(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163320
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241114BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F5/04 602C
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024159146
(22)【出願日】2024-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100217984
【弁理士】
【氏名又は名称】川條 英明
(72)【発明者】
【氏名】平野 剛
(57)【要約】
【課題】基板ケース等の構成部材の破損を防止することができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、基板ケース(制御基板ケース400)が格納位置から展開位置へ回動する経路上(位置B2等)又は展開位置(位置B3等)で、特定部材(前面扉20)と基板ケースとが干渉する際に、カバー部(カバー部420)が特定部材に接触するときがあり、基板ケースと特定部材とが干渉して第二位置にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲が、基板ケースと特定部材とが干渉して第一位置にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲に比べて広い。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定基板と、
前記特定基板を収納する基板ケースと、を備え、
前記基板ケースは、
第一の回転軸で回転することによって格納位置と展開位置との間で回動可能に構成され、
第二の回転軸で回転することによって第一位置と第二位置との間で回動可能に構成されているカバー部を有しており、
前記基板ケースが前記格納位置から前記展開位置へ回動する経路上又は前記展開位置で、特定部材と前記基板ケースとが干渉する際に、前記カバー部が前記特定部材に接触するときがあり、
前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲が、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第一位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲に比べて広く、
前記カバー部は、前記第一位置から前記第二位置に回動するとき、前記特定部材に近づく方向に回動し、
前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触したとき、前記カバー部が前記第二位置から前記第一位置に向けて回動し得る、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定基板は、操作可能な操作部品を有しており、
前記カバー部が前記第二位置にあるとき、前記操作部品が操作可能であり、
前記操作部品が操作可能な状態において前記カバー部は前記第二位置から前記第一位置への回動が制限され得、
前記操作部品が操作可能な状態であって且つ前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触するときであっても、前記操作部品は前記特定部材に接触しない、
請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等に代表される遊技機には、実物のメダルを使用しないメダルレスのスロットマシンがある。例えば、特許文献1。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなメダルレスのスロットマシンでは、遊技進行を制御するCPU(主制御CPU)や遊技機内に貯留されるメダル枚数を示す電子情報を管理するためのCPU(メダル枚数制御CPU)などを実装している制御基板が設けられている。
一般的な制御基板は基板ケースで保護されているが、その裏側を確認可能するために移動可能な基板ケースがある。このような基板ケースはその移動中に他の構成部材に衝突する場合があり、その衝突によって破損する虞がある。
【0005】
よって、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基板ケース等の構成部材の破損を防止することができる遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、特定基板と、前記特定基板を収納する基板ケースと、を備え、前記基板ケースは、第一の回転軸で回転することによって格納位置と展開位置との間で回動可能に構成され、第二の回転軸で回転することによって第一位置と第二位置との間で回動可能に構成されているカバー部を有しており、前記基板ケースが前記格納位置から前記展開位置へ回動する経路上又は前記展開位置で、特定部材と前記基板ケースとが干渉する際に、前記カバー部が前記特定部材に接触するときがあり、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲が、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第一位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲に比べて広く、前記カバー部は、前記第一位置から前記第二位置に回動するとき、前記特定部材に近づく方向に回動し、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触したとき、前記カバー部が前記第二位置から前記第一位置に向けて回動し得る、ことを特徴とする遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板ケース等の構成部材の破損を防止することができる遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
【
図4】
図4は、前面扉を除いた遊技機10を示す図である。
【
図5】
図5は、リールに施されている図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
【
図6】
図6は、リールに施されている図柄の種類を示す図である。
【
図8】
図8は、遊技機の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、遊技進行に係るメインフローのフローチャートである。
【
図10】
図10は、遊技進行に係るメインフローのフローチャートである。
【
図11】
図11は、遊技進行に係るメインフローのフローチャートである。
【
図12】
図12は、メダル枚数制御に係るメインフローのフローチャートである。
【
図13】
図13は、奥側側壁に沿って設置されている制御基板ケースを示す斜視図である。
【
図14】
図14(a)は、制御基板ケースのカバー部が閉鎖位置にある状態を示す斜視図であり、
図14(b)は、制御基板ケースのカバー部が開放位置にある状態を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、制御基板ケースのカバー部が閉鎖している状態で、位置B1から位置B3に回動する経路を示す模式図である。
【
図16】
図16は、制御基板ケースのカバー部が開放している状態で、位置C1から位置C3に回動する経路を示す模式図である。
【
図17】
図17は、メイン基板の正面図(表側から視た図)である。
【
図18】
図18は、メイン基板の背面図(裏側から視た図)である。
【
図20】
図20(a)は、CPU101とCPU301の双方に対して治具JGを挿入した状態を、メイン基板の表側から視た図であり、
図20(b)は、当該状態にあるCPU近傍の断面図である。
【
図21】
図21(a)は、双方の長手方向が並行になっているCPU101とCPU301に対して治具JGを挿入した状態を示す図であり、
図21(b)は、双方の長手方向が45度に交差するCPU101とCPU301に対して治具JGを挿入した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。なお、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。また、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、メダル(遊技媒体)の獲得に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明は、
特定基板(メイン基板100)と、
特定基板を収納する基板ケース(制御基板ケース400)と、
を備え、
基板ケースは、
第一の回転軸(軸Z2回り)で回転することによって格納位置と展開位置との間で回動可能に構成され、
第二の回転軸(軸X3回り)で回転することによって第一位置(閉鎖位置)と第二位置(開放位置)との間で回動可能に構成されているカバー部(カバー部420)を有しており、
基板ケースが格納位置から展開位置へ回動する経路上(位置B2、位置C2)又は展開位置(位置B3、位置C3)で、特定部材(前面扉20)と基板ケースとが干渉する際に、カバー部(カバー部420)が特定部材に接触するときがあり、
基板ケースと特定部材とが干渉して第二位置にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲が、基板ケースと特定部材とが干渉して第一位置にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲に比べて広く、
カバー部は、第一位置から第二位置に回動するとき、特定部材に近づく方向に回動し、基板ケースと特定部材とが干渉して第二位置にあるカバー部が特定部材に接触したとき、カバー部が第二位置から第一位置に向けて回動し得る、
ことを特徴とする遊技機である。
【0012】
上記のように、本発明に係る遊技機は、カバー部が第二位置にあるときの方が、カバー部が第一位置にあるときに比べて特定部材に衝突しやすい構成になっているので、カバー部を第二位置にしている状態において干渉によって破損する部位をカバー部に限定することができる。また、第二位置にあるカバー部が特定部材に接触すると、特定部材から離れる方向に回動するので干渉によって生じる力の一部を緩和しての破損防止の効果を強めることができる。
従って、基板ケースの他の部位や特定基板の破損を防止することができる。
【0013】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0014】
<遊技機10の構造>
まず、
図1から
図6を用いて、遊技機10の構造について説明する。なお、
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図であり、
図3は、前面扉20の裏面を示す図であり、
図4は、前面扉20を除いた遊技機10の正面を示す図であり、
図5は、リール65に施されている図柄の配列を平面的に展開して示す図であり、
図6は、リール65に施されている図柄の種類を示す図である。
【0015】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側(軸Z1回り)で回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。より具体的には、外枠90の左縁側には三つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
図4に示す通り、外枠90は、左側側壁90a、右側側壁90b、天板90c、底板90dによって開口が形成され、その奥側部分は後述する奥側側壁90eで遮蔽されている。なお、
図4においてハッチングで示す下部空間IIIには、後述する電源装置91やメイン基板100等が設置されている。
【0016】
従って、遊技機10は、前面側に開口を有する筐体(外枠90)と、筐体に対して回動可能に軸支されており、開口が開放している開放位置と開口が閉鎖している閉鎖位置との間で回動可能に構成されている前面扉(前面扉20)と、を備える、ものと換言できる。
【0017】
前面扉20の前面側には、
図1または
図2で示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル枚数表示LED28と、精算ボタン32と、メダル計数ボタン33と、ドア錠34と、装飾LED36と、スピーカ口38と、が設けられている。
特に、本実施形態に係る遊技機10は、実物のメダルを使用せずに遊技を進行可能ないわゆるメダルレスのスロットマシンである。そのため、遊技機10は、従来の実物メダルを使用するスロットマシンが標準的に備えているメダル投入口やメダル排出口等の実物メダルを使用する際に必要な構造を有していない。また、以降の説明において、メダルとは、従来使用されていた実物のメダルではなく、電子情報として扱われるものを指す。
【0018】
また、前面扉20の裏面側には、
図3で示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、設定変更装置48と、スピーカ49と、メダル枚数表示LED基板50と、メダル計数ボタン基板51と、が設けられている。
【0019】
また、前面扉20を開扉するためには、ドア錠34にドアキー(図示省略)を差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示省略)を解除する必要があり、前面扉20を開扉すると、
図4で示すように、遊技機本体部60の下方にある下部空間IIIが確認できる。なお、本実施形態では、前面扉20が開扉されているか否かを判定するための開扉センサ(図示省略)が外枠90の右縁側に設けられている。
