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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163146
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20241114BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241114BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241114BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 619A
G09F9/30 338
H10K59/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024147497
(22)【出願日】2024-08-29
(62)【分割の表示】P 2022162989の分割
【原出願日】2012-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2011108318
(32)【優先日】2011-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
(57)【要約】
【課題】Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタのいずれか一方によっ
て構成される走査線駆動回路を有する表示装置において、2種の走査線の一方に対して他
方の反転信号又は略反転信号を出力する場合における消費電力を低減する。
【解決手段】表示装置に、それぞれが2種の走査線の一方に対して信号を出力する複数の
パルス出力回路と、それぞれが2種の走査線の他方に対してパルス出力回路が出力する信
号の反転信号又は略反転信号を出力する複数の反転パルス出力回路とを設ける。そして、
複数の反転パルス出力回路のそれぞれを複数のパルス出力回路の動作に用いられる少なく
とも2種の信号を用いて動作させる。これにより、当該反転パルス出力回路において生じ
る貫通電流を低減することが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に位置する領域を有しかつゲート電極層としての機能を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層の上方に位置する領域を有しかつゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上方に位置する領域を有しかつチャネル形成領域を有する酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上面と接する領域を有しかつソース電極としての機能を有する第2の導電層と、
前記酸化物半導体膜の上面と接する領域を有しかつドレイン電極としての機能を有する第3の導電層と、
前記酸化物半導体膜の上方に位置する領域と、前記第2の導電層の上方に位置する領域と、前記第3の導電層の上方に位置する領域と、を有する第2の絶縁層と、を有し、
前記酸化物半導体膜は、In-Oである半導体装置。
【請求項2】
基板の上方に位置する領域を有しかつゲート電極層としての機能を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層の上方に位置する領域を有しかつゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上方に位置する領域を有しかつチャネル形成領域を有する酸化物半導体膜と、
前記酸化物半導体膜の上面と接する領域を有しかつソース電極としての機能を有する第2の導電層と、
前記酸化物半導体膜の上面と接する領域を有しかつドレイン電極としての機能を有する第3の導電層と、
前記酸化物半導体膜の上方に位置する領域と、前記第2の導電層の上方に位置する領域と、前記第3の導電層の上方に位置する領域と、を有する第2の絶縁層と、を有する半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記酸化物半導体膜は、In-Zn-Oである半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。特に、Nチャネル型トランジスタ又はPチャネル型トラ
ンジスタのみによって構成されるシフトレジスタを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の表示装置が知られている。当該表示装置は、マトリクス状に
配設された複数の画素のそれぞれにスイッチが設けられている。そして、当該スイッチを
介して入力される所望の電位(画像信号)に応じた表示を各画素において行う表示装置で
ある。
【0003】
アクティブマトリクス型の表示装置では、走査線の電位を制御することで各画素に設け
られるスイッチのスイッチングを制御する回路(走査線駆動回路)が必要とされる。走査
線駆動回路は、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタを組み合わせて
構成されることが一般的であるが、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジ
スタのいずれか一方によって構成することも可能である。なお、前者によって構成された
走査線駆動回路は、後者によって構成された走査線駆動回路よりも消費電力を低減するこ
とが可能である。また、後者によって構成された走査線駆動回路は、前者によって構成さ
れた走査線駆動回路よりも製造工程数を低減することが可能である。
【0004】
なお、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタのいずれか一方によっ
て走査線駆動回路を構成する場合には、走査線に対して出力される電位が当該走査線駆動
回路に出力される電源電位から変動することになる。具体的には、Nチャネル型トランジ
スタのみによって走査線駆動回路を構成する場合には、当該走査線駆動回路に高電源電位
を供給する配線と走査線の間に少なくとも一のNチャネル型トランジスタが設けられるこ
とになる。よって、走査線に対して出力されうる高電位は、当該高電源電位から少なくと
も一の当該Nチャネル型トランジスタのしきい値電圧分下降することになる。同様に、P
チャネル型トランジスタのみによって走査線駆動回路を構成する場合には、走査線に対し
て出力されうる低電位が走査線駆動回路に対して供給される低電源電位から上昇すること
になる。
【0005】
これに対して、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタのいずれか一
方によって構成された走査線駆動回路でありながら、当該走査線駆動回路に供給される電
源電位を変動させることなく走査線に対して出力することが可能な走査線駆動回路が提案
されている。
【0006】
例えば、特許文献1で開示される走査線駆動回路では、高電源電位と低電源電位を一定
周期で繰り返すクロック信号と走査線の電気的な接続を制御するNチャネル型トランジス
タが設けられている。そして、当該Nチャネル型トランジスタのドレインに高電源電位が
入力される際に、ゲートの電位をゲート及びソース間の容量結合によって上昇させること
が可能である。これにより、特許文献1で開示される走査線駆動回路においては、当該N
チャネル型トランジスタのソースから当該高電源電位と同一又は略同一の電位を走査線に
対して出力することが可能である。
【0007】
ところで、アクティブマトリクス型の表示装置に配設された各画素に設けられるスイッ
チは、1個であるとは限らない。各画素に複数のスイッチが存在し、それぞれのスイッチ
ングを独立に制御することによって表示を行う表示装置も存在する。例えば、特許文献2
で開示される表示装置では、それぞれが別個の走査線によってスイッチングが制御される
2種のトランジスタ(Pチャネル型トランジスタ及びNチャネル型トランジスタ)が各画
素に設けられている。さらに、別個に設けられた2種の走査線の電位を制御するために2
種の走査線駆動回路(走査線駆動回路A及び走査線駆動回路B)が設けられている。そし
て、特許文献2で開示される表示装置では、別個に設けられた走査線駆動回路が略反転す
る信号を走査線に対して出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-122939号公報
【特許文献2】特開2006-106786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2で開示されるように、走査線駆動回路が2種の走査線の一方に対して他方の
反転信号又は略反転信号を出力することによって表示を行う表示装置も存在する。ここで
、そのような走査線駆動回路をNチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタ
のいずれか一方によって構成することも可能である。例えば、特許文献1で開示される走
査線駆動回路の走査線に対する出力信号を、2種の走査線の一方及びインバータに出力す
る。そして、当該インバータの出力信号を2種の走査線の他方に出力する構成とすればよ
い。
【0010】
ただし、当該インバータをNチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタの
いずれか一方によって構成する場合、多量の貫通電流の発生を伴うことになる。これは、
表示装置における消費電力の増大に直結する。
【0011】
そこで、本発明の一態様は、Nチャネル型トランジスタ及びPチャネル型トランジスタ
のいずれか一方によって構成される走査線駆動回路を有する表示装置において、2種の走
査線の一方に対して他方の反転信号又は略反転信号を出力する場合における消費電力を低
減することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様の表示装置は、それぞれが2種の走査線の一方に対して信号を出力する
複数のパルス出力回路と、それぞれが2種の走査線の他方に対してパルス出力回路が出力
する信号の反転信号又は略反転信号を出力する複数の反転パルス出力回路とを有する。そ
して、複数の反転パルス出力回路のそれぞれは、複数のパルス出力回路の動作に用いられ
る信号を用いて動作する。
【0013】
具体的には、本発明の一態様は、m行n列(m、nは4以上の自然数)に配設された複
数の画素と、1行目に配設されたn個の画素に電気的に接続される第1の走査線及び第1
の反転走査線、乃至、m行目に配設されたn個の画素に電気的に接続される第mの走査線
及び第mの反転走査線と、第1の走査線乃至第mの走査線、及び第1の反転走査線乃至第
mの反転走査線に電気的に接続されるシフトレジスタと、を有し、k行目(kはm以下の
自然数)に配設された画素は、第kの走査線に選択信号が入力されることでオン状態とな
る第1のスイッチと、第kの反転走査線に選択信号が入力されることでオン状態となる第
2のスイッチと、を有し、シフトレジスタは、第1のパルス出力回路乃至第mのパルス出
力回路と、第1の反転パルス出力回路乃至第mの反転パルス出力回路と、を有し、第s(
sは(m-2)以下の自然数)のパルス出力回路は、スタートパルス(sが1の場合に限
る)又は第(s-1)のパルス出力回路が出力するシフトパルスが入力され、且つ、第s
の走査線に対して選択信号を出力し、且つ第(s+1)のパルス出力回路に対してシフト
パルスを出力する回路であり、スタートパルス又は第(s-1)のパルス出力回路が出力
するシフトパルスの入力が開始されてからシフト期間が経過するまでの第1の期間におい
てオン状態となる第1のトランジスタを有し、第1の期間において、第1のトランジスタ
のゲート及びソース間の容量結合を利用することで第1のトランジスタのドレインに入力
される第1のクロック信号の電位と同一又は略同一の電位をシフトパルスとして第1のト
ランジスタのソースから出力し、第(s+1)のパルス出力回路は、第sのパルス出力回
路が出力するシフトパルスが入力され、且つ、第(s+1)の走査線に対して選択信号を
出力し、且つ第(s+2)のパルス出力回路に対してシフトパルスを出力する回路であり
、第sのパルス出力回路が出力するシフトパルスの入力が開始されてからシフト期間が経
過するまでの第2の期間においてオン状態となる第2のトランジスタを有し、第2の期間
において、第2のトランジスタのゲート及びソース間の容量結合を利用することで第2の
トランジスタのドレインに入力される第2のクロック信号の電位と同一又は略同一の電位
をシフトパルスとして第2のトランジスタのソースから出力し、第sの反転パルス出力回
路は、第sのパルス出力回路が出力するシフトパルスが入力され、且つ第2のクロック信
号が入力され、且つ、第sの反転走査線に対して選択信号を出力する回路であり、第sの
パルス出力回路が出力するシフトパルスの入力が開始されてから第2のクロック信号の電
位が変化するまでの第3の期間においてオフ状態となる第3のトランジスタを有し、第3
の期間後に、第3のトランジスタのソースから第sの反転走査線に対する選択信号を出力
する表示装置である。
【0014】
