在してもよく、又はスペーサ溝408が存在しなくてもよい。スペーサ溝408がない例では、レンズ受容セクション304は、第2のタイプの調整可能なロック機構を備えないことに留意されたい。
【0059】
図6に示すように、図6に示すレンズ受容セクション304内に形成されたスペーサ溝408は、レンズ受容セクション304の円周に沿って互いにおおよそ等距離であり得る。あるいは、スペーサ溝408が互いに等距離ではないこと、又はスペーサ溝408が1つだけ存在するか若しくは存在しないことも可能である。スペーサ溝408は各々、スペーサ406のうちの1つを受容するように構成された断面プロファイルを備え得る。例えば、スペーサ406及びスペーサ溝408は、スペーサ406が中心軸310に対して平行な方向に、スペーサ溝408内に摺動し得かつスペーサ溝408から出され得ると同時に、スペーサ406がスペーサ溝408に対して垂直な方向にスペーサ溝408から外に移動するのを防止するように構成され得る。
【0060】
スペーサ406を見ると、スペーサ406は各々、レンズ係合セクション604、溝係合セクション606、及び延在部608を備え得る。レンズ係合セクション604はレンズ係合面410を含み得て、レンズ係合面410は、レンズがシステム300内に結合されたときにレンズの縁部に直接接触するように構成されている。スペーサ406がスペーサ溝408内に位置決めされたとき、スペーサ406の各々のレンズ係合面410は、レンズ受容セクション304の中心軸310に向かって内向きであり得る。
【0061】
溝係合セクション606に関して、溝係合セクション606は、レンズ受容セクション304内に形成されたスペーサ溝408のうちの1つの中に嵌合するように構成されたプロファイルを備え得る。1つ以上の例では、溝係合セクション606の断面プロファイルは、スペーサ溝408の断面プロファイルと同じ形状であり得る。例えば、溝係合セクション606及び対応する溝係合セクション606の断面は、実質的に円形の断面プロファイルを備え得る。スペーサ溝408及びスペーサ406の溝係合セクション606の断面プロファイルの他の形状には、とりわけ、長方形、三角形、星形、及び有機形状の他の丸みを帯びた形状のうちの1つ以上が含まれ得る。スペーサ406の溝係合セクション606の断面形状及びスペーサ溝408の断面形状は、スペーサ406が中心軸310に対して垂直ではなく中心軸310に対して平行である方向に移動することを可能にする。
【0062】
レンズ受容セクション304の追加の特徴は、レンズ受容セクション304が第4のリングセクション328(本明細書では触覚リング、リップ、又は突出リング面とも呼ばれる)を備えることである。組み立てられた状態(図3に示すものなど)では、第4のリングセクション328及び第2のリングセクション324(本明細書では更なる触覚リング、更なるリップ、又は更なる突出面とも呼ばれる)は、ユーザの指がそれらの間に快適に収まり、システム300を保持している間のユーザのバランスを助け、滑りを防止するように構成されている。
【0063】
したがって、図6に見られるように、レンズ受容セクション304は、螺旋状形態に溝状にされた内壁の形態の内部係合セクション402を備え得て、ロックリング404が使用されている検査用集光レンズの高さに適合するようにねじ込まれることを可能にする。加えて、内部係合セクション402は、様々な直径のレンズを収容するためにスペーサ406と結合するように構成された複数のスペーサ溝408(例えば、4つの溝)を備え得る。
【0064】
レンズ受容セクション304及び関連する調整可能なロック機構によって、ユーザは、スペーサ406のうちの1つを選択し、スペーサ溝408の各々内に挿入し得る。次いで、ユーザは、スペーサ406がレンズを所定の位置に固定し、レンズの半径方向への動きが起こらないように、自身の集光レンズをレンズ受容セクション304によって画定された開口部に挿入し、レンズを中央に配置し得る。次に、ユーザは、ロックリング404を、ロックリング404が集光レンズを押すまでねじ込み、レンズを所定の位置に固定し、中心軸310に沿った動きが起こらないようにし得る。レンズが固定されると、レンズ受容セクション304及び光源セクション302は、レンズ受容セクション304及び光源セクション302を一緒に回して取り付けることによって接続され得る。
【0065】
ここで図4に戻ると、図示のように、システム300の光源セクション302は、本明細書ではライトリング206とも呼ばれる光源206を備える。例えば、ライトリング206は、ケーシング303の光源セクション302内に結合され得る。ライトリング206は、光ファイバケーブル308、(本明細書で以下に更に詳細に論述する)光ファイバ支持構造体、及び電子基板ユニット416を含み得る。電子基板ユニット416は、1つ以上の例では、プリント回路基板(PCB)であり得る。
【0066】
図3に関連して前述したように、光ファイバケーブル308は、光ファイバケーブル308の第2の端部424で受光アパーチャ207を円周方向に取り囲み得る。光ファイバケーブル308の第2の端部424は、本明細書では放出端部とも呼ばれることに留意されたい。少なくとも1つの例では、光ファイバケーブル308の第2の端部424は、図4に示すように丸みを帯びていてもよい。このように、ライトリング206から放出された光は、患者の眼に導かれ患者の眼底で反射され得て、患者の眼の眼底で反射された光は、受光アパーチャ207を通り、システム300のレンズ受容セクション304に導かれて、レンズ受容セクション304内に位置決めされたレンズを通過させられ得る。
【0067】
ライトリング206の論述を続けると、ライトリング206の光ファイバケーブル308は、システムの端面312から電子基板ユニット416に向かって延在し得る。例えば、光ファイバケーブル308は、光ファイバ支持構造体によって支持され得て、光ファイバ支持構造体は、第1の支持リング418及び第2の支持リング420を含み得る。光ファイバケーブル支持構造体は、第1の支持リング418及び第2の支持リング420に結合された1つ以上の支持アーム422を更に含み得ることに留意されたい。第1の支持リング418及び第2の支持リング420によって支持された光ファイバケーブル308は、第2の端部424の反対側の光ファイバケーブル308の第1の端部426(例えば、図5に示す)が電子基板ユニット416の近くで終端するように延在し得る。光ファイバケーブル308の第1の端部426は、本明細書では光源受光端部と呼ばれ得る。
