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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163314
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241114BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20241114BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158887
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2020150240の分割
【原出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】林 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】平澤 真治
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 由利
(57)【要約】
【課題】有効化されたクーポンの利用頻度を高め得る構成を提供する。
【解決手段】有効化装置20では、携帯端末11に画面表示された情報コード12から識別情報が読み取られると、この携帯端末11をクーポン10として利用可能に有効化するため、識別情報を含めた有効化情報が管理装置40に送信される。また、受付装置30では、携帯端末11の情報コード12から読み取られた識別情報の送信に応じて管理装置40から許可情報を得ることで、その携帯端末11がクーポン10として利用可能であることが表示部34による画面表示により報知される。そして、管理装置40では、有効化装置20から受信した有効化情報が記憶部42にてデータベース化されて登録され、受付装置30から受信した識別情報が記憶部42にてデータベース化されている登録状態であると判定されることで上記許可情報が受付装置30に送信される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の識別情報を記録した情報コードが表示される表示媒体と、
前記表示媒体をクーポンとして利用可能とするための有効化処理を行う有効化装置と、
前記有効化処理により有効化された前記クーポンの利用要求を受け付ける受付装置と、
前記有効化装置による前記クーポンの有効化状況を管理する管理装置と、
を備え、前記受付装置は、複数あって、複数の前記受付装置のそれぞれは当該受付装置を特定する利用施設情報を有している管理システムであって、
前記有効化装置は、
前記表示媒体の前記情報コードから前記識別情報を光学的に読み取る処理側読取部と、
前記処理側読取部により前記識別情報が読み取られた前記表示媒体を前記クーポンとして利用可能に有効化するため、前記識別情報を含めた有効化情報を前記管理装置に送信する処理側送信部と、
を備え、
前記受付装置は、
前記表示媒体の前記情報コードから前記識別情報を光学的に読み取る受付側読取部と、
前記受付側読取部により読み取られた前記識別情報及び前記利用施設情報の送信に応じて前記管理装置から許可情報を得ることで、前記表示媒体が前記クーポンとして利用可能であることを報知する報知部と、
を備え、
前記管理装置は、
前記有効化装置から受信した前記有効化情報がデータベース化されて登録される記憶部と、
前記受付装置から受信した前記識別情報が前記記憶部にてデータベース化されている登録状態であるか否かについて判定する登録状態判定部と、
前記登録状態判定部により登録状態であると判定されることで前記許可情報を前記受付装置に送信する管理側送信部と、
を備え、前記登録状態判定部により登録状態であると判定された前記識別情報とともに受信した前記利用施設情報が当該識別情報に関連付けられてデータベース化されることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記表示媒体は、前記クーポンの利用を要求する利用者が所持する携帯端末であって、前記情報コードを画面表示可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記識別情報には、前記利用者を特定可能な識別番号が含まれることを特徴とする請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記表示媒体は、前記有効化装置を管理する管理者が前記クーポンの利用を要求する利用者に対して配布する紙媒体であることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
前記表示媒体は、前記クーポンの利用を要求する利用者が所定の施設の予約に応じて事前に取得した紙媒体であり、
