(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163175
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150309
(22)【出願日】2024-08-30
(62)【分割の表示】P 2020069014の分割
【原出願日】2020-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 創介
(72)【発明者】
【氏名】老後 徐
(72)【発明者】
【氏名】佐佐 將行
(57)【要約】
【課題】競合店に入店する可能性のある顧客に特典情報を提示して誘客する技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置にあって、ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、上記ユーザ端末を所持するユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定する判定部と、上記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、上記ユーザ端末に対し、上記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報を出力する特典情報出力部とを備えるようにした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持するユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定する、第1の判定部と、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報を出力する、特典情報出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の判定部は、前記ユーザ端末の位置が前記第1の店舗から所定の距離範囲内にあると判定される場合に、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の判定部は、前記ユーザ端末の移動の軌跡から第1のベクトルを導出し、前記第1のベクトルが2次元空間上で前記第1の店舗を中心とする第1の円または前記第1の店舗を表すポリゴンとの交点を有すると判定される場合に、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ端末の所有者の属性または前記第1の店舗への入店可能性ありと判定された日時が、前記特典情報の各々に対してあらかじめ指定された条件を満たすか否かを判定する、第2の判定部をさらに備え、
前記特典情報出力部は、さらに前記第2の判定部により前記条件を満たすと判定された特典情報を前記ユーザ端末に対して出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の店舗の属性または前記特典情報の属性が、前記ユーザによりあらかじめ指定された条件を満たすか否かを判定する、第3の判定部をさらに備え、
前記特典情報出力部は、さらに前記第3の判定部により前記条件を満たすと判定された特典情報を前記ユーザ端末に対して出力する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末による前記特典情報の使用または前記特典情報へのアクセスの履歴を表す履歴情報を取得する、履歴情報取得部と、
前記履歴情報が、前記第2の店舗に関する特典情報の各々に対してあらかじめ指定された条件を満たすか否かを判定する、第4の判定部をさらに備え、
前記特典情報出力部は、さらに前記第4の判定部により前記条件を満たすと判定された特典情報を前記ユーザ端末に対して出力する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持するユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定することと、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報を出力することと
を備える情報処理方法。
【請求項8】
端末装置の位置情報に基づいて入店可能性があると判定された第1の店舗を地図上に表示する第1の表示部と、
前記第1の店舗とは異なる第2の店舗への案内情報を前記地図上に表示する第2の表示部と、
前記第2の店舗に関する特典情報を表示する第3の表示部と
を備える端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置の各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項8に記載の各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
集客または販売促進を目的とするマーケティングの一環として、路上や駅でのチラシの配布、あるいは電磁的方法によるWeb広告や電子メールの配信などが知られている。これらにより、例えば、新製品やタイムセールの情報に加え、特別な値引きやポイント付与などを提供するクーポンが提示されることもある。以下、このような集客または販売促進を目的として提示される情報を総括的に「特典情報」と呼ぶ。
【0003】
しかし、このような特典情報を受け取った顧客の中には、特典情報を提示しなくても来店を見込むことのできる顧客も含まれる。したがって、不特定多数の顧客に対してこのような特典情報を一律に提示すると、過剰な値引きまたは過剰なサービスとなるおそれもある。
【0004】
ショッピングセンター等で顧客が特定の店舗に長時間滞在するのを防ぐため、顧客が現在いる店舗を特定し、次に訪れる可能性が高い店舗を推定して、その店舗のクーポンを有効期限付きで配信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の方法では、競合店に入店する可能性のある顧客をターゲットとして誘客を行うことは困難であった。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、競合店に入店する可能性のある顧客に特典情報を提示して誘客する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、情報処理装置にあって、ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、上記ユーザ端末を所持するユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定する判定部と、上記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、上記ユーザ端末に対し、上記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報を出力する特典情報出力部とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の第1の態様によれば、情報処理装置は、ユーザ端末の位置情報に基づいて特定の店舗への入店可能性を判定し、当該特定の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、異なる店舗に関する特典情報をユーザ端末に出力する。これにより、競合店への入店の可能性があるユーザ(顧客)をターゲットとして特典情報を提示することができ、より効率的なマーケティングを行うことができる。