【0068】
ここで図500を見ると、図5はシステム300の分解図500を示しており、図6図12は、分解図500に示す構成要素の追加の図を提供している。見られ得るように、図5はレンズ受容セクション304を示しており、レンズ受容セクション304の図6の分解図は上記で論述されていることに留意されたい。図5の分解図500に示す残りの特徴に関して、論述は、図5の分解図500と、図7図12に提供される追加の図との間を行き来する。
【0069】
よって、図5を見ると、電子基板ユニット416及び光ファイバ支持構造体502が示されている。図5に見られるように、光ファイバ支持構造体502は、第1の支持リング418及び第2の支持リング420を備え得て、第1の支持リング418は、電子基板ユニット416に向かって面する第1の表面504を備える。電子基板ユニット416は、リングから延在する第1のアーム506及び第2のアーム508を有する略リング形状である。更に、電子基板ユニット416は、第1の表面504に向かって面するライト面510を備える。図7を簡単に参照すると、図7は、第1の支持リング418の第1の表面504に向かって面する電子基板ユニット416のライト面510のビュー700を示している。
【0070】
図7に見られ得るように、電子基板ユニット416のライト面510は、複数のライト702を含み得る。複数のライト702は、電子基板ユニット416のリング形状部分704上に位置決めされている。少なくとも1つの例では、複数のライト702は、リング形状部分704の周りに規則的な距離で離間され得る。すなわち、複数のライト702は、1つ以上の例において、互いに実質的に等距離であり得る。しかしながら、他の例では、複数のライト702は、互いに等距離ではない場合があることに留意されたい。複数のライト702は、1つ以上の例では、発光ダイオード(LED)であり得る。1つ以上の例では、複数のライト702には、ライトリング206によって発光して光を患者の眼内に集中させるために光ファイバケーブル308によって運ばれる十分な輝度で、緑、黄、及び白のうちの1つ以上を含む一連の色を生成するように構成された一連のLEDが含まれ得る。
【0071】
電子基板ユニット416は、1つ以上の例では、ケーシング303の光源セクション302内で回転可能であり得る。例えば、第1のアーム506及び第2のアーム508は、電子基板ユニット416が手動で回転させられることを可能にする。第1のアーム506、第2のアーム508、及びUSB電源基板706は、光源セクション302の第2のリング324内に位置決めされ得ることに留意されたい(例えば、図3を参照されたい)。
【0072】
少なくとも1つの例では、第1のアーム506及び第2のアーム508は、ケーシングから外に突出し、リングが回転させられることを可能にし、他の色のLEDライトを光ファイバケーブル308と整列させる。電子基板ユニット416は、USB電源基板706にワイヤを介して接続され得て、USB電源基板706は、ケーシング内部に延在するキャビティ内に位置し得る。充電ポート319は、充電領域318によって示すように、電子基板ユニット416が開口部と同一平面内に存在し得るケーシング内のメスのプラグ穴であることに留意されたい。電子基板ユニット416とUSB電源基板706とを接続するワイヤは、ユニットの内壁を貫通し、光の光学経路の邪魔にならないようにされ得る。これにより、LED(複数のライト702)を有する電子基板ユニット416が、光ファイバ支持構造体502の上に着座し、邪魔にならずにUSB電源基板706(光ファイバ支持構造体502のおおよそ中央に位置決めされたUSB電源基板706)から電力を受けることが可能になる。
【0073】
電子基板ユニット416の回転は、少なくとも1つの例では、電子基板ユニット416とUSB電源基板706との接触を可能にし得る。電子基板ユニット416とUSB電源基板706との接触は、電子基板ユニット416の回転がUSB電源基板706との回路を完成し得るように、コモン708に対して配線された第1の接触エリア710及び第2の接触エリア712のうちの1つ以上を介して実行され得る。第1の接触エリア710又は第2の接触エリア712のいずれかを介してUSB電源基板706との回路を完成することによって、複数のライト702は通電されて光が複数のライト702によって放出され得る。追加的又は代替的に、電子基板ユニット416の回転に物理スイッチ又はマイクロコントローラを使用して、異なるライト702を作動させ、それらの動作を制御してもよい。
【0074】
ここで図5を振り返ると、電子基板ユニット416のライト面510上の複数のライト702によって放出された光は、光ファイバ支持構造体502に向かって導かれる。システム300が組み立てられた状態にあるとき、光ファイバケーブル308は、光ファイバ支持構造体502内に位置決めされていることに留意されたい。特に、光ファイバケーブル308の第2の端部424は、第2の支持リング420内に形成された光放出開口部306内に位置決めされ得て、光ファイバケーブル308の第1の端部426は、第1の支持リング418内に形成された開口部512内に位置決めされ得る。少なくとも1つの例では、光放出開口部306は、第2の支持リング420の表面514内に形成されており、第2の支持リング420を通って第2の支持リング420の表面309まで延在する。このように、光は、複数のライト702から第1の支持リング418で光ファイバケーブル308の第1の端部426に提供され、光ファイバケーブル308を下って第2の支持リング420で第2の端部424に進み、光ファイバケーブル308の第2の端部424から放出され得る。
【0075】
例えば、図8を簡単に見ると、複数のライト702は、光ファイバケーブル308の第1の端部426と直接整列するように位置決めされ得る。すなわち、複数のライト702は、中心軸310に対して実質的に平行な方向で、光ファイバケーブル308の第1の端部426と整列し得る。図8は、双眼眼底観察システム300の光源構成の部分切断図800を示している。本明細書での光源構成への言及は、ケーシング303の光源セクション302、及びそれに結合されその中に収納されてライトリング206から光を放出する全ての関連する構成要素を指すことに留意されたい。
【0076】
