(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016330
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】オーダー管理装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118353
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩元 理華子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 治男
(72)【発明者】
【氏名】山中 孝嗣
(72)【発明者】
【氏名】横道 友佳
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142CA17
3E142EA04
3E142GA11
3E142GA18
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】会計後の下膳指示を自動で行うこと。
【解決手段】オーダー管理装置(700)は、メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、オーダーデータを調理室装置(400)に送信するオーダーエントリー部(710)と、オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶部(720)と、メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボット(300)に配膳指示データを送信する配膳制御部(730)と、オーダーデータに基づいて会計を行う会計部(740)と、会計が行われた配膳先データを含む下膳指示データを生成し、配膳ロボット(300)に下膳指示データを送信する下膳制御部(750)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備えるオーダー管理装置。
【請求項2】
さらに、前記メニューの調理ステータスを前記調理室装置に送信する調理ステータス管理手段を備え、
前記オーダーデータ記憶手段は、前記調理ステータスを前記メニューデータに紐づけて記憶する、
請求項1に記載のオーダー管理装置。
【請求項3】
前記調理ステータス管理手段は、前記配膳ロボットが前記メニューの配膳を完了すると当該メニューの前記調理ステータスを配膳完了とする、
請求項2に記載のオーダー管理装置。
【請求項4】
さらに、前記メニューの前記調理ステータスが調理完了になると客用端末に配膳通知をする配膳通知手段を備える、
請求項2に記載のオーダー管理装置。
【請求項5】
前記オーダーエントリー手段は、前記客用端末から受信したオーダーデータ登録要求に基づいて前記オーダーデータを前記オーダーデータ記憶手段に登録する、
請求項4に記載のオーダー管理装置。
【請求項6】
前記会計手段は、前記客用端末から受信した会計要求に基づいて会計を行う、
請求項4又は請求項5に記載のオーダー管理装置。
【請求項7】
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータを入力するオーダー入力端末と、
前記オーダー入力端末と通信可能なオーダー管理装置と、
調理が完了したメニューを運び、前記オーダー管理装置と通信可能な配膳ロボットと、
前記オーダー管理装置と通信可能な調理室装置と、を備え、
前記オーダー管理装置は、
前記オーダー入力端末から前記オーダーデータを受信すると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
前記調理室装置から前記メニューの調理が完了した旨を受信すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備えるオーダー管理システム。
【請求項8】
前記オーダー管理装置は、さらに、前記メニューの調理ステータスを前記調理室装置に送信する調理ステータス管理部を備え、
前記オーダーデータ記憶手段は、前記調理ステータスを前記メニューデータに紐づけて記憶する、
請求項7に記載のオーダー管理システム。
【請求項9】
コンピューターが、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信し、
前記オーダーデータを記憶し、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信し、
前記オーダーデータに基づいて会計を行い、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する、
オーダー管理方法。
【請求項10】
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信する送信処理と、
前記オーダーデータを記憶する記憶処理と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する送信処理と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計処理と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する送信処理と、
をコンピューターに実行させる、オーダー管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オーダー管理装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店内のフロアにおけるオペレーション向上のため、配膳ロボットを利用して配膳及び下膳を行う技術が開発されている。例えば、特許文献1には、キッチンコントローラ及びハンディターミナルから配膳ロボットに移動指令を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、更なるオペレーション向上のため、配膳ロボットへの配膳指示及び下膳指示を自動で行うことが考えられる。上述した特許文献1には、メニューの調理が完了した旨を入力すると、当該メニューの配膳データ及び配膳指示が配膳ロボットに送信される技術が開示されている。しかしながら、特許文献1に係る技術では、会計後の下膳指示を手動で行う必要があり、下膳指示の自動化が不十分であった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、会計後の下膳指示を自動で行うオーダー管理装置、システム、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るオーダー管理装置は、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備える。
【0007】
本開示に係るオーダー管理システムは、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータを入力するオーダー入力端末と、
前記オーダー入力端末と通信可能なオーダー管理装置と、
調理が完了したメニューを運び、前記オーダー管理装置と通信可能な配膳ロボットと、
前記オーダー管理装置と通信可能な調理室装置と、を備え、
前記オーダー管理装置は、
前記オーダー入力端末から前記オーダーデータを受信すると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
前記調理室装置から前記メニューの調理が完了した旨を受信すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備える。
【0008】
本開示に係るオーダー管理方法は、
コンピューターが、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信し、
前記オーダーデータを記憶し、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信し、
前記オーダーデータに基づいて会計を行い、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する。
【0009】
本開示に係るオーダー管理プログラムは、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信する送信処理と、
前記オーダーデータを記憶する記憶処理と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する送信処理と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計処理と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する送信処理と、
