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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163241
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151800
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2021151555の分割
【原出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐貴
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】遊技を再度実行させるリプレイ役としての特別役と特殊役と、を含む複数の当選役の中から何れかの当選役を決定可能な当選役決定手段と、遊技者に有利な特殊遊技状態に制御可能な特殊遊技状態制御手段と、特殊遊技状態において、所定の特典を付与可能な特典付与手段と、特殊遊技状態における実行予定の遊技に対して、遊技者に所定の特典を付与し得る第1保留情報と、特殊遊技状態を終了させ得る第2保留情報とを含む複数の保留情報の中から何れかの保留情報を決定可能な保留情報決定手段と、を備え、特典付与手段は、第1保留情報に対応する遊技において、特殊役が当選した場合、所定の特典を付与可能であり、特殊遊技状態制御手段は、第2保留情報に対応する遊技において、当選役決定手段により特別役が決定された場合、特殊遊技状態を継続させることが可能である構成とした。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を再度実行させるリプレイ役としての特別役と、特殊役と、を含む複数の当選役の中から何れかの当選役を決定可能な当選役決定手段と、
遊技者に有利な特殊遊技状態に制御可能な特殊遊技状態制御手段と、
前記特殊遊技状態において、所定の特典を付与可能な特典付与手段と、
前記特殊遊技状態における実行予定の遊技に対して、遊技者に前記所定の特典を付与し得る第1保留情報と、前記特殊遊技状態を終了させ得る第2保留情報と、を含む複数の保留情報の中から何れかの保留情報を決定可能な保留情報決定手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
前記第1保留情報に対応する遊技において、前記特殊役が当選した場合、前記所定の特典を付与可能であり、
前記特殊遊技状態制御手段は、
前記第2保留情報に対応する遊技において、前記当選役決定手段により前記特別役が決定された場合、前記特殊遊技状態を継続させることが可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特別遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に複数の情報を表示可能な表示装置を備えたものが増えている。
このような遊技機においては、特別遊技状態を所定ゲーム数継続可能としているが、所定条件の成立により、特別遊技状態を継続可能とするゲーム数に、新たなゲーム数が上乗せ(加算)され易い状態を発生させるようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-144052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技を再度実行させるリプレイ役としての特別役と、特殊役と、を含む複数の当選役の中から何れかの当選役を決定可能な当選役決定手段と、遊技者に有利な特殊遊技状態に制御可能な特殊遊技状態制御手段と、前記特殊遊技状態において、所定の特典を付与可能な特典付与手段と、前記特殊遊技状態における実行予定の遊技に対して、遊技者に前記所定の特典を付与し得る第1保留情報と、前記特殊遊技状態を終了させ得る第2保留情報と、を含む複数の保留情報の中から何れかの保留情報を決定可能な保留情報決定手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記第1保留情報に対応する遊技において、前記特殊役が当選した場合、前記所定の特典を付与可能であり、前記特殊遊技状態制御手段は、前記第2保留情報に対応する遊技において、前記当選役決定手段により前記特別役が決定された場合、前記特殊遊技状態を継続させることが可能である構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の遊技機における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】第1実施形態の遊技機における遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の遊技機における遊技の流れを説明するための図である。
図4】第1実施形態の遊技機における主制御装置での天井ゲーム数を決定する際に用いられる抽選テーブルを示す図表である。
図5】第1実施形態の遊技機における演出モードを説明するための図である。
図6】第1実施形態の遊技機における演出ポイントの獲得確率を説明するための図表である。
図7】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時に演出ポイントが規定値に到達した場合の期待度演出の種類を説明するための図表である。
図8】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時に演出ポイントが規定値に到達した場合の各期待度演出の選択率を説明するための図表である。
図9】第1実施形態の遊技機における演出モードB選択時に演出ポイントが規定値に到達した場合の期待度演出の種類を説明するための図表である。
図10】第1実施形態の遊技機における演出モードB選択時に演出ポイントが規定値に到達した場合の各アイテム演出の選択率を説明するための図表である。
図11】第1実施形態の遊技機におけるアイテム演出1が実行される場合の各アイテムの選択率を説明するための図表である。
図12】第1実施形態の遊技機におけるアイテム演出2が実行される場合の各アイテムの選択率を説明するための図表である。
図13】第1実施形態の遊技機におけるアイテム演出3が実行される場合の各アイテムの選択率を説明するための図表である。
図14】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時に期待度演出1および2が実行された場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図15】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時に期待度演出3および4が実行された場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図16】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時に期待度演出5および6が実行された場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図17】第1実施形態の遊技機における演出モードA選択時での前兆演出中のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図18】第1実施形態の遊技機における対戦演出中のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図19】第1実施形態の遊技機におけるサブ表示器における対戦演出の説明画像を示す図である。
図20】第1実施形態の遊技機における演出モードB選択時にアイテム演出1および2が実行された場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図21】第1実施形態の遊技機における演出モードB選択時にアイテム演出3および4が実行された場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図22】第1実施形態の遊技機におけるAT状態中の遊技の流れを説明するための図である。
図23】第1実施形態の遊技機における上乗せ特化ゾーン開始時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図24】第1実施形態の遊技機における上乗せ特化ゾーン終了時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図25】第1実施形態の遊技機における保留戻り処置時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図26】第1実施形態の遊技機における上乗せ特化ゾーンの保留状態の選択率を説明するための図表である。
図27】第1実施形態の遊技機における各保留状態での上乗せゲーム数の選択率を説明するための図表である。
図28】第1実施形態の遊技機における役の抽選結果に対応する保留戻りコマ数の選択率を説明するための図表である。
図29】第1実施形態の変形例1における各保留状態での上乗せゲーム数の選択率を説明するための図表である。
図30】第1実施形態の変形例2における保留追加時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図31】第1実施形態の変形例3における保留移動時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図32】第2実施形態の遊技機における遊技の流れを説明するための図である。
図33】第2実施形態の遊技機における遊技モードBおよびC中の滞在ゲーム数の短縮確率を説明するための図表である。
図34】第2実施形態の遊技機におけるステージの移行を説明するための図である。
図35】第2実施形態の遊技機における遊技モードA滞在時のステージ移行を説明するための図である。
図36】第2実施形態の遊技機における遊技モードBおよびC滞在時のステージ移行を説明するための図である。
図37】第2実施形態の遊技機におけるステージ移行時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図38】第2実施形態の遊技機における回避ナビの取得確率を説明するための図表である。
図39】第2実施形態の遊技機におけるステージCからステージAに移行時のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図40】第2実施形態の変形例における遊技モードBおよびC終了後の移行先を説明するための図である。
図41】第3実施形態の遊技機における遊技の流れを説明するための図である。
図42】第3実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態終了後の遊技区間および確率状態を説明するための図表である。
図43】第3実施形態の遊技機におけるAT状態終了後の遊技区間および確率状態を説明するための図表である。
図44】第3実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態終了時の終了画像の選択率を説明するための図表である。
図45】第3実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態からCZ状態に移行する場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図46】第3実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態から通常区間を経由してCZ状態に移行する場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図47】第3実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態から通常区間を経由してCZ状態に移行する場合のメイン表示器における演出画像を示す図である。
図48】第3実施形態の変形例1における疑似ボーナス状態から通常区間を経由してCZ状態に移行する場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図49】第3実施形態の変形例2における疑似ボーナス状態およびAT状態において通常区間フラグを設定する時期を説明するためのフローチャートである。
図50】第4実施形態の遊技機おける通常遊技状態中に行われるゲーム数計数処理を説明するためのフローチャートである。
図51】第4実施形態の遊技機おけるAT状態開始時に行われるAT状態カウンタ初期値設定処理を説明するためのフローチャートである。
図52】第4実施形態の遊技機おけるAT状態中に行われる上乗せ抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図53】第4実施形態の遊技機おける上乗せ抽選時の上乗せ確率を説明するための図表である。
図54】第4実施形態の変形例1おける疑似ボーナス状態開始時に行われる疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理を説明するためのフローチャートである。
図55】第4実施形態の変形例1おける疑似ボーナス状態中に行われるAT状態移行抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図56】第4実施形態の変形例1おけるAT状態移行抽選時のAT状態の当選確率を説明するための図表である。
図57】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態およびAT状態を説明するための図である。
図58】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態開始時に行われるAT準備状態カウンタ初期値設定処理を説明するためのフローチャートである。
図59】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態開始時に行われるAT準備状態初期ゲーム数設定処理を説明するためのフローチャートである。
図60】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態の初期ゲーム数の選択確率を説明するための図表である。
図61】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態中に行われる残ゲーム数短縮抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図62】第4実施形態の変形例2おけるAT準備状態中に行われる残ゲーム数短縮抽選処理での短縮ゲーム数の選択確率を説明するための図表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
<第1実施形態>
本発明に係る遊技機の第1実施形態について、図1図21を参照して説明する。
【0009】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、外部出力端子18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0010】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本第1実施形態の各種機能を実現している。
【0011】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0012】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0013】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0014】
メイン表示器8の右側には、操作手段(演出操作手段)として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0015】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0016】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は20個以外でもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0018】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
また、サブ表示器17は、タッチパネル式の表示器で構成され、遊技者による画面へのタッチ操作により、演出内容に関する種々の操作を可能としていて、例えば、後述する演出モードを切り替えるための切替操作や、対戦演出の説明画像への切替操作等を可能としている。
【0019】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0020】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0021】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0022】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0023】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、本第1実施形態におけるスロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0024】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0025】
設定手段としての確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0026】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0027】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、後述する疑似ボーナス状態、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0028】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0029】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0030】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づき後述する疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の移行抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0031】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0032】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0033】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0034】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0035】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0036】
また、副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、サブ表示器17のタッチパネルからの信号に基づき、各演出の切替タイミング等を制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、第1示唆制御手段、第2示唆制御手段、切替制御手段、情報更新手段、報知制御手段、区間制御手段、特別遊技状態発生制御手段、遊技モード制御手段、ステージ制御手段、特典情報報知手段、回避情報報知手段、移行回数計数手段、特典付与手段、特殊遊技状態制御手段、特典抽選制御手段、抽選態様事前決定手段、抽選態様報知制御手段、特典抽選進行制御手段、進行態様変更制御手段、実行済抽選態様報知制御手段、実行済抽選態様変更手段、抽選態様変更手段、計数手段、設定段階示唆手段、高確率遊技状態付与手段、前兆演出制御手段、遊技制御手段、操作態様判定手段、抽選態様変更制御手段、準備遊技状態制御手段、第1ゲーム回数計数手段、第2ゲーム回数計数手段、判定ゲーム回数算出手段が構成される。
【0037】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0038】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0039】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0040】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0041】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0042】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御(引込停止制御)は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0043】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0044】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0045】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0046】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0047】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0048】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0049】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0050】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されていて、そのうちの弱スイカ役と弱チェリー役は、弱レア役として設定され、弱スイカ役と弱チェリー役以外は、強レア役として設定されている。
【0051】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
すなわち、副制御装置20は、ゲームの結果として特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための操作情報を報知する制御を実行可能な報知制御手段を構成するのである。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0052】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0053】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出してもよいし、特定の押し順以外の一部の押し順では、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出して、それ以外の押し順では、メダルを払い出さないようにしてもよい。
また、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0054】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0055】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0056】
また、各小役およびリプレイ役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
【0057】
[遊技機における遊技の流れ]
次に、本第1実施形態におけるスロットマシン1での遊技の流れについて図3を参照して説明する。
本第1実施形態におけるスロットマシン1においては、3枚のメダルを費やして(3ベットして)ゲームを実行する3ベットゲームを実行可能としているが、図3は、主制御装置10の制御により実現される、3ベットゲームの実行時の遊技の流れを示している。
なお、本第1実施形態においては、3ベットゲームの実行時にのみ、遊技状態の移行制御を行うようにしていて、それ以外のゲーム(例えば、2ベットゲーム)では遊技状態を移行させない制御を行っているが、ゲームの実行自体を3ベット時のみ許容し、それ以外のベット数ではゲームの実行を禁止するようにしてもよい。
以降は、3ベットゲームを「ゲーム」と称する。
【0058】
図3に示すように、本第1実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態において実行される。主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0059】
また、本第1実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0060】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
なお、通常区間における所定のレア役の当選に基づき、AT状態の移行条件を成立させてもよく、この場合には有利区間移行条件の成立後にAT状態に移行させることが好ましい。したがって、有利区間移行条件の成立後に押し順ナビが実行されることとなるので、通常区間においては押し順ナビは行われないこととなる。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
【0061】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
【0062】
また、有利区間は、前述した複数の遊技状態のうち所定の遊技状態の終了に基づき当該有利区間の終了条件が成立して、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、疑似ボーナス状態の終了時やAT状態の終了等が例示される。
なお、AT状態へ移行しない疑似ボーナス状態の終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させないようにしてもよい。
【0063】
さらに、有利区間の終了条件には、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、3000ゲーム)に到達した場合、1回の有利区間におけるメダルの純増枚数が上限枚数(例えば、2400枚)を超えた場合も設定されていて、有利区間の終了により遊技状態も通常遊技状態に移行するものとなっている。そして、上記3種類の終了条件のうち少なくとも一の条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0064】
特に、上記した有利区間におけるゲーム数の上限ゲーム数(上限数)への到達、および有利区間におけるメダルの純増枚数の上限枚数への到達は、遊技者によるメダルの獲得量を制限するため制限機能(所謂リミッタ)として設けられていて、射幸性を抑制することが可能となっている。
なお、主制御装置10は、通常のゲームのみを対象として上限ゲーム数までのゲーム回数を計数していて、詳細は後述するが通常のゲームとは別に実行される疑似遊技に関しては上記ゲーム回数として計数しないようにしている。
【0065】
すなわち、主制御装置10は、上記有利区間において、通常のゲーム(有利区間ゲーム数)の実行回数を計数するとともに、疑似遊技の実行回数を計数しない計数手段を備えるのである。
また、区間制御手段としての主制御装置10は、有利区間において、上記計数手段による計数結果が上限ゲーム数(特定回数)を示す場合、遊技区間を通常区間に移行するのである。
【0066】
また、本第1実施形態においては、例えば、AT状態中に上記制限機能の作動を事前に判定し、この判定時からリミッタが作動するまでの期間をエンディング期間として設定し、遊技者に有利な状態が上限まで継続したことを事前に祝福するような演出(完走演出)を実行するようにしている。
また、本第1実施形態においては、詳細は後述するが、エンディング期間においては疑似遊技を実行不能とするようにしていて、遊技者に無駄な期待感を持たせないようにしている。
【0067】
また、本第1実施形態のスロットマシン1では、ゲームの実行に基づき、上記押し順ナビの実行不能区間である通常区間と、押し順ナビの実行可能区間である有利区間の移行制御を行うようにしている。そして、スロットマシン1の初期状態では通常区間に制御されるとともに、通常区間におけるゲームの実行時に、所定の移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、有利区間への移行が行われる。
【0068】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常遊技状態中における有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。
【0069】
また、通常遊技状態には通常確率状態と高確率状態とが設定されていて、各ゲームにおいて、疑似ボーナス状態への移行確率が、通常確率状態よりも高確率状態の方が高まるように制御されるものとなっている。
【0070】
確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0071】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
確率状態が通常確率状態から高確率状態に変更すると、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において高確率状態である旨の報知が行われ、例えば、通常遊技状態中には主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが表示されている場合に、そのステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更させることで高確率状態である旨の報知を行うようにしている。
【0072】
ただし、高確率状態となった場合に確実にステージを変更させるのではなく、高確率状態中のゲームにおいて所定の確率(例えば、30%)でステージの変更抽選を行い、この変更抽選結果に当選した場合にのみステージを変更させるような制御が行われる。
また、通常確率状態中のゲームにおいても所定の確率(2%)でステージへの変更抽選が行われ、この変更抽選に当選した場合も高確率状態を示すステージに変更させるような制御が行われる。
【0073】
一方、夕方の背景からなるステージの滞在時にも昼間の背景への変更抽選が行われ、通常確率状態中のゲームでは相対的に高い確率(例えば、20%)で変更抽選に当選し、高確率状態中のゲームでは相対的に低い確率(例えば、5%)で変更抽選に当選するような制御が行われる。
したがって、夕方の背景からなるステージになっていても必ずしも高確率状態に滞在しているわけではなく、夕方の背景からなるステージは、あくまでも高確率状態を示唆するものとなっている。
【0074】
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、高確率状態中には、疑似ボーナス状態の他に、CZ状態やAT状態の当選確率を高めるようにしてもよい。
【0075】
また、通常遊技状態中のゲームでは、所定条件の成立に基づき疑似遊技(疑似ゲーム)が実行され、所定の遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)への移行を報知するゲームが実行される。
なお、疑似遊技に基づいても上記特典(CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)の移行抽選を行うようにしてもよい。
【0076】
通常遊技状態中には、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、主制御装置10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの出現とともに当選したレア役を報知可能なアイテムを表示したり、所定のキャラクタの出現とともに特典(疑似ボーナス状態等)の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類や、その当選したレア役を契機とする特典の付与に関わる抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0077】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印a1)
通常遊技状態(有利区間)中におけるゲームの実行によりゲーム数が計数され、当該ゲームの実行回数が予め定められた回数(特別回数:天井ゲーム数)となった場合に通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
天井ゲーム数は、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した際に決定され、詳細は後述するが有利区間への移行毎にその時点の天井ゲーム数が設定されるものとなっている。
【0078】
また、通常遊技状態中におけるゲームの実行により、所定の役の当選時に疑似ボーナス状態への移行抽選が行われ、所定の確率で移行抽選に当選した場合にも通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
【0079】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0080】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、強チェリー役当選時には、設定1では10%、設定2では12%、設定3では14%、設定4では16%、設定5では18%、設定6では20%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0081】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、天井ゲーム数の消化や、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、役の抽選に応じて所定のポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0082】
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本第1実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0083】
ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前の所定期間、および疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出(第1の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0084】
すなわち、主制御装置10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御装置20は、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御装置20は、特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って本前兆演出を実行可能としているのである。
【0085】
また、疑似ボーナス状態が上記移行抽選により決定された場合において、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から本前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0086】
本前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0087】
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期、および疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出(第2の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0088】
すなわち、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って、特定演出(第2の特定演出)としてのフェイク前兆演出を実行可能としているのである。
したがって、副制御装置20は、特典付与手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態への移行を事前に決定したか否かに関わらず、チャンス役の当選等の所定条件が成立した場合には、特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出(本前兆演出あるいはフェイク前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能となっているのである。
【0089】
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期においてフェイク前兆演出を実行する場合には、予め設定されている天井ゲーム数が選択され易い期間(ゾーン)に対応してフェイク前兆演出を実行することが好ましく、このようにすれば、天井ゲーム数が選択され易い期間に到達した場合に、かりに疑似ボーナス状態に移行しない場合でも遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0090】
また、レア役の当選に基づきフェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選からフェイク前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0091】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0092】
連続演出(対戦演出)は、ゲーム毎に味方キャラクタと敵キャラクタが所定の対戦種目上で競い合う演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた味方キャラクタが不利な状況となった場合には、その状況を次ゲームに持ち越すように演出が実行され、最終的に何れかのキャラクタが勝利するような演出が実行される。
また、詳細は後述するが、本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態に移行するか否かに応じて、登場する味方キャラクタの種類、敵キャラクタの種類、対戦種目の種類が変化するものとなっている。
【0093】
また、予め決定されている疑似ボーナス状態への移行の有無により、各ゲームにおける味方キャラクタと敵キャラクタの対戦中の内容が設定されていて、例えば、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも味方キャラクタが優勢となるゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0094】
そして、疑似ボーナス状態に移行する場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態への移行を報知する画像として、最終的に味方キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に移行しない場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する画像として、最終的に味方キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0095】
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、上記待機期間を実行せずに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
また、レア役当選後に、本前兆演出中における連続演出のみを実行して疑似ボーナス状態等に移行させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0096】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0097】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c1)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0098】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるために、所定のレア役に当選してCZ状態への移行が決定された場合でも、直ぐにCZ状態に移行させずに、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0099】
また、所定のレア役に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
【0100】
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0101】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図3の矢印g1)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0102】
本第1実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0103】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0104】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0105】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0106】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印e1)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
また、CZ状態の終了により疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0107】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0108】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで味方キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0109】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数はゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、味方キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0110】
なお、CZ状態中において、対戦演出を実行せずにCZ状態への移行の有無の報知を行うようにしてもよく、例えば、CZ状態中の所定のゲームで疑似ボーナス状態に当選した場合には、そのゲームの間で疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出を実行するようにしてもよい。この場合、CZ状態中に何れのゲームでも疑似ボーナス状態に当選しなかった場合には、疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出が行われないままCZ状態が終了することとなる。
【0111】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d1)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、味方キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
また、CZ状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続するが、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させてもよい。
【0112】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0113】
(疑似ボーナス状態)
特定遊技状態としての疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
【0114】
また、疑似ボーナス状態は、所定期間継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態として、継続期間の異なる2種類の疑似ボーナス状態を発生可能としていて、継続期間が20ゲームである疑似レギュラーボーナス状態と、継続期間が30ゲームであり疑似レギュラーボーナス状態よりも遊技者に有利な疑似ビッグボーナス状態とが設定されている。
疑似ボーナス状態の種類は、有利区間移行条件の成立時や、疑似ボーナス状態の当選契機である所定のレア役の当選時に予め決定されるような制御が行われる。
【0115】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すればメダルが増加する値となっている。したがって、多数のメダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定のメダルを獲得しつつ、次の疑似ボーナス状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
【0116】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を正回転させた後、リール4において特定の図柄組合せを一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われる疑似遊技(報知疑似遊技)が実行され、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
なお、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームで報知疑似遊技を実行して特定の図柄組合せ(「7・7・7」等)を一旦停止させるのではなく、所定役(例えば、リプレイ役)の当選した次ゲームで疑似ボーナス状態を開始するものとして、当該所定役の当選時には、所定の押し順(例えば、「5c→5b→5a」)によりリール4を停止させた場合に特定の図柄組合せが停止するようにリール4の停止制御を行い、上記所定の役に当選した場合に上記所定の押し順を報知することで、疑似ボーナス状態が開始する1ゲーム前に特定の図柄組合せを形成可能としてもよい。
【0117】
このとき疑似停止される特定の図柄組合せは、発生する疑似ボーナス状態の種類に応じて異なるものとなっていて、疑似レギュラーボーナス状態の場合では、「BAR、BAR、BAR」が疑似停止し、疑似ビッグボーナス状態の場合では、「7、7、7」が疑似停止することとなる。
すなわち、主制御装置10は、所定の特典の付与を報知する場合に、疑似遊技(報知疑似遊技)を実行可能とするのである。
なお、報知疑似遊技により報知される所定の特典は、疑似ボーナス状態以外でもよく、CZ状態、AT状態等の遊技者にとって有利な状態でもよく、また、レア役等の役の当選でもよい。
【0118】
報知疑似遊技が行われる期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、報知疑似遊技の終了時には、特定の図柄組合せ(「7、7、7」等)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様にナビが実行される状態となっているが、見た目上は所謂ボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0119】
また、報知疑似遊技が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり本遊技が開始され、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0120】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(図3の矢印f1)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態中の各ゲームの実行に基づきAT状態の移行抽選処理を行う。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態中のゲーム毎にAT状態の移行抽選処理が実行されてAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、AT状態の移行抽選処理の結果、特別の条件の成立としてAT状態への移行条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
また、疑似ボーナス状態の終了によりAT状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0121】
なお、本第1実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態の一部でAT状態に移行するように行われるものであれば何れでもよく、各ゲームで固定の確率でAT状態の移行抽選を行ってもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でAT状態の移行抽選を行ってもよい。
【0122】
また、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態中の全てで行ってもよいし、疑似ボーナス状態の終盤に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間(例えば、3ゲーム間)を設けて、この間でAT状態へ移行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
また、上記疑似ボーナス状態中のゲームにおけるAT状態の移行抽選処理の他に、疑似ボーナス状態の移行(開始)時にAT状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0123】
また、疑似ボーナス状態中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、演出制御手段としての副制御装置20の制御により、メイン表示器8において所定の演出が実行される。
【0124】
例えば、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、当該レア役に当選したことを報知する演出が実行される。
また、疑似ボーナス状態の終盤の所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、AT状態の移行抽選結果に応じた連続演出(対戦演出)が実行され、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、最終的に味方キャラクタが勝利する演出結果が導出され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、最終的に味方キャラクタが敗北する演出結果が導出されて、AT状態の移行抽選結果が連続演出の結果として報知されることとなる。
【0125】
なお、連続演出中の演出態様は、AT状態の移行抽選の結果に基づき予め決定されることとなり、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、味方キャラクタが優勢となる演出態様が決定され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、味方キャラクタが劣勢となる演出態様が決定される。ただし、上記連続演出が実行されている間のゲームにおいても、AT状態の移行抽選処理は行われるので、最終的な連続演出の結果は連続演出中のAT状態の移行抽選処理も加味して決定されることとなる。
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理の結果、AT状態へ移行することが決定された場合には、その時点からAT状態に移行が確定することを報知する演出を実行するようにしてもよい。
【0126】
また、その他疑似ボーナス状態中においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0127】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「BAR、BAR、BAR」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0128】
また、疑似ボーナス状態中の連続演出(対戦演出)中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出の最終ゲームが実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0129】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b1)
疑似ボーナス状態において、特別の条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選処理の結果が当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
なお、疑似ボーナス状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させないようにしてもよい。
【0130】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0131】
(AT状態)
本第1実施形態におけるAT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、50ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲームの実行毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
【0132】
なお、AT状態に移行した場合に、疑似ボーナス状態の移行時と同様に、最初のゲームにおいて報知疑似遊技を実行して、表示窓6内の所定のライン上に所定の図柄組合せを疑似停止して、AT状態の移行を報知するリール演出が実行してもよい。
【0133】
また、AT状態中においては、所定のレア役の当選に基づき、残ゲーム数に所定のゲーム数を加算する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には残ゲーム数が増加して、その分AT状態の継続期間が延長されることとなる。
