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特開2024-163094超音波信号における電磁ノイズの低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163094
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】超音波信号における電磁ノイズの低減
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077095
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】18/195,989
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グリゴリー・ズラコフ
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD14
4C601DD15
4C601EE02
4C601FE04
4C601GB17
4C601JB35
4C601JB40
4C601JB41
4C601JB51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カテーテル上の超音波トランスデューサと共に使用され、異なるそれぞれのチャネルに接続されるシステムを提供する。
【解決手段】システムは回路とプロセッサとを含む。回路は、チャネルのうちの任意の所与の1つを介して超音波反射の変換を含む信号を受信し、チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号を受信する。プロセッサは、回路から信号及びノイズ信号を受信することと、ノイズ信号に基づいて所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算することであって、ノイズ推定関数の各々が、ノイズ信号のサブセットが受信されている間に所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すようにノイズ信号のサブセットそれぞれに適用可能であることと、ノイズ推定関数を使用して推定ノイズ信号を計算することと、信号から推定ノイズ信号を減算することを行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル上に配置され、異なるそれぞれのチャネルに接続された複数の超音波トランスデューサと共に使用するためのシステムであって、前記システムが、
回路であって、
前記チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換を含む信号を受信することと、
前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号を、前記チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して受信することと、を行うように構成されている、回路と、
プロセッサであって、
前記回路から前記信号及び前記ノイズ信号を受信することと、
前記信号中のノイズを、
前記ノイズ信号に基づいて、前記所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算することであって、前記ノイズ推定関数の各々が、前記ノイズ信号のサブセットが受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、前記ノイズ信号の前記サブセットそれぞれに適用可能である、ことと、
前記ノイズ推定関数を使い推定ノイズ信号を計算することと、
前記信号から前記推定ノイズ信号を減算することと、
によって低減することと、を行うように構成されている、プロセッサと、を備えるシステム。
【請求項2】
前記回路が、前記ノイズ信号を受信している間に前記信号を受信するように構成され、
前記プロセッサが、
前記信号から別のノイズ信号を抽出することと、
前記受信されたノイズ信号及び前記抽出されたノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することと、
によって前記ノイズ推定関数を計算するように構成され、
前記プロセッサが、前記ノイズ推定関数を前記受信されたノイズ信号に適用することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記信号を複数のセグメントにセグメント化することと、
前記セグメントのうちの他のものよりも少ない超音波反射の変換を含む前記セグメントのうちの1つ以上を識別することと、
前記識別されたセグメントから前記別のノイズ信号を構築することと、
によって前記別のノイズ信号を抽出するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ノイズ信号が、第1のノイズ信号であり、
前記回路が、前記第1のノイズ信号を受信する前又は後に前記信号を受信するように構成され、
前記回路が、
前記第1のノイズ信号を受信している間に、前記所与のチャネルを介して、前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含む別の第1のノイズ信号を受信し、
前記信号を受信している間に、前記チャネルのうちの他のチャネルの前記グループを介してそれぞれの第2のノイズ信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記回路から前記別の第1のノイズ信号及び前記第2のノイズ信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記第1のノイズ信号及び前記別の第1のノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算するように構成され、
前記プロセッサが、前記ノイズ推定関数を前記第2のノイズ信号に適用することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによって前記ノイズ推定関数を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、
j=1...Mの、行列
【数1】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数2】
であり、
yは、前記サブセット内の前記ノイズ信号が受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの表現であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数3】
の連結として計算することと、
の一般逆行列A を計算することと、
前記インパルス応答ベクトルをA +*yとして計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれを計算するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれについて、
j=1...Mの、行列
【数4】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数5】
であり、
zは前記信号であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号、又は前記j番目のノイズ信号が受信された前記チャネルを介して、前記信号を受信している間に受信された別のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数6】
の連結として計算することと、
前記インパルス応答ベクトルにAを乗算することによって、前記インパルス応答ベクトルの前記ノイズ推定値を計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルの各ノイズ推定値を計算することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記グループが、前記チャネルのうちの他の全てを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記グループ内の前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの各々が、前記グループ内にない前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサから遠い、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記回路が、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記ノイズ信号を受信するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記回路が、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記信号を受信するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記グループ内の前記チャネルの1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つに、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させるように更に構成され、
前記回路が、前記グループ内の前記チャネルを介して、前記超音波の反射の変換を含む別の信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、
前記回路から前記別の信号を受信し、
送信の前記差に基づいて、前記別の信号からノイズを分離するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記分離されたノイズに基づいて前記信号中の前記ノイズを低減するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のノイズ推定関数が、前記ノイズ信号の全てに適用可能な単一のノイズ推定関数からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のノイズ推定関数が、複数のノイズ推定関数を含み、前記プロセッサが、
前記ノイズ推定関数を使用して、それぞれのノイズ推定値を計算することと、
前記ノイズ推定値から前記推定ノイズ信号を計算することと、
によって前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
カテーテル上に配置され、異なるそれぞれのチャネルに接続された複数の超音波トランスデューサと共に使用するための方法であって、前記方法が、
前記チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換を含む信号を受信することと、
