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  • 特開-希土類錯体含有組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163274
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】希土類錯体含有組成物
(51)【国際特許分類】
   C07F 5/00 20060101AFI20241114BHJP
   C07F 9/53 20060101ALI20241114BHJP
   C07C 49/92 20060101ALI20241114BHJP
   C09K 11/06 20060101ALN20241114BHJP
【FI】
C07F5/00 D
C07F9/53
C07C49/92
C09K11/06 660
C09K11/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157333
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2021077842の分割
【原出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 順生
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(72)【発明者】
【氏名】岩永 寛規
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 玲
(72)【発明者】
【氏名】北川 寿丈
(72)【発明者】
【氏名】金子 桂
(72)【発明者】
【氏名】角野 努
(57)【要約】
【課題】蛍光探傷検査方法にも利用可能な、希土類錯体とフッ素系溶剤を含む組成物を提供する。
【解決手段】希土類イオンと、構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、βジケトン配位子とを含む希土類錯体が、フッ素系溶媒に溶解された、希土類錯体含有組成物と、それを利用する蛍光探傷検査方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】
(式中、
は、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、
は、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、
は、それぞれ独立に、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、
は、それぞれ独立に、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基、またはハロゲンである。)
で表される希土類錯体が、パーフルオロアルカンまたはハイドロフルオロエーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるフッ素系溶媒に溶解された、希土類錯体含有組成物であって、
前記希土類錯体の含有率が、希土類錯体含有組成物の総質量を基準として、0.1質量%以上である、希土類錯体含有組成物。
【請求項2】
希土類イオンが、Eu(III)である、請求項1に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項3】
前記RおよびRは相互に異なっている、請求項1または2に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項4】
前記RおよびRの少なくともひとつが直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項5】
前記Rが、フェニル基のオルト位に結合している、請求項1~4のいずれか1項に記載の希土類錯体含有組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類錯体含有組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浸透探傷検査は、目視では確認できないインフラ設備等のひび割れや欠陥を、蛍光物質を利用して検知する検査方法である。より具体的には、検査薬として蛍光体が溶媒に溶解した溶液を検査対象に塗布し、余剰の検査薬を除去した後、紫外線灯を照射して、損傷部等に浸透した蛍光体を発光させることによって、損傷部等を探す方法である。現在、探査薬の溶媒の主流は灯油のようなアルカン類である、アルカン類は蛍光体をよく溶解する性質を有するものの、危険物であるため貯蔵や取り扱いにコストがかかる。このため、探査薬の溶媒をより安全なものに置き換えることが検討されている。例えば、環境にやさしくかつ安全なフッ素系溶媒で灯油を置き換える検討がなされている。