なお、上乗せ抽選の契機役は何れでもよいし、上乗せするゲーム数は複数のゲーム数から何れかを選択するようにしてもよい。また、当選役に応じて上乗せゲーム数を変化させるようにしてもよい。
【0134】
また、本第1実施形態においては、AT状態中のゲームにおいて、所定の条件が成立した場合には、所定期間の間、上乗せ特化ゾーンが発生して、この特化ゾーン中にはゲーム数の上乗せ抽選が上乗せ特化ゾーン中以外よりも高められて実行される。
なお、特化ゾーンは遊技者に極めて有利となる状態であるので、上記所定の条件は、レア役のうち当選確率の低いものが当選した場合の所定確率で成立するようにすることが好ましい。
上乗せ特化ゾーンについての詳細は後述する。
【0135】
・AT状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印i1)
AT状態中においても通常遊技状態中と同様に、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われ、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理が行われる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0136】
そして、AT状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、実行中のAT状態を一時的に中断して、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
したがって、AT状態の残ゲーム数は疑似ボーナス状態への移行時に保留され、再度AT状態に復帰した場合に、保留された残ゲーム数に基づきAT状態が再開されるものとなる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、前述同様、所定期間(例えば、20ゲーム間)疑似ボーナス状態が実行されることとなる。
【0137】
ただし、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、通常遊技状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合とは異なり、AT状態の移行抽選処理は行われず、予め定められたゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態は終了し、AT状態に復帰することとなる。
【0138】
なお、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合に、当該疑似ボーナス状態中に所定役の当選を契機に上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定期間(例えば、3ゲーム間)前述同様に対戦演出(味方キャラクタが勝利する対戦演出)を実行した後に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態中に所定のレア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合にも、対戦演出(味方キャラクタが敗北する対戦演出)を実行するようにしてもよい。
【0139】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印h1)
AT状態において、残ゲーム数がゼロとなった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
また、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間が有利区間から通常区間に移行する。
なお、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、有利区間を継続せるようにしてもよい。
【0140】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のように第1実施形態のスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0141】
[主制御装置での天井ゲーム数を決定する際に用いられる抽選テーブル]
次に、図4を参照して、本第1実施形態のスロットマシン1における、通常遊技状態でのゲーム実行時の天井ゲーム数の抽選について説明する。
主制御装置10は、通常遊技状態における通常区間において、有利区間移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、その後の通常遊技状態における天井ゲーム数を選択するようにしている。
【0142】
そして、通常遊技状態におけるゲームが、選択設定された天井ゲーム数に到達した場合に、特典の付与として疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態は、通常遊技状態中における所定の役(例えば、レア役)の当選時の移行抽選に当選した場合にも発生可能としているが、主として天井ゲーム数分のゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
【0143】
また、主制御装置10は、天井ゲーム数を決定するに際して、天井ゲーム数を大まかに決定するための所定ゲーム数範囲が規定されたゾーンを先ずは決定し、決定されたゾーン中におけるゲーム数範囲内から1のゲーム数を選択することで天井ゲーム数を決定するようにしている。
上記ゾーンは、ゾーン1~4までの4種類が予め設定されていて、各々のゾーンは所定間隔を空けて設定されている。したがって、この4種類のゾーン中に実際のゲーム数が到達した場合には、疑似ボーナス状態が発生する可能性が高まることとなり、所定のタイミング毎に遊技者の期待感が高まることとなるのである。
【0144】
各ゾーンでの天井ゲーム数の選択範囲は、ゾーン1では50ゲーム~100ゲームとなり、ゾーン2では250ゲーム~299ゲームとなり、ゾーン3では450ゲーム~499ゲームとなり、ゾーン4では750ゲーム~800ゲームとなっている。
【0145】
したがって、例えば、ゾーン1が選択された場合には、比較的ゲーム数の少ない天井ゲーム数が決定されることとなり遊技者に有利な態様でゲームが進行することとなるが、一方で、ゾーン4が選択された場合には、比較的ゲーム数の多い天井ゲーム数が決定されることとなり遊技者に不利な態様でゲームが進行することとなるのである。ただし、ゾーン4が選択された場合でも、最大値が800ゲームに設定されているので、最大値のゲーム数が実行されるまでには疑似ボーナス状態は必ず発生することとなる。
【0146】
また、主制御装置10は、通常区間から有利区間への移行時に、遊技モードを決定する処理を行うようにしている。
遊技モードは、上記ゾーン1~4の何れかを選択可能な通常モードと、ゾーン1のみ選択することとなる天国モードとが設定され、通常区間から有利区間への移行時に、確率設定装置14での設定値に基づき何れかの遊技モードを選択するようにしている。
したがって、天国モードが選択された際には、必ず100ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することとなるのである。
なお、天国モードの選択確率は、確率設定装置14での設定値が高くなる程、高くなるように設定されている。
【0147】
図4は、通常モードが選択された場合の通常区間から有利区間に移行する際において、天井ゲーム数を抽選する際に用いられる内部抽選テーブルを示している。
通常モードが選択された場合の天井ゲーム数の抽選は、先ずは図4に示した内部抽選テーブルを用いて天井ゲーム数を決定するためのゾーンを決定し、次いで、決定されたゾーン内から天井ゲーム数が決定されるが、ゾーンを決定する場合には、主制御装置10によりゾーン抽選用の乱数の抽選により行われ、図4においては、取得する乱数値の取得範囲(個数)を256個とし、各ゾーンに当選する場合の乱数値の個数を示している。
【0148】
図4に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1の場合には、48/256の確率でゾーン1が選択され、16/256の確率でゾーン2が選択され、64/256の確率でゾーン3が選択され、128/256の確率でゾーン4が選択される。
【0149】
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置14での設定値が設定2~6の場合にも、図4に示す各確率で何れかのゾーンが選択決定されることとなる。
【0150】
そして、図示は省略するが、各ゾーンが決定された後、ゾーン内において設定されている天井ゲーム数を決定するための抽選が行われ、最終的に今回の有利区間移行後の天井ゲーム数が決定されることとなる。
例えば、ゾーン1が決定された場合には、50ゲーム~100ゲームのうちから何れかのゲーム数が天井ゲーム数として決定されるのである。
【0151】
なお、天国モードが選択された場合には、ゾーン1の範囲内で何れかの天井ゲーム数が決定されることとなる。
各ゾーンの範囲内における天井ゲーム数の決定は、ゾーン抽選用の乱数の抽出と同様に有利区間移行条件の成立時に抽出される天井ゲーム数抽選用乱数に基づき実行され、各ゾーン内での天井ゲーム数が均等に抽選されることとなるが、各ゾーン内において所定の天井ゲーム数の選択率が高まるように抽選処理を行うようにしてもよい。
【0152】
以上のように天井ゲーム数が決定されることから、天国モードが選択された場合には、100ゲーム以内の天井ゲーム数が必ず選択されることとなるのである。
また、通常モードが選択された場合には、確率設定装置14での設定値が高いほど、少ない天井ゲーム数が選択される確率が高くなるのである。
【0153】
また、設定値が偶数値の場合には、奇数値の場合よりも、比較的にゾーン1が選択される確率は低くなるが、ゾーン2や3が選択される確率は高くなるので、偶数値の場合には奇数値よりも少ない天井ゲーム数は選択され辛いが、多い天井ゲーム数も選択され辛いような傾向となるのである。
一方、設定値が奇数値の場合には、偶数値の場合よりも、比較的にゾーン1が選択される確率は高くなるが、ゾーン4が選択される確率も高くなり、奇数値の場合には偶数値よりも少ない天井ゲーム数は選択され易いが、多い天井ゲーム数も選択され易いような傾向となるのである。
【0154】
なお、通常区間において、レア役に当選した場合に有利区間移行条件を成立させるようにしてもよく、この場合、レア役以外の役に当選した場合よりも、少ない天井ゲーム数となるゾーンが選択される確率を高め、さらに、ゾーン3やゾーン4の比較的多いゲーム数が選択される確率を低めるようにしてもよい。
以上のように天井ゲーム数の抽選が実行される。
【0155】
[演出モード]
次に、図5を参照して、演出モードについて説明する。
本第1実施形態においては、主に通常遊技状態におけるメイン表示器8やサブ表示器17での演出内容の傾向を決定するための複数の演出モードが設定されていて、選択されている演出モードに応じて演出内容が変化するようになっている。
【0156】
副制御装置20は、図5に示すように、演出モードとして、演出モードAと演出モードBとの何れかに制御可能としていて、遊技者の選択操作に基づき演出モードの切り替えを行うようにしている。
【0157】
副制御装置20では、詳細は後述するが、演出モードAに切り替えられている場合には、メイン表示器8にボーナス示唆関連画像を表示し、このボーナス示唆関連画像を、疑似ボーナス状態の発生に関わる種々のボーナス示唆関連演出の実行に応じて更新表示(あるいは現出表示)することで、次回の疑似ボーナス状態の発生時期等を示唆可能としている。
すなわち、副制御装置20は、特定遊技状態としての疑似ボーナス状態の発生に関わる情報を示唆するための制御が可能な第1示唆制御手段を構成するのである。
【0158】
ボーナス示唆関連画像は、通常遊技状態中に更新される演出ポイントが規定値(50ポイント)に到達した場合に、ボーナス示唆関連画像のうちの所定の画像が更新表示されるものとなっている。また、ボーナス示唆関連画像に関わるデータは、通常区間への移行時(リセット時も含む)、および前兆演出の終了時に初期化されるものとなっている。
また、ボーナス示唆関連画像に関わるデータの初期化は、上記した以外に、演出モードBから演出モードAへの切り替え時にも行われる。
【0159】
一方、演出モードBに切り替えられている場合には、メイン表示器8に設定示唆関連画像が表示され、この設定示唆関連画像に対して確率設定装置14での設定値に関わる種々の設定示唆関連演出の実行に応じて新たな画像を追加する等を行うことで、確率設定装置14での設定値の高低等を示唆可能としている。
すなわち、副制御装置20は、設定手段としての確率設定装置14の設定段階に関わる情報を示唆するための制御が可能な第2示唆制御手段を構成するのである。
【0160】
設定示唆関連画像は、通常遊技状態中に更新される演出ポイントが規定値(50ポイント)に到達した場合に、所定の画像が現出して追加表示されることで更新表示するものとなっている。また、設定示唆関連画像に関わるデータは、通常区間への移行時、および前兆演出の終了時に初期化されずにリセット時のみ初期化が行われる。
【0161】
したがって、例えば、演出モードBから演出モードAに切り替えられた場合も、設定示唆関連画像に関わるデータの初期化は行われずに、その時点の演出画像が記憶保持されて、次に演出モードBが選択された場合に、記憶保持されている演出画像が復帰して表示される。
また、ボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像の更新契機となる演出ポイントは、通常区間への移行時(リセット時も含む)、および前兆演出の終了時に初期化される。
【0162】
また、演出モードの切り替えは、サブ表示器17のタッチパネルに対するタッチ操作により行われ、副制御装置20では、通常区間への移行時および前兆演出の終了時、すなわち、演出モードAにおけるデータ初期化時期に合わせて演出モードの切り替え可能としている。
【0163】
演出モードの切り替え方法としては、例えば、通常区間へ移行した最初のゲーム中や、前兆演出が終了した次のゲーム中に「演出モードを切り替えますか?」および「YES」、「NO」等の情報を表示し、遊技者が「YES」の画像をタッチすると、それまで選択されていた演出モードから異なる演出モードへの切り替えが行われ、演出モードの切り替えを希望しない場合には、「NO」の画像をタッチするか、あるいはそのままゲームを継続することにより、それまで選択されていた演出モードを継続することとなる。
【0164】
以上のように、本第1実施形態においては、遊技者自らの選択により、ボーナス示唆関連演出が実行されることとなる演出モードAと、設定示唆関連演出が実行されることとなる演出モードBの何れかに切り替えることが可能となるのである。
すなわち、副制御装置20は、ボーナス示唆関連演出を制御する第1示唆制御手段と、設定示唆関連演出を制御する第2示唆制御手段のうちの何れに制御させるかを、遊技者の操作に基づき切り替え可能な切替制御手段を構成するのである。
したがって、遊技者の好みに応じて演出内容を変更することが可能となり、多数の遊技者が満足するような演出を実行することが可能となるのである。
【0165】
また、演出モードの切り替えは、通常区間への移行時および前兆演出の終了時、すなわち、演出モードAにおけるデータ初期化時期に合わせて実行可能としている。
すなわち、切替制御手段としての副制御装置20は、所定条件の成立に基づき、第1示唆制御手段と第2示唆制御手段のうちの何れに制御させるかの切り替えを可能とするのである。
したがって、例えば、更新されたボーナス示唆関連画像が途中で初期化されてしまう等の遊技者が不満となることを防止可能となり、ボーナス示唆関連演出および設定示唆関連演出の双方を何ら問題なく実行することが可能となるのである。
【0166】
なお、演出モードの切り替え方法は、遊技者が選択操作できるものであれば、上記した以外でもよく、また、サブ表示器17のタッチパネルでのタッチ操作以外に、演出ボタン2dや上部演出ボタン2fの操作により実行するようにしてもよい。
また、演出モードの切り替え可能時期に関しても、上記した以外でもよく、例えば、前兆演出の終了後に、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されるまで演出モードを切り替え可能としてもよい。
また、有利区間中は演出モードの切り替えを不能としてもよいし、有利区間中のゲーム数が所定数(例えば、500回)を超えた場合を条件に演出モードを切り替え可能としてもよいし、切り替えを不能時期においても演出モードBからAへの変更は可能としてもよい。
以上のように演出モードが設定される。
【0167】
[演出ポイントの獲得確率]
次に、図6を参照して、演出ポイントの獲得確率について説明する。
前述したように、副制御装置20では、ボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像の更新契機となる演出ポイントに関するデータの管理を行っていて、通常遊技状態中におけるゲームの実行に関連して、演出ポイントを加算(獲得)する処理を行うようにしている。
【0168】
そして、上記加算の結果、演出ポイントが規定値(特定値:50ポイント)に到達した場合に、ボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像を新たな画像に更新(あるいは現出)するようにしている。
すなわち、副制御装置20は、ゲームの実行に基づき、特定情報としての演出ポイントを更新可能な情報更新手段を備え、示唆情報としてのボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像を、上記情報更新手段による特定情報が特定値(50ポイント)となったことに基づき、新たな示唆情報に更新可能とするのである。
【0169】
また、演出ポイントは、通常区間への移行時(リセット時も含む)、および前兆演出の終了時に初期化され、遊技が開始された後は、役の抽選結果に基づき、1~30ポイントのうちの何れかのポイントがそれまでの演出ポイントに加算され、それらの累積値がその時点の演出ポイントとなる。
【0170】
また、副制御装置20では、演出ポイントの加算(獲得)を所定の確率で実行する演出通常確率状態と、演出通常確率状態よりも演出ポイントを加算(獲得)する確率の高い演出高確率状態との何れかの演出確率状態に制御可能となっていて、例えば、前兆演出の終了後、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されるまで、演出高確率状態に制御するようにしている。
【0171】
図6は、副制御装置20の制御により決定される、演出通常確率状態における各ポイントの獲得確率を示している。
まず、図6(a)に示すように、演出通常確率状態においては、例えば、共通ベル役の当選時には、82%の確率で1ポイントが加算され、10%の確率で2ポイントが加算され、5%の確率で3ポイントが加算され、3%の確率で5ポイントが加算され、10ポイント、20ポイントおよび30ポイントが加算される確率は0%となっている。
また、詳細な説明は省略するが、演出通常確率状態における弱レア役および強レア役の当選時も図示する確率で各ポイントを加算するものとなっている。
【0172】
一方、図6(b)に示すように、演出高確率状態においては、例えば、共通ベル役の当選時には、70%の確率で1ポイントが加算され、15%の確率で2ポイントが加算され、10%の確率で3ポイントが加算され、5%の確率で5ポイントが加算され、10ポイント、20ポイントおよび30ポイントが加算される確率は0%となっている。
また、詳細な説明は省略するが、演出高確率状態における弱レア役および強レア役の当選時も図示する確率で各ポイントを加算するものとなっている。
また、図示は省略するが、共通ベル役、レア役以外の役の当選時には、演出確率状態に関わらずポイントの加算は行われないものとなっている。
【0173】
以上のように演出ポイントの加算が行われ、詳細は後述するが、加算後の累積値がその時点の演出ポイントとして、メイン表示器8に表示されることとなる。
また、演出高確率状態となった場合には、メイン表示器8において演出高確率状態であることを報知する画像(背景画像等)が表示されることとなるが、演出高確率状態においては、演出ポイントの加算が行われる毎に演出ポイントの更新表示は行われずに、加算結果を内部的に記憶保持して、その累積値を演出高確率状態の終了時に、纏めて演出ポイントに加算表示されるものとなっている。
したがって、演出高確率状態中においては、役の当選毎に加算されるポイントは不明となるが、演出高確率状態の終了時に多数のポイントが一斉に加算されることとなるのである。
【0174】
以上のように、役の抽選結果に基づき演出ポイントに所定数のポイントが加算されることから、共通ベル役に当選した場合よりもレア役に当選した場合の方が、ポイントが加算される確率が高くなり、さらに、弱レア役に当選した場合よりも強レア役に当選した場合の方が、ポイントが加算される確率が高くなるのである。
特に、強レア役に当選した場合には、10ポイント以上加算されることが確定することとなるのである。
【0175】
したがって、当選した役の種類に応じて種々のポイントが加算されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、レア役に当選した場合には、遊技者に期待感を高めることが可能となり、特に、強レア役当選した場合には、遊技者に期待感をより高めることが可能となるのである。
【0176】
また、演出通常確率状態よりも演出高確率状態の方が、各役の当選時にポイントが加算される確率が高くなるのである。
したがって、演出高確率状態中においては、多数のポイントが加算される可能性が高まることから、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0177】
また、演出高確率状態は、前兆演出の終了により移行することとなるので、疑似ボーナス状態が発生しなかった場合でも、遊技者の落胆感を低減することが可能となり、次の疑似ボーナス状態を発生させるための遊技意欲を向上させることが可能となるのである。
【0178】
そして、演出ポイントが加算された結果、規定値に到達した場合には、示唆情報としてのボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像が新たな示唆情報に更新されるのである。
したがって、周期的にボーナス示唆関連画像や設定示唆関連画像が新たなものに更新(あるいは現出)されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、長期間遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
以上のように演出ポイントの獲得に関わる制御が行われる。
【0179】
[演出モードA]
次に、図7、8を参照して、前述した演出モードAについて説明する。
まず、図7を参照して、演出モードA選択時に実行されるボーナス示唆関連演出として、各種期待度演出について説明する。
前述したように、通常遊技状態中においては、ゲームの実行に基づき演出ポイントが加算されることとなるが、演出モードAが選択されている場合には、この演出ポイントが規定値(例えば、50ポイント)に到達する毎に、ボーナス示唆関連画像を更新表示するボーナス示唆関連演出が実行されることとなる。
【0180】
このボーナス示唆関連演出には、期待度演出1~6の複数の演出が設けられていて、演出ポイントが規定値に到達した場合に何れかの期待度演出が選択されて、選択された期待度演出の実行に対応してボーナス示唆関連画像が更新表示(あるいは現出表示)されることとなる。
したがって、演出ポイントが規定値に到達する毎に、ボーナス示唆関連演出が実行され、実行された演出に対応してボーナス示唆関連画像が種々更新表示(あるいは現出表示)されることで、疑似ボーナス状態の発生に対する期待度が高まることとなるのである。
【0181】
図7は、副制御装置20において実行される、ボーナス示唆関連演出としての期待度演出1~6の種類を示している。
まず、期待度演出1は、味方キャラクタを昇格させる演出であり、ボーナス示唆関連画像として表示されている味方キャラクタ画像を、より期待度の高い味方キャラクタに昇格させる演出である。
味方キャラクタ画像は、詳細は後述するが、その後実行される前兆演出中の対戦演出時に登場する味方側のキャラクタを示していて、当該キャラクタが敵側のキャラクタと対戦することとなり、味方キャラクタが昇格する毎に対戦演出での勝利、すなわち疑似ボーナス状態の当選に対する期待度が高まるものとなっている。
【0182】
また、味方キャラクタ画像は、味方キャラクタA~Dに対応して4種類の画像に設定されていて、A→B→C→Dの順に期待度が高まることとなる。
なお、味方キャラクタDに昇格した場合には、次回の対戦演出において味方キャラクタの勝利(疑似ボーナス状態の発生)が確定するような選択制御を行ってもよい。
【0183】
期待度演出2は、対戦レベルを昇格させる演出であり、ボーナス示唆関連画像として表示されている対戦レベル画像を、より期待度の高い対戦レベルに昇格させる演出である。
対戦レベル画像は、その後実行される前兆演出中の対戦演出における疑似ボーナス状態の当選に対する期待度を段階表示するもので、対戦レベルが昇格する毎に対戦演出での勝利、すなわち疑似ボーナス状態の当選に対する期待度が高まるものとなっている。
【0184】
また、対戦レベル画像は、対戦レベル1~4に対応して4種類の画像に設定されていて、1→2→3→4の順に期待度が高まることとなり、対戦レベル4に昇格した場合には、次回の対戦演出において味方キャラクタの勝利(疑似ボーナス状態の発生)が確定するような選択制御が行われる。
【0185】
期待度演出3は、解除ゲーム数を告知する演出であり、ボーナス示唆関連画像としての「福」の文字情報からなら福アイテム画像を現出させることで、疑似ボーナス状態の発生時期(解除ゲーム数)を事前に告知する演出である。
福アイテム画像は、その時点の有利区間ゲーム数が、疑似ボーナス状態の天井ゲーム数への到達に対して300ゲーム以内であることを条件に現出する画像であり、福アイテム画像の現出により300ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することが告知されることとなる。
【0186】
期待度演出4は、上記期待度演出3と同様に、解除ゲーム数を告知する演出であり、ボーナス示唆関連画像としての「祝」の文字情報からなら祝アイテム画像を現出させることで、疑似ボーナス状態の発生時期(解除ゲーム数)を事前に告知する演出である。
祝アイテム画像は、その時点の有利区間ゲーム数が、疑似ボーナス状態の天井ゲーム数への到達に対して100ゲーム以内であることを条件に現出する画像であり、祝アイテム画像の現出により100ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することが告知されることとなる。
したがって、期待度演出4が実行された場合には、期待度演出3が実行された場合よりも、疑似ボーナス状態の発生が近づいていることが告知されることとなる。
【0187】
期待度演出5は、解除ゲーム数を示唆する演出であり、ボーナス示唆関連画像としての「怪」の文字情報からなら怪アイテム画像を現出させることで、疑似ボーナス状態の発生時期(解除ゲーム数)が近くなった可能性があることを示唆する演出である。
怪アイテム画像は、その時点の有利区間ゲーム数が、疑似ボーナス状態の天井ゲーム数への到達に対して300ゲーム以内となった場合に、それ以外の状態よりも現出する確率が高められる画像であり、怪アイテム画像の現出により300ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生する可能性が高まることとなる。
したがって、期待度演出3~5の何れかが実行された場合には、予め決定されている疑似ボーナス状態の発生時期は告知されないが、発生時期が近づいていることが示唆されることとなるのである。
【0188】
期待度演出6は、次回ボーナスの種類を告知する演出であり、ボーナス示唆関連画像としての「大」の文字情報からなら大アイテム画像を現出させることで、次回の疑似ボーナス状態の種類を告知する演出である。
大アイテム画像は、予め決定されている次回の疑似ボーナス状態が、疑似ビッグボーナス状態であることを条件に現出する画像であり、大アイテム画像の現出により次回の疑似ボーナス状態が疑似ビッグボーナス状態であることを告知されることとなる。
【0189】
以上のように、演出ポイントが規定値(例えば、50ポイント)に到達する毎に、ボーナス示唆関連演出として期待度演出1~6の何れかが選択されて実行されることとなる。
そして、実行された期待度演出に対応してボーナス示唆関連画像を更新表示、あるいは現出することとなるのである。
したがって、多種多彩なボーナス示唆関連演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、疑似ボーナス状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
以上のように期待度演出の種類が設定される。
【0190】
次に、図8を参照して、副制御装置20によりボーナス示唆関連演出が実行される際の、期待度演出の選択率について説明する。
前述したように、副制御装置20では、演出ポイントが規定値に到達した場合に、期待度演出1~6の何れかを選択して実行することとなるが、本第1実施形態においては、この期待度演出の選択を、その時点の有利区間ゲーム数等の種々の条件に応じて変更するようにしている。
なお、有利区間ゲーム数は、有利区間において3ベットで実行されたゲーム数を示すものであり、主制御装置10は、この有利区間ゲーム数を計数管理するとともに、有利区間ゲーム数と天井ゲーム数とを比較判定して、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に到達した場合に疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
【0191】
まず、図8(a)は、疑似ボーナス状態の天井ゲーム数からその時点の有利区間ゲーム数を減算した残り遊技区間ゲーム数が、天井ゲーム数到達まで301ゲーム以上残っている場合の期待度演出の選択率を示している。
図8(a)に示すように、例えば、ボーナス示唆関連演出の発生条件1として、演出ポイントが初期化されてから最初に規定値に到達したときは、50%の確率で期待度演出1が選択され、10%の確率で期待度演出2が選択され、期待度演出3と4は選択されず、10%の確率で期待度演出5が選択され、30%の確率で期待度演出6が選択されることとなる。
【0192】
また、発生条件として、前述したゾーン1~4と各ゾーンの手前50ゲーム以内の特定期間、すなわち前兆演出の発生する手前の期間に演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件2と、上記発生条件1および2以外であって、有利区間ゲーム数が150~399ゲームの間に演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件3と、上記発生条件1および2以外であって、有利区間ゲーム数が400ゲーム以上で演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件4とが設けられ、詳細な説明は省略するが各々図示の確率で各期待度演出が選択されることとなる。
【0193】
一方、図8(b)は、残り有利区間ゲーム数が疑似ボーナス状態の天井ゲーム数到達まで300ゲーム以内の場合の期待度演出の選択率を示している。
図8(b)に示すように、ボーナス示唆関連演出の発生条件5として、演出ポイントが初期化されてから最初に規定値に到達したときで、かつ、残り有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで101~300ゲームの間に演出ポイントが規定値に到達したときは、35%の確率で期待度演出1が選択され、10%の確率で期待度演出2が選択され、25%の確率で期待度演出3が選択され、期待度演出4は選択されず、10%の確率で期待度演出5が選択され、20%の確率で期待度演出6が選択されることとなる。
【0194】
また、発生条件として、演出ポイントが初期化されてから最初に規定値に到達したときで、かつ、残り有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで100ゲーム以内で演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件6と、上記発生条件5および6以外であって、残り有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで101~300ゲームの間に演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件7と、上記発生条件5および6以外であって、残り有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで100ゲーム以内で演出ポイントが規定値に到達したときである発生条件8とが設けられ、詳細な説明は省略するが各々図示の確率で各期待度演出が選択されることとなる。
【0195】
なお、期待度演出1における味方キャラクタには、そのときの対戦レベルに対応して昇格上限が設定されていて、対戦レベル3、4においては、味方キャラクタDまで昇格することとなるが、対戦レベル1においては、味方キャラクタBが昇格上限となり、対戦レベル2においては、味方キャラクタCが昇格上限となるような制限制御が行われる。
また、対戦レベル4は、味方キャラクタの勝利が確定することとなるので、対戦レベル3の状態において、次回の対戦演出が疑似ボーナス状態の発生時のものでなかった場合には、期待度演出2を選択させずに他の期待度演出を選択させるような補正制御が行われる。
【0196】
また、上記の選択処理により期待度演出6が選択された際に、次回の疑似ボーナス状態が疑似レギュラーボーナス状態であった場合には、当該期待度演出6の実行は無効となるが、この場合、期待度演出の再選択処理を行い、期待度演出1~5のうちから上記各発生条件における選択率と同様の傾向となるような選択を行うようにしてもよい。
また、期待度演出6が選択された際に、次回の疑似ボーナス状態が疑似レギュラーボーナス状態であった場合には、「大?」のような疑似ビッグボーナス状態の発生は確定していないが可能性が高まっている旨を報知するアイテム画像を表示するようにしてもよい。
【0197】
以上のように各期待度演出が選択されることから、演出ポイントが初期化されてから最初に規定値に到達した場合(発生条件1、5、6の場合)においては、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいているか否かにかかわらず、期待度演出1や期待度演出6が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、例えば、AT状態終了後等の演出ポイントが初期化されたときの遊技者の遊技意欲を向上せることが可能となり、次の疑似ボーナス状態を発生させるまで遊技を継続させることが可能となるのである。
【0198】
さらに、演出ポイントが初期化されてから最初に規定値に到達したときに、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいている場合(発生条件5、6の場合)には、期待度演出3や期待度演出4が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、例えば、AT状態終了後等の演出ポイントが初期化されたときにおける遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、演出ポイントが初期化された場合には、遊技者は期待度演出3や期待度演出4が実行されることを期待することとなるので、かりに有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいていない場合であっても、演出ポイントの初期化後に直ぐに遊技を終了してしまうことを防止することが可能となるのである。
【0199】
また、特定期間に演出ポイントが規定値に到達した場合(発生条件2の場合)においては、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいていない場合でも、期待度演出2や期待度演出5が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、前兆演出が発生する手前の期間である特定期間において、遊技者の期待感を高めることが可能となり、より前兆演出を効果的に発生させることが可能となるのである。
【0200】
また、有利区間ゲーム数が150~399ゲームの間に演出ポイントが規定値に到達した場合(発生条件3の場合)においては、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいていない場合でも、期待度演出1や期待度演出5が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、ある程度ゲームを実行したのにもかかわらず、疑似ボーナス状態が発生しなかった場合でも、遊技者の期待感を高めることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止でき、次の疑似ボーナス状態を発生させるまで遊技を継続させることが可能となるのである。
【0201】
また、有利区間ゲーム数が400ゲーム以上で演出ポイントが規定値に到達した場合(発生条件4の場合)においては、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数に近づいていない場合でも、期待度演出1や期待度演出2が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、多数のゲームを実行したのにもかかわらず、疑似ボーナス状態が発生しなかった場合でも、遊技の興趣性を高めることが可能となるのである。
【0202】
また、多数のゲームを既に実行していることから、疑似ボーナス状態が発生する時期が有る程度近づいている可能性が高くなっているので、この状態での疑似ボーナス状態の発生時期を報知する演出は、あまり遊技者が興味を示さないものとなるが、この状態では期待度演出3、4、5を発生しないようにしているので、遊技者をかえって興ざめさせてしまうような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0203】
また、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで101~300ゲームの間に演出ポイントが規定値に到達した場合(発生条件7の場合)においては、期待度演出3や期待度演出5が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、実際の有利区間ゲーム数が、疑似ボーナス状態の発生時期に近づくことに応じて、疑似ボーナス状態の発生時期を告知したり示唆したりする演出が多数実行されることとなるので、遊技者の期待感をより効果的に高めることが可能となるのである。
【0204】
また、上記選択制御により、期待度演出5の実行と疑似ボーナス状態の発生を関連付けることが可能となるので、期待度演出5が発生してもあまり遊技者が興味を示さない、というような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0205】
また、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで100ゲーム以内で演出ポイントが規定値に到達した場合(発生条件8の場合)においては、期待度演出3や期待度演出4が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、実際の有利区間ゲーム数が、疑似ボーナス状態の発生時期の間近となった場合には、疑似ボーナス状態の発生時期を告知する演出が多数実行されることとなるので、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0206】
以上のように、ゲームの実行に応じて種々変化する状況に応じて、期待度演出の選択率を変化させるようにしているので、多種多彩な態様で期待度演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、より効果的に遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0207】
なお、各期待度演出の選択率は、上記傾向が形成できるものであれば、上記以外の確率値としてもよい。
また、複数の期待度演出を重複して実行するようにしてもよい。
【0208】
また、上記選択制御では、有利区間ゲーム数が天井ゲーム数到達まで301ゲーム以上で演出ポイントが規定値に到達した場合においては、期待度演出3や4を選択しないようにしているが、天井ゲーム数到達まで300ゲーム以内の場合よりも低い確率であるが選択するように制御してもよい。
この場合には、期待度演出3は、300ゲーム以内での疑似ボーナス状態の発生を告知する演出ではなく示唆する演出となり、期待度演出4は、100ゲーム以内での疑似ボーナス状態の発生を告知する演出ではなく示唆する演出となるが、当該演出の発生確率自体を高めることが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0209】
また、演出高確率状態中や前兆演出中は、期待度演出は実行されずに、その期間に増加した演出ポイントは記憶保持(ストック)されて、当該期間の終了後に期待度演出が実行されることとなるが、このとき演出ポイントが100ポイント以上であった場合には、複数回の期待度演出の選択制御を行い、一度に(連続して)複数の期待度演出が実行されることとなる。
以上のように期待度演出の選択制御が行われる。
【0210】
[演出モードB]
次に、図9~13を参照して、前述した演出モードBについて説明する。
まず、図9を参照して、演出モードB選択時に実行される設定示唆関連演出として、各種アイテム演出について説明する。
前述したように、通常遊技状態中においては、ゲームの実行に基づき演出ポイントが加算されることとなるが、演出モードBが選択されている場合には、この演出ポイントが規定値(例えば、50ポイント)に到達する毎に、設定示唆関連画像に対して所定の画像を現出表示(追加表示)する設定示唆関連演出が実行されることとなる。
【0211】
この設定示唆関連演出には、アイテム演出1~4の複数の演出が設けられていて、演出ポイントが規定値に到達した場合に何れかのアイテム演出が選択されて、選択されたアイテム演出の実行に対応して所定の設定示唆関連画像が現出表示されることとなる。
したがって、演出ポイントが規定値に到達する毎に、設定示唆関連演出が実行され、実行された演出に対応した設定示唆関連画像が種々現出表示されることで、確率設定装置14での設定値を示唆したり報知(告知)したりすることが可能となるのである。
【0212】
図9は、副制御装置20において実行される、設定示唆関連演出としてのアイテム演出1~4の種類を示している。
まず、アイテム演出1は、確率設定装置14における設定値の偶奇を示唆する演出であり、設定示唆関連画像としてアイテムA画像とアイテムB画像の何れかを現出表示することで、上記設定値が奇数値(1、3、5)であるか、偶数値(2、4、6)であるかを示唆する演出である。
【0213】
アイテム演出2は、確率設定装置14における設定値の高低を示唆する演出であり、設定示唆関連画像としてアイテムC~E画像の3種類のうちの何れかを現出表示することで、上記設定値が低いか、あるいは高いかを示唆する演出である。
【0214】
アイテム演出3は、確率設定装置14における設定値の確定あるいは否定系の演出であり、設定示唆関連画像としてアイテムF~K画像の6種類のうちの何れかを現出表示することで、上記設定値が所定値であることを確定的に報知したり、あるいは所定値であることを否定的に報知したりする演出である。
すなわち、第2示唆制御手段としての副制御装置20は、設定手段としての確率設定装置14における設定段階が、複数の設定段階のうち所定の設定段階であることを報知可能とするのである。
【0215】
アイテム演出4は、確率設定装置14における設定値の確定および否定系の演出を予告する演出であり、今回は設定値の確定および否定系のアイテム演出は行われないが、次回のアイテム演出実行時に上記アイテム演出3が実行されることを予告する演出である。
すなわち、第2示唆制御手段としての副制御装置20は、設定手段としての確率設定装置14における設定段階が、複数の設定段階のうち所定の設定段階であることを報知することを事前に報知可能とするのである。
【0216】
以上のように、演出ポイントが規定値(例えば、50ポイント)に到達する毎に、設定示唆関連演出としてアイテム演出1~4の何れかが選択されて実行されることとなる。
そして、実行されたアイテム演出に対応して所定の設定示唆関連画像が現出表示することとなるのである。
したがって、多種多彩な設定示唆関連演出が実行されることとなり、確率設定装置14での設定値を予測する上で、重要な情報を遊技者に提供することができ、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となるのである。
以上のようにアイテム演出の種類が設定される。
【0217】
次に、図10を参照して、演出モードB選択時において、副制御装置20により設定示唆関連演出が実行される際のアイテム演出の選択率について説明する。
前述したように、副制御装置20では、演出ポイントが規定値に到達した場合に、アイテム演出1~4の何れかを選択して実行することとなるが、本第1実施形態においては、このアイテム演出の選択を、演出ポイントの規定値到達回数に応じて変更するようにしている。
【0218】
すなわち、副制御装置20は、演出ポイントの規定値到達回数を記憶保持可能とし、この記憶保持された規定値到達回数(更新情報)に基づき、設定示唆関連画像を生成するのである。
また、副制御装置20は、演出ポイントの規定値到達回数(更新情報)を、遊技区間が有利区間から通常区間に移行された場合でも初期化しないようにしている。したがって、例えば、AT状態が終了した後も演出ポイントの規定値到達回数は継続して更新されることとなる。
【0219】
図10に示すように、例えば、演出ポイントの規定値到達回数が1~10回の場合(特定回数以外)には、62%の確率でアイテム演出1が選択され、5%の確率でアイテム演出2が選択され、30%の確率でアイテム演出3が選択され、3%の確率でアイテム演出4が選択されることとなる。
【0220】
また、演出ポイントの規定値到達回数が、11~30回の場合(特定回数以外)、31~50回の場合(特定回数以外)、51回以上の場合(特定回数以外)、特定回数(1の位が3、5、7の回数)の場合、55回目の場合には、詳細な説明は省略するが、各々図示する確率で各アイテム演出が選択されることとなる。
なお、アイテム演出4が選択された場合には、次回演出ポイントが規定値に到達した場合の選択制御は行われずに、到達回数に関わらずアイテム演出3が強制的に選択されることとなる。
【0221】
以上のように各アイテム演出が選択されることから、演出ポイントの規定値到達回数(更新情報)に基づき、アイテム演出が選択されて設定示唆関連演出が実行されることとなるのである。
すなわち、第2示唆制御手段としての副制御装置20は、演出ポイントが規定値(特定値)となった回数を、更新情報として記憶可能とし、当該更新情報に基づき示唆情報としての設定示唆関連画像を生成可能とするのである。
したがって、遊技の進行に応じたアイテム演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0222】
また、演出ポイントの規定値到達回数が1~10回の場合(特定回数以外)には、アイテム演出1やアイテム演出3が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、例えば、遊技店の開店直後等で演出ポイントが初期化された場合の遊技序盤においては、遊技者にとって重要な情報が得られる可能性が高まることとなるので、当該遊技機で遊技を行うことに対する動機付けを遊技者に対して行うことが可能となり、遊技機の稼働率を向上させることが可能となるのである。
【0223】
また、演出ポイントの規定値到達回数が11~30回の場合(特定回数以外)には、アイテム演出4が選択される確率が相対的に高くなる一方で、アイテム演出2やアイテム演出3が選択される確率が相対的に低くなるのである。
したがって、演出ポイントが初期化されてから有利区間ゲーム数がそれ程多くない場合には、遊技者にとって重要な情報が得られる可能性が低くなるので、遊技店が不利益となることを防止することが可能となるのである。
また、アイテム演出4の発生確率が高くなるので、このアイテム演出4が実行された場合には、少なくとも次回アイテム演出が実行するまでは遊技を継続させることが可能となり、遊技者が遊技を終了してしまうことを防止可能となるのである。
【0224】
また、演出ポイントの規定値到達回数が31~50回の場合(特定回数以外)には、規定値到達回数が上記11~30回の場合と各確率値がほぼ同様となるが、アイテム演出2が選択される確率がやや高くなるのである。
したがって、上記した遊技店が不利益となることの防止や、遊技者による遊技の終了の防止の他、遊技者に対してある程度重要情報を提供する機会も増加することから、遊技者の遊技意欲もある程度増加させることが可能となるのである。
【0225】
また、演出ポイントの規定値到達回数が51回以上の場合(特定回数以外)には、アイテム演出2やアイテム演出3が選択される確率が相対的に高くなるのである。
したがって、演出ポイントが初期化されてから有利区間ゲーム数が多い場合には、遊技者にとって重要な情報が得られる可能性が高くなるので、この状態において遊技者が遊技を終了することを防止することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の発生までに多数のゲームを実行して不利益が多くなった遊技者に対して、救済的に重要情報を与えることが可能となるので、この救済措置の存在により遊技機の稼働率が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0226】
また、演出ポイントの規定値到達回数が特定回数の場合には、上記51回以上の場合とほぼ同様に、アイテム演出2やアイテム演出3が選択される確率が高くなるのである。
したがって、上記した種々の期間以外でも、遊技者の期待感を高める場面が時々発生することとなり、疑似ボーナス状態が発生するまでのどの期間においても、一定の期待感を遊技者に与えることが可能となるのである。
【0227】
また、演出ポイントの規定値到達回数が55回の場合には、アイテム演出3が選択される確率が極めて高くなるのである。
したがって、演出ポイントが初期化されてから有利区間ゲーム数が極めて多くなってしまった場合に、遊技者に対して重要な情報を確実に提供することが可能となり、このような状況下におかれた遊技者に対しても満足感を与えることが可能となるのである。
【0228】
また、演出ポイントの規定値到達回数(更新情報)は、遊技区間が有利区間から通常区間に移行された場合でも初期化されないので、長く遊技を継続すればするほど、遊技者にとって重要な情報が提供される可能性が高まることとなり、より遊技者に対して遊技を継続させる意欲を向上させることが可能となり、遊技機の稼働率を効果的に高めることが可能となるのである。
【0229】
なお、各アイテム演出の選択率は、上記傾向が形成できるものであれば、上記以外の確率値としてもよい。
また、アイテム演出3が選択された場合には、その後演出ポイントが所定回数規定値に到達するまでアイテム演出3を選択しないような制限制御を行うようにしてもよい。
同様に、アイテム演出4が選択された場合には、その後演出ポイントが所定回数規定値に到達するまでアイテム演出4を選択しないような制限制御を行うようにしてもよい。
【0230】
また、演出高確率状態中や前兆演出中は、アイテム演出は実行されずに、その期間に増加した演出ポイントは記憶保持(ストック)されて、当該期間の終了後にアイテム演出が実行されることとなるが、このとき演出ポイントが100ポイント以上であった場合には、複数回のアイテム演出の選択制御を行い、一度に複数のアイテム演出が実行されることとなる。
以上のようにアイテム演出の選択制御が行われる。
【0231】
次に、図11を参照して、演出モードB選択時において、副制御装置20によりアイテム演出1が実行される際の各アイテムの選択率について説明する。
【0232】
前述したように、副制御装置20では、演出モードB選択時において演出ポイントが規定値に到達した場合に、アイテム演出1~4の何れかを選択して実行することとなるが、アイテム演出1が選択された場合には、確率設定装置14での設定値に応じて、設定示唆関連演出時に現出するアイテムとして、アイテムAあるいはアイテムBの何れかを選択するようにしている。
したがって、詳細は後述するが、アイテムAが選択された場合には、設定示唆関連画像としてアイテムA画像をメイン表示器8に現出し、アイテムBが選択された場合には、設定示唆関連画像としてアイテムB画像が現出することとなる。
【0233】
図11は、アイテム演出1実行時における、アイテムAおよびアイテムBの選択率を示している。
図示のように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、60%の確率でアイテムAが選択され、40%の確率でアイテムBが選択されることとなる。
また、例えば、設定6であった場合には、30%の確率でアイテムAが選択され、70%の確率でアイテムBが選択されることとなる。
【0234】
また、設定2~5の場合も、詳細な説明は省略するが、図示するような各確率でアイテムAあるいはアイテムBが選択されることとなる。
【0235】
以上のようにアイテム演出1におけるアイテムの選択が行われることから、アイテムAが選択された場合には、確率設定装置14での設定値が奇数値である確率が高くなり、一方、アイテムBが選択された場合には、確率設定装置14での設定値が偶数値である確率が高くなるのである。
【0236】
したがって、アイテム演出1が実行された場合には、確率設定装置14での設定値が奇数値であるか偶数値であるかを示唆することとなるのである。
また、設定値が高くなる程、より顕著に偶奇の振り分けが行われることから、設定値が高くなる程、より正確に設定値の偶奇を示唆することとなるのである。
【0237】
なお、各アイテムの選択確率は、上記と同様の傾向が形成されるものであれば上記以外でもよい。
以上のようにアイテム演出1での各アイテムの選択制御が行われる。
【0238】
次に、図12を参照して、演出モードB選択時において、副制御装置20によりアイテム演出2が実行される際の各アイテムの選択率について説明する。
【0239】
副制御装置20では、アイテム演出2が選択された場合には、確率設定装置14での設定値に応じて、設定示唆関連演出時に現出するアイテムとして、アイテムC、アイテムD、アイテムEの何れかを選択するようにしている。
したがって、選択された各アイテムに対応したアイテム画像が設定示唆関連画像として現出することとなる。
【0240】
図12は、アイテム演出2実行時における、アイテムC~Eの選択率を示している。
図示のように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、80%の確率でアイテムCが選択され、10%の確率でアイテムDが選択され、5%の確率でアイテムEが選択されることとなる。
また、例えば、設定6であった場合には、5%の確率でアイテムCが選択され、40%の確率でアイテムDが選択され、55%の確率でアイテムEが選択されることとなる。
【0241】
また、設定2~5の場合も、詳細な説明は省略するが、図示するような各確率でアイテムC~Eが選択されることとなる。
