(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163097
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】付加製造装置のプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
B29C 64/209 20170101AFI20241114BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241114BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20241114BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241114BHJP
B29C 64/277 20170101ALI20241114BHJP
【FI】
B29C64/209
B33Y30/00
B29C64/153
B33Y10/00
B29C64/277
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077117
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】63/465,388
(32)【優先日】2023-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド スコット シメルモン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジョセフ スティール
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン トーマス トンプソン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL43
4F213WL76
4F213WL85
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】 (修正有)
【課題】付加製造装置のためのプリントヘッドが開示される。
【解決手段】プリントヘッドはハウジング(130)を含む。投射要素(116)はハウジング(130)に配置され、ビームエミッタからの1つ以上のレーザビームを受け取り、複数の投射レーザビーム(118)をパターン(122)で投射するように構成されている。統合光学部品(124)は、ハウジング(130)に配置され、投射要素(116)の下に配置される。統合光学部品(124)は、複数の投射レーザビーム(118)のパターン(122)を投射レーザビーム(126)の統合パターンに統合するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに配置された投射要素であって、ビームエミッタからの1つ以上のレーザビームを受け取り、複数の投射レーザビームをパターンで投射するように構成されている投射要素と、
前記ハウジングに配置され、前記投射要素の下に配置されている統合光学部品であって、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合するように構成されている、統合光学部品と、
を含む、
付加製造装置のプリントヘッド。
【請求項2】
前記ビームエミッタの遠位端であって、前記ハウジングに配置されているコリメータと、
前記コリメータの下であって、前記ハウジングに配置されているビームホモジナイザと、
前記ビームホモジナイザの下であって、前記ハウジングに配置されている転向光学部品と、
をさらに含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項3】
前記投射要素の下に配置されている1つ以上の結像光学部品をさらに含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項4】
前記プリントヘッドの前記ハウジングに配置されているヒートシンクをさらに含み、
前記投射要素は、1つまたは複数の前記レーザビームの一部分を、前記プリントヘッドの前記ハウジングに配置されている前記ヒートシンクに向けるようにさらに構成されている、
請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項5】
1つ以上の前記レーザビームを生成するように構成されている複数のビームエミッタをさらに含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項6】
前記ビームエミッタによって生成される1つ以上の前記レーザビームは、自由空間レーザビームである、
請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項7】
前記ハウジングに配置されている2つ以上の投射要素をさらに含む、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項8】
前記統合光学部品は、投射要素に一体化されている、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項9】
粉末状ビルドマテリアルを支持するビルドプラットフォームであって、前記粉末状ビルドマテリアルは、前記ビルドプラットフォームのビルド平面を画定する、ビルドプラットフォームと、
プリントヘッドと、
を含み、
前記プリントヘッドは、
ハウジングと、
1つ以上のレーザビームを生成するように構成されているビームエミッタと、
前記ハウジングに配置されている投射要素であって、1つ以上の前記レーザビームを受け取り、複数の投射レーザビームをパターンで投射するように構成されている、投射要素と、
前記ハウジングに配置され、前記投射要素の下に配置されている統合光学部品であって、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合するように構成されている、統合光学部品と、
を含み、
前記プリントヘッドは、投射レーザビームの前記統合パターンを前記ビルド平面上に向け、投射レーザビームの前記統合パターンにより、前記粉末状ビルドマテリアルの一部分を前記ビルド平面で溶融するように構成されている、
付加製造装置。
【請求項10】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されているコリメータをさらに含み、
前記コリメータは、前記ビームエミッタに光学的に結合されている、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項11】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されているビームホモジナイザをさらに含み、
前記ビームホモジナイザは、前記コリメータに光学的に結合されている、
請求項10に記載の付加製造装置。
【請求項12】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されている転向光学部品をさらに含み、
前記転向光学部品は、前記ビームホモジナイザに光学的に結合され、1つ以上の前記レーザビームを前記投射要素に向けるように構成されている、
請求項11に記載の付加製造装置。
【請求項13】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されている1つ以上の結像光学部品をさらに含み、
1つ以上の前記結像光学部品は、前記投射要素に光学的に結合されている、
請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項14】
前記投射要素がデジタルマイクロミラー装置である、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項15】
前記投射要素によって投射される複数の前記投射レーザビームの前記パターンを制御するコンピューティングデバイスをさらに含む、
請求項9に記載の付加製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は概して、付加製造装置に関し、より具体的には、1つまたは複数のレーザビームを付加製造装置のビルド平面に送出する自己完結型プリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造装置を利用して、有機または無機粉末などのビルドマテリアルから層状にオブジェクトをビルドすることができる。付加製造法としては、例えば、レーザ粉末床溶融システムが挙げられる。いくつかの用途では、付加製造装置がファイバレーザ、コリメータ、調整可能なビーム焦点アセンブリ、およびガルバノメータ上に取り付けられたミラーをそれぞれが含む1つまたは複数のスキャナアセンブリを使用して、ビルド平面上でレーザビームを合焦および走査し、ビルド平面でビルドマテリアルを溶融または融解する。これらのスキャナアセンブリは費用がかかり、整備および維持が困難である。ビルドマテリアルの圧密速度は、追加のスキャナアセンブリを追加することによって生成される熱負荷および煤のために、わずかに増加させることができるだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、多数のレーザビームを操作してビルド平面でビルドマテリアルを溶融または融解させるために利用される、より経済的で自己完結型のプリントヘッドを含む付加製造装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、付加製造装置のプリントヘッドであって、ハウジングと、前記ハウジングに配置された投射要素であって、ビームエミッタによって生成された1つ以上のレーザビームを受け取り、複数の投射レーザビームをパターンで投射するように構成されている投射要素と、前記ハウジングに配置され、前記投射要素の下に配置されている統合光学部品であって、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合するように構成されている、統合光学部品と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、プリントヘッドを含む付加製造装置の側面図を概略的に示す。
【
図2】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1のプリントヘッドを含むプリントアセンブリの斜視図を概略的に示す。
【
図3】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される
図2のプリントヘッドの側面図を概略的に示す。
【
図4】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のプリントヘッドの、それぞれ、投射要素および統合光学部品によって生成される、像平面および圧密像平面の上面図を概略的に描写する。