図8に見られ得るように、第1の支持リング418内に形成された開口部512は、第1の支持リング418を完全に貫通し得る。例えば、開口部512は、第1の支持リング418の第1の表面504から第1の支持リング418の第2の表面802まで、第1の支持リング418を通って延在し得る。第2の表面802は、第1の表面504の反対側にあり得て、電子基板ユニット416から背を向け得ることに留意されたい。開口部512は、光ファイバケーブル308を所定の位置に保持するようにサイズ設定され得て、光ファイバケーブル308の各々の第1の端部426は、開口部512のうちの1つ内に位置決めされている。したがって、光ファイバケーブル308の第1の端部426は、複数のライト702の対応するライトに面する。1つ以上の例では、対応するライト702により光ファイバケーブル308で受光される光の量を増加させるために、光ファイバケーブル308の第1の端部426がおおよそ47度の角度で切断され得ることに留意されたい。
【0077】
開口部512は、中心軸310に対して平行な方向に、複数のライト702と直接整列し得る。更に、第1の支持リング418は、複数のライト702から所定の閾値距離未満離れて位置決めされ得る。このようにして、光は、複数のライト702から開口部512内に位置決めされた光ファイバケーブル308の第1の端部426まで効率的に提供される。
【0078】
次に図9及び図10に続くと、図9は、光ファイバ支持構造体502の斜視図900を示しており、図10は、光ファイバ支持構造体502の部分切断図1000を示している。
【0079】
表示目的として、光ファイバ支持構造体502は、図9において光ファイバ支持構造体502内に位置決めされた光ファイバケーブル308なしで示されており、一方、光ファイバ支持構造体502は、図10においてはその中に位置決めされた光ファイバケーブル308を伴って示されている。図9及び図10を併せて説明する。
【0080】
光ファイバ支持構造体502は、ライトリング206での発光のために光ファイバケーブル308を介して複数のライト702(例えば、LED)の各々からの光を漏斗状に集中させるように、光ファイバケーブル308を支持するように構成されている。
【0081】
特に、図9に見られるように、光ファイバ支持構造体502は、第1の支持リング418及び第2の支持リング420を備え得る。第2の支持リング420は、システム300が組み立てられた状態にあるときに、(図3及び図4に見られるように)システム300の外側の一部を形成する表面309を備える。図9に示すように、第2の支持リング420の表面309は、第2の支持リング420の凹面902に対して高くあり得る。すなわち、第2の支持リング420の高さは、凹面902における第2の支持リング420の高さよりも表面309で大きくあり得る。追加的又は代替的に、凹面902は、表面309と同心円状であり得る。特に、凹面902は、第2の支持リング420の表面309と同心円状のリング形状の表面であり得る。更に、図9に示すように、表面309内に形成された光放出開口部306は、凹面902に延在し得る。
【0082】
1つ以上の例では、第2の支持リング420の表面309及び凹面902は、ケーシング303の光源セクション302と嵌め合わせ構成を形成し得る。例えば、第2の支持リング420の凹面902は、ケーシング303の第1のリングセクション322で光源セクション302の内面と面共有接触し得る(例えば、図4を参照)。
【0083】
続いて、図9に更に見られるように、第1の支持リング418は第2の支持リング420よりも大きくあり得る。第1及び第2の支持リング418、420間のサイズの違いにより、光ファイバケーブル308が光ファイバ支持構造体502内に位置決めされたとき、光ファイバケーブル308は、システム300の中心軸310に向かって内側に傾斜する。
【0084】
中心軸310に向かって内向きの光ファイバケーブル308の角度は、例えば、図10に見られ得て、図10は、その中に位置決めされた光ファイバケーブル308を有する光ファイバ支持構造体502の部分切断図1000を示している。
【0085】
図10に見られるように、光ファイバケーブル308は、第1の支持リング418の円周にわたって形成された開口部512から、より小さな第2の支持リング420の円周にわたって形成された光放出開口部306まで延在し得る。より大きな第1の支持リング418及びより小さな第2の支持リング420の構成は、光学的測定に少なくとも部分的に基づいており、光が光ファイバケーブル308によって、図2に参照される瞳孔202などの患者の眼の瞳孔内に集光されることを可能にし、同時にまた、図2に参照される眼底202などの患者の眼底で反射された光が、障害物なく受光アパーチャ207を介して受光され、光源セクション302を通ってレンズ受容セクション304に導かれることを可能にする。
【0086】
1つ以上の例では、第1の支持リング418は、おおよそ40mm~50mm(例えば、45mm)の範囲の内径を有し得て、第2の支持リング420は、おおよそ10mm~20mm(例えば、15mm)の範囲の内径を有し得る。第1の支持リング418の内径は、第1の支持リング418の内壁1002から第1の支持リング開口部904を横切って測定された直径距離を指すことに留意されたい。第2の支持リング420の内径は、第2の支持リング420の内壁1004から受光アパーチャ207を横切って測定された直径距離を指す。図10に示すように、内壁1004は、例えば、面取りされた壁であり得る。内壁1004が面取りされた壁であるそのような場合、内径は、最小の内径をもたらす内壁1004の部分を指す。第1の支持リング418及び第2の支持リング420についてのこれらの上述の内径の範囲は、複数のライト702からの光が、拡張された瞳孔のおおよそのサイズであり得るおおよそ4mm~9mm、例えば6mm~8mmの光点に集光されることを可能にし得る。更に、第1の支持リング418及び第2の支持リング420の内径の範囲は、患者の眼底で反射された光が、障害物なく受光アパーチャ207を通りシステム300のレンズ受容セクション304に至る光路を辿ることを可能にし得る。
【0087】