をコンピューターに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、会計後の下膳指示を自動で行うオーダー管理装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係るオーダー管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係るオーダー管理方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係るオーダー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係るオーダー管理システムが備える客用端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2に係るオーダー管理システムが備えるスタッフ用端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態2に係るオーダー管理システムが備える配膳ロボットの構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態2に係るオーダー管理システムが備える調理室装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2に係るオーダー管理方法におけるメニューオーダーから配膳完了までにおけるオーダー管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2に係るオーダー管理方法におけるメニューオーダーから配膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図10】実施形態2に係るオーダー管理システムにおけるオーダーデータ表示画面の一例を示す図である。
【
図11】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳通知画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳指示画面の一例を示す図である。
【
図13】実施形態2に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までにおけるオーダー管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態2に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図15】実施形態2に係るオーダー管理方法における配膳ロボットが稼働中である場合の会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図16】実施形態2に係るオーダー管理システムにおけるスタッフ用端末の一例を示す図である。
【
図17】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳ロボット選択画面の一例である。
【
図18】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳ロボット移動要求画面の一例である。
【
図19】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける客用端末の表示画面の一例である。
【
図20】実施形態2に係るオーダー管理システムにおける店員呼出画面の一例である。
【
図21】実施形態3に係るオーダー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図22】実施形態3に係るオーダー管理システムが備える客用端末の構成を示すブロック図である。
【
図23】実施形態3に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までにおけるオーダー管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図24】実施形態3に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図25】実施形態4に係るオーダー管理方法における調理完了から配膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るオーダー管理装置の構成を示すブロック図である。オーダー管理装置100は、オーダーエントリー部110、オーダーデータ記憶部120、配膳制御部130、会計部140及び下膳制御部150を備える。
【0014】
オーダーエントリー部110は、オーダーデータがオーダー入力端末(不図示)から入力されると、オーダーデータを調理室装置(不図示)に送信する。オーダーデータは、メニューデータ及び配膳先データを含む。メニューデータは、客がオーダーしたメニューのデータである。配膳先データは、メニューをオーダーした客が着席している客席を識別するデータである。オーダー入力端末は、フロアスタッフ又は客が操作可能な端末である。調理室装置は、飲食店の調理室に置かれた装置である。フロアスタッフは、飲食店内のフロアにおいて接客等の業務を行うスタッフである。調理スタッフは、調理室装置からオーダーデータを確認し、メニューを調理する。オーダーデータ記憶部120は、オーダーデータを記憶する。すなわち、オーダーデータ記憶部120は、配膳先データにメニューデータを紐づけて記憶する。
【0015】
配膳制御部130は、メニューの調理が完了すると、メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボット(不図示)に配膳指示データを送信する。例えば、配膳制御部130は、調理室装置からメニューの調理完了登録要求を受信すると、調理完了登録要求に基づいて配膳先データを含む配膳指示データを生成する。配膳ロボットは、飲食店内を移動可能なロボットである。配膳ロボットは、調理が完了したメニューを調理室から客席に運ぶことができる。
【0016】
会計部140は、オーダーデータに基づいて会計を行う。会計部140は、配膳先データに紐づけられたメニューデータをオーダーデータ記憶部120から取得して会計金額を算出し、決済を実行する。下膳制御部150は、会計が行われた配膳先データを含む下膳指示データを生成し、配膳ロボットに下膳指示データを送信する。例えば、下膳制御部150は、会計部140が会計を行った配膳先データをオーダーデータ記憶部120から取得して下膳指示データを生成する。
【0017】
図2は、実施形態1に係るオーダー管理方法の流れを示すフローチャートである。まず、オーダーエントリー部110は、メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、オーダーデータを調理室装置に送信する(ステップS101)。次に、オーダーデータ記憶部120は、オーダーデータを記憶する(ステップS102)。次に、配膳制御部130は、メニューの調理が完了するとメニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに配膳指示データを送信する(ステップS103)。次に、会計部140は、オーダーデータに基づいて会計を行う(ステップS104)。次に、下膳制御部150は、会計が行われた配膳先データを含む下膳指示データを生成し、配膳ロボットに下膳指示データを送信する(ステップS105)。
【0018】
このように、実施形態1に係るオーダー管理方法では、会計後に自動で配膳ロボットに下膳指示データを送信する。そのため、フロアスタッフが会計後に下膳指示を入力する必要がなく、飲食店内のフロアにおけるオペレーションを向上させることができる。
【0019】
尚、オーダー管理装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかるオーダー管理方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、オーダーエントリー部110、オーダーデータ記憶部120、配膳制御部130、会計部140及び下膳制御部150の機能を実現する。
【0020】
または、オーダー管理装置100の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0021】
また、オーダー管理装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、オーダー管理装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0022】
<実施形態2>
図3は、実施形態2に係るオーダー管理システム800の構成を示すブロック図である。オーダー管理システム800は、飲食店内のフロア10においてオーダーされたメニューの調理ステータス及び会計を管理する情報システムである。オーダー管理システム800は、客用端末210、スタッフ用端末220、配膳ロボット300、調理室装置400及びオーダー管理装置700を備える。尚、客用端末210、スタッフ用端末220及び配膳ロボット300のそれぞれは、複数であってもよい。客用端末210、スタッフ用端末220、配膳ロボット300、調理室装置400及びオーダー管理装置700は、ネットワーク500を介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク500は、有線又は無線の通信回線であり、インターネットを含んでも良い。
【0023】
飲食店は、フロア10及び調理室20を備える。フロア10には、客席が設けられている。フロア10に設けられた客席は、通常複数である。客席は、複数人が着席可能なであってもよいし、1人のみが着席可能であってもよい。複数人が着席可能な客席は、例えば、テーブル席である。1人のみが着席する客席は、例えばカウンター席である。客は、フロア10に設けられた客席に着席し、客席においてメニューを注文し、調理完了したメニューを受け取って食事をする。調理室20は、オーダーされたメニューを調理する空間である。
【0024】
客用端末210は、客席に設置された通信端末であり、客席に着席した客が操作可能である。フロア10に複数の客席が設けられている場合、客用端末210は、各客席に設置される。客用端末210は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等の無線通信機能を備える情報処理装置である。客用端末210は、下膳要求をオーダー管理装置700に送信する。また、客用端末210は、メニューの調理が完了すると、配膳通知を表示する。
【0025】
