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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163190
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241114BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20241114BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61B5/00 D
A47K1/00 J
A47K1/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150653
(22)【出願日】2024-09-02
(62)【分割の表示】P 2020154908の分割
【原出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】原口 俊尚
(72)【発明者】
【氏名】森岡 聡子
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 嘉連
(72)【発明者】
【氏名】辻田 正実
(57)【要約】
【課題】生体情報測定手段を備え、使い勝手を向上できる洗面化粧台を提供することを目的とする。
【解決手段】使用者の生体情報を測定する生体情報測定手段と、前記使用者の所定の行為を検知する検知部と、前記生体情報測定手段によって測定された前記生体情報の測定結果を表示する表示部と、前記検知部が前記所定の行為を検知すると、前記生体情報測定手段に前記使用者の前記生体情報を測定させ、前記表示部に前記測定結果を表示させる制御ユニットと、を備えた洗面化粧台が提供される。
【選択図】図1




【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の生体情報を測定する生体情報測定手段と、
前記使用者の所定の行為を検知する検知部と、
前記生体情報測定手段によって測定された前記生体情報の測定結果を表示する表示部と、
前記検知部が前記所定の行為を検知すると、前記生体情報測定手段に前記使用者の前記生体情報を測定させ、前記表示部に前記測定結果を表示させる制御ユニットと、
を備え、
前記所定の行為は、洗面ボウルへ水を吐出可能に構成された吐出装置に水を吐出させる吐水操作、または前記吐出装置からの水の吐出を停止させる止水操作であることを特徴とする洗面化粧台。
【請求項2】
前記生体情報測定手段は、非接触にて前記生体情報を測定する測定部を有し、
前記測定部は、前記洗面ボウルよりも上方かつ前記洗面ボウルの上方に設けられた洗面鏡よりも下方に設けられ、
前記測定部の検知方向は、前方に向けて斜め上方を向いていることを特徴とする請求項1に記載の洗面化粧台。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人々の健康に対する関心が高まる一方で、日々の生体情報測定を継続することは面倒な作業である。これに対して、例えば、体重や体温などを自動的に記録するヘルスケアサニタリールームが知られている(特許文献1)。このような生体情報測定手段においては、日々の生活の中においてユーザが生体情報を測定するにあたり、使い勝手に向上の余地が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-130520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、生体情報測定手段を備え、使い勝手を向上できる洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、使用者の生体情報を測定する生体情報測定手段と、前記使用者の所定の行為を検知する検知部と、前記生体情報測定手段によって測定された前記生体情報の測定結果を表示する表示部と、前記検知部が前記所定の行為を検知すると、前記生体情報測定手段に前記使用者の前記生体情報を測定させ、前記表示部に前記測定結果を表示させる制御ユニットと、を備えた洗面化粧台である。
【0006】
この洗面化粧台によれば、洗面化粧台に対する使用者の所定の行為をトリガーとして、自動的に生体情報測定が開始されるため、日々の生活の中で生体情報測定を習慣化することができる。自動的に生体情報測定とその結果表示とが行われるため、使い勝手が良い。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記生体情報は、個人を識別するための個人データと対応づけられて個人データ蓄積手段に記憶され、前記所定の行為は、個人認証操作であり、前記検知部は、前記個人認証操作を検知する個人認証手段であり、前記制御ユニットは、前記個人認証操作による入力データと、前記個人データ蓄積手段に記憶された前記個人データと、が一致する場合は、前記測定結果を前記個人データと対応づけて前記個人データ蓄積手段に記録する個人モードを開始し、前記入力データと、前記個人データ蓄積手段に記憶された前記個人データと、が一致しない場合は、前記個人モードを開始しない、ことを特徴とする洗面化粧台である。
【0008】
この洗面化粧台によれば、例えば家族がいる家庭など複数人が洗面化粧台を利用する状況において日々の健康管理の利便性を向上させるため、個人データとひもづけた個人認証を導入することにより、個人ごとの生体情報の管理が容易になる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記制御ユニットは、前記入力データが前記個人データと一致しない場合は、前記測定結果を記録しないゲストモードを開始することを特徴とする洗面化粧台である。
