(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163307
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電子機器、電子楽器、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0487 20130101AFI20241114BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20241114BHJP
G06F 3/0362 20130101ALI20241114BHJP
G10H 1/34 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G06F3/0487
G06F3/0354 451
G06F3/0362 462
G10H1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158707
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2022097684の分割
【原出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶川 知哉
(72)【発明者】
【氏名】岡野 真吾
(72)【発明者】
【氏名】森山 修
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 健
(72)【発明者】
【氏名】森谷 信一
(72)【発明者】
【氏名】市村 優太郎
(57)【要約】
【課題】画面表示に対するユーザー操作の利便性を向上させる。
【解決手段】電子楽器は、表示部と、操作体と円環状の検出面との接触を検出する検出部及び当該検出部に対応する位置に円環状に並んで設けられ検出面を発光させる複数の発光部を備える入力用リングとを備え、CPUは、表示部に表示されている内容と、入力用リングの複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光とを同期させるように制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部に少なくとも2つの選択肢を表示する場合に、前記検出面上に前記選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、前記複数の発光部のうち前記選択用領域に対応する発光部を発光させること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に4つの選択肢を表示する場合に、上下左右の4つの領域ができるように前記検出面上に前記選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、前記複数の発光部のうち前記選択用領域に対応する発光部を発光させること、
を特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部に表示する選択肢のそれぞれと、前記複数の発光部のうち前記選択肢のそれぞれに対応する前記選択用領域に対応する発光部と、を紐づけるように、発光、消光、点滅のいずれかをさせること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出面の、発光させていない前記発光部に対応する領域に対して前記操作体を接触又は近接させても前記表示部に表示されている内容を変化させないこと、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記検出部は、静電容量の変化によって前記操作体と前記検出面との接触又は近接を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記検出面は、円環状であり、前記複数の発光部は、円環状に並んで設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作体による前記検出面のスライド操作を受け付けている際に、前記表示部に円環状の図の回転を表す表示をさせるとともに、前記表示部に表示している前記円環状の図の回転と紐づけて、前記円環状に並んだ前記複数の発光部のうち一部の発光部を順次発光させること、
を特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子楽器。
【請求項10】
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
を備える電子機器を制御するためのコンピュータが、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御すること、
を特徴とする制御方法。
【請求項11】
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
