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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163324
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241114BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 350Z
H04N5/64 571A
H04N5/64 571Q
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024159251
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2023071310の分割
【原出願日】2014-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2013090873
(32)【優先日】2013-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】平形 吉晴
(72)【発明者】
【氏名】池田 寿雄
(57)【要約】
【課題】表示装置が有する複数の表示パネルを一つの画面として用いる際の、表示の分離
感を抑制する。
【解決手段】表示領域及び非表示領域を有する表示パネルと、表示領域と重なる第1の面
、及び第1の面と連続し、非表示領域と重なる第2の面を有する支持体と、を有する表示
ユニットを2つと、該2つの表示ユニットに挟まれる連結部を有し、該2つの表示ユニッ
トを支持する、折りたたみ可能な筐体と、を有し、該2つの表示ユニットは、互いの支持
体の第1の面が同じ方向を向き、且つ、互いの支持体の第2の面が対向して、展開された
状態の該筐体に配置される表示装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び非表示領域を有する表示パネルと、前記表示領域と重なる第1の面、及び前記第1の面と連続し、前記非表示領域と重なる第2の面を有する支持体と、をそれぞれ有する2つの表示ユニットと、
前記2つの表示ユニットに挟まれた連結部を有し、前記2つの表示ユニットを支持する、折りたたみ可能な筐体と、を有し、
前記筐体が展開された状態において、前記2つの表示ユニットは、互いの前記支持体の第1の面が同じ方向を向き、互いの前記支持体の第2の面が対向するように配置された表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、電子機器、又はそれらの作製方法に関する。特に、エレクトロルミ
ネッセンス(Electroluminescence、以下ELとも記す)現象を利用
した表示装置、電子機器、又はそれらの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は様々な用途への応用が期待されており、多様化が求められている。例え
ば、携帯機器用途等の表示装置では、小型であること、薄型であること、軽量であること
等が求められている。一方で、表示装置は大きな画面である(表示領域が広い)ことが望
まれ、表示装置における表示領域以外の面積の縮小化(いわゆる狭額縁化)も求められて
いる。
【0003】
また、EL現象を利用した発光素子(EL素子とも記す)は、薄型軽量化が容易である、
入力信号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴
を有し、表示装置への応用が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1に、複数のディスプレイを折りたたみ式で開閉できるように構成する
ことにより、大画面を実現し、また、小型化及び軽量化を向上させた携帯用通信装置が開
示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-184026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、各ディスプレイは、表示領域を囲むように非表示領域を有するため、特許文献1
の構成では、2つのディスプレイのつなぎ目とその近傍に非表示領域が存在する。該非表
示領域が広ければ広いほど、複数のディスプレイを用いて表示された一つの画像は、視認
者にとって分離したように視認されてしまう。
【0007】
本発明の一態様は、新規な表示装置又は電子機器を提供することを目的の一とする。また
は、本発明の一態様は、複数の表示パネルを一つの画面として用いる際に、表示の分離感
が抑制された表示装置又は電子機器を提供することを目的の一とする。または、本発明の
一態様は、小型である表示装置又は電子機器を提供することを目的の一とする。または、
本発明の一態様は、軽量である表示装置又は電子機器を提供することを目的の一とする。
または、本発明の一態様は、狭額縁である表示装置又は電子機器を提供することを目的の
一とする。または、本発明の一態様は、破損しにくい表示装置又は電子機器を提供するこ
とを目的の一とする。
【0008】
なお、本発明の一態様は、上記の課題の全てを解決する必要はないものとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、表示領域及び非表示領域を有する表示パネルと、表示領域と重なる第
1の面、及び第1の面と連続し、非表示領域と重なる第2の面を有する支持体と、を有す
る表示ユニットを2つと、該2つの表示ユニットに挟まれる連結部を有し、該2つの表示
ユニットを支持する、折りたたみ可能な筐体と、を有し、該2つの表示ユニットは、互い
の支持体の第1の面が同じ方向を向き、且つ、互いの支持体の第2の面が対向して、展開
された状態の該筐体に配置される表示装置である。
【0010】
上記構成において、表示パネルは、可撓性を有することが好ましい。
【0011】
上記構成において、表示領域は、第2の面と重なることが好ましい。
【0012】
上記構成において、該2つの表示ユニットは、互いに対向する支持体の第2の面側で接し
て、展開された状態の該筐体に配置されることが好ましい。
【0013】
上記構成において、該2つの表示ユニットは、該筐体から着脱可能に配置されることが好
ましい。
【0014】
上記構成において、該2つの表示ユニットの距離が可変であることが好ましい。例えば、
少なくとも一方の表示ユニットが、他方の表示ユニットに向けて可動であればよい。
【0015】
上記構成において、支持体は、第2の面と対向し、表示パネルの非表示領域と重なる第3
の面を有することが好ましい。さらに、該第3の面が、表示領域と重なることが好ましい
【0016】
また、上記各構成の表示装置を用いた電子機器も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様では、新規な表示装置又は電子機器を提供できる。または、本発明の一態
様では、複数の表示パネルを一つの画面として用いる際に、表示の分離感が抑制された表
示装置又は電子機器を提供できる。または、本発明の一態様では、小型である表示装置又
は電子機器を提供できる。または、本発明の一態様では、軽量である表示装置又は電子機
器を提供できる。または、本発明の一態様では、狭額縁である表示装置又は電子機器を提
供できる。または、本発明の一態様では、破損しにくい表示装置又は電子機器を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】表示装置及び表示ユニットの一例を示す図。
図2】表示装置の一例を示す図。
図3】表示装置及び表示ユニットの一例を示す図。
図4】表示装置の一例を示す図。
図5】表示装置の一例を示す図。
図6】筐体の一例を示す図。
図7】表示パネルの一例を示す図。
図8】本発明の一態様の表示パネルの一例を示す図。
図9】本発明の一態様の表示パネルの一例を示す図。
図10】本発明の一態様の表示パネルの一例を示す図。
図11】本発明の一態様の表示パネルの一例を示す図。
図12】本発明の一態様の表示パネルの作製方法の一例を示す図。
図13】本発明の一態様の表示パネルの作製方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定さ
れず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し
得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0020】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の
機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0021】
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実
際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必
ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の一態様の表示装置について図1図7を用いて説明する。
【0023】
<本発明の一態様の表示装置の構成>
本発明の一態様の表示装置は、2つの表示ユニットと1つの筐体を有する。各表示ユニッ
トは、表示領域及び非表示領域を有する表示パネルと、該表示領域と重なる第1の面、及
び第1の面と連続し、該非表示領域と重なる第2の面を有する支持体と、を有する。筐体
は、折りたたみ可能である。筐体は、2つの表示ユニットに挟まれる連結部を有する。筐