続いて、図9及び図10によって示すように、光ファイバケーブル308を全体的に漏斗状又は円錐形状に誘導するための光ファイバ支持構造体502がある。1つ以上の例では、光ファイバ支持構造体502は所定の円錐半角に従い得て、円錐半角の値は、患者の眼から離れる距離に影響を及ぼし、システム300は、眼底の明瞭なビューを得るために保持される必要がある。例えば、光ファイバ支持構造体502の円錐半角は、おおよそ92度~96度の範囲内であり得る。所定の円錐半角は、1つ以上の例では、レンズ受容セクション304内で使用されているレンズに基づき得る。例えば、光ファイバ支持構造体502は、94度の円錐半角を備え得る。94度の円錐半角を備える光ファイバ支持構造体502によって、(レンズ受容セクション304内の従来の眼科用集光レンズを使用する場合)システム300は患者の眼表面から厳密に40mm離れて位置決めされて、特に高品質の眼底像を達成し得ることが見出された。したがって、使用される特定のレンズ又はユースケース(例えば、生理的変動など)に基づいて、光ファイバ支持構造体502の寸法は、高品質のビューを得るために、眼表面からシステム300までの所望の距離の円錐半角を取得するように修正され得る。
【0088】
続いて、図9及び図10によると、第2の支持リング420は、光ファイバケーブル308の各々の先端角度が調整範囲内で調整されることを可能にするように更に構成されており、先端角度は、光ファイバケーブル308の第2の端部424の角度を指す。すなわち、第2の支持リング420は、光ファイバケーブル308の各々の第2の端部424が、基準位置から中心軸310に向かっておおよそ5mmから、中心軸310から5mm離れた調整範囲内で移動することができるように構成されている。光ファイバケーブル308の基準位置は、光ファイバケーブルの第2の端部424が偏向されることなく、光ファイバケーブル308が第1の支持リング418から第2の支持リング420までまっすぐに延在する位置であり得る。
【0089】
光ファイバケーブル308の第2の端部424の先端角度は、個々の偏向デバイス及び/又は偏向リングデバイスによって調整され得る。個々の偏向デバイスの構成の一例を図10に示す。図10に見られ得るように、第2の支持リング420は偏向デバイスボア1006を備え得て、偏向デバイスボア1006の各々は、光放出開口部306のうちの1つ内に開口する。例えば、偏向デバイスボア1006の各々は、内壁1004から、中心軸310に対して実質的に垂直である半径方向に延在し得る。内壁1004が面取りされた壁であり得る場合、例えば、偏向デバイスボア1006は、中心軸310から離れて外側に広がる内壁1004の一部分内に形成されてもよい。
【0090】
前述のように、かつ図10に示すように、光ファイバケーブル308の第2の端部424は、光放出開口部306を通って延在する。したがって、光ファイバケーブル308の第2の端部424は、対応する偏向デバイスボア1006を介してアクセス可能である。例えば、個々の偏向デバイスは、偏向デバイスボア1006のうちの1つ以上に挿入されて、光ファイバケーブル308の第2の端部424に接触し得る。このように、光ファイバケーブル308の各々についての第2の端部424における先端角度は、個別に調整され得る。個々の偏向デバイスが光ファイバケーブル308のうちの1つの第2の端部424を押すほど、先端角度が変化し得る。
【0091】
1つ以上の例において、偏向デバイスボア1006のうちの1つ以上は、個々の偏向デバイスを受容するように構成されたねじ切りされた係合セクションを備え得る。個々の偏向デバイスは、例えば、ねじ(例えば、皿ねじ)、ピン、又は他の好適なデバイスであり得る。個々の偏向デバイスがねじであり得る場合、1つ以上のねじが偏向デバイスボア1006のうちの1つ以上にねじ込まれて、対応する光ファイバケーブル308の第2の端部424を偏向させ得る。このように、第2の端部424における個々の光ファイバケーブル308の先端角度は、ユーザによって調整され得て、したがって、ライトリング206の一部として光ファイバケーブル308の第2の端部424で放出された光が、所望のように集光及び集中されることを可能にする。
【0092】
個々の偏向デバイスに加えて、又は代替的に、図11図13Bに示すような偏向リングデバイスを含めて、光ファイバケーブル308の第2の端部424において先端角度を調整してもよい。例えば、図11を見ると、図11は、ベースリング1104のビュー1100を示している。
【0093】
図11に見られ得るように、ベースリング1104は光ファイバキャビティ1110を備え得る。光ファイバキャビティ1110は、ベースリング1104内に形成されておりベースリング1104を貫通する開口部を提供するキャビティであり得る。例えば、光ファイバキャビティ1110は、ベースリング1104の第1の表面1114内に形成された第1の開口部1112、及びベースリング1104の第2の表面1118内に形成された第2の開口部1116を備え得る。図11に示すように、第1の開口部1112は実質的に円形の断面であり得て、第2の開口部1116は丸みを帯びた細長い開口部であり得る。
【0094】
1つ以上の例では、第1の開口部1112は光ファイバケーブル308とおおよそ同じサイズであり得て、したがって、第1の開口部1112に位置決めされた光ファイバケーブル308の一部分の移動を制限し得る。対照的に、第2の開口部1116は、第2の開口部1116に位置決めされた光ファイバケーブル308の一部分の移動を可能にするようにサイズ設定され得る。
【0095】
少なくとも1つの例では、第1の表面1114は、システム300のライトリング206端部から背を向け得て、第2の表面1118は、システムのライトリング206端部に面し得る。換言すれば、第1の表面1114は、発光の方向から背を向け得て、第2の表面1118は、システム300内の発光の方向に向かって面し得る。光ファイバケーブル308は、第2の端部424が第2の開口部1116内に位置決めされているように、光ファイバキャビティ1110内に位置決めされ得る。したがって、このように、ベースリング1104内に形成された光ファイバキャビティ1110は、第2の端部424で光ファイバケーブル308の移動を可能にするように構成され得る。
【0096】
光ファイバキャビティ1110を観察することができるようにするために、図11のベースリング1104は、偏向リングデバイスの他の構成要素とは別に示されていることに留意されたい。図12図13Bに見られ得るように、ベースリング1104は、偏向リングデバイス1102の構成要素であり、第2の端部424で光ファイバケーブル308の角度が調整されることを可能にするために追加の構成要素とともに実装されてもよい。例えば、図12を見ると、偏向リングデバイス1102の分解図1200が示されている。
【0097】