また、上記表示装置において、第sの反転パルス出力回路に入力される第2のクロック
信号を第(s+1)のパルス出力回路が出力するシフトパルスに置換した表示装置も本発
明の一態様である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様の表示装置は、反転パルス出力回路の動作を少なくとも2種の信号によ
って制御する。これにより、当該反転パルス出力回路において生じる貫通電流を低減する
ことが可能となる。また、当該2種の信号として複数のパルス出力回路の動作に用いられ
る信号を適用する。すなわち、別途に信号を生成することなく、当該反転パルス出力回路
を動作させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】表示装置の構成例を示す図。
図2】(A)走査線駆動回路の構成例を示す図、(B)各種信号の波形の一例を示す図、(C)パルス出力回路の端子を示す図、(D)反転パルス出力回路の端子を示す図。
図3】パルス出力回路の(A)構成例を示す図、(B)動作例を示す図、反転パルス出力回路の(C)構成例を示す図、(D)動作例を示す図。
図4】画素の(A)構成例を示す図、(B)動作例を示す図。
図5】走査線駆動回路の変形例を示す図。
図6】(A)走査線駆動回路の変形例を示す図、(B)各種信号の波形の一例を示す図。
図7】走査線駆動回路の変形例を示す図。
図8】(A)、(B)パルス出力回路の変形例を示す図。
図9】(A)、(B)パルス出力回路の変形例を示す図。
図10】(A)~(C)反転パルス出力回路の変形例を示す図。
図11】(A)~(D)トランジスタの具体例を示す断面図。
図12】(A)~(D)トランジスタの具体例を示す断面図。
図13】(A)、(B)トランジスタの具体例を示す上面図。
図14】(A)~(F)電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明
は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態
および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、
本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0018】
まず、本発明の一態様の表示装置の構成例について図1図4を参照して説明する。
【0019】
<表示装置の構成例>
図1は、表示装置の構成例を示す図である。図1に示す表示装置は、m行n列に配設さ
れた複数の画素10と、走査線駆動回路1と、信号線駆動回路2と、電流源3と、各々が
複数の画素10のうちいずれか1行に配設された画素に電気的に接続され、且つ走査線駆
動回路1によって電位が制御されるm本の走査線4及びm本の反転走査線5と、各々が複
数の画素10のうちいずれか1列に配設された画素に電気的に接続され、且つ信号線駆動
回路2によって電位が制御される、n本の信号線6と、複数の支線が設けられ、且つ電流
源3に電気的に接続される電源線7とを有する。
【0020】
<走査線駆動回路の構成例>
図2(A)は、図1に示す表示装置が有する走査線駆動回路1の構成例を示す図である
図2(A)に示す走査線駆動回路1は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK
1)を供給する配線~第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線
と、第1のパルス幅制御信号(PWC1)を供給する配線~第4のパルス幅制御信号(P
WC4)を供給する配線と、走査線4_1を介して1行に配設された画素10に電気的に
接続された第1のパルス出力回路20_1~走査線4_mを介してm行に配設された画素
10に電気的に接続された第mのパルス出力回路20_mと、反転走査線5_1を介して
1行に配設された画素10に電気的に接続された第1の反転パルス出力回路60_1~反
転走査線5_mを介してm行に配設された画素10に電気的に接続された第mの反転パル
ス出力回路60_mとを有する。
【0021】
なお、第1のパルス出力回路20_1~第mのパルス出力回路20_mは、第1のパル
ス出力回路20_1に入力される走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)をきっかけ
としてシフト期間毎にシフトパルスを順次シフトする機能を有する。詳述すると、第1の
パルス出力回路20_1は、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)が入力された後
に第2のパルス出力回路20_2に対してシフト期間に渡ってシフトパルスを出力する。
次いで、第2のパルス出力回路20_2は、第1のパルス出力回路が出力するシフトパル
スが入力された後に第3のパルス出力回路20_3に対してシフト期間に渡ってシフトパ
ルスを出力する。以後、第mのパルス出力回路20_mに対してシフトパルスが入力され
るまで上記動作が行われる。
【0022】
さらに、第1のパルス出力回路20_1~第mのパルス出力回路20_mのそれぞれは
、当該シフトパルスが入力された際に走査線に対して選択信号を出力する機能を有する。
なお、選択信号とは、当該走査線の電位によってスイッチングが制御されるスイッチをオ
ン状態とする信号を指す。
【0023】
図2(B)は、上記信号の具体的な波形の一例を示す図である。
【0024】
具体的には、図2(B)に示す第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)は、
周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(
Vss))を繰り返す、デューティ比が約1/4の信号である。また、第2の走査線駆動
回路用クロック信号(GCK2)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)
から1/4周期位相がずれた信号であり、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK
3)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)から1/2周期位相がずれた
信号であり、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)は、第1の走査線駆動回
路用クロック信号(GCK1)から3/4周期位相がずれた信号である。
【0025】
また、第1のパルス幅制御信号(PWC1)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号
(GCK1)の電位がハイレベルの電位となる前にハイレベルの電位となり、且つ第1の
走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)の電位がハイレベルの電位である期間中にロ
ウレベルの電位となる、デューティ比が1/4未満の信号である。また、第2のパルス幅
制御信号(PWC2)は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から1/4周期位相がず
れた信号であり、第3のパルス幅制御信号(PWC3)は、第1のパルス幅制御信号(P
WC1)から1/2周期位相がずれた信号であり、第4のパルス幅制御信号(PWC4)
は、第1のパルス幅制御信号(PWC1)から3/4周期位相がずれた信号である。
【0026】
図2(A)に示す表示装置においては、第1のパルス出力回路20_1~第mのパルス
出力回路20_mとして、同一の構成を有する回路を適用することができる。ただし、パ
ルス出力回路が有する複数の端子の電気的な接続関係は、パルス出力回路毎に異なる。具
体的な接続関係について図2(A)、(C)を参照して説明する。
【0027】
第1のパルス出力回路20_1~第mのパルス出力回路20_mのそれぞれは、端子2
1~端子27を有する。なお、端子21~端子24及び端子26は入力端子であり、端子
25及び端子27は出力端子である。
【0028】
まず、端子21について述べる。第1のパルス出力回路20_1の端子21は、走査線
駆動回路用スタートパルス(GSP)を供給する配線に電気的に接続され、第2のパルス
出力回路20_2~第mのパルス出力回路20_mの端子21は、前段のパルス出力回路
の端子27に電気的に接続されている。
【0029】
次いで、端子22について述べる。第(4a-3)のパルス出力回路(aは、m/4以
下の自然数)の端子22は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給す
る配線に電気的に接続され、第(4a-2)のパルス出力回路の端子22は、第2の走査
線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する配線に電気的に接続され、第(4a-
1)のパルス出力回路の端子22は、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK3)
を供給する配線に電気的に接続され、第4aのパルス出力回路の端子22は、第4の走査
線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線に電気的に接続されている。
【0030】
次いで、端子23について述べる。第(4a-3)のパルス出力回路の端子23は、第
2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する配線に電気的に接続され、第
(4a-2)のパルス出力回路の端子23は、第3の走査線駆動回路用クロック信号(G
CK3)を供給する配線に電気的に接続され、第(4a-1)のパルス出力回路の端子2
3は、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線に電気的に接続
され、第4aのパルス出力回路の端子23は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(G
CK1)を供給する配線に電気的に接続されている。
【0031】
次いで、端子24について述べる。第(4a-3)のパルス出力回路の端子24は、第
1のパルス幅制御信号(PWC1)を供給する配線に電気的に接続され、第(4a-2)
のパルス出力回路の端子24は、第2のパルス幅制御信号(PWC2)を供給する配線に
電気的に接続され、第(4a-1)のパルス出力回路の端子24は、第3のパルス幅制御
信号(PWC3)を供給する配線に電気的に接続され、第4aのパルス出力回路の端子2
4は、第4のパルス幅制御信号(PWC4)を供給する配線に電気的に接続されている。
【0032】
次いで、端子25について述べる。第xのパルス出力回路(xは、m以下の自然数)の
端子25は、x行目に配設された走査線4_xに電気的に接続されている。
【0033】
次いで、端子26について述べる。第yのパルス出力回路(yは、(m-1)以下の自
然数)の端子26は、第(y+1)のパルス出力回路の端子27に電気的に接続され、第
mのパルス出力回路の端子26は、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP)を供
給する配線に電気的に接続されている。なお、第mのパルス出力回路用ストップ信号(S
TP)は、仮に第(m+1)のパルス出力回路が設けられていれば、当該第(m+1)の
パルス出力回路の端子27から出力される信号に相当する信号である。具体的には、これ
らの信号は、実際にダミー回路として第(m+1)のパルス出力回路を設けること、又は
外部から当該信号を直接入力することなどによって第mのパルス出力回路に供給すること
ができる。
【0034】
各パルス出力回路の端子27の接続関係は既出である。そのため、ここでは前述の説明
を援用することとする。
【0035】
また、図2(A)に示す表示装置においては、第1の反転パルス出力回路60_1~第
mの反転パルス出力回路60_mとして、同一の構成を有する回路を適用することができ
る。ただし、反転パルス出力回路が有する複数の端子の電気的な接続関係は、反転パルス
出力回路毎に異なる。具体的な接続関係について図2(A)、(D)を参照して説明する
【0036】
第1の反転パルス出力回路60_1~第mの反転パルス出力回路60_mのそれぞれは
、端子61~端子63を有する。なお、端子61及び端子62は入力端子であり、端子6
3は出力端子である。
【0037】
まず、端子61について述べる。第(4a-3)の反転パルス出力回路の端子61は、
第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する配線に電気的に接続され、
第(4a-2)の反転パルス出力回路の端子61は、第3の走査線駆動回路用クロック信
号(GCK3)を供給する配線に電気的に接続され、第(4a-1)の反転パルス出力回
路の端子61は、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線に電
気的に接続され、第4aのパルス出力回路の端子61は、第1の走査線駆動回路用クロッ
ク信号(GCK1)を供給する配線に電気的に接続されている。
【0038】
