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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163220
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20241114BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241114BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241114BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20241114BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20241114BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20241114BHJP
   H10K 50/30 20230101ALI20241114BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611H
G09G3/20 611J
G09G3/20 624B
G09G3/20 621A
G09F9/30 338
H05B33/14 Z
H05B33/02
H10K50/10
H10K50/30
H10K59/131
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151314
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2023119572の分割
【原出願日】2010-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2009045574
(32)【優先日】2009-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】木村 肇
(57)【要約】
【課題】トランジスタのしきい値電圧のばらつき及び移動度のばらつきの影響を低減でき
る半導体装置の駆動方法を提供することを課題とする。
【解決手段】nチャネル型の導電型を有するトランジスタと、トランジスタのゲートと第
1の端子との電気的な接続を制御するためのスイッチと、トランジスタのゲートと第2の
端子との間に電気的に接続された容量素子と、表示素子と、を有する半導体装置の駆動方
法であって、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧及び映像信号電圧の
和を保持する第1の期間と、スイッチを導通状態とすることにより、映像信号電圧及びし
きい値電圧の和に応じて容量素子に保持された電荷を、トランジスタを介して放電する第
2の期間と、第2の期間の後に、トランジスタを介して、表示素子に電流を供給する第3
の期間と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
nチャネル型の導電型を有するトランジスタと、
前記トランジスタのゲートと前記トランジスタの第1の端子との導通状態を制御するためのスイッチと、
前記トランジスタのゲートと前記トランジスタの第2の端子との間に電気的に接続された容量素子と、
表示素子と、
を有する半導体装置の駆動方法であって、
前記容量素子に、前記トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧及び映像信号電圧の和を保持する第1の期間と、
前記スイッチを導通状態とすることにより、前記映像信号電圧及び前記しきい値電圧の和に応じて前記容量素子に保持された電荷を、前記トランジスタを介して放電する第2の期間と、
前記第2の期間の後に、前記トランジスタを介して、前記表示素子に電流を供給する第3の期間と、
を有する半導体装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、表示装置、若しくは発光装置、又はそれらの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイが広く普及してき
ている。しかしながら、LCDには、視野角が狭い、色度範囲が狭い、応答速度が遅い、
などの様々な欠点を有している。そこで、それらの欠点を克服したディスプレイとして、
有機EL(エレクトロルミネッセンス、有機発光ダイオード、オーレッドなどとも言う)
ディスプレイの研究が活発に行われている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、有機ELディスプレイには、有機EL素子に流れる電流を制御するための
トランジスタの電流特性が、画素毎にばらついてしまう、という問題点があった。有機E
L素子に流れる電流(すなわち、トランジスタを流れる電流)がばらつけば、有機EL素
子の輝度もばらつき、ムラのある表示画面となってしまう。そこで、トランジスタのしき
い値電圧のバラツキを補正する方法が検討されている(特許文献2乃至6)。
【0004】
しかし、トランジスタのしきい値電圧のバラツキを補正しても、トランジスタの移動度が
ばらつけば、有機EL素子に流れる電流もばらついてしまい、画像ムラを生じてしまう。
そこで、トランジスタのしきい値電圧だけでなく、移動度のバラツキも補正する方法が検
討されている(特許文献7乃至8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-216110号公報
【特許文献2】特開2003-202833号公報
【特許文献3】特開2005-31630号公報
【特許文献4】特開2005-345722号公報
【特許文献5】特開2007-148129号公報
【特許文献6】国際公開第2006/060902号パンフレット
【特許文献7】特開2007-148128号公報([0098]段落)
【特許文献8】特開2007-310311号公報([0026]段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献7乃至8で開示された技術においては、映像信号(ビデオ信号)を画素に入力し
ながら、トランジスタの移動度のばらつきの補正を行っており、問題が生じる。
【0007】
例えば、映像信号を入力しながら移動度のばらつきの補正を行うため、その間は、別の画
素に映像信号を入力することが出来ない。通常、画素数、フレーム周波数または画面サイ
ズなどが決まれば、各画素に映像信号を入力する期間(いわゆる、1ゲート選択期間また
は1水平期間)の最大値も決まる。よって、1ゲート選択期間中に、移動度のバラツキの
補正を行う期間が増えることにより、他の処理(映像信号の入力やしきい値電圧の取得な
ど)の期間が減ってしまう。そのため画素では、1ゲート選択期間中に、様々な処理を行
わなければならないこととなる。結果として、処理期間が足りず、正確な処理を行えない
、または、移動度のバラツキの補正の期間を十分に確保することができないために移動度
の補正が不十分となってしまう。
【0008】
さらに、画素数やフレーム周波数が高くなる、または画面サイズが大きくなると、1画素
当たりの1ゲート選択期間がますます短くなる。そのため、画素への映像信号の入力のた
めの時間や、移動度のばらつきの補正のための時間などが十分に確保できなくなってしま
う。
【0009】
あるいは、映像信号を入力しながら移動度のばらつきの補正を行う場合、移動度のばらつ
きの補正は、映像信号の波形のなまりの影響を受けやすい。そのため、映像信号の波形の
なまりが大きい場合と小さい場合とでは、移動度の補正の程度にばらつきが生じてしまい
、正確な補正が出来ない。
【0010】
あるいは、画素に映像信号を入力しながら移動度のばらつきの補正を行う場合、点順次駆
動を行うことが困難である場合が多い。点順次駆動では、ある行の画素に映像信号を入力
する場合、その行の全ての画素に同時に映像信号を入力するのではなく、1画素ずつ順に
映像信号を入力していく。したがって、映像信号を入力している期間の長さは、画素毎に
異なってくる。よって、映像信号を入力しながら移動度のばらつきの補正を行う場合、画
素毎に移動度のばらつきの補正期間が異なってきてしまうため、補正量も画素毎に異なっ
てしまい、正常に補正を行うことが出来ない。したがって、映像信号を入力しながら移動
度のばらつきの補正を行う場合は、点順次駆動ではなく、その行の全ての画素に同時に信
号を入力する線順次駆動を行う必要がある。
【0011】
さらに、線順次駆動を行う場合、点順次駆動を行う場合と比べて、ソース信号線駆動回路
(ビデオ信号線駆動回路、ソースドライバー、データドライバーとも言う)の構成が複雑
になる。例えば、線順次駆動でのソース信号線駆動回路は、DAコンバータ、アナログバ
ッファ、ラッチ回路などの回路が必要となる場合が多い。しかし、アナログバッファは、
オペアンプやソースフォロワ回路などで構成される場合が多く、トランジスタの電流特性
のばらつきの影響を受けやすい。したがって、TFT(薄膜トランジスタ)を用いて回路
を構成する場合、トランジスタの電流特性のばらつきを補正する回路が必要となり、回路
の規模が大きくなってしまったり、消費電力が大きくなってしまったりする。そのため、
画素部分のトランジスタとしてTFTが用いられている場合には、画素部分と信号線駆動
回路とを同一基板上に形成することが困難となる可能性がある。そのため、信号線駆動回
路を画素部分とは別の手段を用いて作成する必要があり、コストが高くなってしまう可能
性がある。さらに、画素部分と信号線駆動回路とを、COG(チップ・オン・グラス)ま
たはTAB(テープ・オートメイテド・ボンディング)などを用いて接続する必要があり
、接触不良などを起こしてしまったり、信頼性を損ねてしまったりする。
【0012】
そこで、本発明の一態様は、トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を低減するこ
とを課題とする。または、本発明の一態様は、トランジスタの移動度のばらつきの影響を
低減することを課題とする。または、本発明の一態様は、トランジスタの電流特性のばら
つきの影響を低減することを課題とする。または、本発明の一態様は、映像信号の入力期
間を長く確保することを課題とする。または、本発明の一態様は、しきい値電圧のばらつ
きの影響を低減するための補正期間を長く確保することを課題とする。または、本発明の
一態様は、移動度のばらつきの影響を低減するための補正期間を長く確保することを課題
とする。または、本発明の一態様は、映像信号の波形のなまりの影響を受けにくくするこ
とを課題とする。または、本発明の一態様は、線順次駆動だけでなく、点順次駆動を用い
ることも出来ることを課題とする。または、本発明の一態様は、画素と駆動回路とを同じ
基板上に形成することを課題とする。または、本発明の一態様は、消費電力を低くするこ
とを課題とする。または、本発明の一態様は、製造コストを低くすることを課題とする。
または、本発明の一態様は、配線の接続部分の接触不良を起こす可能性を低減することを
課題とする。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお
、本発明の一態様は、上記の課題の全てを解決する必要はないものとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、nチャネル型の導電型を有するトランジスタと、トランジスタのゲー
トとトランジスタの第1の端子との導通状態を制御するためのスイッチと、トランジスタ
のゲートとトランジスタの第2の端子との間に電気的に接続された容量素子と、表示素子
と、を有する半導体装置の駆動方法であって、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧
に応じた電圧及び映像信号電圧の和を保持する第1の期間と、スイッチを導通状態とする
ことにより、映像信号電圧及びしきい値電圧の和に応じて容量素子に保持された電荷を、
トランジスタを介して放電する第2の期間と、第2の期間の後に、トランジスタを介して
、表示素子に電流を供給する第3の期間と、を有する半導体装置の駆動方法である。
【0014】
本発明の一態様は、nチャネル型の導電型を有するトランジスタと、トランジスタのゲー
トとトランジスタの第1の端子との導通状態を制御するためのスイッチと、トランジスタ
のゲートとトランジスタの第2の端子との間に電気的に接続された容量素子と、表示素子
と、を有する半導体装置の駆動方法であって、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧
に応じた電圧を保持する第1の期間と、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧に応じ
た電圧及び映像信号電圧の和を保持する第2の期間と、スイッチを導通状態とすることに
より、映像信号電圧及びしきい値電圧の和に応じて容量素子に保持された電荷を、トラン
ジスタを介して放電する第3の期間と、第3の期間の後に、トランジスタを介して、表示
素子に電流を供給する第4の期間と、を有する半導体装置の駆動方法である。
【0015】
本発明の一態様は、nチャネル型の導電型を有するトランジスタと、トランジスタのゲー
トとトランジスタの第1の端子との導通状態を制御するためのスイッチと、トランジスタ
のゲートとトランジスタの第2の端子との間に電気的に接続された容量素子と、表示素子
と、を有する半導体装置の駆動方法であって、容量素子に保持された電圧を初期化するた
めの第1の期間と、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧を保持する第
2の期間と、容量素子に、トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧及び映像信号電圧の
和を保持する第3の期間と、スイッチを導通状態とすることにより、映像信号電圧及びし
きい値電圧の和に応じて容量素子に保持された電荷を、トランジスタを介して放電する第
4の期間と、第4の期間の後に、トランジスタを介して、表示素子に電流を供給する第4
の期間と、を有する半導体装置の駆動方法である。
【0016】
なお、スイッチは、様々な形態のものを用いることができる。例としては、電気的スイッ
チや機械的なスイッチなどがある。つまり、電流の流れを制御できるものであればよく、
特定のものに限定されない。例えば、スイッチとして、トランジスタ(例えば、バイポー
ラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、P
INダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator
Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semicond
uctor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)などを用いることが出来
る。または、これらを組み合わせた論理回路をスイッチとして用いることが出来る。
【0017】
機械的なスイッチの例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、
MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある
。そのスイッチは、機械的に動かすことが出来る電極を有し、その電極が動くことによっ
て、導通と非導通とを制御して動作する。
【0018】
なお、Nチャネル型トランジスタとPチャネル型トランジスタの両方を用いて、CMOS
型のスイッチをスイッチとして用いてもよい。
【0019】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続
されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続され
ている場合とを含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路
、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係、
例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関
係以外のものも含むものとする。
【0020】
例えば、AとBとが電気的に接続されている場合として、AとBとの電気的な接続を可能
とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイ
オードなど)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。あるいは、AとBとが
機能的に接続されている場合として、AとBとの機能的な接続を可能とする回路(例えば
、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回
路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、
降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、
切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、
差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制
御回路など)が、AとBとの間に1個以上接続されていてもよい。例えば、AとBとの間
に別の回路を挟んでいても、Aから出力された信号がBへ伝達される場合は、AとBとは
機能的に接続されているものとする。
【0021】
なお、AとBとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気
的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟んで接続され
ている場合)と、AとBとが機能的に接続されている場合(つまり、AとBとの間に別の
回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、AとBとが直接接続されている場合(つ
まり、AとBとの間に別の素子や別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むもの
とする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続され
ている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0022】
なお、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、発光素子を有する装
置である発光装置は、様々な形態を用いたり、様々な素子を有することが出来る。例えば
、表示素子、表示装置、発光素子または発光装置は、EL(エレクトロルミネッセンス)
素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色
LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光
するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティ
ングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタルマイク
ロミラーデバイス(DMD)、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブ、な
ど、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒
体を有することができる。なお、EL素子を用いた表示装置としてはELディスプレイ、
電子放出素子を用いた表示装置としてはフィールドエミッションディスプレイ(FED)
やSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface-conduction E
lectron-emitter Disply)など、液晶素子を用いた表示装置とし
ては液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液
晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)、電子インクや電
気泳動素子を用いた表示装置としては電子ペーパーがある。
【0023】
なお、液晶素子とは、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素
子であり、一対の電極、及び液晶により構成される。なお、液晶の光学的変調作用は、液
晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御
される。なお、液晶素子としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック
液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、
高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、
側鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶などを挙げること
ができる。また、液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)モ
ード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-
Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Swi
tching)モード、MVA(Multi-domain Vertical Ali
gnment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignm
ent)モード、ASV(Advanced Super View)モード、ASM(
Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード
、OCB(Optically Compensated Birefringence
)モード、ECB(Electrically Controlled Birefri
ngence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crys
tal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Cr
ystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid
Crystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モー
ドなどを用いることができる。ただし、これに限定されず、液晶素子及びその駆動方法と
して様々なものを用いることができる。
【0024】
なお、トランジスタとして、様々な形態のトランジスタを用いることが出来る。よって、
用いるトランジスタの種類に限定はない。例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微
結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなど
に代表される非単結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることが
出来る。
【0025】
なお、多結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、結
晶性をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。なお
、微結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、結晶性
をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。ただし、
触媒(ニッケルなど)を用いずに、多結晶シリコンや微結晶シリコンを製造することは可
能である。
【0026】
なお、シリコンの結晶性を、多結晶または微結晶などへと向上させることは、パネル全
体で行うことが望ましいが、それに限定されない。パネルの一部の領域のみにおいて、シ
リコンの結晶性を向上させてもよい。
【0027】
または、半導体基板やSOI基板などを用いてトランジスタを形成することが出来る。
【0028】
または、ZnO、a-InGaZnO、SiGe、GaAs、IZO、ITO、SnO
、TiO、AlZnSnO(AZTO)などの化合物半導体または酸化物半導体を有する
トランジスタや、さらに、これらの化合物半導体または酸化物半導体を薄膜化した薄膜ト
ランジスタなどを用いることが出来る。なお、これらの化合物半導体または酸化物半導体
を、トランジスタのチャネル部分に用いるだけでなく、それ以外の用途で用いることも出
来る。例えば、これらの化合物半導体または酸化物半導体を抵抗素子、画素電極、透光性
を有する電極として用いることができる。さらに、それらをトランジスタと同時に成膜又
は形成できるため、コストを低減できる。
【0029】
または、インクジェットや印刷法を用いて形成したトランジスタなどを用いることが出
来る。
【0030】
または、有機半導体やカーボンナノチューブを有するトランジスタ等を用いることがで
きる。これらにより、曲げることが可能な基板上にトランジスタを形成することが出来る
。このような基板を用いた半導体装置は、衝撃に強くすることができる。
【0031】
さらに、様々な構造のトランジスタを用いることができる。例えば、MOS型トランジ
スタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタなどをトランジスタとして用いるこ
とが出来る。
【0032】
なお、MOS型トランジスタ、バイポーラトランジスタなどを1つの基板に混在させて
形成してもよい。
【0033】
その他、様々なトランジスタを用いることができる。
【0034】
なお、トランジスタは、様々な基板を用いて形成することが出来る。基板の種類は、特
定のものに限定されることはない。その基板としては、例えば、単結晶基板(例えばシリ
コン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステン
レス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タン
グステン・ホイルを有する基板、可撓性基板などを用いることが出来る。ガラス基板の一
例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどがある。可撓性
基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアク
リル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。他にも、貼り合わせフィルム(ポリプロピ
レン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなど)、繊維状な材料を含
む紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、紙類
等)などがある。または、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板に
トランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転
置される基板としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック
基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)
、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、
キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレ
ス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることができる。
あるいは、人などの動物の皮膚(表皮、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。
または、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その基板を研磨して薄くしてもよい。
研磨される基板としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチッ
ク基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用い
ることができる。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消
