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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163174
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】加熱式タバコ用カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241114BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20241114BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241114BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241114BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150192
(22)【出願日】2024-08-30
(62)【分割の表示】P 2021052228の分割
【原出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(57)【要約】
【課題】フィルタ部材を流動する気流を分散化して、気流の不純物が特定の領域に集中し
ないようにした加熱式タバコ用カートリッジを提供する。
【解決手段】発熱体50によって加熱されることにより、エアロゾルを発生する充填物集
積体10と、吸口14aを有し発生したエアロゾルを濾過するフィルタ部材14と、充填
物集積体10とフィルタ部材14の外周に巻かれた包装部材16と、を備え、充填物集積
体10からフィルタ部材14の吸口14a側に向かって流れるエアロゾルを含む気流の径
方向ベクトル成分を変化させる流動変化部30を1つ有する加熱式タバコ用カートリッジ1である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されることにより、エアロゾルを発生する充填物集積体と、
吸口を有するフィルタ部材と、
前記充填物集積体と前記フィルタ部材の外周に巻かれた包装部材と、を備え、
前記充填物集積体から前記フィルタ部材の前記吸口側に向かって流れる前記エアロゾルを含む気流の径方向ベクトル成分を変化させる円筒状の流動変化部を有し、
前記流動変化部は、前記充填物集積体に隣接して支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記気流誘導部を前記充填物集積体と前記フィルタ部材との間に配置した際の前記気流の流路と連通する貫通孔を有する、
ことを特徴とする加熱式タバコ用カートリッジ。
【請求項2】
前記流動変化部は、長さ方向に沿って隣接する第1流路部材と第2流路部材とを有し、
前記第1流路部材と前記第2流路部材の外径は7.5mm以下であり、
前記第1流路部材と前記第2流路部材を合わせた長さ方向の長さは70mm以下であり、前記第1流路部材と前記第2流路部材の長さ方向の長さの比は1:1である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。
【請求項3】
前記気流誘導部は、前記気流に接する表面に凹凸部を有する、
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の加熱式タバコ用カートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気制御式の発熱体を備えた加熱式喫煙具に装着して喫煙する加熱式タバコ
用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むタバコカートリッジを加熱して、気
化したタバコ成分を吸引する方式のタバコ製品が広く知られている。また、嗜好の多様化
から、タバコ成分を含まない植物の芳香や味わいを、タバコ同様に火炎を用いずに楽しむ
ためのカートリッジ製品も知られ始めている。
【0003】
例えば特許文献1には、エアロゾル発生物品用のエアロゾル冷却要素が開示されている
。具体的には、「エアロゾル冷却要素は、生分解性ポリマー材料のギャザー付きシートを
含む」ことが記載されている(請求項参照)。加熱式タバコ用カートリッジであるエアロ
ゾル発生物品は、先端側から順に、エアロゾル形成基材と、スペーサ要素と、エアロゾル
冷却要素と、フィルタとが並んでおり、これらはシガレットペーパによって巻かれている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5877618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充填物集積体であるエアロゾル形成基材が、加熱式喫煙具が有する発熱体によって加熱
されることにより、エアロゾルを含む気流が発生し、吸口を有するフィルタ部材側に向か
って流動する。このとき、気流は中央側に集まりやすいため、繰り返し喫煙するのに伴っ
て、フィルタ部材の中央部に不純物が集中する。フィルタ部材の特定の領域に不純物が集
中することで、気流の流動性に影響を与えたり、味が変化したりする可能性がある。この
ため、フィルタ部材の全域を使用して気流の不純物を濾過することが望ましい。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、フィルタ部材を流動する気流を分散化
して、気流の不純物が特定の領域に集中しないようにした加熱式タバコ用カートリッジを
提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、電気制御式の
発熱体を備えた加熱式喫煙具に装着して喫煙する加熱式タバコ用カートリッジであって、
前記発熱体によって加熱されることにより、エアロゾルを発生する充填物集積体と、吸口
を有し発生した前記エアロゾルを濾過するフィルタ部材と、前記充填物集積体と前記フィ
ルタ部材の外周に巻かれた包装部材と、を備え、前記充填物集積体から前記フィルタ部材
の前記吸口側に向かって流れる前記エアロゾルを含む気流の径方向ベクトル成分を変化さ
せる流動変化部を1つ以上有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記流動変化部は、前記エアロゾ
ルを含む気流の径方向ベクトル成分を内周側から外周側に向かう方向に変化させることを
特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記加熱式タバコ用カートリッジ
の長さ方向において前記充填物集積体と前記フィルタ部材との間に前記流動変化部が配置
され、前記流動変化部は、前記充填物集積体側から前記フィルタ部材側に向かって断面積
が大きくなるように形成される気流誘導部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記気流誘導部は、前記気流に接
する表面に凹凸部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記流動変化部は、前記充填物集
積体に隣接して支持する支持部を有し、前記支持部は、前記気流誘導部を前記充填物集積
体と前記フィルタ部材との間に配置した際の前記気流の流路と連通する貫通孔を有するこ
とを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記フィルタ部材は、前記充填物
集積体側の端部に前記流動変化部を有し、前記流動変化部は、前記フィルタ部材の前記充
填物集積体側から前記吸口側に向かって断面積が大きくなるように形成される気流誘導部
を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記フィルタ部材は、互いに前記
気流の吸収率が異なる内周側の第1フィルタ部材と外周側の第2フィルタ部材とが、前記
気流を通過させない離隔部で隔てられ、前記第1フィルタ部材は、前記充填物集積体側か
ら前記吸口側に向かって断面積が大きくなるように形成される気流誘導部により前記流動
変化部を形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記充填物集積体と前記フィルタ
部材との間に前記流動変化部が配置され、前記流動変化部は、長さ方向に沿って隣接する
第1流路部材と第2流路部材とを有し、前記第1流路部材は、長さ方向に貫通し前記気流
が流れる第1貫通孔を有し、前記第2流路部材は、前記第1貫通孔と異なる周方向位置に
配置され、長さ方向に貫通し前記気流が流れる第2貫通孔を有し、前記第1流路部材と前
記第2流路部材とが隣接する部分には、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とを連通させ、