体は、2つの表示ユニットを支持する。2つの表示ユニットは、互いの支持体の第1の面
が同じ方向を向き、且つ、互いの支持体の第2の面が対向して、展開された状態の筐体に
配置される。表示装置では、支持体の第1の面と重なる表示パネルの表示領域による表示
が、表示装置の使用者に視認される。なお、本発明の一態様において、支持体の第1の面
とは、支持体の他の面を介さずに、表示パネルの表示領域と重なる面を指す。同様に、本
発明の一態様において、支持体の第2の面とは、支持体の他の面を介さずに、表示パネル
の非表示領域と重なる面を指す。
【0024】
本発明の一態様の表示装置は、折りたたみ可能である。したがって、使用者は、表示装置
を折りたたんで小型化することで、該表示装置を容易に持ち運ぶことができる。また、使
用者は、表示装置を展開し、2つの表示ユニットを一つの画面として用いることで、大画
面の表示を視認できる。さらに、本発明の一態様の表示装置では、一方の表示ユニットに
おける表示領域と他方の表示ユニットにおける表示領域との間には非表示領域がほとんど
存在しない(又は全く存在しない)ため、2つの表示ユニットを一つの画面として用いる
際の、表示の分離感が抑制されている。また、表示装置が展開された状態と折りたたまれ
た状態を繰り返しても、表示パネル自体は変形しない(曲げや伸び縮みを繰り返さない)
。つまり、本発明の一態様の表示装置は、変形による表示パネルの寿命の低下等が抑制さ
れており、信頼性が高い。
【0025】
まず、表示装置の構成の一例について説明する。
【0026】
図1(A)に表示装置110の展開途中の状態の斜視図を示し、図1(B)に表示装置1
10の折りたたまれた状態の斜視図を示す。
【0027】
表示装置110は、筐体103と2つの表示ユニット101を有する。2つの表示ユニッ
ト101は、同一の構成であってもよいし、それぞれ異なる構成であってもよい。
【0028】
筐体103は折りたたみ可能である。筐体103は、2つの表示ユニット101に挟まれ
る(具体的には、2つの表示ユニット101の間で、該2つの表示ユニット101の一部
と重なる)連結部106(例えば、ヒンジ又は蝶番等)を有する。筐体103は、2つの
表示ユニット101を支持する。
【0029】
図1(A)では、筐体103が凹部を有し、凹部内に表示ユニット101が配置されてい
る例を示す。表示ユニット101は筐体103と接着されていてもよいし、着脱可能に固
定されていてもよい。
【0030】
表示装置110は、折りたたみ可能である。したがって、使用者は、表示装置110を折
りたたんで小型化することで、表示装置110を容易に持ち運ぶことができる。また、使
用者は、表示装置110を展開し、2つの表示ユニットを一つの画面として用いることで
、大画面の表示を視認できる。また、表示装置110が展開された状態と折りたたまれた
状態を繰り返しても、表示ユニット101自体は変形しない。つまり、表示装置110は
、変形による表示ユニット101の寿命の低下等が抑制されており、信頼性が高い。
【0031】
表示ユニット101の構成例を図1(C)、(D)にそれぞれ示す。
【0032】
図1(C)に、表示ユニット101aの斜視図と、斜視図における矢印Aの方向からみた
平面図及び矢印Bの方向からみた平面図と、を示す。図1(D)に、表示ユニット101
bの斜視図と、斜視図における矢印Aの方向からみた平面図及び矢印Bの方向からみた平
面図と、を示す。
【0033】
表示ユニット101a、bは、それぞれ、支持体201と表示パネル203を有する。表
示パネル203は、表示領域203a及び非表示領域203bを有する。
【0034】
表示ユニット101a、bでは、斜視図における矢印Aの方向から視認できる支持体20
1の第1の面と表示領域203aが重なり、斜視図における矢印Cの方向から視認できる
支持体201の第2の面と非表示領域203bが重なる。さらに、表示ユニット101b
では、支持体201の第2の面と対向する第3の面と非表示領域203bが重なる。ここ
で、図1(C)、(D)の斜視図における矢印Bの方向からみた平面図では、表示パネル
203における非表示領域203bを点線で囲って示している。
【0035】
表示パネルでは、例えば、表示領域を囲むように非表示領域が設けられる。本発明の一態
様では、表示ユニット101aのように、支持体201の連続する2面の一方(第1の面
)が表示領域203aと重なり、他方(第2の面)が非表示領域203bと重なる。支持
体201の2面以上に表示パネル203を重ねることで、支持体201のある1面のみに
表示パネル203を重ねる場合に比べて、第1の面で表示領域203aが占める面積の割
合が大きくなり、表示ユニットをより狭額縁にすることができる。
【0036】
また、表示ユニット101bのように、支持体201の3面以上に表示パネル203が重
なり、支持体201の連続する3面のうち、離れた2面(第2の面及び第3の面)と非表
示領域203bが重なり、該離れた2面に挟まれた面(第1の面)と表示領域203aが
重なることで、第1の面で表示領域203aが占める面積の割合が大きくなり、表示ユニ
ットをより狭額縁にすることができる。
【0037】
表示ユニット101a、bの少なくとも一方を、図1(A)に示す表示ユニット101に
適用すると、2つの表示ユニット101が接する領域近傍では、一方の表示ユニット10
1における表示領域203aと、他方の表示ユニット101における表示領域203aと
の間に非表示領域がほとんど存在しない。したがって、2つの表示ユニット101を一つ
の画面として用いる際に、表示の分離感が抑制された表示装置とすることができる。
【0038】
図1(C)、(D)に示すように、非表示領域203bは、第1の面と対向する面と重な
っていてもよい。
【0039】
非表示領域203bは、支持体201の第1の面と対向する面や、第1の面と連続する面
(上記の第2の面や第3の面)に重ねることができるため、本発明の一態様の表示ユニッ
トが有する表示パネルは、狭額縁である必要がない。例えば、有機EL素子を用いた表示
パネルの場合、表示領域203aの外周を囲む非表示領域203bの面積が広いほど、表
示パネルの端部と有機EL素子との距離が広くなるため好ましい。これにより、表示パネ
ルの外部から水分や酸素等の不純物が有機EL素子に侵入しにくくなる(又は到達しにく
くなる)ため、表示パネルの信頼性を高めることができる。
【0040】
図7(A)、(B)に示す表示パネルにおいて、領域301が、表示パネルにおいて支持
体201の第1の面と重なる領域であり、領域303が、表示パネルにおいて支持体20
1の第1の面と対向する面や、第1の面と連続する面(上記第2の面や第3の面)と重な
る領域とする。図7(A)、(B)において表示領域203aの面積は同じである。さら
に、表示領域203aは全て第1の面と重なる領域に含まれる。図7(A)に比べて、図
7(B)は、領域303が広い。したがって、表示パネルの端部を通って有機EL素子に
、表示パネルの外部の水分や酸素等の不純物が到達しにくくなるため、好ましい。例えば
、表示パネル203が、支持体201の第1の面と対向する面と重なる領域の面積は、該
第1の面と対向する面の面積の10%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましく、5
0%以上が特に好ましい。
【0041】
また、図1(C)、(D)に示すように、表示領域203aは、第1の面だけでなく、第
2の面と重なっていることが好ましい。表示ユニット101a、bの少なくとも一方を、
図1(A)に示す表示ユニット101に適用すると、2つの表示ユニット101が接する
領域近傍では、一方の表示ユニット101における表示領域203aと、他方の表示ユニ
ット101における表示領域203aとの間に非表示領域がほとんど存在しない。したが
って、2つの表示ユニット101を一つの画面として用いる際に、表示の分離感が抑制さ
れた表示装置とすることができる。
【0042】
さらに、表示ユニット101bでは、表示領域203aが第3の面と重なると、第1の面
における表示領域203aが占める面積の割合が大きくなるため好ましい。
【0043】
次に、表示装置の別の構成例について説明する。
【0044】
図2(A)に表示装置120の展開された状態の平面図を示し、図2(B)に表示装置1
20の折りたたまれた状態の平面図を示し、図2(C)に表示装置120の展開された状
態の斜視図を示し、図2(D)に表示装置120の折りたたまれた状態の斜視図を示す。
【0045】
表示装置120は、筐体103aと2つの表示ユニット(それぞれ支持体201及び表示
パネル203を有する)とを有する。2つの表示ユニットの距離は可変である。本発明の
一態様の表示装置では、2つの表示ユニットの少なくとも一方が図2(A)の紙面横方向
に可動であり、表示装置120では、2つの表示ユニットの双方が図2(A)の紙面横方
向に可動である例を示す。
【0046】
ここで表示装置120では、2つの表示ユニットの双方が、図3(A)に示した表示ユニ
ット101cである場合を示したが、これに限られない。例えば、図1(C)、(D)に
それぞれ示した表示ユニット101a、bや図3(B)に示す表示ユニット101dを用
いてもよい。例えば、2つの表示ユニットの一方が表示ユニット101a、他方が表示ユ
ニット101cであってもよい。なお、表示ユニット101cの構成は、凸部205を有
する以外は、表示ユニット101aと同様であり、表示ユニット101dの構成は、凸部
205を有する以外は、表示ユニット101bと同様である。
【0047】
図6(A)に、筐体103aの斜視図及び平面図を示す。筐体103aは折りたたみ可能
である。筐体103aは、2つの表示ユニットに挟まれる連結部106を有する。筐体1