【0242】
以上のようにアイテム演出2におけるアイテムの選択が行われることから、選択されたアイテムがC→D→Eになる程、確率設定装置14での設定値が高い値である確率が高くなるのである。
したがって、アイテム演出2が実行された場合には、確率設定装置14での設定値の高低を示唆することとなるのである。
【0243】
なお、各アイテムの選択確率は、上記と同様の傾向が形成されるものであれば上記以外でもよい。
以上のようにアイテム演出2での各アイテムの選択制御が行われる。
【0244】
次に、図13を参照して、演出モードB選択時において、副制御装置20によりアイテム演出3が実行される際の各アイテムの選択率について説明する。
【0245】
副制御装置20では、アイテム演出3が選択された場合には、確率設定装置14での設定値に応じて、設定示唆関連演出時に現出するアイテムとして、6種類からなるアイテムF~Kから何れかを選択するようにしている。
したがって、選択された各アイテムに対応したアイテム画像が設定示唆関連画像として現出することとなる。
【0246】
図13は、アイテム演出3実行時における、アイテムF~Kの選択率を示している。
図示のように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、70%の確率でアイテムFが選択され、30%の確率でアイテムIが選択され、その他のアイテムの選択は行われないこととなる。
また、例えば、設定6であった場合には、アイテムFの選択は行われず、20%の確率でアイテムGが選択され、20%の確率でアイテムHが選択され、25%の確率でアイテムIが選択され、20%の確率でアイテムJが選択され、5%の確率でアイテムKが選択されることとなる。
【0247】
また、設定2~5の場合も、詳細な説明は省略するが、図示するような各確率でアイテムF~Kが選択されることとなる。
【0248】
以上のようにアイテム演出3におけるアイテムの選択が行われることから、アイテムFは、設定2、4、6では選択されないので、アイテムFが選択された場合には、設定1、3、5の何れかであることが確定することとなる。
同様に、アイテムGが選択された場合には、設定2、4、6の何れかであることが確定することとなる。
【0249】
また、アイテムHは、設定1以外の全ての設定値で選択されるので、アイテムHが選択された場合には、設定1が否定されることとなる。
同様に、アイテムIは、設定2以外の全ての設定値で選択されるので、アイテムIが選択された場合には、設定2が否定されることとなる。
【0250】
また、アイテムJは、設定1、2、3では選択されないので、アイテムJが選択された場合には、設定4、5、6の何れか(設定4以上)であることが確定することとなる。
また、アイテムKは、設定6でのみ選択されるので、アイテムKが選択された場合には、設定6であることが確定することとなる。
【0251】
なお、各アイテムの選択確率は、上記と同様の傾向が形成されるものであれば上記以外でもよい。
また、確定系および否定系の対象となる設定値は、上記した以外でもよい。
以上のようにアイテム演出3での各アイテムの選択制御が行われる。
【0252】
[演出モードA選択時の演出画像]
次に、図14~19を参照して、副制御装置20の制御により表示される、演出モードA選択時のメイン表示器8およびサブ表示器17における演出画像について説明する。
【0253】
まず、図14を参照して、演出モードA選択時に期待度演出1および期待度演出2が実行された場合の、メイン表示器8における演出画像について説明する。
【0254】
図14(a)は、通常遊技状態中において、演出モードAが選択されている場合のメイン表示器8における各種演出画像を示している。
図14(a)に示すように、演出モードAが選択されている場合には、メイン表示器8の画面右上に、演出モードAが選択されていることを報知する演出モードA画像30aが表示される。
【0255】
また、メイン表示器8の画面右下には、ボーナス示唆関連画像として、演出モードA選択時における演出ポイントを報知する演出ポイントA画像31aが表示される。
演出ポイントA画像31aは、円形状の枠画像と、その内部にその時点の演出ポイントを示す数値情報からなっている。図14(a)では、演出ポイントが「49」の時点を示しているので、数値情報が「49」となっている。
【0256】
また、メイン表示器8の画面左下には、ボーナス示唆関連画像として、演出モードA選択時における味方キャラクタの種類を報知する味方キャラクタ画像が表示されるが、このとき選択されている味方キャラクタが味方キャラクタAであった場合には、図示するように味方キャラクタA画像32aが表示されることとなる。
【0257】
また、演出ポイントA画像31aの右下には、ボーナス示唆関連画像として、演出モードA選択時における対戦レベルを報知する対戦レベル画像33が表示される。
対戦レベル画像33は、円形状の枠画像と、その内部にその時点の対戦レベルを示す数値情報からなっている。図14(a)では、対戦レベルがレベル1の時点を示しているので、数値情報が「1」となっている。
【0258】
また、演出ポイントA画像31aの左下には、その時点の有利区間ゲーム数を報知する有利区間ゲーム数画像34が表示される。
有利区間ゲーム数画像34は、矩形状の枠画像と、その内部にその時点の有利区間ゲーム数を示す数値情報からなっている。図14(a)では、有利区間ゲーム数が200ゲームの時点を示しているので、数値情報が「200」となっている。
【0259】
次に、図14(b)、(c)は、上記した状態からゲームが実行された結果、演出ポイントが規定値(50P)に到達した場合のメイン表示器8における各種演出画像を示している。
【0260】
まず、図14(b)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、ボーナス示唆関連演出として期待度演出1が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
図14(b)に示すように、次ゲームの実行により有利区間ゲーム数画像34の数値情報が「201」に更新表示されることとなる。
また、このとき演出ポイントが加算されて規定値に到達した場合には、演出ポイントA画像31aの数値情報が「50」に更新表示されることとなる。
【0261】
そして、演出ポイントが規定値に到達した場合には、前述したように期待度演出の選択制御が行われることとなるが、この時期待度演出1が選択された場合には、図14(b)に示すように、味方キャラクタが味方キャラクタAからBに昇格して、味方キャラクタA画像32aから味方キャラクタB画像32bに更新表示されることとなる。
【0262】
次に、図14(c)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、ボーナス示唆関連演出として期待度演出2が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
図14(c)に示すように、期待度演出2が選択された場合には、対戦レベルがレベル1からレベル2に昇格して、対戦レベル画像33の数値情報が「1」から「2」に更新表示されることとなる。
【0263】
次に、図15は、演出ポイントが規定値(50P)に到達した場合に、ボーナス示唆関連演出として期待度演出3および4が選択されて実行された場合における、メイン表示器8での演出画像を示している。
【0264】
まず、図15(a)は、期待度演出3が選択された場合の演出画像を示している。
図15(a)に示すように、期待度演出3が選択されて実行された場合には、味方キャラクタA画像32aの右横に、ボーナス示唆関連画像として、内部に「福」の文字情報が含まれる円形状の福アイテム画像35が現出表示される。
福アイテム画像35の表示は所定期間のみとされ、例えば、次のゲームの開始により消去されることとなる。
この福アイテム画像35の現出表示により、前述したように、300ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することが告知されることとなる。
【0265】
次に、図15(b)は、期待度演出4が選択された場合の演出画像を示している。
図15(b)に示すように、期待度演出4が選択されて実行された場合には、味方キャラクタA画像32aの右横に、ボーナス示唆関連画像として、内部に「祝」の文字情報が含まれる円形状の祝アイテム画像36が現出表示される。
祝アイテム画像36の表示は所定期間のみとされ、例えば、次のゲームの開始により消去されることとなる。
この祝アイテム画像36の現出表示により、前述したように、100ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することが告知されることとなる。
【0266】
次に、図16は、演出ポイントが規定値(50P)に到達した場合に、ボーナス示唆関連演出として期待度演出5および6が選択されて実行された場合における、メイン表示器8での演出画像を示している。
【0267】
まず、図16(a)は、期待度演出5が選択された場合の演出画像を示している。
図16(a)に示すように、期待度演出5が選択されて実行された場合には、味方キャラクタA画像32aの右横に、ボーナス示唆関連画像として、内部に「怪」の文字情報が含まれる円形状の怪アイテム画像37が現出表示される。
怪アイテム画像37の表示は所定期間のみとされ、例えば、次のゲームの開始により消去されることとなる。
この怪アイテム画像37の現出表示により、前述したように、300ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することが示唆されることとなる。
【0268】
次に、図16(b)は、期待度演出6が選択された場合の演出画像を示している。
図16(b)に示すように、期待度演出6が選択されて実行された場合には、味方キャラクタA画像32aの右横に、ボーナス示唆関連画像として、内部に「大」の文字情報が含まれる円形状の大アイテム画像38が現出表示される。
大アイテム画像38の表示は所定期間のみとされ、例えば、次のゲームの開始により消去されることとなる。
この大アイテム画像38の現出表示により、前述したように、次に発生する疑似ボーナス状態が疑似ビッグボーナス状態であることが告知されることとなる。
【0269】
以上のように、演出モードAが選択された場合には、種々のボーナス示唆関連演出がメイン表示器8において実行され、ボーナス示唆関連画像の一部が更新されたり、新たな画像が現出されたりするのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることができるとともに、疑似ビッグボーナス状態に関する情報として、次の疑似ボーナス状態の発生時期や疑似ボーナス状態の種類等に関する各種情報が遊技者に提供されることとなり、遊技者の期待感を向上させたり、遊技意欲を向上させたりすることが可能となるのである。
【0270】
なお、ボーナス示唆関連演出は、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
また、所定の期待度演出を、ボタン演出を伴って実行するようにしてもよい。
また、ボーナス示唆関連演出の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11が所定の態様で発光することとなる。
以上のように演出モードA選択時のボーナス示唆関連演出が実行される。
【0271】
次に、図17を参照して、前兆演出(本前兆演出もくしはフェイク前兆演出)中におけるメイン表示器8での演出画像について説明する。
【0272】
前述したように、本第1実施形態においては、演出高確率状態中および前兆演出中においては、演出ポイントの加算抽選は、その他の状態中と同様に行われるが、ポイントの加算はその時点では行われずに、演出高確率状態中あるいは前兆演出中において加算抽選に当選した各ポイントは、総加算ポイントとして記憶保持(ストック)され、演出高確率状態あるいは前兆演出の終了後において、一斉に総加算ポイントが演出ポイントに加算されることとなる。
【0273】
したがって、演出高確率状態あるいは前兆演出の終了時には、演出ポイントの加算結果が100ポイント(規定値到達2回)以上となる場合もあり、この場合には、複数の期待度演出あるいはアイテム演出が連続して実行されることとなる。
また、演出高確率状態あるいは前兆演出中には、演出ポイントの加算は中断されて行われなくなるので、演出高確率状態あるいは前兆演出中においては、直前の演出ポイントがそのまま維持されることとなる。
【0274】
図17は、前兆演出中のメイン表示器8の演出画像を示している。
なお、図17は、演出モードAが選択されている場合を示している。
【0275】
図17に示すように、前兆演出が実行されると、メイン表示器8の画面主要部に、前兆演出画像39が表示されることとなる。
また、前述同様に、演出モードA画像30aと有利区間ゲーム数画像34が画面所定位置に表示されることとなる。
【0276】
また、前兆演出直前の味方キャラクタが味方キャラクタAであった場合には、図示するように味方キャラクタA画像32aが昇格せずに前兆演出を通して表示され、同様に、前兆演出直前の対戦レベルがレベル3であった場合には、図示するように数値情報が「3」の対戦レベル画像33が昇格せずに前兆演出を通して表示されることとなる。
前兆演出中に表示されている味方キャラクタと対戦レベルは、その後に実行される対戦演出に関わることとなる。
【0277】
一方、前兆演出中においては、前述した演出ポイントA画像31aに代えて、メイン表示器8の右下に、演出ポイントが記憶保持中(ストック中)であることを報知する、「ポイントストック中」の文字情報を含んだ円形状のストック中画像40が表示されることとなる。
【0278】
そして、前兆演出の終了後に、前兆演出中に記憶保持されたポイントが一斉に演出ポイントに加算されて、その結果が加味された演出ポイントA画像31aが復帰表示されることとなる。
【0279】
以上のように、前兆演出中においては、その間に生じた加算ポイントは演出ポイントに加算されずに記憶保持され、前兆演出の終了後に一斉に加算されることとなるので、遊技者は、演出ポイントの加算に対して気にすることなく前兆演出のみに集中することができ、より前兆演出を楽しむことが可能となるのである。
【0280】
また、前兆演出の終了後には、演出ポイントが多数増加する可能性があるので、演出ポイントの増加に対する期待感を抱きつつ、前兆演出を楽しむことが可能となるのである。
また、前兆演出がフェイク前兆演出であった場合でも、演出ポイントが多数増加する場合があるので、フェイク前兆演出の終了時点で遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止でき、その後も遊技を継続させることが可能となるのである。
【0281】
なお、上記では、次回対戦演出時に登場する味方キャラクタや対戦レベルを確認可能とするために、前兆演出中も味方キャラクタや対戦レベルをそのまま表示するようにしているが、前兆演出中には消去するようにしてもよい。
また、図17では、前兆演出時の演出画像を例示しているが、演出高確率状態中も前兆演出中と同様に、メイン表示器8にストック中画像40が表示されて上記同様の表示処理が行われることとなる。
また、前兆演出中においては、演出モードBの選択時においても、演出モードA選択時と同様の表示処理が行われる。
以上のように前兆演出中の演出画像が表示される。
【0282】
次に、図18を参照して、対戦演出中におけるメイン表示器8での演出画像について説明する。
前述したように、前兆演出(本前兆演出もくしはフェイク前兆演出)の終盤においては、メイン表示器8において対戦演出が実行され、この対戦演出の結果により疑似ボーナス状態の発生の有無が報知されることとなる。
【0283】
対戦演出は、味方キャラクタと敵キャラとが所定の種目により対戦する演出であり、疑似ボーナス状態が発生する場合の本前兆演出中の対戦演出では、味方キャラクタが勝利する対戦結果が導出され、疑似ボーナス状態が発生しない場合のフェイク前兆演出中の対戦演出では、味方キャラクタが敗北する対戦結果が導出されることで疑似ボーナス状態の発生の有無が報知されることとなる。
【0284】
また、演出モードAが選択されていた場合には、前述の期待度演出により昇格した味方キャラクタがそのまま対戦演出において登場し、当該味方キャラクタの種類とそのときの対戦レベルにより対戦種目と敵キャラクタの種類が決定されることとなる。
なお、対戦種目と敵キャラクタの種類の決定に関しての詳細は後述する。
【0285】
図18は、対戦演出中におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
図18に示すように、対戦演出が開始されると、メイン表示器8の画面左上に、対戦演出の開始を報知する「勝負」の文字情報からなる開始画像41が表示される。
また、メイン表示器8の画面右上には、今回の対戦種目を報知する対戦種目画像42が表示される。
【0286】
本第1実施形態においては、対戦種目として対戦種目1~4の4種類が設定されていて、敵キャラクタとの組合せに対応して疑似ボーナス状態の発生に対する期待度が変化するものとなっている。
なお、対戦種目画像42として、図18では、「対戦種目3」のように単に対戦種目の種類を報知する画像を表示しているが、例えば、「水泳」や「相撲」等の対戦する種目を具体的に示す情報を表示するようにしてもよい。
【0287】
また、メイン表示器8の画面左側には、演出モードA選択時に表示されていた味方キャラクタに対応する画像が表示されることとなるが、図18では、味方キャラクタAが表示されていた場合を例示しているので、味方キャラクタA画像32aが表示されることとなる。
【0288】
また、画面右側には、今回決定された敵キャラクタに対応する画像が表示されて、両キャラクタが対峙する画像が表示される。
図18では、敵キャラクタYが決定された場合を例示しているので、敵キャラクタYに対応する敵キャラクタY画像44が表示されることとなる。
【0289】
なお、敵キャラクタは敵キャラクタX、Y、Zの3種類が設定されていて、詳細は後述するが、X→Y→Zの順に期待度が高まるように設定されている。
また、メイン表示器8の画面下方には、今回の対戦演出で味方キャラクタが勝利する期待度を示す期待度画像45が表示される。
【0290】
期待度画像45は、6個の星型画像が左右方向に並んだ画像から成っていて、黒塗りの星型画像が多い程、味方キャラクタが勝利する期待度が高いものとなっている。
図18では、黒塗りの星型画像が4個となっているので期待度は4.0となる。
また、期待度画像45は、味方キャラクタ、敵キャラクタおよび対戦種目により予め決定されていて、これらの組合せにより期待度が種々変化するものとなり、味方キャラクタと対戦レベルが昇格する程、期待度が高いものとなる。
【0291】
前述したように、味方キャラクタおよび対戦レベルは、疑似ボーナス状態の発生時期が近づく程、昇格する確率が高くなるが、副制御装置20では、味方キャラクタおよび対戦レベルが昇格する程、味方キャラクタ、敵キャラクタおよび対戦種目の組み合わせがより期待度の高いものとなるように組合せの決定を行うようにしている。
したがって、演出モードAの選択時には、味方キャラクタおよび対戦レベルの昇格度合いにより、ある程度疑似ボーナス状態の発生時期を予測することが可能となるのである。
【0292】
上記のように味方キャラクタ、敵キャラクタ、対戦種目および期待度が決定された後、対戦演出(連続演出)が所定数(例えば、3回)のゲームに跨った動画で実行されることとなる。
そして、対戦演出の最終ゲームにおいて、予め決定されている疑似ボーナス状態の発生の有無に応じて、対戦結果(味方キャラクタの勝敗)が導出されることとなる。
【0293】
以上のように対戦演出が実行されることから、遊技の興趣性を向上させることが可能となり、また、疑似ボーナス状態に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、演出モードAが選択されている場合には、対戦演出が実行される以前に、通常遊技状態中において、対戦演出における上記組合せの決定要素である、味方キャラクタおよび対戦レベルの昇格度合いを前もって確認することが可能となるので、対戦演出が実行される以前から遊技者の期待感をより効果的に向上させることが可能となるのである。
【0294】
なお、対戦演出は、演出モードBの選択時にも実行されることとなるが、演出モードB選択時には、対戦演出の開始時に、疑似ボーナス状態の発生の有無に応じて味方キャラクタ、敵キャラクタ、対戦種目および期待度が、副制御装置20により決定されることとなる。
したがって、演出モードB選択時には、対戦演出に関する各種情報は前もって確認できないが、対戦演出自体は疑似ボーナス状態の発生の有無に応じた期待度の変化した態様で実行されることとなる。
以上のように前兆演出中の演出画像が表示される。
【0295】
次に、図19を参照して、上記した対戦演出における敵キャラクタ、対戦種目および期待度の決定について説明する。
前述したように、対戦演出における敵キャラクタ、対戦種目および期待度は、演出モードA選択時において昇格抽選される味方キャラクタと対戦レベルに応じて決定されることとなるが、副制御装置20は、この味方キャラクタと対戦レベルを前兆演出開始時に判定し、敵キャラクタ、対戦種目および期待度の組合せを決定するようにしている。
【0296】
また、副制御装置20では、味方キャラクタおよび対戦レベルと、敵キャラクタ、対戦種目および期待度の組合せの対応関係を予め設定するようにしていて、この対応関係に基づき上記組合せを決定するようにしている。
また、副制御装置20では、上記対応関係を、遊技者によるサブ表示器17に対するタッチ操作に基づき表示することで、対戦演出の説明画像を表示可能としている。
【0297】
図19は、遊技者によるサブ表示器17に対するタッチ操作に基づき、副制御装置20の制御により表示される、表形式の対戦演出の説明画像を示している。
図19に示すように、例えば、前兆演出開始時に表示されている味方キャラクタが、味方キャラクタAであった場合において、対戦レベルがレベル1であった場合には、敵キャラクタX、対戦種目1、期待度1.5(黒塗りの星型画像が1個半)が決定され、対戦レベルがレベル2であった場合には、敵キャラクタY、対戦種目2、期待度2.5(黒塗りの星型画像が2個半)が決定され、対戦レベルがレベル3であった場合には、敵キャラクタZ、対戦種目3、期待度4.0(黒塗りの星型画像が4個)が決定され、対戦レベルがレベル4であった場合には、敵キャラクタZ、対戦種目4、期待度5.5(黒塗りの星型画像が5個半)が決定される。
【0298】
また、詳細な説明は省略するが、上記以外の味方キャラクタと対戦レベルに関しても図示するような敵キャラクタ、対戦種目および期待度の組合せが決定されることとなる。
なお、前述したように、対戦レベル4については、次の前兆演出により疑似ボーナス状態の発生が確定する場合にしか昇格しないので、対戦レベル4に対応する項目内の期待度5.5は味方キャラクタの勝利の確定を示すものとなる。
【0299】
また、副制御装置20では、遊技者がサブ表示器17をタッチ操作した時点で表示されている味方キャラクタを判定し、その時点、および以降に決定可能な組合せと決定不能な組合せとを識別可能に対戦演出の説明画像を変更可能としている。
図19では、味方キャラクタAと対戦レベル3が表示されている場合(図17参照)を示していて、対戦レベル3および4に対応する各項目での背景色(例えば、白色背景)に対して、対戦レベル1および2に対応する各項目での背景色(例えば、灰色背景)を変更することで、背景色が変更された組合せは、その時点および以降(ただし、次の対戦演出まで)においては選択不能であることが報知されることとなる。
【0300】
なお、対戦演出の説明画像を表示する際には、通常遊技状態中あるいは常時、サブ表示器17の画面上に説明画像の表示を要求するタッチ画像を表示し、遊技者がその他タッチ画像をタッチ操作することで説明画像を画面に表示すればよい。
また、演出モードの切り替え可能時期においては、上記説明画像の要求と、演出モードの切り替え要求が重複する場合もあるが、その場合には、何れかの切り替え要求を優先的に行うようにしてもよし、夫々の要求に対するタッチ画像を画面上に表示してもよい。
【0301】
以上のように対戦演出の説明画像が、遊技者の操作に基づきサブ表示器17において表示されるので、遊技者は、味方キャラクタと対戦レベルに対する、敵キャラクタ、対戦種目および期待度の組合せを確認することができるので、事前に対戦演出についての知識を得た上で、十分に対戦演出を楽しめることが可能となるのである。
また、必要なときにはいつでも対戦演出の説明画像を確認することができるばかりか、説明画像を要求した時点において選択可能となっている敵キャラクタ、対戦種目および期待度の組合せも識別可能となるので、多数の組合せが存在している場合でも、より分かり易く説明画像を表示することが可能となるのである。
【0302】
なお、対戦演出の説明画像は、サブ表示器17において表示するようにしているが、メイン表示器8において表示するようにしてもよい。
また、対戦演出の説明画像を、演出ボタン2dや上部演出ボタン2fの操作に基づき表示するようにしてもよい。
【0303】
また、対戦演出の説明画像は、演出モードB選択時にも表示可能としてもよい。ただし、演出モードB選択時には、味方キャラクタや対戦レベルの昇格は行われていないので、上記した各項目の背景色の変更は行われない。
【0304】
また、対戦演出の説明画像を表示する際に、上記組合せの他、その時点で獲得している各種アイテム画像(福アイテム画像等)や獲得回数を確認できるようにしてもよく、このようにすれば、獲得時の所定期間しか表示されないアイテム画像を、後から確認することが可能となるのである。
また、その時点で獲得している複数のアイテム画像を記憶保持し、対戦演出の説明画像を表示する際に、記憶保持している複数のアイテム画像を確認可能に表示するようにしてもよい。
【0305】
また、演出モードB選択時のアイテム演出時に現出するアイテム画像を、遊技区間が通常区間に移行した場合でも記憶保持可能とし、当該アイテム演出時に現出して記憶保持されたアイテム画像を、対戦演出の説明画像を表示する際に表示するようにしてもよい。
以上のように対戦演出の説明画像が表示される。
【0306】
[演出モードB選択時の演出画像]
次に、図20、21を参照して、副制御装置20の制御により表示される、演出モードB選択時のメイン表示器8における演出画像について説明する。
【0307】
まず、図20を参照して、演出モードB選択時において、設定示唆関連演出としてアイテム演出1およびアイテム演出2が実行された場合の、メイン表示器8における演出画像について説明する。
【0308】
図20(a)は、通常遊技状態中において、演出モードBが選択されている場合のメイン表示器8における各種演出画像を示している。
図20(a)に示すように、演出モードBが選択されている場合には、メイン表示器8の画面右上に、演出モードBが選択されていることを報知する演出モードB画像30bが表示される。
【0309】
また、メイン表示器8の画面右下には、設定示唆関連画像として、演出モードB選択時における演出ポイントを報知する演出ポイントB画像31bが表示される。
演出ポイントB画像31bは、円形状の枠画像と、その内部に表されるその時点の演出ポイントを示す数値情報と、その時点の規定値到達回数を示す到達情報(更新情報)とからなっている。
図20(a)では、既に3回規定値に到達していて、演出ポイントが「49」の時点を示しているので、数値情報が「49」となり、到達情報が「Cycle:03」となっている。
【0310】
また、演出ポイントB画像31bの左下には、演出モードA選択時と同様に、その時点の有利区間ゲーム数を報知する有利区間ゲーム数画像34が表示される。
図20(a)では、有利区間ゲーム数が249ゲームの時点を示しているので、数値情報が「249」となっている。
また、演出モードB選択時においては、演出モードA選択時に表示される味方キャラクタ画像や対戦レベル画像は非表示とされる。
【0311】
次に、図20(b)、(c)は、上記した状態からゲームが実行された結果、演出ポイントが規定値(50P)に到達した場合のメイン表示器8における各種演出画像を示している。
【0312】
まず、図20(b)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、設定示唆関連演出としてアイテム演出1が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
図20(b)に示すように、次ゲームの実行により有利区間ゲーム数画像34の数値情報が「250」に更新表示されることとなる。
また、このとき演出ポイントが加算されて規定値に到達した場合には、演出ポイントB画像31bの数値情報が「50」に更新表示されることとなる。
【0313】
そして、演出ポイントが規定値に到達した場合には、前述したようにアイテム演出の選択制御が行われることとなるが、この時アイテム演出1が選択された場合には、アイテムAあるいはアイテムBの何れかが現出表示されることとなる。
図20(b)は、アイテム演出1の実行時にアイテムBが選択された場合の演出画像を示している。
【0314】
図20(b)に示すように、アイテムBが選択された場合には、設定示唆関連画像として、アイテムB画像46がメイン表示器8の画面左下に現出表示されることとなる。
一方、図示は省略するが、このときアイテムAが選択された場合には、上記アイテムB画像46に代えて、アイテムAに対応する画像が現出表示されることとなり、これらの画像の現出表示により、確率設定装置14での設定値の偶奇が示唆されることとなる。
【0315】
次に、図20(c)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、設定示唆関連演出としてアイテム演出2が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
アイテム演出2が選択されて実行された場合には、アイテムC~Eのうちの何れかのアイテムが現出表示されることとなるが、図20(c)は、アイテムDが選択された場合の演出画像を示している。
【0316】
図20(c)に示すように、アイテムDが選択された場合には、設定示唆関連画像として、アイテムD画像47がメイン表示器8の画面左下に現出表示されることとなる。
一方、図示は省略するが、このときアイテムCあるいはEが選択された場合には、上記アイテムD画像47に代えて、選択されたアイテムに対応する画像が現出表示されることとなり、これらの画像の現出表示により、確率設定装置14での設定値の高低が示唆されることとなる。
【0317】
次に、図21(a)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、設定示唆関連演出としてアイテム演出3が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
アイテム演出3が選択されて実行された場合には、アイテムF~Kのうちの何れかのアイテムが現出表示されることとなるが、図21(a)は、アイテムFが選択された場合の演出画像を示している。
【0318】
図21(a)に示すように、アイテムFが選択された場合には、設定示唆関連画像として、アイテムF画像48がメイン表示器8の画面左下に現出表示されることとなる。
一方、図示は省略するが、このときアイテムG~Kのうちの何れかが選択された場合には、上記アイテムF画像48に代えて、選択されたアイテムに対応する画像が現出表示されることとなり、これらの画像の現出表示により、確率設定装置14での設定値の確定系あるいは否定系のアイテム演出が実行されることとなる。
【0319】
次に、図21(b)は、演出ポイントが規定値に到達した場合に、設定示唆関連演出としてアイテム演出4が選択されて実行された場合の演出画像を示している。
アイテム演出4が選択されて実行された場合には、アイテムLのみが選択されることとなる。
【0320】
図21(b)に示すように、アイテムLが選択された場合には、設定示唆関連画像として、アイテムL画像49がメイン表示器8の画面左下に現出表示されることとなり、アイテムL画像49の現出表示により、次回の設定示唆関連では、アイテム演出3が実行されることが予告されることとなる。
【0321】
そして、現出表示された各アイテム画像は、例えば、次回のゲームの開始時等の所定期間経過後に消去されることとなる。
また、演出ポイントが規定値に到達しても演出ポイントB画像31b内の規定値到達回数を示す到達情報は初期化されずに、アイテム演出の実行後の次ゲーム開始時に、到達情報が更新表示(+1)されることとなる。
【0322】
そして、前述したように、この到達情報に基づき、次回以降のアイテム演出の選択が行われ、示唆情報としての設定示唆関連画像が現出(生成)されることとなるのである。
すなわち、第2示唆制御手段としての副制御装置20は、特定情報としての演出ポイントが特定値となった回数を、更新情報(到達情報)として記憶可能とし、当該更新情報に基づき示唆情報を生成可能とするのである。
【0323】
また、この到達情報は、演出モードが演出モードBからAに切り替えられた場合でも、その時点の情報が記憶保持され、その後、再度演出モードBに切替られた場合に、記憶されている情報が復帰して更新表示が再開されることとなる。なお、到達情報は、副制御装置20がリセットされた場合や、日を跨いだ電源オン時に初期化することが好ましい。
【0324】
以上のように、演出モードBが選択された場合には、種々の設定示唆関連演出がメイン表示器8において実行され、設定示唆関連画像の一部が更新表示されたり、新たな画像が現出表示されたりするのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることができるとともに、確率設定装置14での設定値に関する情報として、設定値の偶奇や高低を示唆する情報、所定の設定値の確定(あるいは否定)する情報等の、遊技を行う遊技機の選定時や、遊技を継続するか終了するかの判断時において重要な情報を遊技者に提供することが可能となり、遊技者に満足感を与えることが可能となるのである。
【0325】
また、アイテム演出4の実行により、次回アイテム演出3が実行さることが予告されることから、この演出により遊技者に対して次回アイテム演出が実行されるまで遊技を継続させることが可能となり、遊技機の稼働率を向上させることが可能となるのである。
【0326】
なお、各アイテム画像は、アイテムの違いを識別できるものであれば何れでもよく、例えば、武器、乗り物、キャラクタの顔等でもよい。また、アイテム演出毎に配色や枠の形状等を変化させてグループ化してもよい。
また、各アイテム画像の現出時に、所定のエフェクト画像を併せて表示するようにしてもよいし、所定の効果音や所定態様の発光演出を行うようにしてもよい。
また、アイテムL画像49は、次回のアイテム演出3の実行を予告するものであることから、次ゲームの実行により消去せずに次回アイテム演出3が実行されるまで継続して表示するようにしてもよい。
以上のように演出モードB選択時の演出が実行される。
【0327】
[AT状態中の遊技の流れ]
次に、図22を参照して、AT状態中の遊技の流れについて説明する。
本第1実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態中におけるAT状態移行条件の成立等によりAT状態が発生することとなるが、前述したように、AT状態中における所定条件の成立として、上乗せ特化ゾーン移行条件が成立した場合には、特殊遊技状態としての上乗せ特化ゾーンが発生することとなる。
【0328】
図22は、AT状態中における上乗せ特化ゾーンが発生していない通常のAT状態と、上乗せ特化ゾーン間の遊技の流れを示している。
図22に示すように、主制御装置10では、通常のAT状態中のゲームにおいて、上乗せ特化ゾーン移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常のAT状態から上乗せ特化ゾーンに制御するようにしている。
【0329】
主制御装置10では、AT状態中のゲーム毎に、AT状態の残ゲーム数に所定のゲーム数を加算(上乗せ)する上乗せ抽選を行うこととなるが、上乗せ特化ゾーンが発生した場合には、この上乗せ抽選に当選する確率(ゲーム数が上乗せされる確率)が通常のAT状態よりも高くなるように制御するのである。
【0330】
すなわち、主制御装置10は、特別遊技状態としてのAT状態中において、所定条件の成立に基づき所定の特典(ゲーム数の上乗せ)を付与可能な特殊遊技状態に制御可能な特殊遊技状態制御手段を備えているのである。
なお、本第1実施形態においては、上乗せ特化ゾーン移行条件を、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定の確率(例えば、10%)で成立させるようにしているが、当選契機役や移行確率は上記以外でもよい。
【0331】
また、主制御装置10は、ゲーム数の上乗せ確率や上乗せされるゲーム数の選択確率が決定されることとなる上乗せ抽選の抽選態様に対して、複数種類の抽選態様を設定可能としていて、上乗せ特化ゾーン中の実行予定の各ゲームに対応して、予め何れかの抽選態様を決定するようにしている。
したがって、上乗せ特化ゾーンにおいてはゲーム毎に、上乗せ抽選に当選する確率や、上乗せされるゲーム数の選択率が種々変化するものとなっている。
【0332】
本第1実施形態においては、主制御装置10は、上記抽選態様を特定する情報として保留状態を記憶可能としていて、詳細は後述するが、上記保留状態として、保留状態A、保留状態B、保留状態Cが設けられていて、保留状態A→保留状態B→保留状態Cの順に、上乗せ抽選に当選する確率、および上乗せされるゲーム数の選択率が遊技者に有利となるような上乗せ抽選が行われるものとなっている。
また、上記保留状態A~保留状態Cの他に保留状態Dが設けられていて、保留状態Dは、上乗せ特化ゾーンの終了条件を成立し得る保留状態であり、この保留状態Dが設定されたゲームにおいて、押し順ベル役に当選して当該押し順ベル役を入賞できなかった場合(押し順不正解の場合)に、主制御装置10は、図22に示すように、上乗せ特化ゾーンの終了条件が成立したと判定して、上乗せ特化ゾーンを終了させて通常のAT状態に移行するようにしている。
【0333】
なお、本第1実施形態においては、上記保留状態Dが設定されたゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合に、最初に停止すべきリール4のみを報知する押し順ナビを実行するようにしている。
したがって、保留状態Dが設定されたゲームにおいては、押し順ナビの報知通りに停止操作を行っても、2番目および3番目に停止するリール4は、遊技者の意思で決定することとなり、上乗せ特化ゾーンが終了する(押し順不正解となる)確率は50%となるのである。そして、この押し順に不正解とならない限り上乗せ特化ゾーンは継続することとなるのである。
また、上記保留状態Dが設定されたゲームにおいて押し順ベル役以外の役に当選した場合には、その時点で上乗せ特化ゾーンが継続することが確定することとなる。
【0334】
以上のように、本第1実施形態においては、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいて、上乗せ抽選における抽選態様の異なる複数の保留状態を設けて、この保留状態に応じて上乗せ抽選を行うのである。
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、ゲームの実行に対応して所定の特典の付与(ゲーム数の上乗せ)に関わる特典抽選としての上乗せ抽選を実行可能であって、当該特典抽選を抽選態様の異なる複数の抽選態様のうちの何れかで実行可能な特典抽選制御手段を備えるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーンにおいて、種々の上乗せ抽選が行われることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0335】
また、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいて、保留状態が予め設定され、保留状態A、保留状態B、保留状態Cの何れかが設定されていた場合には、上乗せ特化ゾーンが終了する可能性はないので、遊技者は、安心してゲーム数の上乗せに期待しつつゲームを実行することとなるが、保留状態Dが設定されていた場合には、上乗せ特化ゾーンが終了する可能性が生じることとなるので、遊技者は、緊張感を持ってゲームを実行することとなるのである。
なお、上乗せ特化ゾーン中の各ゲームにおける保留状態の設定制御についての詳細は後述する。
以上のようにAT状態中の遊技が実行される。
【0336】
[上乗せ特化ゾーン中の演出画像]
次に、図23図25を参照して、上乗せ特化ゾーン中におけるメイン表示器8での演出画像について説明する。
まず、図23を参照して、上乗せ特化ゾーン開始時のメイン表示器8における演出画像について説明する。
【0337】
前述したように、本第1実施形態においては、上乗せ特化ゾーンが発生した場合に、ゲーム数の上乗せ抽選が遊技者にとって有利に行われるゲームが実行されることとなるが、上乗せ特化ゾーン中の全てのゲームで同様の抽選態様で上乗せ抽選が行われるのではなく、複数の抽選態様の何れかで上乗せ抽選が行われることとなる。
【0338】
また、主制御装置10では、上記上乗せ抽選の抽選態様を上乗せ特化ゾーン中のゲームが開始される以前に予め決定し、当該決定した抽選態様で各ゲームにおける上乗せ抽選を行うこととなるが、本第1実施形態においては、まずは、上乗せ特化ゾーンの開始後に実行予定の最初の複数ゲーム分(4ゲーム分)の抽選態様を、初期時の抽選態様として予め決定して、決定した複数ゲーム分の抽選態様を実行予定順に記憶保持し、この順番に沿って対応するゲームの上乗せ抽選を順次行うようにしている。
【0339】
また、上記複数ゲームの後に実行されるゲームの抽選態様については、上乗せ特化ゾーン中のゲーム毎に決定し、この決定された抽選態様が実行予定の最後となるように記憶保持するようにしている。
したがって、上乗せ特化ゾーン中においては、常に所定数分(4ゲーム分)後に実行されるゲームの抽選態様が予め決定されて、実行順に対応して記憶保持されることとなるのである。
なお、上乗せ特化ゾーンの初期時における複数ゲーム数分の抽選態様の決定時期は、上乗せ特化ゾーン中のゲームが開始される以前であれば何れでもよく、例えば、上乗せ特化ゾーンへの移行が決定された時点でもよい。
【0340】
また、主制御装置10では、実行予定の複数ゲーム分の抽選態様を記憶保持する他に、実行中のゲームに対する抽選態様も記憶保持するとともに、実行済みの複数ゲーム分(3ゲーム分)の抽選態様も実行済み順に記憶保持し、詳細は後述するが、保留戻り処理において利用するようにしている。
【0341】
図23は、上乗せ特化ゾーンが開始したゲーム、およびその次のゲーム中におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、主制御装置10では、上記したように上乗せ特化ゾーン中の実行予定のゲームや実行済みのゲーム、および現在上乗せ抽選の判定中のゲームを夫々ゲーム保留として管理して、各ゲーム保留に対応して抽選態様を記憶保持しているが、これらの記憶保持情報を特定可能な制御情報を副制御装置20に送信して、副制御装置20では、当該受信した制御情報に基づき関連する演出画像をゲーム保留毎にメイン表示器8に表示するようにしている。
【0342】
まず、図23(a)は、上乗せ特化ゾーンにおける最初のゲームでのベット数が設定された時点のメイン表示器8の演出画像を示している。
図23(a)に示すように、上乗せ特化ゾーン中の最初のゲームにおけるベット数の設定が行われると、メイン表示器8の画面主要部に、上乗せ特化ゾーン中であることを報知する上乗せ特化ゾーン画像51が表示される。
上乗せ特化ゾーン画像51は、上乗せ特化ゾーン中であることを報知する画像であれば何れでもよいが、例えば、所定のキャラクタ画像や背景画像等からなる動画を表示することが好ましい。
【0343】
また、メイン表示器8の画面左上には、AT状態中に獲得した総獲得メダル数を報知する獲得メダル数画像50aが表示されるとともに、メイン表示器8の画面右上には、AT状態の残りゲーム数を報知する残りゲーム数画像50bが表示される。
なお、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいては、AT状態の残りゲーム数の減算は中断されて行われないようになっているので、残りゲーム数画像50bには、上乗せ特化ゾーン開始時点のAT状態の残りゲーム数が継続して表示されることとなる。
【0344】
また、メイン表示器8の画面下方には、上乗せ特化ゾーン中の各ゲーム保留に対応する上乗せ抽選の保留状態に関わる情報を表示するための保留領域画像58が表示される。
保留領域画像58は、実行予定の4ゲーム分に対応する実行予定ゲーム保留、および当該実行予定ゲーム保留における保留状態を報知するための実行予定領域画像54と、実行中のゲームに対応する実行中ゲーム保留、および当該実行中ゲーム保留における保留状態を報知するための実行中領域画像53と、実行済みの3ゲーム分に対応する実行済ゲーム保留、および当該実行済ゲーム保留における保留状態を報知するための実行済領域画像52とから構成される。
【0345】
また、実行予定領域画像54は、上乗せ特化ゾーンの1番目に実行予定のゲーム(その時点から最初に実行予定のゲーム)に対応する第1実行予定ゲーム保留と保留状態を報知するための矩形状の第1実行予定領域画像54aと、その次に実行されるゲームである2番目に実行予定のゲームに対応する第2実行予定ゲーム保留と保留状態を報知するための矩形状の第2実行予定領域画像54bと、さらにその次に実行されるゲームである3番目に実行予定のゲームに対応する第3実行予定ゲーム保留と保留状態を報知するための矩形状の第3実行予定領域画像54cと、さらにその次に実行されるゲームである4番目に実行予定のゲームに対応する第4実行予定ゲーム保留と保留状態を報知するための矩形状の第4実行予定領域画像54dと、が左右方向に並んだ状態で構成され、各実行予定領域画像内には、予め決定されている保留状態の種類(抽選態様の種類)を報知する保留状態画像が表示されることとなる。
【0346】
図23(a)では、第1実行予定ゲーム保留が保留状態A、第2実行予定ゲーム保留が保留状態B、第3実行予定ゲーム保留が保留状態A、第4実行予定ゲーム保留が保留状態Cの抽選態様が夫々事前に決定された場合を例示しているので、第1実行予定領域画像54aには第1実行予定ゲーム保留が保留状態Aであることを示す保留状態A画像55a、第2実行予定領域画像54bには第2実行予定ゲーム保留が保留状態Bであることを示す保留状態B画像55b、第3実行予定領域画像54cには第3実行予定ゲーム保留が保留状態Aであることを示す保留状態A画像55a、第4実行予定領域画像54dには第4実行予定ゲーム保留が保留状態Cであることを示す保留状態C画像55cが夫々表示されている。
【0347】
すなわち、円形状の枠画像によりゲーム保留の存在が報知されるとともに、内部の記号によりそのゲーム保留における保留状態の種類が報知されるのである。
なお、各実行予定領域画像での保留状態画像を、ベット数の設定時に表示するようにしているが、上乗せ特化ゾーンが開始される直前のゲーム終了後に当該画像を表示するようにしてもよい。
【0348】
また、実行中領域画像53は、その時点で実行されているゲームに対応する実行中ゲーム保留における保留状態を報知するための矩形状の画像であり、その中に当該ゲームでの保留状態の種類(抽選態様の種類)を報知する保留状態画像が表示されることとなる。
【0349】
また、実行済領域画像52は、既に1ゲーム前に実行されたゲームに対応する第1実行済ゲーム保留の有無、およびその保留状態を報知するための矩形状の第1実行済領域画像52aと、2ゲーム前に実行されたゲームに対応する第2実行済ゲーム保留の有無、およびその保留状態を報知するための矩形状の第2実行済領域画像52bと、3ゲーム前に実行されたゲームに対応する第3実行済ゲーム保留の有無、およびその保留状態を報知するための矩形状の第3実行済領域画像52cと、が左右方向に並んだ状態で構成され、各実行済領域画像内には、既に実行された実行済ゲーム保留および保留状態の種類(抽選態様の種類)を報知する保留状態画像が表示されることとなる。
【0350】
次に、図23(b)は、ベット数の設定後にスタートレバー3の操作によりゲームが開始された時点でのメイン表示器8の演出画像を示している。
図23(b)に示すように、ゲームが開始されると、上乗せ特化ゾーン画像51、獲得メダル数画像50a、および残りゲーム数画像50bが継続して表示される。なお、これらの各画像は以降のゲームにおいても継続して表示されることとなる。
また、当該ゲームにおいて、押し順ベル役に当選すると、図示するように、当選した押し順ベル役を報知するための左押し順ナビ画像56aと中押し順ナビ画像56bと右押し順ナビ画像56cからなる押し順ナビ画像56が、画面主要部であって上乗せ特化ゾーン画像51の前方に表示されることとなる。
なお、図23(b)では、「5a→5c→5b」を特定の押し順とする押し順ベル役に当選した場合を例示しているので、左押し順ナビ画像56aに「1」、中押し順ナビ画像56bに「3」、右押し順ナビ画像56cに「2」の数値情報が表示されることとなる。
【0351】
また、ゲームが開始されると、主制御装置10では、各記憶情報を更新する処理が行われるが、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、各ゲーム保留を左側にシフトする処理を行うこととなる。
すなわち、ベット数の設定時に表示されていた各実行予定領域画像における保留状態画像が夫々左側に1マス(コマ)分移動して、実行中領域画像53に保留状態A画像55a、第1実行予定領域画像54aに保留状態B画像55b、第2実行予定領域画像54bに保留状態A画像55a、第3実行予定領域画像54cに保留状態C画像55cが夫々移動表示されることとなる。
【0352】
また、主制御装置10では、ゲームが実行されると、新たなゲーム保留に対応する上乗せ抽選の抽選態様を事前に決定して、既に決定されている抽選態様の次に実行されるゲーム分の実行予定ゲーム保留に対応して記憶保持する処理を行うこととなるが、副制御装置20では、決定した新たな実行予定ゲーム保留と、その抽選態様に対応する保留状態を、空きとなった第4実行予定領域画像54dに表示するようにしている。
【0353】
すなわち、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーンのゲーム毎に4ゲーム先のゲームに対応する上乗せ抽選の抽選態様を事前に決定して記憶保持するのである。
図23(b)では、新たな実行予定ゲーム保留に対応する上乗せ抽選の抽選態様として、保留状態Dが決定された場合を例示しているので、第4実行予定領域画像54dに保留状態D画像55dが表示されることとなる。
【0354】
したがって、ゲームが開始されると、最初に保留状態Aでの抽選態様で上乗せ抽選が行われることが報知されることとなり、4ゲーム先に実行予定のゲームでは保留状態Dでの抽選態様が事前決定されたことが新たに報知されることとなるのである。
【0355】
次に、図23(c)は、上記ゲームが終了した時点のメイン表示器8での演出画像を示している。
図23(c)に示すように、ゲームが終了した場合には、押し順ナビ画像56が消去されるとともに、当該消去箇所に、抽選態様として保留状態Aでの上乗せ抽選の結果を報知する画像が表示されることとなる。
【0356】
図23(c)では、上乗せ抽選の結果として、AT状態の残りゲーム数に5ゲーム分のゲーム数が加算(上乗せ)される場合を例示しているので、5ゲーム分のゲーム数が上乗せされることを報知する、「+5G」の情報からなる上乗せゲーム数画像57aが表示される。
また、押し順ベル役の入賞に基づき獲得メダル数画像50aが更新表示されることとなる。
【0357】
次に、図23(d)は、1番目のゲームの終了後の2番目のゲームが開始された時点のメイン表示器8での演出画像を示している。
図23(d)に示すように、2番目のゲームが開始されると、前回のゲームにおいて上乗せされたゲーム数を表示する上乗せゲーム数画像50cとして「+5G」の情報が、残りゲーム数画像50bの下方に表示されることとなる。
なお、上乗せゲーム数画像50cは、上乗せ特化ゾーン中に上乗せされる総ゲーム数を報知するものであり、各ゲームにおいてゲーム数が上乗せされる毎に数値情報が加算されて、上乗せ特化ゾーンの終了時に上乗せゲーム数画像50cの値が獲得メダル数画像50aに纏めて加算されるものとなっている。
【0358】
また、副制御装置20では、2番目のゲームが開始されると、1番目のゲーム開始時と同様に、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、各ゲーム保留を左側にシフトする処理を行うこととなる。
したがって、1番目のゲーム実行中に表示されていた各実行予定領域画像および実行中領域画像における保留状態画像が夫々左側に1マス分移動して、第1実行済領域画像52aに保留状態A画像55a、実行中領域画像53に保留状態B画像55b、第1実行予定領域画像54aに保留状態A画像55a、第2実行予定領域画像54bに保留状態C画像55c、第3実行予定領域画像54cに保留状態D画像55dが夫々移動表示されることとなる。
【0359】
また、1番目のゲームの開始時と同様に、新たなゲーム保留として4ゲーム先のゲームにおける抽選態様が決定されて、当該決定された保留状態が空きとなった第4実行予定領域画像54dに表示されることとなる。
図23(d)では、新たなゲーム保留に対応する上乗せ抽選の抽選態様として、保留状態Cが決定された場合を例示しているので、第4実行予定領域画像54dに保留状態C画像55cが表示されることとなる。
なお、図示は省略しているが、当該ゲームにおいても押し順ベル役に当選した場合には、上記同様に押し順ナビ画像56が表示されることとなる。
【0360】
また、図示は省略しているが、上乗せ特化ゾーンにおける3番目以降のゲームが実行される毎に、2番目のゲーム開始時と同様に各ゲーム保留を左側にシフトする処理が行われ、最終的に全ての保留領域画像58にゲーム保留が表示されることとなる。
なお、全ての保留領域画像58にゲーム保留が表示された以降においてゲームが実行される毎に、新たな実行予定ゲーム保留の追加や各ゲーム保留のシフトが上記同様に行われ、当該シフトに応じて第3実行済領域画像52cに表示されていた実行済ゲーム保留が消去されることとなる。
【0361】
以上のように、主制御装置10の制御により、上乗せ特化ゾーン中においては、その後に実行される所定ゲーム数分の上乗せ抽選における抽選態様が事前に決定されることとなるのである。
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、特殊遊技状態(上乗せ特化ゾーン)中における所定ゲーム数分の特典抽選(上乗せ抽選)に対して、複数の抽選態様のうちから何れかの抽選態様を事前に決定可能な抽選態様事前決定手段を備えるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーン中における抽選態様が種々変化するものとなり、遊技者の期待感を変化させて遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0362】
また、主制御装置10は、副制御装置20に対して制御情報を送信することで、ゲーム保留における保留状態を表示させて、上記事前に決定された所定ゲーム数分の抽選態様を報知するための制御を行うのである。
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、前記抽選態様事前決定手段により決定された各抽選態様を報知するための制御を実行可能な抽選態様報知制御手段を備えるのである。
【0363】
したがって、遊技者は実行予定のゲームに関して、事前に抽選態様を確認することができるので、遊技者の期待感をゲームが実行される以前に種々変化させることが可能となり、期待度の高い抽選態様が事前決定された場合には、遊技者の期待感を事前に向上させることが可能となるのである。
【0364】
また、主制御装置10では、実行予定の所定ゲーム数分のゲーム保留に対して、事前に決定した抽選態様を所定順に記憶保持して、この記憶保持した順番通りに上乗せ抽選を行うのである。