次いで、端子62について述べる。第xの反転パルス出力回路の端子62は、第xのパ
ルス出力回路の端子27に電気的に接続されている。
【0039】
次いで、端子63について述べる。第xの反転パルス出力回路の端子63は、x行目に
配設された反転走査線5_xに電気的に接続されている。
【0040】
<パルス出力回路の構成例>
図3(A)は、図2(A)、(C)に示すパルス出力回路の構成例を示す図である。図
3(A)に示すパルス出力回路は、トランジスタ31~トランジスタ39を有する。
【0041】
トランジスタ31では、ソース及びドレインの一方が高電源電位(Vdd)を供給する
配線(以下、高電源電位線ともいう)に電気的に接続され、ゲートが端子21に電気的に
接続されている。
【0042】
トランジスタ32では、ソース及びドレインの一方が低電源電位(Vss)を供給する
配線(以下、低電源電位線ともいう)に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が
トランジスタ31のソース及びドレインの他方に電気的に接続されている。
【0043】
トランジスタ33では、ソース及びドレインの一方が端子22に電気的に接続され、ソ
ース及びドレインの他方が端子27に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソ
ース及びドレインの他方及びトランジスタ32のソース及びドレインの他方に電気的に接
続されている。
【0044】
トランジスタ34では、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方が端子27に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32
のゲートに電気的に接続されている。
【0045】
トランジスタ35では、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート及びトランジスタ34のゲート
に電気的に接続され、ゲートが端子21に電気的に接続されている。
【0046】
トランジスタ36では、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、
及びトランジスタ35のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが端子2
6に電気的に接続されている。
【0047】
トランジスタ37では、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方がトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、
トランジスタ35のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ36のソース及びドレ
インの他方に電気的に接続され、ゲートが端子23に電気的に接続されている。
【0048】
トランジスタ38では、ソース及びドレインの一方が端子24に電気的に接続され、ソ
ース及びドレインの他方が端子25に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソ
ース及びドレインの他方、トランジスタ32のソース及びドレインの他方、及びトランジ
スタ33のゲートに電気的に接続されている。
【0049】
トランジスタ39では、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方が端子25に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32
のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレインの他方、
トランジスタ36のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ37のソース及びドレ
インの他方に電気的に接続されている。
【0050】
なお、以下においては、トランジスタ31のソース及びドレインの他方、トランジスタ
32のソース及びドレインの他方、トランジスタ33のゲート、及びトランジスタ38の
ゲートが電気的に接続するノードをノードAと呼ぶ。また、トランジスタ32のゲート、
トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレインの他方、トランジス
タ36のソース及びドレインの他方、トランジスタ37のソース及びドレインの他方、及
びトランジスタ39のゲートが電気的に接続するノードをノードBと呼ぶ。
【0051】
<パルス出力回路の動作例>
上述したパルス出力回路の動作例について図3(B)を参照して説明する。具体的には
図3(B)には、第1のパルス出力回路20_1からシフトパルスが入力される際の第
2のパルス出力回路20_2の各端子に入力される信号、及び各端子から出力される信号
の電位、並びにノードA及びノードBの電位を示している。また、第3のパルス出力回路
20_3の端子25から出力される信号(Gout3)及び端子27から出力される信号
(SRout3=第2のパルス出力回路20_2の端子26に入力される信号)も付記し
ている。なお、図中において、Goutは、パルス出力回路の走査線に対する出力信号を
表し、SRoutは、当該パルス出力回路の、後段のパルス出力回路に対する出力信号を
表している。
【0052】
まず、図3(B)を参照して、第2のパルス出力回路20_2に第1のパルス出力回路
20_1からシフトパルスが入力される場合について説明する。
【0053】
期間t1において、端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
る。これにより、トランジスタ31、35がオン状態となる。そのため、ノードAの電位
がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降
した電位)に上昇し、且つノードBの電位が低電源電位(Vss)に下降する。これに付
随して、トランジスタ33、38がオン状態となり、トランジスタ32、34、39がオ
フ状態となる。以上により、期間t1において、端子27から出力される信号は、端子2
2に入力される信号となり、端子25から出力される信号は、端子24に入力される信号
となる。ここで、期間t1において、端子22及び端子24に入力される信号は、共にロ
ウレベルの電位(低電源電位(Vss))である。そのため、期間t1において、第2の
パルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_3の端子21、及び画素部にお
いて2行目に配設された走査線にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する
【0054】
期間t2において、各端子に入力される信号は期間t1から変化しない。そのため、端
子25及び端子27から出力される信号も変化せず、共にロウレベルの電位(低電源電位
(Vss))を出力する。
【0055】
期間t3において、端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
る。なお、ノードAの電位(トランジスタ31のソースの電位)は、期間t1においてハ
イレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した
電位)まで上昇している。そのため、トランジスタ31はオフ状態となっている。この時
、端子24にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力されることで、トランジ
スタ38のゲート及びソース間の容量結合によって、ノードAの電位(トランジスタ38
のゲートの電位)がさらに上昇する(ブートストラップ動作)。また、当該ブートストラ
ップ動作を行うことによって、端子25から出力される信号が端子24に入力されるハイ
レベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない。そのため、期間t3に
おいて、第2のパルス出力回路20_2は、画素部において2行目に配設された走査線に
ハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)を出力する。
【0056】
期間t4において、端子22にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
る。ここで、ノードAの電位は、ブートストラップ動作によって上昇しているため、端子
27から出力される信号が端子22に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd
))から下降することがない。そのため、期間t4において、端子27からは、端子22
に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が出力される。すなわち、第2
のパルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_3の端子21にハイレベルの
電位(高電源電位(Vdd)=シフトパルス)を出力する。また、期間t4において、端
子24に入力される信号はハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))を維持するため、
第2のパルス出力回路20_2から画素部において2行目に配設された走査線に対して出
力される信号は、ハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)のままである。
なお、期間t4における当該パルス出力回路の出力信号には直接関与しないが、端子21
にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力されるためトランジスタ35はオフ
状態となる。
【0057】
期間t5において、端子24にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力され
る。ここで、トランジスタ38はオン状態を維持する。そのため、期間t5において、第
1のパルス出力回路20_1から画素部において2行目に配設された走査線に対して出力
される信号は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))となる。
【0058】
期間t6において、各端子に入力される信号は期間t5から変化しない。そのため、端
子25及び端子27から出力される信号も変化せず、端子25からはロウレベルの電位(
低電源電位(Vss))が出力され、端子27からはハイレベルの電位(高電源電位(V
dd)=シフトパルス)が出力される。
【0059】
期間t7において、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
る。これにより、トランジスタ37がオン状態となる。そのため、ノードBの電位がハイ
レベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ37のしきい値電圧分下降した電
位)に上昇する。つまり、トランジスタ32、34、39がオン状態となる。また、これ
に付随して、ノードAの電位がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する
。つまり、トランジスタ33、38がオフ状態となる。以上により、期間t7において、
端子25及び端子27から出力される信号は、共に低電源電位(Vss)となる。すなわ
ち、期間t7において、第2のパルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_
3の端子21、及び画素部において2行目に配設された走査線に低電源電位(Vss)を
出力する。
【0060】
<反転パルス出力回路の構成例>
図3(C)は、図2(A)、(D)に示す反転パルス出力回路の構成例を示す図である
図3(C)に示す反転パルス出力回路は、トランジスタ71~トランジスタ74を有す
る。
【0061】
トランジスタ71では、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され
、ゲートが端子61に電気的に接続されている。
【0062】
トランジスタ72では、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方がトランジスタ71のソース及びドレインの他方に電気的に
接続され、ゲートが端子62に電気的に接続されている。
【0063】
トランジスタ73では、ソース及びドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方が端子63に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ71
のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ72のソース及びドレインの他方に電気
的に接続されている。
【0064】
トランジスタ74では、ソース及びドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され