前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号を、前記チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して受信することと、
前記信号中のノイズを、
前記ノイズ信号に基づいて、前記所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算することであって、前記ノイズ推定関数の各々が、前記ノイズ信号のサブセットが受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、前記ノイズ信号の前記サブセットそれぞれに適用可能である、ことと、
前記ノイズ推定関数を使い、推定ノイズ信号を計算することと、
前記信号から前記推定ノイズ信号を減算することと、
によって低減することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記信号を受信することが、前記ノイズ信号を受信している間に前記信号を受信することを含み、
前記ノイズ推定関数を計算することが、
前記信号から別のノイズ信号を抽出することと、
前記受信されたノイズ信号及び前記抽出されたノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することと、を含み、
前記推定ノイズ信号を計算することが、前記ノイズ推定関数を前記受信されたノイズ信号に適用することによって前記推定ノイズ信号を計算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記別のノイズ信号を抽出することが、
前記信号を複数のセグメントにセグメント化することと、
前記セグメントのうちの他のものよりも少ない超音波反射の変換を含む前記セグメントのうちの1つ以上を識別することと、
前記識別されたセグメントから前記別のノイズ信号を構築することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ノイズ信号が、第1のノイズ信号であり、
前記信号を受信することが、前記第1のノイズ信号を受信する前又は後に前記信号を受信することを含み、
前記方法が、
前記第1のノイズ信号を受信している間に、前記所与のチャネルを介して、前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含む別の第1のノイズ信号を受信することと、
前記信号を受信している間に、前記チャネルのうちの他のチャネルの前記グループを介してそれぞれの第2のノイズ信号を受信することと、を更に含み、
前記ノイズ推定関数を計算することが、前記第1のノイズ信号及び前記別の第1のノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することを含み、
前記推定ノイズ信号を計算することが、前記ノイズ推定関数を前記第2のノイズ信号に適用することによって前記推定ノイズ信号を計算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ノイズ推定関数を計算することが、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによって前記ノイズ推定関数を計算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記インパルス応答ベクトルのそれぞれを計算することが、
j=1...Mの、行列
【数7】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数8】
であり、
yは、前記サブセット内の前記ノイズ信号が受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの表現であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数9】
の連結として計算することと、
の一般逆行列A を計算することと、
前記インパルス応答ベクトルをA +*yとして計算することと、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記推定ノイズ信号を計算することが、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれについて、
j=1...Mの、行列
【数10】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数11】
であり、
zは前記信号であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号、又は前記j番目のノイズ信号が受信された前記チャネルを介して、前記信号を受信している間に受信された別のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数12】
の連結として計算することと、
前記インパルス応答ベクトルにAを乗算することによって、前記インパルス応答ベクトルの前記ノイズ推定値を計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルの各ノイズ推定値を計算することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記グループが、前記チャネルのうちの他の全てを含まない、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記グループ内の前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの各々が、前記グループ内にない前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサから遠い、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ノイズ信号を受信することが、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記ノイズ信号を受信することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記信号を受信することが、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記信号を受信することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記グループ内の前記チャネルの1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つに、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させることと、
前記グループ内の前記チャネルを介して、前記超音波の反射の変換を含む別の信号を受信することと、
送信の前記差に基づいて、前記別の信号からノイズを分離することと、を更に含み、
前記信号中の前記ノイズを低減することが、前記分離されたノイズに基づいて前記信号中の前記ノイズを低減することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上のノイズ推定関数が、前記ノイズ信号の全てに適用可能な単一のノイズ推定関数からなる、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上のノイズ推定関数が、複数のノイズ推定関数を含み、前記推定ノイズ信号を計算することが、
前記ノイズ推定関数を使用して、それぞれのノイズ推定値を計算することと、
前記ノイズ推定値から前記推定ノイズ信号を計算することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に信号処理の分野に関し、特に超音波信号の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波トランスデューサは、電気信号を機械エネルギーに変換することによって超音波を生成し、波の反射を電気信号に変換して戻す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
図1】本開示のいくつかの実施例による、例示的な電気生理学マッピング及びアブレーションシステムの概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による、信号からのノイズ除去の概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施例による、1つ以上のノイズ推定関数の計算技法の概略図である。
図4】本開示のいくつかの実施例による、1つ以上のノイズ推定関数を計算するためのアルゴリズムのフロー図である。
図5】本開示のいくつかの実施例による、推定ノイズ信号の計算の概略図である。
図6】本開示のいくつかの実施例による、信号のノイズを削減するためのアルゴリズムのフロー図である。
図7】本開示のいくつかの実施例による、1つ以上のノイズ推定関数の計算の概略図である。
図8】本開示のいくつかの実施例による、信号のノイズを除去するためのアルゴリズムのフロー図である。
図9】本開示のいくつかの実施例による、インパルス応答ベクトルの計算例のフロー図である。
図10】本発明のいくつかの実施例による、ノイズ推定の計算例のフロー図である。
図11】本発明のいくつかの実施例による、超音波カテーテルの概略例解図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
概要
いくつかの手技では、複数の超音波トランスデューサを備える超音波カテーテルが、被検体の体内に挿入される。その後、トランスデューサは超音波を送信し、被検体の組織からのこれらの波の反射を受信する。これらの反射に応答して、トランスデューサは電気信号を生成し、電気信号は、異なるそれぞれのチャネルを介して受信され、例えば、被検体の組織のパラメータ(例えば、厚さ又は弾性)を推定するようにしたり、組織の画像及び/又は解剖学的マップを生成したりするように処理され得る。
【0005】
このような手技を実行する際の課題は、近くの電気部品が電磁ノイズを発生する可能性があり、この電磁ノイズが電気信号に重畳されることである。
【0006】
この課題に対処するために、本発明者らは、以下に示す2つの観察を巧みに活用した。
1)任意の1つのチャネル上のノイズは、しばしば、他のチャネル上のノイズと相関され、振幅及び/又は位相においてのみ変化する。
2)多くの場合、信号が1つのチャネルを介して受信されている間、他のチャネルの少なくともいくつかは、ノイズを含むが超音波反射のいかなる実質的な変換も含まない「ノイズ信号」を搬送する。例えば、超音波トランスデューサは、2次元アレイにわたって分散されるのではなく、凸面(例えば、楕円形バルーン等のバルーン)上に配置されてもよい。代替的又は追加的に、2つの超音波トランスデューサ間の距離は、比較的大きくてもよく、例えば、送信波の波長の10倍を超えてもよい。代替的又は追加的に、送信ビームは比較的狭くてもよい。表面の凸性、トランスデューサ間の距離、及び/又はビームの狭さのおかげで、トランスデューサのそれぞれの視野における重なり合いは比較的小さくなり得る。