【0010】
すなわちこの発明によれば、競合店に入店する可能性のある顧客に特典情報を提示して誘客する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を備えたシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した情報処理装置を含むシステム全体の処理の概略を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した処理のうち判定処理の詳細を示す図である。
【
図6】
図6は、入店可能性の判定イメージの第1の例を示す略図である。
【
図7A】
図7Aは、入店可能性の判定イメージの第2の例を示す略図である。
【
図7B】
図7Bは、入店可能性の判定イメージの第3の例を示す略図である。
【
図8】
図8は、入店可能性の判定イメージの第4の例を示す略図である。
【
図9】
図9は、
図2に示した情報処理装置による特典情報の管理イメージの第1の例を示す図である。
【
図10】
図10は、ユーザ端末における特典情報の表示イメージ示す図である。
【
図11】
図11は、
図2に示した情報処理装置による特典情報の管理イメージの第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
【0013】
[一実施形態]
(構成)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を備えたシステム1の全体構成の一例を示す図である。
【0014】
このシステム1は、情報処理装置としてのサーバ100を備える。サーバ100は、インターネットなどのネットワークNWを介して、任意の数の店舗端末200-1, ...,200-M(以下、特に区別しない場合には単に「店舗端末200」と言う)および任意の数のユーザ端末300-1, ...,300-N(以下、特に区別しない場合には単に「ユーザ端末300」と言う)との間で情報通信が可能である。
【0015】
店舗端末200は、例えば、システム1を自店舗(以下、「利用店舗」とも言う)への集客を促進するマーケティングツールとして利用する企業等の管理担当者によって用いられるコンピュータである。店舗端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等であり、プロセッサ、記憶装置、入出力装置および通信装置を備える。なお、店舗端末200は必ずしも利用店舗の位置に対応して設置される必要はない。店舗端末200は、店舗に設置されたパーソナルコンピュータであってもよいし、店舗とは異なる本社ビルなどで管理担当者によって使用されるパーソナルコンピュータやスマートフォンであってもよい。「店舗」には、コンビニエンスストアチェーンなどの「店舗網」が含まれ得る。なお、ここでは「店」という語と「店舗」という語は交換可能に使用され得る。
【0016】
ユーザ端末300は、端末装置の一例であり、例えばシステム1を特典情報配信ツールとして利用する顧客(以下、「会員ユーザ」または「ユーザ」とも言う)によって用いられるコンピュータである。ユーザ端末300は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等であり、プロセッサ、記憶装置、液晶ディスプレイ等の表示部を備える入出力装置、および通信装置に加え、GPSセンサ等の位置測定装置を備える。ユーザ端末300は、会員ユーザによって所持(携帯)され得る。
【0017】
サーバ100は、例えば、マーケティングサービスまたは特典情報配信サービスを提供する事業者によって運営されるサーバコンピュータである。
【0018】
以下、サーバ100によって配信される特典情報が特に電子クーポン(単に「クーポン」とも言う)であるものとして説明する。なお、ここでは「電子クーポン」とは、インターネットを通じてユーザ端末300に配信され、ユーザが店舗で商品またはサービスの代価を支払うときに当該クーポンを端末上で提示等することにより、例えば、値引き、割引き、ポイント付与、プレゼント贈呈などの付加サービスを受けることのできる特典を指す。ただし、これらに限られるものではなく、特典情報には、クーポン以外にも、新製品の発売情報や、セール品の情報など、多種多様な情報が含まれてよい。
【0019】
(2)サーバ
(2-1)機能構成
図2は、サーバ100の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2では、簡単のために、1つの店舗端末200および1つのユーザ端末300のみを示している。
【0020】
サーバ100は、処理機能部として、店舗情報取得部101と、会員情報取得部102と、位置情報取得部103と、判定部104と、クーポン出力部105と、履歴情報取得部106とを備える。サーバ100はまた、記憶部として、店舗情報マスタ151と、会員情報マスタ152と、履歴情報記憶部153とを備え得る。
【0021】
店舗情報取得部101は、ネットワークNWを介して店舗端末200から送信された店舗情報を取得する。店舗情報は、例えば利用店舗の管理担当者により店舗端末200の入力装置を介して入力され、利用店舗情報、競合店舗情報、およびクーポン情報を含む。利用店舗情報は、サービスの対象店舗として指定される利用店舗(「第2の店舗」)に関する情報であり、各店舗の位置情報を含む。位置情報は、例えば住所または緯度経度として入力され得る。競合店舗情報は、利用店舗により任意に指定される競合店舗(「第1の店舗」)に関する情報であり、やはり各店舗の位置情報を含む。クーポン情報は、利用店舗に関して配信されるべきクーポンの詳細について指定する情報(「第2の店舗に関する特典情報」)および各クーポンの配信条件について指定する情報を含む。店舗情報取得部101は、取得した各店舗情報を、利用店舗を識別する情報に紐づけて店舗情報マスタ151に格納する。
【0022】
会員情報取得部102は、ネットワークNWを介してユーザ端末300から送信された会員情報を取得する。会員情報は、例えば、ユーザ端末300を所持する会員ユーザにより入力され、会員ユーザの属性を表す情報(属性情報)および会員ユーザの嗜好を表す情報(嗜好情報)を含む。属性情報には、名前や住所、生年月日等の個人情報が含まれる。嗜好情報には、会員ユーザの好き嫌いに関する情報が含まれる。会員情報取得部102は、取得した会員情報を、会員ユーザを識別する情報に紐づけて会員情報マスタ152に格納する。なお、ここでは会員登録を前提として説明するが、会員登録をしていないユーザ(非会員ユーザ)を特典情報の配信先から除外するものではない。
【0023】
位置情報取得部103は、ネットワークNWを介してユーザ端末300から送信された位置情報を取得する。位置情報は、例えばユーザ端末300が備えるGPSセンサにより計測された緯度経度情報として取得される。位置情報は、端末の識別情報および計測日時情報を含み得る。
【0024】
判定部104は、あらかじめ記憶された店舗情報および会員情報と、随時取得される位置情報とに基づいて、種々の判定を行う。判定部104は、まず第1の判定部として、ユーザ端末300の位置情報に基づいて、ユーザ端末300を所持するユーザによる競合店舗への入店可能性を判定(推定)する。判定部104は例えば、ユーザ端末300の位置情報に基づいて、ユーザ端末300が競合店舗の商圏に入ったかどうかを判定する。ここでは、「商圏」とは、各店舗が消費者に対して影響を及ぼし得る地理的範囲を言い、例えば、店舗を母点として得られるボロノイ図により定義されてもよいし、利用店舗の管理担当者等により任意に設定されてもよい。判定部104はまた、第2の判定部として、店舗情報に基づいて、ユーザ端末300に配信すべきクーポンの候補を決定し得る。判定部104はまた、第3の判定部として、会員情報に基づいて、ユーザ端末300に配信すべきクーポンの候補を決定し得る。判定部104はまた、第4の判定部として、ユーザ端末300によるクーポンの取得または使用の履歴に基づいて、ユーザ端末300に配信すべきクーポンの候補を決定し得る。