【0020】
前面扉20の裏面側に設けられた設定変更装置48は、設定値を変更するための設定変更処理、および既に設定されている設定値を確認するための設定確認処理を行わせるための装置であり、設定キースイッチ48a、設定変更スイッチ48b、設定表示LED48c、および設定キーカバー48dを含んで構成されている。なお、設定変更処理および設定確認処理の詳細は、後述する。
設定表示LED48cは、設定変更処理において変更中の設定値を表示し、設定確認処理において既に設定されている設定値を表示するLEDであり、本実施形態では、7セグメントディスプレイで構成されている。
設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせることで設定キースイッチ48aに設定キー(図示省略)を差し込んで操作することが可能になる。なお、
図3は、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示したものである。
ここで、設定値とは、遊技に使用したメダルの数に対して払い出されるメダルの数の期待値を示す出玉率が異なるものであり、本実施形態では、1~6の6段階が存在する。そして、設定される設定値が大きくなるほど上記出玉率が高くなる傾向にあり、本実施形態も同様に、設定値が1から6になるにつれて出玉率が高くなる。なお、以降の説明では、1の設定値を設定値1と称し、同様に、2の設定値を設定値2、3の設定値を設定値3、4の設定値を設定値4、5の設定値を設定値5、6の設定値を設定値6と称する。
【0021】
また、前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。
上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示省略)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0022】
また、遊技機本体部60は、遊技機10によって行われる遊技を制御する主要な構成要素を含んでおり、具体的には、
図4で図示する通り、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部にリール枠64が形成されている。
【0023】
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する演出や情報を表示することができる。なお、演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置等を採用することができ、演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。
【0024】
リール枠64は、遊技機本体部60に内蔵されたリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。リール枠64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介してリール65のそれぞれの一部が視認可能になっている。また、リール枠64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0025】
ここで、リール65は、リール65L、リール65Cおよびリール65Rから構成され、これらのリールはステッピングモータによって回動可能に構成されている。本実施形態におけるリール65が回動する場合、原則としてリール65は上から下へと回転し、リール65の上から下へ回転する方向を「順方向」、下から上へ回転する方向を「逆方向」と称する場合がある。
また、リール65のそれぞれには、複数種類の図柄が施されており、回転させることによってリール65に施されている図柄が変動表示し、回転しているリール65を停止させることによって図柄が停止表示する。
さらに、
図5で示す通り、リール65のそれぞれの外周は21コマに等分されており、各コマに一つずつ図柄が施されている。以下の説明において、リール65Lに配置されている各コマをLZ00~LZ20、リール65Cに配置されている各コマをCZ00~CZ20、リール65Rに配置されている各コマをRZ00~RZ20と呼称する場合がある。
【0026】
次に、
図6を用いて、リール65のそれぞれの外周に描かれている図柄の種類を説明する。
図6(a)で示す図柄は、数字の「7」を模した青色の図柄であり、以下の説明において「青7図柄」と称する。なお、青7図柄は、LZ18、CZ18、RZ18に配されており、リール65のそれぞれにおいて、後述する最大引き込みコマ数を超えて配置された(ストップボタン27の操作タイミングによっては有効ライン上に停止させることが不可能な場合がある)図柄と言える。
図6(b)で示す図柄は、数字の「7」を模した赤色の図柄であり、以下の説明において「赤7図柄」と称する。なお、赤7図柄は、LZ10、CZ10、RZ10に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図6(c)で示す図柄は、「BAR」と表記された図柄であり、以下の説明において「BAR図柄」と称する。なお、BAR図柄は、LZ03、CZ03、RZ03等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図6(d)で示す図柄は、再遊技を意味する「REPLAY」と表記された図柄であり、以下の説明において「リプレイ図柄」と称する。なお、リプレイ図柄は、LZ04、CZ01、RZ02等に配されており、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置されていない(ストップボタン27の操作タイミングによらず有効ライン上に停止させることが可能な)図柄と言える。
図6(e)で示す図柄は、ベルを模した図柄であり、以下の説明において「ベル図柄」と称する。なお、ベル図柄は、LZ00、CZ02、RZ01等に配されており、上記「リプレイ図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置されていない図柄と言える。
図6(f)で示す図柄は、チェリーを模した図柄であり、以下の説明において「チェリー図柄」と称する。なお、チェリー図柄は、LZ02、CZ08、RZ00等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図6(g)で示す図柄は、スイカを模した図柄であり、以下の説明において「スイカ図柄」と称する。なお、スイカ図柄は、LZ01、CZ00、RZ11等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
図6(h)で示す図柄は、「BLANK」と表記された図柄であり、以下の説明において「ブランク図柄」と称する。なお、ブランク図柄は、LZ07、CZ05、RZ05等に配されており、上記「青7図柄」と同様に、リール65のそれぞれにおいて、最大引き込みコマ数を超えて配置された図柄と言える。
【0027】
また、リール65のそれぞれには、リールの回転に伴って移動する検知片(図示省略)が基準位置(本実施形態では、LZ00、CZ00、RZ00)に対応する位置(後述するブレーキ制御状態における移動分だけ順方向の上流側の位置)設けられるとともに、リールの回転に伴って移動せず、当該検知片を検知するリールセンサ66が設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66L、リール65Cに対してリールセンサ66C、リール65Rに対してリールセンサ66Rが設けられており、これらのセンサによってリール65のそれぞれが基準位置となったことを検知可能に構成されている。
【0028】
また、リール65の内側には、リール照明基板67(67L、67C、67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0029】
スタートレバー26は、遊技を開始させる契機として遊技者の操作を受け付けることができる。ここで、スタートレバー26に対する遊技者の操作とは、初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
そして、スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。
【0030】
なお、本実施形態では、当該遊技で使用されるメダルの枚数(以下、「賭け数」と称する場合があり、当該枚数は、後述するRAM102に記憶される)が1枚以下の場合、スタートレバー26が操作されたとしても遊技が開始されない。すなわち、本実施形態では、賭け数が最大数(本実施形態では、3枚)または2枚の場合にのみ遊技が開始可能に構成されている。よって、賭け数を最大数に到達させるため、遊技機10のメダル枚数制御基板300に貯留されているメダルをベットボタン23の押下によって減算させて賭け数を増やす必要がある。
ここで、メダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルに相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部(特に、後述するRAM302)で記憶する機能をいう。さらに、メダルが貯留される(クレジットが加算される)場合としては、例えば、後述する専用ユニット1000からメダルが貸し出された場合や、払出のある役に入賞した場合等が挙げられる。なお、以降の説明において、専用ユニット1000からメダルが貸し出されるとは、専用ユニット1000で紙幣をメダルに変換した後の当該メダルがメイン基板100に転送(移動)されることに加え、会員カード等に記憶された貯メダルがメイン基板100に転送されることも含む。
また、前回の遊技においてリプレイ役に入賞した場合には、当該遊技において再遊技が作動して前回の遊技における賭け数が今回の遊技における賭け数として設定され、ベットボタン23の押下によって新たなメダルを賭け数に設定することなく遊技を開始することができる。
【0031】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23として、最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有し、それぞれのボタンに対する操作は、ベットボタン基板45に設けられたセンサによって検知される。より具体的には、最大ベットボタン23aに対して最大ベットボタンセンサ45a、単一ベットボタン23bに対して単一ベットボタンセンサ45bが設けられ、これらのセンサによってそれぞれのボタンに対する操作を個別に検知される。
最大ベットボタン23aは、1回の操作でクレジットを最大で賭け数の最大数(本実施形態では、3)分だけ減算し、かつ当該減算分を賭け数に加算することで、賭け数を最大数にするボタンであり、単一ベットボタン23bは、1回の操作でクレジットを1減算し、かつ賭け数を1加算するボタンである。なお、賭け数が最大数に達している場合には、ベットボタン23のいずれを操作しても、クレジットを減算させて賭け数を加算させることはできない。
【0032】
また、最大ベットボタン23aは、上記のように操作に応じてクレジットを減算して賭け数を増やす用途(ベットボタン)として用いられる他に、演出の実行契機(演出ボタン)としても用いられる場合がある。最大ベットボタン23aがベットボタンとして用いられる場合は、賭け数を加算させることが可能な状態に限られるが、最大ベットボタン23aが演出ボタンとして用いられる場合は、当該状態に限らず、例えば、遊技開始前の再遊技作動中や、遊技中等、いずれの状態を採用してもよい。
なお、ベットボタン基板45には、最大ベットボタン23aが演出ボタンとして用いられる場合に最大ベットボタン23aの押下を検知するプッシュボタンセンサ45cが設けられており、最大ベットボタンセンサ45aによる検知とは区別される。具体的には、最大ベットボタンセンサ45aがメイン基板100に直接接続されているのに対して、プッシュボタンセンサ45cはサブ基板200に直接接続されている点が異なる。
【0033】
また、精算ボタン32は、遊技に使用される前の賭け数をクレジットに転送させるために操作されるものであり、精算ボタンセンサ(図示省略)によって精算ボタン32に対する操作が検知される。なお、精算ボタン32が操作された場合には、現在の賭け数の値に関わらず、一度の精算ボタン32の操作により、賭け数の全部がクレジットに転送される。
【0034】
また、メダル計数ボタン33は、メイン基板100に貯留されたクレジットの一部または全部を専用ユニット1000に転送するために操作されるものであり、メダル計数ボタン基板51に設けられたメダル計数ボタンセンサ51aによってメダル計数ボタン33に対する操作が検知される。
そして、メダル計数ボタン33に対して短押しがなされた場合には、1のクレジットが専用ユニット1000に転送され、メダル計数ボタン33に対して長押しがなされた場合には、一定時間(本実施形態では、500ms)経過するごとに、50(クレジットの値が50未満である場合には、当該値)のクレジットが専用ユニット1000に転送される。
【0035】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタン24aと、十字キーボタン24aの中央に位置する決定ボタン24bとで構成されている。
【0036】
メニュー選択ボタン24は、メニュー画面に係る操作を受け付ける構成要素である。ここでメニュー画面とは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面を指す。
遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによってメニュー画面を閲覧することができる。例えば、待機状態において決定ボタン24bが押下されると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタン24aを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニューを示している場合に遊技者が決定ボタン24bを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0037】
メニュー選択ボタン基板46には、十字キーボタンセンサ46aと決定ボタンセンサ46bとが設けられており、十字キーボタンセンサ46aは、十字キーボタン24aがいずれの方向(決定ボタン24bの中心を基準として上下左右のいずれかの方向)に押下されたのかを検知することができる。また、決定ボタンセンサ46bは、決定ボタン24bが押下された旨を検知することができる。十字キーボタンセンサ46a及び決定ボタンセンサ46bは、上述のプッシュボタンセンサ45cと同様に、サブ基板200に直接接続されている。
【0038】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、賭け数等の遊技機10に関する情報を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成され、以下の8種類のLEDで構成されている。
1つ目の賭け数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、賭け数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
2つ目の獲得枚数表示LED25bは、2つの7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
3つ目の指示表示LED25cは、2つの7セグメントディスプレイによって構成されており、後述するストップボタン27に係る操作条件(以下、単に、「操作条件」と称する場合がある)を特定可能な態様で点灯し得る。
4つ目の再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、遊技においてリプレイが停止表示されると点灯する。
5つ目の遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって遊技の開始可能条件が成立している旨を表す。
6つ目の投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって賭け数の設定が可能である旨を表す。
7つ目の有利モード表示LED25gは、1つのLEDによって構成されており、遊技モードに対応して点灯する。
【0039】
さらに、遊技機10は、状態表示LED25の右側に、クレジットの枚数を表示するメダル枚数表示LED28を備える。メダル枚数表示LED28は、メダル枚数表示LED基板50に搭載されている5つの7セグメントディスプレイによって構成され、これにより、表示上は0~99999までのメダル枚数を表示可能に構成されている。
【0040】
ストップボタン27は、回転しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作(停止操作)を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタン27は、リール65が回転を開始した後に成立する停止可能条件の成立を契機として、停止操作を受け付けることができる(有効化される)。
ストップボタン27に対する遊技者の操作とは、ストップボタン27を押下することである。また、停止可能条件は、遊技における停止表示を行うための前提条件であり、具体的には、リール65(65L、65C、65R)のすべての回転速度が所定速度に到達し、かつリール65のそれぞれにおける基準位置を検知した場合に成立する条件である。
また、以降の説明において、一の遊技における最初のストップボタンに対する操作を「第1停止操作」、次のストップボタンに対する操作を「第2停止操作」、最後のストップボタンに対する操作を「第3停止操作」と表現する場合がある。
【0041】
ストップボタン27(27L、27C、27R)のそれぞれは、ストップボタン基板43に搭載されており、リール65のそれぞれに対して一つずつ設けられている。具体的には、ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付け、ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付け、ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
さらに、ストップボタン基板43には、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rが押下された旨を個別に検知するストップボタンセンサ43aが設けられており、ストップボタンセンサ43aの検知に応じてリール65のそれぞれに対して回転を停止させる制御が行われる。すなわち、ストップボタン27とストップボタンセンサ43aによって、後述するリール制御部112によるリール65の回転を停止させる契機となる停止操作を検知する。
【0042】
また、本実施形態におけるストップボタン27は、停止可能表示LED27aを内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、停止可能表示LED27aの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。このように、ストップボタン27の色によって停止可能条件の成立の可否を判断できるので、遊技者は円滑に停止操作を順次行うことができる。
【0043】
また、本実施形態において、リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大引き込みコマ数(最大引き込み範囲と称する場合があり、本実施形態では、4)まで移動しうる。ここで、ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的には引き込み制御という。
【0044】
リール枠64のリール65のそれぞれに対応する内部領域は、上下方向に3コマ分の寸法となっている。また、リール65のそれぞれはリール枠64の内部領域の上下方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄をリール枠64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65では、リールが左右方向に3つ配置されているので、リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0045】
ここで、リール65のそれぞれにおける上段・中段・下段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。さらに、リール65Lにおける上段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける下段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称し、リール65Lにおける下段の内部領域と、リール65Cにおける中段の内部領域と、リール65Rにおける上段の内部領域が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
なお、本実施形態では、内部領域におけるラインとして略直線のラインのみを採用しているが、直線に限らず、屈曲したラインを採用してもよい。また、隣接しない領域(例えば、リール65Lにおける上段とリール65Cにおける下段)を含んで形成されるラインを採用してもよい。すなわち、リール65のそれぞれから一図柄分の内部領域を任意に選択して形成されるラインであればどのようなラインを採用してもよい。
【0046】
本実施形態における有効ラインは、ラインL2のみである。ここで、有効ラインとは、当該ライン上に停止された図柄組合せに対して後述する入賞判定が行われるラインである。
具体的には、入賞に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。再遊技に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において再遊技が作動する。役物又は役物連続作動装置に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合、次回の遊技において役物又は役物連続作動装置が作動する。各役に対応する図柄組合せの詳細については、後述する。
なお、有効ラインは、本実施形態のように単一のラインであってもよいし、複数のラインであってもよい。
【0047】
リール65の回転中(遊技の実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が行われる。
【0048】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。
より具体的には、遊技機の正面から見て右上(
図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方には、スピーカ口38aが設けられ、遊技機の正面から見て左上(
図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方には、スピーカ口38bが設けられ、遊技機の正面から見て左下(
図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方には、スピーカ口38cが設けられ、遊技機の正面から見て右下(
図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方には、スピーカ口38dが設けられている。なお、各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0049】
装飾LED36は、演出表示領域62またはリール枠64を囲うような配置で配置されている。
より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置され、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、リール枠64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置され、リール枠64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置され、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置され、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。なお、各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0050】
<遊技機10の電気構成及び機能構成>
次に、
図7、
図8を用いて、本実施形態における遊技機10の電気構成及び機能構成について説明する。ただし、先に説明した
図1から
図4に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。なお、
図7は、遊技機10の電気構成を示すブロック図であり、
図8は、遊技機10の機能構成を示すブロック図である。
【0051】
遊技機10は、主要な構成要素として、メイン基板100と、サブ基板200と、を内蔵している。
図7において、メイン基板100およびサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100およびサブ基板200の少なくとも一方は複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0052】
メイン基板100には、CPU101、CPU301、RAM102、RAM302、ROM103、および乱数回路104等の電子部品が実装されており、センサや基板等の他の電子部品との接続状況は、
図7に示す通りである。
メイン基板100に実装されているCPU101は、他の電子部品や各種センサ(スタートレバーセンサ44、ストップボタンセンサ43a、最大ベットボタンセンサ45a、単一ベットボタンセンサ45b、リールセンサ66等)の間で授受する制御信号に基づく処理の実行により、主として、遊技の進行に係る制御を実現している。
メイン基板100に実装されているCPU301は、他の電子部品やメダル枚数表示LED基板50やメダル計数ボタンセンサ51aの間で授受する制御信号に基づく処理の実行により、主として、メダル枚数に係る制御を実現している。
なお、本段落で言及した各種センサについて、以下の説明において各種センサ40aと称する場合がある。
【0053】
また、サブ基板200には、CPU201、RAM202、ROM203、および乱数回路204等の電子部品が実装されており、センサや基板等の他の電子部品との接続状況は、
図7に示す通りである。
サブ基板200に実装されているCPU201は、メイン基板100から一方向通信で接続され、メイン基板100から送信された制御コマンド、他の電子部品及び各種センサ(プッシュボタンセンサ45c、十字キーボタンセンサ46a、決定ボタンセンサ46b)との間で授受する制御信号に基づいて装飾LED基板41、スピーカ49、および演出表示装置63等を制御し、主として、遊技に係る演出の制御(メニュー画面に係る制御を含む)を実現している。
なお、本段落で言及した各種センサについて、以下の説明において各種センサ40bと称する場合がある。
【0054】
メイン基板100は、遊技機10の外部にある専用ユニット1000と双方向通信で接続されており、これらの間の通信により、メダルを移動可能に構成されている。
