(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163257
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】非アルコール性脂肪性肝疾患に対する処置
(51)【国際特許分類】
C07D 417/14 20060101AFI20241114BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241114BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
C07D417/14 CSP
A61P1/16
A61P29/00
A61K31/496
A61K31/427
A61K31/4439
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024152701
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2021539501の分割
【原出願日】2019-09-18
(31)【優先権主張番号】62/732,644
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516205100
【氏名又は名称】1グローブ バイオメディカル カンパニー, リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】513205961
【氏名又は名称】1グローブ ヘルス インスティテュート エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジェイ. リ
(72)【発明者】
【氏名】ゾルタン デルダク
(72)【発明者】
【氏名】ジフェン リウ
(57)【要約】
【課題】 疾患処置方法を提供すること
【解決手段】 本発明は人を含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置又は予防する新規方法を提供する。本発明は人を含む哺乳動物におけるNAFLDに関連することが公知の少なくとも1つの症候または徴候を含む死亡率又は罹患率を低下させる、改善する又は除去する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に人を含む哺乳動物におけるNAFLDの少なくとも1つの症候又は徴候を低下させる、改善する、又は除去するのに有効である本発明の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体又は薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステル又はプロドラッグと薬学的に許容され得る賦形剤、担体又は希釈剤とを含む治療的有効量の薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
【選択図】
図1A-B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月18日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/732,644号の優先権および利益を主張し、その米国仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、全般的に、対象における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を処置する方法およびその関連組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
メタボリックシンドロームの肝臓における発現である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、米国で最も一般的な慢性肝疾患であり、7500万~1億人の米国人が罹患している(Rinella ME.JAMA 2015;313(22):2263-2273)。より豊かな食事によるカロリー摂取の増加およびより体を動かさなくなった生活様式に伴い、世界のより多くの地域のより多くの人々が、現在、健康に対する深刻な脅威としてNAFLDに直面している。NAFLDは肥満、II型糖尿病およびメタボリックシンドロームに密接に関連しているが、NAFLDの公衆衛生への影響は、それに伴う罹患率および死亡率のために著しい。
【0004】
新たに出現した世界的流行病としてのNAFLDは、臨床診療における異常な肝機能検査の最も一般的な原因となっている。NAFLDは、アルコールをほとんどまたは全く摂取していない人々(女性では20g/日未満、男性では30g/日未満)の肝臓中において5%を超える肝細胞が過剰量の脂肪を有する場合に存在する。NAFLDは、伝統的に、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などのより重篤な状態へと進行し得る臨床的に良性の脂肪症(非アルコール性脂肪肝またはNAFL)から始まる一連の疾患と見られてきた。NASH患者は、線維症、肝硬変および肝細胞癌腫(HCC)を含む他の合併症を発症するリスクが高い(Sanyal AJ.Nat Clin Pract Gastroenterol Hepatol 2005;2(1):46-53)。肝硬変は、NASH患者の15~25%で発症し(Matteoni CAら、Gastroenterology 1999;116(6):1413-1419.Bacon BRら、Gastroenterology 1994;107(4):1103-1109.Powell EEら、Hepatology 1990;11(1):74-80.Lee RG.Hum Pathol 1989;20(6):594-598.)、肝硬変患者の30~40%が肝臓関連死に至る(Rinella ME.JAMA 2015;313(22):2263-2273)と考えられている。したがって、炎症および肝細胞傷害を伴う肝脂肪症は、孤立性脂肪症よりも進行性の自然経過を有するため、NASHは現在、NAFLDの進行性サブタイプであると考えられている。
【0005】
現在、NAFLDまたはNASHの処置に対して連邦医薬品局(FDA)または欧州医薬品庁(EMA)によって承認された医薬は存在しないが、進行中の臨床試験に関与する数多くの薬理学的薬剤(例えば、オベチコール酸、エラフィブラノール、セニクリビロク、セロンセルチブ)が存在する。すべての治療上の努力の基礎となるのは、依然として減量を伴う生活習慣への介入である。肝臓の組織学的改善の程度が体重減少の量に正比例することを示す複数の研究が存在する(Harrison SAら、Hepatology
2009;49(1):80-86.Wong VWら、J Hepatol 201
3;59(3):536-542)。無作為化された臨床試験において有効性が実証されている現在の薬理学的因子には、ビタミンE、ピオグリタゾンおよびペントキシフィリンが含まれる。ビタミンEは、臨床診療において最も一般的に使用される医薬である;現在のAASLDおよびEASLガイドラインは、PIVENS試験で生成されたデータに基づいて、NASHを有する非糖尿病性非肝硬変患者におけるその使用を推奨している(Chalasani Nら、Hepatology 2017;67(1):328-357.European Association for the Study of the Lら、J Hepatol 2016;64(6):1388-1402.Sanyal AJら、N Engl J Med 2010;362(18):1675-1685)。それにもかかわらず、死亡、前立腺癌および出血性脳卒中のリスク増加に関連しているので、ビタミンEの使用に関する安全性の懸念が提起されている(Bjelakovic Gら、JAMA 2007;297(8):842-857.Klein EAら、JAMA 2011;306(14):1549-1556.Miller ERら、Ann Intern Med 2005;142(1):37-46)。インシュリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンも、糖尿病を伴うまたは伴わないNASH患者に処方されており、NASHの様々な特徴がかなり一貫して改善されている。それにもかかわらず、この薬剤の使用の主たる負の側面は、患者の60~70%において発生する3~5kgの体重増加である(Sanyal AJら、N Engl J Med 2010;362(18):1675-1685.Musso Gら、Hepatology 2010;52(1):79-104)。ピオグリタゾンは、臨床的に明らかな心不全を有する患者においても使用すべきではない(Nesto RWら、Diabetes Care
2004;27(1):256-263)。さらに、この薬剤は、閉経後の骨量減少に関連している(Lecka-Czernik B.Curr Osteoporos Rep.2010;8(4):178-184)。ペントキシフィリンは、NASHにおける組織学的な利点(肝線維症の減少を含む)を示唆する2つの無作為化された臨床試験(Van Wagner LBら、Ann Hepatol 2011;10(3):277-286.Zein COら、Hepatology 2011;54(5):1610-1619)において研究されてきた;しかしながら、これらの試験は小規模であり、その結論はより大規模な試験でのさらなる確認を必要とする。NASHの原因の完全な理解は存在しないが、インシュリン抵抗性および毒性のある脂質代謝産物の蓄積が、その発症において重要な役割を果たすと考えられている(Filozofら、Drugs 2015;75:1373-1392)。
明らかに、NASHおよび他のNAFLD関連状態に対する効果的な処置および/または予防のための満たされていない要望が継続している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rinella ME.JAMA 2015;313(22):2263-2273
【非特許文献2】Sanyal AJ.Nat Clin Pract Gastroenterol Hepatol 2005;2(1):46-53
【非特許文献3】Matteoni CAら、Gastroenterology 1999;116(6):1413-1419
【非特許文献4】Bacon BRら、Gastroenterology 1994;107(4):1103-1109
【非特許文献5】Powell EEら、Hepatology 1990;11(1):74-80
【非特許文献6】Lee RG.Hum Pathol 1989;20(6):594-598
【非特許文献7】Rinella ME.JAMA 2015;313(22):2263-2273
【非特許文献8】Harrison SAら、Hepatology 2009;49(1):80-86
【非特許文献9】Wong VWら、J Hepatol 2013;59(3):536-542
【非特許文献10】Chalasani Nら、Hepatology 2017;67(1):328-357
【非特許文献11】European Association for the Study of the Lら、J Hepatol 2016;64(6):1388-1402
【非特許文献12】Sanyal AJら、N Engl J Med 2010;362(18):1675-1685
【非特許文献13】Bjelakovic Gら、JAMA 2007;297(8):842-857
【非特許文献14】Klein EAら、JAMA 2011;306(14):1549-1556
【非特許文献15】Miller ERら、Ann Intern Med 2005;142(1):37-46
【非特許文献16】Sanyal AJら、N Engl J Med 2010;362(18):1675-1685
【非特許文献17】Musso Gら、Hepatology 2010;52(1):79-104
【非特許文献18】Nesto RWら、Diabetes Care 2004;27(1):256-263
【非特許文献19】Lecka-Czernik B.Curr Osteoporos Rep.2010;8(4):178-184
【非特許文献20】Van Wagner LBら、Ann Hepatol 2011;10(3):277-286.Zein COら、Hepatology 2011;54(5):1610-1619
【非特許文献21】Filozofら、Drugs 2015;75:1373-1392
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの要望に対処する。本発明は、本発明の化合物を使用する新規な方法(以下で詳述されている実施形態)を提供する。一態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置または予防する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、ヒトを含む哺乳動物におけるそのNAFLDの処置もしくは予防において有効である本発明の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤とを含む治療的有効量の薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0008】
1つの特徴において、NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。別の特徴において、NAFLDは単純脂肪症または脂肪肝である。
【0009】
一態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるNAFLD(例えば、NASH)に関連することが知られている少なくとも1つの症候または徴候を含む死亡率または罹患率を低下させる、改善する、または除去する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、ヒトを含む哺乳動物におけるNAFLDの少なくとも1つの症候もしくは徴候
を低下させる、改善する、もしくは除去するのに有効である本発明の化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤とを含む治療的有効量の薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0010】
様々な実施形態において、軽減、改善または除去されているNAFLDまたはNASHに関連することが知られている症候または徴候は、肝臓脂肪の蓄積、肝臓トリグリセリドの上昇したレベル、肝線維症、小葉の炎症、肝細胞の風船化、肝臓酵素アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇したレベルならびに3を超えるNAFLD活性スコア(NAS)からなる群から選択される。
【0011】
1つの特徴において、本発明の方法は、ビタミン、脂質低下薬、インシュリン抵抗性改善薬、抗炎症薬、コレステロール低下薬、糖尿病薬、実験的抗NASH剤および減量薬からなる群から選択されるさらなる薬剤を投与するさらなる工程をさらに含む。抗炎症薬は、抗酸化薬、抗アポトーシス薬または抗サイトカイン薬であり得る。ビタミンは、例えば、ビタミンDまたはEであり得る。実験的抗NASH剤は、例えば:ファルネソイドx受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)、C-Cケモカインリガンド2型および5型アンタゴニスト、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK1)阻害剤、リジルオキシダーゼ様2抗体、抗肝線維化剤、またはガレクチン-3阻害剤であり得る。
【0012】
様々な実施形態において、本発明の化合物は、本発明の詳細な説明において以下に記載される式I~Xの1つである。
【0013】
様々な実施形態において、本発明の化合物は、以下でより詳細に記載されるような以下の8つの化合物:化合物5、化合物7-1、化合物18-5、化合物18-2、化合物13-3、化合物9、化合物12および化合物10-1のうちの1つである。
【0014】
さらなる実施形態において、本発明の化合物は、以下でより詳細に記載される以下の15個の化合物:化合物13-3-1、化合物13-3-2、化合物13-3-3、化合物13-3-5、化合物13-3-6、化合物13-3-7、化合物13-3-10、化合物13-3-11、化合物001、化合物004、化合物006、化合物013、化合物132、化合物133および化合物134のうちの1つである。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、全般的に、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ、および薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤を含む薬学的組成物、ならびにその使用に関する。
【0016】
1つの特徴において、本発明は、全般的に、NASHに関連する症候の少なくとも1つが改善されるように、本明細書中に開示される1またはそれを超える組成物を使用してNASH患者を処置する方法に関する。処置は、処置前および処置中に対象/患者を評価することによって処置の成功を評価する追加の工程をさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A-B】
図1A~1Cは、本発明の化合物がヒト肝細胞培養物中のトリグリセリド蓄積に対して何らかの効果を有するかどうかを調べるために設計された試験に関するデータを示す。
図1A~1Cは、本発明の化合物の様々な実施形態がそれぞれ所与の試料で使用される場合の細胞内トリグリセリドの蓄積に関する定量化データを示す。化合物13-3(*:対応する培養培地中のDMSO対化合物13-3;#:対照培地(左の2列)対パルミトレイン酸(POA)培地(右の2列);p<0.05)(
図1A);化合物13-3の効果と比較したPOA培地中の9つの他の実施形態からの効果(
図1B);化合物13-3の効果(
図1C)と比較したPOA培地中の7つの異なる実施形態からの効果。
【
図1C】
図1A~1Cは、本発明の化合物がヒト肝細胞培養物中のトリグリセリド蓄積に対して何らかの効果を有するかどうかを調べるために設計された試験に関するデータを示す。
図1A~1Cは、本発明の化合物の様々な実施形態がそれぞれ所与の試料で使用される場合の細胞内トリグリセリドの蓄積に関する定量化データを示す。化合物13-3(*:対応する培養培地中のDMSO対化合物13-3;#:対照培地(左の2列)対パルミトレイン酸(POA)培地(右の2列);p<0.05)(
図1A);化合物13-3の効果と比較したPOA培地中の9つの他の実施形態からの効果(
図1B);化合物13-3の効果(
図1C)と比較したPOA培地中の7つの異なる実施形態からの効果。
【0018】
【
図2A-B】
図2A~2Eは、(2A)化合物13-3処置中の体重の変化;(2B)安楽死時の体重;HFD給餌(高脂肪食給餌)マウスにおける化合物13-3誘導性体重減少は、食物摂取量の減少(2C)または水分摂取量の減少(2D)と関連していなかったこと;(2E)化合物13-3での処置を伴うまたは伴わない安楽死時の肝臓の肉眼的概観に関するインビボ動物データを提示する。
【
図2C-D】
図2A~2Eは、(2A)化合物13-3処置中の体重の変化;(2B)安楽死時の体重;HFD給餌(高脂肪食給餌)マウスにおける化合物13-3誘導性体重減少は、食物摂取量の減少(2C)または水分摂取量の減少(2D)と関連していなかったこと;(2E)化合物13-3での処置を伴うまたは伴わない安楽死時の肝臓の肉眼的概観に関するインビボ動物データを提示する。
【
図2E】
図2A~2Eは、(2A)化合物13-3処置中の体重の変化;(2B)安楽死時の体重;HFD給餌(高脂肪食給餌)マウスにおける化合物13-3誘導性体重減少は、食物摂取量の減少(2C)または水分摂取量の減少(2D)と関連していなかったこと;(2E)化合物13-3での処置を伴うまたは伴わない安楽死時の肝臓の肉眼的概観に関するインビボ動物データを提示する。
【0019】
【
図3A】
図3A~3Cは、(3A)肝臓の肉眼的概観、(3B)肝臓重量の減少、および(3C)化合物13-3処置によるNAFLD/NASH病態の顕著な改善を示す、安楽死時の肝臓/体重比の比較に関するインビボ動物データを提示する。
【
図3B-C】
図3A~3Cは、(3A)肝臓の肉眼的概観、(3B)肝臓重量の減少、および(3C)化合物13-3処置によるNAFLD/NASH病態の顕著な改善を示す、安楽死時の肝臓/体重比の比較に関するインビボ動物データを提示する。
【0020】
【
図4】
図4は、(上段)ヘマトキシリン-エオシン染色(中段)マッソントリクローム染色;(下段)過ヨウ素酸シッフ染色での、採取したマウス肝臓試料の顕微鏡図である。左の列は陰性対照試料を示す。中央の列はHFD給餌マウスおよびビヒクル処置マウスを示す;右の列は、化合物13-3で処置したHFD給餌マウスを示す。
【0021】
【
図5A-B】
図5A~5Dは、(5A)本発明の化合物、化合物13-3によって抑制されるHFD誘発性脂肪症および小葉炎症;(5B)化合物13-3によるHFD誘導性肝細胞風船化の除去;(5C)化合物13-3によって低下されているNASスコアおよび(5D)化合物13-3によって肝臓において阻害されているコラーゲン(collage)I型、アルファ1遺伝子発現に関するインビボ動物データを提示する。
【
図5C-D】
図5A~5Dは、(5A)本発明の化合物、化合物13-3によって抑制されるHFD誘発性脂肪症および小葉炎症;(5B)化合物13-3によるHFD誘導性肝細胞風船化の除去;(5C)化合物13-3によって低下されているNASスコアおよび(5D)化合物13-3によって肝臓において阻害されているコラーゲン(collage)I型、アルファ1遺伝子発現に関するインビボ動物データを提示する。
【0022】
【
図6A-B】