前記第1貫通孔からの前記気流を内周側に向かって流すように配置された対流空間部が形
成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記対流空間部は、内周側に向か
って流れた前記第1貫通孔からの前記気流を前記第2貫通孔に流すように形成され、前記
第2貫通孔は、前記対流空間部からの前記気流を外周側に向かって流すように配置されて
いることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジは、前記第2流路部材は、前記対流空
間部の前記フィルタ部材側に凹状の凹部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る加熱式タバコ用カートリッジによれば、流動変化部がエアロゾルを含む気
流の径方向ベクトル成分を変化させることで、フィルタ部材内における気流の平準化を図
ることができる。このため、フィルタ部材の体積全体を使って気流が流動でき、不純物が
一部の領域に集中することを抑制できる。また、気流の流動性を良好にして吸いやすくす
ることができ、気流の流動に対する不純物の影響も軽減できる。加えて、フィルタ部材の
一部に不純物が集中することによる味の変化も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態における充填物集積体を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図2】加熱式タバコ用カートリッジの使用形態を表す断面図である。
図3】充填物の側面図(図3(a))と正面図(図3(b))である。
図4】充填物集積体の正面図である。
図5図1のA-A断面図(図5(a))と図1のB-B断面図(図5(b))である。
図6】第2実施例の流動変化部付近の拡大断面図である。
図7】第4実施例の流動変化部付近の拡大断面図である。
図8】第5実施例の流動変化部付近の拡大断面図である。
図9】第7実施例の流動変化部付近の拡大断面図である。
図10】流動変化部の正面図である。
図11】第8実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図12】第9実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図13】フィルタ部材の正面図である。
図14】第10実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図15】第11実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図16】第1流路部材のフィルタ部材側から見た図(図16(a))と第2流路部材の充填物集積体側から見た図(図16(b))である。
図17】流動変化部の断面図であって、図16(b)のA-A断面で切断した断面図(図17(a))と、図16(b)のB-B断面で切断した断面図(図17(b))である。
図18】第1流路部材に凹部を設けた場合の流動変化部の断面図である。
図19】第12実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図
図20】流動変化部の正面図である。
図21】第13実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図22図21のA-A断面図である。
図23図21のうち、充填物集積体と流動変化部との境界付近の拡大図である。
図24】第14実施例の流動変化部を有する加熱式タバコ用カートリッジの断面図である。
図25図24のA-A断面図である。
図26図24のうち、充填物集積体と流動変化部との境界付近の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(加熱式タバコ用カートリッジの全体構成)
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態におけ
る充填物集積体10を有する加熱式タバコ用カートリッジ1の断面図を示している。この
図に示すように、加熱式タバコ用カートリッジ1は、充填物20が多数充填された略円筒
状の充填物集積体10と、充填物集積体10からの気流を通すことのできる支持部材12
と、支持部材12からの気流の方向を変化させる流動変化部30と、一端に吸口14aを
有するフィルタ部材14とが、長手方向に沿って配列され、シート状の包装部材16で巻
かれることで一体化されて形成されている。包装部材16は、紙等で形成することができ
る。流動変化部30の材料には、樹脂材を用いることができる。流動変化部30を形成す
る樹脂材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ乳酸、シリコーンのようなものが挙げ
られる。ただし、流動変化部30はこれ以外の樹脂材、あるいは木材、金属(アルミ等)
のような樹脂材以外の材料で形成されていてもよい。加熱式タバコ用カートリッジ1の中
を充填物集積体10からフィルタ部材14の吸口14aに向かって流れるエアロゾルを含
む気流の方向ベクトルは、加熱式タバコ用カートリッジ1の長さに沿う中心軸方向の成分
である軸方向ベクトル成分と、加熱式タバコ用カートリッジ1の径方向の成分である径方
向ベクトル成分と、加熱式タバコ用カートリッジ1の周方向の成分である周方向ベクトル
成分とに分解できる。本明細書において「径方向ベクトル成分」の用語は、加熱式タバコ
用カートリッジ1の中を流れるエアロゾルを含む気流の方向ベクトルを径方向に分解した
成分を意味する。気流の径方向ベクトル成分は、正負両方の方向となり得る。例えば、気
流の径方向ベクトル成分は、加熱式タバコ用カートリッジ1の中心側から外周側に向かっ
て流れる方向を正方向とした場合、外周側から中心側方向に向かう負方向となることもで
きる。なお、軸方向ベクトル成分も、充填物集積体10からフィルタ部材14の吸口14
aに向かって流れる方向を正方向とした場合に、加熱式タバコ用カートリッジ1内の一部
で吸口14aから充填物集積体10に向かう負方向となり得る。
【0020】
本実施形態において加熱式タバコ用カートリッジ1は、径が6.5mm~7.5mm、
長さが40mm~80mmに形成される。加熱式タバコ用カートリッジ1の外径を6.5
~7.5mmの範囲に設定すれば、加熱式喫煙具2に設けられた加熱式タバコ用カートリ
ッジ1を差し込む挿入部51よりも小さな径となり、加熱式タバコ用カートリッジ1を加
熱式喫煙具2に挿入するのが容易となる。加熱式タバコ用カートリッジ1の長さを40~
80mmの範囲に設定すれば、加熱式喫煙具2に設けられた加熱式タバコ用カートリッジ
1を受け入れる挿入部51の長さよりも長くなるので、加熱式タバコ用カートリッジ1を
加熱式喫煙具2に差し込んでも吸口14aを加熱式喫煙具2から露出させることができ、
喫煙者が喫煙するのに必要な長さを確保可能となる。
【0021】
(支持部材の構成)
支持部材12は、充填物集積体10の支持部材12側への移動を抑制するとともに、充
填物集積体10で発生したエアロゾルを含む気流をフィルタ部材14側に流通させる。支
持部材12は、例えば円筒状かつ中実状に設けられ、その軸方向が中心軸に沿うように充
填物集積体10とフィルタ部材14との間に配置される。支持部材12は、例えば、外径
が6.5mm~7.5mm、中心軸に沿った長さが50mm以下に形成される。なお、支
持部材12は、適宜機能および構成に応じて上記とは異なる寸法を有していてもよい。
【0022】
支持部材12は、樹脂材で形成される。支持部材12を形成する樹脂材としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリ乳酸、シリコーンのようなものが挙げられる。ただし、支持部
材12はこれ以外の樹脂材、あるいは冷却効果が増す木材、金属(アルミ等)のような樹
脂材以外の材料で形成されていてもよい。
【0023】
(フィルタ部材の構成)
フィルタ部材14は、円筒状に形成され、例えば直径が6.5mm~7.5mm、中心
軸に沿った長さが50mm以下に形成される。フィルタ部材14は、例えば紙等を用いて
形成される。また、フィルタ部材14は、例えば紙からなるシート状の部材を巻いて円筒
状に設けられてもよいし、微粒子を取り除くセルロースアセテートフィルタ等を含んでい
てもよい。フィルタ部材14は、充填物集積体10で生成された水蒸気やエアロゾル中の
微粒子の一部を濾過する機能を有する。
【0024】
(充填物集積体の構成)
充填物集積体10は、長尺状の充填物20が長さ方向に沿って束状とされ、シート状の
包装部材25で巻かれることで略円筒状となるように形成されている。充填物20は、非
