(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163120
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20241114BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241114BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G01N1/28 X
H01L21/306 R
H01L21/66 N
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024125900
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2023176186の分割
【原出願日】2018-11-30
(31)【優先権主張番号】62/593,665
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/676,234
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/200,010
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516257707
【氏名又は名称】エレメンタル・サイエンティフィック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ELEMENTAL SCIENTIFIC, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・ヨスト
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・ウィーデリン
(72)【発明者】
【氏名】ボー・マース
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド・ケイザー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ヘイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェソク・リー
(72)【発明者】
【氏名】ジェミン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・エイチ・スディカ
(57)【要約】
【課題】半導体ウエハの表面を分解して走査するためのチャンバおよびシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステムならびに方法を開示する。対象のウエハを分解して走査するために単一のチャンバが使用される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハの表面を分解して走査するためのチャンバであって、
内部領域およびチャンバの上部にある第1開口部を画定するチャンバ本体であって、チャンバ本体の内部領域の中に半導体ウエハを受容するチャンバ本体と、
チャンバ本体の上部とチャンバ本体の底部との間にあるチャンバ本体の中間部において内部領域内に突出しているレッジであって、中間部の内部領域内に第2開口部を画定するレッジと、
半導体ウエハの少なくとも一部を保持するように構成されたウエハ支持体であって、少なくとも第1開口部に隣接する第1位置と、チャンバ本体の内部領域内の第2開口部に隣接する第2位置との間で位置決め可能であるウエハ支持体と、
ウエハ支持体に動作可能に連結されたモータシステムであって、チャンバ本体に対してウエハ支持体の垂直位置を制御し、少なくとも、走査ノズルによる半導体ウエハへのアクセスのための第1位置、および半導体ウエハの表面の分解のための第2位置に制御するように構成されたモータシステムと、
第1開口部と第2開口部との間に位置決めされたネブライザであって、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、半導体ウエハの表面に分解液を噴霧するように構成されたネブライザと、を備えるチャンバ。
【請求項2】
第1開口部および第2開口部は、同軸に配置される請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
モータシステムは、チャンバ本体に対してウエハ支持体の垂直位置を、第2開口部とチャンバの底部との間にある第3位置に制御するようにさらに構成される請求項1に記載のチャンバ。
【請求項4】
モータシステムは、半導体ウエハのリンス洗浄工程または半導体ウエハの乾燥工程のうちの少なくとも一方において、第3位置においてウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項3に記載のチャンバ。
【請求項5】
モータシステムは、第1位置および第2位置の少なくとも一方において、ウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項1に記載のチャンバ。
【請求項6】
チャンバ本体は、チャンバ本体の内面とレッジとの間に1つ以上のチャネルを画定し、該1つ以上のチャネルは、第1開口部と第2開口部との間にある流体へのアクセスを提供する請求項1に記載のチャンバ。
【請求項7】
1つ以上のチャネルと流体連結された1つ以上のドレインであって、該1つ以上のドレインは、チャンバ本体の内部領域からの流体用出口を提供する請求項6に記載のチャンバ。
【請求項8】
チャンバ本体の底部に連結された1つ以上のドレインをさらに備える請求項1に記載のチャンバ。
【請求項9】
チャンバ本体の内部領域内で第2開口部の下方にあるガス吐出ポートと、
ガス源に連結されたコントローラであって、ウエハ支持体が第2位置に位置決めされた場合、ネブライザによる半導体ウエハの表面上への分解液の導入時の際に、ガス源からガス吐出ポートにガスを導入するように構成されたコントローラと、をさらに備える請求項1に記載のチャンバ。
【請求項10】
半導体ウエハの表面を分解して走査するためのシステムであって、
半導体ウエハを受容するように構成されたチャンバを備え、
該チャンバは、チャンバの上部にある第1開口部を画定し、チャンバの内部領域の中に半導体ウエハを受容するものであり、該チャンバは、
・チャンバの上部とチャンバの底部との間にあるチャンバの中間部にあるレッジであって、中間部において第2開口部を画定するレッジと、
・半導体ウエハの少なくとも一部を保持するように構成されたウエハ支持体であって、少なくとも第1開口部に隣接する第1位置と、第2開口部に隣接する第2位置との間で位置決め可能であるウエハ支持体と、
・ウエハ支持体に動作可能に連結されたモータシステムであって、チャンバに対してウエハ支持体の垂直位置を、少なくとも第1位置および第2位置に制御するように構成されたモータシステムと、
・第1開口部と第2開口部との間に位置決めされたネブライザであって、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、半導体ウエハの表面に分解液を噴霧するように構成されたネブライザと、を含み、
前記システムはさらに、
開放位置と閉鎖位置との間で位置決め可能な蓋であって、閉鎖位置にある場合、第1開口部を覆うようなサイズおよび形状を有する蓋と、
ノズルと連結された走査アームであって、ウエハ支持体がモータシステムによって第1位置に位置決めされた場合、ノズルを半導体ウエハに隣接して位置決めし、そして、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、ノズルを蓋の経路の外側に、開放位置から閉鎖位置へ位置決めするように回転可能である走査アームと、を備えるシステム。
【請求項11】
ネブライザは、チャンバの壁内に少なくとも部分的に配置される請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ウエハ支持体が第2位置にある場合、蓋は、閉鎖位置にあり、第1開口部を経由した流体通過を防止する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
ウエハ支持体が第1位置にある場合、蓋は、開放位置にあり、ノズルによる半導体ウエハへのアクセスを提供する請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
ノズルを受容するための細長チャネルを有するリンストラフをさらに備え、
該細長チャネルは、リンス液源と連結され、リンス液を細長チャネルに導入して、ノズルをリンス洗浄するように構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
リンストラフは、ノズルを受容するための第2細長チャネルをさらに備え、
該細長チャネルは、乾燥ガス源と連結され、乾燥ガスを細長チャネルに導入して、ノズルを乾燥させるように構成される請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
チャンバの内部領域内で第2開口部の下方にあるガス吐出ポートと、
ガス源に連結されたコントローラであって、ウエハ支持体が第2位置に位置決めされた場合、ネブライザによる半導体ウエハの表面上への分解液の導入時の際に、ガス源からガス吐出ポートにガスを導入するように構成されたコントローラと、をさらに備える請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
モータシステムは、チャンバに対してウエハ支持体の垂直位置を、第2開口部とチャンバの底部との間にある第3位置に制御するようにさらに構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
モータシステムは、半導体ウエハのリンス洗浄工程または半導体ウエハの乾燥工程のうちの少なくとも一方において、第3位置においてウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
モータシステムは、第1位置および第2位置の少なくとも一方において、ウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
ノズルは、