、ソース及びドレインの他方が端子63に電気的に接続され、ゲートが端子62に電気的
に接続されている。
【0065】
なお、以下においては、トランジスタ71のソース及びドレインの他方、トランジスタ
72のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ73のゲートが電気的に接続するノ
ードをノードCと呼ぶ。
【0066】
<反転パルス出力回路の動作例>
上述した反転パルス出力回路の動作例について図3(D)を参照して説明する。具体的
には、図3(D)には、図3(B)に示す期間t1~期間t7において第2の反転パルス
出力回路20_2の各端子に入力される信号、及び出力される信号の電位、並びにノード
Cの電位を示している。なお、図3(D)では、各端子に入力される信号を括弧書きで付
記している。なお、図中において、GBoutは、反転パルス出力回路の反転走査線に対
する出力信号を表している。
【0067】
期間t1~期間t3において、端子61及び端子62にロウレベルの電位が入力される
。これにより、トランジスタ71、72、74がオフ状態となる。そのため、ノードCの
電位は、ハイレベルの電位のまま維持される。これに付随して、トランジスタ73がオン
状態となる。また、ノードCの電位は、トランジスタ73のゲート及びソース(期間t1
~期間t3において、端子63に電気的に接続されたソース及びドレインの他方がソース
となる)間の容量結合により、高電源電位(Vdd)にトランジスタ73のしきい値電圧
を加えた電位よりも高電位となっている(ブートストラップ動作)。以上により、期間t
1~t3において、端子63から出力される信号は、高電源電位(Vdd)となる。すな
わち、期間t1~期間t3において、第2の反転パルス出力回路60_2は、画素部にお
いて2行目に配設された反転走査線に高電源電位(Vdd)を出力する。
【0068】
期間t4において、端子62にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
る。これにより、トランジスタ72、74がオン状態となる。そのため、ノードCの電位
がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))に下降し、トランジスタ73がオフ状態と
なる。以上により、期間t4において、端子63から出力される信号は、低電源電位(V
ss)となる。すなわち、期間t4において、第2の反転パルス出力回路60_2は、画
素部において2行目に配設された反転走査線に低電源電位(Vss)を出力する。
【0069】
期間t5及び期間t6において、各端子に入力される信号は期間t4から変化しない。
そのため、端子63から出力される信号も変化せず、ロウレベルの電位(低電源電位(V
ss))を出力する。
【0070】
期間t7において、端子61にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力され
、且つ端子62にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力される。これにより
、トランジスタ71がオン状態となり、トランジスタ72、74がオフ状態となる。その
ため、ノードCの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ71
のしきい値電圧分下降した電位)に下降し、トランジスタ73がオン状態となる。さらに
、ノードCの電位は、トランジスタ73のゲート及びソース間の容量結合により、高電源
電位(Vdd)にトランジスタ73のしきい値電圧を加えた電位よりも高電位となる(ブ
ートストラップ動作)。以上により、期間t7において、端子63から出力される信号は
、高電源電位(Vdd)となる。すなわち、期間t7において、第2の反転パルス出力回
路60_2は、画素部において2行目に配設された反転走査線に高電源電位(Vdd)を
出力する。
【0071】
<画素の構成例>
図4(A)は、図1に示す画素10の構成例を示す回路図である。図4(A)に示す画
素10は、トランジスタ11~16と、キャパシタ17と、一対の電極間に電流励起によ
って発光する有機物を備えた素子(以下、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子と
もいう)18とを有する。
【0072】
トランジスタ11では、ソース及びドレインの一方が信号線6に電気的に接続され、ゲ
ートが走査線4に電気的に接続されている。
【0073】
トランジスタ12では、ソース及びドレインの一方が共通電位を供給する配線に電気的
に接続され、ゲートが走査線4に電気的に接続されている。なお、ここでは、共通電位は
、電源線7に与えられる電位よりも低電位であることとする。
【0074】
トランジスタ13では、ゲートが走査線4に電気的に接続されている。
【0075】
トランジスタ14では、ソース及びドレインの一方が電源線7に電気的に接続され、ソ
ース及びドレインの他方がトランジスタ13のソース及びドレインの一方に電気的に接続
され、ゲートが反転走査線5に電気的に接続されている。
【0076】
トランジスタ15では、ソース及びドレインの一方がトランジスタ13のソース及びド
レインの一方、及びトランジスタ14のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、
ソース及びドレインの他方がトランジスタ11のソース及びドレインの他方に電気的に接
続され、ゲートがトランジスタ13のソース及びドレインの他方に電気的に接続されてい
る。
【0077】
トランジスタ16では、ソース及びドレインの一方がトランジスタ11のソース及びド
レインの他方、及びトランジスタ15のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、
ソース及びドレインの他方がトランジスタ12のソース及びドレインの他方に電気的に接
続され、ゲートが反転走査線5に電気的に接続されている。
【0078】
キャパシタ17では、一方の電極がトランジスタ13のソース及びドレインの他方、及
びトランジスタ15のゲートに電気的に接続され、他方の電極がトランジスタ12のソー
ス及びドレインの他方、及びトランジスタ16のソース及びドレインの他方に電気的に接
続されている。
【0079】
有機EL素子18では、アノードがトランジスタ12のソース及びドレインの他方、ト
ランジスタ16のソース及びドレインの他方、及びキャパシタ17の他方の電極に電気的
に接続され、カソードが共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、上述
のトランジスタ12のソース及びドレインの一方が電気的に接続する配線に与えられる共
通電位と、有機EL素子18のカソードに与えられる共通電位とが異なる電位であっても
よい。
【0080】
なお、以下においては、トランジスタ13のソース及びドレインの他方、トランジスタ
15のゲート、及びキャパシタ17の一方の電極が電気的に接続するノードをノードDと
呼ぶ。また、トランジスタ13のソース及びドレインの一方、トランジスタ14のソース
及びドレインの他方、及びトランジスタ15のソース及びドレインの一方が電気的に接続
するノードをノードEと呼ぶ。また、トランジスタ11のソース及びドレインの他方、ト
ランジスタ15のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ16のソース及びドレイ
ンの一方が電気的に接続するノードをノードFと呼ぶ。また、トランジスタ12のソース
及びドレインの他方、トランジスタ16のソース及びドレインの他方、キャパシタ17の
他方の電極、及び有機EL素子18のアノードが電気的に接続するノードをノードGと呼
ぶ。
【0081】
<画素の動作例>
上述した画素の動作例について図4(B)を参照して説明する。具体的には、図4(B
)には、図3(B)及び図3(D)に示す期間t1~期間t7において、画素部において
2行目に配設された走査線4_2及び反転走査線5_2の電位並びに信号線6に入力され
る画像信号を示している。なお、図4(B)では、各配線に入力される信号を括弧書きで
付記している。また、図中において、DATAは、画像信号を表している。
【0082】
期間t1及び期間t2において、走査線4_2に選択信号が入力されず、且つ反転走査
線5_2に選択信号が入力される。これにより、トランジスタ11、12、13がオフ状
態となり、且つトランジスタ14、16がオン状態となる。よって、トランジスタ15の
ゲートの電位(ノードDの電位)に応じた電流が電源線から有機EL素子18に対して供
給される。すなわち、画素10において、キャパシタ17によって保持されている画像信
号に応じた表示が行われる。なお、期間t1及び期間t2において、信号線6には1行目
に配設された画素に対する画像信号(data_1)が信号線駆動回路2から入力されて
いる。
【0083】
期間t3において、走査線4_2に選択信号が入力される。これにより、トランジスタ
11、12、13がオン状態となる。これにより、キャパシタ17の一方の電極が信号線
6及び電源線7などと短絡することになる。よって、キャパシタ17に保持されている画
像信号が消失する(初期化)。
【0084】
期間t4において、反転走査線5_2に選択信号が入力されない。これにより、トラン
ジスタ14、16がオフ状態となる。また、信号線6には2行目に配設された画素に対す
る画像信号(data_2)が入力されている。よって、ノードFの電位は、画像信号(
data_2)を示す電位となる。
【0085】
なお、期間t4において、ノードD、Eの電位は、画像信号(data_2)を示す電
位にトランジスタ15のしきい値電圧を加えた電位(以下、データ電位という)となる。
なぜなら、ノードD、Eの電位がデータ電位よりも高電位であれば、トランジスタ15が
オン状態となり、ノードD、Eの電位がデータ電位まで下降することになる。また、トラ
ンジスタ14、16がオフ状態となり、且つトランジスタ15がオフ状態(ノードD、E
の電位がノードFの電位にトランジスタ15のしきい値電圧を加えた電位と等しい電位)
となった後にノードFの電位が画像信号(data_2)を示す電位へと変動する場合で
あっても、ノードDとノードFの容量結合によってノードDの電位が変動することになる
。よって、この場合にも、ノードD、Eの電位がデータ電位となる。
【0086】
また、期間t4において、ノードGの電位は共通電位となる。ノードGがトランジスタ
12を介して共通電位を供給する配線と短絡するからである。
【0087】
よって、期間t4において、キャパシタ17に印加される電圧は、データ電位(ノード
Dの電位)と共通電位(ノードGの電位)の電位差となる。
【0088】
期間t5、t6において、走査線4_2に選択信号が入力されない。これにより、トラ
ンジスタ11、12、13がオフ状態となる。
【0089】
期間t7において、反転走査線5_2に選択信号が入力される。これにより、トランジ
スタ14、16がオン状態となる。なお、トランジスタの飽和領域におけるドレイン電流
は、トランジスタのゲート、ソース間電圧とトランジスタのしきい値電圧の電位差の2乗
に比例することが知られている。ここで、トランジスタ15のゲート、ソース間電圧は、
キャパシタ17に印加される電圧(データ電位(画像信号(data_2)を示す電位と
トランジスタ15のしきい値電圧の和)と共通電位の電位差)となる。よって、トランジ
スタ15の飽和領域におけるドレイン電流は、画像信号(data_2)を示す電位と共
通電位の電位差の2乗に比例することとなる。この場合、トランジスタ15の飽和領域に
おけるドレイン電流は、トランジスタ15のしきい値電圧に依存することがない。
【0090】
なお、ノードGの電位は、有機EL素子18に対してトランジスタ15に生じる電流と
同じ電流が流れるように変動する。ここで、ノードGの電位が変動した場合には、キャパ
シタ17を介した容量結合によってノードDの電位も変動する。よって、ノードGの電位
が変動した場合であっても、トランジスタ15は、有機EL素子18に対して一定電流を
供給することが可能である。
【0091】
以上の動作によって、画素10において、画像信号(data_2)に応じた表示が行
われる。
【0092】
<本明細書で開示される表示装置について>
本明細書で開示される表示装置は、反転パルス出力回路の動作を少なくとも2種の信号
によって制御する。これにより、当該反転パルス出力回路において生じる貫通電流を低減
することが可能となる。また、当該2種の信号として複数のパルス出力回路の動作に用い
られる信号を適用する。すなわち、別途に信号を生成することなく、当該反転パルス出力
回路を動作させることが可能である。
【0093】
<変形例>
上述した表示装置は本発明の一態様であり、上述の表示装置と異なる構成を有する表示
装置も本発明に含まれる。以下では、本発明の他の一態様について例示する。なお、本発
明の他の一態様として例示する複数の内容を有する表示装置も本発明には含まれる。
【0094】
<表示装置の変形例>
上述の表示装置として、各画素に有機EL素子が設けられる表示装置(以下、EL表示
装置ともいう)を例示したが、本発明の表示装置は、EL表示装置に限定されない。例え
ば、本発明の表示装置として、液晶の配向を制御することによって表示を行う表示装置(
