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特開2024-163125マルチリンク・デバイスと装置との間の通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163125
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】マルチリンク・デバイスと装置との間の通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/23 20230101AFI20241114BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W84/12
H04W52/02
H04W72/0457 110
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024135395
(22)【出願日】2024-08-14
(62)【分割の表示】P 2023136030の分割
【原出願日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】201911089950.5
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010172040.X
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ミーン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ユイチェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユインボー
(72)【発明者】
【氏名】リヤーン,ダンダン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,マオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ボー
(57)【要約】
【課題】本出願の実施形態は、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減するために、マルチリンク・デバイスと装置との間の通信方法を開示する。
【解決手段】マルチリンク・デバイスが複数のSTAを含み、1つのSTAが複数のリンクのうちの1つで動作し、STAが複数のリンクにおけるプライマリ・リンクを決定する。マルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で動作するSTAは、APによって送信された、プライマリ・リンク上で動作するSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報、及び/又はプライマリ・リンク以外のリンク上で動作するSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報を受信してもよい。したがって、プライマリ・リンク上で動作するSTAは、下りリンク・トラフィックを有するSTAがマルチリンク・デバイスにおいて動作するリンクを決定してもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンク・デバイス間の通信方法であって、
第1のアクセス・ポイント(AP)マルチリンク・デバイスによって、第1のステーション(STA)マルチリンク・デバイスに対する管理フレームを生成することであって、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、1つ以上の第2のSTAを含み、1つ以上の第2のSTAが、関連識別子(AID)を共有し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、複数のリンクを介して前記第1のAPマルチリンク・デバイスと通信し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに含まれる1つの第2のSTAが、前記複数のリンクのうちの1つ上で動作し、前記管理フレームが、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドを含み、前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドが、下りリンク・トラフィックを受信するための前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの1つ以上のリンクを示すために使用される、ことと、
前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって、前記管理フレームを送信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットが、前記複数のリンクのうちの1つに対応し、
前記ビットの値が1であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示すか、又は前記ビットの値が0であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されないことを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理フレームは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す下りリンク・トラフィック表示情報をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって、前記管理フレームを送信する前に、
前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに関連応答フレームを送信することであって、前記関連応答フレームが、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって前記1つ以上の第2のSTAに割り当てられる前記AIDを含む、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記下りリンク・トラフィック表示情報が、前記管理フレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送され、前記TIM要素フィールドが、部分仮想ビットマップ・フィールドを含み、前記部分仮想ビットマップ・フィールドが、前記AIDに対応するビットを含み、前記ビットは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって、メディア・アクセス制御(MAC)フレームを受信することであって、前記MACフレームが、フレーム制御フィールドを含み、前記フレーム制御フィールドは、前記MACフレームを送信した前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに所属する第2のSTAが節電モードにあるか、非節電モードであるかを示すように構成された電力管理情報を含み、該第2のSTAの前記節電モード又は前記非節電モードの設定が、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの他の第2のSTAの設定とは独立している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記管理フレームは、ビーコン・フレーム又はTIMフレームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって、前記管理フレームをプライマリ・リンク又はセカンダリ・リンク上で送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
マルチリンク・デバイス間の通信方法であって、
第1のステーション(STA)マルチリンク・デバイスによって、第1のアクセス・ポイント(AP)マルチリンク・デバイスからの管理フレームを受信することであって、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、1つ以上の第2のSTAを含み、1つ以上の第2のSTAが、関連識別子(AID)を共有し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、複数のリンクを介して前記第1のAPマルチリンク・デバイスと通信し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに含まれる1つの第2のSTAが、前記複数のリンクのうちの1つ上で動作し、前記管理フレームが、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドを含み、前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドが、下りリンク・トラフィックを受信するための前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの1つ以上のリンクを示すために使用される、ことと、
前記第1のSTAマルチリンク・デバイスによって、前記管理フレームに基づいて、前記1つ以上の第2のSTAのうちの第2のSTAが下りリンク・トラフィックを受信する必要があると決定することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットが、前記複数のリンクのうちの1つに対応し、
前記ビットの値が1であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示すか、又は前記ビットの値が0であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されないことを示す、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記管理フレームは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す下りリンク・トラフィック表示情報をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記管理フレームを受信する前に、
前記第1のSTAマルチリンク・デバイスによって、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって送信された関連応答フレームを受信することであって、前記関連応答フレームが、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって1つ以上の第2のSTAに割り当てられる前記AIDを含む、ことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記下りリンク・トラフィック表示情報が、前記管理フレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送され、前記TIM要素フィールドが、部分仮想ビットマップ・フィールドを含み、前記部分仮想ビットマップ・フィールドが、前記AIDに対応するビットを含み、前記ビットは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第2のSTAによって、前記第1のAPマルチメディア・リンクデバイスにメディア・アクセス制御(MAC)フレームを送信することであって、前記MACフレームが、フレーム制御フィールドを含み、前記フレーム制御フィールドは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに所属する第2のSTAが節電モードにあるか、非節電モードであるかを示すように構成された電力管理情報を含み、該第2のSTAの前記節電モード又は前記非節電モードの設定が、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの他の第2のSTAの設定とは独立している、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記管理フレームは、ビーコン・フレーム又はTIMフレームを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のSTAマルチリンク・デバイスによって、前記管理フレームをプライマリ・リンク又はセカンダリ・リンク上で受信することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
第1のアクセス・ポイント(AP)マルチリンク・デバイスに適用された通信装置であって、
第1のステーション(STA)マルチリンク・デバイスに対する管理フレームを生成するように構成された処理ユニットであって、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、1つ以上の第2のSTAを含み、1つ以上の第2のSTAが、関連識別子(AID)を共有し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、複数のリンクを介して前記第1のAPマルチリンク・デバイスと通信し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに含まれる1つの第2のSTAが、前記複数のリンクのうちの1つ上で動作し、前記管理フレームが、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドを含み、前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドが、下りリンク・トラフィックを受信するための前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの1つ以上のリンクを示すために使用される、処理ユニットと、
前記管理フレームを送信するように構成されたトランシーバ・ユニットと、を含む、通信装置。
【請求項18】
前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットが、前記複数のリンクのうちの1つに対応し、
前記ビットの値が1であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示すか、又は前記ビットの値が0であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されないことを示す、請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
前記管理フレームは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す下りリンク・トラフィック表示情報をさらに含む、請求項17に記載の通信装置。
【請求項20】
前記管理フレームを送信する前に、
前記トランシーバ・ユニットが、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに関連応答フレームを送信するようにさらに構成されており、前記関連応答フレームが、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって前記1つ以上の第2のSTAに割り当てられる前記AIDを含む、請求項17に記載の通信装置。
【請求項21】
前記下りリンク・トラフィック表示情報が、前記管理フレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送され、前記TIM要素フィールドが、部分仮想ビットマップ・フィールドを含み、前記部分仮想ビットマップ・フィールドが、前記AIDに対応するビットを含み、前記ビットは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される、請求項19に記載の通信装置。
【請求項22】
前記トランシーバ・ユニットは、メディア・アクセス制御(MAC)フレームを受信するようにさらに構成されており、前記MACフレームが、フレーム制御フィールドを含み、前記フレーム制御フィールドは、前記MACフレームを送信した前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに所属する第2のSTAが節電モードにあるか、非節電モードであるかを示すように構成された電力管理情報を含み、該第2のSTAの前記節電モード又は前記非節電モードの設定が、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの他の第2のSTAの設定とは独立している、請求項17に記載の通信装置。
【請求項23】
前記管理フレームは、ビーコン・フレーム又はTIMフレームを含む、請求項17に記載の通信装置。
【請求項24】
前記トランシーバ・ユニットは、前記管理フレームをプライマリ・リンク又はセカンダリ・リンク上で送信するようにさらに構成されている、請求項17に記載の通信装置。
【請求項25】
第1のステーション(STA)マルチリンク・デバイスに適用された通信装置であって、
第1のアクセス・ポイント(AP)マルチリンク・デバイスからの管理フレームを受信するように構成されたトランシーバ・ユニットであって、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、1つ以上の第2のSTAを含み、1つ以上の第2のSTAが、関連識別子(AID)を共有し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが、複数のリンクを介して前記第1のAPマルチリンク・デバイスと通信し、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに含まれる1つの第2のSTAが、前記複数のリンクのうちの1つ上で動作し、前記管理フレームが、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドを含み、前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドが、下りリンク・トラフィックを受信するための前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの1つ以上のリンクを示すために使用される、トランシーバ・ユニットと、
前記管理フレームに基づいて、前記1つ以上の第2のSTAのうちの第2のSTAが下りリンク・トラフィックを受信する必要があると決定するように構成された処理ユニットと、を含む、通信装置。
【請求項26】
前記マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットが、前記複数のリンクのうちの1つに対応し、
前記ビットの値が1であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示すか、又は前記ビットの値が0であることは、前記ビットに対応する前記リンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されないことを示す、請求項25に記載の通信装置。
【請求項27】
前記管理フレームは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す下りリンク・トラフィック表示情報をさらに含む、請求項25に記載の通信装置。
【請求項28】
前記管理フレームを受信する前に、
前記トランシーバ・ユニットは、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって送信された関連応答フレームを受信するようにさらに構成されており、前記関連応答フレームが、前記第1のAPマルチリンク・デバイスによって1つ以上の第2のSTAに割り当てられる前記AIDを含む、請求項25に記載の通信装置。
【請求項29】
前記下りリンク・トラフィック表示情報が、前記管理フレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送され、前記TIM要素フィールドが、部分仮想ビットマップ・フィールドを含み、前記部分仮想ビットマップ・フィールドが、前記AIDに対応するビットを含み、前記ビットは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される、請求項27に記載の通信装置。
【請求項30】
前記トランシーバ・ユニットは、前記第1のAPマルチメディア・リンクデバイスにメディア・アクセス制御(MAC)フレームを送信するようにさらに構成されており、前記MACフレームが、フレーム制御フィールドを含み、前記フレーム制御フィールドは、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスに所属する第2のSTAが節電モードにあるか、非節電モードであるかを示すように構成された電力管理情報を含み、該第2のSTAの前記節電モード又は前記非節電モードの設定が、前記第1のSTAマルチリンク・デバイスの他の第2のSTAの設定とは独立している、請求項25に記載の通信装置。
【請求項31】
前記管理フレームは、ビーコン・フレーム又はTIMフレームを含む、請求項25に記載の通信装置。
【請求項32】
前記トランシーバ・ユニットは、前記管理フレームをプライマリ・リンク又はセカンダリ・リンク上で受信するようにさらに構成されている、請求項25に記載の通信装置。
【請求項33】
チップであって、プロセッサ及びインターフェース回路を含み、前記プロセッサが、前記インターフェース回路を使用することによって別の装置と通信して、請求項1~16のいずれか一項に記載の前記マルチリンク・デバイス間の通信方法を実装するように構成されている、チップ。
【請求項34】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体が、コンピュータ・プログラム・コードを有し、前記コンピュータ・プログラム・コードが、プロセッサ上で動作するときに、前記プロセッサが、請求項1~16のいずれか一項に記載の前記マルチリンク・デバイス間の通信方法を実行することが可能となる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月8日に中国国家知識産権局に出願された「COMMUNICATION METHOD BETWEEN MULTI-LINK DEVICES AND APPARATUS」と題する中国特許出願第201911089950.5号、及び2020年3月12日に中国国家知識産権局に出願された「COMMUNICATION METHOD BETWEEN MULTI-LINK DEVICES AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202010172040.X号の優先権を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施形態は、通信技術の分野に関係し、特に、マルチリンク・デバイスと装置との間の通信方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
現在のIEEE 802.11の次世代無線フィデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi)プロトコルによれば、極めて高いスループット(Extremely high throughput、EHT)デバイスは、複数のストリーム、複数の周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz周波数帯など)、同じ周波数帯内の複数のチャネルの協調、及び他の方式をサポートして、ピーク・スループットを改善し、トラフィック伝送待ち時間を低減する。複数の周波数バンド又は複数のチャネルは、集合的にマルチリンクと呼ばれることがある。
【0004】
マルチリンク動作は、ステーションの速度を大幅に増加させるが、複数のリンクが同時に動作する必要があるため、より多くの電力が必要とされる。したがって、ステーションの速度を改善する際に、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費をどのように低減するかを考える必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、マルチリンク・デバイスと装置との間の通信方法を提供し、ステーション・マルチリンク・デバイスにおける各ステーションが、それぞれのリンク上に下りリンク・トラフィックが存在するかどうかを示す情報を受信する必要がない。これは、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減する。
【0006】
前述の目的を達成するために、本出願の実装では、以下の技術的解決策が使用される。
【0007】
本出願の実施形態の第1の態様によれば、マルチリンク・デバイス間の通信方法が提供され、第1のステーションSTAに適用される。第1のSTAが、複数の第2のSTAを含み、1つの第2のSTAが、複数のリンクの1つで動作する。方法は、第1のSTAがプライマリ・リンクを決定することであって、複数のリンクがプライマリ・リンクを含む、決定することを含む。第1のSTAにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のアクセス・ポイントAPによって送信された下りリンク・トラフィック表示情報を受信する。下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含む。セカンダリ・リンクは、複数のリンクにおけるプライマリ・リンク以外のリンクを含む。本解決策によれば、プライマリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報及び/又はセカンダリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報が、プライマリ・リンク上で送信され、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、プライマリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを決定することができ、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかも決定してもよいようにする。したがって、STAマルチリンク・デバイスに含まれる全ての第2のSTAは、それぞれのリンク上で下りリンク・トラフィック表示を受信する必要がない。本解決策によれば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、プライマリ・リンク上のみで、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAの下りリンク・トラフィック情報、及びセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAの下りリンク・トラフィック情報も取得することができる。したがって、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第2のSTAが動作するセカンダリ・リンク上で、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を受信しなくてもよい。言い換えれば、データが伝送されないときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減するために、ドーズ状態(doze state)に入ってもよい。