前記識別情報には、前記利用者を特定可能な識別番号が含まれることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記有効化情報には、前記有効化装置が配置される施設を特定する情報、前記処理側読取部によって前記識別情報が読み取られた読取時刻、前記クーポンの利用を要求する利用者を特定する利用者情報、前記利用者の施設利用予定情報の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記情報コードには、さらに、前記クーポンの利用を要求する利用者を特定する利用者情報が記録され、
前記受付装置は、前記受付側読取部により前記情報コードから読み取られた前記利用者情報が表示される表示部を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記有効化装置から前記有効化情報を受信することで前記識別情報に対して有効期限を設定する有効期限設定部と、
前記受付装置から受信した前記識別情報に対して前記有効期限設定部にて設定された前記有効期限に基づいて当該識別情報が有効であるか否かについて判定する有効期限判定部と、
を備え、
前記管理側送信部は、前記登録状態判定部により登録状態であると判定され、かつ、前記有効期限判定部により前記識別情報が有効であると判定されると、前記許可情報を前記受付装置に送信することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記有効化情報には、前記有効化装置が設置される場所を特定する有効化場所情報が含まれ、
前記報知部は、前記受付側読取部により読み取られた前記識別情報とともに前記受付装置が設置される場所を特定する受付場所情報を、前記管理装置に対して送信し、
前記管理装置は、
前記有効化装置から前記有効化場所情報を受信することで、当該有効化場所情報を基準とする利用可能エリアを前記識別情報に対して設定する利用可能エリア設定部と、
前記受付装置から受信した前記受付場所情報が、前記識別情報に対して前記利用可能エリア設定部にて設定された前記利用可能エリア内であるか否かについて判定する利用可能エリア判定部と、
を備え、
前記管理側送信部は、前記登録状態判定部により登録状態であると判定され、かつ、前記利用可能エリア判定部により利用可能エリア内であると判定されると、前記許可情報を前記受付装置に送信することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポンの利用状況等を管理する管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クーポンにQRコード(登録商標)等を表示して発行し、そのクーポンの利用時にQRコード等から読み取った情報を集計することで、クーポンの利用状況等を管理する管理システムが多く採用されている。例えば、国や自治体等が主に行う地域振興の一環で用いるクーポンの利用状況等を管理する管理システムでは、クーポンの利用時にそのクーポンに付したQRコード等から読み取った情報を集計することで、各事業者での発行されたクーポンに関する管理作業を大幅に効率化させることができる。
【0003】
このようなQRコード等の情報コードを付したクーポンを管理する管理システムに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される引換えチケット認証装置が知られている。この引換えチケット認証装置では、発行された引き換えチケットを持参した顧客が店舗に来店して、この店舗の店舗端末に引き換えチケットの認証コードを読み取らせることで、引換えチケットの金券としての権利が利用可能な状態になる。引き換えチケットの認証コードには、顧客の情報である識別子と引換えチケットの発行条件とが含まれており、これらの情報を用いてサーバにて認証処理及び決済処理が行われる。これにより、引換えチケットを実際利用しない限り引換えチケットの発行時に登録した決済口座からの引き落としが行われることもないので、店舗側および顧客側双方のリスクが低減され、その結果、顧客に対する来訪意欲向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-080312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発行されたクーポンの利用予測が困難な場合があり、発行されたクーポンの発行枚数に対して利用されたクーポンの利用枚数が想定以上に少なくなる場合がある。クーポンを取得した取得者は、そのクーポンを必ず利用する必要は無く、無料でクーポンを発行している場合にはクーポンを利用しなくても取得者にとって損失等がないからである。
【0006】