タバコ植物から形成される。充填物20の詳細については後で詳述する。
【0025】
充填物集積体10は、10~25mmの長さを有する。充填物集積体10の長さを10
mm以上に設定すれば、加熱式喫煙具2の発熱体50を挿入するために最低限必要な長さ
を確保可能となる。また、充填物集積体10の長さを25mm以下に設定すれば、加熱式
喫煙具2の発熱体50の熱を充填物20の隅々まで行き渡らせることが可能な長さを確保
することができる。なお、加熱式タバコ用カートリッジ1は、加熱式喫煙具2の形状に合
わせて、上記とは異なる寸法を有していてもよい。
【0026】
充填物集積体10の外径は、支持部材12やフィルタ部材14の外径と等しく、また、
中心軸に沿って概ね一定の値となっている。この外径の大きさは、例えば4.0mm~7
.5mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは5.0mm~7.0mmの範囲である。外
径の大きさを4.0mm以上に設定すれば、最低限必要な量のエアロゾルを発生可能とな
る。また、外径の大きさを5.0mm以上に設定すれば、十分な量のエアロゾルを発生可
能となる。さらに、外径の大きさを7.5mm以下に設定すれば、加熱式喫煙具2に充填
物集積体10を装着可能となる。また、外径の大きさを7.0mm以下に設定すれば、加
熱式喫煙具2に充填物集積体10を容易に装着可能となる。
【0027】
(加熱式タバコ用カートリッジの使用態様)
図2には、加熱式タバコ用カートリッジ1の使用形態を表す断面図を示している。加熱
式タバコ用カートリッジ1は、加熱式喫煙具2に装着されて使用される。加熱式喫煙具2
は、加熱式タバコ用カートリッジ1を挿入させる挿入部51を有している。挿入部51に
は、挿入された加熱式タバコ用カートリッジ1の充填物集積体10に対して挿入される針
状あるいはブレード状の発熱体50が設けられる。発熱体50は、加熱式喫煙具2の内部
に設けられた制御部により電気的に制御される。発熱体50は、充填物集積体10に対し
て挿入された状態で発熱することにより、充填物集積体10からエアロゾルを発生させる
ことができる。この状態で、喫煙者がフィルタ部材14から吸うことにより、エアロゾル
を含む気流を吸引することができる。
【0028】
(充填物の構成)
図3には、充填物20の側面図(図3(a))と正面図(図3(b))を示している。
充填物20は、前述のように長尺状に形成されている。また、充填物20は、長さ方向と
直交する断面において長辺方向の寸法aが短辺方向の寸法bより長くなるように形成され
ている。図4には、充填物集積体10の正面図を示している。充填物集積体10は、多数
の充填物20を集積することで形成される。外周部の充填物20の多くは、周方向に沿う
ように配列される。中央部の充填物20の多くは、互いに長辺同士が重なり合って充填物
群を形成し、充填物群間に空隙部が形成される。
【0029】
充填物20は、乾燥・粉砕された非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエアロゾル
フォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤または増粘剤等
を混合し、シート状に成形した上で、所定の幅及び長さを有するように切断されることで
形成される。なお、充填物20は長尺状に限定されず、多様な形状を有してもよい。例え
ば、ペースト状に形成されてもよいし、顆粒状に形成されてもよい。
【0030】
充填物20を長尺状で構成した場合、中心軸に直交する断面は略長方形状であり、その
断面の長辺と短辺の比は、例えば、1:1~30:1の範囲であることが好ましい。長辺
の長さは、0.1mm~7.5mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.1mm~
3.0mmの範囲である。短辺の長さは、0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく、さ
らに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。また、充填物20の長さは充填物
集積体10の長さと略同一であるのが好ましい。充填物20の長さは10mm~25mm
の範囲が好ましく、さらに好ましくは10mm~20mmの範囲である。このような充填
物20の寸法の一例を挙げると、長辺が1.5mm、短辺が0.3mm、長さが12mm
である。
【0031】
次に、充填物20として用いられる原料の具体例について説明する。充填物20は、以
下に示す原料のうち任意の1つまたは複数の組み合わせで構成される。
【0032】
充填物20は、タバコ植物または非タバコ植物を原料とする。タバコ植物としては、タ
バコ葉、タバコ茎、膨張タバコ、均質化タバコ等が挙げられる。非タバコ植物としては、
タバコ植物以外の植物が挙げられる。非タバコ植物の好ましい部位としては、葉、果肉、
種子、根(鱗根、塊根等)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮等)、花(花弁、雄蕊、雌蕊等)
、幹、枝等が挙げられる。
【0033】
なお、本明細書でいう「植物」とは動物に対する一群を意味し、草および木等のように
、根があって場所が固定されて生きているような生物以外に、微細藻類および海藻等のよ
うな藻類、キノコ等の菌類等をも含む。
【0034】
充填物20は、例えば、乾燥・粉砕された非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエ
アロゾルフォーマ、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、結着剤または増
粘剤等を適宜混合し、粉砕若しくは分級して粉状または粒状にしたり、ペースト状に成形
される。また、エアロゾル形成基材23は、シート状に成形した上で、所定の幅および長
さを有するように切断して短冊状または棒状とされる。
【0035】
例えば、非タバコ植物の部位が葉である場合は、好ましくは茶類を使用できる。茶類は
茶になる植物が異なるだけでな<、同じ植物であっても加工法によって異なるお茶になる
。具体的には、たとえば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、
イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カ
キオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、
ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、柔の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ
茶、コンフリー茶、毘布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、し
ょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜
茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶
、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶
、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶につい
ては飲用後の茶殻を使用しても良い。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して
有効活用できる。
【0036】
さらに、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、所謂エキスや加工品も使用することが
できる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0037】
充填物20の原料としてのエアロゾルフォーマは、グリセリン、プロピレングリコール
、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート
)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート
、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオ
ン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが挙げられる。なかでも、グリセ
リン、プロピレングリコールが好ましい。
【0038】
充填物20の原料としての微結晶セルロースとは、例えば、繊維性植物のパルプから得