スタッフ用端末220は、上述したオーダー入力端末の一例である。スタッフ用端末220は、フロアスタッフが所持する通信端末である。フロアスタッフは、フロア10において、客席への誘導、オーダーの聞き取り及び会計等の業務を行うスタッフである。フロアスタッフが複数人いる場合、各フロアスタッフは、それぞれスタッフ用端末220を所持する。スタッフ用端末220は、例えば、ハンディターミナル、スマートフォン等の無線通信機能を備える情報処理装置である。実施形態2において、フロアスタッフは、オーダーするメニューを客から聞き取り、オーダーデータをスタッフ用端末220に入力する。オーダーデータは、メニューデータ及び配膳先データを含む。メニューデータは、客がオーダーするメニューのデータである。配膳先データは、客が着席している客席を識別するデータである。スタッフ用端末220は、入力されたメニューをオーダー管理装置100に送信し、登録させる。
【0026】
配膳ロボット300は、フロア10内を移動可能なロボットである。配膳ロボット300は、調理が完了したメニューを載置されると、オーダー管理装置700から受信した配膳指示データに従ってフロア10内の客席まで移動する。また、配膳ロボット300は、オーダー管理装置700から受信した下膳指示データに従って客席に移動し、下膳が完了すると食器返却場所に移動する。
【0027】
調理室装置400は、調理室20に設置された情報端末であり、調理スタッフが操作可能である。調理室装置400は、オーダーされたメニューの表示、伝票出力及び調理完了登録等を行う。調理室装置400は、調理室ディスプレイ410及び調理室プリンタ420を備える。調理室ディスプレイ410は、オーダーデータ及び調理ステータスをオーダー管理装置700から受信して表示する。調理ステータスは、オーダーデータに含まれる各メニューの調理ステータスである。調理室プリンタ420は、オーダー管理装置700から受信したオーダーデータに含まれるメニューデータの伝票を出力する。調理スタッフは、調理室20において、メニューの調理等の業務を行うスタッフである。調理スタッフは、調理室ディスプレイ410に表示されたメニューデータに従って、メニューを調理する。調理スタッフは、メニューの調理が完了すると、調理完了したメニュー及び出力された伝票を配膳ロボット300に載置し、調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420からメニューの調理完了登録要求を行う。調理完了登録要求は、調理が完了したメニューの、メニューデータ及び配膳先データを含む。
【0028】
オーダー管理装置700は、上述したオーダー管理装置100の一例である。オーダー管理装置700は、オーダーされたメニューの記憶、配膳制御、会計及び下膳制御等を行う情報処理装置であり、例えば、コンピューターにより実現されるサーバー装置である。オーダー管理装置700は、複数台のサーバーに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピューターによって実現されてもよい。オーダー管理装置700は、オーダーエントリー部710、オーダーデータ記憶部720、配膳制御部730、会計部740、下膳制御部750、配膳通知部760、配膳ロボットステータス記憶部770、会計入力部780及びレシート出力部790を備える。
【0029】
オーダーエントリー部710は、オーダーデータをスタッフ用端末220から受信すると、受信したオーダーデータを調理室装置400に送信する。オーダーデータ記憶部720は、オーダーデータをスタッフ用端末220から受信すると、受信したオーダーデータを記憶する。オーダーデータ記憶部720は、配膳先データ721にメニューデータ722及び調理ステータス723を紐づけて記憶する。配膳先データ721は、フロア10に設けられた客席を識別するためのデータである。例えば、配膳先データ721は、各客席に割り振られた客席番号である。以下、配膳先データを客席番号と称することがある。配膳先データ721は、通常、予めオーダーデータ記憶部720に記憶されている。メニューデータ722は、各客席においてオーダーされたメニューのデータである。調理ステータス723は、オーダーされた各メニューの調理ステータスである。
【0030】
配膳通知部760は、調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420からメニューの調理完了登録要求を受信すると、客用端末210に配膳通知を送信する。フロア10に複数の客席が設けられている場合、調理完了登録要求は、配膳先データを含み、配膳通知部760は、配膳先データに対応する客席に設置された客用端末210に配膳通知を送信する。例えば、配膳通知は、「まもなく商品が到着します」等オーダーしたメニューがまもなく配膳される旨を客に伝える文言を含む。配膳制御部730は、調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420からメニューの調理完了登録要求を受信すると、配膳指示データを生成して配膳ロボット300に送信する。配膳指示データは、調理完了登録要求に含まれる配膳先データを含む。
【0031】
実施形態2において、客がフロアスタッフに会計したい旨を伝えると、フロアスタッフは、オーダー管理装置700を操作して会計を行う。フロアスタッフは、客から会計したい旨を聞き取ると、会計入力部780を操作する。会計入力部780は、フロアスタッフの操作に応じて、会計部740に会計を行わせる。例えば、フロアスタッフが客席番号(配膳先データ)を会計入力部780に入力すると、会計入力部780は、当該客席番号に対応する客席の会計を会計部740に要求する。会計部740は、配膳先データに紐づけられたメニューデータをオーダーデータ記憶部720から取得して会計金額を計算し、決済を実行する。会計部740において行われる決済方法は特に限定されず、現金による決済でもよいし、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー及びQRコード(登録商標)等による電子決済でもよい。レシート出力部790は、会計部740において会計が完了すると、レシート又は領収書を出力する。レシート又は領収書には、メニューデータ、各メニューの金額及び支払い金額等の会計内容が記載されている。
【0032】
下膳制御部750は、会計部740において会計が完了すると、下膳指示データを生成して配膳ロボット300に送信する。下膳指示データは、会計が完了した客席に対応する客席番号(配膳先データ)を含む。配膳ロボットステータス記憶部770は、配膳ロボット300のステータスを記憶する。例えば、配膳ロボットステータス記憶部770は、配膳制御部730が配膳指示データを配膳ロボット300に送信すると、配膳指示データが送信された配膳ロボット300のステータスを「稼働中」に変更する。配膳ロボットステータス記憶部770は、配膳ロボット300から配膳完了登録要求を受信すると、配膳完了登録要求を送信した配膳ロボット300のステータスを「待機中」に変更する。
【0033】
尚、オーダー管理装置700は、図示しない構成として、プロセッサ、メモリ、記憶装置、通信インターフェース部、通信回路等を有するものである。記憶装置は、オーダー管理装置700の処理が実装されたプログラムを記憶する。当該プログラムは、上述したオーダーエントリー部710、オーダーデータ記憶部720、配膳制御部730、会計部740、下膳制御部750、配膳通知部760、配膳ロボットステータス記憶部770、会計入力部780及びレシート出力部790の処理が実装されている。当該プロセッサは、記憶装置からプログラムをメモリへ読み込ませ、プログラムを実行する。これにより、プロセッサは、上述したオーダーエントリー部710、オーダーデータ記憶部720、配膳制御部730、会計部740、下膳制御部750、配膳通知部760、配膳ロボットステータス記憶部770、会計入力部780及びレシート出力部790の機能を実現する。
【0034】
次に、
図4を参照して、客用端末210の構成について詳細に説明する。客用端末210は、ハードウェア構成として、入力装置と、表示装置と、コンピューターとを備える。
図4は、実施形態2に係るオーダー管理システムが備える客用端末210の構成を示すブロック図である。客用端末210は、制御部211、入力部212、通信部213、表示部214及び記憶部215を備える。
【0035】
制御部211は、客用端末210が備えるハードウェアの制御を行う。制御部211は、下膳要求部216を備える。下膳要求部216は、オーダー管理装置700に下膳要求を行う。下膳要求は、要求を行った客用端末210が設置されている客席の客席番号(配膳先データ)を含む。オーダー管理装置700が備える下膳制御部750は、客用端末210から下膳要求を受信すると、下膳指示データを配膳ロボット300に送信する。下膳指示データは、下膳要求に含まれる配膳先データを含む。
【0036】
入力部212は、客用端末210に各種処理を実行させるための指示を客が入力する入力装置である。通信部213は、ネットワーク500との通信インターフェースである。表示部214は、客に対して配膳通知等を表示する表示装置である。記憶部215は、客用端末210の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。
【0037】
次に、
図5を参照して、スタッフ用端末220の構成について詳細に説明する。スタッフ用端末220は、ハードウェア構成として、入力装置と、表示装置と、コンピューターとを備える。
図5は、実施形態2に係るオーダー管理システムが備えるスタッフ用端末220の構成を示すブロック図である。スタッフ用端末220は、制御部221、入力部222、通信部223、表示部224及び記憶部225を備える。
【0038】