【0025】
クーポン出力部105は、特典情報出力部の一例であり、競合店舗への入店可能性ありと判定される場合に、当該競合店舗を指定した利用店舗に関する特典情報をユーザ端末300に対して出力する。一実施形態では、クーポン出力部105は、配信候補として決定されたクーポンを一覧表示させるための情報(クーポンリスト)をユーザ端末300に対して送信する。クーポン出力部105はまた、ユーザ端末300からのクーポン取得要求に応答して、要求されたクーポンを送信し得る。
【0026】
履歴情報取得部106は、ネットワークNWを介してユーザ端末300から送信されたクーポン取得要求を取得履歴情報として取得する。履歴情報取得部106はまた、ネットワークNWを介してユーザ端末300から送信されたクーポンの使用履歴を使用履歴情報として取得する。履歴情報取得部106は、これらの履歴情報を、ユーザまたはユーザ端末300の識別情報、日時情報、および位置情報に紐づけて、履歴情報記憶部153に蓄積する。
【0027】
店舗情報マスタ151は、店舗情報取得部101により取得された店舗情報を、個々の利用店舗の識別情報に紐づけて格納する。
【0028】
会員情報マスタ152は、会員情報取得部102により取得された会員情報を会員ユーザの識別情報に紐づけて格納する。
【0029】
履歴情報記憶部153は、履歴情報取得部106により取得された取得履歴情報および使用履歴情報を、ユーザまたはユーザ端末300の識別情報に紐づけて蓄積する。
【0030】
(2-2)ハードウェア構成
図3は、サーバ100のハードウェア構成の一例を示す。サーバ100は、CPU1001、RAM1002、ROM1003、記憶装置1004、および通信インタフェース(I/F)1005を備える。
【0031】
サーバ100の上述した処理機能は、CPU1001がROM1003または記憶装置1004に記憶されたプログラムをRAM1002に展開し、このプログラムを実行することにより実現される。CPU1001はハードウェアプロセッサの一例である。ハードウェアプロセッサは、汎用プロセッサに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用プロセッサであってもよい。
【0032】
記憶装置1004は、データを不揮発的に記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSDD(Solid State Drive)であり得る。記憶装置1004は、店舗情報マスタ151、会員情報マスタ152および履歴情報記憶部153を含む記憶部としても動作し得る。
【0033】
ただし、店舗情報マスタ151、会員情報マスタ152および履歴情報記憶部153は、必ずしもサーバ100に内蔵されまたは直接接続される必要はなく、ネットワークNWを介してアクセス可能な他の装置(データベースサーバ等)に設けられてもよい。
【0034】
通信I/F1005は、外部装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F1005は、例えば1以上の有線または無線の通信インタフェースを含み得、ネットワークNWを介して店舗端末200およびユーザ端末300との間でデータ通信を行う。有線インタフェースとしては、例えば有線LAN(Local Area Network)が使用され、無線インタフェースとしては、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)が使用され得る。
【0035】
サーバ100の構成は、上述した構成に限定されない。サーバ100に対して、適宜、上述した構成要素の省略、変更、または他の構成要素の追加が可能である。
【0036】
以上のように、一実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ100は、ユーザが所持するユーザ端末300の位置情報に基づいて、ユーザによる特定の店舗への入店可能性を判定する。ユーザが当該店舗に入店する可能性ありと判定される場合には、ユーザが所持するユーザ端末300に対し、当該店舗を競合店舗として指定した利用店舗に関する特典情報を送信する。これにより、競合店に入店する可能性のある特定のユーザに対してダイレクトにかつリアルタイムに誘客することが可能となる。
【0037】
(動作)
次に、以上のように構成されたサーバ100を含むシステム1全体の動作について説明する。
図4は、システム1全体の処理の概略を示す図である。
(1)初期登録
まずサーバ100は、店舗端末200から初期登録の要求および店舗情報の入力を受け付ける(ステップS1)。店舗情報取得部101は、店舗情報を取得し、店舗情報マスタ151に記憶させる(ステップS2)。
【0038】
店舗端末200から取得される店舗情報は、上述したように、利用店舗情報(サービスの対象として指定される店舗の情報)、競合店舗情報(競合店として指定される店舗の情報)、およびクーポン情報(クーポンの詳細および配信条件について指定する情報)を含み得る。
【0039】
利用店舗情報は、例えば、各利用店舗の名称および住所を含み、利用店舗IDに紐づけて格納される。利用店舗情報は、さらに利用店舗の経営主体(企業等)やその店舗網(コンビニエンスストアチェーン等)など、より上位の識別情報に紐づけられてもよい。
【0040】
競合店舗情報は、例えば、指定された各競合店舗の名称および住所を含み、利用店舗IDに紐づけて格納される。競合店舗情報もまた、利用店舗の経営主体やその店舗網など、より上位の識別情報に紐づけられてもよい。
【0041】
クーポン情報は、クーポンの詳細として、例えば、クーポンの名称または識別情報、ジャンル(食品、衣料品、日用品など)、種別(ポイント付与、値引き、割引き、プレゼントなど)、有効時限等を含み、配信条件として、例えば、上限枚数、発券タイミング、発券時間帯、対象会員条件、アップグレード条件等を含む。クーポン情報は、利用店舗IDに紐づけて格納される。クーポン情報もまた、より上位の識別情報に紐づけられてもよい。
【0042】
店舗情報マスタ151に記憶された情報は、店舗端末200から要求を受け取ることにより変更または更新され得る。
【0043】
一方、サーバ100は、店舗端末200からの初期登録とは独立した任意のタイミングで、ユーザ端末300からユーザUSの操作により初期登録の要求および会員情報の入力を受け付ける(ステップS3)。会員情報取得部102は、会員情報を取得し、会員情報マスタ152に記憶させる(ステップS4)。
【0044】
ユーザ端末300から取得される会員情報は、上述したように、属性情報(会員ユーザの属性を表す情報)、および嗜好情報(会員ユーザの嗜好を表す情報)を含み得る。
【0045】
属性情報は、例えば、会員ユーザの名前、生年月日、年齢、性別、住所、電話番号、職業、自宅または勤務地の最寄り駅、家族構成等を含む。
【0046】
嗜好情報は、例えば、会員ユーザがクーポンの配信を望む企業/店舗/商品またはサービスのジャンル/クーポンの種別、およびクーポンの配信を望まない企業/店舗/商品またはサービスのジャンル/クーポンの種別等を含む。
【0047】
これらの会員情報は、会員ユーザIDに紐づけて格納される。会員情報はさらにユーザ端末300のIDに紐づけられてもよい。