【0010】
この洗面化粧台によれば、個人データを登録していない使用者も、生体情報の測定結果を記録することなく、生体情報を測定することができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、前記使用者を特定する特定信号を外部から受信可能な受信部をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記ゲストモードにおいて、前記測定結果を前記表示部に表示させた後の所定時間の間に前記受信部が前記特定信号を受信すると、前記特定信号により特定された前記使用者の前記個人データと対応づけて前記測定結果を前記個人データ蓄積手段に記録することを特徴とする洗面化粧台である。
【0012】
この洗面化粧台によれば、予め個人データが登録されている使用者が、個人認証手段の不具合などによって個人認証に失敗したとしても、生体情報測定後に測定結果を個人データと対応づけて記録することができる。
【0013】
第5の発明は、第3の発明において、前記制御ユニットは、前記ゲストモードにおいて前記生体情報を測定した後、前記測定結果が、前記個人データ蓄積手段に記録された前記生体情報のいずれかと類似する場合は、前記測定結果に類似する前記生体情報に対応づけられた前記個人データが特定する人物に前記使用者が該当する可能性を示す提案を前記表示部に表示させ、前記提案の表示から所定時間の間にさらなる個人認証操作を受け付けることを特徴とする洗面化粧台である。
【0014】
この洗面化粧台によれば、予め個人データが登録されている使用者が、個人認証手段の不具合などによって個人認証に失敗したとしても、さらなる個人認証を行うことができる。これにより、生体情報測定後に測定結果を個人データと対応づけて記録することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明において、前記所定の行為は、洗面ボウルへ水を吐出可能に構成された吐出装置に水を吐出させる吐水操作、または前記吐出装置からの水の吐出を停止させる止水操作であることを特徴とする洗面化粧台である。
【0016】
この洗面化粧台によれば、使用者が手洗や洗面などを行っていると想定されるタイミング、換言すると、使用者がより確実に洗面ボウルに向かって体を乗り出し、姿勢を固定しているタイミングに、例えば血圧や体温などの生体情報の測定を開始することができる。これにより、精度の高い生体情報測定が可能となる。
【0017】
第7の発明は、第6の発明において、前記生体情報測定手段は、非接触にて前記生体情報を測定する測定部を有し、前記測定部は、前記洗面ボウルよりも上方かつ前記洗面ボウルの上方に設けられた洗面鏡よりも下方に設けられ、前記測定部の検知方向は、前方に向けて斜め上方を向いていることを特徴とする洗面化粧台である。
【0018】
この洗面化粧台によれば、手洗などを行う際に下方の洗面ボウルに向いている使用者の顔と対向する位置に、非接触で生体情報を測定する測定部が配置され、測定部の検知方向が使用者の顔に向けられる。これにより、さらに精度の高い生体情報測定が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、生体情報測定手段を備え、使い勝手を向上できる洗面化粧台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す模式図である。
図4】第1の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図5】第1の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
図7】第2の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図8図8(a)~図8(c)は、第2の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す斜視図である。
図1に表したように、実施形態に係る洗面化粧台101は、支持台16と、洗面ユニット10、鏡20(洗面鏡)と、表示部24と、生体情報測定手段30と、検知部50と、人体検知センサ56と、を備える。
洗面化粧台101は、使用者の生体情報(例えば体温など)の測定及び表示が可能な洗面化粧台である。具体的には、生体情報測定手段30によって、使用者の生体情報が測定される。そして、生体情報の測定結果が表示部24に表示される。
【0022】
以下、本願明細書において、「上」、「下」、「右」および「左」という記載は、洗面化粧台の前で洗面化粧台を見た人を基準とした上、下、右および左をそれぞれいう。また、本願明細書においては、洗面化粧台から、洗面化粧台101の前に居る人へ向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。
【0023】
洗面ユニット10は、洗面器12と、吐出装置14(水栓装置)と、を有する。洗面器12は、洗面ボウル23を有する。洗面ボウル23は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。必要に応じて、洗面ボウル23の後端から上方に延びるバックガードを設けても良い。洗面器12の形状は、少なくとも洗面ボウル23を有する任意の形状でよい。
【0024】