図6A~6Dは、(6A)化合物13-3は肝臓のトリグリセリド含量を減少させる;(6B)化合物13-3は肝損傷の指標としてのALT上昇を抑制する;(6C)ASTは、HFDまたは化合物13-3の処置によって影響を受けない;(6D)AST:ALT比の減少が化合物13-3処置によって抑制されることに関するインビボ動物データを提示する。
【
図6C-D】
図6A~6Dは、(6A)化合物13-3は肝臓のトリグリセリド含量を減少させる;(6B)化合物13-3は肝損傷の指標としてのALT上昇を抑制する;(6C)ASTは、HFDまたは化合物13-3の処置によって影響を受けない;(6D)AST:ALT比の減少が化合物13-3処置によって抑制されることに関するインビボ動物データを提示する。
【0023】
【
図7】
図7A~7Eは、CPT1a(7A)、ACOX1(7B)およびFGF21(7C)、血清FGF21レベル(7D)および血清レプチンレベル(7E)の遺伝子発現レベルに関するインビボ動物データを提示する。
【0024】
【
図8】
図8A~
図8Dは、PPAR-γの遺伝子発現レベル(8A)、肝臓におけるPPAR-γのタンパク質発現(8B)、FABP4(8C)およびCD36(8D)の遺伝子発現レベルに関するインビボ動物データを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」または「the」は、文脈が明確に反対の意味を指示しなければ、複数表記を含む。例えば、「1つの細胞(a cell)」という用語は、複数の細胞を含み、細胞の混合物を含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、数字と組み合わせて使用される場合、参照される数字の5、10または15%以内の任意の数字を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、特定の処置のレシピエントとなるヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌなどを含むがこれらに限定されない任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。典型的には、「対象」および「患者」という用語は、ヒト対象に関して本明細書では交換可能に使用される。
【0028】
本明細書で使用される場合、「非アルコール性脂肪肝」、「脂肪肝」、「脂肪症」または「NAFL」は、肝細胞の風船化の形態の肝細胞損傷の形跡がない肝脂肪症の存在を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「非アルコール性脂肪性肝炎」または「NASH」は、線維症を伴うまたは伴わない肝細胞損傷(風船化)を伴った肝脂肪症および炎症(脂肪性肝炎)の存在として定義される。非アルコール性脂肪性肝炎は、肝硬変、肝不全、さらには肝臓癌に進行し得る。現在、NASHは、肝臓における脂肪蓄積を明らかにする画像検査(超音波、CTスキャン、または磁気共鳴画像法[MRI]など)、および2つの肝臓酵素(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]およびアラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT])の上昇したレベルを示す血液または肝機能検査の後に診断される。NASHの非侵襲的診断のために複数のバイオマーカーが評価されている。しかしなが
ら、経皮的肝生検は依然として診断を確定するための絶対的な標準であり、最小診断基準には、>5%の大滴性脂肪症、炎症、および肝細胞の風船化の存在が含まれる。場合によっては、NASHを診断するための肝生検に対する非侵襲的代替手段として、フィブロスキャンが使用される。フィブロスキャンは、超音波を使用して、肝臓がどの程度「硬い」か、したがって肝臓にどれだけの瘢痕が存在するか、および肝硬変が発症しているかを判定する。
【0030】
複合NASスコアは、しばしば、重症度を記載するために、または、NAFLDにおいて認められる病理学的変化を特徴づけるために使用される(Kleiner DEら、Hepatology.2005 41(6):1313-21)。NASスコアは、脂肪症、小葉炎症および肝細胞の風船化/損傷に関するスコアリングを含む。5~8のNASスコアは主にNASHの診断と見なされるのに対して、3~4のスコアは境界と見なされることが多く、0~2のスコアはNASHに対して陰性と見なされる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、それらの通常および通例の意味を有し、疾患または状態(例えば、NAFLD)の症候の重症度、頻度および/もしくは進行を遮断、改善もしくは減少すること、または対象における障害または疾患の後退もしくは静止を誘導することの1つまたは複数を含む。処置は、本発明の方法が実施されていない対象と対比して約1%~約100%の遮断、改善、減少または阻害を意味する。好ましくは、遮断、改善、減少または阻害は、本発明の方法が実施されていない対象と対比して、約100%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%または5%である。処置は、既存の状態に対するものであり得、または将来の状態に対する予防的なものであり得る。
【0032】
本明細書で使用される「阻害する」、「阻害すること」という用語およびそれらの文法上の等価物は、生物活性の文脈で使用される場合、タンパク質の産生または分子のリン酸化などの標的とされる機能を低減または除去し得る生物活性の下方制御を指す。特定の実施形態において、阻害は、標的とされる活性の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%の低下を指し得る。障害または疾患の文脈で使用される場合、これらの用語は、症候の発症を予防もしくは著しく遅延させること、症候を緩和させること、または疾患、状態もしくは障害を除去することの成功を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「投与」、「投与すること」などの用語は、対象に薬学的組成物を提供する文脈で使用される場合、一般に、投与された化合物が、当該化合物をそのために投与した所期の生物学的効果の1つまたはそれより多くを達成するような任意の手段によって、適切な送達ビヒクルと組み合わせて本発明の化合物を含む1またはそれを超える薬学的組成物を対象に与えることを指す。非限定的な例として、組成物は、非経口、皮下、静脈内、冠動脈内、直腸、筋肉内、腹腔内、経皮、または口腔送達経路で投与され得る。
【0034】
特定の官能基および化学の用語の定義を以下においてより詳細に記載する。有機化学の一般原則、ならびに具体的な官能部分および反応性は、“OrganicChemistry”, by Thomas Sorrell, University Science Books,Sausalito: 2006に記載される。
【0035】
本発明の特定の化合物は、特定の幾何異性体形態または立体異性体形態で存在し得る。本発明は、本発明の範囲内に入るような、シス異性体およびトランス異性体、R-エナンチオマーおよびS-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含め、すべてのこのような化合物を意図する。追加の不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基中に存在し得る。このようなすべての異性体ならびにそれらの混合物は、本発明に含まれるものとする。
【0036】
種々の異性体の比率のいずれかを含む異性体混合物が本発明に従って利用され得る。例えば、2種のみの異性体が組み合わされる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1または100:0の異性体比を含む混合物が本発明によって意図される。より複雑な異性体混合物について同様の比率が意図されることを当業者は容易に認識する。
【0037】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが所望される場合、このエナンチオマーは、不斉合成によって、または得られるジアステレオマー混合物が分離されて補助基が切断されて所望の純粋なエナンチオマーが提供されるキラル補助を用いた誘導によって、調製され得る。あるいは、分子がアミノなどの塩基性官能基またはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性な酸または塩基を用いて形成され、その後、このようにして形成されたジアステレオマーが、当該分野で周知の分別結晶化またはクロマトグラフィー法によって分割され、その後、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0038】
本開示の利点により、当業者は、本明細書に記載されるとおりの合成法が、種々の保護基を利用し得ることを認識する。「保護基」という用語は、本明細書で使用する場合、反応が多官能性化合物において別の反応部位で選択的に行われることを可能にするために、特定の官能性部分(例えば、O、SまたはN)が一時的に遮断されることを意味する。好ましい実施形態では、保護基は、良好な収率で選択的に反応して、計画された反応に対して安定な保護された基質を与える;保護基は、他の官能基を攻撃しない、好ましくは容易に利用可能な非毒性の試薬によって良好な収率で選択的に除去可能であるべきである;保護基は、(より好ましくは、新たな不斉中心を生成せずに)容易に分離可能な誘導体を形成する;保護基は、さらなる反応部位をさけるために、最小の追加の官能性を有する。酸素保護基、硫黄保護基、窒素保護基および炭素保護基が利用され得る。種々の保護基の例は、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 第3版、 Greene, T.W. and
Wuts, P.G., Eds., John Wiley & Sons, New York: 1999に見いだされ得る。
【0039】
本明細書に記載されるとおりの化合物が、任意の数の置換基または官能性部分で置換され得ることが理解される。明細書全体をとおして、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するように選択され得る。
【0040】
本明細書で使用する場合、活性剤の「有効量」という用語は、所望の生物学的応答を惹起するのに十分な量を意味する。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される疾患、投与形態および患者のような因子によって変動し得る。
【0041】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、何らかの得られる実質的な望まない生物学的効果も、それが含まれ得る薬学的組成物の任意の他の成分との何らかの得られる有害な相互作用もなしで投与され得る、現在開示されている化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩または薬学的に許容可能な塩基付加塩のいずれかを意味する。
【0042】
本発明の化合物は、本発明の範囲内にもある塩を形成していてよい。本明細書における本発明の化合物の言及は、特に示さない限り、その塩の言及を含むと理解される。「塩」という用語は、本明細書で用いているように、無機及び/または有機の酸及び塩基により形成される酸性及び/または塩基性塩を意味する。さらに、本発明の化合物がピリジンまたはイミダゾールなどであるが、これらに限定されない塩基性部分と、カルボン酸などであるが、これに限定されない酸性部分との両方を含む場合、両性イオン(「内部塩」)が形成される可能性があり、これは、本明細書で用いている「塩」という用語に含まれる。
他の塩も、例えば、調製中に用いられる可能性がある分離または精製段階において、有用であるが、薬学的に許容可能な(すなわち、非毒性の生理学的に許容可能な)塩が好ましい。本発明の化合物の塩は、塩が沈殿するような媒体中で、または水性媒体中で(後に凍結乾燥を行う)、例えば、化合物I、IIまたはIIIを等量などの量の酸または塩基と反応させることにより生成させることができる。
【0043】
アミンまたはピリジンまたはイミダゾール環などであるが、これらに限定されない塩基部分を含む本発明の化合物は、種々の有機及び無機酸との塩を形成することができる。具体例としての酸付加塩は、酢酸塩(酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸により形成されるものなど)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩(例えば、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2-ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩(例えば、3-フェニルプロピオン酸塩)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(硫酸により形成されるものなど)、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラートなどのトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などである。
【0044】
カルボン酸などであるが、これに限定されない、酸部分を含む本発明の化合物は、種々の有機及び無機塩基との塩を形成することができる。具体例としての塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N-ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンにより形成される)、N-メチル-D-グルカミン、N-メチル-D-グリカミド、t-ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、並びにアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩などである。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びシアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジル及びフェネチル)並びにその他などの作用物質により四級化されていてよい。
【0045】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容可能なエステル」という用語は、インビボで加水分解するエステルを意味し、人体において容易に分解して親化合物またはその塩を放出するものを包含する。適切なエステル基としては、例えば、薬学的に許容可能な脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸から誘導されたものであって、それらにおいて、各アルキル部分または各アルケニル部分は、有利には、6個以下の炭素原子を有するものが挙げられる。具体的なエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
【0046】
本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」という用語は、活性な薬物を放出するためには生物内での自発的または酵素的のいずれかの生体内変換を必要とする親薬物分子の薬理学的誘導体を意味する。例えば、プロドラッグは、特定の代謝条件下で切断可能な基を有し、切断された場合に式Iの化合物となる、式Iの化合物の変形物または誘導体である。次いで、このようなプロドラッグは、生理学的条件下で加溶媒分解を受けるかまたは酵
素的分解を受けるとインビボで薬学的に活性となる。本明細書においてプロドラッグ化合物は、活性な薬物を放出するために必要とされる生体内変換の工程数および前駆体型の形態で存在する官能基の数に依存してシングル、ダブル、トリプルなどと呼ばれ得る。
【0047】
プロドラッグ形態はしばしば、哺乳類生物体において溶解度、組織適合性または遅延放出という利点を提供する(Bundgard, Design of Prodrugs, pp. 7-9,21-24, Elsevier, Amsterdam 1985 and Silverman, The Organic Chemistry of Drug Design
and Drug Action, pp. 352-401, Academic Press, San Diego, Calif., 1992を参照のこと)。当該分野において通常公知のプロドラッグとしては、例えば、親の酸
と適切なアルコールとの反応によって調製されたエステル、親の酸化合物とアミンとの反応によって調製されたアミド、反応してアシル化塩基性誘導体を形成する塩基性基などの周知の酸誘導体が挙げられる。もちろん、他のプロドラッグ誘導体が、バイオアベイラビリティを増強するために本明細書に開示される他の特徴と組み合わされ得る。このように、当業者は、遊離アミノ、アミド(arnido)、ヒドロキシまたはカルボン酸基を有する本明細書で開示された化合物のうちの特定のものが、プロドラッグに変換され得ることを認識する。プロドラッグとしては、アミノ酸残基を有する化合物、または本明細書で開示された化合物の遊離アミノ基、ヒドロキシ基もしくはカルボン酸基へとペプチド結合によって共有結合した2もしくはそれ超の(例えば、2、3もしくは4の)アミノ酸残基のポリペプチド鎖が挙げられる。アミノ酸残基としては、三文字記号によって一般に示される、20種の天然に存在するアミノ酸が挙げられ、そしてまた4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デスモシン(demosine)、イソデスモシン(isodemosine)、3-メチルヒス
チジン、ノルバリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリンホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンを包含する。プロドラッグはまた、本明細書に開示された上記の置換基のいずれかに共有結合したカーボネート、カルバメート、アミドまたはアルキルエステル部分を有する化合物を包含する。
【0048】
「薬学的に許容可能な賦形剤、担体または希釈剤」という用語は、本明細書で用いているように、1つの器官または身体の部分から他の器官または身体の部分に対象薬剤を運搬または輸送するのに必要とする液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの薬学的に許容可能な材料、組成物または媒体を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に危害を与えないという意味で「許容可能な」ものでなければならない。薬学的に許容可能な担体として機能することができる物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体、粉末状トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、発熱物質不含有水、等張食塩液、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、並びに医薬品製剤に用いられる他の非毒性の適合性物質などである。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマーなどの湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、着香料及び香料、保存剤並びに抗酸化剤も組成物中に存在していてよい。
【0049】
本明細書で使用する場合、「Cx~Cy」という用語は、一般に、x個からy個まで(x個以上y個以下)の炭素原子を有する基を意味する。それゆえ、例えば、「C1~C6」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基を意味し、これは、C1~C2、C1~C3、C1~C4、C1~C5、C2~C3、C2~C4、C2~C5、C2
~C6、およびすべての同様の組み合わせを包含する。「C1~C20」などは同様に、C1~C6、C1~C12およびC3~C12などの1と20との間の(1以上20以下)の炭素原子の種々の組み合わせを包含する。
【0050】
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖のアルカン(炭化水素)基をいう。例示的な「アルキル」基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。「置換アルキル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたアルキル基を意味する。具体例としての置換基は、1つまたは複数の次の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基または複数のハロ置換基、後者の場合、CF3またはCl3を有するアルキル基などの基を形成する)、シアノ、ニトロ、CF3、OCF3、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アリール、ORa、SRa、S(=O)Re、S(=O)2Re、P(=O)2Re、S(=O)2ORe、P(=O)2ORe、NRbRc、NRbS(=O)2Re、NRbP(=O)2Re、S(=O)2NRbRc、P(=O)2NRbRc、C(=O)ORd、C(=O)Ra、C(=O)NRbRc、OC(=O)Ra、OC(=O)NRbRc、NRbC(=O)ORe、NRdC(=O)NRbRc、NRdS(=O)2NRbRc、NRdP(=O)2NRbRc、NRbC(=O)RaまたはNRbP(=O)Reを含むが、これらに限定されず、ここで、Raは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環またはアリールであり、Rb、Rc及びRdは、独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールであるか、或いは必要に応じて前記Rb及びRcは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成しており、Reは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロ環またはアリールである。前述の具体例としての置換基において、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロ環およびアリールなどの基は、それら自体が必要に応じて置換されていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「Cx~Cyアルキル」との用語は、x個からy個の炭素原子から本質的になる、飽和した直鎖状または分岐鎖状の遊離基であって、xが1から約10までの整数であり、yが約2から約20までの整数であるものを意味する。具体的なCx~Cyアルキル基としては、「C1~C20アルキル」が挙げられ、「C1~C20アルキル」は、1~20個の炭素原子および対応する数の水素原子から本質的になる、飽和した直鎖状または分岐鎖状の遊離基を意味する。具体的なC1~C20アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ドデカニルなどが挙げられる。もちろん、他のC1~C20アルキル基は、本開示の利益を考慮すれば当業者に容易に明らかである。「アルキル」との用語は、C1~C20であり、好ましくはC1~C10であり、より好ましくはC1~C6であり、さらに好ましくはC1~C6である。