【0007】
より具体的には、これらの2つの観察に基づいて、本発明者らは、コンピュータプロセッサを使用して、任意の所与のチャネル上のノイズが他のチャネル上のノイズと相関する方法を学習できると認識した。その後、所与のチャネル上で受信されたノイズ信号と、他のチャネル上で同時に受信された1つ以上のノイズ信号とが与えられると、プロセッサは、ノイズ信号及び学習された相関に基づいて、所与のチャネル上のノイズを推定することができる。プロセッサは、次いで、この推定されたノイズを信号から減算し得る。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、プロセッサは、所与のチャネル及び1つ以上の他のチャネルを介して同時に受信された第1のノイズ信号に基づいて、実行の第1の段階において相関を学習する。続いて、実行の第2段階において、プロセッサは、信号が受信されている間に、学習された相関及び他のチャネルを介して受信された第2のノイズ信号に基づいて、信号からノイズを除去する。
【0009】
他の実施例では、プロセッサは、信号が所与のチャネルを介して受信されている間に他のチャネルを介して受信されるノイズ信号の単一のセットのみを使用する。特に、プロセッサは、超音波反射の変換の任意の実質的な量を含むように見えない信号の部分を識別する。これらの部分及びノイズ信号の対応する部分に基づいて、プロセッサは相関を学習する。その後、プロセッサは、学習された相関及びノイズ信号に基づいて、信号からノイズを除去する。
【0010】
いくつかの実施例では、プロセッサは、チャネル間の相関を記述する線形時不変(LTI)モデルを計算する。特に、チャネルのうちの任意の所与の1つに対して、プロセッサは、1つ以上の他のチャネル上のノイズの関数として所与のチャネル上のノイズを記述するインパルス応答ベクトルを計算することができる。次いで、このインパルス応答ベクトルを使用して、所与のチャネル上の推定ノイズを計算することができる。
【0011】
より高い効率のために、本開示のいくつかの実施例は、異なるそれぞれのチャネルを介して同時信号を受信すること、及び/又は第2のチャネルを介して信号を受信しながら第1のチャネルを介してノイズを推定する際に使用するためのノイズ信号を受信することを容易にするように、カテーテルの幾何形状を利用する。代替的に又は追加的に、この最適化は、超音波トランスデューサ間で変化する送信の特性(例えば、周波数)によって達成され得る。
【0012】
システムの説明
最初に図1を参照すると、これは、本開示のいくつかの実施例による、代表的な電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10の概略図である。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.、31A Technology Drive,Irvine,CA、92618から入手可能なCARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0013】
システム10は、医師24によって被検者23の体内へと経皮的に挿入される1つ以上のカテーテルを備える。各カテーテルの挿入に続いて、医師24は、被検者23の血管系を通して、被検者の心臓12の心室腔又は血管構造内へとカテーテルをナビゲートする。典型的には、カテーテルは、送達シース14を通してナビゲートされる。カテーテルは、心臓組織からの、心臓内電位図(IEGM)信号などの信号を感知するためのカテーテル、心臓組織をアブレーションするためのカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方のためにカテーテルを含んでもよい。
【0014】
典型的には、各カテーテルは、カテーテルの遠位端部の三次元(3D)の場所及び配向を追跡するための追跡センサを備える。典型的には、追跡センサは、3つの磁気コイルを備える。場所パッド25は、所定の作業体積内に磁場を発生させるように構成された複数の磁気コイル32を備え、被検者23の近く(例えば、下)に位置付けられる。磁場によってコイル内に誘導される信号に基づいて、カテーテルの遠位端部の場所及び配向が追跡される。このような磁気系の追跡の詳細は、米国特許第5,5391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、及び同第6,892,091号に記載されている。
【0015】
典型的には、システム10は、被検者23の皮膚に接触するように構成された1つ以上の電極パッチ38を更に備える。パッチ38は、場所パッド25の場所基準を確立し得る。更に、カテーテルのいずれかに配設された電極からの電流をパッチ38で感知してもよく、それに応答して、各電極の場所を三角測量してもよい。本場所情報は、カテーテルの追跡の精度を高めるために、上述の磁気系の追跡から導出される情報と組み合わされてもよい。このようなインピーダンス系の追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0016】
システム10は、記録計11及びディスプレイ27を更に備える。記録計11は、身体表面のECG電極18によって取得された心電図(ECG)信号21及び/又は体内カテーテルによって取得されたIEGM信号を記録し、所望により、これらの信号をディスプレイ27上に表示するように構成されている。記録計11はまた、心臓12のペーシングを行うように構成されていてもよい、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されていてもよい。
【0017】
システム10は、アブレーションカテーテルの遠位端部にある1つ以上の電極に、アブレーションエネルギーを伝導するように構成された、アブレーションエネルギー発生器50を更に備える。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーとしては、不可逆エレクトロポレーションに影響を与えるための単極又は双極の高電圧直流(DC)パルスを含む、高周波(RF)エネルギー及び/若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はこれらの組み合わせが挙げられてもよいが、これらに限定されない。アブレーションエネルギー発生器50は、エネルギーを生成するように構成されたエネルギー発生回路に加えて、回路を制御し、所望により、その他の計算機能を実行するように構成されたコントローラと、を備える。
【0018】
システム10は、プロセッサ34と、適切なソフトウェア命令及び/又はデータを記憶し得る揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリと、ユーザインターフェースと、を備える、ワークステーション55を更に備える。プロセッサ34は、例えば、(1)心臓12の心内膜解剖学的構造を3Dでマッピングし、得られた解剖学的マップ20をディスプレイ27上に表示するためにレンダリングすること、(2)ECG信号21からコンパイルされた活性化一組及び/又はその他のデータを、解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的印又は画像でディスプレイ27上に表示すること、(3)被検者23の体内の1つ以上のカテーテルの実時間場所及び配向を表示すること、及び(4)アブレーションエネルギーが印加された部位などの標的部位を表示すること、を含む複数の機能を実行するように、構成されていてもよい。
【0019】
システム10は、電源、ワークステーション55、及びシステムに属する電気生理学的機器の間の電気通信を確立するように構成されている、患者インターフェースユニット(PIU)30を更に備える。電気生理学的機器は、例えば、1つ以上のカテーテル、場所パッド25、ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及び/又は記録計11を備えてもよい。典型的には、PIU30は、カテーテルのそれぞれの場所及び配向を計算し、ECG信号21に基づいて任意の関連する計算を実行するように構成された別のプロセッサを更に備える。
【0020】
いくつかの実施例では、カテーテルの少なくとも1つは、複数の超音波トランスデューサ44が配設された超音波カテーテル16である。超音波トランスデューサ44は、カテーテル16の近位端まで延びる異なるそれぞれの(有線)チャネル49に接続されている。被検体23の組織からの超音波反射の変換及び電磁ノイズの両方を含む電気信号は、チャネル49を介して回路47によって受信される。典型的には、回路47は、信号の帯域幅を制限するアンチエイリアシングフィルタと、電気信号をデジタル化するように構成されたアナログ-デジタル(A/D)変換回路と、信号からノイズの一部を除去するように構成されたノイズフィルタリング回路と、を備える。プロセッサ48は、回路47から信号(典型的にはデジタル形式)を受信し、後続の図を参照して以下に詳細に説明されるように信号を処理するように構成されている。この処理の出力は、プロセッサ34に通信されてもよく、プロセッサ34は、この出力を使用して、解剖学的マップ20の構築を容易にし、及び/又は超音波画像をディスプレイ27上に表示してもよい。
【0021】
典型的には、回路47及びプロセッサ48は、ケーブル51を介してカテーテル16に接続される超音波ユニット46内に配置される。
【0022】
図1に示す実施例では、カテーテル16は、バルーン40と、バルーン40上に配設された複数の感知ユニット42と、を備える。各感知ユニット42は、超音波トランスデューサ44と、任意選択で、IEGM信号を取得するための電極と、を備える。上述したように、各トランスデューサは、カテーテル16を通過する1つ以上のワイヤを介して回路47に接続される。各電極は、カテーテル16を通過する1つ以上の他のワイヤを介して、PIU30に接続される。
【0023】
他の実施例では、カテーテル16は、複数のスプライン(例えば、バスケット形態)、又は超音波トランスデューサ44を支持するのに適した任意の他の構造を備える。
【0024】
概要で上述したように、PIU30などのシステム10の様々な構成要素は、トランスデューサ44から受信される信号に重畳され、回路47によって完全に除去することができない電磁ノイズを生成する可能性がある。通常、プロセッサ48は、後続の図を参照して以下で詳細に説明するように、このノイズを低減するように構成される。代替的に、このノイズ低減機能は、プロセッサ34又はPIU30のプロセッサなど、システム10に属する別のプロセッサによって実行されてもよい。更に別の代替として、この機能は、システム10に属する複数のプロセッサによって協働して実行されてもよい。したがって、以下で使用される「プロセッサ」という用語は、システム10に属する任意の単一のプロセッサ又は複数のプロセッサのグループを指す場合があることを理解されたい。