03aは、凹部を有し、該凹部内に配置された2つの表示ユニットを支持する。図2(A
)~(D)では、筐体103aが有する凹部内に表示ユニットが着脱可能に配置されてい
る例を示す。
【0048】
図2(A)において、2つの表示ユニットは、紙面横方向に可動であり、支持体201が
有する凸部205(ツメ)や、筐体103aが有する凸部207(ツメ)により、筐体1
03aに表示ユニットを固定することができる。凸部205や凸部207の位置は特に限
定されない。例えば、凸部207は、筐体103aの凹部の底面や側面に接して設けられ
ていればよい。
【0049】
図2(A)~(D)では、2つの表示ユニットが離れている例を示したが、表示ユニット
の少なくとも一方を動かすことで、2つの表示ユニットを接触又は近接させることができ
る。後述する表示装置140にて図面を用いて詳述する。
【0050】
展開された状態の表示装置で表示を行う際、2つの表示ユニットは接していることが好ま
しい。具体的には、2つの表示ユニットは、互いに対向する支持体201の第2の面側で
接して、展開された状態の筐体103aに配置されることが好ましい。これにより、2つ
の表示ユニットを一つの画面として用いる際の、表示の分離感が抑制できる。なお、展開
された状態の表示装置で、2つの表示ユニットがそれぞれ独立に表示を行う場合は、2つ
の表示ユニットの位置は特に限定されない。
【0051】
また、表示装置を折りたたむ際、2つの表示ユニットは離れていることが好ましい。これ
により、図2(D)に示す表示装置における連結部106を有する側面では、筐体103
aと同一平面上に表示ユニットが露出しないため、支持体201や表示パネル203が傷
つき破損することを抑制できる。
【0052】
図2(B)では、表示ユニットが表示装置の内側に配置されるように表示装置が折りたた
まれる構成を示したが、本発明はこれに限られない。
【0053】
図3(C)に示す表示装置130は、表示ユニットが表示装置130の外側に配置される
ように折りたたまれる。したがって、折りたたまれた状態でも、表示装置130の対向す
る2面では、それぞれ独立に1つの表示ユニットによる表示を行うことができる。
【0054】
本発明の一態様の表示装置は、表示ユニットを表示装置の外側及び内側のどちらに配置さ
れるようにも折りたたむことができる。このような構成では、表示装置を展開して表示ユ
ニットによる表示を視認するだけでなく、表示ユニットが表示装置の外側に配置されるよ
うに表示装置を折りたたむことでも、表示ユニットによる表示を視認することができる。
そして、表示ユニットが表示装置の内側に配置されるように表示装置を折りたたむことで
、表示装置を使用しない際に表示パネルが傷つき破損することを防止できる。
【0055】
さらに、表示装置の別の構成例について説明する。
【0056】
図4(A)、図5(A)に表示装置140の展開された状態の平面図を示し、図4(B)
図5(B)に表示装置140の展開された状態の斜視図を示し、図5(C)に表示装置
140の折りたたまれた状態の斜視図を示す。図4(A)、(B)では、2つの表示ユニ
ットが接していない場合の例を示し、図5(A)~(C)では、2つの表示ユニットが接
する場合の例を示す。
【0057】
表示装置140は、筐体103bと2つの表示ユニット(それぞれ支持体201及び表示
パネル203を有する)とを有する。ここでは、2つの表示ユニットの双方がそれぞれ図
3(A)に示す表示ユニット101cである場合を示す。
【0058】
図6(B)に、筐体103bの斜視図及び平面図を示す。筐体103bは折りたたみ可能
である。筐体103bは、2つの表示ユニットに挟まれる連結部106を有する。筐体1
03bは、溝部(凹部)を有し、該溝部内に配置された2つの表示ユニットを支持する。
図4(A)、(B)、図5(A)~(C)では、筐体103bが有する溝部内に表示ユニ
ットが着脱可能に配置されている例を示す。筐体103bは、支持体201の第1の面の
一部(特に表示パネル203の非表示領域と重なる部分が好ましい)を覆う。これにより
、表示装置が表示ユニットと筐体とに分解しにくくなり好ましい。
【0059】
図4(A)、図5(A)において、2つの表示ユニットは、紙面横方向に可動であり、支
持体201が有する凸部205(ツメ)や、筐体103bが有する凸部207(ツメ)に
より、筐体103bに表示ユニットを固定することができる。
【0060】
表示装置140では、2つの表示ユニットの少なくとも一方を動かすことで、2つの表示
ユニットを接触又は近接させることができる。
【0061】
展開された状態の表示装置で表示を行う際、図5(A)、(B)に示すように、2つの表
示ユニットは接していることが好ましい。具体的には、2つの表示ユニットは、互いに対
向する支持体201の第2の面側で接して、展開された状態の筐体103bに配置される
ことが好ましい。これにより、2つの表示ユニットを一つの画面として用いる際の、表示
の分離感が抑制できる。
【0062】
また、表示装置を折りたたむ際、2つの表示ユニットは離れていることが好ましい(図2
(D)の表示装置120の斜視図を参酌できる)。図5(C)に示す、2つの表示ユニッ
トが接している状態では、表示装置における連結部106を有する側面にて、筐体103
bと同一平面上に表示ユニットが露出するため、支持体201や表示パネル203が傷つ
き破損する場合がある。
【0063】
<本発明の一態様の表示装置に用いることができる材料>
次に、本発明の一態様の表示装置に用いることができる材料の一例について説明する。
【0064】
[筐体、支持体]
筐体や支持体は、プラスチック、金属、合金、ゴム等を用いて形成できる。プラスチック
やゴム等を用いることで、軽量であり、破損しにくい筐体や支持体を得られるため、好ま
しい。
【0065】
筐体に表示ユニットを接着する場合や、支持体と表示パネルを接着する場合には、各種接
着剤を用いることができ、例えば、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する樹脂、光硬化
性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂を用いることができる。また、シート状の接着剤を
用いてもよい。
【0066】
[表示パネル]
表示パネルは可撓性を有することが好ましい。なお、表示パネルは可撓性を有していなく
てもよい。例えば、表示装置に合うようにあらかじめ成形された表示パネルを用いてもよ
い。
【0067】
表示パネルが有する表示素子は特に限定されず、液晶素子、発光素子(発光ダイオード、
有機EL素子、無機EL素子等)、プラズマチューブ等を用いることができる。
【0068】
例えば、有機EL素子を用いることで、軽量であり、且つ可撓性を有する表示パネルを容
易に実現できるため、好ましい。
【0069】
表示パネルは、アクティブマトリクス方式が適用されていても、パッシブマトリクス方式
が適用されていてもよい。
【0070】
アクティブマトリクス方式が適用された表示パネルである場合、表示パネルが有するトラ
ンジスタの構造は限定されず、トップゲート型のトランジスタを用いてもよいし、ボトム
ゲート型のトランジスタを用いてもよい。また、nチャネル型トランジスタを用いても、
pチャネル型トランジスタを用いてもよい。また、トランジスタに用いる材料についても
特に限定されない。例えば、シリコンやIn-Ga-Zn系金属酸化物等の酸化物半導体
をチャネル形成領域に用いたトランジスタを適用することができる。
【0071】
表示パネルは、タッチセンサ等のセンサを有していてもよい。
【0072】
表示パネルが有する基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐
衝撃性に優れ、破損しにくい表示パネルを実現できる。例えば、有機樹脂や、厚さの薄い
金属材料や合金材料を用いた基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽
量であり、破損しにくい表示パネルを実現できる。
【0073】
可撓性を有する表示パネルは、様々な作製方法を用いて作製できる。可撓性基板が作製工
程でかかる温度に耐えられる場合は、該可撓性基板上に直接素子(表示素子、トランジス
タ、カラーフィルタ等)を作製すればよい。
【0074】
基板として、可撓性を有するが透水性が高く、耐熱性が低い材料(樹脂など)を用いなけ
ればならない場合、作製工程で基板に高温をかけることができないため、該基板上に作製
する素子の作製条件に制限がある。このような場合は、耐熱性の高い作製基板上に表示パ
ネルの一部の構成を作製した後、作製基板から可撓性基板へと該構成を転置する技術を用
いて可撓性の表示パネルを作製することができる。耐熱性の高い作製基板上でトランジス
タ等の作製を行えるため、信頼性の高いトランジスタや十分に低い透水性を有する絶縁層
を形成することができる。そして、それらを可撓性基板へと転置することで、信頼性が高
く可撓性の表示パネルを作製できる。
【0075】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0076】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができるフレキシブルな表示
パネルについて図8図13を用いて説明する。本実施の形態で例示する表示パネルを曲
げた際、表示パネルにおける曲率半径の最小値は、1mm以上150mm以下、1mm以
上100mm以下、1mm以上50mm以下、1mm以上10mm以下、又は2mm以上
5mm以下とすることができる。本実施の形態の表示パネルは、小さな曲率半径(例えば