液晶表示装置)を適用することも可能である。
【0095】
<走査線駆動回路の変形例>
また、上述の表示装置が有する走査線駆動回路の構成は、図2(A)に示す構成に限定
されない。例えば、図5図7に示す走査線駆動回路を上述の表示装置が有する走査線駆
動回路として適用することも可能である。
【0096】
図5に示す走査線駆動回路1は、第yの反転パルス出力回路60_y(yは、(m-1
)以下の自然数)の端子61が第(y+1)のパルス出力回路の端子27に電気的に接続
され、第mの反転パルス出力回路60_mの端子61が第mのパルス出力回路用ストップ
信号(STP)を供給する配線に電気的に接続されている点が、図2(A)に示す走査線
駆動回路1と異なる。図5に示す走査線駆動回路1であっても、図2(A)に示す走査線
駆動回路1と同様の信号を走査線及び反転走査線に対して出力することが可能である。
【0097】
なお、図2(A)に示す走査線駆動回路1では、図5に示す走査線駆動回路1と比較し
て、反転パルス出力回路の端子61に短周期でハイレベルの電位が入力される。すなわち
、反転パルス出力回路が有するトランジスタ71が短周期でオン状態となる(図2(A)
、(B)、(D)及び図3(C)参照)。よって、反転パルス出力回路が有するトランジ
スタ73のゲートの電位がトランジスタ72に生じるリーク電流などに起因して下降する
場合であっても、当該電位を再度上昇させることが可能である。これにより、反転パルス
出力回路が反転走査線に対して出力する電位が高電源電位(Vdd)未満となる蓋然性を
低減することが可能である。
【0098】
他方、図5に示す走査線駆動回路1では、図2(A)に示す走査線駆動回路1と比較し
て、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する配線~第4の走査線駆
動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線の寄生容量を低減することができる。
よって、図5に示す走査線駆動回路1では、図2(A)に示す走査線駆動回路1と比較し
て、消費電力を低減することが可能である。
【0099】
図6(A)に示す走査線駆動回路1は、2種の走査線駆動回路用クロック信号及び2種
のパルス幅制御信号を用いて動作する点が図2(A)に示す走査線駆動回路1と異なる。
また、これに付随して、パルス出力回路及び反転パルス出力回路の接続関係も変化する(
図6(A)参照)。
【0100】
具体的には、図6(A)に示す走査線駆動回路1は、第5の走査線駆動回路用クロック
信号(GCK5)を供給する配線及び第6の走査線駆動回路用クロック信号(GCK6)
を供給する配線と、第5のパルス幅制御信号(PWC5)を供給する配線及び第6のパル
ス幅制御信号(PWC6)を供給する配線と、有する。
【0101】
図6(B)は、図6(A)に示す上記信号の具体的な波形の一例を示す図である。図6
(B)に示す第5の走査線駆動回路用クロック信号(GCK5)は、周期的にハイレベル
の電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返
す、デューティ比が約1/2の信号である。また、第6の走査線駆動回路用クロック信号
(GCK6)は、第5の走査線駆動回路用クロック信号(GCK5)から1/2周期位相
がずれた信号である。また、第5のパルス幅制御信号(PWC5)は、第5の走査線駆動
回路用クロック信号(GCK5)の電位がハイレベルの電位となる前にハイレベルの電位
となり、且つ第5の走査線駆動回路用クロック信号(GCK5)の電位がハイレベルの電
位となる期間中にロウレベルの電位となる、デューティ比が1/2未満の信号である。ま
た、第6のパルス幅制御信号(PWC6)は、第5のパルス幅制御信号(PWC5)から
1/2周期位相がずれた信号である。
【0102】
図6(A)に示す走査線駆動回路1であっても、図2(A)に示す走査線駆動回路1と
同様の信号を走査線及び反転走査線に対して出力することが可能である。
【0103】
なお、図2(A)に示す走査線駆動回路1では、図6(A)に示す走査線駆動回路1と
比較して、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する配線~第4の走
査線駆動回路用クロック信号(GCK4)を供給する配線の寄生容量を低減することがで
きる。よって、図2(A)に示す走査線駆動回路1では、図6(A)に示す走査線駆動回
路1と比較して、消費電力を低減することが可能である。
【0104】
他方、図6(A)に示す走査線駆動回路1では、図2(A)に示す走査線駆動回路1と
比較して、走査線駆動回路の動作に必要とされる信号数を低減することが可能である。
【0105】
図7に示す走査線駆動回路1は、パルス幅制御信号を用いずに動作する点が図2(A)
に示す走査線駆動回路1と異なる。また、これに付随して、パルス出力回路及び反転パル
ス出力回路の接続関係も変化する(図7参照)。
【0106】
図7に示す走査線駆動回路1では、パルス出力回路が、走査線に対して出力する選択信
号と、後段のパルス出力回路に対して出力するシフトパルスとが同一の信号となる。よっ
て、パルス出力回路が走査線に対して出力する信号(走査線の電位)と、反転パルス出力
回路が反転走査線に対して出力する信号(反転走査線の電位)とが反転信号となる。図7
に示す走査線駆動回路1を表示装置が有する走査線駆動回路として適用することも可能で
ある。
【0107】
なお、図2(A)に示す走査線駆動回路1では、図7に示す走査線駆動回路1と比較し
て、y行目に配設された走査線に対して選択信号を出力する期間と、(y+1)行目に配
設された走査線に対して選択信号を出力する期間との間により広い間隔が存在する。よっ
て、図7に示す走査線駆動回路1では、仮に第1の走査線駆動回路用クロック信号(GC
K1)~第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK4)のいずれかが遅延する又は波
形が鈍る場合であっても、図6(A)に示す走査線駆動回路1と比較して、画素に対する
画像信号の入力を精度良く行うことが可能である。
【0108】
他方、図7に示す走査線駆動回路1では、図2(A)に示す走査線駆動回路1と比較し
て、走査線駆動回路の動作に必要とされる信号数を低減することが可能である。
【0109】
<パルス出力回路の変形例>
また、上述の走査線駆動回路が有するパルス出力回路の構成は、図3(A)に示す構成
に限定されない。例えば、図8、9に示すパルス出力回路を上述の走査線駆動回路が有す
るパルス出力回路として適用することも可能である。
【0110】
図8(A)に示すパルス出力回路は、図3(A)に示したパルス出力回路に、ソース及
びドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトラ
ンジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソース及びドレ
インの他方、トランジスタ36のソース及びドレインの他方、トランジスタ37のソース
及びドレインの他方、及びトランジスタ39のゲートに電気的に接続され、ゲートがリセ
ット端子(Reset)に電気的に接続されたトランジスタ50が付加された構成を有す
る。なお、当該リセット端子には、表示装置の垂直帰線期間においてハイレベルの電位が
入力され、それ以外の期間においてロウレベルの電位が入力される構成とすることができ
る。これにより、パルス出力回路の各ノードの電位を初期化することができるので、誤動
作を防止することが可能となる。
【0111】
図8(B)に示すパルス出力回路は、図3(A)に示したパルス出力回路に、ソース及
びドレインの一方がトランジスタ31のソース及びドレインの他方及びトランジスタ32
のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジ
スタ33のゲート及びトランジスタ38のゲートに電気的に接続され、ゲートが高電源電
位線に電気的に接続されたトランジスタ51が付加された構成を有する。なお、トランジ
スタ51は、ノードAの電位がハイレベルの電位となる期間(図3(B)に示した期間t
1~期間t6)においてオフ状態となる。そのため、トランジスタ51が付加された構成
とすることで、期間t1~t6において、トランジスタ33のゲート及びトランジスタ3
8のゲートと、トランジスタ31のソース及びドレインの他方及びトランジスタ32のソ
ース及びドレインの他方との電気的な接続を遮断することが可能となる。これにより、期
間t1~期間t6に含まれる期間において、当該パルス出力回路で行われるブートストラ
ップ動作時の負荷を低減することが可能である。
【0112】
図9(A)に示すパルス出力回路は、図8(B)に示したパルス出力回路に、ソース及
びドレインの一方がトランジスタ33のゲート及びトランジスタ51のソース及びドレイ
ンの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ38のゲートに
電気的に接続され、ゲートが高電源電位線に電気的に接続されたトランジスタ52が付加
された構成を有する。なお、上述したようにトランジスタ52を設けることによって、当
該パルス出力回路で行われるブートストラップ動作時の負荷を低減することが可能である
【0113】
図9(B)に示すパルス出力回路は、図9(A)に示したパルス出力回路からトランジ
スタ51を削除し、且つソース及びドレインの一方がトランジスタ31のソース及びドレ
インの他方、トランジスタ32のソース及びドレインの他方、及びトランジスタ52のソ
ース及びドレインの一方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ
33のゲートに電気的に接続され、ゲートが高電源電位線に電気的に接続されたトランジ
スタ53が付加された構成を有する。なお、上述したようにトランジスタ53を設けるこ
とによって、当該パルス出力回路で行われるブートストラップ動作時の負荷を低減するこ
とが可能である。また、当該パルス出力回路に生じる不正パルスが、トランジスタ33、
38のスイッチングに与える影響を軽減することが可能である。
【0114】
<反転パルス出力回路の変形例>
また、上述の走査線駆動回路が有する反転パルス出力回路の構成は、図3(C)に示す
構成に限定されない。例えば、図10に示す反転パルス出力回路を上述の走査線駆動回路
が有するパルス出力回路として適用することも可能である。
【0115】
図10(A)に示す反転パルス出力回路は、図3(C)に示した反転パルス出力回路に
、一方の電極がトランジスタ71のソース及びドレインの他方、トランジスタ72のソー
ス及びドレインの他方、及びトランジスタ73のゲートに電気的に接続され、他方の電極
が端子63に電気的に接続されたキャパシタ80が付加された構成を有する。なお、キャ
パシタ80を設けることによって、トランジスタ73のゲートの電位の変動を抑制するこ
とが可能となる。他方、図3(C)に示した反転パルス出力回路では、図10(A)に示
す反転パルス出力回路と比較して、回路面積を低減することが可能となる。
【0116】
図10(B)に示す反転パルス出力回路は、図10(A)に示した反転パルス出力回路
に、ソース及びドレインの一方がトランジスタ71のソース及びドレインの他方、及びト
ランジスタ72のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの
他方がトランジスタ73のゲート及びキャパシタ80の一方の電極に電気的に接続され、
ゲートが高電源電位線に電気的に接続されたトランジスタ81が付加された構成を有する
。なお、トランジスタ81を設けることによって、トランジスタ71、72の絶縁破壊を
抑制することが可能となる。具体的に述べると、図3(C)に示す反転パルス出力回路に
おいては、ノードCの電位が上述のブートストラップ動作によって大きく変動する。よっ
て、トランジスタ71、72のソース、ドレイン間電圧(特に、トランジスタ72のソー
ス、ドレイン間電圧)が大きく変動することになる。その結果、トランジスタ71、72
が絶縁破壊するおそれがある。これに対して、図10(B)に示す反転パルス出力回路に
おいては、トランジスタ73のゲートの電位が当該ブートストラップ動作によって上昇し
た場合に、トランジスタ81がオフ状態となる。よって、当該ブートストラップ動作に付
随して、ノードCの電位が大きく変動することがない。その結果、トランジスタ71、7
2のソース、ドレイン間電圧の変動を緩和することが可能となる。他方、図3(C)又は
図10(A)に示した反転パルス出力回路では、図10(B)に示す反転パルス出力回路
と比較して、回路面積を低減することが可能となる。
【0117】
図10(C)に示す反転パルス出力回路は、図3(C)に示した反転パルス出力回路に
おいて、トランジスタ73のソース及びドレインの一方が電気的に接続する配線を高電源
電位線から電源電位(Vcc)を供給する配線に置換した構成を有する。なお、ここでは
、電源電位(Vcc)は、低電源電位(Vss)よりも高電位であり、且つ高電源電位(
Vdd)よりも低電位であることとする。なお、当該置換により、反転パルス出力回路が
反転走査線に対して出力する電位が変動する蓋然性を低減することが可能となる。また、
