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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163278
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】精米機の管理システム
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20241114BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
B02B7/00 101A
G06Q10/20
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157454
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2021135322の分割
【原出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川端 英臣
(57)【要約】
【課題】
精米設備のメンテナンス者に代わって、精米設備の管理者が遠隔地から安全に精米設備を調節することを課題とする。
【解決手段】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記切換スイッチを手動運転側に操作すると、前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の制御の設定値を調節可能とすることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記切換スイッチを手動運転側に操作すると、前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の制御の設定値を調節可能とすることを特徴とする精米機の管理システム。
【請求項2】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記切換スイッチを手動運転側に操作すると、前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の運転を操作可能とすることを特徴とする精米機の管理システム。
【請求項3】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記建屋内にいる人を検知する人検知センサを設け、
前記人検知センサによる人を検知しない状態であることを条件に前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の制御の設定値を調節可能とすることを特徴とする精米機の管理システム。
【請求項4】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記建屋内にいる人を検知する人検知センサを設け、
前記人検知センサによる人を検知しない状態であることを条件に前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の運転を操作可能とすることを特徴とする精米機の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金を投入して精米を行う精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者がコインメックに投入した料金に応じた量だけ、持参した玄米を精米することが可能な無人の精米設備が知られている。
【0003】
特許文献1には、広範な地域に点在する各精米設備の運転状況を、管理者の管理用端末や利用者の携帯端末で確認することが可能な運転情報表示システムが開示されている。地域の精米設備を統括する管理者は、管理用端末に表示される画面を通じて、各精米設備が現在どのような状態であるのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-147130
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
精米設備のメンテナンス者に代わって、精米設備の管理者が遠隔地から安全に精米設備を調節することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決する手段は、
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記切換スイッチを手動運転側に操作すると、前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の制御の設定値を調節可能とすることを特徴とする精米機の管理システムである。