制御部221は、スタッフ用端末220が備えるハードウェアの制御を行う。制御部221は、下膳要求部226及びオーダーデータ登録要求部227を備える。下膳要求部226は、オーダー管理装置700に下膳要求を行う。下膳要求は、下膳を要求する客席の客席番号(配膳先データ)を含む。オーダー管理装置700が備える下膳制御部750は、スタッフ用端末220から下膳要求を受信すると、下膳指示データを配膳ロボット300に送信する。
【0039】
オーダーデータ登録要求部227は、オーダー管理装置700にオーダーデータ登録を要求する。オーダーデータ登録要求は、オーダーデータを含む。オーダーデータは、客がオーダーを希望するメニューデータと、メニューをオーダーする客が着席している客席を識別する配膳先データと、を含む。オーダー管理装置700が備えるオーダーエントリー部710は、オーダーデータ登録要求を受信すると、オーダーデータ登録要求に含まれるオーダーデータを調理室装置400に送信する。また、オーダーデータ記憶部720は、オーダーデータ記憶部720に記憶されている配膳先データ721とオーダーデータ登録要求に含まれる配膳先データとを照合し、一致する配膳先データ721にメニューデータを紐づけて記憶する。さらに、オーダーデータ記憶部720は、配膳先データ721に紐づけて記憶したメニューデータの調理ステータスを「調理中」として記憶する。
【0040】
入力部222は、スタッフ用端末220に各種処理を実行させるための指示を客が入力する入力装置である。通信部223は、ネットワーク500との通信インターフェースである。表示部224は、フロアスタッフに対して下膳要求等を表示する表示装置である。記憶部225は、スタッフ用端末220の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。
【0041】
次に、
図6を参照して、配膳ロボット300の構成について詳細に説明する。配膳ロボット300は、ハードウェア構成として、移動装置と、メニュー載置装置と、入力装置と、表示装置と、コンピューターとを備える。
図6は、実施形態2に係るオーダー管理システムが備える配膳ロボット300の構成を示すブロック図である。配膳ロボット300は、制御部310、トレー検知部320、入力部330、通信部340、表示部350及び記憶部360を備える。
【0042】
制御部310は、配膳ロボット300が備えるハードウェアの制御を行う。制御部310は、特に、配膳ロボット300が備える移動装置の制御を行う。制御部310は、配膳指示データ又は下膳指示データを受信すると、受信したデータに含まれる配膳先データに基づいて配膳ロボット300を客席に移動させる。
【0043】
配膳ロボット300が備えるメニュー載置装置は、調理が完了したメニューを載置可能なトレーを備える。トレー検知部320は、トレーに載置されたメニューを検知する。トレー検知部320は、例えば重量センサーであり、トレー内の重量を検知することによってメニューが載置されているか否かを判断する。また、トレー検知部320は、トレー内を撮影し、撮影画像からメニューが載置されているか否かを判断するものであってもよい。トレー検知部320がトレーに載置されたメニューが無くなる、すなわち客が受け取ったことを検知すると、制御部310は、配膳が完了したと判断し、オーダー管理装置700に配膳完了登録要求を送信する。オーダーデータ記憶部720は、配膳完了登録を要求した配膳ロボット300が配膳したメニューデータの調理ステータスを「配膳完了」に変更する。
【0044】
入力部330は、配膳ロボット300に各種処理を実行させるための指示を調理スタッフ又はフロアスタッフが入力する入力装置である。通信部340は、ネットワーク500との通信インターフェースである。表示部350は、客に対して配膳指示画面等を表示する表示装置である。記憶部360は、配膳ロボット300の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。
【0045】
尚、配膳ロボット300は、飲食店内に複数配置されていてもよい。複数の配膳ロボット300が配置されている場合、各配膳ロボット300には、それぞれ配膳ロボットデータが付されている。配膳ロボットデータは、各配膳ロボット300を識別するためのデータである。配膳ロボットデータは、例えば各配膳ロボット300に付された番号である。また、配膳ロボット300は、複数のトレーを備えていてもよい。配膳ロボット300が複数のトレーを備えている場合、各トレーは、トレー検知部320を備える。また、配膳ロボット300が複数のトレーを備えている場合、各トレーには、トレーデータが付されている。トレーデータは、各トレーを識別するためのデータである。トレーデータは、例えば配膳ロボット300内における各トレーの位置関係を示す名称であり、具体的には、上段、中段、下段等である。
【0046】
次に、
図7を参照して、調理室装置400の構成について詳細に説明する。
図7は、実施形態2に係るオーダー管理システムが備える調理室装置400の構成を示すブロック図である。調理室装置400は、調理室ディスプレイ410及び調理室プリンタ420を備える。調理室ディスプレイ410は、調理完了登録要求部411、通信部412、表示部413及び記憶部414を備える。調理室プリンタ420は、調理完了登録要求部421、伝票出力部422、通信部423及び記憶部424を備える。調理室ディスプレイ410は、ハードウェア構成として、入力装置と、表示装置と、コンピューターとを備える。調理室プリンタ420は、ハードウェア構成として、入力装置と、伝票出力装置と、コンピューターとを備える。
【0047】
調理室ディスプレイ410は、オーダーされたメニューを調理スタッフに表示し、調理スタッフが調理の完了を入力する装置であり、例えば、デシャップ用ディスプレイである。調理完了登録要求部411は、調理スタッフが調理の完了を入力する入力装置である。調理完了登録要求部411は、調理スタッフが入力した調理の完了に基づいて調理完了登録要求をオーダー管理装置700に送信する。調理完了登録要求は、調理が完了したメニューデータとメニューの配膳先データとを含む。オーダーデータ記憶部720は、調理完了登録要求を受信すると、調理完了登録要求に含まれるメニューデータの調理ステータスを「調理完了」に変更する。通信部412は、ネットワーク500との通信インターフェースである。表示部413は、調理スタッフに対してオーダーされたメニューを表示するための表示装置である。記憶部414は、調理室ディスプレイ410の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。
【0048】
調理室プリンタ420は、オーダーされたメニューの伝票を出力し、調理スタッフが調理の完了を入力する装置である。調理完了登録要求部421は、調理スタッフが調理の完了を入力する入力装置である。調理完了登録要求部421は、調理完了登録要求部411と同様の機能を有するため、説明を省略する。伝票出力部422は、オーダーされたメニューの伝票を印刷する伝票出力装置である。伝票には、メニューデータ及び配膳先データ等が記載されている。通信部423は、ネットワーク500との通信インターフェースである。記憶部424は、調理室プリンタ420の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。
【0049】
次に、
図8を参照して、メニューのオーダーから配膳完了におけるオーダー管理装置700の動作の一例を説明する。
図8は、実施形態2に係るオーダー管理方法におけるメニューオーダーから配膳完了までにおけるオーダー管理装置700の動作例を示すフローチャートである。
【0050】
実施形態2に係るオーダー管理方法では、フロアスタッフがスタッフ用端末220からオーダーデータを入力する。スタッフ用端末220からオーダーデータを受信すると(ステップS201)、オーダーエントリー部710は、受信したオーダーデータを調理室ディスプレイ410及び調理室プリンタ420に送信する(ステップS202)。次に、オーダーデータ記憶部720は、受信したオーダーデータに含まれるメニューデータの調理ステータスを「調理中」とし、メニューデータ及び調理ステータスを配膳先データに紐づけて記憶する(ステップS203)。尚、ステップS203は、ステップS202よりも先に行われてもよいし、ステップS202と並行しておこなわれてもよい。
【0051】
調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420から調理完了登録要求を受信すると(ステップS204)、オーダーデータ記憶部720は、調理完了登録要求に含まれるメニューデータの調理ステータスを「調理完了」に変更する(ステップS205)。また、配膳制御部730は、調理完了登録要求に含まれる配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボット300に送信する(ステップS206)。また、配膳ロボットステータス記憶部770は、配膳指示データが送信された配膳ロボット300のステータスを「稼働中」に変更する(ステップS207)。さらに、配膳通知部760は、調理完了登録要求に含まれる配膳先データに対応する客席に設置された客用端末210に配膳通知を送信する(ステップS208)。尚、ステップS205、ステップS206、ステップS207及びステップS208を実行する順序は特に限定されず、各ステップは並行して行われてもよい。
【0052】