【0025】
概して、本明細書で記載されるプロセッサのそれぞれの機能性は、ハードウェアにおいてのみ、例えば、1つ以上の一定機能集積回路や汎用集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して、実装されてもよい。代替的に、本機能性は、少なくとも一部ソフトウェアにおいて実装されてもよい。例えば、プロセッサは、例えば、中央処理装置(CPU)及び/又はグラフィック処理ユニット(GPU)を備える、プログラムされたプロセッサとして具現化されてもよい。ソフトウェアプログラムを含むプログラムコード及び/又はデータが、CPU及び/又はGPUによる実行と処理とに関して読み込まれてもよい。プログラムコード及び/又はデータは、電子形態でプロセッサに、例えば、ネットワーク上でダウンロードされてもよい。代替的又は追加的に、プログラムコード及び/又はデータは、磁気メモリ、光メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形の媒体に提供されてもよい、及び/又は記憶されてもよい。このようなプログラムコード及び/又はデータは、プロセッサに提供された場合に、本明細書で記載されるタスクを実行するように構成された、機械又は専用コンピュータを生み出す。
【0026】
ノイズ低減
次に、本開示のいくつかの実施例による、信号52からのノイズ除去の概略図である図2を参照する(図示を容易にするために、本図は、各信号を示すために信号エンベロープを使用するという事実にもかかわらず、本明細書で説明される信号処理は、典型的には、回路47(図1)から受信された元の信号に対して実行され、典型的には、信号エンベロープ内に無線周波数発振を含むことに留意されたい)。
【0027】
図1を参照して上述したように、超音波反射の変換54を含む信号52は、チャネル49の任意の所与の1つを介して回路47によって受信することができる。回路から信号52を受信することに加えて、プロセッサは、信号中のノイズを低減する。特に、プロセッサは、1つ以上のノイズ推定関数を使用して推定ノイズ信号を計算し、次に、信号52から推定ノイズ信号を減算して、ノイズの少ない信号52’を得る。
【0028】
以下で更に説明するように、プロセッサは、チャネル49のうちの他のチャネルを介して受信され、信号52よりも少ない超音波反射の変換を含む1つ以上のノイズ信号に基づいて、所与のチャネルに対する1つ以上のノイズ推定関数を計算する。ノイズ推定関数の各々は、ノイズ信号のサブセットが受信されている間に所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、ノイズ信号のサブセットそれぞれに適用可能である。例えば、プロセッサは、全てのノイズ信号に適用可能な単一のノイズ推定関数を計算することができる(すなわち、前述のサブセットは、必ずしも厳密なサブセットではない)。代替的に、例えば、ノイズ推定関数の数は、ノイズ信号の数と同じであってもよく、各ノイズ推定関数は、ノイズ信号の異なるそれぞれの1つに適用可能である。
【0029】
I.2段階技法
いくつかの実施例では、プロセッサは、ノイズ信号の2つの異なるセットを使用して、前述の機能を2つの段階で実行する。特に、所与のチャネル及び1つ以上の他のチャネルからそれぞれ同時に受信される1つ以上の「第1のノイズ信号」が、ノイズ推定関数を計算するために使用される。次に、信号52が受信されている間に同じ他のチャネルから受信された1つ以上の「第2のノイズ信号」にノイズ推定関数を適用して、推定ノイズ信号を計算する。
【0030】
これらの段階の各々を本明細書で詳細に説明する。
【0031】
(i)第1段階。ノイズ推定関数を計算する。
次に、本開示のいくつかの実施例による、第1のノイズ信号58から1つ以上のノイズ推定関数56を計算する技法の概略図である図3を参照する。
【0032】
図3に示されるように、それぞれの第1のノイズ信号58_1、58_2、...58_Nは、N個のチャネルにわたって同時に受信される(典型的には、第1のノイズ信号58は超音波反射の変換をいずれも含まない)。第1のノイズ信号58に基づいて、プロセッサは、N個のチャネルの少なくとも1つについて1つ以上のノイズ推定関数56を計算する。例えば、プロセッサは、1つ以上のノイズ推定関数のN個のセットを計算することができ、ノイズ推定関数の各セットは、N個のチャネルの異なるそれぞれのチャネルを介して受信されたノイズを低減する際に使用するためのものである。
【0033】
いくつかの実施例では、第1のノイズ信号は、校正手技中に、カテーテルが被験体の身体に入る前に受信される。他の実施例では、第1のノイズ信号は、カテーテルが被検体の体内にある間に、例えば、超音波反射の変換が始まる直前に受信される。更に他の実施例では、第1のノイズ信号は、カテーテルが体内又は体外にある間に、信号52(図2)がチャネルの少なくとも1つを介して受信された後に受信される。例えば、プロセッサは、チャネルの1つを介して受信された信号を2つの部分、すなわち、(a)超音波反射の変換を含む信号52と、(b)そのような変換を含まないことが知られている、信号52に続く第1のノイズ信号とに分割することができる。第1のノイズ信号の受信のための他のオプションは、図11を参照して以下に説明される。
【0034】
この機能に関する1つの実施例として、本発明のいくつかの実施形態による、1つ以上のノイズ推定関数を計算するためのアルゴリズム86のフロー図である図4を更に参照する。
【0035】
アルゴリズム86は、信号受信ステップ88で始まり、プロセッサは、回路から、異なるそれぞれのチャネルを介して同時に受信された第1のノイズ信号58を受信する。信号受信ステップ88に続いて、プロセッサはチャネル選択ステップ90においてチャネルの1つを選択する。
【0036】
次に、プロセッサは、1つ以上のノイズ推定関数を計算し、その各々が、第1のノイズ信号が受信された他のチャネルの異なるそれぞれのサブセットを介して受信されたノイズに基づいて、選択されたチャネルを介して受信されたノイズを推定するように構成されている。プロセッサは、サブセット選択ステップ92において、このような各サブセットを選択する。次に、関数計算ステップ94において、プロセッサは、対応する第1のノイズ信号(すなわち、チャネルのサブセットを介して受信された第1のノイズ信号)及び選択されたチャネルを介して受信された第1のノイズ信号から、選択されたサブセットについてのノイズ推定関数(すなわち、チャネルの選択されたサブセットを介して受信されたノイズを入力として取るノイズ推定関数)を計算する。計算に続いて、プロセッサは、チェックステップ96において、チャネルのサブセットが選択のために他にも残っているかどうかをチェックする。残っている場合、プロセッサは、サブセット選択ステップ92に戻る。
【0037】
いくつかの実施例では、プロセッサは、選択されたチャネルについて、単一のノイズ推定関数のみを計算し、したがって、単一のサブセットのみを選択する。
【0038】
チェックステップ96において、選択されていないサブセットが残っていないことを確認すると、プロセッサは、別のチェックステップ98において、選択のためのチャネルが残っているかどうかをチェックする。残っている場合、プロセッサは、チャネル選択ステップ90に戻る。そうでない場合、アルゴリズム86の実行が終了する。
【0039】
(ii)第2段階。除去ノイズ
次に、本開示のいくつかの実施例による、推定ノイズ信号62からの計算の概略図である図5を参照する。
【0040】
例として、図5は、信号52(図2)が第1のチャネルを介して受信されている間に、第2から第N番目のチャネルを介して受信された第2のノイズ信号60に基づく、N個のチャネルの第1のチャネルに対する推定ノイズ信号62の計算を示す。特に、推定ノイズ信号を計算するために、プロセッサは、第2のノイズ信号60_2、60_3、...60_Nに、第1のチャネルについて計算された1つ以上のノイズ推定関数を適用する。続いて、図2を参照して上述したように、プロセッサは、推定ノイズ信号を使用して、第1のチャネルを介して受信された信号内のノイズを低減する。
【0041】
第2のノイズ信号は、典型的には、せいぜい少量の超音波反射の変換のみを含む。例えば、第2のノイズ信号の各々について、信号内のノイズのエネルギーは、信号内の任意の超音波反射のエネルギーを、例えば少なくとも10倍など、少なくとも5倍だけ超え得る。
【0042】
この機能に関する1つの実施例として、本発明のいくつかの実施形態による、信号のノイズを低減するためのアルゴリズム100のフロー図である図6を更に参照する。
【0043】
アルゴリズム100は、信号受信ステップ102から始まり、プロセッサは、回路47(図1)から、チャネルのうちの任意の所与の1つを介して受信された信号52(図2)を、信号52が受信されている間に1つ以上の他のチャネルを介して受信された第2のノイズ信号60と共に受信する(上述したように、信号52及び第2のノイズ信号は、第1のノイズ信号の前に受信されてもよく、すなわち、信号受信ステップ102は、図4の信号受信ステップ88の前に実行されてもよい)。信号受信ステップ102に続いて、プロセッサは、サブセット選択ステップ92において、他のチャネルのサブセットを選択する。
【0044】
選択された各サブセットについて、プロセッサは、推定値計算ステップ104において、対応するノイズ推定関数を使用して、対応する第2のノイズ信号から選択されたサブセットについてのノイズ推定値を計算する。換言すれば、選択されたサブセット及び所与のチャネルに対して計算されたノイズ推定関数を使用して、プロセッサは、選択されたサブセットから受信された第2のノイズ信号に基づいて信号52中のノイズの推定値を計算する。次に、プロセッサは、チェックステップ96において、選択するサブセットが他にも残っているかどうかをチェックする。残っている場合、プロセッサは、サブセット選択ステップ92に戻る。
【0045】
上述したように、いくつかの実施例では、プロセッサが第2のノイズ信号の全てから単一のノイズ推定値のみを計算するように、他のチャネルの単一のサブセットのみが存在する。他の実施例では、プロセッサは、異なるそれぞれのノイズ推定関数を使用して、第2のノイズ信号の異なるそれぞれのサブセットから複数のノイズ推定値を計算する。例えば、プロセッサは、第2のノイズ信号の各々から別個のノイズ推定値を計算することができる。
【0046】
したがって、チェックステップ96において、選択するサブセットが残っていないことを確認すると、プロセッサは、別のチェックステップ106において、複数のノイズ推定値が計算されたかどうかをチェックする。計算された場合、プロセッサは、推定ノイズ信号計算ステップ108において、ノイズ推定値から推定ノイズ信号62を計算する。例えば、プロセッサは、ノイズ推定値にメディアンフィルタを適用することによって推定ノイズ信号を計算してもよい。そうでない場合には、推定ノイズ信号が推定計算ステップ104で既に計算されていることを考慮して、推定ノイズ信号計算ステップ108は省略される。
【0047】