ここで、専用ユニット1000とは、後述する専用ユニット1000とは異なるものであり、会員カード等の情報記憶可能なカードを受け入れ、メダル枚数制御基板300から転送されたメダル(メダル枚数制御基板300で計数されたクレジット)を会員カード等に貯メダルとして記憶させて排出可能に構成されたものである。
【0055】
次に、
図8を用いてメイン基板100およびサブ基板200の機能構成について説明する。なお、以下の機能構成および各機能構成が有する機能は例示であり、以下に記載されていない機能構成を有していてもよいし、各機能構成において、以下に記載されていない機能を有していてもよい。なお、同図では、説明の便宜上、
図7で示したセンサや基板等のメイン基板100およびサブ基板200の他の電子部品も図示している。
【0056】
まず、メイン基板100が有する機能構成には、大別すると、遊技の進行を管理する遊技進行管理部110、遊技に係る状態を管理する状態管理部120、メイン通信部130、およびクレジット管理部140がある。
さらに、遊技進行管理部110は、内部抽選部111、リール制御部112、入賞判定部113、メダル管理部114、および状態表示LED制御部115で構成され、状態管理部120は、設定変更管理部121、遊技状態管理部122、遊技モード管理部124、およびメインエラー管理部125で構成され、メイン通信部130は、制御コマンド送受信部131および外部信号送信部132で構成される。
【0057】
内部抽選部111は、遊技が開始された際に、複数種類の役から当選する役(以下、「内部当選役」と称する場合がある)を抽選により決定する。
より具体的には、内部抽選部111は、遊技が開始された際に乱数回路104で更新している乱数(本実施形態では2バイト乱数を使用し、その範囲は0~65535)を取得し、取得した乱数に対してROM103に記憶されている内部抽選テーブル(詳細は、後述)の抽選値を順次加算し、キャリーが発生した抽選値に対応する役を内部当選役として決定する。なお、内部抽選部111において「内部当選役が抽選により決定される」ことを、単に、「内部当選役が導出される」と表現する場合がある。
【0058】
リール制御部112は、遊技が開始されたことを契機に、前回の遊技におけるリール65の回転開始から当該遊技におけるリール65の回転開始までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間(本実施形態では、4.1s)の経過を待ってリール65のそれぞれの回転を開始させ、その後、停止操作がなされるごとにリール65のうちの当該停止操作に対応するリールを停止させる等、リール65の回転を個別に制御する。
【0059】
より具体的に説明すると、リール制御部112は、遊技の進行に応じてリール制御状態(加速制御状態、定速制御状態、引き込み制御状態、ブレーキ制御状態、停止制御状態)をリール65のそれぞれに対して設定し、ROM103に記憶された励磁パターンから現在設定されているリール制御状態に対応する励磁パターンを取得し、取得した励磁パターンに従ってパルス信号を出力する制御を、リールモータ68(ステッピングモータ)のそれぞれに対して行うことで、リール65の回転を個別に制御している。
【0060】
さらに、上記リール制御状態を具体的に説明すると、加速制御状態は、回転が開始されてから所定の速度まで加速させるための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される制御状態である。定速制御状態は、加速制御状態が終了してから停止操作がなされるまでの制御状態であって、当該制御状態では、所定の速度を維持するための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される。引き込み制御状態は、停止操作がなされてから停止位置まで対応するリールを回転させる制御状態であり、当該制御状態では、定速制御状態と同様に、所定の速度を維持するための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される。ブレーキ制御状態は、当該停止位置に到達してから対応するリールを停止させるための励磁パターンに従ってパルス信号が出力される制御状態である。停止制御状態は、対応するリールを現在の位置で維持する制御状態である。
なお、上記リール制御状態の切り替えは、後述するメイン基板100のメインフローにおいて行われ、上記パルス信号の出力は、メイン基板100において所定の間隔(本実施形態では、約2ms)ごとに行われるタイマ割込み処理(図示省略)において行われる。
【0061】
また、リール制御部112は、リール65のそれぞれを停止させる(引き込み制御状態からブレーキ制御状態に切り替える)にあたり、ROM103に記憶されている停止データから停止させる図柄番号の候補を導出し(または、読み込み)、当該停止操作がなされたタイミングの当該リールの位置(基準ライン上の図柄番号)から最大引き込み範囲(本実施形態では、4コマ)にある図柄番号の候補から一の図柄番号を停止位置として決定する。
ここで、リール65のそれぞれにおける基準ライン上の図柄番号は、タイマ割込み処理においてリールセンサ66によって検知片が検知されるごとに基準位置の図柄番号(本実施形態では、RZ00、CZ00、LZ00)に補正され、その後のパルス信号の切替回数によって更新される。
さらに、リール制御部112は、定速制御状態において、前回基準ライン上の図柄番号が補正されてから、所定の時間が経過するまで(所定の回数のパルス信号の切り替えが行われるまで)に基準ライン上の図柄番号が補正されなかった場合には、対応するリールが脱調したと判定し(以下、脱調チェックと称する)、リール制御状態を加速制御状態に設定し、当該リールを再加速させる。
【0062】
入賞判定部113は、当該遊技において有効ライン(本実施形態では、ラインL2)上に停止表示された図柄の組合せによって役の入賞を判定する入賞判定を行う。
なお、入賞判定を行うにあたり、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせに加え、当該図柄の組み合わせと当該遊技で導出された役とが一致するか否かの判定を行い、役の入賞を判定するようにしてもよい。
【0063】
メダル管理部114は、上述した賭け数の増減の管理に係る制御を行う。
【0064】
状態表示LED制御部115は、上述した状態表示LED25の制御を行う。
【0065】
設定変更管理部121は、設定変更処理、および設定確認処理を行う。
具体的に説明すると、設定変更処理は、電源装置91からの電源供給がOFFの状態からONの状態となる際(以下、「電源投入」と表現する場合がある。一方、電源供給がONの状態からOFFの状態となることを「電断」と表現する場合がある)に設定キースイッチ48aが操作された状態であれば開始され、設定変更スイッチ48bが操作されるごとに、設定値を一定の順序(本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、設定値6、設定値1、設定値2・・・)に従って変更し、スタートレバー26が操作された時点での設定値を今回の設定値として確定する処理である。設定変更処理では、変更中の設定値を設定表示LED48cに表示させる処理も行われる。
また、設定変更処理が実行される際には、電源供給がOFFの状態となる前にメイン基板100が保持していた情報のすべてが初期化される。特に、当該情報には賭け数が含まれる。さらに、設定変更処理の実行時に賭け数がクリアされるタイミングとしては、電源投入から当該電源投入に係る設定変更処理の終了後に実行される遊技開始処理(後述するステップS103)の開始前であれば、いずれのタイミングでもよい。
【0066】
設定確認処理は、電源供給がONの状態で設定キースイッチ48aが操作されることで開始され、既に設定されている設定値を設定表示LED48cに表示させる処理である。なお、以降の説明では、特に説明がない限り、「既に設定されている設定値」を単に「設定値」として説明する。なお、設定確認処理では、メイン基板100が保持している情報は維持される。
また、本実施形態において、設定変更処理が開始される条件、および設定確認処理が開始される条件のそれぞれに対し、上記開扉センサによる前面扉20の開扉を追加してもよい。このようにすることで、不正な設定値の変更や不正な設定値の確認を抑止することができる。
【0067】
遊技状態管理部122は、複数種類の遊技状態の中で移行条件に従って遊技状態を移行させる制御を行う。なお、遊技状態の種類および移行条件の詳細は後述する。
【0068】
遊技モード管理部124は、複数種類の遊技モードの中で移行条件に従って遊技モードを移行させる制御を行う。なお、遊技モードの種類および移行条件の詳細は後述するが、本実施形態では、滞在する遊技モードによって有利度が異なり、特に、特定の遊技状態(本実施形態では、後述するMB内部当選中)において有利度が高い遊技モードが設定され得る。
【0069】
メインエラー管理部125は、上述した各種エラー状態とするか否かの判定に加え、各種センサ40a等の検知結果を利用したエラー状態とするか否かの判定を行い、エラー状態とする旨を決定した場合には、必要に応じて遊技の進行を停止させ、遊技機10をエラー状態とする。
なお、エラー状態とする場合、当該エラー状態の発生を示す制御コマンドの送信準備を行い、制御コマンド送受信部131に当該制御コマンドを送信させ、演出デバイス(演出表示領域62、装飾LED36、スピーカ49等)を用いて当該エラー状態の発生を報知するようにしてもよい。
【0070】
制御コマンド送受信部131は、送信準備がなされた制御コマンドをサブ基板200に向けて送信する処理を行う。
ここで、サブ基板200に向けて送信する制御コマンドには、エラー状態となった場合に送信される制御コマンドに加え、遊技の進行に合わせて送信される制御コマンド等が存在する。
また、制御コマンド送受信部131で送受信される各制御コマンドは、当該制御コマンドの種別を特定可能な情報に加え、当該種別に対応する情報を有している。さらに、以降の説明では、制御コマンドの送信準備を行い、制御コマンド送受信部131に当該制御コマンドを送信させることを、単に、制御コマンドを送信すると表現する場合がある。なお、これらは、後述する制御コマンド受信部211で送信または受信される各制御コマンドについても同様である。
【0071】
外部信号送信部132は、上述した専用ユニット1000とは異なるものであって遊技機10の外部にある外部装置(例えば、ホールコンピュータやデータ表示器)に対して遊技機10の内部の状態を示す信号(外端信号)を送信する。
外端信号で送信される情報を具体的に説明すると、当該情報には、一の遊技が開始されたことを示す情報、後述するATモードが開始されたこと、またはATモードに滞在していることを示す情報、およびエラーが発生したことを示す情報等が挙げられる。
【0072】
クレジット管理部140は、専用ユニット1000から送信された制御コマンドや、メダル計数ボタン33に対する操作がなされたことに基づいてクレジットの値を制御する処理を行う。
なお、本実施形態では、クレジットの値を2バイトデータで管理している。そのため、データ上はクレジットの値として65536まで記憶可能であるが、本実施形態では、クレジットの値として16383を上限に設定しており、当該上限値を超えた値を記憶しないように構成されている。
【0073】
次に、サブ基板200が有する機能構成には、大別すると、サブ通信部210、および遊技に係る演出を管理する演出管理部220がある。
さらに、サブ通信部210は、制御コマンド受信部211で構成され、演出管理部220は、演出制御部221、演出表示制御部222、音声制御部223、および装飾LED制御部224で構成される。これらの機能構成の詳細は、以下の通りである。
【0074】
制御コマンド受信部211は、メイン基板100やメダル枚数制御基板300から送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドを分析し、当該制御コマンドに含まれている情報を用いてRAM202に記憶されている情報を更新する。
【0075】
演出制御部221は、メイン基板100やメダル枚数制御基板300から送信された制御コマンド等に基づいて、演出デバイス(演出表示領域62、装飾LED36、スピーカ49等)に行わせる演出の内容を決定する処理を行う。
【0076】
演出表示制御部222は、演出表示装置63に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いて演出表示装置63に演出を行わせる。
【0077】
音声制御部223は、スピーカ49に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いてスピーカ49に演出を行わせる。
【0078】
装飾LED制御部224は、装飾LED基板41に行わせるべき演出がある場合には、ROM203から当該演出に対応するデバイスデータを読み込み、当該デバイスデータを用いて装飾LED基板41に演出を行わせる。
【0079】
<遊技進行に係るメインフロー>
次に、本実施形態における遊技進行に係るメインフローについて、
図9~
図11を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1~
図4、
図7、
図8に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。特に、以降の説明では、処理を行う主体として
図8に示した機能を挙げている場合があるが、当該処理は当該主体のみによって実現されるとは限らない。
【0080】
図9~
図11は、本実施形態における遊技進行に係るメインフローを示すフローチャートであり、当該フローに係る処理は、電源投入がなされたことを契機に実行される処理である。
メイン基板100は、