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、抽選態様事前決定手段により決定された各抽選態様に対して、所定の順序で特典抽選(上乗せ抽選)を進行可能な特典抽選進行制御手段を備えるのである。
したがって、予め決定されている所定ゲーム数分の抽選態様での上乗せ抽選を確実に実行することが可能となるのである。
【0365】
なお、本第1実施形態においては、4ゲーム分の抽選態様を事前に決定するようにしているが、抽選態様を事前に決定するゲームの数は上記以外でもよい。同様に、3ゲーム分の実行済みの抽選態様を記憶保持するようにしているが、記憶保持する実行済みの抽選態様のゲームの数は上記以外でもよい。
また、上乗せ特化ゾーンに関する各種演出画像は、サブ表示器17で表示するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で表示するようにしてもよい。
以上のように、上乗せ特化ゾーン中における演出画像が表示される。
【0366】
次に、図24を参照して、上乗せ特化ゾーンの終了時のメイン表示器8での演出画像について説明する。
本第1実施形態においては、上乗せ特化ゾーンの終了条件として、押し順ベル役を入賞させられなかった場合に設定しているが、図24では、その終了条件として設定されている押し順ベル役に当選した場合を示している。
まず、図24(a)は、上乗せ特化ゾーンが終了することとなるゲーム開始時のメイン表示器8の演出画像を示している。
【0367】
図24(a)に示すように、上乗せ特化ゾーンが終了することとなるゲームが開始されると、前述同様に、メイン表示器8の画面に、上乗せ特化ゾーン画像51、獲得メダル数画像50a、残りゲーム数画像50b、および上乗せゲーム数画像50cが継続して表示される。
【0368】
また、図24では、保留領域画像58には、左から順に、保留状態B、保留状態A、保留状態C、保留状態D、保留状態C、保留状態A、保留状態A、保留状態Bのゲーム保留が記憶保持されている場合を例示していて、実行中領域画像53の実行中ゲーム保留として保留状態D画像55dが表示されて、当該ゲームで上乗せ特化ゾーンが終了する可能性がある場合を示している。
すなわち、前述したように、本第1実施形態においては、ゲーム保留に対応する抽選態様として保留状態Dが設定されているゲームにおいて、押し順ベル役に当選し、かつ、当該押し順ベル役を入賞させることができなかった場合には、上乗せ特化ゾーンが終了してしまうので、図24は、上乗せ特化ゾーンが終了する可能性があるゲーム中の演出画像を示しているのである。
【0369】
また、図24(a)では、「5b→5c→5a」を特定の押し順とする押し順ベル役に当選した場合を例示しているので、左押し順ナビ画像56aに「?」、中押し順ナビ画像56bに「1」、右押し順ナビ画像56cに「?」の情報が表示されることとなる。
すなわち、本第1実施形態においては、実行中領域画像53の実行中ゲーム保留として保留状態D画像55dが表示されているゲームにおいて、押し順ベル役に当選した場合には、最初に停止すべきリール4のみを報知する押し順ナビを実行するようにしているので、中押し順ナビ画像56bにのみ「1」の数値情報を表示して、その他(左と右)には「?」の記号情報に替えることで、2番目および3番目に停止すべきリール4を報知しない押し順ナビが実行されるのである。
【0370】
そして、この状態において、遊技者が「5b→5a→5c」の順にリール4を停止操作した場合、すなわち、特定の押し順での停止操作を行えずに、当選した押し順ベル役を入賞させることができなかった場合には、図24(b)に示すように、「残念特化ゾーン終了」の文字情報からなる終了画像57bがメイン表示器8の画面略中央部に表示されて、当該ゲームで上乗せ特化ゾーンが終了することが報知されることとなる。
そして、当該ゲームで上乗せ特化ゾーンが終了することとなり、次ゲームの開始から通常のAT状態に移行することとなる。
【0371】
以上のように、主制御装置10は、事前にゲーム保留の抽選態様として保留状態Dを決定可能としていて、このゲーム保留が保留状態Dとなっているゲームにおいては、上乗せ特化ゾーンが終了するか否かの抽選を含んだ抽選態様での上乗せ抽選が行われるのである。
すなわち、抽選態様事前決定手段としての主制御装置10は、特殊遊技状態(上乗せ特化ゾーン)を終了させるか否かを決定するための抽選を含んだ抽選態様を事前に決定可能とするのである。
【0372】
したがって、遊技者に対してスリル感を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、ゲーム保留が保留状態Dとなっているゲームが実行された場合でも、遊技者自らの選択により押し順ベル役を入賞させることができれば、上乗せ特化ゾーンの終了を回避することが可能となるので、上乗せ特化ゾーンの終了を回避できた場合には、遊技者に対して極めて高い達成感を与えることが可能となるのである。
【0373】
また、実行予定ゲーム保留に保留状態Dが存在している場合には、数ゲーム先に上乗せ特化ゾーンの終了の可能性があることを遊技者に事前に報知することが可能となるので、遊技者に対して事前にスリル感を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0374】
なお、ゲーム保留が保留状態Dとなっているゲームにおいて、最初に停止すべきリール4のみを報知する押し順ナビを実行するようにしているが、全く押し順を報知しないようにしてもよい。
また、ゲーム保留が保留状態Dとなっているゲームにおいて、押し順ベル役以外の役に当選した場合には、上乗せ特化ゾーンを継続するようにしているが、押し順ベル役以外の役の当選により上乗せ特化ゾーンを終了するようにしてもよい。
以上のように上乗せ特化ゾーンの終了時の演出画像が表示される。
【0375】
次に、図25を参照して、上乗せ特化ゾーン中に行われる保留戻り処理時のメイン表示器8での演出画像について説明する。
【0376】
まず、保留戻り処理について説明する。
本第1実施形態においては、主制御装置10では、前述したように、各ゲーム保留に対応して保留状態を記憶保持して、これら複数のゲーム保留(実行予定ゲーム保留)に対して所定の順序で上乗せ抽選を行うようにし、上乗せ抽選が済んだゲーム保留(実行済ゲーム保留)も実行済み順に記憶保持するようにしている。
【0377】
そして、上乗せ特化ゾーン中における特定条件の成立に基づき、主制御装置10は、ゲーム保留に対する上乗せ抽選を行う順序を変更する処理を行うようにしている。
具体的には、通常は予め定められている記憶順にゲーム保留に対する上乗せ抽選を行うが、特定条件が成立した場合には、既に実行されている所定ゲーム前の上乗せ抽選を繰り返して実行するような保留戻り処理を行うようにしている。
【0378】
例えば、2ゲーム前に保留状態Aでの上乗せ抽選が行われ、1ゲーム前に保留状態Bでの上乗せ抽選が行われている時点で特定条件の成立により、2ゲーム前まで戻ることが決定された場合には、再び保留状態A→保留状態Bの順に上乗せ抽選を繰り返すのである。
なお、主制御装置10では、上記保留戻り処理の実行時に、記憶領域に対してゲーム保留毎に記憶されている保留状態の記憶箇所を夫々入れ替える(シフトする)ことにより行えばよいが、その他の方法で行うようにしてもよい。
【0379】
また、主制御装置10では、上記保留戻り処理の実行に基づき、対応する制御情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20では、保留戻り処理に対応する演出画像をメイン表示器8において表示するようにしている。
図25は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、副制御装置20の制御により実行される保留戻り処理時のメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、本第1実施形態においては、所定のレア役に当選した場合の所定確率で上記保留戻り処理を実行するようにしている。
【0380】
まず、図25(a)は、保留領域画像58に、左から順に、保留状態C、保留状態C、保留状態D、保留状態A、保留状態A、保留状態D、保留状態A、保留状態Dが表示されるようにゲーム保留が記憶保持されている場合において、レア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
つまり、実行中領域画像53に保留状態Aが表示されていることから、保留状態Aでの上乗せ抽選が行われるゲームにおいてレア役に当選した場合を示している。
【0381】
図25(a)に示すように、レア役に当選した場合には、押し順ナビ画像56の夫々に「!」の情報が表示されて、レア役に当選したことが報知される。
そして、保留状態Aでの抽選態様により、レア役当選に基づく上乗せ抽選が行われることとなる。
本第1実施形態においては、詳細は後述するが、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいて、レア役に当選した場合には、レア役以外の役の当選時よりも遊技者に有利な上乗せ抽選が行われるが、その他、保留戻り抽選が行われ、この保留戻り抽選に当選した場合には、保留戻り処理が行われて、上乗せ抽選が所定ゲーム数前に戻って進行することとなる。
【0382】
次に、図25(b)は、上記レア役に当選したゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図25(b)に示すように、レア役に当選して当該レア役を入賞させた場合には、獲得したメダル数分だけ獲得メダル数画像50aが更新表示される。
また、レア役の当選により上乗せされるゲーム数が上乗せゲーム数画像57aにより報知される。図25(b)では、10ゲーム分のゲーム数が上乗せされる場合を例示しているので、上乗せゲーム数画像57aに「+10G」の情報が表示されることとなる。
ゲーム数が上乗せされた場合には、当該ゲームの終了後に、上乗せゲーム数の分だけ上乗せゲーム数画像57aが更新表示されることとなる。
【0383】
また、保留戻り抽選に当選した場合には、上乗せゲーム数画像57aの右側に、戻りコマ数画像57cが表示されることとなり、例えば、2ゲーム前のゲーム保留に戻ることが決定された場合には、図示するように「2コマ戻り」の情報が戻りコマ数画像57cに表示されて、保留戻り抽選に当選したことや、遡るゲーム数が報知されることとなる。
【0384】
そして、上乗せゲーム数画像57aおよび戻りコマ数画像57cが表示されてから所定時間(例えば、1秒)経過後に、当該画像が消去されるとともに、保留戻り処理に応じて保留領域画像58の更新表示が行われることとなる。
図25では、2ゲーム前まで遡って上乗せ抽選を繰り返す場合を示しているので、第2実行済領域画像52bに表示されている第2実行済ゲーム保留(保留状態C画像55c)が次ゲームにおけるゲーム保留となるように、並び順をそのままにした状態で各ゲーム保留が夫々右側にシフトするような処理が行われる。
【0385】
したがって、図25(c)に示すように、第2実行済領域画像52bに表示されている第2実行済ゲーム保留を基準にして、夫々のゲーム保留が右側にシフトし、図25(d)に示すように、第2実行済ゲーム保留が実行中領域画像53となる位置まで移動表示することとなる。
また、各ゲーム保留の右側へのシフトに応じて、実行予定領域画像54が遡るゲーム分(2コマ)だけ右側に追加表示されて、対応するゲーム保留がその個所に移動表示されることとなる。また、各ゲーム保留の右側へのシフトに応じて、既に消去されているが記憶保持されている所定数(2個)の実行済ゲーム保留が実行済領域画像52に再表示されることとなる。
【0386】
さらに、主制御装置10は、保留戻り処理が行われる場合に、上乗せ抽選が繰り返される範囲内に保留状態Dの実行済ゲーム保留が存在していた場合には、当該保留状態Dの抽選態様を他の抽選態様に変更するような処理を行うようにしている。
つまり、保留戻り処理は、遊技者に対する特典の付与として実行されるので、保留戻り処理の実行により、遊技者にとって不利となり得る保留状態Dが繰り返されてしまわないような補正処理が行われるのである。
【0387】
したがって、図25(b)に示すように、上乗せ抽選が繰り返される範囲内である第1実行済領域画像52aの第1実行済ゲーム保留が保留状態D画像55dであった場合には、図25(c)に示すように、保留状態D画像55d以外の保留状態である保留状態B画像55bに変更してから保留戻り処理が行われるのである。
なお、上記保留状態の変更は、保留状態Dをそれ以外の保留状態に変更するものであれば何れでもよく、所定の変更抽選により行えばよい。
【0388】
そして、保留戻り処理が終了すると、図25(d)に示すように、夫々のゲーム保留が2コマ分右側にシフトした状態から次ゲームでの上乗せ抽選が前述同様に実行されることとなる。
すなわち、通常の上乗せ抽選においては、実行中領域画像53内のゲーム保留(実行中ゲーム保留)に対する上乗せ抽選の次には、第1実行予定領域画像54aにおけるゲーム保留(実行予定ゲーム保留)に対する上乗せ抽選が行われるように上乗せ抽選が進行することとなるが、2コマ戻りの保留戻り処理が行われる場合には、実行中領域画像53内のゲーム保留(実行中ゲーム保留)に対する上乗せ抽選の次には、第2実行済領域画像52bにおけるゲーム保留(実行済ゲーム保留)に対する上乗せ抽選が再び行われるように、上乗せ抽選の進行態様が変更されるのである。
【0389】
したがって、上乗せ抽選が2ゲーム前まで遡って、次ゲームから再開されることとなり、図25(d)に示すように、実行中領域画像53に2ゲーム前に実行された保留状態C画像55cが移動表示されて、この状態から上乗せ特化ゾーン中のゲームが再開されて、更新された各ゲーム保留に対して順次上乗せ抽選が行われることとなるのである。
また、上乗せ抽選が繰り返される範囲内に保留状態Dの抽選態様が存在していた場合には、当該保留状態Dでの上乗せ抽選は繰り返されないが、その他の保留状態の場合には、保留戻り処理の実行により上乗せ抽選が繰り返されることとなる。
【0390】
なお、保留戻り処理が行われた場合には、次ゲーム開始時に、前述したような各ゲーム保留の左側へのシフトや、ゲーム保留の追加は行われない。また、ゲーム終了後に保留戻り処理に応じた保留領域画像58の更新表示を行うようにしているが、次ゲームの開始時に当該更新表示を行うようにしてもよい。
また、保留戻り処理が行われるゲーム終了時に、即座に次ゲームが開始された場合には、図25(c)から図25(d)に示す各ゲーム保留の移動表示はキャンセルされて、図25(d)に示す状態から次ゲームが開始されることとなる。
【0391】
以上のように、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーン中において特定条件が成立して保留戻り処理が行われた場合に、上乗せ抽選における進行態様を、通常の進行態様とは異なる進行態様に変更させることにより、既に実行されている実行済ゲーム保留に対応する抽選態様が繰り返して実行されるような制御を行うのである。
また、保留戻り処理が行われた場合には、既に実行されている複数ゲーム分に対応する抽選態様での上乗せ抽選を繰り返して実行可能とするのである。
【0392】
すなわち、特典抽選進行制御手段としての主制御装置10は、特定条件の成立に基づき、既に特典抽選(上乗せ抽選)が行われた抽選態様が繰り返して行われるように特典抽選の進行態様を変更可能な進行態様変更制御手段を備えるのである。
また、上記進行態様変更制御手段としての主制御装置10は、既に実行された複数のゲームに対応する抽選態様が繰り返して行われるように特典抽選の進行態様を変更可能とするのである。
【0393】
したがって、上乗せ特化ゾーン中における上乗せ抽選をより変化性に富んだ興趣の高い態様で実行することが可能となるのである。
また、繰り返される上乗せ抽選において、有利度の高い抽選態様が存在していた場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、複数ゲームに対応する抽選態様が繰り返して実行可能とすることから、さらに上乗せ抽選の変化性を高めることができるとともに、有利度の高い抽選態様が繰り返される可能性が高くなり、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0394】
また、主制御装置10は、保留戻り処理が行われた場合に、保留戻り処理の対象となるゲーム保留において、上乗せ特化ゾーンが終了してしまう可能性のある保留状態Dが設定されていた場合には、その他の保留状態に変更可能とするのである。
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、進行態様変更制御手段(主制御装置10)による特典抽選(上乗せ抽選)の進行態様の変更により、抽選態様が繰り返して行われる場合に、当該抽選態様を変更する抽選態様変更手段を備えるのである。
したがって、保留戻り処理が行われたにもかかわらず、上乗せ特化ゾーンが終了してしまうことを防止可能となり、保留戻り処理が行われた場合の遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0395】
また、主制御装置10は、副制御装置20に対して、実行済領域画像52において実行済ゲーム保留の保留状態を表示させる制御情報を送信することで、既に実行された複数の抽選態様を報知させる制御を行うのである。
すなわち、抽選態様報知制御手段としての主制御装置10は、既に実行された複数のゲームに対応する複数の抽選態様を報知するための制御を実行可能な実行済抽選態様報知制御手段を備えるのである。
【0396】
したがって、遊技者は今までどのような抽選態様で上乗せ抽選が行われたかを後から確認できるとともに、実行済みの抽選態様に有利度の高いものが存在していた場合には、遊技者は、保留戻り処理により再度その抽選態様が実行されることを期待することとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0397】
なお、保留戻り処理が行われた場合に、保留領域画像58における各ゲーム保留をシフトするようにしているが、上乗せ抽選の進行態様が変更されたことを報知するものであれば何れでもよく、各ゲーム保留を移動させずにそのままにして、実行中領域画像53を左側に移動することで、上乗せ抽選の進行態様が変更されたことを報知するようにしてもよい。
以上のように上乗せ特化ゾーンの保留戻り処理時の演出画像が表示される。
【0398】
[上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選の制御]
次に、図26図28を参照して、上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選の制御について詳しく説明する。
【0399】
まず、図26を参照して、上乗せ特化ゾーンにおける実行予定ゲーム保留に対する保留状態の選択率について説明する。
前述したように、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーンの開始に際して、当該上乗せ特化ゾーンの開始から所定ゲーム数(4ゲーム)分の抽選態様(保留状態)を予め決定して、実行順に記憶保持するようにしている。
そして、この所定ゲーム数分の抽選態様が、図23(a)に示したように、上乗せ特化ゾーンの初期時の実行予定ゲーム保留における保留状態として、実行予定領域画像54に各々表示されることとなる。
【0400】
また、上乗せ特化ゾーン中のゲームの実行毎に、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様(保留状態)を決定して、その時点の最後の抽選態様として追加して記憶保持し、この新たに決定された抽選態様が、図23(b)に示したように、第4実行予定ゲーム保留における保留状態として第4実行予定領域画像54dに追加表示されることとなる。
【0401】
また、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーンの初期時、および実行予定ゲーム保留の追加時における上記抽選態様の決定に際して、抽選態様の選択率が変化することとなる保留モードA、保留モードB、保留モードCの3種類の保留モードを設け、1回の上乗せ特化ゾーン中においては、何れかの保留モードに制御することで、上乗せ特化ゾーン毎に抽選態様の決定に変化が生じるような制御を行うようにしている。
【0402】
図26(a)は、主制御装置10において、上乗せ特化ゾーンの初期時における所定数(4個)の実行予定ゲーム保留に対する抽選態様(保留状態)を決定する際の選択率を示している。
なお、主制御装置10では、上記所定数の実行予定ゲーム保留に対する保留状態を決定する際には、所定の乱数の抽出に基づく抽選により保留状態を決定している。
【0403】
また、上記初期時の抽選態様(保留状態)の決定は、上乗せ特化ゾーンへ移行することが決定された時点で行われ、複数(4回)の実行予定のゲームの抽選態様(保留状態)に対して、図26(a)に示す確率となるように、1ずつ抽選態様を決定することで、全ての実行予定ゲームに対する保留状態を決定するようにしている。
【0404】
図26(a)に示すように、例えば、保留モードAが選択されていた場合には、34%の確率で保留状態Aが選択され、33%の確率で保留状態Bが選択され、33%の確率で保留状態Cが選択され、0%の確率で保留状態Dが選択されるように、初期時の4個の実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が夫々決定されることとなる。
また、説明は省略するが、保留モードBおよび保留モードCについても、図示する各確率で初期時における所定数(4個)の実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が夫々決定されることとなる。
【0405】
以上のように、上乗せ特化ゾーンの初期時における所定数(4個)の実行予定ゲーム保留に対する抽選態様(保留状態)を決定されることから、上乗せ特化ゾーンの開始時には、事前に実行予定の複数回分のゲームに対する上乗せ抽選の抽選態様が決定されることとなるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーン中に各ゲームにおけるゲーム数の上乗せ態様に変化性を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0406】
また、保留モードに応じて各保留状態の選択率が変化することとなるので、保留モードを変更することで上乗せ特化ゾーン毎に、ゲーム数の上乗せ態様に変化性を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、詳細は後述するが、抽選態様における遊技者の有利度は、保留状態A→保留状態B→保留状態Cの順に高くなっているが、保留モードA→保留モードB→保留モードCの順に、遊技者の有利度の高い保留状態が選択される確率が高くなるのである。
したがって、保留モードに応じて遊技者の期待感を変化させることができるとともに、例えば、保留モードCが選択された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0407】
また、上乗せ特化ゾーンの初期時における所定数(4個)の実行予定ゲーム保留に対しては保留状態D、すなわち、上乗せ特化ゾーンの終了の可能性のある保留状態は選択されないようになっているのである。
したがって、上乗せ特化ゾーンが開始したにもかかわらず、直ぐに終了してしまうことを防止でき、遊技者の期待感を一定期間持続させることが可能となるのである。
【0408】
なお、各保留状態の選択率は、上記傾向となるものであれば上記した以外の値でもよい。
また、保留モードを4種類以上設けるようにしてもよいし、保留状態Aは選択しない保留モードを設けるようにしてもよい。
以上のように、上乗せ特化ゾーンの初期時における所定数の実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が決定される。
【0409】
次に、図26(b)は、主制御装置10において、上乗せ特化ゾーンにおいて、実行予定ゲーム保留の追加時において、当該追加される実行予定ゲーム保留に対する抽選態様(保留状態)を決定する際の選択率を示している。
なお、主制御装置10では、上記追加される実行予定ゲーム保留に対する保留状態を決定する際には、上乗せ特化ゾーン中のゲーム開始時に所定の乱数を抽出して保留状態を決定している。
【0410】
図26(b)に示すように、例えば、保留モードAが選択されていた場合には、30%の確率で保留状態Aが選択され、25%の確率で保留状態Bが選択され、15%の確率で保留状態Cが選択され、30%の確率で保留状態Dが選択されるように、追加される実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が決定されることとなる。
また、説明は省略するが、保留モードBおよび保留モードCについても、図示する各確率で追加される実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が決定されることとなる。
【0411】
以上のように、実行予定ゲーム保留の追加時にも、保留モードに応じて保留状態の選択率が変化することとなるのである。
したがって、実行予定ゲーム保留の追加時にも、保留モードに応じてゲーム数の上乗せ態様に変化性を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0412】
また、実行予定ゲーム保留の追加時には初期時よりも、有利度の高い保留状態(保留状態C等)が選択される確率が低くなるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーンが長期間継続した場合でも、遊技者の利益量が極めて高くなってしまうことを防止可能となるのである。
【0413】
また、実行予定ゲーム保留の追加には、上乗せ特化ゾーンの終了の可能性のある保留状態Dも選択可能となるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーンが長期間継続してしまうことを防止可能となるとともに、遊技者に対してスリル感を与えるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0414】
また、実行予定ゲーム保留の追加に保留状態Dが選択される確率は、保留モードA→保留モードB→保留モードCの順に低くなるのである。
したがって、保留モードに応じて上乗せ特化ゾーンの継続期間に変化を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、例えば、保留モードCが選択された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0415】
なお、各保留状態の選択率は、上記傾向となるものであれば上記した以外の値でもよい。
以上のように、上乗せ特化ゾーンにおいて、追加される実行予定ゲーム保留に対する抽選態様が決定される。
【0416】
次に、図27を参照して、主制御装置10において、上乗せ特化ゾーン中の各ゲームにおける上乗せ抽選時に決定される、各上乗せゲーム数の選択率について説明する。
【0417】
前述したように、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいては、通常のAT状態中よりも遊技者に有利な上乗せ抽選を行うこととなるが、この上乗せ特化ゾーン中の上乗せ抽選は、対応するゲームの保留状態とそのゲームでの役の抽選結果に基づき実行されることとなる。
なお、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーン中のゲーム開始時に、所定の乱数を抽出することで上乗せ抽選を行うようにしている。
【0418】
まず、図27(a)は、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態Aが設定されている場合の各上乗せゲーム数の選択率を示している。
図27(a)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、上乗せゲーム数として、50%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択され、40%の確率で5ゲームが選択され、10%の確率で10ゲームが選択され、0%の確率で20ゲームが選択され、0%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
また、説明は省略するが、弱レア役および強レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0419】
次に、図27(b)は、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態Bが設定されている場合の各上乗せゲーム数の選択率を示している。
図27(b)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、上乗せゲーム数として、30%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択され、40%の確率で5ゲームが選択され、30%の確率で10ゲームが選択され、0%の確率で20ゲームが選択され、0%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
また、説明は省略するが、弱レア役および強レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0420】
次に、図27(c)は、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態Cが設定されている場合の各上乗せゲーム数の選択率を示している。
図27(c)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、上乗せゲーム数として、0%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択され、40%の確率で5ゲームが選択され、60%の確率で10ゲームが選択され、0%の確率で20ゲームが選択され、0%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
また、説明は省略するが、弱レア役および強レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0421】
次に、図27(d)は、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態Dが設定されている場合の各上乗せゲーム数の選択率を示している。
図27(d)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合で、かつ、押し順ベル役に当選して当該押し順ベル役を入賞させることができなかった場合(押し順不正解の場合)には、上乗せゲーム数として、100%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択されるとともに上乗せ特化ゾーンの終了が決定され、0%の確率で5ゲームが選択され、0%の確率で10ゲームが選択され、0%の確率で20ゲームが選択され、0%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0422】
また、レア役の当選以外の抽選結果となった場合で、かつ、押し順ベル役に当選して当該押し順ベル役を入賞させることができた場合(押し順正解の場合)には、上乗せゲーム数として、100%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択されるとともに上乗せ特化ゾーンの継続が決定され、0%の確率で5ゲームが選択され、0%の確率で10ゲームが選択され、0%の確率で20ゲームが選択され、0%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0423】
なお、レア役の当選以外の抽選結果となった場合で、かつ、押し順ベル役の当選以外の抽選結果となった場合には、上乗せ特化ゾーンが継続することが決定されるがゲーム数の上乗せは行われない。
また、説明は省略するが、弱レア役および強レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われ、上乗せ特化ゾーンが継続することが決定される。
【0424】
以上のように、保留状態および役の抽選結果に基づき上乗せゲーム数の選択が行われることから、保留状態としては、保留状態A→保留状態B→保留状態Cの順に、ゲーム数が上乗せされる確率、および上乗せされるゲーム数が多くなる確率が高まるのである。
また、役の抽選結果としては、レア役以外→弱レア役→強レア役の順に、ゲーム数が上乗せされる確率、および上乗せされるゲーム数が多くなる確率が高まるのである。
【0425】
特に、保留状態Cが選定されていた場合には、役の抽選結果に関わらず必ず所定のゲーム数が上乗せされることとなるのである。
同様に、レア役に当選した場合には、必ず所定のゲーム数が上乗せされることとなり、さらに、レア役以外の抽選結果では選択されない20ゲームや50ゲームが選択される可能性も生ずるのである。
また、レア役に当選した場合には、保留状態Dが設定されていても、上乗せ特化ゾーンが終了することを防止できるのである。
【0426】
したがって、保留状態および当選した役に応じて、ゲーム数が上乗せされる確率や上乗せされるゲーム数が変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
特に、保留状態Cが設定されていた場合には、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
また、レア役に当選した場合には、上乗せ特化ゾーンが終了することがなくなるほか、期待度の高い上乗せ抽選が行われることから、遊技者の期待感を向上させることが可能となるが、保留状態Cが選定されている状態でレア役に当選した場合には、極めて遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0427】
また、保留状態Dの場合には、押し順ベル役に当選して当該押し順ベル役を入賞させることができれば、上乗せ特化ゾーンが継続することとなり、当該押し順ベル役を入賞させることができなければ、上乗せ特化ゾーンが終了することとなるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーンを終了させるか否かを決定するための抽選を含んだ抽選態様を確実に実現することができ、興趣性の高い遊技を確実に実行することが可能となるのである。
【0428】
なお、各上乗せゲーム数が選択される確率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。また、選択肢として設定されている上乗せゲーム数は上記以外でもよい。
以上のように、上乗せ特化ゾーンの上乗せ抽選における上乗せゲーム数の選択が行われる。
【0429】
次に、図28を参照して、主制御装置10において実行される、保留戻り処理の制御について説明する。
【0430】
前述したように、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいては、特定条件の成立に基づき、上乗せ抽選の進行態様を変更する保留戻り処理を実行することとなるが、この保留戻り処理を実行するか否かの抽選は、ゲームでの役の抽選結果に基づき実行されることとなる。
なお、主制御装置10では、上乗せ特化ゾーン中のゲーム開始時に、所定の乱数を抽出することで保留戻り処理を実行するか否かの抽選を行うようにしている。
【0431】
まず、図28(a)は、実行中領域画像53に、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態D以外の保留状態(A~C)が設定されている場合の保留戻り処理を実行するか否か、および遡るゲーム数(戻りコマ数)の選択率を示している。
図28(a)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、100%の確率で保留戻り処理が行われないように抽選が実行されることとなる。
【0432】
また、弱レア役に当選した場合には、60%の確率で保留戻り処理が行われず、35%の確率で2ゲーム遡る(2コマ戻り)保留戻り処理が行われ、5%の確率で3ゲーム遡る(3コマ戻り)保留戻り処理が行われるように抽選が実行されることとなる。
また、強レア役に当選した場合には、10%の確率で保留戻り処理が行われず、70%の確率で2ゲーム遡る(2コマ戻り)保留戻り処理が行われ、20%の確率で3ゲーム遡る(3コマ戻り)保留戻り処理が行われるように抽選が実行されることとなる。
【0433】
次に、図28(b)は、実行中領域画像53に、上乗せ抽選の抽選態様として保留状態Dが設定されている場合の保留戻り処理を実行するか否か、および遡るゲーム数(戻りコマ数)の選択率を示している。
図28(b)に示すように、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、100%の確率で保留戻り処理が行われないように抽選が実行されることとなる。
【0434】
また、弱レア役に当選した場合には、0%の確率で保留戻り処理が行われず、90%の確率で2ゲーム遡る(2コマ戻り)保留戻り処理が行われ、10%の確率で3ゲーム遡る(3コマ戻り)保留戻り処理が行われるように抽選が実行されることとなる。
また、強レア役に当選した場合には、0%の確率で保留戻り処理が行われず、70%の確率で2ゲーム遡る(2コマ戻り)保留戻り処理が行われ、30%の確率で3ゲーム遡る(3コマ戻り)保留戻り処理が行われるように抽選が実行されることとなる。
【0435】
以上のように、保留戻り処理を実行するか否か、および遡るゲーム数が決定されることから、レア役以外よりもレア役に当選した場合の方が、およびレア役に当選時にも強レア役に当選した場合の方が、保留戻り処理が実行される確率、および遡るゲーム数が多くなる確率が高まるのである。
したがって、上乗せ特化ゾーン中にレア役に当選した場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となり、特に、強レア役に当選した場合には、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0436】
また、保留状態Dが設定されている場合には、保留状態D以外が設定されている場合よりも、レア役に当選時の保留戻り処理において遡るゲーム数が多くなる確率が高まるのである。
すなわち、保留状態Dが設定されている場合には、上乗せ特化ゾーンが終了する可能性が生ずる半面、当該ゲームにおいてレア役に当選した場合には、より有利な保留戻り処理に関する抽選が行われるのである。
したがって、保留状態Dが設定されている場合には、上乗せ特化ゾーンが終了となる危険性と同時に、より有利な保留戻り処理が行われる可能性も高まることから、より興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0437】
なお、保留戻り処理を実行するか否かの確率、および各遡るゲーム数が選択される確率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。また、選択肢として設定されている遡るゲーム数(戻りコマ数)は上記以外でもよい。
以上のように、上乗せ特化ゾーンにおける保留戻り処理に関わる抽選が行われる。
【0438】
〔第1実施形態の変形例1〕
次に、図29を参照して、本第1実施形態の変形例1について説明する。
【0439】
本第1実施形態においては、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーン中の各ゲームにおいて、ゲーム数を上乗せするか否か、および上乗せゲーム数を何れにするかを決定するための上乗せ抽選を行うこととなるが、本変形例1においては、上乗せ抽選時の各選択肢における選択率を前述した第1実施形態とは異なるものにしていて、さらに、所定条件の成立に基づき、各選択肢における選択率を変更するようにしている。
したがって、上記各選択肢における選択率の設定や変更すること以外は、前述の第1実施形態と同様となっている。
【0440】
図29は、第1実施形態の変形例1における各保留状態での上乗せゲーム数の選択率であって、例えば、保留状態Aが設定されている場合の選択率を説明するための図表を示している。
まず、図29(a)は、保留戻り処理が行われていない通常の状態における各上乗せゲーム数の選択率を示している。
【0441】
図29(a)に示すように、例えば、強レア役の当選となる抽選結果となった場合には、上乗せゲーム数として、0%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択され、25%の確率で5ゲームが選択され、25%の確率で10ゲームが選択され、25%の確率で20ゲームが選択され、25%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
また、説明は省略するが、レア役以外および弱レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0442】
以上のように、第1実施形態の変形例1における、通常の状態での上乗せ抽選時の上乗せゲーム数が選択されることから、例えば、強レア役に当選した場合には、5ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数が均等に選択されることとなるのである。
したがって、強レア役に当選した場合には、全てのゲーム数が上乗せされる可能性が生じることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
なお、図示は省略するが、保留状態A以外の保留状態においても、上記同様に強レア役に当選した場合には、5ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数が均等に選択されることとなる。
【0443】
次に、図29(b)は、上記所定条件の成立として保留戻り処理が行われて、既に実行されたゲーム保留に対して再抽選が行われる場合の各上乗せゲーム数の選択率を示している。
すなわち、保留状態Aの実行済ゲーム保留が存在している状態で、保留戻り処理が行われた結果、当該保留状態Aの実行済ゲーム保留に対する上乗せ抽選が繰り返して実行される場合の選択率を示している。
【0444】
図29(b)に示すように、例えば、強レア役の当選となる抽選結果となった場合には、上乗せゲーム数として、0%の確率で0ゲーム(上乗せ無し)が選択され、0%の確率で5ゲームが選択され、34%の確率で10ゲームが選択され、33%の確率で20ゲームが選択され、33%の確率で50ゲームが選択されるように上乗せ抽選が行われる。
また、説明は省略するが、レア役以外および弱レア役に当選した場合には、図示する各選択率で上乗せゲーム数が選択されるように上乗せ抽選が行われる。
【0445】
以上のように、保留戻り処理実行時の再抽選の場合において、上乗せ抽選時の上乗せゲーム数が選択されることから、例えば、強レア役に当選した場合には、最も少ない上乗せゲーム数である5ゲームが除かれた、10ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数がほぼ均等に選択されることとなるのである。
すなわち、通常の状態では、5ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数が均等に選択されるところを、再抽選の場合には、選択肢の範囲を狭めて、10ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数がほぼ均等に選択されるような上乗せ抽選が行われるのである。
【0446】
したがって、保留戻り処理が実行された後の再抽選時に強レア役に当選した場合には、選択肢の範囲がより多いゲーム数となるように狭められることとなり、さらに、それら範囲内の全てのゲーム数が上乗せされる可能性が生じることとなり、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
なお、図示は省略するが、保留状態A以外の保留状態においても、上記同様再抽選時に強レア役に当選した場合には、10ゲーム~50ゲームの上乗せゲーム数がほぼ均等に選択されることとなる。
つまり、同じ保留状態であるにもかかわらず、保留戻り処理が行われた場合には、抽選態様が変更されることとなるのである。
【0447】
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、進行態様変更制御手段(主制御装置10)による特典抽選(上乗せ抽選)の進行態様の変更(保留戻り処理の実行)により、抽選態様が繰り返して行われる場合に、当該抽選態様を変更する抽選態様変更手段を備えるのである。
したがって、保留戻り処理が行われた場合の遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0448】
なお、再抽選時に強レア役に当選した場合には、選択肢の範囲を狭めるようにしているが、選択肢の数は同数にして、各選択肢を遊技者に有利なゲーム数に変更するようにしてもよい。例えば、通常の状態では、選択肢としての上乗せゲーム数を、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームの4通りにし、4種類の上乗せゲーム数を各々25%の確率で選択するようにし、保留戻り処理時には、上乗せゲーム数を、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲームの4通りにし、4種類の上乗せゲーム数を各々25%の確率で選択するようして、上乗せゲーム数の割り振りを変更するようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態の変形例1が実現される。
【0449】
〔第1実施形態の変形例2〕
次に、図30を参照して、本第1実施形態の変形例2について説明する。
【0450】
前述した第1実施形態においては、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーン中のゲームの実行に基づき、新たな抽選態様を決定して、この決定した抽選態様を、最後に実行予定の上乗せ抽選に対応して追加記憶するとともに、副制御装置20に対して制御情報を送信し、第4実行予定領域画像54dに新たな実行予定ゲーム保留を表示させることで、新たな実行予定ゲーム保留が追加されたこと、およびその保留状態を報知させる制御を行うようにしている。
【0451】
そして、前述した第1実施形態においては、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様の決定に際して、保留状態A~保留状態Dのうちの何れかの抽選態様を決定するようにしているが、本変形例2においては、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様の決定時に、特定抽選態様として、遊技者に有利に保留戻り処理が行われることとなる、保留状態A~保留状態D以外の保留状態Eを決定可能としている。
したがって、本変形例2においては、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様の決定時に特定抽選態様として保留状態Eが選択可能となっていること以外は、前述の第1実施形態と同様となっている。
【0452】
なお、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様の決定時における保留状態Eの選択は、ゲーム毎に所定の確率で選択するようにしてもよいし、その時点の役の抽選結果に応じた所定確率で選択するようにしてもよい。
また、特定抽選態様としての保留状態Eによる上乗せ抽選では、遊技者に有利に保留戻り処理が行われれば何れでもよく、例えば、レア役当選時には100%、押し順ベル役の当選時には50%、リプレイ役の当選時には80%の確率で保留戻り処理を実行するようにしてもよいし、保留状態Eによる上乗せ抽選では、役の抽選結果に関わらず必ず保留戻り処理を行うようにしてもよい。
【0453】
図30は、主制御装置10により、上乗せ特化ゾーン中のゲームの実行に基づき、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様として特定抽選態様が決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、保留領域画像58以外の演出画像については、前述同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0454】
図30に示すように、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、新たな実行予定ゲーム保留に対する抽選態様の決定時に、特定抽選態様が決定された場合には、第4実行予定領域画像54dの第4実行予定ゲーム保留として、特定抽選態様を示す保留状態E画像55eを表示させる。
保留状態E画像55eは、特定抽選態様であることを明確に報知するために、図示するように、「戻」の文字情報を含んだものとすることが好ましい。
【0455】
以上のように、第1実施形態の変形例2においては、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選の進行態様を変更することとなる保留戻り処理が、通常の保留状態よりも高い確率で実行される特定抽選態様としての保留状態Eを事前に決定可能とするのである。
【0456】
すなわち、抽選態様事前決定手段としての主制御装置10は、進行態様変更制御手段(主制御装置10)が特典抽選(上乗せ抽選)の進行態様を変更することを通常よりも高い確率で決定可能な特定抽選態様を事前に決定可能するのである。
したがって、特定抽選態様が事前に決定された場合には、保留戻り処理が高い確率で実行されることが事前に報知されることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、特定抽選態様での上乗せ抽選が行われた場合には、保留戻り処理が遊技者に有利に実行されることとなるので、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
【0457】
また、保留状態Eが事前決定された後のゲーム保留に、保留状態Dが決定された場合には、保留状態Dの実行前に保留戻り処理が行われる可能性が高まることから、遊技者の落胆感を和らげることが可能となるのである。
【0458】
なお、本変形例においては、保留状態Eの決定を新たな抽選態様の決定時、すなわち実行予定ゲーム保留の追加時に行うようにしているが、既に決定されている所定の実行予定ゲーム保留や、既に実行された所定の実行済ゲーム保留の保留状態を保留状態Eに変更するようにしてもよい。
また、その際に、保留状態Dが決定されている前の実行予定ゲーム保留に対して、高い確率で保留状態Eへの変更を実行するようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態の変形例2が実現される。
【0459】
〔第1実施形態の変形例3〕
次に、図31を参照して、本第1実施形態の変形例3について説明する。
【0460】
前述した第1実施形態においては、主制御装置10は、上乗せ特化ゾーン中のゲームの実行に基づき、ゲーム毎に記憶されている抽選態様を更新して、上乗せ抽選が実行された抽選態様に関しても順次記憶保持可能とするとともに、副制御装置20に対して制御情報を送信することで、実行済領域画像52に各実行済ゲーム保留を表示させることで、実行済ゲーム保留が新たに追加されたこと、およびその保留状態を報知させる制御を行うようにしている。
すなわち、実行中領域画像53の実行中ゲーム保留が、ゲームの実行により左側にシフトして第1実行済領域画像52aに移動することで、所定の保留状態の実行済ゲーム保留が新たに追加されたことが報知されるのである。
【0461】
そして、第1実施形態の変形例3においては、主制御装置10は、この新たに追加する実行済ゲーム保留に対して、抽選態様を変更可能とするのである。
したがって、本変形例2においては、新たに追加する実行済ゲーム保留に対する抽選態様の変更を可能とする以外は、前述の第1実施形態と同様となっている。
【0462】
図31は、新たに追加される実行済ゲーム保留の抽選態様(保留状態)が変更された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、図31では、実行中領域画像53に保留状態Aの実行中ゲーム保留が表示されている状態において保留状態が変更する場合を例示している。
また、保留領域画像58以外の演出画像については、前述同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0463】
まず、図31(a)に示すように、実行中領域画像53に保留状態Aの実行中ゲーム保留が表示されている状態においては、保留状態Aの抽選態様により上乗せ抽選が行われることとなる。
そして、当該ゲームが終了して次ゲームが開始されると、保留領域画像58の各ゲーム保留が更新されて左側にシフトされることとなるが、主制御装置10では、次ゲームの開始時に、実行中ゲーム保留の抽選態様に対する変更抽選を行うようにしている。
【0464】
上記変更抽選は、所定の確率でそれまでよりも期待度の高い保留状態に変更するように行われる。
例えば、保留状態Aの場合には、保留状態Bあるいは保留状態Cの何れかに変更される抽選が行われるのである。
なお、上記変更抽選の当選確率や、各保留状態への変更確率は、任意に設定すればよい。
また、保留状態Dの場合には、変更抽選を行わないようにしているが、保留状態Dの場合にも、保留状態A~保留状態Cの何れかに変更する抽選を行うようにしてもよい。
【0465】
そして、ゲーム開始時の変更抽選に当選した場合には、ゲーム開始前に表示されていた実行中領域画像53における保留状態A画像55aの実行中ゲーム保留が、図31(b)に示すように、ゲーム開始後には第1実行済領域画像52aにおいて他の保留状態に変更された第1実行済ゲーム保留として表示されることとなる。
図31(b)では、保留状態Aから保留状態Cに変更された場合を示しているので、第1実行済領域画像52aに保留状態C画像55cの第1実行済ゲーム保留が表示されることとなる。
【0466】
そして、ゲームの実行毎に、上記同様の変更抽選が行われることとなる。
したがって、実行済領域画像52の各実行済ゲーム保留では、保留状態が変更されている可能性があり、全ての実行済ゲーム保留が、実行予定領域画像54に滞在していたときよりも、期待度の高い保留状態となる確率が高くなるのである。
【0467】
以上のように、第1実施形態の変形例3においては、主制御装置10は、実行済ゲーム保留に対する抽選態様を、実行中ゲーム保留のときとは異なる抽選態様に変更可能とするのである。
これにより、保留戻り処理が行われた場合には、変更された抽選態様により上乗せ抽選が行われる可能性が生ずることとなるのである。
【0468】
すなわち、特殊遊技状態制御手段としての主制御装置10は、既に実行された複数のゲームのうちの所定のゲームにおける抽選態様を変更可能な実行済抽選態様変更手段を備えるのである。
したがって、抽選態様の変更により興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0469】
また、抽選態様が変更された場合には、期待度の高い抽選態様に変更されることから、保留戻り処理が行われた場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、抽選態様が変更された場合には、実行済領域画像52の保留状態として事前に報知されることとなるので、期待度の高い保留状態に変更された場合には、保留戻り処理の実行に対する期待感を向上させることが可能となるのである。
【0470】