第1ノズルポートと流体連通している入口ポートを画定し、そして出口ポートと流体連通している第2ノズルポートを画定するノズル本体であって、入口ポートを介して分解液を受け取り、第1ノズルポートを介して流体を送って、半導体ウエハの表面に流体を導入するように構成され、そして第2ノズルポートを介して半導体ウエハの表面から流体を除去し、かつ第2ノズルポートから出口ポートを介して流体を送るように構成されたノズル本体と、
第1ノズルポートおよび第2ノズルポートに隣接してノズル本体から延びており、かつ第1ノズルポートと第2ノズルポートとの間に少なくとも部分的に配置されたチャネルを画定するノズルフードであって、半導体ウエハの表面に沿って第1ノズルポートから第2ノズルポートへ流体を送るように構成されたノズルフードと、を含む請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第62/593665号明細書(2017年12月1日出願、発明の名称("VAPOR PHASE DECOMPOSITION SYSTEM WITH CHAMBER FOR INTEGRATED DECOMPOSITION AND SCANNING"))および、米国仮特許出願62/676234号明細書(2018年5月24日出願、発明の名称("SEMICONDUCTOR WAFER DECOMPOSITION AND SCANNING SYSTEM"))に関する米国特許法第119条(e)(35U.S.C.§119(e))の利益を主張するものである。米国仮特許出願第62/593665号明細書および第62/676234号明細書は、参照によりその全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
誘導結合プラズマ(ICP)分光分析法は、液体サンプル中の微量元素濃度および同位体比を求めるために、一般に使用される分析技法である。ICP分光分析法では、約7000Kの温度に達する電磁的に発生した部分的にイオン化されたアルゴンプラズマを使用する。サンプルをプラズマに導入すると、高温によってサンプル原子がイオン化されるか、または発光する。化学元素はそれぞれ、特徴的な質量スペクトルまたは発光スペクトルを生成するため、放射された質量スペクトルまたは光スペクトルを測定することで、元のサンプルの元素組成を求めることができる。
【0003】
サンプル導入装置を使用して、分析のために液体サンプルをICP分光計(たとえば、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP/ICP-MS)、または誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)など)に導入することができる。たとえば、サンプル導入装置は、サンプルのアリコート(aliquot: 一定分量)をネブライザに送り、このネブライザはそのアリコートを、ICP分光計によるプラズマでのイオン化に適した多分散エアロゾルに変換することができる。ネブライザによって生成されるエアロゾルは、次いでスプレーチャンバ内で振り分けられ、ここでより大きなエアロゾル粒子が除去される。スプレーチャンバを出ると、エアロゾルは分析のためにICP-MSまたはICP-AES機器のプラズマトーチアセンブリによってプラズマに導入される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステムならびに方法を記載しており、対象のウエハを分解して走査するために単一のチャンバが使用される。チャンバの実施形態は、下記のものに限定されないが、
内部領域およびチャンバの上部にある第1開口部を画定するチャンバ本体であって、チャンバ本体の内部領域の中に半導体ウエハを受容するチャンバ本体と、
チャンバ本体の上部とチャンバ本体の底部との間にあるチャンバ本体の中間部において内部領域内に突出しているレッジであって、中間部の内部領域内に第2開口部を画定するレッジ(ledge: 胴蛇腹)と、
半導体ウエハの少なくとも一部を保持するように構成されたウエハ支持体であって、少なくとも第1開口部に隣接する第1位置と、チャンバ本体の内部領域内の第2開口部に隣接する第2位置との間で位置決め可能であるウエハ支持体と、
ウエハ支持体に動作可能に連結されたモータシステムであって、チャンバ本体に対してウエハ支持体の垂直位置を制御し、少なくとも、走査ノズルによる半導体ウエハへのアクセスのための第1位置、および半導体ウエハの表面の分解のための第2位置に制御するように構成されたモータシステムと、
第1開口部と第2開口部との間に位置決めされたネブライザ(nebulizer: 噴霧器)であって、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、半導体ウエハの表面に分解液を噴霧するように構成されたネブライザと、を含む。
【0005】
ノズルシステムの実施形態は、下記のものに限定されないが、
ノズルおよびノズルハウジングを備え、
ノズルは、
第1ノズルポートと流体連通している入口ポートを画定し、そして出口ポートと流体連通している第2ノズルポートを画定するノズル本体であって、入口ポートを介して流体を受け取り、第1ノズルポートを介して流体を送って、半導体ウエハの表面に流体を導入するように構成され、そして第2ノズルポートを介して半導体ウエハの表面から流体を除去し、かつ第2ノズルポートから出口ポートを介して流体を送るように構成されたノズル本体と、
第1ノズルポートおよび第2ノズルポートに隣接してノズル本体から延びており、かつ第1ノズルポートと第2ノズルポートとの間に配置されたチャネルを画定するノズルフードであって、半導体ウエハの表面に沿って第1ノズルポートから第2ノズルポートへ流体を送るように構成されたノズルフードとを含み、
ノズルハウジングは、内側部分、ならびに延長位置と後退位置との間で移行する場合にノズルの少なくとも一部が通過できる開口部を画定するハウジング本体を含む。
【0006】
方法の実施形態は、下記のものに限定されないが、
ネブライザを用いて半導体ウエハの表面に分解液を噴霧するステップと、
ネブライザを用いて半導体ウエハの表面に分解液を噴霧した後に、半導体ウエハの表面の上方にノズルを位置決めするステップと、
ノズルの入口ポートに走査液を導入して、第1ノズルポートを介して走査液の流れを半導体ウエハの表面へ送るステップと、
ノズルの細長チャネルを経由して、半導体ウエハの表面に沿って、ノズルの第2ノズルポートに向けて走査液の流れを送るステップと、
ノズルの出口ポートと流体連通している第2ノズルポートを介して、半導体ウエハの表面から走査液の流れを除去するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの概念を選定したものを紹介するために、簡略な形式で本概要を記載しており、これらについては、以下の詳細な説明でさらに記載するものとする。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また特許請求される主題の範囲を決定する際の一助としてこれを使用することを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
詳細な説明について、添付図面を参照しながら説明するものとする。説明および図で、種々の例において同一の参照番号を使用することにより、同様または同一の項目を示す場合がある。
【0009】
【
図1A】本開示の実施形態に係る半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステムの等角図である。
【0010】
【
図1B】半導体ウエハがチャンバ内に位置決めされた、
図1Aのシステムの等角図である。
【0011】
【
図2A】半導体ウエハが走査位置に位置決めされた、
図1Aのシステムの断面図である。
【0012】
【
図2B】半導体ウエハが分解位置に位置決めされた、
図1Aのシステムの断面図である。
【0013】
【
図2C】半導体ウエハをリンス洗浄位置に位置決めされた、
図1Aのシステムの断面図である。
【0014】
【
図3】本開示の一実施形態に係る、
図1Aのシステムのチャンバ本体の一部の等角図である。
【0015】
【
図4】走査アームがノズルを、走査位置に位置決めされた半導体ウエハの表面上に位置決めしている、
図1Aのシステムの等角図である。
【0016】
【
図5】走査アームがノズルのためのリンス洗浄部に位置決めされた、
図1Aのシステムの部分等角図である。
【0017】
【
図6】本開示の一実施形態に係る半導体ウエハの走査工程中に、半導体ウエハ上の第1位置、およびこれに続く半導体ウエハの第2位置に走査アームが位置決めされる、走査アームの平面図である。
【0018】
【
図7A】本開示の一実施形態に係る半導体ウエハ分解および走査システムのためのノズルの等角図である。
【0019】
【0020】
【0021】
【
図7D】7D-7D線に沿った、
図7Bのノズルの断面図である。
【0022】
【
図8A】本開示の一実施形態に係る半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステムのためのノズル搭載アセンブリの部分断面図である。
【0023】
【
図8B】表面と接触している、
図8Aのノズル搭載アセンブリの部分断面図である。
【0024】
【
図8C】表面から引き上げられて水平にされた、
図8Aのノズル搭載アセンブリの部分断面図である。
【0025】
【
図9A】本開示の一実施形態に係る半導体ウエハ分解および走査システムのための流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0026】
【
図9B】本開示の一実施形態に係る、ケミカルブランクのロード構成にある、
図9Aの流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0027】
【
図9C】本開示の一実施形態に係る、薬剤の注入構成にある、
図9Aの流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0028】
【
図9D】本開示の一実施形態に係る、ノズルループのロード構成にある、
図9Aの流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0029】
【
図9E】本開示の一実施形態に係る、ノズルのロード構成にある、