図9から
図11で示すステップS103からステップS143までの一連の処理を行う間に1回の遊技を行い、当該一連の処理を繰り返し行うことによって遊技を繰り返し行うことができる。
なお、
図9から
図11で示す各処理は一具体例であって、ここで挙げた処理以外の処理が、メイン基板100によって行われてもよい。
【0081】
まず、
図9を用いて、ステップS101~ステップS119を説明する。
最初のステップS101では、メイン基板100に係る初期設定処理を行う。
メイン基板100に係る初期設定処理は、電源の供給が開始された場合に行われ、一度行われた後は、電源の供給が絶たれ、再び電源の供給が開始されるまで行われない処理である。
より具体的には、当該処理では、設定キースイッチ48aが操作された状態であれば、電断時に保持していたバックアップ情報(賭け数を特定する情報を含む)が破棄(クリア)され、上述の設定変更処理が行われ、その後、ステップS103に進む。なお、本実施形態では、設定変更処理が開始されたタイミングで設定変更開始コマンドがサブ基板200に向けて送信され、設定変更処理が終了したタイミングで設定変更終了コマンドがサブ基板200に向けて送信される。
一方、設定キースイッチ48aが操作された状態でなければ、当該処理では、電断時に保持していたバックアップ情報に異常がないこと(本実施形態では、チェックサムの値が正常であること)を条件に、当該バックアップ情報に基づいて電断時の状態(電断時の状態がリールの回転を伴う遊技中であれば、当該遊技中)に復帰させる処理が行われ、その後にステップS103に進み、この際には、メイン基板100に係る電断復帰コマンドがサブ基板200に向けて送信される。なお、当該バックアップ情報に異常がある場合には、遊技に復帰不可能な状態(RAMエラー状態)となるため、上述の設定変更処理の実行を待つこととなる。そして、この際には、当該異常が発生したことを特定可能なRAMエラーコマンドがサブ基板200に向けて送信される。
【0082】
ステップS103では、次回の遊技を開始するために事前に必要な遊技開始処理を行う。遊技開始処理では、前回の遊技に係る各種情報を保存する処理や、前回の遊技において停止されたリール65のそれぞれの停止位置や有効ライン上に停止された図柄の組み合わせを示す情報をクリアする処理や、設定値を取得する処理などが行われる。
ステップS105では、次回の遊技の賭け数を設定するための準備処理であるメダル受付開始処理を行う。メダル受付開始処理では、賭け数に係る情報を受付可能とする処理や、前回遊技でリプレイ役に入賞していた場合に前回遊技で設定されていた賭け数と同一の賭け数を設定する処理などが行われる。
ステップS107では、再遊技が作動しているか否かが判定され、当該条件が満たされた場合にはステップS111に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS109に進む。
【0083】
ステップS109では、検知された操作または遊技機10の状態に基づいて行われるメダルに係る処理であるメダル管理処理を行う。メダル管理処理では、押下されたベットボタン23に対応する数のメダルを賭け数に加算する処理や、精算ボタン32の押下を検知した場合に精算可能な賭け数の全部をクレジットに転送する処理などが行われる。
【0084】
ステップS111では、遊技の開始条件が充足されているか否かのチェックであるリール回転開始チェックを行う。リール回転開始チェックでは、スタートレバーの操作を検知したことを前提として、例えば、賭け数が最大数となっているか否かがチェックされる。
ステップS113では、リール回転開始チェックにおいて遊技の開始条件が成立しているか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS115に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS107に戻る。
ステップS115では、内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行い、内部当選役を決定する。
ステップS117では、ステップS115で導出された内部当選役、または非当選である場合のハズレをRAM102の対応する領域に記憶させる当選役フラグ設定を行う。
【0085】
ステップS119では、遊技開始時遊技モード管理処理を行う。当該処理では、例えば、操作条件を特定可能な点灯態様に指示表示LED25cを制御する処理が行われる。
さらに、遊技開始時遊技モード管理処理では、内部当選コマンドをサブ基板200に対して送信する処理も行われる。内部当選コマンドには、導出された内部当選役、滞在中の遊技状態、および滞在中の遊技モードを特定可能な情報が少なくとも含まれており、これにより、サブ基板200で管理されるデバイス(本実施形態では、演出表示装置63)によって操作条件を特定可能な報知が実行可能となる。なお、本実施形態では、特段の説明がない限り、一の遊技において指示表示LED25cによって特定される操作条件と、当該一の遊技においてサブ基板200で管理されるデバイスで実行される報知によって特定される操作条件とは同一のものとなる。
【0086】
ここからは、
図10を用いて、ステップS121~ステップS135を説明する。
ステップS121では、ウェイト時間が経過したか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS123に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS121の判定に戻る。
ステップS123では、リール65のそれぞれ(脱調の発生により当該処理が行われる場合には、回転中のリール、すなわち、定速制御状態に設定されているリール)のリール制御状態が加速制御状態に設定し、加速制御状態に設定されたリールの回転を開始させる。このように、ステップS121の判定に戻る場合には、リール65の回転が開始されないため、リール制御部112は、ウェイト時間の経過を待って、リール65の回転が開始されることとなる。
【0087】
ステップS125では、リール65のうちの加速制御状態に設定されていたすべてのリールの回転速度が所定の速度に到達した(加速制御状態に対応する励磁パターンに従ってパルス信号の出力が終了した)か否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS127に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS125の先頭に戻る。なお、当該判定では、加速制御状態に設定されていたリールの回転速度が所定の速度に到達した場合には、順次、加速制御状態から定速制御状態に切り替えられる。さらに、当該判定では、当該リールのすべてが定速制御状態に切り替えられた後、リールセンサ66のうちの当該リールに対応するセンサがそれぞれの検知片をすべて検知するまでステップS127に進まず待機させ、当該待機後、当該リールに対応するストップボタンをすべて有効化し、ステップS127に進むこととなる。
【0088】
ステップS127では、リール65のうちの定速制御状態に設定されているリールに対して上述の脱調チェックを行う。
ステップS129では、脱調チェックで脱調が発生したか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS123に戻り、当該条件が充足されなかった場合にはステップS131に進む。このように、リール65のうちの回転中のリールについて、脱調が発生したと判定された場合には、回転中のリールに対し、再びステップS123の処理(リール再起動)が行われる。
ステップS131では、有効化されているストップボタンに対する操作(停止操作)があったか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS133に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS127に戻る。
【0089】
ステップS133では、リール停止処理を行う。リール停止処理は、停止操作がなされたストップボタン以外のストップボタンを無効化し、上述の通り、停止操作がなされたストップボタンに対応するリールを定速制御状態から引き込み制御状態に切り替え、停止位置となる図柄番号を導出し、導出された停止位置まで当該リールの図柄位置が進んだタイミングで当該リールを引き込み制御状態からブレーキ制御状態に切り替えリールを停止させる処理である。なお、ブレーキ制御状態に対応する励磁パターンに従ってパルス信号の出力が終了した後は、停止制御状態に切り替えられ、停止位置でリールが保持される。
また、リール停止処理では、停止コマンドが制御コマンド送受信部131を介してサブ通信部210に送信される処理も行われ、当該制御コマンドには、停止されたリールの種類(リール65L、リール65C、リール65Rのいずれか)および当該リールの停止された位置(図柄番号)を特定可能な情報が少なくとも含まれる。
【0090】
ステップS135では、リール65のすべてが停止されているか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS137に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS127に戻る。このように、リール65のすべてが停止していない場合には、ステップS127からステップS135の処理を繰り返す。
【0091】
ここからは、
図11を用いて、ステップS137~ステップS143を説明する。
ステップS137では、上述の入賞判定が行われ、入賞する役が判定される。
ステップS139では、遊技状態を移行させる状態移行処理が行われる。
【0092】
ステップS141では、遊技終了時遊技モード管理処理が行われる。なお、当該処理では、遊技モードを移行させる処理や、有利モード表示LED25gの点灯状態を制御する処理等が行われる。
また、遊技終了時遊技モード管理処理では、遊技終了コマンドをサブ基板200に対して送信する処理も行われ、当該制御コマンドには、入賞と判定された役、更新後の遊技状態、更新後の遊技モードを特定可能な情報等が含まれている。
【0093】
ステップS143では、入賞と判定された役に対応する数のメダルが付与される。なお、ステップS143において付与されるメダルはクレジットに貯留記憶される。
【0094】
<メダル枚数制御に係るメインフロー>
次に、
図12を用いて、メダル枚数制御に係るメインフローを説明する。
図12は、メダル枚数制御に係るメインフローのフローチャートであり、当該フローに係る処理は、電源投入がなされたことを契機に実行される処理である。
【0095】
図12に示す通り、メダル枚数制御に係るメインフローにおける最初のステップS201では、メダル枚数制御に係る初期設定処理が実行される。
なお、当該初期設定処理では、例えば、電源投入時におけるメダル枚数クリアボタン(後述するボタン部材108)の操作状態等に応じてクレジットがクリアされる処理が実行され得る。
【0096】
ステップS203では、貸出情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS205に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS207に進む。ここで、貸出情報とは、遊技機10の外部にある専用ユニット1000から送信されるメダルを示す情報である。
ステップS205では、貸出情報に係るクレジット加算処理を実行し、当該処理では、貸出情報で特定されるメダル枚数がクレジットに加算される。なお、専用ユニット1000では、当該クレジット加算処理の終了を以て当該クレジット加算処理に係るメダル枚数分だけ専用ユニット1000に記憶されたメダル枚数が減算される。
また、本実施形態では、クレジットの上限値として16383を設定しているため、貸出情報の受信によって当該上限値を超え得る場合には、その旨を示す制御コマンドを専用ユニット1000に送信して当該貸出情報に係るクレジット加算処理を実行しないように構成されている。
【0097】
ステップS207では、メダル要求情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS209に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS211に進む。ここで、メダル要求情報とは、上述したステップS109におけるメダル管理処理によって要求される賭け数を示すものである。
ステップS209では、クレジット減算処理を実行し、当該処理では、メダル要求情報で特定される賭け数に相当するメダル枚数がクレジットから減算される。
なお、本実施形態では、クレジットがメダル要求情報で特定されるメダル枚数を下回っている場合には、クレジット減算処理が実行されない。
【0098】
ステップS211では、クレジット加算情報があるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS213に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS215に進む。ここで、クレジット加算情報とは、精算ボタン32への操作に応じて清算される賭け数に相当するメダル枚数や、払出のある役に入賞したときに払い出しされるメダル枚数を示す情報である。
ステップS213では、クレジット加算情報に係るクレジット加算処理を実行し、当該処理では、当該処理に係るクレジット加算情報で特定されるメダル枚数がクレジットに加算される。
【0099】
ステップS215では、計数ボタン33が操作されたか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS217に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS203に戻る。