【
図5】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図6】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図7】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図8】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図9】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図10】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置と共に使用される別のプリントヘッドの側面図を概略的に描写する。
【
図11】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の付加製造装置のビルド平面にマルチレーザビームを送出するための流れ図を概略的に描写する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面に示される実施形態は本質的に例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照符号で示されている以下の図面と併せて読むと理解することができる。
【0007】
本明細書で説明される実施形態は、様々なパワーおよび/または波長の1つまたは複数の光源を含む自己完結型プリントヘッドを対象とする。本プリントヘッドは付加製造装置と併せて使用することができ、スキャナごとの従来の単一ビーム手法の代わりに、多数のレーザビームを利用して粉末状のビルドマテリアルを融合することができる。この方法は、よりエネルギ効率が良く、付加製造装置においてより少ない煤を生成する。さらに、従来のスキャナと比較して、このプロセスはより安価であり、より堅牢であり、設置前に較正することができる。加えて、プリントヘッドはモジュール式であり、追加のモジュールを追加することによって付加製造装置のビルド領域を増加させることができる。粉末を溶融させるのに十分なエネルギのみが加えられるので、煤の懸念なしに、溶接ゾーンから排出される材料を低減させて、追加のモジュールを加えることができる。このように、本プリントヘッドは、粉末状のビルドマテリアルの圧密速度を増大させ、付加製造装置によって製造され得る部品の寸法を増大させるように拡張可能である。溶接領域の粉体加工及び前後加熱のためのビームシェーピング、結合、ステアリング、及びデリバリーオプティクスは、プリントヘッド内に含まれる。
【0008】
プリントヘッドは一般に、ハウジングと、1つ以上のレーザビームを生成するためのビームエミッタと、1つ以上のレーザビームを受け取り、複数のレーザビームをパターンで投射するように構成されたハウジング内に配置された投射要素と、複数のレーザビームのパターンをレーザビームの統合パターンに統合するように構成された統合光学部品とを含む。いくつかの実施形態では、ビームエミッタがハウジング内に配置される。他の実施形態では、ビームエミッタがハウジングの外側に配置され、1つまたは複数のレーザビームをハウジングに送出する送出媒体(例えば、ファイバ)に結合されたレーザ源である。さらなる実施形態ではビームエミッタがハウジングの外側に配置されたレーザ源であり、ビームエミッタは自由空間を通して1つまたは複数のレーザビームをハウジングに送出する。本プリントヘッドは、付加製造装置のビルド平面に多数のレーザビームを照射するための装置を提供する。複数のレーザビームをビルド平面及びプリントヘッドに送出するための方法の様々な実施形態、ならびに複数のレーザビームをビルド平面及びプリントヘッドに送出するための方法の動作について、本明細書でより詳しく説明する。可能な場合は常に、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照符号が使用される。
【0009】
特に明示的に記載されない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されない。したがって、方法クレームが実際にそのステップに従うべき順序を列挙していない場合、または任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に対する順序または向きを列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことが、特許請求の範囲または説明において別段具体的に述べられていない場合、順序または向きがいかなる点においても推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の問題、文法的編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的基礎に当てはまる。
【0010】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」などは、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「1つの」構成要素への言及は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0011】
ここで
図1を参照すると、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による製造装置10が示されている。製造装置10は、概して、ビルド領域またはビルドプラットフォーム14、サプライプラットフォーム16、リコートアセンブリ18、およびプリントアセンブリ20を含むことができる。リコートアセンブリ18およびプリントアセンブリ20は、製造装置10のレール26に結合され、第1アクチュエータアセンブリ28の作動に応じてレール26に沿って並進するように構成される。第1アクチュエータアセンブリ28は、製造装置10の作業軸30に沿ったリコートアセンブリ18およびプリントアセンブリ20の独立した制御を容易にするように構成されてもよい。作業軸30は本明細書では「長手方向軸」(すなわち、図に示すように座標軸のX軸に沿って延びる)とも呼ばれる。これにより、リコートアセンブリ18及びプリントアセンブリ20は製造装置10の作業軸30を同じ方向及び/又は逆方向に横断し、リコートアセンブリ18及びプリントアセンブリ20は、製造装置10の作業軸30を様々な速度及び/又は同じ速度で横断することができる。
【0012】
本明細書に記載の実施形態ではビルドプラットフォーム14、サプライプラットフォーム16、リコートアセンブリ18、およびプリントアセンブリ20は製造装置10の作業軸30に沿って、作業軸30の-X方向の端部に近接して位置するプリントアセンブリ20のホームポジション34と、作業軸30の+X方向の端部に近接して位置するリコートアセンブリ18のホームポジション32との間に直列に配置される。実施形態では、ビルドプラットフォーム14がプリントアセンブリ20のホームポジション34と、製造装置10の作業軸30に沿ったサプライプラットフォーム16との間に配置される。
【0013】
実施形態では、第2アクチュエータアセンブリ36が縦軸(すなわち、作業軸30)に対して概ね垂直で横軸(すなわち、図に示されるような座標軸の+/-Y軸に沿って延びる)に沿ったプリントアセンブリ20の独立制御を容易にするように構成され得る。第1アクチュエータアセンブリ28および第2アクチュエータアセンブリ36は一般に、プリントヘッド位置制御アセンブリと呼ばれる。すなわち、プリントヘッド位置制御アセンブリは、プリントヘッドを縦軸に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータアセンブリ28と、プリントヘッドを横軸に沿って移動させるように構成された第2アクチュエータアセンブリ36とを含む。プリントヘッド位置制御アセンブリは、電子制御ユニットなどの制御装置38によって生成されるシグナルを介して制御されてもよい。電子制御ユニットは、プロセッサと、非一時的コンピュータ可読メモリとを含み得る。
【0014】
プリントアセンブリ20は、特徴的に、支持ブラケット40および1つまたは複数のプリントヘッド104を備える。支持ブラケット40は製造装置10のレール26及び第1アクチュエータアセンブリ28に移動可能に結合され、プリントヘッド104は第2アクチュエータアセンブリ36を介して支持ブラケット40に移動可能に結合される。
【0015】
以下に説明するように、製造装置10は製造装置10内に配置された1つ以上のワークピース(図示せず)のビルド平面54を、プリントヘッド104から放射される1つ以上の電磁放射ビーム106(例えば、レーザビーム)で走査するために使用される。さらに、製造装置10は走査されたワークピースのそれぞれに1つ以上の層を付加的にプリントする(すなわち、付加製造技術を使用する)ために使用される。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「付加製造」又は「付加製造技術又は方法」は、マテリアルの連続層が互いに上に堆積されて、層ごとに3次元構成要素をビルドする製造工程を指す。連続する層は溶融または融解され、モノリシックまたは一体化した部品を形成する。
【0017】
いくつかの実施形態では、製造装置10が直接金属レーザ溶融(DMLM)または直接金属レーザ焼結(DMLS)などの粉末床溶融(PBF)技術を使用する。そのような実施形態では、ワークピースの層がビルドマテリアルまたは粉末48の第1層をビルド平面54に溶融または融解すること、第1層の上の粉末の第2層を溶融または融解することなどによって付加的にプリントされる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ワークピースがビルド平面54に粉末の単一層を溶融または融解させることによって付加的にプリントされてもよい。さらに、代替実施形態では、製造装置10が任意の他の好適な付加製造技術または工程を使用することができる。
【0018】
リコートアセンブリ18は、ビルドプラットフォーム14およびサプライプラットフォーム16上への粉末48の分配を容易にするように構築される。ビルドプラットフォーム14はビルドプラットフォームアクチュエータ50に結合され、製造装置10の作業軸30に対して、垂直方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-Z軸に平行な方向)にビルドプラットフォーム14を昇降させることを容易にする。ビルドプラットフォーム14およびビルドプラットフォームアクチュエータ50は製造装置10の作業軸30の下方(すなわち、図に示す座標軸の-Z方向)に位置するビルド容器52内に配置される。製造装置10の動作中、リコートアセンブリ18は、粉末48がビルド平面(図示のラインで示す)54を形成するまで、ビルド容器52に粉末48を充填する。次に、リコートアセンブリ18は、ビルド平面54を横切って粉末48の層を広げる。次に、粉末48の層は、電磁放射ビーム106を使用して、ビルド平面54に沿って溶融又は融合されて、ワークピースの第1層を形成する。その後、ビルドプラットフォーム14を下降させて(例えば、矢印で示すように)、リコートアセンブリ18がビルド平面54を横切って粉末48の別の層を広げる。次いで、この層は、1つまたは複数のレーザビーム106を使用して第1層に溶融または融解されて、ワークピースの第2層などを形成することができる。