費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又
は薄型化を図ることができる。
【0035】
なお、トランジスタの構成は、様々な形態をとることができ、特定の構成に限定されな
い。例えば、ゲート電極が2個以上のマルチゲート構造を適用することができる。
【0036】
別の例として、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造を適用することができ
る。なお、チャネルの上下にゲート電極が配置される構成にすることにより、複数のトラ
ンジスタが並列に接続されたような構成となる。
【0037】
チャネル領域の上にゲート電極が配置されている構造、チャネル領域の下にゲート電極
が配置されている構造、正スタガ構造、逆スタガ構造、チャネル領域を複数の領域に分け
た構造、チャネル領域を並列に接続した構造、またはチャネル領域が直列に接続する構成
も適用できる。さらに、チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極
が重なっている構造も適用できる。
【0038】
なお、トランジスタは、様々なタイプを用いることができ、様々な基板を用いて形成さ
せることができる。したがって、所定の機能を実現させるために必要な回路の全てが、同
一の基板に形成することも可能である。例えば、所定の機能を実現させるために必要な回
路の全てが、ガラス基板、プラスチック基板、単結晶基板、またはSOI基板などの様々
な基板を用いて形成することも可能である。あるいは、所定の機能を実現させるために必
要な回路の一部が、ある基板に形成され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別
の一部が、別の基板に形成されていることも可能である。つまり、所定の機能を実現させ
るために必要な回路の全てが同じ基板を用いて形成されていなくてもよい。例えば、所定
の機能を実現させるために必要な回路の一部は、ガラス基板上にトランジスタにより形成
され、所定の機能を実現させるために必要な回路の別の一部は、単結晶基板に形成され、
単結晶基板を用いて形成されたトランジスタで構成されたICチップをCOG(Chip
On Glass)でガラス基板に接続して、ガラス基板上にそのICチップを配置す
ることも可能である。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Automate
d Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続することも可能である。
【0039】
なお、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端
子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ド
レイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことが出来る。ここで、ソ
ースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソ
ースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレイン
として機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例
としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを
第1電極、第2電極と表記する場合がある。あるいは、第1領域、第2領域と表記する場
合がある。
【0040】
なお、トランジスタは、ベースとエミッタとコレクタとを含む少なくとも三つの端子を
有する素子であってもよい。この場合も同様に、エミッタとコレクタとを、第1端子、第
2端子などと表記する場合がある。
【0041】
なお、Aの上にBが形成されている、あるいは、A上にBが形成されている、と明示的
に記載する場合は、Aの上にBが直接接して形成されていることに限定されない。直接接
してはいない場合、つまり、AとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。
ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層
、など)であるとする。
【0042】
従って例えば、層Aの上に(もしくは層A上に)、層Bが形成されている、と明示的に
記載されている場合は、層Aの上に直接接して層Bが形成されている場合と、層Aの上に
直接接して別の層(例えば層Cや層Dなど)が形成されていて、その上に直接接して層B
が形成されている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Cや層Dなど)は、
単層でもよいし、複層でもよい。
【0043】
さらに、Aの上方にBが形成されている、と明示的に記載されている場合についても同
様であり、Aの上にBが直接接していることに限定されず、AとBとの間に別の対象物が
介在する場合も含むものとする。従って例えば、層Aの上方に、層Bが形成されている、
という場合は、層Aの上に直接接して層Bが形成されている場合と、層Aの上に直接接し
て別の層(例えば層Cや層Dなど)が形成されていて、その上に直接接して層Bが形成さ
れている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Cや層Dなど)は、単層でも
よいし、複層でもよい。
【0044】
なお、Aの上にBが形成されている、A上にBが形成されている、又はAの上方にBが形
成されている、と明示的に記載する場合、斜め上にBが形成される場合も含むこととする
【0045】
なお、Aの下にBが、あるいは、Aの下方にBが、の場合についても、同様である。
【0046】
なお、明示的に単数として記載されているものについては、単数であることが望ましい
。ただし、これに限定されず、複数であることも可能である。同様に、明示的に複数とし
て記載されているものについては、複数であることが望ましい。ただし、これに限定され
ず、単数であることも可能である。
【0047】
なお、図において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合
がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0048】
なお、図は、理想的な例を模式的に示したものであり、図に示す形状又は値などに限定さ
れない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつき、ノイズに
よる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、
若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0049】
なお、専門用語は、特定の実施の形態、又は実施例などを述べる目的で用いられる場合が
多い。ただし、発明の一態様は、専門用語によって、限定して解釈されるものではない。
【0050】
なお、定義されていない文言(専門用語又は学術用語などの科学技術文言を含む)は、通
常の当業者が理解する一般的な意味と同等の意味として用いることが可能である。辞書等
により定義されている文言は、関連技術の背景と矛盾がないような意味に解釈されること
が好ましい。
【0051】
なお、第1、第2、第3などの語句は、様々な要素、部材、領域、層、区域を他のものと
区別して記述するために用いられる。よって、第1、第2、第3などの語句は、要素、部
材、領域、層、区域などの数を限定するものではない。さらに、例えば、「第1の」を「
第2の」又は「第3の」などと置き換えることが可能である。
【0052】
なお、「上に」、「上方に」、「下に」、「下方に」、「横に」、「右に」、「左に」、
「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外に」、又は「中に」などの空間的配
置を示す語句は、ある要素又は特徴と、他の要素又は特徴との関連を、図によって簡単に
示すために用いられる場合が多い。ただし、これに限定されず、これらの空間的配置を示
す語句は、図に描く方向に加えて、他の方向を含むことが可能である。例えば、Aの上に
B、と明示的に示される場合は、BがAの上にあることに限定されない。図中のデバイス
は反転、又は180°回転することが可能なので、BがAの下にあることを含むことが可
能である。このように、「上に」という語句は、「上に」の方向に加え、「下に」の方向
を含むことが可能である。ただし、これに限定されず、図中のデバイスは様々な方向に回
転することが可能なので、「上に」という語句は、「上に」、及び「下に」の方向に加え
、「横に」、「右に」、「左に」、「斜めに」、「奥に」、「手前に」、「内に」、「外
に」、又は「中に」などの他の方向を含むことが可能である。つまり、状況に応じて適切
に解釈することが可能である。
【発明の効果】
【0053】
本発明の一態様は、トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を低減することが出来
る。または、本発明の一態様は、トランジスタの移動度のばらつきの影響を低減すること
が出来る。または、本発明の一態様は、トランジスタの電流特性のばらつきの影響を低減
することが出来る。または、本発明の一態様は、映像信号の入力期間を長く確保すること
が出来る。または、本発明の一態様は、しきい値電圧のばらつきの影響を低減するための
補正期間を長く確保することが出来る。または、本発明の一態様は、移動度のばらつきの
影響を低減するための補正期間を長く確保することが出来る。または、本発明の一態様は
、映像信号の波形のなまりの影響を受けにくくすることが出来る。または、本発明の一態
様は、線順次駆動だけでなく、点順次駆動を用いることが出来る。または、本発明の一態
様は、画素と駆動回路とを同じ基板上に形成することが出来る。または、本発明の一態様
は、消費電力を低くすることが出来る。または、本発明の一態様は、コストを低くするこ
とが出来る。または、本発明の一態様は、配線の接続部分の接触不良を低減することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図2】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図3】実施の形態で示す動作を説明する図。
図4】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図5】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図6】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図7】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図8】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図9】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図10】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図11】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図12】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図13】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図14】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図15】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図16】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図17】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図18】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図19】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図20】実施の形態で示す駆動方法を説明する断面図。
図21】実施の形態で示すブロック図を説明する断面図。
図22】実施の形態で示すブロック図を説明する断面図。
図23】実施の形態で示すトランジスタを説明する断面図。
図24】実施の形態で示すトランジスタを説明する断面図。
図25】実施の形態で示す回路または駆動方法を説明する図。
図26】実施の形態で示す電子機器を説明する図。
図27】実施の形態で示す電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多
くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくそ
の形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実
施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成にお
いて、同様のものを指す符号は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又は同
様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0056】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形
態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施
の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換え
などを行うことが出来る。
【0057】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて
述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0058】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、
その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数
の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより
、さらに多くの図を構成させることが出来る。
【0059】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出
して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図また
は文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一
態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものと
する。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子
(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、
基板、モジュール、装置、固体、液体、気体、動作方法、製造方法などが単数又は複数記
載された図面(断面図、平面図、回路図、ブロック図、フローチャート、工程図、斜視図
、立面図、配置図、タイミングチャート、構造図、模式図、グラフ、表、光路図、ベクト
ル図、状態図、波形図、写真、化学式など)または文章において、その一部分を取り出し
て、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。一例としては、N個(Nは整
数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(M
は整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態
様を構成することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成
される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成
することは可能である。別の一例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成される
フローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を
構成することは可能である。
【0060】
(実施の形態1)
図1に、トランジスタの移動度などの電流特性のばらつきを補正する場合の駆動方法、駆
動タイミングおよび、その時の回路構成について、その一例を示す。なお、本実施の形態
においては、トランジスタの導電型がnチャネル型の例について説明を行う。
【0061】
図1(A)に、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期
間における回路構成を示す。なお図1(A)に示す回路構成は、トランジスタ101の移
動度などの電流特性のばらつきを補正するために、トランジスタのゲートに保持されてい
る電荷を放電するための回路構成であり、実際には配線間に設けられる複数のスイッチの
オンまたはオフを制御することで当該回路構成の接続関係を実現するものである。なお図
中、実線は素子間の導通状態をあらわし、点線は、素子間の非導通状態をあらわすものと
する。
【0062】
図1(A)において、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方(以下、第1の
端子という)は、容量素子102の第1の端子(または第1の電極ともいう)及びトラン
ジスタ101のゲートと導通状態にある。トランジスタ101のソースまたはドレインの
他方(以下、第2の端子という)は、容量素子102の第2の端子(または第2の電極と
もいう)及びトランジスタ101のゲートと導通状態にある。容量素子102の第1の端
子(または第1の電極)は、トランジスタ101のゲート及びトランジスタ101の第1
の端子と導通状態にある。
【0063】
表示素子105の第1の端子(または第1の電極)は、トランジスタ101の第2の端子
及び容量素子102の第2の端子と、非導通状態にある。トランジスタ101の第2の端
子及び容量素子102の第2の端子以外の端子、配線または電極と、表示素子105の第
1の端子(または第1の電極)とは、非導通状態にあることが望ましい。表示素子105
の第2の端子(または第2の電極)は、配線106と導通状態にあることが望ましい。
【0064】
なお、表示素子105の第1端子とトランジスタ101の第2端子とが非導通状態となら
ずに、その代わりとして、配線106の電位が高くなっており、表示素子105が逆バイ
アス状態になっていることにより、表示素子105に電流がほとんど流れない状態として
もよい。
【0065】
配線104は、トランジスタ101の第1の端子と、非導通状態にある。さらに、配線1
04は、容量素子102の第1の端子(または第1の電極)と、非導通状態にある。なお
、配線104は、図1(A)に示すように、トランジスタ101の第1の端子と容量素子
102の第1の端子(または第1の電極)以外の端子、配線または電極とも、非導通状態
にあることが望ましい。
【0066】
なお、配線104を介して、トランジスタ101または容量素子102に、映像信号また
は所定の電圧などを供給される場合がある。よって、配線104は、ソース信号線、映像
信号線、または、ビデオ信号線などと呼ばれる場合がある。
【0067】
なお、図1(A)の様な接続構成になる前に、つまり、トランジスタ101の移動度など
の電流特性のばらつきの補正を行う前に、容量素子102には、トランジスタ101のし
きい値電圧に応じた電圧が保持されていることが望ましい。そして、映像信号(ビデオ信
号)が配線104を介して容量素子102に入力されていることが望ましい。したがって
、容量素子102には、トランジスタ101のしきい値電圧に応じた電圧および映像信号
電圧の和の電圧が保持されていることが望ましい。よって、図1(A)の前の状態におい
ては、つまり、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきの補正を行う前に
は、配線104は、トランジスタ101のドレイン、ソース、ゲート、容量素子102の
第1の端子、第2の端子などのうちの少なくとも一つと導通状態にあり、既に映像信号の
入力動作が行われていることが望ましい。
【0068】
なお、容量素子102によって、トランジスタ101のしきい値電圧に応じた電圧および
映像信号電圧の和の電圧が保持されていることが望ましい。容量素子102には、トラン
ジスタ101のしきい値電圧に応じた電圧は保持されておらず、映像信号電圧のみが保持
されていることも可能である。
【0069】
なお、容量素子102によって電圧が保持されている場合、スイッチングノイズなどによ
り、わずかに電圧が変動する可能性がある。ただし、実動作に影響を与えない範囲であれ
ば、多少ずれていても問題はない。したがって、例えば、トランジスタ101のしきい値
電圧に応じた電圧および映像信号電圧の和の電圧が容量素子102に入力された場合、実
際に容量素子102に保持されている電圧は、その入力された電圧とは、完全には一致せ
ず、ノイズなどの影響により、わずかに、異なっている場合がある。ただし、実動作に影
響を与えない範囲であれば、多少ずれていても問題はない。
【0070】
次に、図1(B)に、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流が供給されて
いる期間における回路構成について示す。なお図1(B)に示す回路構成は、トランジス
タ101より表示素子105に電流を供給するための回路構成であり、実際には配線間に
設けられる複数のスイッチのオンまたはオフを制御することで当該回路構成の接続関係を
実現するものである。
【0071】
トランジスタ101の第1の端子は、配線103と導通状態にある。トランジスタ101
の第2の端子は、表示素子105の第1の端子及び容量素子102の第2の端子と導通状
態にある。トランジスタ101の第1の端子は、トランジスタ101のゲートと非導通状
態にある。容量素子102の第1の端子は、トランジスタ101のゲートと導通状態にあ
る。容量素子102の第2の端子は、トランジスタ101の第2の端子及び表示素子10
5の第1の端子と導通状態にある。表示素子105の第2の端子は、配線106と導通状
態にある。
【0072】
配線104は、トランジスタ101の第1の端子と、非導通状態にある。さらに、配線1
04は、容量素子102の第1の端子と、非導通状態にある。なお、配線104は、図1
(B)に示すように、トランジスタ101の第1の端子と容量素子102の第1の端子以
外の端子、配線または電極とも、非導通状態にあることが望ましい。
【0073】
つまり、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図
1(A))から、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流が供給されている
期間(図1(B))へ移行するときには、少なくとも、トランジスタ101の第1の端子
とトランジスタ101のゲートとの導通状態と、トランジスタ101の第2の端子と表示
素子105の第1の端子との導通状態とが変化することとなるが、これに限定されず、他
の部分の導通状態が変化することもできる。そして、上述のように導通状態を制御できる
ように、スイッチ、トランジスタまたはダイオードなど素子を配置することが望ましい。
そして、当該素子を用いて導通状態を制御し、図1(A)、図1(B)の接続状況を実現
するような回路構成を実現することが出来る。よって、図1(A)、図1(B)のような
接続状況を実現できるならば、スイッチ、トランジスタまたはダイオードなどの素子を自
由に配置することができ、その個数または接続構造も限定されない。
【0074】
一例としては、図2(A)に示すように、スイッチ201の第1の端子をトランジスタ1
01のゲート及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、スイッチ201の第2
の端子をトランジスタ101の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ202
の第1の端子をトランジスタ101の第2の端子及び容量素子102の第2の端子と電気
的に接続し、スイッチ202の第2の端子を表示素子105の第1の端子と電気的に接続
する。そして、スイッチ203の第1の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ2
03の第2の端子をスイッチ201の第2の端子及びトランジスタ101の第1の端子と
電気的に接続する。そして、スイッチ204の第1の端子をスイッチ201の第1の端子
、トランジスタ101のゲート、及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、ス
イッチ204の第2の端子を配線104と電気的に接続する。このように、4つのスイッ
チを配置することにより、図1(A)、図1(B)の接続状況を実現するような回路構成
を実現することが出来る。
【0075】
図2(A)とは別の例を、図2(B)、図2(C)、図2(D)に示す。図2(B)では
図2(A)に新たにスイッチ205を設け、配線206との接続を制御することで、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。図2(C)で
は、図2(A)に新たにスイッチ207を設け、配線208との接続を制御することで、
トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している。図2(D)では
図2(B)に新たにスイッチ207を設け、配線208との接続を制御することで、ト
ランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の端子の電位を制御する
構成について示している。そして例えば、配線206または配線208の電位を変化させ
ることにより、図1(A)または図1(B)と同様な動作を実現することが出来る。そし
て、さらにスイッチやトランジスタなどが必要な場合は、適宜、配置される。
【0076】
なお、AはBと導通状態にある、と記載しているが、その場合、AとBとの間には、様々
な素子が接続されていることは可能である。例えば、抵抗素子、容量素子、トランジスタ
、ダイオードなどがAとBとの間に、直列接続、または並列接続で接続されていることは
可能である。同様に、AはBと非導通状態にある、と記載しているが、その場合、AとB
との間には、様々な素子が接続されていることは可能である。AとBとが、非導通になっ
てさえすればよいため、それ以外の部分では、様々な素子が接続されていることは可能で
ある。例えば、抵抗素子、容量素子、トランジスタ、ダイオードなどの素子が直列接続、
または並列接続で接続されていることは可能である。
【0077】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図2(A)の回路を用いて述べるが、それ以
外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0078】
まず、図6(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート、
または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これに
より、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素子
102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持される
こととなる。スイッチ201、スイッチ202、及びスイッチ203は導通状態にあり、
オンになっている。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっているこ
とが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流れない
ことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したがって、
少なくとも、スイッチ201、スイッチ202、スイッチ203の少なくともいずれか一
つが非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
【0079】
なお図6(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするために
可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電位
関係等であれば問題ない。
【0080】
次に、図6(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。スイ
ッチ201、スイッチ203は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ202、
スイッチ204は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、容
量素子102には、図6(A)の期間において蓄積された電荷があるため、その電荷が放
電されていく。そのため、トランジスタ101のゲートの電位は、図6(A)の期間にお
いて蓄積された電荷による電位から、トランジスタ101のしきい値電圧(正の値)を足
し合わせた電位に近づいていく。つまり、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の
分だけ高い電位に近づいていく。このとき、トランジスタ101のゲートとソースの間の
電圧は、トランジスタ101のしきい値電圧に近づいていく。これらの動作により、容量
素子102の両端の電極間で、しきい値電圧の取得を行うことが出来る。
【0081】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図2(A)に示すような回路を1
つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を供
給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、ま
たは同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を用
いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0082】
次に、図6(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ202、スイッチ20
4は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ201、スイッチ203は、非導通
状態であり、オフになっていることが望ましい。そして、配線104より、映像信号が供
給される。このとき、容量素子102には、図6(B)の期間において蓄積された電荷が
あるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トランジスタ101のゲートの電
位は、配線104より供給される映像信号から、トランジスタ101のしきい値電圧(正
の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線104より供給される映像信号
よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいていく。
図6(B)、図6(C)の動作により、映像信号の入力と、しきい値電圧の取得とを行う
ことが出来る。
【0083】
また図25(A)、(B)に示すように表示素子105と電気的に並列に容量素子250
1を配置する構成としてもよい。すなわち、図25(A)、(B)に示すように、容量素
子2501の第1端子を表示素子105の第1端子に接続し、容量素子2501の第2端
子を表示素子105の第2端子に接続する。なお、図25(A)は、トランジスタ101
の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間での、各配線及び各素子間の導通
状態、非導通状態について、図1(A)と同様に示した図であり、図25(B)は、トラ
ンジスタ101を介して、表示素子105に電流が供給されている期間での、各配線及び
各素子間の導通状態、非導通状態について、図1(B)と同様に示した図である。図25
(A)、(B)の回路構成とすることにより、しきい値電圧と映像信号電圧を足した電圧
に近くすることができる。
【0084】
次に、図6(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつき
を補正する。これは、図1(A)などの期間に相当する。そして、スイッチ201は、導
通状態にあり、オンになっている。スイッチ202、スイッチ203、スイッチ204は
、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このような状態にすることによ
り、容量素子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電されていく。
このようにして、トランジスタ101を介してわずかに放電させることにより、トランジ
スタ101の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0085】
次に、図6(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流を
供給する。これは、図1(B)などの期間に相当する。そして、スイッチ202、スイッ
チ203は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ201、スイッチ204は、
非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、トランジスタ101の
ゲートとソースの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧との和の電圧か
ら、トランジスタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっている。した
がって、トランジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することができ、表示素
子105には、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0086】
図6(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばら
つきを補正している期間(図1(A))において、トランジスタ101の移動度などの電
流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図1
(B))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減される。その結果
、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を行うことが出
来る。
【0087】
なお、表示素子105に電流が供給されている期間(図1(B))は、トランジスタ10
1の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))の直後に出現さ
せることが望ましい。なぜなら、表示素子105に電流が供給されている期間(図1(B
))において取得したトランジスタ101のゲート電位(容量素子102に保持された電
荷)を利用して、表示素子105に電流が供給されている期間(図1(B))において、
処理を行うからである。しかしながら、トランジスタ101の移動度などの電流特性のば
らつきを補正している期間(図1(A))の直後に表示素子105に電流が供給されてい
る期間(図1(B))を出現させることに限定されない。トランジスタ101の移動度な
どの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))において、容量素子102の
電荷量が変化し、そして、期間終了時に決定した容量素子102の電荷量が、表示素子1
05に電流が供給されている期間(図1(B))において、大きく変化していない場合な
どは、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1
(A))と、表示素子105に電流が供給されている期間(図1(B))との間に、別の
処理が行われる期間が設けられていても良い。
【0088】
したがって、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間
が終了した時点での容量素子102に保持された電荷と、表示素子105に電流が供給さ
れている期間が開始した時点での容量素子102に保持された電荷とは、概ね同じ量であ
ることが望ましい。ただし、ノイズなどの影響により、わずかに双方の電荷量が異なって
いる場合もある。具体的は、双方の電荷量の差は、10%以内が望ましく、より望ましく
は、3%以内が望ましい。電荷量の差が3%以内であれば、その差が反映される表示素子
を人間の眼で見たときに、その差を視認できないため、より望ましい。
【0089】
そこで、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図
1(A))において、電圧電流特性がどのような状態に変化するかを図3(A)に示す。
容量素子102に保存されていた電荷が、トランジスタ101の移動度などの電流特性の
ばらつきを補正している期間(図1(A))において、トランジスタ101のソースとド
レインの間を介して、放電されていく。その結果、容量素子102に保持されていた電荷
量が減少していき、容量素子102に保持された電圧も減少していく。したがって、トラ
ンジスタ101のゲートとソースの間の電圧の絶対値も減少していく。容量素子102に
保存されている電荷は、トランジスタ101を介して放電されていくため、電荷の放電量
は、トランジスタ101の電流特性に依存する。つまり、トランジスタ101の移動度が
高ければ、より多くの電荷が放電される。または、トランジスタ101のチャネル幅Wと
チャネル長Lの比(W/L)が大きければ、より多くの電荷が放電される。または、トラ
ンジスタ101のゲートとソースの間の電圧の絶対値が大きければ(つまり、容量素子1
02で保持される電圧の絶対値が大きければ)、より多くの電荷が放電される。または、
トランジスタ101のソース領域、ドレイン領域での寄生抵抗が小さければ、より多くの
電荷が放電される。または、トランジスタ101のLDD領域での抵抗が小さければ、よ
り多くの電荷が放電される。または、トランジスタ101と電気的に接続されているコン
タクトホールでのコンタクト抵抗が小さければ、より多くの電荷が放電される。
【0090】
そのため、放電前、つまり、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補
正している期間(図1(A))に入る前の期間における電圧電流特性のグラフは、トラン
ジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))にお
いて、容量素子102に保存されている電荷の一部が放電された結果、傾きが小さな曲線
のグラフに変化する。そして、例えば、放電前と放電後の電圧電流特性のグラフの差は、
トランジスタ101の移動度が大きい方が大きくなる。したがって、トランジスタ101
の移動度が高い場合(つまり、グラフの傾きが大きい場合)は、放電後には、傾きの変化
量が大きくなり、トランジスタ101の移動度が低い場合(つまり、グラフの傾きが小さ
い場合)は、放電後には、傾きの変化量が小さくなる。その結果、放電後では、トランジ
スタ101の移動度が高い場合と低い場合とで、電圧電流特性のグラフの差が小さくなり
、移動度のばらつきの影響が低減することができる。さらに、トランジスタ101のゲー
トとソースの間の電圧の絶対値が大きければ(つまり、容量素子102で保持される電圧
の絶対値が大きければ)、より多くの電荷が放電され、トランジスタ101のゲートとソ
ースの間の電圧の絶対値が小さければ(つまり、容量素子102で保持される電圧の絶対
値が小さければ)、放電される電荷量が少なくなるため、より適切に、移動度のばらつき
を低減することが出来る。
【0091】
なお、図3(A)のグラフは、すでにしきい値電圧のばらつきの影響を低減した後の場合
のグラフである。したがって、図3(B)に示すように、トランジスタ101の移動度の
ばらつきを補正している期間(図1(A))に入る前には、しきい値電圧のばらつきの影
響が低減されている。しきい値電圧のばらつきを低減するために、電圧電流特性のグラフ
をしきい値電圧の分だけ平行移動させる。つまり、トランジスタのゲートとソースの間の
電圧には、映像信号電圧としきい値電圧との和が供給される。その結果、しきい値電圧の
ばらつきの影響は低減される。しきい値電圧のばらつきを低減したあと、図3(A)のグ
ラフに示すように、移動度のばらつきを低減することにより、トランジスタ101の電流
特性のばらつきを大幅に低減させることが出来る。
【0092】
なお、ばらつきを補正できるトランジスタ101の電流特性は、トランジスタ101の移
動度だけでなく、しきい値電圧、ソースまたはドレイン部分での寄生抵抗、LDD領域で
の抵抗、トランジスタ101と電気的に接続されているコンタクトホールでのコンタクト
抵抗などもあげられる。これらの電流特性も、トランジスタ101を介して電荷が放電さ
れることから、移動度の場合と同様、ばらつきを低減することが出来る。
【0093】
従って、放電前、つまり、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正
している期間(図1(A))に入る前の期間における容量素子102の電荷量は、トラン
ジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))の終
了時点における容量素子102の電荷量よりも多い。なぜなら、トランジスタ101の移
動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))では、容量素子102
の電荷が放電されるため、容量素子102に保存されている電荷が少なくなっていくから
である。
【0094】
なお、容量素子102に保持されている電荷は、一部が放電されれば、すぐに放電を停止
することが望ましい。仮に、完全に放電してしまったら、つまり、電流が流れなくなるま
で放電させてしまうと、映像信号の情報がほとんど無くなってしまう。したがって、完全
に放電される前に、放電を停止することが望ましい。つまり、トランジスタ101に電流
が流れている間に、放電を停止することが望ましい。
【0095】
したがって、1ゲート選択期間(または1水平期間、1フレーム期間を画素の行数で割り
算した値など)と、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正してい
る期間(図1(A))との長さを比較すると、1ゲート選択期間(または1水平期間、1
フレーム期間を画素の行数で割り算した値など)の方が長いことが望ましい。なぜなら、
1ゲート選択期間よりも長く放電を行うと、放電しすぎてしまう可能性があるからである
。ただし、これに限定されない。
【0096】
または、画素に映像信号を入力している期間と、トランジスタ101の移動度などの電流
特性のばらつきを補正している期間(図1(A))との長さを比較すると、画素に映像信
号を入力している期間の方が長いことが望ましい。なぜなら、画素に映像信号を入力して
いる期間よりも長く放電を行うと、放電しすぎてしまう可能性があるからである。ただし
、これに限定されない。
【0097】
または、トランジスタのしきい値電圧を取得している期間と、トランジスタ101の移動
度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1(A))との長さを比較すると、
トランジスタのしきい値電圧を取得している期間の方が長いことが望ましい。なぜなら、
トランジスタのしきい値電圧を取得している期間よりも長く放電を行うと、放電しすぎて
しまう可能性があるからである。ただし、これに限定されない。
【0098】
なお、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間(図1
(A))において、容量素子102に保持されている電荷を放電する期間の長さは、例え
ば、トランジスタ101の移動度のばらつき量、容量素子102の大きさ、トランジスタ
101のW/Lなどに応じて、決定することが望ましい。
【0099】
例えば、図1図2に示す回路が複数ある場合について考える。例としては、第1の色を
表示するための第1の画素と、第2の色を表示するための第2の画素とを有しており、各
々の画素はトランジスタ101に相当するトランジスタとして、第1の画素は、トランジ
スタ101Aを、第2の画素はトランジスタ101Bとを有しているとする。同様に、容
量素子102に相当する容量素子として、第1の画素は、容量素子102Aを、第2の画
素は容量素子102Bとを有しているとする。
【0100】
そして、トランジスタ101AのW/Lが、トランジスタ101BのW/Lよりも大きい
場合は、容量素子102Aの容量値の方が、容量素子102Bの容量値よりも大きいこと
が望ましい。なぜなら、トランジスタ101Aの方が多くの電荷を放電するため、容量素
子102Aの電圧も、より大きく変化してしまう。そこで、それを調整するために、容量
素子102Aの容量値が大きいことが望ましい。または、トランジスタ101Aのチャネ
ル幅Wが、トランジスタ101Bのチャネル幅Wよりも大きい場合は、容量素子102A
の容量値の方が、容量素子102Bの容量値よりも大きいことが望ましい。または、トラ
ンジスタ101Aのチャネル長Lが、トランジスタ101Bのチャネル長Lよりも小さい
場合は、容量素子102Aの容量値の方が、容量素子102Bの容量値よりも大きいこと
が望ましい。ただし、これに限定されない。
【0101】
なお、容量素子102に保持されている電荷の放電量を制御するために、追加して容量素
子を配置することが可能である。例えば、図25(A)、(B)にて説明したように表示
素子105と電気的に並列に容量素子2501を追加する構成としてもよい。またはトラ
ンジスタ101の第1端子と第2端子との間に電気的に並列に容量素子2502を追加す
る構成としてもよい。図25(C)、(D)にトランジスタ101の第1端子と第2端子
との間に電気的に並列に容量素子2502を追加した回路構成について示す。なお、図2
5(C)は、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間
での、各配線及び各素子間の導通状態、非導通状態について、図1(A)と同様に示した
図であり、図25(D)は、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流が供給
されている期間での、各配線及び各素子間の導通状態、非導通状態について、図1(B)
と同様に示した図である。なお、図25(A)乃至(D)における追加した容量素子の容
量値の大きさは画素毎に異なっていてもよい。
【0102】
なお、回路の接続構造は、図1(A)、図1(B)に限定されない。一例として、図1
A)では、トランジスタ101の第1の端子及び容量素子102の第1の端子が配線10
3と非導通状態、トランジスタ101の第2の端子と表示素子105の第1の端子が非導
通状態、としたがこれに限定されない。また一例として、図1(B)では、一定の電位を
供給する機能を有している配線103がトランジスタ101の第1の端子と導通状態、ト
ランジスタ101の第2の端子と表示素子の第1の端子が導通状態、にあればよい。そこ
で他の回路の接続構成としては、例えば、トランジスタ101の第1の端子が配線103
に接続されている場合の例を、図1(C)、図1(D)に示す。また、トランジスタ10
1の第1の端子が、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正してい
る期間に、回路素子107を介して配線103に接続されている場合の例を、図1(E)
図1(F)に示す。また、トランジスタ101の第1の端子が、トランジスタ101の
移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間及び表示素子105に電流が供給さ
れている期間に、回路素子107を介して配線103に接続されている場合の例を、図4
(A)、図4(B)に示す。また、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつ
きを補正している期間に、一定の電位を供給する機能を有している配線108がトランジ
スタ101の第2の端子と導通状態となるように接続されている場合の例を、図4(C)
図4(D)に示す。また、トランジスタ101の第2の端子が、トランジスタ101の
移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間及び表示素子105に電流が供給さ
れている期間に、回路素子109を介して配線108に接続されている場合の例を、図4
(E)、図4(F)に示す。また、トランジスタ101の第2の端子が、トランジスタ1
01の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間に、表示素子105を介して
配線106に接続されている場合の例を、図5(A)、図5(B)に示す。また、トラン
ジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間に、トランジスタ1
01の第1の端子が配線103に接続され、トランジスタ101の第2の端子が表示素子
105を介して配線106に接続されている場合の例を、図5(C)、図5(D)に示す
【0103】
なお、図1(C)乃至図1(F)においても、図2(A)乃至図2(D)と同様に、スイ
ッチを配置することができる。
【0104】
なお、回路素子107及び回路素子109としては、容量素子、抵抗素子、ダイオード素
子、スイッチ等の電気素子を組み合わせて所望の電気的な接続状態とすることのできる素
子を用いることが可能である。
【0105】
なお、図1(C)図1(D)の動作について、具体的には、図6(A)乃至図6(E)と
同様に、初期化等の動作を経て実現することができる。
【0106】
なお、図1(C)図1(D)の動作について、図9(A)乃至図9(E)に示している。
具体的な動作については、図6(A)乃至図6(E)と同様に、初期化等の動作を経て実
現することができる。
【0107】
なお図4(C)、図4(D)に示す構成は、上記図2(B)の回路構成により実現するこ
とができる。
【0108】
なお、図1(A)乃至図1(F)、図2(A)乃至図2(D)、図4(A)乃至図4(F
)などにおいて、容量素子102を単独での表記によって説明している。なお、直列接続
、または、並列接続によって、複数の容量素子が配置されることができる。
【0109】
なお、図1乃至図5などにおいて、トランジスタ101がnチャネル型の場合について述
べている。なおpチャネル型を用いることが可能である。一例として、トランジスタ10
1がpチャネル型の場合について、図25(E)、(F)に示す。なお、図25(E)は
、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつきを補正している期間での、各配
線及び各素子間の導通状態、非導通状態について、図1(A)と同様に示した図であり、
図25(F)は、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流が供給されている
期間での、各配線及び各素子間の導通状態、非導通状態について、図1(B)と同様に示
した図である。図25(E)、(F)に示すように、トランジスタ101としてpチャネ
ル型を用いる際には、表示素子105としてEL素子を用いる場合、nチャネル型のトラ
ンジスタを用いた場合とは逆向きに接続をすることが望ましい。
【0110】
なお、トランジスタ101は、表示素子105に流れる電流の大きさを制御し、表示素子
105を駆動する能力を有している場合が多い。
【0111】
なお、配線103は、表示素子105に電力を供給する能力を有している場合が多い。あ
るいは、配線103は、トランジスタ101に流れる電流を供給する能力を有している場
合が多い。
【0112】
なお、トランジスタ101のしきい値電圧に応じた電圧とは、トランジスタ101のしき
い値電圧と同じ大きさの電圧、または、トランジスタ101のしきい値電圧に近い大きさ
を有する電圧のことを言う。例えば、トランジスタ101のしきい値電圧が大きい場合は
、しきい値電圧に応じた電圧も大きく、トランジスタ101のしきい値電圧が小さい場合
は、しきい値電圧に応じた電圧も小さい。このように、しきい値電圧に応じて大きさが決
まっているような電圧のことを、しきい値電圧に応じた電圧と呼ぶ。したがって、ノイズ
などの影響により、僅かに異なっているような電圧も、しきい値電圧に応じた電圧と呼ぶ
事が出来る。
【0113】
なお、表示素子105は、輝度、明るさ、反射率、透過率などを変化させるような機能を
有する素子のことを言う。したがって、表示素子105の例としては、液晶素子、発光素
子、有機EL素子、電気泳動素子などを用いることが出来る。なお本実施の形態における
説明、及び付随する図面においては、有機EL素子等の発光素子を想定して説明を行うも
のとする。
【0114】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0115】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態では、実施の形態1で述べた回路および駆動方法の応用例について示
す。
【0116】
図7(A)に、図1(A)、図1(B)の具体例について示す。スイッチ201の第1の
端子をトランジスタ101のゲート及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、
スイッチ201の第2の端子をトランジスタ101の第1の端子と電気的に接続する。そ
して、スイッチ202の第1の端子をトランジスタ101の第2の端子及び容量素子10
2の第2の端子と電気的に接続し、スイッチ202の第2の端子を表示素子105の第1
の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ203の第1の端子を配線103と電気的
に接続し、スイッチ203の第2の端子をスイッチ201の第1の端子、トランジスタ1
01のゲート、及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ
204の第1の端子をスイッチ201の第1の端子、スイッチ203の第2の端子、トラ
ンジスタ101のゲート、及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、スイッチ
204の第2の端子を配線104と電気的に接続する。このように、4つのスイッチを配
置することにより、図1(A)、図1(B)(または、図4(C)、図4(D))の接続
状況を実現するような回路構成を実現することが出来る。
【0117】
図7(A)とは別の例を、図7(B)、図7(C)、図7(D)に示す。図7(B)では
図7(A)に新たにスイッチ205を設け、配線206との接続を制御することで、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。図7(C)で
は、図7(A)に新たにスイッチ207を設け、配線208との接続を制御することで、
トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している。図7(D)では
図7(B)に新たにスイッチ207を設け、配線208との接続を制御することで、ト
ランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の端子の電位を制御する
構成について示している。そして例えば、配線206または配線208の電位を変化させ
ることにより、図1(A)または図1(B)(若しくは、図4(C)または図4(D))
と同様な動作を実現することが出来る。そして、さらにスイッチやトランジスタなどが必
要な場合は、適宜、配置される。
【0118】
なお、図7(A)乃至図7(D)では、実施の形態1で述べた構成についての例の一部を
示したが、それ以外の例についても、同様に構成することが出来る。
【0119】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図7(A)の回路を用いて述べるが、それ以
外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0120】
まず、図8(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート、
または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これに
より、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素子
102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持される
こととなる。スイッチ201、スイッチ202、及びスイッチ203は導通状態にあり、
オンになっている。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっているこ
とが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流れない
ことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したがって、
少なくとも、スイッチ201、スイッチ202、スイッチ203の少なくともいずれか一
つが非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
【0121】
なお図8(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするために
可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電位
関係等であれば問題ない。
【0122】
次に、図8(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。スイ
ッチ201、スイッチ203は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ202、
スイッチ204は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、容
量素子102には、図8(A)の期間において蓄積された電荷があるため、その電荷が放
電されていく。そのため、トランジスタ101のゲートの電位は、図8(A)の期間にお
いて蓄積された電荷による電位から、トランジスタ101のしきい値電圧(正の値)を足
し合わせた電位に近づいていく。つまり、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の
分だけ高い電位に近づいていく。このとき、トランジスタ101のゲートとソースの間の
電圧は、トランジスタ101のしきい値電圧に近づいていく。これらの動作により、容量
素子102の両端の電極間で、しきい値電圧の取得を行うことが出来る。
【0123】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図7(A)に示すような回路を1
つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を供
給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、ま
たは同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を用
いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0124】
次に、図8(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ202、スイッチ20
4は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ201、スイッチ203は、非導通
状態であり、オフになっていることが望ましい。そして、配線104より、映像信号が供
給される。このとき、容量素子102には、図8(B)の期間において蓄積された電荷が
あるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トランジスタ101のゲートの電
位は、配線104より供給される映像信号から、トランジスタ101のしきい値電圧(正
の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線104より供給される映像信号
よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいていく。
図8(B)、図8(C)の動作により、映像信号の入力と、しきい値電圧の取得とを行う
ことが出来る。
【0125】
次に、図8(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつき
を補正する。これは、図1(A)、図4(C)などの期間に相当する。そして、スイッチ
201は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ202、スイッチ203、スイ
ッチ204は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このような状態に
することにより、容量素子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電
されていく。このようにして、トランジスタ101を介してわずかに放電させることによ
り、トランジスタ101の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0126】
次に、図8(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流を
供給する。これは、図1(B)、図4(D)などの期間に相当する。そして、スイッチ2
02、スイッチ203は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ201、スイッ
チ204は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、トランジ
スタ101のゲートとソースの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧と
の和の電圧から、トランジスタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっ
ている。したがって、トランジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することが
でき、表示素子105には、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0127】
図8(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばら
つきを補正している期間(図1(A))において、トランジスタ101の移動度などの電
流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図1
(B)、図4(D))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減され
る。その結果、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を
行うことが出来る。
【0128】
なお、図7(B)の回路構成の場合は、図8(A)に示す初期化の期間において、トラン
ジスタ101の第2の端子の電位を制御することが可能である。そして、スイッチ201
、スイッチ203、及びスイッチ205は、導通状態であり、オンになっていることが望
ましい。スイッチ202及びスイッチ204については、非導通状態であり、オフになっ
ていることが望ましい。なお、図8(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0129】
なお、図7(C)の回路構成の場合は、図8(A)に示す初期化の期間において、トラン
ジスタ101のゲートの電位を制御することが可能である。そして、スイッチ201、ス
イッチ202、及びスイッチ207は、導通状態であり、オンになっていることが望まし
い。スイッチ203及びスイッチ204については、非導通状態であり、オフになってい
ることが望ましい。なお、図8(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0130】
なお、図7(D)の回路構成の場合は、図8(A)に示す初期化の期間において、トラン
ジスタ101のゲート及び/または第2の端子の電位を制御することが可能である。そし
て、スイッチ201、スイッチ205、及びスイッチ207は、導通状態であり、オンに
なっていることが望ましい。スイッチ202、スイッチ203、及びスイッチ204につ
いては、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。なお、図8(B)以降に
ついては、同様に動作させればよい。
【0131】
なお、図8(A)乃至図8(E)において、各動作への切り替わり時において、その動作
の間に、別の動作や別の期間が設けられていることも可能である。例えば、図8(C)に
示すような状態を、図8(A)と図8(B)の間に設けても良い。このような期間を設け
ても、支障がないため、問題はない。
【0132】
なお、図1(C)図1(D)の動作について、図10(A)乃至図10(E)に示してい
る。具体的な動作については、図8(A)乃至図8(E)と同様に、初期化等の動作を経
て実現することができる。
【0133】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0134】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態では、実施の形態1で述べた回路および駆動方法の応用例について示
す。
【0135】
図11(A)に、図1(C)、図1(D)の具体例について示す。スイッチ301の第1
の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ301の第2の端子をトランジスタ10
1のゲート及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ20
2の第1の端子をトランジスタ101の第2の端子及び容量素子102の第2の端子と電
気的に接続し、スイッチ202の第2の端子を表示素子105の第1の端子と電気的に接
続する。そして、スイッチ303の第1の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ
303の第2の端子をトランジスタ101の第1の端子と電気的に接続する。そして、ス
イッチ204の第1の端子をスイッチ301の第2の端子、トランジスタ101のゲート
、及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、スイッチ204の第2の端子を配
線104と電気的に接続する。このように、4つのスイッチを配置することにより、図1
(C)、図1(D)の接続状況を実現するような回路構成を実現することが出来る。
【0136】
図11(A)とは別の例を、図11(B)、図11(C)、図11(D)に示す。図11
(B)では、図11(A)に新たにスイッチ305を設け、配線306との接続を制御す
ることで、トランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。
図11(C)では、図11(A)に新たにスイッチ307を設け、配線308との接続を
制御することで、トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している
図11(D)では、図11(B)に新たにスイッチ307を設け、配線308との接続
を制御することで、トランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の
端子の電位を制御する構成について示している。そして例えば、配線306または配線3
08の電位を変化させることにより、図1(C)または図1(D)と同様な動作を実現す
ることが出来る。そして、さらにスイッチやトランジスタなどが必要な場合は、適宜、配
置される。
【0137】
なお、図11(A)乃至図11(D)では、実施の形態1で述べた構成についての例の一
部を示したが、それ以外の例についても、同様に構成することが出来る。
【0138】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図11(A)の回路を用いて述べるが、それ
以外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0139】
まず、図12(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート
、または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これ
により、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素
子102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持され
ることとなる。スイッチ301、スイッチ202、及びスイッチ303は導通状態にあり
、オンになっている。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっている
ことが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流れな
いことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したがって
、少なくとも、スイッチ301、スイッチ202、スイッチ303の少なくともいずれか
一つが非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
【0140】
なお図12(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするため
に可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電
位関係等であれば問題ない。
【0141】
次に、図12(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。ス
イッチ301、スイッチ303は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ202
、スイッチ204は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、
容量素子102には、図12(A)の期間において蓄積された電荷があるため、その電荷
が放電されていく。そのため、トランジスタ101のゲートの電位は、図12(A)の期
間において蓄積された電荷による電位から、トランジスタ101のしきい値電圧(正の値
)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、トランジスタ101のしきい値電圧の絶
対値の分だけ高い電位に近づいていく。このとき、トランジスタ101のゲートとソース
の間の電圧は、トランジスタ101のしきい値電圧に近づいていく。これらの動作により
、容量素子102の両端の電極間で、しきい値電圧の取得を行うことが出来る。
【0142】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図11(A)に示すような回路を
1つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を
供給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、
または同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を
用いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0143】
次に、図12(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ202、スイッチ2
04は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ301、スイッチ303は、非導
通状態であり、オフになっていることが望ましい。そして、配線104より、映像信号が
供給される。このとき、容量素子102には、図12(B)の期間において蓄積された電
荷があるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トランジスタ101のゲート
の電位は、配線104より供給される映像信号から、トランジスタ101のしきい値電圧
(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線104より供給される映像
信号よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいてい
く。図12(B)、図12(C)の動作により、映像信号の入力と、しきい値電圧の取得
とを行うことが出来る。
【0144】
次に、図12(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつ
きを補正する。これは、図1(C)などの期間に相当する。そして、スイッチ301、ス
イッチ303は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ202、スイッチ204
は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このような状態にすることに
より、容量素子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電されていく
。このようにして、トランジスタ101を介してわずかに放電させることにより、トラン
ジスタ101の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0145】
次に、図12(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流
を供給する。これは、図1(D)などの期間に相当する。そして、スイッチ202、スイ
ッチ303は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ301、スイッチ204は
、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。このとき、トランジスタ101
のゲートとソースの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧との和の電圧
から、トランジスタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっている。し
たがって、トランジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することができ、表示
素子105には、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0146】
図12(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のば
らつきを補正している期間(図1(C))において、トランジスタ101の移動度などの
電流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図
1(D))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減される。その結
果、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を行うことが
出来る。
【0147】
なお、図11(B)の回路構成の場合は、図12(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御することが可能である。そして、スイッチ3
01、スイッチ303、及びスイッチ305は、導通状態であり、オンになっていること
が望ましい。スイッチ202及びスイッチ204については、非導通状態であり、オフに
なっていることが望ましい。なお、図12(B)以降については、同様に動作させればよ
い。
【0148】
なお、図11(C)の回路構成の場合は、図12(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲートの電位を制御することが可能である。そして、スイッチ202
、スイッチ303、及びスイッチ307は、導通状態であり、オンになっていることが望
ましい。スイッチ301及びスイッチ204については、非導通状態であり、オフになっ
ていることが望ましい。なお、図12(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0149】
なお、図11(D)の回路構成の場合は、図12(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲート及び/または第2の端子の電位を制御することが可能である。
そして、スイッチ303、スイッチ305、及びスイッチ307は、導通状態であり、オ
ンになっていることが望ましい。スイッチ202、スイッチ203、及びスイッチ204
については、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。なお、図12(B)
以降については、同様に動作させればよい。
【0150】
なお、図12(A)乃至図12(E)において、各動作への切り替わり時において、その
動作の間に、別の動作や別の期間が設けられていることも可能である。例えば、図12
C)に示すような状態を、図12(A)と図12(B)の間に設けても良い。このような
期間を設けても、支障がないため、問題はない。
【0151】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0152】
(実施の形態4)
次に、本実施の形態では、実施の形態1で述べた回路および駆動方法の応用例について示
す。
【0153】
図13(A)に、図5(A)、図5(B)の具体例について示す。スイッチ401の第1
の端子をトランジスタ101のゲート及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し
、スイッチ401の第2の端子をトランジスタ101の第1の端子及びスイッチ403の
第2の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ403の第1の端子を配線103と電
気的に接続し、スイッチ403の第2の端子をトランジスタ101の第1の端子、及びス
イッチ401の第2の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ204の第1の端子を
スイッチ401の第1の端子、トランジスタ101のゲート、及び容量素子102の第1
の端子と電気的に接続し、スイッチ204の第2の端子を配線104と電気的に接続する
。このように、4つのスイッチを配置することにより、図5(A)、図5(B)の接続状
況を実現するような回路構成を実現することが出来る。
【0154】
図13(A)とは別の例を、図13(B)、図13(C)、図13(D)に示す。図13
(B)では、図13(A)に新たにスイッチ405を設け、配線406との接続を制御す
ることで、トランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。
図13(C)では、図13(A)に新たにスイッチ407を設け、配線408との接続を
制御することで、トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している
図13(D)では、図13(B)に新たにスイッチ407を設け、配線408との接続
を制御することで、トランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の
端子の電位を制御する構成について示している。そして例えば、配線406または配線4
08の電位を変化させることにより、図5(A)または図5(B)と同様な動作を実現す
ることが出来る。そして、さらにスイッチやトランジスタなどが必要な場合は、適宜、配
置される。
【0155】
なお、図13(A)乃至図13(D)では、実施の形態1で述べた構成についての例の一
部を示したが、それ以外の例についても、同様に構成することが出来る。
【0156】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図13(A)の回路を用いて述べるが、それ
以外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0157】
まず、図14(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート
、または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これ
により、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素
子102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持され
ることとなる。スイッチ401、及びスイッチ403は導通状態にあり、オンになってい
る。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
また図14(A)の初期化の期間において、配線103の電位は他の配線より低い電位と
することが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流
れないことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したが
って、少なくとも、発光素子に印加される電圧が逆バイアスになっていることが望ましい
【0158】
なお図14(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするため
に可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電
位関係等であれば問題ない。
【0159】
次に、図14(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。ス
イッチ401、スイッチ403は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204
は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。また図14(B)のトランジ
スタ101のしきい値電圧取得の期間において、配線103の電位は初期化の期間の電位
よりも高くすることが望ましい。このとき、容量素子102には、図14(A)の期間に
おいて蓄積された電荷があるため、その電荷が放電されていく。そのため、トランジスタ
101のゲートの電位は、図14(A)の期間において蓄積された電荷による電位から、
トランジスタ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つま
り、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいていく。この
とき、トランジスタ101のゲートとソースの間の電圧は、トランジスタ101のしきい
値電圧に近づいていく。これらの動作により、容量素子102の両端の電極間で、しきい
値電圧の取得を行うことが出来る。
【0160】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図13(A)に示すような回路を
1つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を
供給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、
または同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を
用いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0161】
次に、図14(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ204は、導通状態
にあり、オンになっている。スイッチ401、スイッチ403は、非導通状態であり、オ
フになっていることが望ましい。また図14(C)の映像信号入力の期間において、配線
103の電位は他の配線に入力される電位よりも高くすることが望ましい。そして、配線
104より、映像信号が供給される。このとき、容量素子102には、図14(B)の期
間において蓄積された電荷があるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トラ
ンジスタ101のゲートの電位は、配線104より供給される映像信号から、トランジス
タ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線1
04より供給される映像信号よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だ
け高い電位に近づいていく。図14(B)、図14(C)の動作により、映像信号の入力
と、しきい値電圧の取得とを行うことが出来る。
【0162】