推定ノイズ信号計算ステップ108に続いて、又はこのステップが省略された場合、プロセッサは、減算ステップ110において、信号52から推定ノイズ信号62を減算し、それによってノイズの少ない信号52’(図2)を得る。
【0048】
II.1段階技法
他の実施例では、プロセッサはノイズ信号の1つのセットのみを使用する。換言すれば、推定ノイズ信号を計算するために、プロセッサは、ノイズ推定関数を、ノイズ推定関数の計算に使用された同じノイズ信号に適用する。そのような実施例では、通常、ノイズ信号は、せいぜい少量の超音波反射変換しか含まない。例えば、ノイズ信号の各々に対して、信号内のノイズのエネルギーは、信号内の任意の超音波反射のエネルギーを、例えば少なくとも10倍など、少なくとも5倍だけ超え得る。
【0049】
次に、更なる詳細について、本開示のいくつかの実施例による、1つ以上のノイズ推定関数56からの計算の概略図である図7を参照する。
【0050】
いくつかの実施例では、任意の所与のチャネルを介した信号52の受信に続いて、プロセッサは、信号52からノイズ信号64を抽出する。次いで、プロセッサは、ノイズ信号64を、信号52が所与のチャネルを介して受信されている間にそれぞれの他のチャネルを介して受信された1つ以上のノイズ信号66と共に使用して、所与のチャネルに対する1つ以上のノイズ推定関数を計算する。
【0051】
例えば、プロセッサは、まず、セグメント信号52を複数のセグメント65にセグメント化してもよい。続いて、プロセッサは、他のセグメントよりも少ない超音波反射の変換を含む、すなわち、他のセグメントよりもノイズが多い1つ以上のセグメント65を識別してもよい。次に、プロセッサは、例えば、信号52内の識別されていない(ノイズの少ない)セグメントを無効にすることによって、識別されたセグメントからノイズ信号64を構築することができる。
【0052】
典型的には、ノイズ推定関数56を計算する前に、プロセッサは、信号52がノイズ信号64に表示されていない任意の時間窓からノイズを除去することによってノイズ信号66を修正する。例えば、図7に示されるように、ノイズ信号64がt0とt1との間でヌルである場合、プロセッサは、t0からt1に及ぶ各ノイズ信号66の部分を無効にし得る。続いて、プロセッサは、修正されたノイズ信号66及びノイズ信号64に基づいてノイズ推定関数56を計算する。
【0053】
いくつかの実施例では、よりノイズの多いセグメント65を識別するために、プロセッサは、まず、ノイズ信号66の対応する部分に基づいて、各セグメント65についてそれぞれのセグメントごとのノイズ推定関数を計算する。例えば、特定のセグメントがt2からt3まで続く場合、プロセッサは、t2からt3まで続くノイズ信号66のそれぞれの部分に基づいてセグメントごとのノイズ推定関数を計算することができる。その後、プロセッサは、例えば、K平均アルゴリズム又はノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを使用して、セグメントごとのノイズ推定関数をクラスタリングする(例えば、各セグメント毎ノイズ推定関数が、図9を参照して以下で説明されるようなインパルス応答ベクトルによる乗算を含む場合、プロセッサは、インパルス応答ベクトルをクラスタ化することができる)。次に、プロセッサは、セグメントごとのノイズ推定関数の最大クラスタに対応するセグメントを識別する。
【0054】
ノイズ推定関数56の計算に続いて、プロセッサは、推定ノイズ信号を計算するために、ノイズ推定関数を(修正されていない)ノイズ信号に適用する。
【0055】
上述の機能に関する1つの実施例として、本発明のいくつかの実施形態による、信号のノイズを除去するためのアルゴリズム112のフロー図である図8を更に参照する。
【0056】
アルゴリズム112は、信号受信ステップ102から始まり、プロセッサは、回路から、チャネルのうちの任意の所与の1つを介して受信された信号52(図2)を、1つ以上の他のチャネルを介して受信されたノイズ信号66と共に受信する。信号受信ステップ102に続いて、プロセッサは、セグメント化ステップ114において、信号52を複数のセグメントにセグメント化する。続いて、セグメント識別ステップ116において、プロセッサは、信号の最もノイズの多いセグメントを識別する。次に、無効化ステップ118において、プロセッサは、他の(ノイズの少ない)セグメントを無効化し(それによって、抽出されたノイズ信号を得る)、ノイズ信号66の対応する部分を無効化する(それによって、修正されたノイズ信号を得る)。
【0057】
次に、サブセット選択ステップ92において、他のチャネルの各サブセットが選択される。各々の選択されたサブセットについて、プロセッサは、関数計算ステップ94において、サブセットに対応する修正されたノイズ信号及び抽出されたノイズ信号からノイズ推定関数を計算する。次に、プロセッサは、ノイズ推定関数を使用して、対応する(修正されていない)ノイズ信号からノイズ推定値を計算するために、推定値計算ステップ104を実行する。推定値計算ステップ104に続いて、プロセッサはチェックステップ96を実行する。
【0058】
チェックステップにおいて、選択するサブセットが残っていないことを確認すると、アルゴリズム112は、アルゴリズム100(図6)のように継続する。
【0059】
ノイズ推定関数の計算及び使用
上述したように、プロセッサは、任意の所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算するように構成され、そのような関数の各々は、所与のチャネルを介して受信されたノイズを推定するために、それぞれの他のチャネルを介して受信された1つ以上のノイズ信号に適用可能である。いくつかの実施例では、プロセッサは、各ノイズ推定関数がインパルス応答ベクトルによる乗算を含むように、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによってノイズ推定関数を計算する。
【0060】
これに関して、次に、本開示のいくつかの実施例による、インパルス応答ベクトルの計算例68のフロー図である図9を参照する。計算68は、図4及び図8の関数計算ステップ94の実行において行われてもよい。更に参照する図10は、本開示のいくつかの実施例による、ノイズ推定値の計算例78のフロー図である。計算78は、図6及び図8の推定値計算ステップ104の実行において行われてもよい。
【0061】
図9図10を説明する前に、以下の表記をここに導入する。
・Mは、インパルス応答ベクトル(したがって、ノイズ推定関数)を計算するために使用されるノイズ信号のサブセット内のノイズ信号の数である。
・j=1...Mの、sは、サブセット内のノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号であり、これは、1段階技法の場合、図7を参照して上述したように、元のj番目のノイズ信号に対して修正され得る。
・yは、サブセット内のノイズ信号が受信されている間に所与のチャネルを介して受信されるノイズの表現である。特に、2段階技法の場合、yは、所与のチャネルを介して受信される第1のノイズ信号58(図3)である。1段階技法では、yは抽出されたノイズ信号64(図7)である。
・hはインパルス応答ベクトルである。
・zは信号52である(図2)。
・2段階技法の場合、wは第2のノイズ信号60(図5)のうちのj番目のもの、すなわちsが受信されたのと同じチャネルを介して受信された第2のノイズ信号である。1段階技法の場合、wは、サブセット内の元の(修正されていない)ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である。
・bはノイズ推定値である
(s、y、z、w、bはベクトルであることに留意されたい)。
【0062】
図9によれば、計算68は、行列計算ステップ70から始まり、プロセッサは、j=1...Mの、行列
【0063】
【数1】
を計算し、行列の各々に対して、
【0064】
【数2】
である。次に、連結ステップ72において、プロセッサは、別の行列A
【0065】
【数3】
の連結として計算する。すなわち、プロセッサは、
【0066】
【数4】
となるようにAを計算する。次に、一般逆行列計算ステップ74において、プロセッサは、Aの一般逆行列A を計算する。例えば、A は、Aのムーアペンローズ一般逆行列であり得る。すなわち、
【0067】
【数5】
である。最後に、インパルス応答計算ステップ76において、プロセッサはh=A +*yを計算する。
【0068】
図10を参照すると、計算78は、別の行列計算ステップ80から始まり、プロセッサは、j=1...Mの、行列
【0069】
【数6】
を計算し、行列の各々に対して、
【0070】
【数7】
である。その後、別の連結ステップ82において、プロセッサは、別の行列A
【0071】
【数8】
の連結として計算する。すなわち、プロセッサは、
【0072】
【数9】
となるようにAを計算する。最後に、インパルス応答適用ステップ84において、プロセッサはb=A hを計算する。
【0073】
いくつかの実施例では、それぞれの信号は、N個のチャネルを介して(異なるそれぞれの時間に)受信され、N個のチャネルの各々について、ノイズの除去は、N-1個の他のチャネルを介して受信されたそれぞれのノイズ信号に基づく。そのような実施例では、プロセッサは、インパルス応答行列の形態で、チャネルの全てについてのインパルス応答ベクトルを一度に計算し得る(したがって、図4に示すように各チャネルに対して関数計算ステップ94を別々に実行するのではなく、プロセッサは、チャネルの全てに対して単一の関数計算ステップを実行することができる)。インパルス応答行列を使用して、プロセッサは、各信号から個々にノイズを除去するのではなく、信号の全てからノイズを一度に除去することができる(したがって、図6に示すように各所与のチャネルについて別々に推定値計算ステップ104を実行するのではなく、プロセッサは、チャネルの全てについて信号及び第2のノイズ信号を受信した後、チャネルの全てについて単一の推定値計算ステップを実行することができる)。
【0074】
更なる詳細のために、以下の表記を導入する。
【0075】
【数10】
式中、j=1...Nの、sは、第j番目のチャネルを介して受信された第1のノイズ信号58(図3)である(したがって、SはサイズN×Lであり、Lは各第1のノイズ信号のサンプル単位の長さである)。
・j=1...N、k=1...N、及びj≠kの、
【0076】
【数11】
は、
【0077】
【数12】
となる行列である。
【0078】
【数13】
であり、式中、j=1...Nの、
【0079】
【数14】
は、
【0080】
【数15】
の連結である。
【0081】
【数16】
であり、式中、j=1...Nの、zは、第j番目のチャネルを介して受信された信号である(したがって、ZはサイズN×Lである)。
・wj,kは、zが受信されている間に受信された第2のノイズ信号のうちのk番目のものである。
・j=1...N、k=1...N、及びj≠kの、
【0082】
【数17】
は、
【0083】
【数18】
となる行列である。
【0084】
【数19】
であり、式中、j=1...Nの、
【0085】
【数20】