ステップS217では、クレジット計数処理を実行し、当該処理では、現在のクレジットの一部または全部が専用ユニット1000に向けて送信されるとともに、送信されたメダル分だけクレジットが減算される。
より具体的には、計数ボタン33が単押しされた場合には、その時点でのクレジットが50以下である場合には、現在のクレジットの全部を専用ユニット1000に向けて転送される一方、その時点でのクレジットが50以上である場合には、50枚のクレジットが専用ユニット1000に向けて転送される。さらに、計数ボタン33が長押しされている場合には、一定時間(本実施形態では、1s)経過するごとに、上述した計数ボタンが単押しされた場合と同様の処理が、計数ボタン33の長押しが終了するか減算後のクレジットが零になるまで実行される。
【0100】
このように、本実施形態では、メイン基板100と専用ユニット1000とが相互通信可能に構成されることで、上述したメダルレスのスロットマシンが実現される。
また、図示は省略するが、メイン基板100におけるタイマ割込み処理では、メイン基板100と専用ユニット1000との相互通信が正常になされているか否かを判定し、これらの相互通信のいずれかに異常がある場合には、エラー解除ボタンが操作されかつ当該操作によって実行される処理によって当該異常が解消されたと判定されるまでメダル枚数制御に係るメインフローの進行が停止される。なお、当該タイマ割込み処理の実行は、メダル枚数制御に係る初期設定処理の終了を以て許可される。
さらに、当該タイマ割込み処理では、現在のクレジットの値を表示するようにメダル枚数表示LED28を点灯させる制御も実行され、これにより、現在のクレジットの値を遊技者が特定可能になる。
【0101】
<遊技機本体部60にある下部空間IIIについて>
続いて、
図4に図示した遊技機本体部60にある下部空間IIIについて、
図13~
図16を用いて説明する。
図13は、奥側側壁90eに沿って設置されている制御基板ケース400を示す斜視図である。
図14(a)は、制御基板ケース400のカバー部420が閉鎖位置にある状態を示す斜視図であり、
図14(b)は、制御基板ケース400のカバー部420が開放位置にある状態を示す斜視図である。
図15は、制御基板ケース400のカバー部420が閉鎖している状態で、位置B1から位置B3に回動する経路を示す模式図である。
図16は、制御基板ケース400のカバー部420が開放している状態で、位置C1から位置C3に回動する経路を示す模式図である。
【0102】
遊技機本体部60にある下部空間IIIには、
図15及び
図16に示す通り、電源装置91と制御基板ケース400が配設されている。
【0103】
電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、当該装置に備えられた電源スイッチ(不図示)の操作によって起動または停止が制御される。よって、遊技に興じるにあたり、前面扉20を開扉した状態で電源スイッチを操作して電源装置91を起動する必要がある。
なお、本実施形態では、メイン基板100及びサブ基板200は、電源装置91からの電力供給がOFFの状態となっても、電源供給がOFFの状態となる前に保持していた情報を維持する機能を有している。
【0104】
制御基板ケース400は、メイン基板100を内部に収納する。
特に、制御基板ケース400は、透過性を有するため、メイン基板100を内部に収納した状態で、収納されたメイン基板100を目視可能となる。
【0105】
図13に示す通り、制御基板ケース400は、取付ブラケット510を介して、奥側側壁90eに回転可能に軸支されている。
具体的には、取付ブラケット510は、当該ブラケットの表面から突出しかつ鉛直方向(Z2軸方向)に貫通した孔を有する上挿通孔511と、同様の構造を有する下挿通孔512とを有しており、奥側側壁90eに対してネジ止めされている。
さらに、制御基板ケース400は、円周部を先端に有する上挿通部451と、同様に円周部を先端に有する下挿通部452を同一線上に有する。そして、上挿通部451が上挿通孔511に対して、下挿通部452が下挿通孔512に対して、それぞれ上方から挿通されることによって、制御基板ケース400が奥側側壁90eに対して回転可能(軸Z2回り)に軸支される。
これにより、制御基板ケース400は、格納位置(
図15における位置B1、
図16における位置C1)から、中途の位置(
図15における位置B2、
図16における位置C2)を経由して、展開位置(
図15における位置B3、
図16における位置C3)まで回動可能となる。
【0106】
ここで、格納位置とは、制御基板ケース400が、奥側側壁90eに沿って位置することで当該側壁に最も接近している位置を指し、当該状態では、外枠90の開口から見て制御基板ケース400の表側の面を目視し易くなる。
一方、展開位置とは、制御基板ケース400が、電源装置91に対して最も接近する位置(本実施形態では電源装置91に当接する位置)を指し、当該位置では、外枠90の開口から見て制御基板ケース400の裏側の面を目視し易くなる。
上述したように、制御基板ケース400は透過性を有しているため、上記のように格納位置から展開位置まで回動可能に構成することは、制御基板ケース400に収納されたメイン基板100の表側および裏側の面の双方を確認し易くすることに寄与する。
【0107】
なお、展開位置では、制御基板ケース400が、電源装置91に最も接近する(電源装置91に当接する)ため、当該状態の期間が続くと、電源装置91の放熱口(不図示)からの排熱や電源装置91自体からノイズの影響を受けて、メダル枚数制御基板300が故障したり予期せぬ動作を起こしてしまう虞がある。
【0108】
これに対し、本実施形態では、制御基板ケース400を、当該基板ケースの回転軸(軸Z2)から右側側壁90bの方向(X軸方向)に離間した位置で、係止用ブラケット520を介して奥側側壁90eに対して着脱可能に係止している。
これによれば、電源装置91からの排熱や電源装置91自体からノイズの影響を受けて、メイン基板100が故障したり予期せぬ動作を起こしてしまう虞を低減することができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、例えば、係止用ブラケット520が制御基板ケース400の端部(右側側壁90b側の端部)を係止すれば足り、係止する手法は問わない。
【0109】
なお、
図15及び
図16に示す通り、取付ブラケット510と係止用ブラケット520の間において、奥側側壁90eに沿って金属製のスペーサ530が取り付けられている。
スペーサ530は、制御基板ケース400と奥側側壁90eを離間させる部材であり、遊技機10の奥方からのノイズを遮蔽する効果を有する。
なお、当該効果を奏するにあたっては、スペーサ530は金属であることが好ましいが、樹脂製のものとしてもよい。
【0110】
図13に示す通り、制御基板ケース400は、表側を構成する第1ケース部材410と、裏側を構成する第2ケース部材450と、及び第1ケース部材410の隅部に存在する開口を覆うカバー部420と、を有している。
制御基板ケース400にメイン基板100を収納している状態において、凹部411がCPU101の直上に位置し、凹部412がCPU301の直上に位置するように構成されている。これにより、当該状態において、CPU101及びCPU301が目視し易くなるとともに、これらのCPUを別のCPUに取り換える等の不正を発見しやすくすることができる。
【0111】
カバー部420が第1ケース部材410の隅部に設けられている取付部413に対して取り付けられることによって、カバー部420は第1ケース部材410に対して軸X3回りに回動可能に軸支されており、閉鎖位置(
図14(a)に図示する状態)と開放位置(
図14(b)に図示する状態)の間で回動することができる。
【0112】
従って、遊技機10は、特定基板(メイン基板100)と、特定基板を収納する基板ケース(制御基板ケース400)と、を備え、基板ケースは、第一の回転軸(軸Z2回り)で回転することによって格納位置と展開位置との間で回動可能に構成され、第二の回転軸(軸X3回り)で回転することによって第一位置(閉鎖位置)と第二位置(開放位置)との間で回動可能に構成されているカバー部(カバー部420)を有している、ものと換言できる。
【0113】
また、閉鎖位置にあるカバー部420は、第1ケース部材410に設けた開口から突出している(すなわち、第1ケース部材410により覆われていない)ボタン部材108を覆っており、カバー部420が閉鎖位置にあるときボタン部材108が操作不能であり、カバー部420が開放位置にあるときボタン部材108が操作可能になる。
ボタン部材108は、メイン基板100に実装されている部材である。遊技機10は、ボタン部材108が押下されている状態で電源投入されることによって、クレジットのクリア処理(ステップS201の初期設定処理の説明で言及した処理)を実行可能である。
なお、本発明の実施において、ボタン部材108の操作を契機として実行される処理は、上記の処理に限られず、他の処理に代えてもよい。
【0114】
従って、特定基板(メイン基板100)は、操作可能な操作部品(ボタン部材108)を有しており、カバー部(カバー部420)が第二位置(開放位置)にあるとき、操作部品が操作可能であり、カバー部が第一位置(閉鎖位置)にあるとき、操作部品が操作不能である、ものと換言できる。
【0115】
なお、カバー部420を軸支する手法は特に問わないが、好ましくは、カバー部420が開放位置から閉鎖位置へ回動するとき、その回動が制限され得る(閉鎖位置から開放位置へ回動するときに比べて回動し難くなる)ように構成されていることが好ましい。
これにより、カバー部420が開放位置に留まり易くなり、ボタン部材108の操作が容易になり得る。
【0116】
従って、操作部品(ボタン部材108)が操作可能な状態においてカバー部(カバー部420)は第二位置(開放位置)から第一位置(閉鎖位置)への回動が制限され得る、ものと換言できる。
【0117】
図15に示す通り、本実施形態では、制御基板ケース400が格納位置(位置B1)から展開位置(位置B3)に回転するにあたり、その途中の位置(位置B2)で、制御基板ケース400の先端側にあるカバー部420が外枠90の開口面を超える位置まで達するように、軸Z2の位置や制御基板ケース400のX軸方向の寸法長さが定められている。
また、展開位置(位置B3)における制御基板ケース400も、その先端が外枠90の開口面を超える位置まで達する。
従って、位置B2又は位置B3において、軸Z2回りで回転する制御基板ケース400(カバー部420)と、軸Z1回りで回転する前面扉20とが干渉し得るようになっている。
【0118】
また、
図16に示す通り、本実施形態では、制御基板ケース400が格納位置(位置C1)から展開位置(位置C3)に回転するにあたり、その途中の位置(位置C2)で、制御基板ケース400の先端側にあるカバー部420が外枠90の開口面を超える位置まで達する。
また、展開位置(位置C3)における制御基板ケース400も、カバー部420が外枠90の開口面を超える位置まで達する。
従って、位置C2又は位置C3において、制御基板ケース400(カバー部420)と前面扉20とが干渉し得るようになっている。
【0119】
ここで、
図15及び
図16のいずれに示す場合であっても、制御基板ケース400の回転方向と前面扉20の回転方向とが同一(いずれも鉛直方向の軸回り)であるため、制御基板ケース400と前面扉20とが干渉した場合に、制御基板ケース400にかかる力を逃がし易く、制御基板ケース400の破損を防止することができる。
また、制御基板ケース400と前面扉20の干渉よって、仮に制御基板ケース400が破損するとしても、直に前面扉20に接触するのはカバー部420であるため、その破損部位を限定することができる。
更に言えば、
図15と
図16を比較すれば明らかであるように、開放位置にあるカバー部420の方が、閉鎖位置にあるカバー部420に比べて前面扉20の方向に突出している。従って、開放位置にあるカバー部420が前面扉20に接触し得る範囲(
図16における位置C2から位置C3までの回転角度の範囲)が、閉鎖位置にあるカバー部420が前面扉20に接触し得る範囲(
図15における位置B2から位置B3までの回転角度の範囲)に比べて広くなる。
これによれば、ボタン部材108を操作可能である状態において、制御基板ケース400と前面扉20の干渉によって破損する部位をカバー部420に限定する効果を、より強くすることができる。
【0120】
従って、遊技機10は、基板ケース(制御基板ケース400)が格納位置から展開位置へ回動する経路上(位置B2、位置C2)又は展開位置(位置B3、位置C3)で、特定部材(前面扉20)と基板ケースとが干渉する際に、カバー部(カバー部420)が特定部材に接触するときがあり、基板ケースと特定部材とが干渉して第二位置(開放位置)にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲が、基板ケースと特定部材とが干渉して第一位置(閉鎖位置)にあるカバー部が特定部材に接触し得る基板ケースの回転角度の範囲に比べて広い、と換言できる。
【0121】
なお、上記の効果を強める観点から、閉鎖位置にあるカバー部420が前面扉20に接触するとき(
図15に図示する状態)、開放位置にあるカバー部420が前面扉20に接触するとき(
図16に図示する状態)、のいずれについても、制御基板ケース400を構成する他の部材(第1ケース部材410や第2ケース部材450)に接触しないことが望ましい。
特に、上記の効果を強める観点に加え、ボタン部材108に対する誤操作防止の観点から、ボタン部材108が操作可能な状態(カバー部420が開放位置にあるとき)であって且つ制御基板ケース400と前面扉20とが干渉して開放位置にあるカバー部420が前面扉20に接触するときであっても、ボタン部材108は前面扉20に接触しないことが望ましい。
【0122】
また、
図15と