上述の絶縁破壊を抑制することも可能となる。他方、図3(C)に示した反転パルス出力
回路では、図10(C)に示す反転パルス出力回路と比較して、反転パルス出力回路の動
作に要する電源電位数を低減することが可能となる。
【0118】
<画素の変形例>
また、上述の表示装置が有する画素の構成は、図4(A)に示す構成に限定されない。
例えば、図4(A)に示す画素はNチャネル型トランジスタのみによって構成されている
が、本発明は当該構成に限定されない。すなわち、本発明の一態様の表示装置においては
、Pチャネル型トランジスタのみを用いて画素を構成すること、又はNチャネル型トラン
ジスタ及びPチャネル型トランジスタを組み合わせて画素を構成することも可能である。
【0119】
なお、図4(A)に示すように画素に設けられるトランジスタとして単極性のトランジ
スタのみを適用する場合、画素の高集積化を図ることができる。なぜなら、半導体層に対
して不純物を注入することによってトランジスタに極性を付与する場合、Nチャネル型ト
ランジスタ及びPチャネル型トランジスタ間に間隔(マージン)を設けることが必要とな
る。これに対して、単極性のトランジスタのみによって画素を構成する場合には当該間隔
が不要となるからである。
【0120】
<トランジスタの具体例>
以下では、上述した走査線駆動回路を構成するトランジスタの具体例について図11
図12を参照して説明する。なお、以下に説明するトランジスタによって走査線駆動回路
及び画素の双方を構成することも可能である。
【0121】
なお、当該トランジスタのチャネル形成領域を構成する半導体材料には各種のものを適
用することができる。例えば、シリコン又はシリコンゲルマニウムなどの14族元素を成
分とする半導体材料、金属酸化物を成分とする半導体材料などである。いずれの半導体材
料においても、非晶質又は結晶性を有するものが適用可能である。
【0122】
酸化物半導体材料としては、各種のものを適用可能であり、好適には、In、Ga、S
n、Znから選ばれた少なくとも一種の元素を含む酸化物半導体を適用可能である。例え
ば、酸化物半導体として、In-Sn-Zn-O系酸化物を用いると、高い電界効果移動
度及び高い信頼性を有するトランジスタが得られるため好ましい。他にも、四元系金属の
酸化物であるIn-Sn-Ga-Zn-O系酸化物や、三元系金属の酸化物であるIn-
Ga-Zn-O系酸化物(IGZOとも表記する。)、In-Al-Zn-O系酸化物、
Sn-Ga-Zn-O系酸化物、Al-Ga-Zn-O系酸化物、Sn-Al-Zn-O
系酸化物や、In-Hf-Zn-O系酸化物、In-La-Zn-O系酸化物、In-C
e-Zn-O系酸化物、In-Pr-Zn-O系酸化物、In-Nd-Zn-O系酸化物
、In-Pm-Zn-O系酸化物、In-Sm-Zn-O系酸化物、In-Eu-Zn-
O系酸化物、In-Gd-Zn-O系酸化物、In-Tb-Zn-O系酸化物、In-D
y-Zn-O系酸化物、In-Ho-Zn-O系酸化物、In-Er-Zn-O系酸化物
、In-Tm-Zn-O系酸化物、In-Yb-Zn-O系酸化物、In-Lu-Zn-
O系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn-Zn-O系酸化物、Sn-Zn-O系酸
化物、Al-Zn-O系酸化物、Zn-Mg-O系酸化物、Sn-Mg-O系酸化物、I
n-Mg-O系酸化物や、In-Ga-O系酸化物、一元系金属の酸化物であるIn-O
系酸化物、Sn-O系酸化物、Zn-O系酸化物などを用いた場合も同様である。
【0123】
図11図12は、チャネルが酸化物半導体に形成されるトランジスタの具体例を示す
図である。なお、図11、12では、ボトムゲート型構造のトランジスタの具体例につい
て例示するが、当該トランジスタとしてトップゲート型構造のトランジスタを適用するこ
とも可能である。また、図11、12では、スタガ型のトランジスタの具体例についてす
るが、当該トランジスタとしてコプラナー型のトランジスタを適用することも可能である
【0124】
図11(A)~(D)は、トランジスタ(いわゆるチャネルエッチ型のトランジスタ)
の作製工程を示す断面図である。
【0125】
まず、絶縁表面を有する基板である基板400上に、導電膜を形成した後、フォトマス
クを用いてフォトリソグラフィ工程によりゲート電極層401を設ける。
【0126】
基板400としては、大量生産することができるガラス基板を用いることが好ましい。
基板400として用いるガラス基板は、後の工程で行う加熱処理の温度が高い場合には、
歪み点が730℃以上のものを用いると良い。また、基板400には、例えば、アルミノ
シリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス
材料が用いられている。
【0127】
また、下地層となる絶縁層を基板400とゲート電極層401の間に設けてもよい。下
地層は、基板400からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン、酸化
シリコン、窒化酸化シリコン、または酸化窒化シリコンから選ばれた一または複数の層に
よる積層構造により形成することができる。
【0128】
酸化窒化シリコンとは、その組成において、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示し
、例えば、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以
下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0原子%以上10原子%以下の範
囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成において、酸素よりも
窒素の含有量が多いものを示し、例えば、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が2
0原子%以上55原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が10原
子%以上25原子%以下の範囲で含まれるものをいう。但し、上記範囲は、ラザフォード
後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spec
trometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward
scattering Spectrometry)を用いて測定した場合のものである
。また、構成元素の組成は、その合計が100原子%を超えない値をとる。
【0129】
ゲート電極層401としては、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo
、Ag、Ta及びW、それらの窒化物、酸化物ならびに合金から一種以上選択し、単層で
または積層で用いればよい。または、少なくともIn及びZnを含む酸化物または酸窒化
物を用いても構わない。例えば、In-Ga-Zn-O-N系材料などを用いればよい。
【0130】
次いで、ゲート電極層401上にゲート絶縁層402を形成する。ゲート絶縁層402
は、ゲート電極層401の形成後、大気暴露せずに、スパッタリング法、蒸着法、プラズ
マ化学気相成長法(PCVD法)、パルスレーザー堆積法(PLD法)、原子層堆積法(
ALD法)または分子線エピタキシー法(MBE法)などを用いて成膜する。
【0131】
ゲート絶縁層402は、加熱処理により酸素を放出する絶縁膜を用いると好ましい。
【0132】
「加熱処理により酸素を放出する」とは、TDS(Thermal Desorpti
on Spectrometry:昇温脱離ガス分光法)分析にて、酸素原子に換算して
の酸素の放出量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×10
atoms/cm以上であることをいう。
【0133】
ここで、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量の測定方法について、以
下に説明する。
【0134】
TDS分析したときの気体の放出量は、スペクトルの積分値に比例する。このため、測
定したスペクトルの積分値と、標準試料の基準値に対する比とにより、気体の放出量を計
算することができる。標準試料の基準値とは、所定の原子を含む試料の、スペクトルの積
分値に対する原子の密度の割合である。
【0135】
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、及
び絶縁膜のTDS分析結果から、絶縁膜の酸素分子の放出量(NO2)は、式(1)で求
めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量数32で検出されるスペクトルの
全てが酸素分子由来と仮定する。質量数32のものとしてほかにCHOHがあるが、存
在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量
数17の酸素原子及び質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における
存在比率が極微量であるため考慮しない。
【0136】
【数1】
【0137】
式(1)においてNH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である
。SH2は、標準試料をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。ここで、標準
試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、絶縁膜をTDS分析したときのスペ
クトルの積分値である。αは、TDS分析におけるスペクトル強度に影響する係数である
。式(1)の詳細に関しては、特開平6-275697公報を参照する。なお、上記絶縁
膜の酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD-WA1000S/
Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cmの水素原子を含むシリコンウ
ェハを用いて測定する。
【0138】
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素
原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素
分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量に
ついても見積もることができる。
【0139】
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分
子の放出量の2倍となる。
【0140】
上記構成において、加熱処理により酸素を放出する膜は、酸素が過剰な酸化シリコン(
SiO(X>2))であってもよい。酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2)
)とは、シリコン原子数の2倍より多い酸素原子を単位体積当たりに含むものである。単
位体積当たりのシリコン原子数及び酸素原子数は、ラザフォード後方散乱法により測定し
た値である。
【0141】
ゲート絶縁層402から酸化物半導体膜に酸素が供給されることで、酸化物半導体膜と
ゲート絶縁層402との界面準位密度を低減できる。この結果、酸化物半導体膜とゲート
絶縁層402との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、電気特性の劣
化が少ないトランジスタを得ることができる。
【0142】
さらに、酸化物半導体膜の酸素欠損に起因して電荷が生じる場合がある。一般に酸化物
半導体膜の酸素欠損は、一部がドナーとなりキャリアである電子を放出する。この結果、
トランジスタのしきい値電圧がマイナス方向にシフトしてしまう。そこで、ゲート絶縁層
402から接して設ける酸化物半導体膜に酸素が十分に供給され、好ましくは接して設け
る酸化物半導体膜に酸素が過剰に含まれていることにより、しきい値電圧がマイナス方向
へシフトする要因である、酸化物半導体膜の酸素欠損を低減することができる。
【0143】
また、ゲート絶縁層402は、酸化物半導体膜が結晶成長しやすいように、十分な平坦
性を有することが好ましい。
【0144】
ゲート絶縁層402は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シ
リコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸
化イットリウム、酸化ランタン、酸化セシウム、酸化タンタル及び酸化マグネシウムの一
種以上を選択して、単層または積層で用いればよい。
【0145】
ゲート絶縁層402は、好ましくはスパッタリング法により、基板加熱温度を室温以上
200℃以下、好ましくは50℃以上150℃以下とし、酸素ガス雰囲気で成膜する。な
お、酸素ガスに希ガスを加えて用いてもよく、その場合は酸素ガスの割合は30体積%以
上、好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上とする。ゲート絶縁層