配膳ロボット300から配膳完了登録要求を受信すると(ステップS209)、オーダーデータ記憶部720は、配膳ロボット300が配膳したメニューデータの調理ステータスを「配膳完了」に変更する(ステップS210)。また、配膳ロボットステータス記憶部770は、配膳完了登録要求を送信した配膳ロボット300のステータスを「待機中」に変更する(ステップS211)。また、配膳制御部730は、メニューの配膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS212)。尚、ステップS210、ステップS211及びステップS212を実行する順序は特に限定されず、各ステップは並行して行われてもよい。
【0053】
次に、
図9~12を参照して、メニューのオーダーから配膳完了におけるオーダー管理システム800の動作の一例を説明する。
図9は、実施形態2に係るオーダー管理方法におけるメニューオーダーから配膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【0054】
フロアスタッフは、客がオーダーを希望するメニューデータと、客が着席している客席の客席番号(配膳先データ)と、をスタッフ用端末220が備える入力部222に入力する(ステップS301)。スタッフ用端末220が備えるオーダーデータ登録要求部227は、メニューデータ及び配膳先データが入力されると、オーダーデータ登録要求をオーダー管理装置700に送信する(ステップS302)。尚、オーダーデータ登録要求は、メニューデータ及び配膳先データを含む。
【0055】
オーダー管理装置700は、オーダーデータ登録要求を受信すると、オーダーデータ登録要求に含まれるオーダーデータを調理室ディスプレイ410及び調理室プリンタ420に送信する(ステップS303、ステップS304)。尚、ステップS304は、ステップS303よりも先に行われてもよいし、ステップS303と並行して行われてもよい。
【0056】
オーダーデータを受信すると、調理室プリンタ420が備える伝票出力部422は、オーダーデータを記載した伝票を出力する(ステップS305)。オーダーデータを受信すると、調理室ディスプレイ410が備える表示部413は、メニューデータ及び調理ステータスを表示する(ステップS306)。調理スタッフは、表示されたメニューデータを見て、メニューの調理を行う。
図10は、調理室ディスプレイ410に表示されるオーダーデータ表示画面の一例を示す図である。表示部413は、例えば
図10に示すようなオーダーデータ表示画面を表示する。オーダーデータは、メニューデータ及び配膳先データに加えて、客席に着席している客の人数及びオーダーが入力された時間等のデータ等を含んでいてもよい。
図10に示す例では、各客席においてオーダーされたメニューと各メニューの調理ステータスとが対応づけられて表示されており、さらに各客席に着席している客の人数及びオーダー時刻からの経過時間が表示されている。オーダーデータ表示画面にオーダー時刻からの経過時間を表示することにより、調理スタッフは、配膳が完了しておらずかつ経過時間が長い客席を把握することができる。
【0057】
図9に戻って説明を続ける。
調理スタッフは、メニューの調理が完了すると、調理が完了したメニューをステップS305において出力された伝票と共に配膳ロボット300のトレーに載置する。そして、調理スタッフは、調理室プリンタ420が備える調理完了登録要求部421にメニューの調理が完了した旨を入力する(ステップS307)。飲食店内に複数の配膳ロボット300が配置されている場合、調理スタッフは、調理完了登録要求部421に調理が完了したメニューを入力する際に、当該メニューを載置した配膳ロボット300の配膳ロボット番号を入力する。また、配膳ロボット300に複数のトレーが設けられている場合、調理スタッフは、調理完了登録要求部421に調理が完了したメニューを入力する際に、当該メニューを載置したトレーのトレーデータを入力する。
【0058】
調理完了登録要求部421は、調理スタッフが入力した内容に基づいて調理完了登録要求をオーダー管理装置700に送信する(ステップS308)。調理完了登録要求は、少なくとも、調理が完了したメニューのメニューデータ及び配膳先データを含み、さらに、当該メニューが載置された配膳ロボット300の配膳ロボットデータ及びトレーデータを含んでいてもよい。
【0059】
調理完了登録要求を受信すると、オーダー管理装置700が備える配膳通知部760は、調理完了登録要求に含まれる配膳先データに対応する客席に設置された客用端末210に配膳通知を送信する(ステップS309)。配膳通知は、調理が完了したメニューがまもなく配膳される旨を客に伝える文言を含む通知である。配膳通知は、さらに、調理が完了したメニューのメニューデータ及び当該メニューの写真等を含んでいてもよい。
図11は、客用端末210に表示される配膳通知画面の一例を示す図である。
図11に示すように、配膳されるメニューのメニュー名及び写真を含む配膳通知画面を客用端末210に表示することにより、客は、まもなく配膳されるメニューを把握することができる。
【0060】
図12は、客用端末210に表示される配膳指示画面の一例を示す図である。客用端末210は、
図11に示すような配膳通知画面を表示した後、
図12に示すような配膳指示画面を表示してもよい。配膳指示画面は、客に対してメニューの受け取りを促す文言を含む画面である。配膳ロボット300が複数のトレーを備える場合、客用端末210は、
図12に示すように、どのトレーからメニューを受け取るかを指示する文言が含まれる配膳指示画面を表示することが好ましい。
【0061】
配膳ロボット300が複数のトレーを備える場合、ステップS309において、配膳通知部760は、メニューが載置されたトレーのトレーデータを含む配膳通知を客用端末210に送信する。客用端末210は、受信した配膳通知に基づいて、どのトレーからメニューを受け取るかを指示する文言が含まれる配膳指示画面を表示する。客は、どのトレーからメニューを受け取るかを指示する文言が含まれる配膳指示画面を確認することによって、どのトレーに自身がオーダーしたメニューが載置されているかを把握することができる。また、配膳通知画面及び配膳指示画面には、
図12に示すように、「通知を消す」ボタンを表示してもよい。客は、通知が不要である場合、「通知を消す」ボタンを操作することによって配膳通知画面及び配膳指示通画面を消すことができる。
【0062】
図9に戻って説明を続ける。
調理完了登録要求を受信すると、オーダー管理装置700が備える配膳制御部730は、調理完了登録要求に含まれる配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボット300に送信する(ステップS310)。尚、飲食店内に複数の配膳ロボット300が配置されている場合、調理完了登録要求には調理が完了したメニューが載置された配膳ロボット300の配膳ロボットデータが含まれている。そこで、配膳制御部730は、調理完了登録要求に含まれる配膳ロボットデータに対応する配膳ロボット300に配膳指示データを送信する。
【0063】
配膳ロボット300は、配膳指示データを受信すると、配膳指示データに含まれる配膳先データに対応する客席に移動する(ステップS311)。客は、上述した配膳指示画面に従ってメニューを受け取る。トレー検知部320がトレー内の重量の変化により客がメニューを受け取ったことを検知すると、制御部310は、配膳が完了したと判断し(ステップS312)、オーダー管理装置700に配膳完了登録要求を送信する(ステップS313)。尚、飲食店内に複数の配膳ロボット300が配置されている場合、制御部310は、自身に対応する配膳ロボットデータを含む配膳完了登録要求をオーダー管理装置700に送信する。配膳完了登録要求を受信すると、オーダーエントリー部710は、客席における配膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS314)。
【0064】
尚、
図9では、調理スタッフが調理室プリンタ420から調理完了登録を入力する場合について説明したが、調理スタッフは、調理室ディスプレイ410から調理完了登録を入力してもよい。また、
図9では、調理スタッフが調理室プリンタ420に入力した配膳ロボット番号に基づいて配膳ロボット300を移動させる場合について説明したが、配膳ロボット300は、自身に入力された配膳先データに基づいて客席に移動してもよい。この場合、調理スタッフは、配膳ロボット300が備える入力部330から配膳ロボット300に載置したメニューの配膳先データを入力する。配膳ロボット300は、入力された配膳先データに基づいて客席に移動する。
【0065】
また、配膳ロボット300が備えるトレー検知部320がトレー内を撮影して画像認識によってメニューが載置されているか否かを判断するものである場合、配膳ロボット300は、画像認識によって配膳先データを取得してもよい。例えば、トレー検知部320は、トレー内に載置されたメニュー及び伝票を撮影し、画像認識によって伝票に印刷された配膳先データを取得してもよい。配膳ロボット300が画像認識によって配膳先データを取得する場合、調理スタッフは、配膳ロボット300を客席に移動させるために配膳先データを入力する必要がない。
【0066】
さらに、トレー検知部320は、トレー内に載置されたメニュー及び伝票を撮影し、画像認識によって伝票に印刷されたメニューデータを取得してもよい。この場合、配膳ロボット300は、トレー検知部320が取得したメニューデータ及び配膳先データを調理完了登録要求としてオーダー管理装置700に送信してもよい。配膳ロボット300がメニューデータ及び配膳先データを画像認識で取得して調理完了登録要求を送信する場合、調理スタッフは、手動で調理完了登録を入力する必要がない。
【0067】
また、
図9では、客用端末210に配膳指示画面を表示する場合について説明したが、配膳ロボット300が備える表示部350に
図12に示すような配膳指示画面を表示してもよい。表示部350は、配膳ロボット300が客席に到着すると、配膳指示画面を表示する。配膳指示画面は、客に対してメニューの受け取りを促す文言を含む画面である。配膳ロボット300が複数のトレーを備える場合、表示部350は、