【0051】
本明細書で使用する場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、エテニルまたはアリルを含む。「置換アルケニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたアルケニル基を意味する。具体例としての置換基は、アルキルまたは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。「アルケニル」という用語は、C2~C20であり、好ましくはC2~C10であり、より好ましくはC2~C6である。
【0052】
本明細書で使用する場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、エチニルを含む。「置換アルキニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたアルキニル基を意味する。具体例としての置換基は、アルキルまたは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。「アルキニル」という用語はC2~C20であり、好ましくはC2~C10であり、より好ましくはC2~C6である。
【0053】
本明細書で使用する場合、「アリール」という用語は、1~5つの芳香環を有する環状芳香族炭化水素基、特にフェニル、ビフェニルまたはナフチルなどの単環または二環基を意味する。2つまたはそれより多くの芳香環(二環など)を含む場合、アリール基の芳香環は、1つの点で結合していても(例えば、ビフェニル)、縮合していてもよい(例えば、ナフチル、フェナントレニルなど)。「置換アリール」または「置換フェニル」は、いずれかの結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~3個の置換基で置換されたアリール基またはフェニル基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、縮合環基、特に、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールが挙げられ、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環及びアリール置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。
【0054】
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、1~4つの環及び環当たり3~10個の炭素を有する完全に飽和した環状炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどである。「置換シクロアルキル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたシクロアルキル基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、スピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環及びアリール置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。「シクロアルキル」という用語はC3~C10であり、好ましくはC3~C8であり、より好ましくはC3~C6である。
【0055】
本明細書で使用する場合、「シクロアルケニル」という用語は、1~4個の環及び環当たり3~10個の炭素を含む部分的に不飽和の環状炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含む。「置換シクロアルケニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたシクロアルケニル基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、スピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールを含み、前述のシクロアルキ
ル、シクロアルケニル、ヘテロ環及びアリール置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。「シクロアルケニル」という用語はC3~C10であり、好ましくはC3~C8であり、より好ましくはC3~C6である。
【0056】
本明細書で使用する場合、「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」という用語は、少なくとも1つの炭素原子含有環に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族(すなわち、「ヘテロアリール」)環状基(例えば、4~7員単環、7~11員二環、または8~16員三環系)を含む、完全に飽和した、または部分的にもしくは完全に不飽和のものを意味する。ヘテロ原子を含むヘテロ環基の各環は、窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有していてよく、窒素及び硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化されていてよく、また、窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化されていてよい。(「ヘテロアリーリウム」という用語は、四級窒素原子、及びしたがって正電荷を有するヘテロアリール基を意味する。)ヘテロ環基は、分子の残りの部分の環または環系のいずれかのヘテロ原子または炭素原子に結合していてよい。具体例としての単環式ヘテロ環基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソラン及びテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニルなどを含む。具体例としての二環式ヘテロ環基は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニルまたはフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4-ジヒドロ-4-オキソキナゾリニルなど)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニルなどを含む。具体例としての三環式ヘテロ環基は、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどを含む。
【0057】
本明細書で使用する場合、「置換ヘテロ環」及び「置換ヘテロ環式」(「置換ヘテロアリール」など)は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換されたヘテロ環基またはヘテロ環式基を意味する。具体例としての置換基は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ヘテロ環式または置換ヘテロ環式、アリールまたは置換アリール、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、いずれかの利用可能な結合点または複数の結合点において、スピロ結合または縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合ヘテロ環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロ環、または縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環及びアリール置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。
【0058】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を意味する。
【0059】
「炭素環式」という用語は、1つまたは複数の環のすべての原子が炭素原子である、芳香族または非芳香族3~7員単環式及び7~11員二環式基を意味する。「置換炭素環式」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つまたは複数の置換基、好ましくは1~4個の置換基で置換された炭素環式基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、ORa(Raは上文で定義した通りである)、並びに具体例としてのシクロアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が必要に応じて置換されていてよい。
【0060】
特に示さない限り、満たされていない原子価を有する任意のヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると推定される。
【0061】
アイソトープにより標識された化合物もまた、本開示の範囲内にある。本明細書で使用する場合、「アイソトープにより標識した化合物」とは、1またはそれを超える原子が、天然に通常見いだされる原子質量または原子数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、それぞれ本明細書に記載された通りである薬学的塩およびそのプロドラッグを含め、本明細書で開示された化合物を意味する。本明細書で開示された化合物中に組み込まれ得るアイソトープの例としては、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素のアイソトープが挙げられる。
【0062】
本明細書で開示された化合物をアイソトープにより標識することにより、この化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(3H)および炭素-14(14C)標識化合物が、その調製の容易さおよび検出性から特に好ましい。さらに、ジュウテリウム(2H)のような、より重いアイソトープでの置換は、より大きな代謝安定性からもたらされる特定の治療的利点(例えば、インビボ半減期の増大または投与量の必要性の低減)を与えることができ、それゆえ、一部の環境において好適であり得る。薬学的な塩、エステルおよびそれらのプロドラッグを含め、本明細書で開示されたアイソトープにより標識した化合物は、当該分野で公知の任意の手段によって調製され得る。
【0063】
さらに、通常の豊富な水素(1H)を、ジュウテリウムなどのより重いアイソトープで置換することにより、特定の治療的利点(例えば、改善された吸収、分布、代謝および/または排出(ADME)特性から得られる)が提供され得、改善された効力、安全性および/または寛容性を有する薬物を創成し得る。利益もまた、通常の豊富な12Cを13Cで置き換えることにより獲得され得る。WO 2007/005643、WO 2007/005644、WO 2007/016361およびWO 2007/016431を参照のこと。
【0064】
「水素」という用語は、プロチウムおよび重水素を含む全ての水素同位体を表す。与えられた組成物において、水素分子は、別段の指定がなければ、全てプロチウム、全て重水素または両方の混合物であり得る。
【0065】
本明細書で開示された化合物の立体異性体(例えば、シス異性体およびトランス異性体)およびすべての光学異性体(例えば、RエナンチオマーおよびSエナンチオマー)、ならびにこのような異性体のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および他の混合物もま
た、本開示の範囲内にある。
【0066】
本明細書で開示された化合物、塩、エステル、プロドラッグ、水和物および溶媒和物は、エノールおよびイミン形態、ならびにケトおよびエナミン形態、ならびに幾何異性体およびそれらの混合物を含めた、いくつかの互変異性形態で存在し得る。互変異性体は、溶けた互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常は1つの互変異性体が支配的である。1つの互変異性体が記載され得るが、すべての互変異性体は、本開示の範囲内にある。
【0067】
アトロプ異性体もまた本開示の範囲内にある。アトロプ異性体とは、回転が制限された異性体へと分離され得る化合物を意味する。
【0068】
本発明の化合物は、それらの調製の後に、分離し、精製して、本明細書で述べるように使用され、または調合される、95%に等しいまたはそれを超える重量の(「実質的に純粋な」)量を含む組成物を得ることが好ましい。特定の実施形態において、本発明の化合物は、99%を超える純度である。
【0069】
本発明の化合物の溶媒和物もまた本明細書で意図される。本発明の化合物の溶媒和物としては、例えば、水和物が挙げられる。
発明の詳細な説明
【0070】
本発明は、化合物ならびにこのような化合物を含有する薬学的組成物および哺乳動物における肝臓中の過剰な脂肪蓄積に起因する疾患および障害、例えば単純脂肪症およびNASHを含むNAFLDの処置および予防におけるこれらの使用を提供する。
【0071】
具体的には、本発明は、本発明の任意の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0072】
本発明は、ヒトを含む哺乳動物対象における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、例えば、NASHおよび脂肪症を処置または予防する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、ヒトを含む哺乳動物におけるNAFLDの処置または予防において有効である、本明細書に記載されている本発明の化合物のいずれか、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤とを含む治療的有効量の薬学的組成物を投与することを含む方法も提供する。
【0073】
1つの特徴において、本発明は、NAFLDまたはNASH、および場合によってはそれらの併存疾患を首尾よく処置または予防することから、以下の健康上の利益:体重およびBMIの減少;肝機能の改善;ならびに肝トリグリセリド含量、肝脂肪症、炎症、線維症および肝損傷の少なくとも1つの減少の1つまたは複数をもたらす方法を提供する。
【0074】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式Iの化合物
【化1】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択
され、
R
1は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)
OR
d、C(=O)R
a又はC(=O)NR
bR
cであり、
R
2は、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
R
3は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
R
4、R
7及びR
8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
a又はNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、アミノ若しくは置換アミノであり、
R
6は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はOR
aであり、
R
aは、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
R
b、R
c及びR
dは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
b及びR
cは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
R
eは、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアル
ケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0075】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式IIの化合物
【化2】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
Hetは、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員または6員の芳香環であり、
R1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
3およびR
10は、それぞれ独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4、R
7およびR
8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、OCF3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5は、アルキルまたは置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6およびR
9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、OCF3、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはORaであり、
R
14およびR
15は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
14およびR
15は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
Raは、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シク
ロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
bおよびR
cは、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
eは、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである。
【0076】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式IIIの化合物
【化3】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
R
1は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a又はC(=O)NR
bR
cであり、
R
3及びR
10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
R
4、R
7及びR
8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
a又はNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、アミノ若しくは置換アミノであり、
R
6及びR
9は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3
、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はOR
aであり、
R
11は、水素又はC
1~4アルキルであり、
R
12及びR
13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
12及びR
13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
R
aは、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
R
b、R
c及びR
dは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
b及びR
cは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
R
