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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016318
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】道路用標示装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/608 20160101AFI20240131BHJP
【FI】
E01F9/608
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118332
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高室 和俊
(72)【発明者】
【氏名】河俣 琴音
(72)【発明者】
【氏名】高木 一誠
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA06
2D064AA22
2D064BA06
2D064BA08
2D064CA03
2D064CA05
2D064DA05
2D064DA17
2D064DB03
2D064HA23
2D064JA02
(57)【要約】
【課題】設置面から脱離しにくい道路用標示装置を提供する。
【解決手段】設置面へ接着固定する台座と、この台座へ着脱可能に取り付ける標示体とを備え、前記台座に下面を接着面とする基部と、雄ねじ部と、雌ねじ部材を設け、前記標示体の貫通孔に下方から挿入させた前記雄ねじ部へ前記雌ねじ部材を上方から螺結して前記台座が前記標示体へ取り付けると共に、前記貫通孔内部における前記標示体の内周面と前記雄ねじ部との間の隙間を塞ぐように筒状の弾性部材を取り付ける。
接着により設置面へ設置した標示体が車両の接触等による外力を受けた場合でも、前記弾性部材の弾性変形によって緩和されて前記台材と標示体との間で伝達される前記外力が低減し、前記台材の設置面からの脱離を抑制できる。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面へ接着固定される台座と、該台座へ着脱可能に取り付けられる標示体とを備える道路用標示装置であって、
前記台座は、下面が接着面となされる基部と、前記下面より上方に形成された雄ねじ部と、該雄ねじ部へ螺結可能な雌ねじ部材を備え、
前記標示体には前記雄ねじ部を挿通可能な貫通孔を備えており、
前記貫通孔に下方から挿入された前記雄ねじ部へ前記雌ねじ部材が上方から螺結されて前記台座が前記標示体へ取り付けられると共に、貫通孔内部における前記標示体の内周面と前記雄ねじ部との間の隙間を塞ぐように筒状の弾性部材が取り付けられていることを特徴とする道路用標示装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記雌ねじ部材の螺結によって上下方向に圧縮され、弾性部材の筒壁の厚みが増大するように弾性変形して、該筒壁の外周面が標示体の前記内周面に圧接され、筒壁の内周面が前記雄ねじ部へ圧接されていることを特徴とする請求項1に記載の道路用標示装置。
【請求項3】
前記弾性部材は前記貫通孔の内側の全体に亘り配置されて、該弾性部材の上端が前記雌ねじ部材へ当接すると共に、下端が前記台材の基部へ当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路用標示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や駐車場など車両が走行する場所へ接着固定して設置する道路用標示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路や駐車場に設置して車線のセンターライン標示や、車線誘導標示、走行を規制する標示などを行う道路用標示装置は、設置場所や目的に適した方法で設置場所へ固定している。