2mm以上5mm以下)で折り曲げても素子が壊れることがなく、信頼性が高い。表示パ
ネルを小さな曲率半径で折り曲げることで、本発明の一態様の表示装置を薄型化すること
ができる。また、光取り出し部224を大きな曲率半径(例えば、5mm以上100mm
以下)で折り曲げることで、表示装置の側面に広い表示部を設けることができる。本実施
の形態の表示パネルを曲げる方向は問わない。また、曲げる箇所は1か所であっても2か
所以上であってもよい。
【0077】
<具体例1>
図8(A)に表示パネルの平面図を示し、図8(A)における一点鎖線A1-A2間の断
面図の一例を図8(B)に示す。
【0078】
図8(B)に示す表示パネルは、基板221、接着層223、絶縁層225、複数のトラ
ンジスタ、導電層157、絶縁層227、絶縁層229、複数の発光素子、絶縁層211
、封止層213、絶縁層261、着色層259、遮光層257、絶縁層255、接着層2
58、及び基板222を有する。
【0079】
導電層157は、接続体215を介してFPC228と電気的に接続する。
【0080】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下部
電極231は、トランジスタ240のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。
下部電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素子230はトップエミッ
ション構造である。上部電極235は透光性を有し、EL層233が発する光を透過する
【0081】
発光素子230と重なる位置に、着色層259が設けられ、絶縁層211と重なる位置に
遮光層257が設けられている。着色層259及び遮光層257は絶縁層261で覆われ
ている。発光素子230と絶縁層261の間は封止層213で充填されている。
【0082】
表示パネルは、光取り出し部224及び駆動回路部226に、複数のトランジスタを有す
る。トランジスタ240は、絶縁層225上に設けられている。絶縁層225と基板22
1は接着層223によって貼り合わされている。また、絶縁層255と基板222は接着
層258によって貼り合わされている。絶縁層225や絶縁層255に透水性の低い膜を
用いると、発光素子230やトランジスタ240に水等の不純物が侵入することを抑制で
き、表示パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0083】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含
む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸
化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0084】
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/m・day]以下
、好ましくは1×10-6[g/m・day]以下、より好ましくは1×10-7[g
/m・day]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/m・day]以下とする
【0085】
具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層225やトランジスタ240、発光素子
230を作製し、該作製基板を剥離し、接着層223を用いて基板221上に絶縁層22
5やトランジスタ240、発光素子230を転置することで作製できる表示パネルを示し
ている。また、具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層255、着色層259及
び遮光層257を作製し、該作製基板を剥離し、接着層258を用いて基板222上に絶
縁層255、着色層259及び遮光層257を転置することで作製できる表示パネルを示
している。
【0086】
基板に、耐熱性が低い材料(樹脂など)を用いる場合、作製工程で基板に高温をかけるこ
とができないため、該基板上にトランジスタや絶縁膜を作製する条件に制限がある。また
、表示パネルの基板に透水性が高い材料(樹脂など)を用いる場合、基板と発光素子の間
に、高温をかけて、透水性の低い膜を形成することが好ましい。本実施の形態の作製方法
では、耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作製を行えるため、高温をかけて、信
頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い絶縁膜を形成することができる。そして、
それらを耐熱性の低い基板へと転置することで、信頼性の高い表示パネルを作製できる。
これにより、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い表示パネルを
実現できる。作製方法の詳細は後述する。
【0087】
基板221及び基板222には、それぞれ、靱性が高い材料を用いることが好ましい。こ
れにより、耐衝撃性に優れ、破損しにくい表示パネルを実現できる。例えば、基板222
を有機樹脂基板とし、基板221を厚さの薄い金属材料や合金材料を用いた基板とするこ
とで、基板にガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい表示パネルを
実現できる。
【0088】
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示パネ
ルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた基
板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下である
ことがより好ましい。
【0089】
また、基板221に、熱放射率が高い材料を用いると表示パネルの表面温度が高くなるこ
とを抑制でき、表示パネルの破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板221を金
属基板と熱放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる
)の積層構造としてもよい。
【0090】
<具体例2>
図9(A)に本発明の一態様の表示パネルにおける光取り出し部224の別の例を示す。
図9(A)の表示パネルは、タッチ操作が可能な表示パネルである。なお、以下の各具体
例では、具体例1と同様の構成については説明を省略する。
【0091】
図9(A)に示す表示パネルは、基板221、接着層223、絶縁層225、複数のトラ
ンジスタ、絶縁層227、絶縁層229、複数の発光素子、絶縁層211、絶縁層217
、封止層213、絶縁層261、着色層259、遮光層257、複数の受光素子、導電層
281、導電層283、絶縁層291、絶縁層293、絶縁層295、絶縁層255、接
着層258、及び基板222を有する。
【0092】
具体例2では、絶縁層211上に絶縁層217を有する。絶縁層217を設けることで、
基板222と基板221の間隔を調整することができる。
【0093】
図9(A)では、絶縁層255及び封止層213の間に受光素子を有する例を示す。表示
パネルの非発光領域(例えばトランジスタや配線が設けられた領域など、発光素子が設け
られていない領域)に重ねて受光素子を配置することができるため、画素(発光素子)の
開口率を低下させることなく表示パネルにタッチセンサを設けることができる。
【0094】
本発明の一態様の表示パネルが有する受光素子には、例えば、pn型又はpin型のフォ
トダイオードを用いることができる。本実施の形態では、受光素子として、p型半導体層
271、i型半導体層273、及びn型半導体層275を有するpin型のフォトダイオ
ードを用いる。
【0095】
なお、i型半導体層273は、含まれるp型を付与する不純物及びn型を付与する不純物
がそれぞれ1×1020cm-3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が100
倍以上である。i型半導体層273には、周期表第13族もしくは第15族の不純物元素
を有するものもその範疇に含む。すなわち、i型の半導体は、価電子制御を目的とした不
純物元素を意図的に添加しないときに弱いn型の電気伝導性を示すので、i型半導体層2
73は、p型を付与する不純物元素を、成膜時或いは成膜後に、意図的もしくは非意図的
に添加されたものをその範疇に含む。
【0096】
遮光層257は、受光素子よりも基板221側に位置しており、受光素子と重なる。受光
素子と封止層213との間に位置する遮光層257によって、発光素子230の発する光
が受光素子に照射されることを抑制できる。
【0097】
導電層281及び導電層283は、それぞれ受光素子と電気的に接続する。導電層281
は、受光素子に入射する光を透過する導電層を用いることが好ましい。導電層283は、
受光素子に入射する光を遮る導電層を用いることが好ましい。
【0098】
光学式タッチセンサを基板222と封止層213の間に有すると、発光素子230の発光
の影響を受けにくく、S/N比を向上させることができるため、好ましい。
【0099】
<具体例3>
図9(B)に本発明の一態様の表示パネルにおける光取り出し部224の別の例を示す。
図9(B)の表示パネルは、タッチ操作が可能な表示パネルである。
【0100】
図9(B)に示す表示パネルは、基板221、接着層223、絶縁層225、複数のトラ