【0008】
第1の態様を参照すると、第1の可能な実装では、下りリンク・トラフィックは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである。方法は、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のフレームを第1のAPに送信することであって、第1のフレームは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態にあることを示すために使用される、送信することをさらに含む。代替的には、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。本解決策によれば、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがセカンダリ・リンクで上で伝送されるべきユニキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、アウェイク状態に入り、PS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを第1のAPに送信して、第1のAPに、第2のSTAがアウェイク状態にあることを通知し、第1のAPから下りリンク・トラフィック・データを受信するようにする。代替的には、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。プライマリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報及び/又はセカンダリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報がプライマリ・リンクを介して送信されるため、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するか、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかを、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定してもよいことが理解されよう。セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第2のSTAが動作するセカンダリ・リンク上で、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を受信しなくてもよい。したがって、データが伝送されないときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ドーズ状態に入ってもよく、それにより、電力消費を低減する。
【0009】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、下りリンク・トラフィックが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである。方法は、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信することをさらに含む。代替的には、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。本解決策によれば、第2のSTA又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがプライマリ・リンク上で伝送される下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する場合、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。本解決策では、第1のAPが、プライマリ・リンクを介して、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに伝送するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、常にドーズ状態にあってもよいことが理解されよう。プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、プライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送された下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信した後、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAにトラフィックを伝送する。したがって、ステーション・マルチリンク・デバイスの消費電力を低減することができる。
【0010】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照して、別の可能な実装では、方法は、第1のSTAが、関連要求フレームを第1のAPに送信することであって、関連要求フレームは、関連識別子AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数、又はAIDが割り当てられるべき第2のSTAが動作するリンクの識別子情報のうちの少なくとも1つを搬送する、送信することをさらに含む。第1のSTAが、第1のAPから関連応答フレームを受信し、関連応答フレームは、AIDが割り当てられるべき第2のSTAに割り当てられるAIDを搬送し、1つのAIDがプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てられ、1つ又は2つのAIDがセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てられる。本解決策によれば、関連要求フレームは、AIDが割り当てられるべき第2のSTA (第1のSTAに含まれる第2のSTAの全部又は一部)にAIDを割り当てるように第1のAPに要求するために使用されてもよい。本解決策では、第1のAPが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに1つのAIDを割り当て、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに1つ又は2つのAIDを割り当ててもよいことが理解されよう。1つのBSSにおける複数の第2のSTAのAIDは互いに異なることに留意されたい。AIDが割り当てられるべき第2のSTAは、第1のSTAに含まれる全ての第2のSTAであってもよいし、第1のSTAに含まれる第2のSTAの一部であってもよい。
【0011】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、第1のSTAが関連要求フレームを第1のAPに送信するリンクがプライマリ・リンクであるか、又は関連要求フレームがプライマリ・リンクの識別子情報をさらに搬送する。本解決法によれば、第1のSTAが第1のAPに関連付けられていないときに、関連要求フレームが第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクを介して第1のAPに送信されてもよく、関連要求フレームが、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を搬送して、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクを第1のAPに通知する。
【0012】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、方法は、第1のSTAは、管理フレームを第1のAPに送信することであって、管理フレームが、前記プライマリ・リンクの前記識別子情報を搬送する、送信することをさらに含む。本解決策によれば、第1のSTA及び第1のAPがすでに関連付けられているときに、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクを第1のAPに通知してもよい。この実装では、管理フレームを使用して第1のAPに通知されるプライマリ・リンクは、第1のSTAによって決定される新しいプライマリ・リンクである、すなわち、管理フレームで搬送されるプライマリ・リンクの識別子情報は、新しいプライマリ・リンクの識別子情報であると理解されよう。
【0013】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、下りリンク・トラフィック表示情報が、ビーコン・フレーム又はトラフィック表示マップTIMフレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送され、TIMフレームが、リンクの識別子情報を示すフィールド、ビーコン・チェック・フィールド、又はリンクの数を示すフィールドのうちの少なくとも1つをさらに含み、ビーコン・チェック・フィールドは、キー・パラメータがリンクの識別子情報によって示されるリンクに対して更新されるかどうかを示すために使用される。本解決策によれば、下りリンク・トラフィック表示情報が、ビーコン・フレーム又はTIMフレーム(マルチリンクTIMフレーム)内で搬送されてもよい。下りリンク・トラフィック表示情報がビーコン・フレーム内で搬送されるときに、各第2のSTAが対応するAIDを有すると理解されよう。これは、ビーコン・フレーム内のTIM要素に基づいて、どの第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかを決定するのに役立つ。下りリンク・トラフィック表示情報がマルチリンクTIMフレーム内で搬送されるときに、マルチリンクTIMフレームがリンクの識別子情報を示すフィールドを含むため、下りリンク・トラフィックを有する特定のリンクが、TIM要素及びリンクの識別子情報に基づいて決定されてもよい。
【0014】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、識別子情報は、リンクに対応する動作クラス、リンクに対応するチャネル番号、リンクのメディア・アクセス制御MACアドレス(又は基本サービス・セット識別子(BSS identifier、BSSID))、又はリンクの識別子の情報のうちの1つ以上を含む。本解決策によれば、リンクの識別子情報は、リンクに対応する動作クラス及びチャネル番号、リンクのメディア・アクセス制御MACアドレス(若しくはBSSID)、又はリンクの識別子などの1つ以上の情報によって示されてもよい。
【0015】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、本方法は、第1のSTAが第1のAPから候補リンク・セット情報を受信することであって、候補リンク・セット情報が1つ以上の候補リンクの識別子情報を含む、受信することをさらに含む。対応して、第1のSTAがプライマリ・リンクを決定することは、第1のSTAが、候補リンク・セット情報に基づいて、1つ以上の候補リンクからプライマリ・リンクを決定することを含む。本解決策によれば、第1のSTAは、第1のAPから候補リンク・セット情報を受信することによって、1つ以上の候補リンクからプライマリ・リンクを決定してもよい。
【0016】
第1の態様及び前述の可能な実装を参照すると、別の可能な実装では、1つ以上の候補リンクが1つの基本サービス・セットBSSに属し、各候補リンクが1つのBSSに属し、1つ以上の候補リンクの一部が一つのBSSに属する。1つのBSSにおいて1つの第2のSTAに割り当てられるAIDが一意である。本解決法によれば、第1のAPは、候補リンク・セットにおける全ての候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよいし、候補リンク・セットにおける各候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよいし、候補リンク・セットにおけるいくつかの候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよい。第1のAPがAIDを第2のSTAに割り当てるときに、1つのBSSにおいて1つの第2のSTAに割り当てられるAIDは一意であることに留意されたい。
【0017】
本出願の実施形態の第2の態様によれば、マルチリンク・デバイス間の通信方法が提供される。方法は、第1のアクセス・ポイントAPが、第1のステーションSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を取得することを含む。第1のSTAが、複数の第2のSTAを含み、1つの第2のSTAが、複数のリンクのうちの1つで動作し、複数のリンクが、プライマリ・リンクを含む。第1のAPが、下りリンク・トラフィック表示情報を第1のSTAのプライマリ・リンク上で動作する第2のステーションSTAに送信する。下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含む。セカンダリ・リンクは、複数のリンクにおけるプライマリ・リンク以外のリンクを含む。本解決策によれば、第1のAPが、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を取得し、下りリンク・トラフィック表示情報をプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信することができる。第1のAPによってプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報、及びセカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を含むことが理解されよう。したがって、プライマリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報及び/又はセカンダリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報が、プライマリ・リンク上で送信され、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、プライマリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを決定することができ、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかも決定するようにする。したがって、STAマルチリンク・デバイスに含まれる全ての第2のSTAは、それぞれのリンク上で下りリンク・トラフィック表示を受信する必要がない。任意選択で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第2のSTAが動作するセカンダリ・リンク上で、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を受信しなくてもよい。言い換えれば、データが伝送されないときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ドーズ状態(dose state)に入ってもよい。これは、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減する。
【0018】
本出願の実施形態の第3の態様によれば、通信装置が提供され、第1のステーションSTAに適用される。第1のSTAが、複数の第2のSTAを含み、1つの第2のSTAが、複数のリンクの1つで動作する。第1のSTAは、プライマリ・リンクを決定するように構成されている処理ユニットであって、複数のリンクがプライマリ・リンクを含む、処理ユニットと、第1のアクセス・ポイントAPによって送信された下りリンク・トラフィック表示情報を受信するように構成されているトランシーバ・ユニットと、を含む。下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含み、セカンダリ・リンクが複数のリンクにおけるプライマリ・リンク以外のリンクを含む。
【0019】
本出願の実施形態の第4の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、第1のステーションSTAによって決定されたプライマリ・リンクの情報の識別子情報を取得するように構成されている処理ユニットであって、第1のSTAが複数の第2のSTAを含み、1つの第2のSTAが複数のリンクのうちの1つで動作し、複数のリンクがプライマリ・リンクを含む、処理ユニットと、下りリンク・トラフィック表示情報を第1のSTAにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のステーションSTAに送信するように構成されているトランシーバ・ユニットと、を含む。下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含み、セカンダリ・リンクが複数のリンクにおけるプライマリ・リンク以外のリンクを含む。
【0020】
第3の態様及び第3の態様の様々な実装については、第1の態様及び第1の態様の種々な実装の対応する効果の説明を参照のこと。第4の態様及び第4の態様の様々な実装については、第2の態様及び第2の態様の種々な実装の対応する効果の説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度記載しない。
【0021】
第3の態様又は第4の態様における通信装置は、チップであってもよく、処理ユニットは、チップの処理回路であってもよく、トランシーバ・ユニットは、入出力インターフェース回路であってもよく、処理回路は、入出力インターフェース回路によって提供されるシグナリング又はデータ情報を処理するように構成されてもよく、入出力インターフェース回路は、チップのためのデータ又はシグナリング情報を入出力するように構成されてもよい。
【0022】
本出願の実施形態の第5の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体がコンピュータ・プログラム・コードを記憶する。コンピュータ・プログラム・コードがプロセッサ上で動作するときに、プロセッサは、前述の態様のうちのいずれか1つによる、マルチリンク・デバイス間の通信方法を実行することが可能となる。
【0023】
本出願の実施形態の第6の態様によれば、コンピュータ・プログラム製品が提供される。プログラム製品は、前述のプロセッサによって実行されるコンピュータ・ソフトウェア命令を記憶する。コンピュータ・ソフトウェア命令は、前述の態様による解決策を実行するために使用されるプログラムを含む。
【0024】
本出願の実施形態の第7の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、プロセッサを含み、トランシーバ及びメモリをさらに含んでもよい。トランシーバは、情報を送信及び受信するように構成されているか、又は別のネットワーク要素と通信するように構成されている。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶するように構成されている。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されて、前述の態様のうちのいずれか1つによる方法を実装する際に通信装置をサポートする。
【0025】
本出願の実施形態の第8の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサを含み、メモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されて、装置に必要なプログラム命令及びデータを記憶するように構成されている。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されており、前述の態様のうちのいずれか1つによる方法を実行する際に通信装置をサポートする。
【0026】
本出願の実施形態の第9の態様によれば、通信装置が提供される。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサ及びインターフェース回路を含む。プロセッサは、受信回路を介して別の装置と通信するように構成されており、装置は、前述の態様のいずれか1つによる本方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本出願の一実施形態による通信システムの構造の概略図である。
【0028】
図2】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の通信の概略図である。
【0029】
図3】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイスの構造の概略図である。
【0030】
図4】本出願の一実施形態による通信装置の構成の概略図である。
【0031】
図5】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の通信方法の概略フローチャートである。
【0032】
図6】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の通信方法のシナリオの概略図である。
【0033】
図7】本出願の一実施形態によるマルチリンクTIMフレームのフレーム構造の概略図である。
【0034】
図8】本出願の一実施形態による別のマルチリンクTIMフレームのフレーム構造の概略図である。
【0035】
図9】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の別の通信方法の概略フローチャートである。
【0036】
図10】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の別の通信方法の概略フローチャートである。
【0037】
図11】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間のさらに別の通信方法の概略フローチャートである。
【0038】
図12】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間のさらに別の通信方法の概略フローチャートである。
【0039】
図13】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間のさらに別の通信方法の概略フローチャートである。
【0040】
図14】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間のさらに通信通信方法の概略フローチャートである。
【0041】
図15】本出願の一実施形態によるマルチリンク・デバイス間の通信方法の適用の概略図である。
【0042】
図16】本出願の一実施形態による通信装置の構成の概略図である。
【0043】
図17】本出願の一実施形態による別の通信装置の構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を記載する。本出願において、「少なくとも1つ」とは、1つ以上を意味し、「複数の」とは、2つ以上を意味する。「及び/又は」は関連するオブジェクト間の関連関係を記載し、3つの関係が存在してもよいことを表す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在するケース、AとBの両方が存在するケース、Bが単独で存在するケースを表してもよく、AとBは、単数又は複数である。文字「/」は通常、関連するオブジェクト間の「又は」関係を示す。「以下のもののうちのいずれか1つ」又はそれと同様の表現は、単数のもの又は複数のものの任意の組み合わせを含め、これらのものの任意の組み合わせを意味する。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、cが単数又は複数であり、a、b、c、aとb、aとc、bとc、又はaとbとcを表してもよい。
【0045】
本出願において、「例」、「例えば」などの用語は、例、例示又は説明を与えることを表すために使用されることに留意されたい。本出願において、「例」又は「例えば」として記載される実施形態又は設計は、他の実施形態又は設計よりも好ましいものとして、又はより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「例」又は「例えば」のような用語の使用は、関係する概念を具体的な方式で提示することを意図している。
【0046】
本出願の実施形態における「第1」、「第2」などの説明は、記載されたオブジェクトを示し、区別するために使用されるに過ぎず、順番を示さず、本出願の実施形態におけるデバイスの数に対する特定の限定を示さず、本出願の実施形態に対していかなる限定も構成しない。
【0047】
本出願の実施形態において、「接続」とは、デバイス間の通信を実装するために、直接接続、間接接続などの様々な接続方式を意味する。これは、本出願の実施形態において限定されない。
【0048】