なお、ゲーム保留が実行中領域画像53から第1実行済領域画像52aに移動する際に保留状態を変更するようにしているが、実行済領域画像52における実行済ゲーム保留の保留状態を変更するものであれば、変更対象の実行済ゲーム保留や変更時期は上記以外でもよい。
以上のように、第1実施形態の変形例3が実現される。
【0471】
以上のように第1実施形態におけるスロットマシン1においては、AT状態中に特殊遊技状態として上乗せ特化ゾーンが発生することとなり、特定条件の成立に基づき、保留戻り処理が実行されることとなるが、所定条件の成立に基づき、ゲーム保留を所定コマ数先に進める保留進み処理を行うようにしてもよい(保留戻り処理とは逆のパターン)。
この場合、保留状態Dの手前で保留進み処理を行い、保留状態Dのコマを飛ばすことで保留状態Dでの判定を無効にすることが好ましい。
【0472】
また、保留戻り処理を実行するか否かの抽選である保留戻り抽選を、高確率で当選させる期間を設けるようにしてもよい。
例えば、保留状態Dの手前所定期間を上記高確率にして、保留状態Dの手前で保留戻り処理が高確率で実行されるようにしてもよい。
【0473】
また、上乗せゲーム数の累計値が所定数(例えば、300)を超えた場合には、保留戻り抽選を行わないようにしてもよい。
また、保留戻り処理が行われた後は、所定ゲーム数保留戻り抽選を禁止するようにしてもよい。
また、確率設定装置14での確率設定値に応じて保留戻り抽選の当選確率を変化させるようにしてもよい。
また、保留モードの選択確率を確率設定値に応じて異なるようにしてもよい。
【0474】
また、上乗せゲーム数の多いもの(例えば、50ゲーム)が選択された場合に、疑似遊技を所定回数発生させて、この疑似遊技の実行回数に対応して上乗せゲーム数を分散させて報知するようにしてもよい。
例えば、50ゲームの上乗せが決定された場合に、当該ゲームで疑似遊技を2回実行するようにして、1回目の疑似遊技で10ゲームの上乗せ報知を行い、2回目の疑似遊技で10ゲームの上乗せ報知を行い、疑似遊技後の本遊技で残りの30ゲームの上乗せ報知を行う。
そして、この疑似遊技を実行させる場合に、予めゲーム保留を2コマ戻すようにして、疑似遊技が実行される1ゲームの実行中に保留戻り処理を完結させるようにしてもよい。
【0475】
また、保留戻り処理において、ゲーム保留のコマ数を戻すのではなく、所定ゲーム数その時点のゲーム保留の進行を中断させるようにしてもよい。
例えば、保留状態D以外のときに、ゲーム保留進行中断抽選を行い、この抽選に当選した場合には、そのときの保留状態のまま所定ゲーム数継続して上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
【0476】
また、実行済領域画像52の範囲を変更可能にして、この範囲の変更により戻りコマ数の上限を予め報知するようにしてもよい。
例えば、実行済領域画像52が3コマであった場合には、戻りコマ数の上限は3コマであるが、所定条件の成立に基づき、この実行済領域画像52を5コマに拡大させて、その間は戻りコマ数の上限が5コマになるような保留戻り抽選を行うようにしてもよい。
このようにすれば、実行済領域画像52が、実行済ゲーム保留の保留状態を報知するだけでなく、戻りコマ数に対する期待感を変化させるものとなる。
【0477】
また、保留戻り処理を実行する時期を決定(変更)する手段を設けてもよく、レア役の当選により保留戻り処理を実行することが決定された場合でも、直ぐに保留戻り処理を実行せずに、実行予定領域画像54および実行済領域画像52における保留状態を判定して、遊技者に有利となるように保留戻り処理を実行する時期を決定するようにしてもよい。
例えば、第4実行予定領域画像54dに期待度の高い保留状態Cが存在している時点で保留戻り処理に当選した場合に、当該保留状態Cが第1実行済領域画像52aに移動するまで保留戻り処理の実行を遅延させることにより、保留状態Cが2回実行されるようにしてもよい。
また、実行済領域画像52に保留状態Dが存在した場合に、当該保留状態Dが保留戻り処理の範囲外となるまで保留戻り処理を遅延させるようにしてもよい。このようにすれば、図23(c)で示した保留状態の変換を行う必要が無くなるのである。
【0478】
なお、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいて、所定の特典の付与として、AT状態中の残ゲーム数に所定のゲーム数を加算(上乗せ)するようにしているが、所定の特典の付与としては、遊技者にとって有利になれば何れでもよく、例えば、AT状態をセット数管理型にした場合に、次回のAT状態に継続する権利(ストック)を付与するものでもよいし、次回のAT状態に継続する確率を高める権利を付与するものでもよい。
また、上記所定の特典の付与としては、次回の上乗せ特化ゾーンに対する移行確率を高める権利、AT状態終了後のCZ状態の移行確率を高める権利、あるいはAT状態終了後のCZ状態中の疑似ボーナス状態の移行確率を高める権利等を付与するものでもよい。
また、AT状態を差枚数管理型にした場合に、上記所定の特典の付与として、残り差枚数に所定の差枚数を加算(上乗せ)するものでもよい。
以上のように第1実施形態のスロットマシン1が実現される。
【0479】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態について、図32図40を参照して説明する。
【0480】
第2実施形態の遊技機においては、遊技状態の移行制御の一部が前述した第1実施形態の遊技機とは異なっているのみであり、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第2実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明する。
【0481】
[第2実施形態の遊技機における遊技の流れ]
まず、本第2実施形態におけるスロットマシン1での遊技の流れについて図32を参照して説明する。
本第2実施形態のスロットマシン1においては、前述した第1実施形態と同様に、主制御装置10により各遊技状態の移行制御が行われ、特別遊技状態発生制御手段としての主制御装置10が、通常遊技状態から直接特別遊技状態としてのAT状態に移行する場合の制御が第1実施形態と異なっている。
【0482】
第1実施形態では、通常遊技状態中に所定のレア役に当選した場合の所定確率でAT状態に移行させる制御が行われるが、本第2実施形態においては、通常遊技状態中にAT状態の移行に関わる複数の遊技モードが設けられ、これら複数の遊技モードに応じてAT状態への移行制御を変更するようにしている。
【0483】
また、第2実施形態のスロットマシン1においては、上記通常遊技状態から直接AT状態に移行する場合の制御の他に、主制御装置10において抽選される役の種類が前述の第1実施形態と異なっている。
具体的に、役の抽選対象であるリプレイ役の種類のみが第1実施形態と異なっていて、通常のリプレイ役の他に、入賞となる図柄組合せを「リプレイ・リプレイ・ベル」(特殊図柄組合せ1)とすることが可能な特殊リプレイ役1と、入賞となる図柄組合せを「リプレイ・リプレイ・スイカ」(特殊図柄組合せ2)とすることが可能な特殊リプレイ役2と、入賞となる図柄組合せを「リプレイ・リプレイ・チェリー」(特殊図柄組合せ3)とする特殊リプレイ役3とが設定されている。
【0484】
また、特殊リプレイ役1および2には、押し順ベル役と同様に特定の押し順が設定されていて、特定の押し順により停止ボタン5が操作された場合に限り、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」である通常のリプレイ役と同様の図柄組合せが停止し、それ以外の押し順(5通り)において、上記対応する特殊図柄組合せが停止するようにリール4の停止制御が行われる。
【0485】
また、特殊リプレイ役3には、特定の押し順が設定されておらず、どの押し順でも特定図柄組合せ3が停止することとなる。
なお、特殊リプレイ役1~3の当選確率は何れでもよいが、通常のリプレイ役よりも当選確率が低く、かつ、特殊リプレイ役1>特殊リプレイ役2>特殊リプレイ役3の関係性が形成されるようにすることが好ましい。
また、各特殊リプレイ役を入賞させることとなる各図柄は上記以外でもよいが、リール4の引込停止制御により目押し操作無しで必ず停止可能な図柄とすることが好ましい。
【0486】
図32は、本第2実施形態のスロットマシン1において、通常遊技状態からAT状態へ移行する場合の遊技の流れを示している。
図32に示すように、主制御装置10では、通常遊技状態中においては、特定遊技モードとしての遊技モードA、通常遊技モード(第1通常遊技モード)としての遊技モードB、通常遊技モード(第2通常遊技モード)としての遊技モードCの3種類の遊技モードの何れかに制御可能としている。
【0487】
まず、特定遊技モードとしての遊技モードAは、有利区間移行時、疑似ボーナス状態終了時、CZ状態終了時、およびAT状態終了時に移行する遊技モードであって、AT状態への移行が可能な遊技モードである。
遊技モードAに滞在している場合においては、主制御装置10では、特殊リプレイ役1に当選して特殊図柄組合せ1で入賞した場合に遊技モードBへ移行させる制御を行い(矢印a2)、特殊リプレイ役2に当選して特殊図柄組合せ2で入賞した場合に遊技モードCへ移行させる制御を行うようにしている(矢印c2)。
【0488】
また、主制御装置10では、遊技モードAに滞在している場合において、特殊リプレイ役3に当選した場合に、所定の確率でAT状態に移行させるAT状態の移行抽選を行い、AT状態への移行に当選した場合には、遊技状態をAT状態に移行させる制御を行うようにしている(矢印e2)。
すなわち、主制御装置10は、特定遊技モード(遊技モードA)中における特定条件の成立として特殊リプレイ役3の当選に基づき、AT状態を発生可能とするのである。
【0489】
次に、第1通常遊技モードとしての遊技モードBは、遊技モードAからのみ移行する遊技モードであって、AT状態への移行が不能な遊技モード(所謂ハマリ遊技モード)である。
遊技モードBに滞在している場合においては、主制御装置10では、所定役の当選(入賞)に基づく遊技モードの移行は行わずに、当該遊技モードBの滞在時に実行された滞在ゲーム数が、予め設定されている上限値B(例えば、128回)に到達するまでは遊技モードBを維持し、上限値B(例えば、128回)に到達した場合に、遊技モードAへ移行させる制御を行うようにしている(矢印b2)。
【0490】
次に、第2通常遊技モードとしての遊技モードCは、遊技モードAからのみ移行する遊技モードであって、AT状態への移行が不能な遊技モード(所謂ハマリ遊技モード)である。
遊技モードCに滞在している場合においては、主制御装置10では、遊技モードBと同様に、所定役の抽選(入賞)に基づく遊技モードの移行は行わずに、当該遊技モードCの滞在時において実行された滞在ゲーム数が、上記遊技モードBの上限値Bよりも少ない上限値C(例えば、36回)に到達するまでは遊技モードCを維持し、上限値C(例えば、36回)に到達した場合に、遊技モードAへ移行させる制御を行うようにしている(矢印d2)。
なお、詳細は後述するが、遊技モードBおよびCにおいては、特定条件の成立に基づき、滞在ゲーム数の短縮抽選が行われる。
【0491】
以上のように通常遊技状態からAT状態への移行制御が行われることから、遊技モードAの滞在時にはAT状態への移行が可能となり、遊技モードBおよびCの滞在時にはAT状態への移行が不能となるのである。
【0492】
すなわち、特別遊技状態発生制御手段としての主制御装置10は、通常遊技状態におけるAT状態(特別遊技状態)の発生に関わる遊技モードとして、AT状態を発生不能とする通常遊技モード(遊技モードB、遊技モードC)と、特別遊技状態を発生可能とする特定遊技モード(遊技モードA)と、に制御可能な遊技モード制御手段を備えるのである。
したがって、遊技モードの移行に応じてAT状態の発生確率が種々変化することとなり、遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0493】
また、遊技モードAの滞在時においては、特殊リプレイ役1に当選して特殊図柄組合せ1で入賞した場合に遊技モードBに移行し、特殊リプレイ役2に当選して特殊図柄組合せ2で入賞した場合に遊技モードCに移行することとなるのである。
【0494】
すなわち、遊技モード制御手段としての主制御装置10は、特定遊技モード(遊技モードA)中のおける第1条件の成立として、特殊図柄組合せ1での入賞に基づき第1通常遊技モード(遊技モードB)に移行可能とし、第2条件の成立として、特殊図柄組合せ2での入賞に基づき第2通常遊技モード(遊技モードC)に移行可能とするのである。
したがって、特定遊技モードに移行している場合でも、一定の緊迫感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0495】
また、遊技モードAは、遊技モードBおよびCよりも遊技者にとって有利な遊技モードとなり、遊技モードBおよびCは、AT状態への移行が不能な所謂ハマリ遊技モードとなるが、遊技モードBでは、遊技モードBの滞在時に実行された滞在ゲーム数が、予め設定されている上限値B(例えば、128回)に到達するまでは遊技モードBが維持され、遊技モードCでは、遊技モードCの滞在時において実行された滞在ゲーム数が、上記遊技モードBの上限値Bよりも少ない上限値C(例えば、36回)に到達するまでは遊技モードCが維持されるのである。
【0496】
すなわち、遊技モード制御手段としての主制御装置10は、第1通常遊技モード(遊技モードB)に移行した場合に、予め定められた第1期間(128ゲーム)が経過するまで第1通常遊技モードを継続させ、第2通常遊技モード(遊技モードC)に移行した場合に、上記第1期間よりも短い第2期間(36ゲーム)が経過するまで第2通常遊技モードを継続させるのである。
したがって、遊技者にとって不利な状態を確実に継続させることができ、遊技者と遊技店との利益バランスを調整することが可能となるのである。
【0497】
なお、本第2実施形態においては、上記通常遊技モード中の滞在ゲーム数や、上限値に到達するまでの残り滞在ゲーム数の報知を副制御装置20では行わずに、通常遊技モードに滞在していることを遊技者は確実には認識できないようにすることで、通常遊技モード中において遊技者が遊技を終了してしまうことを防止可能としているが、滞在ゲーム数や残り滞在ゲーム数をメイン表示器8等で表示するようにしてもよい。
【0498】
また、遊技モードAの滞在時において、特殊リプレイ役3に当選した場合の所定確率(例えば、10%)でAT状態へ移行させるようにしているが、特殊リプレイ役3に当選した場合には必ずAT状態へ移行させるようにしてもよい。
また、有利区間移行時、疑似ボーナス状態終了時、CZ状態終了時、およびAT状態終了時に、遊技モードAに移行させるようにしているが、遊技モードBやCに移行させるようにしてもよいし、所定の確率で移行させる遊技モードを選択するようにしてもよい。
また、遊技モードの移行契機役を特殊リプレイ役にしているが、移行契機役はその他の役でもよく、スイカ役やチェリー役等のレア役にしてもよい。
以上のように遊技モードの制御が行われる。
【0499】
[遊技モードBおよびC中における滞在ゲーム数の短縮]
次に、図33を参照して、遊技モードBおよびC中における滞在ゲーム数の短縮について説明する。
前述したように、本第2実施形態のスロットマシン1においては、遊技モードが、遊技モードBおよびCに移行した場合には、滞在ゲーム数が予め設定されている上限値に到達するまで、対応する遊技モードを維持するような制御が基本的に行われるが、ゲーム実行時に特定条件が成立した場合には、この上限値が少ない値に変更することで、滞在ゲーム数が短縮されるような制御を行っている。
【0500】
主制御装置10では、上記上限値を変更するための短縮抽選を行うようにしているが、この短縮抽選を、特定条件の成立として役の抽選結果が特殊リプレイ役3の当選となったことに基づき実行するようにしている。
したがって、特殊リプレイ役3は、遊技モードAの場合にはAT状態へ移行させる契機となるほか、通常遊技モードの場合でも遊技モードAに移行する時期を早める役割もあるのである。
【0501】
図33は、遊技モードBおよびCに滞在している状態での特殊リプレイ役3の当選時に主制御装置10により実行される短縮抽選において、上限値から減算されるゲーム数(短縮ゲーム数)と、各ゲーム数が短縮されることとなる確率(短縮確率)を示している。
なお、上記短縮抽選は、主制御装置10により所定の乱数の抽選により行われる。
【0502】
まず、図33(a)は、遊技モードBにおける上限値Bに対する各短縮確率を示している。
図33(a)に示すように、遊技モードBにおいて特殊リプレイ役3に当選した場合、30%の確率で上限値Bが変更無し(短縮無し)とされ、35%の確率で上限値Bが5ゲーム分短縮され、20%の確率で上限値Bが10ゲーム分短縮され、10%の確率で上限値Bが30ゲーム分短縮され、5%の確率で上限値Bが50ゲーム分短縮されるように短縮抽選が実行される。
【0503】
次に、図33(b)は、遊技モードCにおける上限値Cに対する各短縮確率を示している。
図33(b)に示すように、遊技モードCにおいて特殊リプレイ役3に当選した場合、20%の確率で上限値Cが変更無し(短縮無し)とされ、30%の確率で上限値Cが5ゲーム分短縮され、25%の確率で上限値Cが10ゲーム分短縮され、15%の確率で上限値Bが15ゲーム分短縮され、10%の確率で上限値Bが20ゲーム分短縮されるように短縮抽選が実行される。
【0504】
以上のように、通常遊技モード中においては、特定条件の成立として特殊リプレイ役3の当選に基づき上限値に対する短縮抽選が行われることから、各短縮抽選に当選した場合には、遊技モードBの場合には、上限値B(128ゲーム)から当選した短縮ゲーム数が減算されることとなり、遊技モードCの場合には、上限値C(36ゲーム)から当選した短縮ゲーム数が減算されることとなる。
【0505】
すなわち、遊技モード制御手段としての主制御装置10は、第1通常遊技モード(遊技モードB)中のおける特定条件の成立に基づき第1期間(遊技モードBでの滞在期間)を短縮可能とし、第2通常遊技モード(遊技モードC)中のおける特定条件の成立に基づき、第2期間(遊技モードCでの滞在期間)を短縮可能とするのである。
したがって、通常遊技モードに滞在している場合において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、遊技モードAへの移行時期が早まる可能性が生ずることから、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0506】
また、遊技モードBよりも遊技モードCの方が、短縮抽選に当選する確率が高くなるのである。
したがって、遊技モードBに移行した場合には、遊技モードCよりも、初期の上限値が多くなる他、短縮抽選に当選する可能性も低くなるので、より長期間通常遊技モードが継続される可能性が高くなるのである。
【0507】
なお、短縮抽選の契機役は、特殊リプレイ役3以外でもよく、所定のレア役でもよいし、複数の契機役を設定してもよい。
以上のように、遊技モードBおよびC中の滞在ゲーム数の短縮抽選が行われる。
【0508】
[通常遊技状態中のステージ]
次に、図34を参照して、第2実施形態のスロットマシン1における通常遊技状態中のステージについて説明する。
【0509】
本第2実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中におけるステージの制御が第1実施形態とは異なっていて、副制御装置20では、前述の遊技モードに基づいてステージの制御を行うようにしている。
すなわち、通常遊技状態中においては、メイン表示器8において、所定の背景画像等から構成されるステージが表示されるが、このステージを、背景画像等を異ならせた複数種類設定し、これらのうちから表示するステージを選択する制御を遊技モードに基づいて行うようにしている。
なお、各ステージは、他のステージと異なっていることを遊技者が識別可能であれば何れでもよく、背景画像の他、背景色を変更したり、登場するキャラクタやアイテム等を変更したりしてもよい。
【0510】
図34は、副制御装置20で制御される複数のステージと、ステージが移行する際の各ステージの移行先を示している。
図34に示すように、通常遊技状態中に表示されるステージには、ステージA、ステージB、ステージC、および前兆ステージが予め設定されている。
【0511】
ステージAは、前述の遊技モードAに対応した特定ステージであり、他の全てのステージに移行可能なように副制御装置20による移行制御が行われる。
副制御装置20では、ステージAに制御されている状態において、遊技モードAに滞在している場合には、ステージAを維持するような制御が行われる。
【0512】
また、ステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役1に当選して特殊図柄組合せ1での入賞により遊技モードが遊技モードBに移行した場合には、ステージBに移行(矢印a3)し、同様に、特殊リプレイ役2に当選して特殊図柄組合せ2での入賞により遊技モードが遊技モードCに移行した場合には、ステージCに移行(矢印c3)するような制御が行われる。
また、特殊リプレイ役3の当選に基づき、前兆ステージに移行(矢印e3)するような制御が行われる。
【0513】
ステージBは、前述の遊技モードBに対応した通常ステージであり、ステージAおよび前兆ステージに移行可能なように副制御装置20による移行制御が行われる。
副制御装置20では、ステージBに制御されている状態において、遊技モードBに滞在している場合には、基本的にはステージBを維持するような制御が行われる。
また、遊技モードBの滞在ゲーム数の報知は行われず、さらに、特殊リプレイ役3に当選して上限値Bが短縮されている場合もあることから、ステージBに制御されている状態でも遊技モードAに移行している可能性を残すようにするため、遊技モードBから遊技モードAへの移行に対応したステージ移行は行われず、ゲーム毎にステージの移行抽選が行われる。
【0514】
ステージBに制御されている状態でのステージの移行抽選は、遊技モードが遊技モードBであった場合には、所定の確率(例えば、90%)でステージBを維持し、それよりも低い確率(例えば、10%)でステージAに移行(矢印b3)するように実行される。
一方、ステージBに制御されている状態であるにもかかわらず、遊技モードが遊技モードAであった場合には、所定の確率(例えば、60%)でステージBを維持し、それよりもやや低い確率(例えば、40%)でステージAに移行(矢印b3)するように移行抽選が行われる。
また、特殊リプレイ役3の当選に基づき、前兆ステージに移行(矢印h3)するような制御が行われる。
【0515】
ステージCは、前述の遊技モードCに対応した通常ステージであり、ステージAおよび前兆ステージに移行可能なように副制御装置20による移行制御が行われる。
副制御装置20では、ステージCに制御されている状態において、遊技モードCに滞在している場合には、基本的にはステージCを維持するような制御が行われる。
ただし、ステージCに滞在中においても、ステージBと同様に、遊技モードAに移行している可能性もあることから、ゲーム毎にステージの移行抽選が行われる。
【0516】
ステージCに制御されている状態でのステージの移行抽選は、遊技モードが遊技モードCであった場合には、所定の確率(例えば、95%)でステージCを維持し、それよりも極めて低い確率(例えば、5%)でステージAに移行(矢印d3)するように実行される。
一方、ステージCに制御されている状態であるにもかかわらず、遊技モードが遊技モードAであった場合には、所定の確率(例えば、50%)でステージCを維持し、それと同様の確率(例えば、50%)でステージAに移行(矢印d3)するように移行抽選が行われる。
また、特殊リプレイ役3の当選に基づき、前兆ステージに移行(矢印i3)するような制御が行われる。
【0517】
また、前兆ステージは、前兆演出中に移行するステージであり、前兆演出の終了後には、基本的には前兆ステージからステージAへの移行(矢印f3)が行われる。
また、前兆ステージからAT状態に移行した場合には、前兆ステージからAT状態中のステージへの移行(矢印g3)が行われる。
【0518】
以上のように、副制御装置20によりステージの移行制御が行われることから、基本的には、ステージの移行により対応する遊技モードを報知することとなるが、ステージBおよびCにおいては、各々対応する遊技モードに滞在していない場合もあるので、ステージは遊技モードを示唆することとなる。
すなわち、副制御装置20は、滞在している遊技モードを示唆可能なステージの制御を実行可能なステージ制御手段を備えるのである。
したがって、ステージの移行により遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0519】
なお、ステージA滞在時にステージBおよびCと同様に、ステージの移行抽選を行うようにしてもよい。
特に、遊技モードAから遊技モードBあるいはCの移行を、特殊リプレイ役(特殊図柄組合せ)の入賞時の所定確率で実行するようにした場合には、ステージA滞在時にステージBおよびCと同様に、ステージの移行抽選を行うようにすることが好ましく、このようにすれば、ステージAから他の通常ステージに移行した場合にも、遊技モードAに滞在している可能性が生じることとなる。
以上のようにステージの制御が行われる。
【0520】
[ステージの移行態様]
次に、図35図36を参照して、第2実施形態のスロットマシン1における各ステージの移行態様について説明する。
【0521】
まず、前兆ステージと前兆演出について説明する。
本第2実施形態のスロットマシン1においては、前述したように通常遊技状態中においてAT状態の移行抽選に当選した場合には、第1実施形態と同様に、副制御装置20は、メイン表示器8において複数のゲームに跨る前兆演出(本前兆演出)を実行するようにしている。
すなわち、第1実施形態においては、疑似ボーナス状態の発生前に前兆演出を実行するようにしているが、第2実施形態においても、特殊リプレイ役3に当選してAT状態の移行抽選に当選した場合には、前兆演出を実行するのである。
【0522】
また、特殊リプレイ役3の当選にして前兆演出を実行する前においても、第1実施形態と同様に、所定ゲーム数が実行される期間である待機期間が設定され、前兆演出もこの待機期間の経過後に実行されることとなる。
副制御装置20では、前兆演出に移行した場合に、メイン表示器8において前兆ステージに制御して、この前兆ステージ上で所定のキャラクタが動作表示する前兆演出を行うようにしている。
【0523】
また、前兆演出の終盤では、第1実施形態と同様に、所定ゲーム数に跨る連続演出(対戦演出)が実行されて、連続演出の結果態様によりAT状態に移行するか否かが報知されることとなる。
なお、前兆演出や連続演出の実行態様や前兆ステージの種類等に関しては、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0524】
また、特殊リプレイ役3に当選したにも関わらずAT状態の移行抽選に当選しなかった場合にも、第1実施形態と同様に、副制御装置20は、メイン表示器8において複数のゲームに跨る前兆演出(フェイク前兆演出)を実行するようにしていて、フェイク前兆演出の実行に基づき前兆ステージに移行するようにしている。
また、フェイク前兆演出の実行前には、待機期間も同様に設定するようにしている。
【0525】
このように、第2実施形態においては、特殊リプレイ役3の当選に基づき、メイン表示器8におけるステージを前兆ステージに移行させることとなるが、ステージは複数設定されていることから、種々のステージの移行態様が形成されることとなる。
以下、特徴的なステージの移行態様について説明する。
【0526】
まず、図35は、遊技モードAの滞在中に特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
遊技モードAに滞在している場合でも、ステージは必ずしもステージAに制御されているとは限らず、通常遊技モードにおいて滞在ゲーム数が上限値に到達していて、ステージAへの移行抽選に当選していない場合には、ステージA以外に制御されている場合があるので、遊技モードAの滞在中でも、ステージAにおいて特殊リプレイ役3に当選した場合と、ステージA以外において特殊リプレイ役3に当選した場合とが生ずることとなる。
【0527】
図35(a)は、遊技モードA滞在時であってステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
図35(a)に示すように、遊技モードA滞在時であってステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、まず所定ゲーム数(例えば、12ゲーム)の待機期間が設定され、待機期間中にはステージAが維持されることとなる。
【0528】
そして、待機期間の経過後には、メイン表示器8におけるステージが特定ステージとしての前兆ステージに移行され、前兆ステージ上において前兆演出(本前兆演出、フェイク前兆演出)が実行されることとなる。
前兆ステージ上での前兆演出は、所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の間継続して実行され、終盤における連続演出においてAT状態に移行するか否が報知されることとなる。
【0529】
そして、AT状態の移行抽選に当選していた場合には、前兆演出の終盤の連続演出において、AT状態に移行することが報知され、ステージがAT状態中のステージに移行することとなる。
一方、AT状態の移行抽選に当選していなかった場合には、前兆演出の終盤の連続演出において、AT状態に移行しないことが報知され、ステージがステージAに移行することとなる。
【0530】
このように、遊技モードA滞在時であってステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、前兆ステージに移行されて、前兆ステージ上で前兆演出が実行されることとなるのである。
すなわち、ステージ制御手段としての副制御装置20は、特定遊技モード中において、特定遊技モードに対応する特定ステージに制御している場合に、特定条件の成立としての特殊リプレイ役3の当選に基づき、AT状態(特別遊技状態)の発生を示唆する前兆ステージに移行可能とするのである。
したがって、前兆ステージへの移行により、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0531】
次に、図35(b)は、遊技モードA滞在時であってステージA以外(通常ステージとしてのステージBもしくはC)に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
図35(b)に示すように、遊技モードA滞在時であってステージA以外に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、まず所定ゲーム数(例えば、12ゲーム)の待機期間が設定される。
【0532】
副制御装置20では、待機期間の経過後に前兆ステージに移行させる制御を行うこととなるが、この待機期間中の所定の時期に、ステージA以外からステージAに移行させる制御を行うようにしている。
すなわち、ステージA以外である通常ステージ(ステージBあるいはC)から前兆ステージに移行させる場合でも、待機期間中に一旦特定ステージとしてのステージAに移行させてから前兆ステージに移行させるのである。
なお、ステージA以外からステージAに移行させる待機期間中の時期は、待機期間中であれば何れでもよいが、予め設定されているゲーム数の実行時でもよいし、ステージAに移行させるゲームをランダムに選択するようにしてもよい。
【0533】
そして、待機期間の経過後には、メイン表示器8におけるステージが前兆ステージに移行され、前兆ステージ上において前兆演出(本前兆演出、フェイク前兆演出)が実行されることとなる。
前兆ステージ上での前兆演出は、所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の間継続して実行され、終盤における連続演出においてAT状態に移行するか否が報知されることとなる。
【0534】
そして、AT状態に移行抽選に当選していた場合には、前兆演出の終盤の連続演出において、AT状態に移行することが報知され、ステージがAT状態中のステージに移行することとなる。
一方、AT状態に移行抽選に当選していなかった場合には、前兆演出の終盤の連続演出において、AT状態に移行しないことが報知され、ステージがステージAに移行することとなる。
【0535】
このように、遊技モードA滞在時であってステージA以外(通常ステージ)に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、前兆ステージへの移行前に一旦ステージA(特定ステージ)に移行させるのである。
すなわち、ステージ制御手段としての副制御装置20は、特定遊技モード中において、通常遊技モードに対応する通常ステージに制御している場合に、特定条件の成立(特殊リプレイ役3の当選)に基づき、特定ステージに移行させた後に前兆ステージに移行可能とするのである。
【0536】
したがって、遊技者の期待感をより効果的に向上させることが可能となるのである。
また、ステージA以外に制御されていても、ステージAへの移行により遊技モードAに滞在していたのでは、というような期待感を遊技者に与えることができ、その後の前兆演出に対する期待感が低下してしまうという事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0537】
また、遊技モードA以外において特殊リプレイ役3に当選した場合には、前述した滞在ゲーム数の短縮抽選が行われることから、ステージA以外からステージAへの移行した場合には、単に遊技モードAへの移行したものなのか、あるいはAT状態に移行するものなのかが遊技者は認識できないので、遊技者の期待感を種々変化させることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0538】
次に、図36は、遊技モードA以外に滞在中に特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
遊技モードA以外に滞在している場合でも、ステージは必ずしもステージA以外に制御されているとは限らず、通常遊技モードにおいてステージAへの移行抽選に当選した場合には、ステージAに制御されている場合があるので、遊技モードA以外に滞在中でも、ステージA以外において特殊リプレイ役3に当選した場合と、ステージAにおいて特殊リプレイ役3に当選した場合とが生ずることとなる。
【0539】
図36(a)は、遊技モードA以外(遊技モードBあるいはC)に滞在時であって特定ステージとしてのステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
図36(a)に示すように、遊技モードA以外に滞在時であってステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、前述同様、まず所定ゲーム数(例えば、12ゲーム)の待機期間が設定される。
また、この待機期間中においては、ステージの移行抽選は中断されて、ステージAから他のステージ(BあるいはC)への移行は禁止され、待機期間中にはステージAが維持されることとなる。
【0540】
そして、待機期間の経過後には、メイン表示器8におけるステージが前兆ステージに移行され、前兆ステージ上において前兆演出が実行されることとなる。
なお、遊技モードA以外の状態で特殊リプレイ役3に当選した場合は、AT状態に移行することはないので、この場合の前兆演出は必ずフェイク前兆演出となる。
前兆ステージ上での前兆演出は、所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の間継続して実行され、終盤における連続演出においてAT状態に移行するか否が報知されることとなる。
【0541】
この場合、AT状態に移行抽選に当選していないこととなるので、前兆演出(フェイク前兆演出)の終盤の連続演出において、AT状態に移行しないことが報知されることとなる。
そして、前兆演出の終了後にステージの移行が行われることとなるが、副制御装置20では、前兆演出の終了時に遊技モードの判定を行い、遊技モードAであった場合には、ステージAに移行させ、遊技モードAでなかった場合には、滞在中の遊技モードに対応するステージ(BあるいはC)に移行させる制御を行うようにしている。
すなわち、副制御装置20は、前兆演出の終了時点で、遊技モードに対応した正確なステージへの移行を行うのである。
【0542】
このように、遊技モードA以外(遊技モードBあるいはC)に滞在時であって、特定ステージであるステージAに制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、前兆ステージに移行されて、前兆ステージ上で前兆演出(フェイク前兆演出)が実行されることとなり、さらに、前兆ステージの移行前にはステージAが維持されるのである。
すなわち、ステージ制御手段としての副制御装置20は、通常遊技モード(遊技モードBあるいはC)中において、特定ステージ(ステージA)に制御している場合に、特定条件の成立(特殊リプレイ役3の当選)に基づき、前兆ステージに移行可能とするのである。
したがって、遊技モードが遊技モードA以外であったとしても遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能となるのである。
【0543】
また、前兆演出(前兆ステージ)の終了時には、その時点の遊技モードを判定して、対応するステージに移行させるのである。
したがって、前兆演出の発生を契機に、遊技モードに対応した正確なステージに移行することとなるので、前兆演出がフェイク前兆演出であったとしても、遊技者に対して正確なステージを報知するといった意味では、遊技者にとっては有効となるのである。
【0544】
次に、図36(b)は、遊技モードA以外(遊技モードBもしくはC)に滞在時であってステージA以外(ステージBもしくはC)に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合のステージの移行態様を示している。
図36(b)に示すように、遊技モードA以外に滞在時であってステージA以外に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、副制御装置20は、まずは、当該通常遊技モードにおける上限値から滞在ゲーム数を減算した残り滞在ゲーム数を算出して、この残り滞在ゲーム数が、30ゲームよりも多い場合には、待機期間を設定せずに、通常のステージの移行抽選が行われる状態を維持することとなる。
【0545】
すなわち、通常遊技モードの継続残り期間である残り滞在ゲーム数が、待機期間+前兆演出の期間である30ゲームよりも多い場合には、待機期間の設定や前兆演出を行わないのである。
これは、通常遊技モードにおける残り滞在ゲーム数は、特殊リプレイ役の入賞やステージの移行態様等により、遊技者がある程度把握している場合も多く、残り滞在ゲーム数が比較的多い通常遊技モードの序盤で前兆演出を行ってしまうと、遊技者がフェイク前兆演出であることを事前に認識してしまう虞もあり、この場合には、前兆演出の発生が遊技者をかえって興ざめさせてしまうこととなるからである。
【0546】
それに対して、本第2実施形態では、前兆演出の発生をその時点の残り滞在ゲーム数に基づき制御しているので、上記のような課題を解決することが可能となるが、この残り滞在ゲーム数を判定する基準として、待機期間+前兆演出の期間である30ゲームに設定することで、確実に上記課題を解決することが可能となるのである。
【0547】
一方、残り滞在ゲーム数が30ゲーム以上であった場合には、前述同様に、所定ゲーム数(例えば、12ゲーム)の待機期間が設定される。
そして、副制御装置20では、待機期間の経過後に前兆ステージに移行させる制御を行うこととなるが、この待機期間中の所定の時期に、前述同様に、ステージA以外からステージAに移行させる制御を行うようにしている。
すなわち、ステージA以外から前兆ステージに移行させる場合でも、待機期間中に一旦ステージAに移行させてから前兆ステージに移行させるのである。
また、ステージAへの移行後は、ステージの移行抽選は中断されて、ステージAから他のステージ(BあるいはC)への移行は禁止され、その後の待機期間中はステージAが維持されることとなる。
【0548】
そして、待機期間の経過後には、メイン表示器8におけるステージが前兆ステージに移行され、前兆ステージ上において前兆演出が実行されることとなる。
なお、遊技モードA以外の状態で特殊リプレイ役3に当選した場合は、AT状態に移行することはないので、この場合の前兆演出は必ずフェイク前兆演出となる。
前兆ステージ上での前兆演出は、所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の間継続して実行され、終盤における連続演出においてAT状態に移行するか否が報知されることとなる。
【0549】
この場合、AT状態に移行抽選に当選していないこととなるので、前兆演出(フェイク前兆演出)の終盤の連続演出において、AT状態に移行しないことが報知されることとなる。
そして、前兆演出の終了後にステージの移行が行われることとなるが、副制御装置20では、前兆演出の終了後にはステージAに移行させる制御を行うようにしている。
すなわち、特殊リプレイ役3の当選時に、残り滞在ゲーム数が、待機期間+前兆演出の期間以下であることを条件に、前兆演出を実行するようにしているので、前兆演出の終了後には、遊技モードAに必ず移行していることとなり、何ら問題なくステージAへの移行を行えるのである。
【0550】
このように、遊技モードA以外(遊技モードBあるいはC)に滞在時であってステージA以外(ステージBあるいはC)に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合には、通常遊技モードにおける残り滞在ゲーム数が、待機期間+前兆演出の期間以下であった場合には、一旦ステージAに移行させた後、前兆ステージに移行させ、さらに、前兆演出(前兆ステージ)の終了後には、ステージAに移行させるのである。
【0551】
すなわち、ステージ制御手段としての副制御装置20は、通常遊技モード(遊技モードBあるいはC)中において、通常ステージ(ステージBあるいはC)に制御している場合に、特定条件の成立(特殊リプレイ役3の当選)に基づき、特定ステージ(ステージA)に移行させた後に前兆ステージに移行させ、その後、特定ステージに移行可能とするのである。
したがって、通常遊技モードにおける残り滞在ゲーム数に応じた効果的なステージの移行が可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能となるのである。
【0552】
また、前兆演出を発生させる場合には、前兆ステージの移行前にステージAに移行させるので、遊技モードが遊技モードA以外であったとしても遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能となるのである。
また、前兆演出の終了後には、通常遊技モードの残り滞在ゲーム数が確実に消化されていることとなるので、ステージの選択制御等が不要となり、前兆ステージからステージAへの移行をスムーズに行うことが可能となるのである。
【0553】
また、特殊リプレイ役3に当選した場合に、通常遊技モードにおける継続残り期間である残り滞在ゲーム数を参照して、前兆演出を発生させるか否かを決定するようにしている。
すなわち、ステージ制御手段としての副制御装置20は、通常遊技モード中において、特定条件の成立に基づき、通常遊技モードの継続残り期間に基づき、前兆ステージに移行させるか否かを決定制御可能とするのである。
したがって、遊技者が何ら期待感を持てない前兆演出が発生してしまうことを防止可能となるのである。
【0554】
なお、前兆ステージ上でフェイク前兆演出が実行されている間において、遊技モードAに維持されているときに、特殊リプレイ役3の当選によりAT状態に当選した場合には、フェイク前兆演出の終了後に前兆ステージを維持して、前兆ステージ上で再び本前兆演出を実行するようにしてもよい。
以上のようにステージの移行態様が形成するようにステージの制御が行われる。
【0555】
[ステージ移行時の演出画像]
次に、図37を参照して、第2実施形態のスロットマシン1におけるステージ移行時の演出画像について説明する。
【0556】
副制御装置20では、前述のステージの移行に伴い、メイン表示器8において種々の演出画像を表示する制御を行うようにしている。
特に、図37は、前述の遊技モードA以外(遊技モードB)に滞在時であってステージA以外(ステージB)に制御されている状態において、特殊リプレイ役3に当選した場合(図36(b)参照)であって、残り滞在ゲーム数が30ゲーム以上であった場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
【0557】
まず、図37(a)は、遊技モードBに滞在時であって、ステージBに制御されている状態において、特殊リプレイ役3が入賞した場合のメイン表示器8の演出画像およびリール4の停止状態を示している。
【0558】
図37(a)に示すように、副制御装置20の制御により、ステージBに制御されている状態においては、メイン表示器8の画面主要部にステージBに対応するステージB画像100が表示される。
また、このとき、特殊リプレイ役3に当選して、左リール4aにリプレイ図柄103aが停止し、中リール4bにもリプレイ図柄103aが停止し、右リール4cにチェリー図柄103bが停止して、特殊リプレイ役3に対応する特殊図柄組合せ3(「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が形成された場合には、特殊リプレイ役3が入賞することとなる。
【0559】
そして、特殊リプレイ役3の当選に基づき、前述したように待機期間が設定されることとなる。
なお、待機期間中においては、メイン表示器8での個別演出の発生率を高めるようにしてもよい。
【0560】
次に、図37(b)は、上記待機期間中において、ステージBからステージAに移行された場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
図37(b)に示すように、待機期間中においてはリール4の変動を伴うゲームが実行されることとなるが、この間における所定のゲームの開始時に、ステージAへの移行が行われた場合には、メイン表示器8の画面主要部にステージAに対応するステージA画像101が表示される。
なお、ステージAへの切替タイミングはゲーム開始時以外でもよく、ゲーム実行中やゲーム終了時でもよい。
【0561】
次に、図37(c)は、上記待機期間の終了に基づき、ステージAから前兆ステージに移行された場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
図37(c)に示すように、待機期間の最終ゲームが終了した次ゲームの開始時に、メイン表示器8の画面主要部に前兆ステージに対応する前兆ステージ画像102が表示されて、フェイク前兆演出が実行されることとなる。
そして、図示は省略するが、フェイク前兆演出の終盤では連続演出がメイン表示器8において実行され、連続演出の結果によりAT状態に移行しないことが報知されることとなる。
【0562】
次に、図37(d)は、上記フェイク前兆演出の終了に基づき、前兆ステージからステージAに移行された場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
図37(d)に示すように、フェイク前兆演出(連続演出)の最終ゲームが終了した次ゲームの開始時に、メイン表示器8の画面主要部にステージAに対応するステージA画像101が表示されることとなる。
以上のように、ステージの移行に伴いメイン表示器8において種々の演出画像が表示されることから、的確にステージの移行を報知することができ、遊技の興趣性の向上や、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0563】
なお、ステージに対応する演出画像は、サブ表示器17で表示するようにしてもよく、また、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で表示するようにしてもよい。
また、各ステージに対応する演出画像を表示する場合には、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11を所定の態様で発光することが好ましい。
以上のようにステージ移行時の演出画像が表示される。
【0564】
[回避ナビの取得確率]
次に、図38を参照して、第2実施形態のスロットマシン1における回避ナビの取得確率について説明する。
【0565】
本第2実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、遊技モードAに滞在している場合に、特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2の当選に基づき、通常遊技モードである遊技モードBあるいは遊技モードCに移行するようにしている。
ただし、特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2に当選した場合でも、特殊図柄組合せ1(「リプレイ・リプレイ・ベル」)や特殊図柄組合せ2(「リプレイ・リプレイ・スイカ」)での入賞ではない場合には、通常遊技モードへの移行は行われないものとなっている。
【0566】
すなわち、前述したように、特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2に当選した場合に、特定の押し順により停止ボタン5が操作された場合には、通常のリプレイ役と同様の図柄組合せが導出されることとなるが、特殊図柄組合せ1や特殊図柄組合せ2が導出されずに、通常のリプレイ役と同様の図柄組合せが導出された場合には、遊技モードAが維持されることとなるのである。
つまり、遊技モードAに滞在している状態において、特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2に当選した場合でも、特定の押し順による停止ボタン5の操作を行うことで通常遊技モードへの移行を回避することが可能となるのである。
【0567】
本第2実施形態の主制御装置10では、上記通常遊技モードへの移行を回避する権利およびその回数を回避ナビの実行可能回数として記憶可能としていて、回避ナビの実行可能回数が1以上あった場合には、遊技モードAにおいて特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2に当選した場合に、副制御装置20に対して、特定の押し順を報知(指示)する回避ナビをメイン表示器8において実行させる制御情報を送信することで、通常遊技モードへの移行を回避させるような制御を行うようにしている。
また、主制御装置10では、回避ナビの取得を、通常遊技状態中におけるレア役の当選に基づき抽選するようにしている。
【0568】
図38は、通常遊技状態中におけるレア役の当選時に主制御装置10により実行される回避ナビ取得抽選において、取得する回避ナビ回数と、各回避ナビ回数が取得される確率を示している。
なお、上記短縮抽選は、主制御装置10により所定の乱数の抽選により行われる。
【0569】
図38に示すように、通常遊技状態中において弱レア役の当選した場合、80%の確率で回避ナビの取得無しとされ、15%の確率で回避ナビが1回取得され、5%の確率で回避ナビが2回取得されるように回避ナビ取得抽選が実行される。
【0570】
また、通常遊技状態中において強レア役の当選した場合、30%の確率で回避ナビの取得無しとされ、60%の確率で回避ナビが1回取得され、10%の確率で回避ナビが2回取得されるように回避ナビ取得抽選が実行される。
【0571】
そして、回避ナビが取得された場合には、その値が以前の回避ナビの実行可能回数に加算されてその時点の回避ナビの実行可能回数の合計値として記憶管理されることとなり、その後、遊技モードAにおいて特殊リプレイ役1あるいは特殊リプレイ役2に当選した場合に、回避ナビが実行されて回避ナビの実行可能回数が減算(-1)されて、この回避ナビは実行可能回数がゼロとなるまで繰り返し実行されることとなる。
【0572】
このように、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、所定条件の成立として、回避ナビの実行可能回数が残っている場合には、特定遊技モード(遊技モードA)から通常遊技モード(遊技モードBあるいはC)への移行を回避するための、特定の押し順を報知する回避ナビを実行するのである。
すなわち、副制御装置20は、所定条件の成立に基づき、特定遊技モードから通常遊技モードへの移行を回避可能な情報を報知可能な回避情報報知手段を備えているのである。
したがって、回避ナビの実行可能回数が残っている場合には、通常遊技モードへの移行を回避して特定遊技モードが継続されることとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0573】
なお、レア役当選時に取得される回避ナビの回数や、取得確率は上記以外でもよい。
また、回避ナビの取得の契機役はレア役以外でもよい。
また、回避ナビは、メイン表示器8において特定の押し順を指示する数値情報の表示で実行されるが、遊技者が特殊図柄組合せ1や特殊図柄組合せ2での入賞を回避可能なものであれば何れでもよく、メイン表示器8以外で実行するものでもよい。
以上のように回避ナビの取得が行われる。
【0574】
[ステージCからステージAに移行時の演出画像]
次に、図39を参照して、ステージCからステージAに移行時の演出画像について説明する。
【0575】
本第2実施形態においては、前述したように、遊技モードBおよびCはAT状態への移行が不能な通常遊技モードとして設定されている。
したがって、遊技モードBおよびCに滞在中の遊技機での遊技を敬遠する遊技者も少なくなく、遊技モードBおよびCの滞在を示唆するステージBやCへの移行を契機に、遊技者が当該遊技機での遊技を終了してしまう可能性もある。
【0576】
このような課題を解決するために、本第2実施形態においては、遊技モードBおよびCに移行したことに基づき、以下のような特典を遊技者に付与可能としている。
図39は、遊技者に対する特典の付与である特典情報を表示する態様として、副制御装置20での制御により表示されるステージCからステージAに移行時のメイン表示器8における演出画像を示している。
なお、図39ではステージCからステージAに移行時を例示しているが、ステージBからステージAに移行時にも同様の演出画像が表示される。
【0577】
まず、図39(a)に示すように、遊技モードCへの移行に基づきステージCに移行した場合には、メイン表示器8の画面主要部にステージCに対応するステージC画像104が表示される。
この状態で、所定のゲームの開始時に行われるステージの移行抽選に当選した場合には、次ゲームの開始時にステージCからステージAへの移行が行われることとなる。
【0578】
図39(b)は、ステージの移行抽選に当選したゲームの次に実行されるゲーム実行中のメイン表示器8の演出画像を示している。
図39(b)に示すように、ステージAへの移行が行われるゲームが開始されると、図39(b)に示すように、メイン表示器8の画面主要部にステージA画像101が表示される。
【0579】
そして、このステージAへの移行が行われたゲームの実行中においては演出ボタン2dが有効となり、この間に演出ボタン2dを操作すると、図39(c)に示すように、確率設定装置14での設定値を示唆する設定示唆画像105がメイン表示器8の画面主要部に表示されることとなる。
表示された設定示唆画像105は次ゲームの開始まで継続して表示され、次ゲームの開始時に消去されて、ステージA画像101が復帰表示される。
【0580】
なお、演出ボタン2dが有効となった場合に、有効である旨を報知するようにしてもよいし、報知しないようにしてもよい。
有効である旨を報知しない場合には、演出ボタン2dの操作による設定示唆画像105の表示は、所謂隠れボタン演出として機能することとなる。
【0581】