図12に示すように、どのトレーからメニューを受け取るかを指示する文言が含まれる配膳指示画面を表示することが好ましい。
【0068】
また、トレー検知部320は、トレー内にメニューが所定時間以上載置されている場合に、オーダー管理装置700に異常を通知してもよい。オーダー管理装置700は、異常が通知されると、スタッフ用端末220に異常が通知された旨を送信する。スタッフ用端末220に異常が通知された旨を送信することによって、フロアスタッフは、メニューの配膳が完了していないことを把握することができる。
【0069】
次に、
図13を参照して、会計から下膳完了におけるオーダー管理装置700の動作の一例を説明する。
図13は、実施形態2に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までにおけるオーダー管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【0070】
実施形態2に係るオーダー管理方法では、客が食事を済ませた後に、フロアスタッフがオーダー管理装置700を操作して会計を行う。客は、食事を済ませると、フロアスタッフに会計を行いたい旨を伝える。フロアスタッフが客席番号(配膳先データ)を会計入力部780に入力すると、会計部740は、入力された配膳先データに基づいて会計を行う(ステップS401)。レシート出力部790は、会計部740において会計が完了すると、レシート又は領収書を出力する(ステップS402)。また、下膳制御部750は、会計部740において会計が完了すると、会計が完了した配膳先データを含む下膳指示データを生成して配膳ロボット300に送信する(ステップS403)。また、配膳ロボットステータス記憶部770は、会計部740において会計が完了すると、下膳指示データが送信された配膳ロボット300のステータスを「稼働中」に変更する(ステップS404)。尚、ステップS402、ステップS403及びステップS404を実行する順序は特に限定されず、各ステップは並行して行われてもよい。
【0071】
配膳ロボット300から下膳完了登録要求を受信すると、オーダーデータ記憶部720は、配膳ロボット300が下膳した客席においてオーダーされたメニューデータの調理ステータスを「下膳完了」に変更する(ステップS405)。また、配膳ロボット300から下膳完了登録要求を受信すると、配膳ロボットステータス記憶部770は、下膳完了登録要求を送信した配膳ロボット300のステータスを「待機中」に変更する(ステップS406)。また、オーダーエントリー部710は、客席における下膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS407)。尚、ステップS405、ステップS406及びステップS407を実行する順序は特に限定されず、各ステップは並行して行われてもよい。
【0072】
次に、
図14を参照して、会計から下膳完了におけるオーダー管理システム800の動作の一例を説明する。
図14は、実施形態2に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。尚、
図14に示すシーケンスチャートは、下膳指示時に配膳ロボット300のステータスが待機中である場合におけるオーダー管理システム800の動作例である。
【0073】
会計を希望する客が着席している客席の客席番号(配膳先データ)をオーダー管理装置700が備える会計入力部780にフロアスタッフが入力すると、会計部740は、配膳先データに基づいて会計を行う(ステップS501)。会計が完了すると、下膳制御部750は、会計が完了した配膳先データを含む下膳指示データを配膳ロボット300に送信する(ステップS502)。配膳ロボット300は、下膳指示データに含まれる配膳先データに対応する客席すなわち下膳先に移動する(ステップS503)。フロアスタッフは、下膳先において食器等を配膳ロボット300が備えるトレーに載置し、入力部330から下膳が完了した旨を入力する(ステップS504)。制御部310は、下膳の完了が入力されると、オーダー管理装置700に下膳完了登録要求を送信する(ステップS505)。
【0074】
オーダー管理装置700は、下膳完了登録要求を受信すると、客席において下膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS506)。配膳ロボット300は、下膳完了が入力されると、食器返却場所へ移動する(ステップS507)。尚、ステップS507は、ステップS505よりも先に行われてもよいし、ステップS505を並行して行われてもよい。
【0075】
下膳指示時に配膳ロボット300が稼働中である場合、配膳ロボット300に代えてフロアスタッフに下膳指示を出してもよい。
図15を参照して、下膳指示時に配膳ロボット300が稼働中である場合におけるオーダー管理システム800の動作を説明する。
図15は、実施形態2に係るオーダー管理方法における配膳ロボットが稼働中である場合の会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【0076】
会計部740において会計(ステップS601)が完了すると、下膳制御部750は、配膳ロボットステータス記憶部770を参照して配膳ロボット300のステータスを確認する(ステップS602)。下膳制御部750は、配膳ロボット300のステータスが稼働中である場合、スタッフ用端末220に下膳指示データを送信する(ステップS603)。フロアスタッフは、下膳指示に従って客席における下膳を行う。下膳が完了すると、フロアスタッフは、スタッフ用端末220が備える入力部222から下膳が完了した旨を入力する(ステップS604)。制御部221は、下膳完了が入力されると、オーダー管理装置700に下膳完了登録要求を送信する(ステップS605)。オーダー管理装置700は、下膳完了登録要求を受信すると、客席において下膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS506)。
【0077】
このように、実施形態2に係るオーダー管理方法では、オーダーエントリーシステムと会計システムとを連携しており、会計後における配膳ロボット300への下膳指示を自動で行うことができる。そのため、フロア10におけるオペレーションを向上させることができる。
【0078】
デザートを追加でオーダーする場合等、客席において食事をしている途中で食器を下膳することが好ましい場合がある。実施形態2に係るオーダー管理システムは、客用端末210又はスタッフ用端末220から食事の途中における下膳を要求することができる。まず、
図16~18を参照して、スタッフ用端末220から下膳を要求する場合について説明する。
図16は、実施形態2に係るオーダー管理システムにおけるスタッフ用端末の一例を示す図である。
図17は、実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳ロボット選択画面の一例である。
図18は、実施形態2に係るオーダー管理システムにおける配膳ロボット移動要求画面の一例である。尚、
図16~18を参照して説明する例では、飲食店内に複数の配膳ロボット300が配置されているものとする。
【0079】
図16は、スタッフ用端末220として使用されるハンディターミナルの一例である。
図16に示すように、スタッフ用端末220は、「ロボ」ボタンを備えている。フロアスタッフが「ロボ」ボタンを選択すると、スタッフ用端末220の表示部224には、
図17に示すような配膳ロボット選択画面が表示される。配膳ロボット選択画面は、下膳指示可能な配膳ロボット300を選択可能な画面である。
図17に示す例では、各配膳ロボット300のステータスが配膳ロボット選択画面に表示されており、フロアスタッフは、ステータスが待機中である配膳ロボット300のみを選択可能である。
【0080】
フロアスタッフが、配膳ロボット300と客席番号とを配膳ロボット選択画面上で選択すると、スタッフ用端末220の表示部224には、
図18に示すような配膳ロボット移動要求画面が表示される。配膳ロボット移動要求画面は、どの配膳ロボット300をどの客席に移動させるかを確認して移動要求を行う画面である。フロアスタッフは、
図18に示すような配膳ロボット移動要求画面において移動要求内容を確認し、「OK」ボタンを選択する。フロアスタッフが配膳ロボット移動要求画面において「OK」ボタンを選択すると、スタッフ用端末220が備える下膳要求部226は、下膳要求をオーダー管理装置700に送信する。
【0081】
次に、
図19~20を参照して、客用端末210から下膳を要求する場合について説明する。
図19は、実施形態2に係るオーダー管理システムにおける客用端末の表示画面の一例である。
図20は、実施形態2に係るオーダー管理システムにおける店員呼出画面の一例である。
【0082】
図19は、客用端末210の表示部214に表示される表示画面の一例である。
図19に示すように、客用端末210の表示画面は、「店員呼出」ボタンを備えている。客が「店員呼出」ボタンを選択すると、客用端末210の表示部214には、
図20に示すような店員呼出画面が表示される。店員呼出画面は、客の要望に応じて店員の呼出を要求する画面である。客は、食器を下膳したい場合に、店員呼出画面に表示された「食器を片づける」ボタンを選択する。客が「食器を片づける」ボタンを選択すると、客用端末210が備える下膳要求部216は、下膳要求をオーダー管理装置700に送信する。
【0083】
また、実施形態2に係るオーダー管理システムにおいて、配膳ロボット300は、取り分け用食器及び持ち帰り容器等を運んでもよい。例えば、