402の厚さは、100nm以上1000nm以下、好ましくは200nm以上700n
m以下とする。成膜時の基板加熱温度が低いほど、成膜雰囲気中の酸素ガス割合が高いほ
ど、厚さが厚いほど、ゲート絶縁層402を加熱処理した際に放出される酸素の量は多く
なる。スパッタリング法は、PCVD法と比べて膜中の水素濃度を低減することができる
。なお、ゲート絶縁層402を1000nmを超える厚さで成膜しても構わないが、生産
性を低下させない程度の厚さとする。
【0146】
次いで、ゲート絶縁層402上に、スパッタリング法、蒸着法、PCVD法、PLD法
、ALD法またはMBE法などを用いて酸化物半導体膜403を成膜する。図11(A)
は、以上の工程後の断面図に相当する。
【0147】
酸化物半導体膜403は、厚さを1nm以上40nm以下とする。好ましくは、厚さを
3nm以上20nm以下とする。特に、チャネル長が30nm以下のトランジスタにおい
ては、酸化物半導体膜403の厚さを5nm程度とすることで、短チャネル効果を抑制で
き、安定な電気的特性を得ることができる。
【0148】
酸化物半導体膜403として、特に、In-Sn-Zn-O系の材料を用いることで、
高い電界効果移動度のトランジスタを得ることができる。
【0149】
In、Sn、Znを主成分とする酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタ
は、酸化物半導体膜を形成する際に基板を加熱して成膜すること、又は酸化物半導体膜を
形成した後に熱処理を行うことで良好な特性を得ることができる。なお、主成分とは組成
比で5atomic%以上含まれる元素をいう。
【0150】
In、Sn、Znを主成分とする酸化物半導体膜の成膜後に基板を意図的に加熱するこ
とで、トランジスタの電界効果移動度を向上させることが可能となる。また、トランジス
タのしきい値電圧をプラスシフトさせ、ノーマリ・オフ化させることが可能となる。
【0151】
酸化物半導体膜403は、トランジスタのオフ電流を低減するため、バンドギャップが
2.5eV以上、好ましくは2.8eV以上、さらに好ましくは3.0eV以上の材料を
選択する。バンドギャップが前述の範囲にある酸化物半導体膜403を用いることで、ト
ランジスタのオフ電流を小さくすることができる。
【0152】
なお、酸化物半導体膜403は、水素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属などが低減
され、極めて不純物濃度の低い酸化物半導体膜403であると好ましい。酸化物半導体膜
403が前述の不純物を有すると、不純物の形成する準位によりバンドギャップ内の再結
合が起こり、トランジスタはオフ電流が増大してしまう。
【0153】
酸化物半導体膜403中の水素濃度は、二次イオン質量分析(SIMS:Second
ary Ion Mass Spectrometry)において、5×1019cm
未満、好ましくは5×1018cm-3以下、より好ましくは1×1018cm-3
下、さらに好ましくは5×1017cm-3以下とする。
【0154】
また、酸化物半導体膜403中のアルカリ金属濃度は、SIMSにおいて、ナトリウム
濃度が5×1016cm-3以下、好ましくは1×1016cm-3以下、さらに好まし
くは1×1015cm-3以下とする。同様に、リチウム濃度は、5×1015cm-3
以下、好ましくは1×1015cm-3以下とする。同様に、カリウム濃度は、5×10
15cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下とする。
【0155】
また、酸化物半導体膜403として、c軸配向し、かつab面、表面または界面の方向
から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸においては金属原子が層状また
は金属原子と酸素原子とが層状に配列しており、ab面においてはa軸またはb軸の向き
が異なる(c軸を中心に回転した)結晶(CAAC:C Axis Aligned C
rystalともいう。)を含む酸化物半導体膜(CAAC-OS膜:C Axis A
ligned Crystalline Oxide Semiconductor膜と
もいう。)を適用することもできる。
【0156】
CAACとは、広義に、非単結晶であって、そのab面に垂直な方向から見て、三角形
、六角形、正三角形または正六角形の原子配列を有し、かつc軸方向に垂直な方向から見
て、金属原子が層状、または金属原子と酸素原子が層状に配列した相を含む結晶をいう。
なお、CAACを構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。
【0157】
CAAC-OS膜は単結晶ではないが、非晶質のみから形成されているものでもない。
また、CAAC-OS膜は結晶化した部分(結晶部分)を含むが、1つの結晶部分と他の
結晶部分の境界を明確に判別できないこともある。また、CAAC-OS膜を構成する個
々の結晶部分のc軸は一定の方向(例えば、CAAC-OS膜が形成される基板面、CA
AC-OS膜の表面などに垂直な方向)に揃っていてもよい。または、CAAC-OS膜
を構成する個々の結晶部分のab面の法線は一定の方向(例えば、CAAC-OS膜が形
成される基板面、CAAC-OS膜の表面などに垂直な方向)を向いていてもよい。この
ようなCAAC-OS膜の例として、膜状に形成され、膜表面または形成される基板面に
垂直な方向から観察すると三角形または六角形の原子配列が認められ、かつその膜断面を
観察すると金属原子または金属原子および酸素原子(または窒素原子)の層状配列が認め
られる酸化物膜を挙げることもできる。
【0158】
酸化物半導体膜403は、好ましくはスパッタリング法により、基板加熱温度を100
℃以上600℃以下、好ましくは150℃以上550℃以下、さらに好ましくは200℃
以上500℃以下とし、酸素ガス雰囲気で成膜する。酸化物半導体膜403の厚さは、1
nm以上40nm以下、好ましくは3nm以上20nm以下とする。成膜時の基板加熱温
度が高いほど、得られる酸化物半導体膜403の不純物濃度は低くなる。また、酸化物半
導体膜403中の原子配列が整い、高密度化され、結晶またはCAACが形成されやすく
なる。さらに、酸素ガス雰囲気で成膜することでも、希ガスなどの余分な原子が含まれな
いため、結晶またはCAACが形成されやすくなる。ただし、酸素ガスと希ガスの混合雰
囲気としてもよく、その場合は酸素ガスの割合は30体積%以上、好ましくは50体積%
以上、さらに好ましくは80体積%以上とする。なお、酸化物半導体膜403は薄いほど
、トランジスタの短チャネル効果が低減される。ただし、薄くしすぎると界面散乱の影響
が強くなり、電界効果移動度の低下が起こることがある。
【0159】
酸化物半導体膜403としてIn-Sn-Zn-O系材料をスパッタリング法で成膜す
る場合、好ましくは、原子数比がIn:Sn:Zn=2:1:3、In:Sn:Zn=1
:2:2、In:Sn:Zn=1:1:1またはIn:Sn:Zn=20:45:35で
示されるIn-Sn-Zn-Oターゲットを用いる。前述の組成比を有するIn-Sn-
Zn-Oターゲットを用いて酸化物半導体膜403を成膜することで、結晶またはCAA
Cが形成されやすくなる。
【0160】
次に、第1の加熱処理を行う。第1の加熱処理は、減圧雰囲気、不活性雰囲気または酸
化性雰囲気で行う。第1の加熱処理により、酸化物半導体膜403中の不純物濃度を低減
することができる。図11(B)は、以上の工程後の断面図に相当する。
【0161】
第1の加熱処理は、減圧雰囲気または不活性雰囲気で加熱処理を行った後、温度を保持
しつつ酸化性雰囲気に切り替えてさらに加熱処理を行うと好ましい。これは、減圧雰囲気
または不活性雰囲気にて加熱処理を行うと、酸化物半導体膜403中の不純物濃度を効果
的に低減することができるが、同時に酸素欠損も生じてしまうためであり、このとき生じ
た酸素欠損を、酸化性雰囲気での加熱処理により低減することができる。
【0162】
酸化物半導体膜403は、成膜時の基板加熱に加え、第1の加熱処理を行うことで、膜
中の不純物準位を極めて小さくすることが可能となる。その結果、トランジスタの電界効
果移動度を後述する理想的な電界効果移動度近くまで高めることが可能となる。
【0163】
なお、酸化物半導体膜403に酸素イオンを注入し、加熱処理により酸化物半導体膜4
03に含まれる水素などの不純物を放出させ、該加熱処理と同時に、またはその後の加熱
処理により酸化物半導体膜403を結晶化させてもよい。
【0164】
また、第1の加熱処理の代わりにレーザビームを照射して選択的に酸化物半導体膜40
3を結晶化してもよい。または、第1の加熱処理を行いながらレーザビームを照射して選
択的に酸化物半導体膜403を結晶化してもよい。レーザビームの照射は、不活性雰囲気
、酸化性雰囲気または減圧雰囲気で行う。レーザビームの照射を行う場合、連続発振型の
レーザビーム(CWレーザビーム)またはパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビ
ーム)を用いることができる。例えば、Arレーザ、Krレーザまたはエキシマレーザな
どの気体レーザ、または単結晶もしくは多結晶のYAG、YVO、フォルステライト(
MgSiO)、YAlOもしくはGdVOにドーパントとしてNd、Yb、Cr
、Ti、Ho、Er、Tm及びTaの一種以上が添加されているものを媒質としたレーザ
、もしくはガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイア
レーザなどの固体レーザ、または銅蒸気レーザもしくは金蒸気レーザの一種以上から発振
される蒸気レーザを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、または基本
波の第2高調波乃至第5高調波のいずれかのレーザビームを照射することで、酸化物半導
体膜403を結晶化することができる。なお、照射するレーザビームは、酸化物半導体膜
403のバンドギャップよりもエネルギーの大きいものを用いると好ましい。例えば、K
rF、ArF、XeCl、またはXeFのエキシマレーザ発振器から射出されるレーザビ
ームを用いてもよい。なお、レーザビームの形状が線状であっても構わない。
【0165】
なお、異なる条件下において、複数回のレーザビーム照射を行っても構わない。例えば
、1回目のレーザビーム照射を希ガス雰囲気または減圧雰囲気で行い、2回目のレーザビ
ーム照射を酸化性雰囲気で行うと、酸化物半導体膜403の酸素欠損を低減しつつ高い結
晶性が得られるため好ましい。
【0166】
次に、酸化物半導体膜403をフォトリソグラフィ工程などによって島状に加工して酸
化物半導体膜404を形成する。
【0167】
次に、ゲート絶縁層402及び酸化物半導体膜404上に導電膜を形成した後、フォト
リソグラフィ工程などによってソース電極405A及びドレイン電極405Bを形成する
。当該導電膜の成膜方法として、スパッタリング法、蒸着法、PCVD法、PLD法、A
LD法またはMBE法などを用いればよい。ソース電極405A及びドレイン電極405
Bは、ゲート電極層401と同様に、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、
Mo、Ag、Ta及びW、それらの窒化物、酸化物ならびに合金から一種以上選択し、単
層でまたは積層で用いればよい。
【0168】
次に、上部絶縁膜となる絶縁膜406をスパッタリング法、蒸着法、PCVD法、PL
D法、ALD法またはMBE法などを用いて成膜する。図11(C)は、以上の工程後の
断面図に相当する。絶縁膜406は、ゲート絶縁層402と同様の方法で成膜すればよい
【0169】
なお、絶縁膜406に積層して保護絶縁膜を形成してもよい(図示しない)。保護絶縁
膜は、250℃以上450℃以下、好ましくは150℃以上800℃以下の温度範囲にお
いて、例えば1時間の加熱処理を行っても酸素を透過しない性質を有すると好ましい。
【0170】
以上のような性質により、保護絶縁膜を絶縁膜406の周辺に設ける構造とするときに
、絶縁膜406から加熱処理によって放出された酸素が、トランジスタの外方へ拡散して
いくことを抑制できる。このように、絶縁膜406に酸素が保持されるため、トランジス
タの電界効果移動度の低下を防止し、しきい値電圧のばらつきを低減させ、かつ信頼性を
向上させることができる。
【0171】
保護絶縁膜は、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セシウ
ム、酸化タンタル及び酸化マグネシウムの一種以上を選択して、単層または積層で用いれ
ばよい。
【0172】
絶縁膜406の成膜後、第2の加熱処理を行う。以上の工程が図11(D)に示す断面
図に対応する。第2の加熱処理は、減圧雰囲気、不活性雰囲気または酸化性雰囲気におい
て、150℃以上550℃以下、好ましくは250℃以上400℃以下の温度で行う。第
2の加熱処理を行うことで、ゲート絶縁層402及び絶縁膜406から酸素が放出され、
酸化物半導体膜404中の酸素欠損を低減することができる。また、ゲート絶縁層402
と酸化物半導体膜404との界面準位密度、及び酸化物半導体膜404と絶縁膜406と