【0007】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記切換スイッチを手動運転側に操作すると、前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の運転を操作可能とすることを特徴とする精米機の管理システムである。
【0008】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記建屋内にいる人を検知する人検知センサを設け、
前記人検知センサによる人を検知しない状態であることを条件に前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の制御の設定値を調節可能とすることを特徴とする精米機の管理システムである。
【0009】
精米機と、
前記精米機を制御する制御部と、
利用者が料金を投入することで精米運転が可能な自動運転と、メンテナンス者による手動運転とを切り換える切換スイッチを建屋内に備え、
遠隔地の管理者が所持する管理用端末と前記制御部とを通信により接続可能とし、
前記建屋内にいる人を検知する人検知センサを設け、
前記人検知センサによる人を検知しない状態であることを条件に前記管理用端末で前記制御部にアクセスして精米機の運転を操作可能とすることを特徴とする精米機の管理システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、精米設備のメンテナンス者に代わって、精米設備の管理者が遠隔地から安全に精米設備を調節することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる精米設備1のブロックダイアグラムである。
図2図2は、図1に示された精米設備1の内部を示す略平面図である。
図3図3は、精米設備1の内部に設けられた操作盤の近傍を示す略正面図である。
図4図4は、管理用端末20のタッチパネルに表示される遠隔操作用画面を示す図面である。
図5図5は、管理用端末20のタッチパネルに表示されるメンテナンス状況画面を示す図面である。
図6図6は、精白度選択スイッチ17の近傍の部分拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる精米設備1のブロックダイアグラムである。
【0014】
また、図2は、図1に示された精米設備1の内部を示す略平面図であり、図3は、精米設備1の内部に設けられた操作盤の近傍を示す略正面図である。
【0015】
本実施態様においては、地域に点在する各精米設備1は互いに同一に構成されており、以下に精米設備1の構成について説明を加える。
【0016】
精米設備1は、図2に示されるように、建屋10内に仕切壁11を挟んで前後に客室12と機械室13とに分けられており、仕切壁11の客室12側に、図3に示される操作盤21と玄米の投入ゲート28を備え、機械室13に、投入ゲート28が開かれた際に露出する投入口を介して客室12側から玄米を投入可能なホッパ9と、ホッパ9に投入された玄米を繰り出すロータリーバルブ26と、ロータリーバルブ26により繰り出された玄米を搬送する昇降機3と、昇降機3により搬送された玄米に混じる石を取り除く石抜機4と、玄米を精米する精米機5と、石が取り除かれた玄米を精米機5に搬送する昇降機6と、精米された米を収容する白米タンク7と、異物除去装置(不図示)と、精米設備1全体を制御する制御部14を備えている。
【0017】
操作盤21には、精米にかかる料金が投入されるコインメック24と、精米機5の圧力調節板(不図示)の位置を調整して精白度を調整する精白度選択スイッチ17と、切換スイッチ18(図1参照)が設けられている。
【0018】
切換スイッチ18は、コインメック24に料金が投入されることで、制御部14の出力信号に基づき、精米設備1が自動で運転可能な「自動運転」の状態(営業中の状態)と、利用者が利用できず、管理者又はメンテナンス者の操作(遠隔操作を含む)により運転可能な「手動運転」の状態(営業停止状態)との間で切り換えるスイッチであり、メンテナンスの開始時と、終了時にメンテナンス者により操作される。切換スイッチ18は操作盤21に設けられた開閉扉25により覆われており、精米設備1を巡回するメンテナンス者が所持する鍵を用いて開閉扉25を開くことで、はじめて操作可能なスイッチである。開閉扉25内には、切換スイッチ18の他、制御部14や、コインメック24に投入された料金を収容する金庫(不図示)が設けられている。
【0019】
コインメック24に料金を投入すると、投入ゲート28が自動的に開かれるので、利用者は、持参した玄米をホッパ9に投入し、任意の精白度選択スイッチ17を押圧操作する。
【0020】
精米設備1の制御部14には、ホッパ9の下部に設けられた玄米有無センサ29、精白度選択スイッチ17等の情報が入力され、これらの情報に基づき、精米設備1の種々の機器に対し、自動的に駆動信号が出力される。また、建屋10の客室12内と機械室13内のそれぞれに人検知センサ19が設けられており、客室12、機械室13のそれぞれに人がいるか否かを検出し、制御部14に検出信号を送信するように構成されている。なお、人検知センサは360°検知可能なものを採用してもよく、この場合には、単一の人検知センサで、客室12と機械室13のそれぞれの人の有無を検知することができる。