図12に見られるように、偏向リングデバイス1102は、回転可能なリング1202、偏向リング1203、及びベースリング1104を備える。組み立てられたとき、回転可能なリング1202は、偏向リング1203及びベースリング1104を円周方向に取り囲み得る。回転可能なリング1202は、偏向リング1203のデフレクタ1206と係合するノッチ1204を備え得る。図12に示すように、ノッチ1204は、少なくとも1つの例では三角の形状であり得る。しかしながら、ノッチ1204が偏向リング1203のデフレクタ1206と効果的に係合することができる限り、他の形状がノッチ1204に対して可能である。
【0098】
偏向リング1203のデフレクタ1206は、ノッチ係合端部1208及びケーブル係合端部1210を有する延在部であり得る。延在部のケーブル係合端部1210は、偏向リング1203内に形成された偏向開口部1212を部分的に画定する。偏向開口部1212は、光ファイバキャビティ1110の第1の開口部1112の各々と、軸方向に少なくとも部分的に重なる。
【0099】
1つ以上の例では、偏向リング1203は、ベースリング1104に対して回転可能であり得る。このようにして、光ファイバケーブル308は偏向され得て、光ファイバケーブル308の第2の端部424における先端角度は、システム300によって放出される光の集中を変更するように調整され得る。例えば、図13A及び図13Bを見ると、図13Aは、偏向リングデバイス1102によって実行される角度調整の第1の部分図1300を示している。図13Bに関して、図13Bは、偏向リングデバイス1102によって実行される角度調整の第2の部分図1301を示す。特に、第1の部分図1300は、部分的な斜視図であり得て、第2の部分図1301は、部分的な上面図であり得る。
【0100】
図13A及び図13Bに見られ得るように、回転可能なリング1202は、両矢印1306によって示すように、第1の位置1302から第2の位置1304に回転した。1つ以上の例では、回転可能なリング1202は、中心軸310を中心に回転させられ得る。
【0101】
回転可能なリング1202が第1の位置1302から第2の位置1304に回転させられると、回転可能なリング1202はデフレクタ1206と係合し、光ファイバケーブル308のうちの1つの一部分を偏向させる。例えば、図13Aに見られ得るように、光ファイバケーブル308のうちの1つの偏向は、光ファイバケーブル308の第2の端部424を、1302における第1の実質的に直線の位置から1304における傾斜した位置に移動させる。このように、回転可能なリング1202の回転は、光ファイバケーブル308のうちの1つの第2の端部424における先端角度を調整する。
【0102】
個々の偏向デバイス及び偏向リングデバイスのうちの1つ以上によって、光の集光は、必要に応じて何回でも行うことができる。例えば、光は、輝度及び焦点に影響を与え得る光強度又は環境条件に基づいて集光され得る。光ファイバの端部は、光を更に集光させるために更に丸みを帯びていてもよい(例えば、図3を参照)。
【0103】
このようにして、個々の偏向デバイス及び/又は偏向リング1102によって、光ファイバケーブル308を介してライトリング206から放出された光は、ユーザによって所望されるように集中させられ得る。ライトリング206から放出された光を集中させることができることによって、特定の患者の検査のための変動に対応され得る。例えば、生理的変動、レンズ変動(例えば、コンデンサレンズ集光の変動)、回折、屈折、並びに他の光学的特性及び変数のうちの1つ以上に対応され得る。
【0104】
光ファイバケーブル308の各々の先端角度を調整する能力のために、改善された像品質を生み出すために必要に応じて放出された光を微調節することを可能にする技術的効果が達成される。追加的に、患者の眼底の双眼ビューを提供するためのコンパクトで適応可能なシステムの技術的効果が達成される。このようにして、BIO検査のアクセシビリティが向上され得る。
【0105】
この光の集光は、例えば、輝度及び焦点に影響を与え得る光強度又は環境条件に基づいて、所望の回数だけ行われ得る。異なるLEDの色、輝度、及びライトリングの焦点を調整する能力の組み合わせは、光を操作してより良い像を作り、環境条件及び異なる集光レンズ、カメラ、又は他の撮像デバイス(そのような撮像デバイスが使用されている場合)の光学的ニーズに適応させることを可能にする。
【0106】
ここで参照のために図5に戻ると、電子基板ユニット416、光ファイバ支持構造体502、及び光ファイバケーブル308は、システム300の光源セクション302内に包有され得ることに留意されたい。更に、個々の偏向デバイス及び/又は偏向リングデバイス1102は、光源セクション302内に位置決めされ得る。例えば、図10に示す偏向デバイスボア1006は、光源セクション302内の第2の支持リング420内に形成され得る。追加的又は代替的に、図12に示す偏向リングデバイス1102は、光源セクション302内に位置決めされてもよい。
【0107】
少なくとも1つの例では、図12に示す偏向リングデバイス1102は、第2の支持リング420の代替であり得る。他の例では、偏向リングデバイス1102は、第2の支持リング420のすぐ上流又はすぐ下流に組み込まれ得る。偏向リングデバイス1102を含む1つ以上の例では、システム300が組み立てられた状態にあるときに、全ては回転可能なリング1202の回転のために、開口部が光源セクション302に形成され得ることに留意されたい。
【0108】
光源セクション302をより詳細に見るために、図14及び図15に注目する。図14は、光源セクション302の第1のビュー1400を示しており、図15は、光源セクション302の第2のビュー1500を示している。
【0109】
図14及び図15に見られ得るように、光源セクション302は、第1のばね付き接点1402a、第2のばね付き接点1402b、及び第3のばね付き接点1402cを含む、1つ以上のばね付き接点を備え得る。第1のばね付き接点1402a、第2のばね付き接点1402b、及び第3のばね付き接点1402cなどのばね付き接点は、電子基板ユニット416上の第1の接触エリア710及び第2の接触エリア712に接触するように構成され得る(図7を参照)。第1のばね付き接点1402a、第2のばね付き接点1402b、及び第3のばね付き接点1402cは、通電され得る。
【0110】