洗面器12は、支持台16の上に設けられる。支持台16は、洗面器12を支持する。支持台16は、例えば、引き出しや扉などを有し、内部の空間に物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台16は、換言すれば、下部キャビネット(フロアキャビネット)である。支持台16は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台16は、洗面器12を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器12は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台16は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0025】
吐出装置14は、洗面器12の上に設けられる。吐出装置14は吐水部42と、操作部44と、を有する。吐出装置14の吐水部42は、洗面ボウル23に水を吐出可能に構成されている。具体的には、吐水部42は、吐水口を有し、吐水口から洗面ボウル23に水を吐出する。操作部44は、使用者の操作に応じて吐水部42からの水の吐止水を切り替える。すなわち、使用者は、操作部44を操作して吐水部42から水を吐出させる吐水操作と、操作部44を操作して吐水部42からの水の吐出を停止させる止水操作と、が可能である。
【0026】
操作部44は、例えば、レバー、ハンドル、ボタンまたはスイッチなどである。図1に示す例では、操作部44にはレバーが用いられている。吐水操作及び止水操作は、レバーやハンドルを動かすこと、またはボタンやスイッチを押すこと等に対応する。また、操作部44は、機械的な押しボタン等の接触式のスイッチだけでなく、非接触式のセンサ等であっても良い。センサは、光(電波)を放射し、放射した光の反射波に基づいて、使用者などの人体を検知する。具体的には、赤外線センサ(焦電センサ)、電波センサ(マイクロ波センサ)などを用いることができる。この場合、センサに手を近づけることが吐水操作に対応し、センサから手を遠ざけることが止水操作に対応する。操作部44は、使用者のジェスチャーを検知可能なセンサや、音声を検知可能なマイクでも良い。上記に限らず、操作部44は、使用者の所定の操作を検知可能な任意の構成で良い。
【0027】
図1の例では、吐水部42と操作部44とは一カ所にまとめて設けられているが、吐水部42と操作部44とは互いに離れて設けられても良い。吐水部42と操作部44とは、例えば、洗面器12のバックガードや洗面ボウル23の周囲のリム面などに設けてもよい。吐水部42は、洗面ボウル23に水を吐出可能な任意の構成でよい。操作部44は、少なくとも吐水部42からの水の吐止水を切り替え可能な任意の構成でよい。操作部44は、例えば、吐水部42から吐出される水の流量、及び吐水部42から吐出される水の温度を変更可能に構成されていても良い。
【0028】
表示部24は、吐出装置14の上に設けられている。表示部24は、前方に光を射出して洗面化粧台101の前方に立つ使用者に情報(例えば生体情報の測定結果)を表示する。表示部24には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイなどを用いることができる。
【0029】
洗面化粧台101は、例えば、吐出装置14の上に設けられた支持部46をさらに備える。表示部24は、例えば、この支持部46の内部に設けられている。また、支持部46は、内部に物品を収納可能なキャビネットであっても良い。
【0030】
鏡20は、吐出装置14の上に設けられている。また、鏡20は、表示部24の前方に設けられている。例えば、鏡20は、支持部46の前面に取り付けられ、鏡20の後ろ側に表示部24が配置される。鏡20は、例えば、マジックミラー(またはハーフミラー)である。鏡20に入射した光の一部は、鏡20で反射し、鏡20に入射した光の別の一部は、鏡20を透過する。すなわち、鏡20は、表示部24から射出された光の一部を前方へ透過させる。また、前方から後方へ向かって鏡20に入射した光の少なくとも一部は、前方へ反射される。
【0031】
このように鏡20は、洗面ボウル23よりも上方に配置される。そして、その鏡20の背面に表示部24が設けられる。使用者は、鏡20を介して、表示部24の表示内容を見ることができる。例えば、使用者からは、表示部24の表示内容が鏡20に表示されているように見える。洗面化粧台101を利用する使用者は、鏡20に映った自身の姿を確認しつつ、表示部24の表示内容を確認することができる。鏡20の反射率及び透過率は、特に限定されることなく、その機能を満足し得る任意の値で良い。
【0032】
鏡20には、照明22a、22b、22c、22dが設けられている。これらの照明は、例えば鏡20の四辺を取り囲むように配置される。照明22a~22dの明るさや表示部24の明るさを調節することにより、表示部24の表示内容の見易さや、鏡に映った使用者の姿の見やすさを調節することができる。
【0033】
人体検知センサ56は、前方に向かって電波を放射し、放射した電波の反射波に基づいて、使用者などの人体を検知する。人体検知センサ56は、例えば、マイクロ波センサである。マイクロ波センサは、例えば、被検知体の接近、離反、移動速度などを検知可能である。人体検知センサ56の送信するマイクロ波の周波数はGHz(ギガヘルツ)帯が好ましい。図1の例では、人体検知センサ56は、支持台16の前面に設けられている。これに限らず、人体検知センサ56の位置は、使用者を適切に検知可能な任意の位置でよい。人体検知センサ56は、洗面化粧台101の内部に設けられても良い。
【0034】
生体情報測定手段30は、使用者の生体情報を測定する。生体情報は、例えば、体温や顔色などである。生体情報は、血圧、心拍数、呼吸数、体重などであっても良い。この例では、生体情報は体温である。ただし、生体情報は、上記に限らず、使用者の身体の任意の情報で良い。