られたα-セルロースを酸で部分的に解重合したものとして得られるものであり、セルロ
ースから可溶性部分を取り除き、適宜、不溶性部分を結晶化したものである。
【0039】
微結晶セルロースは、粉体のままでも良いし、水などの溶媒に分散させて懸燭液でも良
い。この場合、溶媒ヘの分散は、高速攪拌機や高圧ホモジナイザーなどが使用できる。
【0040】
さらに、必要に応じ充填物20の原料として風味を追加する風味添加剤も好ましく用い
られる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、茶抽出物のカ
テキンの粉末等が挙げられる。保存料としては食品に使用されるものが好ましく、例えば
、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
充填物20に、メントールおよび非水溶性架橋ポリマー(好ましくはポリビニルポリピ
ロリドン)を含有させても良い。メントールに非水溶性架橋ポリマーを組み合わせること
で、メントールの昇華を効果的に抑制でき、メントールの風味を長期間保つことができる
。ここで、メントールとは、天然物から得られたものに限られず、合成物でも良い。また
、はっか、ミント、ハッカ油、その他のメントールを含むものを使用しても良い。
【0042】
風味添加剤は、例えば、フィルタ部材14の壁部に含浸させることによってフィルタ部
材14に設けられている。風味添加剤がフィルタ部材14に設けられている態様は、この
ような態様に限られず、例えば、当該風味添加剤が封入されているカプセルをフィルタ部
材14の壁部に埋設することによって、フィルタ部材14に風味添加剤が設けられている
ようにしても良い。または、フィルタ部材14と充填物集積体20との間に風味添加剤が
封入されたカプセルが配置されるようにしても良い。風味添加剤がカプセルに封入されて
いる場合、喫煙者は、カプセルを指で押圧することにより、カプセルを破壊することがで
き、所望のタイミングで風味添加剤の芳香成分を揮発させることが可能となる。
【0043】
さらに、風味添加剤は、例えば、マイクロカプセルに封入されている場合、封入されて
いるマイクロカプセルを充填物集積体10に設けても良い。勿論、当該マイクロカプセル
を支持部材12に設けても良い。
【0044】
充填物20の原料としての結着剤または増粘剤としては、グアーガム、キサンタンガム
、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセル
レロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
スおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの
有機酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラナギン、
寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせ
が挙げられる。
【0045】
(充填物の製造工程)
充填物20の製造工程は、主原料となるタバコ植物または非タバコ植物を乾燥・粉砕し
、秤量等を行う乾燥・粉砕工程と、その他の原料の前処理、秤量等を行う準備工程と、原
料を混合して組成物とする混合工程と、組成物を成形する充填物成形工程と、を有する。
【0046】
乾燥・粉砕工程では、主原料となるタバコ植物または非タバコ植物の使用部位(例えば
、葉、種子、乾燥果実、茎、樹皮、根など)を組成物とするため、所定の粉砕物に加工す
る。その際、後に添加するエアロゾルフォーマ、水その他の成分を吸収あるいは担持する
のに都合の良い水分量に調整することが好ましい。乾燥において、温度は60℃以上80
℃以下が好ましい。この範囲とすることで、必要とする香味成分の散逸を避けながら、所
望の水分量に到達させやすい。さらに、乾燥・粉砕工程には、粉砕物を篩分けする篩工程
を設けることもでき、所望の粒度に調整して混合工程に投入することができる。
【0047】
準備工程においては、充填物20を作製するにあたり必要な原料を準備することができ
る。前述の微結晶セルロースは、準備工程において秤量され、混合工程に投入される。
【0048】
混合工程においては、通常の混合機を使用することができる。例えば、混合槽中の原料
を撹拌羽根にて、剪断力を加えつつ混合するような形態が好ましく用いられる。
【0049】
充填物成形工程では、各種原料が混合された組成物を薄いシート状に成形してから、切
断することで、短冊状または棒状の充填物20が成形される。本実施形態では、薄いシー
トにするため、複数本のロールミルを用意する。複数本のロールミルを用いると、狭いロ
ール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差による剪断により、混練、分散な
どを行いながら、ドクターブレードにより所望の厚さのシートとすることが可能であり、
好ましい。また、プレスローラあるいはプレス機を用いて作製することもできる。
【0050】
また、粉状または粒状の充填物20とするには、上記組成物について、適宜粉砕若しく
は分級を行うことが好ましい。粉状または粒状の充填物20における平均粒子径は、例え
ば0.1~3.0mmであることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい
。当該平均粒子径は、例えばJIS K 0069:1992に記載された篩分け法によ
って求められる。つまり、この平均粒子径は、複数の篩による試験結果について、目開き
の大きいほうからの質量の積算を行い、その質量50%に相当する径をいう。また、レー
ザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を平均粒子径と
しても良い。
【0051】
充填物成形工程では、組成物を加圧によりオリフィスを通過させて成形するなど、他の
手段を用いても良い。また、充填物成形工程では、必要に応じて、非タバコ植物、エアロ
ゾルフォーマ、結着剤または増粘剤等、風味添加剤、保存料をさらに添加しても良いし、
水などを添加しても良い。
【0052】
充填物成形工程で得られるシートの厚さは、0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく
、さらに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。得られたシートは、カッター
、回転刃方式のロータリーカッター等により、所定の幅に切断される。
【0053】
ここで、充填物20の表面に粘着性を付与する場合は、粘着性を付与できる手段であれ
ば特に限定されないが、既述の結着剤を少なくとも一部に付着させれば良い。粘着性を付
与することで、短冊状または棒状の充填物20と粉状、粒状またはペースト状の充填物2
0と組み合わせる場合に、短冊状または棒状の充填物20の表面に粉状、粒状またはペー
スト状の充填物20を安定して保持することができる。
【0054】
(第1実施例の流動変化部の構成)
図5(a)には図1のA-A断面図を、図5(b)には図1のB-B断面図を、それぞ
れ示している。支持部材12は、周方向に沿って4つの貫通孔12aを有している。支持
部材12の貫通孔12aの形状、数、寸法およひ位置はこれに限定されず、実施形態に適
した形状、数、寸法および位置を適宜設定できる。流動変化部30は、中実の円錐形状を
有し、頂部が支持部材12側に、底面がフィルタ部材14側に、それぞれ位置するように
配置されている。本例では、流動変化部30の端部が支持部材12の端面に接する構造と
なっているがこれに限定されない。例えば、支持部材12の端面に流動変化部30の頂部
を受け入れる穴部を設けて、流動変化部30を嵌合させるようにしてもよい。
【0055】
図1に示すように、流動変化部30は、充填物集積体10側からフィルタ部材14側に
向かって断面積が大きくなるように形成される気流誘導部32を有している。このため、
支持部材12のフィルタ部材14側の出口からフィルタ部材14までの流路は、フィルタ
部材14側に向かって中央側が狭くなっている。これにより、充填物集積体10からフィ
ルタ部材14の吸口14a側に向かって長さ方向に沿うように流れるエアロゾルを含む気
流の径方向ベクトル成分を、流動変化部30が変化させる。具体的には、図中矢印に示す
ように、流動変化部30において、気流の径方向ベクトル成分を内周側から外周側に向か
う方向に変化させる。流動変化部30は、加熱式タバコ用カートリッジ1の長さ方向の長
さが70mm以下に形成される。本例においては、例えば8.0mmに形成される。勿論
、流動変化部30は、これ以外の長さの寸法で形成されてもよい。流動変化部30がフィ
ルタ部材14の端面に接する位置における外径は7.5mm未満であり、好ましくは3.