リング形状の電子基板ユニット416が回転させられ、第1の接触エリア710及び第2の接触エリア712のうちの1つ以上が、ケーシング303の光源セクション302内部に収納されたばね付き接点に接触する際、複数のライト702が制御される。これは、とりわけ、複数のライト702のためのワイヤが、光源セクション302内からチャネリングされており、USB電源基板706に接触するためであり、USB電源基板706のためのコネクタは、光源セクション302内に収納されている。このように、ばね付き接点に対する電子基板ユニット416の位置に基づいて、電子基板ユニット416上の複数のライト702は制御され得る。
【0111】
例えば、図16及び図17を見ると、1つ以上の例において、図16は、第1の例示的な回路図1600を示しており、図17は、複数のライト702を制御するために実装され得る第2の例示的な回路図1700を示している。第1の例示的な回路図1600は、例示的な色モード選択を例示するのに役立つ。例えば、電子基板ユニット416上の複数のライト702は、LED対1602に配列された2色のLEDを備え得る。例えば、第1のLED対1602aは、第1の色のLED1604a(例えば、黄色)及び第2の色のLED1606a(例えば、緑色)を備え得る。同様に、第2のLED対1602bは、第1の色のLED1604b(例えば、黄色)及び第2の色のLED1606b(例えば、緑色)を備え得る。図16の第1の例示的な回路図1600に示すように、直列の電流制限抵抗1608とともに、LED対1602は、同じタイプのLEDの他の対と並列であり得て、通電しそれらの挙動を同時に制御する。
【0112】
両方の色のLEDの正端子は、コモン708から一緒に接続され得る。コモン708は、+5Vであり得る。各色のLED回路の負端子は、そのそれぞれの接触エリア(例えば、第1の接触エリア710及び第2の接触エリア712)に接続され得る。したがって、電子基板ユニット416を回転させることにより、回路を完成させる接触面積を変更し、次に、放出される色を変更し得る。
【0113】
極性反転動作のために、リング形状の電子基板ユニット416の回転ではなく、システムは、同じ電流制限抵抗を共有する、1つのパッケージ内のバックツーバック構成(対)の緑色、白色、又は黄色のLEDを有し得ることに留意されたい。このような例では、+5VDCが、ユーザ入力デバイス320などのスイッチを動作させることによって適用され得る。このような例では、スイッチへの入力は、1つの色をオンにする。極性を逆にすると、スイッチへの別の入力を介して他の色がオンになる。最後に、電源を切るとLEDがオフになる。更に、1つ以上の例では、LEDは、2色LEDパッケージ内の緑色及び黄色の(又は白色-黄色、白色-緑色などの対の)素子であり得るが、電気的に絶縁され得るため、それらは直列の対で接続することができる。
【0114】
図17の第2の例示的な回路図1700は、例示的な強度制御選択を例示するのに役立つ。すなわち、第2の例示的な回路図1700は、放出される光の明るさを調整するための少なくとも1つの例を示している。
【0115】
全体として、本明細書に開示される回路の主な目的は、LED(複数のライト702)に必要な電力を供給することである。したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、電源は、+5vdc(USB電源など)又は+12vdc(例えば、バッテリパック)のいずれかを提供し得ることが理解される。(緑色及び黄色として示される)2つのLED回路間のスイッチングは、LED回路基板を回転させることによって達成され得る。回路基板の錫めっきされたエリアに接触するばね付きピン(ポゴピンと呼ばれ得る)は、スイッチング機能を実行する。
【0116】
各対のLED(例えば、示された黄色又は緑色)は、電流をLED製造業者の仕様未満に制限することを目的とした直列抵抗を共有し得る。
【0117】
MOSFETは、LED電流(強度)を制御する目的でPWM(パルス幅変調)を提供するために組み込まれている。これは、図に示すように、MOSFETゲート抵抗を介して「PWM入力」によって行われる。
【0118】
電子機器にLED電流フィードバックを提供するために、低い値のMOSFETソース抵抗が設けられている。オペアンプ増幅回路は、ソース抵抗の両端に発生した電圧降下を増幅して、使用可能な「電流出力」アナログ電圧(例えば、0~+5vdc)をマイクロコントローラへの入力として供給する。
【0119】
ここで図18を見ると、図18は、本開示の1つ以上の例による、例示的な方法1800のフローチャートを示している。方法1800は、1つ以上の例において、システム300によって実行され得る。したがって、方法1800を実装するために使用され得るシステム300の例示的な構成要素もまた、本明細書で説明される。
【0120】
ステップ1802において、方法1800は、システムの患者に面する端部の光源からの光を患者の眼に直接導くことを含む。例えば、光は、光がレンズ(例えば、コンデンサレンズ)を通過させられることなく、ライトリング206から患者の眼への光路上に導かれ得る。更に、光路に沿って患者の眼に導かれる光は、本明細書に開示されるアプローチのうちの1つ以上によって調整及び集光され得ることに留意されたい。例えば、光の色、強度、及び焦点のうちの1つ以上が調整され得る。
【0121】
ステップ1802の後、ステップ1804は、眼の眼底から反射された光を受光アパーチャを介して受光することを含み得る。すなわち、方法1800のステップ1802で光源から導かれた光の光路は、眼の眼底で反射され得て、次いで、光は、光路に沿って続き、受光アパーチャを通して導かれ得る。受光アパーチャは、例えば、受光アパーチャ207であり得る。このように、受光アパーチャは、光路に沿って光眼底で反射された光を受光するように構成され得る。
【0122】
次いで、ステップ1806において、受光アパーチャを介して受光された光の光路は、レンズ受容セクション内に位置決めされたレンズを通るシングルパスのためにレンズ受容セクションを通して導かれ得る。例えば、眼底で反射された光は、受光アパーチャを通り、ケーシング303の光源セクション302の中心軸310に沿って延在する遮断されていない経路を通って、ケーシング303のレンズ受容セクション304に導かれて得る。レンズ受容セクション304を通る光路の一部として、光は、ケーシング303のレンズ受容セクション304内に位置決めされレンズ(例えば、コンデンサレンズ)を通過し得る。次いで、光路は、システム300の医師側のレンズ受容開口部(例えば、レンズ受容開口部314)から出て延在し得る。