次に、図14(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつ
きを補正する。これは、図5(A)などの期間に相当する。そして、スイッチ401、ス
イッチ403は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204は、非導通状態で
あり、オフになっていることが望ましい。また図14(D)のトランジスタ101の移動
度などの電流特性のばらつきを補正する期間において、配線103の電位は他の配線に入
力される電位よりも高くすることが望ましい。このような状態にすることにより、容量素
子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電されていく。このように
して、トランジスタ101を介してわずかに放電させることにより、トランジスタ101
の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0163】
次に、図14(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流
を供給する。これは、図5(B)などの期間に相当する。そして、スイッチ403は、導
通状態にあり、オンになっている。スイッチ401、スイッチ204は、非導通状態であ
り、オフになっていることが望ましい。また図14(E)のトランジスタ101を介して
、表示素子105に電流を供給する期間において、配線103の電位は他の配線に入力さ
れる電位よりも高くすることが望ましい。このとき、トランジスタ101のゲートとソー
スの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧との和の電圧から、トランジ
スタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっている。したがって、トラ
ンジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することができ、表示素子105には
、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0164】
図14(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のば
らつきを補正している期間(図5(A))において、トランジスタ101の移動度などの
電流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図
5(B))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減される。その結
果、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を行うことが
出来る。
【0165】
なお、図13(B)の回路構成の場合は、図14(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御することが可能である。そして、スイッチ4
01、スイッチ403、及びスイッチ405は、導通状態であり、オンになっていること
が望ましい。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望
ましい。なお、図14(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0166】
なお、図13(C)の回路構成の場合は、図14(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲートの電位を制御することが可能である。そして、スイッチ403
及びスイッチ407は、導通状態であり、オンになっていることが望ましい。スイッチ4
01及びスイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望まし
い。なお、図14(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0167】
なお、図13(D)の回路構成の場合は、図14(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲート及び/または第2の端子の電位を制御することが可能である。
そして、スイッチ403、スイッチ405、及びスイッチ407は、導通状態であり、オ
ンになっていることが望ましい。スイッチ401、及びスイッチ204については、非導
通状態であり、オフになっていることが望ましい。なお、図14(B)以降については、
同様に動作させればよい。
【0168】
なお、図14(A)乃至図14(E)において、各動作への切り替わり時において、その
動作の間に、別の動作や別の期間が設けられていることも可能である。例えば、図14
C)に示すような状態を、図14(A)と図14(B)の間に設けても良い。このような
期間を設けても、支障がないため、問題はない。
【0169】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0170】
(実施の形態5)
次に、本実施の形態では、実施の形態1で述べた回路および駆動方法の応用例について示
す。
【0171】
図15(A)に、図5(A)、図5(B)の、実施の形態4とは別の具体例について示す
。スイッチ501の第1の端子をトランジスタ101のゲート、容量素子102の第1の
端子、及びスイッチ503の第2の端子と電気的に接続し、スイッチ501の第2の端子
をトランジスタ101の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ503の第1
の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ503の第2の端子をトランジスタ10
1のゲート、容量素子102の第1の端子、及びスイッチ501の第1の端子と電気的に
接続する。そして、スイッチ204の第1の端子をスイッチ501の第1の端子、トラン
ジスタ101のゲート、及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続し、スイッチ2
04の第2の端子を配線104と電気的に接続する。このように、4つのスイッチを配置
することにより、図5(A)、図5(B)の接続状況を実現するような回路構成を実現す
ることが出来る。
【0172】
図15(A)とは別の例を、図15(B)、図15(C)、図15(D)に示す。図15
(B)では、図15(A)に新たにスイッチ505を設け、配線506との接続を制御す
ることで、トランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。
図15(C)では、図15(A)に新たにスイッチ507を設け、配線508との接続を
制御することで、トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している
図15(D)では、図15(B)に新たにスイッチ507を設け、配線508との接続
を制御することで、トランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の
端子の電位を制御する構成について示している。そして例えば、配線506または配線5
08の電位を変化させることにより、図5(A)または図5(B)と同様な動作を実現す
ることが出来る。そして、さらにスイッチやトランジスタなどが必要な場合は、適宜、配
置される。
【0173】
なお、図15(A)乃至図15(D)では、実施の形態1で述べた構成についての例の一
部を示したが、それ以外の例についても、同様に構成することが出来る。
【0174】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図15(A)の回路を用いて述べるが、それ
以外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0175】
まず、図16(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート
、または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これ
により、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素
子102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持され
ることとなる。スイッチ501、及びスイッチ503は導通状態にあり、オンになってい
る。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
また図16(A)の初期化の期間において、配線103の電位は他の配線より低い電位と
することが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流
れないことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したが
って、少なくとも、発光素子に印加される電圧が逆バイアスになっていることが望ましい
【0176】
なお図16(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするため
に可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電
位関係等であれば問題ない。
【0177】
次に、図16(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。ス
イッチ501、スイッチ503は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204
は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。また図16(B)のトランジ
スタ101のしきい値電圧取得の期間において、配線103の電位は初期化の期間の電位
よりも高くすることが望ましい。このとき、容量素子102には、図16(A)の期間に
おいて蓄積された電荷があるため、その電荷が放電されていく。そのため、トランジスタ
101のゲートの電位は、図16(A)の期間において蓄積された電荷による電位から、
トランジスタ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つま
り、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいていく。この
とき、トランジスタ101のゲートとソースの間の電圧は、トランジスタ101のしきい
値電圧に近づいていく。これらの動作により、容量素子102の両端の電極間で、しきい
値電圧の取得を行うことが出来る。
【0178】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図15(A)に示すような回路を
1つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を
供給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、
または同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を
用いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0179】
次に、図16(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ204は、導通状態
にあり、オンになっている。スイッチ501、スイッチ503は、非導通状態であり、オ
フになっていることが望ましい。また図16(C)の映像信号入力の期間において、配線
103の電位は他の配線に入力される電位よりも高くすることが望ましい。そして、配線
104より、映像信号が供給される。このとき、容量素子102には、図16(B)の期
間において蓄積された電荷があるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トラ
ンジスタ101のゲートの電位は、配線104より供給される映像信号から、トランジス
タ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線1
04より供給される映像信号よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だ
け高い電位に近づいていく。図16(B)、図16(C)の動作により、映像信号の入力
と、しきい値電圧の取得とを行うことが出来る。
【0180】
次に、図16(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつ
きを補正する。これは、図5(A)などの期間に相当する。そして、スイッチ501、ス
イッチ503は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204は、非導通状態で
あり、オフになっていることが望ましい。また図16(D)のトランジスタ101の移動
度などの電流特性のばらつきを補正する期間において、配線103の電位は他の配線に入
力される電位よりも高くすることが望ましい。このような状態にすることにより、容量素
子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電されていく。このように
して、トランジスタ101を介してわずかに放電させることにより、トランジスタ101
の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0181】
次に、図16(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流
を供給する。これは、図5(B)などの期間に相当する。そして、スイッチ501、スイ
ッチ503は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204は、非導通状態であ
り、オフになっていることが望ましい。また図16(E)のトランジスタ101を介して
、表示素子105に電流を供給する期間において、配線103の電位は他の配線に入力さ
れる電位よりも高くすることが望ましい。このとき、トランジスタ101のゲートとソー
スの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧との和の電圧から、トランジ
スタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっている。したがって、トラ
ンジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することができ、表示素子105には
、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0182】
図16(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のば
らつきを補正している期間(図5(A))において、トランジスタ101の移動度などの
電流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図
5(B))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減される。その結
果、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を行うことが
出来る。
【0183】
なお、図15(B)の回路構成の場合は、図16(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御することが可能である。そして、スイッチ5
01、スイッチ503、及びスイッチ505は、導通状態であり、オンになっていること
が望ましい。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望
ましい。なお、図16(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0184】
なお、図15(C)の回路構成の場合は、図16(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲートの電位を制御することが可能である。そして、スイッチ501
、スイッチ503、及びスイッチ507は、導通状態であり、オンになっていることが望
ましい。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望まし
い。なお、図16(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0185】
なお、図15(D)の回路構成の場合は、図16(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲート及び/または第2の端子の電位を制御することが可能である。
そして、スイッチ501、スイッチ503、スイッチ505、及びスイッチ407は、導
通状態であり、オンになっていることが望ましい。スイッチ204については、非導通状
態であり、オフになっていることが望ましい。なお、図16(B)以降については、同様
に動作させればよい。
【0186】
なお、図16(A)乃至図16(E)において、各動作への切り替わり時において、その
動作の間に、別の動作や別の期間が設けられていることも可能である。例えば、図16
C)に示すような状態を、図16(A)と図16(B)の間に設けても良い。このような
期間を設けても、支障がないため、問題はない。
【0187】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0188】
(実施の形態6)
次に、本実施の形態では、実施の形態1で述べた回路および駆動方法の応用例について示
す。
【0189】
図17(A)に、図5(C)、図5(D)の具体例について示す。スイッチ601の第1
の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ601の第2の端子をトランジスタ10
1のゲート及び容量素子102の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ60
3の第1の端子を配線103と電気的に接続し、スイッチ603の第2の端子をトランジ
スタ101の第1の端子と電気的に接続する。そして、スイッチ204の第1の端子をス
イッチ601の第1の端子、トランジスタ101のゲート、及び容量素子102の第1の
端子と電気的に接続し、スイッチ204の第2の端子を配線104と電気的に接続する。
このように、4つのスイッチを配置することにより、図5(C)、図5(D)の接続状況
を実現するような回路構成を実現することが出来る。
【0190】
図17(A)とは別の例を、図17(B)、図17(C)、図17(D)に示す。図17
(B)では、図17(A)に新たにスイッチ605を設け、配線606との接続を制御す
ることで、トランジスタ101の第2の端子の電位を制御する構成について示している。
図17(C)では、図17(A)に新たにスイッチ607を設け、配線608との接続を
制御することで、トランジスタ101のゲートの電位を制御する構成について示している
図17(D)では、図17(B)に新たにスイッチ607を設け、配線608との接続
を制御することで、トランジスタ101のゲートの電位及びトランジスタ101の第2の
端子の電位を制御する構成について示している。そして例えば、配線606または配線6
08の電位を変化させることにより、図5(C)または図5(D)と同様な動作を実現す
ることが出来る。そして、さらにスイッチやトランジスタなどが必要な場合は、適宜、配
置される。
【0191】
なお、図17(A)乃至図17(D)では、実施の形態1で述べた構成についての例の一
部を示したが、それ以外の例についても、同様に構成することが出来る。
【0192】
次に、動作方法について述べる。ここでは、図17(A)の回路を用いて述べるが、それ
以外の回路についても、同様な動作方法を用いることが出来る。
【0193】
まず、図18(A)に示すように、初期化を行う。これは、トランジスタ101のゲート
、または、ドレイン(またはソース)の電位を、所定の電位に設定する動作である。これ
により、トランジスタ101がオンするような状態にすることが出来る。または、容量素
子102に、所定の電圧が供給される。そのため、容量素子102には、電荷が保持され
ることとなる。スイッチ601、及びスイッチ603は導通状態にあり、オンになってい
る。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。
また図18(A)の初期化の期間において、配線103の電位は他の配線より低い電位と
することが望ましい。ただし、これに限定されない。ただし、表示素子105に電流が流
れないことが望ましいため、それを実現できるような状態にあることが望ましい。したが
って、少なくとも、発光素子に印加される電圧が逆バイアスになっていることが望ましい
【0194】
なお図18(A)乃至(E)中、点線矢印は、電荷の動きについてわかりやすくするため
に可視化して示したものである。ただしこれに限定されず、所定の駆動を行うような、電
位関係等であれば問題ない。
【0195】
次に、図18(B)に示すように、トランジスタ101のしきい値電圧の取得を行う。ス
イッチ601、スイッチ603は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204
は、非導通状態であり、オフになっていることが望ましい。また図18(B)のトランジ
スタ101のしきい値電圧取得の期間において、配線103の電位は初期化の期間の電位
よりも高くすることが望ましい。このとき、容量素子102には、図18(A)の期間に
おいて蓄積された電荷があるため、その電荷が放電されていく。そのため、トランジスタ
101のゲートの電位は、図18(A)の期間において蓄積された電荷による電位から、
トランジスタ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つま
り、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だけ高い電位に近づいていく。この
とき、トランジスタ101のゲートとソースの間の電圧は、トランジスタ101のしきい
値電圧に近づいていく。これらの動作により、容量素子102の両端の電極間で、しきい
値電圧の取得を行うことが出来る。
【0196】
なお、この期間において、容量素子102の電荷を放電する場合、その期間に違いがでて
も、大きな問題はない。なぜなら、ある程度の時間が経過すれば、ほぼ完全に放電されて
しまうため、期間に長さが違っても、動作に与える影響は小さいからである。したがって
、この動作は、線順次ではなく、点順次を用いて駆動させることが出来る。したがって、
駆動回路の構成が簡単な構成で実現できる。そのため、図17(A)に示すような回路を
1つの画素としたとき、その画素がマトリクス状に配置された画素部と、画素部に信号を
供給する駆動回路部とについて、両者を同じ種類のトランジスタを用いて構成すること、
または同じ基板上に形成することが可能となる。ただしこれに限定されず、線順次駆動を
用いたり、画素部と駆動回路部とを別々の基板上に形成することも可能である。
【0197】
次に、図18(C)に示すように、映像信号の入力を行う。スイッチ204は、導通状態
にあり、オンになっている。スイッチ601、スイッチ603は、非導通状態であり、オ
フになっていることが望ましい。また図18(C)の映像信号入力の期間において、配線
103の電位は他の配線に入力される電位よりも高くすることが望ましい。そして、配線
104より、映像信号が供給される。このとき、容量素子102には、図18(B)の期
間において蓄積された電荷があるため、その電荷に更に蓄積されていく。そのため、トラ
ンジスタ101のゲートの電位は、配線104より供給される映像信号から、トランジス
タ101のしきい値電圧(正の値)を足し合わせた電位に近づいていく。つまり、配線1
04より供給される映像信号よりも、トランジスタ101のしきい値電圧の絶対値の分だ
け高い電位に近づいていく。図18(B)、図18(C)の動作により、映像信号の入力
と、しきい値電圧の取得とを行うことが出来る。
【0198】
次に、図18(D)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のばらつ
きを補正する。これは、図5(C)などの期間に相当する。そして、スイッチ601、ス
イッチ603は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204は、非導通状態で
あり、オフになっていることが望ましい。また図18(D)のトランジスタ101の移動
度などの電流特性のばらつきを補正する期間において、配線103の電位は他の配線に入
力される電位よりも高くすることが望ましい。このような状態にすることにより、容量素
子102に蓄積された電荷が、トランジスタ101を介して放電されていく。このように
して、トランジスタ101を介してわずかに放電させることにより、トランジスタ101
の電流のばらつきの影響を低減することが出来る。
【0199】
次に、図18(E)に示すように、トランジスタ101を介して、表示素子105に電流
を供給する。これは、図5(D)などの期間に相当する。そして、スイッチ601、スイ
ッチ603は、導通状態にあり、オンになっている。スイッチ204は、非導通状態であ
り、オフになっていることが望ましい。また図18(E)のトランジスタ101を介して
、表示素子105に電流を供給する期間において、配線103の電位は他の配線に入力さ
れる電位よりも高くすることが望ましい。このとき、トランジスタ101のゲートとソー
スの間の電圧は、しきい値電圧に応じた電圧と映像信号電圧との和の電圧から、トランジ
スタ101の電流特性に応じた電圧が差し引かれた電圧となっている。したがって、トラ
ンジスタ101の電流特性のばらつきの影響を低減することができ、表示素子105には
、適切な大きさの電流を供給することが出来る。
【0200】
図18(A)乃至(E)に示すように、トランジスタ101の移動度などの電流特性のば
らつきを補正している期間(図5(C))において、トランジスタ101の移動度などの
電流特性のばらつきが低減されるため、表示素子105に電流が供給されている期間(図
5(D))において、表示素子105に供給される電流のばらつきも低減される。その結
果、表示素子105の表示状態のばらつきも低減され、表示品位の高い表示を行うことが
出来る。
【0201】
なお、図17(B)の回路構成の場合は、図18(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101の第2の端子の電位を制御することが可能である。そして、スイッチ6
01、スイッチ603、及びスイッチ605は、導通状態であり、オンになっていること
が望ましい。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望
ましい。なお、図18(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0202】
なお、図17(C)の回路構成の場合は、図18(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲートの電位を制御することが可能である。そして、スイッチ601
、スイッチ603、及びスイッチ607は、導通状態であり、オンになっていることが望
ましい。スイッチ204については、非導通状態であり、オフになっていることが望まし
い。なお、図18(B)以降については、同様に動作させればよい。
【0203】
なお、図17(D)の回路構成の場合は、図18(A)に示す初期化の期間において、ト
ランジスタ101のゲート及び/または第2の端子の電位を制御することが可能である。
そして、スイッチ601、スイッチ603、スイッチ605、及びスイッチ607は、導
通状態であり、オンになっていることが望ましい。スイッチ204については、非導通状
態であり、オフになっていることが望ましい。なお、図18(B)以降については、同様
に動作させればよい。
【0204】
なお、図18(A)乃至図18(E)において、各動作への切り替わり時において、その
動作の間に、別の動作や別の期間が設けられていることも可能である。例えば、図18
C)に示すような状態を、図18(A)と図18(B)の間に設けても良い。このような
期間を設けても、支障がないため、問題はない。
【0205】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0206】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態6で述べた回路について、具体例を示す
【0207】
例として、図2(A)に示す回路が1つの画素を構成し、その画素がマトリクス状に配置