【0048】
会員情報マスタ152に記憶された情報は、ユーザ端末300から要求を受け取ることにより変更または更新され得る。
【0049】
上記ステップS1~S4は、任意のタイミングおよび任意の順序で実行されてよい。
【0050】
(2)競合店舗への入店可能性の判定
続いて、競合店舗への入店可能性の判定に係る処理について説明する。
【0051】
ユーザUSが、あらかじめ専用のアプリケーションプログラムをインストールした、認証済みのユーザ端末300を所持して移動している状況を想定する。ユーザ端末300上では当該アプリケーションプログラムを起動した状態であってもよいし、GPSセンサおよび通知機能のみをアクティブにした状態であってもよい。
【0052】
ユーザ端末300は、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、測距演算により自己の位置情報(緯度および経度)を算出し、算出された位置情報を間欠的に(例えば1秒ごとに)サーバ100に送信する(ステップS5)。送信される位置情報には、端末の識別情報と、日時情報が含まれ得る。なお、位置情報の計測は、GPSセンサに限られるものではなく、GPS以外の衛星航法システムが利用されてもよい。また、WiFi/Bluetooth/モバイルネットワークなどによる位置情報サービスで代替または併用してもよい。ユーザ端末300が備えるジャイロセンサや加速度センサの計測値を用いて計測位置の補正を行ってもよい。
【0053】
位置情報取得部103は、ユーザ端末300から送信された位置情報を取得すると、判定部104にわたす。判定部104は、位置情報を受け付けたことをトリガとして種々の判定を行う(ステップS6)。
【0054】
【0055】
まずステップS601において、判定部104は、ユーザ端末300から位置情報を受け付ける。
【0056】
次いでステップS602において、判定部104は、ユーザ端末300の位置情報に基づき、ユーザが競合店舗に向かっているかどうか(入店可能性があるか否か)の判定を行う。
【0057】
一実施形態では、判定部104は、特定の競合店舗から所定の距離範囲内にユーザ端末300の現在位置があるか否かを判定する。言い換えれば、判定部104は、ユーザ端末300の現在位置から所定の距離範囲内に、店舗情報マスタ151に競合店舗として登録された店舗があるか否かを判定する。競合店舗の位置は、登録された住所から緯度経度に変換することによって得られる。初期登録時に住所を緯度経度に変換し、あらかじめ店舗情報マスタ151に緯度経度を登録するようにしてもよい。
【0058】
ユーザ端末300の現在位置から所定の距離範囲内に競合店舗として登録された店舗がなければ(NO)、再びステップS601に戻り、位置情報の受信および判定を繰り返す。登録された店舗がある場合、すなわちユーザ端末300の位置が競合店舗から所定の距離範囲内にあると判定される場合、競合店舗への入店可能性ありと判定し(YES)、ステップS603へ進む。
【0059】
上記「所定の距離範囲」は、サーバ100の管理者または利用店舗の管理担当者等によって任意に設定されてよい。所定の距離範囲は、例えば、競合店舗またはユーザ端末300から半径1m、5m、10mなどの円として固定値で設定され得る。この場合、ユーザ端末300の移動速度に応じて上記半径を調整可能としてもよい。例えば、ユーザが自転車または自動車で移動している場合を想定し、移動速度が速くなるほど入店可能性の判定に用いる距離範囲を大きくすることが可能である。移動速度が一定速度以上のときは車両で移動中とみなすようにしてもよい。ユーザ端末300の移動速度は、ユーザ端末300から受信される位置情報の変化に基づいて算出されてもよいし、加速度センサの計測値から算出されてもよい。さらに、ユーザ端末300の移動方向が考慮されてもよい。移動方向は、ユーザ端末300から受信される位置情報を一定時間にわたって蓄積することによって算出され得る。上記「所定の距離範囲」は、例えばボロノイ分割により得られるような各店舗の商圏を用いてもよい。あるいは、店舗の入口の位置情報がわかっている場合、店舗の入口を基準とする所定の距離範囲が設定されてもよい。
【0060】
上記のように、入店可能性の判定は、ユーザ端末300から得られた位置情報の瞬時値に基づいて判定され得る。言い換えれば、ユーザ端末300が一瞬でも競合店舗から一定距離範囲内にいれば入店可能性ありと判定され得る。あるいは、ユーザ端末300が一定時間にわたって競合店舗から一定の距離範囲内にいる場合に入店可能性ありと判定するようにしてもよい。さらに、ユーザ端末300の移動方向と移動速度により、ユーザが競合店舗に向かっているかどうかを判定してもよい。例えば、ユーザ端末300が競合店舗から一定距離範囲内に入ったと判定された後に、その後の移動方向と移動速度により入店可能性を見きわめるようにしてもよい。
【0061】
なお、ユーザ端末300から所定の距離範囲内に複数の競合店舗が存在する場合、すべての店舗への入店可能性ありと判定してもよいし、いずれか1つ、例えばユーザ端末300から最も近い店舗のみについて、入店可能性ありと判定してもよい。
【0062】
(3)競合店舗を指定した利用店舗の特定
次いでステップS603において、判定部104は、入店可能性ありと判定された店舗を競合店舗として登録した利用店舗の特定を行う。判定部104は、例えば、店舗情報マスタ151から競合店舗の識別情報に基づいて情報を抽出することによって利用店舗の特定を行う。
【0063】
当該店舗を競合店舗として登録した利用店舗が複数ある場合、ユーザの現在位置から所定の距離範囲内にある利用店舗が抽出される。利用店舗の抽出に用いられる距離範囲は、やはりサーバ100の管理者または利用店舗の管理担当者等によって任意に設定されてよい。利用店舗の抽出に用いられる距離範囲は、入店可能性の判定に用いた距離範囲とは異なるものであってよく、一実施形態では入店可能性の判定に用いた距離範囲よりも大きい。ユーザが複数の競合店舗への入店可能性ありと判定された場合、それぞれを競合店舗として登録をした利用店舗が抽出される。
【0064】
図6は、ユーザ端末300の位置情報に基づく入店可能性および利用店舗の判定イメージの一例を示す。
図6の例では、ユーザ端末300の現在位置に基づいて、競合店舗に向かっているかどうかが判定される。
図6は、地図(道路)と店舗の位置関係を模式的に示すもので、中央のマーク301は、ある時点におけるユーザ端末300の位置を表す。
【0065】
ある時点で、ユーザ端末300の現在位置301を中心とする第1の円3011(例えば半径R1)内に、あらかじめ登録された競合店舗501が検知されたとする。判定部104は、店舗情報マスタ151から競合店舗501を登録した利用店舗201-1,201-2,201-3,...と利用店舗202を抽出する。利用店舗201-1,201-2,201-3,...は、例えば、同一企業の管理担当者により登録された、コンビニエンスストアチェーンの店舗網に属する店舗である。利用店舗202は、例えば、利用店舗201-1,201-2,201-3,...とは異なる事業主により登録された店舗である。この例では、抽出された店舗のうち、現在位置301を中心とする第2の円3012(例えば半径R2、ここではR2>R1)内にある店舗201-1および店舗202が、競合店舗501の登録店舗として特定される。
【0066】
図7Aおよび