【0019】
さらに
図1を参照すると、サプライプラットフォーム16はサプライプラットフォームアクチュエータ56に結合され、垂直方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-Z軸に平行な方向)に製造装置10の作業軸30に対してサプライプラットフォーム16を昇降させることを容易にする。サプライプラットフォーム16およびサプライプラットフォームアクチュエータ56は製造装置10の作業軸30の下方(すなわち、図に示す座標軸の-Z方向)に位置するサプライ容器58内に配置される。製造装置10の動作中、サプライプラットフォーム16は、粉末48の層がサプライプラットフォーム16からビルドプラットフォーム14に分配された後、サプライプラットフォームアクチュエータ56の動作によって、サプライ容器58に対して、製造装置10の作業軸30に向かって上昇する。
【0020】
プリントアセンブリ20はプリントアセンブリ20が製造装置10の作業軸30に沿ってビルドプラットフォーム14を横断するときに、ビルドプラットフォーム14上の粉末48の層上に1つ以上のレーザビーム106を向けるように構成される。概して、プリントヘッド104はビルド平面54において1つまたは複数のレーザビーム106を生成および方向付けし、これにより、ビルドプラットフォーム14にわたって広がる粉末48を溶融/融解させることができる。
【0021】
示されるように、いくつかの実施形態では、それぞれのプリントヘッド104がビームエミッタ108を含む。より具体的には以下でさらに詳細に説明するように、ビームエミッタ108は最終的にビルド平面54上の特定の位置に向けられる1つまたは複数のレーザビーム106を放出する。この点に関して、ワークピースを付加的にプリントするとき、プリントヘッド104は、粉末48を溶融または融解させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部分の上でレーザビーム106を走査する。さらに、以下に詳述するように、それぞれのプリントヘッド104は放射されたレーザビーム106をコリメートし、合焦し、方向付けるように構成された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。
【0022】
製造装置10は、任意の好適な個数のプリントヘッド104を含むことができる。例えば、図示の実施形態では、製造装置10が1つのプリントヘッド104を含む。しかしながら、代替実施形態では、製造装置10が2つのプリントヘッド104または3つ以上のプリントヘッド104を含んでもよい。多重プリントヘッド104は、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って直線状及び/又は千鳥状を含む様々な構成で配置することができる。
【0023】
さらに
図1を参照すると、製造装置10は、第1アクチュエータアセンブリ28、第2アクチュエータアセンブリ36、リコートアセンブリ18、および/またはプリントアセンブリ20に通信可能に結合された制御装置38をさらに含むことができる。実施形態では、制御装置38が通信コンジット64を介して製造装置10に結合される。しかしながら、他の実施形態では、制御装置38が例えば、無線接続を介してなど、様々な他の手段またはシステムを介して製造装置10に通信可能に結合され得ることを理解されたい。電子制御ユニットとも呼ばれ得る制御装置38は、プロセッサと、その上に記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令を含む非一時的メモリとを備える。本明細書に記載の動作を含む、製造装置10の任意の動作は制御装置38のプロセッサによって実行されたときに、制御装置38の非一時的メモリに記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令によって実行され得る。例えば、1つまたは複数のアクチュエータは制御装置38のプロセッサによって実行されたときに、制御装置38の非一時的メモリに記憶されたコンピュータ可読および実行可能命令によって作動されて、プリントアセンブリ20を動作させることができる。
【0024】
実施形態では、制御装置38がコンピューティングデバイス65に、任意選択的に、ネットワーク66を介して、または有線又は無線接続点などの通信リンクを介して直接的に、さらに通信可能に結合されてもよい。コンピューティングデバイス65はスライシングエンジンなどと同様に、CADまたは他の関連する3次元ドラフティングおよびレンダリングシステムを実装することなどによって、製造装置10を用いてコンポーネントをビルドするための実行可能命令を生成することなどの処理を実行するように構成され得る。
【0025】
さらに、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス65が通信コンジット64を介してプリントヘッド104に通信可能に結合され得る。したがって、コンピューティングデバイス65は1つまたは複数のレーザビーム106が生成され、合焦され、ビルド平面54にわたって走査されるように、プリントヘッド104の動作を制御するように構成され得る。コンピューティングデバイス65はまた、ビーム106がビルド平面54を横切って走査されるときに、プリントヘッド104からビルドプラットフォーム14に対するビーム106の位置に関連するデータを受信する。
【0026】
上述され、
図1に示される製造装置10の構成は、本主題を例示的な使用分野に置くためにのみ提供される。したがって、本主題は、様々な付加製造技法を使用する付加製造マシンを含む、任意の方式の付加製造マシンに容易に適応可能であり得る。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるプリントアセンブリ20の一部分の斜視図である。プリントアセンブリ20は、上述のように製造装置10のレール26に結合される。ここに示されるプリントアセンブリ20の一部分は、プリントヘッド104である。プリントヘッド104は放出されたレーザビーム106をコリメートし、合焦し、方向付けるように構成された1つ以上の構成要素を保護するハウジング130を含む。さらに、煤収集システム140は、ハウジング130の外部に取り付けられ、1つまたは複数の煤収集ヘッド144a、144bにそれぞれ接続された1つまたは複数の煤収集チューブ142a、142bを含む。煤収集ヘッド144a、144bは、プリントヘッド104の両側に配置され、ビルド平面54に近接して配置されて、粉末の溶融/融解中に発生する煤を収集する。煤収集ヘッド144a、144bはまた、煤を除去するが、ビルド平面54の表面を乱されないままにする速度で、ビルド平面54を横切るプロセスガスの層流を提供するための幾何学的特徴を含む。煤収集チューブ142a、142bは、続いて、煤をビルド平面54から適切なフィルタまたは収集容器(図示せず)に移送する。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス65がプリントヘッド104に通信可能に結合され得る。したがって、コンピューティングデバイス65は煤収集システム140が本明細書に記載されるように機能することができるように、プリントヘッド104の動作を制御するように構成され得る。
【0028】
図3は本発明によるプリントヘッド104の一実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド104は自己完結型であり、概して、放出されたレーザビーム106を平行にし、ビルド平面54上に焦点を合わせるように構成された光学構成要素を含む。特に、プリントヘッド104はコリメータ110に光学的に結合された1つ以上のビームエミッタ108を含み、これは、統合光学部品124に光学的に結合された結像光学部品120に光学的に結合された投射要素116(例えば、特殊光変調器(「SLM」))に光学的に結合された転向光学部品114に光学的に結合されたビームホモジナイザ112に光学的に結合される。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ108がファイバ結合レーザダイオードである。自己完結型プリントヘッド104内の追加の構成要素は、投射要素116と光学的に結合されるエネルギ回収装置128を含む。ビームエミッタ108、コリメータ110、ビームホモジナイザ112、転向光学部品114、投射要素116、結像光学部品120、統合光学部品124、およびエネルギ回収装置128の各々は、適切なブラケットおよび/またはファスナ(図示せず)を使用して、ハウジング130内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング130は、前面132と、上面134と、裏面136と、底面138とを有する。
【0029】
ビームエミッタ108は概して、ハウジング130の上面134に沿って延在し、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのレーザビーム106を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ108がハウジング130内に配置される。他の実施形態では、ビームエミッタがハウジング130の外側に配置され、1つまたは複数のレーザビームをハウジングに送出する送出媒体(例えば、ファイバ)に結合されたレーザ源(図示せず)である。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ108がファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、ダイレクトダイオードまたはファイバ送出ダイレクトダイオード、ラマンファイバレーザ、およびいくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の好適な種類のレーザを含むことができる。さらに、プリントヘッド104は単一のビームエミッタ108を含むものとして示され、説明されているが、プリントヘッド104は2つ以上のビームエミッタを含むことができる。一実施形態では例えば、プリントヘッド104は第1出力または波長を有する第1ビームエミッタと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタと、または実質的に同じ出力および波長を有する少なくとも2つのビームエミッタとを含み得る。さらに他の実施形態では、プリントヘッド104が製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の組合せのビームエミッタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス65がプリントヘッド104に通信可能に結合され得る。したがって、コンピューティングデバイス65はプリントヘッド104が本明細書で説明されるように機能することができるように、ビームエミッタ108の動作を制御するように構成され得る。