されている場合の例について、図19に示す。なお、図19では、スイッチは、nチャネ
ル型のトランジスタを用いて実現している。ただし、これに限定されず、別の極性のトラ
ンジスタを用いたり、両方の極性のトランジスタを用いたり、ダイオードまたはダイオー
ド接続されたトランジスタなどを用いたりすることも可能である。
【0208】
図2(A)に示す回路は、1つ分の画素である画素1200Mを構成している。画素12
00Mと同様な構成の画素が、画素1200N、画素1200P、画素1200Qとして
、マトリクス状に配置されている。各画素では、上下、左右の配置に応じて、同じ配線に
接続されている場合がある。
【0209】
次に、図2(A)の各要素と、画素1200Mにおける各要素との対応を、以下に示す。
配線104は、配線104Mに対応し、配線103は、配線103Mに対応し、スイッチ
201は、トランジスタ201Mに対応し、スイッチ202は、トランジスタ202Mに
対応し、トランジスタ101は、トランジスタ101Mに対応し、スイッチ203は、ト
ランジスタ203Mに対応し、スイッチ204は、トランジスタ204Mに対応し、容量
素子102は容量素子102Mに対応し、表示素子105は、発光素子105Mに対応し
、配線106は、配線106Mに対応する。
【0210】
トランジスタ201Mのゲートは、配線1204Mと接続されている。トランジスタ20
2Mのゲートは、配線1203Mと接続されている。トランジスタ203Mのゲートは、
配線1202Mと接続されている。トランジスタ204Mのゲートは、配線1201Mと
接続されている。
【0211】
なお、各々のトランジスタのゲートに接続されている配線は、別の画素の配線または同じ
画素の別の配線に接続されていることが可能である。
【0212】
なお、配線106Mは、配線106P、配線106N、配線106Qと接続されることが
可能である。
【0213】
図19と同様に、様々な回路を構成することが可能である。
【0214】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0215】
(実施の形態8)
次に、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態におい
ては、表示装置の外部から入力される画像(入力画像)の動きを補間する画像を、複数の
入力画像を基にして表示装置の内部で生成し、当該生成された画像(生成画像)と、入力
画像とを順次表示させる方法について説明する。なお、生成画像を、入力画像の動きを補
間するような画像とすることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホール
ド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。ここで、動画の補
間について、以下に説明する。動画の表示は、理想的には、個々の画素の輝度をリアルタ
イムに制御することで実現されるものであるが、画素のリアルタイム個別制御は、制御回
路の数が膨大なものとなる問題、配線スペースの問題、および入力画像のデータ量が膨大
なものとなる問題等が存在し、実現が困難である。したがって、表示装置による動画の表
示は、複数の静止画を一定の周期で順次表示することで、表示が動画に見えるようにして
行なわれている。この周期(本実施の形態においては入力画像信号周期と呼び、Tin
表す)は規格化されており、例として、NTSC規格では1/60秒、PAL規格では1
/50秒である。この程度の周期でも、インパルス型表示装置であるCRTにおいては動
画表示に問題は起こらなかった。しかし、ホールド型表示装置においては、これらの規格
に準じた動画をそのまま表示すると、ホールド型であることに起因する残像等により表示
が不鮮明となる不具合(ホールドぼけ:hold blur)が発生してしまう。ホール
ドぼけは、人間の目の追従による無意識的な動きの補間と、ホールド型の表示との不一致
(discrepancy)で認識されるものであるので、従来の規格よりも入力画像信
号周期を短くする(画素のリアルタイム個別制御に近づける)ことで低減させることがで
きるが、入力画像信号周期を短くすることは規格の変更を伴い、さらに、データ量も増大
することになるので、困難である。しかしながら、規格化された入力画像信号を基にして
、入力画像の動きを補間するような画像を表示装置内部で生成し、当該生成画像によって
入力画像を補間して表示することで、規格の変更またはデータ量の増大なしに、ホールド
ぼけを低減できる。このように、入力画像信号を基にして表示装置内部で画像信号を生成
し、入力画像の動きを補間することを、動画の補間と呼ぶこととする。
【0216】
本実施の形態における動画の補間方法によって、動画ぼけを低減させることができる。本
実施の形態における動画の補間方法は、画像生成方法と画像表示方法に分けることができ
る。そして、特定のパターンの動きについては別の画像生成方法および/または画像表示
方法を用いることで、効果的に動画ぼけを低減させることができる。図20(A)および
(B)は、本実施の形態における動画の補間方法の一例を説明するための模式図である。
図20(A)および(B)において、横軸は時間であり、横方向の位置によって、それぞ
れの画像が扱われるタイミングを表している。「入力」と記された部分は、入力画像信号
が入力されるタイミングを表している。ここでは、時間的に隣接する2つの画像として、
画像5121および画像5122に着目している。入力画像は、周期Tinの間隔で入力
される。なお、周期Tin1つ分の長さを、1フレームもしくは1フレーム期間と記すこ
とがある。「生成」と記された部分は、入力画像信号から新しく画像が生成されるタイミ
ングを表している。ここでは、画像5121および画像5122を基にして生成される生
成画像である、画像5123に着目している。「表示」と記された部分は、表示装置に画
像が表示されるタイミングを表している。なお、着目している画像以外の画像については
破線で記しているのみであるが、着目している画像と同様に扱うことによって、本実施の
形態における動画の補間方法の一例を実現できる。
【0217】
本実施の形態における動画の補間方法の一例は、図20(A)に示されるように、時間的
に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示
されるタイミングの間隙に表示させることで、動画の補間を行うことができる。このとき
、表示画像の表示周期は、入力画像の入力周期の1/2とされることが好ましい。ただし
、これに限定されず、様々な表示周期とすることができる。例えば、表示周期を入力周期
の1/2より短くすることで、動画をより滑らかに表示できる。または、表示周期を入力
周期の1/2より長くすることで、消費電力を低減できる。なお、ここでは、時間的に隣
接した2つの入力画像を基にして画像を生成しているが、基にする入力画像は2つに限定
されず、様々な数を用いることができる。例えば、時間的に隣接した3つ(3つ以上でも
良い)の入力画像を基にして画像を生成すれば、2つの入力画像を基にする場合よりも、
精度の良い生成画像を得ることができる。なお、画像5121の表示タイミングを、画像
5122の入力タイミングと同時刻、すなわち入力タイミングに対する表示タイミングを
1フレーム遅れとしているが、本実施の形態における動画の補間方法における表示タイミ
ングはこれに限定されず、様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、入力タ
イミングに対する表示タイミングを1フレーム以上遅らせることができる。こうすること
で、生成画像である画像5123の表示タイミングを遅くすることができるので、画像5
123の生成にかかる時間に余裕を持たせることができ、消費電力および製造コストの低
減につながる。なお、入力タイミングに対する表示タイミングをあまりに遅くすると、入
力画像を保持しておく期間が長くなり、保持にかかるメモリ容量が増大してしまうので、
入力タイミングに対する表示タイミングは、1フレーム遅れから2フレーム遅れ程度が好
ましい。
【0218】
ここで、画像5121および画像5122を基にして生成される画像5123の、具体的
な生成方法の一例について説明する。動画を補間するためには入力画像の動きを検出する
必要があるが、本実施の形態においては、入力画像の動きの検出のために、ブロックマッ
チング法と呼ばれる方法を用いることができる。ただし、これに限定されず、様々な方法
(画像データの差分をとる方法、フーリエ変換を利用する方法等)を用いることができる
。ブロックマッチング法においては、まず、入力画像1枚分の画像データ(ここでは画像
5121の画像データ)を、データ記憶手段(半導体メモリ、RAM等の記憶回路等)に
記憶させる。そして、次のフレームにおける画像(ここでは画像5122)を、複数の領
域に分割する。なお、分割された領域は、図20(A)のように、同じ形状の矩形とする
ことができるが、これに限定されず、様々なもの(画像によって形状または大きさを変え
る等)とすることができる。その後、分割された領域毎に、データ記憶手段に記憶させた
前のフレームの画像データ(ここでは画像5121の画像データ)とデータの比較を行い
、画像データが似ている領域を探索する。図20(A)の例においては、画像5122に
おける領域5124とデータが似ている領域を画像5121の中から探索し、領域512
6が探索されたものとしている。なお、画像5121の中を探索するとき、探索範囲は限
定されることが好ましい。図20(A)の例においては、探索範囲として、領域5124
の面積の4倍程度の大きさである、領域5125を設定している。なお、探索範囲をこれ
より大きくすることで、動きの速い動画においても検出精度を高くすることができる。た
だし、あまりに広く探索を行なうと探索時間が膨大なものとなってしまい、動きの検出の
実現が困難となるため、領域5125は、領域5124の面積の2倍から6倍程度の大き
さであることが好ましい。その後、探索された領域5126と、画像5122における領
域5124との位置の違いを、動きベクトル5127として求める。動きベクトル512
7は領域5124における画像データの1フレーム期間の動きを表すものである。そして
、動きの中間状態を表す画像を生成するため、動きベクトルの向きはそのままで大きさを
変えた画像生成用ベクトル5128を作り、画像5121における領域5126に含まれ
る画像データを、画像生成用ベクトル5128に従って移動させることで、画像5123
における領域5129内の画像データを形成させる。これらの一連の処理を、画像512
2における全ての領域について行なうことで、画像5123が生成されることができる。
そして、入力画像5121、生成画像5123、入力画像5122を順次表示することで
、動画を補間することができる。なお、画像中の物体5130は、画像5121および画
像5123において位置が異なっている(つまり動いている)が、生成された画像512
3は、画像5121および画像5122における物体の中間点となっている。このような
画像を表示することで、動画の動きを滑らかにすることができ、残像等による動画の不鮮
明さを改善できる。
【0219】
なお、画像生成用ベクトル5128の大きさは、画像5123の表示タイミングに従って
決められることができる。図20(A)の例においては、画像5123の表示タイミング
は画像5121および画像5122の表示タイミングの中間点(1/2)としているため
、画像生成用ベクトル5128の大きさは動きベクトル5127の1/2としているが、
他にも、例えば、表示タイミングが1/3の時点であれば、大きさを1/3とし、表示タ
イミングが2/3の時点であれば、大きさを2/3とすることができる。
【0220】
なお、このように、様々な動きベクトルを持った複数の領域をそれぞれ動かして新しい画
像を作る場合は、移動先の領域内に他の領域が既に移動している部分(重複)や、どこの
領域からも移動されてこない部分(空白)が生じることもある。これらの部分については
、データを補正することができる。重複部分の補正方法としては、例えば、重複データの
平均をとる方法、動きベクトルの方向等で優先度をつけておき、優先度の高いデータを生
成画像内のデータとする方法、色(または明るさ)はどちらかを優先させるが明るさ(ま
たは色)は平均をとる方法、等を用いることができる。空白部分の補正方法としては、画
像5121または画像5122の当該位置における画像データをそのまま生成画像内のデ
ータとする方法、画像5121または画像5122の当該位置における画像データの平均
をとる方法、等を用いることができる。そして、生成された画像5123を、画像生成用
ベクトル5128の大きさに従ったタイミングで表示させることで、動画の動きを滑らか
にすることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問
題を改善できる。
【0221】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、図20(B)に示されるように、時間
的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表
示されるタイミングの間隙に表示させる際に、それぞれの表示画像をさらに複数のサブ画
像に分割して表示することで、動画の補間を行うことができる。この場合、画像表示周期
が短くなることによる利点だけでなく、暗い画像が定期的に表示される(表示方法がイン
パルス型に近づく)ことによる利点も得ることができる。つまり、画像表示周期が画像入
力周期に比べて1/2の長さにするだけの場合よりも、残像等による動画の不鮮明さをさ
らに改善できる。図20(B)の例においては、「入力」および「生成」については図2
0(A)の例と同様な処理を行なうことができるので、説明を省略する。図20(B)の
例における「表示」は、1つの入力画像または/および生成画像を複数のサブ画像に分割
して表示を行うことができる。具体的には、図20(B)に示すように、画像5121を
サブ画像5121aおよび5121bに分割して順次表示することで、人間の目には画像
5121が表示されたように知覚させ、画像5123をサブ画像5123aおよび512
3bに分割して順次表示することで、人間の目には画像5123が表示されたように知覚
させ、画像5122をサブ画像5122aおよび5122bに分割して順次表示すること
で、人間の目には画像5122が表示されたように知覚させる。すなわち、人間の目に知
覚される画像としては図20(A)の例と同様なものとしつつ、表示方法をインパルス型
に近づけることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。なお、
サブ画像の分割数は、図20(B)においては2つとしているが、これに限定されず様々
な分割数を用いることができる。なお、サブ画像が表示されるタイミングは、図20(B
)においては等間隔(1/2)としているが、これに限定されず様々な表示タイミングを
用いることができる。例えば、暗いサブ画像(5121b、5122b、5123b)の
表示タイミングを早くする(具体的には、1/4から1/2のタイミング)ことで、表示
方法をよりインパルス型に近づけることができるため、残像等による動画の不鮮明さをさ
らに改善できる。または、暗いサブ画像の表示タイミングを遅くする(具体的には、1/
2から3/4のタイミング)ことで、明るい画像の表示期間を長くすることができるので
、表示効率を高めることができ、消費電力を低減できる。
【0222】
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、画像内で動いている物体の形状を検出
し、動いている物体の形状によって異なる処理を行なう例である。図20(C)に示す例
は、図20(B)の例と同様に表示のタイミングを表しているが、表示されている内容が
、動く文字(スクロールテキスト、字幕、テロップ等とも呼ばれる)である場合を示して
いる。なお、「入力」および「生成」については、図20(B)と同様としても良いため
、図示していない。ホールド駆動における動画の不鮮明さは、動いているものの性質によ
って程度が異なることがある。特に、文字が動いている場合に顕著に認識されることが多
い。なぜならば、動く文字を読む際にはどうしても視線を文字に追従させてしまうので、
ホールドぼけが発生しやすくなるためである。さらに、文字は輪郭がはっきりしているこ
とが多いため、ホールドぼけによる不鮮明さがさらに強調されてしまうこともある。すな
わち、画像内を動く物体が文字かどうかを判別し、文字である場合はさらに特別な処理を
行なうことは、ホールドぼけの低減のためには有効である。具体的には、画像内を動いて
いる物体に対し、輪郭検出または/およびパターン検出等を行なって、当該物体が文字で
あると判断された場合は、同じ画像から分割されたサブ画像同士であっても動き補間を行
い、動きの中間状態を表示するようにして、動きを滑らかにすることができる。当該物体
が文字ではないと判断された場合は、図20(B)に示すように、同じ画像から分割され
たサブ画像であれば動いている物体の位置は変えずに表示することができる。図20(C
)の例では、文字であると判断された領域5131が、上方向に動いている場合を示して
いるが、画像5121aと画像5121bとで、領域5131の位置を異ならせている。
画像5123aと画像5123b、画像5122aと画像5122bについても同様であ
る。こうすることで、ホールドぼけが特に認識されやすい動く文字については、通常の動
き補償倍速駆動よりもさらに動きを滑らかにすることができるので、残像等による動画の
不鮮明さをさらに改善できる。
【0223】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0224】
(実施の形態9)
本実施の形態では、表示装置の一例について説明する。
【0225】
まず、図21(A)を参照して、液晶表示装置のシステムブロックの一例について説明す
る。液晶表示装置は、回路5361、回路5362、回路5363_1、回路5363_
2、画素部5364、回路5365、及び照明装置5366を有する。画素部5364に
は、複数の配線5371が回路5362から延伸して配置され、複数の配線5372が回
路5363_1、及び回路5363_2から延伸して配置されている。そして、複数の配
線5371と複数の配線5372との交差領域には、各々、液晶素子などの表示素子を有
する画素5367がマトリクス状に配置されている。
【0226】
回路5361は、映像信号5360に応じて、回路5362、回路5363_1、回路5
363_2、及び回路5365に、信号、電圧、又は電流などを供給する機能を有し、コ
ントローラ、制御回路、タイミングジェネレータ、電源回路、又はレギュレータなどとし
て機能することが可能である。本実施の形態では、一例として、回路5361は、回路5
362に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(
SCK)、信号線駆動回路用反転クロック信号(SCKB)、ビデオ信号用データ(DA
TA)、ラッチ信号(LAT)を供給するものとする。または、回路5361は、一例と
して、回路5363_1、及び回路5363_2に、走査線駆動回路用スタート信号(G
SP)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、及び走査線駆動回路用反転クロック
信号(GCKB)を供給するものとする。または、回路5361は、回路5365に、バ
ックライト制御信号(BLC)を供給するものとする。ただし、これに限定されず、回路
5361は、他にも様々な信号、様々な電圧、又は様々な電流などを、回路5362、回
路5363_1、回路5363_2、及び回路5365に供給することが可能である。
【0227】
回路5362は、回路5361から供給される信号(例えば、SSP、SCK、SCKB
、DATA、LAT)に応じて、ビデオ信号を複数の配線5371に出力する機能を有し
、信号線駆動回路として機能することが可能である。回路5363_1、及び回路536
3_2は、回路5361から供給される信号(GSP、GCK、GCKB)に応じて、走
査信号を複数の配線5372に出力する機能を有し、走査線駆動回路として機能すること
が可能である。回路5365は、回路5361から供給される信号(BLC)に応じて、
照明装置5366に供給する電力の量、又は時間などを制御することによって、照明装置
5366の輝度(又は平均輝度)を制御する機能を有し、電源回路として機能することが
可能である。
【0228】
なお、複数の配線5371にビデオ信号が入力される場合、複数の配線5371は、信号
線、ビデオ信号線、又はソース線などとして機能することが可能である。複数の配線53
72に走査信号が入力される場合、複数の配線5372は、信号線、走査線、又はゲート
線などとして機能することが可能である。ただし、これに限定されない。
【0229】
なお、回路5363_1、及び回路5363_2に、同じ信号が回路5361から入力さ
れる場合、回路5363_1が複数の配線5372に出力する走査信号と、回路5363
_2が複数の配線5372に出力する走査信号とは、おおむね等しいタイミングとなる場
合が多い。したがって、回路5363_1、及び回路5363_2が駆動する負荷を小さ
くすることができる。よって、表示装置を大きくすることができる。または、表示装置を
高精細にすることができる。または、回路5363_1、及び回路5363_2が有する
トランジスタのチャネル幅を小さくすることができるので、狭額縁な表示装置を得ること
ができる。ただし、これに限定されず、回路5361は、回路5363_1と回路536
3_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0230】
なお、回路5363_1と回路5363_2との一方を省略することが可能である。
【0231】
なお、画素部5364には、容量線、電源線、走査線などの配線を新たに配置することが
可能である。そして、回路5361は、これらの配線に信号又は電圧などを出力すること
が可能である。または、回路5363_1又は回路5363_2と同様の回路を新たに追
加し、この新たに追加した回路は、新たに追加した配線に走査信号などの信号を出力する
ことが可能である。
【0232】
なお、画素5367が表示素子としてEL素子などの発光素子を有することが可能である
。この場合、図21(B)に示すように、表示素子が発光することが可能なので、回路5
365、及び照明装置5366は省略されることが可能である。そして、表示素子に電力
を供給するために、電源線として機能することが可能な複数の配線5373を画素部53
64に配置することが可能である。回路5361は、電圧(ANO)という電源電圧を配
線5373に供給することが可能である。この配線5373は、画素の色要素別に接続さ
れることが可能であるし、全ての画素に共通して接続されることが可能である。
【0233】
なお、図21(B)では、一例として、回路5361は、回路5363_1と回路536
3_2とに別々の信号を供給する場合の一例を示す。回路5361は、走査線駆動回路用
スタート信号(GSP1)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)、及び走査線駆
動回路用反転クロック信号(GCKB1)などの信号を回路5363_1に供給する。そ
して、回路5361は、走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)、走査線駆動回路用
クロック信号(GCK2)、及び走査線駆動回路用反転クロック信号(GCKB2)など
の信号を回路5363_2に供給する。この場合、回路5363_1は、複数の配線53
72のうち奇数行目の配線のみを走査し、回路5363_2は、複数の配線5372のう
ち偶数行目の配線のみを走査することが可能になる。よって、回路5363_1、及び回
路5363_2の駆動周波数を小さくできるので、消費電力の低減を図ることができる。
または、1段分のフリップフロップをレイアウトすることが可能な面積を大きくすること
ができる。よって、表示装置を高精細にすることができる。または、表示装置を大型にす
ることができる。ただし、これに限定されず、図21(A)と同様に、回路5361は、
回路5363_1と回路5363_2とに同じ信号を出力することが可能である。
【0234】
なお、図21(B)と同様に、図21(A)においても、回路5361は、回路5363
_1と回路5363_2とに別々の信号を供給することが可能である。
【0235】
以上、表示装置のシステムブロックの一例について説明した。
【0236】
次に、表示装置の構成の一例について、図22(A)、(B)、(C)、(D)、及び(
E)を参照して説明する。
【0237】
図22(A)では、画素部5364に信号を出力する機能を有する回路(例えば、回路5
362、回路5363_1、及び回路5363_2など)は、画素部5364と同じ基板
5380に形成される。そして、回路5361は、画素部5364とは別の基板に形成さ
れる。こうして、外部部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。または、
基板5380に入力される信号又は電圧の数が減るので、基板5380と、外部部品との
接続数を減らすことができる。よって、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることが
できる。
【0238】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板は、TAB(Ta
pe Automated Bonding)方式によってFPC(Flexible
Printed Circuit)に実装されることが可能である。または、当該基板は
、COG(Chip on Glass)方式によって画素部5364と同じ基板538
0に実装することが可能である。
【0239】
なお、回路が画素部5364とは別の基板に形成される場合、当該基板には、単結晶半導
体を用いたトランジスタを形成することが可能である。したがって、当該基板に形成され
る回路は、駆動周波数の向上、駆動電圧の向上、出力信号のばらつきの低減などのメリッ
トを得ることができる。
【0240】
なお、外部回路からは、入力端子5381を介して信号、電圧、又は電流などが入力され
る場合が多い。
【0241】
図22(B)では、駆動周波数が低い回路(例えば、回路5363_1、回路5363_
2)は、画素部5364と同じ基板5380に形成される。そして、回路5361、及び
回路5362は、画素部5364とは別の基板に形成される。こうして、移動度が小さい
トランジスタによって、基板5380に形成される回路を構成することが可能になる。よ
って、トランジスタの半導体層として、非単結晶半導体、微結晶半導体、有機半導体、又
は酸化物半導体などを用いることが可能になる。したがって、表示装置の大型化、工程数
の削減、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0242】
なお、図22(C)に示すように、回路5362の一部(回路5362a)が画素部53
64と同じ基板5380に形成され、残りの回路5362(回路5362b)が画素部5
364とは別の基板に形成されることが可能である。回路5362aは、移動度が低いト
ランジスタによって構成することが可能な回路(例えば、シフトレジスタ、セレクタ、ス
イッチなど)を有する場合が多い。そして、回路5362bは、移動度が高く、特性ばら
つきが小さいトランジスタによって構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジス
タ、ラッチ回路、バッファ回路、DA変換回路、AD変換回路など)を有する場合が多い
。こうすることによって、図22(B)と同様に、トランジスタの半導体層として、非単
結晶半導体、微結晶半導体、有機半導体、又は酸化物半導体などを用いることが可能とな
り、さらに外部部品の削減を図ることができる。
【0243】
図22(D)では、画素部5364に信号を出力する機能を有する回路(例えば、回路5
362、回路5363_1、及び回路5363_2など)、及びこれらの回路を制御する
機能を有する回路(例えば、回路5361)は、画素部5364とは別の基板に形成され
る。こうして、画素部と、その周辺回路とを別々の基板に形成することが可能になるので
、歩留まりの向上を図ることができる。
【0244】
なお、図22(D)と同様に、図22(A)~(C)においても、回路5363_1、及
び回路5363_2を画素部5364とは別の基板に形成することが可能である。
【0245】
図22(E)では、回路5361の一部(回路5361a)が画素部5364と同じ基板
5380に形成され、残りの回路5361(回路5361b)が画素部5364とは別の
基板に形成される。回路5361aは、移動度が小さいトランジスタによって構成するこ
とが可能な回路(例えば、スイッチ、セレクタ、レベルシフト回路など)を有する場合が
多い。そして、回路5361bは、移動度が高く、特性のばらつきが小さいトランジスタ
を用いて構成することが好ましい回路(例えば、シフトレジスタ、タイミングジェネレー
タ、オシレータ、レギュレータ、又はアナログバッファなど)を有する場合が多い。
【0246】
なお、図22(A)~(D)においても、回路5361aを画素部5364と同じ基板に