を備える電子機器を制御するためのコンピュータに、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子楽器、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物理的なボタンやダイヤル、静電容量方式のタッチパネル等の入力インターフェースを使用して、画面表示されたカーソルを移動させる等の操作を行うことができるものがある。例えば、特許文献1では、スライド操作部上においてスライド操作させている指に対応する位置の光源を発光させるとともに、スクロール画像部の項目画像のスクロールを行うことが可能な表示装置の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の表示装置では、指がスライド操作部の所定位置に触れていると特定した場合に、所定位置と対応した位置を発光させると共に他の第1光源を消光させ、さらに指がスライド操作部上をスライドすることで画像表示器に表示される表示をスクロール等する記載はあるが、画像表示器の表示をスクロールするためのスライド操作部の操作方法を、指がスライド操作部に触れる前に適切にユーザーに知らせる記載はなく、利便性に欠けていた。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、画面表示に対するユーザー操作の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の電子機器は、
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画面表示に対するユーザー操作の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の電子楽器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の電子楽器の外観構成例を示す図である。
【
図3】入力用リング及び確認画面が表示された表示部を示す図である。
【
図4】
図1のCPUにより実行される発光制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図4のステップS2~S3による表示部及び入力用リングの表示を模式的に示す図である。
【
図6】
図4のステップS4~S5による表示部及び入力用リングの表示を模式的に示す図である。
【
図7】文字切り替え画面の表示と入力用リングの発光を同期させて入力用リングのスライド操作を促す例を示す図である。
【
図8】文字切り替え画面の表示と入力用リングの発光を同期させて入力用リングのスライド操作を促す他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、電子機器が電子楽器である場合について説明するが、本発明は、電子機器が電子楽器である場合に限定されず、表示部と、後述する入力インターフェースを備える電子機器であればどのような電子機器にも適用される。また、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[電子楽器100の構成]
図1は、本発明に係る電子楽器100の機能的構成を示すブロック図である。
図2は、電子楽器100の外観構成例を示す図である。
電子楽器100は、
図1、2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11等の少なくとも1つのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、鍵盤14と、操作部15と、表示部16と、サウンドシステム17と、通信部18と、を備えて構成されており、各部はバス19により接続されている。
【0011】
CPU11は、ROM12に格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAM13をワークエリアとして用いて各種処理を実行することにより、電子楽器100の各部を集中制御する。例えば、CPU11は、鍵盤14の押鍵された鍵の音高に応じて、サウンドシステム17によりピアノ等の楽器音を出力させたり、操作部15により選択された楽曲をサウンドシステム17により出力させたりする。また、CPU11は、通信部18を介して外部機器から入力されたオーディオデータに基づく音楽をサウンドシステム17により再生させる。また、CPU11は、後述する発光制御処理を実行することで、本発明の制御部として機能する。
【0012】
ROM12は、プログラム及び各種データ等を記憶する。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時的にデータを記憶する。
【0013】
鍵盤14は、複数の鍵(操作子)を備えて構成され、押鍵/離鍵された鍵の情報をCPU11に出力する。
【0014】
操作部15は、各種スイッチや操作キーを有し、ユーザーによる各種スイッチや操作キーの操作に応じた操作信号をCPU11に出力する。
【0015】
また、操作部15は、
図2に示すように、円環状の入力インターフェースである入力用リング151を備えている。入力用リング151は、操作体と円環状に連続した1つの領域である検出面との接触位置を静電容量の変化により検出する検出部(センサー)と、検出部に対応する位置に円環状に並んで設けられ、検出面を発光させる複数の発光部(LED(Light Emitting Diode))と、を備えて構成されている。入力用リング151は、操作体による入力用リング151の検出面への接触位置を検出してCPU11に出力するとともに、CPU11の制御に応じて発光部を発光する。なお、検出部による検出は、必ずしも操作体が検出面に「接触」していなくともよく、操作体が検出面に「近接(非接触な状態)」している際に静電容量の変化を検出しても良い。つまり、静電容量が閾値以上変化している場合に、操作体による検出面への接触又は近接を検出するようにすれば良い。また、検出部は操作体の接触又は近接が検出できれば、静電容量の変化を検出するセンサでなくともよく、光学センサや熱感知センサであっても良い。
【0016】
本実施形態では、操作体が指である場合を例にとり説明するが、操作体はこれに限らず、例えばタッチペン等の他のものであってもよい。また、本実施形態では、入力用リング151が円環状である場合を例として説明するが、入力用リング151は円環状に限定されず、例えば、楕円状や正方形状、長方形状等であってもよい。