図7Bは、ユーザ端末300の位置情報に基づく入店可能性の判定イメージの他の例を示す。これらの例では、ユーザ端末300の現在位置に基づいて競合店舗から所定の距離範囲内にいると判定された後に、さらにその移動方向により、競合店舗に向かっているかどうかが判定される。言い換えれば、位置情報(瞬時値)に基づいてユーザ端末300から所定の距離範囲内に競合店舗があると判定された場合に、さらにユーザ端末300の移動の軌跡(位置の変化)を考慮することによって入店可能性の判定を行う。ユーザ端末300の位置情報は、サーバ100により一定時間記憶されるものとする。またここでは、地図上で道路RDに対する店舗502の位置がポリゴンとして得られているものとして説明する。
【0067】
図7Aでは、店舗502に対し、ユーザ端末300の位置が時刻T10からT11へと変化したものとする。時刻T11において、ユーザ端末300と店舗502の間の距離が所定の距離範囲内にあると判定された(第1の円5021はこの第1の判定に用いる距離範囲を示しており、ここでは比較のため店舗502を中心として破線で示す)。このとき、判定部104は、例えば直前の時刻T10における位置情報を読み出し、時刻T10とT11の2地点間の移動を表すベクトルA1を得る。判定部104はさらに、ベクトルA1を延長したA2が競合店舗502を中心とする第2の円5022と将来交わるかどうかを判定する。この例では、A2の進行方向において円5022との交点を有しない。したがって、判定部104は、ユーザによる競合店舗502への入店可能性なしと判定する。あるいは判定部104は、入店可能性の判定を保留し、引き続きユーザ端末300の移動の軌跡を監視してもよい。第2の円5022の半径は、やはり任意に設定されてよい。一実施形態では、円5022は円5021よりも小さい半径を有する。
【0068】
図7Bでは、店舗502に対し、ユーザ端末300の位置が時刻T20から時刻T21へと変化したものとする。時刻T21において、ユーザ端末300と店舗502の間の距離が所定の距離範囲内にあると判定された(円5021)。このとき、判定部104は、同様に直前の時刻T20における位置情報を読み出し、時刻T20とT21の2地点間の移動を表すベクトルA3を得る。この場合、ベクトルA3を延長したA4は、競合店舗502を中心とする円5022との交点を有する。したがって、判定部104は、ユーザによる競合店舗502への入店可能性ありと判定する。
【0069】
このように、2段階の判定処理を用いることにより、さらに入店可能性の判定の信頼性を向上させることができる。なお、
図7A,
図7Bは一例にすぎず、交点の判定に、円5022の代わりに他の多角形を用いてもよいし、店舗502のポリゴン自体との交点の有無を判定するようにしてもよい。店舗502の位置情報が緯度経度でしか得られない場合、当該緯度経度の地点を中心とする円を用いてもよい。時刻T10とT11、T20とT21の間の時間は、任意に設定されてよく、例えば1秒、5秒、10秒などである。これらの時間や円5021および5022の半径は、例えばユーザが歩いて移動している場合と自動車で移動中の場合を想定し、ユーザ端末300の移動速度に応じて異なる値が使用されるようにしてもよい。
【0070】
上記の2地点間の移動ベクトルに基づく判定は一例にすぎず、移動の軌跡に基づいた他の判定も可能である。例えば、3地点以上の位置情報から近似直線または近似曲線を求め、得られた直線または曲線と特定の店舗に係る幾何学図形との交点の有無に基づいて入店可能性の判定を行ってもよいし、3地点以上の位置情報から地点間の移動速度を求め、移動速度の変化に基づいて、例えば特定の店舗付近で移動速度が低下すれば、入店可能性ありと判定することも可能である。また時間的に連続する位置情報を用いる必要もなく、任意の時点における位置情報が使用されてよい。
【0071】
図8は、ユーザ端末300の位置情報に基づく入店可能性の判定イメージのさらに他の例を示す。この例では、ユーザ端末300の位置情報に加えて、ユーザ端末300の移動方向と移動速度を用いて、競合店舗への入店可能性が判定される。例えば、サーバ100は、移動速度に基づいてユーザが自動車で移動中であるのか歩行により移動中であるのかを判定する。
図8の例では、ユーザが道路RDを自動車305で移動中であると判定されたものとする。サーバ100はまた、ユーザ端末300を所持するユーザの目的地DSTの情報を取得し、ユーザ端末300の現在位置から移動方向401を推定する。
【0072】
ここで、サーバ100は、ユーザの目的地DSTの情報をユーザ端末300から取得し得る。例えば、上述したようにユーザ端末300があらかじめ専用のアプリケーションプログラム(「アプリ1」)を搭載しており、このアプリ1を介してユーザが「目的地」情報を登録することにより、ユーザ端末300からサーバ100に「目的地」情報が送信されてもよい。または、ユーザ端末300がルート検索機能やナビゲーション機能を有する他のアプリケーションプログラム(「アプリ2」)を搭載しており、当該アプリ2を介して登録された「目的地」情報をアプリ2からアプリ1へと連携することにより、アプリ1の機能を介してユーザ端末300からサーバ100に「目的地」情報が送信されてもよい。あるいは、ユーザが車載ナビゲーション装置に登録した「目的地」情報を、当該車載ナビゲーション装置からBluetooth等を通じてアプリ1に連携することにより、アプリ1の機能を介してユーザ端末300からサーバ100に送信されてもよい。アプリ1を介してユーザ端末300からサーバ100に送信される情報は、目的地DSTの情報(位置情報を含み得る)、ユーザ端末300または会員ユーザの識別情報(ID)、およびユーザ端末300の現在位置(GPS)情報を含む。
【0073】
目的地DSTの情報を取得したサーバ100は、ユーザ端末300の現在位置と目的地DSTの位置から移動方向401を推定し、競合店への入店可能性の判定を行う。例えば、サーバ100は、移動方向401として、現在位置から目的地までのルートまたは単に現在位置と目的地とを結ぶ直線を用いて、競合店舗503への入店可能性の判定を行うことができる。一例として、サーバ100は、上記移動方向401としてのルートや直線と、競合店舗503を中心とする円5031との交点に基づき、競合店舗503への入店可能性の判定を行うことができる。競合店舗503を中心とする円5031の大きさは、上記のように任意に設定されてよく、ユーザ端末300の移動速度に応じて調整されてよい。
【0074】
(4)クーポンリストの生成
続いて、ステップS604において、判定部104は、抽出された利用店舗の店舗情報に基づき、配信候補クーポンの絞り込みを行う。一実施形態では、判定部104は、店舗情報マスタ151に記憶されたクーポン情報のうち、発券時間帯に関する条件を読み出し、入店可能性ありと判定された時点の日時情報が条件に該当するクーポンを絞り込む。
【0075】
ステップS605において、判定部104はさらに、会員情報に基づくクーポンの絞り込みを行う。一実施形態では、判定部104はまず、会員情報マスタ152に記憶された属性情報から、端末300を所持する会員ユーザの性別、年齢もしくは年代、職業等を読み出し、店舗情報マスタ151に記憶されたクーポン情報のうち対象会員条件に該当するクーポンを絞り込む。
【0076】
一実施形態では、判定部104は、会員情報(嗜好情報)のうち、会員ユーザがクーポン配信を望むまたは望まない条件に基づいて、配信候補のクーポンをさらに絞り込む。判定部104は、会員ユーザがクーポン配信を望む企業/店舗/ジャンル/種別のうちのいずれかまたはすべてに該当するクーポンを配信候補として抽出してもよい。または判定部104は、会員ユーザがクーポン配信を望まない企業/店舗/ジャンル/種別のうちのいずれかに該当するクーポンを候補から除外するようにしてもよい。あるいは判定部104は、配信を望む条件と望まない条件の両方を考慮してもよい。嗜好情報は、商品やサービスに関するより具体的な好き嫌いの情報、アレルギー情報、ポリシー情報(例えば、ベジタリアン)を含んでもよい。一例として、会員ユーザが嫌いな食品として「牛乳」を登録した場合、判定部104は、乳製品に関するクーポンを当該会員ユーザに対するクーポンの候補から除外するようにしてもよい。