【0123】
ステップ1806に続いて、方法1800は、ステップ1808において眼底の双眼像(例えば、双眼像218)を生成することを含む。双眼像は、システム300の医師側でユーザによって観察され得る。
【0124】
1つ以上の例では、方法1800はステップ1810を更に含み得て、これは、撮像デバイス(例えば、撮像デバイス222)によって双眼像を撮像することを含み得る。特に、撮像デバイスは、光がレンズを通過した後の光路内に位置決めされて、ステップ1806で生成された双眼像を撮像する携帯電話、カメラ、又は他の撮像デバイスであり得る。1つ以上の例では、撮像デバイスは、システム300とは別個のデバイスであり得る。
【0125】
したがって、本明細書では、LEDのライトリング(例えば、ライトリング206)及びトラフを通して光ファイバケーブル(例えば、光ファイバケーブル308)を誘導する物理的なリング(例えば、光ファイバ支持構造体502)によって眼底の双眼像を生成するシステム及び方法が提供され、このリングから発する光が、180度の入射画角で双眼像を生成するために、瞳孔に直接入り、眼底の組織及び構造によって反射され、集光レンズを一度だけ通過し、ユニットの基部(例えば、受光アパーチャ207)の開口部を通過することを可能にする。図1に示すシステムなどの先行技術のシステムとは異なり、本開示の双眼像は、ヘッドセット又は頭部/眼鏡装着型システムなしで、レンズを一度だけ通過する光によって生成される。これにより、医師は双眼で眼底を観察することが可能になり、同時に、医師はカメラ、携帯電話、又は任意の他の撮像デバイスを使用して、観察された画像を記録することが可能になる。更に、システムは完全に携帯可能であり、おおよそテニスボール(又はそれよりも小さい)サイズであり得て、使用される低電力の光源に起因して、バッテリ(充電式USBバッテリパックを含む)によって電力供給され得る。更に、光集光要素は、本開示において手動で制御されるため、検査は、複雑な較正ツールを使用することなく、様々なニーズを有する患者の多種多様な環境で実行され得る。
【0126】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、支持体及び誘導構造体(例えば、光ファイバ支持構造体502)内に収納された光ファイバ(例えば、光ファイバケーブル308)によって誘導されかつ光ファイバの角度を機械的に修正することによって集光される光を生成し、その結果、光がシステムの基部から(例えば、端面312で)放出される、選択可能な源(例えば、ライトリング206)からの光の放出による光の単一の経路を使用して、眼の眼底の双眼像を生成し得る。このように、光源から生成された光は、患者の眼に進み、瞳孔を通過し、眼の眼底で網膜から反射して、双眼像を作り、これらは全て手持ちの眼科用検査レンズによって行われる。この単一の光パスは、外部源から眼科用検査レンズを介して光が進み、網膜によって反射されて、同じ眼科用検査レンズを再び進み(デュアルパス)、双眼性を保持した状態で画像が生成される先行技術のBIOシステムヘッドセットとは対照的である(例えば、図1を参照)。
【0127】
本明細書に開示されるシステムは、上半分の内側キャビティ(例えば、レンズ受容セクション304)が異なる直径、厚さ、及びパワーを有する一般的な眼科検査用集光レンズを受け入れるように設計されたケーシング(例えば、ケーシング303)で構成され得る。外側ケーシングの下半分の部分(例えば、光源セクション302)は、電子基板、コネクタ、ワイヤ、及び制御スイッチを収納し、同時に、光ファイバハウジング及びアパーチャ制御構造のための支持体及び筐体であるという目的を果たす。この光ファイバハウジングは、光ファイバケーブル(例えば、光ファイバケーブル308)が安全に収納されることを可能にするように特別に構成されており、光ファイバケーブルは、放出された光に曝される最大の表面積を有するために、上端(例えば、第1の端部426)でLED又は光源(例えば、複数のライト702)に対して平行になるためにおおよそ47度の角度で切断され得て、ユニットの基部において(例えば、端面312で)下部(例えば、光ファイバケーブル308の第2の端部424)で丸くされて、光を更に集中させ得る。この光は、眼科検査用集光レンズを避けて、ユニットの基部から(例えば、端面312のライトリング206によって)システムを出て、単一の経路の光を使用して双眼で眼底を観察することを可能にする。
【0128】
本開示はまた、第2のセクションに結合された第1のセクションを備えるケーシングと、第1のセクションの患者に面する端部に結合されており、眼底に向かう光路に沿って光を提供するように構成された光源と、ケーシングの第2のセクションの医師に面する端部内に形成されたレンズ受容開口部であって、レンズ受容開口部が、第2のセクション内にレンズを受容し保持するように構成された、レンズ受容開口部と、を備える、眼底の双眼観察のためのシステムのためのサポートを提供する。システムの第1の例では、光の光路は、眼底から第1のセクションの患者に面する端部に向かって戻る光の反射を含み、患者に面する端部は、患者に面する端部に向かって戻る光路上に導かれた光を受光するように構成された受光アパーチャを備える。任意選択で第1の例を含むシステムの第2の例では、ケーシングの第1のセクションは、ケーシングの第2のセクションに取り外し可能に結合されている。任意選択で第1及び第2の例のうちの一方又は両方を含むシステムの第3の例では、システムは、双眼倒像検眼鏡検査(BIO)システムである。任意選択で第1~第3の例のうちの1つ以上又は各々を含むシステムの第4の例では、第2のセクションは、レンズを第2のセクション内に位置決めし保持するように構成された調整可能なロック機構を備える。任意選択で第1~第4の例のうちの1つ以上又は各々を含むシステムの第5の例では、受光アパーチャは、レンズ受容開口部内に開口し、光源は、受光アパーチャを取り囲むライトリングであり、光路は、受光アパーチャを通りレンズ受容開口部から外に延在する。任意選択で第1~第5の例のうちの1つ以上又は各々を含むシステムの第6の例では、システムは、ケーシングの第1のセクション内に位置決めされた光学系支持構造体を更に備え、光学系支持構造体は、複数の光ファイバケーブルを円錐形状に誘導する。
【0129】
