(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163334
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】球技用ベース
(51)【国際特許分類】
A63B 71/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A63B71/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024159867
(22)【出願日】2024-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】391050466
【氏名又は名称】日高 忍
(72)【発明者】
【氏名】日高 忍
(57)【要約】
【課題】野球やソフトボールなどの球技において、走者が1塁、2塁、3塁のベースを回るときに踏み外して怪我をするリスクを小さくし、容易にベースを回れる球技用ベースを提供すること。
【解決手段】野球やソフトボールの1塁、2塁、3塁で使用されるベースであって、略扁平直方体(1)の上面(2)が形成する略四角形の一の頂点(3)を含む角部(4)を除去して形成された、法線が斜め上方向きの略平面である踏み面(5)を有する球技用ベースにより解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野球やソフトボールの1塁、2塁、3塁で使用されるベースであって、
略扁平直方体(1)の上面(2)が形成する略四角形の一の頂点(3)を含む角部(4)を除去して形成された、法線が斜め上方向きの略平面である踏み面(5)を有する
ことを特徴とする球技用ベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球やソフトボールの1塁、2塁、3塁で使用されるベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球やソフトボールなどの球技において、走者が1塁、2塁、3塁のベースを回るときの理想の踏む位置はベースの内側(ピッチャーマウンド側)の角とされている。ここを踏むことで体が内側に傾き、スムーズに次の塁へ進むことができる。ベースの上面、特に中央部辺りを踏むとベース上で足が滑り、転倒の危険がある。野球の指導書などではこのような説明がよくなされている。
【0003】
また、走者が守備側のプレーヤーと衝突することを避けるため、それぞれの立ち位置を示す標識をベース上に設ける技術が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベースの内側の角は尖った形状であり、踏むには不安定な部分である。踏むべき目標が小さく尖った部分であるため、走者はある程度、走る速さを落として、慎重に踏むことが必要となる。その分、走塁のスピードは失われる。また、少しでも踏み外した場合は足首を捻挫するなど怪我のリスクも大きい。
【0006】
特許文献1に記載されている技術は、走者と守備側のプレーヤーが衝突することを避けるためのものであり、走者がベースを踏むときの足のリスクの問題を解決するものではない。
本発明は走者が容易にベースを回れるようにするものであり、上述の課題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、野球やソフトボールの1塁、2塁、3塁で使用されるベースであって、略扁平直方体の上面が形成する略四角形の一の頂点を含む角部を除去して形成された、法線が斜め上方向きの略平面である踏み面を有することを特徴とする球技用ベースである。
【発明の効果】
【0008】
走者がベースを踏み易くなり、従来よりも走塁のスピードを保つことができ、次の塁を狙う走塁が増える。その結果、二塁打、三塁打等におけるタッチプレイ、クロスプレイが増え、球技の面白みが増す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の球技用ベースの第一の実施の形態を説明するための斜視図である。
【
図2】本発明の球技用ベースの第一の実施の形態の斜視図である。
【
図3】本発明の球技用ベースの第一の実施の形態の斜視図である。
【
図4】本発明の球技用ベースの第二の実施の形態を説明するための斜視図である。
【
図5】本発明の球技用ベースの第二の実施の形態の斜視図である。
【
図6】本発明の球技用ベースの第二の実施の形態の斜視図である。
【
図8】本発明の球技用ベースの第一の実施の形態の第三角法による正投影図である。