また、特典情報としての設定示唆画像105は、前述の第1実施形態における疑似ボーナス状態の終了時に説明したものと同様の制御で表示すればよい。
例えば、複数のキャラクタを予め設定し、このうちから表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択するようにして、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能とすればよい。
また、設定示唆画像105は画面主要部に表示しなくてもよく、例えば、ステージA画像101の所定箇所に小画面を形成して、この小画面において設定を示唆する画像を表示するようにしてもよい。
【0582】
以上のように、通常遊技モードへの移行に基づき、通常ステージ(ステージBあるいはC)へ移行してその後特定ステージに移行した場合に、所定の特典情報の報知として、設定示唆画像105が表示されるのである。
すなわち、副制御装置20は、通常ステージから特定ステージへの移行に基づき、所定の特典情報を報知可能な特典情報報知手段(副制御装置20)を備えているのである。
【0583】
したがって、遊技者に対して遊技する遊技機を選定する上で重要な情報を提供でき、通常ステージに移行した際の遊技者の落胆感を低減することができるとともに、通常ステージへの移行により遊技を終了してしまうことを防止可能となるのである。
また、設定示唆画像105の表示は、通常ステージの終了後に行われるので、少なくとも通常ステージの終了までは遊技を継続させることが可能となり、さらに、設定示唆画像105が表示された後は特定ステージ(ステージA)に移行するので、この時点で遊技者の遊技意欲を向上させることができ、長期間遊技を継続させることが可能となるのである。
【0584】
なお、通常ステージ中において残り滞在ゲーム数を表示するようにしてもよく、このようにすれば、設定示唆画像105の表示時期が明確となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0585】
また、通常ステージから特定ステージへの移行時に、必ず設定示唆画像105を表示せずに、通常ステージから特定ステージへの移行時の所定の確率(例えば、30%)で設定示唆画像105を表示するようにしてもよい。
同様に、通常ステージへの移行回数を計数して、この移行回数が所定数(例えば、10回)以上となった場合に限り、設定示唆画像105を表示するようにしてもよいし、所定数未満では相対的に低い確率(例えば、10%)で設定示唆画像105を表示し、所定数以上では相対的に高い確率(例えば、50%)で設定示唆画像105を表示するようにしてもよい。
【0586】
また、ステージCからステージAへの移行時に設定示唆画像105を表示し、ステージBからステージAへの移行時には設定示唆画像105を表示しないようにしてもよいし、ステージCからステージAへの移行時には、ステージBからステージAへの移行時よりも高い確率で設定示唆画像105を表示するようにしてもよい。
また、遊技者に対する特典の付与としては、設定示唆画像105の表示以外でもよく、例えば、次回の疑似ボーナス状態の発生時期を示唆する画像の表示等、遊技者に有利となる画像の表示であれば何れでもよい。
以上のようにステージCからステージA移行時の演出画像が表示される。
【0587】
〔第2実施形態の変形例〕
次に、図40を参照して、本第2実施形態の変形例について説明する。
【0588】
本第2実施形態においては、遊技モードとして、遊技モードA、遊技モードB、遊技モードCの3種類が設定さているが、本変形例においては、上記の遊技モードの他に、遊技モードDを設けるようにしている。
したがって、遊技モードDを設けたこと以外は、前述の第2実施形態と同様となっている。
【0589】
遊技モードDは、遊技モードBあるいはCの終了時の一部で移行する遊技モードであり、当該遊技モードDの滞在時には、特殊リプレイ役3に当選した場合に必ず(100%の確率で)AT状態に移行するような制御が主制御装置10により行われる。
したがって、遊技モードDは、遊技モードAよりもさらに遊技者にとって有利な遊技モードとなるのである。
また、遊技モードDの滞在時には、遊技モードAと同様に特殊リプレイ役(特殊図柄組合せ1や2)の入賞に基づき遊技モードBあるいはCへの移行が行われる。
【0590】
本第2実施形態の変形例においては、遊技モードDへの移行を、遊技者に対する救済措置として実行するようにしている。
具体的には、主制御装置10は、スロットマシン1のリセット時、および前回のAT状態の終了時からの通常遊技モードへの移行回数を計数して、その計数結果が所定数(特定値)に達した場合には、通常遊技モード終了後からの移行先を遊技モードDに変更するようにしている。
【0591】
図40は、通常遊技モード(遊技モードBおよびC)への移行回数に応じた、通常遊技モードの終了後の移行先の遊技モードを示している。
図40に示すように、通常遊技モードへの移行回数が10回未満のときには、前述同様に遊技モードAに移行させ、通常遊技モードへの移行回数が10回以上のときには、遊技モードDに移行させることで、通常遊技モードの終了後の移行先を変更するようにしている。
また、通常遊技モードへの移行回数は、AT状態に移行しない限り初期化されないので、かりに遊技モードDに移行した後、通常遊技モードに移行しても、当該通常遊技モードの終了後には再び遊技モードDに移行することとなる。
【0592】
以上のように、主制御装置10は、通常遊技モードへの移行回数を計数して、通常遊技モードへの移行回数が所定数(特定値)に達した場合には、通常遊技モード終了後において、遊技者に対する特定の特典の付与として遊技者にとって有利な遊技モードDに移行させるようにしている。
【0593】
すなわち、主制御装置10は、通常遊技モードへの移行回数を計数可能な移行回数計数手段(主制御装置10)を備え、また、主制御装置10は、前記移行回数計数手段による計数値が特定値となったことに基づき、特定の特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置10)を備えているのである。
したがって、AT状態に長期間移行していない遊技者に対して救済が可能となるので、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止可能となるのである。
また、遊技モードDに移行した場合でも必ずAT状態に移行するものではないので、遊技店側が極めて不利な状態となることも防止可能となるのである。
【0594】
なお、通常遊技モード終了後からの移行先を遊技モードDに変更することとなる移行回数の閾値は、上記以外でもよいし、遊技モードBとC毎に閾値を設定してもよい。
また、遊技者に対する救済措置として遊技モードDへ移行させるようにしているが、上記以外でもよく、例えば、通常遊技モードへの移行回数が所定数に達した以降は、通常遊技モードに移行しないようにしてもよいし、通常遊技モードへの移行確率が低くなるように特殊リプレイ役の当選確率を変更するようにしてもよい。
【0595】
また、遊技モードDに移行した場合には、遊技モードBあるいはCへの移行を禁止するようにしてもよい。
また、通常遊技モードへの移行時に、救済ポイントの取得抽選を行い、この取得抽選に当選した場合には救済ポイントを加算(+1)し、救済ポイントが所定値に達した場合に救済措置を実行するようにしてもよい。
また、通常遊技モードへの移行回数の初期化は、スロットマシン1のリセット時やAT状態への移行時以外で行うようにしてもよく、例えば、疑似ボーナス状態の発生時等に行うようにしてもよい。
以上のように第2実施形態の変形例が実現される。
【0596】
以上、第2実施形態のスロットマシン1について説明したが、通常遊技モードを設けるものであれば、遊技モードの移行態様が上記以外でもよく、例えば、遊技モードAにおいて特殊リプレイ役1に当選した場合に遊技モードBに移行させ、遊技モードBにおいて特殊リプレイ役2に当選するか、もしくは128ゲーム経過した場合に遊技モードCに移行させ、遊技モードCにおいて特殊リプレイ役2に当選するか、もしくは36ゲーム経過した場合に遊技モードAに移行させることで、遊技モードAに復帰するまでに多段階のモード移行を行うようにしてもよい。
【0597】
また、遊技モードBもしくは遊技モードCから遊技モードAに復帰した後、所定期間は遊技モードBもしくは遊技モードCへの移行を禁止する状態にしてもよい。
また、各遊技モードにおいて対応する特殊リプレイ役に当選(或いは入賞)した場合に、所定の確率でモード移行を行うものとし、確率設定値に応じてモード移行する確率を変更するようにしてもよい。
【0598】
また、リセットのない電源投入時においては、遊技モードBもしくは遊技モードCであってもステージAに移行するようにしてもよい。
また、特殊リプレイ役の当選や入賞により遊技モードを移行するようにしているが、その他の役の当選や入賞により遊技モードを移行するようにしてもよいし、移行する遊技モードに応じて契機役の種類を変更するようにしてもよい。
また、CZ状態中において、押し順ベル役に当選した場合の一部で、押し順チャレンジゲームを実行し、このゲームにおいて押し順ベル役に入賞した場合にAT状態に移行するようにしてもよい。
以上のように第2実施形態のスロットマシン1が実現される。
【0599】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第3実施形態について、図41図49を参照して説明する。
【0600】
第3実施形態の遊技機としてのスロットマシン1においては、主制御装置10での制御の一部、およびそれに関連した副制御装置20での制御の一部が前述した第1実施形態のスロットマシン1とは異なっていて、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第3実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、それ以外は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0601】
[第3実施形態の遊技機における遊技の流れ]
まず、本第3実施形態におけるスロットマシン1での遊技の流れについて図41を参照して説明する。
本第3実施形態のスロットマシン1においては、前述した第1実施形態と同様に、主制御装置10により各遊技状態の移行制御が行われるが、遊技状態の移行制御の一部が前述した第1実施形態のスロットマシン1とは異なっている。
具体的には、主制御装置10は、疑似ボーナス状態から直接CZ状態に移行可能としていることが第1実施形態と異なっている。
【0602】
また、前述した第1実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中にCZ状態の移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常遊技状態からCZ状態に移行するようにしているが、本第3実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中の遊技区間が通常区間において、有利区間移行条件の成立に基づき遊技状態をCZ状態に移行させる点も第1実施形態と異なっている。
したがって、本第3実施形態においては、通常遊技状態中のCZ状態の移行条件が成立した場合に加えて、通常区間において有利区間移行条件が成立した場合にCZ状態に移行可能として、さらに疑似ボーナス状態終了後にCZ状態に移行可能としているのである。
【0603】
図41に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態においては、第1実施形態と同様に、所定のレア役(例えば、強スイカ役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で、CZ状態への移行抽選処理を行う。
また、通常遊技状態においては、第1実施形態と同様に、通常区間に滞在中において有利区間移行条件した場合に遊技区間を有利区間に移行させることとなるが、この有利区間移行条件の成立に基づきCZ状態への移行処理が行われ、有利区間移行条件が成立したゲームの次のゲーム開始時に、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行される(図41の矢印c1)。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役の当選に基づくCZ状態の移行条件が成立しない場合でも、有利区間移行条件の成立に基づきCZ状態の移行処理が行われるのである。
【0604】
また、主制御装置10は、疑似ボーナス状態中のゲーム毎にCZ状態の移行抽選処理を実行し、CZ状態の移行抽選に当選した場合にはCZ状態の移行権利が付与され、当該疑似ボーナス状態終了後に、遊技状態を疑似ボーナス状態からCZ状態に移行させる(図41の矢印j1)。
【0605】
すなわち、主制御装置10は、通常遊技状態よりも特定遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生確率の高い高確率遊技状態としてのCZ状態の発生権利を付与可能な高確率遊技状態付与手段を備えるのである。
また、高確率遊技状態付与手段としての主制御装置10は、特定遊技状態における特定条件の成立(CZ状態の移行抽選に当選)に基づき、高確率遊技状態の発生権利を付与可能とするのである。
したがって、疑似ボーナス状態中における遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0606】
なお、本第3実施形態においては、CZ状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態の一部でCZ状態に移行するように行われるものであれば何れでもよく、各ゲームで固定の確率でCZ状態の移行抽選を行ってもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でCZ状態の移行抽選を行ってもよい。
以上のように第3実施形態における遊技状態の移行制御が行われる。
【0607】
[疑似ボーナス状態終了およびAT状態終了時の各種制御]
次に、図42図44を参照して、本第3実施形態のスロットマシン1における疑似ボーナス状態終了時およびAT状態終了時の各種制御について説明する。
【0608】
まず、図42を参照して、疑似ボーナス状態が終了する場合の各種制御について説明する。
本第3実施形態においては、主制御装置10は、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する場合に、当該疑似ボーナス状態終了時点の有利区間ゲーム数に基づき有利区間から通常区間に移行可能としていて、さらに、疑似ボーナス状態終了時点の有利区間ゲーム数に基づき確率状態も変更可能としている。
【0609】
したがって、本第3実施形態においては、有利区間の終了条件としては、有利区間ゲーム数の上限ゲーム数(上限数)への到達、および後述するAT状態の終了時の一部、およびAT状態へ移行しない(通常遊技状態へ移行する)疑似ボーナス状態の終了時の一部でも成立するものとなっている。
【0610】
確率状態は、前述の第1実施形態と同様に、通常遊技状態中における疑似ボーナス状態の移行確率を決定するもので、本第3実施形態においても、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われ、一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
さらに、本第3実施形態においては、主制御装置10は、高確率状態よりも確率の高い超高確率状態に制御可能としている。
【0611】
したがって、本第3実施形態における疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定され、超高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の80%の確率で設定されている。
【0612】
なお、各確率状態における疑似ボーナス状態の当選契機役は上記以外でもよく、また、変更される確率値についても、通常確率状態→高確率状態→超高確率状態の順に確率が高くなるものであれば上記以外でもよい。
また、超高確率状態から高確率状態への転落条件についても、高確率状態から通常確率状態への転落条件と同様にしてもよいし、異なるものとしてもよい。また、超高確率状態時に所定役に当選した場合の所定確率で通常確率状態に変更するようにしてもよい。
【0613】
図42(a)は、主制御装置10の制御により、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する場合、すなわち、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利やAT状態の移行権利が獲得できなかった場合の遊技区間および確率状態を示している。
図42(a)に示すように、疑似ボーナス状態終了時(最終ゲーム)の有利区間ゲーム数が、999回以下の場合には、遊技区間を有利区間にする(有利区間を継続させる)とともに、確率状態を通常確率状態にするような制御が行われ、1000~1999回の場合には、遊技区間を有利区間にするとともに、確率状態を高確率状態にするような制御が行われ、2000~2499回の場合には、遊技区間を有利区間にするとともに、確率状態を超高確率状態にするような制御が行われ、2500回以上の場合には、遊技区間を通常区間にする(有利区間を終了させる)とともに、確率状態を通常確率状態にするような制御が行われる。
【0614】
以上のように、主制御装置10では、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数を参照して、有利区間ゲーム数が多くなる程、確率状態を遊技者に有利なものに変更するのである。
したがって、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に近づくほど、疑似ボーナス状態後に有利な確率状態に変更されることとなり、遊技内容をより多彩化でき、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0615】
また、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が特定数としての2500回以上となった場合、すなわち、前述した制限機能(リミッター)が作動することとなる上限ゲーム数(3000回)に有利区間ゲーム数が近づいた場合には、遊技区間を通常区間に移行させるのである。
すなわち、区間制御手段としての主制御装置10は、特定遊技状態(疑似ボーナス状態)において、所定ゲーム(最終ゲーム)に対応する有利区間ゲーム数が、予め定められた特定数(2500回)以上となった場合には、上限数(上限ゲーム数)に到達しない場合であっても、当該特定遊技状態の終了後に遊技区間を通常区間に移行可能とするのである。
【0616】
これは、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に近づいた場合でも、有利区間を継続させてしまうと、その後にAT状態に移行した場合に、有利区間ゲーム数が上限数に到達するまでの残りゲーム数が少なくなることで、当該AT状態が初期の状態で制限機能が作動してしまう虞があるからである。
それに対して、本第3実施形態においては、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が2500以上となった場合には、遊技区間を通常区間に移行させるようにしているので、疑似ボーナス状態の終了後の通常遊技状態中にAT状態に移行した場合でも、直ぐに制限機能が作動してしまう等を防止でき、遊技者の不満となることを未然に防止可能となるのである。
【0617】
さらに、本第3実施形態においては、前述したように、通常区間に移行後に有利区間移行条件が成立した場合には、遊技状態をCZ状態に移行させるようにしているので、CZ状態の移行権利が獲得できずに疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する際に、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が2500回以上となった場合には、遊技区間が通常区間に移行されて、その後CZ状態に移行することとなるのである。
【0618】
すなわち、高確率遊技状態付与手段としての主制御装置10は、特定遊技状態(疑似ボーナス状態)において特定条件が成立しない場合(CZ状態の移行抽選に当選しない場合)であっても、特定遊技状態の終了後の通常区間おける有利区間移行条件の成立に基づき、高確率遊技状態(CZ状態)の発生権利を付与可能するのである。
したがって、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利が獲得できなかった場合でも、当該疑似ボーナス状態の終了後に短期間でCZ状態に移行することとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0619】
なお、疑似ボーナス状態終了時の遊技区間や確率状態を決定することとなる遊技区間ゲーム数の閾値は、上記効果が得られるものであれば上記以外でもよい。
また、有利区間ゲーム数を参照する時点を疑似ボーナス状態の終了時に設定しているが、疑似ボーナス状態の開始時や、疑似ボーナス状態中の何れかの時期に設定してもよい。
【0620】
また、本第3実施形態においては、疑似ボーナス状態の終了時に遊技区間を有利区間のまま継続可能としているので、ゲーム数に応じて疑似ボーナス状態に移行させるための天井ゲーム数を判定する際には、有利区間ゲーム数ではなく、疑似ボーナス状態の発生毎に初期化される専用のカウンタを設けることが好ましい。
【0621】
次に、図42(b)を参照して、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態以外に移行する場合の各種制御について説明する。
本第3実施形態においては、主制御装置10は、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利やAT状態の移行権利を獲得した場合に、疑似ボーナス状態終了後にCZ状態あるいはAT状態に移行するようにしている。
また、疑似ボーナス状態終了後にAT状態に移行する場合に、当該疑似ボーナス状態終了時点の有利区間ゲーム数等に基づきAT状態の初期ゲーム数を変更可能としている。
【0622】
図42(b)は、主制御装置10の制御により、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態以外に移行する場合、すなわち、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利やAT状態の移行権利が獲得できた場合の遊技状態を示している。
【0623】
図42(b)に示すように、疑似ボーナス状態中にAT状態の移行権利を獲得できずにCZ状態の移行権利のみを獲得(移行抽選に当選)した場合には、疑似ボーナス状態終了後にCZ状態に移行させる制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得できずにAT状態の移行権利のみを獲得(移行抽選に当選)し、かつ、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が2499回以下であった場合には、初期ゲーム数を30ゲームとするAT状態に移行させる制御が行われる。
【0624】
また、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得できずにAT状態の移行権利のみを獲得(移行抽選に当選)し、かつ、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、初期ゲーム数を50ゲームとするAT状態に移行させる制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得し、さらにAT状態の移行権利も獲得(移行抽選に当選)した場合には、初期ゲーム数を50ゲームとするAT状態に移行させる制御が行われる。
【0625】
以上のように、主制御装置10では、疑似ボーナス状態中において、CZ状態の移行権利を獲得した場合には、疑似ボーナス状態終了後に遊技状態をCZ状態に移行させ、AT状態の移行権利を獲得した場合には、疑似ボーナス状態終了後に遊技状態をAT状態に移行させるのである。
したがって、疑似ボーナス状態終了後の遊技状態が種々変化可能となるので、興趣性の高い遊技を実行することが可能となるとともに、疑似ボーナス状態中の遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0626】
また、疑似ボーナス状態中にAT状態の移行権利を獲得した場合には、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数を参照して、有利区間ゲーム数が2500回未満であった場合には、初期ゲーム数の少ないAT状態を発生させ、2500回以上であった場合には、初期ゲーム数の多いAT状態を発生させるのである。
したがって、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に近づくほど、初期ゲーム数の多いAT状態が発生することとなり、遊技内容をより多彩化でき、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0627】
また、疑似ボーナス状態中において、CZ状態の移行権利とAT状態の移行権利の両方を獲得した場合には、初期ゲーム数の多いAT状態を発生させるのである。
したがって、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利とAT状態の移行権利の両方を獲得した場合には、CZ状態の移行権利は無効となるが、その分有利度の高いAT状態が発生することとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0628】
なお、疑似ボーナス状態終了後にAT状態を発生させる場合において、初期ゲーム数を決定することとなる遊技区間ゲーム数の閾値は、上記効果が得られるものであれば上記以外でもよい。
また、有利区間ゲーム数を参照する時点を疑似ボーナス状態の終了時(最終ゲーム実行時)に設定しているが、疑似ボーナス状態の開始時や、疑似ボーナス状態中の何れかの時期に設定してもよい。
【0629】
次に、図43を参照して、特別遊技状態としてのAT状態が終了する場合における各種制御について説明する。
本第3実施形態においては、主制御装置10は、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する場合に、疑似ボーナス状態終了と同様に、当該AT状態終了時点の有利区間ゲーム数に基づき有利区間から通常区間に移行可能としていて、さらに、AT状態終了時点の有利区間ゲーム数に基づき確率状態も変更可能としている。
すなわち、区間制御手段としての主制御装置10は、特別遊技状態(AT状態)における所定ゲームに対応する有利区間ゲーム数が、特定数(2500回)以上となった場合には、上限数(上限ゲーム数)に到達しない場合であっても、当該特別遊技状態の終了後に遊技区間を通常区間に移行可能とするのである。
【0630】
図43は、主制御装置10の制御により、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する場合の遊技区間および確率状態を示している。
図43に示すように、AT状態終了時(最終ゲーム実行時)の有利区間ゲーム数が、999回以下の場合には、遊技区間を有利区間にするとともに、確率状態を通常確率状態にするような制御が行われ、1000~1999回の場合には、遊技区間を有利区間にするとともに、確率状態を高確率状態にするような制御が行われ、2000~2499回の場合には、遊技区間を有利区間にするとともに、確率状態を超高確率状態にするような制御が行われ、2500回以上の場合には、遊技区間を通常区間にするとともに、確率状態を通常確率状態にするような制御が行われる。
【0631】
また、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利とAT状態の移行権利の両方を獲得した場合には、有利区間ゲーム数に関わらず、AT状態終了後には、遊技区間を通常区間にするとともに、確率状態を通常確率状態にするような制御が行われる。
【0632】
以上のように、主制御装置10では、AT状態終了時の有利区間ゲーム数を参照して、有利区間ゲーム数が多くなる程、確率状態を遊技者に有利なものに変更するのである。
したがって、AT状態終了時の有利区間ゲーム数に応じて、確率状態が種々変化することとなり、興趣性の高い遊技を実現することが可能となるのである。
【0633】
また、AT状態終了時の有利区間ゲーム数が特定数としての2500回以上となった場合、すなわち、前述した制限機能(リミッター)が作動することとなる上限ゲーム数(3000回)に有利区間ゲーム数が近づいた場合には、遊技区間を通常区間に移行させるのである。
したがって、制限機能が作動する手前でAT状態に移行することを防止でき、AT状態に移行したにもかかわらず、直ぐに制限機能が作動してしまうことがなくなり、遊技者の不満となることを未然に防止可能となるのである。
【0634】
なお、AT状態終了時の遊技区間や確率状態を決定することとなる遊技区間ゲーム数の閾値は、上記効果が得られるものであれば上記以外でもよい。
また、有利区間ゲーム数を参照する時点をAT状態の終了時に設定しているが、AT状態の開始時や、AT状態中の何れかの時期に設定してもよい。
【0635】
次に、図44を参照して、疑似ボーナス状態終了時の終了画像について説明する。
本第3実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了後、すなわち疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に基づき、設定手段としての確率設定装置14で設定された設定値(設定段階)を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)に報知させる制御を行うようにしている。
【0636】
例えば、副制御装置20は、疑似ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了後にサブ表示器17において、夫々異なるキャラクタが表示されることとなる終了画像A~終了画像Eの5種類の終了画像を、確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択して表示させるようにしている。
【0637】
すなわち、副制御装置20は、設定手段としての確率設定装置14における設定段階を示唆可能な設定段階示唆手段を備えるのである。
したがって、上記表示された終了画像により、ある程度設定値を遊技者が予測することを可能としているのである。
なお、終了画像は、各終了画像の違いを遊技者が認識できればキャラクタ以外を表示してもよい。
【0638】
また、本第3実施形態においては、副制御装置20は、終了画像を選択する際に、疑似ボーナス状態の終了時点(最終ゲーム)の有利区間ゲーム数を参照し、有利区間ゲーム数に応じて終了画像の選択率を変更する制御を行うようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態の終了時点の有利区間ゲーム数に応じて、終了画像の選択態様が変更されることとなるのである。
【0639】
図44(a)は、疑似ボーナス状態の終了時点の有利区間ゲーム数が2499回以下であった場合の各終了画像の選択率を示している。
図44(a)に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、60%の確率で終了画像Aが選択され、20%の確率で終了画像Bが選択され、15%の確率で終了画像Cが選択され、5%の確率で終了画像Dが選択され、0%の確率で終了画像Eが選択されるような選択制御が行われる。
【0640】
また、例えば、確率設定装置14での設定値が設定6であった場合には、30%の確率で終了画像Aが選択され、10%の確率で終了画像Bが選択され、30%の確率で終了画像Cが選択され、25%の確率で終了画像Dが選択され、5%の確率で終了画像Eが選択されるような選択制御が行われる。
また、詳細な説明は省略するが、上記以外の設定値においても図示する確率で各終了画像が選択されることとなる。
【0641】
以上の選択制御が行われることから、確率設定装置14での設定値に応じて疑似ボーナス状態の終了画像が変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0642】
また、確率設定装置14での設定値が高くなる程、終了画像A→終了画像B→終了画像C→終了画像D→終了画像Eの順に選択される確率が高くなる傾向となるような、終了画像の選択処理が行われることとなる。
したがって、遊技者は疑似ボーナス状態の終了画像を確認することで、ある程度確率設定装置14での設定値を予測することが可能となり、遊技を行う遊技機を選定する際の有用な情報を提供することとなるのである。
【0643】
また、終了画像Bと終了画像C間の選択率に関しては、確率設定装置14での設定値が偶数値であった場合には、奇数値に比べ終了画像Bよりも終了画像Cの選択率が高くなり、一方、奇数値であった場合には、偶数値に比べ終了画像Cよりも終了画像Bの選択率が高くなるのである。
したがって、終了画像Bおよび終了画像Cの表示頻度に応じて、設定値の偶奇の予想をある程度行うことが可能となるのである。
【0644】
また、終了画像Eに関しては、確率設定値14での設定値が設定4~設定6のときのみに選択されることとなるのである。
したがって、終了画像Eが表示された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0645】
なお、各終了画像の選択率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。
また、終了画像の選択に際して、有利区間ゲーム数を参照する時点を疑似ボーナス状態の終了時に設定しているが、疑似ボーナス状態の開始時や、疑似ボーナス状態中の何れかの時期に設定してもよい。
【0646】
次に、図44(b)は、疑似ボーナス状態の終了時点の有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合の各終了画像の選択率を示している。
図44(b)に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、80%の確率で終了画像Aが選択され、15%の確率で終了画像Bが選択され、3%の確率で終了画像Cが選択され、2%の確率で終了画像Dが選択され、0%の確率で終了画像Eが選択されるような選択制御が行われる。
【0647】
また、例えば、確率設定装置14での設定値が設定6であった場合には、20%の確率で終了画像Aが選択され、7%の確率で終了画像Bが選択され、33%の確率で終了画像Cが選択され、30%の確率で終了画像Dが選択され、10%の確率で終了画像Eが選択されるような選択制御が行われる。
また、詳細な説明は省略するが、上記以外の設定値においても図示する確率で各終了画像が選択されることとなる。
【0648】
以上のように選択制御が行われることから、副制御装置20は、疑似ボーナス状態の終了時(終了ゲーム)の有利区間ゲーム数が2500回を境にして、終了画像の選択率が変更されることで、選択態様が変更されることとなるのである。
また、有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、2500回未満であった場合よりも、例えば、低い設定値であった場合にはより終了画像Aが選択される可能性が高まり、高い設定値であった場合にはより終了画像Eが選択される可能性が高まる、というように、より顕著に設定値を示唆するような終了画像が選択されることとなる。
【0649】
すなわち、設定段階示唆手段としての副制御装置20は、特定遊技状態(疑似ボーナス状態)における所定ゲームに対応する有利区間ゲーム数が、特定数(2500回)以上となったことに基づき、設定手段(確率設定装置14)における設定段階の示唆態様を変更可能とするのである。
【0650】
したがって、終了画像の選択態様の変更により、より多彩に終了画像を表示することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、有利区間ゲーム数が2500回以上となった場合には、より信頼度の高い終了画像が表示されることとなるので、遊技者に対してより有用な情報を提供することが可能となるのである。
【0651】
なお、各終了画像の選択率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。
また、終了画像の数は上記以外でもよく、また、特定の設定値であることを確定的に報知する終了画像を設けるようにしてもよい。
また、終了画像をサブ表示器17で表示するようにしているが、メイン表示器8において表示するようにしてもよい。ただし、疑似ボーナス状態の最終ゲーム終了後には、他の演出画像も表示されるので、これらの演出画像の視認性を阻害しないように表示することが好ましい。
以上のように疑似ボーナス状態終了時の終了画像が選択される。
【0652】
[遊技状態の遷移に対応する演出内容]
次に、図45および図46のタイミングチャートを参照して、第3実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、疑似ボーナス状態が終了するときの遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
【0653】
なお、本第3実施形態においては、第1実施形態と同様に、疑似ボーナス状態として疑似レギュラーボーナス状態と疑似ビッグボーナス状態の2種類を発生可能としていて、図45および図46では、上記疑似ボーナス状態として、20ゲーム間継続する疑似レギュラーボーナス状態が発生した場合を示しているが、本第3実施形態においては、20ゲーム間継続する疑似ボーナス状態のみを発生するものとしてもよい。
【0654】
前述したように、本第3実施形態においては、主制御装置10は、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得した場合には、当該疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態をCZ状態に移行させ、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得しなかった場合には、当該疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態を通常遊技状態に移行させるようにしている。
【0655】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に基づき、上記各遊技状態中、および遊技状態の変更に応じた種々の演出を、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、ランプ11等を制御することで実行するようにしている。
図45および図46は、疑似ボーナス状態が終了して他の遊技状態に変更される場合における、遊技状態の遷移とその間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
【0656】
まず、図45は、疑似ボーナス状態の終了後にCZ状態に移行する場合における、遊技状態の遷移とその間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
図45に示すように、有利区間において疑似ボーナス状態(疑似レギュラーボーナス状態)に移行した場合には、所定ゲーム間(20ゲーム間)遊技状態が疑似ボーナス状態に移行される(タイミングt0~t5)。
この疑似ボーナス状態中においては、メイン表示器8において疑似ボーナス状態中の演出が実行される。
【0657】
そして、疑似ボーナス状態中に実行される所定のゲーム(例えば、図示3番目のゲーム)において、CZ状態の移行抽選に当選した場合にはCZ状態の移行権利が付与されることとなる(タイミングt1)。
【0658】
また、疑似ボーナス状態が残り3ゲームとなる18ゲーム目のゲームに移行すると、メイン表示器8において、AT状態あるいはCZ状態に移行するか否かの連続演出(対戦演出)が開始され、18~20ゲーム目の各ゲームにおいて連続演出が実行されることとなる。
連続演出(対戦演出)は、第1実施形態と同様に、味方キャラクタと敵キャラクタが各ゲームにおいて攻防を繰り返す動画で実行され、最終的に何れかのキャラクタが勝利あるいは両者が引き分ける結果態様が導出されるように設定されている。
そして、20ゲーム目のゲーム終了時(タイミングt4)から、21ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt5)までの間に、メイン表示器8において対戦結果が表示されることとなる。
【0659】
なお、対戦結果の表示は、AT状態の移行抽選に当選(CZ状態にも当選も含む)していた場合には、味方キャラクタが勝利する演出画像が表示され、CZ状態のみに当選していた場合には、味方キャラクタと敵キャラクタが引き分ける演出画像が表示され、AT状態およびCZ状態の両方に非当選であった場合には、敵キャラクタが勝利する演出画像が表示されることとなる。
したがって、図45では、CZ状態の移行権利のみが付与された場合を示しているので、味方キャラクタと敵キャラクタが引き分けて、CZ状態に移行することを報知する演出画像がメイン表示器8において表示されることとなる。このとき、「CZ状態移行確定」等の文字情報を演出画像に含ませてもよい。
【0660】
また、疑似ボーナス状態の最終ゲームの実行(タイミングt3)に基づき、主制御装置10は、その時点の有利区間ゲーム数(2499回以下)を参照することとなる。
図45では、疑似ボーナス状態終了後にCZ状態に移行するので、このときの有利区間ゲーム数は遊技内容の変更には関係ないものとなるが、このときに通常遊技状態に移行する場合には、前述の図42で示したような、有利区間ゲーム数に基づく遊技区間や確率状態の振り分けが行われる。
【0661】
そして、21ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt5)から遊技状態がCZ状態に移行し、所定ゲーム数の間(タイミングt5~t6)、遊技状態がCZ状態に制御されて、メイン表示器8においてCZ状態中の演出が実行される。
なお、CZ状態中の抽選態様や演出画像等は、前述の第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0662】
そして、CZ状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選の結果が非当選となった場合には、31ゲーム目の開始時(タイミングt6)から遊技状態が通常遊技状態に移行されることとなる。
【0663】
また、図示は省略するが、疑似ボーナス状態中のAT状態の移行抽選の結果が当選となった場合には、疑似ボーナス状態中の終盤で、味方キャラクタが勝利することとなる連続演出が実行されるとともに、疑似ボーナス状態の終了直後にAT状態に移行されることとなる。
【0664】
以上のように、疑似ボーナス状態からCZ状態に移行する場合には、メイン表示器8において各種演出が実行されることから、興趣性を高めた上で、確実に遊技状態の移行を遊技者に報知することが可能となるのである。
なお、連続演出中の演出内容は、移行先の遊技状態の選択が行われている旨を報知できるものであれば上記以外でもよい。
また、連続演出の実行期間は、上記以外でもよく、1ゲームで完結する演出により抽選結果を報知するようにしてもよい。
【0665】
次に、図46は、疑似ボーナス状態の終了後に通常遊技状態に移行する場合における、遊技状態の遷移とその間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
図46に示すように、有利区間において疑似ボーナス状態(疑似レギュラーボーナス状態)に移行した場合には、所定ゲーム間(20ゲーム間)遊技状態が疑似ボーナス状態に移行される(タイミングt7~t11)。
この疑似ボーナス状態中においては、メイン表示器8において疑似ボーナス状態中の演出が実行される。
【0666】
そして、疑似ボーナス状態中に実行される各ゲームにおいて、AT状態およびCZ状態の移行抽選に非当選であった場合には、AT状態およびCZ状態の移行権利が共に付与されないこととなり、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行されることとなる。
また、疑似ボーナス状態の最終ゲームの実行(タイミングt9)に基づき、主制御装置10により、その時点の有利区間ゲーム数が参照されて、この時点の遊技区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、前述(図42参照)したように、疑似ボーナス状態終了後に遊技区間が通常区間に移行される。
したがって、21ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt11)から、遊技区間が通常区間に移行されるとともに、遊技状態が通常遊技状態に移行されることとなる。
【0667】
また、遊技区間が通常区間に移行後は、有利区間移行条件の成立により有利区間に移行することとなるが、有利区間移行条件は、当選確率の極めて高い役(例えば、ベル役)の当選に設定されているので、直ぐに有利区間移行条件が成立(タイミングt11でのベル役の当選)して、遊技区間が有利区間に移行されることとなる。
また、本第3実施形態においては、前述したように、通常区間における有利区間移行条件の成立に基づき、遊技状態をCZ状態に移行するようにしているので、22ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt12)から遊技状態がCZ状態に移行されることとなる。
【0668】
また、前述同様に、疑似ボーナス状態が残り3ゲームとなる18ゲーム目のゲームに移行すると、メイン表示器8において、AT状態あるいはCZ状態に移行するか否かの連続演出(対戦演出)が開始され、18~20ゲーム目の各ゲームにおいて連続演出が実行されることとなる。
【0669】
また、連続演出の終了後には、前述同様に対戦結果が表示されることとなるが、遊技区間ゲーム数が2500回以上の場合で、かつ通常遊技状態に移行する場合には、遊技区間が通常区間から有利区間に移行することに応じて、遊技状態がCZ状態に移行することとなるので、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、このCZ状態に移行するまで対戦結果の表示を延長するような制御を行うようにしている。
【0670】
したがって、疑似ボーナス状態の最終ゲームである20ゲーム目のゲーム終了時(タイミングt10)から、CZ状態の最初のゲームである22ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt12)までの間に、メイン表示器8において対戦結果が表示されることとなる。
すなわち、本来ならば、対戦結果は、疑似ボーナス状態終了後の次ゲームの開始時(タイミングt11)まで表示されることとなるが、通常区間(通常遊技状態)を経由してCZ状態に移行する場合には、この通常遊技状態中(タイミングt11~t12)においても対戦結果が継続して表示されるのである。
【0671】
そして、上記通常区間を経由してCZ状態に移行する場合には、疑似ボーナス状態中のCZ状態の移行抽選に非当選であった場合でも、対戦結果として、敵キャラクタが引き分けて、CZ状態に移行することを報知する演出画像がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0672】
そして、前述同様に、22ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt12)から遊技状態がCZ状態に移行し、所定ゲーム数の間(タイミングt12~t13)、遊技状態がCZ状態に制御されて、メイン表示器8においてCZ状態中の演出が実行される。
また、CZ状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選の結果が非当選となった場合には、32ゲーム目の開始時(タイミングt13)から遊技状態が通常遊技状態に移行されることとなる。
【0673】
以上のように、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する場合に、その時点の有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常区間(通常遊技状態)を経由してCZ状態に移行することとなるが、このときには、疑似ボーナス状態が終了してからCZ状態が開始するまでの間に、CZ状態に移行することが延長して報知されるのである。
【0674】
したがって、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得した場合と同様に、CZ状態の移行までの演出が進行することとなり、遊技者は何ら違和感なく遊技を行うことが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の終了により、即座に遊技を終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満感を与えてしまうことを未然に防止可能となるのである。
【0675】
また、疑似ボーナス状態終了後に通常区間を経由してCZ状態に移行する場合でも、それを疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利を獲得したものと遊技者に思わせることが可能となり、CZ状態の移行権利獲得に対する満足感を遊技者に与えることが可能となるのである。
【0676】
なお、通常区間において有利区間移行条件が成立しなかったゲームが存在した場合には、そのゲーム分対戦結果の表示を延長すればよい。
以上のように、疑似ボーナス状態が終了するときの各種演出が実行される。
【0677】
[疑似ボーナス状態終了時の演出画像]
次に、図47を参照して、疑似ボーナス状態終了時の演出画像についてより詳しく説明する。
なお、図47は、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20の制御により表示される、メイン表示器8における演出画像を示していて、前述の図46で示した、疑似ボーナス状態終了後に通常区間(通常遊技状態)を経由してCZ状態の移行する場合の演出画像を示している。
【0678】
まず、図47(a)に示すように、疑似ボーナス状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に疑似ボーナス状態中であることを報知する疑似ボーナス状態画像111aが表示される(図46のタイミングt7~t8)。
また、メイン表示器8の画面左上には、疑似ボーナス状態中に獲得した総獲得メダル数を報知するボーナス獲得メダル数画像110aが表示されるとともに、メイン表示器8の画面右上には、疑似ボーナス状態の残りゲーム数を報知するボーナス残りゲーム数画像110bが表示される。
【0679】
次に、図47(b)に示すように、疑似ボーナス状態の終盤の3ゲームに移行すると、各ゲームにおいて、メイン表示器8の画面主要部の疑似ボーナス状態画像111aが消去されて、替わりに対戦演出画像111bが表示され、味方キャラクタと敵キャラクタによる対戦演出が動画表示される(図46のタイミングt8~t10)。
また、疑似ボーナス状態中のゲームの実行に応じて、ボーナス獲得メダル数画像110aおよびボーナス残りゲーム数画像110bが夫々更新表示される。
【0680】
次に、図47(c)に示すように、疑似ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了後には、メイン表示器8の画面主要部の対戦演出画像111bに続いて対戦結果が導出され、当該対戦結果として対戦結果画像111cが表示される。
この対戦結果画像111cは、疑似ボーナス状態の終了後の通常遊技状態中のゲーム中にも表示され、続くCZ状態に移行する最初のゲームが開始するまで表示される(図46のタイミングt10~t12)。
また、対戦結果画像111cが表示される期間においては、疑似ボーナス状態の最終的な情報の報知として、ボーナス獲得メダル数画像110aおよびボーナス残りゲーム数画像110bが夫々表示されることとなる。
【0681】
そして、図47(d)に示すように、通常遊技状態終了後にCZ状態に移行すると、メイン表示器8の画面主要部に、CZ状態中であることや、CZ状態中に実行される疑似ボーナス状態の移行抽選に対応するCZ状態画像113が表示される(図46のタイミングt12~t13)。
また、メイン表示器8の画面右上には、CZ状態の残りゲーム数を報知するCZ残りゲーム数画像112が表示される。
【0682】
以上のように、疑似ボーナス状態終了後に通常区間(通常遊技状態)を経由してCZ状態に移行する場合には、メイン表示器8において、CZ状態に移行するまで通常区間において対戦結果画像111cが継続して表示されることとなる。
すなわち、メイン表示器8は、特定遊技状態(疑似ボーナス状態)の終了後の通常区間において、高確率遊技状態(CZ状態)の発生権利(移行権利)が付与されたことを報知可能な報知手段を構成するのである。
【0683】
したがって、疑似ボーナス状態終了後に通所区間(通常遊技状態)に移行し、その後CZ状態に移行する場合でも、遊技者に対して、何ら違和感なく確実にCZ状態に移行することを報知することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の終了により、即座に遊技を終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満感を与えてしまうことを未然に防止可能となるのである。
【0684】
なお、上記各種演出をメイン表示器8において実行するようにしているが、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
また、主制御装置10のリセット時にも、通常区間に移行されるとともに、当該通常区間における有利区間移行条件の成立に基づき、CZ状態の移行権利が付与されることとなるが、この場合には、有利区間移行条件を成立させることとなるゲームにおいて完結する演出を実行することで、CZ状態への移行を報知するようにすることが好ましい。
以上のように、疑似ボーナス状態終了時の演出画像が表示される。
【0685】
〔第3実施形態の変形例1〕
次に、図48を参照して、本第3実施形態の変形例1について説明する。
【0686】
前述した第3実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、通常区間において有利区間移行条件が成立した場合に、次ゲームの開始時、すなわち、有利区間の移行とともに遊技状態をCZ状態に移行させるようにしているが、本第3実施形態の変形例1においては、通常区間において有利区間移行条件が成立した場合に、CZ状態の移行権利を付与するとともに、CZ状態に移行するまでの所定ゲーム間の遅延期間を設定し、この遅延期間の終了後にCZ状態に移行させるようにしている。
【0687】
また、本第3実施形態の変形例1においては、疑似ボーナス状態終了後に通常区間を経由してCZ状態に移行させる場合に、疑似ボーナス状態中の連続演出を、前述同様に、対戦結果が引き分けることとなる演出で実行するとともに、疑似ボーナス状態の終了後に、上記遅延期間に対応して所定数のゲーム(例えば、14ゲーム)に亘る前兆演出(本前兆演出)を実行し、この前兆演出の結果態様により、CZ状態へ移行することを報知するようにしている。
【0688】
なお、疑似ボーナス状態終了後に通常区間に移行せずに通常遊技状態に移行した場合(CZ状態に移行しない場合)にも、所定ゲームに亘る前兆演出(フェイク前兆演出)を実行し、この前兆演出の結果態様により、CZ状態へ移行しないことを報知するようにしている。