【0003】
一方、探傷検査薬に用いられる蛍光体についても、発光強度が高いものが好ましい。このために種々の蛍光体が検討されているが、そのうち、希土類にホスフィンオキシドやβジケトンが配位した希土類錯体が好ましいものとして採用されている。
【0004】
ところが、そのような希土類錯体は、極性の高いアルコール等には溶解性が高いが、フッ素系溶媒には極めて溶解性が低い。具体的には0.01質量%を超える濃度で希土類錯体を溶解することが困難であり、その結果、探傷検査薬として十分な発光強度が実現できず、実用化が困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような課題を解決し、安全性や取り扱い性に優れ、環境にも優しい、蛍光体の含有量が高い、浸透探傷検査にも適用が可能な希土類錯体含有組成物が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本次子形態による希土類錯体含有組成物は、
希土類イオンと、
構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、
βジケトン配位子と
を含む希土類錯体が、フッ素系溶媒に溶解されたものである。
【0007】
また、実施形態による浸透探傷検査方法は、
被検体の表面に、前記希土類錯体含有組成物を塗布し、
前記表面上の余剰の希土類錯体含有組成物を除去し、
前記表面に紫外線を照射して蛍光を観察する
ことによって、被検体表面の損傷の有無および位置を検査するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態による希土類錯体含有組成物の発光スペクトル。
図2】実施形態により希土類錯体含有組成物の濃度と発光強度の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
<希土類錯体含有組成物>
本実施形態による希土類錯体含有組成物(以下、簡単に組成物ということがある)は、特定の蛍光体と特定の溶媒とを含んでいる。
本発明者らの検討によれば、蛍光体として特定の希土類錯体とフッ素系溶媒とを用いることによって、高濃度で発光強度の高い希土類錯体含有組成物が得られることがわかった。このような組成物は、発光強度が高いことによって、蛍光探傷検査薬として非常に有用である。このような組成物に用いられる特定の希土類錯体は、
希土類イオンと、
構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、
βジケトン配位子と
を含むものである。
希土類イオンとしては、Eu(III)、Tb(III)、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましく、Eu(III)がより好ましい。Eu(III)は紫外光を吸収して赤色光を放出するものである。
【0011】
このような希土類錯体に対して、各種の配位子を組み合わせて錯体とすることで、発光効率を高くすることが可能であり、各種の錯体が知られている。配位子としては、βジケトン配位子やホスフィンオキシド配位子が知られているが、実施形態による希土類錯体は、ホスフィンオキシド配位子と、βジケトン配位子との組み合わせを含み、さらにホスフィンオキシドとして構造の異なるものを2つ以上含むことを一つの特徴としている。
【0012】
一般的に、実施形態による希土類錯体は、2つのホスフィンオキシド配位子と、3つのβジケトン配位子とを含む。しかしながら、構造の異なる2つのホスフィンオキシド配位子と、ひとつのβジケトン配位子とを含むことが必要であり、それ以外の配位子は実施形態による効果を損なわない範囲で任意に選択することができる。例えば、3つ以上のホスフィンオキシドを含んだり、ハロゲンイオンのような別の配位子が含まれていたりしてもよい。
【0013】
実施形態に用いられる希土類錯体において、2つ以上のホスフィンオキシド配位子のうち、少なくともひとつのホスフィンオキシド配位子が芳香族基を含み、少なくともひとつの、別のホスフィンオキシド配位子が芳香族基を含まないことが好ましい。このような配位子を含む希土類錯体は、後述するフッソ系溶媒に対する溶解性が高く、また溶液の安定性も高くなる。
【0014】
一般的なホスフィンオキシド配位子は、リン原子に3つの置換基が結合した構造を有する。実施形態において、芳香族基を含む配位子は3つの芳香族基を有することが好ましい。一方、芳香族基を含まない配位子は、3つの脂肪族基を有することが好ましい。ここで、芳香族基および脂肪族基は、置換基を有していてもよく、また隣接する配位子同士が結合されていてもよい。
より具体的には、実施形態による希土類錯体が、下記一般式(1):
【化1】
(式中、