その一方で、例えば、地域振興の一環で配布されるクーポンなど、決められた予算に応じて発行枚数を決める必要があるクーポンを配布する場合、発行済で利用されないクーポンがあると、そのクーポンが利用される可能性があるために、新たなクーポンを発行することができない。このため、発行されたクーポンの利用頻度が低いために発行済のクーポンが利用されずに残っていると、その残り枚数によっては、決められた予算を適切に消化できないという問題がある。上述した特許文献1の引換えチケット認証装置においても、決済口座等を登録することで発行した引換えチケットを利用しない取得者が多くいると、それらの取得者達に損失等は生じなくても、引換えチケットの発行に対して割り当てられた予算を適切に消化できなくなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、有効化されたクーポンの利用頻度を高め得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
固有の識別情報を記録した情報コード(12,12a,)が表示される表示媒体(11,11a)と、
前記表示媒体をクーポンとして利用可能とするための有効化処理を行う有効化装置(20)と、
前記有効化処理により有効化された前記クーポンの利用要求を受け付ける受付装置(30)と、
前記有効化装置による前記クーポンの有効化状況を管理する管理装置(40)と、
を備え、前記受付装置は、複数あって、複数の前記受付装置のそれぞれは当該受付装置を特定する利用施設情報を有している管理システム(1)であって、
前記有効化装置は、
前記表示媒体の前記情報コードから前記識別情報を光学的に読み取る処理側読取部(21,23)と、
前記処理側読取部により前記識別情報が読み取られた前記表示媒体を前記クーポンとして利用可能に有効化するため、前記識別情報を含めた有効化情報を前記管理装置に送信する処理側送信部(21,26)と、
を備え、
前記受付装置は、
前記表示媒体の前記情報コードから前記識別情報を光学的に読み取る受付側読取部(31,33)と、
前記受付側読取部により読み取られた前記識別情報及び前記利用施設情報の送信に応じて前記管理装置から許可情報を得ることで、前記表示媒体が前記クーポンとして利用可能であることを報知する報知部(31,34,36)と、
を備え、
前記管理装置は、
前記有効化装置から受信した前記有効化情報がデータベース化されて登録される記憶部(42)と、
前記受付装置から受信した前記識別情報が前記記憶部にてデータベース化されている登録状態であるか否かについて判定する登録状態判定部(41)と、
前記登録状態判定部により登録状態であると判定されることで前記許可情報を前記受付装置に送信する管理側送信部(41,45)と、
を備え、前記登録状態判定部により登録状態であると判定された前記識別情報とともに受信した前記利用施設情報が前記識別情報に関連付けられてデータベース化されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、有効化装置において、処理側読取部により表示媒体の情報コードから識別情報が読み取られると、この表示媒体をクーポンとして利用可能に有効化するため、識別情報を含めた有効化情報が処理側送信部により管理装置に送信される。また、受付装置において、受付側読取部により表示媒体の情報コードから読み取られた識別情報及び利用施設情報の送信に応じて管理装置から許可情報を得ることで、その表示媒体がクーポンとして利用可能であることが報知部により報知される。そして、管理装置では、有効化装置から受信した有効化情報が記憶部にてデータベース化されて登録され、受付装置から受信した識別情報が記憶部にてデータベース化されている登録状態であると登録状態判定部により判定されることで上記許可情報が管理側送信部により受付装置に送信される。登録状態判定部により登録状態であると判定された識別情報とともに受信した利用施設情報が当該識別情報に関連付けられてデータベース化される。
【0010】
これにより、受付装置にて表示媒体の情報コードを読み取らせない限りその表示媒体がクーポンとして利用可能に有効化されることもないので、クーポンが利用される施設等に受付装置を配置することで、利用される可能性の低いクーポンの有効化を抑制することができる。すなわち、利用者は、明確な利用目的をもってクーポン有効化の手続きを行うので、有効化されたクーポンの利用頻度を高めることができる。このように有効化されたクーポンの利用頻度が高まるため、すなわち、有効化されたクーポンが利用されないまま残るような状況が生じ難くなるため、実際に利用されるクーポンの件数をその利用状況等に応じて調整し易くなるので、クーポンの利用に関して決められた予算を適切に消化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る管理システムを概略的に説明する説明図である。
図2図1の有効化装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図3図1の受付装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図4図1の管理装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図5】第1実施形態においてクーポンの有効化とその有効化されたクーポンの利用の流れを説明する説明図である。