図9Aの流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0030】
【
図9F】本開示の一実施形態に係る、回収構成にある、
図9Aの流体ハンドリングシステムの概略図である。
【0031】
【
図10】本開示の一実施形態に係る、半導体ウエハの分解および走査システムのためのネブライザ流体ハンドリングシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(概要)
サンプル中の微量元素濃度または微量元素量を求めることにより、サンプルの純度、あるいは試薬、または反応成分などとしてその試薬を使用する際の許容性に関する指標が得られる。一例として、特定の生産または製造工程(たとえば、採掘、冶金、半導体製造、製剤過程など)では、不純物に対する許容値を、たとえば、およそ10億分の1の割合で設定するなど、非常に厳密にする可能性がある。半導体ウエハを処理するために、ウエハに対して、金属不純物など、キャリア寿命の低下、およびウエハ部品の絶縁破壊などに起因してウエハの性能を低下させるか、またはウエハを動作不能にする恐れがある不純物の検査が行われている。
【0033】
ウエハの気相分解(VPD)およびその後の走査は、ウエハの組成を分析して金属不純物の有無を判定するための技法である。従来のVPDおよび走査技法では、不純物分析に際し、シリコンウエハの処理および走査を円滑に進められる処理量が限られていた。たとえば、これらのシステムでは、VPD工程および走査工程用に別々のチャンバを使用することが多い。VPDチャンバでは、表面に存在する二酸化ケイ素および他の金属不純物は蒸気(たとえば、フッ化水素酸(HF)、過酸化水素(H2O2)、またはそれらの組み合わせ)と接触し、蒸気として(たとえば、四フッ化ケイ素(SiF4)として)表面から除去される。処理されたウエハは走査のために別のチャンバに送られ、そこで処理されたウエハの表面に液滴が導入されて、分解蒸気とウエハとの反応後の残渣を回収する。走査工程は、走査ヘッドを移動させるか、または走査ヘッドを静止させて、液滴を表面上へと移動させながら、走査ヘッドでウエハの表面上の液滴を保持し、かつウエハを回転させる工程を含み得る。ウエハを複数回回転させた後、液滴をウエハの所望の表面積と相互作用させて、分解後に接触面から残渣を引き離す。しかしながら、従来のウエハ処理技術では、走査中の液滴によるウエハ表面との相互作用が限られている走査ノズルを使用するなどして(すなわち、液滴を表面積全体またはその一部と相互作用させるのに、ウエハを複数回回転させる必要がある)、処理中に分解チャンバから走査チャンバ、そしてリンス洗浄チャンバへとウエハを移動させるかかる工程を通じて、ウエハを処理するためにかなりの時間と多くの装置とを必要とする。その上、かかるウエハを取り扱う技術者または他の個人が有毒なフッ化水素酸に暴露される恐れがあり、あるいは種々の処理チャンバ間でウエハが移送される間に、ウエハを環境汚染にさらす危険性が増す可能性があり、また、この移動に際し、装置および装置間の移送機構の円滑化を図るために、相当の物理的な処理フロアスペースが必要となる。
【0034】
したがって、本開示は、単一のチャンバスペースを有するチャンバによって、半導体ウエハの分解および走査が円滑に進み、かつノズルが、流体の流れをウエハ表面に沿って送るための細長いチャネルを画定しているノズルフードによって誘導されながら、半導体ウエハの表面に沿ってノズルの第1ポートとノズルの第2ポートとの間に流体の流れを送る形態の、半導体ウエハの分解および走査のためのシステムならびに方法を少なくとも一部対象としている。チャンバは、ウエハ支持体および関連するモータシステムの動作を通じて半導体ウエハが通過できる少なくとも2つの開口部を、排水用途および二次汚染の防止など、チャンバ内の流体の移動を制御しながら、分解とリンス洗浄とを行う領域をチャンバ内に供給しているレッジと共に画定している。モータシステムは、ウエハをロードかつアンロードし、ノズルと接触させるなどの動作を行うためにモータシステムによって支持されるチャンバ本体の上方に位置決めを行いながら、チャンバ本体内で半導体を移動させる際の、チャンバ本体に対するウエハ支持体の垂直位置を制御している。チャンバはさらにネブライザを内蔵しており、ウエハ支持体が半導体ウエハを前記チャンバの内部領域内に位置決めしている間に、このネブライザによってエアロゾル化される分解液を半導体ウエハの表面へと直接送っている。チャンバは、チャンバに対して開閉可能とすることができ、分解工程中などに、チャンバの内部領域をチャンバの外部領域から隔離することができる蓋を内蔵し得る。回転式走査アームによって、ノズルをチャンバに対して位置決めすることができ、蓋の閉鎖を容易にするために(たとえば、分解工程中に)、またはリンス洗浄部でのノズルのリンス洗浄を容易にするために、前記ノズルをチャンバから離間させて位置決めすることができる。さらに、回転式走査アームは走査工程中、半導体ウエハ上にノズルを位置決めすることができる。本システムでは、ブランクの調製や、システム構成要素のリンス洗浄などのために、ウエハの表面からのノズルへの流体の導入を制御する、切り替え可能な切替弁および切替ポンプを含む、流体ハンドリングシステムを使用することができる。走査工程の後またはその間に走査液を回収し、走査液の組成を分析的に測定するために、これを分析装置(たとえば、ICPMS装置)に送ることができる。
【0035】
(例示的な実装形態)
図1Aから
図10は、本開示の種々の実施形態による、半導体ウエハの統合した分解および走査のためのシステム(「システム100」)の態様を示す。システム100は概して、チャンバ102と、走査アームアセンブリ104と、ウエハへの分解液の導入を通じて、かつウエハ108の表面への走査液の導入、および前記表面からの走査液の除去を通じて、少なくとも半導体ウエハ108(本明細書では「ウエハ」と呼ぶ場合もある)の分解工程および走査工程を円滑に進めるための、流体ハンドリングシステム106(
図9Aから
図10に少なくとも一部示している)とを含む。チャンバ102は、単一のチャンバスペースでウエハ分解およびウエハ走査をそれぞれ行うための環境を提供しており、またウエハ108を保持するためのウエハ支持体110と、分解工程および走査工程、またはシステム100の他の工程においてウエハ108を位置決めするにあたり、チャンバ102に対するウエハ支持体110の垂直位置を制御するための(たとえば、チャンバ102内、あるいはチャンバ102上など)モータシステム112とを含む。モータシステム112はさらに、システム100の種々の工程においてウエハ108を回転させるにあたり、ウエハ支持体110を回転制御しており、また走査工程中にウエハ108上の位置へと走査アームアセンブリ104のノズルを移動させ、かつノズルリンス洗浄のためにリンス洗浄部114の位置へとこれを移動させるにあたり、走査アームアセンブリ104の回転制御および垂直制御を行っている。いくつかの実装形態では、ウエハ支持体110は、ウエハ支持体110の移動中などに、ウエハ108をウエハ支持体110に固定して保持するための真空テーブルを含む。
【0036】
チャンバ102は、処理のためにウエハ108を受容するための内部領域118を画定している、チャンバ本体116を含む。チャンバ本体116の上部122とチャンバ本体116の底部124との間に位置する内部領域118内に、レッジ120が突出している。いくつかの実装形態では、チャンバ本体116は、内部領域118内にウエハ108を受容する際にこれを通過させることができる第1の開口部126を、上部122において画定している。いくつかの実装形態では、レッジ120は、上部122と底部124との間(たとえば、第1の開口部126と底部124との間)の内部領域118における中間部に、第2の開口部128を画定している。
図1Aに示す例示的な動作において、システム100は、自動アーム50によって前面作動統一ポッド(FOUP)または他の場所からウエハ108を選択し、かつ選択したウエハ108をウエハ支持体110上に挿入する(たとえば、ウエハ支持体110の中央に配置する)という動作などを通じて、半導体ウエハ108をウエハ支持体110上において受け取ることができる。モータシステム112は、ウエハ支持体110をチャンバ本体122の上部122、これの上方、またはこれに隣接して位置決めすることができ、これにより、自動アーム50がウエハ108をウエハ支持体110上に設置するために、ウエハ支持体110と接触できるようにしている。たとえば、ウエハ108のロード中に、ウエハ支持体110を第1の開口部126に隣接する第1の位置(たとえば、
図2Aに示すような)に位置決めすることができる。いくつかの実装形態では、ウエハ支持体110の第1の位置は、ウエハ108を受容する内部領域118の外側(たとえば、第1の開口部126を通って延在する)に位置している。
【0037】
システム100は、分解液の外部領域132への曝露を制限しながら、ウエハの分解を円滑に進めるために、内部領域118を外部領域132から隔離するための蓋130を含み得る。たとえば、蓋130は、第1の開口部126上に配置されたときに、第1の開口部126を覆う大きさおよび形状を有し得る。蓋130を、開放位置(たとえば、
図1Aに示すような)と閉鎖位置(たとえば、
図1Bに示すような)との間に配置することができる。開放位置は、ウエハのロード中に自動アームと接触させる際に、また走査工程中に、さらにウエハのアンロード工程中などに使用することができる。いくつかの実装形態では、ウエハ支持体110が第1の開口部126に隣接する第1の位置にあるとき、蓋130は開放位置にあり、これによって走査アームアセンブリ104のノズルがウエハ108と接触できるようにしている。閉鎖位置を使用して、ウエハの分解工程中に、分解液が第1の開口部126を介してチャンバ102から流出するのを防止することができる。いくつかの実装形態では、蓋130の少なくとも一部がチャンバ本体116と接触して、内部領域118を外部領域132から隔離している。ウエハ108は、モータシステム112によるウエハ支持体110の垂直位置の制御によって、内部領域118内で第2の位置へと移動する。たとえば、モータシステム112は、蓋130が開放位置から閉鎖位置に移動する前または移動中に、ウエハ支持体110を内部領域118内で第2の位置に移動させる。いくつかの実装形態では、蓋130をチャンバ本体116に隣接して配置しており、また蓋アーム136を介してマウント部134に回転可能に連結して、蓋130を開放位置と閉鎖位置との間で移動させている。
