(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163339
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】血中コレステロール上昇抑制組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/722 20060101AFI20241114BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/01 20060101ALI20241114BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20241114BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61K31/722
A61P3/06
A61K31/01
A61K31/352
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024160037
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2023067553の分割
【原出願日】2017-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】神谷 智康
(72)【発明者】
【氏名】北村 整一
(72)【発明者】
【氏名】山口 和也
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(57)【要約】
【課題】血中コレステロール上昇抑制作用が飛躍的に向上した組成物を提供すること。
【解決手段】キトサンと、下記(a)~(b)からなる群より選ばれる少なくとも1種の素材とを含有する組成物である。
(a)レスベラトロール、リコピン、ダイズイソフラボン、ナットウキナーゼ、カカオポリフェノール、オクタコサノール、フコイダン及びシトルリンから選ばれる少なくとも1種の機能性素材
(b)ノニの葉、チアシード、オリーブの果実、及び亜麻仁から選ばれる少なくとも1種の植物素材
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キトサンと、
ダイズイソフラボン及びリコピンから選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする血中コレステロール上昇抑制用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血中コレステロール上昇抑制作用を有する組成物に係り、詳しくは、キトサン及び特定の素材を含有する血中コレステロール上昇抑制作用を有する組成物に関する。
【0002】
キトサンは、身体の調子を整える様々な機能を有していることが知られており、その一つとして、血中のコレステロールの上昇を抑制する作用を有することが知られている。しかしながら、その単独の作用効果は必ずしも十分なものとはいえない。
【0003】
また、その他のキトサンの機能に関して、例えば、血清尿酸値改善作用(特許文献1参照)や、抗酸化作用(特許文献2参照)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-120502号公報
【特許文献2】特開2005-075957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、血中コレステロール上昇抑制作用が飛躍的に向上した組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、キトサンの血中コレステロール上昇抑制作用について鋭意調査・研究した結果、キトサンと特定の素材とを組み合わせることにより、血中コレステロール上昇抑制作用を相乗的に向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]キトサンと、下記(a)~(b)からなる群より選ばれる少なくとも1種の素材とを含有することを特徴とする血中コレステロール上昇抑制用組成物。
(a)レスベラトロール、リコピン、ダイズイソフラボン、ナットウキナーゼ、カカオポリフェノール、オクタコサノール、フコイダン及びシトルリンから選ばれる少なくとも1種の機能性素材
(b)ノニの葉、チアシード、オリーブの果実、及び亜麻仁から選ばれる少なくとも1種の植物素材
[2]錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、又は液状であることを特徴とする[1]記載の組成物。
[3]食品組成物であること特徴とする[1]又は[2]に記載の組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の組成物によれば、キトサンと特定の素材との組み合わせにより、血中コレステロール上昇抑制作用を相乗的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の組成物(キトサン+レスベラトロール)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図2】本発明の組成物(キトサン+リコピン)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図3】本発明の組成物(キトサン+ダイズイソフラボン)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図4】本発明の組成物(キトサン+ナットウキナーゼ)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図5】本発明の組成物(キトサン+カカオポリフェノール)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図6】本発明の組成物(キトサン+オクタコサノール)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図7】本発明の組成物(キトサン+フコイダン)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図8】本発明の組成物(キトサン+シトルリン)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図9】本発明の組成物(キトサン+ノニの葉)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図10】本発明の組成物(キトサン+チアシード)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図11】本発明の組成物(キトサン+オリーブの果実)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【