5mm~5.0mmである。外径を3.5mm以上に設定すれば、フィルタ部材14の外
周側により多くの気流を流すことができる。また、外径を5.0mm以下に設定すれば、
気流が流れるために必要な流路の大きさを十分に確保できる。
【0056】
流動変化部30により、充填物集積体10側からの気流は、フィルタ部材14の外周領
域に流入し、フィルタ部材14内では吸口14a側に向かって中央側に集まるように流動
する。このため、フィルタ部材14の体積全体を使って気流が流動するため、不純物が一
部の領域に集中することを抑制できる。このようにフィルタ部材14内の気流が平準化さ
れることにより、気流の流動性を良好にして吸いやすくすることができ、気流の流動に対
する不純物の影響も軽減できる。また、フィルタ部材14の一部に不純物が集中すること
による味の変化も抑えることができる。
【0057】
(第2実施例の流動変化部の構成)
図6には、第2実施例の流動変化部60付近の拡大断面図を示している。流動変化部6
0は、支持部材12とフィルタ部材14との間に配置され、充填物集積体10側からフィ
ルタ部材14側に向かって断面積が大きくなるように形成される気流誘導部61を有して
いる。気流誘導部61は、エアロゾルを含む気流に接する表面に凹凸部62を有している
。本例の流動変化部60は、気流流動部61の表面に凹凸部62を有している以外の構成
は、全て第1実施例の流動変化部30と共通する。本例において凹凸部62は気流誘導部
61の表面から突出状に形成されている。凹凸部62は、周方向に沿って連続状に形成さ
れていてもよいし、独立した突起が複数形成されていてもよい。また、凹凸部62は、凹
状であってもよい。気流誘導部61の表面に凹凸部62が設けられていることにより、気
流をより拡散した状態でフィルタ部材14に流入させることができるので、フィルタ部材
14のより広範囲に気流を誘導することができる。図6においては、加熱式タバコ用カー
トリッジ1の長さ方向に2つの凹凸部62が配置され、各凹凸部62は、気流誘導部61
の表面からの突出高さが異なる形状であるが、これに限定されず、気流を拡散するのに適
した突出高さを適宜設定することができる。例えば、支持部材12に近い側の凹凸部62
は、支持部材12に設けられた貫通孔12aを通るエアロゾルを含む気流を、外周側に向
かう方向に変化させる位置に設けることができる。また、凹凸部62の形状、数、寸法お
よび位置も本例には限定されず、任意の形状、数、寸法および位置を適宜設定することが
できる。
【0058】
(第3実施例の流動変化部の構成)
第1実施例の流動変化部30は、充填物集積体10側からフィルタ部材14側に向かっ
て断面積が大きくなるように形成されているが、流動変化部の形状はこれに限定されず、
充填物集積体10側からフィルタ部材14に向かって断面積が変化しない略円筒状に形成
されていてもよい。この場合、流動変化部の周面には凹凸部が形成され、凹凸部により、
充填物集積体10からの気流の径方向ベクトル成分を内周側から外周側に向かう方向に変
化させることができる。本例の流動変化部は、流動変化部が長さ方向に沿って断面積が変
化しない略円筒状で形成される以外の構成は、全て第2実施例の流動変化部60と共通す
る。
【0059】
(第4実施例の流動変化部の構成)
図7には、第4実施例の流動変化部80付近の拡大断面図を示している。本例において
支持部材12は設けられない。流動変化部80は、充填物集積体10に隣接して支持する
支持部83と、支持部83とフィルタ部材14との間に配置される気流誘導部81とを有
している。支持部83と気流誘導部81とは一体的に形成されている。流動変化部80の
長さ方向の長さは70mm以下に形成される。本例においては、例えば8.0mmに形成
される。勿論、流動変化部80は、これ以外の長さの寸法で形成されてもよい。また、支
持部83と気流誘導部81の長さ方向の長さの比は1:9~9:1であり、本例において
は例えば1:9に形成される。勿論、支持部83と気流誘導部81の長さの比は、これ以
外の比であってもよい。支持部83は、支持部材12と同様に配置された貫通孔84を有
している。貫通孔84の形状、数、寸法および位置は、実施形態に適した形状、数、寸法
および位置を適宜設定できる。気流誘導部81は、充填物集積体10側からフィルタ部材
14側に向かって断面積が大きくなるように形成されている。充填物集積体10からの気
流は、支持部83の貫通孔84を通過した後、気流誘導部81によってフィルタ部材14
の外周領域に導かれる。気流誘導部81がフィルタ部材14の端面に接する位置における
外径は7.5mm未満であり、好ましくは3.5mm~5.0mmである。外径を3.5
mm以上に設定すれば、フィルタ部材14の外周側により多くの気流を流すことができる
。また、外径を5.0mm以下に設定すれば、気流が流れるために必要な流路の大きさを
十分に確保できる。このように、流動変化部80は、支持部材としての機能を有していて
もよい。また、支持部83の充填物集積体10側の面には、貫通しない凹部が形成されて
いてもよい。凹部には、充填物集積体10からの気流が進入し、気流に含まれる不純物の
一部を凹部に付着させることができる。これにより、フィルタ部材14に蓄積する不純物
をより少なくすることができる。なお、貫通しない凹部の形状、数、寸法および位置は、
実施形態に応じて適宜設定できる。
【0060】
(第5実施例の流動変化部の構成)
図8には、第5実施例の流動変化部90付近の拡大断面図を示している。流動変化部9
0は、第4実施例と同様に、気流誘導部91と支持部93とを有し、支持部93は貫通孔
94を有している。貫通孔94の形状、数、寸法および位置は特に限定されず、必要に応
じて設定することができる。気流誘導部91の表面には、凹凸部92が形成されている。
これにより、充填物集積体10からの気流をより拡散させることができる。本例の流動変
化部90は、気流誘導部91の表面に凹凸部92を有している以外の構成は、全て第4実
施例の流動変化部80と共通する。図8においては、加熱式タバコ用カートリッジ1の長
さ方向に3つの凹凸部92が配置され、各凹凸部92は、気流誘導部91の表面からの突
出高さが同じであるが、これに限定されず、気流を拡散するのに適した突出高さを適宜設
定することができる。また、凹凸部92の形状、数、寸法および位置も本例には限定され
ず、任意の形状、数、寸法および位置を適宜設定することができる。また、支持部93の
充填物集積体10側の面には、貫通しない凹部が形成されていてもよい。凹部には、充填
物集積体10からの気流が進入し、気流に含まれる不純物の一部を凹部に付着させること
ができる。これにより、フィルタ部材14に蓄積する不純物をより少なくすることができ
る。
【0061】
(第6実施例の流動変化部の構成)