eは、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0077】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式IVの化合物
【化4】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
R
1は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a又はC(=O)NR
bR
cであり、
R
3及びR
10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
R
4、R
7及びR
8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
a又はNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、アミノ若しくは置換アミノであり、
R
6及びR
9は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はOR
aであり、
R
14及びR
15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
14及びR
15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
R
aは、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
R
b、R
c及びR
dは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
b及びR
cは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
R
eは、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0078】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式Vの化合物
【化5】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
R
1は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O
)OR
d、C(=O)R
a又はC(=O)NR
bR
cであり、
R
3及びR
10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
R
4、R
7及びR
8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
a又はNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5は、置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、アミノ若しくは置換アミノであり、
R
6及びR
9は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はOR
aであり、
R
11は、水素又はC
1~4アルキルであり、
R
12及びR
13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
12及びR
13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
R
aは、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
R
b、R
c及びR
dは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R
b及びR
cは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
R
eは、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0079】
様々な実施形態において、本発明の化合物は、以下の8つの化合物のうちの1つである。
【化6】
【化7】
【0080】
項目1.いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式VIの化合物
【化8】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中、
R
1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
2は、単環式または二環式のヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリールであり、
R
3は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-NR
aR
b、またはS(O)
2NR
aR
bであり、R
4、R
5、R
6およびR
7は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
TはO、SまたはR
aであり、
U、VおよびWは、それぞれ独立して、炭素、N、OまたはSであり、
X、Y、ZおよびAはそれぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、Y、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
ただし、R
4、R
5、R
6およびR
7のうちの1つが、置換ヘテロ環または置換アリールであり、かつX、Y、ZまたはAがそれぞれヘテロ原子である場合にR
4、R
5、R
6またはR
7は存在せず、ここで、R
4、R
5、R
6およびR
7中の置換ヘテロ環および置換アリールは、以下の基
【化9】
であり、
式中
Q-2はヘテロ環、C(=O)NR
bR
cまたはアリールであり、
R
n’、R
n’’およびR
n’’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、SR
a、C(=O)R
a、C(=O)OR
a、NH
2、S(O)
2NH
2、NR
bR
c、ヘテロ環または置換ヘテロ環またはアリールまたは置換アリールであり、
R
aは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキ
ニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであるか、または必要に応じて、前記R
bとR
cは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
R
eは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールである。
【0081】
項目2. TがOまたはSである、項目1に記載の化合物:
【化10】
【0082】
項目3. TがOである、項目2に記載の化合物:
【化11】
【0083】
項目4. Vが炭素である、項目2に記載の化合物:
【化12】
【0084】
項目5. WがNである、項目2に記載の化合物:
【化13】
【0085】
項目6. TがOであり、WがNである、項目5に記載の化合物:
【化14】
【0086】
項目7. TがOであり、Vが炭素である、項目4に記載の化合物:
【化15】
【0087】
項目8. Uが炭素であり、Vが炭素であり、WがNであり、TがOである、項目1に記載の化合物:
【化16】
【0088】
項目9. X、Y、ZおよびAの各々が炭素である、項目1~項目8のいずれか1項に記載の化合物。
【0089】
項目10. R1が水素である、項目1~項目9のいずれか1項に記載の化合物。
【0090】
項目11. R
2が
【化17】
であって、式中
Q-1は、ヘテロ環またはアリールであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’およびR
2’’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eである、項目1~項目10のいずれか1項に記載の化合物。
【0091】
項目12. X、Y、ZおよびAのうちの少なくとも1つがヘテロ原子である、項目10または項目11に記載の化合物。
【0092】
項目13. Q-1がヘテロアリールである、項目10~12のいずれか1項に記載の化合物。
【0093】
項目13’. Q-1がフェニルである、項目10~12のいずれか1項に記載の化合物。
【0094】
項目14. Q-1が、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、イミダゾール、インドール、ピロロピリジノン、ピリドン、ピロリジ
ン、ピリジノン、ピペリジンおよびピロロアゼピノンからなる群より選択される、項目13に記載の化合物。
【0095】
項目15. Q-1が、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、イミダゾール、インドール、ピロロピリジノンからなる群より選択される、項目14に記載の化合物。
【0096】
項目16. Q-1がピロールである、項目15に記載の化合物。
【0097】
項目17. Q-1がピリドン、ピロリジン、ピリジノンまたはピペリジンである、項目13に記載の化合物。
【0098】
項目18. Q-1がピリドンまたはピリジノンである、項目17に記載の化合物。
【0099】
項目19. R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’が、独立して、存在しないか、水素、アルキル、置換アルキル、置換ヘテロ環、置換アリール、C(=O)OReまたはC(=O)NRbRcであり、
式中
RbとRcは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、置換ヘテロ環であるか、または必要に応じて、前記RbおよびRcが、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
Reが水素である、
項目11~項目18のいずれか1項に記載の化合物。
【0100】
項目20. R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの1つが、C(=O)NRbRcであり、式中
Rbは、水素であり、
Rcは、NRbnRcn(式中RbnとRcnはアルキルであるか、または必要に応じて、前記RbnとRcnは、それらが結合しているNと一緒になって置換へテロ環を形成し(前記ヘテロ環はピペリジンまたはモルホリンである))で置換されたアルキルであるか、または必要に応じて、RbとRcは、それらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロ環(前記ヘテロ環は、ピペリジンまたはモルホリンである)を形成し、
R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの2つは独立してアルキルであり、他が水素である、項目19に記載の化合物。
【0101】
項目21. R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの1つが、C(=O)NRbRcであり、式中、
NRbRcは、2-(ジ-エチルアミノ)エチル、アミノ、2-ピロリジノエチルアミノ、4-メチルピペラジニルまたはモルホリノである、項目20に記載の化合物。
【0102】
項目21’. Q-1は、ピロールであり、R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの1つが存在せず、R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの2つがアルキル(例えばメチル)であり、R2’、R2’’、R2’’’およびR2’’’’のうちの1つがC(=O)NRbRcである、項目16に記載の化合物。
【0103】
項目21’’. Rbは、水素であり、
Rcは、NRbnRcnで置換されたアルキルである(式中RbnとRcnはアルキルであるか、または必要に応じて、前記RbnとRcnは、それらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロ環を形成する(前記ヘテロ環は、ピペリジンまたはモルホリンである))、項目21’に記載の化合物。
【0104】
項目21’’’. NRbRcが2-(ジ-エチルアミノ)エチル、アミノまたは2-ピロリジノエチルアミノである、項目21’’に記載の化合物。
【0105】
項目21’’’’. 必要に応じて、RbとRcが、それらが結合するNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成する、項目21’に記載の化合物。
【0106】
項目21’’’’’. NRbRcが、4-メチルピペラジニルまたはモルホリノである、項目21’’’’に記載の化合物。
【0107】
項目22. R
4、R
5、R
6およびR
7がそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、または
【化18】
である、項目1~21のいずれか1項に記載の化合物。
【0108】
項目23. R
4、R
5、R
6およびR
7がそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、OR
a、NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c(式中
R
aは、水素、またはアルキルまたは置換アルキルであり、
R
bとR
cは、独立して、水素、またはアルキルまたは置換アルキルであり、
R
eは、アルキルまたは置換アルキル(必要に応じて、置換アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択される1つまたはそれを超える置換基によって置換される)、および
【化19】
である、項目1~22のいずれか1項に記載の化合物。
【0109】
項目24. R
4、R
5、R
6およびR
7のうちの1つが、
【化20】
であり、R
4、R
5、R
6およびR
7のうちの他のものがそれぞれ独立して水素である、項目23に記載の化合物。
【0110】
項目25. Q-2が、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、テトラヒドロフラン、オキサン、オキセパン、インドール、インドリノン、インダゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、フタラジノンおよびフェニルからなる群より選択される、項目24に記載の化合物。
【0111】
項目26. Q-2が、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、テトラヒドロフラン、オキサン、オキセパン、インドール、インドリノン、インダゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジンおよびフタラジノンからなる群より選択される、項目25に記載の化合物。
【0112】
項目27. Q-2が、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピペリジンおよびピラゾールからなる群より選択される、項目26に記載の化合物。
【0113】
項目27’. Q-2が、インドール、インドリノン、インダゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジンおよびフタラジノンからなる群より選択される、項目26に記載の化合物。
【0114】
項目28. Q-2がチアゾールである、項目27に記載の化合物。
【0115】
項目29. Q-2がイミダゾールである、項目27に記載の化合物。
【0116】
項目30. Q-2がピペリジンである、項目27に記載の化合物。
【0117】
項目31. Q-2がピラゾールである、項目27に記載の化合物。
【0118】
項目32. Rn’がピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、テトラヒドロフラニル、オキサニル、オキセパニル、ピラニル、フェニル、チオフェニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルまたはピリジル(必要に応じて、前記ピペリジニル、ピラニル、フェニル、チオフェニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピリジルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキルまたは置換アルキル、ORa、NRbRc、C(=
O)ORe、C(=O)RaまたはC(=O)NRbRcで置換され(式中、Raは、水素またはアルキルまたは置換アルキルであり、RbおよびRcは独立して水素、またはアルキルまたは置換アルキルであり、かつReはアルキルまたは置換アルキルであり(必要に応じて、置換アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択される1つまたはそれを超える置換基で置換される))、Rn’’およびRn’’’は独立して、水素、またはアルキルまたは置換アルキルである(必要に応じて、置換アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択される1つまたはそれを超える置換基で置換される)、項目22~25のいずれか1項に記載の化合物。
【0119】
項目32’. Rn’、Rn’’およびRn’’’が独立して、水素、アルキルまたはメトキシである、項目22~25のいずれか1項に記載の化合物。
【0120】
項目32’’. Rn’、Rn’’およびRn’’’がそれぞれ水素である、項目22~25のいずれか1項に記載の化合物。
【0121】
項目33. Rn’が、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、フェニル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリジル(必要に応じて、前記ピペリジニル、ピラニル、フェニル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリジルは、ハロゲン、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ORaまたはC(=O)OReで置換される(式中Raは、水素、またはアルキルまたは置換アルキルであり、Reはアルキルまたは置換アルキル(必要に応じて、置換アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アリール、シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択される、1つまたはそれを超える置換基で置換される))であり、
Rn’’およびRn’’’が独立して、水素、アルキルまたはアミノである、項目32に記載の化合物。
【0122】
項目33’. Rn’が、フェニルまたは置換フェニルであり、Rn’’およびRn’’’が独立して、水素、またはアルキルまたはアミノである、項目33に記載の化合物。
【0123】
項目34. Rn’’およびRn’’’が独立して、水素またはアルキルである、項目33に記載の化合物。
【0124】
項目35. Q-2が、以下の基
【化21】
からなる群より選択される、項目32または項目33に記載の化合物。
【0125】
項目36. Q-2が、以下の基
【化22】
からなる群より選択される、項目32または33に記載の化合物。
【0126】
項目37. 前記化合物が、
【化23】
からなる群より選択される、項目1のいずれか1項に記載の化合物。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式VIIの化合物
【化24】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中
R
1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニ
ルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
3は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-NR
aR
b、またはS(O)
2NR
aR
bであり、R
4、R
6およびR
7は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
X、ZおよびAはそれぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は独立してヘテロ環、C(=O)NR
bR
cまたはアリールであり、R
2’、R
2’’、R
2’’’およびR
2’’’’はそれぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
5’、R
5’’およびR
5’’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、SR
a、C(=O)R
a、C(=O)OR
a、NH
2、S(O)
2NH
2、NR
bR
c、ヘテロ環または置換ヘテロ環またはアリールまたは置換アリールであり、
式中
R
aは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
bとR
cは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
R
eは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールである。
【0128】
いくつかの実施形態において、X、ZおよびAの各々が炭素である、式(VII)の化合物。いくつかの実施形態において、X、ZおよびAのうちの1つがヘテロ原子である、式(VII)の化合物。