図12】本発明の組成物(キトサン+亜麻仁)の血中コレステロール上昇抑制作用(胆汁酸結合率)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の組成物は、キトサンと、下記(a)~(b)からなる群より選ばれる少なくとも1種の素材(以下、他素材ということがある)とを含有することを特徴とする。キトサンと共に用いられる(a)~(b)の素材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。他素材を2種以上組み合せて用いる場合、キトサンと相乗効果の高い他素材同士を組み合わせることが好ましい。
【0011】
本発明の組成物によれば、キトサンと特定の素材との組み合わせにより、血中のコレステロール(LDLコレステロール)の上昇抑制作用を相乗的に向上させることができる。したがって、本発明の組成物は、動脈硬化の予防にも役立つ。
【0012】
[キトサン]
本発明の組成物に用いられるキトサンは、アミノ基を有する塩基性食物繊維であり、例えば、カニ、エビ、昆虫などの甲殻より得られたものや、きのこ、糸状菌などの細胞壁より得られたものや、イカの中骨(軟骨)から得られたものを挙げることができる。これらの中でも、カニ、エビなどから得られたものが好ましい。なお、本発明のキトサンは、キトサン鎖中にキチンが残存しているものであってもよく、また、塩であってもよい。
【0013】
キトサンは、例えば、次のような方法で得ることができる。まず、カニ殻、エビ殻などを粉砕し、その粉砕した殻を塩酸等の酸で処理し、脱カルシウムを行う。次に、苛性ソーダ等のアルカリで処理を行い、蛋白質を除去することにより、キチンが得られる。さらに、これを苛性ソーダ等のアルカリで処理することにより、キトサンが得られる。
【0014】
[他素材]
(a)機能性素材
本発明の組成物においては、キトサンと共に、レスベラトロール、リコピン、ダイズイソフラボン、ナットウキナーゼ、カカオポリフェノール、オクタコサノール、フコイダン及びシトルリンから選ばれる少なくとも1種の機能性素材を用いることが好ましい。
【0015】
(レスベラトロール)
本発明のレスベラトロールとしては、スチルベノイド(スチルベン誘導体)ポリフェノールの一種であり、系統名が3,5,4’-トリヒドロキシ-trans-スチルベンである化合物であれば特に限定されない。レスベラトロールは、ブドウ、リンゴベリー、コケモモ、インドキノ木などの天然物に含まれる。本発明の組成物においては、このような天然物の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物、精製物等)を用いてもよいし、化学合成したものを用いてもよい。
【0016】
(リコピン)
本発明のリコピンとしては、化学式がC40H56(分子量536.87)で表されるカロチノイドであれば、特に限定されない。リコピンは、カロチノイドの一種のカロテン類に属し、474nm(アセトン)に吸収極大を示す赤色色素であり、酸化防止効果、美白効果などが非常に高いことで知られている。リコピンには、分子中央の共役二重結合のcis体及びtrans体の異性体が存在し、そのようなものとしては、例えば、全trans-体、9-cis体及び13-cis体などが挙げられる。本発明においては、リコピンは上記したいずれのものであってもよい。
【0017】
リコピンは、天然においては、トマト、柿、スイカ、ピンクグレープフルーツなどの天然物に含まれている。本発明の組成物においては、このような天然物の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物、精製物等)を用いてもよいし、化学合成したものを用いてもよい。
【0018】
(ダイズイソフラボン)
ダイズイソフラボンは、主に大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種である。本発明におけるダイズイソフラボンは、アグリコンであっても配糖体であってよい。また、本発明の組成物において、ダイズイソフラボンは、精製されたものであってもよいが、ダイズの処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物等)を用いてもよい。
【0019】
(ナットウキナーゼ)
ナットウキナーゼは、納豆中に含まれる納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)より精製される酵素である。本発明の組成物において、ナットウキナーゼは、精製されたものであってもよいが、納豆の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物等)を用いてもよい。
【0020】
(カカオポリフェノール)
カカオポリフェノールは、チョコレートやココアの原料であるカカオ豆に含まれているポリフェノールであり、エピカテキン、カテキンを主とした化合物の混合物(フラバノール)である。本発明の組成物において、カカオポリフェノールは、精製されたものであってもよいが、カカオ豆の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物等)を用いてもよい。
【0021】
(オクタコサノール)
オクタコサノールは、オクタコシルアルコールとも呼ばれ、植物の葉や、りんご、ぶどうなどの果物の皮に含まれるアルコールである。本発明の組成物においては、このような天然物の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物、精製物等)を用いてもよいし、化学合成したものを用いてもよい。
【0022】
(フコイダン)