【0030】
プリントヘッド104の動作中、ビームエミッタ108は最初に、レーザビーム106を、ビームエミッタ108の遠位端に配置され、ハウジング130の裏面136に近接して位置するコリメータ110に送出する。コリメータ110は、ファイバ結合ビームエミッタ108によって出力された高発散レーザビームを、ファイバ結合ビームエミッタ108に整合されたレンズシステム(図示せず)を使用して、十分にコリメートされた平行な低発散ビームに変換するように構成される。
【0031】
コリメータ110によるコリメーションの後、レーザビーム106はラウンドガウスまたは近ガウスのエネルギ分布またはプロファイルを有し、ビームホモジナイザ112に送出される。ビームホモジナイザは一般に、コリメータ110の下に配置され、ハウジング130の裏側136にも隣接して配置される。ビームホモジナイザ112は、コリメートされたレーザビーム106のラウンドガウスプロファイルを、投射要素116に一致する均一なエネルギ分布を有するように変換する。言い換えれば、ビームホモジナイザ112による均質化の後、レーザビーム106は均一なエネルギ分布を有する。
【0032】
ビームホモジナイザ112による均質化の後、均一なエネルギ分布を有するレーザビーム106は、転向光学部品114に向けられる。転向光学部品114は一般に、ビームホモジナイザ112の下に配置され、ハウジング130の裏側136に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、転向光学部品114が誘電体ミラーまたはプリズムである。転向光学部品114は、均一なエネルギ分布を有するレーザビーム106を投射要素116に向け直す。
【0033】
均一なエネルギ分布を有するレーザビーム106が投射要素116に到達すると、投射要素116は、像またはラインを形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム118を投射する。投射要素116は、概して、その前面132と後面134との間でハウジング130の上面134に隣接して配置される。さらに、投射要素116は、転向光学部品114の上方に配置される。投射要素116は、レーザビーム106のエネルギによって生成される熱から投射要素116を冷却するための冷却要素117に結合される。いくつかの実施態様において、投射要素116は、デジタルマイクロミラー装置(「DMD」)である。他の実施形態では、投射要素116が液晶ディスプレイ(「LCD」)プロジェクタ、液晶オンシリコン(「LCOS」)プロジェクタ、または他のSLMである。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス65がプリントヘッド104に通信可能に結合され得る。したがって、コンピューティングデバイス65は投射要素116が本明細書で説明されるように機能できるように、プリントヘッド104の動作を制御するように構成され得る。特に、コンピューティングデバイス65は、投射要素116によって投射される複数のレーザビームの模様を制御するように構成されてもよい。
【0034】
さらに、均一なエネルギ分布を有するレーザビーム106が投射要素116に到達すると、投射要素116は、レーザビーム106の一部をエネルギ回収装置128に向ける。エネルギ回収装置128は一般に、ハウジング130の前面132に隣接して配置され、投射要素116の下に位置する。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置128がヒートシンクまたは熱交換器である。エネルギ回収装置128は、投射要素116によって使用されない任意のエネルギを回収するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置128によって回収されたエネルギが粉末48の予熱または後加熱のために使用される。他の実施形態では、エネルギ回収装置128がエネルギ回収装置128によって回収されたエネルギから電力を生成し、製造装置10内で再利用することができる光電池(図示せず)を含む。さらなる実施形態では、エネルギ回収装置128がエネルギ回収装置128によって回収されたエネルギを製造装置10から除去するビームダンプである。
【0035】
次に、投射要素116によって生成された複数のレーザビーム118は、投射要素116の下に配置された結像光学部品120に向けられる。結像光学部品120は、複数のレーザビーム118によって形成されるパターンの倍率をレーザビーム122の拡大パターンに変更する透過性又は反射性要素から構成される。例えば、
図4を参照すると、長方形の像平面「A」を有する像を形成するためのレーザビーム122の拡大パターンの上面図が示されている。しかしながら、レーザビーム122の拡大パターンは、所望に応じて、複数の異なる形状またはサイズの像平面を有する任意の像を形成し得ることを理解されたい。
【0036】
結像光学部品120は、レーザビーム122の拡大されたパターンを統合光学部品124に送出する。統合光学部品124は、結像光学部品120の下に配置され、ハウジング130の底面138に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、統合光学部品124が円柱レンズまたは合焦回折光学部品である。統合光学部品124は、レーザビーム122の拡大パターンを、ビルド平面54においてレーザビーム126の統合パターンに統合させるために使用される。例えば、
図4を参照すると、線形像平面「B」を有する像を形成するためのレーザビーム126の統合されたパターンの上面図が示されている。しかしながら、レーザビーム126の統合パターンは、所望に応じて、複数の異なる形状またはサイズの像平面を有する任意の像を形成し得ることを理解されたい。したがって、プリントヘッド104は、粉末を溶融または融解させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部の上で、レーザビーム126の統合されたパターンを走査する。
【0037】
図5は本発明によるプリントヘッド204の別の実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド204は自己完結型であり、概して、1つまたは複数の放射ビーム(単数または複数)206a~206cをビルド平面54上にコリメートおよび合焦させるように構成された光学構成要素を含む。プリントヘッド204は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0038】
特に、プリントヘッド204は複数のコリメータ210a、210b、210cに光学的に結合された複数のビームエミッタ208a~208cを含み、これは、統合光学部品224に光学的に結合された結像光学部品220に光学的に結合された投射要素216(例えば、SLM)に光学的に結合された転向光学部品214に光学的に結合されたビームホモジナイザ212に光学的に結合される。いくつかの実施形態では、ビームホモジナイザ212が各レーザビーム206a~206cを同様に均質化するように構成された単一のホモジナイザである。他の実施形態ではビームホモジナイザ212が複数のビームホモジナイザ212を含み、各ビームホモジナイザ212はレーザビーム206a~206cのそれぞれ1つを別個に均質化するように構成される。自己完結型プリントヘッド204内の追加の構成要素は、投射要素216と光学的に結合されるエネルギ回収装置228を含む。複数のビームエミッタ208a~208c、複数のコリメータ210a~210c、ビームホモジナイザ212、転向光学部品214、投射要素216、結像光学部品220、統合光学部品224、およびエネルギ回収装置228の各々は、適切なブラケットおよび/またはファスナ(図示せず)を使用して、ハウジング230内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング230は、前面232と、上面234と、裏面236と、底面238とを有する。
【0039】
複数のビームエミッタ208a~208cは、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのレーザビーム206a~206cをそれぞれ生成するように構成される。複数のビームエミッタは一般に、ハウジング230の上面234に沿って配置され、その裏面236に隣接して配置される。上述のプリントヘッド104のように、いくつかの実施形態では、ビームエミッタ208~208cがファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、ダイレクトダイオードまたはファイバ送出ダイレクトダイオード、ラマンファイバレーザ、いくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO
2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切なタイプのレーザを含むことができる。
図5に示すように、いくつかの実施形態では、複数のビームエミッタ208a~208cが第1出力または波長を有する第1ビームエミッタ208aと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタ208bと、第1および第2レーザ出力または波長とは異なる第3の出力または波長を有する第3のビームエミッタ208cとを含み得る。
【0040】
プリントヘッド204の動作中、複数のビームエミッタ208a~208cは、まず、複数のコリメータ210a~210cにそれぞれレーザビーム206a~206cを供給する。複数のコリメータ210a~210cは一般に、複数のビームエミッタ208a~208cの下に配置され、ハウジング230の裏面236に隣接して配置される。複数のコリメータ210a~210cは、ビームエミッタ208~208cによって出力された各高発散レーザビーム206a~206cを、レンズ系(図示せず)を使用して、十分にコリメートされた平行な低発散ビームに変換するように構成される。
【0041】