図20に示す例では、店員呼出画面に「取り分け用食器の希望」ボタン及び「持ち帰り用容器の希望」ボタンが表示されている。例えば、客が「取り分け用食器の希望」ボタンを選択すると、制御部211は、取り分け用食器要求をオーダー管理装置700に送信する。取り分け用食器要求は、取り分け用食器を要求する客席の客席番号(配膳先データ)を含む。オーダー管理装置700は、取り分け用食器要求を受信すると、当該要求を調理室ディスプレイ410及び調理室プリンタ420に送信する。
【0084】
取り分け用食器要求を受信すると、調理室ディスプレイ410は、取り分け用食器を要求している旨と取り分け用食器を要求する客席の客席番号とを表示する。調理室プリンタ420は、取り分け用食器要求を記載した伝票を出力する。調理スタッフは、調理室ディスプレイ410に表示された取り分け用食器要求に応じて取り分け用食器を用意し、出力された伝票と共に配膳ロボット300に載置する。そして、調理スタッフは、調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420に取り分け用食器載置の完了を入力する。調理スタッフが取り分け用食器載置の完了を入力すると、調理室ディスプレイ410又は調理室プリンタ420は、取り分け用食器載置が完了した旨をオーダー管理装置700に送信する。
【0085】
取り分け用食器載置が完了した旨を受信すると、オーダー管理装置700が備える配膳制御部730は、配膳指示データを生成して配膳ロボット300に送信する。配膳ロボット300は、配膳指示データに基づいて客席に移動する。このように、客の要求に応じて、配膳ロボット300は、取り分け用食器を客席に運ぶことができる。尚、配膳ロボット300は、取り分け用食器と同様の動作で持ち帰り用容器を運ぶことができるため、客が持ち帰り用容器を要求した場合の説明を省略する。
【0086】
<実施形態3>
実施形態3は、上述した実施形態2の変形例である。実施形態3では、客用端末からメニューのオーダー及び会計を行う。以下、実施形態3に係るオーダー管理システムについて実施形態2等と重複する説明については適宜省略しつつ説明する。
【0087】
図21は、実施形態3に係るオーダー管理システムの構成を示すブロック図である。
図21に示すように、オーダー管理システム1000は、
図3に示したオーダー管理装置700に代えてオーダー管理装置900を備え、
図3に示した客用端末210に代えて客用端末230を備える。尚、客用端末230は、上述したオーダー入力端末の一例である。
【0088】
オーダー管理装置900は、
図3に示した会計入力部780に代えて、会計要求受信部980を備える。実施形態3において、客は、食事を済ませた後に客用端末230を操作して会計を行う。会計要求受信部980は、客用端末230から会計要求を受信すると、会計部740に会計を要求する。オーダー管理装置900は、
図3に示したレシート出力部790に代えて、レシート送信部990を備える。レシート送信部990は、会計部740において会計が完了すると、レシート又は領収書を客用端末230に送信する。
【0089】
図22は、実施形態3に係るオーダー管理システムが備える客用端末の構成を示すブロック図である。客用端末230は、
図4に示した制御部211に代えて、制御部217を備える。制御部217は、
図4に示した下膳要求部216に加えて、オーダーデータ登録要求部218及び会計要求部219を備える。オーダーデータ登録要求部218は、オーダー管理装置700にオーダーデータ登録要求を送信する。会計要求部219は、オーダー管理装置700に会計要求を送信する。会計要求は、会計を要求する客席の客席番号(配膳先データ)を含む。オーダー管理装置900が備える会計要求受信部980は、客用端末230から会計要求を受信すると、会計要求に含まれる配膳先データに対応する客席の会計を会計部740に要求する。
【0090】
次に、
図23を参照して、会計から下膳完了におけるオーダー管理装置900の動作の一例を説明する。
図23は、実施形態3に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までにおけるオーダー管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【0091】
会計要求受信部980は、客用端末230から会計要求を受信すると(ステップS701)、会計要求に含まれる配膳先データに対応する客席の会計を会計部740に要求する。会計部740は、会計要求に含まれる配膳先データに基づいて会計を行う(ステップS702)。レシート送信部990は、会計部740において会計が完了すると、レシート又は領収書を客用端末230に送信する(ステップS703)。また、会計部740において会計が完了すると、下膳制御部750は、会計が完了した配膳先データを含む下膳指示データを生成して配膳ロボット300に下膳指示データを送信する(ステップS704)。
【0092】
また、会計部740において会計が完了すると、配膳ロボットステータス記憶部770は、下膳指示データが送信された配膳ロボット300のステータスを「稼働中」に変更する(ステップS705)。尚、ステップS703、ステップS704及びステップS705を実行する順序は特に限定されず、各ステップは並行して行われてもよい。ステップS706~ステップS708の各ステップは、上述したステップS405~ステップS407と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
尚、実施形態3に係るオーダー管理システムは、客用端末230又はスタッフ用端末220から下膳を要求してもよい。例えば、客は、客用端末230の表示部214に表示された「食器を片づける」ボタンを会計前に選択してもよい。客が「食器を片づける」ボタンを選択すると、客用端末230が備える下膳要求部216は、下膳要求をオーダー管理装置900に送信する。オーダー管理装置900が備える下膳制御部750は、客用端末230又はスタッフ用端末220から下膳要求を受信すると、下膳指示データを配膳ロボット300に送信する。配膳ロボット300は、下膳指示データに応じて客席に移動する。
【0094】
次に、
図24を参照して、会計から下膳完了におけるオーダー管理システム1000の動作の一例を説明する。
図24は、実施形態3に係るオーダー管理方法における会計から下膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。尚、
図24に示すシーケンスチャートは、下膳指示時に配膳ロボット300のステータスが待機中である場合におけるオーダー管理システム800の動作例である。
【0095】
実施形態3に係るオーダー管理方法では、客用端末230が備える表示部214に「会計」ボタンが表示されている。客は、食事を済ませた後に、客用端末230に表示された「会計」ボタンを選択する。客が「会計」ボタンを選択すると、会計要求部219は、客用端末230が設置されている客席の客席番号を含む会計要求をオーダー管理装置900に送信する(ステップS801)。オーダー管理装置900は、会計要求に応じて会計を行い(ステップS802)、レシート又は領収書を客用端末230に送信する(ステップS803)。客用端末230が備える表示部214は、受信したレシート又は領収書を表示することによって出力する(ステップS804)。ステップS805~ステップS810の各ステップは、上述したステップS502~ステップS507と同様であるため、説明を省略する。
【0096】
このように、実施形態3に係るオーダー管理方法では、客用端末230を用いて客自身がメニューのオーダー及び会計を行う。そのため、フロアスタッフと客との接触を少なくすることができる。また、フロアスタッフが行う業務が減るため、フロア10におけるオペレーションが更に向上する。
【0097】
尚、実施形態3では、メニューのオーダー及び会計のいずれも客用端末230から行う場合について説明したが、メニューのオーダー及び会計のいずれか一方のみを客用端末230から行ってもよい。例えば、メニューのオーダーを客用端末230から行い、会計をオーダー管理装置900から行ってもよい。
【0098】
<実施形態4>
実施形態4は、上述した実施形態2の変形例である。実施形態4では、配膳ロボット300が複数の配膳先に所定の順序でメニューを運ぶ。以下、実施形態4に係るオーダー管理システムについて実施形態2等と重複する説明については適宜省略しつつ説明する。実施形態4に係るオーダー管理システムは、実施形態2において説明したオーダー管理システム800と同様の構成である。
【0099】
図25は、実施形態4に係るオーダー管理方法における調理完了から配膳完了までの処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。実施形態4において、調理スタッフは、配膳ロボット300が備える複数のトレーのそれぞれに、調理が完了したメニューを伝票と共に載置する。尚、1つのトレーに載置されるメニューは、配膳先が同じである。例えば、
図14に示す例では、調理スタッフは、客席1に配膳するメニューを上段のトレーに載置し、客席2に配膳するメニューを中段のトレーに載置し、客席3に配膳するメニューを下段のトレーに載置する。尚、
図14に示す客用端末a1~a3は、客席1~3に設置された客用端末210である。
【0100】
調理スタッフは、メニュー及び伝票を各トレーに載置すると、調理室プリンタ420が備える調理完了登録要求部421にそれぞれのメニューの調理が完了した旨を入力する(ステップS901)。ステップS901において、調理スタッフは、それぞれのメニューを載置したトレーのトレーデータを入力する。調理完了登録要求部421は、調理スタッフが入力した内容に基づいて調理完了登録要求をオーダー管理装置700に送信する(ステップS902)。調理完了登録要求を受信すると、オーダー管理装置700が備える配膳通知部760は、調理完了登録要求に含まれる配膳先データに対応する各客席に設置された各客用端末210に配膳通知を送信する(ステップS903~ステップS905)。