【0129】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-a)
【化25】
を有し、式中R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7、X、Q-lおよびQ-2は、上記の定義と同一である。
【0130】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-b)
【化26】
を有し、式中、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7、XおよびQ-2は、上
記の定義と同一である。
【0131】
いくつかの実施形態において、XがCである、式(VII-b)の化合物。いくつかの実施形態において、XがNである、式(VII-b)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’’’がHである、式(VII-b)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、水素である、式(VII-b)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、メチルである、式(VII-b)の化合物。
【0132】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-c)
【化27】
を有し、式中、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6、R
7、XおよびQ-1は、上記の定義と同一である。
【0133】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-d)
【化28】
を有し、式中
XはCまたはNであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリ
ール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0134】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-e)
【化29】
を有し、式中、
ZはCまたはNであり、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7、Q-lおよびQ-2は、上記の定義と同一である。
【0135】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-f)
【化30】
を有し、式中、
ZはCまたはNであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、
シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7およびQ-2は、上記の定義と同一である。
【0136】
いくつかの実施形態において、ZがCである、式(VII-f)の化合物。いくつかの実施形態において、ZがNである、式(VII-f)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’’’がHである、式(VII-f)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、水素である、式(VII-f)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、メチルである、式(VII-f)の化合物。
【0137】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-g)
【化31】
を有し、式中、
Zは、CまたはNであり、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6、R
7およびQ-1は、上記の定義と同一である。
【0138】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-h)
【化32】
を有し、式中、
Zは、CまたはNであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0139】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-i)
【化33】
を有し、式中、
Aは、CまたはNであり、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7、Q-lおよびQ-2は、上記の定義と同一である。
【0140】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-j)
【化34】
を有し、式中、
AはCまたはNであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6、R
7およびQ-2は、上記の定義と同一である。
【0141】
いくつかの実施形態において、AがCである、式(VII-j)の化合物。いくつかの実施形態において、AがNである、式(VII-j)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’’’がHである、式(VII-j)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、水素である、式(VII-j)の化合物。いくつかの実施形態において、R2’’およびR2’’’の各々が、独立して、メチルである、式(VII-j)の化合物。
【0142】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-k)
【化35】
を有し、式中、
Aは、CまたはNであり、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6、R
7およびQ-1は、上記の定義と同一である。
【0143】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-l)
【化36】
を有し、式中、
Aは、CまたはNであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’は、それぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
2’’’が、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
cであり、
R
1、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0144】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-m)
【化37】
を有し、式中、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0145】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-n)
【化38】
を有し、式中、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0146】
いくつかの実施形態において、式(VII)の化合物は、式(VII-o)
【化39】
を有し、式中、
R
1、R
2’、R
2’’、R
2’’’、R
2’’’’、R
3、R
4、R
5’、R
5’’、R
5’’’、R
6およびR
7は、上記の定義と同一である。
【0147】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式VIIIの化合物
【化40】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中
R
1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
3は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-NR
aR
b、S(O)
2NR
aR
bであり、
R
4、R
5およびR
7は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
X、YおよびAはそれぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、YおよびAが存在する環が芳香族であり、
Q-1およびQ-2は独立してヘテロ環、C(=O)NR
bR
cまたはアリールであり、R
2’、R
2’’、R
2’’’およびR
2’’’’はそれぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c
、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
6’、R
6’’およびR
6’’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、SR
a、C(=O)R
a、C(=O)OR
a、NH
2、S(O)
2NH
2、ヘテロ環または置換ヘテロ環またはアリールまたは置換アリールであり、
式中
R
aは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであるか、または必要に応じて、前記R
bとR
cは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
R
eは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールである。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式IXの化合物
【化41】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中
R
1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
3は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a、-
C(O)R
a、-C(O)OR
a、-NR
aR
bまたはS(O)
2NR
aR
bであり、
R
4、R
5およびR
6は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
X、YおよびZはそれぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、YおよびZが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2はそれぞれ独立してヘテロ環、C(=O)NR
bR
cまたはアリールであり、
R
2’、R
2’’、R
2’’’およびR
2’’’’はそれぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
7’、R
7’’およびR
7’’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、SR
a、C(=O)R
a、C(=O)OR
a、NH
2、S(O)
2NH
2、ヘテロ環または置換ヘテロ環またはアリールまたは置換アリールであり、
式中
R
aは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであるか、または必要に応じて、前記R
bとR
cは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
R
eは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールである。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、式Xの化合物
【化42】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の、NASHおよび単純脂肪症を含むNAFLDを治療的にまたは予防的に処置するための使用に関し、
式中
R
1は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、C(=O)OR
d、C(=O)R
aまたはC(=O)NR
bR
cであり、
R
3は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-NR
aR
bまたはS(O)
2NR
aR
bであり、
R
5、R
6およびR
7は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、OR
a、SR
a、S(=O)R
e、S(=O)
2R
e、P(=O)
2R
e、S(=O)
2OR
e、P(=O)
2OR
e、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
Y、ZおよびAはそれぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、Y、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は独立してヘテロ環、C(=O)NR
bR
cまたはアリールであり、R
2’、R
2’’、R
2’’’およびR
2’’’’はそれぞれ独立して、存在しないか、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、アリールまたは置換アリール、またはOR
a、NR
bR
c、NR
bS(=O)
2R
e、NR
bP(=O)
2R
e、S(=O)
2NR
bR
c、P(=O)
2NR
bR
c、C(=O)OR
e、C(=O)R
a、C(=O)NR
bR
c、OC(=O)R
a、OC(=O)NR
bR
c、NR
bC(=O)OR
e、NR
dC(=O)NR
bR
c、NR
dS(=O)
2NR
bR
c、NR
dP(=O)
2NR
bR
c、NR
bC(=O)R
aまたはNR
bP(=O)
2R
eであり、
R
4’、R
4’’およびR
4’’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニト
ロ、トリハロメチル、OCF
3、アルキルまたは置換アルキル、OR
a、SR
a、C(=O)R
a、C(=O)OR
a、NH
2、S(O)
2NH
2、ヘテロ環または置換ヘテロ環またはアリールまたは置換アリールであり、
式中
R
aは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであり、
R
b、R
cおよびR
dは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールであるか、または必要に応じて、前記R
bとR
cは、それらが結合しているNと一緒になってヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、
R
eは、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、ヘテロ環または置換ヘテロ環、またはアリールまたは置換アリールである。
【0150】
様々な実施形態では、本発明の化合物は、以下の15個の化合物の1つである。
【化43】
【化44】
合成
【0151】
本発明の化合物を調製するための例示的な方法が以降の節に記載されているが、本発明はそれに限定されることを意図しない。
【0152】
本発明の化合物を化学的に合成するための以下の例示的な方法では、反応の出発材料および中間体は、所望であれば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含むがこれらに限定されない従来の技術を使用して、単離および精製され得る。
【0153】
本発明の材料は、物理的定数およびスペクトルデータを含むが、これらに限定されない従来の手段を用いることによって特性化可能である。反応は、使用した試薬および材料に対して適切な溶媒中で実施し、影響を受けている変換に対して好適である。代表例には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、水、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、トルエン、1,4-ジオキサン
または酢酸エチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0154】
特定しない限り、本明細書で記述した反応を、大気圧にて約-78℃~約150℃の温度範囲上で実施した。
【0155】
加熱のために、試薬および標的材料に依存する任意の方法を使用可能である。代表例としては、水浴、油浴、水浴またはマイクロ波反応器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
本発明中、式VIの化合物を、以下の調製方法I~IIの方法、以下の調製方法と同様の方法、または当業者に公知の合成を必要に応じて組み合わせることによって、公知の化合物から調製し得る。
【0157】
調製方法
【0158】
式VIの化合物は、以下の方法によって合成され得る。
【化45】
【0159】
スキーム中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、T、U、V、W、X、Y、Z、A、R
n’、R
n’’、R
n’’’およびQ-2は、VI-1およびVIII-1において、R
4、R
5、R
6およびR
7が、
【化46】
ではないことを除いて、上記式V1に定義したとおりであり、Jがボロン酸、ボロン酸ピナコールエステル、トリフルオロボラン、有機錫、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウム、有機ケイ素および有機リチウムのような金属含有基である。Kが、Cl、Br、IおよびOTfのような脱離基である。
【0160】
調製方法I
【0161】
本発明の化合物は、以下の方法を用いて合成され得る。
【0162】
式VIの化合物のうち、化合物VI-3または薬学的に許容され得るその塩は、以下の方法によって調製される。
【化47】
【0163】
スキームにおいて、記号は、以上で定義したのと同一の意味を有する。
【0164】
式VI-1の化合物は、遷移金属触媒(代表例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、パラジウム炭素、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、またはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドが挙げられるが、これらに限定されない)、アルカリ金属炭酸塩(代表例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムが挙げられるが、これらに限定されない)、または他のアルカリ金属塩(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム)、および適切な溶媒のその存在下、または溶媒なしで、式VI-2の化合物と反応させて、式VI-3の化合物を得ることが可能である。
【0165】
調製方法II
【0166】
化合物VI-1を、化合物VII-2より調製し得る。
【化48】
【0167】
スキームにおいて、記号は、以上で定義したのと同一の意味を有する。
【0168】
式VII-1の化合物は、塩基(代表例としては、ピロリジンおよびピペリジンが挙げられるが、これらに限定されない)、または酸(代表例としては、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない)、および適切な溶媒の存在下、または溶媒なしで、式VII-2の化合物と反応させて、式VI-1の化合物を得ることができる。
【0169】
本明細書で開示された薬学的組成物は、動物またはヒトにて使用可能である。本明細書で開示された化合物は、経口、頬側、非経口(例えば静脈内、筋肉内または皮下)、局所、直腸または鼻腔内投与のための薬学的組成物として、または吸入または吹送による投与のために好適な形態において、処方可能である。本明細書で開示された化合物はまた、当業者に周知の方法にしたがった、徐放のために処方され得る。そのような処方物の例は、米国特許第3,119,742号明細書、同第3,492,397号明細書、同第3,538,214号明細書、同第4,060,598号明細書および同第4,173,626号明細書で見ることができる。
【0170】
処方物は、単位剤形にて好都合に提示されてよく、医薬品業界にて周知の任意の方法によって調製され得る。単一剤形を産出するために担体材料と組合せ可能な活性成分の量は、処置されている動物と、投与の特定のモードに依存して様々である。単一剤形を産出するために、担体材料と組合せ可能である、活性成分の量は一般に、治療効果を産出する化合物の量であろう。一般に、100%のうち、本量は、たとえば約0.1%~約25%(例えば1%、2%、5%、10%、15%、20%)の活性成分の範囲であろう。
【0171】
経口投与に好適な本発明の治療組成物または処方物は、それぞれ既定量の本発明の化合物を活性成分として含む、カプセル、カシェー、ピル、錠剤、(風味付けされた基体、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いて)トローチ剤、粉末、顆粒、または水性または非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油または油中水液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤またはシロップとして、または(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロールおよびアカシアのような、不活性基体を用いて)トローチとして、および/またはマウスウォッシュなどの形態であり得る。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与され得る。