【0077】
ステップS606において、判定部104は、絞り込んだ配信候補のクーポンの情報をまとめたクーポンリストを生成する。
【0078】
続いて、
図4のステップS7において、判定部104は、生成したクーポンリストをユーザ端末300に送信する。
【0079】
図9は、クーポン情報の管理イメージの一例を示す。クーポン情報は、各利用店舗に紐づけて管理され得る。
図9の例では、ある特定の利用店舗に対し、4種類のクーポン(クーポンA~D)の情報があらかじめ登録される。各クーポンは、具体的な特典の内容と、配信条件を含み得る。この例では、配信条件として、時間帯に関する条件(条件1)、対象者(配信対象となる会員ユーザ)に関する条件(条件2)、地域に関する条件(条件3)が指定可能であり、空白は条件の指定がないことを意味する。
【0080】
図9において、クーポンAは、「3千円以上買い物すると15%OFF」という特典であり、条件1として時間帯を指定する「9:00~17:00」と、条件2として対象者を指定する「20歳以上」が設定される。したがって、競合店舗への入店可能性ありと判定された時間がこの時間帯に該当し、かつ対象会員が「20歳以上」の場合にのみクーポンAが候補として抽出される。21:00など、入店可能性が判定された時間が条件に当てはまらないときにはクーポンAは抽出されず、対象会員が19歳以下の場合にもクーポンAは抽出されない。クーポンBは「ポイント2倍」という特典であり、条件1として時間帯を指定する「土日祝日」と、条件2として対象会員を指定する「学生」が設定されている。したがって、競合店舗への入店可能性ありと判定された日が「土日祝日」のいずれかに該当し、さらに対象会員が「学生」という属性情報を有するときにだけ、このクーポンBが候補として抽出される。同様に、クーポンCは「飲み物1本プレゼント」という特典であり、条件1として時間帯を指定する「14:00~15:00」および条件3として地域を指定する「本州」が設定されている。クーポンDは「新製品Xを100円値引き」という特典であり、時間帯の指定はなく、条件2として対象会員を指定する「20代女性」が設定されている。
【0081】
図9は単なる例示にすぎず、内容や配信条件はサーバ100の管理者または利用店舗の管理担当者等により任意に設定され得る。例えば、指定可能な条件は3つに限られるものではなく、より多くの条件を登録可能としてもよいし、対象者の誕生月、職業、居住地、最寄り駅など、他の条件を登録可能としてもよい。また、
図9のようなクーポンが特定の事業主に紐づけられ、当該事業主が登録した全利用店舗に一律に適用されてもよい。この場合、上記条件3のような地域に関する条件を用いてクーポンを絞り込むことができる。なお、
図8のように、現在位置から目的地までの途中に競合店舗がある場合に入店可能性ありと判定される例では、クーポンリストの生成および送信タイミングは、例えば、入店可能性ありと判定された時でもよいし、ユーザ端末300(自動車305)が競合店舗から一定の距離範囲(例えば、円5031よりも大きい円)に入った時でもよい。
【0082】
(5)クーポンの発券
続いて、
図4のステップS8において、クーポンリストを受信したユーザ端末300は、例えば専用のアプリケーションプログラムを通じて表示を生成する。
ここで、クーポンの発券に際し、会員情報(嗜好情報)をもとに最終的なクーポン発券対象者を抽出するようにしてもよい。各クーポンの内容と、会員ユーザの嗜好情報とをもとに、クーポンごとに発券除外対象者リストを別途作成し、クーポンを発券するに際して発券除外対象者リストに該当するユーザには当該クーポンを発券しないようにすることもできる。一例として、牛乳が嫌いな会員ユーザには乳製品に関するクーポンが発券されないようにするなどの処理が可能である。
【0083】
図10は、ユーザ端末300(この例ではスマートフォン)の表示画面310上に表示されるクーポンリストの表示例である。例えば、スマートフォン300を所持するユーザが配信条件として指定された発券時間帯(例えば14:00~15:00)に、登録されている競合店舗の商圏に車で入ったことが検知されたとき、または徒歩で競合店舗に入る直前であると検知されたときに、入店可能性ありと判定され、サーバ100から受信した信号をもとにスマートフォン300にこのような表示画面310が表示される。この例では、表示画面310は、地図表示部311と、クーポンリスト表示部312と、クーポン取得ボタン313とを含む。
【0084】
地図表示部311には、
図6に示したのと同様に、ユーザ端末の現在位置301と、入店可能性ありと判定された競合店舗501と、当該競合店舗501を登録した利用店舗のうちユーザから一定距離内にある利用店舗201-1および利用店舗202とが表示される。
【0085】
クーポンリスト表示部312は、利用店舗201-1および利用店舗202に紐づけられたクーポンのうち、配信候補として絞り込まれたクーポンを一覧表示する。図では、一覧表示されたクーポンのうち「Xストア」のクーポンが選択された状態(アクティブな状態)にある。このとき、地図表示部311には、Xストアを表す利用店舗201-1への案内情報を表す矢印がさらに表示される。さらに、競合店舗501を目立たないように表示し、利用店舗201-1および/または202を目立つように表示してもよい。例えば、表示画面310は、競合店舗501を小さく、薄く、または暗く表示し、利用店舗201-1および/または202を大きく、濃く、または明るく表示し得る。
【0086】
ここで、例えば、上記のようにXストアがアクティブな状態でユーザがクーポン取得ボタン313をタップすることによって、当該クーポンの取得要求をサーバ100に対して送信することができる(
図4のステップS9)。あるいは、ユーザがクーポンリスト表示部312内の表示を直接タップすることによってクーポン取得要求が送信されてもよい。
【0087】
サーバ100がユーザ端末300からクーポン取得要求を受け取ると(ステップS9)、クーポン出力部105は、店舗情報マスタ151から要求されたクーポンの情報を抽出し、ユーザ端末300に対してクーポンを配信する(ステップS10)。クーポンには、店舗情報として指定された有効時限が設定される。
【0088】
サーバ100はまた、履歴情報取得部106により、取得要求を受信したことを履歴情報として履歴情報記憶部153に蓄積し得る(ステップS11)。取得要求は、端末300の識別情報、日時情報、位置情報、およびクーポンの識別情報を含み得る。
【0089】
一方、クーポンを受信したユーザ端末300は、ユーザUSからの使用操作を受け付けると(例えば、サーバ100から受信した信号に基づきクーポン表示画面が生成されると)、再びサーバ100に対して使用履歴情報を送信し得る(ステップS12)。やはり履歴情報取得部106は、使用履歴情報を履歴情報記憶部153に蓄積し得る(ステップS13)。使用履歴情報は、例えば、端末300の識別情報、日時情報、位置情報、クーポンの識別情報、および使用した店舗の識別情報を含み得る。なお、クーポン使用履歴情報は、ユーザ端末300だけでなく、店舗の端末(例えば、店舗端末200、PoS端末(図示せず)など)からサーバ100に送信されてもよい。店舗の端末は、ユーザ端末300の表示画面310上に表示されたクーポン情報(例えば、バーコードや二次元コード)を付属のスキャナ等を介して読み取ることにより、または店員がクーポン情報を目視して端末に入力することにより、クーポン情報から必要な情報を抽出することによって、サーバ100に使用履歴情報として送信し得る。