【0017】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、表示を行う。
【0018】
サウンドシステム17は、音源部171、オーディオ回路172、スピーカ173を備えて構成されている。
音源部171は、CPU11からの制御指示に従い、ROM12に予め記憶された波形データを読み出すか又は波形データを生成してオーディオ回路172に出力する。
オーディオ回路172は、音源部171から出力された波形データ又は通信部18から入力された波形データ(オーディオデータ)をD/A変換して増幅し、スピーカ173は、増幅されたアナログ音声を出力する。
【0019】
通信部18は、インターネット等の通信ネットワーク、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信インターフェースを介して接続された外部端末やUSBメモリ等の外部記録媒体などの外部機器と、データ送受信を行う。
【0020】
[電子楽器100の動作]
次に、電子楽器100の動作について説明する。
表示部16に選択肢が表示されている場合、CPU11は、入力用リング151の円周を選択肢の数に応じて複数の領域に分割し、選択肢のいずれかに対応する入力用リング151の領域がタップ操作されると、タップ操作された領域に応じた選択肢が選択されたものと判断する。
【0021】
例えば、
図3に示す確認画面161が表示部16に表示されている場合、CPU11は、入力用リング151の円周(検出面上)を上下左右の4つの領域に分割し(例えば、弧の長さが等しい上下左右4つの領域に分割し)、右側の領域(右領域)151aを「YES」の選択用領域、左側の領域(左領域)151bを「NO」の選択用領域に設定する。そして、右領域151aがタップ操作された場合は、YESが選択されたものと判断し、左領域151bがタップ操作された場合は、NOが選択されたものと判断する。
【0022】
しかし、入力用リング151の右領域151aをタップ操作するとYESを選択でき、左領域151bをタップ操作するとNOを選択できることをユーザーに知らせる手段がないと、ユーザーはどのような操作で選択をすればよいのかわからず、利便性に欠ける。
【0023】
そこで、CPU11は、表示部16に確認画面161が表示された場合、
図4に示す発光制御処理を実行して、選択肢の選択方法をユーザーが認識できるようにする。発光制御処理は、CPU11とROM12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0024】
発光制御処理において、まず、CPU11は、入力用リング151の全発光部を消灯(消光)し、次いで、右領域151a及び左領域151bを点灯(発光)させる(ステップS1)。
図3は、ステップS1による表示部16と入力用リング151の表示を模式的に示す図である。なお、
図3、5~8における入力用リング151の表示では、濃度が濃いほど発光強度(単位:nit等)が高いことを示している。白は、発光していないことを示している。
【0025】
次いで、CPU11は、表示部16の確認画面161の「YES」の文字を点滅表示させる(ステップS2)。本実施形態における「点滅」は、1秒間に数回(例えば2-3回)程度発光と消灯を繰り返すことを指す。
また、CPU11は、「YES」の文字の点滅表示タイミングに同期して、入力用リング151の右領域151aの発光部を点滅表示させる(ステップS3)。なお、本実施形態でいう「同期」とは、表示部16上の少なくとも一部の内容(文字や記号など)の表示と、入力用リング151の少なくとも一部の発光部と、が紐づいて点灯(発光)、消灯(消光)、点滅のいずれかをすることを指す。また、表示部16の表示と入力用リング151の発光とにおける「同期」は全く同じタイミングでなくとも良く、数ms程度のズレがあっても良い。
【0026】
図5は、ステップS2~S3による表示部16及び入力用リング151の表示を模式的に示す図である。
図5では、表示部16に表示される「YES」の文字周り及び入力用リング151の右側に広がる実線は、「YES」の文字と入力用リング151の右側の領域(右領域151a)の発光部と、が同期して点滅している様子を表す(
図6の「NO」についても同様)。
図5に示すように、確認画面161内の「YES」の文字と入力用リング151の右領域151aの発光部とを同期させて点滅表示させることで、確認画面161内の「YES」の選択肢と入力用リング151の右領域151aとが対応しており、右領域151aをタップ操作することで「YES」を選択できることをユーザーに認識させることができる。
【0027】
次いで、CPU11は、表示部16の確認画面161の「YES」の文字及び入力用リング151の右領域151aの発光部の点滅表示を停止させ、表示部16の確認画面161の「NO」の文字を点滅表示させる(ステップS4)。
また、CPU11は、「NO」の文字の点滅表示タイミングに同期して、入力用リング151の左領域151bの発光部を点滅表示させる(ステップS5)。
【0028】
図6は、ステップS4~S5による表示部16及び入力用リング151の表示を模式的に示す図である。
図6に示すように、確認画面161内の「NO」の文字と入力用リング151の左領域151bの発光部とを同期させて点滅表示させることで、確認画面161内の「NO」の選択肢と入力用リング151の左領域151bとが対応しており、左領域151bをタップ操作することで「NO」を選択できることをユーザーに認識させることができる。
【0029】
次いで、CPU11は、表示部16の確認画面161の「NO」の文字及び入力用リング151の左領域151bの発光部の点滅表示を停止させる(ステップS6)。