【0035】
生体情報測定手段30は、生体情報を測定するための測定部31を有する。例えば、測定部31は、非接触にて生体情報を測定するセンサなどの測定機器である。図1に示す例では、測定部31は、放射式温度計(体温計)である。放射式温度計は、物体から放射される光(例えば赤外線)を受光素子で受光し、受光した光の強度から物体の温度を測定する。ただし、測定部31は、これに限らず、使用者の身体の情報を測定可能な任意の装置で良い。例えば、測定部31は、光を検知可能なセンサ(カメラなど)でも良い。
【0036】
検知部50は、使用者の所定の行為を検知する。検知部50が検知する所定の行為は、生体情報測定開始のトリガーとなる。所定の行為は、例えば洗面化粧台101へ操作や、個人認証操作などである。図1の例では、所定の行為は、個人認証操作であり、個人認証手段50a(指紋認証装置)が検知部50として設けられている。所定の行為は、例えば洗面ユニット10の操作であっても良い。検知部50が検知する行為は、使用者が洗面化粧台101に直接触れる接触操作でも良いし、使用者が洗面化粧台101に触れない非接触操作でも良い。検知部50には、使用者の所定の行為を検知可能な任意のセンサを用いることができる。検知部50は、例えば、支持台16や洗面ユニット10(洗面器12のバックガードや洗面ボウル23のリム面など)に位置することができる。ただし、検知部50の位置は、上記に限らず、使用者の所定の行為を検知可能な任意の位置で良い。
【0037】
図2は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
図2に表したように、洗面化粧台101は、さらに制御ユニット33を備える。制御ユニット33は、生体情報測定手段30(測定部31)、検知部50(個人認証手段50a)、人体検知センサ56、表示部24、吐出装置14(図1参照)、照明22a~22d(図1参照)と通信可能である。制御ユニット33は、生体情報測定手段30、検知部50、人体検知センサ56、表示部24、吐出装置14、照明22a~22dの動作を制御可能である。制御ユニット33との通信方式は、有線でも無線でも良い。
【0038】
制御ユニット33には、マイコンなどの処理装置(コンピュータ)を用いることができる。この例では、1つの処理装置が制御ユニット33として機能している。但し、これに限らず、制御ユニット33は、有線又は無線により通信可能に接続される複数の装置に分散させて配置しても良い。なお、図2の例では、制御ユニット33は、生体情報測定手段30に含まれている。これに限らず、制御ユニット33は生体情報測定手段30とは別に設けられていても良い。制御ユニット33の構成は、上記に限ることなく、その機能を満足し得る任意の構成で良い。
【0039】
検知部50が使用者の所定の行為を検知すると、所定の行為が有ったことを示す検知信号が検知部50から制御ユニット33に送信される。制御ユニット33は、その検知信号を受信すると、生体情報測定手段30(測定部31)に指令信号を送り、生体情報の測定を開始させる。生体情報測定手段30は、生体情報の測定結果を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、生体情報の測定結果を受信すると、表示部24に生体情報の測定結果を表示させる指令信号を送信する。これにより、制御ユニット33は、表示部24に生体情報の測定結果を表示させる。
【0040】
このように実施形態によれば、洗面化粧台101に対する使用者の所定の行為をトリガーとして、自動的に生体情報測定が開始されるため、日々の生活の中で生体情報測定を習慣化することができる。自動的に生体情報測定とその結果表示とが行われるため、使い勝手が良い。
【0041】
また、自動的に測定が行われ、その結果が鏡20(表示部24)に表示されるため、結果の確認も容易である。使用者は、わざわざ別のディスプレイを起動させたり、その表示内容を見るための動作を行ったりしなくても、鏡20を見ることと併せて自然に測定結果を確認することとなる。このように自動的に生体情報測定と結果表示とが行われ、かつ、使用者がその結果表示を自然に見ることができるため、測定開始から結果の確認までの一連の動作が非常に簡単であり、生体情報を把握することの習慣化が容易となる。
【0042】
前述したように、この例では、検知部50が検知する所定の行為は、個人認証操作である。検知部50は、個人認証操作を検知して、個人認証操作による入力データを検出する個人認証手段50aである。個人認証は、制御ユニット33が、個人を特定したり識別したりすることである。例えば、使用者などの個人を識別する個人データが予め登録されている。個人認証操作は、個人データを入力することで、制御ユニット33に、使用者を識別させたり特定させたりする操作である。すなわち、使用者が、個人認証手段50aに対して所定の行為(個人認証操作)を行うことにより、個人認証操作を行った使用者が登録されている個人のうちの誰であるかが識別される。具体的には、個人認証は、指紋認証、声認証(声紋認証)、または、顔認証などである。
【0043】
例えば、指紋認証を用いる場合、個人データは、使用者の指紋の特徴を示すデータであり、個人認証手段50aは、指紋の特徴を読み取り可能なセンサを有する。この場合、個人認証操作は、センサに触れることなどにより、センサに指紋を読み取らせることである。これにより、個人認証手段50aは、使用者個人の指紋の特徴を入力データとして検出する。
【0044】