図16を比較すれば明らかであるように、カバー部420が閉鎖位置から開放位置に回動するとき、カバー部420は前面扉20に近づく方向に回動する。そして、開放位置にあるカバー部420が前面扉20に接触すると、前面扉20から離れる方向に(すなわち開放位置から閉鎖位置に向けて)カバー部420が回動するので干渉によって生じる力の一部を緩和して、カバー部420の破損防止の効果を強めることができる。
【0123】
よって、カバー部(カバー部420)は、第一位置(閉鎖位置)から第二位置(開放位置)に回動するとき、特定部材(前面扉20)に近づく方向に回動し、基板ケースと特定部材とが干渉して第二位置にあるカバー部が特定部材に接触したとき、カバー部が第二位置から第一位置に向けて回動し得る、と換言できる。
【0124】
<メイン基板100の構成について>
続いて、メイン基板100の構成について
図17~
図19を用いて説明する。
図17は、メイン基板100の正面図(表側から視た図)である。
図18は、メイン基板100の背面図(裏側から視た図)である。
図19は、
図17及び
図18の一点鎖線Aにおけるメイン基板100の断面図である。
なお、
図17~
図19に図示する構成要素は、本発明の説明に必要なものに限定して図示しており、特に言及している領域を除いて、不図示の構成要素(例えば、ROMやRAM、抵抗素子、コンデンサ、LED、コネクタ等の電子部品)が配設されている。
【0125】
図17に示す通り、メイン基板100は2つのCPU(CPU101とCPU301)が実装されている。
また、
図19に示す通り、CPU101は、本体部101aと、本体部101aの一端(
図18における左側の端部)で列になっている端子101bと、本体部101aの他端(
図18における右側の端部)で列になっている端子101cと、を有している。CPU101に係る端子101bと端子101cは、領域A1に配設されているソケット105の挿入部(不図示)に挿入されることによって、メイン基板100に設けられた信号線(不図示)に電気的に接続されている。CPU101の近傍には、抵抗素子106とコンデンサ107とが実装されている。抵抗素子106の高さh2は、本体部101aの下面高さh1より低く、コンデンサ107の高さh3は、本体部101aの下面高さh1より高い。
図19に図示する空間BSは、本体部101aの下面と、端子101bが挿入されるソケット105の挿入部と、端子101cが挿入されるソケット105の挿入部と、に囲われる空間であり、後述するCPUの取り外し作業の際に治具JGを挿通可能になっている。
また、CPU301が有する構成要素は、CPU101と同一種(同じ仕様のCPU)であるため図示省略するが、上述した本体部101aと端子101bと端子101cに相当する構成要素を、以下の説明において便宜的に本体部301aと端子301bと端子301cと称する。CPU301に係る端子301bと端子301cは、領域A2に配設されているソケット305の挿入部(不図示)に挿入されることによって、メイン基板100に設けられた信号線(不図示)に電気的に接続されている。更に、本体部301aの下面と、端子301bが挿入されるソケット305の挿入部と、端子301cが挿入されるソケット305の挿入部と、に囲われる空間は、
図19に図示する空間BSと同様にCPUの取り外し作業の際に治具JGを挿通可能になっているため、以下の説明において同様に「空間BS」と称する場合がある。
【0126】
上述したように、CPU101とCPU301は同一種のCPUであるため、それぞれを挿入するソケット105とソケット305は同一形状かつ同一寸法のソケットである。
【0127】
図17に示す通り、メイン基板100は、領域A1と領域A2の間に存在する領域A3において、CPU101とCPU301の双方に接続している信号線(不図示)に接続するように実装されている抵抗素子106を有している。
また、メイン基板100は、領域A1、領域A2及び領域A3のいずれからも外れた位置において、CPU101とCPU301の双方に接続している信号線(不図示)に接続するように実装されているコンデンサ107を有している。
更に、
図17に示す通り、メイン基板100は、上述したボタン部材108を有している。ボタン部材108は、信号線(不図示)を介してCPU301に接続しており、CPU101には直に接続していない(CPU301を介して間接的にCPU101に接続している)。
【0128】
従って、遊技機10は、主制御CPU(CPU101)の本体部(本体部101a)に取り付けられている端子(端子101bと端子101c)を挿入する第一ソケット(ソケット105)が配置されている第一領域(領域A1)と、遊技媒体数制御CPU(CPU301)の本体部(本体部301a)に取り付けられている端子(端子301bと端子301c)を挿入する第二ソケット(ソケット305)が配置されている第二領域(領域A2)と、が同じ面に設けられている特定基板(メイン基板100)を備え、第一ソケット及び第二ソケットは、主制御CPU及び遊技媒体数制御CPUの端子を特定基板に設けられた信号線に電気的に接続するために当該端子が挿入される挿入部が複数の列になっているソケットである、ものと換言できる。
【0129】
また、メイン基板100は、メイン基板100に関する管理情報が領域A4に表記されている。領域A4は、管理情報の表記領域として意図的に設けられており、管理情報を除く構成要素が配設されない。
ここで管理情報とは、遊技機10の製造者を特定可能な文字情報(以下、第一情報と称する)と、メイン基板100を特定可能な文字情報(以下、第二情報と称する)と、を含むものである。
【0130】
図17に図示する通り、本実施形態における管理情報は、第一情報(AAAAの4文字とBBの2文字が該当する)と第二情報(CC-DD-EEの8文字)が近接して表記されている構成になっており、同時に視界に入れることが比較的容易になっている。ここで、具体的には「AAAA」は遊技機10の製造者を表す名称であり、「BB」は当該製造者の略称であり、いずれも製造者を特定可能であるため、本発明に係る「第一情報」に該当する。また、「CC-DD-EE」は、メイン基板100の型番であり、それ単体でメイン基板100を特定可能であるため、本発明に係る「第二情報」に該当する。
なお、「BB」と「CC-DD-EE」が一連となるように併記することによって、その製造者が製造する遊技機に実装される基板であることを表す。従って、メイン基板100を別の製造者が製造する遊技機に実装する場合には、「BB」の表記を変更するだけで対応することができる。すなわち、メイン基板100の共通化を図ることができる。
その一方で、本実施形態における管理情報は、第一情報はメイン基板100の表側の面に対して凹むように(凹状に)形成されており、第二情報はメイン基板100の表側の面に対して凸となるように(凸状に)形成されている。
遊技機本体部60にある下部空間III設けられるメイン基板100は、ペンライト等の限られた光源から照射される光を頼りに視認することが多いので、第一情報と第二情報を別の形状(凹状と凸状のいずれか)で形成することにより、それぞれの光の反射方向が変化するので、それぞれの見え方の違いにより識別することが可能となる。
なお、本実施形態における第一情報の形成については、例えばレーザー刻印で実現することができ、本実施形態における第二情報の形成については、例えばシルク印刷や銅箔パターンの形成により実現することができる。しかしながら、上記の効果を奏する観点で言えば、それぞれの形成手法を入れ替えてもよい(すなわち、第一情報を凸状に形成し、第二情報を凹状に形成してもよい)。
また、本実施形態では、第一情報に相当する「AAAA」を上段に、第一情報に相当する「BB」と第二情報に相当する「CC-DD-EE」を下段に表記する、いわゆる二段表記としたが、本発明の実施における管理情報の表記態様はこれに限られない。
例えば、一段に第一情報と第二情報を併記してもよいし、遊技機10の製造者が複数存在する場合にはそれぞれの製造者名(いずれも第一情報に相当する)を同一の段に併記してもよいし、製造者ごとに別の段に分けて併記してもよい。
【0131】
従って、遊技機10は、所定の部品が実装される第一区画(領域A1、領域A2、及び領域A3)と、部品が実装されない第二区画(領域A4)と、が所定面に設けられている特定基板(メイン基板100)を備え、第二区画には、特定基板に関する管理情報が表記される表記領域が設けられており、管理情報は、遊技機の製造者に関する第一情報(AAAAの4文字とBBの2文字)と、特定基板を特定可能な第二情報(CC-DD-EEの8文字)と、が近接して表記されている構成になっており、第一情報及び第二情報は、一方に係る情報が凹状に描かれており、他方に係る情報が凸状に描かれている、ものと換言できる。
【0132】
また、
図17に図示する通り、本実施形態における管理情報は、二段に分けて表記され、上段は第一情報(凹状の文字情報)のみである一方、下段は第一情報と第二情報(凹状の文字情報と凸状の文字情報)が混在している。
このように、管理情報を複数段に分けて併記し、それぞれの描き方を変えることによって、注目すべき情報を見分けやすくすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたって、必ずしも管理情報を二段併記する必要はなく、算段以上に分けて併記してもよい。
【0133】
従って、管理情報は、複数の段に分けて表記されており、第一の段(上段)に表記されている情報は、凹状に描かれている情報を含み、凸状に描かれている情報を含まず、第二の段(下段)に表記されている情報は、凹状に描かれている情報と、凸状に描かれている情報と、を含む、ものと換言できる。
【0134】
また、
図17に図示する通り、本実施形態における管理情報は、上段における第一情報(凹状に描かれているAAAAの4文字)の左端(書き始めの文字の位置)は、下段における第二情報(凸状に描かれているCC-DD-EEの8文字)の左端に比べて、下段における第一情報(凹状に描かれているBBの2文字)の左端と近接している。
このような配置になっているので、管理情報を左側から見た場合には第一情報を視認しやすくなり、管理情報を右側から見た場合には第二情報を視認しやすくなる。
【0135】
従って、第一の段(上段)に凹状に描かれている情報の左端は、第二の段(下段)に凸状に描かれている情報の左端に比べて、第二の段に凹状に描かれている情報の左端に近接している、ものと換言できる。
【0136】
続いて、
図18に図示するメイン基板100の裏面について説明する。
ここで
図18に図示している領域A1’、領域A2’、及び領域A3’は、それぞれ
図17に図示している領域A1、領域A2、及び領域A3の裏側を示している。
なお、本実施形態における領域A1’、領域A2’、及び領域A3’は、特に電子部品が実装されるものではないが、表側に実装される電子部品(特に、CPU101とCPU301)に接続する信号線が設けられてもよい。
【0137】
図18に図示する通り、領域A1’、領域A2’、及び領域A3’には何ら情報が描かれていない。一方で、領域A5には、領域A4に描かれている第二情報と同じ内容の第三情報(CC-DD-EEの8文字)が凸状に描かれている。
このように、メイン基板100の裏面に表記されている第三情報(特定基板に関する情報)については、第二情報と共通の形状で描くことによって、表裏のいずれで視認しようとしても見え方が変わらないように配慮されており、その視認性の向上を図ることができる。また、第一情報については表面(領域A4)にのみ描き、裏面には描かないことによって、上記の効果を強めることができる。
なお、本実施形態における領域A5に描かれている第三情報は、領域A4に描かれている第二情報と同一の内容としたが、その一部に限って描かれてもよい。
【0138】
従って、所定面(メイン基板100の表面)の裏面には、第二情報と同一又は第二情報の一部である第三情報が表記されており、第三情報は、第二情報と共通の形状で描かれている、ものと換言できる。
また、所定面の裏面には、第一情報が表記されない、ものと換言できる。
【0139】
なお、本実施形態では図示省略したが、何らかの部品が実装される領域A1、領域A2、及び領域A3には、当該部品の近傍に当該部品を特定可能な情報(設計上で割り当てられた識別番号等)を描いてもよい。このとき、当該情報はメイン基板100に関する情報とも言えるので、メイン基板100を特定する第二情報と同じ形状(凸状)で描き、それとは異質な第一情報の形状(凹状)とは異なるように描くことが望ましい。
これにより、メイン基板100の表面を視認するとき、第一情報と、第二情報及び第四情報と、を区別することが容易となる。
【0140】
従って、第一区画(領域A1、領域A2、及び領域A3)には、所定の部品に関する第四情報(設計上で割り当てられた識別番号等)が表記されており、第二情報及び第四情報は、いずれも共通の形状(凸状)で描かれており、第一情報は、第二情報及び第四情報とは異なる形状(凹状)に描かれている、ものと言える。
【0141】
<CPU101とCPU301の取り外し作業について>
次に、CPU101とCPU301の取り外し作業について、
図20と
図21を用いて説明する。
図20(a)は、CPU101とCPU301の双方に対して治具JGを挿入した状態を、メイン基板100の表側から視た図であり、
図20(b)は、当該状態にあるCPU101近傍の断面図である。
図21(a)は、双方の長手方向が並行になっているCPU101とCPU301に対して治具JGを挿入した状態を示す図であり、
図21(b)は、双方の長手方向が45度に交差するCPU101とCPU301に対して治具JGを挿入した状態を示す図である。
なお、
図20と
図21において破線で示す領域A31、領域A32、領域A33は、説明の便宜のため領域A3を三分割したものである。それぞれ仮想的に示す領域であって、厳密な境目が視認可能である必要はない。
【0142】
図20(a)と