【0038】
ウエハ108をウエハ支持体11に挿入した後、システム100は、ウエハ108の1つ以上の表面またはエッジの分解を円滑に進めるために、分解構成に移行することができる。たとえば、モータシステム112は、ウエハ支持体110を第1の位置から第2の位置へと移動させて、ウエハ108をレッジ120の第2の開口部128に隣接して位置決めする(たとえば、
図1Bおよび
図2Bに示すように)。いくつかの実装形態では、チャンバ102は、ウエハ支持体110がモータシステム112によって第2の位置に位置決めされたときに、ウエハ108の表面上に分解液を噴霧するために、第1の開口部126と第2の開口部128との間に配置されるネブライザ138を含む。したがって、分解液はネブライザ138によってチャンバ102内へと直接噴霧される。分解液は、たとえばネブライザ138の少なくとも一部を収容しているアンテチャンバ142内へと通じる導管140を経由するなどして、流体ハンドリングシステム106からの1つ以上の流体ラインを介してネブライザ138に供給することができる。いくつかの実装形態では、ネブライザ138の少なくとも一部をチャンバ102の壁内に少なくとも部分的に配置している。たとえば、チャンバ本体116は、内部領域118とアンテチャンバ142との間に開口部144を画定し得、ここでネブライザ138の吐出口は、エアロゾル化分解液を、第1の開口部126と第2の開口部128との間の内部領域に吐出して、ウエハ108の少なくとも上面146に散布し、かつこれを分解することができる。
【0039】
いくつかの実装形態では、チャンバ102は、分解中にウエハ108の下に圧力を誘起して、分解液がウエハ108のエッジとレッジ120との間を通過するのを防止している。たとえば、チャンバ102は、第2の開口部128とチャンバ本体116の底部124との間に位置する内部領域118内にガス吐出ポート148を含み、これによって、ネブライザ138から内部領域118内に分解液を導入している間に、ガスまたは他の流体を内部領域118内へと導入することができる。ガス吐出ポート148からのガスは、ネブライザ138から供給されるエアロゾル化分解液の圧力よりも高い圧力で導入されて、第2の開口部128を通過する(たとえば、ウエハ108のエッジとレッジ120との間を)ガスの上昇流をもたらし得、これによってウエハ108の下を分解液が通過するのが防止されている。いくつかの実装形態では、システム100は、ウエハ支持体110が第2の位置に位置決めされ、ネブライザ138によって分解液がウエハ108の表面146上に導入されている間に、ガス源からガス吐出ポート148にガスを導入するためにガス源に連結されているコントローラを含む。たとえば、導管140およびアンテチャンバ142を通る流体ラインを介して、ガスをガス吐出ポート148に供給することができる。いくつかの実装形態では、モータシステム112は、エアロゾル化分解液が内部領域118を流れているとき、分解工程においてウエハ支持体110の回転を誘発して、ウエハ108を回転させる。
【0040】
チャンバ102は、1つ以上のドレインと流体連通しているチャンバ本体116内の1つ以上のチャネルを介して、内部領域118からの流体の除去を円滑に行うことができ、かかる流体は、たとえば余分な分解液、四フッ化ケイ素(SiF4)、ガス吐出ポート148によって供給されるガス、水、水蒸気、リンス液、または他の流体を含み得る。たとえば、チャンバ本体116は、互いに積み重なった(たとえば、連結溝を介して)基部200と、中間部202と、上部204(たとえば、
図2Bに示すような)とを含み得る。基部200は、1つ以上のドレイン206(たとえば、ドレイン206Aおよび206B)を画定して、チャンバ102の内部領域118からドレイン配管を介した1つ以上の排水受け(図示せず)への排出口を設けることができる。いくつかの実装形態では、ドレイン206Aをチャンバ本体116のチャネルと流体連結させて、第1の開口部126と第2の開口部128との間に位置する流体がドレイン206Aに移動できるようにしている。たとえば、中間部202は1つ以上のチャネル208を画定し、その少なくとも一部が中間部を通って延在して、基部200によって形成された1つ以上のチャネル210の少なくとも一部と垂直に位置合わせされるようにすることができる。チャンバ本体116(たとえば、上部204、中間部202、またはそれらの組み合わせの)の内面212とレッジ120との間にチャネル208を配置することができ、これにより、蓋130と第2の開口部128またはウエハ108の表面146との間で内部領域118内に保持されている流体がチャネル208へと流入し、チャネル210に至り、かつドレイン206Aから排出されるようにすることができる。いくつかの実装形態では、ドレイン206Bにより、リンス洗浄工程中(本明細書では、
図2Cに関連して記載している)にリンス液または他の流体をチャンバ102の内部領域118から排出することが可能となる。
【0041】
ウエハ108の分解後、システム100は走査構成へと移行して、ウエハ108を別の走査システムに移送することなく、走査アームアセンブリ104がウエハ108の表面146と接触できるようにしている。走査構成に移行するために、モータシステム112は、第2の開口部128に隣接する第2の位置から、第1の開口部126に隣接する第1の位置まで、あるいはチャンバ本体116の上部122に近接するようにウエハ支持体110を位置決めし、これによって走査アームアセンブリ104がウエハ108の表面146と接触できるようにしている。走査アームアセンブリ104は概して、走査液をウエハ108の表面146に導入し、かつ走査液をウエハ108の表面146から回収するように構成されたノズル304を支持している、ノズルハウジング302に連結された回転式アーム支持体300を含む。モータシステム112は、回転式アーム支持体300の回転、回転式アーム支持体300の垂直方向の位置決め、またはそれらの組み合わせを制御して、ノズルハウジング302およびノズル304をリンス洗浄部114の1つ以上の位置(たとえば、
図2Aに示すような)からウエハ108に隣接しているか、またはその上方にある1つ以上の位置(たとえば、
図4に示すような)へと位置決めすることができる。ノズル304の例示的な実装形態については、本明細書では
図7Aから
図7Dに関連してさらに記載している。いくつかの実装形態では、回転式アーム支持体300はノズル304を回転させるか、あるいは移動させて、ウエハ支持体110がモータシステム112によって第1の位置に位置決めされたときに、ノズル304をウエハ108に隣接して位置決めし、ウエハ支持体110がモータシステム112によって第2の位置に位置決めされたときに、ノズル304を蓋130の経路の外側に、開放位置から閉鎖位置へと位置決めする。
【0042】
ノズル304がウエハ108に隣接しているか、またはその上方の位置にある(たとえば、
図4に示すような)と、流体ハンドリングシステム106はノズル304への、かつこれからの走査液の導入を制御して、ウエハ108の表面146に対する走査工程を円滑に進めることができる。
図7Aから
図7Dを参照すると、ノズル304の例示的な実装形態が示されている。ノズル304は、ウエハ108の表面146全体に流体の流れを送るように構成されており、その際スポットサイズの液滴をウエハ108上で移動させるよりも短時間で、ウエハ108の表面積をより広く覆うことができる。流体の流れをノズル304によってウエハ108の表面146上に誘導して、ウエハ108の所望の表面積を制御可能に走査している。いくつかの実装形態では、ノズル304は、ウエハ108を一回転させることで、表面146のほぼ全体に流体の流れを誘導している。いくつかの実装形態では、表面146のウェッジ(たとえば、ウエハ108のセクタまたはその一部)を、ウエハ108をわずか一回転させるだけで走査することができる。ノズル304は、入口ポート502、出口ポート504、第1のノズルポート506、第2のノズルポート508、およびノズルフード510を画定しているノズル本体500を含む。ノズル304は、ノズル304をノズルハウジング302内に取り付けるための1つ以上の取付孔をさらに含み得る。入口ポート502および出口ポート504は、システム100の動作中にノズル304に流出入する流体の流れを送るための、流体ラインを収容している。たとえば、ノズル304は、流体を保持ラインまたは保持ループ(たとえば、サンプルの保持ループ)からノズル304へと押し込むという第1のポンプ(たとえば、シリンジポンプ)の作用によって流体を受け取り、そこから流体は入口ポート502内へと送られ、入口ポート502と第1のノズルポート506とを流体接続しているノズル本体500のチャネル503を通過する。次いで流体を、第1のノズルポート506を介してウエハ108の表面146上に付着させる。流体は、ノズルフード510とノズル本体500との間に画定されたチャネル512を介して一続きの流体流としてウエハ108の表面146に沿って送られ、その後流体は、ウエハ108の表面146から除去される。たとえば、ノズル本体500における出口ポート504と第2のノズルポート508との流体連通を通じて、チャネル512で第1のノズルポート506から遠位にある第2のノズルポート508を介して流体を引き込むという第2のポンプ(たとえば、シリンジポンプ)の作用によって、流体を表面146から除去することができる。このように、第1のノズルポート506から第2のノズルポート508への移動中に、流体をウエハ108と接触させることができる。チャネル512では、ノズルフード510の補助を受けながら、一定量の流体をウエハ上に流すことができる。いくつかの実装形態では、チャネル512の容積は約300μLである。しかしながら、チャネル512の容積は300μLに限定されず、したがってその容積が300μL未満となっても300μLを超えてもよい。たとえば、チャネル512の容積は、所望の量の流体(たとえば、走査液)を表面146に供給するために、システム100によって処理されるウエハ108の大きさに依存し得る。チャネル512の長さは、システム100によって処理されるウエハ108の大きさに基づいて選択することができ、いくつかの実装形態では、チャネル512の長さはウエハ108の半径にほぼ等しい。いくつかの実装形態では、チャネル512の長さを約20mmから約500mmまでとすることができる)。たとえば、チャネル512の長さを約150mm(たとえば、直径300mmのウエハを収容するために)、約100mm(たとえば、直径200mmのウエハを収容するために)、または約225mm(たとえば、直径450mmのウエハを収容するために)とすることができる。