複数のコリメータ210a~210cによるコリメーションの後、レーザビーム206a~206cはラウンドガウスまたは近ガウスのエネルギ分布またはプロファイルを有し、ビームホモジナイザ212に送出される。ビームホモジナイザ212は一般に、複数のコリメータ210a~210cの下に配置され、ハウジング230の背面236に隣接して配置される。ビームホモジナイザ212は、コリメートされたビーム206a~206cの各ラウンドガウスプロファイルを変換して、投射要素216に一致する均一なエネルギ分布を有する。さらに、ビームホモジナイザ212は、各レーザビーム206a~206cを単一のレーザビーム206に結合する。
【0042】
ビームホモジナイザ212による均質化の後、均一なエネルギ分布を有する単一のレーザビーム206が、転向光学部品214に送出される。転向光学部品214は一般に、ビームホモジナイザ212の下に配置され、ハウジング230の裏側236に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、転向光学部品214が誘電体ミラーまたはプリズムである。転向光学部品214は、均一なエネルギ分布を有するレーザビーム206を投射要素216に向け直す。
【0043】
均一なエネルギ分布を有するレーザビーム206が投射要素216に到達すると、投射要素216は、像またはラインを形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム218を投射する。投射要素216は、概して、その前面232と後面234との間でハウジング230の上面234に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、投射要素216はSLMである。投射要素116は、レーザビーム206のエネルギによって生成される熱から投射要素216を冷却するための冷却要素217に結合される。
【0044】
さらに、均一なエネルギ分布を有するレーザビーム206が投射要素216に到達すると、投射要素216は、レーザビーム206の一部をエネルギ回収装置228に向ける。エネルギ回収装置228は一般に、ハウジング230の前面232に隣接して配置され、投射要素216の下に位置する。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置228がヒートシンクまたは熱交換器である。エネルギ回収装置228は、投射要素216によって使用されないエネルギを回収するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置228によって回収されたエネルギが粉末48の予熱または後加熱のために使用される。他の実施形態では、エネルギ回収装置228がエネルギ回収装置228によって回収されたエネルギから電力を生成し、製造装置10内で再利用することができる光電池(図示せず)を含む。さらなる実施形態では、エネルギ回収装置228がエネルギ回収装置228によって回収されたエネルギを製造装置10から除去するビームダンプである。
【0045】
次に、投射要素216によって生成された複数のレーザビーム218は、投射要素216の下に配置された結像光学部品220に向けられる。結像光学部品220は、複数のレーザビーム218によって形成されるパターンの倍率をレーザビーム222の拡大パターンに変更する透過性又は反射性要素から構成される。例えば、レーザビーム222の拡大パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム122の拡大パターンと同様の像を形成することができる。
【0046】
結像光学部品220は、レーザビーム222の拡大されたパターンを統合光学部品224に送出する。統合光学部品224は一般に、結像光学部品220の下に配置され、ハウジング230の底面238に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、統合光学部品224が円柱レンズまたは合焦回折光学部品である。統合光学部品224は、レーザビーム222の拡大パターンを、ビルド平面54においてレーザビーム226の統合パターンに統合させるために使用される。例えば、レーザビーム226の統合パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム126の統合パターンと同様の像を形成することができる。したがって、プリントヘッド204は、粉末を溶融または融合させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部の上で、レーザビーム226の統合されたパターンを走査する。
【0047】
図6は本発明によるプリントヘッド304のさらに別の実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド304は自己完結型であり、一般に、放射されたレーザビーム306を粉体のビルド平面54上にコリメートし、合焦させるように構成された光学構成要素を含む。プリントヘッド304は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0048】
特に、プリントヘッド304は統合光学部品324に光学的に結合された結像光学部品320に光学的に結合された投射要素316(例えば、SLM)に光学的に結合されたビームホモジナイザ312に光学的に結合された転向光学部品314に光学的に結合された1つ以上のビームエミッタ308を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ビームエミッタ308が、伝送媒体がガラス(例えば、光ファイバケーブル内のガラス)ではなく空気(「自由空間」)である自由空間レーザビーム306を生成する。そのような実施形態では、ビームエミッタ308が概して、ハウジング330の外側に配置される。自己完結型プリントヘッド304内の追加の構成要素は、投射要素316と光学的に結合されるエネルギ回収装置328を含む。ビームホモジナイザ312、転向光学部品314、投射要素316、結像光学部品320、統合光学部品324、およびエネルギ回収装置328の各々は、適切なブラケットおよび/またはファスナ(図示せず)を使用して、ハウジング330内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング330は、前面332と、上面334と、裏面336と、底面338とを有する。
【0050】
ビームエミッタ308は、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのコリメートレーザビーム306を生成するように構成される。ビームエミッタ308は一般に、ハウジング330の前面332に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ308がファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、ダイレクトダイオードまたはファイバ送出ダイレクトダイオード、ラマンファイバレーザ、いくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の好適な種類のレーザを含むことができる。さらに、プリントヘッド304は単一のビームエミッタ308を含むものとして示され、説明されているが、プリントヘッド304は2つ以上のビームエミッタを含むことができる。一実施形態では例えば、プリントヘッド304は第1出力または波長を有する第1ビームエミッタと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタと、または実質的に同じ出力および波長を有する少なくとも2つのビームエミッタとを含み得る。さらに他の実施形態では、プリントヘッド304が製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の組合せのビームエミッタを含んでもよい。
【0051】
プリントヘッド304の動作中、ビームエミッタ308はレンズシステム(図示せず)を使用してコリメートされる自由空間レーザビーム306(例えば、低発散の平行ビーム)を送信する。自由空間レーザビーム306は丸いガウス又は近ガウスのエネルギ分布又はプロファイルを有し、ハウジング330の背面336に隣接して配置され、ビームエミッタ308の下に配置された転向光学部品314に供給される。いくつかの実施形態では、転向光学部品314が誘電体ミラーまたはプリズムである。転向光学部品314は、ラウンドガウスまたは近ガウスエネルギ分布を有する自由空間レーザビーム306をビームホモジナイザ312に向け直す。
【0052】
ビームホモジナイザ312は一般に、転向光学部品314の上に、かつそれから離れて(例えば、ハウジング330の前側332に向かって)配置される。ビームホモジナイザ312は、自由空間レーザビーム306のラウンドガウスまたは近ガウスプロファイルを、投射要素316に一致する均一なエネルギ分布を有するように変換する。換言すれば、ビームホモジナイザ312による均質化の後、自由空間レーザビーム306は、均一なエネルギ分布を有する。
【0053】
ビームホモジナイザ312による均質化の後、均一なエネルギ分布を有する自由空間レーザビーム306は、投射要素316に向けられる。投射要素316は、概して、その前面332と背面334との間でハウジング330の上面334に隣接して配置され、ビームホモジナイザ312の上方に配置される。均一なエネルギ分布を有する自由空間レーザビーム306が投射要素316に到達すると、投射要素316は、像またはラインを形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム318を投射する。いくつかの実施形態では、投射要素316はSLMである。投射要素316は、レーザビーム306のエネルギによって生成される熱から投射要素316を冷却するための冷却要素317に結合される。
【0054】
さらに、均一なエネルギ分布を有する自由空間レーザビーム306が投射要素316に到達すると、投射要素316は、レーザビーム306の一部をエネルギ回収装置328に向ける。エネルギ回収装置328は一般に、ハウジング330の前面332に隣接して配置され、投射要素316の下に位置する。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置328がヒートシンクまたは熱交換器である。エネルギ回収装置328は、投射要素316によって使用されない任意のエネルギを回収するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギ回収装置328によって回収されたエネルギが粉末48の予熱または後加熱のために使用される。他の実施形態では、エネルギ回収装置328がエネルギ回収装置328によって回収されたエネルギから電力を生成し、製造装置10内で再利用することができる光電池(図示せず)を含む。さらなる実施形態では、エネルギ回収装置328がエネルギ回収装置328によって回収されたエネルギを製造装置10から除去するビームダンプである。
【0055】