【0021】
一方、建屋10内にはインターネット30と接続可能なルータ等の通信部15が設けられており、制御部14は、通信部15を介してクラウドサーバー40へデータを送信することができる。地域の精米設備を統括する管理者は、アプリやブラウザ等のソフト27を介して、制御部14から送られたデータを管理用端末20上で確認することができる。上記の精米設備1の管理システムは、クラウドサーバー40、管理用端末20、各精米設備1の制御部14、通信部15等により構成されている。なお、本実施態様においては、管理用端末20と制御部14とはクラウドサーバー40を介して通信により接続可能に構成されているが、クラウドサーバー40を介さずに、管理用端末20と制御部14とを通信可能に構成してもよい。
【0022】
管理用端末20に情報が送信される例として、たとえば、利用者が精米を行っている間に、米詰まり等の故障により精米運転が停止した場合、まず、利用者は、建屋10内に記載されている電話番号に連絡する。そして、メンテナンス者が精米設備1に直接訪れて、切換スイッチ18を操作し、自動運転から手動運転に切り換える。また、各精米設備1を巡回し、集金や清掃などの定期的なメンテナンスを行う場合にも、メンテナンス者は、はじめに切換スイッチ18を操作し、自動運転から手動運転に切り換える。
【0023】
切換スイッチ18が操作されたときには、制御部14からその旨の情報と操作時刻の情報とがクラウドサーバー40へ送信されて、管理用端末20に、以下の画面が自動的に表示される。なお、本実施態様においては、管理用端末20はタッチパネルを備えたタブレット端末により構成されているが、デスクトップパソコン等により構成されてもよい。
【0024】
図4は、管理用端末20のタッチパネルに表示される遠隔操作用画面を示す図面である。
【0025】
図4に示される遠隔操作用画面は、本発明にかかる「遠隔操作用画面」と「条件設定画面」に対応する画面である。
【0026】
遠隔操作用画面には、精米圧力を調節する精米圧力調節スイッチ35と、営業時間を設定する営業時間スイッチ37と、精米機5を駆動する精米機オンスイッチ41と、精米機の駆動をオフする精米機オフスイッチ42と、石抜機4を駆動する石抜機オンスイッチ43と、石抜機4の駆動をオフする石抜機オフスイッチ44と、昇降機3,6を駆動する昇降機オンスイッチ45と、昇降機3,6の駆動をオフする昇降機オフスイッチ46と、精米設備1が備えるすべての機器を駆動する全装置オンスイッチ47と、精米設備1が備えるすべての機器の駆動をオフする全装置オフスイッチ48と、画面切替スイッチ38と、操作されたスイッチにかかる情報を表示する表示部39が設けられている。
【0027】
精米圧力調節スイッチ35は、「条件設定画面」である遠隔操作用画面において、精米設備1が備える機器の一つである精米機5の圧力調節板の位置制御の設定値を調節(変更)するための操作スイッチである。
【0028】
ここに、精米後の実際の精白度は、同じ圧力調節板の位置でも、気温によって若干の違いが生じる。そのため、管理者は、精米圧力調節スイッチ35を操作することにより、精米設備1の制御部14にアクセスし、気温に合わせて位置制御の設定値を書き換えて、精米時の圧力を調節できる。なお、精米中に圧力調節板の位置制御の設定値が遠隔操作により変更されると、そのときの精米の仕上がりに悪影響を及ぼす可能性があるため、本実施態様においては、精米中のみ、精米圧力調節スイッチ35の操作による設定値の書き換え(調節)が規制される(書き換えが行えない)ように構成されているが、精米中か否かに拘わらず、精米圧力調節スイッチ35の操作による設定値の書き換えが行えるように構成してもよく、自動運転の状態で、かつ、人検知センサ19により人が検知されていない時のみに精米圧力調節スイッチ35の操作による設定値の書き換えが行えるように構成してもよい。また、精米中である旨や、人が客室12にいない旨を管理用端末20の画面に表示して、遠隔地で、管理者が人検知センサ19の検知状態が一目で分かるようにし、精米中に遠隔地から設定値の変更が行われないようにしてもよい。
【0029】
各オンスイッチ41,43,45,47および各オフスイッチ42,44,46,48は、精米設備1が備える機器を遠隔操作するためのスイッチであり、手動運転に切り換えられたときには、利用客はおらず、メンテナンス者のみが建屋10内にいることが認められるので、人検知センサ19の検出結果に拘わらず、これらのスイッチ41ないし48により各機器を遠隔操作できる。したがって、必ずしも精米設備の機構に明るい訳ではないメンテナンス者に代わって、精米設備に精通している管理者が、手動運転の状態で、故障中の機器に対応するオンスイッチ41,43,45もしくは47またはオフスイッチ42,44,46もしくは48を操作することにより、各機器を駆動し、故障から回復させることができる。