【0043】
ノズルフード510は、第1のノズルポート506および第2のノズルポート508のそれぞれに隣接してノズル本体500から延在し、かつ第1のノズルポート506と第2のノズルポート508との間でノズルフード512とノズル本体500との間にチャネル512を画定している。ノズルフード510がノズルフード510内で第1のノズルポート506と第2のノズルポート508とを包囲するように(たとえば、
図7Cに示すように)、ノズルフード510はさらに延長して、チャネル512内に第1のノズルポート506および第2のノズルポート508をそれぞれ含み得る。いくつかの実装形態では、ノズル本体500は、ノズル304を長手方向に横切って実質的に対向する側壁514を含む。対向する側壁514はそれぞれ、対向部518に連結されるか、あるいはこれをもたらすように延在するテーパ状の壁部516を含む。いくつかの実装形態では、対向部518は実質的に垂直であり、ノズルフード510の少なくとも一部を形成している。ノズル304は単一の一体部品から形成することができ、またはノズル304の一部を別々に形成して融合させるか、あるいは他の方法でこれらを連結させることができる。いくつかの実装形態では、ノズル304をクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはそれらの組み合わせから形成している。
【0044】
ノズル304のチャネル512は、丸端部513Aおよび513Bを備える細長い形状を有する。丸端部は、たとえばノズル304を通る流体をより一貫して供給したり、取り込んだりすることにより、傾斜端部と比較して優れた流体ハンドリング特性を発揮することができる。いくつかの実装形態では、第1のノズルポート506(ここで、流体がノズル304からウエハ108上に吐出される)を、チャネル512の丸端部513Aのエッジに接するように配置している。かかる配置により、ひとたびすべての流体がウエハ108に導入されてから、第1のノズルポート506からの流体流が突然中断される際に補助を受けつつ、ウエハ108の表面上で流体が分断されるのを回避することができる。いくつかの実装形態では、回転式アーム支持体300はノズルハウジング302を回転させて、ノズル302の丸端部513Aをウエハ108のエッジ上に延在させ(たとえば、走査工程終了後に)、流体ハンドリングシステム106の動作により、第2のノズルポート508を介して流体流の取り込みを促進している。たとえば、
図6に示すように、ノズルを第1の時間(t1)において第1の位置(たとえば、走査位置)に位置決めし、これによってチャネル512は表面146上に位置決めされる。次いで、回転式アーム支持体300は、第2の時間(t2)においてノズルハウジング302を回転させて、丸端部513Aを、第1の位置から約7度回転させた第2の位置で、ウエハ108のエッジを越えて延在させる(たとえば、エッジの上方に向かう)。いくつかの実装形態では、第2のノズルポート508を丸端部513Bのほぼ中央に、かつ第1のノズルポート506から遠位となるように配置している。第2のノズルポート508を丸端部513Bのエッジに近接させるのではなく、丸端部513Bの中央に配置することにより、流体の取り込みを容易にする一方で、流体流が分断されることなく表面146上の流体流の保持を促進しながら、ウエハ108の表面146上における流体の動きを正確に制御している。
【0045】
ウエハ108の表面416上におけるノズル304の位置は、走査工程中にチャネル512内で保持される流体の量に影響する可能性がある。システム100は、ノズルに走査液を導入する前に表面416上に所望の高さが確実に得られるようにして、ウエハ108の表面146に沿って、ノズルフード510によって所望の量の流体が誘導されるように促すゼロ点調整の工程を含み得る。例示的なゼロ点調整の工程を
図8Aから
図8Cに関連して示しており、ここでは本開示の種々の実施形態による、走査アームアセンブリ104のいくつかの態様を示している。走査アームアセンブリ104は、第1のノズルポート506および第2のノズルポート508が、流体が散布され、かつそこから除去されるウエハ108の表面146に対して水平となるように、ウエハ108に対するノズル304の位置合わせを円滑に進める。システム100は、ウエハ108がシステム100によって処理される度に(たとえば、第1のウエハが走査されて、チャンバ102から取り出される時点と、第2のウエハがチャンバ102に導入されて、走査される時点との間に)、あるいは次の走査工程に移る前など、ノズル304を、チャンバ102によって保持されているウエハ108に対して確実に水平にする必要がある場合に、位置合わせまたは水平調整の工程を経ることができる。通常、ノズル304をノズルハウジング302に移動可能に連結して、ノズルハウジング302によって支持されている間に、ノズル304がノズルハウジング302に対して一連の動作を行うことができるようにしている。ノズルハウジング302は、延長位置(たとえば、
図8Aに示すような)と後退位置(たとえば、
図8Bおよび
図8Cに示すような)との間を移動するときに、ノズル304の少なくとも一部が通過できる開口部520を画定している。たとえば、ノズル304の上部をノズルハウジング302内に位置決めすることができ、ここでノズル304が延長位置から後退位置へと移動するときに、開口部520を介してノズルハウジング302の内部にノズル304の別の部分を導入することができる。たとえば、ノズル304がゼロ点調整した表面522と接触するように位置決めされると、ノズルフード128は表面522と接触して、ノズル304を表面522に対して水平となる位置に押圧することができる。次いでノズルハウジング302は、ノズル304が表面522から引き上げられたときに(たとえば、走査位置まで)、ノズル304を表面522に対して水平に保つために、ノズル304の位置を定位置にロックするように作動することができる。ノズルハウジング302は、ノズル304をノズルハウジング302に対して解放可能に固定するための機械的、電気的、または電気機械的ロック装置を含み得る。いくつかの実装形態では、表面522はウエハ108の表面146、ウエハ支持体110の表面(たとえば、ウエハ108をウエハ支持体110上にロードする前)、リンス洗浄部114の表面、または半導体ウエハの高さ特性と一致している構造を有する他の表面を含み、これによって、ノズル304が表面522と接触すると、ノズルフード128、第1のノズルポート506、および第2のノズルポート508などがウエハ108に対して適切に位置決めされるようにしている。
【0046】
いくつかの実装形態では、ノズル搭載アセンブリ500は、ノズル304を回転式アーム支持体300に連結するためのノズルハウジング302を含む。ノズルハウジング302の突起部528と相互作用する開口部526を画定しているカプラ524を介して、ノズル304をノズルハウジング302に連結することができる。突起部528は、開口部526の幅もしくは直径よりも小さい幅もしくは直径を有するファスナ、ピン、または他の構造体を含み、これによって走査アームアセンブリ104が第1の状態(たとえば、水平状態)にあるとき、開口部526の上部が突起部528上に載置されるようにし、その結果、カプラ524を介してノズル304を、ノズルハウジング302に対して下方位置または延長位置へと位置決めできるようにしている(たとえば、
図8Aに示すように)。システム100は、回転式アーム支持体300にノズルハウジング302を降下させて、ノズル304を表面522と接触させることにより(たとえば、
図8Bに示すように)、位置合わせまたは水平調整の工程を実施することができる。たとえば、ノズル304が表面522と接触すると、突起部528が開口部526の上部と接触することによってカプラ524を支持しないように、カプラ524が突起部528に対して上方に押圧される。ノズル304が表面522と接触した後、ノズル304は後退位置へと移動し、システム100はロック構造体530(たとえば、ノズルハウジング302内で一体化された)を作動させて、ノズルハウジング302に対してノズル304の位置を固定することができる。たとえばカプラ524は、ロック構造体530内に組み込まれた電磁石により発生させた磁界によって固定できる、鉄鋼材料を含み得る。例示的な実施形態では電磁石がロック構造体530の一部として示されているが、空気圧式ソレノイドアクチュエータ、機械的ロック、または電気機械的ロックなどを含むが、これらに限定されない他のロック構造体を使用することができる。
【0047】
ノズルハウジング302は、ノズル304が延長状態にあるのか、後退状態にあるのか、または異なる位置にあるのかについての判定などを行うために、ノズルハウジング302に対するノズル304の位置をモニタリングするためのセンサを含み得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ノズルハウジング302は、カプラ524の有無を検出し、かつシステム100のコントローラが受信する信号を生成し、または生成を中止するためのセンサ532を含む。センサ532は、カプラ524の第1の側面上に光源を有する光スイッチと、カプラ524において対向する第2の側面上に検出器とを含み得る。カプラ524は位置合わせ切欠きを含み得、その一部はセンサ532の光源と検出器との間を通過している。ノズル304が延長位置にあるとき(たとえば、ロック構造体520が係合していないとき)、光源からの光はカプラ524の位置合わせ切欠きを通過し、カプラ524において反対側にある検出器によって検出される。次いでセンサ532は、信号を出力するか、または信号の出力を中止して、光を検出したことを示すことにより、ノズル304が延長位置にあることをシステム100に示す。表面522上で水平にされた後など、ノズル304が後退位置にあるとき、カプラ524の本体はセンサ532の光源と検出器との間に位置決めされ、光が検出器に到達するのを阻止する。センサ532は、信号を出力し、または信号の出力を中止して、光源を検出しなかったことを示す。かかる信号の出力または非出力により、ノズル304が後退位置にある(たとえば、ロック構造体530によってノズルハウジング302内に支持されている)ことがシステム100に示される。センサ532を操作することにより、ノズル304が作動後も依然として後退および水平位置にあるかどうかを確認するためのシステムチェックを実施することができる。センサ532からの出力に変化が生じた場合は、再度の水平調整の工程が適切に行われていることや、ロック構造体530の判定を実施すべきであることなどを示している可能性がある。あるいは、位置合わせ切欠きを再配置して、ノズル304が後退位置にあるときに、検出器が位置合わせ切欠きと位置合わせされるようにし、またノズル304が延長位置にあるときに、カプラ524の本体が光を遮断するようにすることができる。