第5実施例の流動変化部90は、充填物集積体10側からフィルタ部材14側に向かっ
て断面積が大きくなるように形成されているが、流動変化部の形状はこれに限定されず、
充填物集積体10側からフィルタ部材14に向かって断面積が変化しない略円筒状であっ
てもよい。この場合、流動変化部の周面には凹凸部が形成され、凹凸部により、充填物集
積体10からの気流の径方向ベクトル成分を内周側から外周側に向かう方向に変化させる
ことができる。また、支持部の充填物集積体10側の面に凹部が形成されていてもよい。
凹部には、充填物集積体10からの気流が進入し、気流に含まれる不純物の一部を凹部に
付着させることができる。これにより、フィルタ部材14に蓄積する不純物をより少なく
することができる。本例の流動変化部90は、流動変化部90が長さ方向に沿って断面積
が変化しない略円筒状で形成される以外の構成は、全て第5実施例の流動変化部80と共
通する。
【0062】
(第7実施例の流動変化部の構成)
図9には、第7実施例の流動変化部110付近の拡大断面図を示している。流動変化部
110は、フィルタ部材14に隣接するように配置される。また、支持部材12と流動変
化部110との間には、対流空間部113が形成される。支持部材12の貫通孔の形状、
数、寸法および位置はこれに限定されず、実施形態に応じて適宜設定できる。図10には
、流動変化部110の正面図を示している。流動変化部110は、外形を形成する円形状
の中心を含まない周辺領域に内周孔部111と外周孔部112とを有している。流動変化
部110は、加熱式タバコ用カートリッジ1の長さ方向の長さが5.0mm以下に形成さ
れる。本例においては例えば3.0mmに形成される。流動変化部110がフィルタ部材
14の端面に接する位置の外径は7.5mm未満であり、好ましくはフィルタ部材14の
外径と同一の寸法である。勿論、流動変化部110は、これ以外の長さの寸法で形成され
てもよい。内周孔部111は、流動変化部110の中心寄りに配置された小径の丸い貫通
孔である。外周孔部112は、内周孔部111より外周側に配置された楕円形状の貫通孔
である。内周孔部111と外周孔部112は、それぞれ周方向に沿って複数が配置される
図9に示すように、充填物集積体10側からの気流は、対流空間部113に流入した後
、流動変化部110を介してフィルタ部材14に流入する。流動変化部110の内周孔部
111と外周孔部112は、いずれもフィルタ部材14の中心軸を含まない領域に形成さ
れており、また、外周孔部112は内周孔部111より面積が大きいことから、対流空間
部113からフィルタ部材14の外周側により多くの気流が誘導される。これにより、気
流の径方向ベクトル成分が内周側から外周側に変化し、フィルタ部材14に流入する。対
流空間部113が設けられていることにより、充填物集積体10側からの気流の径方向ベ
クトル成分が変化しやすく、フィルタ部材14の外周側の領域に気流を確実に誘導できる
。内周孔部111と外周孔部112の形状、数、寸法および位置は特に限定されず、必要
に応じて設定することができる。また、対流空間部113の長さ方向の長さは80mm以
下の範囲内で実施形態に適した長さを適宜設定できる。
【0063】
(第8実施例の流動変化部の構成)
図11には、第8実施例の流動変化部120を有する加熱式タバコ用カートリッジ1の
断面図を示している。充填物集積体10には支持部材12が隣接し、支持部材12にはフ
ィルタ部材14が隣接する。なお、支持部材12の貫通孔の形状、数、寸法および位置は
これに限定されず、実施形態に応じて適宜設定できる。フィルタ部材14は、充填物集積
体10側である支持部材12に隣接する端部に流動変化部120を有している。流動変化
部120は、フィルタ部材14の充填物集積体10側から吸口14a側に向かって断面積
が大きくなるように形成される円錐形状の気流誘導部121を有する。流動変化部120
は、フィルタ部材14の充填物集積体10側の端面に、加熱式タバコ用カートリッジ1の
長さ方向の中心線に対して角度0°より大きく90°未満の範囲で形成される。流動変化
部120の角度の大きさを0°より大きく90°未満の範囲に設定すれば、フィルタ部材
14、充填物集積体10、および包装部材16の間に対流空間を形成することができ、気
流の一部が対流空間においてフィルタ部材14の端面に沿うように外周側に導かれ、より
多くの気流をフィルタ14の外周側に流すことができる。流動変化部120の角度は、
実施形態に適した角度を適宜設定できる。充填物集積体10側からの気流は、支持部材1
2を通過し、フィルタ部材14の流動変化部120により径方向ベクトル成分が内周側か
ら外周側に向かう方向に変化し、フィルタ部材14の外周領域に誘導される。このように
、流動変化部120はフィルタ部材14に設けることもできる。本例では、流動変化部1
20の端部が支持部材12の端面に接する構造となっているがこれに限定されない。例え
ば、支持部材12の端面に流動変化部120の頂部を受け入れる穴部を設けて、流動変化
部120の端部を嵌合させるようにしてもよい。
【0064】
(第9実施例の流動変化部の構成)
図12には、第9実施例の流動変化部130を有する加熱式タバコ用カートリッジ1の
断面図を示している。フィルタ部材14は、内周側の第1フィルタ部材131と、第1フ
ィルタ131より気流の吸収率が高い外周側の第2フィルタ部材132と、第1フィルタ
131と第2フィルタ132との間に設けられ気流を追加させない離隔部133とを有し
ている。隔離部133は、エアロゾルを含む気流の不透過性材料で形成される。隔離部1
33を形成する材料としては、例えば、紙、ポリプロピレン、ポリ乳酸、シリコーン、木
材、金属(アルミニウム等)のようなものが挙げられる。図13には、フィルタ部材14
の正面図を示している。フィルタ部材14には、中心から外周側に向かって、第1フィル
タ131、離隔部133、第2フィルタ部材132が同心円状に配置される。隔離部13
3は、本例においては、例えばシート状の部材で第1フィルタ部材131の外周を巻くこ
とで一体化されて形成されている。ただし、シート状の部材に限定されることなく、円筒
状に形成され、その内周面に第1フィルタ部材が嵌合されて形成されていてもよい。第2
フィルタ部材132は、円筒状に形成され、第2フィルタ部材132の内周面に隔離部1
33の外周面が嵌合されてフィルタ部材14を形成している。本例においては、第1フィ
ルタ部材131と第2フィルタ部材132の中心軸に直交する断面の面積比は1:9~9
:1であり、本例においては例えば1:1に形成される。勿論、第1フィルタ部材131
と第2フィルタ部材132の面積比は、これ以外の比であってもよい。
【0065】
支持部材12とフィルタ部材14とは、長さ方向において離隔しており、対流空間部1