形成し、回路5361bを画素部5364とは別の基板に形成することが可能である。
【0247】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0248】
(実施の形態10)
本実施の形態では、トランジスタ、及び容量素子の作製工程の一例を示す。特に、半導体
層として、酸化物半導体を用いる場合の作製工程について説明する。酸化物半導体層とし
ては、InMO(ZnO)(m>0)で表記される層を用いることが可能である。な
お、Mとしては、Ga、Fe、Ni、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素又は複数の
金属元素などがある。例えば、Mとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はG
aとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。なお、酸化物半導体にお
いて、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属
元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。このような薄膜をIn-Ga
-Zn-O系非単結晶膜と示すことが可能である。なお、酸化物半導体としては、ZnO
を用いることが可能である。なお、酸化物半導体層の可動イオン、代表的にはナトリウム
の濃度は、5×1018/cm以下、更には1×1018/cm以下であると、トラ
ンジスタの電気特性が変化することを抑制することができるため好ましい。ただし、これ
に限定されず、半導体層としては、他に様々な材料の酸化物半導体を用いることが可能で
ある。または、半導体層としては、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶(マイクロクリ
スタル、又はナノクリスタル)半導体、非晶質(アモルファス)半導体、又は、様々な非
単結晶半導体などを用いることが可能である。
【0249】
図23(A)~(C)を参照して、トランジスタ、及び容量素子の作製工程の一例につい
て説明する。図23(A)~(C)は、トランジスタ5441、及び容量素子5442の
作製工程の一例である。トランジスタ5441は、逆スタガ型薄膜トランジスタの一例で
あり、酸化物半導体層上にソース電極またはドレイン電極を介して配線が設けられている
トランジスタの例である。
【0250】
まず、基板5420上に、スパッタリング法により第1導電層を全面に形成する。次に、
第1フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用い
て、選択的に第1導電層のエッチングを行い、導電層5421、及び導電層5422を形
成する。導電層5421は、ゲート電極として機能することが可能であり、導電層542
2は、容量素子の一方の電極として機能することが可能である。ただし、これに限定され
ず、導電層5421、及び導電層5422は、配線、ゲート電極、又は容量素子の電極と
して機能する部分を有することが可能である。この後、レジストマスクを除去する。
【0251】
次に、絶縁層5423をプラズマCVD法またはスパッタリング法を用いて全面に形成す
る。絶縁層5423は、ゲート絶縁層として機能することが可能であり、導電層5421
、及び導電層5422を覆うように形成される。なお、絶縁層5423の膜厚は、50n
m~250nmである場合が多い。
【0252】
なお、絶縁層5423として、酸化シリコン層が用いられる場合、有機シランガスを用い
たCVD法により、酸化シリコン層を形成することが可能である。有機シランガスとして
は、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TM
S:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、
オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(
SiH(N(CH)等のシリコン含有化合物、又は、酸化イットリウム(Y
)を用いることが可能である。
【0253】
次に、第2フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスク
を用いて、絶縁層5423を選択的にエッチングして導電層5421に達するコンタクト
ホール5424を形成する。この後、レジストマスクを除去する。ただし、これに限定さ
れず、コンタクトホール5424を省略することが可能である。または、酸化物半導体層
の形成後に、コンタクトホール5424を形成することが可能である。ここまでの段階で
の断面図が図23(A)に相当する。
【0254】
次に、酸化物半導体層をスパッタリング法により全面に形成する。ただし、これに限定さ
れず、酸化物半導体層をスパッタリング法により形成し、さらにその上にn層を形成す
ることが可能である。なお、酸化物半導体層の膜厚は、5nm~200nmである場合が
多い。
【0255】
なお、酸化物半導体層をスパッタリング法により形成する前に、アルゴンガスを導入して
プラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことが好ましい。この逆スパッタリングに
より、絶縁層5423の表面及びコンタクトホール5424の底面に付着しているゴミを
除去することができる。逆スパッタリングとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アル
ゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板にプラズマを形成して表面
を改質する方法である。ただし、これに限定されず、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリ
ウムなどを用いることが可能である。または、アルゴン雰囲気に酸素、NOなどを加え
た雰囲気で行うことが可能である。または、アルゴン雰囲気にCl、CFなどを加え
た雰囲気で行うことが可能である。なお、逆スパッタリングを行うと、絶縁層5423の
表面が好ましくは2~10nm程度削られる。このようなプラズマ処理後に、大気に曝す
ことなく酸化物半導体層を形成することによって、ゲート絶縁層と半導体層との界面にゴ
ミ又は水分を付着させない点で有用である。
【0256】
次に、第3フォトマスクを用いて選択的に、酸化物半導体層のエッチングを行う。この後
、レジストマスクを除去する。
【0257】
次に、スパッタリング法により第2導電層を全面に形成する。次に、第4フォトマスクを
用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて選択的に第2導電
層のエッチングを行い、導電層5429、導電層5430、及び導電層5431を形成す
る。導電層5429は、コンタクトホール5424を介して導電層5421と接続される
。導電層5429、及び導電層5430は、ソース電極又はドレイン電極として機能する
ことが可能であり、導電層5431は、容量素子の他方の電極として機能することが可能
である。ただし、これに限定されず、導電層5429、導電層5430、及び導電層54
31は、配線、ソース若しくはドレイン電極、又は容量素子の電極として機能する部分を
含むことが可能である。
【0258】
なお、この後、熱処理(例えば200℃~600℃の)を行う場合、この熱処理に耐える
耐熱性を第2導電層に持たせることが好ましい。よって、第2導電層としては、Alと、
耐熱性導電性材料(例えば、Ti、Ta、W、Mo、Cr、Nd、Sc、Zr、Ceなど
の元素、これらの元素を組み合わせた合金、又は、これらの元素を成分とする窒化物など
)とを組み合わせた材料であることが好ましい。ただし、これに限定されず、第2導電膜
を積層構造にすることによって、第2導電膜に耐熱性を持たせることができる。例えば、
Alの上下に、Ti、又はMoなどの耐熱性導電性材料を設けることが可能である。
【0259】
なお、第2導電層をスパッタリング法により形成する前に、アルゴンガスを導入してプラ
ズマを発生させる逆スパッタリングを行い、絶縁層5423の表面、酸化物半導体層の表
面、及びコンタクトホール5424の底面に付着しているゴミを除去することが好ましい
。ただし、これに限定されず、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを用いること
が可能である。または、アルゴン雰囲気に酸素、水素、NOなどを加えた雰囲気で行う
ことが可能である。または、アルゴン雰囲気にCl、CFなどを加えた雰囲気で行う
ことが可能である。
【0260】
なお、第2導電層のエッチングの際に、さらに、酸化物半導体層の一部をエッチングして
、酸化物半導体層5425を形成する。このエッチングによって、導電層5421と重な
る部分の酸化物半導体層5425、又は、上方に第2の導電層が形成されていない部分の
酸化物半導体層5425は、削られるので、薄くなる場合が多い。ただし、これに限定さ
れず、酸化物半導体層は、エッチングされないことが可能である。ただし、酸化物半導体
層の上にn層が形成される場合は、酸化物半導体層はエッチングされる場合が多い。こ
の後、レジストマスクを除去する。このエッチングが終了した段階でトランジスタ544
1と容量素子5442とが完成する。ここまでの段階での断面図が図23(B)に相当す
る。
【0261】
ここで、第2導電層をスパッタリング法により形成する前に逆スパッタリングを行うと、
絶縁層5423の露出部が好ましくは2~10nm程度削られることがある。よって、絶
縁層5423に凹部が形成される場合がある。または、第2導電層のエッチングを行い、
導電層5429、導電層5430、及び導電層5431を形成した後、逆スパッタリング
することによって、図23(B)に示すように、導電層5429、導電層5430、及び
導電層5431の端部が湾曲する場合がある。
【0262】
次に、大気雰囲気下または窒素雰囲気下で200℃~600℃の加熱処理を行う。この熱
処理によりIn-Ga-Zn-O系非単結晶層の原子レベルの再配列が行われる。この熱
処理によりキャリアの移動を阻害する歪が解放されるため、ここでの熱処理(光アニール
も含む)は重要である。なお、この加熱処理を行うタイミングは限定されず、酸化物半導
体の形成後であれば、様々なタイミングで行うことが可能である。
【0263】
次に、絶縁層5432を全面に形成する。絶縁層5432としては、単層構造であること
が可能であるし、積層構造であることが可能である。例えば、絶縁層5432として有機
絶縁層を用いる場合、有機絶縁層の材料である組成物を塗布し、大気雰囲気下または窒素
雰囲気下で200℃~600℃の加熱処理を行って、有機絶縁層を形成する。このように
、酸化物半導体層に接する有機絶縁層を形成することにより、電気特性の信頼性の高い薄
膜トランジスタを作製することができる。なお、絶縁層5432として有機絶縁層を用い
る場合、有機絶縁層の下に、窒化珪素膜、又は酸化珪素膜を設けることが可能である。
【0264】
なお、図23(C)においては、非感光性樹脂を用いて絶縁層5432を形成した形態を
示すため、コンタクトホールが形成される領域の断面において、絶縁層5432の端部が
角張っている。しかしながら、感光性樹脂を用いて絶縁層5432を形成すると、コンタ
クトホールが形成される領域の断面において、絶縁層5432の端部を湾曲させることが
可能になる。この結果、後に形成される第3導電層又は画素電極の被覆率が向上する。
【0265】
なお、組成物を塗布する代わりに、その材料に応じて、ディップ、スプレー塗布、インク
ジェット法、印刷法、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコー
ター等を用いることが可能である。
【0266】
なお、酸化物半導体層を形成した後の加熱処理をせず、有機絶縁層の材料である組成物の
加熱処理時に、酸化物半導体層の加熱処理を兼ねることが可能である。
【0267】
なお、絶縁層5432は、200nm~5μm、好ましくは300nm~1μmで形成す
ることが可能である。
【0268】
次に、第3導電層を全面に形成する。次に、第5フォトマスクを用いたフォトリソグラフ
ィ工程により形成したレジストマスクを用いて第3導電層を選択的にエッチングして、導
電層5433、及び導電層5434を形成する。ここまでの段階での断面図が図23(C
)に相当する。導電層5433、及び導電層5434は、配線、画素電極、反射電極、透
明電極、又は容量素子の電極として機能することが可能である。特に、導電層5434は
、導電層5422と接続されるので、容量素子5442の電極として機能することが可能
である。ただし、これに限定されず、第1導電層と第2導電層とを接続する機能を有する
ことが可能である。例えば、導電層5433と導電層5434とを接続することによって
、導電層5422と導電層5430とを第3導電層(導電層5433及び導電層5434
)を介して接続されることが可能になる。
【0269】
なお、容量素子5442は、導電層5422と導電層5434とによって、導電層543
1が挟まれる構造になるので、容量素子5442の容量値を大きくすることができる。た
だし、これに限定されず、導電層5422と導電層5434との一方を省略することが可
能である。
【0270】
なお、レジストマスクをウェットエッチングで除去した後、大気雰囲気下または窒素雰囲
気下で200℃~600℃の加熱処理を行うことが可能である。
【0271】
以上の工程により、トランジスタ5441と容量素子5442とを作製することができる
【0272】
なお、図23(D)に示すように、酸化物半導体層5425の上に絶縁層5435を形成
することが可能である。絶縁層5435は、第2導電層がパターニングされる場合に、酸
化物半導体層が削られることを防止する機能を有し、チャネルストップ膜として機能する
。よって、酸化物半導体層の膜厚を薄くすることができるので、トランジスタの駆動電圧
の低減、オフ電流の低減、ドレイン電流のオンオフ比の向上、又はS値の改善などを図る
ことができる。なお、絶縁層5435は、酸化物半導体層と絶縁層とを連続して全面に形
成し、その後、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマ
スクを用いて選択的に当該絶縁層をパターニングすることによって、形成されることがで
きる。その後、第2導電層を全面に形成し、第2導電層と同時に酸化物半導体層をパター
ニングする。つまり、同じマスク(レチクル)を用いて、酸化物半導体層と第2導電層と
をパターニングすることが可能になる。この場合、第2導電層の下には、必ず酸化物半導
体層が形成されることになる。こうして、工程数を増やすことなく、絶縁層5435を形
成することができる。このような製造プロセスでは、第2導電層の下に酸化物半導体層が
形成される場合が多い。ただし、これに限定されず、酸化物半導体層をパターニングした
後に、絶縁層を全面に形成し、当該絶縁層をパターニングすることによって、絶縁層54
35を形成することが可能である。
【0273】
なお、図23(D)において、容量素子5442は、導電層5422と導電層5431と
によって、絶縁層5423と酸化物半導体層5436とが挟まれる構造である。ただし、
酸化物半導体層5436を省略することが可能である。そして、導電層5430と導電層
5431とは、第3導電層をパターニングして形成される導電層5437を介して接続さ
れている。このような構造は、一例として、液晶表示装置の画素に用いられることが可能
である。例えば、トランジスタ5441はスイッチングトランジスタとして機能し、容量
素子5442は保持容量として機能することが可能である。そして、導電層5421、導
電層5422、導電層5429、導電層5437は、各々、ゲート線、容量線、ソース線
、画素電極として機能することが可能である。ただし、これに限定されない。なお、図2
3(D)と同様に、図23(C)においても、導電層5430と導電層5431とを第3
導電層を介して接続することが可能である。
【0274】
なお、図23(E)に示すように、第2導電層をパターニングした後に、酸化物半導体層
5425を形成することが可能である。こうすることによって、第2導電層がパターニン
グされる場合、酸化物半導体層は形成されていないので、酸化物半導体層が削られること
がない。よって、酸化物半導体層の膜厚を薄くすることができるので、トランジスタの駆
動電圧の低減、オフ電流の低減、ドレイン電流のオンオフ比の向上、又はS値の改善など
を図ることができる。なお、酸化物半導体層5425は、第2導電層がパターニングされ
る後に、酸化物半導体層が全面に形成され、その後フォトマスクを用いたフォトリソグラ
フィ工程により形成したレジストマスクを用いて選択的に酸化物半導体層をパターニング
することによって形成されることができる。
【0275】
なお、図23(E)において、容量素子は、導電層5422と、第3導電層をパターニン
グして形成される導電層5439とによって、絶縁層5423と絶縁層5432とが挟ま
れる構造である。そして、導電層5422と導電層5430とは、第3導電層をパターニ
ングして形成される導電層5438を介して接続される。さらに、導電層5439は、第
2導電層をパターニングして形成される導電層5440と接続される。なお、図23(E
)と同様に、図23(C)及び(D)においても、導電層5430と導電層5422とは
、導電層5438を介して接続されることが可能である。
【0276】
なお、酸化物半導体層(又はチャネル層)の膜厚を、トランジスタがオフの場合の空乏層
よりも薄くすることによって、完全空乏化状態を作り出すことが可能になる。こうして、
オフ電流を低減することができる。これを実現するために、酸化物半導体層の膜厚は、2
0nm以下であることが好ましい。より好ましくは10nm以下である。さらに好ましく
は6nm以下であることが好ましい。
【0277】
なお、トランジスタの動作電圧の低減、オフ電流の低減、ドレイン電流のオンオフ比の向
上、S値の改善などを図るために、酸化物半導体層の膜厚は、トランジスタを構成する層
の中で、一番薄いことが好ましい。例えば、酸化物半導体層の膜厚は、絶縁層5423よ
りも薄いことが好ましい。より好ましくは、酸化物半導体層の膜厚は、絶縁層5423の
1/2以下であることが好ましい。より好ましくは、1/5以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、1/10以下であることが好ましい。ただし、これに限定されず、信
頼性を向上させるために、酸化物半導体層の膜厚は、絶縁層5423よりも厚いことが可
能である。特に、図23(C)のように、酸化物半導体層が削られる場合には、酸化物半
導体層の膜厚は厚いほうが好ましいので、酸化物半導体層の膜厚は、絶縁層5423より
も厚いことが可能である。
【0278】
なお、トランジスタの耐圧を高くするために、絶縁層5423の膜厚は、第1導電層より
も厚いことが好ましい。より好ましくは、絶縁層5423の膜厚は、第1導電層の5/4
以上であることが好ましい。さらに好ましくは、4/3以上であることが好ましい。ただ
し、これに限定されず、トランジスタの移動度を高くするために、絶縁層5423の膜厚
は、第1導電層よりも薄いことが可能である。
【0279】
なお、本実施の形態の基板、絶縁膜、導電膜、及び半導体層としては、他の実施の形態に
述べる材料、又は本明細書において述べる材料と同様なものを用いることが可能である。
【0280】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0281】
(実施の形態11)
本実施の形態では、トランジスタの構造の一例について図24(A)、(B)、及び(C
)を参照して説明する。
【0282】
図24(A)は、トップゲート型のトランジスタの構成の一例である。図24(B)は、
ボトムゲート型のトランジスタの構成の一例である。図24(C)は、半導体基板を用い
て作製されるトランジスタの構造の一例である。
【0283】
図24(A)には、基板5260と、基板5260の上に形成される絶縁層5261と、
絶縁層5261の上に形成され、領域5262a、領域5262b、領域5262c、領
域5262d、及び5262eを有する半導体層5262と、半導体層5262を覆うよ
うに形成される絶縁層5263と、半導体層5262及び絶縁層5263の上に形成され
る導電層5264と、絶縁層5263及び導電層5264の上に形成され、開口部を有す
る絶縁層5265と、絶縁層5265の上及び絶縁層5265の開口部に形成される導電
層5266と、導電層5266の上及び絶縁層5265の上に形成され、開口部を有する
絶縁層5267と、絶縁層5267の上及び絶縁層5267の開口部に形成される導電層
5268と、絶縁層5267の上及び導電層5268の上に形成され、開口部を有する絶
縁層5269と、絶縁層5269の上及び絶縁層5269の開口部に形成される発光層5
270と、絶縁層5269の上及び発光層5270の上に形成される導電層5271とを
示す。
【0284】
図24(B)には、基板5300と、基板5300の上に形成される導電層5301と、
導電層5301を覆うように形成される絶縁層5302と、導電層5301及び絶縁層5
302の上に形成される半導体層5303aと、半導体層5303aの上に形成される半
導体層5303bと、半導体層5303bの上及び絶縁層5302の上に形成される導電
層5304と、絶縁層5302の上及び導電層5304の上に形成され、開口部を有する
絶縁層5305と、絶縁層5305の上及び絶縁層5305の開口部に形成される導電層
5306と、絶縁層5305の上及び導電層5306の上に配置される液晶層5307と
、液晶層5307の上に形成される導電層5308とを示す。
【0285】
図24(C)には、領域5353及び領域5355を有する半導体基板5352と、半導
体基板5352の上に形成される絶縁層5356と、半導体基板5352の上に形成され
る絶縁層5354と、絶縁層5356の上に形成される導電層5357と、絶縁層535
4、絶縁層5356、及び導電層5357の上に形成され、開口部を有する絶縁層535
8と、絶縁層5358の上及び絶縁層5358の開口部に形成される導電層5359とを
示す。こうして、領域5350と領域5351とに、各々、トランジスタが作製される。
【0286】
絶縁層5261は、下地膜として機能することが可能である。絶縁層5354は、素子間
分離層(例えばフィールド酸化膜)として機能する。絶縁層5263、絶縁層5302、
絶縁層5356は、ゲート絶縁膜として機能することが可能である。導電層5264、導
電層5301、導電層5357は、ゲート電極として機能することが可能である。絶縁層
5265、絶縁層5267、絶縁層5305、及び絶縁層5358は、層間膜、又は平坦
化膜として機能することが可能である。導電層5266、導電層5304、及び導電層5
359は、配線、トランジスタの電極、又は容量素子の電極などとして機能することが可
能である。導電層5268、及び導電層5306は、画素電極、又は反射電極などとして
機能することが可能である。絶縁層5269は、隔壁として機能することが可能である。
導電層5271、及び導電層5308は、対向電極、又は共通電極などとして機能するこ
とが可能である。
【0287】
基板5260、及び基板5300の一例としては、ガラス基板、石英基板、単結晶基板(
例えばシリコン基板)、SOI基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス基板、ス
テンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有
する基板又は可撓性基板などがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガ
ラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂な
どがある。他にも、貼り合わせフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリ
フッ化ビニル、塩化ビニルなど)、繊維状な材料を含む紙、基材フィルム(ポリエステル
、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、紙類等)などがある。
【0288】
半導体基板5352としては、一例として、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基
板を用いることが可能である。ただし、これに限定されず、基板5260と同様なものを
用いることが可能である。領域5353は、一例として、半導体基板5352に不純物が
添加された領域であり、ウェルとして機能する。例えば、半導体基板5352がp型の導
電型を有する場合、領域5353は、n型の導電型を有し、nウェルとして機能する。一
方で、半導体基板5352がn型の導電型を有する場合、領域5353は、p型の導電型
を有し、pウェルとして機能する。領域5355は、一例として、不純物が半導体基板5
352に添加された領域であり、ソース領域又はドレイン領域として機能する。なお、半
導体基板5352に、LDD領域を形成することが可能である。
【0289】
絶縁層5261の一例としては、酸化珪素(SiOx)膜、窒化珪素(SiNx)膜、酸
化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)膜、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)膜
などの酸素若しくは窒素を有する膜、又はこれらの積層構造などがある。絶縁層5261
が2層構造で設けられる場合の一例としては、1層目の絶縁層として窒化珪素膜を設け、
2層目の絶縁層として酸化珪素膜を設けることが可能である。絶縁層5261が3層構造
で設けられる場合の一例としては、1層目の絶縁層として酸化珪素膜を設け、2層目の絶
縁層として窒化珪素膜を設け、3層目の絶縁層として酸化珪素膜を設けることが可能であ
る。
【0290】
半導体層5262、半導体層5303a、及び半導体層5303bの一例としては、非単
結晶半導体(非晶質(アモルファス)シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコンなど)
、単結晶半導体、化合物半導体若しくは酸化物半導体(ZnO、InGaZnO、SiG
e、GaAs、IZO、ITO、SnO、TiO、AlZnSnO(AZTO))、有機
半導体、又はカーボンナノチューブなどがある。
【0291】
なお、例えば、領域5262aは、不純物が半導体層5262に添加されていない真性の
状態であり、チャネル領域として機能する。ただし、領域5262aに微少な不純物を添
加することが可能であり、領域5262aに添加される不純物は、領域5262b、領域
5262c、領域5262d、又は領域5262eに添加される不純物の濃度よりも低い
ことが好ましい。領域5262b、及び領域5262dは、低濃度に不純物が添加された
領域であり、LDD(Lightly Doped Drain:LDD)領域として機
能する。ただし、領域5262b、及び領域5262dを省略することが可能である。領
域5262c、及び領域5262eは、高濃度に不純物が半導体層5262に添加された
領域であり、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
【0292】
なお、半導体層5303bは、不純物元素としてリンなどが添加された半導体層であり、
n型の導電型を有する。
【0293】
なお、半導体層5303aとして、酸化物半導体、又は化合物半導体が用いられる場合、
半導体層5303bを省略することが可能である。
【0294】
絶縁層5263、絶縁層5302、及び絶縁層5356の一例としては、酸化珪素(Si
Ox)膜、窒化珪素(SiNx)膜、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)膜、窒化
酸化珪素(SiNxOy)(x>y)膜などの酸素若しくは窒素を有する膜、又はこれら
の積層構造などがある。
【0295】
導電層5264、導電層5266、導電層5268、導電層5271、導電層5301、
導電層5304、導電層5306、導電層5308、導電層5357、及び導電層535
9の一例としては、単層構造の導電膜、又はこれらの積層構造などがある。当該導電膜の
一例としては、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン
(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)
、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、コバルト(
Co)、ニオブ(Nb)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、炭素(
C)、スカンジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、リン(P)、ボロン(B)、ヒ素(As)
、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)、酸素(O)、ジルコニウム(Z
r)、セリウム(Ce)によって構成される群から選ばれた一つの元素の単体膜、又は、