例えば、アンカーボルトや接着剤で固定する方法が従来から利用されており、接着剤を用いる方法について種々の発明が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、面に開口部を有する肉ぬすみ部が形成されたベース部と、該ベース部の上方に突設された本体部を備え、路面に埋設固定したアンカーナットに螺結させて前記ベース部を固定するための第一のアンカーボルトが着脱可能に取り付けられるようになされた取付部が前記ベース部の中央部に形成された道路用標示体を接着により路面に取り付ける方法であって、前記肉ぬすみ部の開口部を塞ぐように形成された底板材を前記取付部を介して前記ベース部の下面に取り付け、前記底板材の底面に塗布した接着剤によって路面に接着することを特徴とする道路用標示体の固定方法が、本出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-84452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される固定方法は、ベース部へ取り付けた底板材によって道路用標示体を路面へ強固に接着固定できるように設けるものであるが、車両が接触する等したときに、その衝撃が底板材へ伝達されて設置面との接着が外れる状況が想定された。
【0006】
本発明は、設置面から脱離しにくい道路用標示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る道路用標示装置は、設置面へ接着固定される台座と、該台座へ着脱可能に取り付けられる標示体とを備える道路用標示装置であって、前記台座は、下面が接着面となされる基部と、前記下面より上方に形成された雄ねじ部と、該雄ねじ部へ螺結可能な雌ねじ部材を備え、前記標示体には前記雄ねじ部を挿通可能な貫通孔を備えており、前記貫通孔に下方から挿入された前記雄ねじ部へ前記雌ねじ部材が上方から螺結されて前記台座が前記標示体へ取り付けられると共に、貫通孔内部における前記標示体の内周面と前記雄ねじ部との間の隙間を塞ぐように筒状の弾性部材が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る道路用標示装置によれば、設置面へ接着固定する台座と、この台座へ着脱可能に取り付ける標示体を備えるので、台座を介して標示体を設置面へ接着により設置できる。
また、前記台座に、下面を接着面とする基部と、前記下面より上方に形成した雄ねじ部と、この雄ねじ部へ螺結する雌ねじ部材を備えさせるので、前記雄ねじ部と雌ねじ部材によって前記標示体を台座へ着脱可能に取り付けることができる。
また、前記標示体に前記雄ねじ部を挿通可能な貫通孔を形成し、前記貫通孔に下方から挿入した前記雄ねじ部へ前記雌ねじ部材を上方から螺結して前記標示体に前記台座を取り付けると共に、前記貫通孔内側における標示体の内周面と前記雄ねじ部との間の隙間を塞ぐように筒状の弾性部材を取り付けるので、接着により設置面へ設置した標示体が車両の接触等による外力を受けた場合でも、前記弾性部材の弾性変形によって緩和されて前記台材と標示体との間で伝達される前記外力が低減し、前記台材の設置面からの脱離を抑制できる。
【0009】
また、前記弾性部材を、前記雌ねじ部材の螺結によって上下方向に圧縮し、弾性部材の筒壁の厚みが増大するように弾性変形させて、この筒壁の外周面を標示体の前記内周面に圧接させ、内周面を前記雄ねじ部へ圧接させれば、雄ねじ部と貫通孔の内周面との間の隙間を弾性部材によって効果的に塞ぐことができるので、前記台材と標示体との間で伝達される衝撃等を前記弾性部材によってより低減させることができ、好ましい。
【0010】
また、前記弾性部材を前記貫通孔の内側の全体に亘り配置させて、この弾性部材の上端を前記雌ねじ部材へ当接させると共に、下端を前記台材の基部へ当接させれば、弾性部材の弾性変形による外力を緩和する効果が高まり、前記台材と標示体との間で伝達される衝撃等をより効果的に低減できるので、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る道路用標示装置によれば、設置面から脱離しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る道路用標示装置の実施の一形態を示す正面図である。
図2図1の底面図である。
図3図1の柱体とベースを分離させた状態を示す図である。
図4図3のベースと台座を分離させた状態を示す図である。
図5図4の台座を示す正面図である。
図6図5の平面図である。
図7】台座の縦断面を示す、図6のA-A断面図である。
図8図7の台座を設置した状態を示す図である。
図9図4のベースの縦断面を示す図である。
図10図4の弾性部材を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