特に特定しない限り、本出願の実施形態における「伝送」(transmit/transmission)は、双方向伝送を指し、送信アクション及び/又は受信アクションを含む。具体的には、本出願の実施形態における「伝送」は、データの送信、データの受信、又はデータの送信及び受信を含む。言い換えれば、本明細書におけるデータ伝送は、上りリンク・データ伝送及び/又は下りリンク・データ伝送を含む。データは、チャネル及び/又は信号を含んでもよい。上りリンク・データ伝送は上りリンク・チャネル伝送及び/又は上りリンク信号伝送であり、下りリンク・データ伝送は下りリンク・チャネル伝送及び/又は下りリンク信号伝送である。
【0049】
本出願の実施形態において、「ネットワーク」及び「システム」は、同じ概念を表現し、通信システムは、通信ネットワークである。
【0050】
本出願の一実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法を提供する。方法は、無線通信システムに適用される。無線通信システムは、無線ローカル・エリア・ネットワークであってもよい。無線ローカル・エリア・ネットワークは、少なくとも1つのアクセス・ポイント(Access Point、AP)及び少なくとも1つのステーション(Station、STA)を含む。APは、ステーションにトラフィックを提供するネットワーク要素、例えば、802.11プロトコル・ファミリをサポートすることができるアクセス・ポイントである。ステーションSTAは、802.11プロトコル・ファミリ、例えば、極めて高いスループット(Extremely High Throughput、EHT)ステーション、又はIEEE 802.11beをサポートするステーションであってもよい。
【0051】
例えば、図1に示すように、本出願の実施形態において提供される通信方法は、図1に示す通信システムに適用されてもよい。通信システムにおいて、1つのアクセス・ポイントAPは、複数のSTAとデータ伝送を実行してもよい。例えば、図1のAPは、2つのSTAと上りリンク・データ又は下りリンク・データを伝送してもよい。
【0052】
現在、IEEE 802.11次世代Wi-Fiプロトコル・デバイスは、ピーク・スループットを改善し、トラフィック伝送遅延を低減するために、複数のストリーム、複数の周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz周波数帯など)、同じ周波数帯内の複数のチャネルの協調、及び他の方式をサポートすることができる。言い換えれば、図1に示す通信システムにおけるSTAは、マルチバンド又はマルチチャネル方式で上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。言い換えれば、STAは、複数のリンクを介して上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよく、複数のリンクを介して上りリンク又は下りリンク・データを通信するSTAは、STAマルチリンク・デバイスと呼ばれることがある。例えば、図1に示す通信システムにおけるSTAは、STAマルチリンク・デバイスであってもよく、図1に示す通信システムにおけるAPは、APマルチリンク・デバイス、すなわち、複数のリンクを介して上りリンク又は下りリンク・データを通信するAPであってもよい。STAマルチリンク・デバイスは、1つ以上のSTAを含んでもよく、1つ以上のSTAは、複数のリンク上で動作する。APマルチリンク・デバイスは、1つ以上のAPを含み、1つ以上のAPは、複数のリンク上で動作する。
【0053】
例えば、図2は、マルチリンク・デバイス間の通信の概略図であり、例えば、図1に示す通信システムにおけるAPマルチリンク・デバイスとSTAマルチリンク・デバイスとの間の通信の概略図であってもよい。図2に示すように、STAマルチリンク・デバイスは、2つのリンクを介してAPマルチリンク・デバイスと通信してもよい。STAマルチリンク・デバイスは、STA1及びSTA2を含み、APマルチリンク・デバイスは、AP1及びAP2を含む。STAマルチリンク・デバイスにおけるSTA1は、リンク1を介してAPマルチリンク・デバイスにおけるAP1と通信することができ、STAマルチリンク・デバイスにおけるSTA2は、リンク2を介してAPマルチリンク・デバイスにおけるAP2と通信してもよい。言い換えれば、STAマルチリンク・デバイスは、複数のリンクを介してAPマルチリンク・デバイスにデータを伝送することができ、STAマルチリンク・デバイスに含まれる複数のSTAのうちの1つのSTAは、複数のリンクのうちの1つで動作する。
【0054】
例えば、図3は、マルチリンク・デバイスの構造の概略図である。802.11標準は、マルチリンク・デバイスにおける802.11物理層(Physical layer、PHY)及び802.11メディア・アクセス制御(Media Access Control、MAC)層に焦点を当てている。図3の(a)に示すように、STAマルチリンク・デバイス(又はAPマルチリンク・デバイス)に含まれる複数のSTA(又は複数のAP)は、低MAC (Low MAC)層及び低PHY層の両方で互いに独立しており、高MAC (High MAC)層で互いに独立している。図3の(b)に示すように、STAマルチリンク・デバイス(又はAPマルチリンク・デバイス)に含まれる複数のSTA(又は複数のAP)は、低MAC(Low MAC)層及び低PHY層の両方で互いに独立しているが、高MAC(High MAC)層を共有している。確かに、マルチリンク通信プロセスにおいて、STAマルチリンク・デバイスは、STAが高MAC層で互いに独立している構造を使用してもよく、APマルチリンク・デバイスは、APが高MAC層を共有する構造を使用する。代替的には、STAマルチリンク・デバイスは、STAが高MAC層を共有する構造を使用してもよく、APマルチリンク・デバイスは、APが高MAC層で互いに独立している構造を使用する。代替的には、STAマルチリンク・デバイスは、STAが高MAC層を共有する構造を使用してもよく、APマルチリンク・デバイスも、APが高MAC層を共有する構造を使用してもよい。代替的には、STAマルチリンク・デバイスは、STAが高MAC層で互いに独立している構造を使用してもよく、APマルチリンク・デバイスも、APが高MAC層で互いに独立している構造を使用してもよい。マルチリンク・デバイスの内部構造の概略図は、本出願の本実施形態において限定されない。図3は、説明のための例にすぎない。
【0055】
例えば、本出願における本実施形態におけるSTAマルチリンク・デバイス及びAPマルチリンク・デバイスは、シングルアンテナ・デバイスであってもよいし、マルチアンテナ・デバイスであってもよい。例えば、デバイスは、3つ以上のアンテナを有するデバイスであってもよい。マルチリンク・デバイスに含まれるアンテナの数は、本出願の本実施形態において限定されない。本出願の本実施形態において、STAマルチリンク・デバイス及びAPマルチリンク・デバイスは、同じアクセス・タイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを可能にしてもよいし、同じデータ・パケットが異なるリンク上で伝送されることさえも可能にしてもよい。代替的には、同じアクセス・タイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを可能にしなくてもよいが、異なるアクセス・タイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを可能にしてもよい。
【0056】
例えば、本出願の本実施形態におけるマルチリンク・デバイス、例えば、ステーション・マルチリンク・デバイス又は別のAPマルチリンク・デバイスは、論理的な意味での1つ以上のステーションを含み、各ステーションは、1つのリンク上で動作し、1つ以上のステーションが同じリンク上で動作することを可能にし、ステーションが動作するリンクは変更されてもよい。本出願の本実施形態におけるリンク識別子は、リンク、BSS、APマルチリンク・デバイスにおけるAP、又はステーション・マルチリンク・デバイスにおけるSTAを識別するために使用され、リンクが位置する動作クラス、チャネル番号、及びMACアドレスのうちの1つ又はそれらの組み合わせを表す。
【0057】
例えば、本出願の本実施形態におけるSTAマルチリンク・デバイスは、802.11プロトコル・ファミリをサポートし、無線トランシーバ機能を有する装置であってもよい。例えば、STAマルチリンク・デバイスは、ウェブ接続されたユーザ機器、例えば、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ウルトラモバイル・パーソナル・コンピュータ(Ultra-mobile Personal Computer、UMPC)、ハンドヘルド・コンピュータ、ネットブック、パーソナル・デジタル・アシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、又は携帯電話、モノのインターネットにおけるモノのインターネット・ノードなどであってもよい。本出願の本実施形態におけるAPマルチリンク・デバイスは、802.11プロトコル・ファミリをサポートし、STAマルチリンク・デバイスにトラフィックを提供する装置であってもよい。例えば、APマルチリンク・デバイスは、通信エンティティ、例えば、通信サーバ、ルータ、スイッチ、又はブリッジであってもよい。代替的には、APマルチリンク・デバイスは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などを含んでもよい。具体的な形態のSTAマルチリンク・デバイス及びAPマルチリンク・デバイスは、本出願の本実施形態において具体的には限定されず、本明細書の説明のための例にすぎない。802.11プロトコルは、802.11beをサポートするプロトコルであってもよく、802.11beと互換性がある。
【0058】
特定の実装の際、図1図3に示すデバイス(例えば、AP、STA、STAマルチリンク・デバイス、及びAPマルチリンク・デバイス)は、図4に示す構成要素構造を使用してもよいし、図4に示す構成要素を含んでもよい。
【0059】
例えば、図4は、本出願の一実施形態による通信装置400の構成の概略図である。図4に示すように、通信装置400は、少なくとも1つのプロセッサ401、メモリ402、トランシーバ403、及び通信バス404を含んでもよい。
【0060】
以下に、図4を参照して通信装置400の構成要素を具体的に記載する。
【0061】
プロセッサ401は、通信装置400の制御センタであり、1つのプロセッサであってもよいし、複数の処理要素の集合的な用語であってもよい。例えば、プロセッサ401は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、又は本出願の本実施形態を実装するように構成されている1つ以上の集積回路、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ(digital processor signal, DSP)、又は1つ以上のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)である。
【0062】
プロセッサ401は、メモリ402に記憶されたソフトウェア・プログラムを動作させるか、又は実行し、メモリ402に記憶されたデータを呼び出すことによって、通信装置400の様々な機能を実行してもよい。
【0063】
特定の実装の際、実施形態において、プロセッサ401は、1つ以上のCPU、例えば、図4に示すCPU0及びCPU1を含んでもよい。
【0064】
特定の実装の際、実施形態において、通信装置400は、複数のプロセッサ、例えば、図4に示すプロセッサ401及びプロセッサ405を含んでもよい。各プロセッサは、シングルCPU(single-CPU)プロセッサであってもよいし、マルチCPU(multi-CPU)プロセッサであってもよい。本明細書におけるプロセッサは、データ(例えば、コンピュータ・プログラム命令)を処理するように構成されている1つ以上の通信デバイス、回路、及び/又は処理コアであってもよい。
【0065】
メモリ402は、静的情報及び命令を記憶することができるリード・オンリー・メモリ(read-only memory、ROM)若しくは別のタイプの静的記憶通信デバイス、又は情報及び命令を記憶することができるランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)若しくは別のタイプの動的記憶通信デバイスであってもよい。メモリ402は、代替的には、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)若しくは別のコンパクトディスク・ストレージ、光ディスク・ストレージ(コンパクト・ディスク、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル汎用ディスク、ブルーレイ・ディスクなどを含む)、磁気ディスク記憶媒体若しくは他の磁気記憶通信デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で期待されるプログラム・コードを搬送若しくは記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセス可能である任意の他の媒体であってもよいが、これらに限定されない。メモリ402は、独立して存在してもよく、通信バス404を介してプロセッサ401に接続される。代替的には、メモリ402は、プロセッサ401と一体化されてもよい。メモリ402は、本出願の解決策を実行するためにコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されており、プロセッサ401は、ソフトウェア・プログラムの実行を制御する。
【0066】
トランシーバ403は、別のデバイス(例えば、アクセス・ポイント又はステーション)と通信するように構成されている。トランシーバ403は、通信ネットワーク、例えば、イーサネット、無線アクセス・ネットワーク(radio access network、RAN)、又は無線ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)と通信するようにさらに構成されてもよい。トランシーバ403は、受信機能を実装するための受信ユニット、及び送信機能を実装するための送信ユニットを含んでもよい。本出願の本実施形態において、通信装置400がマルチリンク・デバイスであるときに、トランシーバ403は、マルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で伝送されるデータを送信及び受信してもよいし、マルチリンク・デバイスにおいてセカンダリ・リンク上で伝送されるデータを送信及び受信してもよい。任意選択で、トランシーバ403は、複数のトランシーバ・モジュールをさらに含んでもよい。1つのトランシーバ・モジュールは、マルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で伝送されるデータを送信及び受信するように構成されており、別のトランシーバ・モジュールは、マルチリンク・デバイスにおけるセカンダリ・リンク上で伝送されるデータを送信及び受信するように構成されている。
【0067】
通信バス404は、工業標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component interconnect、PCI)バス、拡張工業標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってもよい。バスは、アドレス・バス、データ・バス、制御バスなどに分類されてもよい。表現を容易にするために、図4のバスを表すためには太線が1本のみが使用されるが、これはバスが1本のみ、又はバスのタイプが1つのみであることを意味しない。
【0068】
一般に、トラフィック表示マップ(traffic indication map、TIM)、無線ネットワーク管理(wireless network management、WNM)、ターゲット・ウェイクアップ時間(target wake up time、TWT)、又は自動節電デリバリー(automatic power save delivery、APSD)に基づく節電技術を使用して、シングルリンクSTAの電力消費を低減してもよい。本出願の本実施形態は、主に、TIMベースの節電技術を例として記載されている。
【0069】
802.11プロトコルにおいて、STAには一般に、2つの動作モード、すなわち、非節電モードと節電モードを有する。STAが非節電モードで動作するときに、STAは、STAで伝送されるべきデータがあるかどうかにかかわらず、アクティブ状態(アクティブ状態は、アウェイク状態とも呼ばれることがある)にある。STAが節電モードで動作するときに、STAは、APとデータを伝送するときにアクティブ状態(active state)にあってもよい。STAとAPとの間にデータ伝送がないときに、STAは、電力消費を低減するために、ドーズ状態(doze state)にあってもよい。STAは、STAが節電モードにあるかどうかを通知するためにフレームをAPに送信してもよく、STAが節電モードにあることを通知するために、フレーム内のMACヘッダ内のフレーム制御フィールド(frame control field)において1の節電ビットが使用され、一方、STAが非節電モードにあることを通知するために、フレーム内のMACヘッダ内のフレーム制御フィールド(frame control field)において0の節電ビットが使用される。
【0070】
STAの電力消費を低減するために、APはSTAの下りリンク・トラフィックをバッファし、STAがウェイク・アップした後にSTAに下りリンク・トラフィックを送信してもよい。しかしながら、APのバッファ空間は限りがあり、APは定期的にTIM要素を搬送する802.11ビーコン・フレームを送信し、受信されるべき下りリンク・トラフィックがあるかどうかについてAPに関連付けられたSTAに通知する。節電モードで動作するSTAは、定期的にウェイク・アップして、APからビーコン・フレームを受信し、APがSTAの下りリンク・トラフィックを伝送するかどうかを決定する。APがSTAの下りリンク・トラフィックを伝送しない場合、STAはドーズ状態に切り替わってもよい。APがSTAの下りリンク・トラフィックを伝送する場合、STAはウェイク・アップする時点を選択し、節電ポーリング・フレーム(PS-polling frame)をAPに送信して、STAがアクティブ状態(active state)にあることをAPに通知してもよいこの時点は、ビーコン・フレームを受信する時点と同じでも、異なっていてもよい。
【0071】
例えば、802.11ビーコン・フレーム(beacon)は、2つのタイプ、すなわち、トラフィック表示マップ(traffic indication map、TIM)ビーコン・フレームと、デリバリー・トラフィック表示マップ(delivery traffic indication map、DTIM)ビーコン・フレームに分類される。TIMビーコン・フレームと比較して、DTIMビーコン・フレームは、バッファされたユニキャスト情報だけでなく、APによってバッファされたマルチキャスト情報も示す。各ビーコン・フレーム(beacon)は、TIM要素フィールドを含み、TIM要素フィールドは、APによって管理され、かつSTAの下りリンク・データがAPにバッファされるSTAを示すために使用される。TIM要素フィールドのフレーム・フォーマットを以下の表1に示す。
【表1】
【0072】
表1に示すように、要素ID(識別子)フィールドは、要素がTIM要素であることを識別するために使用される。長さフィールドは、TIM要素の長さを示すために使用される。DTIM期間(DTIM Period)フィールドは、DTIMビーコン・フレームを受信するための期間を示し、これは、到着間隔とも呼ばれ、ビーコン・フレーム期間で表現される。DTIMカウント(DTIM Count)フィールドは、次のDTIMビーコン・フレームが到着するまでのTIMビーコン・フレームの数を示すために使用される。DTIMカウント・フィールドは可変カウント値である。DTIMカウント・フィールドの値が0であるときに、ビーコン・フレームがDTIMビーコン・フレームであることを示し、そうでない場合、ビーコン・フレームはTIMビーコン・フレームである。すなわち、DTIMカウント・フィールドの値が0でないときに、ビーコン・フレームがTIMビーコン・フレームであることを示す。例えば、DTIM期間フィールドが1にセットされる場合、各TIM要素フィールドにおけるDTIMカウント・フィールドは0に等しい。したがって、各ビーコン・フレームはDTIMビーコン・フレームである。
【0073】
表1のビットマップ制御(Bitmap control)フィールドにおける最初のビット(ビット0)は、APによって送信されるDTIMビーコン・フレームに下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがあるかどうかを示す。ビットマップ制御(Bitmap control)フィールドにおけるビット1~7は、部分仮想ビットマップのオフセットを示す言い換えれば、オフセットは、バイト、すなわち8ビットで測定される。部分仮想ビットマップ・フィールドにおける各ビットは、1つのSTAにマッピングされ、ビットの値が1であるときに、ビットに対応するSTAの下りリンク・データがAPにおいてバッファされていることを示す。例えば、オフセットが0である場合、部分仮想ビットマップは、関連識別子(association identifier、AID)1から開始する。オフセットが1である場合、部分仮想ビットマップは、AID9から開始する。部分仮想ビットマップの終了ビットは、長さフィールドによって決定される。したがって、部分仮想ビットマップの最大長は251バイト、つまり2008ビットである。
【0074】
例えば、長さフィールドは4バイトであり、ビットマップ制御フィールドにおけるビット1~7は、部分仮想ビットマップのオフセットが0であることを示す。このケースでは、部分仮想ビットマップ・フィールドが0110011であるときに、TIM要素フィールドは、AID2、AID3、AID6、及びAID7に対応するSTAの下りリンク・データがAPにおいてバッファされていることを示す。別の例では、長さフィールドは4バイトであり、ビットマップ制御フィールドにおけるビット1~7は、部分仮想ビットマップのオフセットが1であることを示す。このケースでは、部分仮想ビットマップ・フィールドが01100110であるときに、TIM要素フィールドは、AID10、AID11、AID14、及びAID15に対応するSTAの下りリンク・データがAPにおいてバッファされていることを示す。
【0075】
例えば、APが複数の基本サービス・セット識別子(Basic Service Set identifier、BSSID)モードで動作する場合、APは、伝送されるBSSIDによって識別される基本サービス・セット(Basic Service Set、BSS)を含み、伝送されないBSSIDによって識別される複数のBSSをさらに含む。マルチBSSIDセットにおいて、最大2個のBSSが許可され、ここで、nは、マルチBSSID要素内のMaxBSSIDインジケータ・フィールドによって示される値である。このケースでは、部分仮想ビットマップ・フィールドにおけるビット1~2n-1は、伝送されないBSSIDによって識別されるBSSに対応する下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを示すために使用される。ビット2は、部分仮想ビットマップのオフセットの表示に基づいて、各AIDに対応するSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するどうかを示す。
【0076】
802.11-2016プロトコルはさらに、部分仮想ビットマップの長さをさらに最適化する。例えば、802.11-2016プロトコルに記載の方法A及び方法Bが使用される。また、後続の802.11ahプロトコル草案で指定されている方法Cが使用されてもよい。これらの方法は全て、本出願の実施形態に適用可能である。
【0077】
前述のTIMベースの節電技術は、シングルリンクSTAの電力消費を低減するだけであり、STAマルチリンク・デバイスの電力消費を低減しない。この観点から、STAマルチリンク・デバイスの電力消費をある程度低減するために、独立した節電メカニズムが、実装において各リンクに対して私用されてもよい。例えば、TIMベースの節電技術が、STAマルチリンク・デバイスの各リンクに対して使用される。具体的には、STAマルチリンク・デバイスにおける各STAは、対応するリンク上でビーコン・フレームを受信する、すなわち、ビーコン・フレームが送信された時にウェイク・アップし、他の時にドーズ状態に入る。しかしながら、この方法では、STAマルチリンク・デバイスは、依然として、STAマルチリンク・デバイスによって管理される複数のSTAを継続的に有効にする必要があり、したがって、STAマルチリンク・デバイスの電力消費は、依然として比較的高い。ステーション・マルチリンク・デバイスは、ステーション・マルチリンク・デバイスによって管理される複数のステーションを継続的に有効にする必要があるために、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費が比較的高いという問題を回避するために、本出願の実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法を提供する。この方法によれば、ステーション・マルチリンク・デバイスは、ステーション・マルチリンク・デバイスによって管理される全てのステーションを定期的に有効にする必要がない。これは、さらに、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減する。
【0078】
ステーション・マルチリンク・デバイスは、ステーション・マルチリンク・デバイスによって管理される複数のステーションを継続的に有効にする必要があるために、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費が比較的高いという問題を解決するために、本出願の実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法を提供する。この方法は、第1のステーションSTAに適用され、第1のSTAは、1つ以上の第2のSTAを含み、1つの第2のSTAは、複数のリンクのうちの1つで動作する。図1図4及び図5を参照すると、この方法は、ステップS501~S504を含み、いくつかのステップは実行されなくてもよい。