ンジスタ、絶縁層227、絶縁層229a、絶縁層229b、複数の発光素子、絶縁層2
11、絶縁層217、封止層213、着色層259、遮光層257、複数の受光素子、導
電層280、導電層281、絶縁層255、接着層258、及び基板222を有する。
【0101】
図9(B)では、絶縁層225及び封止層213の間に受光素子を有する例を示す。受光
素子を絶縁層225及び封止層213の間に設けることで、トランジスタ240を構成す
る導電層や半導体層と同一の材料、同一の工程で、受光素子と電気的に接続する導電層や
受光素子を構成する光電変換層を作製できる。したがって、作製工程を大きく増加させる
ことなく、タッチ操作が可能な表示パネルを作製できる。
【0102】
<具体例4>
図10(A)に本発明の一態様の表示パネルの別の例を示す。図10(A)の表示パネル
は、タッチ操作が可能な表示パネルである。
【0103】
図10(A)に示す表示パネルは、基板221、接着層223、絶縁層225、複数のト
ランジスタ、導電層156、導電層157、絶縁層227、絶縁層229、複数の発光素
子、絶縁層211、絶縁層217、封止層213、着色層259、遮光層257、絶縁層
255、導電層272、導電層274、絶縁層276、絶縁層278、導電層294、導
電層296、接着層258、及び基板222を有する。
【0104】
図10(A)では、絶縁層255及び封止層213の間に静電容量式のタッチセンサを有
する例を示す。静電容量式のタッチセンサは、導電層272及び導電層274を有する。
【0105】
導電層156及び導電層157は、接続体215を介してFPC228と電気的に接続す
る。導電層294及び導電層296は、導電性粒子292を介して導電層274と電気的
に接続する。したがって、FPC228を介して静電容量式のタッチセンサを駆動するこ
とができる。
【0106】
<具体例5>
図10(B)に本発明の一態様の表示パネルの別の例を示す。図10(B)の表示パネル
は、タッチ操作が可能な表示パネルである。
【0107】
図10(B)に示す表示パネルは、基板221、接着層223、絶縁層225、複数のト
ランジスタ、導電層156、導電層157、絶縁層227、絶縁層229、複数の発光素
子、絶縁層211、絶縁層217、封止層213、着色層259、遮光層257、絶縁層
255、導電層270、導電層272、導電層274、絶縁層276、絶縁層278、接
着層258、基板222を有する。
【0108】
図10(B)では、絶縁層255及び封止層213の間に静電容量式のタッチセンサを有
する例を示す。静電容量式のタッチセンサは、導電層272及び導電層274を有する。
【0109】
導電層156及び導電層157は、接続体215aを介してFPC228aと電気的に接
続する。導電層270は、接続体215bを介してFPC228bと電気的に接続する。
したがって、FPC228aを介して発光素子230やトランジスタ240を駆動し、F
PC228bを介して静電容量式のタッチセンサを駆動することができる。
【0110】
<具体例6>
図11(A)に本発明の一態様の表示パネルにおける光取り出し部224の別の例を示す
【0111】
図11(A)に示す表示パネルは、基板222、接着層258、絶縁層225、複数のト
ランジスタ、絶縁層227、導電層237、絶縁層229a、絶縁層229b、複数の発
光素子、絶縁層211、封止層213、着色層259、及び基板239を有する。
【0112】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下部
電極231は、導電層237を介してトランジスタ240のソース電極又はドレイン電極
と電気的に接続する。下部電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素子
230はボトムエミッション構造である。下部電極231は透光性を有し、EL層233
が発する光を透過する。
【0113】
発光素子230と重なる位置に、着色層259が設けられ、発光素子230が発する光は
、着色層259を介して基板222側に取り出される。発光素子230と基板239の間
は封止層213で充填されている。基板239は、前述の基板221と同様の材料を用い
て作製できる。
【0114】
<具体例7>
図11(B)に本発明の一態様の表示パネルの別の例を示す。
【0115】
図11(B)に示す表示パネルは、基板222、接着層258、絶縁層225、導電層3
10a、導電層310b、複数の発光素子、絶縁層211、導電層212、封止層213
、及び基板239を有する。
【0116】
導電層310a及び導電層310bは、表示パネルの外部接続電極であり、FPC等と電
気的に接続させることができる。
【0117】
発光素子230は、下部電極231、EL層233、及び上部電極235を有する。下部
電極231の端部は、絶縁層211で覆われている。発光素子230はボトムエミッショ
ン構造である。下部電極231は透光性を有し、EL層233が発する光を透過する。導
電層212は、下部電極231と電気的に接続する。
【0118】
基板222は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、凹凸構造が
施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板上に上記レ
ンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率を有する接着
剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を有する基板222を形成することができ
る。
【0119】
導電層212は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極231の抵抗に起因する電圧降下
を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極235と電気
的に接続する導電層を絶縁層211上、EL層233上、又は上部電極235上などに設
けてもよい。
【0120】
導電層212は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム
、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする合
金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層212の膜厚は、
例えば0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.5
μm以下である。
【0121】
上部電極235と電気的に接続する導電層の材料にペースト(銀ペーストなど)を用いる
と、該導電層を構成する金属が粒状になって凝集する。そのため、該導電層の表面が粗く
隙間の多い構成となり、例えば、絶縁層211上に該導電層を形成しても、EL層233
が該導電層を完全に覆うことが難しく、上部電極と該導電層との電気的な接続をとること
が容易になり好ましい。
【0122】
<材料の一例>
次に、本発明の一態様の表示パネルに用いることができる材料等を説明する。なお、本明
細書中で先に記載した内容も参酌できる。
【0123】
基板221、基板222、及び基板239として用いる材料としては、ガラスや金属、有
機樹脂等が挙げられる。表示パネルにおける表示面側の基板には、可視光を透過する材料
を用いる。
【0124】
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、基板として有機樹脂を用いると、ガラスを
用いる場合に比べて表示パネルを軽量化でき、好ましい。
【0125】
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の
厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(
PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES
)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが
好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いるこ
とができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に
混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
【0126】
基板としては、上記材料を用いた層が、表示パネルの表面を傷などから保護するハードコ
ート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミ
ド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。また、水分等による発光素子の寿
命の低下等を抑制するために、透水性の低い絶縁膜を有していてもよい。
【0127】
接着層223や接着層258のうち、表示パネルにおける表示面側の接着層には、可視光
を透過する材料を用いる。
【0128】
接着層には、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の
樹脂などの樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコー
ン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好
ましい。
【0129】