【0090】
このように蓄積された履歴情報は、判定部104によるクーポン候補の絞り込みにさらに用いられてもよい。例えば、店舗情報としてクーポンのアップグレード条件を受け付け、一定期間以上クーポンの取得または使用がないユーザに対して、条件に基づいてクーポンの内容をアップグレードするようにしてもよい。これにより、ユーザがクーポンを魅力的と感じる可能性が高まり、クーポンの取得および使用を促す効果が期待される。
【0091】
図11は、そのようなアップグレード条件を適用する場合のクーポン管理イメージを示す。
図11のクーポン情報は、例えば利用店舗ごとに管理される。判定部104は、例えば、
図5のステップS605において絞り込まれた配信候補のクーポンについて、さらにアップグレード条件に該当するかどうかを判定する。例えば、クーポンAが配信候補として選ばれている場合、アップグレード条件に該当しなければ「クーポンA1:3千円以上買い物すると15%OFF」が選択される。一方、当該ユーザが「3日以内に3,000円以上の買い物あり」に該当する場合、「クーポンA2:3千円以上買い物すると20%OFF」にアップグレードされる。さらに、当該ユーザにより30日以上クーポンの取得がされていない、または(クーポンが取得されたか否かを問わず)50日以上クーポンの利用がされていないという条件に該当する場合、特典の内容がアップグレードされた「クーポンA3:20%OFF+ポイント2倍」が選択される。さらに60日以上クーポンの利用がない場合、さらなるアップグレードが適用され得る。
【0092】
同様に、
図11の例で、はじめにクーポンBが配信候補として選ばれている場合、アップグレード条件に該当しなければ「クーポンB1:ポイント2倍」が選択され、「7日以内に他のクーポンの利用あり(クーポンB1の利用はないが、他のクーポンが利用された)」に該当する場合には、「クーポンB2:ポイント2倍+飲み物1本プレゼント」へとアップグレードされる。アップグレード条件には、会員登録後の経過期間も含められてよい。過去の履歴情報を人工知能(AI)により解析し、適切なアップグレード条件を判定するようにしてもよい。
【0093】
(効果)
以上詳述したように、この発明の一実施形態では、ユーザ端末300の位置情報に基づいて、ユーザ端末300を所持するユーザによる特定の店舗への入店可能性が判定される。ユーザが当該店舗に入店する可能性ありと判定される場合には、ユーザ端末300に対し、当該店舗を競合店舗として指定した利用店舗に関する特典情報を送信する。これにより、競合店舗への入店可能性のあるユーザにダイレクトにかつリアルタイムに特典情報を送信でき、競合店舗から自店舗への誘客促進効果が期待される。
【0094】
入店可能性の判定に用いる距離範囲は任意に設定され得るので、例えば、ユーザが徒歩で移動中と推定される場合には競合店舗に入る直前のタイミング、車の運転中と推定される場合には競合店舗の商圏に入ったタイミングなど、適切なタイミングで自店舗への来店を促すクーポンを配信することができる。また、クーポンの発券時間帯や発券対象会員の属性などの条件が設定され得るので、この条件を考慮することによりターゲットを絞ったマーケティングが可能となる。特に、発券時間帯を設定することにより、混雑していない時間に誘客するなど、より戦略的な誘客も可能となる。同様に、ユーザにより配信を希望するまたは希望しない条件が設定され得るので、この条件を考慮することによりユーザにとってより魅力的なクーポンの配信が可能となる。
【0095】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、サーバ100が備える各機能部を、複数の装置に分散配置し、これらの装置が互いに連携することにより処理を行うようにしてもよい。また各機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0096】
また、以上で説明した各処理の流れは、説明した手順に限定されるものではなく、いくつかのステップの順序が入れ替えられてもよいし、いくつかのステップが同時並行で実施されてもよい。また、以上で説明した一連の処理は、時間的に連続して実行される必要はなく、各ステップは任意のタイミングで実行されてもよい。
【0097】
例えば、会員ユーザから初期登録により入力される会員情報は、位置情報を送信するユーザ端末300とは異なる端末から入力されてもよい。例えば、ユーザUSは、
図4のステップS3における初期登録は自宅のパーソナルコンピュータから行い、ステップS5以降の位置情報の送信元およびクーポンの配信先として自身のスマートフォンを設定してもよい。
【0098】
また、ステップS7において、クーポンリストの代わりに、直接電子クーポンを配信するようにしてもよい。また、クーポンの配信処理は、サーバ100とは異なる他のクーポン配信装置(図示せず)に実行させてもよい。
【0099】
クーポンの使用処理は、店頭での「店舗QRコード(登録商標)」の読み取りや、店舗での店舗番号の手入力、非接触型ICカード等による店舗へのチェックインなど、任意の方法で行われてよい。またユーザは必ずしもクーポンの使用操作を要求されるものではなく、ユーザ端末300の表示画面310上にクーポンリストまたはクーポンID等を表示させた状態を店員に提示することによって、クーポンを使用可能としてもよい。クーポンの使用履歴情報は、ユーザ端末300からサーバ100に送信されてもよいし、店舗端末200や図示しないPoS端末など、店舗の端末からサーバ100に送信されてもよい。
【0100】
上記実施形態では、サーバ100が、あらかじめ設定されたテーブルと配信条件に基づいて配信候補を絞り込むものとして説明したが、これに限定されるものではなく、配信条件に応じてパラメータ調整を行えるようにしてもよい。例えば、初期クーポン情報として「5%OFF」を設定し、「時間帯A(例えば14:00~15:00)であれば7%OFF」、「会員が60代以上なら10%OFF」など、配信条件に応じてパラメータを調整して配信候補とするようにしてもよい。
【0101】
またサーバ100は、ユーザ端末300から、位置情報に加えて、例えば、活動量データ(歩数、心拍数、消費カロリー、睡眠時間など)、スケジューラデータ(ユーザの予定、ToDoリスト、メモなど)をさらに取得し、これらのデータから抽出される情報をもとに配信候補クーポンを選択するようにしてもよい。例えば、サーバ100は、活動量データに基づいてユーザ端末300を所持するユーザがランニングまたはウォーキング中であると判定される場合、飲料品に関するクーポンの中からスポーツドリンクに関するクーポンを優先的に選択するように設定されてもよい。
【0102】
また上記実施形態では、システムの利用店舗があらかじめ競合店舗を登録しておき、ユーザが当該競合店舗に入店する可能性があるかどうかを判定するものとして説明した。しかし、実施形態においては、システム上、特定の店舗が登録されればよく、必ずしも競合店舗として登録される必要はない。例えば、利用店舗が提携店や姉妹店などを「特定の店舗」として登録し、登録された特定の店舗への入店可能性がある場合に利用店舗のクーポンを発券することも可能である。
【0103】
以上で記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウェア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体(記憶媒体)に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブル、データ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。上記装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【0104】