【0172】
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、本発明にしたがったアルコールまたは阻害剤を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような、1つまたはそれを超える薬学的に許容可能な担体、および
/または任意の以下、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸のような充填剤または増量剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアのような結合剤、グリセロールのような保湿剤、寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、炭酸ナトリウムおよびグリコール酸デンプンナトリウムのような崩壊剤、パラフィンのような溶解遅延剤、四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤、例えばセチルアルコール、グリセロールモノステアレート、およびポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマーのような湿潤剤、カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、硫酸ラウリルナトリウム、およびこれらの混合物のような滑沢剤、ならびに着色剤、と混合する。カプセル、錠剤およびピルの場合、薬学的組成物はまた、緩衝剤を含んでよい。同様の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは牛乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングルコールなどのような賦形剤を用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセル内に充填剤として利用し得る。
【0173】
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容可能なエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。活性成分に加えて、液体剤形には、例えば水または他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(とりわけ、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびセサミ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物のような、可溶化剤および乳化剤のような、本技術分野で共通して使用される不活性希釈剤を含み得る。さらに、シクロデキストリン、例えばヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを、化合物を可溶化するために使用し得る。
【0174】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物にはまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、香料および保存剤のようなアジュバントも含まれ得る。本発明にしたがったアルコールまたは阻害剤に加えて、懸濁液には、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天-寒天およびトラガカント、およびその混合物が含まれ得る。
【0175】
直腸または膣投与のための本発明の薬学的組成物の処方物は、例えばココアバター、ポリエチレングルコール、坐薬ワックスまたはサリチレートを含む、1つまたはそれを超える好適な刺激のない賦形剤または担体とともに、本発明の1つまたはそれを超えるアルコールまたは阻害剤を混合することによって調製し得、室温で固体であるが、体温においては液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶解し、本発明の活性薬学的剤を放出する、坐薬として提示され得る。膣投与のために好適な本発明の処方物には、本技術分野で適切であることが公知の、そのような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物も挙げられる。
【0176】
本発明にしたがったアルコールまたは他の阻害剤の局所または経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が含まれる。活性化合物を、要求されてよい任意の保存剤、緩衝液または推進剤を含む、薬学的に許容可能な賦形剤、担体または希釈剤と、無菌状態で混合し得る。
【0177】
鼻腔内投与または吸入による投与のために、本明細書で開示された化合物は、患者によって絞られるか、またはポンプされるポンプ噴霧容器からの溶液または懸濁液の形態にて、または加圧容器またはネブライザからのエアロゾルスプレー提示として、好適な推進剤
、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適な気体の利用とともに、好都合に送達され得る。加圧エアロゾルの場合、投薬ユニットは、測量した量を送達するために、バルブを提供することによって決定し得る。加圧容器またはネブライザには、本明細書で開示された化合物の溶液または懸濁液が含まれてよい。吸入器または吹き入れ器での使用のための(例えばゼラチンから作られる)カプセルおよびカートリッジを、本明細書で開示された化合物とラクトースまたはデンプンのような好適な粉末基体の粉末混合物を含んで処方し得る。
【0178】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルが、本発明のアルコールまたは他の阻害剤に加えて、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの組合せのような賦形剤を含み得る。
【0179】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの基質の混合物のような、賦形剤を含み得る。スプレーはさらに、クロロフルオロ炭化水素および、ブタンおよびプロパンのような揮発性非置換炭化水素のような、慣例の推進剤を含み得る。
【0180】
眼科処方物、目軟膏、粉末、溶液などもまた、本発明の範囲内であると意図される。
【0181】
非経口投与のために好適な本発明の薬学的組成物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、意図するレシピエントの血液との等張性を処方物に与える溶質、または分散剤または増粘剤を含み得る、1つまたはそれを超える薬学的に許容可能な無菌等張水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、または使用直前に無菌注射可能な溶液または分散液に再構築し得る無菌粉末との組合せで、本発明にしたがった1つまたはそれを超えるアルコールまたは阻害剤を含む。
【0182】
場合によって、本発明にしたがったアルコールまたは阻害剤の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からのアルコールまたは阻害剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、貧弱な水溶性を有する結晶質または非結晶質性材料の液体懸濁液の利用によって達成され得る。薬物の吸収速度は次いで、その溶解速度に依存し、同様に結晶サイズおよび結晶質形態に依存し得る。あるいは、非経口投与組成物の遅延吸収が、アルコールまたは阻害剤を、油ビヒクル中に溶解または懸濁することによって達成される。デポー注射のための1つの戦略には、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマーの利用が含まれ、ビヒクルは室温で流体であり、体温にて固形化する。
【0183】
本発明の薬学的化合物は、単独で、または1もしくはそれより多くの活性薬剤、他の医薬品と同時に、それの後に、もしくはそれと逐次的に、またはNAFLD/NASHの症候もしくはその併存疾患の症候を処置するために一般的に処方または使用される他の薬剤と同時に、それの後に、もしくはそれと逐次的に、ならびに上記の薬学的に許容され得る賦形剤、担体もしくは希釈剤と組み合わせて、投与され得る。
【0184】
単一または複数投与量として、経口単位剤形中の薬理学的薬剤の量は、神経学的障害を処置するために効果的である量である。当業者によって認識されるように、使用されるべき正確な用量は、種々の因子、例えば、それ自身の状態、処置されている状態の重度、使用した特定の組成物、ならびに処置されている個体の種々の物理的因子、に依存するであろう。インビトロまたはインビボアッセイは、最適な投薬量範囲の同定を補助するために必要に応じて利用され得る。
【0185】
本明細書で疾患状態の処置または予防のための、平均成人ヒトに対する、経口、非経口
または頬側投与のための、本明細書で開示された化合物の提案用量は、約0.1mg~約2000mgである。特定の実施形態において、提案用量は、約0.1mg~約200mg(例えば、1mg、5mg、10mg、20mg、50mg、75mg、100mg、150mg)の活性成分/単位用量である。提案された用量に関わりなく、化合物の投与は、例えば、1、2、3または4回/日、または1、2、3、4または5回/週実施可能である。
【0186】
本明細書で、平均成人ヒトに対して引用された状態の処置または予防のためのエアロゾル処方物は、エアロゾルの各計量した用量または「パフ」が、約20μg~約10,000μg、好ましくは約20μg~約1000μg(例えば25μg、50μg、100μg、200μg、500μg、750μg)の本明細書で開示された化合物を含むように、好ましく調節される。エアロゾルでの総1日用量は、約100μg~約100mg(例えば200μg、500μg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、75mg)の範囲内であろう。特定の実施形態において、エアロゾルでの総1日用量は一般に、約100μg~約10mg(例えば200μg、500μg、1mg、2mg、5mg、7.5mg)の範囲内であろう。投与は、1日数回、例えば、1、2、3、4、5または8回、例えば各回1、2または3用量であり得る。
【0187】
本発明の化合物は、有機合成、医薬化学および関連分野における当業者に公知の合成方法またはそれに対する変形とともに、本発明に記載される方法を用いて調製することができる。反応は、使用される試薬および材料に適切な溶媒中で行われ、実施されている変換に適している。本明細書に含まれる実施例の出発材料は、市販されており、または公知の材料から標準的な方法によって容易に調製される。例えば、以下の反応は例示であり、本明細書で使用される出発材料および例のいくつかの調製の限定ではない。
【実施例0188】
合成例
化合物7-1の調製
【化49】
5-クロロアセチルオキシインドール1(42mg、0.2mmol)のEtOH/THF(2mL/1mL)懸濁液に、チオアセトアミド2-1(15mg、0.2mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間加熱し、その後冷却した。この溶液を、真空下で
濃縮して、オレンジ色の固体3を得た。
1H NMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 10.50 (br. S, 1H), 7.72 - 7.80 (m, 2H),7.33 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.86 (d,1H, J = 8.63 Hz), 3.42 - 4.54 (m, 2H);MSm/z 231.10 (M+H).
【0189】
3(53mg、0.2mmol)のEtOH/THF(2mL/1mL)溶液(又は上記反応混合物のEtOH/THF(2mL/1mL)溶液を使用)に、5-ホルミル-2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸4(33.4mg、0.2mmol)及びピペリジン(21.8μL)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過し、EtOH(1mL)で洗浄して、赤みをおびた固体5を得た。1HNMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 13.80 (s, 1H), 12.10 (br.s, 1H), 11.08 (s, 1H), 8.35(s, 1H), 7.85(s, 1H), 7.78 - 7.81 (m, 2H),6.94 (d, 1H, J = 8.11Hz), 2.74 (s,3H), 2.56 (s, 3H), 2.52 (s, 3H);MS m/z 380.21 (M+H)。
【0190】
5(20mg、0.052mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(24mg、0.063mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(30μL、0.168mmol)及び1-メチルピペラジン6-1(10μL、0.090mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2(2mL)に加え、H
2O(3×1.5mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH/Et
3N)により精製して、黄色の固体7-1を得た。
1HNMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 11.00 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.65 - 7.78(m, 2H), 6.94 (d, 1H,J = 8.18Hz), 3.02 - 3.20 (m, 4H),2.74 (s, 3H), 2.5 - 2.58(m, 4H),2.5 (s, 6H), 2.3 (s, 3H); MS
m/z 462.20 (M+H).
化合物10-1の調製
【化50】
【0191】
5-クロロアセチルオキシインドール1(820mg、4mmol)のEtOH/THF(20mL/20mL)懸濁液に、チオベンズアミド2-2(550mg、4mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間加熱し、その後冷却した。この溶液を真空下で濃縮して、オレンジ色の固体8を得た。MS m/z 293.20 (M+H)。
【0192】
この固体8に、EtOH/THF(20mL/20mL)(又は上記の反応混合物を使用)、5-ホルミル-2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸4(668mg、4mmol)及びピペリジン(400μL)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過し、EtOH(1mL)で洗浄して、オレンジ色の固体9を得た。1HNMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 13.80 (s, 1H), 12.40 (s, 1H), 11.10 (s, 1H), 8.47 (s,1H), 8.07 - 8.12 (m, 3H), 7.94 (d, 1H,J = 8.00Hz), 7.86 (s, 1H), 7.55 - 7.6 (m,3H), 7.01 (d, 1H, J = 8.10Hz), 2.59(s, 3H), 2.57 (s, 3H);MS m/z 442.20 (M+H)。
【0193】
9(34mg、0.077mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(35mg、0.092mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(30μL、0.168mmol)及び1-メチルピペラジン6-1(15μL、0.13mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2(2mL)に加え、H
2O(3×1.5mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH/Et
3N)により精製して、黄色の固体10-1を得た。
1HNMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 13.68 (s,
1H), 11.10 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.07 -8.10 (m, 3H), 7.91 (d, 1H,J = 8.00Hz), 7.80 (s, 1H), 7.68 - 7.76 (m, 2H), 7.52- 7.58 (m, 1H), 7.01 (d, 1H, J = 8.10Hz), 3.02 - 3.15 (m, 4H), 2.52 - 2.58 (m,4H), 2.5 (s, 3H),2.35 (s, 3H), 2.33 (s, 3H);MS m/z 524.20 (M+H)。
化合物13-3の調製
【化51】
【0194】
9(1.55g、3.5mmol)のDMF(130mL)溶液に、HATU(1.6g、4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.6mL、9.2mmol)及びN,N-ジエチル-1,2-エタンジアミン6-2(0.6mL、4.2mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2(800mL)に加え、H
2O(200mL)、飽和NaHCO
3(200mL)、H
2O(2×200mL)及び塩水(200mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を少量のMeOHに加え、ろ過して、黄色い固体13-3を得た。
1HNMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 13.70 (s, 1H), 11.10 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.07
- 8.10 (m, 3H), 7.92 (d, 1H,J = 8.10Hz), 7.81 (s, 1H), 7.3 - 7.6 (m, 3H), 7.00(d, 1H, J = 8.10Hz), 3.2 -3.3 (m, 2H), 2.5 - 2.6 (m, 6H), 2.51 (s,3H), 2.48(s, 3H), 1.00 (t, 6H, J = 6.90 Hz);MS m/z 540.20 (M+H)。
化合物18-5の調製
【化52】
【0195】
固体12(44mg、0.10mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(35mg、0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL、0.33mmol)及びN,N-ジエチル-1,2-エタンジアミン6-2(23μL、0.2mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCH2Cl2(2mL)に加え、H2O(1.5mL)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥さ
せ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/Et3N)により精製して、黄色の固体18-5を得た。1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 13.60 (s,1H), 11.00 (s, 1H), 9.18 (d, 1H, J = 1.60Hz), 8.64(dd, 1H, J = 4.80, 1.60 Hz),8.33 - 8.37 (m, 2H), 8.09 (s, 1H), 7.83(dd, 1H, J = 8.00, 1.60 Hz), 7.71 (s,1H), 7.50 (dd, J = 8.00,4.80 Hz, 1H), 7.36 - 7.39 (m, 1H), 6.91 (d, 1H, J =8.00Hz), 3.20 (q, J= 7.10 Hz, 4H), 2.4 - 2.6 (m, 4H),0.90 (t, J = 7.10 Hz, 6H);MS m/z 525.20 (M+H).MS m/z 541.20 (M+H)。
【0196】
化合物18-5は、化合物12およびN,N-ジエチル-1,2-エタンジアミン6-2から、次の実施例に示す化合物18-2の調製に使用したのと同様の方法を用いて調製することができる。
化合物18-2の調製
【化53】
【0197】
EtOH/THF(1mL/1mL)中の5-クロロアセチルオキシインドール1(42mg、0.2mmol)の懸濁液に、チオニコチンアミド2-3(27.8mg、0.2mmol)を添加した。混合物を80℃で16時間加熱した後、冷却した。溶液を真空中で濃縮して、橙色固体11を得た。MS m/z:294.20(M+H)。
【0198】
この固体11に、EtOH/THF(1mL/1mL)、5-ホルミル-2,4-ジメ
チル-1H-ピロール-3-カルボン酸(33.4mg、0.2mmol)およびピペリジン(21.8μL)を添加した。混合物を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮し、濾過して橙色固体12を得た。MS m/z:443.20(M+H)。
【0199】