図6】第2実施形態においてクーポンの有効化とその有効化されたクーポンの利用の流れを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本第1実施形態に係る管理システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示す管理システム1は、クーポン10の利用状況等を管理するシステムであり、所定の表示媒体をクーポン10として利用可能とするための有効化処理(アクティベーション処理)を行う有効化装置20と、有効化処理により有効化されたクーポン10の利用要求を受け付ける受付装置30と、有効化装置20によるクーポン10の有効化状況等を管理する管理装置40と、を備えるように構成されている。
【0013】
より具体的には、本実施形態に係る管理システム1は、国や自治体等が主に行う地域振興の一環で用いるクーポン10の利用状況等を管理するシステムに採用されており、クーポン10は、指定された観光施設等で利用できる金券等の復興券として機能する。
【0014】
本実施形態に係るクーポン10は、利用者が所持する携帯端末11に画面表示される情報コード12を利用したもので、有効化装置20にて有効化処理を受ける前では金券等として利用できず、有効化処理を受けて有効化されることで金券等として利用可能になるように構成されている。また、情報コード12は、所定の観光地での宿泊予約をするためのサイトにアクセスして宿泊施設の予約した際に取得したもので、その利用者を特定可能な識別番号を含めた予約に関する情報が光学的に読み取り可能に記録された情報コード、例えば、QRコードによって構成される。
【0015】
有効化装置20は、宿泊施設や観光案内所等にそれぞれ設置されるタブレット端末などの携帯型の情報処理端末であって、クーポン10を利用可能に有効化する有効化処理を行うための所定のアプリケーションプログラム(以下、有効化アプリともいう)がインストールされて構成されるものである。
【0016】
この有効化装置20は、図2に示すように、CPU等からなる制御部21、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部22、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部23、タッチパネルなどからなる表示部24、各種操作キーやタッチパネルを利用して構成される操作部25、管理装置40などの外部装置とインターネットN等を介して通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部26等を備えている。
【0017】
このように構成される有効化装置20は、有効化アプリが起動されることで制御部21にてなされる有効化処理によって、宿泊施設等に来訪した利用者が提示した携帯端末11をクーポン10として利用可能に有効化させるため、情報コード12から読み取った識別番号や当該有効化装置20が配置される施設に関する情報(以下、有効化施設情報ともいう)等を有効化情報として管理装置40に送信するように機能する。
【0018】
受付装置30は、クーポン10を利用可能な観光施設等に設置されるタブレット端末などの携帯型の情報処理端末であって、利用者が情報コード12を画面表示して提示した携帯端末11がクーポン10として有効であるか否かを確認する受付処理を行うための所定のアプリケーションプログラム(以下、受付アプリともいう)がインストールされて構成されるものである。
【0019】
この受付装置30は、図3に示すように、CPU等からなる制御部31、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部32、上述のようなカメラとして構成される撮像部33、タッチパネルなどからなる表示部34、各種操作キーやタッチパネルを利用して構成される操作部35、管理装置40などの外部装置とインターネットN等を介して通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部36等を備えている。
【0020】
このように構成される受付装置30は、受付アプリが起動されることで制御部31にてなされる受付処理によって、撮像した情報コード12から読み取った識別番号等の情報を管理装置40に送信し、この送信に応じて管理装置40から許可情報を受信することで、そのクーポン10が有効であることを画面表示して報知するように機能する。
【0021】
管理装置40は、地域振興ポータルなどがクーポン10の有効化状況や利用状況等を管理するためのサーバとして構成される。この管理装置40は、図4に示すように、CPU等からなる制御部41、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部42、液晶モニタ等として構成される表示部43、マウスやキーボード等として構成される入力部44、有効化装置20や受付装置30などの外部装置とインターネットN等を介して通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部45等を備えている。