【0048】
ノズル304が表面522に対して水平にされ、ロック構造体530を介して定位置にロックされると、回転式アーム支持体300はノズル304を水平位置に維持しながら、ノズル304を表面522から引き上げることができる(たとえば、
図8Cに示すように)。回転式アーム支持体300は、次いでノズル304を走査位置に位置決めするか、あるいはノズル304を移動させることができる(たとえば、ノズル304を水平にするために使用する表面522が支持体106である場合、ウエハ108をウエハ支持体110上に位置決めすることができる)。
【0049】
ノズルハウジング302は、ノズル304への流体の導入と、ノズル304からの流体の除去とを円滑に進めるための、1つ以上のセンサを含み得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ノズルハウジング302は、ノズル304の入口ポート502および出口ポート504のまたは複数に隣接する1つ以上のセンサ(センサ534Aおよび534Bを示している)を含み、これによって流体ハンドリングシステム106の動作を制御して、ノズル304に流出入する流体の流れを制御している。センサ534Aおよび534Bは、システム100の流体ライン内の液体の流れまたはその不在を検知するための光学センサ、容量センサ、超音波センサ、または他のセンサ、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。たとえばシステム100は、流体ラインカプラ536Aおよび536Bに連結された、流体ハンドリングシステムからの流体ラインを含み得、これらを介してセンサ534Aおよび534Bはそれぞれ、流体ライン内の流体の有無を検出することができる。信号を出力するか、またはこれを出力しないことにより、ノズル304への流体の導入、またはノズル304からの流体の除去に使用されるポンプを含むが、これに限定されない、流体ハンドリングシステム106の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。
【0050】
システム100は、走査工程終了後などに、ウエハ108およびノズル304に対するリンス洗浄工程を円滑に進める。
図2Cを参照すると、チャンバ102は、ウエハ108のリンス洗浄を促進するためのリンス洗浄構成にある状態で示されている。リンス洗浄構成に移行するために、モータシステム112は、ウエハ支持体110を第1の開口部126に隣接する第1の位置(たとえば、走査位置)または他の位置から、レッジ120とチャンバ本体116の底部124との間のリンス洗浄位置へと位置決めすることができる。ノズルハウジング302上のリンス洗浄ポート、あるいはシステム100に設けられている他の手段などを介して、リンス液をウエハ108に導入することができ、これによってモータシステム112はウエハ108を回転させて、リンス液の除去を行うことができる。リンス液は、次いでチャンバ本体116の内部に突き当たり、その後ドレイン206Bへと流れてチャンバ102の内部領域118から排出される。ノズル304をリンス洗浄するために、回転式アーム支持体300は、リンス洗浄部114の1つ以上のトラフ(trough: 樋)に対してノズル304を位置決めすることができる。たとえば、リンス洗浄部114は、ノズルフード510、チャネル512、またはノズル304の他の部分と相互作用させるために、リンス液源からリンス液がその内部に導入される細長いチャネルを有する、第1のトラフ115A(たとえば、
図5に示すような)を含み得る。
図1Aおよび
図1Bでは、ノズル304を第1のトラフ115A内に位置決めした状態で示している。リンス洗浄部114は、乾燥ガス源(たとえば、窒素または他の不活性ガス)に連結された細長いチャネルを有しており、これの内部に乾燥ガスを導入して、ノズル304に突き当たるようにしている第2のトラフ115Bをさらに含み得る。
図5では、ノズル304を第2のトラフ115B内に位置決めした状態で示している。
【0051】
ここで
図9Aから
図10を参照すると、本開示の種々の実施形態による、システム100の例示的な流体ハンドリングシステム106が記載されている。たとえば、流体ハンドリングシステム106は、分析システムによる分析のためにシステム100が使用する薬剤のケミカルブランクの調製を円滑に進めることができ、要求に応じて、かつチャンバ102で使用する際の所望の比率に従って、分解液の調製を円滑に進めることができ、要求に応じて、かつチャンバ102で使用する際の所望の比率に従って、走査液の調製を円滑に進めることができ、かつそれらの組み合わせを行うことができる。図のように、流体ハンドリングシステム106は、流体ハンドリングシステムを介して流体を引き込み、かつ押し出して、システム100の他の構成要素(たとえば、ノズル304)、および分析システムなどと相互作用させるためのポンプ600、602、604、606、608、610、および612を有するポンプシステムを含む。このポンプシステムを、シリンジポンプを組み込んだ状態で示しているが、システム100では異なるポンプタイプまたはシステム、およびポンプタイプまたはシステムの組み合わせなどを使用することができる。ウエハ108の分解工程中にチャンバ102のネブライザ138に分解液を導入するための、流体ハンドリングシステム106の例示的な構成を
図10に示す。ポンプ612は、第1の構成のバルブ616および第1の構成のバルブ618を用いて、フッ化水素酸(HF)または他の分解液(複数可)を分解液源613から保持ライン(たとえば、分解液保持ループ614)へと引き込むことができる。バルブ616の第2の構成では、分解液を保持している流体ライン内にガス源619からのガスを導入して、分解液をネブライザ138に対して押し出すために使用される作動液間に、バリアを設けることができる。バルブ618の第2の構成では、ポンプ612は作動液(たとえば、脱イオン水または他の流体)を吸引することができ、これによってバルブ618は第1の位置に切り替わり、またバルブ616はポンプ612とネブライザ138との流体連通をもたらすために第3の構成に切り替わることができ、これによってポンプ612は、分解液保持ループ614内に保持されている分解液に対して作動液を押し出して(たとえば、任意の中間空隙を介して)、分解液をネブライザ138へと導入することができる。ウエハ108の分解に続いて、システム100は、不純物の有無を判定するためにウエハ108を走査することができる。
【0052】
図9Aを参照すると、流体ハンドリングシステム106が例示的な薬剤のロード構成にある状態で示されている。ポンプ604、606、および608はそれぞれ、第1のバルブ構成のバルブ626を介して、薬剤源620、622、および624から薬剤を吸引する。これらの薬剤は、たとえばフッ化水素酸(HF)、過酸化水素(H2O2)、脱イオン水(DIW)、または他の流体を含み得る。バルブ626の第2のバルブ構成(
図9Aに示すような)では、ポンプ604、606、および608をそれぞれ流体ラインコネクタ(たとえば、マニホールド628または他のコネクタ)と流体連結させており、これにより、各ポンプによって吸引される薬剤が結合されて、混ざり合うことができる。結合された流体はバルブ630へと送られ、このバルブ630は、第1のバルブ構成では結合された流体を保持ライン(たとえば、保持ループ632)へと送る。いくつかの実装形態では、システムコントローラは、ポンプ620、622、および624のそれぞれの動作を別々に制御して、それぞれのポンプが処理する各流体の流速を制御し、これによって混合後に保持ループ632に送られる混合流体の組成を制御している。いくつかの実装形態では、第1の混合流体を第1の走査工程中にウエハ108と相互作用させるために使用することができ、またポンプシステム620、622、および624を各自動作制御することによって第2の混合流体を導入し、これを第2の走査工程中にウエハ108と相互作用させることにより、必要に応じて第2の混合流体を調製することができる。追加の混合流体を必要に応じて調製し、これらを所望の通りにウエハ108へと導入することができる。いくつかの実装形態では、保持ループ632は、補充する必要なしに複数のウエハに対する走査工程をサポートできる容積を有する。たとえば、走査液(たとえば、「ブランク」サンプル)の一部を分析システムに送り、ウエハ上で使用するにあたり、当該液が動作上の制約内にあることを検証するという形態において、この走査液を調製することができる。次いで、保持ループ632内の走査液の残部を複数の走査工程で使用することができ、その際、この走査液は使用に適していると事前に検証されている。分析時におけるケミカルブランクの例示的なロードについては、
図9Bに関連して示している。
【0053】
図9Bを参照すると、流体ハンドリングシステム106が、分析時におけるケミカルブランクをノズル304を通過させずに送るという、例示的なノズルのバイパス構成にある状態で示されている。このノズルのバイパス構成では、ポンプ610は保持ループ632と流体連通して(たとえば、第2のバルブ構成のバルブ630を用いて)、保持ループ632に保持されている流体を、第1のバルブ構成のバルブ636および第1のバルブ構成のバルブ638を介してサンプル保持ライン(たとえば、サンプル保持ループ634)に押し出している。流体がサンプル保持ループ634内に隔離されると、流体ハンドリングシステム106はその構成をサンプルの注入構成へと切り替えて、分析を行うためにサンプルを分析システムに移送することができる。この分析システムは、微量元素組成を求めるための誘導結合プラズマ分光計を含み得るが、これに限定されない。