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化
カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いる
ことができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸
着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が発光素子に侵
入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
【0130】
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラー(酸化チタン等)を混合することにより、発光素
子からの光取り出し効率を向上させることができ、好ましい。
【0131】
また、接着層には、光を散乱させる散乱部材を有していてもよい。例えば、接着層には、
上記樹脂と上記樹脂と屈折率が異なる粒子との混合物を用いることもできる。該粒子は光
の散乱部材として機能する。
【0132】
樹脂と、該樹脂と屈折率の異なる粒子は、屈折率の差が0.1以上あることが好ましく、
0.3以上あることがより好ましい。具体的には樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、イミド樹脂、シリコーン等を用いることができる。また粒子としては、酸化チタン
、酸化バリウム、ゼオライト等を用いることができる。
【0133】
酸化チタンおよび酸化バリウムの粒子は、光を散乱させる性質が強く好ましい。またゼオ
ライトを用いると、樹脂等の有する水を吸着することができ、発光素子の信頼性を向上さ
せることができる。
【0134】
表示パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトラン
ジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型
又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半
導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。または、
In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも一
つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
【0135】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結
晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域
を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジ
スタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0136】
表示パネルが有する発光素子は、一対の電極(下部電極231及び上部電極235)と、
該一対の電極間に設けられたEL層233とを有する。該一対の電極の一方は陽極として
機能し、他方は陰極として機能する。
【0137】
発光素子は、トップエミッション構造、ボトムエミッション構造、デュアルエミッション
構造のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用
いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好
ましい。
【0138】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:I
ndium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加
した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、
ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしく
はチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例え
ば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。
また、上記材料の積層膜を導電膜として用いることができる。例えば、銀とマグネシウム
の合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。ま
た、グラフェン等を用いてもよい。
【0139】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングス
テン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又は
これら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタ
ン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチタ
ンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金等のアルミニ
ウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、銀
とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む合
金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金属
酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属
膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可
視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITOの
積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
【0140】
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、イン
クジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成
することができる。
【0141】
下部電極231及び上部電極235の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加する
と、EL層233に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入され
た電子と正孔はEL層233において再結合し、EL層233に含まれる発光物質が発光
する。
【0142】
EL層233は少なくとも発光層を有する。EL層233は、発光層以外の層として、正
孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質
、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物
質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0143】
EL層233には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機
化合物を含んでいてもよい。EL層233を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着
法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができ
る。
【0144】
絶縁層225、絶縁層255には、無機絶縁材料を用いることができる。特に、透水性の
低い絶縁膜を用いると、信頼性の高い表示パネルを実現できるため好ましい。
【0145】
絶縁層227は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏す
る。絶縁層227としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒
化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0146】
絶縁層229、絶縁層229a、及び絶縁層229bとしては、それぞれ、トランジスタ
起因等の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁膜を選択するのが好適である
。例えば、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料を用いること
ができる。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)等を用いること
ができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜や無機絶縁膜を用いた積層構造として
もよい。
【0147】
絶縁層211は、下部電極231の端部を覆って設けられている。絶縁層211の上層に
形成されるEL層233や上部電極235の被覆性を良好なものとするため、絶縁層21
1の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となることが好ましい。