図11図8の台座の上に図9のベースを載置した状態を示す図である。
図12図11のベースの貫通孔へ図10の弾性部材を取り付けた状態を拡大して示す図である。
図13図12の雄ねじ部へ雌ねじ部材を螺結させた状態を示す図である。
図14図13の台座とベースの全体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は道路用標示装置である。
図1に示す道路用標示装置1は、標示体10と台座5を備えている。
前記標示体10は、柱体11とベース2を備えており、柱体11をベース2の上方へ突出させるように立設させて形成している。
前記台座5は、標示体10のベース2の下面に取り付けている。
【0014】
柱体11は、円筒形の中空柱状体に形成された柱部12を備え、その開口する上端を塞ぐようにキャップ13が固定されている。
また、柱部12の外側面には照射された光を光源方向へ反射させる再帰反射性を有する反射シート14が貼着されている。反射シート14は柱部12の外側面に巻回されて貼着されており、図1に示すように柱部12には3枚の反射シート14が上下に間隔をあけて配置されている。
【0015】
柱体11は、車両の接触などにより弾性的に曲がり、その後元の状態へ復元する可撓性を有するように、柱部12を熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限るものではなく、軟質ポリオレフィン、エラストマーなどを好適に用いることができる。
また、キャップ13も柱部12と同じ熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成されており、柱部12へ融着や接着などの方法によって固定されている。
【0016】
図2図1の底面図である。
ベース2は、底面視の外形を、全体を曲線で構成した矩形状に設けており、前後方向の大きさを左右方向よりも大きな外形形状に形成している。ベース2は、前記柱体11よりも硬質なアクリロニトリル-スチレン-アクリレート樹脂(ASA樹脂)で形成しているが、これに限るものではなく、ASA樹脂以外の合成樹脂を選択または組み合わせて形成してもよい。
前記柱体11はベース2へ着脱可能に取り付けている。
また、ベース2の下面には、円板形状の基部51を有する台座5を着脱可能に取り付けている。
【0017】
図3図1の柱体11とベース2を分離させた状態を示す図である。
柱体11の下端には台部15を設けている。
台部15は、前記柱部12と別体の略円筒形状に形成して柱部12の下端に固定している。
【0018】
ベース2の上部には、前記台部15に対応する形状に窪む支持凹部21を設けており、支持凹部21は台部15を出入り自在に挿入可能に形成させている。
支持凹部21の内周面は、挿入させた台部15の外周面15aを支持可能な支持面23に形成しており、ベース2の支持凹部21に台部15を挿入させた柱体11は、ベース2の支持面23にその下端を支持されて立設される。
また、前記台部15の外周面15aには、径の外側方向へ突出する矩形形状の突部15bを複数形成しており、各突部15bを前記ベース2の支持面23に形成した係合部へ係合させて、柱体11をベース2へ取り付けるように設けている。換言すると、柱体11は、前記各突部15bと支持面23に形成した係合部との係合を解除することで、ベース2から取り外すことができる。
尚、ベース2に形成する前記支持凹部21と支持面23は、後述する図9に図示する。
【0019】
図4図3のベース2と台座5を分離させた状態を示す図である。
台座5は、前記基部51から上方へ突出する雄ねじからなる雄ねじ部53を有しており、この雄ねじ部53を介してベース2へ取り付けられる。
具体的には、雄ねじ部53をベース2の下方から挿通し、この雄ねじ部53へ雌ねじを有する雌ねじ部材58をベース2の上方から螺結させることで、台座5をベース2へ取り付けるように設けている。
雌ねじ部材58の下方には、弾性部材7を配置して取り付けるように設けている。
弾性部材7は円筒形状に形成しており、その筒壁71の内側に雄ねじ部53を挿通させて取り付けるように設けている。
【0020】
図5図4の台座5を示す正面図であり、図6図5の平面図であり、図7は台座5の縦断面を示す図6のA-A断面図である。
台座5は、縁の近くに貫通孔51aを1個備える円板形状の基部51を有し、基部51の中央にボルトを固定して前記雄ねじ部53を形成している。