【0054】
図9Cを参照すると、流体ハンドリングシステム106が例示的な薬剤の注入構成にある状態で示されており、これによって保持ループ632は1つ以上の移送機構と流体連通している。たとえば、一実装形態では、バルブ638は第2の構成(
図9Cで破線で示しているような)にあり、保持ループ632をガス移送源(たとえば、窒素圧力源640)と流体連結させて、保持ループ632内に保持されているサンプルを、第1のバルブ構成のバルブ644および第1のバルブ構成のバルブ646を介して、サンプル分析システムへの移送ライン642に押し出している。一実装形態では、バルブ638は、第3のバルブ構成(
図9Cで実線で示しているような)にあり、第1のバルブ構成のバルブ648(
図9Cで実線で示しているような)を介して保持ループ632をポンプ602と流体連結させて、保持ループ632内に保持されているサンプルを、第1のバルブ構成のバルブ644および第1のバルブ構成のバルブ646を介して、サンプル分析システムへの移送ライン642に押し出している。ポンプ602では、作動液(たとえば、DIW源650からの脱イオン水)を使用して、サンプルを移送ライン642へと押し出すことができる。いくつかの実装形態では、流体ハンドリングシステム106は、たとえば作動液を押し出す前に、保持ループ632内に気泡(たとえば、窒素圧力源640からの)を導入することによって、作動液とサンプルとの間に流体間隙を導入している。いくつかの実装形態では、流体ハンドリングシステム106は、移送ライン642内の流体の有無を検出するためのセンサ652を、移送ライン642に隣接して含む。たとえば、センサ652は、保持ループ632から押し出されたサンプルの後端を検出することができ(たとえば、ライン内の気泡を検出することによって)、その際センサ信号を出力するか、またはこれを出力しないことにより、流体ハンドリングシステム106のコントローラに対して、バルブ646および648の構成を第2のバルブ構成(
図9Cで破線で示しているような)に切り替えて、流体ライン654を介してポンプ602を移送ライン642に流体接続するように通知することができる。かかる構成では、流体ハンドリングシステム106の他の部分は、サンプル移送中にこれらの他の部分をリンス洗浄できるようにするために、サンプルのサンプル分析装置への移送時には隔離される。
【0055】
図9Dを参照すると、流体ハンドリングシステム106が例示的なノズルループのロード構成にある状態で示されており、これによって保持ループ632はノズル保持ライン(たとえば、ノズル保持ループ656)と流体連通して、ノズル304に流体を導入する準備をする。このノズルループのロード構成では、ポンプ610は保持ループ632と流体連通して(たとえば、第2のバルブ構成のバルブ630を用いて)、保持ループ632内に保持されている流体を、第2のバルブ構成のバルブ636および第1のバルブ構成のバルブ658を介してノズル保持ループ632に押し出している。いくつかの実装形態では、ノズル保持ループ632は約500μLの容積を有する一方、保持ループ632は約5~20mLの容積を有し、これにより、走査液を調製する度に、ポンプ604、606、および608の作動を通じてノズル保持ループ632を充填することができる。流体がノズル保持ループ656内に隔離されると、流体ハンドリングシステム106はその構成をノズルのロード構成へと切り替えて、ウエハ108の走査工程を実施するために流体をノズル304に移送するか、またはノズルのブランクサンプルを得ることができる(たとえば、リンス洗浄部114の表面などの不活性な表面に流体を導入し、かつ分析のために不活性な表面からサンプルを除去する)。
【0056】
図9Eを参照すると、流体ハンドリングシステム106が例示的なノズルのロード構成にある状態で示されており、これによってポンプ600はノズル保持ループ656と流体連通しており、ノズル304はバルブ658を介した第2のバルブ構成となり、流体をノズル保持ループ656からノズル304へと押し出している。いくつかの実装形態では、走査工程中、ノズル304がポンプ600によってロードされている間、ウエハ108は静止状態に保たれている。いくつかの実装形態では、システム100は、ノズル304に流体を充填する前に、ノズル304のゼロ点操作を実施する(たとえば、
図8Aから
図8Cに関連して記載しているように)。その後、ノズルをウエハ108上の走査位置に位置決めし、ポンプ600は、ノズル保持ループ656からノズル304の入口ポート506に、次いでノズル本体500を経て第1のノズルポート506およびウエハ108の表面146に至る(または、ノズルのブランク分析時の不活性な表面上へと)まで、流体を押し出すように動作することができる。いくつかの実装形態では、流体ハンドリングシステム106のコントローラは、ノズル304が充填されたことを示す、ノズル304への流体の導入またはこれからの流体の流出の有無を検出しているセンサ534Aおよび534Bからの検知信号が発信されたか否かに基づいて、ポンプ600の動作を制御している。いくつかの実装形態では、センサ534Aによって流体の先端が検出されると、ポンプ600は、ノズル304に導入される流体の流速を低下させる(たとえば、約50μL/分の流速から10~20μL/分の流速へと低下させる)。いくつかの実装形態では、ポンプ600は、流体の後端がセンサ534Bによって記録されるまで、ノズル304を充填するように動作する。ポンプ600は、次いで流体の後端をノズル304内に押し込むように一定の時間動作し、その後動作を停止し、これによって、以前ノズル保持ループ656によって保持されていたすべての流体がウエハ108の表面146上に配置される (または、ノズルのブランクを実施している場合は不活性な表面上に)。次いで、流体はノズル304によって表面146上に支持される。いくつかの実装形態では、流体の一部はノズルフード510から突出する可能性があるが、これを接着力などによって、チャネル512内の流体の残部と接触した状態に維持することができる。システム100は、次いでウエハ108の表面146上でノズル304を走査する段階に移行する。走査工程中、モータシステム112はウエハ108を回転させ(たとえば、約2rpmで)、これにより、ノズル304が支持している流体はウエハ108の表面146上へと移行する。いくつかの実装形態では、流体は、ウエハ108を一回転させることでウエハ108の表面146のほぼ全体と相互作用するが、これをさらに回転させることもできる。たとえば、本走査工程では、流体がウエハ108の表面全体に2回接触できるようにするために、モータシステム112がウエハ108を二回転させることを含み得る。走査終了後、ノズルを回転させて、ノズルの端部をウエハのエッジ上に延長させることにより(たとえば、
図6に関連して記載しているように)、たとえば表面からノズル304への流体の取り込みを、第2のノズルポート508を介して補助することができる。
【0057】
図9Fを参照すると、流体ハンドリングシステム106が例示的な回収構成にある状態で示されており、これによってポンプ602は、第1の構成のバルブ648、第3の構成のバルブ638、および第2の構成のバルブ644を介してノズル304と流体連通している。この回収構成では、ポンプ602は、ウエハ108の表面146から第2のノズルポート508を介して流体を吸引し、かつ出口ポート504を介してノズル304の外に放出するように動作し、そこで流体はサンプル保持ループ634へと引き込まれる。センサ(たとえば、センサ660)を使用して、センサ534Aまたは534Bの出力によってポンプ600を制御するのと同様に、ポンプ602の動作を制御することができる。たとえば、センサ660は、サンプル保持ループ634に流入する流体の後端を検出し、これによってポンプ602に動作を停止するように通知することができる(たとえば、流体ハンドリングシステム106のコントローラを介して)。ひとたび流体がサンプル保持ループ634に保持されると、流体ハンドリングシステム106は、移送ライン642を介して流体をサンプル分析装置に導入するために、
図9Cに関連して記載した薬剤の注入構成へと移行することができる。いくつかの実装形態では、サンプル保持ループ634は、走査後の流体をすべて回収できるようにするために、ノズル304に供給される流体の容積(たとえば、500μL)よりも大きい容積(たとえば、1.5mL)を有する。
【0058】
電気機械装置(たとえば、電気モータ、サーボ、またはアクチュエータなど)をシステム100の構成要素と連結するか、またはその内部に搭載して、システム100内に組み込まれているか、またはシステム100を外部から駆動する制御ロジックによる自動操作を容易に行うことができる。これらの電気機械装置を、本明細書に記載の工程などの種々の工程に従って、装置および流体を移動させるように構成することができる。システム100は、非一時的なキャリア媒体(たとえば、フラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッド・ステート・ディスク・ドライブ、SDカード、または光ディスクなどの記憶媒体)からのコンピュータ可読プログラム命令(すなわち、制御ロジック)を実行するように構成された、プロセッサまたは他のコントローラを有するコンピューティングシステムを含むか、またはこれによって制御されてもよい。このコンピューティングシステムをシステム100の種々の構成要素に対して、直接接続によっても、1つ以上のネットワーク接続(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線エリアネットワーク(WANまたはWLAN)、および1つ以上のハブ接続(たとえば、USBハブ)など)によっても接続することができる。たとえば、このコンピューティングシステムをチャンバ102、モータシステム112、本明細書に記載のバルブ、本明細書に記載のポンプ、本明細書に記載の他の構成要素、それらの制御を指示する構成要素、またはそれらの組み合わせに対して通信可能に連結することができる。プログラム命令は、プロセッサまたは他のコントローラによって実行されると、コンピュータシステムに、本明細書に記載しているような1つ以上の動作モードに従って、システム100を制御させることができる(たとえば、ポンプの制御、バルブ、アクチュエータ、およびスプレーノズルの選定や、装置の位置決めなど)。