は、
【0086】
【数21】
の連結である。
【0087】
第1に、プロセッサは
【0088】
【数22】
を計算し得、これはBの一般逆行列(例えば、ムーアペンローズ一般逆行列)である。次に、プロセッサは、インパルス応答行列
【0089】
【数23】
を計算し得、式中h...hは、N個のチャネルに対するそれぞれのインパルス応答ベクトルである。プロセッサは、推定ノイズ行列を
【0090】
【数24】
として更に計算し、次いで、この行列をZから減算してもよい。
【0091】
最適化
次に、本開示のいくつかの実施例による、超音波カテーテル16の概略図である図11を参照する。
【0092】
いくつかの実施例では、所与のチャネルからのノイズの除去は、他のチャネルの全てに依存せず、むしろ、他のチャネルの全てを含まない他のチャネルのグループのみに依存する。例えば、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサにより近い超音波トランスデューサに接続されたチャネルは、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサによって送信された超音波のより多くの量の反射を搬送する可能性が高いので、グループから除外され得る。したがって、例えば、グループ内のチャネルのいずれか1つに接続された超音波トランスデューサの各々は、グループ内にないチャネルのいずれか1つに接続された超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサから遠くにあり得る。
【0093】
例えば、超音波トランスデューサ44bが超音波トランスデューサ44aに比較的近いために、超音波トランスデューサ44bは、超音波トランスデューサ44aによって送信された超音波の反射を受信し変換することができ、すなわち、信号が超音波トランスデューサ44aのチャネルを介して受信されている間に、超音波トランスデューサ44bのチャネル(すなわち、それに接続されているチャネル)を介してノイズ信号を受信することは困難又は不可能であり得る。したがって、超音波トランスデューサ44aのチャネルからノイズを除去するために使用されるチャネルのグループは、超音波トランスデューサ44bのチャネルを除外することができる。他方、グループは、超音波トランスデューサ44aからより遠い別の超音波トランスデューサ44cのチャネルを備えてもよい。
【0094】
代替的又は追加的に、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサから比較的遠い超音波トランスデューサのチャネルは、グループから除外されてもよい。例えば、別の超音波トランスデューサ44dのチャネルは、超音波トランスデューサ44aのチャネルのグループから除外されてもよい。
【0095】
そのような実施例では、より高い効率のために、信号は、所与のチャネルを介して受信され得、及び/又は所与のチャネルからノイズを除去するために使用されるノイズ信号は、他のチャネルのグループから受信され得、超音波反射の変換を含む別の信号は、グループ内にないチャネルの少なくとも1つを介して受信される。
【0096】
例えば、超音波トランスデューサ44aのチャネルに対するノイズ推定関数の計算のために、それぞれの第1のノイズ信号は、超音波トランスデューサ44a及び超音波トランスデューサ44cのチャネルを介して受信され得る。これらのノイズ信号が受信されている間、信号は、トランスデューサ44aのチャネル用の他のチャネルのグループ内にない超音波トランスデューサ44dのチャネルを介して受信され得る。
【0097】
別の実施例として、信号が超音波トランスデューサ44aのチャネルを介して受信され、ノイズ信号(例えば、2段階技法のための第2のノイズ信号)が超音波トランスデューサ44cのチャネルを介して受信され、別の信号が超音波トランスデューサ44bのチャネル及び/又は超音波トランスデューサ44dのチャネルを介して受信されてもよく、その各々は、トランスデューサ44aのチャネル用の他のチャネルのグループにはない。
【0098】
代替的又は追加的に、より高い効率のために、プロセッサは、グループ内のチャネルの1つに接続された超音波トランスデューサの少なくとも1つに、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させてもよい。例えば、2つの超音波トランスデューサは、直交周波数分割多重化などを使用して、異なる周波数で送信することができる。したがって、回路47(図1)は、チャネルを介して、超音波の反射の変換を含む別の信号を受信することができる。次いで、プロセッサは、送信の差に基づいて、この他の信号からノイズを分離することができる。次いで、プロセッサは、分離されたノイズに基づいて、所与のチャネルを介して受信された信号中のノイズを低減し得る。
【0099】
例えば、プロセッサは、超音波トランスデューサ44aに周波数f1で送信させ、超音波トランスデューサ44cに周波数f2で送信させることができる。次いで、プロセッサは、トランスデューサ44cのチャネルを介して受信された信号から周波数f1のノイズを分離し、この分離されたノイズを使用して、超音波トランスデューサ44aのチャネルのノイズ推定関数を学習し、又は推定ノイズ信号を計算することができる。同様に、プロセッサは、周波数f2のノイズを、超音波トランスデューサ44aのチャネルを介して受信された信号から分離し(任意選択で、別の信号が超音波トランスデューサ44cのチャネルを介して受信されている間に)、この分離されたノイズを使用して、超音波トランスデューサ44cのチャネルについてのノイズ推定関数を学習し、又は推定ノイズ信号を計算することができる。
【実施例0100】
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされ得るか又は適用され得る、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得るいかなる特許請求の範囲も限定することを意図するものではないことを、理解されたい。一切の権利放棄が、意図されていない。以下の実施例は、単に例解目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方式で構成及び適用され得ることが、企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることもまた、企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由のためにも追加されているものとみなされるべきではない。
【0101】
(実施例1)
カテーテル(16)上に配置され、異なるそれぞれのチャネル(49)に接続された複数の超音波トランスデューサ(44)と共に使用するためのシステム(10)は、回路(47)及びプロセッサ(48)を備える。回路は、チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換(54)を含む信号(52)を受信し、チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して、信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号(58)を受信するように構成されている。プロセッサは、回路から信号及びノイズ信号を受信することと、信号中のノイズを、ノイズ信号に基づいて、所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数(56)を計算することであって、ノイズ推定関数の各々が、ノイズ信号のサブセットが受信されている間に所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、ノイズ信号のサブセットそれぞれに適用可能である、ことと、ノイズ推定関数を使用して、推定ノイズ信号(62)を計算しすることと、信号から推定ノイズ信号を減算することと、によって低減することと、を行うように構成されている。
【0102】
(実施例2)
回路(47)は、ノイズ信号(58)を受信しながら、信号(52)を受信するように構成され、
プロセッサ(48)は、ノイズ推定関数(56)を、
信号から別のノイズ信号(64)を抽出することと、
受信されたノイズ信号(58)及び抽出されたノイズ信号に基づいてノイズ推定関数を計算することと、によって計算するように構成され、
プロセッサは、ノイズ推定関数を受信されたノイズ信号に適用することによって推定ノイズ信号(62)を計算するように構成されている、実施例1に記載のシステム(10)。
【0103】
(実施例3)
プロセッサ(48)は、別のノイズ信号(64)を、
信号を複数のセグメント(65)にセグメント化することと、
セグメントのうちの他のものよりも少ない超音波反射の変換を含むセグメントのうちの1つ以上を識別することと、
識別されたセグメントから別のノイズ信号を構築することと、によって抽出するように構成されている、実施例2に記載のシステム(10)。
【0104】
(実施例4)
ノイズ信号は、第1のノイズ信号(58)であり、
回路(47)は、第1のノイズ信号を受信する前又は後に信号(52)を受信するように構成され、
回路は、
第1のノイズ信号を受信している間に、所与のチャネルを介して、信号よりも少ない超音波反射の変換を含む別の第1のノイズ信号を受信することと、
信号を受信している間に、チャネルのうちの他のチャネルのグループを介してそれぞれの第2のノイズ信号(60)を受信することと、を行うように更に構成され、
プロセッサは、回路から別の第1のノイズ信号及び第2のノイズ信号を受信するように更に構成され、
プロセッサ(48)は、第1のノイズ信号及び別の第1のノイズ信号に基づいてノイズ推定関数(56)を計算するように構成され、
プロセッサは、ノイズ推定関数を第2のノイズ信号に適用することによって、推定ノイズ信号(62)を計算するように構成されている、実施例1に記載のシステム(10)。
【0105】
(実施例5)
プロセッサ(48)は、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによってノイズ推定関数(56)を計算するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0106】
(実施例6)
プロセッサ(48)は、
j=1...Mの、行列
【0107】
【数25】
を計算することであって、Mはインパルス応答ベクトルに対するサブセット内のノイズ信号(58)の数であり、行列の各々に対して、
【0108】
【数26】
であり、
yは、サブセット内のノイズ信号が受信されている間に所与のチャネルを介して受信されたノイズの表現であり、
は、サブセット内のノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【0109】
【数27】
の連結として計算することと、
の一般逆行列A を計算することと、
インパルス応答ベクトルをA +*yとして計算することと、によって、インパルス応答ベクトルのそれぞれを計算するように構成されている、実施例5に記載のシステム(10)。