具体的には、前記ボルトの雄ねじを基部51の下方から挿通させて、基部51の上方へ突出する前記雄ねじ部53を形成している。
【0021】
前記ボルトは、円板形状の頭部54を有する所謂ウェルドボルトであり、前記頭部54を金属製の基部51へ溶接して固定している。前記基部51の下面には上方へ円形に窪む収納部52をプレス加工で形成しており、この収納部52の内側に前記ボルトの頭部54を収納させている。
前記基部51はステンレス鋼板で形成しているが、これに限るものではなく、金属材料を好適に利用できる。即ち、ステンレス鋼等の特殊鋼や普通鋼などを含む鉄系金属材料や、アルミニウム合金などの非鉄金属材料などを利用できる。
また、クロメート処理等の化成処理や、めっき、塗装等の表面処理を施して、耐食性等を向上させてもよい。
【0022】
台座5は、基部51の下面を接着面として設置面Gへ接着固定するように設けている。
図8図7の台座5を設置した状態を示す図である。
図8に示す台座5は、基部51の下面全体に接着剤6を塗布し、アスファルトやコンクリートで形成された設置場所の設置面Gへ当接させて接着している。
前記接着剤6はエポキシ系接着剤を用いているが、これに限るものではなく、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着材等のエポキシ樹脂系以外の接着剤や、ポリイミド系接着剤等の熱硬化性接着剤や、シアノアクリレート系接着剤等の瞬間接着剤や、ゴム系接着剤等、他の接着剤を好適に利用できる。
【0023】
図9図4のベース2の縦断面を示す図である。図9は、ベース2の切断部端面図である。
前記支持凹部21は、ベース2の上面から下方へ窪む円形の凹形状に形成しており、その外周面が前記支持面23となされる。
前記支持凹部21は、その底面の中央に上方へ突出する略円筒形状のリブ28を形成しており、このリブ28の筒壁の内側全体にベース2の下面へ至る円形の貫通孔29を形成している。
【0024】
図10図4の弾性部材7を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
弾性部材7の筒壁71は、その外径をベース2のリブ28の内側に形成した前記貫通孔29の内径に対応する大きさに形成している。
また、前記筒壁71の内側に形成した円形の貫通孔72は、その内径を前記雄ねじ部53の外径に対応する大きさに形成している。
図10の弾性部材7は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)で形成しているが、これに限るものではなく、弾性を有する他の材料で形成してもよい。例えば、EPDM以外の合成ゴムや天然ゴム、ポリウレタンやポリ塩化ビニルなどのエラストマー等を選択、または組み合わせて形成することができる。
【0025】
図11図8の台座5の上に図9のベース2を載置した状態を示す図である。
図11のベース2は、前記貫通孔29の内側に台座5の雄ねじ部53を挿通させて基部51の上面へ載置させており、前記雄ねじ部53を中心として回転させることで、その向きを容易に調整できる。
【0026】
図12図11のベース2の貫通孔29へ図10の弾性部材7を取り付けた状態を拡大して示す図である。
図12に示す弾性部材7は、貫通孔72の内側に雄ねじ部53を挿通させて、筒壁71の内周面71bを雄ねじ部3の外面へ当接させ、筒壁71の外周面71aをリブ28の内周面に当接させ、筒壁71の下端を台座5の基部51の上面に当接させている。
また、図12の弾性部材7は、筒壁71の下端を他の部材へ当接させた状態において、筒壁71の上端がリブ28の上端よりも若干上方へ突出するように形成している。
【0027】
図12に示すベース2は、雌ねじを有する雌ねじ部材58を前記雄ねじ部53へ螺結させることで、台座5へ取り付けられる。
図13図12の雄ねじ部53へ雌ねじ部材58を螺結させた状態を示す図であり、図14図13の台座5とベース2の全体を示す図である。
雌ねじ部材58は、所謂六角ナットで形成しており、別体に形成した座金58aを備えている。
図13、14に示す雌ねじ部材58は、雄ねじ部53に対し適正なトルクで締め付けて、座金58aをリブ28の上端に当接させて螺結させている。
【0028】
図13、14に示すベース2へ図3の柱体11を取り付けることで、図1に示すような設置面Gに設置される道路用標示装置1が形成される。