その他、入店可能性の判定処理についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0105】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0106】
1…システム、100…サーバ、101…店舗情報取得部、102…会員情報取得部、103…位置情報取得部、104…判定部、105…クーポン出力部、106…履歴情報取得部、151…店舗情報マスタ、152…会員情報マスタ、153…履歴情報記憶部、200…店舗端末、300…ユーザ端末。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持する会員ユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定する、第1の判定部と、
前記ユーザ端末から送信される会員情報に基づき、前記ユーザ端末の所有者の属性が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された対象会員条件を満たすか否かを判定する、第2の判定部と、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、前記第2の判定部により前記対象会員条件を満たすと判定された特典情報を、前記ユーザ端末に対して出力する、特典情報出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持する会員ユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定する、第1の判定部と、
店舗情報に基づき、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定された日時が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された配信条件であって、前記特典情報の発券時間帯に関する条件を含む配信条件を満たすか否かを判定する、第2の判定部と、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、前記第2の判定部により前記配信条件を満たすと判定された特典情報を、前記ユーザ端末に対して出力する、特典情報出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の判定部は、前記ユーザ端末の位置が前記第1の店舗から所定の距離範囲内にあると判定される場合に、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の判定部は、前記ユーザ端末の移動の軌跡から第1のベクトルを導出し、前記第1のベクトルが2次元空間上で前記第1の店舗を中心とする第1の円または前記第1の店舗を表すポリゴンとの交点を有すると判定される場合に、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の店舗の属性または前記特典情報の属性が、前記会員ユーザによりあらかじめ指定された条件を満たすか否かを判定する、第3の判定部をさらに備え、
前記特典情報出力部は、さらに前記第3の判定部により前記条件を満たすと判定された特典情報を前記ユーザ端末に対して出力する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末による前記特典情報の使用または前記特典情報へのアクセスの履歴を表す履歴情報を取得する、履歴情報取得部と、
前記履歴情報が、前記第2の店舗に関する特典情報の各々に対してあらかじめ指定された条件を満たすか否かを判定する、第4の判定部をさらに備え、
前記特典情報出力部は、さらに前記第4の判定部により前記条件を満たすと判定された特典情報を前記ユーザ端末に対して出力する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持する会員ユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定することと、
前記ユーザ端末から送信される会員情報に基づき、前記ユーザ端末の所有者の属性が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された対象会員条件を満たすか否かを判定することと、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、前記対象会員条件を満たすと判定された特典情報を、前記ユーザ端末に対して出力することと
を備える情報処理方法。
【請求項8】
ユーザ端末から送信される位置情報に基づき、前記ユーザ端末を所持する会員ユーザによる第1の店舗への入店可能性を判定することと、
店舗情報に基づき、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定された日時が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された配信条件であって、前記特典情報の発券時間帯に関する条件を含む配信条件を満たすか否かを判定することと、
前記第1の店舗への入店可能性ありと判定される場合に、前記ユーザ端末に対し、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、前記配信条件を満たすと判定された特典情報を、前記ユーザ端末に対して出力することと
を備える情報処理方法。
【請求項9】
会員ユーザにより所持される端末装置の位置情報に基づいて入店可能性があると判定された第1の店舗を地図上に表示する第1の表示部と、
前記第1の店舗とは異なる第2の店舗への案内情報を前記地図上に表示する第2の表示部と、
前記第2の店舗に関する特典情報を表示する第3の表示部と
を備え、
前記特典情報は、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、前記端末装置から送信される会員情報に基づき、前記端末装置の所有者の属性が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された対象会員条件を満たすか否かを判定された特典情報である、
端末装置。
【請求項10】
会員ユーザにより所持される端末装置の位置情報に基づいて入店可能性があると判定された第1の店舗を地図上に表示する第1の表示部と、
前記第1の店舗とは異なる第2の店舗への案内情報を前記地図上に表示する第2の表示部と、
前記第2の店舗に関する特典情報を表示する第3の表示部と
を備え、
前記特典情報は、前記第1の店舗とは異なる第2の店舗に関する特典情報であって、店舗情報に基づき、前記第1の店舗への入店可能性ありと判定された日時が、特典情報の各々に対してあらかじめ指定された配信条件であって、前記特典情報の発券時間帯に関する条件を含む配信条件を満たすか否かを判定された特典情報である、
端末装置。
【請求項11】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置の各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項9または10に記載の端末装置の各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。