【0022】
記憶部42には、受付装置30から受信した識別番号などの有効化情報を逐次登録するためのデータベースが構築されている。
【0023】
このように構成される管理装置40は、制御部41にてなされる登録処理によって、有効化装置20から受信した有効化情報をデータベース化し、確認処理によって、受付装置30から受信した識別情報がデータベース化されている登録状態である場合に上記許可情報を受付装置30に送信するように機能する。
【0024】
次に、上述のように構成される管理システム1において、クーポン10を利用可能に有効化する際の流れと、有効化されたクーポン10を利用する場合の流れについて、図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、地域振興の一環で、所定の観光地に実際に旅行に行くことを前提に有効化されて利用可能となるクーポン(例えば、1,500円支払うことで3,000円の価値を持つ金券)を利用者(旅行者)が利用する場合について詳述する。
【0025】
まず、利用者は、クーポン10を利用可能な観光地での宿泊施設を所定の観光案内サイトにアクセスして予約することで、利用者を特定可能な識別番号や宿泊施設に関する情報等が記録された情報コード12を取得する(図5のF1)。この情報コード12は、携帯端末11に画面表示可能に記憶される。
【0026】
後日、利用者は、予約した宿泊施設を来訪してチェックインする際に、その宿泊施設に設置された有効化装置20に、携帯端末11に画面表示された情報コード12を読み取らせる(図5のF2)。これにより、情報コード12を画面表示した携帯端末11がクーポン10として利用可能に有効化される(図5のF3)。
【0027】
有効化装置20では、上記有効化処理によって、撮像部23にて撮像した情報コード12から識別番号等が取得されることで、これらの情報が上述した有効化施設情報等とともに有効化情報として通信部26を介して管理装置40に送信される(図5のF4)。なお、有効化装置20では、上述のような有効化情報の送信に応じて管理装置40から有効化許可情報が受信されると、クーポン有効化完了に関する情報が表示部24に表示されてもよい。なお、撮像部23及び制御部21は、情報コード12から識別情報を光学的に読み取る「処理側読取部」の一例に相当し、通信部26及び制御部21は、有効化情報を管理装置40に送信する「処理側送信部」の一例に相当し得る。
【0028】
管理装置40では、上記登録処理によって、有効化装置20から受信した有効化情報が記憶部42のデータベースに登録される(図5のF5)。なお、管理装置40では、登録処理が完了すると、上記有効化許可情報が有効化装置20に送信されてもよい。
【0029】
上述のように有効化されたクーポン10を利用可能になった利用者は、その観光地の所定の観光施設を訪れた際に、その観光施設に設置された受付装置30に、携帯端末11に画面表示された情報コード12を読み取らせる(図5のF6)。
【0030】
受付装置30では、上記受付処理によって、撮像部33にて撮像した情報コード12から識別番号等が取得されることで、この識別番号等がその観光施設に関する情報(以下、利用施設情報ともいう)とともに管理装置40に送信される(図5のF7)。なお、撮像部33及び制御部31は、情報コード12から識別情報を光学的に読み取る「受付側読取部」の一例に相当し得る。
【0031】
管理装置40では、上記確認処理によって(図5のF8)、受付装置30から受信した識別番号がデータベース化されている登録状態であるか否かについて判定され、登録状態であると判定されると、上記許可情報が受付装置30に送信される(図5のF9)。その際、データベースでは、その識別番号に対して利用済みを示すフラグ及び利用日時等が付与されるとともに受信した利用施設情報が関連付けられる。一方、受付装置30から受信した識別番号がデータベース化されていないことから登録状態でないと判定されると、不許可情報が受付装置30に送信される。また、受付装置30から受信した識別番号に利用済みを示すフラグが付加されている場合も、不許可情報が受付装置30に送信される。なお、受付装置30から受信した識別情報が記憶部32にてデータベース化されている登録状態であるか否かについて判定する判定処理を行う制御部41は、「登録状態判定部」の一例に相当し得る。また、上記許可情報等を受付装置30に送信する処理を行う制御部41及び通信部45は、「管理側送信部」の一例に相当し得る。
【0032】
受付装置30では、識別番号等を送信した管理装置40から上記許可情報が受信されると、表示部34にそのクーポン10が利用可能であることが画面表示されて報知される(図5のF10)。一方、受付装置30では、識別番号等を送信した管理装置40から上記不許可情報が受信されると、表示部34にそのクーポン10が無効であることが画面表示されて報知される。なお、制御部31、通信部36及び表示部34は、クーポンとして利用可能であることを報知する「報知部」の一例に相当し得る。