【0101】
調理完了登録要求を受信すると、オーダー管理装置700が備える配膳制御部730は、調理完了登録要求に含まれる複数の配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボット300に送信する(ステップS906)。尚、ステップS906において送信される配膳指示データは、配膳ロボット300が複数の客席に移動する所定の順序のデータを含む。ここで、所定の順序は特に限定されず、例えば
図14に示す例では、配膳ロボット300は、トレーの上段に載置されたメニューの配膳先、トレーの中段に載置されたメニューの配膳先、トレーの上段に載置されたメニューの配膳先、の順で移動する。また、配膳ロボット300は、例えば、オーダー時刻が早い順に各配膳先に移動してもよい。
【0102】
配膳ロボット300は、配膳指示データを受信すると、配膳指示データに含まれる配膳先データに基づいて客席1に移動し、配膳を完了する(ステップS907)。配膳が完了すると、配膳ロボット300は、客席1の客席番号(配膳先データ)を含む配膳完了登録要求をオーダー管理装置900に送信する(ステップS908)。オーダーエントリー部710は、客席1における配膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS909)。
【0103】
次に、配膳ロボット300は、客席2に移動し、配膳を完了する(ステップS910)。配膳が完了すると、配膳ロボット300は、客席2の客席番号(配膳先データ)を含む配膳完了登録要求をオーダー管理装置900に送信する(ステップS911)。オーダーエントリー部710は、客席2における配膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS912)。
【0104】
次に、配膳ロボット300は、客席3に移動し、配膳を完了する(ステップS913)。配膳が完了すると、配膳ロボット300は、客席3の客席番号(配膳先データ)を含む配膳完了登録要求をオーダー管理装置900に送信する(ステップS914)。オーダーエントリー部710は、客席3における配膳が完了した旨を調理室ディスプレイ410に送信する(ステップS915)。
【0105】
このように、実施形態4に係るオーダー管理方法では、配膳ロボット300は、所定の順序で複数の配膳先にメニューを配膳することができる。そのため、一度に多くのメニューを配膳ロボット300が配膳することができる。尚、実施形態4に係るオーダー管理方法では、配膳ロボット300は、所定の順序で複数の客席における下膳を行ってもよい。また、実施形態4に係るオーダー管理方法では、配膳ロボット300は、複数のトレーのうち少なくとも1つを配膳に使用しつつ、残りのトレーで下膳を行ってもよい。
【0106】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0107】
上述の例において、プログラムは、コンピューターに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピューターに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0108】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0109】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0110】
(付記A1)
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備えるオーダー管理装置。
【0111】
(付記A2)
さらに、前記メニューの調理ステータスを前記調理室装置に送信する調理ステータス管理手段を備え、
前記オーダーデータ記憶手段は、前記調理ステータスを前記メニューデータに紐づけて記憶する、
付記A1に記載のオーダー管理装置。
【0112】
(付記A3)
前記調理ステータス管理手段は、前記配膳ロボットが前記メニューの配膳を完了すると当該メニューの前記調理ステータスを配膳完了とする、
付記A2に記載のオーダー管理装置。
【0113】
(付記A4)
さらに、前記メニューの前記調理ステータスが調理完了になると客用端末に配膳通知をする配膳通知手段を備える、
付記A2に記載のオーダー管理装置。
【0114】
(付記A5)
前記オーダーエントリー手段は、前記客用端末から受信したオーダーデータ登録要求に基づいて前記オーダーデータを前記オーダーデータ記憶手段に登録する、
付記A4に記載のオーダー管理装置。
【0115】
(付記A6)
前記会計手段は、前記客用端末から受信した会計要求に基づいて会計を行う、
付記A4又はA5に記載のオーダー管理装置。
【0116】
(付記A7)
前記下膳制御手段は、前記下膳指示データを送信した際に前記配膳ロボットが稼働中である場合、スタッフ用端末に前記下膳指示データを送信する、
付記A1に記載のオーダー管理装置。
【0117】
(付記A8)
前記オーダーデータ記憶手段は、複数の配膳先データと、各々の配膳先において入力されたメニューデータと、を紐づけて各々のオーダーデータとして記憶し、
前記配膳制御手段は、調理が完了した前記各々のメニューを対応する前記各々の配膳先に前記配膳ロボットが所定の順序で配膳する配膳指示データを送信する、
付記A1に記載のオーダー管理装置。
【0118】
(付記B1)
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータを入力するオーダー入力端末と、
前記オーダー入力端末と通信可能なオーダー管理装置と、
調理が完了したメニューを運び、前記オーダー管理装置と通信可能な配膳ロボットと、
前記オーダー管理装置と通信可能な調理室装置と、を備え、
前記オーダー管理装置は、
前記オーダー入力端末から前記オーダーデータを受信すると、前記オーダーデータを調理室装置に送信するオーダーエントリー手段と、
前記オーダーデータを記憶するオーダーデータ記憶手段と、
前記調理室装置から前記メニューの調理が完了した旨を受信すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する配膳制御手段と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計手段と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する下膳制御手段と、
を備えるオーダー管理システム。
【0119】
(付記B2)
前記オーダー管理装置は、さらに、前記メニューの調理ステータスを前記調理室装置に送信する調理ステータス管理部を備え、
前記オーダーデータ記憶手段は、前記調理ステータスを前記メニューデータに紐づけて記憶する、
付記B1に記載のオーダー管理システム。
【0120】
(付記C1)
コンピューターが、
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信し、
前記オーダーデータを記憶し、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信し、
前記オーダーデータに基づいて会計を行い、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する、
オーダー管理方法。
【0121】
(付記D1)
メニューデータ及び配膳先データを含むオーダーデータが入力されると、前記オーダーデータを調理室装置に送信する送信処理と、
前記オーダーデータを記憶する記憶処理と、
メニューの調理が完了すると当該メニューの配膳先データを含む配膳指示データを生成し、配膳ロボットに前記配膳指示データを送信する送信処理と、
前記オーダーデータに基づいて会計を行う会計処理と、
前記会計が行われた前記配膳先データを含む下膳指示データを生成し、前記配膳ロボットに前記下膳指示データを送信する送信処理と、
をコンピューターに実行させる、オーダー管理プログラム。
【符号の説明】
【0122】
10 フロア
20 調理室
100 オーダー管理装置
110 オーダーエントリー部
120 オーダーデータ記憶部
130 配膳制御部
140 会計部
150 下膳制御部
210、230 客用端末
211 制御部
212 入力部
213 通信部
214 表示部
215 記憶部
216 下膳要求部
217 制御部
218 オーダーデータ登録要求部
219 会計要求部
220 スタッフ用端末
221 制御部
222 入力部
223 通信部
224 表示部
225 記憶部
226 下膳要求部
227 オーダーデータ登録要求部
300 配膳ロボット
310 制御部
320 トレー検知部
330 入力部
340 通信部
350 表示部
360 記憶部
400 調理室装置
410 調理室ディスプレイ
411 調理完了登録要求部
412 通信部
413 表示部
414 記憶部
420 調理室プリンタ
421 調理完了登録要求部
422 伝票出力部
423 通信部
424 記憶部
500 ネットワーク
700 オーダー管理装置
710 オーダーエントリー部
720 オーダーデータ記憶部
721 配膳先データ
722 メニューデータ
723 調理ステータス
730 配膳制御部
740 会計部
750 下膳制御部
760 配膳通知部
770 配膳ロボットステータス記憶部
780 会計入力部
790 レシート出力部
800、1000 オーダー管理システム
900 オーダー管理装置
980 会計要求受信部
990 レシート送信部