34が形成される。対流空間部134とフィルタ部材14とによって、流動変化部130
が形成される。充填物集積体10側からの気流は、対流空間部134に進入し、そこから
気流の吸収率が高い外周側の第2フィルタ部材132に多くの気流が流入し、内周側の第
1フィルタ131には残りの気流が流入する。このように、対流空間部134からはフィ
ルタ部材14の外周側により多くの気流が流れるため、気流の径方向ベクトル成分が内周
側から外周側に向かう方向に変化することができる。支持部材12の貫通孔の形状、数、
寸法および位置はこれに限定されず、実施形態に応じて適宜設定できる。また、対流空間
部134の長さ方向の長さは、80mm以下の範囲内で実施形態に適した長さを適宜設定
できる。
【0066】
(第10実施例の流動変化部の構成)
図14には、第10実施例の流動変化部140を有する加熱式タバコ用カートリッジ1
の断面図を示している。フィルタ部材14は、内周側の第1フィルタ部材141と外周側
の第2フィルタ部材142と離隔部143とを有し、第2フィルタ部材142は第1フィ
ルタ部材141より気流の吸収率が高い。支持部材12とフィルタ部材14は、互いに隣
接している。内周側の第1フィルタ部材141は、充填物集積体10側から吸口14a側
に向かって断面積が大きくなるように形成される気流誘導部145により、流動変化部1
40を形成している。これにより、充填物集積体10側からの気流は、支持部材12から
フィルタ部材14に流れる際に、流動変化部140によって径方向ベクトル成分が内周側
から外周側に向かう方向に変化し、外周側により誘導される。第1フィルタ部材141と
第2フィルタ部材142の中心軸に直交する断面の面積比は1:9~9:1であり、本例
においては例えば1:1に形成される。勿論、第1フィルタ部材141と第2フィルタ部
材142の面積比は、これ以外の比であってもよい。支持部材12の貫通孔の形状、数、
寸法および位置はこれに限定されず、実施形態に応じて適宜設定できる。本例のフィルタ
部材14は、第1フィルタ部材141に気流誘導部145が設けられていること以外の構
成は、全て第9実施例のフィルタ部材14と共通する。
【0067】
(第11実施例の流動変化部の構成)
図15には、第11実施例の流動変化部150を有する加熱式タバコ用カートリッジ1
の断面図を示している。流動変化部150は、充填物集積体10とフィルタ部材14との
間に配置され、長さ方向に沿って隣接する第1流路部材151と第2流路部材155とを
有している。第1流路部材151と第2流路部材155の外径は7.5mm以下であり、
隣接する第1流路部材151と第2流路部材155を合わせた長さ方向の長さは70mm
以下である。本例においては、例えば15.0mmに形成される。また、第1流路部材1
51と第2流路部材155の長さ方向の長さの比は1:9~9:1であり、本例において
は例えば1:1に形成される。勿論、第1流路部材151と第2流路部材155の長さお
よび面積比は、これら以外の長さおよび比で形成されてもよい
【0068】
図16(a)と図17(a)に示すように、第1流路部材151は、長さ方向に貫通し
気流が流れる第1貫通孔152を周方向に4つ有している。本例においては、第1流路部
材151の中心軸に直交する断面における第1貫通孔152の断面は略方形状であり、そ
の大きさは一辺が3.5mm以下に設定される。第1流路部材151の端面のうち、第2
流路部材155と隣接する側の端面には、第1貫通孔152同士を連通させる空間状の対
流空間部153が形成されている。本例においては、対流空間部153の径方向の大きさ
は直径7.5mm未満であり、例えば直径4.0mmに形成される。
【0069】
図16(b)と図17(b)に示すように、第2流路部材155は、長さ方向に貫通し
気流が流れる第2貫通孔156を周方向に4つ有している。第2貫通孔156は、第1流
路部材151と第2流路部材155とが隣接した状態で、第1貫通孔152と周方向に異
なる角度位置に配置されている。本例においては、第2流路部材155の中心軸に直交す
る断面における第2貫通孔156の断面は略方形状であり、その大きさは一辺が3.5m
m以下に設定される。第2流路部材155の端面のうち、第1流路部材151と隣接する
側の端面には、第2貫通孔156同士を連通させる空間状の対流空間部157が形成され
ている。本例においては、対流空間部157の径方向の大きさは直径7.5mm未満であ
り、例えば直径4.0mmに形成される。
【0070】
第1流路部材151と第2流路部材155とを隣接させることで、両部材の対流空間部
153、157が連続し、第1貫通孔152と第2貫通孔156とが連通する。対流空間
部153と対流空間部157を合わせた長さ方向の長さは、70mm未満であり、例えば
3.0mmである。勿論、これ以外の長さと比で形成されてもよい。充填物集積体10側
からの気流は、第1流路部材151の第1貫通孔152に流入する。第1貫通孔152は
流動変化部150において外周側に位置しているので、第1貫通孔152からの気流は、
対流空間部153、157では内周側に向かって流れる。対流空間部153、157に流
入した気流は、第2貫通孔156に流入する。第2貫通孔156は、流動変化部150に
おいて外周側に位置しているので、対流空間部153、157から第2貫通孔156に流
れる気流は、外周側に向かって流れる。このように流動変化部150は、対流空間部15
3、157において気流の径方向ベクトル成分を変化させ、フィルタ部材14の外周部に
気流を流入させることができる。
【0071】
なお、第1貫通孔152と第2貫通孔156の周方向の数、形状、寸法および位置、第
1貫通孔152と第2貫通孔156とが周方向になす角度などは、本例に限られず、任意
に設定できる。
【0072】
また、第2流路部材155の対流空間部157は、第2流路部材155の中央部におい
て凹部158を形成する。対流空間部157に流入した気流は、凹部158が有する壁面
158aに衝突する。これにより、気流中の不純物の一部を壁面158aに付着させて、
フィルタ部材14に到達する不純物を減らすことができる。
【0073】
図18に示すように、第1流路部材151の充填物集積体10側の端面に凹部154を
設けてもよい。これにより、充填物集積体10からの気流に含まれる不純物の一部を凹部
154に付着させることができる。
【0074】
(第12実施例の流動変化部の構成)
次に第12実施例の流動変化部160について説明する。図19には、第12実施例の
流動変化部160を有する加熱式タバコ用カートリッジ1の断面図を示している。また、
図20には、流動変化部160の正面図を示している。流動変化部160は、支持部材1