これにより、入力用リング151は右領域151a及び左領域151bが点灯(発光)した状態となる。
【0030】
次いで、CPU11は、入力用リング151の右領域151a又は左領域151bのいずれかがタップ操作されるのを待機する(ステップS7)。
入力用リング151の右領域151a又は左領域151bのいずれかがタップ操作されたと判断した場合(ステップS7;YES)、CPU11は、表示部16をタップ操作された領域に応じてYESが選択されたかNOが選択されたかを判断し(ステップS8)、表示部16を選択に応じた次画面に遷移させるとともに、選択に応じた処理を実行し(ステップS9)、発光制御処理を終了する。
なお、CPU11は、入力用リング151の右領域151a又は左領域151b以外の領域がタップ操作されても、表示部16に表示されている内容は変化させず、操作を無効とする。
【0031】
このように、上記発光制御処理において、CPU11は、まず、確認画面161が表示されている状態で、確認画面161の「YES」の選択肢に対応する入力用リング151の右領域151aの発光部、及び「NO」の選択肢に対応する左領域151bの発光部を点灯(発光)させる。次いで、CPU11は、確認画面161の「YES」の文字を点滅表示させるとともに、「YES」の文字の点滅表示タイミングに同期して、入力用リング151の右領域151aの発光部を点滅表示させる。次いで、CPU11は、確認画面161の「NO」の文字を点滅表示させるとともに、「NO」の文字の点滅表示タイミングに同期して、入力用リング151の左領域151bの発光部を点滅表示させる。
したがって、確認画面161の選択肢である「YES」と「NO」のそれぞれの選択方法をユーザーに知らせることができるので、画面表示に対するユーザー操作の利便性を向上させることができる。
【0032】
以上説明したように、電子楽器100によれば、表示部16と、操作体と円環状の検出面との接触を検出する検出部及び当該検出部に対応する位置に円環状に並んで設けられ検出面を発光させる複数の発光部を備える入力用リング151とを備え、CPU11は、表示部16における少なくとも一部の内容に関する表示と、入力用リング151の複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光とを同期させる(紐づける)ように制御する。
したがって、例えば、表示部16の表示に対応する入力用リング151の操作部分を表示部16の表示と同期して発光させることによりユーザーに知らせることができるので、画面表示に対するユーザー操作の利便性を向上させることができる。
【0033】
また、例えば、CPU11は、表示部16に少なくとも2つの選択肢を表示する場合に、入力用リング151の検出面上に表示部16に表示された選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、複数の発光部のうち各選択用領域に対応する発光部を発光させる。
したがって、画面上での選択肢を入力用リング151のどの領域を操作することで選択できるのかをユーザーが容易に認識することができる。
【0034】
また、例えば、CPU11は、表示部16に表示する選択肢のそれぞれと、選択肢のそれぞれに対応する入力用リング151の選択用領域に対応する発光部と、を同期させながら点灯(発光)又は点滅させることで、画面上での選択肢を入力用リング151のどの領域を操作することで選択できるのかをユーザーがより容易に直感的に認識することができる。
【0035】
また、例えば、CPU11は、入力用リング151の検出面の、発光していない発光部に対応する領域に対して操作体を接触又は近接させても表示部16に表示されている内容を変化させないように制御する。したがって、表示と同期していない部分の操作を無効とすることができる。
【0036】
なお、上記実施形態及び変形例における記述内容は、本発明に係る電子機器、電子楽器、制御方法及びプログラムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0037】
例えば、上記実施形態では、表示部16に表示されている選択肢が「YES」、「NO」の2択である場合を例にとり説明したが、選択肢の数は2択に限定されない。例えば、CPU11は、表示部16に4つの選択肢を表示する場合に、入力用リング151の検出面(円周)を、上下左右の4つの領域(例えば、弧の長さが等しい4つの領域)ができるように分割して4つの選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、4つの選択肢のそれぞれと、4つのそれぞれに対応する選択用領域と、を同期させながら順次点灯(発光)又は点滅させることとしてもよい。これにより、入力用リング151のどの領域を操作すれば4つの選択肢のそれぞれを選択できるのかをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0038】
また、例えば、
図7に示す文字切り替え画面162では、入力用リング151をスライド操作することで、例えば下線が点いている文字(
図7では「L」)をアルファベット順などに切り替えることが可能であるが、この機能に気づかないユーザーも存在する。そこで、操作体による入力用リング151の検出面のスライド操作を受け付けている際(例えば、文字切り替え画面162が表示されている際)、CPU11は、表示部16に表示している画面上に、円環状の図の回転を表す表示をさせるとともに、表示部16に表示している円環状の図の回転と同期して、入力用リング151の複数の発光部のうち一部の発光部を順次発光させることとしてもよい。