【0148】
絶縁層211の材料としては、樹脂又は無機絶縁材料を用いることができる。樹脂として
は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキ
シ樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に、絶縁層211の作製が容易
となるため、ネガ型の感光性樹脂、あるいはポジ型の感光性樹脂を用いることが好ましい
【0149】
絶縁層211の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法、
蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷
等)等を用いればよい。
【0150】
絶縁層217は、無機絶縁材料又は有機絶縁材料等を用いて形成することができる。例え
ば、有機絶縁材料としては、ネガ型やポジ型の感光性樹脂、非感光性樹脂などを用いるこ
とができる。また、絶縁層217にかえて、導電層を形成してもよい。例えば、金属材料
を用いて形成することができる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いる
ことができる。絶縁層217の代わりに導電層を用い、導電層と上部電極235とを電気
的に接続させる構成とすることで、上部電極235の抵抗に起因した電位降下を抑制でき
る。また、絶縁層217は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
【0151】
絶縁層276、絶縁層278、絶縁層291、絶縁層293、絶縁層295は、それぞれ
、無機絶縁材料又は有機絶縁材料を用いて形成できる。特に絶縁層278や絶縁層295
は、センサ素子起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁層を用いること
が好ましい。
【0152】
封止層213には、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬
化性の樹脂などの樹脂を用いることができる。例えば、PVC(ポリビニルクロライド)
樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビ
ニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を用いることができる
。封止層213に乾燥剤が含まれていてもよい。また、封止層213を通過して発光素子
230の光が表示パネルの外に取り出される場合は、封止層213に屈折率の高いフィラ
ーや散乱部材を含むことが好ましい。乾燥剤、屈折率の高いフィラー、散乱部材について
は、接着層258に用いることができる材料と同様の材料が挙げられる。
【0153】
導電層156、導電層157、導電層294、及び導電層296は、それぞれ、トランジ
スタ又は発光素子を構成する導電層と同一の材料、同一の工程で形成できる。また、導電
層280は、トランジスタを構成する導電層と同一の材料、同一の工程で形成できる。
【0154】
例えば、上記導電層は、それぞれ、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステ
ン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合
金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、上記導電層は、それ
ぞれ、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化イ
ンジウム(In等)、酸化スズ(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、イ
ンジウム亜鉛酸化物(In-ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコ
ンを含ませたものを用いることができる。
【0155】
また、導電層237、導電層212、導電層310a及び導電層310bも、それぞれ、
上記金属材料、合金材料、又は導電性の金属酸化物等を用いて形成できる。
【0156】
導電層272及び導電層274、並びに、導電層281及び導電層283は、透光性を有
する導電層である。例えば、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛
、ガリウムを添加した酸化亜鉛等を用いることができる。また、導電層270は導電層2
72と同一の材料、同一の工程で形成できる。
【0157】
導電性粒子292は、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したもの
を用いる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。
またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子
を用いることが好ましい。
【0158】
接続体215としては、熱硬化性の樹脂に金属粒子を混ぜ合わせたペースト状又はシート
状の、熱圧着によって異方性の導電性を示す材料を用いることができる。金属粒子として
は、例えばニッケル粒子を金で被覆したものなど、2種類以上の金属が層状となった粒子
を用いることが好ましい。
【0159】
着色層259は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色の波長帯域の
光を透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過する緑色(G)の
カラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラーフィルタなどを用い
ることができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォト
リソグラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。
【0160】
また、隣接する着色層259の間に、遮光層257が設けられている。遮光層257は隣
接する発光素子から回り込む光を遮光し、隣接画素間における混色を抑制する。ここで、
着色層259の端部を、遮光層257と重なるように設けることにより、光漏れを抑制す
ることができる。遮光層257は、発光素子の発光を遮光する材料を用いることができ、
金属材料や顔料や染料を含む樹脂材料などを用いて形成することができる。なお、図8
B)に示すように、遮光層257を駆動回路部226などの光取り出し部224以外の領
域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
【0161】
また、着色層259と遮光層257を覆う絶縁層261を設けると、着色層259や遮光
層257に含まれる顔料などの不純物が発光素子等に拡散することを抑制できるため好ま
しい。絶縁層261は透光性の材料を用い、無機絶縁材料や有機絶縁材料を用いることが
できる。絶縁層261に透水性の低い絶縁膜を用いてもよい。なお、絶縁層261は不要
であれば設けなくてもよい。
【0162】
<作製方法例>
次に、本発明の一態様の表示パネルの作製方法を図12及び図13を用いて例示する。こ
こでは、具体例1(図8(B))の構成の表示パネルを例に挙げて説明する。
【0163】
まず、作製基板311上に剥離層313を形成し、剥離層313上に絶縁層225を形成
する。次に、絶縁層225上に複数のトランジスタ、導電層157、絶縁層227、絶縁
層229、複数の発光素子、及び絶縁層211を形成する。なお、導電層157が露出す
るように、絶縁層211、絶縁層229、及び絶縁層227は開口する(図12(A))
【0164】
また、作製基板305上に剥離層307を形成し、剥離層307上に絶縁層255を形成
する。次に、絶縁層255上に遮光層257、着色層259、及び絶縁層261を形成す
る(図12(B))。
【0165】
作製基板311及び作製基板305としては、それぞれ、ガラス基板、石英基板、サファ
イア基板、セラミック基板、金属基板、有機樹脂基板などを用いることができる。
【0166】
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス
、バリウムホウケイ酸ガラス等のガラス材料を用いることができる。後の加熱処理の温度
が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いるとよい。なお、酸化バリウムを多
く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガラスなどを用
いることができる。
【0167】
作製基板にガラス基板を用いる場合、作製基板と剥離層との間に、酸化シリコン膜、酸化
窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラス
基板からの汚染を防止でき、好ましい。
【0168】
剥離層313及び剥離層307としては、それぞれ、タングステン、モリブデン、チタン
、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム
、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む合
金材料、又は該元素を含む化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコン
を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0169】
剥離層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる。
なお、塗布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
【0170】
剥離層が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデ
ンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もしくは酸
化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタングステン
とモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。なお、タ
ングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当
する。
【0171】
また、剥離層として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造
を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁膜
を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む層
が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理
、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶
液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処
理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混合
気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層の表面状態を
変えることにより、剥離層と後に形成される絶縁層との密着性を制御することが可能であ
る。
【0172】
各絶縁層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成する
ことが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400℃
以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることができる。
【0173】
その後、作製基板305の着色層259等が設けられた面又は作製基板311の発光素子
230等が設けられた面に封止層213となる材料を塗布し、封止層213を介して該面
同士が対向するように、作製基板311及び作製基板305を貼り合わせる(図12(C
))。
【0174】
そして、作製基板311を剥離し、露出した絶縁層225と基板221を、接着層223
を用いて貼り合わせる。また、作製基板305を剥離し、露出した絶縁層255と基板2
22を、接着層258を用いて貼り合わせる。図13(A)では、基板222が導電層1
57と重ならない構成としたが、導電層157と基板222が重なっていてもよい。
【0175】
なお、剥離工程は、様々な方法を適宜用いることができる。例えば、剥離層として、被剥
離層と接する側に金属酸化膜を含む層を形成した場合は、当該金属酸化膜を結晶化により
脆弱化して、被剥離層を作製基板から剥離することができる。また、耐熱性の高い作製基
板と被剥離層の間に、剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を形成した場合はレーザ光の
照射又はエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、被剥離層を作製基板から
剥離することができる。また、剥離層として、被剥離層と接する側に金属酸化膜を含む層
を形成し、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF
、BrF、ClF等のフッ化ガスを用いたエッチングで除去した後、脆弱化された金
属酸化膜において剥離することができる。さらには、剥離層として窒素、酸素や水素等を
含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用
い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出
させ被剥離層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。また、被剥離層が形成され
た作製基板を機械的に除去又は溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ガスによる
エッチングで除去する方法等を用いることができる。この場合、剥離層を設けなくともよ
い。
【0176】
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に剥離工程を行うことができる。
つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメ
スなどによる機械的な除去を行い、剥離層と被剥離層とを剥離しやすい状態にしてから、
物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
【0177】
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて作製基板から被剥離層を剥離しても
よい。また、剥離を行う際に水などの液体をかけながら剥離してもよい。
【0178】
その他の剥離方法としては、剥離層をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と過
酸化水素水の混合溶液により剥離層をエッチングしながら剥離を行うとよい。
【0179】
なお、作製基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド、ポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル等の有機樹脂を形成し、有機樹脂
上に絶縁膜やトランジスタ等を形成する。この場合、有機樹脂を加熱することにより、作
製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。又は、作製基板と有機樹脂の間に金属
層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層を加熱し、金属層と有機樹脂の界面で剥
離を行ってもよい。
【0180】
最後に、絶縁層255及び封止層213を開口することで、導電層157を露出させる(
図13(B))。なお、基板222が導電層157と重なる構成の場合は、導電層157
を露出させるために、基板222及び接着層258も開口する(図13(C))。開口の
手段は特に限定されず、例えばレーザアブレーション法、エッチング法、イオンビームス
パッタリング法などを用いればよい。また、導電層157上の膜に鋭利な刃物等を用いて
切り込みを入れ、物理的な力で膜の一部を引き剥がしてもよい。
【0181】
以上により、本発明の一態様の表示パネルを作製することができる。
【0182】
以上に示したように、本発明の一態様の表示パネルは、基板222と、基板221又は基
板239と、の2枚の基板で構成される。さらにタッチセンサを含む構成であっても、2
枚の基板で構成することができる。基板の数を最低限とすることで、光の取り出し効率の
向上や表示の鮮明さの向上が容易となる。
【0183】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0184】
101 表示ユニット
101a 表示ユニット
101b 表示ユニット
101c 表示ユニット
101d 表示ユニット
103 筐体
103a 筐体
103b 筐体
106 連結部
110 表示装置
120 表示装置
130 表示装置
140 表示装置
156 導電層
157 導電層
201 支持体
203 表示パネル
203a 表示領域
203b 非表示領域
205 凸部
207 凸部
211 絶縁層
212 導電層
213 封止層
215 接続体
215a 接続体
215b 接続体
217 絶縁層
221 基板
222 基板
223 接着層
224 光取り出し部
225 絶縁層
226 駆動回路部
227 絶縁層
228 FPC
228a FPC
228b FPC
229 絶縁層
229a 絶縁層
229b 絶縁層
230 発光素子
231 下部電極
233 EL層
235 上部電極
237 導電層
239 基板
240 トランジスタ
255 絶縁層
257 遮光層
258 接着層
259 着色層
261 絶縁層
270 導電層
271 p型半導体層
272 導電層
273 i型半導体層
274 導電層
275 n型半導体層
276 絶縁層
278 絶縁層
280 導電層
281 導電層
283 導電層
291 絶縁層
292 導電性粒子
293 絶縁層
294 導電層
295 絶縁層
296 導電層
301 領域
303 領域
305 作製基板
307 剥離層
310a 導電層
310b 導電層
311 作製基板
313 剥離層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13