【0079】
S501:第1のSTAが、プライマリ・リンクを決定する。
【0080】
例えば、第1のSTAはSTAマルチリンク・デバイスであり、STAマルチリンク・デバイスは複数のリンク上で動作してもよく、すなわち、STAマルチリンク・デバイスは複数のリンクを介してデータ伝送を実行してもよく、複数のリンクの周波数帯又はチャネルは異なる。STAマルチリンク・デバイスは、1つ以上の第2のSTAを含んでもよく、1つの第2のSTAは、複数のリンクのうちの1つで動作する。複数のリンクは、プライマリ・リンクを含む。
【0081】
例えば、第1のSTAに含まれる1つ以上の第2のSTAは、低MAC層及び物理層の両方で互いに独立しており、高MAC層を共有していてもよいし、互いに独立していてもよい。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0082】
例えば、図6は、マルチリンク・デバイス間の通信の概略図である。図6に示すように、APマルチリンク・デバイスは、APマルチリンク・デバイスによって管理される複数のステーション(STA1、STA2、及びSTA3)と通信してもよく、STA2及びSTA3は、STAマルチリンク・デバイスである。STA1は、2.4GHzの周波数帯で動作する。STAマルチリンク・デバイス2は、STA2-1及びSTA2-2を含み、STA2-1は5GHz帯で動作し、STA2-2は6GHz帯で動作する。STAマルチリンク・デバイス3は、STA3-1及びSTA3-2を含み、STA3-1は2.4GHz帯で動作し、STA3-2は6GHz帯で動作する。APマルチリンク・デバイスにおいて2.4GHz周波数帯で動作するAP1は、リンク1を介して2.4GHz周波数帯で動作するSTAと上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。APマルチリンク・デバイスにおいて5GHz周波数帯で動作するAP2は、リンク2を介してSTAマルチリンク・デバイスにおいて5GHz周波数帯で動作するSTAと上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。APマルチリンク・デバイスにおいて6GHz周波数帯で動作するAP3は、リンク3を介してSTAマルチリンク・デバイスにおいて6GHz周波数帯で動作するSTAと上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。例えば、図6のAPマルチリンク・デバイスにおいて2.4GHz周波数帯で動作するAP1は、リンク1を介して、2.4GHz周波数帯で動作するSTA1、及びSTAマルチリンク・デバイス3において2.4GHz周波数帯で動作するSTA3-1と、上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。APマルチリンク・デバイスにおいて5GHz周波数帯で動作するAP2は、リンク2を介してSTAマルチリンク・デバイス2において5GHz周波数帯で動作するSTA2-1と上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。APマルチリンク・デバイスにおいて6GHz周波数帯で動作するAP3は、リンク3を介して、STAマルチリンク・デバイス2において6GHz周波数帯で動作するSTA2-2、及びSTAマルチリンク・デバイス3において6GHz周波数帯で動作するSTA3-2と、上りリンク又は下りリンク・データを伝送してもよい。
【0083】
なお、図6は、APマルチリンク・デバイスが3つの周波数帯をサポートし、各周波数帯が1つのリンクに対応し、APマルチリンク・デバイスがリンク1、リンク2、リンク3のうちの1つ以上のリンク上で動作してもよい例を使用することによって記載されていることに留意されたい。AP側又はSTA側では、本明細書におけるリンクは、リンク上で動作するステーションとしてさらに理解されてもよい。実際のアプリケーションでは、APマルチリンク・デバイスは、より多くの周波数帯又はより少ない周波数帯をさらにサポートしてもよい。すなわち、APマルチリンク・デバイスは、より多くのリンク又はより少ないリンク上で動作してもよい。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0084】
例えば、図6のSTAマルチリンク・デバイス2が、ステップS501の第1のSTAであり、第1のSTAが、STA2-1及びSTA2-2を含み、第1のSTAが、複数のリンク上で動作してもよい。図6に示すように、第1のSTAに含まれるSTA2-1はリンク2上で動作してもよく、リンク2の動作周波数帯は5GHzの周波数帯であり、第1のSTAに含まれるSTA2-2はリンク3上で動作してもよく、リンク3の動作周波数帯は6GHzの周波数帯であり、第1のSTAによって決定されるプライマリ・リンクはリンク2又はリンク3である。
【0085】
例えば、第1のSTAがプライマリ・リンクを決定することは、第1のSTAがリンクに対応するチャネル利用情報、リンクの信号品質パラメータ、及び/又は類似のものに基づいてプライマリ・リンクを決定することを含んでもよい。第1のSTAによってプライマリ・リンクを決定するための具体的な方法は、本出願の本実施形態において限定されず、本明細書における説明のための例にすぎない。一例において、プライマリ・リンクを決定するための方法は、図14のステップS1401~1404の解決策と組み合わされてもよい。
【0086】
任意選択で、第1のSTAは、1つの第2のSTAのみを含んでもよく、第2のSTAが動作するリンクは、変更及び切り替えられてもよい。例えば、第1のSTAに含まれる第2のSTAは、いくつかのシナリオでは5GHz周波数帯で動作し、他のシナリオでは6GHz周波数帯で動作してもよい。
【0087】
S502:第1のAPが、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を取得する。
【0088】
例えば、第1のAPがAPマルチリンク・デバイスであってもよく、複数のリンク上で動作してもよい。例えば、図6に示すAPマルチリンク・デバイスが、リンク1、リンク2、又はリンク3のうちの1つ以上のリンク上で動作してもよい。
【0089】
例えば、プライマリ・リンクの識別子情報が、以下の情報、すなわち、プライマリ・リンクに対応する動作クラス(operating class)及びチャネル番号(channel number)、プライマリ・リンクのMACアドレス(若しくはBSSID)、又はプライマリ・リンクの識別子(identifier、ID)のうちの1つ以上を含んでもよい。プライマリ・リンクの識別子情報に含まれる具体的な内容は、本出願の本実施形態において限定されない。プライマリ・リンクを一意に識別することができる任意の情報が、本出願の本実施形態におけるプライマリ・リンクの識別子情報であってもよい。プライマリ・リンクのMACアドレスは、プライマリ・リンク上で動作するSTAのMACアドレス、又はプライマリ・リンク上で動作するAPのMACアドレスであってもよい。プライマリ・リンクのMACアドレスが、プライマリ・リンク上で動作するAPのMACアドレスであるときに、プライマリ・リンクのMACアドレスは、BSSIDとも呼ばれることがある。
【0090】
実装において、第1のAPが第1のSTAに関連付けられていないときに、第1のAPがプライマリ・リンクの識別子情報を取得することは、第1のAPが第1のSTAから関連要求フレームを受信することを含んでもよい。第1のAPが関連要求フレームを受信するリンクが第1のAPによって決定されたプライマリ・リンクであるか、又は第1のAPによって受信された関連要求フレームが第1のAPによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を搬送する。言い換えれば、第1のAPが、関連要求フレームがプライマリ・リンクとして受信されるリンクを決定してもよく、リンクの識別子情報が、プライマリ・リンクの識別子情報である。代替的には、第1のAPが、関連要求フレーム内で搬送されるプライマリ・リンクの識別子情報を取得する。
【0091】
別の実装では、第1のAP及び第1のSTAがすでに関連付けられているときに、第1のAPがプライマリ・リンクの識別子情報を取得することは、第1のAPが第1のSTAから管理フレームを受信することであって、管理フレームが第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を搬送する、受信することを含んでもよい。本実装において、管理フレームが第1のSTAによって決定された新しいプライマリ・リンクをAPに通知するために使用される、すなわち、管理フレームで搬送されるプライマリ・リンクの識別子情報が新しいプライマリ・リンクの識別子情報であることが理解されよう。任意選択で、管理フレームは、プライマリ・リンク置換のカウントダウンを示すために使用される置換カウントをさらに含んでもよい。
【0092】
第1のAPによってプライマリ・リンクの識別子情報を取得するための具体的な方法は、本出願の本実施形態において限定されず、本明細書における説明のための例にすぎない。例えば、第1のAPが、代替的に、プライマリ・リンクを決定してもよい。
【0093】
プライマリ・リンクが、代替的に、プロトコルにおいて指定され得ることに留意されたい。プライマリ・リンクがプロトコルにおいて指定されたリンクであるときに、前述のステップS501及びS502は任意のステップである。例えば、プロトコルは、周波数帯で動作するリンクをプライマリ・リンクとして指定してもよい。
【0094】
S503:第1のAPが、下りリンク・トラフィック表示情報を第1のSTAにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0095】
下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含む。例えば、下りリンク・トラフィック表示情報が、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報を含むか、下りリンク・トラフィック表示情報が、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報を含むか、又は下りリンク・トラフィック表示情報が、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、及びセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報を含む。
【0096】
セカンダリ・リンクは、複数のリンクにおけるプライマリ・リンク以外のリンクを含む。下りリンク・トラフィックは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィック及び下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを含む。第1のSTAが動作する1つ以上のセカンダリ・リンクがあってもよい。
【0097】
例えば、セカンダリ・リンクは、プライマリ・リンク以外の複数のリンクのうちの一部又はすべてのリンクを含んでもよい。例えば、第1のSTAは、4つのリンク上で動作してもよく、4つのリンクは、リンク1、リンク2、リンク3、及びリンク4である。第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクがリンク2である場合、セカンダリ・リンクは、リンク1、リンク3、又はリンク4のうちの少なくとも1つを含んでもよい。例えば、セカンダリ・リンクが、リンク1、リンク3、及びリンク4を含んでもよい。別の例では、セカンダリ・リンクが、リンクリンク3、及びリンク4を含んでもよい。
【0098】
例えば、ステップS503において、第1のAPが、プライマリ・リンク上の第1のSTA (又はプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報を送信してもよいし、プライマリ・リンク上の第1のSTA (又はプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)に、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報を送信してもよい。これは、本出願の本実施形態において限定されない。例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは定期的にウェイク・アップする。第1のAPは、プライマリ・リンク上の第1のSTA (又はプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)に下りリンク・トラフィック表示情報を送信してもよい。アウェイク状態に入った後、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信してもよい。1つ以上のセカンダリ・リンクがあってもよく、セカンダリ・リンク上で動作する1つ以上の第2のSTAがあってもよく、プライマリ・リンク上で動作する1つ以上の第2のSTAあってもよいことに留意されたい。このケースは、以下の実施形態にも適用可能である。以下の実施形態において、再度詳細は記載しない。
【0099】
例えば、第1のAPが、代替的に、セカンダリ・リンク上で下りリンク・トラフィック表示情報を送信してもよい。具体的には、第1のAPが、セカンダリ・リンク上の第1のSTA (又は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)に下りリンク・トラフィック表示情報を送信してもよい。例えば、第1のAPが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態にあることを知ったときに、第1のAPが、セカンダリ・リンク上の第1のSTA (又はプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)に下りリンク・トラフィック表示情報を送信してもよい。
【0100】
例えば、下りリンク・トラフィック表示情報が、ビーコン・フレーム又はTIMフレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送されてもよい。任意選択で、下りリンク・トラフィック表示情報が、別の管理フレーム内で搬送されてもよい。言い換えれば、本出願の本実施形態におけるTIM要素フィールドは、具体的には、各リンクに対応する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報を含んでもよい。
【0101】
第1のケースでは、ビーコン・フレーム又は他の管理フレーム内のTIM要素フィールドが下りリンク・トラフィック表示情報を搬送するときに、以下の2つの実装が、TIM要素フィールドが、各リンクに対応する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報を含むことを実装するために使用されてもよい。別の管理フレームが、TIMフレーム、プローブ応答フレーム、関連応答フレームなどを含んでもよい。
【0102】
第1の実装では、プライマリ・リンク上で第1のAPによって送信されたビーコン・フレーム又は別の管理フレームが複数のTIM要素フィールドを含んでもよく、複数のTIM要素フィールドが複数のリンクに対応し、1つのTIM要素フィールドがリンク上で動作する第2のSTAの下りリンク・トラフィック表示情報を含む。任意選択で、TIM要素フィールドは、リンクの識別子情報をさらに含んでもよい。プライマリ・リンク上で第1のAPによってビーコン・フレーム又は送信された別の管理フレームを受信した後、第1のSTAは、第1のSTAに含まれる複数のステーションが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを知ってもよい。
【0103】
第2の実装において、既存のTIM要素に含まれるフィールドが変更されなくてもよく、各ビーコン・フレーム又は別の管理フレームが1つのTIM要素を含む。TIM要素内の部分仮想ビットマップの1ビットは、それに対応して、1つのSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す。例えば、各BSSについて、第1のAPは、BSS内のSTAマルチリンク・デバイスにおける各第2のSTAにAIDを割り当てる。すなわち、AIDは、ステーション・マルチリンク・デバイスにおけるリンク上で動作する第2のSTAに対応する。別の例では、第1のAPが、AIDをSTAマルチリンク・デバイスにおけるいくつかの第2のSTAに割り当て、STAが動作するリンクが、第1のAPによって管理される候補リンク・セットにおけるリンクである。任意選択で、APによってSTAにAIDを割り当てるための複数の方法がある。例えば、APによってSTAにAIDの割り当てるための方法については、ステップS1301~1305の説明を参照のこと。
【0104】
例えば、各BSSについて、第1のAPは、BSS内のSTAマルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で動作するSTAに1つのAIDを割り当てる。第1のAPは、BSS内のSTAマルチリンク・デバイスにおける各セカンダリ・リンク上で動作するSTAに1つ又は2つのAIDを割り当てる。
【0105】
例えば、第2の実装において、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すときに、TIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにおける対応するビットが、STAマルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが対応する下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用されてもよい。第1のAPは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに1つのAIDを割り当て、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAのAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかが、第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。第1のAPがSTAマルチリンク・デバイスにおいてセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに1つのAIDを割り当てる実装において、第2のSTAのAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかが、第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するか、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかを示すために使用される。言い換えれば、第1のAPによってセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てられた1つのAIDは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックと下りリンク・マルチキャスト・トラフィックの両方に対応する。第1のAPがSTAマルチリンク・デバイスにおいてセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに2つのAIDを割り当てる実装において、一方のAIDは、AIDに対応する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用され、他方のAIDは、AIDに対応する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。例えば、第1のAPが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに2つのAIDを割り当ててもよく、第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために、1つのAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかが使用される。第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有しているかどうかを示すために、他方のAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかが使用される。
【0106】
例えば、第2の実装において、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットが、第1のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有しているかどうかを示すために使用されるときに、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットの1の値は、第1のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有することを示す。下りリンク・マルチキャスト・トラフィックは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信されてもよいし、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信されてもよい。このケースでは、DTIMビーコン・フレームがプライマリ・リンク上で送信された後に、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックが送信されてもよい。本実装では、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信されるケースと、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信されるケースの両方において機能することが理解されよう。任意選択で、マルチキャスト・トラフィック・フレームは、マルチキャスト・トラフィック・フレームが送信される第1のSTAに含まれる複数の第2のSTAのうちの第2のSTAが動作するリンクを第1のSTAにさらに通知するために、リンクの識別子情報を含んでもよい。本実装では、第1のAPが1つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てる必要があるだけであり、第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために、AIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかが使用される。
【0107】
第1のAPが、1つ又は2つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てるときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のSTAに含まれる第2のSTAの一部又は全部であってもよく、第1のAPが、1つ又は2つのAIDを第2のSTAの一部又は全部の各々に割りてることが理解されよう。
【0108】
例えば、前述の第2の実装では、各リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかは、既存のTIM要素フィールドの構造を変更することなく、AIDとリンクとの間の対応を使用することによって示される。これは、より良好な互換性を提示し、各リンクを識別するために追加情報が必要とされないため、信号オーバヘッドを低減する。
【0109】
例えば、APマルチリンク・デバイスによってステーション・マルチリンク・デバイスに送信される下りリンク・ユニキャスト・トラフィックは、任意のリンク上のユニキャスト・トラフィックであってもよい。この実装では、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックの場合、ステーション・マルチリンク・デバイスの複数の第2のSTAは、1つのAIDを共有してもよく、AIDは、ステーション・マルチリンク・デバイスのAIDであってもよい。例えば、AIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかは、STAマルチリンク・デバイスが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。STAマルチリンク・デバイスが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有することをTIM要素が示すときに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信するか、又は任意のセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。APマルチリンク・デバイスが1つのAIDをステーション・マルチリンク・デバイスにおいて各セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当て、AIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットが1にセットされているかどうかは、第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。代替的には、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットは、第1のSTAからの下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有する特定の第2のSTAを示すことなく、第1のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。下りリンク・マルチキャスト・トラフィックは、DTIMビーコン・フレームがプライマリ・リンク上送信された後に送信される。伝送中、マルチキャスト・トラフィックは任意選択でリンク識別子情報フィールドを搬送する。