次に、投射要素316によって生成された複数のレーザビーム318は、投射要素316の下に配置された結像光学部品320に向けられる。結像光学部品320は、複数のレーザビーム318によって形成されるパターンの倍率をレーザビーム322の拡大パターンに変更する透過性又は反射性要素から構成される。例えば、レーザビーム322の拡大パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム122の拡大パターンと同様の像を形成することができる。
【0056】
結像光学部品320は、レーザビーム322の拡大されたパターンを統合光学部品324に送出する。統合光学部品324は一般に、結像光学部品320の下に配置され、ハウジング330の底面338に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、統合光学部品324が円柱レンズまたは合焦回折光学部品である。統合光学部品324は、レーザビーム322の拡大パターンを、ビルド平面54においてレーザビーム326の統合パターンに統合させるために使用される。例えば、レーザビーム326の統合パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム126の統合パターンと同様の像を形成することができる。したがって、プリントヘッド304は、粉末を溶融または融合させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部の上で、レーザビーム326の統合されたパターンを走査する。
【0057】
図7は本発明によるプリントヘッド404の別の実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド404は自己完結型であり、一般に、放射されたレーザビーム406を粉体のビルド平面54上にコリメートし、合焦させるように構成された光学構成要素を含む。プリントヘッド404は上述のプリントヘッド104から拡張され、ビルド平面54における総プリント領域を増大させるために、互いに隣り合って配置された2つ以上の投射要素416a、416bを含む。プリントヘッド404は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0058】
特に、プリントヘッド404はコリメータ410に光学的に結合された1つ以上のビームエミッタ408を含み、これは、第1統合光学部品424aに光学的に結合された第1結像光学部品420aに光学的に結合された第1投射要素416a(例えば、SLM)に光学的に結合された転向光学部品414に光学的に結合されたビームホモジナイザ412に光学的に結合されている。さらに、転向光学部品414は、第2統合光学部品424bに光学的に結合された第2結像光学部品420bに光学的に結合された第2投射要素416bにも光学的に結合される。第1および第2投射要素416a、416bはそれぞれ、レーザビーム406の一部分をエネルギ回収装置428に向け直すように構成される。
【0059】
ビームエミッタ408、コリメータ410、ビームホモジナイザ412、転向光学部品414、第1および第2投射要素416a、416b、第1および第2結像光学部品420a、420b、第1および第2統合光学部品424a、424b、ならびにエネルギ回収装置428の各々は、適切なブラケットおよび/または留め具(図示せず)を使用して、ハウジング430内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング430は、前面432と、上面434と、裏面436と、底面438とを有する。
【0060】
ビームエミッタ408は概して、ハウジング430の上面434に沿って延在し、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのレーザビーム406を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ビームエミッタ408がファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、ダイレクトダイオードまたはファイバ送出ダイレクトダイオード、ラマンファイバレーザ、いくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の好適な種類のレーザを含むことができる。さらに、プリントヘッド404は単一のビームエミッタ408を含むものとして示され、説明されているが、プリントヘッド404は2つ以上のビームエミッタを含むことができる。一実施形態では例えば、プリントヘッド404は第1出力または波長を有する第1ビームエミッタと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタと、または実質的に同じ出力および波長を有する少なくとも2つのビームエミッタとを含み得る。さらに他の実施形態では、プリントヘッド404が製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の組合せのビームエミッタを含んでもよい。
【0061】
プリントヘッド404の動作中、ビームエミッタ408、コリメータ410、ビームホモジナイザ412、転向光学部品414、および第1投射要素416aは、上述のプリントヘッド104の対応する構成要素と実質的に同様に構成され、動作する。プリントヘッド404の転向光学部品414の動作は、転向光学部品414がレーザビーム406の一部を第2投射要素416bにも向けるという点で、プリントヘッド104の転向光学部品114の動作とは異なる。第2投射要素416bは、次いで、レーザビーム406の一部をエネルギ回収装置428に向けるように構成される。次に、エネルギ回収装置428は、エネルギ回収装置428が第2投射要素416bからレーザビーム406の一部を受け取るようにさらに構成されることを除いて、プリントヘッド104のエネルギ回収装置128と実質的に同様に構成され、動作する。
【0062】
第1および第2投射要素416a、416bは、概して、ハウジング430の上面434に隣接して配置され、第1投射要素416aはハウジング130の裏面436に向かって位置し、第2投射要素416bは第1投射要素416aから離間している(すなわち、ハウジング130の前面432に向かって位置する)。さらに、第1および第2投射要素416a、416bは、転向光学部品414の上方に位置する。いくつかの実施形態では、第1および第2投射要素416a、416bはSLMである。第1および第2投射要素416a、416bはまた、それぞれ、レーザビーム406のエネルギによって生成される熱から第1および第2投射要素416a、416bを冷却するために、対応する冷却要素417a、417bに結合される。
【0063】
レーザビーム406が第1及び第2投射要素416a、416bに到達すると、第1及び第2投射要素416a、416bのそれぞれは、像又は線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム418a、418bをそれぞれ投射する。次に、第1および第2投射要素416a、416bによって生成された複数のレーザビーム418a、418bは、それぞれ、第1および第2投射要素416a、416bの下に配置された結像光学部品420a、420bに向けられる。結像光学部品420a、420bは、上述のプリントヘッド104の結像光学部品120と実質的に同様に構成され、動作する。したがって、結像光学部品420a、420bはそれぞれ、レーザビーム422a、422bの拡大パターンを生成する。例えば、レーザビーム422a、422bのそれぞれの拡大パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム122の拡大パターンと同様の像を形成することができる。
【0064】
結像光学部品420a、420bは、その後、レーザビーム422a、422bの拡大されたパターンを、対応する統合光学部品424a、424bに送出する。統合光学部品424a、424bは、上述のプリントヘッド104の統合光学部品124と実質的に同様の方法で構成され、動作する。したがって、統合光学部品424a、424bはそれぞれ、レーザビーム426a、426bのそれぞれの統合パターンを生成する。例えば、レーザビーム426a、426bの各々の統合パターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム126の統合パターンと同様の像を形成することができる。したがって、プリントヘッド404は、粉末を溶融または融解させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部分の上で、レーザビーム426a、426bの統合された模様を走査する。この点に関して、拡張プリントヘッド404は、上述の個々のプリントヘッド104の総プリント領域と比較して、ビルド平面54における総プリント領域を増大させる。
【0065】
図8は本発明によるプリントヘッド504のさらに別の実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド504は自己完結型であり、一般に、放射されたビームを粉体のビルド平面54上にコリメートし、合焦させるように構成された光学構成要素を含む。プリントヘッド504は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0066】
特に、プリントヘッド504は1つ以上の制御線506(例えば、ファイバ)を介してレーザビームを供給する1つ以上のビームエミッタ508を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のビームエミッタ508がファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、直接ダイオードまたはファイバ送出直接ダイオード、ラマンファイバレーザ、およびいくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切なタイプのレーザを含むことができる。1つ以上の制御線506はそれぞれ、レーザビームを投射要素516(例えば、レーザダイオードアレイ)に向ける。投射要素またはレーザダイオードアレイ516は複数のプリントヘッド518から構成され、それぞれのプリントヘッド518は1つまたは複数の制御線506のうちの1つと光学的に結合されて、そこからレーザビームを受け取る。他の実施形態では、1つ以上のビームエミッタ508が1つ以上の制御線506を介して電力を供給する電源である。1つ以上の制御線506は、各々、レーザダイオードアレイ516の複数のプリントヘッド518に電力を導く。
【0067】
プリントヘッド504内に含まれる追加の構成要素は、レーザダイオードアレイ516の上部に取り付けられた熱交換器またはヒートシンク517と、レーザダイオードアレイ516の下に配置された統合光学部品524とを含む。1つまたは複数のビームエミッタ508、1つまたは複数の制御線506、レーザダイオードアレイ516、ヒートシンク517、および統合光学部品524の各々は、ハウジング530内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング530は、前面532と、上面534と、裏面536と、底面538とを有する。