【0033】
上述のようにクーポン10が利用された観光施設では、そのクーポン10の利用実績となる利用施設情報が識別番号に関連付けられて管理装置40のデータベースに登録されているため、後日、その利用実績に応じた補助金等を所定の事務局等から受け取ることができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、有効化装置20において、携帯端末11に画面表示された情報コード12から識別情報が読み取られると、この携帯端末11をクーポン10として利用可能に有効化するため、識別情報を含めた有効化情報が管理装置40に送信される。また、受付装置30において、携帯端末11の情報コード12から読み取られた識別情報の送信に応じて管理装置40から許可情報を得ることで、その携帯端末11がクーポン10として利用可能であることが表示部34による画面表示により報知される。そして、管理装置40では、有効化装置20から受信した有効化情報が記憶部42にてデータベース化されて登録され、受付装置30から受信した識別情報が記憶部42にてデータベース化されている登録状態であると判定されることで上記許可情報が受付装置30に送信される。
【0035】
これにより、受付装置30にて携帯端末11の情報コード12を読み取らせない限りその携帯端末11がクーポン10として利用可能に有効化されることもないので、本実施形態のようにクーポン10が利用される施設等に受付装置30が配置されることで、利用される可能性の低いクーポン10の有効化を抑制することができる。すなわち、利用者は、明確な利用目的をもってクーポン有効化の手続きを行うので、有効化されたクーポン10の利用頻度を高めることができる。このように有効化されたクーポン10の利用頻度が高まるため、すなわち、有効化されたクーポン10が利用されないまま残るような状況が生じ難くなるため、実際に利用されるクーポン10の件数をその利用状況等に応じて調整し易くなるので、クーポン10の利用に関して決められた予算を適切に消化することができる。
【0036】
特に、クーポン10として有効化される表示媒体は、クーポン10の利用を要求する利用者が所持する携帯端末11であって、情報コード12を画面表示可能に構成されるため、情報コード12を印刷した紙媒体等を持ち歩かなくても、所望のタイミングでクーポン10を提示することができる。
【0037】
さらに、識別情報には、利用者を特定可能な識別番号が含まれるため、管理装置40では、クーポン10の利用状況だけでなく、そのクーポン10を利用した利用者に関する情報も容易に集計することができる。
【0038】
なお、本実施形態の第1変形例として、クーポン10として有効化される表示媒体は、情報コード12を画面表示可能な携帯端末11であることに限らず、情報コードが表示される媒体、例えば、所定の情報コードが印刷された紙媒体であってもよい。より具体的には、上記表示媒体は、クーポン10の利用を要求する利用者が所定の施設の予約に応じて事前に取得した紙媒体であってもよく、この紙媒体に表示される情報コードに記録される識別情報には、利用者を特定可能な識別番号が含まれてもよい。このような構成であっても、利用者が事前に取得した紙媒体の情報コードにその利用者を特定可能な識別番号を記録できるので、管理装置40では、クーポン10の利用状況だけでなく、そのクーポン10を利用した利用者に関する情報も容易に集計することができる。特に、上記紙媒体を利用者に郵送する場合でも、郵送時点では金銭的価値を有していないので、郵送費用を低減できるだけでなく、管理費用等も低減することができる。
【0039】
また、本実施形態の第2変形例として、有効化装置20から管理装置40に送信される有効化情報には、情報コード12から読み取った識別番号や有効化施設情報に加えて、さらに他の情報が含まれてもよい。この他の情報としては、例えば、識別情報が読み取られた読取時刻、クーポンの利用を要求する利用者に関する利用者情報、利用者の施設利用予定情報の少なくとも1つを採用することができる。これにより、管理装置40では、クーポン10の利用状況だけでなく、利用者の利用履歴など、有効化装置20から受信した情報を利用した多面的な集計を行うことができる。
【0040】
特に、上述のようにクーポン利用者の利用履歴を把握できることで、そのクーポン利用者が感染症罹患者であると後から判明した場合であっても、その行動を容易に追跡することができる。このような感染症罹患者の行動の追跡は、その利用者自体を特定することなく識別番号のみでも行えるので、個人情報保護の観点からでも有効な対策を取ることができる。
【0041】