【0110】
マルチキャスト・トラフィックはリンクに関係しており、リンク上のマルチキャスト・トラフィックは、異なってもよいし、同じであってもよい。
【0111】
第1のSTAが1つの第2のSTAのみを含み、第2のSTAが動作するリンクが変更されて切り替えられ得る場合、第1のAPは、複数のAIDを第2のSTAに割り当ててもよく、異なるリンク上で動作する第2のSTAに対応するAIDは異なる。例えば、第2のSTAは、5GHz周波数帯で動作するときに、1つのAIDに対応し、6GHz周波数帯で動作するときに、別のAIDに対応する。AIDとリンクの間の対応に基づいて、マルチキャスト・トラフィック・フレームを受信する第1のSTAは、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックに対応するリンクを決定してもよい。
【0112】
任意選択で、TIM要素は、特別なフィールドをさらに含んでもよく、特別なフィールドは、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールド又は1つ以上のリンク識別子情報フィールドであってもよい。マルチリンク・ビットマップ・フィールド又は1つ以上のリンク情報フィールドは、ステーション・マルチリンク・デバイスの下りリンク・トラフィックを受信するための1つ以上のリンクを示すために使用される。マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットが1つのリンクに対応してもよい。1つ以上のビットの値が第1の値、例えば1であるときに、それは、1つ以上のビットに対応する1つ以上のリンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示す。1つ以上のビットの値が第2の値、例えば0であるときに、それは、1つ以上のビットに対応する1つ以上のリンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されないことを示す。1つ以上の識別子情報フィールドが、異なるリンクを区別するために使用される識別子情報を搬送する。下りリンク・トラフィックは、下りリンク・マルチキャスト・トラフィック及び/又は下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを含む。この実装では、APマルチリンク・デバイスは、1つ以上のAIDをステーション・マルチリンク・デバイスに割り当ててもよい。
【0113】
第2のケースでは、下りリンク・トラフィック表示情報は、TIMフレーム内のTIM要素フィールドにおいて搬送されてもよい。任意選択で、TIMフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、BSSID、シーケンス制御フィールド、フレーム・キャリア・フィールド、及びFCS (フレーム・チェック・シーケンス)フィールドを含む。TIMフレームのアクション(action)フィールドが、フレーム・キャリア・フィールドに位置する。
【0114】
WNMベースの節電メカニズム又はTWTベースの節電メカニズムでは、STAが、アウェイク期間に関してAPと通信してもよく、APは、各アウェイク期間の開始時に、ブロードキャストTIMフレームを複数の対応するSTAに送信する。TIMフレームは、ビーコン・フレームよりはるかに短く、TIMフレームに含まれるTIM要素は、対応する下りリンク・トラフィック表示があるかどうかを複数のSTAに通知するために使用される。このケースでは、TIMフレームはビーコン・フレームよりはるかに短いため、STAは節電効果を取得することができる。WNMベースのメカニズムでは、STAによって送信されたTIM要求フレーム内のTIMブロードキャスト間隔(TIM broadcast interval)フィールド、又はAPによって返されたTIM応答が、アウェイク期間を示すために使用される。代替的には、TWTベースのメカニズムでは、アウェイク期間はTWTベースのメカニズムにおけるTWTアウェイク期間に対応し、TWTアウェイク間隔は、TWT要素内のTWTアウェイク持続時間小数フィールド及びTWTアウェイク間隔指数フィールドに基づいて計算される。具体的には、TWTアウェイク間隔=TWTアウェイク持続時間小数×2(TWTアウェイク間隔指数)
【0115】
任意選択で、TIMフレーム内のフレーム・キャリア・フィールドは、タイプ・フィールド、保護されていない無線ネットワーク管理(wireless network management、WNM)アクション・フィールド、タイムスタンプ・フィールド、ビーコン・チェック・フィールド、及びリンク識別子情報フィールドのうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。保護されていないWNMアクション・フィールドは、異なるアクション値を示すために使用される。タイムスタンプ・フィールドは、クロック情報を示すために使用される。ビーコン・チェック・フィールドは、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンクが位置するBSSにおいて、キーBSSパラメータが更新されたかどうかを示すために使用されるか、又はリンク識別子情報フィールドによって示されるリンクに対してキー・パラメータが更新されたかどうかを示すために使用される。リンク識別子情報フィールドが、特定のリンクを識別するために使用される。
【0116】
例えば、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンクが位置するBSSにおいて、キーBSSパラメータが更新された場合、又はリンク識別子情報フィールドによって示されるリンクに対してキー・パラメータが更新された場合、ビーコン・チェック・フィールドの値は1インクリメントされる。例えば、キーBSSパラメータがリンクのBSSにおいて更新されたと決定するときに、第1のAPは、トラフィック内のビーコン・チェック・フィールドの値を1増加させて、トラフィック内のリンク識別子情報は、リンクを示す。BSSパラメータは、リンク・パラメータとしても理解されてもよい。
【0117】
例えば、各回で、STAマルチリンク・デバイスは、前回受信した各リンクに対応するビーコン・チェック・フィールドの値の記録を維持する。最近受信したトラフィックのリンクに対応するビーコン・チェック・フィールドの値が、最後に受信したリンクに対応するビーコン・チェック・フィールドの値と異なる場合、STAマルチリンク・デバイスは、リンク上で、APマルチリンク・デバイスから送信されたビーコン・フレームを受信する。
【0118】
例えば、キーBSSパラメータには、チャネル切り替えアナウンス要素の包含(Inclusion of a Channel Switch Announcement element)、拡張チャネル切り替えアナウンス要素の包含(Inclusion of an Extended Channel Switch Announcement element)、EDCAパラメータ要素の修正(Modification of the EDCA parameters element)、静止要素の包含Inclusion of a Quiet element)、DSSSパラメータ・セットの修正(Modification of the DSSS Parameter set)、CFパラメータ・セット要素の修正(Modification of the CF Parameter Set element)、HT動作要素の修正(Modification of the HT Operation element)、広帯域幅チャネル切り替え要素の包含(inclusion of a wide bandwidth channel switch element)、チャネル切り替えラッパー要素の包含(Inclusion of a Channel Switch Wrapper element)、動作モード通知要素の包含(Inclusion of an Operating Mode Notification element)、静止チャネル要素の包含(Inclusion of a Quiet Channel element)、VHT(very high throughput)動作要素の修正(Modification of the VHT Operation element)、HE(high efficient)動作要素の修正(Modification of the HE Operation element)、ブロードキャストTWT要素の挿入(Insertion of a Broadcast TWT element)、BSS色変更アナウンス要素の包含(Inclusion of the BSS Color Change Announcement element)、MU EDCAパラメータ・セット要素の修正(Modification of the MU EDCA Parameter Set element)、又は空間再利用パラメータ・セット要素の修正(Modification of the Spatial Reuse Parameter Set element)の情報のうちの1つ以上を含んでもよい。リンクのキー・パラメータとして、前述のキーBSSパラメータのうちの1つ以上がまたリストされてもよい。
【0119】
例えば、保護されていないWNMアクション・フィールドのアクション値を表2に示す。
【表2】
【0120】
例えば、表2に示すように、TIMフレームが前述の下りリンク・トラフィック表示情報を含むフレームであることを示すために、アクション値が予約値の1つにセットされる。下りリンク・トラフィック表示情報は、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される情報のうちの少なくとも1つを含む。任意選択で、TIMフレームは、マルチリンクTIMフレームと呼ばれてもよい。言い換えれば、予約値はTIMフレームがマルチリンクTIMフレームであることを示す。言い換えれば、表2の保護されていないWNMアクション・フィールドの予約値、例えば2を使用して、マルチリンクTIMフレームを従来のTIMフレームから区別してもよい。保護されていないWNMアクション・フィールドの予約値の特定の値は、本出願の本実施形態において限定されない。例えば、値は、代替的に2~255の別の値であってもよい。2の値は、本明細書における説明のための例にすぎない。
【0121】
実装では、マルチリンクTIMフレームのフレーム構造が図7に示されている。マルチリンクTIMフレーム内のアクション・フィールドは、フレーム・キャリア内に位置し、フレーム・キャリアは、タイプ・フィールド、保護されていないWNMアクション・フィールド、ビーコン・チェック・フィールド、TIM要素フィールド、及びリンク識別子情報フィールドを含む。任意選択で、フレーム・キャリアは、タイムスタンプ・フィールドをさらに含んでもよい。図7に示すマルチリンクTIMフレームは、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンク上で動作する複数のステーションが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。
【0122】
マルチリンクTIMフレームがリンク識別子情報フィールドを含むため、マルチリンクTIMフレームが使用されるときに、STAマルチリンク・デバイスは1つのBSSにおいて複数の第2のSTAを含むが、1つのAIDのみが必要であることが理解されよう。追加的に、リンクのAID及び識別子情報に基づき、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンク上で動作し、かつ下りリンク・トラフィックを有するステーションを決定することができる。
【0123】
例えば、リンク識別子情報フィールドは、下りリンク・トラフィックを受信するために使用されるステーション・マルチリンク・デバイスにおけるリンクを示すために使用される特殊なフィールドであってもよい。実装では、特別なフィールドは特別なリンク識別子を含む。特別なMACアドレス(若しくはBSSID)若しくは動作クラスとチャネル番号の組み合わせ、又はそれらの組み合わせは、ステーション・マルチリンク・デバイス(第1のSTA)のすべてのリンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示すために使用される。別の実装では、特別なフィールドは、代替的に、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールド又は1つ以上のリンク識別子情報フィールドであってもよい。マルチリンク識別子ビットマップ・フィールド又は1つ以上のリンク識別子情報フィールドは、ステーション・マルチリンク・デバイスの下りリンク・トラフィックを受信するための1つ以上のリンクを示すために使用される。例えば、ステーション・マルチリンク・デバイスのAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットの値が1である場合、ステーション・マルチリンク・デバイスが下りリンク・トラフィックを有すると決定される。次いで、APによって送信された下りリンク・トラフィックは、マルチリンク識別子ビットマップ・フィールド又はマルチリンク識別子情報フィールドによって示される1つ以上のリンク上で受信されてもよい。マルチリンク識別子ビットマップ・フィールドにおける1ビットは1つのリンクに対応してもよく、1つ以上のビットの値が1であるときに、1つ以上のビットに対応する1つ以上のリンクが下りリンク・トラフィックを受信するために使用されることを示す。任意選択で、PS-Pollが、ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてプライマリ・リンク上で動作するステーションによって送信されてもよいし、PS-Pollが、ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてセカンダリ・リンク上で動作する複数のステーションの各々によって送信されてもよい。
【0124】
任意選択で、マルチリンクTIMフレームはリンク識別子情報フィールドを含まなくてもよい。マルチリンクTIMフレームがリンク識別子情報フィールドを含まないときに、マルチリンクTIMフレームは、ステーション・マルチリンク・デバイス(第1のSTA)が下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用されてもよい。
【0125】
例えば、図7に示すマルチリンクTIMフレームは、リンクの識別子情報を示すフィールドを含み、リンクの識別子情報を示すフィールドは、特定のリンクを識別するために使用される。例えば、図6を参照すると、第1のSTAが、STAマルチリンク・デバイス2であり、STAマルチリンク・デバイス2によって決定されるプライマリ・リンクがリンク2である。このケースでは、第1のAPは、リンク2を介してマルチリンクTIMフレームをSTAマルチリンク・デバイス2に送信してもよい。マルチリンクTIMフレーム内のリンク識別子情報によって示されるリンクがリンク3であり、STAマルチリンク・デバイス2のAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビットの値が1である場合、STAマルチリンク・デバイス2においてリンク3上で動作するSTA2-2の下りリンク・トラフィック・データが第1のAPにバッファされていることを示す。
【0126】
別の実装では、マルチリンクTIMフレームのフレーム構造が図8に示されている。マルチリンクTIMフレームのアクション・フィールドは、フレーム・キャリア内に位置し、フレーム・キャリアは、タイプ・フィールド及び保護されていないWNMアクション・フィールドに加えてリンク数フィールドをさらに含む。リンク数フィールドが複数のリンクを示すときに、各リンクは、ビーコン・チェック・フィールド、TIM要素フィールド、及びリンク識別子情報フィールドをさらに含む。任意選択で、フレーム・キャリアは、1つ以上のタイムスタンプ・フィールドをさらに含んでもよい。図8に示すマルチリンクTIMフレームは、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンク上で動作する複数のステーションが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。
【0127】
TIMフレーム又はマルチリンクTIMフレームに含まれるビーコン・チェック・フィールド及びリンク識別子情報フィールドは、代替的には、別の管理フレームに置かれてもよく、複数のフィールドが独立して使用されて、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンクのBSSパラメータが変更されたかどうかを通知してもよい。複数のリンクのBSSパラメータが変更されるかどうかについては、前述の方法がまた使用されてよい。例えば、フレーム・キャリアは、リンク数フィールド、n個のビーコン・チェック・フィールド、及びn個のリンク識別子情報フィールドを含み、nは、リンク数フィールドによって示される。別の例として、フレーム・キャリアは、リンク識別子ビットマップ及びn個のビーコン・チェック・フィールドを含み、任意選択で、リンク識別子ビットマップの長さフィールドを含み、nは、リンク識別子ビットマップにおいて値が第1の値(例えば、1)であるビットの数である。1つ以上のビーコン・チェック・フィールドの値が0に初期化される。
【0128】
例えば、図8に示すマルチリンクTIMフレームは、リンクの数を示すフィールド、及びリンク識別子情報フィールドを含み、リンク識別子情報フィールドは、特定のリンクを識別するために使用される。リンク上で動作する複数のステーションが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す図7に示すマルチリンクTIMフレームとは異なり、図8に示されるマルチTIMフレームは、複数のリンク上で動作する複数のステーションが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す。例えば、図6を参照すると、第1のSTAは、STAマルチリンク・デバイス2であり、STAマルチリンク・デバイス2によって決定されるプライマリ・リンクは、リンク2である。このケースでは、第1のAPは、リンク2を介してマルチリンクTIMフレームをSTAマルチリンク・デバイス2(又はリンク2上で動作するSTA2-1)に送信してもよい。マルチリンクTIMフレーム内のリンク数フィールドによって示されるリンクの数が2であり、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンクがリンク2及びリンク3であり、STAマルチリンク・デバイス2のAIDに対応し、かつTIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにあるビット値が1である場合、マルチリンクTIMフレーム内のTIM要素は、リンク2上で動作するSTA2-1及びSTAマルチリンク・デバイス2においてリンク3上で動作するSTA2-2の両方の下りリンク・トラフィック・データが、第1のAPにバッファされていることを示す。本明細書においてSTAマルチリンク・デバイス2は、1つのBSSにおいて複数の第2のSTAを含むが、1つのAIDのみが必要であることに留意されたい。追加的に、リンクのAID及び識別子情報に基づき、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンク上で動作し、かつ下りリンク・トラフィックを有するステーションを決定することができる。
【0129】
本出願の本実施形態では、第1のAPは、既存のビーコン・フレーム又は管理フレームのフレーム・フォーマットを変更することなく、1つ又は2つのAIDをSTAマルチリンク・デバイスにおいて各リンク上で動作するSTAに割り当てることに留意されたい。これは、下りリンク・トラフィックを有するSTAマルチリンク・デバイスにおける第2のSTAが動作するリンクを決定するのに役立つ。代替的には、既存のフレーム・フォーマットは、マルチリンクTIMフレームに変更されてもよく、マルチリンクTIMフレームは、リンクの識別子情報を示すフィールドを含み、任意選択で、リンクの数を示すフィールドを含んでもよい。これは、リンク識別子情報フィールドによって示されるリンク上で動作し、かつ下りリンク・トラフィックを有するステーションを決定するのに役立つ。
【0130】
ステーション・マルチリンク・デバイス(例えば、第1のSTA)の節電モード又は非節電モードは、各第2のSTAによって別々にセットされてもよいし、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAによってセットされてもよい。具体的には、節電モード又は非節電モードは、MACフレーム内のMACヘッダ内のフレーム制御フィールドにおける電力管理ビットによってセットされてもよい。ステーション・マルチリンク・デバイス(例えば、第1のSTA)が節電モードにあるときに、ステーション・マルチリンク・デバイス(例えば、第1のSTA)においてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ビーコン・フレームを定期的に受信し、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ビーコン・フレームを定期的に受信する必要がなくてもよい。
【0131】
S504:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信する。
【0132】
例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPによって送信されるビーコン・フレーム、別の管理フレーム、又はTIMフレームを受信してもよい。プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうか決定してもよいし、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定してもよい。
【0133】
例えば、図6を参照すると、第1のSTAがSTAマルチリンク・デバイス2であり、プライマリ・リンクがリンク2である例が使用される。STAマルチリンク・デバイス2においてリンク2上で動作するSTA2-1が、第1のAPからビーコン・フレームを受信し、ビーコン・フレーム内のTIM要素に基づいて、リンク2上で動作するSTA2-1とリンク3上で動作するSTA2-2が下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定してもよい。STA2-1のAIDが1であり、STA2-2の下りリンク・ユニキャスト・トラフィックに対応するAIDが2であり、STA2-2の下りリンク・マルチキャスト・トラフィックに対応するAIDが3である場合、リンク2上で動作するSTA2-1は、ビーコン・フレームに基づいて、TIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにおけるAID3に対応するビットの値が1であると決定してもよい。言い換えれば、リンク2上で動作するSTA2-1は、STAマルチリンク・デバイス2においてリンク3上で動作するSTA2-2が下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定してもよい。
【0134】
本出願の本実施形態では、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信してもよく、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA及びセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定してもよいことに留意されたい。言い換えれば、本出願の本実施形態では、プライマリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報及び/又はセカンダリ・リンクの下りリンク・トラフィック情報が、プライマリ・リンク上で送信され、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定することができ、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定することができるようにする。したがって、STAマルチリンク・デバイスに含まれるすべての第2のSTAは、それぞれのリンク上で下りリンク・トラフィック表示を受信する必要がない。
【0135】
プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報、及びセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報を受信してもよいと理解されよう。したがって、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第2のSTAが動作するセカンダリ・リンク上で、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を受信しなくてもよい。言い換えれば、データが伝送されないときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ドーズ状態(dose state)に入ってもよい。これは、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減する。
【0136】
APマルチリンク・デバイスは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを、プライマリ・リンク又はセカンダリ・リンクを介して、ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信することができる。具体的には、トラフィックをプライマリ・リンクを介して送信するか、セカンダリ・リンクを介して送信するかは、管理フレームを使用することによって、又はプロトコルにおいて直接してされることによって、APマルチリンク・デバイス及びステーション・マルチリンク・デバイスによって交渉されてもよい。代替的には、2つの組み合わせが使用される(下りリンク・ユニキャスト・トラフィックと下りリンク・マルチキャスト・トラフィックが、異なる方法で送信される)。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0137】