【0059】
本開示全体を通して記載している種々の機能、制御動作、処理ブロック、または工程をハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組み合わせによって実行してもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、種々の工程または機能を電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラム可能論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラまたはマイクロコントローラ、もしくはコンピューティングシステムのうちの1つ以上によって実行している。コンピューティングシステムは、パーソナル・コンピューティング・システム、モバイルコンピューティング装置、メインフレーム・コンピューティング・システム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または当技術分野で知られている他の任意の装置を含み得るが、これらに限定されない。一般に、「コンピューティングシステム」という用語は、キャリア媒体からの命令を実行する、1つ以上のプロセッサまたは他のコントローラを有する任意の装置を包含するように、幅広く定義されている。
【0060】
本明細書に記載の実施形態によって明示されるものなどの機能、制御動作、処理ブロック、または工程を実行するプログラム命令を、キャリア媒体を介して送信するか、またはキャリア媒体上にこれらを格納してもよい。このキャリア媒体は、以下のものに限定しないが、ワイヤ、ケーブル、または無線伝送リンクなどの伝送媒体であってもよい。このキャリア媒体は、以下のものに限定しないが、読み取り専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク、ソリッドステート装置もしくはフラッシュメモリ装置、または磁気テープなどの非一時的な信号搬送媒体または記憶媒体をさらに含んでいてもよい。
【0061】
また、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解すべきである。本発明のいくつかの実施形態を例示したが、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者によって種々の修正がなされ得ることは明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハの表面を分解して走査するためのチャンバであって、
内部領域およびチャンバの上部にある第1開口部を画定するチャンバ本体であって、チャンバ本体の内部領域の中に半導体ウエハを受容するチャンバ本体と、
チャンバ本体の上部とチャンバ本体の底部との間にあるチャンバ本体の中間部において内部領域内に突出しているレッジであって、中間部の内部領域内に第2開口部を画定するレッジと、
半導体ウエハの少なくとも一部を保持するように構成されたウエハ支持体であって、少なくとも第1開口部に隣接する第1位置と、チャンバ本体の内部領域内の第2開口部に隣接する第2位置との間で位置決め可能であるウエハ支持体と、
チャンバ本体の側壁に第1開口部と第2開口部との間に形成されたスプレー開口部であって、該スプレー開口部は、分解液の噴霧中に、側壁の内周縁を超えずに延びるスプレー装置から分解液の噴霧を受けるように構成され、該分解液は、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、チャンバ本体の内部領域に導入される、スプレー開口部と、を備えるチャンバ。
【請求項2】
第1開口部および第2開口部は、同軸に配置される請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
ウエハ支持体に動作可能に連結されたモータシステムであって、チャンバ本体に対してウエハ支持体の垂直位置を制御し、少なくとも、走査ノズルによる半導体ウエハへのアクセスのための第1位置、および半導体ウエハの表面の分解のための第2位置に制御するように構成されたモータシステムをさらに備える請求項1に記載のチャンバ。
【請求項4】
モータシステムは、チャンバ本体に対してウエハ支持体の垂直位置を、第2開口部とチャンバの底部との間にある第3位置に制御するようにさらに構成される請求項3に記載のチャンバ。
【請求項5】
モータシステムは、半導体ウエハのリンス洗浄工程または半導体ウエハの乾燥工程のうちの少なくとも一方において、第3位置においてウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項4に記載のチャンバ。
【請求項6】
モータシステムは、第1位置および第2位置の少なくとも一方において、ウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項3に記載のチャンバ。
【請求項7】
チャンバ本体は、チャンバ本体の内面とレッジとの間に1つ以上のチャネルを画定し、該1つ以上のチャネルは、第1開口部と第2開口部との間にある流体へのアクセスを提供する請求項1に記載のチャンバ。
【請求項8】
1つ以上のチャネルと流体連結された1つ以上のドレインであって、該1つ以上のドレインは、チャンバ本体の内部領域からの流体用出口を提供する請求項7に記載のチャンバ。
【請求項9】
チャンバ本体の内部領域内で第2開口部の下方にあるガス吐出ポートと、
ガス源に連結されたコントローラであって、ウエハ支持体が第2位置に位置決めされた場合、チャンバ本体の内部領域内への分解液の導入時の際に、ガス源からガス吐出ポートにガスを導入するように構成されたコントローラと、をさらに備える請求項1に記載のチャンバ。
【請求項10】
半導体ウエハの表面を分解して走査するためのシステムであって、
半導体ウエハを受容するように構成されたチャンバを備え、
該チャンバは、チャンバの上部にある第1開口部を画定し、チャンバの内部領域の中に半導体ウエハを受容するものであり、該チャンバは、
・チャンバの上部とチャンバの底部との間にあるチャンバの中間部にあるレッジであって、中間部において第2開口部を画定するレッジと、
・半導体ウエハの少なくとも一部を保持するように構成されたウエハ支持体であって、少なくとも第1開口部に隣接する第1位置と、第2開口部に隣接する第2位置との間で位置決め可能であるウエハ支持体と、
・ウエハ支持体に動作可能に連結されたモータシステムであって、チャンバに対してウエハ支持体の垂直位置を、少なくとも第1位置および第2位置に制御するように構成されたモータシステムと、
・チャンバの側壁に第1開口部と第2開口部との間に形成されたスプレー開口部であって、該スプレー開口部は、分解液の噴霧中に、側壁の内周縁を超えずに延びるスプレー装置から分解液の噴霧を受けるように構成され、該分解液は、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、チャンバの内部領域に導入される、スプレー開口部と、を含み、
前記システムはさらに、
開放位置と閉鎖位置との間で位置決め可能な蓋であって、閉鎖位置にある場合、第1開口部を覆うようなサイズおよび形状を有する蓋と、
ノズルと連結された走査アームであって、ウエハ支持体がモータシステムによって第1位置に位置決めされた場合、ノズルを半導体ウエハに隣接して位置決めし、そして、ウエハ支持体がモータシステムによって第2位置に位置決めされた場合、ノズルを蓋の経路の外側に、開放位置から閉鎖位置へ位置決めするように回転可能である走査アームと、を備えるシステム。
【請求項11】
ウエハ支持体が第2位置にある場合、蓋は、閉鎖位置にあり、第1開口部を経由した流体通過を防止する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ウエハ支持体が第1位置にある場合、蓋は、開放位置にあり、ノズルによる半導体ウエハへのアクセスを提供する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
ノズルを受容するための細長チャネルを有するリンストラフをさらに備え、
該細長チャネルは、リンス液源と連結され、リンス液を細長チャネルに導入して、ノズルをリンス洗浄するように構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
リンストラフは、ノズルを受容するための第2細長チャネルをさらに備え、
該細長チャネルは、乾燥ガス源と連結され、乾燥ガスを細長チャネルに導入して、ノズルを乾燥させるように構成される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
チャンバの内部領域内で第2開口部の下方にあるガス吐出ポートと、
ガス源に連結されたコントローラであって、ウエハ支持体が第2位置に位置決めされた場合、チャンバ本体の内部領域内への分解液の導入時の際に、ガス源からガス吐出ポートにガスを導入するように構成されたコントローラと、をさらに備える請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
モータシステムは、チャンバに対してウエハ支持体の垂直位置を、第2開口部とチャンバの底部との間にある第3位置に制御するようにさらに構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
モータシステムは、半導体ウエハのリンス洗浄工程または半導体ウエハの乾燥工程のうちの少なくとも一方において、第3位置においてウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
モータシステムは、第1位置および第2位置の少なくとも一方において、ウエハ支持体を回転させるようにさらに構成される請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
チャンバは、チャンバの内面とレッジとの間に1つ以上のチャネルを画定し、該1つ以上のチャネルは、第1開口部と第2開口部との間にある流体へのアクセスを提供する請求項10に記載のチャンバ。
【請求項20】
1つ以上のチャネルと流体連結された1つ以上のドレインであって、該1つ以上のドレインは、チャンバ本体の内部領域からの流体用出口を提供する請求項19に記載のチャンバ。
【外国語明細書】