およびRは、それぞれ独立に、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基、置換または非置換フェニル基、または置換または非置換ナフチル基であり、好ましくは直鎖または分岐鎖C~Cアルキル基、直鎖または分岐鎖C~Cアルコキシ基、直鎖または分岐鎖C~Cパーフルオロアルキル基であり、
は、それぞれ独立に、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、好ましくは水素、直鎖または分岐鎖C~Cアルキル基、または直鎖または分岐鎖C~Cアルコキシ基であり、Rは、それぞれ独立に、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基、またはハロゲンであり、好ましくは水素、直鎖または分岐鎖C~Cアルキル基、直鎖または分岐鎖C~Cアルコキシ基、直鎖または分岐鎖C~Cパーフルオロアルキル基、またはハロゲンである。)で表されるものであることが好ましい。
【0015】
一般式(I)において、βジケトン配位子に含まれる二つの置換基RおよびRは相互に異なっていることが好ましい。これらが異なることで、希土類錯体の発光強度が増大する傾向にあり、検査薬として用いた場合にはより有用となる。また、RおよびRの少なくともひとつが直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であることが好ましい。置換基がフッ素を含むことで、希土類錯体の発光強度が増大するとともに、後述するフッ素系溶媒に対する溶解性も改良される傾向にある。ただし、RおよびRの両方がパーフルオロアルキル基であっても、それらが同じ基である場合、溶解性の改良は少ない。より具体的には、RおよびRは、非置換C~Cアルキル基と、C~Cパーフルオロアルキル基との組み合わせであることが好ましい。
【0016】
また、一般式(I)において、芳香族を含まないホスフィンオキシド配位子は、3つの非芳香族基を含む。非芳香族基は、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基からなる群から選択される。これらのうち、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基が
【0017】
また、一般式(I)において、芳香族を含むホスフィンオキシド配位子は、3つの芳香族基を含む。これらの芳香族基は置換または非置換のフェニル基である。置換フェニル基は、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基、またはハロゲンからなる置換基を有する。これらの置換基の結合位置は特に限定されないが、オルト位に置換基を有するフェニル基を有するホスフィンオキシド配位子を含む希土類錯体は、発光強度が大きい傾向にあるので好ましい。
【0018】
このような一般式(1)で表される希土類錯体のうち、好ましいものとして以下のものを挙げることができる。
【化2】
【0019】
実施形態による組成物は、上記した希土類錯体を高濃度で溶解できるフッ素系溶媒を含む。このような溶媒は、水素原子の一部またはすべてがフッ素置換された、脂肪族炭化水素または脂肪族エーテルである。より具体的には、フッ素系溶媒は、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロオレフィンまたはこれらの混合物からなる群から選択されるものである。このようなフッ素系溶媒は各種のものが市販されており、具体的には、フロリナートFC-72、FC-770(いずれも商品名、パーフルオロアルカン、スリーエムジャパン株式会社製)、パフォーマンスフィルズPF-5052(商品名、スリーエムジャパン株式会社製)、ノベック7100、ノベック7200、ノベック7300(いずれも商品名、ハイドロフルオロエーテル、スリーエムジャパン株式会社製)、バートレルXF、バートレルXE(いずれも商品名、ハイドロフルオロオレフィン、三井・ケマーズ フロロプロダクツ株式会社製)などが挙げられ、これらから目的に応じて任意に選択して用いることができる。
【0020】
これらのフッ素系溶媒は、環境に対して優しい材料であり、その溶媒を含む組成物は取り扱い性に優れている。さらに、これらのフッ素系溶剤を含む組成物は、粘度や表面張力が適切であり、検査薬に用いた場合には、クラックなどへの浸透性に優れているので好ましい。
【0021】
実施形態における組成物は、希土類錯体を含むものであるが、特に高濃度の希土類錯体を含有することが好ましい。従来、希土類錯体をフッ素系溶媒に十分な濃度で溶解できることは知られておらず、従って十分な発光強度が得られる希土類錯体/フッ素系溶媒含有組成物は知られていなかった。具体的には、従来、0.01質量%以上の濃度で希土類錯体を含む希土類錯体/フッ素系溶媒含有組成物は知られていなかった。これに対して、実施形態における組成物は、希土類錯体を組成物の総質量を基準として0.1質量%以上含有することが可能である。実施形態による希土類錯体は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上の濃度で希土類錯体を含有する。