本出願の一実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法をさらに提供する。図9に示すように、前述の下りリンク・トラフィックが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックであるときに、方法は、ステップS504の後にステップS505~S510をさらに含んでもよい。
【0138】
S505:下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する。
【0139】
例えば、TIM要素フィールドにおける下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがセカンダリ・リンク上で伝送される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定してもよい。
【0140】
例えば、図6を参照すると、第1のSTAがSTAマルチリンク・デバイス2であり、プライマリ・リンクがリンク2である例が使用される。STA2-1の下りリンク・ユニキャスト・トラフィックに対応するAIDが1であり、STA2-2の下りリンク・ユニキャスト・トラフィックに対応するAIDが2であり、STA2-2の下りリンク・マルチキャスト・トラフィックに対応するAIDが3である。TIM要素フィールドにおける部分仮想ビットマップ・フィールドにおけるAID 2に対応するビットの値が1である場合、リンク2上で動作するSTA2-1は、リンク3上で動作するSTA2-2が下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有すると決定してもよい。
【0141】
任意選択で、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有さないとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する場合、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、アウェイク状態又はドーズ状態にある。
【0142】
例えば、ステップS505において、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するか、又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有する決定に対する2つのケースがあり得る。以下では、この2つのケースについて詳細に説明する。
【0143】
第1のケースでは、ステップS505で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックがセカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS506~S509がステップS505の後に実行される。
【0144】
S506:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のフレームを第1のAPに送信する。
【0145】
第1のフレームは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態(アクティブ状態とも呼ばれることもある)であることを示すために使用される。例えば、第1のフレームが、PS-Pollフレームであってもよいし、マルチリンクPS-Pollフレームであってもよい。第1のフレームの特定の形態は、本出願の本実施形態に限定されるものではなく、本明細書における説明のための一例に過ぎない。
【0146】
例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA及びセカンダリ・リンク上で動作するSTAが、データを交換してもよい。したがって、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA及び第1のSTAが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに、ドーズ状態(doze state)からアウェイク状態(active state)に入り、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態にあることを第1のAPに通知するために、PS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを第1のAPに送信するように示してもよい。
【0147】
例えば、図6を参照すると、第1のSTAがSTAマルチリンク・デバイス2であり、プライマリ・リンクがリンク2である例が使用される。リンク3上で動作するSTA2-2が下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するとリンク2上で動作するSTA2-1が決定する場合、リンク3上で動作するSTA2-2が、ドーズ状態からアウェイク状態に入り、リンク3上で動作するSTA2-2がアウェイク状態にあることを第1のAPに通知するために、PS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-PollフレームをAPマルチリンク・デバイスに送信する。
【0148】
例えば、第1のSTA (又はプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA)が、代替的に、第1のフレーム(例えば、PS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレーム)をプライマリ・リンク上で第1のAPに送信してもよい。第1のフレームが、セカンダリ・リンクの識別子情報を搬送して、アウェイク状態にあるリンクを第1のAPに通知し、セカンダリ・リンク上で第1のAPによって送信された下りリンク・トラフィックを受信するために使用されてもよい。第1のフレームが、セカンダリ・リンク上で動作するステーションによって送信される。
【0149】
S507:第1のAPが、第1のフレームを受信する。
【0150】
例えば、第1のAPは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAからPS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信し、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態であると決定してもよい。
【0151】
例えば、図6を参照すると、APマルチリンク・デバイスは、リンク3上で動作するSTA2-2によって送信されたPS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信し、リンク3上で動作するSTA2-2がアウェイク状態にあると決定してもよい。
【0152】
S508:第1のAPが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0153】
例えば、PS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信した後、第1のAPが、第1のAPのバッファにバッファされたセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAのバッファされたデータをエクスポートし、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信してもよい。例えば、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAからPS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信した後、第1のAPが、セカンダリ・リンクを介して、STAのバッファされた下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信してもよい。
【0154】
例えば、図6を参照すると、APマルチリンク・デバイスは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをリンク3上で動作するSTA2-2に送信する。
【0155】
S509:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。
【0156】
例えば、アウェイク状態にあり、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第1のAPによって送信された下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信してもよい。任意選択で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信した後、データがセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに対して伝送されない場合、特定の方式が実行されてもよい。すなわち、第2のSTAは、情報ビット、例えば、伝送フレーム内のMACヘッダにおいてより多くのデータ(more data)フィールドを含んで、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、ドーズ状態(doze state)に入ってもよいことを知らせて、電力消費を低減するようにする。
【0157】
例えば、図6を参照すると、リンク3上で動作するSTA2-2は、APマルチリンク・デバイスから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。任意選択で、リンク3上で動作するSTA2-2がAPマルチリンク・デバイスから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信した後、リンク3上で動作するSTA2-2に対してデータが伝送されない場合、リンク3上で動作するSTA2-2は、アウェイク状態からドーズ状態に入って、電力消費を低減してもよい。
【0158】
第2のケースでは、ステップS505で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがセカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS510がステップS505の後に実行される。
【0159】
S510:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。
【0160】
例えば、ステップS510の前に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信し、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定してもよい。次いで、ステップS510では、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。任意選択で、下りリンク・トラフィック表示情報が、DTIMフレーム内で搬送されてもよい。
【0161】
任意選択で、ステップS510の前に、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPからDTIMフレームを受信してもよく、次いで、DTIMフレームが受信された後、第1のAPによって送信された下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。
【0162】
任意選択で、本出願の一実施形態が、マルチリンク・デバイス間の通信方法をさらに提供する。図10に示すように、前述の下りリンク・トラフィックが、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックであるときに、方法は、ステップS504の後にステップS511~S520をさらに含んでもよい。
【0163】
S511:下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する。
【0164】
例えば、TIM要素フィールドにおける下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、第2のセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがプライマリ・リンク上で伝送される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定してもよい。
【0165】
例えば、図6を参照すると、第1のSTAがSTAマルチリンク・デバイス2であり、プライマリ・リンクがリンク2である例が使用される。STA2-1のAIDが1であり、STA2-2の下りリンク・ユニキャスト・トラフィックに対応するAIDが2であり、STA2-2の下りリンク・マルチキャスト・トラフィックに対応するAIDが3である。TIM要素フィールドにおける部分仮想ビットマップ・フィールドにおけるAID3に対応するビットの値が1である場合、リンク3上で動作するSTA2-2が下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとリンク2上で動作するSTA2-1が決定してもよい。下りリンク・マルチキャスト・トラフィックは、リンク2上で伝送されるマルチキャスト・トラフィックである。
【0166】
ステップS511では、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定される場合、3つのケースがあり得る。以下、3つのケースを詳細に記載する。
【0167】
第1のケースでは、ステップS511で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックがプライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS512~S515がステップS511の後に実行される。
【0168】
S512:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第2のフレームを第1のAPに送信する。
【0169】
第2のフレームは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態(アクティブ状態とも呼ばれることもある)であることを示すために使用される。例えば、第2のフレームが、PS-Pollフレームであってもよいし、マルチリンクPS-Pollフレームであってもよい。第2のフレームの特定の形態は、本出願の本実施形態に限定されるものではなく、本明細書における説明のための一例に過ぎない。
【0170】
任意選択で、第2のフレームが、セカンダリ・リンクの識別子情報を搬送してもよい。
【0171】
S513:第1のAPが、第2のフレームを受信する。
【0172】
S514:第1のAPが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0173】
S515:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。
【0174】
例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信し、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送する。
【0175】
第2のケースでは、ステップS511で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがプライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS516がステップS511の後に実行される。
【0176】
S516:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。
【0177】
例えば、ステップS516の前に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信し、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定する。次いで、ステップS516では、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。任意選択で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、DTIMフレームをさらに受信してもよい。下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信した後、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。
【0178】
第3のケースでは、ステップS511で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチリンク・トラフィックがプライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS517~S520がステップS511の後に実行される。
【0179】
S517:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第3のフレームを第1のAPに送信する。
【0180】
第3のフレームは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態であることを第1のAPに通知し、第1のAPに、ユニキャスト方式で下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信するように要求するために使用される。
【0181】
例えば、第3のフレームが、PS-Pollフレームであってもよいし、マルチリンクPS-Pollフレームであってもよい。第3のフレームの特定の形態は、本出願の本実施形態に限定されるものではなく、本明細書における説明のための一例に過ぎない。
【0182】
任意選択で、第3のフレームが、セカンダリ・リンクの識別子情報を搬送してもよい。
【0183】
S518:第1のAPが、第3のフレームを受信する。
【0184】
例えば、第1のAPは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAからPS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信し、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態であると決定してもよい。
【0185】
S519:第1のAPが、ユニキャスト方式で、下りリンク・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0186】
下りリンク・トラフィックは、ユニキャスト方式で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される。
【0187】
S520:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・トラフィックを受信する。
【0188】
例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック・データを受信してもよい。プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、受信した下りリンク・トラフィック・データをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。この実装では、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、常にドーズ状態であってもよいことが理解されよう。
【0189】
第1のAPが、セカンダリ・リンクを介して、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに伝送する場合、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、アウェイク状態に入って、第1のフレームを第1のAPに送信した後にのみ、セカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送された下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信することができると理解されよう。しかしながら、第1のAPが、プライマリ・リンクを介して、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAの下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを送信する場合、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、トラフィックを受信するためにアウェイク状態に入る必要はない。その代わりに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、プライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送された下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信し、トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送する。
【0190】
例えば、本出願の一実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法をさらに提供する。図11に示すように、前述の下りリンク・トラフィックが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される下りリンク・マルチキャスト・トラフィック又は下りリンク・ユニキャスト・トラフィックであるときに、方法は、ステップS504の後にステップS521~S526をさらに含んでもよい。
【0191】
S521:下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する。
【0192】
例えば、TIM要素フィールドにおける下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、第2のプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAがプライマリ・リンク上で伝送される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定してもよい。
【0193】
例えば、図6を参照すると、第1のSTAがSTAマルチリンク・デバイス2であり、プライマリ・リンクがリンク2である例が使用される。STA2-1のAIDが1であり、STA2-2の下りリンク・ユニキャスト・トラフィックに対応するAIDが2であり、STA2-2の下りリンク・マルチキャスト・トラフィックに対応するAIDが3である。TIM要素フィールドにおける部分仮想ビットマップ・フィールドにおけるAID3に対応するビットの値が1である場合、リンク2上に下りリンク・ユニキャスト・トラフィックがあると、リンク2上で動作するSTA2-1が決定してもよい。下りリンク・ユニキャスト・トラフィックが、リンク2上で伝送される下りリンク・ユニキャスト・トラフィックであってもよい。
【0194】
例えば、ステップS521では、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定される場合、2つのケースがあってもよい。以下、この2つのケースについて詳細に記載する。
【0195】
第1のケースでは、ステップS521で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックがプライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS522~S525がステップS521の後に実行される。
【0196】
S522:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第2のフレームを第1のAPに送信する。
【0197】
S523:第1のAPが、第2のフレームを受信する。
【0198】
S524:第1のAPが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0199】
S525:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。
【0200】
第2のケースでは、ステップS521で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがプライマリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS526がステップS521の後に実行される。
【0201】
S526:プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。
【0202】
例えば、ステップS526の前に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信し、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定し、次いで、第1のAPによって送信される下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。任意選択で、第1のAPからプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAによって受信される下りリンク・トラフィック表示情報は、DTIMフレーム内で搬送されてもよい。