2とフィルタ部材14とに両端部が隣接する。支持部材12の貫通孔の形状、数、寸法お
よび位置はこれに限定されず、実施形態に応じて適宜設定できる。流動変化部160は長
さ方向に貫通する貫通孔161が、外周側の周方向に複数設けられる。流動変化部160
の支持部材12側の端部には、円錐状の凹部162が形成されている。充填物集積体10
側からの気流は、凹部162において外周側に位置した貫通孔161に向かって、内周側
から外周側に流れる。また、気流の一部は、大きく凹んだ凹部162の最深部に向かい、
不純物の一部が凹部162に付着する。これにより、フィルタ部材14に到達する不純物
を減らすことができる。図19においては、凹部162が、充填物集積体10側からフィ
ルタ部材14側に向かって断面積が小さくなるように形成されているが、これに限定され
ず、不純物の一部が凹部に付着するのに適した形状を適宜用いることができる。例えば、
凹部は、断面方形状であってもよいし断面円弧状であってもよい。また、凹部の位置や数
量も限定されることなく、任意の位置や数量を適宜用いることができる。また、流動変化
部160に設けられる貫通孔161の形状、数、寸法および位置はこれに限定されず、実
施形態に応じて適宜設定できる。
【0075】
(第13実施例の流動変化部の構成)
図21には、第13実施例の流動変化部170を有する加熱式タバコ用カートリッジ1
の断面図を示している。また、図22には、図21のA-A断面図を示している。流動変
化部170は、充填物集積体10とフィルタ部材14との間に配置され、多数の円柱部材
171が集積されて形成されている。互いに隣接する円柱部材171間、および、円柱部
材171と包装部材16との間には、空隙部174が形成され、充填物集積体10からの
気流の流路となる。円柱部材171は、加熱式タバコ用カートリッジ1の長さ方向の長さ
が70mm以下に形成される。本例においては例えば8.0mmに形成される。勿論、円
柱部材171は、これ以外の長さの寸法で形成されてもよい。円柱部材171の外径は3
.5mm未満である。外径を3.5mm未満に設定すれば、円柱部材171を数多く集積
することができ、空隙部174を中心から外周にかけて分散させることができる。
【0076】
図23に示すように、円柱部材171の充填物集積体10側の端面である壁部172は
、充填物集積体10に隣接し、充填物集積体10からの気流が長さ方向に沿って進むこと
を阻止する。このため、気流は、その径方向ベクトル成分を変化させながら、空隙部17
4に進入する。このように、流動変化部170からはフィルタ部材14の外周側により多
くの気流を流すことができるため、気流の径方向ベクトル成分が内周側から外周側に向か
う方向に変化することができる。
【0077】
円柱部材171は、ポリプロピレンやポリ乳酸等の樹脂材あるいはアルミ等の金属材で
形成できる。充填物集積体10からの気流は、フィルタ部材14側に流動するのに伴い、
円柱部材171の表面に接触することで次第に冷却される。また、気流に含まれる不純物
の一部は、円柱部材171に付着する。これにより、フィルタ部材14における気流の温
度を低下させると共に、フィルタ部材14に到達する不純物を減らすことができる。
【0078】
(第14実施例の流動変化部の構成)
図24には、第14実施例の流動変化部180を有する加熱式タバコ用カートリッジ1
の断面図を示している。また、図25には、図24のA-A断面図を示している。流動変
化部180は、第13実施例の流動変化部170と同様に配置されており、多数の円筒部
材181が集積されて形成されている。円筒部材181は中空部183を有し、気流の流
路となる。また、互いに隣接する円筒部材181間、および、円筒部材181と包装部材
16との間に形成される空隙部184も、気流の流路となる。本例においては円筒部材1
81が中空部183を有している以外の構成は、全て第13実施例と共通する。
【0079】
図26に示すように、本例でも、円筒部材181の充填物集積体10側の端面である壁
部182により、気流の長さ方向への流動が阻止されて、気流は径方向ベクトル成分を変
化させながら、空隙部184および中空部183に進入する。このように、流動変化部1
80からはフィルタ部材14の外周側により多くの気流を流すことができるため、気流の
径方向ベクトル成分が内周側から外周側に向かう方向に変化することができる。
【0080】
円筒部材181は、ポリプロピレンやポリ乳酸等の樹脂材あるいはアルミ等の金属材で
形成できる。充填物集積体10からの気流は、円筒部材181の外周面と内周面にそれぞ
れ接しながら流動することで、次第に冷却される。また、気流に含まれる不純物の一部も
円筒部材181の内周面と外周面にそれぞれ付着する。これにより、フィルタ部材14に
おける気流の温度を低下させると共に、フィルタ部材14に到達する不純物を減らすこと
ができる。
【0081】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得
るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解さ
れる。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しく
は設計変更を行ったもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本
発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0082】
本発明の各実施形態において、加熱式タバコ用カートリッジ1には、支持部材12が設
けられる例を示したが、本発明は、これに限定されない。加熱式タバコ用カートリッジ1
の充填物集積体10は、例えば、支持部材12がなくてもフィルタ部材14側に移動する
のを抑制するように、加熱式タバコ用カートリッジ1の内周面と充填物集積体10との間
で固定されていれば、支持部材12を有しなくてもよい。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず
、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 加熱式タバコ用カートリッジ
2 加熱式喫煙具
10 充填物集積体
12 支持部材
12a 貫通孔
14 フィルタ部材
14a 吸口
16 包装部材
20 充填物
25 包装部材
30 流動変化部
32 気流誘導部
50 発熱体
51 挿入部

図1
図2
図3
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図5
図6
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