また、例えば、声認証を用いる場合、個人データは、使用者の声紋の特徴を示すデータであり、個人認証手段50aは、声を検知可能なマイクを有する。この場合、個人認証操作は、マイクに向かって発声することである。これにより、個人認証手段50aは、使用者個人の声の特徴を入力データとして検出する。
【0045】
また、例えば、顔認証を用いる場合、個人データは、使用者の顔の特徴を示すデータであり、個人認証手段50aは、カメラを有する。この場合、個人認証操作は、カメラの撮像範囲内でカメラに顔を向けることである。これにより、個人認証手段50aは、使用者の顔の画像の特徴を入力データとして検出する。
但し、上記に限らず、個人認証には、瞳認証(虹彩認証)や静脈認証など、個人を識別可能な任意の方式を用いて良い。
【0046】
図2に表したように、制御ユニット33は、個人データ蓄積手段35を有する。個人データ蓄積手段35は、生体情報測定手段30の測定結果である生体情報と、個人データと、を対応づけて記憶する。これにより、使用者のそれぞれについての生体情報が蓄積される。例えば使用者ごとに生体情報の日々の変化などを確認することができる。
【0047】
個人データ蓄積手段35には、例えば、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶装置を用いることができる。また、図2の例では、個人データ蓄積手段35は、制御ユニット33に含まれている。但し、個人データ蓄積手段35は、制御ユニット33とは別に設けられても良い。個人データ蓄積手段35は、上記に限ることなく、その機能を満足し得る任意の記憶装置でよい。例えば、個人データ蓄積手段35は、制御ユニット33と通信可能な外部機器(例えばネットワークを介したクラウド(サーバ)など)であっても良い。
【0048】
図2の例では、複数の使用者の個人データが予め登録されている。すなわち、第1使用者を示す個人データが「登録1」、第2使用者を示す個人データが「登録2」、第z使用者を示す個人データが「登録z」として記憶されている。生体情報の測定結果は、予め登録された個人データのいずれかと対応づけて記憶される(個人モード33a)。
【0049】
制御ユニット33は、個人認証操作による入力データ(個人認証操作により得られた使用者の個人データ)と、個人データ蓄積手段35に記憶された個人データと、が一致する場合、個人モード33aを開始する。なお、「一致する」とは、特徴が対応することなどにより、同一の人物を示すと推定されることである。個人モードは、生体情報の測定結果を、一致した個人データと対応づけて個人データ蓄積手段に記録する。一方、制御ユニット33は、個人認証操作による入力データと、個人データ蓄積手段35に記憶された個人データと、が一致しない場合は、個人モードを開始しない。
【0050】
このように、個人データと紐付けた個人認証を導入することにより、個人ごとの生体情報の管理が容易になる。例えば、例えば家族がいる家庭など複数人が洗面化粧台を利用する状況において日々の健康管理の利便性を向上させることができる。
【0051】
また、個人認証操作がトリガーとなり、個人認証操作の検知と連動して自動的に生体情報測定が開始される。つまり、検知部50が検知する使用者の所定の行為は、生体情報測定開始のトリガーと、個人認証と、の2つの役割を兼ねている。これにより、使用者にとって生体情報測定を開始するためだけの入力操作が不要となり利便性が高い。
【0052】
制御ユニット33は、個人認証操作による入力データと、個人データ蓄積手段35に記憶された個人データと、が一致しない場合は、生体情報の測定結果を記録しないゲストモード33bを開始する。これにより、個人データを予め登録していない使用者も、生体情報の測定結果を記録することなく、生体情報を測定することができる。
【0053】
また、図2に表したように、実施形態に係る洗面化粧台には、後述する再認証手段52及び受信部54が設けられても良い。
【0054】
図3は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す模式図である。
図3に示したように、洗面化粧台102は、受信部54を備える。これ以外については、洗面化粧台102には、洗面化粧台101と同様の説明を適用できる。
【0055】
受信部54は、外部から、使用者を特定する信号(特定信号)を受信可能である。受信部54は、特定信号を受信すると、その特定信号に対応した信号を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、受信部54からの信号を受信することで、使用者を特定する特定信号の情報を得る。このようにして、制御ユニット33は、外部からの特定信号に基づいて使用者が誰であるかを特定しても良い。
【0056】
例えば、ゲストモードにおいて制御ユニット33が生体情報の測定結果を表示部24に表示させた後の所定時間の間に、受信部54は、特定信号を受信し、その特定信号に対応した信号を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、受信部54からの信号に基づいて、特定信号により特定された使用者が、個人データが予め登録されている個人のうちの誰であるかを識別する。そして、制御ユニット33は、特定信号により特定された使用者の個人データと対応づけて、生体情報の測定結果を個人データ蓄積手段35に記録する。
【0057】
このような構成によれば、個人認証手段50aの不具合などにより個人認証が失敗してゲストモードが開始された場合でも、予め個人データが登録されている使用者が、生体情報測定後に測定結果を個人データと対応づけて記録することができる。
【0058】