【0030】
こうして、機器が故障から回復し、または/および定期的なメンテナンスが終了すると、メンテナンス者は、切換スイッチ18を操作し、手動運転から自動運転に切り換え、精米設備1の営業を再開させる。切換スイッチ18が操作されると、上述のように、制御部14からその旨の情報と操作時刻の情報がクラウドサーバー40へ送信される。
【0031】
一方、本実施態様においては、(管理者により)画面切替スイッチ38が操作される度に、図4に示された遠隔操作用画面と、以下のメンテナンス状況画面との間で切り換えられる。
【0032】
図5は、管理用端末20のタッチパネルに表示されるメンテナンス状況画面を示す図面である。
【0033】
メンテナンス状況画面には、各精米設備1の「自動切」の時刻、すなわち、切換スイッチ18が操作されて自動運転から手動運転(営業停止状態)に切り換えられた時刻と、「自動入」の時刻、すなわち、切換スイッチ18が操作されて手動運転から自動運転(営業再開)に切り換えられた時刻と、図4に示された遠隔操作用画面に切り換える画面切替スイッチ38とが表示される。
【0034】
このように、地域に点在する各精米設備1におけるメンテナンスの開始時刻(「自動切」の時刻)、メンテナンスの終了時刻(「自動入」の時刻)、メンテナンスに要した時間を確認・把握できるので、管理者はメンテナンス者の作業状況を容易に把握することができる。
【0035】
また、管理者は、図5に示される「自動切」の時刻と「自動入」の時刻とから、メンテナンスに要した時間を把握できるため、メンテナンス指導などの業務効率化を図ることができる。
【0036】
なお、図4図5に示された遠隔操作用画面とメンテナンス状況画面は、自動運転のときでも管理用端末20上に表示することができるが、自動運転の状態で、客室12内に人がいる間は、遠隔操作用画面上で、投入ゲート28、ロータリーバルブ26、精米機5の遠隔操作ができない(遠隔操作が規制される)ように構成されている。換言すれば、自動運転の状態で、客室12内に人がいる間は、遠隔操作用画面に表示される精米機オンスイッチ41、全装置オンスイッチ47の操作により、投入ゲート28、ロータリーバルブ26および精米機5を駆動できないように構成されている。
【0037】
また、自動運転の状態で、機械室13内に人がいる間は、遠隔操作用画面上で、昇降機3,6、石抜機4、異物除去装置、精米機5等の機械室13内の機器の遠隔操作ができない(遠隔操作が規制される)ように構成されている。換言すれば、自動運転の状態で、機械室13内に人がいる間は、遠隔操作用画面に表示される精米機オンスイッチ41、石抜機オンスイッチ43、昇降機オンスイッチ45および全装置オンスイッチ47の操作により、昇降機3,6、石抜機4、異物除去装置、精米機5等の機械室13内の機器を駆動できないように構成されている。
【0038】
これらの構成により、客室12又は機械室13にメンテナンス者や利用者がいるときに、不意に精米設備1が備える種々の機器が駆動してしまう事態を防止できるため、安全である。投入ゲート28、ロータリーバルブ26、昇降機3,6、石抜機4、異物除去装置、精米機5等は、本発明に係る精米設備1が備える機器の例である。
【0039】
なお、建屋10内に別途配置した糠室に、精米機5で発生した糠を吸引する糠ファンや糠を搬送する糠ラセンを設けた場合には、糠ファンおよび糠ラセンについても、自動運転の状態で、機械室13内に人がいる間、遠隔操作を規制するように構成してもよい。
【0040】
一方、図6は、精白度選択スイッチ17の近傍の部分拡大正面図である。
【0041】
本実施態様においては、精米料金の支払い方法として、コインメック24(図3参照)に現金を投入する他に、カードなどの電子決済が選択可能に構成されており、図6に示されるように、精白度選択スイッチ17の上方に、電子決済に用いる読み取り機23と、電子決済にかかるガイダンスを表示する液晶画面16とが設けられている。このように、読み取り動作を行う読み取り機23と、ガイダンスを表示する液晶画面16とが近接して配置されているため、利用者は容易に電子決済を行うことができる。
【0042】
電子決済には後払い方式が採用されており、利用料金が確定した後に、電子決済が行われる。たとえば、従来、玄米10kgごとに100円を支払う料金体系の場合には、30kgの玄米を精米する際に、3回決済しなくてはならなかったが、後払い方式の電子決済が採用されたことにより、大量の玄米を精米する際にも、煩わしい決済を1回で済ませることができる。
【0043】
また、利用者が電子決済できる残金を液晶画面16に表示するように構成されており、利用者は、液晶画面16に表示される残金額を確認することで、料金不足となる事態を防ぐことができる。なお、電子決済できる残金が一定金額以上(千円以上等)でなければ、利用者が電子決済を利用できない構成としてもよい。この場合にも、精米後に、料金不足となる事態を防止することができる。
【0044】