の界面準位密度を低減することができるため、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを
低減させ、かつ信頼性を向上させることができる。
【0173】
第1の加熱処理及び第2の加熱処理を経た酸化物半導体膜404を用いたトランジスタ
は、電界効果移動度が高く、オフ電流は小さい。具体的には、チャネル幅が1μm当たり
のオフ電流を1×10-18A以下、1×10-21A以下または1×10-24A以下
とすることができる。
【0174】
酸化物半導体膜404は非単結晶であると好ましい。その理由は、トランジスタの動作
、外部からの光や熱の影響で、酸化物半導体膜404に酸素欠損が生じた場合に、酸化物
半導体膜404が完全な単結晶であると、酸素欠損を補償するための格子間酸素が存在し
ないため酸化物半導体膜404中に該酸素欠損に起因するキャリアが生成されてしまうか
らである。そのため、トランジスタのしきい値電圧がマイナス方向に変動してしまうこと
があるからである。
【0175】
酸化物半導体膜404は、結晶性を有すると好ましい。例えば、酸化物半導体膜403
として、多結晶酸化物半導体膜またはCAAC-OS膜を適用することが好ましい。
【0176】
以上の工程によって、図11(D)に示すトランジスタを作製することができる。
【0177】
また、上述のトランジスタと異なる構造を有するトランジスタについて図12(A)~
(D)を参照して説明する。なお、図12(A)~(D)は、いわゆるエッチングストッ
プ型(チャネルストップ型、チャネル保護型ともいう)のトランジスタの作製工程を示す
断面図である。
【0178】
なお、図12(A)~(D)に示すトランジスタと、図11(A)~(D)に示すトラ
ンジスタとの違いは、エッチングストップ膜となる絶縁膜408を有するか否かである。
そこで、以下では、図11(A)~(D)と重複する説明について省略し、上述の説明を
援用するものとする。
【0179】
上述した工程を行うことによって、図12(A)、(B)に示す断面図の構造を得るこ
とができる。
【0180】
図12(C)に示す絶縁膜408は、ゲート絶縁層402及び絶縁膜406と同様に形
成することができる。すなわち絶縁膜408として、加熱処理により酸素を放出する絶縁
膜を用いることが好ましい。
【0181】
なお、エッチングストップ膜として機能する絶縁膜408を設けることで、フォトリソ
グラフィ工程などによってソース電極405A及びドレイン電極405Bを形成する際に
、酸化物半導体膜404がエッチングされるのを防止することができる。
【0182】
また、絶縁膜408は絶縁膜406と同様に、図12(D)に示す絶縁膜406の成膜
後の第2の加熱処理によって、酸素が放出される。そのため、酸化物半導体膜404中の
酸素欠損を低減する効果をより高めることができる。そして、ゲート絶縁層402と酸化
物半導体膜404との界面準位密度、及び酸化物半導体膜404と絶縁膜408との界面
準位密度を低減することができるため、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減さ
せ、かつ信頼性を向上させることができる。
【0183】
以上の工程によって、図12(D)に示すトランジスタを作製することができる。
【0184】
図11(D)、12(D)に示したトランジスタによって、走査線駆動回路及び画素を
構成することができる。一例として、図4(A)に示すトランジスタ11として当該トラ
ンジスタを適用する構成について図13を参照して説明する。具体的には、図13(A)
は、図11(D)に示したトランジスタをトランジスタ11として適用した場合の上面図
を示す図であり、図13(B)は、図12(D)に示したトランジスタをトランジスタ1
1として適用した場合の上面図である。なお、図13(A)中の線分C1-C2における
断面を示す図が図11(D)であり、図13(B)中の線分C1-C2における断面を示
す図が図12(D)である。
【0185】
図13(A)、(B)に示すトランジスタにおいては、図4(A)に示す信号線6とし
て機能する配線の一部をトランジスタ11のソース及びドレインの一方として利用し、走
査線4として機能する配線の一部をトランジスタ11のゲートとして利用している。この
ように、表示装置に設けられる配線の一部を用いてトランジスタの各端子を構成すること
も可能である。
【0186】
<液晶表示装置を搭載した各種電子機器について>
以下では、本明細書で開示される液晶表示装置を搭載した電子機器の例について図14
を参照して説明する。
【0187】
図14(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータを示す図であり、本体2201、
筐体2202、表示部2203、キーボード2204などによって構成されている。
【0188】
図14(B)は、携帯情報端末(PDA)を示す図であり、本体2211には表示部2
213と、外部インターフェイス2215と、操作ボタン2214等が設けられている。
また、操作用の付属品としてスタイラス2212がある。
【0189】
図14(C)は、電子ペーパーの一例として、電子書籍2220を示す図である。電子
書籍2220は、筐体2221および筐体2223の2つの筐体で構成されている。筐体
2221および筐体2223は、軸部2237により一体とされており、該軸部2237
を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、電子書籍2220は、
紙の書籍のように用いることが可能である。
【0190】
筐体2221には表示部2225が組み込まれ、筐体2223には表示部2227が組
み込まれている。表示部2225および表示部2227は、続き画面を表示する構成とし
てもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とする
ことで、例えば右側の表示部(図14(C)では表示部2225)に文章を表示し、左側
の表示部(図14(C)では表示部2227)に画像を表示することができる。
【0191】
また、図14(C)では、筐体2221に操作部などを備えた例を示している。例えば
、筐体2221は、電源2231、操作キー2233、スピーカー2235などを備えて
いる。操作キー2233により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面に
キーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面
や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUS
Bケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構
成としてもよい。さらに、電子書籍2220は、電子辞書としての機能を持たせた構成と
してもよい。
【0192】
また、電子書籍2220は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により
、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とするこ
とも可能である。
【0193】
なお、電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野に適用することが可
能である。例えば、電子書籍以外にも、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジ
ットカード等の各種カードにおける表示などに適用することができる。
【0194】
図14(D)は、携帯電話機を示す図である。当該携帯電話機は、筐体2240および
筐体2241の二つの筐体で構成されている。筐体2241は、表示パネル2242、ス
ピーカー2243、マイクロフォン2244、ポインティングデバイス2246、カメラ
用レンズ2247、外部接続端子2248などを備えている。また、筐体2240は、当
該携帯電話機の充電を行う太陽電池セル2249、外部メモリスロット2250などを備
えている。また、アンテナは筐体2241内部に内蔵されている。
【0195】
表示パネル2242はタッチパネル機能を備えており、図14(D)には映像表示され
ている複数の操作キー2245を点線で示している。なお、当該携帯電話は、太陽電池セ
ル2249から出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路を実装し
ている。また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置などを内蔵した構成
とすることもできる。
【0196】
表示パネル2242は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネ
ル2242と同一面上にカメラ用レンズ2247を備えているため、テレビ電話が可能で
ある。スピーカー2243およびマイクロフォン2244は音声通話に限らず、テレビ電
話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2240と筐体2241はスライドし、
図14(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に
適した小型化が可能である。
【0197】
外部接続端子2248はACアダプタやUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能
であり、充電やデータ通信が可能になっている。また、外部メモリスロット2250に記
録媒体を挿入し、より大量のデータの保存および移動に対応できる。また、上記機能に加
えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
【0198】
図14(E)は、デジタルカメラを示す図である。当該デジタルカメラは、本体226
1、表示部(A)2267、接眼部2263、操作スイッチ2264、表示部(B)22
65、バッテリー2266などによって構成されている。
【0199】
図14(F)は、テレビジョン装置を示す図である。テレビジョン装置2270では、
筐体2271に表示部2273が組み込まれている。表示部2273により、映像を表示
することが可能である。なお、ここでは、スタンド2275により筐体2271を支持し
た構成を示している。
【0200】
テレビジョン装置2270の操作は、筐体2271が備える操作スイッチや、別体のリ
モコン操作機2280により行うことができる。リモコン操作機2280が備える操作キ
ー2279により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部2273に表示さ
れる映像を操作することができる。また、リモコン操作機2280に、当該リモコン操作
機2280から出力する情報を表示する表示部2277を設ける構成としてもよい。
【0201】
なお、テレビジョン装置2270は、受信機やモデムなどを備えた構成とするのが好適
である。受信機により、一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介
して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から
受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行
うことが可能である。
【符号の説明】
【0202】
1 走査線駆動回路
2 信号線駆動回路
3 電流源
4 走査線
5 反転走査線
6 信号線
7 電源線
10 画素
11~16 トランジスタ
17 キャパシタ
18 有機EL素子
20 パルス出力回路
21~27 端子
31~39 トランジスタ
50~53 トランジスタ
60 反転パルス出力回路
61~63 端子
71~74 トランジスタ
80 キャパシタ
81 トランジスタ
400 基板
401 ゲート電極層
402 ゲート絶縁層
403 酸化物半導体膜
404 酸化物半導体膜
405A ソース電極
405B ドレイン電極
406 絶縁膜
408 絶縁膜
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部
2204 キーボード
2211 本体
2212 スタイラス
2213 表示部
2214 操作ボタン
2215 外部インターフェイス
2220 電子書籍
2221 筐体
2223 筐体
2225 表示部
2227 表示部
2231 電源
2233 操作キー
2235 スピーカー
2237 軸部
2240 筐体
2241 筐体
2242 表示パネル
2243 スピーカー
2244 マイクロフォン
2245 操作キー
2246 ポインティングデバイス
2247 カメラ用レンズ
2248 外部接続端子
2249 太陽電池セル
2250 外部メモリスロット
2261 本体
2263 接眼部
2264 操作スイッチ
2265 表示部(B)
2266 バッテリー
2267 表示部(A)
2270 テレビジョン装置
2271 筐体
2273 表示部
2275 スタンド
2277 表示部
2279 操作キー
2280 リモコン操作機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14