また、本実施形態の第3変形例として、情報コード12に、さらに、クーポン10の利用を要求する利用者に関する利用者情報が記録されることを前提に、受付装置30の表示部34では、情報コード12から読み取られた利用者情報が表示されてもよい。これにより、例えば、利用者により提示された運転免許証等と表示部34により表示された利用者情報とを比較することで、その利用者がクーポン10の利用に関して正当な権限を有している者か容易に確認できるため、クーポン10の不正利用を抑制することができる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、クーポンとして有効化される前の表示媒体が有効化装置を設置した施設にてストックされる点が、上記第1実施形態等と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、クーポン10aとして利用可能に有効化される表示媒体は、固有の識別情報を記録した情報コード12aが印刷された紙媒体11aによって構成され、その紙媒体11aは、有効化装置20を設置した宿泊施設にて配布用としてストックされている。
【0044】
そして、クーポンを発行(有効化)する正当な権限を有した利用者が、有効化装置20を設置した宿泊施設にてクーポンの発行を要求した際、有効化装置20を管理する管理者(例えば、その宿泊施設のコンシェルジュ等)が事前にストックされていた紙媒体11aの情報コード12aを有効化装置20に読み取らせることで、その紙媒体11aがクーポン10aとして発行(有効化)される。
【0045】
具体的には、例えば、利用者が予約した宿泊施設にチェックインすることで上記正当な権限を有する場合には、その利用者は、チェックインするだけでクーポン10aを取得することができる。また、実際の宿泊人数が予約人数から変わる場合でも、実際の宿泊人数に応じてクーポン10aを発行(有効化)することができる。
【0046】
以下、本実施形態において、クーポン10aを利用可能に有効化する際の流れ等について、図6を参照して説明する。
クーポンを発行する正当な権限を有した利用者がチェックイン時にクーポンの発行を要求した際、コンシェルジュ等は、その宿泊施設にストックされていた紙媒体11aを宿泊人数分持ち出して、それぞれ情報コード12aを有効化装置20に読み取らせることで(図6のF2)、各紙媒体11aがそれぞれクーポン10aとして発行(有効化)される(図6のF3)。
【0047】
有効化装置20では、情報コード12aから読み取った識別番号や有効化施設情報を含めた有効化情報が管理装置40に送信されれ(図6のF4)、管理装置40では、有効化装置20から受信した有効化情報が記憶部42のデータベースに登録される(図6のF5)。
【0048】
上述のように有効化されたクーポン10aを利用可能になった利用者は、その観光地の所定の観光施設を訪れた際に、その観光施設に設置された受付装置30に、紙媒体11aの情報コード12aを読み取らせる(図6のF6)。
【0049】
受付装置30では、情報コード12aから読み取った識別番号や利用施設情報等が管理装置40に送信される(図6のF7)。管理装置40では、上記確認処理によって(図6のF8)、登録状態であると判定されると、上記許可情報が受付装置30に送信される(図6のF9)。そして、受付装置30では、識別番号等を送信した管理装置40から上記許可情報が受信されると、表示部34にそのクーポン10aが利用可能であることが画面表示されて報知される(図6のF10)。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、クーポンとして有効化される前の表示媒体は、有効化装置20を管理する管理者がクーポン10aの利用を要求する利用者に対して配布する紙媒体11aによって構成される。
【0051】
これにより、クーポン10aの有効化を希望する利用者が来訪等したときに、紙媒体11aをクーポン10aとして利用可能な状態に有効化できる。このため、有効化処理前の紙媒体11aはクーポン10aとしての価値がないので、盗難や偽造等に対する特別な対策も不要となり、紙媒体11aの管理等に関する効率化を図ることができる。
【0052】
なお、上記正当な権限は、予約した宿泊施設にチェックインすることにより生じることに限らず、例えば、宿泊を予約したサイトでのアンケートの回答に応じた受け取ったメール等を提示することで生じてもよいし、予約とは無関係に宿泊施設や観光案内所等を実際に訪れるだけで生じてもよい。
【0053】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る管理システムについて説明する。