なお、本実施態様においては、液晶画面16に残金額の下4桁のみ表示されるように構成されており、一定金額以上の金額(万の単位の額)は表示されない。コイン精米設備の場合には、4桁の金額が表示されれば充分であるため、末尾から数えて5桁目以上を表示しないことにより、犯罪を抑止することができる。
【0045】
一方、図2に示されるように、機械室13内の客室12側から見て奥側には、大型のバッテリー34が配置されており、本実施態様にかかる精米設備1においては、電気代が安価な夜間にバッテリー34に充電し、電気代が比較的高い昼間に、バッテリー34から供給される電気を使用して精米等を行うように構成されている。このように構成することにより、電気代を安く抑えることができる。
【0046】
ここに、本実施態様においては、バッテリー34の使用により下がった電気代の分だけ、精米料金を安く設定しており、従来、玄米10kgあたり100円で運転を行っていたのに対し、玄米15kgあたり100円で運転を行うように設定されている。このように、浮いた分の電気代を利用者に還元することにより、集客アップを図ることができる。
【0047】
また、客室12には、コンセント(不図示)が設けられており、切換スイッチ18の操作により手動運転に切り換えられている間にのみ、コンセントに通電されるように構成されている。これにより、メンテナンス者が掃除機などの電源を確保できるとともに、自動運転時(営業中)に、コンセントを悪用(電気泥棒)される事態を防止することができる。
【0048】
加えて、本実施態様においては、地震や大雨などの自然災害発生時に、管理用端末20を用いて精米設備1が遠隔操作されることにより、無料で精米できるように設定可能に構成されている。これにより、地域社会に貢献することができる。
【0049】
本実施態様によれば、利用者が料金を投入することで運転可能な状態である自動運転と、利用者が利用できず、管理者又はメンテナンス者の操作により運転が可能な状態である手動運転との間で切り換え可能な切換スイッチ18が操作された時刻が管理用端末20のメンテナンス状況画面(図5参照)に表示されるから、図5に示されるAないしCの精米設備を含む各精米設備1を巡回するメンテナンス者が、切換スイッチ18を操作してメンテナンスを開始した時刻と、切換スイッチ18を操作してメンテナンスを終了した時刻をそれぞれ管理用端末20で確認でき、管理者がメンテナンス者の作業状況を容易に把握することができる。
【0050】
また、本実施態様によれば、精米設備1を訪れたメンテナンス者により切換スイッチ18が操作されると、管理用端末20に、精米設備1が備える機器を遠隔操作する遠隔操作用画面(図4参照)が自動的に表示されるので、必ずしも精米設備1の機構に明るい訳ではないメンテナンス者に代わって、管理者が故障中の機器を遠隔操作(遠隔駆動)し、回復させることができるとともに、(自動的に表示されることにより)速やかに遠隔操作に取り掛かることができる。
【0051】
さらに、本実施態様によれば、自動運転の状態で、客室12又は機械室13内に人がいる間は、精米設備1が備える機器の遠隔操作が規制されるから、メンテナンス者や利用者がいるときに、不意に精米機5等の精米設備1が備える機器が駆動してしまう事態を防止することができ、安全である。
【0052】
また、本実施態様によれば、精米設備1が備える機器の一つである精米機5の遠隔操作が規制されているとき、すなわち、自動運転の状態(営業中の状態)で、かつ、客室12又は機械室13内に人がいるときであっても、精米中を除いて、図4に示された精米圧力調節スイッチ35の操作により、精米機5の制御の設定値を調節することが可能であるから、利便性が良い。なお、精米中であるか否かに拘わらず、精米圧力調節スイッチ35の操作により、精米機5の制御の設定値を調節可能とした場合には、さらに利便性を向上させることができる。
【0053】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 精米設備
3 昇降機
4 石抜機
5 精米機
6 昇降機
7 白米タンク
9 ホッパ
10 建屋
11 仕切壁
12 客室
13 機械室
14 制御部
15 通信部
16 液晶画面
17 精白度選択スイッチ
18 切換スイッチ
19 人検知センサ
20 管理用端末
21 操作盤
23 読み取り機
24 コインメック
25 開閉扉
26 ロータリーバルブ
27 ソフト
28 投入ゲート
29 玄米有無センサ
30 インターネット
32 処理部
33 記憶部
34 バッテリー
35 精米圧力調節スイッチ
36 情報表示部
37 営業時間スイッチ
38 画面切替スイッチ
39 表示部
40 クラウドサーバー
41 精米機オンスイッチ
42 精米機オフスイッチ
43 石抜機オンスイッチ
44 石抜機オフスイッチ
45 昇降機オンスイッチ
46 昇降機オフスイッチ
47 全装置オンスイッチ
48 全装置オフスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6