【0689】
また、本第3実施形態の変形例1においては、CZ状態の移行前の前兆演出は、実行期間のみが前述の第1実施形態での疑似ボーナス状態移行前の前兆演出と演出内容を同様にしているので、ここでの演出内容の説明は省略する。
また、前兆演出の終盤には、前述同様に所定数のゲーム間(3ゲーム)に亘って連続演出が実行されることとなる。
【0690】
したがって、疑似ボーナス状態終了後に通常区間を経由してCZ状態に移行させる場合に、遅延期間を設定する点、および疑似ボーナス状態の終了後に前兆演出を実行して、CZ状態の移行の有無を報知する点以外は、前述の第3実施形態と同様であるので、以下第3実施形態と異なる点のみ説明する。
【0691】
図48は、第3実施形態の変形例1における、疑似ボーナス状態の終了後に通常遊技状態に移行する場合における、遊技状態の遷移とその間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
図48に示すように、有利区間において疑似ボーナス状態(疑似レギュラーボーナス状態)に移行した場合には、所定ゲーム間(20ゲーム間)遊技状態が疑似ボーナス状態に移行される(タイミングt14~t17)。
この疑似ボーナス状態中においては、メイン表示器8において疑似ボーナス状態中の演出が実行される。
【0692】
そして、疑似ボーナス状態中に実行される各ゲームにおいて、AT状態およびCZ状態の移行抽選に非当選であった場合には、AT状態およびCZ状態の移行権利が共に付与されないこととなり、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行されることとなる。
また、疑似ボーナス状態の最終ゲームの実行(タイミングt15)に基づき、主制御装置10により、その時点の有利区間ゲーム数が参照されて、この時点の遊技区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、前述(図42参照)したように、疑似ボーナス状態終了後に遊技区間が通常区間に移行される。
したがって、21ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt17)から、遊技区間が通常区間に移行されるとともに、遊技状態が通常遊技状態に移行されることとなる。
【0693】
また、遊技区間が通常区間に移行後は、有利区間移行条件の成立により有利区間に移行することとなり、有利区間移行条件の成立(タイミングt17でのベル役の当選)に基づき、次ゲームから遊技区間が有利区間に移行(タイミングt18)されることとなる。
また、本第3実施形態の変形例1においては、通常区間における有利区間移行条件の成立に基づき、CZ状態の移行権利が付与されることとなるが、有利区間への移行に応じてCZ状態への移行は行われずに、CZ状態の移行までの遅延期間(例えば、14ゲーム間)が設定される。
そして、通常区間、および有利区間移行後の遅延期間中においては、通常遊技状態が継続することとなる(タイミングt17~t19)。
【0694】
また、前述同様に、疑似ボーナス状態が残り3ゲームの間においては、メイン表示器8において、AT状態あるいはCZ状態に移行するか否かの連続演出が実行されることとなる。
また、連続演出の終了後には、前述同様に対戦結果が表示されることとなるが、遊技区間ゲーム数が2500回以上の場合で、かつ通常遊技状態に移行する場合には、遊技区間が通常区間から有利区間に移行することに応じて、CZ状態の移行権利が付与されるので、疑似ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了後においては、対戦結果として、敵キャラクタが引き分けて、CZ状態に移行することを報知する演出画像がメイン表示器8において表示されることとなる(タイミングt16~t17)。
【0695】
その後、21ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt17)から遊技状態が通常遊技状態に移行し、この通常遊技状態中においてメイン表示器8において前兆演出が実行されることとなる(タイミングt16~t19)。
したがって、前兆演出は、疑似ボーナス状態終了後の通常区間(例えば、1ゲーム間)と、その後の遅延期間(例えば、14ゲーム間)の間(例えば、15ゲーム間)において実行されることとなるのである。
【0696】
そして、前兆演出の終盤の所定数のゲーム(例えば、3ゲーム)に亘って、連続演出が再び実行されて、CZ状態へ移行するか否かが連続演出の対戦結果により報知されることとなるが、CZ状態の移行権利が付与されていた場合には、遅延期間が終了することとなるゲームの終了後に、CZ状態に移行することが報知されるとともに、次ゲームの開始時(タイミングt19)から遊技状態がCZ状態に移行することとなる。
そして、前述同様に、CZ状態への移行に伴い、メイン表示器8においてCZ状態中の演出が実行される。
【0697】
また、図示は省略するが、疑似ボーナス状態中のAT状態の移行抽選の結果が当選となった場合には、疑似ボーナス状態中の終盤で、味方キャラクタが勝利することとなる連続演出が実行されるとともに、疑似ボーナス状態の終了直後にAT状態に移行されることとなる。
【0698】
また、同様に、疑似ボーナス状態の最終ゲームでの遊技区間ゲーム数が2499回以下であり、かつ、疑似ボーナス状態中のCZ状態の移行抽選の結果のみが当選となった場合には、疑似ボーナス状態中の終盤で対戦結果が引き分けることとなる連続演出が実行されるとともに、疑似ボーナス状態の終了後に所定の遅延期間が設定されるとともに、疑似ボーナス状態の終了後の通常遊技状態中において、上記所定の遅延期間に対応する所定数のゲームに亘る前兆演出(本前兆演出)が実行されることとなる。
なお、この場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常区間を経由しないので、上記所定の遅延期間は、通常区間を経由する場合よりも、例えば、1ゲーム分多く設定することで、通常区間の有無に応じて前兆演出の期間が変化しないようにすることが好ましい。
【0699】
また、同様に、疑似ボーナス状態の最終ゲームでの遊技区間ゲーム数が2499回以下であり、かつ、AT状態およびCZ状態の移行抽選の結果が非当選となった場合には、疑似ボーナス状態中の終盤で対戦結果が引き分けることとなる連続演出が実行されるとともに、疑似ボーナス状態の終了後の通常遊技状態中において、所定数のゲーム(例えば、15ゲーム)に亘ってフェイク前兆演出が実行されることとなる。
そして、フェイク前兆演出の終盤の連続演出における対戦結果により、CZ状態に移行しないことが報知されることとなる。
【0700】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選に基づきCZ状態の移行権利が付与された場合にも、上記同様に遅延期間を設定するとともに、その間に前兆演出を実行することが好ましい。
【0701】
以上のように、第3実施形態の変形例1においては、疑似ボーナス状態終了後の通常区間への移行を含む通常遊技状態において遅延期間が設定され、この遅延期間において、副制御装置20の制御により前兆演出が実行されるのである。
すなわち、副制御装置20は、特定遊技状態(疑似ボーナス状態)の終了後の通常区間において、高確率遊技状態(CZ状態)の発生前の演出として前兆演出を実行させることが可能な前兆演出制御手段を備えるのである。
したがって、前兆演出の実行により、疑似ボーナス状態終了後の遊技者の期待感を引き延ばすことが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0702】
また、疑似ボーナス状態終了後には、CZ状態の移行契機の種類にかかわらず、前兆演出を実行するようにしているので、通常区間を経由してCZ状態に移行する場合でも、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行抽選に当選した場合と同様に前兆演出が実行されることとなり、遊技者に対して、何ら違和感なく確実にCZ状態に移行することを報知することが可能となるのである。
【0703】
また、疑似ボーナス状態終了後には、CZ状態に移行するか否かにかかわらず、前兆演出を実行するようにしているので、疑似ボーナス状態中の連続演出で引き分けとなる対戦結果が表示された後、再度前兆演出中に連続演出が実行されることとなるので、CZ状態の移行権利の獲得のチャンスが複数回存在するような遊技内容を形成でき、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の終了により、即座に遊技を終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満感を与えてしまうことを未然に防止可能となるのである。
【0704】
なお、上記各種演出をメイン表示器8において実行するようにしているが、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
また、主制御装置10のリセット時にも、通常区間に移行されるとともに、当該通常区間における有利区間移行条件の成立に基づき、CZ状態の移行権利が付与されることとなるが、この場合には、上記同様に前兆演出を実行するようにしてもよいし、有利区間移行条件を成立させることとなるゲームにおいて完結する演出を実行することで、CZ状態への移行を報知するようにしてもよい。
【0705】
また、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利が付与された場合、および疑似ボーナス状態終了後に通常区間を経由してCZ状態の移行権利が付与された場合の一部で前兆演出を実行し、それ以外は即座にCZ状態に移行させるようにしてもよい。
以上のように、第3実施形態の変形例1が実現される。
【0706】
〔第3実施形態の変形例2〕
次に、図49を参照して、本第3実施形態の変形例2について説明する。
【0707】
前述した第3実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、疑似ボーナス状態およびAT状態の最終ゲームにおける有利区間ゲーム数を参照して、この有利区間ゲーム数に応じて、疑似ボーナス状態およびAT状態の終了後に遊技区間を通常区間にするか否かを決定するようにしている。
【0708】
それに対して、本第3実施形態の変形例2においては、遊技区間を通常区間にするか否かを決定するための遊技区間ゲーム数の参照時期を、疑似ボーナス状態とAT状態とで異ならせている。
したがって、上記遊技区間ゲーム数の参照時期を、疑似ボーナス状態とAT状態とで異ならせている点以外は、前述の第3実施形態と同様であるので、以下第3実施形態と異なる点のみ説明する。
【0709】
図49は、本第3実施形態の変形例2のスロットマシン1における、主制御装置10で行われる通常区間フラグ設定処理のフローチャートを示しており、これを参照しながら通常区間への移行が行われる際の処理について説明する。
【0710】
まず、ステップS1では、疑似ボーナス状態の開始ゲームが実行したか否かの判定を行う。
これは、疑似ボーナス状態の最初のゲームが行われたか否かの判定であり、疑似ボーナス状態の最初のゲームが行われた場合は、ステップS2に移行し、疑似ボーナス状態の最初のゲームが行われていない場合は、ステップS4に移行する。
【0711】
次に、ステップS2で、有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かの判定を行う。
これは、疑似ボーナス状態の最初のゲームの有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かの判定であり、2500回以上の場合は、ステップS3に移行し、2500回以上でない場合は、ステップS4に移行する。
【0712】
次に、ステップS3で、通常区間フラグをセットする処理を行う。
通常区間フラグは、疑似ボーナス状態終了後に遊技区間を通常区間に移行させるためのフラグであり、この処理により、疑似ボーナス状態の最初のゲームの有利区間ゲーム数が2500回以上である場合は、当該疑似ボーナス状態終了後に遊技区間が通常区間に移行することとなる。
【0713】
次に、ステップS4では、AT状態の最後のゲーム(最終ゲーム)が実行したか否かの判定を行う。
これは、AT状態の最後のゲームが行われたか否かの判定であり、AT状態の最後のゲームが行われた場合は、ステップS5に移行し、AT状態の最後のゲームが行われていない場合は、本通常区間フラグ設定処理を終了する。
【0714】
次に、ステップS5で、有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かの判定を行う。
これは、AT状態の最後のゲーム有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かの判定であり、2500回以上の場合は、ステップS6に移行し、2500回以上でない場合は、本通常区間フラグ設定処理を終了する。
【0715】
次に、ステップS6で、通常区間フラグをセットする処理を行う。
したがって、AT状態の最後のゲームの有利区間ゲーム数が2500回以上である場合は、当該AT状態終了後に遊技区間が通常区間に移行することとなる。
【0716】
以上のように、第3実施形態の変形例2においては、疑似ボーナス状態が発生した場合には、当該疑似ボーナス状態の最初のゲームでの有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かを判定して、2500回以上であった場合には、疑似ボーナス状態終了後に遊技区間を通常区間に移行させるのである。
一方、AT状態が発生した場合には、当該AT状態の最後のゲームでの有利区間ゲーム数が2500回以上であるか否かを判定して、2500回以上であった場合には、AT終了後に遊技区間を通常区間に移行させるのである。
【0717】
すなわち、区間制御手段としての主制御装置10は、特定数(2500回)との判定対象を、継続期間が延長不能な特定遊技状態(疑似ボーナス状態)においては最初のゲームに設定し、継続期間が延長可能な特別遊技状態(AT状態)においては最後のゲームに設定するのである。
【0718】
したがって、疑似ボーナス状態が発生した場合には、最初のゲームで通常区間へ移行させることを決定することができ、通常区間への移行の決定を確実に実行することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の最初のゲームで通常区間へ移行させることが決定された場合には、疑似ボーナス状態中に当該疑似ボーナス状態終了後には通常区間へ移行することに関する報知が行えるようになり、例えば、疑似ボーナス状態中に「CZ状態移行確定」等の報知を行うことが可能となるのである。
【0719】
一方、AT状態が発生した場合には、最後のゲームで通常区間へ移行させることが決定されるので、継続期間が種々変化するAT状態に対しても、AT状態終了後には確実に通常区間へ移行させることが可能となるのである。
すなわち、継続期間が変化しない疑似ボーナス状態と、継続期間が変化するAT状態で、有利区間ゲーム数を参照する時期を異ならせることで、より効果的に通常区間への移行処理を行うことが可能となるのである。
以上のように、第3実施形態の変形例2が実現される。
【0720】
なお、本第3実施形態においては、疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行に当選した場合に、疑似ボーナス状態終了時の有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、疑似ボーナス状態終了後のCZ状態を、通常のCZ状態よりも有利度の高いCZ状態にしてもよく、例えば、通常のCZ状態よりも疑似ボーナス状態に移行する確率が高いCZ状態を発生させるようにしてもよい。
【0721】
また、CZ状態の終了時(通常遊技状態に移行するとき)に、有利区間ゲーム数を判定し、有利区間ゲーム数が2500回以上であった場合には、CZ状態終了後に通常区間に移行させるようにしてもよい。
このようにすれば、有利区間ゲーム数が2500回直前で疑似ボーナス状態が終了し、当該疑似ボーナス状態中にCZ状態の移行権利が付与された場合に、当該CZ状態中に有利区間ゲーム数が2500回に到達した場合でも、通常区間に移行させることが可能となる。
以上のように第3実施形態のスロットマシン1が実現される。
【0722】
<第4実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第4実施形態について、図50図62を参照して説明する。
【0723】
第4実施形態の遊技機としてのスロットマシン1においては、主制御装置10での制御の一部、およびそれに関連した副制御装置20での制御の一部が前述した第1実施形態のスロットマシン1とは異なっていて、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第4実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、それ以外は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0724】
まず、本第4実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10での役の抽選処理の一部として、押し順ベル役の抽選処理が第1実施形態と異なっている。
具体的には、主制御装置10は、押し順ベル役として、夫々異なる特定の押し順が設定されている押し順ベル役1~6を設ける点は、前述の第1実施形態と同様であるが、「5a→5b→5c」を特定の押し順とする押し順ベル役1、および「5a→5c→5b」を特定の押し順とする押し順ベル役2を、第1押し順ベル役として設定し、上記第1押し順ベル役以外の押し順を特定の押し順とする押し順ベル役3~6を第2押し順ベル役として設定して、第1押し順ベル役の当選確率(例えば、各々5%)よりも第2押し順ベル役の当選確率(例えば、各々18%)の方が高くなるように役の抽選処理を行うようにしている。
【0725】
すなわち、左リール4aを最初に停止する押し順ベル役1および2よりも、左リール4aを最初に停止しない押し順ベル役3~6の方が、当選する確率が高くなるように役の抽選処理が行われるのである。
なお、第1押し順ベル役と第2押し順ベル役の当選確率は、上記した関係が形成できれば何れでもよい。
また、押し順ベル役以外の役の抽選処理や、各役に入賞した場合のメダルの払出数等は第1実施形態と同様となっているが、左リール4aを最初に停止させた場合には、それ以外のリール4を最初に停止させた場合よりも、払出数の期待値が下がるようにしてもよい。
【0726】
また、本第4実施形態のスロットマシン1では、主制御装置10は、遊技者にとって不利な状態を生じさせるペナルティ処理と、ペナルティ処理に関連するペナルティ準備処理を実行するようにしている。
ペナルティ準備処理は、後述のペナルティ処理の実行に際して事前に行われる処理であり、通常遊技状態中のゲームにおいて、不適正ゲームの実行態様(実行回数)を監視する処理である。
【0727】
また、本第4実施形態のスロットマシン1では、通常遊技状態中において、遊技者が左リール4aを最初に停止したゲームを、適正操作態様が行われた適正ゲームに設定し、それ以外の停止態様で行われたゲームを、不適正操作態様が行われた不適正ゲームに設定している。
【0728】
したがって、適正ゲームが実行された場合には、相対的に当選確率の低い第1押し順ベル役の入賞が主となるような、単位ゲームあたりのメダルの払出が相対的に少ない状態となる一方で、不適正ゲームが実行された場合には、相対的に当選確率の高い第2押し順ベル役の入賞が主となるような、単位ゲームあたりのメダルの払出が相対的に多い状態となるのである。
つまり、ペナルティ準備処理は、通常遊技状態中において、単位ゲームあたりのメダルの払出数が多くなるように実行されたゲームを不適正ゲームとして、この不適正ゲームの実行態様(実行回数)を監視するのである。
なお、不適正ゲームが実行された場合には、不適正ゲームの実行に関わる報知は行わないが、メイン表示器8やスピーカ9により不適正ゲームが実行された旨を報知するようにしてもよい。
【0729】
一方、ペナルティ処理は、遊技者にとって不利益となる状態に移行させる処理であり、ペナルティ準備処理により得られた不適正ゲーム数に関する情報に基づき、遊技者にとって不利益となる状態を発生させるのである。
つまり、通常遊技状態中に単位ゲームあたりのメダルの払出数が多くなる不適正ゲームが実行されたことに関連して、遊技者にとって不利益となる状態をペナルティとして発生させるのである。
【0730】
なお、実行されたゲームを適正ゲームあるいは不適正ゲームと判定するのは、押し順ナビが行われない遊技状態(例えば、通常遊技状態)中のみとしている。
したがって、疑似ボーナス状態やAT状態中は、当選確率が相対的に高い第2押し順ベル役の当選に対する押し順ナビも実行され、遊技者が当該押し順ナビ通りに停止操作を行うことで、全ての押し順ベル役の当選確率を均一にするよりも、単位ゲームあたりのメダルの払出数が多い状態とすることが可能となるのである。
【0731】
また、本第4実施形態のスロットマシン1においては、前述の第1実施形態と同様に、主制御装置は、通常遊技状態においては、所定のレア役(例えば、チェリー役)の当選時の所定確率(例えば、1%)でAT状態への移行条件を成立させ、また、疑似ボーナス状態においては、当該疑似ボーナス状態中の各ゲームの実行に基づきAT状態の移行抽選処理を実行し、この移行抽選に当選した場合にAT状態への移行条件を成立させるようにしている。
【0732】
すなわち、主制御装置10は、予め定められた特別条件が成立したことに基づき、遊技状態を特別遊技状態(AT状態)に制御可能な遊技制御手段を備えるのである。
そして、主制御装置10は、詳細は後述するが、上記ペナルティ処理をAT状態の発生に関連付けて実行するようにしている。
【0733】
[ペナルティ準備処理およびペナルティ処理]
次に、図50~53を参照して、本第4実施形態のスロットマシン1における、ペナルティ準備処理およびペナルティ処理について詳しく説明する。
【0734】
まず、図50および図51を参照して、ペナルティ準備処理について説明する。
図50は、本第4実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10で行われるペナルティ準備処理としてのゲーム数計数処理のフローチャートを示している。
【0735】
ゲーム数計数処理は、ゲーム開始時(スタートレバー3操作時)に行われるゲーム数計数処理1と、ゲーム終了時(最終リール4停止時)に行われるゲーム計数処理2からなり、通常遊技状態中の遊技者の操作態様(停止操作態様)を監視するための処理であり、当該処理により所定のカウンタが更新される。
【0736】
図50(a)は、ゲーム開始時(スタートレバー3操作時)に行われるゲーム数計数処理1を示している。
まず、ステップS9では、ゲームが実行されたか否かの判定を行う。
これは、通常遊技状態中におけるゲームの実行の有無の判定であり、通常遊技状態中においてゲームが行われた場合は、ステップS10に移行し、ゲームが行われていない場合は、本ゲーム数計数処理1を終了する。
【0737】
次に、ステップS10では、遊技ゲーム数カウンタAを加算(+1)する処理、および遊技ゲーム数カウンタBを加算(+1)する処理を行う。
したがって、通常遊技状態中におけるゲームの実行毎に、遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBが加算されることとなる。
その後、本ゲーム数計数処理1を終了する。
【0738】
次に、図50(b)は、ゲーム終了時(最終リール4停止時)に行われるゲーム計数処理2を示している。
まず、ステップS11で、遊技ゲーム数カウンタBを減算(-1)する処理を行った後、ステップS12に移行する。
【0739】
次に、ステップS12では、左リール4aが最初に停止したか否かの判定を行う。
これは、当該ゲームにおいて左リール4aを最初に停止させる停止操作が行われたか否か、すなわち、適正ゲームが行われたか否かの判定であり、適正ゲームが行われた場合は、ステップS13に移行し、適正ゲームが行われていない場合(不適正ゲームが行われた場合)は、本ゲーム数計数処理2を終了する。
すなわち、主制御装置10は、通常遊技状態中におけるゲームの実行に関わる遊技者の操作態様が、予め定められた適正操作態様であるか否かを判定可能な操作態様判定手段を備えるのである。
【0740】
次に、ステップS13では、遊技ゲーム数カウンタBを加算(+1)する処理を行う。
したがって、不適正ゲームが実行された場合には、ステップS10で加算された遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBのうち、遊技ゲーム数カウンタBのみが減算されることとなる。
その後、本ゲーム数計数処理2を終了する。
【0741】
以上のようにゲーム数計数処理が行われることから、通常遊技状態中のゲームが実行された場合に、遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBの双方が加算(+1)されるとともに、当該ゲームが不適正ゲームであった場合には、遊技ゲーム数カウンタBのみが減算(-1)されることとなる。
【0742】
したがって、通常遊技状態中のゲームに対する遊技者の操作態様が、適正操作態様であったか否かが判定されて、適正操作態様であった場合には、遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBの双方が加算(+1)され、適正操作態様でなかった場合には、遊技ゲーム数カウンタAのみが加算(+1)されることとなるのである。
【0743】
そして、ゲーム数計数処理の結果、第1ゲーム回数としての遊技ゲーム数カウンタAの値が、通常遊技状態中の総ゲーム数を示すものとなり、第2ゲーム回数としての遊技ゲーム数カウンタBの値が、適正ゲームの実行回数を示すものとなり、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、判定ゲーム回数としての不適正ゲームの実行回数となるのである。
すなわち、主制御装置10は、所定期間(通常遊技状態)中におけるゲームの実行回数を、第1ゲーム回数として計数可能な第1ゲーム回数計数手段と、上記所定期間中において、操作態様判定手段(主制御装置10)が適正操作態様で実行されたと判定したゲームの実行回数を、第2ゲーム回数として計数可能な第2ゲーム回数計数手段と、上記第1ゲーム回数から上記第2ゲーム回数を減算することで、判定ゲーム回数を算出する判定ゲーム回数算出手段を備えるのである。
【0744】
なお、適正ゲームと不適正ゲームの実行回数を個別に計数できるものであれば、上記とは異なる処理を行うようにしてもよい。
また、適正操作態様および不適正操作態様の判定は、リール4の停止により実行してもよいし、停止ボタン5の入力により実行してもよい。
また、上記所定期間は、通常遊技状態の全部に設定してもよいし、一部に設定してもよい。また、通常区間に滞在中の通常遊技状態も所定期間に設定してもよい。
また、遊技ゲーム数カウンタA、遊技ゲーム数カウンタB、および判定ゲーム回数は、AT状態の移行によりリセットされる。
【0745】
次に、図51は、本第4実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10で行われるペナルティ準備処理としてのAT状態カウンタ初期値設定処理のフローチャートを示している。
AT状態カウンタ初期値設定処理は、後述のペナルティ処理で用いられるAT状態カウンタの初期値を設定する処理であり、AT状態の開始に際して行われる。
【0746】
まず、ステップS14では、AT状態が開始されたか否かの判定を行う。
これは、AT状態の最初のゲームが開始(実行)されたか否か判定であり、AT状態の最初のゲームが開始された場合は、ステップS15に移行し、AT状態の最初のゲームが開始されていない場合は、本AT状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0747】
次に、ステップS15では、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値を、AT状態カウンタの初期値としてセットする処理を行う。
したがって、AT状態開始時に、判定ゲーム回数として、その時点の遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、今回のAT状態におけるAT状態カウンタの初期値としてセットされるのである。
その後、本AT状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0748】
以上のようにAT状態カウンタ初期値設定処理が行われることから、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値、すなわち、判定ゲーム回数としての不適正ゲーム数の実行回数を示す値がAT状態カウンタに初期値としてセットされることとなる。
AT状態カウンタは、詳細は後述するが、AT状態中のペナルティ処理を行うか否かの判定の際に参照されるものであることから、ペナルティ処理の実行に関わる事前処理として、AT状態カウンタの初期値がセット(記憶)されることとなるのである。
すなわち、ゲーム数計数処理およびAT状態カウンタ初期値設定処理は、ペナルティ処理に対するペナルティ準備処理として実行されることとなるのである。
【0749】
そして、通常遊技状態中のゲームにおいて、不適正ゲームが少ないほど、AT状態カウンタの初期値も少なくなり、通常遊技状態中のゲーム全てで適正ゲームが行われた場合には、AT状態カウンタの初期値は0となるのである。
なお、AT状態カウンタは、AT状態の終了時にリセットされる。
【0750】
次に、図52および図53を参照して、ペナルティ処理について説明する。
図52は、本第4実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10で行われるペナルティ処理としての上乗せ抽選処理のフローチャートを示している。
上乗せ抽選処理は、AT状態中のゲームにより、上乗せ契機役に当選した場合に、所定のゲーム数をAT状態の残ゲーム数に加算(上乗せ)するか否か、および加算するゲーム数を決定するための処理である。
【0751】
まず、ステップS16では、AT状態中のゲームが実行されたか否かの判定を行う。
AT状態中のゲームが行われた場合は、ステップS17に移行し、ゲームが行われていない場合は、本上乗せ抽選処理を終了する。
【0752】
次に、ステップS17では、AT状態カウンタを減算(-1)する処理を行う。
したがって、AT状態開始時に初期値がセットされたAT状態カウンタが、AT状態中のゲーム毎に減算されることとなるのである。
その後、ステップS18に移行する。
なお、上記AT状態カウンタを減算する際に、AT状態カウンタが0となっていた場合には、減算を行わないようにしてもよい。
【0753】
次に、ステップS18では、上乗せ契機役に当選したか否かの判定を行う。
これは、AT状態中のゲームにおいて、上乗せ抽選の対象役であるレア役に当選したか否かの判定であり、レア役に当選した場合は、ステップS19に移行し、レア役に当選していない場合は、本上乗せ抽選処理を終了する。
【0754】
次に、ステップS19では、AT状態カウンタは1以上か否かの判定を行う。
AT状態カウンタが1以上の場合は、ステップS20に移行し、1以上でない場合(1未満の場合)は、ステップS21に移行する。
したがって、AT状態中に、AT状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときには、ステップS20に移行し、初期値分のゲームが実行された以降は、ステップS21に移行するのである。
【0755】
そして、ステップS20に移行した場合には、上乗せ抽選テーブル1を用いた上乗せ抽選が行われ、ステップS21に移行した場合には、上乗せ抽選テーブル2を用いた上乗せ抽選が行われることとなる。
その後、本上乗せ抽選処理を終了する。
【0756】
以上のように上乗せ抽選処理が行われることから、AT状態中に、AT状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときに、上乗せ契機役に当選した場合には、上乗せ抽選テーブル1を用いた上乗せ抽選が行われるが、AT状態カウンタの初期値分のゲームが実行されてAT状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が0以下となった以降において、上乗せ契機役に当選した場合には、上乗せ抽選の抽選態様が変更されて、上乗せ抽選テーブル2を用いた上乗せ抽選が行われるのである。
【0757】
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、特別遊技状態(AT状態)中のゲームにおいて、特別遊技状態の継続期間の延長に関わる抽選(上乗せ抽選)における抽選態様を変更制御可能とするのである。
また、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数(0)以下であったことに基づき、所定の特典の付与(ゲーム数の上乗せ)に関わる抽選における抽選態様を、上乗せ抽選テーブル2を用いた抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0758】
したがって、上乗せ抽選の抽選態様が種々変化するものとなり、AT状態中における遊技者の期待感を変化させることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、抽選態様の変更は、上乗せ抽選テーブルを切り替えることにより実行されることから、上乗せ抽選の抽選態様の変更を確実に行うことが可能となるのである。
【0759】
また、前述したように、AT状態カウンタの初期値は、遊技者による通常遊技状態中のゲームでの操作態様に応じて変化するものとなっている。
つまり、通常遊技状態中の遊技者による操作態様に応じて、上乗せ抽選の抽選態様が変更されることとなるのである。
【0760】
すなわち、遊技制御手段としての主制御装置10は、操作態様判定手段(主制御装置10)による判定結果に基づき、特別条件(AT状態の移行条件)の成立後の所定ゲームにおいて、所定の特典の付与(ゲーム数の上乗せ)に関わる抽選における抽選態様を変更制御可能な抽選態様変更制御手段を備えるのである。
なお、AT状態中の各ゲームは、AT状態の移行条件成立後に実行されるゲームであるので、上記特別条件の成立後の所定ゲームは、AT状態中の各ゲームを含むものとなるのである。
【0761】
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、AT状態における上乗せ抽選の抽選態様が変更されることから、より多彩な上乗せ抽選が行われることとなり、興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0762】
また、AT状態カウンタの初期値が少ない場合、すなわち、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)には、不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)よりも、AT状態中における早期に上乗せ抽選テーブル2での上乗せ抽選に変更されることとなり、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が全くなかった場合には、AT状態の開始時から上乗せ抽選テーブル2での上乗せ抽選が行われることとなるのである。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、上乗せ抽選テーブル2での上乗せ抽選が行われる期間が変更されることとなるのである。
【0763】
次に、図53を参照して、AT状態中のゲームにおいて上乗せ契機役に当選した場合の、上乗せ抽選に当選する確率、および上乗せ抽選に当選した際に加算されるゲーム数、すなわち、上記上乗せ抽選処理において切り替えられる、上乗せ抽選テーブル1および上乗せ抽選テーブル2を用いた場合の上乗せ抽選に当選する確率、および上乗せ抽選に当選した際に加算されるゲーム数について説明する。
なお、本第4実施形態のスロットマシン1においては、上記上乗せ契機役を弱レア役と強レア役に設定しているが、その他の役を上乗せ契機役に設定してもよい。
【0764】
まず、図53(a)は、上乗せ抽選テーブル1を用いた上乗せ抽選が行われた際の、各上乗せ契機役に対応する、上乗せ抽選の当選確率および上乗せされるゲーム数を示している。
【0765】
図53(a)に示すように、弱レア役に当選した場合には、40%の確率で、0ゲームが上乗せ、すなわち、上乗せ抽選に非当選となることが決定され、50%の確率で10ゲームが上乗せされることが決定され、10%の確率で20ゲームが上乗せされることが決定される。
また、強レア役に当選した場合には、0%の確率で、0ゲームが上乗せ、すなわち、必ず上乗せ抽選に当選となることが決定され、50%の確率で10ゲームが上乗せされることが決定され、50%の確率で20ゲームが上乗せされることが決定される。
【0766】
次に、図53(b)は、上乗せ抽選テーブル2を用いた上乗せ抽選が行われた際の、各上乗せ契機役に対応する、上乗せ抽選の当選確率および上乗せされるゲーム数を示している。
【0767】
図53(b)に示すように、弱レア役に当選した場合には、20%の確率で、0ゲームが上乗せ、すなわち、上乗せ抽選に非当選となることが決定され、60%の確率で10ゲームが上乗せされることが決定され、20%の確率で20ゲームが上乗せされることが決定される。
また、強レア役に当選した場合には、0%の確率で、0ゲームが上乗せ、すなわち、必ず上乗せ抽選に当選となることが決定され、30%の確率で10ゲームが上乗せされることが決定され、70%の確率で20ゲームが上乗せされることが決定される。
【0768】
以上のように、各上乗せ契機役に当選した場合の上乗せ抽選の当選確率、および上乗せ抽選に当選した場合に上乗せされるゲーム数が決定されることから、上乗せ抽選テーブル1を用いる場合よりも、上乗せ抽選テーブル2を用いる場合の方が、遊技者にとって有利な上乗せ抽選が行われることとなるのである。
【0769】
また、AT状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が、所定数(0)以下であった場合には、遊技者にとって有利な上乗せ抽選が行われることとなるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選(上乗せ抽選)における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
したがって、遊技者にとって有利な上乗せ抽選への変更を確実に行うことが可能となり、当該上乗せ抽選の変更により、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
【0770】
また、AT状態カウンタの初期値が小さい場合、すなわち、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)には、不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)よりも、AT状態におけるより早い時期から上乗せ抽選テーブル2に切り替えられて、遊技者にとって有利な上乗せ抽選が行われることとなるのである。
【0771】
したがって、遊技者に対して、通常遊技状態中のゲームにおいて、適正操作態様によりリール4を停止させることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率を抑制することが可能となるのである。
また、通常遊技状態中のゲームにおいて適正ゲームが実行される割合が高いほど、AT状態中に有利度の高い上乗せ抽選が行われる割合が高くなるので、適正ゲームをより多く実行させた遊技者に対して、上乗せに対する期待感を向上させることが可能となるのである。
【0772】
また、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)には、不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)よりも、AT状態において有利度の低い上乗せ抽選テーブル1を用いた上乗せ抽選が行われる期間が長くなるのである。
すなわち、上乗せ抽選テーブル1による上乗せ抽選が、通常遊技状態中に不適正ゲームを実行したことに対するペナルティ処理として実行されるのである。
したがって、遊技者はペナルティ処理を避けることとなるので、通常遊技状態中において不適正ゲームが実行される頻度を低めることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率が高くなることによる遊技店の不利益を未然に防止することが可能となるのである。
【0773】
また、ペナルティ処理は、不適正ゲームが実行された直後に実行されるのではなく、所定期間経過後に実行されることとなるので、比較的長期間、不適正ゲームの実行態様を監視することが可能となるのである。
また、ペナルティ処理は、遊技者にとって極めて重要なAT状態中に実行されるので、よりペナルティ効果が高くなり、通常遊技状態中における不適正ゲームの実行をより防止することが可能となるのである。
【0774】
また、主制御装置10は、AT状態中において、ゲーム毎にAT状態カウンタを減算(-1)することでAT状態カウンタを更新して、AT状態カウンタの値が所定数以下となった場合に、上乗せ抽選テーブル1を用いた上乗せ抽選から、上乗せ抽選テーブル2を用いた上乗せ抽選に変更するのである。
すなわち、判定ゲーム回数算出手段としての主制御装置10は、特別条件の成立後(AT状態中)において実行されたゲームの実行回数を、判定ゲーム回数から減算することで、当該判定ゲーム回数を更新可能とするのである。
また、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、上記更新された判定ゲーム回数が所定回数(0)以下となったことに基づき、所定の特典の付与(ゲーム数の上乗せ)に関わる抽選における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0775】
したがって、ペナルティ処理から非ペナルティ処理の切り替えを確実に実行することが可能となるのである。
また、AT状態カウンタが0となった以降は、相対的に有利度の高い上乗せ抽選が行われることとなるので、ペナルティ処理がAT状態の当初に実行された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。特に、誤操作によりペナルティ処理が実行された場合でも、遊技者に不満感を与えることを極力防止することが可能となるのである。
【0776】
なお、不適正ゲームが実行された場合に、例えば、メイン表示器8において、その後のAT状態でペナルティ処理が実行される旨を事前に報知するようにしてもよいし、ペナルティ処理が実行される旨をAT状態が発生するまで継続して報知するようにしてもよい。
また、ペナルティ処理が実行されている間において、例えば、メイン表示器8にペナルティ処理が実行されている旨や、ペナルティ処理が終了するまでの残りゲーム数を報知するようにしてもよい。
また、遊技者による誤操作で不適正ゲームが実行されることも少なくないので、不適正操作態様が所定回数以下の場合には、当該情報を無効にしてペナルティ処理に影響させないようにしてもよい。
以上のように、ペナルティ準備処理およびペナルティ処理が実行される。
【0777】
〔第4実施形態の変形例1〕
次に、図54図56を参照して、本第4実施形態の変形例1について説明する。
【0778】
前述した第4実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態中のゲーム毎にAT状態の移行抽選処理が実行されてAT状態に移行させるか否かを決定するようにしているが、本第4実施形態の変形例1においては、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理を変更可能にしている。
そして、第4実施形態の変形例1では、前述のAT状態中のペナルティ処理に加えて、疑似ボーナス状態中にもペナルティ処理を実行可能とし、上記疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理の変更を、ペナルティ処理の実行に関連して行うようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態中においてAT状態の移行抽選処理を変更する点以外は、前述の第4実施形態と同様であるので、以下第4実施形態と異なる点のみ説明する。
【0779】
まず、図54を参照して、本第4実施形態の変形例1におけるペナルティ準備処理について説明する。
本第4実施形態の変形例1においては、前述の第4実施形態と同様に、主制御装置10によりペナルティ準備処理としてのゲーム数計数処理(図50参照)が実行されて、遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBが導出される。
【0780】
また、本第4実施形態の変形例1においては、疑似ボーナス状態の移行に際して、ペナルティ準備処理として、上記遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBに基づき疑似ボーナス状態カウンタを設定する処理が実行される。
そして、この疑似ボーナス状態カウンタに基づき、詳細は後述するが、ペナルティ処理に関わる制御として、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理を変更するようにしている。
【0781】
図54は、本第4実施形態の変形例1における、主制御装置10で行われるペナルティ準備処理としての疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理のフローチャートを示している。
疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理は、後述のペナルティ処理で用いられる疑似ボーナス状態カウンタの初期値を設定する処理であり、疑似ボーナス状態の開始に際して行われる。
【0782】
まず、ステップS22では、疑似ボーナス状態が開始されたか否かの判定を行う。
これは、疑似ボーナス状態の最初のゲームが開始(実行)されたか否かの判定であり、疑似ボーナス状態の最初のゲームが開始された場合は、ステップS23に移行し、疑似ボーナス状態の最初のゲームが開始されていない場合は、本疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0783】
次に、ステップS23では、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値を、疑似ボーナス状態カウンタの初期値としてセットする処理を行う。
したがって、疑似ボーナス状態開始時に、その時点の遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、今回の疑似ボーナス状態における疑似ボーナス状態カウンタの初期値としてセットされるのである。
【0784】
すなわち、AT状態中においては、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、AT状態中のペナルティ処理に関わる判定ゲーム回数である、AT状態カウンタの初期値としてセットされるのに対して、疑似ボーナス状態中においては、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、疑似ボーナス状態中のペナルティ処理に関わる判定ゲーム回数である、疑似ボーナス状態カウンタの初期値としてセットされることとなるのである。
したがって、主制御装置10は、第1ゲーム回数(遊技ゲーム数カウンタAの値)から第2ゲーム回数(遊技ゲーム数カウンタBの値)を減算することで、疑似ボーナス状態中における判定ゲーム回数を算出する判定ゲーム回数算出手段を構成するのである。
その後、本疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0785】
以上のように疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理が行われることから、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値、すなわち、不適正ゲーム数の実行回数を示す値が疑似ボーナス状態カウンタの初期値としてセットされることとなる。
疑似ボーナス状態カウンタは、詳細は後述するが、疑似ボーナス状態中のペナルティ処理を行うか否かの判定の際に参照されるものであり、ペナルティ処理の実行に関わる事前処理として、疑似ボーナス状態カウンタの初期値がセット(記憶)されることとなるのである。
すなわち、前述のゲーム数計数処理、および疑似ボーナス状態カウンタ初期値設定処理は、ペナルティ処理に対するペナルティ準備処理として実行されることとなるのである。
【0786】
そして、通常遊技状態中のゲームにおいて、不適正ゲームが少ないほど、疑似ボーナス状態カウンタの初期値も少なくなり、通常遊技状態中のゲーム全てで適正ゲームが行われた場合には、疑似ボーナス状態カウンタの初期値は0となるのである。
なお、疑似ボーナス状態カウンタは、AT状態の終了時にリセットされる。
【0787】
次に、図55および図56を参照して、本第4実施形態の変形例1におけるペナルティ処理について説明する。
図55は、本第4実施形態の変形例1における、主制御装置10で行われるペナルティ処理としてのAT状態移行抽選処理のフローチャートを示している。
AT状態移行抽選処理は、疑似ボーナス状態中のゲームの実行毎に行われる処理であり、AT状態に移行させるか否かを決定するための処理である。
【0788】
まず、ステップS24では、疑似ボーナス状態中のゲームが実行されたか否かの判定を行う。
疑似ボーナス状態中のゲームが行われた場合は、ステップS25に移行し、ゲームが行われていない場合は、本AT状態移行抽選処理を終了する。
【0789】
次に、ステップS25では、疑似ボーナス状態カウンタを減算(-1)する処理を行う。
したがって、疑似ボーナス状態開始時に初期値がセットされた疑似ボーナス状態カウンタが、疑似ボーナス状態中のゲーム毎に減算されることとなるのである。
その後、ステップS26に移行する。
なお、上記疑似ボーナス状態カウンタを減算する際に、疑似ボーナス状態カウンタが0となっていた場合には、減算を行わないようにしてもよい。
【0790】
次に、ステップS26では、AT状態の移行抽選契機役に当選したか否かの判定を行う。
本第4実施形態の変形例1においては、AT状態の移行抽選契機役を全ての役に設定しているので、何れかの役に当選した場合には、ステップS27に移行し、何れの役にも当選していない場合には、本AT状態移行抽選処理を終了する。
【0791】
次に、ステップS27では、疑似ボーナス状態カウンタは1以上か否かの判定を行う。
疑似ボーナス状態カウンタが1以上の場合は、ステップS28に移行し、1以上でない場合(1未満の場合)は、ステップS29に移行する。
したがって、疑似ボーナス状態中に、疑似ボーナス状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときには、ステップS28に移行し、初期値分のゲームが実行された以降は、ステップS29に移行するのである。
【0792】
そして、ステップS28に移行した場合には、AT状態移行抽選テーブル1を用いたAT状態の移行抽選処理が行われ、ステップS29に移行した場合には、AT状態移行抽選テーブル2を用いたAT状態の移行抽選処理が行われることとなる。
その後、本AT状態移行抽選処理を終了する。
【0793】
以上のように、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてAT状態移行抽選が行われることから、疑似ボーナス状態中に、疑似ボーナス状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときには、AT状態移行抽選テーブル1を用いたAT状態の移行抽選処理が行われるが、疑似ボーナス状態カウンタの初期値分のゲームが実行されて疑似ボーナス状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が0以下となった以降においては、AT状態移行抽選の抽選態様が変更されて、AT状態移行抽選テーブル2を用いたAT状態の移行抽選処理が行われるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数(0)以下であったことに基づき、所定の特典の付与(AT状態の移行権利の付与)に関わる抽選における抽選態様を、AT状態移行抽選テーブル2を用いた抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0794】
また、前述したように、疑似ボーナス状態カウンタの初期値は、遊技者による通常遊技状態中のゲームでの操作態様に応じて変化するものとなっている。
つまり、通常遊技状態中の遊技者による操作態様に応じて、AT状態移行抽選の抽選態様が変更されることとなるのである。
【0795】
すなわち、例えば、特別遊技状態を疑似ボーナス状態として、特別条件を疑似ボーナス状態の移行条件とした場合には、遊技制御手段としての主制御装置10は、操作態様判定手段(主制御装置10)による判定結果に基づき、特別条件(疑似ボーナス状態の移行条件)の成立後の所定ゲームにおいて、所定の特典の付与(AT状態の移行権利の付与)に関わる抽選における抽選態様を変更制御可能な抽選態様変更制御手段を備えるのである。
なお、疑似ボーナス状態中の各ゲームは、疑似ボーナス状態の移行条件成立後に実行されるゲームであるので、上記特別条件の成立後の所定ゲームは、疑似ボーナス状態中の各ゲームを含むものとなっている。
【0796】
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、疑似ボーナス状態中におけるAT状態移行抽選の抽選態様が変更されることから、より多彩なAT状態移行抽選が行われることとなり、興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0797】
また、疑似ボーナス状態カウンタの初期値が少ない場合、すなわち、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)には、不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)よりも、疑似ボーナス状態中における早期にAT状態移行抽選テーブル2でのAT状態移行抽選に変更されることとなり、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が全くなかった場合には、疑似ボーナス状態の開始時からAT状態移行抽選テーブル2でのAT状態移行抽選が行われることとなるのである。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、AT状態移行抽選テーブル2でのAT状態移行抽選が行われる期間が変更されることとなるのである。
【0798】
次に、図56を参照して、疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選契機役に当選した場合のAT状態移行抽選に当選、すなわち、上記AT状態移行抽選処理において切り替えられる、AT状態移行抽選テーブル1およびAT状態移行抽選テーブル2を用いた場合のAT状態移行抽選に当選する確率について説明する。
なお、本第4実施形態のスロットマシン1においては、上記AT状態の移行抽選契機役を全ての役に設定しているが、その他の役を移行抽選契機役に設定してもよく、例えば、レア役を移行抽選契機役に設定してもよい。
【0799】