【0203】
本出願の本実施形態では、STAがプライマリ・リンク上で伝送される下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、DTIMビーコン・フレームを受信した後、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよいことが理解されよう。
【0204】
例えば、本出願の一実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法をさらに提供する。図12に示すように、前述の下りリンク・トラフィックが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される下りリンク・マルチキャスト・トラフィック又は下りリンク・ユニキャスト・トラフィックであるときに、方法は、ステップS504の後にステップS527~S536をさらに含んでもよい。
【0205】
S527:下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定する。
【0206】
例えば、TIM要素フィールドにおける下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、第2のプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAがセカンダリ・リンク上で伝送される下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定してもよい。
【0207】
例えば、ステップS527では、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィック又は下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定されるときに、3つのケースがあってもよい。以下、3つのケースについて詳細に記載する。
【0208】
第1のケースでは、ステップS527で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックがセカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS528~S531がステップS527の後に実行される。
【0209】
S528:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のフレームを第1のAPに送信する。
【0210】
S529:第1のAPが、第1のフレームを受信する。
【0211】
S530:第1のAPが、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0212】
S531:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信する。
【0213】
例えば、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを受信し、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。
【0214】
第2のケースでは、ステップS527で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックがセカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS532がステップS527の後に実行される。
【0215】
S532:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。
【0216】
例えば、ステップS532の前に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック表示情報を受信し、下りリンク・トラフィック表示情報に基づいて、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有すると決定してもよい。次いで、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信した後、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。
【0217】
任意選択で、ステップS532の前に、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPからDTIMフレームを受信してもよく、次いで、DTIMフレームが受信された後、第1のAPによって送信された下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよい。
【0218】
本出願の本実施形態では、STAがセカンダリ・リンク上で伝送される下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するとプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが決定するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、DTIMビーコン・フレームを受信した後、第1のAPから下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信してもよく、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送すると理解されよう。
【0219】
第3のケースでは、ステップS527で、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックである下りリンク・トラフィックを有すると決定された後、下りリンク・マルチリンク・トラフィックがセカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送されるときに、ステップS533~S536がステップS527の後に実行される。
【0220】
S533:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第4のフレームを第1のAPに送信する。
【0221】
第4のフレームは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態であることを第1のAPに通知し、第1のAPに、ユニキャスト方式で下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信するように要求するために使用される。
【0222】
例えば、第4のフレームが、PS-Pollフレームであってもよいし、マルチリンクPS-Pollフレームであってもよい。第4のフレームの特定の形態は、本出願の本実施形態に限定されるものではなく、本明細書における説明のための一例に過ぎない。
【0223】
任意選択で、第4のフレームが、プライマリ・リンクの識別子情報を搬送してもよい。
【0224】
S534:第1のAPが、第4のフレームを受信する。
【0225】
例えば、第1のAPは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAからPS-Pollフレーム又はマルチリンクPS-Pollフレームを受信し、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAがアウェイク状態であると決定してもよい。
【0226】
S535:第1のAPが、ユニキャスト方式で、下りリンク・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信する。
【0227】
下りリンク・トラフィックは、ユニキャスト方式で、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信される。
【0228】
S536:セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、下りリンク・トラフィックを受信する。
【0229】
例えば、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、第1のAPから下りリンク・トラフィック・データを受信してもよい。セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、受信した下りリンク・トラフィック・データをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。
【0230】
第1のAPが、セカンダリ・リンクを介して、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに伝送するときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、アウェイク状態に入った後、第4のフレームを第1のAPに送信して、第1のAPが、ユニキャスト方式で下りリンク・マルチキャスト・トラフィックをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信することを示すと理解されよう。次いで、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、セカンダリ・リンク上で第1のAPによって伝送された下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを受信する。セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが、受信した下りリンク・トラフィック・データをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに転送してもよい。
【0231】
本出願の実施形態は、関連識別子AID割り当て方法をさらに提供する。図13に示すように、本方法は、ステップS1301~S1305を含む。
【0232】
S1301:第1のSTAが、関連要求フレームを第1のAPに送信する。
【0233】
関連要求フレームは、AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数、又は第2のSTAが動作するリンクの識別子情報のうちの少なくとも1つを搬送する。
【0234】
例えば、AIDが割り当てられるべき第2のSTAは、第1のSTAにおける一部又はすべての第2のSTAであってもよい。第1のSTAは、関連要求フレームに、AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数、及び/又はAIDが割り当てられるべき各第2のSTAが動作するリンクの識別子情報を追加してもよい。
【0235】
任意選択で、関連要求フレームは、第1のSTAの能力(capability)情報も搬送してもよく、能力情報が、第1のSTAに含まれるすべての第2のSTA、及び各々の第2のSTAが動作するリンクの識別子情報を含む。関連要求フレームが第1のSTAの能力情報を搬送するときに、第1のSTAが暗黙的にAIDをすべての第2のSTAに割り当てるように第1のAPに示すと考えられてもよい。
【0236】
例えば、関連要求フレームが要素を搬送してもよく、要素は、AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数、及び/又はAIDが割り当てられるべき各第2のSTAが動作するリンクの識別子情報を含む。リンク識別子情報が、リンク識別子(link ID)、動作クラス(operating class)及びチャネル番号(channel number)の組み合わせ、MACアドレス(又はBSSID)などのうちの1つ以上を含む。要素は、従来技術において要素(例えば、マルチバンド要素)を修正することによって取得されてもよいし、新しい要素であってもよい。新しい要素の最初の3つのフィールドが、要素IDフィールド、長さフィールド、及び要素ID拡張フィールドである。
【0237】
例えば、第1のSTAが関連要求フレームを第1のAPに送信するリンクが、プライマリ・リンクであってもよい。任意選択で、関連要求フレームが、第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報をさらに搬送してもよい。
【0238】
S1302:第1のAPが、第1のSTAから関連要求フレームを受信する。
【0239】
例えば、第1のAPは、第1のSTAから関連要求フレームを受信し、関連要求フレームに基づいて、AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数、及び/又はAIDが割り当てられるべき第2のSTAが動作するリンクの識別子情報を決定する。
【0240】
S1303:第1のAPが、AIDをAIDが割り当てられるべき第2のSTAに割り当てる。
【0241】
例えば、第1のAPが、AIDをAIDが割り当てられるべき第2のSTAに割り当てるケースでは、1つのBSSにおけるAIDは一意である。
【0242】
例えば、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有することを示すTIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットの値が1であるときに、第1のAPが、1つのAIDをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当ててもよい。AIDは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。追加的に、第1のAPは、1つ又は2つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てる。第1のAPが1つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てる実装では、TIM要素内の部分仮想ビットマップ・フィールドにおける第2のSTAのAIDに対応するビットが1にセットされるかどうかは、第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するか、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかを示すために使用される。言い換えれば、第1のAPによってセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てられた1つのAIDは、下りリンク・ユニキャスト・トラフィックと下りリンク・マルチキャスト・トラフィックの両方に対応する。第1のAPが2つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当てる実装では、一方のAIDは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用され、他方のAIDは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用される。
【0243】
例えば、第1のSTAが下りリンク・マルチキャスト・トラフィックを有することを示す、TIM要素内のビットマップ制御フィールドにおける最初のビットの値が1であるときに、下りリンク・マルチキャスト・トラフィックが、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに送信されてもよい。本実装では、第1のAPが、1つのAIDをプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当ててもよく、AIDは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有するかどうかを示すために使用され、第1のAPが、1つのAIDをセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAに割り当て、AIDは、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・ユニキャスト・トラフィックを有することを示すために使用される。
【0244】
例えば、第1のSTAが1つの第2のSTAを含むときに、第2のSTAが異なる周波数帯で動作することができる場合、第1のAPは、各周波数帯に対して1つのAIDを第2のSTAに割り当てる。言い換えれば、異なる周波数帯で動作する第2のSTAに対応するAIDが、互いに異なる。
【0245】
S1304:第1のAPが、関連応答フレームを第1のSTAに送信する。
【0246】
関連応答フレームは、AIDが割り当てられるべき各第2のSTAに割り当てられるAIDを搬送する。
【0247】
例えば、第1のAPによって第1のSTAに送信された関連応答フレームが、要素を搬送する。要素は、AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数を搬送する。要素は、AIDが割り当てられるべき各第2のSTAに割り当てられるAIDをさらに含んでもよい。任意選択で、要素は、AIDが割り当てられるべき第2のSTAが動作するリンクの識別子情報をさらに含んでもよい。AIDが割り当てられるべき各第2のSTAに割り当てられるAIDの数は、1つ又は2つである。AIDが割り当てられるべき第2のSTAの数が、第1のSTAにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTA以外の第2のSTAの数であってもよいし、第1のSTAにおいてすべての第2のSTAの数であってもよい。
【0248】
例えば、関連応答フレームの中に含まれる要素、及び関連要求フレームに含まれる要素が、同じ構造であってもよい。このケースでは、要素が、要求に使用するされるか、応答に使用されるかを示すために、要素おいて1ビットが必要とされる。例えば、関連要求フレーム及び関連応答フレームをそれぞれ示すために、第1の値及び第2の値が使用されてもよい。任意選択で、関連応答フレームに含まれる要素が、関連要求フレームに含まれる要素とは異なってもよい。これは、本出願の本実施形態において限定されない。
【0249】
S1305:第1のSTAが、第1のAPから関連応答フレームを受信する。
【0250】
例えば、第1のSTAが、第1のAPから関連応答フレームを受信し、AIDが割り当てられるべき第2のSTAに対応するAIDを取得する。したがって、ビーコン・フレームを受信した後、第1のSTAにおいてプライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが、ビーコン・フレーム内のTIM要素フィールドにおいて示されたAIDに基づいて、AIDに対応する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを決定してもよい。
【0251】
本出願の本実施形態におけるAID割り当て方法が、前述の実施形態に適用されてもよいし、それらと組み合わされてもよいことに留意されたい。
【0252】
この実施形態では、第1のAPが、異なるAIDに対応し、かつTIM要素内の仮想ビットマップ・フィールドにおけるビットが1にセットされているかどうかを決定することによって、1つのBSSにおいて異なるAIDを異なる第2のSTAに割り当てることができるため、下りリンク・トラフィックを有するステーション・マルチリンク・デバイスにおける第2のSTAを決定することができる。したがって、ビーコン・フレーム又は他の管理フレームのフレーム・フォーマットを変更する必要はなく、互換性がより良好である。
【0253】
本出願の一実施形態は、マルチリンク・デバイス間の通信方法をさらに提供する。図14に示すように、本方法は、ステップS501の前に、ステップS1401~S1404をさらに含んでもよい。
【0254】
S1401:第1のAPが、1つ以上の候補リンクを決定する。
【0255】
1つ以上の候補リンクは、第1のAPが動作する複数のリンクにおけるリンクであってもよい。言い換えれば、第1のAPは1つ以上の候補リンク上で動作してもよい。例えば、第1のAPが1つ以上の候補リンクを決定することは、第1のAPが、第1のAPが動作することができる一部又は全部のリンクを候補リンクとして決定する。
【0256】
例えば、図6を参照すると、第1のAPは、APマルチリンク・デバイスであり、APマルチリンク・デバイスは、リンク1を介してSTA1と通信し、リンク2及びリンク3を介してSTAマルチリンク・デバイス2と通信し、リンク1及びリンク3を介してSTAマルチリンク・デバイス3と通信してもよい。リンク2とリンク3が同時の送信及び受信をサポートしない場合、APマルチリンク・デバイスは、リンク1及びリンク2を候補リンク・セットとしてグループ化してもよい。APマルチリンク・デバイスは、代替的には、リンク1及びリンク3を候補リンク・セットとしてグループ化してもよい。APマルチリンク・デバイスがリンク1及びリンク2を候補リンク・セットとしてグループ化する例は、本明細書において説明のために使用されるにすぎない。1つ以上の候補リンクは、リンク1及びリンク2を含む。
【0257】
S1402:第1のAPが、候補リンク・セット情報を第1のSTAに送信する。
【0258】
例えば、候補リンク・セット情報は、1つ以上の候補リンクの識別子情報を含んでもよい。候補リンク・セット情報は、ビーコン・フレーム又は別の管理フレーム内で搬送されてもよい。
【0259】
任意選択で、ビーコン・フレーム又は別の管理フレームは、候補リンクに対応するチャネル利用情報をさらに搬送してもよい。
【0260】
任意選択で、ステップS1402での候補リンク・セット情報及びステップS503での下りリンク・トラフィック表示情報は、1つのビーコン・フレーム内で搬送されてもよいし、異なるビーコン・フレーム内で搬送されてもよい。
【0261】
任意選択で、第1のAPが、第1のAPの能力情報を第1のSTAに送信してもよく、第1のAPの能力情報は、第1のAPが動作することができるすべてのリンクを含み、第1のSTAが、能力情報におけるすべてのリンクを候補リンクとして使用して、能力情報に含まれるリンクからプライマリ・リンクを決定してもよい。
【0262】
S1403:第1のSTAが、第1のAPから候補リンク・セット情報を受信する。
【0263】
対応して、S501で第1のSTAがプライマリ・リンクを決定することは、第1のSTAが、候補リンク・セット情報に基づいて、1つ以上の候補リンクからプライマリ・リンクを決定することを含む。
【0264】
図6を参照すると、例えば、候補リンク・セット情報が、リンク1及びリンク2の識別子情報を含む。第1のSTAが、リンク1及びリンク2に対応するチャネル利用情報に基づいて、リンク2をプライマリ・リンクとして決定してもよい。
【0265】
任意選択で、本出願の本実施形態では、第1のSTAは、第1のSTAが候補リンク・セットとして動作することができる一部又は全部のリンクをグループ化し、候補リンク・セットに関する情報を第1のAPに送信してもよい。次いで、第1のAPが、候補リンク・セットからプライマリ・リンクを決定し、第1のAPによって決定されたプライマリ・リンクの識別子情報を第1のSTAに送信する。この実装では、ステップS501において第1のSTAによって決定されたプライマリ・リンクは、第1のAPによって決定され、第1のAPから第1のSTAによって受信されるプライマリ・リンクであってもよい。第1のSTAがプライマリ・リンクを決定する特定の方法は、本出願における本実施形態において限定されず、本明細書における説明のための例にすぎない。
【0266】
任意選択で、S1404:第1のAPが、1つ以上の候補リンクに対して基本サービス・セットBSSを確立するか、第1のAPが、各候補リンクに対して1つのBSSを確立するか、又は第1のAPが、1つ以上の候補リンクの一部に対して1つのBSSを確立する。1つのBSSにおいて1つのSTAに割り当てられるAIDが一意である。
【0267】
例えば、第1のAPが、実装においては、候補リンク・セットにおいて各候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよい。例えば、図6を参照すると、候補リンクがリンク1、リンク2、及びリンク3を含む例では、第1のAPは、各候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよい。例えば、リンク1に対してBSS1が確立され、リンク2に対してBSS2が確立され、リンク3に対してBSS3が確立される。
【0268】
例えば、第1のAPが、別の実装においては、候補リンク・セットおいていくつかの候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよい。例えば、図6を参照すると、候補リンクがリンク1、リンク2、及びリンク3を含む例では、第1のAPは、リンク1及びリンク2に対してBSS1を確立してもよい。
【0269】
例えば、第1のAPが、さらに別の実装においては、候補リンク・セットにおいて全ての候補リンクに対して1つのBSSを確立してもよい。例えば、図6を参照すると、候補リンクがリンク1、リンク2、及びリンク3を含む例において、第1のAPは、リンク1、リンク2、及びリンク3に対して、BSS1として示される1つのBSSを確立してもよい。
【0270】
例えば、第1のAPが、候補リンク・セットにおける各候補リンクに対して1つのBSSを確立するときに、プライマリ・リンクを選択した後、STAマルチリンク・デバイスが、プライマリ・リンクに対応するBSSに参加する。例えば、図6を参照すると、第1のAPが、リンク1、リンク2、リンク3上にそれぞれBSS1、BSS2、BSS3を確立し、STAマルチリンク・デバイス2によって選択されたプライマリ・リンクがリンク2であることが、例として使用される。このケースでは、リンク2をプライマリ・リンクとして選択した後、STAマルチリンク・デバイス2が、BSS2に参加する。
【0271】