前記群から選ばれた一つ又は複数の元素を含む化合物などがある。当該化合物の一例とし
ては、前記群から選ばれた一つ若しくは複数の元素を含む合金(インジウム錫酸化物(I
TO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITS
O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)、酸化錫カドミウム(CTO)、アルミネ
オジム(Al-Nd)、アルミタングステン(Al-W)、アルミジルコニウム(Al-
Zr)、アルミチタン(Al-Ti)、アルミセリウム(Al-Ce)、マグネシウム銀
(Mg-Ag)、モリブデンニオブ(Mo-Nb)、モリブデンタングステン(Mo-W
)、モリブデンタンタル(Mo-Ta)などの合金材料)、前記群から選ばれた一つ若し
くは複数の元素と窒素との化合物(窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデンなどの窒
化膜)、又は、前記群から選ばれた一つ若しくは複数の元素とシリコンとの化合物(タン
グステンシリサイド、チタンシリサイド、ニッケルシリサイド、アルミシリコン、モリブ
デンシリコンなどのシリサイド膜)などがある。他にも、カーボンナノチューブ、有機ナ
ノチューブ、無機ナノチューブ、又は金属ナノチューブなどのナノチューブ材料がある。
【0296】
なお、シリコン(Si)は、n型不純物(リンなど)、又はp型不純物(ボロンなど)を
含むことが可能である。シリコンが不純物を含むことにより、導電率の向上や、通常の導
体と同様な振る舞いをすることが可能になったりするので、配線、又は電極などとして利
用しやすくなる。
【0297】
なお、シリコンとして、単結晶、多結晶(ポリシリコン)、微結晶(マイクロクリスタル
シリコン)など、様々な結晶性を有するシリコン、又は非晶質(アモルファスシリコン)
などの結晶性を有さないシリコンなどを用いることが可能である。シリコンとして、単結
晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いることにより、配線、電極、導電層、導電膜、端
子などの抵抗を小さくすることができる。シリコンとして、非晶質シリコンまたは微結晶
シリコンを用いることにより、簡単な工程で配線などを形成することができる。
【0298】
なお、導電層として、シリコンなどの半導体材料を用いる場合、シリコンなどの半導体材
料をトランジスタが有する半導体層と同時に形成することが可能である。
【0299】
なお、アルミニウム、又は銀は、導電率が高いため、信号遅延を低減することができる。
さらに、アルミニウム、又は銀は、エッチングしやすいので、パターニングしやすく、微
細加工を行うことができる。
【0300】
なお、銅は、導電率が高いため、信号遅延を低減することができる。銅が導電層として用
いられる場合、密着性を向上させるために積層構造にすることが好ましい。
【0301】
なお、モリブデンまたはチタンは、酸化物半導体(ITO、IZOなど)、又はシリコン
と接触しても、不良を起こしにくい、エッチングしやすい、耐熱性が高いなどの利点を有
するので、望ましい。よって、酸化物半導体、又はシリコンと接触する導電層としては、
モリブデン又はチタンを用いることが好ましい。
【0302】
なお、タングステンは、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。
【0303】
なお、ネオジムは、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。特に、導電層とし
てネオジムとアルミニウムとの合金材料を用いることによって、アルミニウムがヒロック
を起こしにくくなる。ただし、これに限定されず、アルミニウムと、タンタル、ジルコニ
ウム、チタン、又はセリウムとの合金材料を用いることによっても、アルミニウムがヒロ
ックを起こしにくくなる。特に、アルミニウムとセリウムとの合金材料は、アーキングを
大幅に低減することができる。
【0304】
なお、ITO、IZO、ITSO、ZnO、Si、SnO、CTO、又はカーボンナノチ
ューブなどは、透光性を有しているので、これらの材料を画素電極、対向電極、又は共通
電極などの光を透過させる部分に用いることが可能である。特に、IZOは、エッチング
しやすく、加工しやすいため、望ましい。IZOは、エッチングしたときに、残渣が残っ
てしまう、ということが起こりにくい。したがって、画素電極としてIZOを用いると、
液晶素子や発光素子に不具合(ショート、配向乱れなど)をもたらすことを低減すること
ができる。
【0305】
なお、導電層は、単層構造とすることが可能であるし、多層構造とすることが可能である
。単層構造にすることにより、配線、電極、導電層、導電膜、端子などの製造工程を簡略
化することができ、工程日数を少なくでき、コストを低減することができる。一方で、多
層構造にすることにより、それぞれの材料のメリットを生かしつつ、デメリットを低減さ
せ、性能の良い配線、電極などを形成することができる。例えば、低抵抗材料(アルミニ
ウムなど)を多層構造の中に含むことにより、配線の低抵抗化を図ることができる。別の
例として、低耐熱性の材料を、高耐熱性の材料で挟む積層構造にすることにより、低耐熱
性の材料の持つメリットを生かしつつ、配線、電極などの耐熱性を高くすることができる
。このような積層構造の一例としては、アルミニウムを含む層を、モリブデン、チタン、
ネオジムなどを含む層で挟む積層構造にすると望ましい。
【0306】
なお、配線、電極など同士が直接接する場合、お互いに悪影響を及ぼすことがある。例え
ば、一方の配線、電極などが他方の配線、電極など材料の中に入っていって、性質を変え
てしまい、本来の目的を果たせなくなる場合がある。別の例として、高抵抗な部分を形成
又は製造するときに、問題が生じて、正常に製造できなくなる場合がある。このような場
合、他の材料に反応して性質が変わってしまう材料を、当該他の材料に反応しにくい材料
によって挟んだり、覆ったりすることが可能である。例えば、ITOとアルミニウムとを
接続させる場合は、ITOとアルミニウムとの間に、チタン、モリブデン、ネオジム合金
などを挟むことが可能である。例えば、シリコンとアルミニウムとを接続させる場合は、
シリコンとアルミニウムとの間に、チタン、モリブデン、ネオジム合金を挟むことが可能
である。
なお、これらの材料は、配線、電極、導電層、導電膜、端子、ビア、プラグなどにも用い
ることが可能である。
【0307】
絶縁層5265、絶縁層5267、絶縁層5269、絶縁層5305、及び絶縁層535
8の一例としては、単層構造の絶縁層、又はこれらの積層構造などがある。当該絶縁層の
一例としては、酸化珪素(SiOx)膜、窒化珪素(SiNx)膜、若しくは酸化窒化珪
素(SiOxNy)(x>y)膜、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)膜等の酸素
若しくは窒素を含む膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜等の炭素を含む膜、又
は、シロキサン樹脂、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベン
ゾシクロブテン、若しくはアクリル等の有機材料などがある。
【0308】
発光層5270の一例としては、有機EL素子、又は無機EL素子などがある。有機EL
素子の一例としては、正孔注入材料からなる正孔注入層、正孔輸送材料からなる正孔輸送
層、発光材料からなる発光層、電子輸送材料からなる電子輸送層、電子注入材料からなる
電子注入層など、若しくはこれらの材料のうち複数の材料を混合した層の単層構造、若し
くはこれらの積層構造などがある。
【0309】
液晶層5307の一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、高
分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、側
鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶などを挙げることが
できる。また、液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)モー
ド、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-P
lane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Swit
ching)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alig
nment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignme
nt)モード、ASV(Advanced Super View)モード、ASM(A
xially Symmetric aligned Micro-cell)モード、
OCB(Optically Compensated Birefringence)
モード、ECB(Electrically Controlled Birefrin
gence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Cryst
al)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Cry
stal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid C
rystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モード
などがある。
【0310】
なお、絶縁層5305の上及び導電層5306の上には、配向膜として機能する絶縁層、
突起部として機能する絶縁層などを形成することが可能である。
【0311】
なお、導電層5308の上には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、又は突起部とし
て機能する絶縁層などを形成することが可能である。導電層5308の下には、配向膜と
して機能する絶縁層を形成することが可能である。
【0312】
なお、図24(A)の断面構造において、絶縁層5269、発光層5270、及び導電層
5271を省略し、図24(B)に示す液晶層5307、導電層5308を絶縁層526
7の上及び導電層5268の上に形成することが可能である。
【0313】
なお、図24(B)の断面構造において、液晶層5307、導電層5308を省略し、図
24(A)に示す絶縁層5269、発光層5270、及び導電層5271を絶縁層530
5の上及び導電層5306の上に形成することが可能である。
【0314】
なお、図24(C)の断面構造において、絶縁層5358及び導電層5359の上に、図
24(A)に示す絶縁層5269、発光層5270、及び導電層5271を形成すること
が可能である。あるいは、図24(B)に示す液晶層5307、導電層5308を絶縁層
5267の上及び導電層5268の上に形成することが可能である。
【0315】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0316】
(実施の形態12)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
【0317】
図26(A)乃至図26(H)、図27(A)乃至図27(D)は、電子機器を示す図で
ある。これらの電子機器は、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、LED
ランプ9634、操作キー9635、接続端子9636、センサ9637(力、変位、位
置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間
、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線
を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9638、等を有することができる。
【0318】
図26(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ9670、
赤外線ポート9671、等を有することができる。図26(B)は記録媒体を備えた携帯
型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示
部9632、記録媒体読込部9672、等を有することができる。図26(C)はゴーグ
ル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部9632、支持部9673、
イヤホン9674、等を有することができる。図26(D)は携帯型遊技機であり、上述
したものの他に、記録媒体読込部9672、等を有することができる。図26(E)はテ
レビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ9675、シャ
ッターボタン9676、受像部9677、等を有することができる。図26(F)は携帯
型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部9632、記録媒体読込部9672、
等を有することができる。図26(G)はテレビ受像器であり、上述したものの他に、チ
ューナ、画像処理部、等を有することができる。図26(H)は持ち運び型テレビ受像器
であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器9678、等を有することが
できる。図27(A)はディスプレイであり、上述したものの他に、支持台9679、等
を有することができる。図27(B)はカメラであり、上述したものの他に、外部接続ポ
ート9680、シャッターボタン9676、受像部9677、等を有することができる。
図27(C)はコンピュータであり、上述したものの他に、ポインティングデバイス96
81、外部接続ポート9680、リーダ/ライタ9682、等を有することができる。図
27(D)は携帯電話機であり、上述したものの他に、送信部、受信部、携帯電話・移動
端末向けの1セグメント部分受信サービス用チューナ、等を有することができる。
【0319】
図26(A)乃至図26(H)、図27(A)乃至図27(D)に示す電子機器は、様々
な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)
を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する
機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、
無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を
用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又
はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の
表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一
つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した
画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、
受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影
した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに
内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる
。なお、図26(A)乃至図26(H)、図27(A)乃至図27(D)に示す電子機器
が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0320】
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有する
ことを特徴とする。電子機器は、表示部において、トランジスタの特性バラツキの影響が
低減されているため、非常に均一な画像を表示させることが出来る。
【0321】
次に、半導体装置の応用例を説明する。
【0322】
図27(E)に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図27(E
)は、筐体9730、表示部9731、操作部であるリモコン装置9732、スピーカ9
733等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペ
ースを広く必要とすることなく設置可能である。
【0323】
図27(F)に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示
す。表示パネル9741は、ユニットバス9742と一体に取り付けられており、入浴者
は表示パネル9741の視聴が可能になる。
【0324】
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形
態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
【0325】
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
【0326】
図27(G)は、半導体装置を、自動車に設けた例について示した図である。表示パネル
9761は、自動車の車体9762に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から
入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有
していてもよい。
【0327】
図27(H)は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図で
ある。図27(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井9781に表示パネル9782を
設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル9782は、天井97
81とヒンジ部9783を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部9783の伸縮に
より乗客は表示パネル9782の視聴が可能になる。表示パネル9782は乗客が操作す
ることで情報を表示する機能を有する。
【0328】
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機車体について例示した
がこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレ
ール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。
【0329】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に
対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【符号の説明】
【0330】
101 トランジスタ
102 容量素子
103 配線
104 配線
105 表示素子
106 配線
107 回路素子
108 配線
201 スイッチ
202 スイッチ
203 スイッチ
204 スイッチ
205 スイッチ
206 配線
207 スイッチ
208 配線
301 スイッチ
303 スイッチ
305 スイッチ
306 配線
307 スイッチ
308 配線
401 スイッチ
403 スイッチ
405 スイッチ
406 配線
407 スイッチ
408 配線
501 スイッチ
503 スイッチ
505 スイッチ
506 配線
507 スイッチ
508 配線
601 スイッチ
603 スイッチ
605 スイッチ
606 配線
607 スイッチ
608 配線
101A トランジスタ
101B トランジスタ
101M トランジスタ
102A 容量素子
102B 容量素子
102M 容量素子
103M 配線
104M 配線
105M 発光素子
106M 配線
106N 配線
106P 配線
106Q 配線
201M トランジスタ
202M トランジスタ
203M トランジスタ
204M トランジスタ
9630 筐体
9631 表示部
9632 表示部
9633 スピーカ
9634 LEDランプ
9635 操作キー
9636 接続端子
9637 センサ
9638 マイクロフォン
9670 スイッチ
9671 赤外線ポート
9672 記録媒体読込部
9673 支持部
9674 イヤホン
9675 アンテナ
9676 シャッターボタン
9677 受像部
9678 充電器
9679 支持台
9680 外部接続ポート
9681 ポインティングデバイス
9682 リーダ/ライタ
9730 筐体
9731 表示部
9732 リモコン装置
9733 スピーカ
9741 表示パネル
9742 ユニットバス
9761 表示パネル
9762 車体
9781 天井
9782 表示パネル
9783 ヒンジ部
1200M 画素
1200N 画素
1200P 画素
1200Q 画素
1201M 配線
1202M 配線
1203M 配線
1204M 配線
5121 画像
5122 画像
5123 画像
5124 領域
5125 領域
5126 領域
5127 ベクトル
5128 画像生成用ベクトル
5129 領域
5130 物体
5131 領域
5260 基板
5261 絶縁層
5262 半導体層
5263 絶縁層
5264 導電層
5265 絶縁層
5266 導電層
5267 絶縁層
5268 導電層
5269 絶縁層
5270 発光層
5271 導電層
5300 基板
5301 導電層
5302 絶縁層
5304 導電層
5305 絶縁層
5306 導電層
5307 液晶層
5308 導電層
5350 領域
5351 領域
5352 半導体基板
5353 領域
5354 絶縁層
5355 領域
5356 絶縁層
5357 導電層
5358 絶縁層
5359 導電層
5360 映像信号
5361 回路
5362 回路
5363 回路
5364 画素部
5365 回路
5366 照明装置
5367 画素
5371 配線
5372 配線
5373 配線
5380 基板
5381 入力端子
5420 基板
5421 導電層
5422 導電層
5423 絶縁層
5424 コンタクトホール
5425 酸化物半導体層
5429 導電層
5430 導電層
5431 導電層
5432 絶縁層
5433 導電層
5434 導電層
5435 絶縁層
5436 酸化物半導体層
5437 導電層
5438 導電層
5439 導電層
5440 導電層
5441 トランジスタ
5442 容量素子
5121a 画像
5121b 画像
5122a 画像
5122b 画像
5123a 画像
5123b 画像
5262a 領域
5262b 領域
5262c 領域
5262d 領域
5262e 領域
5303a 半導体層
5303b 半導体層
5361a 回路
5361b 回路
5362a 回路
5362b 回路
2501 容量素子
2502 容量素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【手続補正書】
【提出日】2024-09-19
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタ乃至第5のトランジスタと、発光素子と、第1の配線と、第2の配線と、を画素に有する表示装置であって、
前記第1のトランジスタは、映像信号の電位に従って前記発光素子に供給する電流の値を制御する機能を有し、
前記第2のトランジスタは、前記第1の配線を介して前記画素に入力される前記映像信号の電位を、前記第1のトランジスタのゲートに供給する機能を有し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記第3のトランジスタは、酸化物半導体層にチャネル領域を有し、
前記発光素子が前記映像信号に応じて発光を行う期間の前に、第1の期間と、第2の期間と、を有し、
前記第1の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオン状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態であり、
前記第2の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオフ状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態である、
表示装置。
【請求項2】
第1のトランジスタ乃至第5のトランジスタと、発光素子と、第1の配線と、第2の配線と、容量素子と、を画素に有する表示装置であって、
前記第1のトランジスタは、映像信号の電位に従って前記発光素子に供給する電流の値を制御する機能を有し、
前記第2のトランジスタは、前記第1の配線を介して前記画素に入力される前記映像信号の電位を、前記第1のトランジスタのゲートに供給する機能を有し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記容量素子の電極の一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタは、酸化物半導体層にチャネル領域を有し、
前記発光素子が前記映像信号に応じて発光を行う期間の前に、第1の期間と、第2の期間と、を有し、
前記第1の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオン状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態であり、
前記第2の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオフ状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態である、
表示装置。
【請求項3】
第1のトランジスタ乃至第5のトランジスタと、発光素子と、第1の配線と、第2の配線と、を画素に有する表示装置であって、
前記第1のトランジスタは、映像信号の電位に従って、前記第2の配線から前記発光素子に流れる電流の値を制御する機能を有し、
前記第2のトランジスタは、前記第1の配線を介して前記画素に入力される前記映像信号の電位を、前記第1のトランジスタのゲートに供給する機能を有し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記第3のトランジスタは、酸化物半導体層にチャネル領域を有し、
前記発光素子が前記映像信号に応じて発光を行う期間の前に、第1の期間と、第2の期間と、を有し、
前記第1の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオン状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態であり、
前記第2の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオフ状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態である、
表示装置。
【請求項4】
第1のトランジスタ乃至第5のトランジスタと、発光素子と、第1の配線と、第2の配線と、容量素子と、を画素に有する表示装置であって、
前記第1のトランジスタは、映像信号の電位に従って、前記第2の配線から前記発光素子に流れる電流の値を制御する機能を有し、
前記第2のトランジスタは、前記第1の配線を介して前記画素に入力される前記映像信号の電位を、前記第1のトランジスタのゲートに供給する機能を有し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と常に導通しており、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と常に導通しており、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記容量素子の電極の一方は、前記第1のトランジスタのゲートと常に導通しており、
前記第3のトランジスタは、酸化物半導体層にチャネル領域を有し、
前記発光素子が前記映像信号に応じて発光を行う期間の前に、第1の期間と、第2の期間と、を有し、
前記第1の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオン状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態であり、
前記第2の期間では、前記第3のトランジスタがオン状態であり、前記第4のトランジスタがオフ状態であり、かつ、前記第5のトランジスタがオフ状態である、
表示装置。