例えば、
図7に示すように、表示部16に表示されている画面上に入力用リング151を表す図(リング図と呼ぶ)R1を表示させ、リング
図R1の円周上を順次移動させながら発光又は消灯させてリング
図R1の回転を表す表示を行うとともに、リング
図R1の円周上の発光又は消灯と同期して、入力用リング151の複数の発光部のうちリング
図R1の発光又は消灯している位置に対応する位置の発光部を発光させる(それ以外は消灯する)。これにより、ユーザーが直感的に入力用リング151をスライド操作すべきことを認識することが可能となる。
なお、入力用リング151の円周上をスライド操作することにユーザーが気づきやすいよう、表示部16には、リング
図R1の代わりに、
図8に示すように円弧状の矢印が回転する様子を示す図を表示させることとしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態の
図5及び
図6では、表示部16において一方の文字を点灯させたままにし、他方の文字を点滅させる場合を例にとり説明したが、表示方法はこれに限定されない。例えば、一方の文字を消灯させたままにし、他方の文字を点滅させるように表示部16を制御しても良く、入力用リング151もこれに同期するように一方の領域が消灯し、他方の領域を点滅させるように発光部を制御しても良い。また、表示部16及び入力用リング151の点滅は、最大発光強度の点灯と完全な消灯(発光強度ゼロ)とを繰り返す場合だけではなく、最大発光強度の点灯と最大発光強度よりも弱い発光強度での点灯とを繰り返す場合も含む。
【0040】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM等の半導体メモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0041】
その他、電子機器及び電子楽器の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0042】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記制御部は、前記表示部に少なくとも2つの選択肢を表示する場合に、前記検出面上に前記選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、前記複数の発光部のうち前記選択用領域に対応する発光部を発光させること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記制御部は、前記表示部に4つの選択肢を表示する場合に、上下左右の4つの領域ができるように前記検出面上に前記選択肢のそれぞれに対応する選択用領域を設定し、前記複数の発光部のうち前記選択用領域に対応する発光部を発光させること、
を特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記制御部は、前記表示部に表示する選択肢のそれぞれと、前記複数の発光部のうち前記選択肢のそれぞれに対応する前記選択用領域に対応する発光部と、を紐づけるように、発光、消光、点滅のいずれかをさせること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
<請求項5>
前記制御部は、前記検出面の、発光させていない前記発光部に対応する領域に対して前記操作体を接触又は近接させても前記表示部に表示されている内容を変化させないこと、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項6>
前記検出部は、静電容量の変化によって前記操作体と前記検出面との接触又は近接を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項7>
前記検出面は、円環状であり、前記複数の発光部は、円環状に並んで設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項8>
前記制御部は、前記操作体による前記検出面のスライド操作を受け付けている際に、前記表示部に円環状の図の回転を表す表示をさせるとともに、前記表示部に表示している前記円環状の図の回転と紐づけて、前記円環状に並んだ前記複数の発光部のうち一部の発光部を順次発光させること、
を特徴とする請求項7に記載の電子機器。
<請求項9>
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子楽器。
<請求項10>
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
を備える電子機器を制御するためのコンピュータが、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御すること、
を特徴とする制御方法。
<請求項11>
表示部と、
操作体と検出面との接触又は近接を検出する検出部と、
前記検出部に対応する位置に並んで設けられ、前記検出面を発光させる複数の発光部と、
を備える電子機器を制御するためのコンピュータに、
前記表示部における少なくとも一部の内容に関する表示と、前記複数の発光部のうち少なくとも一部の発光部の発光と、を紐づけるように制御する機能、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0043】
100 電子楽器
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 鍵盤
15 操作部
151 入力用リング
16 表示部
17 サウンドシステム
171 音源部
172 オーディオ回路
173 スピーカ
18 通信部
19 バス