まず、図56(a)は、AT状態移行抽選テーブル1を用いたAT状態移行抽選が行われた際の、AT状態移行抽選の当選確率(および非当選確率)を示している。
【0800】
図56(a)に示すように、レア役以外の役(ベル役やリプレイ役)に当選した場合には、99%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、1%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
また、弱レア役に当選した場合には、90%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、10%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
また、強レア役に当選した場合には、75%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、25%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
【0801】
次に、図56(b)は、AT状態移行抽選テーブル2を用いたAT状態移行抽選が行われた際の、AT状態移行抽選の当選確率(および非当選確率)を示している。
【0802】
図56(b)に示すように、レア役以外の役(ベル役やリプレイ役)に当選した場合には、98%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、2%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
また、弱レア役に当選した場合には、80%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、20%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
また、強レア役に当選した場合には、50%の確率でAT状態移行抽選に非当選となり、50%の確率でAT状態移行抽選に当選となるようにAT状態移行抽選が行われる。
【0803】
以上のように、疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態移行抽選が行われることから、AT状態移行抽選テーブル1を用いる場合よりも、AT状態移行抽選テーブル2を用いる場合の方が、遊技者にとって有利なAT状態移行抽選が行われることとなるのである。
【0804】
また、疑似ボーナス状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が、所定数(0)以下であった場合には、遊技者にとって有利なAT状態移行抽選が行われることとなるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選(AT状態移行抽選)における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
したがって、遊技者にとって有利なAT状態移行抽選への変更を確実に行うことが可能となり、当該AT状態移行抽選の変更により、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
【0805】
また、疑似ボーナス状態カウンタの初期値が小さい場合、すなわち、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)には、不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)よりも、疑似ボーナス状態におけるより早い時期からAT状態移行抽選テーブル2に切り替えられて、遊技者にとって有利なAT状態移行抽選が行われることとなるのである。
【0806】
したがって、遊技者に対して、通常遊技状態中のゲームにおいて、適正操作態様によりリール4を停止させることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率を抑制することが可能となるのである。
また、通常遊技状態中のゲームにおいて適正ゲームが実行される割合が高いほど、疑似ボーナス状態中に有利度の高いAT状態移行抽選が行われる割合が高くなるので、適正ゲームをより多く実行させた遊技者に対して、AT状態の移行に対する期待感を向上させることが可能となるのである。
【0807】
また、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)には、不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)よりも、疑似ボーナス状態において有利度の低いAT状態移行抽選テーブル1を用いたAT状態移行抽選が行われる期間が長くなるのである。
すなわち、AT状態移行抽選テーブル1によるAT状態移行抽選が、通常遊技状態中に不適正ゲームを実行したことに対するペナルティ処理として実行されるのである。
したがって、遊技者はペナルティ処理を避けることとなるので、通常遊技状態中において不適正ゲームが実行される頻度を低めることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率が高くなることによる遊技店の不利益を未然に防止することが可能となるのである。
【0808】
また、ペナルティ処理は、不適正ゲームが実行された直後に実行されるのではなく、所定期間経過後に実行されることとなるので、比較的長期間、不適正ゲームの実行態様を監視することが可能となる。
また、ペナルティ処理は、遊技者にとって極めて重要なAT状態の移行に関わるように実行されるので、よりペナルティ効果が高くなり、通常遊技状態中における不適正ゲームの実行をより防止することが可能となるのである。
【0809】
また、主制御装置10は、疑似ボーナス状態中において、ゲーム毎に疑似ボーナス状態カウンタを減算(-1)することで疑似ボーナス状態カウンタを更新して、疑似ボーナス状態カウンタの値が所定数(0)以下となった場合に、AT状態移行抽選テーブル1を用いたAT状態移行抽選から、AT状態移行抽選テーブル2を用いたAT状態移行抽選に変更するのである。
すなわち、判定ゲーム回数算出手段としての主制御装置10は、特別条件の成立後(疑似ボーナス状態中)において実行されたゲームの実行回数を、判定ゲーム回数から減算することで、当該判定ゲーム回数を更新可能とするのである。
また、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、上記更新された判定ゲーム回数が所定回数(0)以下となったことに基づき、所定の特典の付与(AT状態の移行権利の付与)に関わる抽選における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0810】
したがって、疑似ボーナス状態中におけるペナルティ処理から非ペナルティ処理の切り替えを確実に実行することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態カウンタが0となった以降は、相対的に有利度の高いAT状態移行抽選が行われることとなるので、ペナルティ処理が疑似ボーナス状態の当初に実行された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。特に、誤操作によりペナルティ処理が実行された場合でも、遊技者に不満感を与えることを極力防止することが可能となるのである。
【0811】
なお、不適正ゲームが実行された場合に、例えば、メイン表示器8において、その後の疑似ボーナス状態でペナルティ処理が実行される旨を事前に報知するようにしてもよいし、ペナルティ処理が実行される旨を疑似ボーナス状態が発生するまで継続して報知するようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態の変形例1が実現される。
【0812】
〔第4実施形態の変形例2〕
次に、図57図62を参照して、本第4実施形態の変形例2について説明する。
【0813】
前述した第4実施形態のスロットマシン1においては、AT状態の移行権利が付与された場合に、通常遊技状態からAT状態、あるいは疑似ボーナス状態からAT状態というような遊技状態の移行制御が行われるが、本第4実施形態の変形例2においては、AT状態の移行権利が付与された場合に、AT状態に移行させる前の所定期間、準備遊技状態としてのAT準備状態に移行させるようにしている。
【0814】
AT準備状態は、実行期間(継続期間)が変化するものとなっていて、当該AT準備状態中は、押し順ナビが行われないものとなっている。
したがって、AT準備状態の実行期間が長くなるほど、遊技者の保有するメダルの量が減少して遊技者にとって不利となるのである。
すなわち、遊技制御手段としての主制御装置10は、特別遊技状態(AT状態)の発生前の遊技状態を、所定期間遊技者にとって不利な準備遊技状態(AT準備状態)に制御可能な準備遊技状態制御手段を備えるのである。
【0815】
また、第4実施形態の変形例2においても、主制御装置10は、遊技者による不適正操作態様の実行に関連したペナルティ処理を行うようにしているが、上記AT準備状態の実行期間を利用してペナルティ処理を行うようにしている。
したがって、ペナルティ処理の実行態様を変更する点以外は、前述の第4実施形態と同様であるので、以下第4実施形態と異なる点のみ説明する。
【0816】
まず、図57を参照して、本第4実施形態の変形例2における遊技状態の移行制御について説明する。
図57に示すように、AT状態の移行権利が付与された後において、主制御装置10は、AT状態に移行させる前に、AT準備状態に移行させるようにしている。
なお、AT準備状態への移行時期は、疑似ボーナス状態中にAT状態の移行権利が付与された場合は、疑似ボーナス状態終了時に設定され、通常遊技状態中にAT状態の移行権利が付与された場合は、本前兆演出の終了時に設定される。
【0817】
AT準備状態は、当該AT準備状態中において押し順ベル役に当選した場合でも、押し順ナビが実行されないものとなっている。
したがって、AT準備状態中は、通常遊技状態中と同様にメダルが増減するものとなるのである。
また、AT準備状態の実行期間(継続期間)は、初期ゲーム数として0~50ゲームの何れかが決定されて、この初期ゲーム数がAT準備状態の継続期間を規定する残ゲーム数に設定されて、その分AT準備状態が継続するものとなっている。
また、詳細は後述するが、AT準備状態中のゲームにおいては、残ゲーム数を短縮する抽選が実行されてAT準備状態の継続期間が短縮されるものとなっている。
したがって、AT準備状態は最大で50ゲーム間継続するものとなるのである。
【0818】
また、第4実施形態の変形例2におけるAT状態は、初期ゲーム数として30ゲームあるいは50ゲームが設定され、所定条件の成立に応じて何れかの初期ゲーム数が選択されるものとなっている点以外は、前述の第1実施形態と同様となっている。
したがって、AT状態中は、押し順ベル役に当選した場合に押し順ナビが実行され、メダルの払出枚数が増加可能となるのである。
【0819】
また、AT状態における最初のゲームでは、報知疑似遊技が実行され、特定の図柄組合せ(例えば、「7・7・7」)が仮停止したあとにAT状態におけるゲームが開始されることとなる。
なお、AT準備状態の最終ゲームで、遊技者の操作により特定の図柄組合せを停止させることにより、AT状態への移行を報知するようにしてもよい。
【0820】
次に、図58を参照して、本第4実施形態の変形例2におけるペナルティ準備処理について説明する。
本第4実施形態の変形例2においては、前述の第4実施形態と同様に、主制御装置10によりペナルティ準備処理としてのゲーム数計数処理(図50参照)が実行されて、遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBが導出される。
【0821】
また、本第4実施形態の変形例2においては、AT準備状態の移行に際して、上記遊技ゲーム数カウンタAおよび遊技ゲーム数カウンタBに基づきAT準備状態カウンタを設定する処理が、上記ゲーム数計数処理に加えてペナルティ準備処理として実行される。
そして、詳細は後述するが、このAT準備状態カウンタに基づき、AT準備状態の初期ゲーム数の決定や、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選処理等のペナルティ処理に関わる制御を行うようにしている。
【0822】
図58は、本第4実施形態の変形例2における、主制御装置10で行われるペナルティ準備処理としてのAT準備状態カウンタ初期値設定処理のフローチャートを示している。
AT準備状態カウンタ初期値設定処理は、後述のペナルティ処理で用いられるAT準備状態カウンタの初期値を設定する処理であり、AT準備状態の開始時に行われる。
【0823】
まず、ステップS30では、AT準備状態が開始されたか否かの判定を行う。
これは、AT準備状態の最初のゲームが開始(実行)されたか否か判定であり、AT準備状態の最初のゲームが開始された場合は、ステップS31に移行し、AT準備状態の最初のゲームが開始されていない場合は、本AT準備状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0824】
次に、ステップS31では、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値を、AT準備状態カウンタの初期値としてセットする処理を行う。
したがって、AT準備状態開始時に、その時点の遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、今回のAT準備状態におけるAT準備状態カウンタの初期値としてセットされるのである。
【0825】
すなわち、前述の第4実施形態においては、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、AT状態中のペナルティ処理に関わる判定ゲーム回数である、AT状態カウンタの初期値としてセットされるのに対して、本第4実施形態の変形例2においては、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値が、AT準備状態中のペナルティ処理に関わる判定ゲーム回数である、AT準備状態カウンタの初期値としてセットされることとなるのである。
したがって、第4実施形態の変形例2における主制御装置10は、第1ゲーム回数(遊技ゲーム数カウンタAの値)から第2ゲーム回数(遊技ゲーム数カウンタBの値)を減算することで、AT準備状態中における判定ゲーム回数を算出する判定ゲーム回数算出手段を構成するのである。
その後、本AT準備状態カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0826】
以上のようにAT準備状態カウンタ初期値設定処理が行われることから、遊技ゲーム数カウンタAから遊技ゲーム数カウンタBを減算した値、すなわち、不適正ゲーム数の実行回数を示す値がAT準備状態カウンタの初期値としてセットされることとなる。
AT準備状態カウンタは、詳細は後述するが、AT準備状態中のペナルティ処理を行うか否かの判定の際に参照されるものであり、ペナルティ処理の実行に関わる事前処理として、AT準備状態カウンタの初期値がセット(記憶)されることとなるのである。
すなわち、前述のゲーム数計数処理、およびAT準備状態カウンタ初期値設定処理は、ペナルティ処理に対するペナルティ準備処理として実行されることとなるのである。
【0827】
そして、通常遊技状態中のゲームにおいて、不適正ゲームが少ないほど、AT準備状態カウンタの初期値も少なくなり、通常遊技状態中のゲーム全てで適正ゲームが行われた場合には、AT準備状態カウンタの初期値は0となるのである。
なお、AT準備状態カウンタは、AT状態の終了時にリセットされる。
【0828】
次に、図59図62を参照して、本第4実施形態の変形例2におけるペナルティ処理について説明する。
なお、本第4実施形態の変形例2におけるペナルティ処理は、図59および図60に示すAT準備状態における初期ゲーム数の抽選時、および図61および図62に示すAT準備状態における残ゲーム数の短縮抽選時の双方で実行される。
【0829】
まず、図59および図60を参照して、AT準備状態における初期ゲーム数の抽選時に行われるペナルティ処理について説明する。
図59は、本第4実施形態の変形例2における、主制御装置10で行われるペナルティ処理としてのAT準備状態初期ゲーム数設定処理のフローチャートを示している。
AT準備状態初期ゲーム数設定処理は、AT準備状態の開始時、すなわち、前述のAT準備状態カウンタ初期値設定処理に引き続いて行われる。
【0830】
まず、ステップS32では、AT準備状態カウンタによる分岐処理を行う。
これは、前述のAT準備状態カウンタ初期値設定処理において設定されたAT準備状態カウンタの値を判定し、その判定結果に応じて分岐先を決定するもので、AT準備状態カウンタの値が20以上の場合は、ステップS33に移行し、1~19の場合は、ステップS34に移行し、0以下の場合は、ステップS35に移行する。
したがって、AT準備状態カウンタの初期値に応じて、分岐先が変更されることとなるのである。
【0831】
そして、ステップS33に移行した場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1を用いた初期ゲーム数の決定処理が行われ、ステップS34に移行した場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル2を用いた初期ゲーム数の決定処理が行われ、ステップS35に移行した場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いた初期ゲーム数の決定処理が行われることとなる。
その後、本AT準備状態初期ゲーム数設定処理を終了する。
【0832】
以上のように、AT準備状態の開始時において、準備遊技状態としてのAT準備状態の初期ゲーム数の決定に関わる処理が行われることから、AT準備状態カウンタの初期値に応じて、AT準備状態の初期継続期間である初期ゲーム数を決定するための抽選態様が変更されることとなるのである。
そして、AT準備状態の初期ゲーム数の決定により、AT準備状態の継続期間が決定されることとなるのである。
【0833】
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、準備遊技状態(AT準備状態)における継続期間の決定に関わる抽選における抽選態様を変更制御可能とするのである。
したがって、AT準備状態の継続期間が種々変化するものとなり、遊技者の期待感が変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0834】
また、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、準備遊技状態(AT準備状態)における初期継続期間(初期ゲーム数)の決定に関わる初期継続期間抽選における抽選態様を変更制御可能とするのである。
したがって、AT準備状態の継続期間を確実に変化させることが可能となるのである。
【0835】
また、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が1以上の場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル2(あるいは、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1)を用いた初期ゲーム数の抽選が行われるが、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が0以下の場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いた初期ゲーム数の抽選が行われるのである。
また、AT準備状態の継続期間の変化に応じて、遊技者の利益量が変化することとなるので、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選は、特典の付与に関わる抽選となるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数(0)以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選における抽選態様を、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いた抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0836】
また、前述したように、AT準備状態カウンタの初期値は、遊技者による通常遊技状態中のゲームでの操作態様に応じて変化するものとなっている。
つまり、通常遊技状態中の遊技者による操作態様に応じて、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選における抽選態様が変更されることとなるのである。
【0837】
すなわち、例えば、特別遊技状態にAT準備状態を含ませた場合には、遊技制御手段としての主制御装置10は、操作態様判定手段(主制御装置10)による判定結果に基づき、特別条件(AT状態の移行条件)の成立後の所定ゲームにおいて、所定の特典の付与に関わる抽選における抽選態様を変更制御可能な抽選態様変更制御手段を備えるのである。
なお、AT準備状態の最初のゲームは、AT状態の移行条件成立後に実行されるゲームであるので、上記特別条件の成立後の所定ゲームは、AT準備状態の最初のゲームを含むものとなっている。
【0838】
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選における抽選態様が変更されることから、より多彩な初期ゲーム数が設定されることとなり、興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
なお、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選を、AT準備状態の開始時に行うようにしているが、AT準備状態の開始以前であれば何れの時期に行うようにしてもよく、例えば、AT状態の移行権利が付与された時点で行うようにしてもよい。
【0839】
次に、図60を参照して、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選、すなわち、上記AT準備状態初期ゲーム数設定処理において切り替えられる、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1~3を用いた場合のAT準備状態の初期ゲーム数の抽選において、各初期ゲーム数の選択確率について説明する。
【0840】
まず、図60(a)は、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1を用いてAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われた際の、各初期ゲーム数の選択確率を示している。
図60(a)に示すように、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1を用いた場合には、25%の確率で50ゲームが選択され、75%の確率で40ゲームが選択され、0%の確率で30ゲームが選択され、0%の確率で0ゲームが選択されるように、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われる。
なお、上記選択肢の0ゲームは、AT準備状態が行われないことを示している。
【0841】
次に、図60(b)は、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル2を用いてAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われた際の、各初期ゲーム数の選択確率を示している。
図60(b)に示すように、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル2を用いた場合には、0%の確率で50ゲームが選択され、0%の確率で40ゲームが選択され、75%の確率で30ゲームが選択され、25%の確率で0ゲームが選択されるように、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われる。
【0842】
次に、図60(c)は、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いてAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われた際の、各初期ゲーム数の選択確率を示している。
図60(c)に示すように、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いた場合には、0%の確率で50ゲームが選択され、0%の確率で40ゲームが選択され、50%の確率で30ゲームが選択され、50%の確率で0ゲームが選択されるように、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われる。
そして、決定された各初期ゲーム数分、AT準備状態が継続することとなるのである。
【0843】
以上のように、AT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われることから、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1→2→3の順に、少ない初期ゲーム数が設定される確率が高くなるのである。
前述したように、AT準備状態中は、押し順ナビが行われないので、AT準備状態が長く継続するほど、遊技者にとって不利となることから、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1→2→3の順に、遊技者にとって有利なAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われることとなるのである。
【0844】
また、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が、所定数(0)以下であった場合には、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いた遊技者にとって有利なAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われることとなるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選(AT準備状態の初期ゲーム数の抽選)における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
したがって、遊技者にとって有利なAT準備状態の初期ゲーム数の抽選への変更を確実に行うことが可能となり、当該初期ゲーム数の抽選の変更により、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
【0845】
また、AT準備状態カウンタの値は、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない(不適正ゲームが少ない)ほど小さくなるので、遊技者に対して、通常遊技状態中のゲームにおいて、適正操作態様によりリール4を停止させることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率を抑制することが可能となるのである。
また、通常遊技状態中のゲームにおいて適正ゲームが実行される割合が高いほど、有利度の高いAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われる確率が高くなるので、適正ゲームをより多く実行させた遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
特に、初期ゲーム数が0に決定された場合には、AT準備状態の実行が無効、すなわち、AT準備状態の移行無しでAT状態に移行することとなり、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0846】
また、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)には、不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)よりも、AT準備状態が長く継続する確率が高くなるのである。
すなわち、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル1(あるいは、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル2)を用いたAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が、通常遊技状態中に不適正ゲームを実行したことに対するペナルティ処理として実行されるのである。
したがって、遊技者はペナルティ処理を避けることとなるので、通常遊技状態中において不適正ゲームが実行される頻度を低めることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率が高くなることによる遊技店の不利益を未然に防止することが可能となるのである。
【0847】
また、ペナルティ処理は、不適正ゲームが実行された直後に実行されるのではなく、所定期間経過後に実行されることとなるので、比較的長期間、不適正ゲームの実行態様を監視することが可能となる。
また、ペナルティ処理は、遊技者にとって極めて重要なAT状態の移行直前に実行されるので、よりペナルティ効果が高くなり、通常遊技状態中における不適正ゲームの実行をより防止することが可能となるのである。
【0848】
なお、通常遊技状態において、不適正操作態様が行われなかった場合、すなわち、AT準備状態ゲーム数抽選テーブル3を用いたAT準備状態の初期ゲーム数の抽選が行われた場合には、必ず初期ゲーム数を0としてもよい。
【0849】
次に、図61および図62を参照して、AT準備状態における残ゲーム数の短縮抽選時に行われるペナルティ処理について説明する。
図61は、本第4実施形態の変形例2における、主制御装置10で行われるペナルティ処理としてのAT準備状態の残ゲーム数短縮抽選処理のフローチャートを示している。
残ゲーム数短縮抽選処理は、AT準備状態中のゲーム毎に行われる。
【0850】
前述したように、AT準備状態初期ゲーム数設定処理において、AT準備状態の初期ゲーム数が決定されるが、主制御装置10では、AT準備状態の開始時に、この初期ゲーム数をAT準備状態の残ゲーム数として記憶し、AT準備状態のゲーム毎に残ゲーム数を減算(-1)して、残ゲーム数が0となるまでAT準備状態を継続するようにしている。
【0851】
また、主制御装置10は、AT準備状態中にゲームにおいて、上記残ゲーム数を減少させる短縮抽選を行うようにしている。
したがって、上記残ゲーム数の短縮抽選に当選した場合には、当初は初期ゲーム数分、AT準備状態が継続するところを、短縮された残ゲーム数分だけAT準備状態の継続期間が短くなるのである。
そして、本第4実施形態の変形例2においては、上記AT準備状態中における残ゲーム数の短縮抽選の抽選態様を、AT準備状態カウンタの値に応じて変更するようにしている。
【0852】
図61は、本第4実施形態の変形例2における、主制御装置10で行われるペナルティ処理としての残ゲーム数短縮抽選処理のフローチャートを示している。
残ゲーム数短縮抽選処理は、AT準備状態中のゲームの実行毎に行われる処理であり、AT準備状態の残ゲーム数を短縮(減少)させる際の短縮ゲーム数を決定するための処理である。
【0853】
まず、ステップS36では、AT準備状態中のゲームが実行されたか否かの判定を行う。
AT準備状態中のゲームが行われた場合は、ステップS37に移行し、ゲームが行われていない場合は、本残ゲーム数短縮抽選処理を終了する。
【0854】
次に、ステップS37では、AT準備状態カウンタを減算(-1)する処理を行う。
したがって、AT準備状態開始時に初期値がセットされたAT準備状態カウンタが、AT準備状態中のゲーム毎に減算されることとなるのである。
その後、ステップS38に移行する。
なお、上記AT準備状態カウンタを減算する際に、AT準備状態カウンタが0となっていた場合には、減算を行わないようにしてもよい。
【0855】
次に、ステップS38では、AT準備状態カウンタは1以上か否かの判定を行う。
AT準備状態カウンタが1以上の場合は、ステップS39に移行し、1以上でない場合(1未満の場合)は、ステップS40に移行する。
したがって、AT準備状態中に、AT準備状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときには、ステップS39に移行し、初期値分のゲームが実行された以降は、ステップS40に移行するのである。
【0856】
そして、ステップS39に移行した場合には、短縮抽選テーブル1を用いたAT準備状態の残ゲーム数に対する残ゲーム数短縮抽選処理が行われ、ステップS40に移行した場合には、短縮抽選テーブル2を用いた残ゲーム数短縮抽選処理が行われることとなる。
その後、本残ゲーム数短縮抽選処理を終了する。
【0857】
以上のように、AT準備状態中のゲームにおいて残ゲーム数短縮抽選処理が行われることから、AT準備状態中に、AT準備状態カウンタの初期値分のゲームが未だ実行されていないときには、短縮抽選テーブル1を用いた残ゲーム数短縮抽選処理が行われるが、AT準備状態カウンタの初期値分のゲームが実行されて、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が0以下となった以降においては、残ゲーム数短縮抽選処理の抽選態様が変更されて、短縮抽選テーブル2を用いた残ゲーム数短縮抽選処理が行われるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、準備遊技状態(AT準備状態)中の所定ゲームにおいて、準備遊技状態の継続期間を短縮するための短縮抽選における抽選態様を変更制御可能とするのである。
【0858】
また、上記のように、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が1以上の場合には、短縮抽選テーブル1を用いた残ゲーム数の短縮抽選が行われ、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が1以上でない場合には、短縮抽選テーブル2を用いた残ゲーム数の短縮抽選が行われるが、その結果、AT準備状態の継続期間の短縮に応じて、遊技者の利益量が変化することとなるので、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選は、特典の付与に関わる抽選となるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数(0)以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選における抽選態様を、短縮抽選テーブル2を用いた抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0859】
また、前述したように、AT準備状態カウンタの初期値は、遊技者による通常遊技状態中のゲームでの操作態様に応じて変化するものとなっている。
つまり、通常遊技状態中の遊技者による操作態様に応じて、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選における抽選態様が変更されることとなるのである。
【0860】
すなわち、例えば、特別遊技状態にAT準備状態を含ませた場合には、遊技制御手段としての主制御装置10は、操作態様判定手段(主制御装置10)による判定結果に基づき、特別条件(AT状態の移行条件)の成立後の所定ゲームにおいて、所定の特典の付与に関わる抽選における抽選態様を変更制御可能な抽選態様変更制御手段を備えるのである。
なお、AT準備状態中のゲームは、AT状態の移行条件成立後に実行されるゲームであるので、上記特別条件の成立後の所定ゲームは、AT準備状態中のゲームを含むものとなっている。
【0861】
したがって、通常遊技状態中のゲームにおける遊技者の操作態様に応じて、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選における抽選態様が変更されることから、AT準備状態の継続期間が種々変化するものとなり、興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0862】
次に、図62を参照して、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選、すなわち、上記残ゲーム数短縮抽選処理(図61参照)において切り替えられる、短縮抽選テーブル1および短縮抽選テーブル2を用いた場合の短縮ゲーム数(残ゲーム数から減算される値)の選択確率について説明する。
【0863】
まず、図62(a)は、短縮抽選テーブル1を用いてAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われた際の、各短縮ゲーム数の選択確率を示している。
図62(a)に示すように、短縮抽選テーブル1を用いた場合には、0%の確率で残ゲーム数が5ゲーム分短縮(-5G)されることが選択され、25%の確率で残ゲーム数が3ゲーム分短縮(-3G)されることが選択され、75%の確率で残ゲーム数が1ゲーム分短縮(-1G)されることが選択されるように、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われる。
【0864】
次に、図62(b)は、短縮抽選テーブル2を用いてAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われた際の、各短縮ゲーム数の選択確率を示している。
図62(b)に示すように、短縮抽選テーブル2を用いた場合には、75%の確率で残ゲーム数が5ゲーム分短縮(-5G)されることが選択され、25%の確率で残ゲーム数が3ゲーム分短縮(-3G)されることが選択され、0%の確率で残ゲーム数が1ゲーム分短縮(-1G)されることが選択されるように、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われる。
【0865】
以上のように、AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われることから、短縮抽選テーブル1を用いる場合よりも、短縮抽選テーブル2を用いる場合の方が、多い短縮ゲーム数が選択される確率が高くなるのである。
前述したように、AT準備状態中は、押し順ナビが行われないので、AT準備状態が長く継続するほど、遊技者にとって不利となることから、短縮抽選テーブル1よりも短縮抽選テーブル2を用いる方が、遊技者にとって有利なAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われることとなるのである。
【0866】
また、AT準備状態カウンタの値(判定ゲーム回数)が、所定数(0)以下であった場合には、遊技者にとって有利なAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われることとなるのである。
すなわち、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、判定ゲーム回数が所定回数以下であったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選(AT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選)における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
したがって、遊技者にとって有利なAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選への変更を確実に行うことが可能となり、当該残ゲーム数の短縮抽選の変更により、遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
【0867】
また、AT準備状態カウンタの初期値が小さい場合、すなわち、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)には、不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)よりも、AT準備状態中における早い時期に遊技者にとって有利なAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われることとなるのである。
【0868】
したがって、遊技者に対して、通常遊技状態中のゲームにおいて、適正操作態様によりリール4を停止させることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率を抑制することが可能となるのである。
また、通常遊技状態中のゲームにおいて適正ゲームが実行される割合が高いほど、有利度の高いAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われる期間が長くなるので、適正ゲームをより多く実行させた遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0869】
また、通常遊技状態中のゲームにおいて不適正操作態様が多い場合(不適正ゲームが多い場合)には、不適正操作態様が少ない場合(不適正ゲームが少ない場合)よりも、有利度の低いAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が行われる期間が長くなるのである。
すなわち、短縮抽選テーブル1を用いたAT準備状態の残ゲーム数の短縮抽選が、通常遊技状態中に不適正ゲームを実行したことに対するペナルティ処理として実行されるのである。
したがって、遊技者はペナルティ処理を避けることとなるので、通常遊技状態中において不適正ゲームが実行される頻度を低めることが可能となり、通常遊技状態中のメダルの払出率が高くなることによる遊技店の不利益を未然に防止することが可能となるのである。
【0870】
また、ペナルティ処理は、不適正ゲームが実行された直後に実行されるのではなく、所定期間経過後に実行されることとなるので、比較的長期間、不適正ゲームの実行態様を監視することが可能となる。
また、ペナルティ処理は、遊技者にとって極めて重要なAT状態の移行直前に実行されるので、よりペナルティ効果が高くなり、通常遊技状態中における不適正ゲームの実行をより防止することが可能となるのである。
【0871】
また、主制御装置10は、AT準備状態中において、ゲーム毎にAT準備状態カウンタを減算(-1)することでAT準備状態カウンタを更新して、AT準備状態カウンタの値が所定数(0)以下となった場合に、短縮抽選テーブル1を用いた残ゲーム数の短縮抽選から、短縮抽選テーブル2を用いた残ゲーム数の短縮抽選に変更するのである。
すなわち、判定ゲーム回数算出手段としての主制御装置10は、特別条件の成立後(AT準備状態中)において実行されたゲームの実行回数を、判定ゲーム回数から減算することで、当該判定ゲーム回数を更新可能とするのである。
また、抽選態様変更制御手段としての主制御装置10は、上記更新された判定ゲーム回数が所定回数(0)以下となったことに基づき、所定の特典の付与に関わる抽選における抽選態様を、遊技者にとって有利な抽選態様に変更制御可能とするのである。
【0872】
したがって、AT準備状態中におけるペナルティ処理から非ペナルティ処理の切り替えを確実に実行することが可能となるのである。
また、AT準備状態カウンタが0となった以降は、相対的に有利度の高い残ゲーム数の短縮抽選が行われることとなるので、ペナルティ処理がAT準備状態の当初に実行された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。特に、誤操作によりペナルティ処理が実行された場合でも、遊技者に不満感を与えることを極力防止することが可能となるのである。
【0873】
なお、AT準備状態中においては、例えば、メイン表示器8にAT準備状態の残ゲーム数を表示するとともに、残ゲーム数の短縮が行われた場合には、その旨を報知することで、ペナルティ処理の有無を遊技者に認識可能にすることが好ましい。
また、通常遊技状態中に不適正ゲームが実行された場合に、例えば、メイン表示器8において、その後のAT準備状態中にペナルティ処理が実行される旨を事前に報知するようにしてもよいし、ペナルティ処理が実行される旨をAT準備状態が発生するまで継続して報知するようにしてもよい。
【0874】
また、各短縮抽選テーブルでの短縮ゲーム数の選択肢に0ゲーム、すなわち、選択された場合でも残ゲーム数の短縮が行われない選択肢を設定するようにしてもよいし、0ゲームを選択する確率を短縮抽選テーブル2よりも短縮抽選テーブル1の方が高くなるように設定するようにしてもよい。
【0875】
また、疑似ボーナス状態を発生させる前に、疑似ボーナス準備状態(押し順ナビ無し)を発生可能とし、AT準備状態と同様に、この疑似ボーナス準備状態における初期ゲーム数の決定、および残ゲーム数の短縮抽選を行うことで、通常遊技状態中において適正ゲームが実行される頻度が高いほど、疑似ボーナス準備状態の継続期間が短くなるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中のペナルティ処理やAT状態中のペナルティ処理に加えて、AT準備状態中のペナルティ処理を行うようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態の変形例2が実現される。
【0876】
なお、第4実施形態のスロットマシン1において、通常遊技状態中に適正ゲームが行われなかった場合(不適正操作態様でのゲームが行われた場合)に、表示器や音声出力で、適正ゲームを促す報知を行うようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中にAT状態の移行権利が付与(特別条件が成立)された場合は、疑似ボーナス状態終了後に直ぐにAT状態に移行するようにするのに対して、通常遊技状態中にAT状態の移行権利が付与された場合は、前兆演出等を実行する関係で、AT状態(AT準備状態)に移行する前に所定の遅延期間を介在させることとなるが、この遅延期間中においても適正なゲームが行われているかを監視することが好ましく、この間の監視情報も、AT状態中の上乗せ抽選、疑似ボーナス状態中のAT状態の移行抽選、およびAT準備状態の継続期間の抽選に反映させることが好ましい。
【0877】
また、通常遊技状態中における適正ゲームが実行される頻度が高いほど、AT状態中の上乗せ抽選を遊技者に有利な抽選態様に変更するようにしているが、抽選態様の変更により遊技者に有利となれば上乗せ抽選以外を変更対象としてもよく、適正ゲームが実行される頻度が高いほど、上乗せ特化ゾーンへの移行抽選、AT状態の初期ゲーム数を決定する抽選を遊技者に有利な抽選態様に変更するようにしてもよい。
【0878】
また、適正ゲームが実行された頻度に応じて、全てのレア役に対する上乗せ抽選の抽選態様を変更するようにしているが、一部のレア役(例えば、弱レア役)に対する上乗せ抽選の抽選態様を変更するようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1が実現される。
【0879】
以上説明したように、本発明においては、遊技者の操作に基づきゲームを実行させるとともに、前記ゲームの実行に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態(AT状態)を発生可能とする遊技機(スロットマシン1)において、前記特別遊技状態中において、所定条件の成立に基づき所定の特典(ゲーム数の上乗せ)を付与可能な特殊遊技状態(上乗せ特化ゾーン)に制御可能な特殊遊技状態制御手段(主制御装置10)を備え、前記特殊遊技状態制御手段は、前記ゲームの実行に対応して前記所定の特典の付与に関わる特典抽選(上乗せ抽選)を実行可能であって、当該特典抽選を抽選態様の異なる複数の抽選態様(保留状態A~保留状態D)のうちの何れかで実行可能な特典抽選制御手段(主制御装置10)と、前記特殊遊技状態中における所定ゲーム数分の特典抽選に対して、前記抽選態様を事前に決定可能な抽選態様事前決定手段(主制御装置10)と、前記抽選態様事前決定手段により決定された各抽選態様を報知するための制御を実行可能な抽選態様報知制御手段(主制御装置10)と、前記抽選態様事前決定手段により決定された各抽選態様に対して、所定の順序で前記特典抽選を進行可能な特典抽選進行制御手段(主制御装置10)と、を備え、前記特典抽選進行制御手段は、特定条件の成立に基づき、既に特典抽選が行われた抽選態様が繰り返して行われるように前記特典抽選の進行態様を変更可能な進行態様変更制御手段(主制御装置10)を備えた構成としている。
【0880】
ここで、特殊遊技状態制御手段、特典抽選制御手段、抽選態様事前決定手段、抽選態様報知制御手段、特典抽選進行制御手段、進行態様変更制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。また、抽選態様報知制御手段は、主制御装置10と副制御装置20とメイン表示器8とにより構成されるものであってもよい。
【0881】
したがって、特殊遊技状態中における特典抽選をより変化性に富んだ興趣の高い態様で実行することが可能となる。
また、繰り返される特典抽選において、有利度の高い抽選態様が存在していた場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0882】
また、前記抽選態様事前決定手段は、前記特殊遊技状態を終了させるか否かを決定するための抽選を含んだ抽選態様を事前に決定可能な構成としている。
したがって、遊技者に対してスリル感を与えることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0883】
また、前記進行態様変更制御手段は、既に実行された複数のゲームに対応する抽選態様が繰り返して行われるように前記特典抽選の進行態様を変更可能な構成としている。
したがって、複数ゲームに対応する抽選態様が繰り返して実行可能となることから、特典抽選の変化性をより高めることができるとともに、有利度の高い抽選態様が繰り返される可能性が高くなり、遊技者の期待感をより向上させることが可能となる。
【0884】
また、前記抽選態様報知制御手段は、既に実行された複数のゲームに対応する複数の抽選態様を報知するための制御を実行可能な実行済抽選態様報知制御手段(主制御装置10)を備えた構成としている。
したがって、遊技者は今までどのような抽選態様で特典抽選が行われたかを後から確認できるとともに、実行済みの抽選態様に有利度の高いものが存在していた場合には、遊技者は、進行態様を変更により再度その抽選態様が実行されることを期待することとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
なお、実行済抽選態様報知制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20とメイン表示器8とにより構成されるものであってもよい。
【0885】
また、前記特殊遊技状態制御手段は、前記進行態様変更制御手段による前記特典抽選の進行態様の変更により、前記抽選態様が繰り返して行われる場合に、当該抽選態様を変更する抽選態様変更手段(主制御装置10)を備えた構成としている。
したがって、進行態様の変更が行われたにもかかわらず、特殊遊技状態が終了してしまうことを防止可能となり、進行態様の変更が行われた場合の遊技者の期待感をより向上させることが可能となる。
なお、抽選態様変更手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0886】
また、前記抽選態様事前決定手段は、前記進行態様変更制御手段が前記特典抽選の進行態様を変更することを通常よりも高い確率で決定可能な特定抽選態様を事前に決定可能な構成としている。
したがって、特定抽選態様が事前に決定された場合には、進行態様の変更が高い確率で実行されることが事前に報知されることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0887】
また、前記特殊遊技状態制御手段は、既に実行された複数のゲームのうちの所定のゲームにおける抽選態様を変更可能な実行済抽選態様変更手段(主制御装置10)を備えた構成としている。
したがって、抽選態様の変更により遊技の興趣性の高い遊技を実行することが可能となる。
【0888】
また、期待度の高い抽選態様に変更された場合には、進行態様の変更が行われた場合の遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
また、期待度の高い抽選態様に変更されたことが事前に報知された場合には、進行態様の変更に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
なお、実行済抽選態様変更手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0889】
一方、特許文献1には、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生し、特別遊技状態を継続可能とするゲーム数に、新たなゲーム数が上乗せ(加算)され易い状態を発生させるようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣性の向上や遊技者の期待感の向上として十分なものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0890】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
【0891】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0892】
また、本実施形態では、演出操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0893】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、前兆演出、対戦演出、ボーナス示唆関連演出、設定示唆関連演出、上乗せ特化ゾーン中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、前兆演出、対戦演出、ボーナス示唆関連演出、設定示唆関連演出、上乗せ特化ゾーン中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0894】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17を設けているが、前兆演出、対戦演出、ボーナス示唆関連演出、設定示唆関連演出、上乗せ特化ゾーンの各種演出を、何れか1つの表示手段で実行してもよいし、2つの表示手段の両方で実行するようにしてもよい。
【0895】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0896】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0897】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
図1
図2
図3
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図5
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