【0068】
図8に示すレーザダイオードアレイ516では、3つのプリントヘッド518しか見ることができない。しかしながら、レーザダイオードアレイ516は追加の3つのプリントヘッド518を含み、それらは視界から見えないことに留意されたい。この点に関して、以下の説明は、3つの視認可能なプリントヘッド518に関するレーザダイオードアレイの構成および動作を説明する。しかしながら、視界から見えない3つのプリントヘッド518は、実質的に同様の方法で動作することを理解されたい。レーザダイオードアレイ516は一般に、ハウジング530の表側及び裏側536との間に配置され、ハウジング530の底面538に隣接して配置される。
【0069】
ビームエミッタ508は、概して、ハウジング530の前面532に隣接して配置され、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのレーザビーム(複数可)(図示せず)を生成するように構成される。プリントヘッド504は単一のビームエミッタ508を含むものとして示され、説明されているが、プリントヘッド504は2つ以上のビームエミッタを含み得る。一実施形態では例えば、プリントヘッド504は第1出力または波長を有する第1ビームエミッタと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタと、または実質的に同じ出力および波長を有する少なくとも2つのビームエミッタとを含み得る。さらに他の実施形態では、プリントヘッド504が製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の組合せのビームエミッタを含んでもよい。
【0070】
プリントヘッド504の動作中、ビームエミッタ508はまず、1つまたは複数の制御線506の各々を通してレーザダイオードアレイ516にレーザビームを送出し、その結果、各プリントヘッド518は、1つまたは複数の制御線506のうちの1つと光学的に結合される。他の実施形態ではビームエミッタ508が最初に、1つまたは複数の制御線506の各々を通してレーザダイオードアレイ516に電力を送出し、その結果、各プリントヘッド518は電気的に給電される。1つ以上の制御線506がレーザビーム(又は出力)をレーザダイオードアレイ516の各プリントヘッド518に送出すると、各プリントヘッド518は、像又は線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を投射する。さらに、レーザダイオードアレイ516は、レーザビームの一部分をヒートシンク517に向ける。ヒートシンク517は、レーザダイオードアレイ516によって使用されない任意のエネルギを回収するように構成される。さらに、ヒートシンク517は、1つまたは複数の制御線506を通って送出されるレーザビーム(または電力)のエネルギによって生成される熱からレーザダイオードアレイ516を冷却するための冷却要素として作用する。
【0071】
それぞれのプリントヘッド518は、続いて、像または線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を統合光学部品524に送出する。統合光学部品524は、レーザダイオードアレイ516の下に配置され、ハウジング530の底面538に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、統合光学部品524が円柱レンズまたは合焦回折光学部品である。統合光学部品524は、プリントヘッド518の各々によって生成され、ビルド平面54においてレーザビーム526の統合パターンに像又は線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を統合させるために使用される。例えば、レーザビーム526のそれぞれの統合されたパターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム126の統合されたパターンと同様の像を形成することができる。したがって、プリントヘッド504は、粉末を溶融または融解させてワークピースのレイヤを形成することを望むビルド平面54の一部分の上で、レーザビーム526の統合されたパターンを走査する。
【0072】
図9は本発明によるプリントヘッド604のさらに別の実施形態の断面側面図であり、プリントヘッド604は自己完結型であり、一般に、放射されたビーム(図示せず)を粉末のビルド平面54上にコリメートし、合焦させるように構成された光学構成要素を含む。プリントヘッド604は上述のプリントヘッド504から拡張され、ビルド平面54における総プリント領域を増大させるために、より大きな投射要素またはレーザダイオードアレイ516を含む。プリントヘッド604は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0073】
特に、プリントヘッド604は1つ以上の制御線606(例えば、ファイバ)を介してレーザビームを供給する1つ以上のビームエミッタ608を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のビームエミッタ608がファイバレーザまたはファイバ送出レーザ、直接ダイオードまたはファイバ送出直接ダイオード、ラマンファイバレーザ、およびいくつかの実施形態ではイットリウムベースのソリッドステートレーザまたはCO2レーザなど、製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切なタイプのレーザを含むことができる。1つ以上の制御線606はそれぞれ、レーザビームを投射要素616(例えば、レーザダイオードアレイ)に向ける。投射要素またはレーザダイオードアレイ616は複数のプリントヘッド618から構成され、それぞれのプリントヘッド618は1つまたは複数の制御線606のうちの1つと光学的に結合されて、そこからレーザビームを受け取る。他の実施形態では、1つ以上のビームエミッタ608が1つ以上の制御線606を介して電力を供給する電源である。1つ以上の制御線606は、各々、レーザダイオードアレイ616の複数のプリントヘッド618に電力を導く。
【0074】
プリントヘッド604内に含まれる追加の構成要素は、レーザダイオードアレイ616の上部に取り付けられた熱交換器またはヒートシンク617と、レーザダイオードアレイ616の下に配置された統合光学部品624とを含む。1つまたは複数のビームエミッタ608、1つまたは複数の制御線606、レーザダイオードアレイ616、ヒートシンク617、および統合光学部品624の各々は、ハウジング630内に少なくとも部分的に取り付けられる。ハウジング630は、前面632と、上面634と、裏面636と、底面638とを有する。
【0075】
図9に示すレーザダイオードアレイ616では、複数のプリントヘッド618のうちの6つのプリントヘッドのみが見られ得る。しかしながら、レーザダイオードアレイ616は複数のプリントヘッド618を構成し、視界から見えない追加の6つのプリントヘッドを含むことに留意されたい。この点に関して、以下の説明は、複数のプリントヘッド618の6つの視認可能なプリントヘッドに関するレーザダイオードアレイの構成および動作を説明する。しかしながら、視界から見えない複数のプリントヘッド618の6つのプリントヘッドは、実質的に同様の方法で動作することを理解されたい。レーザダイオードアレイ616は一般に、ハウジング630の表側と裏側636との間に配置され、ハウジング630の底面638に隣接して配置される。
【0076】
ビームエミッタ608は、概して、ハウジング630の前面632に隣接して配置され、ビルド平面54で粉末を少なくとも部分的に溶融するのに十分なエネルギのレーザビーム(複数可)(図示せず)を生成するように構成される。プリントヘッド604は単一のビームエミッタ608を含むものとして示され、説明されているが、プリントヘッド604は2つ以上のビームエミッタを含み得る。一実施形態では例えば、プリントヘッド604は第1出力または波長を有する第1ビームエミッタと、第1レーザ出力または波長とは異なる第2出力または波長を有する第2ビームエミッタと、または実質的に同じ出力および波長を有する少なくとも2つのビームエミッタとを含み得る。さらに他の実施形態では、プリントヘッド604が製造装置10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の組合せのビームエミッタを含んでもよい。
【0077】
プリントヘッド604の動作中、ビームエミッタ608はまず、1つまたは複数の制御線606の各々を通してレーザダイオードアレイ616にレーザビームを送出し、その結果、各プリントヘッド618は、1つまたは複数の制御線606のうちの1つと光学的に結合される。他の実施形態ではビームエミッタ608が最初に、1つまたは複数の制御線606の各々を通してレーザダイオードアレイ616に電力を送出し、その結果、各プリントヘッド618は電気的に給電される。1つ以上の制御線606がレーザビーム(又は出力)をレーザダイオードアレイ616の各プリントヘッド618に送出すると、各プリントヘッド618は、像又は線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を投射する。さらに、レーザダイオードアレイ616は、レーザビームの一部をヒートシンク617に向ける。ヒートシンク617は、レーザダイオードアレイ616によって使用されない任意のエネルギを回収するように構成される。さらに、ヒートシンク617は、1つまたは複数の制御線606を通って送出されるレーザビーム(または電力)のエネルギによって生成される熱からレーザダイオードアレイ616を冷却するための冷却要素として作用する。
【0078】
それぞれのプリントヘッド618は、続いて、像または線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を統合光学部品624に送出する。統合光学部品624は、レーザダイオードアレイ616の下に配置され、ハウジング630の底面638に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、統合光学部品624が円柱レンズまたは合焦回折光学部品である。統合光学部品624は、プリントヘッド618の各々によって生成され、ビルド平面54においてレーザビーム626の統合パターンに像又は線を形成するレーザ光のパターンを有する複数のレーザビーム(図示せず)を統合させるために使用される。例えば、レーザビーム626のそれぞれの統合されたパターンは、プリントヘッド104(