具体的には、ベース2の支持凹部21へ図3に示す柱体11の台部15を挿入し、前記突部15bを支持面23に形成した係合部(図示せず)へ係合させて、柱体11を取り付ける。
ベース2へ柱体11を取り付けた状況において、前記雌ねじ部材58の上方が柱体11に覆われるので、工具を用いてねじ部材58を螺脱させてベース2を台座5から取り外すことができない状態となる。即ち、設置面Gへ設置させた前記道路用標示装置1は、最初にベース2から柱体11を取り外し、次に前記雌ねじ部材58を雄ねじ部53から螺脱させて取り外すことで、前記ベース2を設置面Gから取り外すことができる。
【0029】
道路用標示装置1は、図13、14に示すように、雄ねじ部53とリブ28との間の隙間を塞ぐように前記弾性部材7を取り付けることで、雄ねじ部53とベース2との間の力の伝達を弾性部材7の弾性変形によって低減できる。
具体的には、標示体10の柱体11やベース2へ車両が接触する等してベース2から弾性部材7へ伝達された衝撃が、弾性部材7の弾性変形によって緩和された後に雄ねじ部53へ至り、基部51へ伝達される。このように基部51へ伝達される衝撃が弾性部材7によって緩和されて低減することで、基部51の下面に塗布した接着剤6による固定が外れにくくなされ、道路用標示装置1を設置面Gへより安定的に設置できる。
【0030】
また、標示体10へ車両が接触する等して力を受けたときに、雄ねじ部53を軸とするリブ28の回転を弾性部材7によって抑制する効果が期待できる。即ち、台座5に対するベース2の回転を抑制する効果が期待できる。
【0031】
また、近傍を走行する車両によって設置面Gに生じた振動が、台座5の基部51と雄ねじ部53を通じて雌ねじ部材58へ至るときに、前記弾性部材7の弾性変形によって前記振動の伝達が緩和されて低減し、振動に起因する雌ねじ部材58のゆるみの発生を抑制する効果が期待できる。即ち、雌ねじ部材58の締結がゆるみ雄ねじ部53から外れてしまうことによる、ベース2の台座5からの脱離を抑制する効果が期待できる。
【0032】
図13、14に示す弾性部材7は、リブ28から上方へ突出した筒壁71の上端部分が、座金58aによって貫通孔29の内側へ押し込められている。
換言すると、前記弾性部材7は、下端が当接する台座5の基部51と上端が当接する座金58Aとの間で上下方向に圧縮されている。弾性部材7は、上下方向に圧縮されることで筒壁71の厚みが増大するように弾性変形し、筒壁71の外周面71aと内周面72bとが、それぞれ前記リブ28の内周面と雄ねじ部53の外面とに圧接されている。
【0033】
上記のように、筒壁71の外面である外周面71aや内周面71bがリブ28や雄ねじ部53に圧接することで、ベース2の貫通孔29の内側における隙間が弾性部材7によって塞がれて極小となされる。このように雄ねじ部53やリブ28と弾性部材7との隙間を極小とすることで、道路用標示装置1が前記の衝撃や振動などの外力を受けたときに、前記隙間に起因する雄ねじ部53やリブ28と弾性部材7とのがたつきが抑制されるので、前記の衝撃や振動などを弾性部材7の弾性変形によってより効果的に緩和し低減することができる。
【0034】
また、筒壁71の外面である外周面71aや内周面71bを圧接させて、雄ねじ部53やリブ28と弾性部材7との間の隙間を極小とすることで、貫通孔29の内側を通じて道路用標示装置1の内側へ入り込む水や塵、細かな砂等の侵入を効果的に抑制できる。換言すると、弾性部材7を止水部材や、微粒子の侵入を防ぐ封止部材として機能させることができる。
【0035】
尚、本発明に係る道路用標示装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、台座5に形成した雄ねじ部53は、基部51の上面から突出する部分全体に雄ねじを形成しているが、これに限るものではない。例えば、図13、14に示すように螺結させる雌ねじ部材58の下方において、雄ねじが形成されていない部分を設けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 道路用標示装置
10 標示体
11 柱体
12 柱部
13 キャップ
14 反射シート
15 台部
2 ベース
21 支持凹部
23 支持面
28 リブ
29 貫通孔
5 台座
51 基部
52 収納部
53 ねじ部
58 ねじ部材
6 接着剤
7 弾性部材
71 筒壁
72 貫通孔
G 設置面


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14