固体12(44mg、0.10mmol)のDMF(1.5mL)中の溶液に、HATU(35mg、0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL、0.33mmol)および1-メチルピペラジン6-1(30μL、0.26mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣にCH2Cl2(2mL)を添加し、H2O(1.5mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/Et3N)によって精製すると、黄色固体18-2が得られた。 1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.55 (s, 1H), 11.00 (s, 1H), 9.20(d, 1H, J = 1.60Hz), 8.64 (dd, 1H, J = 4.70, 1.60 Hz), 8.35 -8.37 (m, 2H), 8.10 (s, 1H), 7.84(dd, 1H, J = 8.00, 1.60 Hz), 7.71 (s,1H), 7.52 (ddd, J = 8.00, 4.70, 0.70 Hz,1H), 6.92 (d, 1H, J =8.00 Hz), 3.07 - 3.2 (m, 4H),2.26 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.24 - 2.3 (m, 4H), 2.13 (s,
3H);MS m/z:525.20(M+H)。
生物医学的アッセイ
【0200】
実施例1:本発明の化合物はヒト肝細胞における過剰なトリグリセリド蓄積を防止する
【0201】
より極端な形態のNASHを含む非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の処置に使用できるかどうかを調べるために、ここでは細胞培養における脂肪蓄積を阻害する能力について、本発明の化合物の好ましい実施形態を評価した。
【0202】
最初に、様々なヒト肝細胞培養物を用いて一連のインビトロ実験を行った。例えば、0.1μM化合物13-3または対照ビヒクル、DMSOの存在下、EMEM培地中、1.6mMパルミトレイン酸とともにヒトHepG2肝細胞を48時間インキュベートした。48時間後、細胞を回収し、細胞内トリグリセリド含有量を、Derdakら、J Hepatol.2013;58(4):785-91に記載されているように、生化学キット(Biovision、Mountain View、CA)によって測定した。図(
図1A)に示すように、パルミトレイン酸処理は、HepG2細胞の細胞内トリグリセリド含有量を実質的に増加させたが、この事象は化合物13-3によって著しく抑制され、ヒト肝細胞における脂肪蓄積に対する強い阻害効果を示した。
【0203】
本発明の例示化合物としての化合物13-3-1、化合物13-3-2、化合物13-3-3、化合物13-3-5、化合物13-3-6、化合物13-3-7、化合物18-2、化合物13-3-10および化合物13-3-11からのトリグリセリド蓄積に対する効果を試験した。0.1μMの本発明の化合物または対照ビヒクル、DMSOの存在下、EMEM培地中、0.8mMパルミトレイン酸とともにヒトHepG2肝細胞を24時間インキュベートした。続いて、細胞をPBSで洗浄し、細胞内脂肪含有量をAdipoRed/Hoechst 33258二重染色によって測定し、これを蛍光測定によって評価した。図(
図1B)に示すように、パルミトレイン酸処理は、HepG2細胞の細胞内トリグリセリド含有量を実質的に増加させたが、この事象は、それぞれ9つの化合物の各々によって著しく抑制され、化合物13-3と比較してヒト肝細胞の脂肪蓄積に対して同等またはそれを超える阻害効果を示した。
【0204】
また、本発明のさらなる例示化合物として、化合物001、化合物004、化合物006、化合物013、化合物132、化合物133および化合物134の効果も試験した。0.1μMの本発明の化合物または対照ビヒクル、DMSOの存在下、EMEM培地中、
0.8mMパルミトレイン酸とともにヒトHepG2肝細胞を48時間インキュベートした。続いて、細胞をPBSで洗浄し、細胞内脂肪含有量をAdipoRed/Hoechst 33258二重染色によって測定し、これを蛍光測定によって評価した。図(
図1C)に示すように、パルミトレイン酸処理は、HepG2細胞の細胞内トリグリセリド含有量を実質的に増加させたが、この事象はそれぞれ7つの重水素化物によって著しく抑制され、化合物13-3と比較してヒト肝細胞の脂肪蓄積に対して同等またはそれを超える阻害効果を示した。
【0205】
この観察により、本発明の化合物は、固有の肝臓指向性効果を有し得るという仮説が導かれた。肝臓脂肪酸代謝に直接影響を及ぼすことによって、本発明の化合物は、NAFLDのマウスモデルにおいて肝脂肪症およびその後の肝損傷を軽減し得る。この仮説を試験するために、高脂肪食(HFD)誘発性NAFLDモデルにおける化合物13-3の治療上の有効性を評価した。
【0206】
実施例2:化合物13-3処置は、毎日のカロリー摂取または水分摂取を抑制することなくHFD給餌マウスの体重増加を減少させ、マウスモデルにおいてNAFLD症候を顕著に改善する
【0207】
肥満の改善およびNAFLD/NASHの改善における化合物13-3のインビボ有効性を評価するために、以前使用された改変高脂肪食(HFD)を使用して、マウスにおいて肥満および重度の脂肪性肝疾患を誘導した(Derdakら、Journal of Hepatology 2013;58(4):785-91)。
【0208】
5週齢の雄性C57Bl/6Jマウス(12~18/群、Jackson Laboratory、Bar Harbor、ME)に、改変された高脂肪食または対照食(Bioserv,Frenchtown,NJ)を15週間自由に与えた。改変HFDのカロリープロファイル(カロリーの60%が脂肪由来)は、このマウス系統において肥満、脂肪症およびインシュリン抵抗性を効果的に誘導した以前公開された食餌の組成に類似していた(Congら、Life Sci、2008;82:983-990)。本発明者らは、様々なパイロット研究において、肥満およびNAFLDを誘導するこの食餌の有効性を検証した。15週間にわたる摂食レジメンの終了時に、この食餌は、これらのマウスにおいて肝損傷を示す実質的なALT上昇を引き起こした。
【0209】
改変HFDで15週間後、マウスに化合物13-3(または対照ビヒクル)投与レジメンを実施し、導入5mg/kg(経口、週3回、最初の3週間)用量の後に治療用量10mg/kg(経口、週3回、さらに5週間)を投与した。薬物処置の経過中、体重、食物/水分摂取量および有害作用の変化について動物を毎日モニタリングした。
【0210】
図2Aに示されるように、化合物13-3の処置は、HFDのマウスにおけるさらなる体重増加を防止しただけでなく、漸進的な体重減少も誘発した。
図2Bが実証するように、安楽死の時点で、化合物13-3で処置されたHFD給餌マウスと対照ビヒクルで処置されたHFD給餌マウスとの間には顕著な約20%の体重差が存在した。さらに、HFD給餌マウスにおける化合物13-3誘導性体重減少は、食物摂取量または水分摂取量の減少とは関連しておらず(
図2Cおよび2D)、本発明の化合物を含む薬学的組成物は、一般に、副作用がほとんどなく非常に安全であるはずであることを示している。
【0211】
より重要なことには、化合物13-3処置は、安楽死の時点で示された処置動物の肝臓の肉眼的概観として、NAFLD/NASH症候を著しく改善した(
図2E)。ビヒクル処置マウスにおける高脂肪食は、この臓器での異所性脂肪蓄積による肝腫大を促進した。肥大した肝臓は、脂肪変性と一致して淡黄色に見えた。極めて対照的に、化合物13-3
は、HFD給餌マウスの肝臓の大きさを著しく減少させ、より健康的な、より暗い褐色の外観を維持するのに役立った(右端のパネル)。肝臓の大きさおよび外観に対する有益な効果は、本発明の例示的な化合物である化合物13-3の仮定された抗NAFLD/NASH効果と一致する。
【0212】
実施例3:化合物13-3処置はHFD給餌マウスにおける肝脂肪症を減少させる
【0213】
上記試験例によって示された化合物13-3の固有の肝臓指向性効果と一致して、化合物13-3処置されたHFD給餌マウスの肝臓における劇的な変化が安楽死の時点で観察された。
【0214】
ビヒクル処置マウスにおけるHFD摂食は、この臓器での異所性脂肪蓄積による肝腫大を促進した。
図3Aは、化合物13-3が、ビヒクルで処置された同腹子と比較して、HFD給餌マウスの肝臓において、肝臓重量を大幅に減少させ、脂肪変性を軽減することができたという肉眼的観察を提供する。この観察は、肝臓重量(
図3B)を測定し、体重に比例して表すことによってさらに確認された(
図3C)。化合物13-3で処置したHFD給餌マウスの肝臓のサイズは、本質的に痩せた動物と同等であり、本化合物が異所性脂肪蓄積を著しく減少させまたは防止し、HFD給餌マウスにおいてNASH症候の劇的な後退または阻害を誘導することを示した。
【0215】
実施例4:化合物13-3の処置は、HFD給餌マウスの小滴性および大滴性脂肪症を減少させる
【0216】
NAFLDを改善させる上での化合物13-3の顕著な有効性は、採取した肝臓試料の顕微鏡分析によってさらに裏付けられた(
図4)。ヘマトキシリン-エオシン(H&E)染色(上段)により、中央の列にあるHFD給餌ビヒクル処置マウスの肝臓では、肝細胞の風船化および炎症を伴う、無秩序な肝臓構造、重度の小滴性および大滴性脂肪症(すべてのNASHの症候)が明らかになった。右列の組織像は左列の陰性対照と顕著に類似しており、ともにこれらのNASH症候のいずれも示さなかったので、これらの病理学的変化はすべて化合物13-3処置によって顕著に抑制された。
【0217】
さらに、マッソントリクローム染色(中段)により、HFD給餌ビヒクル処置マウスにおけるステージ1の線維症が明らかになった。しかしながら、軽度の門脈線維症および類洞周囲線維症の証拠は、HFD給餌ビヒクル処置群においてのみ見出されたが、化合物13-3で処置したHFD給餌マウスは線維症の徴候を何ら示さなかった。
【0218】
最後に、過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色を使用することにより、肝臓インシュリン抵抗性の発症と一致して、HFD給餌ビヒクル処置群では、肝臓グリコーゲンがゾーン2および3から枯渇し、脂肪によって置き換えられたことが実証された。対照的に、HFD給餌化合物13-3処置マウスの肝臓では、グリコーゲンの肝臓枯渇の証拠は存在しなかった。
【0219】
実施例5:化合物13-3はNAFLD活性スコア(NAS)およびコラーゲン産生を顕著に減少させる
【0220】
この実施例では、肝臓に対する化合物13-3の効果をさらに調べた。
【0221】
ヘマトキシリン-エオシン(H&E)染色された肝臓スライドの顕微鏡評価を専門の病理学者が行い、NAFLD活性スコア(NAS)に対する薬物処置の効果を、化合物13-3の抗NAFLD効力についての主要な読み出し(read-out)として決定した
。脂肪症、小葉炎症(
図5A)および肝細胞風船化(
図5B)を含む、NAFLD/NASH(Kleiner DEら、Hepatology.2005;41(6):1313-21)に見られる特徴的な病理学的変化の重症度を記載するために、複合NASスコアが頻繁に使用される。
【0222】
重要なことに、NASスコアは、化合物13-3処置HFD給餌マウスにおいて、そのビヒクル処置同腹仔よりも実質的に低かった(
図5C)。NASスコアのこの劇的な改善は、市販のプローブ(Thermo Fisher Scientific Inc.,Waltham,MA)を用いた定量的リアルタイムPCTによって測定した場合に、I型コラーゲンα1の肝臓産生の顕著な減少とも関連していた(
図5D)。肝臓におけるコラーゲン産生の阻害は、化合物13-3が抗線維化特性も有し得ることを示し、これは、NAFLD/NASHを処置または予防するという目的にとって非常に好ましい。結論として、化合物13-3の処置は、脂肪症、炎症、肝細胞の風船化および線維症を含む、NAFLD/NASHのあらゆる重要な局面を改善する。したがって、化合物13-3および本発明の他の化合物に基づく薬学的組成物は、NAFLD、特にNASHの実行可能な処置を提供する可能性が高い。
【0223】
実施例6:化合物13-3は肝トリグリセリド含量および肝損傷を顕著に減少させる
【0224】
顕微鏡所見の上記の結論は、肝トリグリセリド含量(
図6A)および血清ALT/ASTレベル(
図6B~6D)を特徴付ける生化学的アッセイによっても裏付けられた。
【0225】
肝トリグリセリドを測定するための標準的な生化学的アッセイ(Biovision、Mountain View、CA)を使用することにより、化合物13-3処置がHFD誘発性脂肪症を予防することが示された(
図6A)。異所性脂肪蓄積は脂肪毒性および肝細胞損傷に関連しているので、この生化学的変化は非常に重要である。肝損傷の程度は、安楽死の時点での2つの肝臓酵素ALT(
図6B)およびAST(
図6C)(UMASS Mouse Phenotyping Center Analytical Core,Worcester,MA)の血清レベルを測定することによって特徴付けられている。HFD給餌マウスおよびビヒクル処置マウスにおいて、ASTレベルの増加がALTレベルの増加ほど顕著でなかったという観察は、この動物モデルにおけるNAFLDの重症度が中程度であったかもしれないことを示している(
図6Bおよび6C)。それにもかかわらず、化合物13-3処置がHFD給餌ビヒクル処置マウスにおける血清AST:ALT比の劇的な減少(HFD給餌によってもたらされるALT上昇の指標)を概ね防ぐことができたという事実(
図6D)は、本発明の化合物の著明な肝保護効果を強調している。
【0226】
実施例7:化合物13-3は脂肪酸酸化のメディエーターの発現を増加させ、高脂肪食給餌マウスにおけるレプチン抵抗性を改善する
【0227】
脂肪酸代謝のメディエーターに対する化合物13-3の効果を研究するために、本発明者らは、市販のプローブを使用する定量的リアルタイムPCRを用いて、化合物13-3で処置したHFD給餌マウスにおける脂肪酸代謝のメディエーターを評価した。
図7A~7Eに示されるように、脂肪酸酸化のいくつかの重要なメディエーター、例えば、ミトコンドリアにおける脂肪酸酸化の律速段階を触媒する酵素であるCPT1a(
図7A)、ペルオキシソームACOX 1(
図7B)および顕著な抗NAFLD効果および肝保護効果を有する最近記載されたヘパトカインであるFGF21(
図7C)(Maratos-Flier E Exp Cell Res(2017)360(1):2-5;Sonoda Jら、Horm Mol Biol Clin Investig(2017)30(2);Xu Jら、Diabetes(2009)58(1):250-259;L
i Hら、Diabetes(2012)61(4):797-806;Desai BNら、Mol Metab(2017)6(11):1395-1406を参照のこと)の遺伝子発現が、HFD給餌マウスにおいて化合物13-3処置によって増加した。特に、
図7Cに示されるFGF21遺伝子発現の顕著な上昇に注目されたい。有益な代謝効果の多くはFGF21に関連しており、FGF21自体が脂肪酸酸化をさらに促進し得る(Xu ら、Diabetes(2009)58(1):250-259;Li Hら、Diabetes(2012)61(4):797-806)。したがって、本発明者らは、市販のELISAキットを使用してFGF21の血清レベルも測定した。本発明者らは、化合物13-3によるHFD給餌マウスの処置が血清FGF21レベルも増加させることを見出した(
図7D)。これらの知見は、化合物13-3が脂肪酸酸化を促進する固有の機構を活性化することができることを示唆している。
【0228】
循環レプチンレベルに対する外因性FGF21の抑制効果は、非ヒト霊長類において以前に観察されている。したがって、本発明者らは、市販のELISAキットを使用して血清レプチンレベルも測定した。本発明者らは、化合物13-3が、レプチンレベルのHFD誘導性増加を有意に減少させることを見出し、本発明の化合物での処置から生じるレプチン抵抗性の改善を示した(
図7E)。
【0229】
実施例8:化合物13-3は、高脂肪食給餌マウスの脂肪肝における重要な脂肪生成標的の発現を減少させる
【0230】
本発明者らのデータは、化合物13-3が、脂肪酸酸化に直接関与するPPAR-α下流標的(CPT1a、ACOX1)の発現およびそれ自体が脂肪酸酸化をさらに増強し得るFGF21の発現(Xu Jら、Diabetes(2009)58(1):250-259;Li Hら、Diabetes(2012)61(4):797-806)を増加させ得ることを示唆している。FGF21は、肝臓PPAR-γ、FABP4およびCD36を抑制することによる脂肪生成の抑制にも関連している(Xu Jら、Diabetes(2009)58(1):250-259)。これを考慮して、本発明者らは次に、化合物13-3で処置したHFD給餌マウスの肝臓における脂肪生成のこれらのメディエーターの発現を評価した。本発明者らは、化合物13-3が肝臓におけるPPAR-γ遺伝子(
図8A)およびタンパク質の発現を抑制すること-後者はウェスタンブロット法とそれに続くデンシトメトリー(
図8B)によって評価した-、FGF21シグナル伝達の増加を示すFABP4(
図8C)およびCD36(
図8D)の遺伝子発現も減少させることを見出した。これらの知見は、脂肪酸酸化およびクリアランスの増加が、脂肪生成の減少とともに、本発明の化合物の抗NAFLD/NASH効力の重要な要素であることを示唆する。
【0231】
要するに、本発明の化合物は、化合物13-3としての代表的な実施形態では、NASHを含むNAFLDの処置における魅力的な新規薬剤である。本発明の化合物は、インビボでヒト肝細胞培養物およびマウスモデルの両方において観察された固有の肝臓指向性効果を示す。本発明の化合物は、脂肪酸酸化を促進し、新規脂肪酸合成を阻害する能力を明確に示した。総合すると、これらの事象は、肝脂肪症、炎症、線維症および肝損傷の減少をもたらすであろう。したがって、本発明の化合物は、NASHを含むNAFLDの処置における非常に強力な候補である。
等価物
【0232】
代表的な例は、本発明の説明を補助する意図であり、本発明の範囲を限定する意図はなく、そのように理解されるべきでない。実際、本明細書で示され、記述されるものに加えて、本発明の種々の改変、および多くのそのさらなる実施形態が、本文書の全内容から当業者に明らかになり、これは科学的文献および特許文献に対する例および参照が本明細書
に含まれることを意味する。実施例には、その種々の実施形態およびその等価物において、本発明の実施に適用可能である、重要な追加の情報、例示およびガイダンスが含まれる。
【0233】
他に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって共通に理解されるとの同一の意味を有する。本明細書で記述されたものと同様または等価の任意の方法および材料がまた、本開示の実施または試験で使用可能であるが、好ましい方法および材料がここで記述される。本明細書で引用した方法は、開示された特定の順番に加えて、論理的に可能な任意の順番で実施されてよい。
参照による組み込み
【0234】
特許、特許出願、特許発行物、ジャーナル、本、文献、ウェブコンテンツのような、他の文書に対する参照および引用が本開示にて実施されてきた。すべてのそのような文書は、法が許容する最大限度まで、すべての目的で、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書で参照によって組み入れられると呼ばれるが、既存の定義、言及または明確に本明細書で説明される他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその部分が、組み入れられた材料と、本開示材料間で矛盾が起きない程度まで、組み入れられるのみである。矛盾の場合、この矛盾は、好ましい開示として、本開示を支持して解決されるべきである。
【0235】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)
【化54】
【化55】
【化56】
からなる群から選択される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項2)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式Iの化合物:
【化57】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式Iの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
2
は、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4
、R
7
およびR
8
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5
は、アルキルまたは置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはOR
a
であり、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項3)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式IIの化合物:
【化58】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式IIの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
Hetは、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員または6員の芳香環であり、
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
およびR
10
は、それぞれ独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4
、R
7
およびR