【0110】
(実施例7)
プロセッサ(48)は、インパルス応答ベクトルのそれぞれについて、
j=1...Mの、行列
【0111】
【数28】
を計算することであって、Mはインパルス応答ベクトルに対するサブセット内のノイズ信号(58)の数であり、行列の各々に対して、
【0112】
【数29】
であり、
zは信号(52)であり、
は、サブセット内のノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号、又はj番目のノイズ信号が受信されたチャネルを介して信号を受信している間に受信された別のノイズ信号(60)である、ことと、
別の行列A
【0113】
【数30】
の連結として計算することと、
インパルス応答ベクトルにAを乗算することによって、インパルス応答ベクトルのノイズ推定値を計算することと、によって、インパルス応答ベクトルの各ノイズ推定値を計算することによって、推定ノイズ信号(62)を計算するように構成されている、実施例5に記載のシステム(10)。
【0114】
(実施例8)
グループは、チャネル(49)のうちの他の全てを含まない、実施例1~7のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0115】
(実施例9)
グループ内のチャネル(49)のいずれか1つに接続された超音波トランスデューサ(44)の各々は、グループ内にないチャネルのいずれか1つに接続された超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサから遠い、実施例8に記載のシステム(10)。
【0116】
(実施例10)
回路(47)は、グループ内にないチャネル(49)の少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、ノイズ信号(58)を受信するように構成されている、実施例8~9のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0117】
(実施例11)
回路(47)は、グループ内にないチャネル(49)の少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、信号(52)を受信するように構成されている、実施例8~10のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0118】
(実施例12)
プロセッサ(48)は、グループ内のチャネル(49)の1つに接続された超音波トランスデューサ(44)の少なくとも1つに、所与のチャネルに接続された超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させるように更に構成され、
回路(47)は、グループ内のチャネルを介して、超音波の反射の変換を含む別の信号を受信するように更に構成され、
プロセッサは、
回路から別の信号を受信し、
送信の差に基づいて、別の信号からノイズを分離するように更に構成され、
プロセッサは、分離されたノイズに基づいて信号(52)内のノイズを低減するように構成されている、実施例1~11のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0119】
(実施例13)
1つ以上のノイズ推定関数(56)は、ノイズ信号(58)の全てに適用可能な単一のノイズ推定関数からなる、実施例1~12のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0120】
(実施例14)
1つ以上のノイズ推定関数(56)は、複数のノイズ推定関数を含み、プロセッサ(48)は、推定ノイズ信号(62)を、
ノイズ推定関数(56)を使用して、それぞれのノイズ推定値を計算することと、
ノイズ推定値から推定ノイズ信号を計算することと、によって計算するように構成されている、実施例1~12のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0121】
(実施例15)
カテーテル(16)上に配置され、異なるそれぞれのチャネル(49)に接続される複数の超音波トランスデューサ(44)と共に使用するための方法は、チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換(54)を含む信号(52)を受信することを含む。本方法は、チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して、信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号(58)を受信することを更に含む。この方法は、信号中のノイズを、ノイズ信号に基づいて、所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数(56)を計算することであって、ノイズ推定関数の各々が、ノイズ信号のサブセットが受信されている間に所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、ノイズ信号のサブセットそれぞれに適用可能である、ことと、ノイズ推定関数を使用して、推定ノイズ信号(62)を計算することと、信号から推定ノイズ信号を減算することと、によって低減することを更に含む。
【0122】
本開示は、本明細書に具体的に示され、上述されたものに限定されない点が、当業者には理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書において上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上述の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形形態及び修正例を含む。参照により本特許出願に組み込まれた文献は、本出願の不可欠な部分とみなされるべきであり、ただし、これらの組み込まれた文献においていずれかの用語が、本明細書で明示的又は暗黙的になされた定義と矛盾する方法で定義されている限り、本明細書の定義のみが考慮されるべきである。
【0123】
〔実施の態様〕
(1) カテーテル上に配置され、異なるそれぞれのチャネルに接続された複数の超音波トランスデューサと共に使用するためのシステムであって、前記システムが、
回路であって、
前記チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換を含む信号を受信することと、
前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号を、前記チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して受信することと、を行うように構成されている、回路と、
プロセッサであって、
前記回路から前記信号及び前記ノイズ信号を受信することと、
前記信号中のノイズを、
前記ノイズ信号に基づいて、前記所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算することであって、前記ノイズ推定関数の各々が、前記ノイズ信号のサブセットが受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、前記ノイズ信号の前記サブセットそれぞれに適用可能である、ことと、
前記ノイズ推定関数を使い推定ノイズ信号を計算することと、
前記信号から前記推定ノイズ信号を減算することと、
によって低減することと、を行うように構成されている、プロセッサと、を備えるシステム。
(2) 前記回路が、前記ノイズ信号を受信している間に前記信号を受信するように構成され、
前記プロセッサが、
前記信号から別のノイズ信号を抽出することと、
前記受信されたノイズ信号及び前記抽出されたノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することと、
によって前記ノイズ推定関数を計算するように構成され、
前記プロセッサが、前記ノイズ推定関数を前記受信されたノイズ信号に適用することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記プロセッサが、
前記信号を複数のセグメントにセグメント化することと、
前記セグメントのうちの他のものよりも少ない超音波反射の変換を含む前記セグメントのうちの1つ以上を識別することと、
前記識別されたセグメントから前記別のノイズ信号を構築することと、
によって前記別のノイズ信号を抽出するように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記ノイズ信号が、第1のノイズ信号であり、
前記回路が、前記第1のノイズ信号を受信する前又は後に前記信号を受信するように構成され、
前記回路が、
前記第1のノイズ信号を受信している間に、前記所与のチャネルを介して、前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含む別の第1のノイズ信号を受信し、
前記信号を受信している間に、前記チャネルのうちの他のチャネルの前記グループを介してそれぞれの第2のノイズ信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記回路から前記別の第1のノイズ信号及び前記第2のノイズ信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記第1のノイズ信号及び前記別の第1のノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算するように構成され、
前記プロセッサが、前記ノイズ推定関数を前記第2のノイズ信号に適用することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記プロセッサが、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによって前記ノイズ推定関数を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0124】
(6) 前記プロセッサが、
j=1...Mの、行列
【数31】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数32】
であり、
yは、前記サブセット内の前記ノイズ信号が受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの表現であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数33】
の連結として計算することと、
の一般逆行列A を計算することと、
前記インパルス応答ベクトルをA +*yとして計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれを計算するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記プロセッサが、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれについて、