一方、希土類錯体の濃度の上限は特に限定されず、希土類錯体およびフッ素系溶媒の種類を選択することで、90質量%程度の高濃度も実現可能である。しかしながら、組成物の経時安定性、組成物の粘度や浸透性、コストなどの観点から、希土類錯体の濃度一般的には20質量%以下、好ましくは10質量%以下とされる。
【0022】
実施形態による組成物は、必要に応じて、任意の添加剤を含むことができる。具体的には、助溶剤、安定化剤、着色剤などが挙げられる。しかしながら、この組成物を検査薬として用いる場合には、一般的にその他の添加剤は不要である。
【0023】
<蛍光探傷検査方法>
実施形態による蛍光探傷検査方法は、上記した組成物を検査薬として用いることの他は、従来知られている方法と同様にして行うことができる。具体的な浸透探傷検査方法は、 被検体の表面に、希土類錯体含有組成物を塗布し、
前記表面上の余剰の希土類錯体含有組成物を除去し、
前記表面に紫外線を照射して蛍光を観察する
ことによって、被検体表面の損傷の有無および位置を検査する。
【0024】
蛍光探傷検査方法は非破壊検査方法としてよくしられたものであり、例えば、JIS Z2343などにも規格が定められている。その被検体は任意である。具体的には木材などの吸湿性または多孔性材料を除き、金属材料および非金属材料に適用することができる。特に、発電設備、プラント設備、建築物などの大型のものにも適用可能である。
【0025】
検査に当たり、被検体に対して前処理を行うこともできる。被検体の表面を洗浄液などで清淨にし、表面の濡れ性を改善したり、クラックなどがある場合にはその内部を空洞にして検査薬の浸透をよくしたりすることができる。
【0026】
被検体の表面に組成物を塗布する方法は任意であり、スプレー塗布やブラシ塗布などが一般的に用いられる。塗布量はクラックなどに浸透するのに十分な量であればよい。
【0027】
被検体表面上の余剰の希土類錯体含有組成物を除去する方法も任意であり、スクイーザーや繊維質材料を用いるのが一般的である。
【0028】
余剰の希土類錯体含有組成物を除去した後、被検体表面に紫外線を照射することにより、表面にクラック等の損傷が存在した場合には、そこに浸透した組成物に含まれる希土類錯体が発光するので、損傷を発見することができる。紫外線の波長は、組成物に含まれる希土類錯体の種類に応じて選択することができる。例えば、式(I-1)で表される錯体は、波長350nm不均に強い吸収帯を有するので、その波長の紫外線を照射することが好ましい。このとき610nm近傍に強い発光を測定することできる。
【0029】
観察は、目視で行ってもよいし、発光を検出できるモニター装置を用いてもよい。
【0030】
実施形態による蛍光探傷検査方法は、用いられる検査薬が環境に優しいものである。そして検査薬の安全性が高く、取り扱い性にも優れる。そして、組成物の発光を十分に高くすることができるので、損傷の検出を容易かつ正確におこなうことができる。
【0031】
[実施例101~102、比較例101~102]
式(I-1)、(I-2)(R-1)、または(R-2)で表される希土類錯体を、0.01質量%、0.1質量%、0.2質量%または1.0質量%の濃度となるように、ノベック7200(商品名、ハイドロフルオロエーテル)に配合し、室温で十分攪拌し、溶解状態を目視評価した。
A: 容易に溶解
B: 溶解
C: 不溶
【0032】
【表1】
【0033】
【化3】
【0034】
[実施例201~202、参照例201]
式(I-1)の希土類錯体を、フロリナートFC-72に、0.12質量%(実施例201)または0.24質量%(実施例202)の濃度で溶解させて組成物を得た。得られた組成物は、均一に溶解しており、また経時保存後も析出物等はなかった。
【0035】
実施例201による組成物の発光スペクトルは図1に示すとおりであった。
【0036】
また、これらの組成物の蛍光強度を測定した。また、参照例201として希土類錯体を含まない溶媒のみを用いた。得られた結果は図2に示すとおりであった。
【0037】
この測定条件において、実施形態による組成物は、0.8lm以上の発光強度が実現できることが確認できた。希土類錯体含有組成物を蛍光探傷検査方法に利用する場合に、目視で損傷位置の確認を行う場合には、一般的に0.8lm以上の発光強度が必要とされるので、実施形態による組成物は、十分な発光強度が得られることが確認できた。
【0038】
なお、希土類錯体として式(R-1)、(R-2)で表される希土類錯体をフロリナートFC-72(商品名)に、0.12質量%の濃度となるように添加し、十分に攪拌したが、完全に溶解することができなかった。このため、これらの組成物では十分な発光強度が確認できなかった。
【0039】
以上の通り、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2