図3)に関して上述したレーザビーム126の統合されたパターンと同様の像を形成することができる。したがって、プリントヘッド604は、粉末を溶融または融合させてワークピースのレイヤを形成することが望まれるビルド平面54の一部の上で、レーザビーム626の統合されたパターンを走査する。この点に関して、拡張プリントヘッド604は、上述の個々のプリントヘッド504の総プリント領域と比較して、ビルド平面54における総プリント領域を増大させる。
【0079】
図10は、本発明によるプリントヘッド714の別の実施形態の断面側面図である。プリントヘッド714は、
図3に示すプリントヘッド104と同様である。したがって、同様の数字は、同様の図を指すために使用される。プリントヘッド714は、上述のプリントヘッド104と実質的に同様の方法で製造装置10と併せて使用することができることを理解されたい。
【0080】
プリントヘッド714は自己完結型であり、一般に、放出されたビーム106をコリメートし、ビルド平面54上に合焦させるように構成された光学構成要素を含む。特に、プリントヘッド714は、ビームホモジナイザ712に光学的に結合されたコリメータ110に光学的に結合された1つ以上のビームエミッタ108を含む。ビームホモジナイザ712は、送出光学部品を含むことができる。ビームホモジナイザ712は結像光学部品720に光学的に結合される投射要素716(例えば、SLM)に光学的に結合される転向光学部品114に光学的に結合される。プリントヘッド714は例えば、
図3に示されるように、別個の統合光学部品124を含まなくてもよい。代わりに、統合要素は、投射要素716に一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、投射要素716がLCOS装置であり得る。
【0081】
図11は
図1~
図3に示すように、製造装置10のビルド平面に複数のレーザビームを送出する方法700の流れ図である。方法700は、ステップ702において、1つまたは複数のビームエミッタ108を使用して1つまたは複数のレーザビーム106を生成することを含む。方法700はステップ704において、プリントヘッド104のハウジング130内の投射要素116においてレーザビーム106を受け取り、投射要素116を使用して複数のレーザビーム118を投射することをさらに含む。方法700はまた、ステップ706において、プリントヘッド104のハウジング130内の統合光学部品124を使用して、複数のレーザビーム118をレーザビーム126の統合パターンに統合するステップを含む。方法400は、ステップ708において、統合光学部品124を使用して、レーザビーム126の統合パターンを製造装置10のビルド平面54に向けることをさらに含む。
【0082】
上記から、本明細書で定義されるのは、様々なパワーおよび波長の1つまたは複数の光源を含む自己完結型プリントヘッドであることを理解されたい。本プリントヘッドはマルチレーザビームを利用して、従来のスキャナごとの単一ビーム手法の代わりに、粉末状のビルドマテリアルを融合する。この方法は、付加製造装置において、より少ない煤およびより大きなエネルギ効率を生成する。さらに、従来のスキャナと比較して、このプロセスはより安価であり、より堅牢であり、設置前に較正することができる。加えて、プリントヘッドはモジュール式であり、その結果、付加製造装置のビルド領域は、煤および排熱の問題なしに、追加のモジュールを追加することによって増大させることができる。このように、本プリントヘッドは、粉末状のビルドマテリアルの圧密速度を増大させ、付加製造装置によって製造され得る部品の寸法を増大させるように拡張可能である。溶接領域の粉体加工及び前後加熱のためのビームシェーピング、結合、ステアリング、及びデリバリーオプティクスは、プリントヘッド内に含まれる。
【0083】
本明細書に記載される実施形態のさらなる態様は、以下の主題によって提供される。
【0084】
ハウジングと、前記ハウジングに配置された投射要素であって、ビームエミッタによって生成された1つ以上のレーザビームを受け取り、複数の投射レーザビームをパターンで投射するように構成されている投射要素と、前記ハウジングに配置され、前記投射要素の下に配置されている統合光学部品であって、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合するように構成されている、統合光学部品と、を含む、付加製造装置のプリントヘッド:
【0085】
前記ビームエミッタの遠位端であって、前記ハウジングに配置されているコリメータと、前記コリメータの下であって、前記ハウジングに配置されているビームホモジナイザと、前記ビームホモジナイザの下であって、前記ハウジングに配置されている転向光学部品と、をさらに含む、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0086】
前記投射要素の下に配置されている1つ以上の結像光学部品をさらに含む、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0087】
前記プリントヘッドの前記ハウジングに配置されているヒートシンクをさらに含み、前記投射要素は、1つまたは複数の前記レーザビームの一部分を、前記プリントヘッドの前記ハウジングに配置されている前記ヒートシンクに向けるようにさらに構成されている、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0088】
1つ以上の前記レーザビームを生成するように構成されている複数のビームエミッタをさらに含む、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0089】
前記ビームエミッタによって生成される1つ以上の前記レーザビームは、自由空間レーザビームである、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0090】
前記ハウジングに配置されている2つ以上の投射要素をさらに含む、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0091】
前記統合光学部品は、投射要素に一体化されている、先行するいずれかのプリントヘッド。
【0092】
粉末状ビルドマテリアルを支持するビルドプラットフォームであって、前記粉末状ビルドマテリアルは、前記ビルドプラットフォームのビルド平面を画定する、ビルドプラットフォームと、プリントヘッドと、を含み、前記プリントヘッドは、ハウジングと、1つ以上のレーザビームを生成するように構成されているビームエミッタと、前記ハウジングに配置されている投射要素であって、1つ以上の前記レーザビームを受け取り、複数の投射レーザビームをパターンで投射するように構成されている、投射要素と、前記ハウジングに配置され、前記投射要素の下に配置されている統合光学部品であって、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合するように構成されている、統合光学部品と、を含み、前記プリントヘッドは、投射レーザビームの前記統合パターンを前記ビルド平面上に向け、投射レーザビームの前記統合パターンにより、前記粉末状ビルドマテリアルの一部分を前記ビルド平面で溶融するように構成されている、付加製造装置。
【0093】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されているコリメータをさらに含み、前記コリメータは、前記ビームエミッタに光学的に結合されている、先行するいずれかの付加製造装置。
【0094】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されているビームホモジナイザをさらに含み、前記ビームホモジナイザは、前記コリメータに光学的に結合されている、先行するいずれかの付加製造装置。
【0095】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されている転向光学部品をさらに含み、前記転向光学部品は、前記ビームホモジナイザに光学的に結合され、1つ以上の前記レーザビームを前記投射要素に向けるように構成されている、先行するいずれかの付加製造装置。
【0096】
前記プリントヘッドは前記ハウジングに配置されている1つ以上の結像光学部品をさらに含み、1つ以上の前記結像光学部品は、前記投射要素に光学的に結合されている、先行するいずれかの付加製造装置。
【0097】
前記投射要素がデジタルマイクロミラー装置である、先行するいずれかの付加製造装置。
【0098】
前記投射要素によって投射される複数の前記投射レーザビームの前記パターンを制御するコンピューティングデバイスをさらに含む、先行するいずれかの付加製造装置。
【0099】
前記プリントヘッドの前記ハウジングの外側に取り付けられている煤収集システムをさらに含む、先行するいずれかの付加製造装置。
【0100】
付加製造装置のビルド平面上に複数のレーザビームを送出するレーザビーム送出方法であって、ビームエミッタにより1つ以上のレーザビームを生成し、プリントヘッドのハウジングに配置されている投射要素で1つ以上の前記レーザビームを受け取り、前記投射要素により、パターンで複数の投射レーザビームを投射し、前記ハウジングに配置されている統合光学部品により、複数の前記投射レーザビームの前記パターンを投射レーザビームの統合パターンに統合し、投射レーザビームの前記統合パターンを前記ビルド平面に向ける、レーザビーム送出方法。
【0101】
ラウンドガウスエネルギ分布を有するように1つ以上の前記レーザビームをコリメートし、均一なエネルギ分布を有するように1つ以上の前記レーザビームを均質化し、前記均一なエネルギ分布を有する1つ以上の前記レーザビームを前記投射要素に向け直す、ことをさらに含む、先行するいずれかのレーザビーム送出方法。
【0102】
前記投射要素によって投射された複数の前記投射レーザビームの前記パターンを拡大し、拡大された前記パターンを前記統合光学部品に向ける、ことをさらに含む、先行するいずれかのレーザビーム送出方法。
【0103】
前記投射要素により、1つ以上の前記レーザビームの一部分をヒートシンクに向けることをさらに含み、前記ヒートシンクが、前記プリントヘッドの前記ハウジングに配置されている、先行するいずれかのレーザビーム送出方法。
【0104】
特許請求される主題の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は、そのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入ることを条件として、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変形を包含することが意図される。
【0105】
(関連出願の相互参照)
【0106】
本明細書は2023年5月10日に出願され、「付加製造装置のためのプリントモジュール」と題された米国仮特許出願第63/465,388号の利益を主張し、その全体が本明細書に参考として援用される。
【外国語明細書】