j=1...Mの、行列
【数34】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数35】
であり、
zは前記信号であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号、又は前記j番目のノイズ信号が受信された前記チャネルを介して、前記信号を受信している間に受信された別のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数36】
の連結として計算することと、
前記インパルス応答ベクトルにAを乗算することによって、前記インパルス応答ベクトルの前記ノイズ推定値を計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルの各ノイズ推定値を計算することによって、前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記グループが、前記チャネルのうちの他の全てを含まない、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記グループ内の前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの各々が、前記グループ内にない前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサから遠い、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記回路が、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記ノイズ信号を受信するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
【0125】
(11) 前記回路が、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記信号を受信するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(12) 前記プロセッサが、前記グループ内の前記チャネルの1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つに、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させるように更に構成され、
前記回路が、前記グループ内の前記チャネルを介して、前記超音波の反射の変換を含む別の信号を受信するように更に構成され、
前記プロセッサが、
前記回路から前記別の信号を受信し、
送信の前記差に基づいて、前記別の信号からノイズを分離するように更に構成され、
前記プロセッサが、前記分離されたノイズに基づいて前記信号中の前記ノイズを低減するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(13) 前記1つ以上のノイズ推定関数が、前記ノイズ信号の全てに適用可能な単一のノイズ推定関数からなる、実施態様1に記載のシステム。
(14) 前記1つ以上のノイズ推定関数が、複数のノイズ推定関数を含み、前記プロセッサが、
前記ノイズ推定関数を使用して、それぞれのノイズ推定値を計算することと、
前記ノイズ推定値から前記推定ノイズ信号を計算することと、
によって前記推定ノイズ信号を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(15) カテーテル上に配置され、異なるそれぞれのチャネルに接続された複数の超音波トランスデューサと共に使用するための方法であって、前記方法が、
前記チャネルのうちの任意の所与の1つを介して、超音波反射の変換を含む信号を受信することと、
前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含むそれぞれのノイズ信号を、前記チャネルのうちの他のチャネルのグループを介して受信することと、
前記信号中のノイズを、
前記ノイズ信号に基づいて、前記所与のチャネルについて1つ以上のノイズ推定関数を計算することであって、前記ノイズ推定関数の各々が、前記ノイズ信号のサブセットが受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの推定値を返すように、前記ノイズ信号の前記サブセットそれぞれに適用可能である、ことと、
前記ノイズ推定関数を使い、推定ノイズ信号を計算することと、
前記信号から前記推定ノイズ信号を減算することと、
によって低減することと、を含む、方法。
【0126】
(16) 前記信号を受信することが、前記ノイズ信号を受信している間に前記信号を受信することを含み、
前記ノイズ推定関数を計算することが、
前記信号から別のノイズ信号を抽出することと、
前記受信されたノイズ信号及び前記抽出されたノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することと、を含み、
前記推定ノイズ信号を計算することが、前記ノイズ推定関数を前記受信されたノイズ信号に適用することによって前記推定ノイズ信号を計算することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記別のノイズ信号を抽出することが、
前記信号を複数のセグメントにセグメント化することと、
前記セグメントのうちの他のものよりも少ない超音波反射の変換を含む前記セグメントのうちの1つ以上を識別することと、
前記識別されたセグメントから前記別のノイズ信号を構築することと、を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記ノイズ信号が、第1のノイズ信号であり、
前記信号を受信することが、前記第1のノイズ信号を受信する前又は後に前記信号を受信することを含み、
前記方法が、
前記第1のノイズ信号を受信している間に、前記所与のチャネルを介して、前記信号よりも少ない超音波反射の変換を含む別の第1のノイズ信号を受信することと、
前記信号を受信している間に、前記チャネルのうちの他のチャネルの前記グループを介してそれぞれの第2のノイズ信号を受信することと、を更に含み、
前記ノイズ推定関数を計算することが、前記第1のノイズ信号及び前記別の第1のノイズ信号に基づいて前記ノイズ推定関数を計算することを含み、
前記推定ノイズ信号を計算することが、前記ノイズ推定関数を前記第2のノイズ信号に適用することによって前記推定ノイズ信号を計算することを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記ノイズ推定関数を計算することが、それぞれのインパルス応答ベクトルを計算することによって前記ノイズ推定関数を計算することを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記インパルス応答ベクトルのそれぞれを計算することが、
j=1...Mの、行列
【数37】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数38】
であり、
yは、前記サブセット内の前記ノイズ信号が受信されている間に前記所与のチャネルを介して受信されたノイズの表現であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数39】
の連結として計算することと、
の一般逆行列A を計算することと、
前記インパルス応答ベクトルをA +*yとして計算することと、を含む、実施態様19に記載の方法。
【0127】
(21) 前記推定ノイズ信号を計算することが、前記インパルス応答ベクトルのそれぞれについて、
j=1...Mの、行列
【数40】
を計算することであって、Mは前記インパルス応答ベクトルに対する前記サブセット内の前記ノイズ信号の数であり、前記行列の各々に対して、
【数41】
であり、
zは前記信号であり、
は、前記サブセット内の前記ノイズ信号のうちのj番目のノイズ信号、又は前記j番目のノイズ信号が受信された前記チャネルを介して、前記信号を受信している間に受信された別のノイズ信号である、ことと、
別の行列A
【数42】
の連結として計算することと、
前記インパルス応答ベクトルにAを乗算することによって、前記インパルス応答ベクトルの前記ノイズ推定値を計算することと、
によって、前記インパルス応答ベクトルの各ノイズ推定値を計算することを含む、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記グループが、前記チャネルのうちの他の全てを含まない、実施態様15に記載の方法。
(23) 前記グループ内の前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの各々が、前記グループ内にない前記チャネルのいずれか1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つよりも、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサから遠い、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記ノイズ信号を受信することが、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記ノイズ信号を受信することを含む、実施態様22に記載の方法。
(25) 前記信号を受信することが、前記グループ内にない前記チャネルの少なくとも1つを介して、超音波反射の別の変換を含む別の信号を受信しながら、前記信号を受信することを含む、実施態様22に記載の方法。
【0128】
(26) 前記グループ内の前記チャネルの1つに接続された前記超音波トランスデューサの少なくとも1つに、前記所与のチャネルに接続された前記超音波トランスデューサとは異なるように超音波を送信させることと、
前記グループ内の前記チャネルを介して、前記超音波の反射の変換を含む別の信号を受信することと、
送信の前記差に基づいて、前記別の信号からノイズを分離することと、を更に含み、
前記信号中の前記ノイズを低減することが、前記分離されたノイズに基づいて前記信号中の前記ノイズを低減することを含む、実施態様15に記載の方法。
(27) 前記1つ以上のノイズ推定関数が、前記ノイズ信号の全てに適用可能な単一のノイズ推定関数からなる、実施態様15に記載の方法。
(28) 前記1つ以上のノイズ推定関数が、複数のノイズ推定関数を含み、前記推定ノイズ信号を計算することが、
前記ノイズ推定関数を使用して、それぞれのノイズ推定値を計算することと、
前記ノイズ推定値から前記推定ノイズ信号を計算することと、を含む、実施態様15に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】