例えば、図3に表したように、受信部54は、使用者U1が外部の通信端末T1(スマートフォンなど)から送信した特定信号を受信する。受信部54と通信端末T1との通信は、図3のように外部のクラウドC1等を利用したネットワーク経由で行われても良いし、受信部54と通信端末T1とが、クラウドC1などを介さずに直接通信しても良い。また、受信部54との通信は、無線でも有線でも良い。例えば、受信部54との通信には、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、またはNFC(Near Field Communication)などの通信規格を利用しても良い。
【0059】
受信部54には、例えば通信モジュール又は通信インターフェースが用いられる。また、特定信号は、スマートフォンなどのモバイル端末に限らず、信号を送信可能な任意の外部機器から送信されても良い。
【0060】
図4は、第1の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
洗面化粧台101の周囲に使用者がいない場合は、人体検知センサ56は使用者を検知しない(ステップS101:NO)。使用者が洗面化粧台101に近づくと、人体検知センサ56は、使用者を検知し(ステップS101:YES)、使用者が存在することを示す検知信号を制御ユニット33に送信する。
【0061】
制御ユニット33は、人体検知センサ56からの検知信号を受信すると、生体情報測定準備及び個人認証準備を実行する(ステップS102)。準備は、例えば、測定部31、個人認証手段50a、及び表示部24などの電源をオンにすることである。
【0062】
使用者が個人認証操作を行うと、個人認証手段50aは、個人認証操作を検知して、個人認証操作による入力データを示す信号を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、個人認証手段50aからの信号に基づいて、個人認証を行う(ステップS103)。
【0063】
制御ユニット33は、個人認証操作による入力データと、個人データ蓄積手段35に記憶された個人データと、が一致する場合(ステップS103:YES)、個人モードを開始する(ステップS104)。
【0064】
個人モードにおいて、制御ユニット33は、生体情報測定手段30(測定部31)を制御して、生体情報の測定を行い(ステップS105)、その測定結果を表示部24に表示させる(ステップS106)。また、個人モードにおいて、個人データ蓄積手段35は、生体情報の測定結果を、個人認証で特定された個人の個人データに対応づけて記憶する(ステップS107)。
【0065】
制御ユニット33は、個人認証操作による入力データと、個人データ蓄積手段35に記憶された個人データと、が一致しない場合(ステップS103:NO)、ゲストモードを開始する(ステップS108)。
【0066】
ゲストモードにおいて、制御ユニット33は、生体情報測定手段30(測定部31)を制御して、生体情報の測定を行い(ステップS109)、その測定結果を表示部24に表示させる(ステップS110)。測定結果の表示開始から所定時間以内に、受信部54が使用者を特定する特定信号を受信しない場合(ステップS111:NO)、ゲストモードが継続され、測定結果は記憶されない(ステップS112)。
【0067】
測定結果の表示開始から所定時間以内に、使用者がスマートフォンなどの外部端末から洗面化粧台に特定信号を送信し、受信部54が特定信号を受信すると(ステップS111:YES)、制御ユニット33は、個人モードの実行を開始する(ステップS113)。個人モードにおいて、個人データ蓄積手段35は、生体情報の測定結果を、特定信号で特定された個人の個人データに対応づけて記憶する(ステップS114)。
【0068】
なお、ステップS111における所定時間は、例えば、使用者が洗面化粧台の前から、別の部屋に置かれた外部端末を取りに行って戻ってくるのに要する時間を目安に設定される。この所定時間は、例えば30秒以上2分以下であり、例えば1分程度である。
【0069】
予め個人データが登録された使用者が、ステップS103における個人認証に失敗した場合でも、ステップS111により、後から手動でより確実に個人認証を行うことができる。
【0070】
図5は、第1の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図5に示す例では、洗面化粧台101は、再認証手段52(図2参照)を備えている。ステップS201~S210は、図4に関して説明したステップS101~S110と同様である。
【0071】
ゲストモードにおいて、制御ユニット33は、ステップS209で測定した生体情報の測定結果が、個人データ蓄積手段35に記録されている生体情報と類似するか否かを分析する(ステップS211)。ステップS209の測定結果が、個人データ蓄積手段35に記録された生体情報に類似する場合(ステップS212:YES)、その類似する生体情報が対応づけられた個人データが特定する人物(既登録者)と、現在の洗面化粧台101の使用者と、が同一人物である可能性がある。そこで、制御ユニット33は、表示部24を制御して、使用者が既登録者である可能性があることを示す提案(登録者該当提案)を表示させる(ステップS213)。例えば、表示部24は、「あなたはAさんですか?」などと表示する。「A」は、予め個人データが登録され、その個人データに対応づけられた生体情報が記録された既登録者である。
【0072】
制御ユニット33は、登録者該当提案の表示開始から所定時間の間に、再認証操作(さらなる個人認証操作)を受け付ける。再認証操作において、使用者は、再認証手段52に個人認証操作を行う(ステップS214:YES)。再認証手段52は、再認証操作を検知して、再認証操作による入力データを検出し制御ユニット33へ送信する。なお、この例では、再認証手段52はスイッチであり、再認証操作はスイッチを操作することである。