本第3実施形態では、クーポンに有効期限を設ける点が、上記第1実施形態等と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、クーポン10に有効期限を設けるため、管理装置40の制御部41にてなされる有効期限設定処理において、有効化装置20から有効化情報を受信した時間を基準に有効期限が設定されて、その識別情報に関連付けられるように記憶部42のデータベースに登録される。そして、制御部41にてなされる有効期限判定処理では、受付装置30から受信した識別情報に対して有効期限設定処理にて設定された有効期限に基づいて当該識別情報が有効であるか否かについて判定する処理を行う。そして、受付装置30から識別情報を受信した際に、この受信した識別情報が記憶部32にてデータベース化されている登録状態であり、かつ、上記有効期限判定処理にて識別情報が有効であると判定されると、上記許可情報が受付装置30に送信される。なお、上記有効期限設定処理を行う制御部41は、「有効期限設定部」の一例に相当し、上記有効期限判定処理を行う制御部41は、「有効期限判定部」の一例に相当し得る。
【0055】
これにより、利用者がクーポン10の有効化を要求するタイミングに応じて有効期限が設定されるため、利用者が有効期限の開始時期を調整でき、適切な期間にて有効期限を設定することができる。
【0056】
なお、上記有効期限設定処理では、有効化装置20から有効化情報を受信した時間を基準に有効期限が設定されることに限らず、例えば、有効化装置20にて情報コード12が読み取られた読取時刻や読取日を基準に有効期限が設定されてもよい。
【0057】
また、クーポンに有効期限を設ける本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0058】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る管理システムについて説明する。
本第4実施形態では、クーポンが利用可能なエリアを設定する点が、上記第1実施形態等と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、クーポン10が利用可能なエリアを設定するため、有効化装置20から管理装置40に送信される有効化情報には、有効化装置20が設置される場所に関する有効化場所情報が含まれ、管理装置40の制御部41にてなされる利用可能エリア設定処理では、受信した有効化場所情報を基準とする利用可能エリアが設定されて、その識別情報に関連付けられるように記憶部42のデータベースに登録される。そして、受付装置30では、情報コード12から読み取られた識別情報とともに当該受付装置30が設置される場所に関する受付場所情報が管理装置40に対して送信され、管理装置40の制御部41にてなされる利用可能エリア判定処理では、受付装置30から受信した受付場所情報が、識別情報に対して上述のように設定された利用可能エリア内であるか否かについて判定する処理を行う。そして、受付装置30から識別情報を受信した際に、この受信した識別情報が記憶部32にてデータベース化されている登録状態であり、かつ、上記利用可能エリア判定処理にて利用可能エリア内であると判定されると、上記許可情報が受付装置30に送信される。なお、上記利用可能エリア設定処理を行う制御部41は、「利用可能エリア設定部」の一例に相当し、上記利用可能エリア判定処理を行う制御部41は、「利用可能エリア判定部」の一例に相当し得る。
【0060】
これにより、クーポン10の有効化を行った有効化装置20の場所に応じて利用可能エリアが設定されるため、利用者がその行動予定範囲に合わせてクーポン10の利用可能エリアを調整することができる。
【0061】
なお、クーポンが利用可能なエリアを設定する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0062】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)有効化装置20が設置される施設は、宿泊施設に限らず、例えば、観光案内所等であってもよい。
【0063】
(2)クーポン10は、有効化されることで、上述したように金券として利用されることに限らず、例えば、割引券や引換券等として利用されてもよい。
【0064】
(3)本発明は、国や自治体等が主に行う地域振興の一環で用いるクーポンの利用状況等を管理するシステムに採用されることに限らず、他のクーポンの利用状況等を管理するシステム、例えば、所定の興行で用いるクーポンの利用状況等を管理するシステムに採用されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…管理システム
10,10a…クーポン
11…携帯端末(表示媒体)
11a…紙媒体(表示媒体)
12,12a…情報コード
20…有効化装置
21…制御部(処理側読取部,処理側送信部)
23…撮像部(処理側読取部)
26…通信部(処理側送信部)
30…受付装置
31…制御部(受付側読取部,報知部)
33…撮像部(受付側読取部)
34…表示部(報知部)
36…通信部(報知部)
40…管理装置
41…制御部(登録状態判定部,管理側送信部,有効期限設定部,有効期限判定部,利用可能エリア設定部,利用可能エリア判定部)
42…記憶部
45…通信部(管理側送信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6