8
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5
は、アルキルまたは置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6
およびR
9
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはOR
a
であり、
R
14
およびR
15
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
14
およびR
15
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項4)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式IIIの化合物:
【化59】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式IIIの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
Hetは、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員または6員の芳香環であり、
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
およびR
10
は、それぞれ独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4
、R
7
およびR
8
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5
は、アルキルまたは置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6
およびR
9
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはOR
a
であり、
R
11
は、水素またはC
1~4
アルキルであり、
R
12
およびR
13
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしく
は置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
12
およびR
13
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
nは、2、3、4、5および6から選択される整数であり、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項5)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式IVの化合物:
【化60】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式IVの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
Hetは、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員または6員の芳香環であり、
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
およびR
10
は、それぞれ独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4
、R
7
およびR
8
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5
は、アルキルまたは置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6
およびR
9
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはOR
a
であり、
R
14
およびR
15
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
14
およびR
15
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり;
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項6)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式Vの化合物:
【化61】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式Vの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
およびR
10
は、それぞれ独立して、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
4
、R
7
およびR
8
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5
は、置換アルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、アミノまたは置換アミノであり、
R
6
およびR
9
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリールまたはOR
a
であり、
R
11
は、水素またはC
1~4
アルキルであり、
R
12
およびR
13
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
12
およびR
13
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
nは、2、3、4、5および6から選択される整数であり、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり;
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項7)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式VIの化合物:
【化62】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式VIの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
2
は、単環式または二環式の複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリールであり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-NR
a
R
b
またはS(O)
2
NR
a
R
b
であり、
R
4
、R
5
、R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
Tは、O、SまたはR
a
であり、
U、VおよびWは、それぞれ独立して、炭素、N、OまたはSであり、
X、Y、ZおよびAは、それぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、Y、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
ただし、
R
4
、R
5
、R
6
およびR
7
のうちの1つは置換複素環または置換アリールであり、
X、Y、ZまたはAがそれぞれヘテロ原子である場合、R
4
、R
5
、R
6
またはR
7
は
存在しない;
ここで、
R
4
、R
5
、R
6
およびR
7
中の置換複素環および置換アリールは、以下の基であり、
【化63】
ここで、
Q-2は、複素環、C(=O)NR
b
R
c
またはアリールであり、
R
n’
、R
n’’
およびR
n’’’
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、OR
a
、SR
a
、C(=O)R
a
、C(=O)OR
a
、NH
2
、S(O)
2
NH
2
、NR
b
R
c
、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項8)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式VIIの化合物:
【化64】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における
、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式VIIの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-NR
a
R
b
またはS(O)
2
NR
a
R
b
であり、
R
4
、R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
X、ZおよびAは、それぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は、独立して、複素環、C(=O)NR
b
R
c
またはアリールであり、
R
2’
、R
2’’
、R
2’’’
およびR
2’’’’
は、それぞれ独立して、不存在、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリール、またはOR
a
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
もしくはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
5’
、R
5’’
およびR
5’’’
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF
3
、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、OR
a
、SRa、C(=O)R
a
、C(=O)OR
a
、NH
2
、S(O)
2
NH
2
、NR
b
R
c
、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
ここで、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、
アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項9)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式VIIIの化合物:
【化65】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式VIIIの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-NR
a
R
b
またはS(O)
2
NR
a
R
b
であり、
R
4
、R
5
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
X、YおよびAは、それぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、YおよびA
が存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は、それぞれ独立して、複素環、C(=O)NR
b
R
c
またはアリールであり、
R
2’
、R
2’’
、R
2’’’
およびR
2’’’’
は、それぞれ独立して、不存在、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリール、またはOR
a
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
もしくはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
6’
、R
6’’
およびR
6’’’
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、OR
a
、SR
a
、C(=O)R
a
、C(=O)OR
a
、NH
2
、S(O)
2
NH
2
、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
ここで、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項10)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式IXの化合物:
(IX)
【化66】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式IXの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-NR
a
R
b
またはS(O)
2
NR
a
R
b
であり、
R
4
、R
5
およびR
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
X、YおよびZは、それぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、X、YおよびZが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は、それぞれ独立して、複素環、C(=O)NR
b
R
c
またはアリールであり、
R
2’
、R
2’’
、R
2’’’
およびR
2’’’’
は、それぞれ独立して、不存在、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、アリー
ルもしくは置換アリール、またはOR
a
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
もしくはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
7’
、R
7’’
およびR
7’’’
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、OR
a
、SR
a
、C(=O)R
a
、C(=O)OR
a
、NH
2
、S(O)
2
NH
2
、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
ここで、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項11)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)式Xの化合物:
【化67】
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグであって、ヒトを含む哺乳動物における、そのNAFLDの処置もしくは予防において有効である、式Xの化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを含む治療的有効量の薬学的組成物であって、
式中、前記記号は、以下の意味を有し、各出現について独立して選択され:
R
1
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、C(=O)OR
d
、C(=O)R
a
またはC(=O)NR
b
R
c
であり、
R
3
は、水素、アルキルまたは置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、-OR
a
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-NR
a
R
b
またはS(O)
2
NR
a
R
b
であり、
R
5
、R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、複素環または置換複素環、アリールまたは置換アリール、OR
a
、SR
a
、S(=O)R
e
、S(=O)
2
R
e
、P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
OR
e
、P(=O)
2
OR
e
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
またはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
Y、ZおよびAは、それぞれ独立して、炭素またはNであり、ただし、Y、ZおよびAが存在する環は芳香族であり、
Q-1およびQ-2は、それぞれ独立して、複素環、C(=O)NR
b
R
c
またはアリールであり、
R
2’
、R
2’’
、R
2’’’
およびR
2’’’’
は、それぞれ独立して、不存在、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、アリールもしくは置換アリール、またはOR
a
、NR
b
R
c
、NR
b
S(=O)
2
R
e
、NR
b
P(=O)
2
R
e
、S(=O)
2
NR
b
R
c
、P(=O)
2
NR
b
R
c
、C(=O)OR
e
、C(=O)R
a
、C(=O)NR
b
R
c
、OC(=O)R
a
、OC(=O)NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)OR
e
、NR
d
C(=O)NR
b
R
c
、NR
d
S(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
d
P(=O)
2
NR
b
R
c
、NR
b
C(=O)R
a
もしくはNR
b
P(=O)
2
R
e
であり、
R
4’
、R
4’’
およびR
4’’’
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、OCF
3
、アルキルまたは置換アルキル、OR
a
、SR
a
、C(=O)R
a
、C(=O)OR
a
、NH
2
、S(O)
2
NH
2
、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールであり、
ここで、
R
a
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環、またはアリールもしくは置換アリールであり、
R
b
、R
c
およびR
d
は、独立して、水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環、もしくはアリールもしくは置換アリールであり、または必要に応じて、前記R
b
およびR
c
は、それらが結合しているNと一緒になって、複素環もしくは置換複素環を形成し、
R
e
は、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アルケニルもしくは置換アルケニル、アルキニルもしくは置換アルキニル、シクロアルキルもしくは置換シクロアルキル、シクロアルケニルもしくは置換シクロアルケニル、複素環もしくは置換複素環またはアリールもしくは置換アリールである、薬学的組成物、ならびに(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤
を投与することを含む、方法。
(項12)
前記NAFLDが非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、上記項1~11のいずれかに記載の方法。
(項13)
前記NAFLDが単純脂肪症である、上記項1~11のいずれかに記載の方法。
(項14)
ビタミン、脂質低下薬、インシュリン抵抗性改善薬、抗炎症薬、コレステロール低下薬、糖尿病薬、実験的抗NASH剤および減量薬からなる群から選択されるさらなる薬剤を投与することをさらに含む、上記項1~11のいずれかに記載の方法。
(項15)
前記ビタミンがビタミンDまたはEである、上記項14に記載の方法。
(項16)
前記抗炎症薬が、抗酸化薬、抗アポトーシス薬および抗サイトカイン薬からなる群から選択される、上記項14に記載の方法。
(項17)
実験的抗NASH剤が、ファルネソイドx受容体アゴニスト、PPARアゴニスト、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)、C-Cケモカインリガンド2型および5型アンタゴニスト、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK1)阻害剤、リジルオキシダーゼ様2抗体、抗肝線維化剤ならびにガレクチン-3阻害剤からなる群から選択される、上記項14に記載の方法。
(項18)
ヒトを含む哺乳動物における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関連することが知られている死亡率または罹患率を低減または改善する方法であって、前記方法は、それを必要とする哺乳動物対象に、
(a)以下からなる群:
【化68】
【化69】
および
【化70】
およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体または薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグから選択される治療的有効量の薬学的組成物;ならびに
(b)薬学的に許容され得る賦形剤、担体または希釈剤を投与することを含み、
NAFLDに関連することが知られている症候または徴候が、肝臓脂肪の蓄積、肝臓トリグリセリドの上昇したレベル、肝線維症、肝細胞の風船化、肝臓酵素であるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇したレベル、ならびに3より大きいNAFLD活性スコア(NAS)からなる群から選択される、方法。
(項19)
以下からなる群から選択される化合物
【化71】
【化72】
および薬学的に許容され得るその塩。
(項20)
前記水素の少なくとも1つが重水素である、上記項19に記載の化合物。