【0073】
制御ユニット33は、再認証操作によって使用者が特定の既登録者であると確認された場合、個人モードの実行を開始する(ステップS215)。この個人モードにおいて、個人データ蓄積手段35は、生体情報の測定結果を、再認証操作で特定された個人の個人データに対応づけて記憶する(ステップS216)。
【0074】
一方、ステップS209の測定結果が、個人データ蓄積手段35に記録された生体情報に類似していなかった場合(ステップS212:NO)、または、再認証操作が行われなかった場合や再認証操作で使用者が特定されなかった場合(ステップS214:NO)、ゲストモードが継続され、測定結果は記憶されない(ステップS217)。
【0075】
以上説明したように、制御ユニット33は、ゲストモードにおいて生体情報の測定結果が、個人データ蓄積手段に記録された生体情報のいずれかと類似するか否かを分析する。制御ユニット33は、測定結果が、個人データ蓄積手段に記録された生体情報のいずれかと類似する場合は、その類似する生体情報に対応づけられた個人(既登録者)に使用者が該当する可能性を示す提案(登録者該当提案)を表示部24に表示させる。そして、制御ユニット33は、提案の表示から所定時間の間にさらなる個人認証操作を受け付ける。
【0076】
このような構成によれば、予め個人データが登録されている使用者が、個人認証手段50aの不具合などによって個人認証に失敗したとしても、さらなる個人認証を行うことで、生体情報測定後に測定結果を個人データと対応づけて記録することができる。
【0077】
なお、上述したように、この例では、再認証手段52には、スイッチが用いられている。スイッチには、機械的なボタン、タッチパネル、または、非接触式のセンサなど、信号を入力可能な任意の入力手段を用いることができる。使用者は、例えば、登録者該当提案に対応してスイッチに信号を入力することにより、自身が既登録者であることを示す応答を行うことができる。これにより、使用者が特定の既登録者(予め個人データが登録された個人のいずれか)であると特定される。このように、再認証操作は、スイッチ操作により登録者該当提案に応答することを含んでも良い。これにより、使用者を識別することができる。
但し、再認証手段52や再認証操作は上記に限らない。例えば、再認証には、指紋認証、声認証、顔認証、瞳認証または静脈認証など、個人を識別可能な任意の方式を用いても良い。この場合、再認証手段52は、例えばセンサ、マイクまたはカメラなどを有し、再認証操作は、再認証手段52に使用者の特徴(例えば指紋、声、瞳または静脈などの特徴)を検出させる行為である。再認証は、個人認証手段50aと同じ方式を用いても良いし、別の方式であっても良い。また、再認証手段52を設けずに、再認証操作として再び個人認証手段50aによる認証を行っても良い。
【0078】
また、例えば、ステップS211における分析では、制御ユニット33は、生体情報の測定結果と、少なくとも1つ以上の過去データ(すなわち、個人データ蓄積手段35に記録された生体情報)とを比較する。例えば、ステップS209における測定結果と各個人の1つ以上の過去データとを比較し、測定結果に最も近い過去データが、測定結果に類似していると判断される。また、例えば、ステップS209における測定結果と各個人の1つ以上の過去データとを比較し、測定結果とのずれが所定値以内の過去データが、測定結果に類似していると判断される。
また、ステップS211における分析では、過去データが取得された時間をさらに考慮しても良い。例えば、個人によって朝や夜に定期的に生体情報を測定する傾向が考えられる。そこで、各個人の測定時刻や測定時間間隔を考慮して、類似性を分析しても良い。例えば、一週間以内に測定された過去データに対応する登録者が、現在の使用者の候補とされる。
【0079】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
洗面化粧台201においても、生体情報測定手段30(測定部31)、制御ユニット33、人体検知センサ56、鏡20、表示部24及び吐出装置14が設けられる。また、図示を省略した洗面器12(洗面ボウル23など)が設けられる。洗面化粧台201には、適宜、支持台16や支持部46などが設けられても良い。
【0080】
第2の実施形態においては、検知部50が検知する使用者の所定の行為は、操作部44における吐水操作または止水操作である。図6の例では、吐出装置14の操作部44に検知部50が設けられている。検知部50には、例えば、機械的な接点を有するスイッチ、静電式または光学式スイッチなど、操作部44の動作を検知可能なセンサを用いることができる。検知部50は、上記に限ることなく、吐水操作又は止水操作を検知可能な任意の構成で良い。検知部50は、吐水操作又は止水操作を検知可能であれば、操作部44と一体に設けられていても良いし、操作部44とは別に設けられていても良い。
【0081】
検知部50が使用者による吐水操作又は止水操作を検知すると、吐水操作又は止水操作が有ったことを示す検知信号が検知部50から制御ユニット33に送信される。制御ユニット33は、その検知信号を受信すると、生体情報測定手段30(測定部31)に指令信号を送り、生体情報の測定を開始させる。生体情報測定手段30は、生体情報の測定結果を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、生体情報の測定結果を受信すると、表示部24に生体情報の測定結果を表示させる指令信号を送信する。
【0082】