【
図9】本発明の球技用ベースの第二の実施の形態の第三角法による正投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて説明する。
図7は、野球やソフトボールの1塁、2塁、3塁で使用されている従来のベース(71)の斜視図である。略扁平直方体の形状をしている。ベースをグランドに固定するための固定具は省略し、図示していない。実際のベースは稜線(72)や頂点(73)などが面取りされた形状、つまり角に丸みを持たせた形状となっている。また、中央部(74)が上方へ少し盛り上がった形状のものが多い。
本願ではこの角に丸みを持たせた形状のものや中央部(74)が上方へ少し盛り上がった形状のものを含めて略扁平直方体と呼ぶ。
【0011】
図1は本発明の球技用ベースの第一の実施の形態を説明するための斜視図である。
実線と破線で示す略扁平直方体(1)の上面(2)が形成する略四角形の一の頂点(3)を含む角部(4)(破線で表示)を除去する。除去面(5)が、法線が斜め上方向きの略平面となるように除去する。この場合の角部(4)は略角錐状である。
【0012】
このようにして形成された形状を有するベースが本発明の第一の実施の形態の球技用ベースである。除去面(5)が踏み面(5)となるものである。
図2に本発明の第一の実施の形態の球技用ベース(6)を示す。踏み面(5)は体が内側(ピッチャーマウンド側)に傾いた状態の走者が踏むための面であるので、水平面や鉛直面ではなく、想定される走者の体の傾きに合わせた傾きとなるようにその法線の傾きを定めればよい。
【0013】
また、
図3に踏み面(5)が正面に見える本発明の第一の実施の形態の球技用ベース(6)を示す。
図3において、球技用ベース(6)は略左右対称の形状であるが、必ずしも略左右対称の形状に限定されるものではない。
【0014】
本発明の第一の実施の形態の球技用ベース(6)を使用するときは、1塁、2塁、3塁ともに踏み面(5)がピッチャーマウンド側になるようにグランドに設置する。走者は踏み面(5)を安定に踏むことができ、スムーズに次の塁へ進むことができる。
図3に示した略左右対称の踏み面(5)であれば、左右対称でないものに比べ、走者はより安定して踏み面(5)を踏むことができる。なお、1塁ベースはピッチャーがベースカバーする場合に踏み面(5)を踏むと怪我の恐れがあるため、1塁は球技用ベース(6)を採用しない選択もある。
【0015】
図4は本発明の球技用ベースの第二の実施の形態を説明するための斜視図である。
実線と破線で示す略扁平直方体(41)の上面(42)が形成する略四角形の一の頂点(43)を含む角部(44)(破線で表示)を除去する。除去面(45)が、法線が斜め上方向きの略平面となるように除去する。この場合の角部(44)は略五面体状である。
【0016】
このようにして形成された形状を有するベースが本発明の第二の実施の形態の球技用ベースである。除去面(45)が踏み面(45)となるものである。
図5に本発明の第二の実施の形態の球技用ベース(46)を示す。第一の実施の形態と同様に、踏み面(45)は体が内側(ピッチャーマウンド側)に傾いた状態の走者が踏むための面であるので、水平面や鉛直面ではなく、想定される走者の体の傾きに合わせた傾きとなるようにその法線の傾きを定めればよい。
【0017】
また、
図6に踏み面(45)が正面に見える本発明の第二の実施の形態の球技用ベース(46)を示す。
図6において、球技用ベース(46)は略左右対称の形状であるが、必ずしも略左右対称の形状に限定されるものではない。
【0018】
本発明の第二の実施の形態の球技用ベース(46)を使用するときは、第一の実施の形態と同様に、1塁、2塁、3塁ともに踏み面(45)がピッチャーマウンド側になるようにグランドに設置する。走者は踏み面(45)を安定に踏むことができ、スムーズに次の塁へ進むことができる。
図6に示した略左右対称の踏み面(45)であれば、左右対称でないものに比べ、走者はより安定して踏み面(45)を踏むことができる。
【0019】
最後に、
図8に第一の実施の形態の球技用ベース(6)の第三角法による正投影図を、
図9に第二の実施の形態の球技用ベース(46)の第三角法による正投影図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0020】
1…略扁平直方体、2…上面、3…一の頂点、4…角部、5…踏み面(除去面)、6…球技用ベース、41…略扁平直方体、42…上面、43…一の頂点、44…角部、45…踏み面(除去面)、46…球技用ベース、71…従来のベース、72…稜線、73…頂点、74…中央部