図20(b)に示す通り、領域A3は、CPU101が挿入されるソケット105の右端部(厳密には、本体部101aの下面と、端子101bが挿入される挿入部と、端子101cが挿入される挿入部と、に囲われる空間BSの端部)と、CPU301が挿入されるソケット305の左端部(厳密には、本体部301aの下面と、端子301bが挿入される挿入部と、端子301cが挿入される挿入部と、に囲われる空間BSの端部)と、を互いに結ぶものである。
本実施形態における領域A3には、本体部101aの下面高さh1(=本体部301aの下面高さ)より低い高さh2の抵抗素子106が実装されている。これにより、治具JGは、抵抗素子106に干渉することなく、本体部101aの下面側の空間BS及び本体部301aの下面側の空間BSの双方を、一度に貫通することができる。
治具JGを上記のように貫通させた状態で、CPU101とCPU301を取り外す方向(
図20(b)における上側)に、治具JGの両端部の双方に均等に力をかけることによって、CPU101及びCPU301の端子を破損させることなく引き抜くことができる。
なお、上記の効果を奏するにあたって、領域A3に実装される電子部品は必ずしも必要ない。
【0143】
従って、遊技機10は、第一ソケット(ソケット105)における挿入部の列間の端部と、第二ソケット(ソケット305)における挿入部の列間の端部と、を互いに結ぶ第三領域(領域A3)には、第一ソケットに挿入した状態における主制御CPU(CPU101)の本体部の下面高さ及び第二ソケットに挿入した状態における遊技媒体数制御CPU(CPU301)の本体部の下面高さのいずれと比べても低い電子部品(抵抗素子106)が実装されている、又は、電子部品が実装されない、ものと換言できる。
【0144】
また、上述したように、メイン基板100はCPU101とCPU301の双方に接続している不図示の信号線を有しており、抵抗素子106は当該信号線に接続するように実装されている。
抵抗素子106は、CPU101に係る処理(遊技進行に係る処理)とCPU301に係る処理(メダル枚数制御に係る処理)の双方に影響する重要なものである。上記のような領域A3に係る構成は、CPUの取り外し作業をする際に、重要な電子部品が破損しない為の配慮と言い換えることができる。
【0145】
従って、特定基板(メイン基板100)は、主制御CPU(CPU101)と遊技媒体数制御CPU(CPU301)を接続する所定の信号線を有しており、第三領域(領域A3)において所定の信号線に接続するように実装されている電子部品(抵抗素子106)は、主制御CPUの本体部の下面高さ及び遊技媒体数制御CPUの本体部の下面高さのいずれと比べても低い、ものと換言できる。
【0146】
図20(b)に示す通り、本実施形態におけるコンデンサ107の高さh3は、本体部101aの下面高さh1(=本体部301aの下面高さ)より高い。また、上述したように、コンデンサ107は、CPU101とCPU301の双方に接続している不図示の信号線に接続するように実装されている。
このように、CPU101に係る処理(遊技進行に係る処理)とCPU301に係る処理(メダル枚数制御に係る処理)の双方に影響する重要な電子部品であるコンデンサ107は、CPUの取り外し作業をする際に治具JGが干渉しないように、領域A1、領域A2、領域A3のいずれとも異なる領域に実装し、当該作業中に破損しないように配慮している。
【0147】
従って、所定の信号線に接続するように実装されており、且つ、主制御CPU(CPU101)の本体部の下面高さ及び遊技媒体数制御CPU(CPU301)の本体部の下面高さのいずれと比べても高い電子部品(コンデンサ107)は、第一領域(領域A1)、第二領域(領域A2)及び第三領域(領域A3)とは異なる領域に実装されている、ものと換言できる。
【0148】
上述したように、メイン基板100(領域A3)の裏面側にある領域A3’には、CPU101とCPU301の双方に接続している信号線が設けられることは許容されるが、何ら電子部品は実装されない。従って、CPUの取り外し作業によって、その裏面側に実装される電子部品が破損するといった作業ミスは発生しないようになっている。
【0149】
従って、特定基板(メイン基板100)は、主制御CPU(CPU101)と遊技媒体数制御CPU(CPU301)を接続する所定の信号線を有しており、第三領域(領域A3)の裏面に位置する第四領域(領域A3’)において所定の信号線の一部が設けられており、第四領域に電子部品が実装されない、ものと換言できる。
【0150】
上記のような配慮がなされている領域A3は、取り外し作業(本体部101aの下面側空間と本体部301aの下面側空間に治具JGを挿通させる作業)の作業性を考慮すると一定の大きさを有する必要がある。
本実施形態(
図20(a)及び
図20(b)に図示する配置)においては、領域A3の長さ(=ソケット105における挿入部の列間の端部及びソケット305における挿入部の列間の端部の間の距離)が、ソケット105の幅寸法とソケット305の幅寸法を足した長さより長いことが好ましい。
【0151】
なお、本実施形態では、CPU101(ソケット105)の長手方向と、CPU301(ソケット305)の長手方向と、が概ね一致し、直線状の治具JGを挿通可能な配置としたが、別の配置であっても、治具JGの形状を変形すれば本発明を実施することが可能である。
【0152】
例えば、
図21(a)は、CPU101(ソケット105)の長手方向と、CPU301(ソケット305)の長手方向と、が並行になっている変形例を示している。このとき、コの字型の治具JGを使用すれば、本体部101aの下面側空間と本体部301aの下面側空間に治具JGを挿通させることが可能である。
ここで、コの字型の治具JGの挿入作業のために、CPU101(ソケット105)の長手方向に存在する領域A31は、ソケット105の幅寸法より長い直線状であることが好ましい。同様に、CPU301(ソケット305)の長手方向に存在する領域A32は、ソケット305の幅寸法より長い直線状であることが好ましい。ただし、領域A31と領域A32とを結ぶ領域A33の形状やサイズは特に問わない。
【0153】
あるいは、
図21(b)は、CPU101(ソケット105)の長手方向と、CPU301(ソケット305)の長手方向と、が45度に交差する変形例を示している。このとき、45度に曲がっている治具JGを使用すれば、本体部101aの下面側空間と本体部301aの下面側空間のうち一方を挿通することが可能である。
ここで、領域A31と領域A33については、
図21(a)に示す変形例と同様に、ソケット105(ソケット305)の幅寸法より長い直線状であることが好ましい。なお、領域A31と領域A32とを結ぶ領域A33の形状やサイズは特に問わない。
【0154】
以上説明したことを整理すると、本実施形態及びその変形例において、第三領域(領域A3)は、第一ソケット(ソケット105)の長手方向に延在し第一ソケットの幅寸法より長い第一直線部(領域A31)と、第二ソケット(ソケット305)の長手方向に延在し第二ソケットの幅寸法より長い第二直線部(領域A32)と、第一直線部と第二直線部とをつなぐ接続部(領域A33)と、を有する、ものと換言できる。
上記のような構成をしていることにより、治具JGの挿入作業が容易となり、取り外し作業におけるCPU101やCPU301の破損を抑制することができる。
【0155】
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
【0156】
上記の実施形態の説明において図示した各構成要素(電子部品を含む)の配置や個数は、一具体例に過ぎない。本発明の目的を達成する範囲において、各構成要素の配置を変更してもよく、図示しない構成要素を追加してもよく、図示した構成要素の一部を削除してもよい。
【0157】
上記の実施形態において開示した発明は、いずれも遊技進行に係る制御を司る主制御基板(メイン基板100)によって実施することを例示したが、一部の発明については必ずしも主制御基板で実施する必要はなく、他の基板によって実施することも可能である。
【0158】
上記の実施形態において開示した発明は、いずれもメダルレスのスロットマシンで実施することを例示したが、一部の発明については必ずしもメダルレスのスロットマシンで実施する必要はなく、遊技メダルを使用するスロットマシンや遊技球を使用するパチンコ遊技機によって実施可能である。
【0159】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0160】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)特定基板と、前記特定基板を収納する基板ケースと、を備え、前記基板ケースは、第一の回転軸で回転することによって格納位置と展開位置との間で回動可能に構成され、第二の回転軸で回転することによって第一位置と第二位置との間で回動可能に構成されているカバー部を有しており、前記基板ケースが前記格納位置から前記展開位置へ回動する経路上又は前記展開位置で、特定部材と前記基板ケースとが干渉する際に、前記カバー部が前記特定部材に接触するときがあり、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲が、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第一位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触し得る前記基板ケースの回転角度の範囲に比べて広く、前記カバー部は、前記第一位置から前記第二位置に回動するとき、前記特定部材に近づく方向に回動し、前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触したとき、前記カバー部が前記第二位置から前記第一位置に向けて回動し得る、ことを特徴とする遊技機。
(2)前記特定基板は、操作可能な操作部品を有しており、前記カバー部が前記第二位置にあるとき、前記操作部品が操作可能であり、前記操作部品が操作可能な状態において前記カバー部は前記第二位置から前記第一位置への回動が制限され得、前記操作部品が操作可能な状態であって且つ前記基板ケースと前記特定部材とが干渉して前記第二位置にある前記カバー部が前記特定部材に接触するときであっても、前記操作部品は前記特定部材に接触しない、(1)に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0161】
10 遊技機
20 前面扉
21 上部パネル
22 下部パネル
23 ベットボタン
23a 最大ベットボタン
23b 単一ベットボタン
24 メニュー選択ボタン
24a 十字キーボタン
24b 決定ボタン
25 状態表示LED
25a 賭け数表示LED
25b 獲得枚数表示LED
25c 指示表示LED
25d 再遊技表示LED
25e 遊技開始表示LED
25f 投入可能表示LED
25g 有利モード表示LED
26 スタートレバー
27(27L、27C、27R) ストップボタン
27a 停止可能表示LED
28 メダル枚数表示LED
32 精算ボタン
33 メダル計数ボタン
34 ドア錠
36(36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36h) 装飾LED
38(38a、38b、38c、38d) スピーカ
41(41a、41b、41c、41d、41e、41f、41g、41h) 装飾LED基板
42 状態表示LED基板
43 ストップボタン基板
43a ストップボタンセンサ
44 スタートレバーセンサ
45 ベットボタン基板
45a 最大ベットボタンセンサ
45b 単一ベットボタンセンサ
45c プッシュボタンセンサ
46 メニュー選択ボタン基板
46a 十字キーボタンセンサ
46b 決定ボタンセンサ
48 設定変更装置
48a 設定キースイッチ
48b 設定変更スイッチ
48c 設定表示LED
48d 設定キーカバー
49(49a、49b、49c、49d) スピーカ
50 メダル枚数表示LED基板
51 メダル計数ボタン基板
51a メダル計数ボタンセンサ
53 操作基板カバー
60 遊技機本体部
62 演出表示領域
63 演出表示装置
64 リール枠
65(65L、65C、65R) リール
66(66L、66C、66R) リールセンサ
67(67L、67C、67R) リール照明基板
68 リールモータ
81 メダル枚数クリアボタン
82 エラー解除ボタン
90 外枠
90a 左側側壁
90b 右側側壁
90c 天板
90d 底板
90e 奥側側壁
91 電源装置
96 ヒンジ部
96a 上段ヒンジ部
96b 中段ヒンジ部
96c 下段ヒンジ部
100 メイン基板
101、201、301 CPU
102、202、302 RAM
103、203 ROM
104 乱数回路
105 ソケット
106 抵抗素子
107 コンデンサ
108 ボタン部材
110 遊技進行管理部
111 内部抽選部
112 リール制御部
113 入賞判定部
114 メダル管理部
115 状態表示LED制御部
120 状態管理部
121 設定変更管理部
122 遊技状態管理部
124 遊技モード管理部
125 メインエラー管理部
130 メイン通信部
131 制御コマンド送受信部
132 外部信号送信部
140 クレジット管理部
200 サブ基板
204 乱数回路
210 サブ通信部
211 制御コマンド受信部
220 演出管理部
221 演出制御部
222 演出表示制御部
223 音声制御部
224 装飾LED制御部
305 ソケット
400 制御基板ケース
410 第1ケース部材
411、412 凹部
413 取付部
420 カバー部
450 第2ケース部材
451 上挿通部
452 下挿通部
510 取付ブラケット
511 上挿通孔
512 下挿通孔
520 係止用ブラケット
530 スペーサ
550 結束バンド
1000 専用ユニット
L1~L5 ライン
A1~A5、A1’~A3’ 領域
Z1、Z2、X3 軸