このようにして、第2の実施形態においても、洗面化粧台201に対する使用者の所定の行為をトリガーとして、自動的に生体情報測定が開始されるため、日々の生活の中で生体情報測定を習慣化することができる。自動的に生体情報測定とその結果表示とが行われるため、使い勝手が良い。また、自動的に測定が行われ、その結果が鏡20(表示部24)に表示されるため、結果の確認も簡単である。
【0083】
また、検知部50は、吐水操作又は止水操作を検知する。これにより、使用者が手洗いや洗面などを行っていると想定されるタイミング、換言すると、使用者がより確実に洗面ボウルに向かって体を乗り出し、姿勢を固定しているタイミングに、例えば血圧や体温などの生体情報の測定を開始することができる。これにより、精度の高い生体情報測定が可能となる。
【0084】
図7は、第2の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図8(a)~図8(c)は、第2の実施形態に係る洗面化粧台の動作を表す模式図である。
図7及び図8(a)~図8(c)の例では、検知部50は、吐水操作を検知する。また、生体情報として体温が測定されている。
【0085】
図7に表したように、洗面化粧台201の周囲に使用者がいない場合は、人体検知センサ56は使用者を検知しない(ステップS301:NO)。使用者が洗面化粧台201に近づくと、人体検知センサ56は、使用者を検知し(ステップS301:YES)、使用者が存在することを示す検知信号を制御ユニット33に送信する。
【0086】
制御ユニット33は、制御ユニット33は、人体検知センサ56からの検知信号を受信すると、生体情報測定準備を実行する(ステップS302、図8(a))。
【0087】
使用者が吐出装置14の操作部44を操作しない場合(ステップS303:NO)、生体情報測定手段は待機状態である。使用者が操作部44に対して吐水操作を行うと(ステップS303:YES)、検知部50は、吐水操作を検知して、吐水操作が有ったことを示す信号を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、検知部50からの信号に基づいて、生体情報測定手段30(測定部31)に生体情報の測定を開始させる(ステップS304、図8(b))。
【0088】
生体情報測定手段30は、生体情報の測定が完了するまで測定を行う(ステップS305:NO)。生体情報測定手段30は、測定が完了すると(ステップS305:YES)、測定結果を制御ユニット33に送信する。制御ユニット33は、表示部24に測定結果を表示させる(ステップS306、図8(c))。
【0089】
この例では、生体情報測定手段30の測定部31は、非接触にて生体情報を測定する放射式温度計である。測定部31は、例えば受光素子を有する。図8(a)~図8(c)に表したように、測定部31(受光素子)は、洗面ボウル23よりも上方に位置し、洗面ボウル23の上方に設けられた鏡20よりも下方に位置する。また、図8(b)に表したように、測定部31の検知方向は、前方に向けて斜め上方を向いている。すなわち、測定部31は、測定部31の前方かつ上方の物体から放射される光(例えば赤外線)を受けやすい向きに配置されている。このような構成によれば、手洗などを行う際に下方の洗面ボウルに向いている使用者の顔と対向する位置に、非接触で生体情報を測定する測定部が配置され、測定部の検知方向が使用者の顔に向けられる。これにより、さらに精度の高い生体情報測定が可能となる。測定部31は、例えば、洗面器12のバックガードや、洗面化粧台201の前に立った使用者と対向する面に設けられても良い。
【0090】
また、図8(a)~図8(c)の例では、吐水部42及び操作部44は、測定部31と左右方向において並んでいる。吐水部42及び操作部44も、洗面ボウル23よりも上方に位置し、鏡20よりも下方に位置する。これにより、使用者が、吐水操作、止水操作、手洗い、または洗面などを行う際に、使用者の顔が下方を向く。すなわち、使用者の顔が測定部31の方向を向きやすく、測定部31の検知方向と対向しやすい。これにより、例えば使用者の顔(額など)からの光を測定しやすいため、測定の精度を向上させることができる。
【0091】
なお、第1の実施形態に係る洗面化粧台101においても、例えば図1に表したように、測定部31及び検知部50を鏡20の下方に配置しても良い。また、測定部31及び検知部50を左右に並べて配置しても良い。測定部31及び検知部50を、隣接させて傍に配置しても良い。これにより、検知部50が使用者の所定の行為を検知する際に、使用者の顔が測定部31の方向を向きやすい。したがって、使用者の所定の行為から連続して自動的に生体情報の測定が開始される際に、使用者の顔が測定部31の検知方向と対向しやすい。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面化粧台が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0093】
10 洗面ユニット、 12 洗面器、 14 吐出装置、 16 支持台、 20 鏡、 22a~22d 照明、 23 洗面ボウル、 24 表示部、 30 生体情報測定手段、 31 測定部、 33 制御ユニット、 35 個人データ蓄積手段、 42 吐水部、 44 操作部、 46 支持部、 50 検知部、 50a 個人認証手段、 52 再認証手段、 54 受信部、 56 人体検知センサ、 101、102、201 洗面化粧台、 C1 クラウド、 S101~S114、S201~S217、S301~S306 ステップ、 T1 通信端末、 U1 使用者


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8