例えば、第1のAPが候補リンク・セットにおいて一部又は全部の候補リンクに対して1つのBSSを確立するときに、候補リンク・セットにおけるリンクをプライマリ・リンクとして選択するSTAマルチリンク・デバイスと、従来のSTAの両方がBSSに参加する。例えば、図6を参照すると、第1のAPが、リンク1、リンク2、リンク3上にBSS 1を確立し、STAマルチリンク・デバイス2によって選択されたプライマリ・リンクがリンク2であることが例として使用される。このケースでは、リンク2をプライマリ・リンクとして選択した後、STAマルチリンク・デバイス2が、BSS1に参加する。
【0272】
AIDを第2のSTAに割り当てるときに、第1のAPは、1つのBSSに属する複数の第2のSTAのAIDが互いに異なることを満たし、1つのBSSにおける異なる第2のSTAを識別できるようにすることに留意すべきである。
【0273】
ステップS1402及びS1403、並びにステップS1404を実行するシーケンスは、本出願の本実施形態において限定されないことに留意されたい。図13では、ステップS1402及びステップS1403がステップ1404の前に実行されることが、説明のために例として使用される。任意選択で、1つ以上の候補リンクを決定した後、第1のAPが、1つ以上の候補リンクに対してBSSを確立してもよい。
【0274】
本出願の本実施形態では、第1のAPは、候補リンク・セット情報を第1のSTAに送信する。候補リンク・セット情報を受信した後、第1のSTAが、候補リンク・セットに含まれる複数のリンクからプライマリ・リンクを選択する。追加的に、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAは、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報、及びセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAが下りリンク・トラフィックを有するかどうかを示す情報を受信してもよい。したがって、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、第2のSTAが動作するセカンダリ・リンク上で、セカンダリ・リンク上に下りリンク・トラフィックがあるかどうかを示す情報を受信しなくてもよい。言い換えれば、データが伝送されないときに、セカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAは、ドーズ状態(dose state)に入ってもよい。これは、ステーション・マルチリンク・デバイスの電力消費を低減する。
【0275】
一般に、データを送信する前に、ステーションは、ネットワーク割り当てベクトル(network allocation vector、NAV)がステーションに対してセットされるかどうかを決定し(仮想キャリア・センシングと呼ばれる)、チャネルがアイドルであるかどうかをセンシングする(物理キャリア・センシングと呼ばれる)必要がある。NAVがセットされず、センシングされたチャネルがアイドルであるときに、ステーションが、Xフレーム間スペース(X interframe space、XIFS)時間に対するチャネルをセンシングし、バックオフする。ステーションがチャネルをプリエンプトし、カウンタが0にバックオフするときにのみデータを送信することができる。
【0276】
ここでのXIFS時間は、送信されるべきトラフィック・タイプに関係する。例えば、送信されるべきフレームが応答フレーム、例えば、肯定応答(Acknowledgment、ACK)、ブロック肯定応答(Block Ack)、又は送信可(clear to send、CTS)フレームである場合、XIFS時間がSIFS(short IFS)時間である。このケースでは、局はバックオフする必要がなく、送信のためにチャネルを直接プリエンプトしてもよい。送信されるべきフレームがビーコン・フレームであり、XIFS時間がPIFS (ポイント協調機能(Point coordination function、PCF)IFS)時間である場合、ステーションが、バックオフする必要がなく、送信のためにチャネルを直接プリエンプトしてもよい。送信されるべきフレームが従来の非サービス品質(Quality of service、QoS)データであり、XIFS時間がDIFS(分散協調機能(Distributed coordination function、DCF)IFS)時間である場合、ステーションが、バックオフし、バックオフ・カウンタが従来の方法で0にバックオフするまで、送信のためにチャネルをプリエンプトする。送信されるべきフレームが従来のQoSデータであり、XIFS時間がアービトレーションフレーム間スペース(IFS、AIFS)時間である場合、ステーションが、バックオフし、バックオフ・カウンタが0にバックオフするときに、チャネル伝送機会を取得することができる。QoSデータ・アクセス・カテゴリ(access category、AC)は、AC_BK(バックグラウンド、background)、AC_BE (ベスト・エフォート、best effort)、AC_VI (ビデオ、video)、AC_VO (音声、voice)にさらに分類される。データのアクセス・カテゴリが異なる場合、バックオフ・カウントが異なり、AIFS時間が異なる。AIFS時間が、別々にAIFS[AC_BK]、AIFS[AC_BE]、AIFS[AC_VI]、及びAIFS[AC_VO]であり、バックオフ・カウントが、別々にバックオフ[AC_BK]、バックオフ[AC_BE]、バックオフ[AC_VI]、及びバックオフ[AC_VO]である。時間の長さシーケンスが、(SIFS<PIFS<DIFS=AIFS[AC_VO]<AIFS[AC_VI]<AIFS[AC_BE] <AIFS[AC_BK])であり、異なるトラフィックの優先順位を示す。
【0277】
ステーションが、データ伝送中の各アクセス・カテゴリACに対して、コンテンション・ウィンドウ(contention、cw)CW[AC]を維持し、ウィンドウの値が、[CW_min[AC],CW_max[AC]]内にある。初期化中、コンテンション・ウィンドウは、CW=CW_minである。データ送信に失敗した場合、CWの値がCW_maxに達するまで、CW=(CW+1)x2=-1である。データ送信に成功した場合、CWは、CW_minにリセットされる。乱数は[0,CW]から選択され、バックオフを実行するためのバックオフ・カウンタとして使用される。センシングされたチャネルがアイドルである場合、バックオフ・カウンタは1だけ減算される。バックオフ・カウンタが0に達するまで、データ・フレームを送信することができる。チャネルがビジーである場合、バックオフ・カウンタは、サスペンドされる。チャネルがアイドルになるときに、サスペンドされたバックオフ・カウンタは、再度バックオフを実行するために使用される。肯定応答プロトコルに含まれないMSDU (MACサービス・データ・ユニット)、A-MSDU (アグリゲートMACサービス・データ・ユニット)、及びMMPDU (管理MACプロトコル・データ・ユニット)を含むデータが、伝送に失敗することが想定される。誤って伝送されたデータ・パケットの長さが、RTS (送信要求)しきい値以下である場合、データ・パケットのショート再試行カウンタは、1インクリメントされる。誤って伝送されたデータ・パケットの長さが、RTS (送信要求)しきい値よりも大きい場合、ロング再試行カウンタが1インクリメントされる。ショート再試行カウンタ又はロング再試行カウンタが、指定された上限に達する場合、伝送端が、データ伝送を破棄する。追加的に、ステーションは、データの各アクセス・カテゴリに対して、ステーションのショート再試行カウンタ[AC]及びステーションのロング再試行カウンタ[AC]を維持する。カテゴリ[AC]に属するデータ・パケットのショート再試行カウンタが1インクリメントされる場合、ショート再試行カウンタ[AC]が、1インクリメントされ、カテゴリ[AC]に属するデータ・パケットのロング再試行カウンタが1インクリメントされる場合、ロング再試行カウンタ[AC]が、1インクリメントされる。別の実装では、ショート再試行カウンタ及びロング再試行カウンタが組み合わされる。再試行カウンタ・フィールドが、各データ・パケットに対して維持される。再試行カウンタ・フィールドが上限に達した場合、パケット再伝送が破棄される。ステーションが、データの各カテゴリに対してステーションの再試行カウンタ[AC]フィールドを維持する。
【0278】
ステーション・マルチリンク・デバイスが、例として使用される。図15に示すように、ステーション・マルチリンク・デバイスによって実行されるデータ伝送中に、1つのリンクBのステーション・バックオフ・カウンタが0に減少したときに、この時に別のリンクAがアイドル状態、例えば、リンクAがPIFS時間内にアイドル状態である場合、ステーション・マルチリンク・デバイスは、同時に2つのリンク(リンクA及びリンクB)上でデータを伝送することができる。リンクAは、チャネル・コンテンションを介してチャネル伝送機会を取得しないため、このケースで依然として単一リンクに対するチャネル・コンテンション方法が使用される場合、この機会におけるデータ送信成功又はエラーが、リンクA上の別のステーションの送信機会に影響を及ぼす。これは、リンク状の別のステーションにとって不公平である。したがって、本出願の本実施形態では、リンクAがチャネル・コンテンションを介してチャネル伝送機会を取得しないときに、ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてリンクA上で動作するステーションのデータが送信に成功する場合(データは、アクセス・カテゴリに基づいて分類されてもよい)、コンテンション・ウィンドウは、最小コンテンション・ウィンドウにリセットされる必要がなく、同じままである。ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてリンクA上で動作するステーションのデータが送信に失敗する場合、コンテンション・ウィンドウは2倍にされず、変更されないままであり、再試行カウンタ・フィールドの値は変更されないままであり、ロング再試行カウンタ・フィールド、ショート再試行カウンタ・フィールド、ステーション・ロング再試行カウンタ・フィールド[AC]、ステーション・ショート再試行カウンタ・フィールド[AC]、再試行カウンタ・フィールド、及びステーション再試行カウンタ・フィールド[AC]を含む。これにより、リンクA上のステーションに対するアクセス公平性を保証する。
【0279】
ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてリンクA上で動作するステーションがデータ伝送を完了した後、又は、ステーション・マルチリンク・デバイスにおいてリンクB上で動作するステーションによってプリエンプトされた伝送機会(transmission Opportunity、TXOP)が消費された後、ステーション・マルチリンク・デバイスは、チャネル・コンテンションを再開するために、バックオフ・カウンタを前の値にリセットするか、又は、前のコンテンション・ウィンドウからバックオフ・カウンタをランダムに選択する。
【0280】
前述のものは、主に、方法のステップの観点から、本出願の実施形態において提供される解決策を説明している。前述の機能を実装するために、コンピュータは、機能を実行するための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェア・モジュールを含むことが理解されよう。当業者は、本明細書に開示された実施形態に記載の例のモジュール及びアルゴリズム・ステップと組み合わせて、本出願がハードウェアとコンピュータ・ソフトウェアの組み合わせによって実装され得ることを容易に認識すべきである。当業者であれば、特定の用途ごとに、記載された機能を実装するために異なる方法を使用してもよいが、その実装が本出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0281】
本出願の実施形態において、機能モジュールへの分割は、前述の方法の例に基づいて、第1のSTA及び第1のAPに対して実行されてもよい。例えば、各機能モジュールが各機能に対応する分割を通じて取得されてもよいし、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに一体化されてもよい。一体化されたユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。本出願の実施形態において、モジュールへの分割は一例であり、論理機能分割に過ぎないことに留意されたい。実際の実装の際、別の分割方式が使用されてもよい。
【0282】
一体化されたユニットが使用されるケースでは、図16は、通信装置1600の構造の考えられる概略図を示す。通信装置1600は、ステーション又はステーションに使用されるチップであってもよい。通信装置1600は、前述の方法の実施形態において、第1のSTA、プライマリ・リンク上で動作する第2のSTA、又はセカンダリ・リンク上で動作する第2のSTAの動作を実行してもよい。通信装置1600は、処理ユニット1601及びトランシーバ・ユニット1602を含む。
【0283】
処理ユニット1601は、通信装置1600の行動を制御及び管理するように、例えば、プライマリ・リンクを決定するように構成されてもよい。別の例では、処理ユニット1601は、トランシーバ・ユニット1602の動作を制御するように構成されてもよい。任意選択で、通信装置1600が記憶ユニットを含む場合、処理ユニット1601は、記憶ユニットに記憶されたプログラム又は命令をさらに実行して、通信装置1600が、前述の実施形態のいずれかにおける方法及び機能を実装するようにする。
【0284】
例えば、処理ユニット1601は、例えば、図5のステップS501、図9のステップS505、図10のステップS511、図11のステップS521、図12のステップS527、図14のステップS1404、及び/又は本明細書に記載の技術で使用される他のプロセスを実行するように構成されてもよい。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関係する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されてもよい。詳細は、ここでは再度記載しない。
【0285】
例えば、トランシーバ・ユニット1602は、プライマリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信してもよいし、セカンダリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信してもよい。任意選択で、トランシーバ・ユニット1602は、1つのトランシーバ・モジュールであってもよいし、2つのトランシーバ・モジュールを含んでもよい。トランシーバ・ユニット1602がトランシーバ・モジュールであるときに、トランシーバ・モジュールは、プライマリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信してもよく、セカンダリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信してもよい。トランシーバ・ユニット1602が2つのトランシーバ・モジュールを含むときに、一方のトランシーバ・モジュールは、プライマリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信するように構成されており、他方のトランシーバ・モジュールは、セカンダリ・リンク上で伝送される第1のSTA (通信装置1600)のデータを送信及び受信するように構成されている。
【0286】
例えば、トランシーバ・ユニット1602は、例えば、図5のステップS504、図9のステップS506、S509、及びS510、図10のステップS512、S515、S516、S517、及びS520、図11のステップS522、S525、及びS526、図12のステップS528、S531、S532、S533、及びS536、図13のステップS1301、及びS1305、図14のステップS1403、及び/又は本明細書に記載の技術において使用される他のプロセスを実行するように構成されてもよい。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関係する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されてもよい。詳細は、ここでは再度記載しない。
【0287】
例えば、通信通信1600は、図4に示す通信装置であってもよいし、処理ユニット1601は、図4のプロセッサ401であってもよいし、トランシーバ・ユニット1602は、図4に示すトランシーバ403であってもよい。任意選択で、通信装置1600は、メモリをさらに含んでもよい。メモリは、上記のマルチリンク・デバイス間の任意の通信方法を実行するために、通信装置1600のための対応するプログラム・コード及びデータを記憶するように構成されている。図4の構成要素の全ての関係する内容の説明は、通信装置1600の対応する構成要素の機能説明で引用されてもよく、詳細は、ここでは再度記載しない。
【0288】
一体化されたユニットが使用されるケースでは、図17は、通信装置1700の構造の考えられる概略図を示す。通信装置1700は、アクセス・ポイント・デバイス又はアクセス・ポイント・デバイスに使用されるチップであってもよく、通信装置1700は、前述の方法の実施形態における第1のAPの動作を実行してもよい。通信装置1700は、処理ユニット1701及びトランシーバ・ユニット1702を含む。
【0289】
処理ユニット1701は、通信装置1700の行動を制御及び管理するように構成されてもよい。別の例では、処理ユニット1701は、トランシーバ・ユニット1702の動作を制御するように構成されてもよい。任意選択で、通信装置1700が記憶ユニットを含む場合、処理ユニット1701は、記憶ユニットに記憶されたプログラム又は命令をさらに実行して、通信装置1700が、前述の実施形態のいずれかにおける方法及び機能を実装するようにする。
【0290】
例えば、処理ユニット1701は、例えば、図5のステップS502、図13のステップS1303、図14のステップS1401、及び/又は本明細書に記載の技術で使用される他のプロセスを実行するように構成されてもよい。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関係する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されてもよい。詳細は、ここでは再度記載しない。
【0291】
例えば、トランシーバ・ユニット1702は、例えば、図5のステップS503、図9のステップS507及びS508、図10のステップS513、S514、S518及びS519、図11のステップS523及びS524、図12のステップS529、S530、S534及びS535、図13のステップS1302及びS1304、図14のステップS1402、及び/又は本明細書に記載の技術で使用される他のプロセスを実行するように構成されてもよい。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関係する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されてもよい。詳細は、ここでは再度記載しない。
【0292】
例えば、通信通信1700は、図4に示す通信装置であってもよいし、処理ユニット1701は、図4のプロセッサ401であってもよいし、トランシーバ・ユニット1702は、図4に示すトランシーバ403であってもよい。任意選択で、通信装置1700は、メモリをさらに含んでもよい。メモリは、上記のマルチリンク・デバイス間の任意の通信方法を実行するために、通信装置1700のための対応するプログラム・コード及びデータを記憶するように構成されている。図4の構成要素の全ての関係する内容の説明は、通信装置1700の対応する構成要素の機能説明で引用されてもよく、詳細は、ここでは再度記載しない。
【0293】
この出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。通信装置は、プロセッサを含み、トランシーバ及びメモリをさらに含んでもよい。トランシーバは、情報を送信及び受信するように構成されているか、又は別のネットワーク要素と通信するように構成されている。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶するように構成されている。プロセッサは、図5及び図9図14の実施形態のうちのいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実装する際にステーションをサポートするコンピュータ実行可能な命令を実行するように構成されている。
【0294】
この出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。通信装置は、プロセッサを含み、トランシーバ及びメモリをさらに含んでもよい。トランシーバは、情報を送信及び受信するように構成されているか、又は別のネットワーク要素と通信するように構成されている。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶するように構成されている。プロセッサは、図5及び図9図14の実施形態のいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実装する際にアクセス・ポイント・デバイスをサポートするコンピュータ実行可能な命令を実行するように構成されている。
【0295】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ・プログラム・コードを記憶する。前述のプロセッサがコンピュータ・プログラム・コードを実行するときに、電子デバイスは、図5及び図9図14の実施形態のうちのいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実行する。
【0296】
本出願の一実施形態は、コンピュータ・プログラム製品をさらに提供する。コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で動作するときに、コンピュータは、図5及び図9図14の実施形態のうちのいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実行する。
【0297】
この出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在してもよい。装置の構造は、プロセッサ及びインターフェース回路を含む。プロセッサは、受信回路を使用することによって他の装置と通信するように構成されており、装置が、図5及び図9図14の前述の実施形態のうちのいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実行するようにする。
【0298】
本出願の実施形態は、アクセス・ポイント及びステーションを含む通信システムをさらに提供する。アクセス・ポイント及びステーションは、図5及び図9図14の前述の実施形態のうちのいずれか1つにおけるマルチリンク・デバイス間の通信方法を実行してもよい。
【0299】
本出願に開示された内容を参照して記載された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって実装されてもよいし、ソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェア・モジュールを含んでもよい。ソフトウェア・モジュールは、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)、フラッシュ・メモリ、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(erasable programmable ROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハード・ディスク、リームバブル・ハード・ディスク、コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(CD-ROM)、又は本技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体に記憶されてもよい。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合され、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出すか、又は記憶媒体に情報を書き込むことができるようにする。確かに、記憶媒体は、プロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に位置していてもよい。追加的に、ASICは、コア・ネットワークのインターフェース・デバイス内に位置していてもよい。確かに、プロセッサ及び記憶媒体は、代替的には、個別の構成要素としてコア・ネットワークのインターフェース・デバイス内に存在してもよい。
【0300】
当業者は、前述の例のうちの1つ以上において、本出願に記載の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを使用して実装され得ると認識すべきである。機能がソフトウェアによって実装されるときに、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されるか、又はコンピュータ可読媒体内の1つ以上の命令若しくはコードとして伝送されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体及び通信媒体を含む。通信媒体は、コンピュータ・プログラムを1つの場所から別の場所へ伝送することを容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0301】
本出願の目的、技術的解決策、及び有益な効果については、前述の具体的な例においてさらに詳細に記載されている。前述の説明は、本出願の具体的な実施形態に過ぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図していないと理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の修正、等価の置換又は改良は、本出願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】