本開示はまた、ケーシングであって、ケーシングが、光源セクション及びレンズ受容セクションを備える、ケーシング、ケーシングの光源セクションに第1の端部で結合されたライトリングであって、ライトリングが、光源セクションの第1の端部内に形成された受光アパーチャを取り囲む、ライトリング、ケーシングのレンズ受容セクションによって画定されたレンズ開口部であって、レンズ開口部が、レンズを受容し所定の位置に保持するように構成されている、レンズ開口部、を備える双眼倒像検眼鏡検査(BIO)システムのためのサポートを提供する。システムの第1の例では、ライトリングは、光学系支持構造体を介して誘導されている複数の光ファイバケーブルを備え、光学系支持構造体は、第1の支持リング及び第2の支持リングを備える。任意選択で第1の例を含むシステムの第2の例では、ライトリングは、複数の光ファイバケーブルを備え、複数の光ファイバケーブルの角度は、ライトリングにおいて調整可能である。任意選択で第1及び第2の例のうちの一方又は両方を含むシステムの第3の例では、システムは、レンズをケーシングのレンズ受容セクション内に位置決めするように構成された調整可能なロック機構を更に備える。任意選択で第1~第3の例のうちの1つ以上又は各々を含むシステムの第4の例では、ライトリングは、レンズ開口部から離れる方向に光を提供するように構成されている。
【0130】
本開示はまた、眼底の双眼観察のための方法のためのサポートであって、方法が、光源から眼底に直接光を提供することと、レンズで眼底から光を受光することと、レンズで受光された光によって眼底の双眼像を生成することと、を含む、サポートを提供する。方法の第1の例では、光は、眼底に提供される前にレンズを通過させられない。任意選択で第1の例を含む方法の第2の例では、双眼像は、レンズを通る光のシングルパスによって生成される。任意選択で第1及び第2の例のうちの一方又は両方を含む方法の第3の例では、双眼像は、空中像であり、空中像は、水平方向に左右反転された真像である。任意選択で第1~第3の例のうちの1つ以上又は各々を含む方法の第4の例では、光源は、ライトリングである。任意選択で第1~第4の例のうちの1つ以上又は各々を含む方法の第5の例では、レンズは、受光側と、受光側の反対側である像観察側と、を備える。任意選択で第1~第5の例のうちの1つ以上又は各々を含む方法の第6の例では、方法は、光源のリングを回転させて、光源によって提供された光の焦点を調整することを更に含む。任意選択で第1~第6の例のうちの1つ以上又は各々を含む方法の第7の例では、双眼像は、空中像である。図3図15は、様々な構成要素の相対的な位置決めを伴う例示的な構成を示している。互いに直接接触しているか、又は直接結合されていることが示されている場合、次いでかかる要素は、少なくとも一例では、それぞれ直接接触している又は直接結合されていると呼ばれ得る。同様に、互いに連続するか又は隣接して示される要素は、少なくとも一例では、それぞれ連続するか又は互いに隣接し得る。一例として、互いに面共有接触で置かれる構成要素は、面共有接触と呼ばれ得る。別の例として、少なくとも1つの例では、互いに離れて位置決めされた要素は、それらの間は空間のみであり、他の構成要素はそのように呼ばれ得ない。更に別の例として、互いに上/下に、互いに反対側に、又は互いの左/右に示される要素は、互いに対してそのように呼ばれ得る。更に、図に示されるように、最上部の要素又は要素の点は、少なくとも一例では、構成要素の「上部」と呼ばれ得て、最下部の要素又は要素の点は、構成要素の「下部」と呼ばれ得る。本明細書において使用される場合、上部/下部、上側/下側、上/下は、図面の垂直軸に対してであり得て、互いに対する図面の要素の位置付けを説明するために使用される。したがって、一例では、他の要素の上に示される要素は、他の要素の上に垂直に位置付けられる。更に別の例として、図面内に描写される要素の形状は、それらの形状(例えば、円形、直線、平面、曲線、丸みを帯びた、面取りされた、角度の付いた、など)を有すると呼ばれ得る。更に、互いに交差して示される要素は、少なくとも一例では、交差する要素又は互いに交差する要素と呼ばれ得る。なお更に、一例では、別の要素内に示される、又は別の要素の外側に示される要素は、そのように呼ばれ得る。追加的に、本明細書に開示される上流及び下流への言及は、光の経路の方向を指す。更に、構成要素内に形成されているように示されている開口部は、そのように説明され得る。
【0131】
本明細書に開示される構成は、本質的に例示的なものであり、多数の変形が可能であるため、これらの特定の実施形態は限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解されるであろう。明示的に反対の記載されない限り、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は、任意の順序、位置、量、又は重要性を示すことを意図するものではなく、むしろ、ある要素を別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される。本開示の主題は、本明細書に開示される様々なシステム及び構成、並びに他の特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規かつ非自明の組み合わせ及びサブ組み合わせを含む。
【0132】
本明細書で使用される場合、「おおよそ」という用語は、別途指定されない限り、範囲のプラス又はマイナス5パーセントを意味すると解釈される。
【0133】
以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明とみなされる、特定の組み合わせ及びサブ組み合わせを特に指摘している。これらの特許請求の範囲は、「1つの」要素又は「第1の」要素若しくはその等価物を指し得る。かかる特許請求の範囲は、1つ以上のかかる要素の組み込みを含むと理解されるべきであり、2つ以上のかかる要素を要求したり排除したりするものではない。開示された特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及びサブ組み合わせは、本特許請求の範囲の修正を通じて、又は本出願若しくは関連出願における新しい特許請求の範囲の提示を通じて請求され得る。かかる特許請求の範囲は、元の特許請求の範囲に対して範囲がより広いか、より狭いか、等しいか、又は異なるかにかかわらず、また、本開示の主題内に含まれるとみなされる。
図1
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【外国語明細書】