フコイダンは、フコースを主な構成糖とし、これに硫酸やウロン酸が結合した多糖であり、抗ガン作用、抗潰瘍作用、コレステロール低下作用を有することが知られている。フコイダンは、海苔、昆布、ワカメ、モズク、ヒジキに含まれるが、中でもガゴメ昆布、モズクに含量が高く、本発明において好ましく用いられる。本発明の組成物においては、このような天然物の処理物(乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物、精製物等)を用いてもよいし、化学合成したものを用いてもよい。
【0023】
(シトルリン)
本発明のシトルリンは、L-シトルリンであっても、D-シトルリンであってもよいが、L-シトルリンであることが好ましい。シトルリンは、化学合成により得られたもの、発酵に得られたもの等、その製造方法は問わない。また、シトルリンは、塩の形態であってもよく、塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されるものではなく、例えば、無機酸塩、有機酸塩、金属塩、アンモニウム塩を挙げることができる。
【0024】
(b)植物素材
本発明の組成物においては、キトサンと共に、ノニの葉、チアシード、オリーブの果実、及び亜麻仁から選ばれる少なくとも1種の植物素材を用いることが好ましい。
【0025】
これらの植物素材は、植物の乾燥物、粉砕物、搾汁、抽出物等の植物処理物として用いることが好ましい。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。植物素材は、市販されているものを使用してもよい。
【0026】
(ノニの葉)
ノニは、アカネ科ヤエヤマアオキ属の常緑小高木であり、ヤエヤマアオキ(八重山青木)ともいわれる。学名は、Morinda citrifoliaである。本発明においては、ノニの葉の粉砕物を用いることが好ましい。
【0027】
(チアシード)
チアは、シソ科アキギリ属の一年草であり、学名は、Salvia hispanicaである。チアの種子であるチアシードは、Ω-3脂肪酸を豊富に含む。本発明においては、チアシードのエタノール又は含水エタノールの抽出物を用いることが好ましい。
【0028】
(オリーブの果実)
オリーブは、モクセイ科の常緑高木であり、学名は、Olea europaeaである。オリーブの果実には、オレイン酸やビタミンEなどの健康成分が含まれており、オリーブオイルやピクルスの製造に利用されている。本発明においては、オリーブの果実を搾汁した果汁を用いることが好ましく、適宜濃縮して用いることができる。
【0029】
(亜麻仁)
亜麻は、アマ科の一年草であり、学名は、Linum usitatissimumである。亜麻仁は、亜麻の種子であり、α-リノレン酸やリグナン、食物繊維を豊富に含み、強い抗酸化力を有している。本発明においては、亜麻仁の粉砕物を用いることが好ましい。
【0030】
本発明の組成物は、血中コレステロール上昇抑制効果を有するものであり、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、一般的な食品、食品添加剤、飼料等として用いることができる。
【0031】
本発明の組成物は、血中コレステロール上昇抑制のために用いられる血中コレステロール上昇抑制用組成物として用いることができ、かかる血中コレステロール上昇抑制用食品としては、キトサン及び所定の素材を含有し、血中コレステロール上昇抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血中コレステロール上昇抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の血中コレステロール上昇抑制用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(キトサン及び所定の他素材)が血中コレステロール上昇抑制用の有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよく、キトサンのみを有効成分として表示したものであってもよい。
【0032】
具体的に、本発明の血中コレステロール上昇抑制用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「コレステロールの上昇を抑える」、「コレステロールが気になる方に」、「コレステロールの吸収を抑える」、「コレステロールが高めの方に」等の表示したものを例示することができる。
【0033】
本発明の組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、チュアブル状、スティック状等を挙げることができる。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント飲料や、食品添加剤を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0034】
本発明の組成物におけるキトサン及び他素材(本発明の成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0035】
一般的には、本発明の組成物が医薬品やサプリメントの場合には、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の0.1~100質量%含まれていることが好ましく、1~85質量%含まれていることがより好ましく、5~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0036】
本発明の組成物が容器詰飲料である場合には、本発明の成分が全体の0.0001~3質量%含まれていることが好ましく、0.001~1質量%含まれていることがより好ましく、0.01~0.5質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0037】
また、本発明の組成物がインスタント飲料である場合には、本発明の成分が乾燥質量換算で全体の0.001~80質量%含まれていることが好ましく、0.005~70質量%含まれていることがより好ましく、0.1~60質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0038】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、本発明の成分が乾燥質量換算で本発明の組成物全体の80%以上含まれていることが好ましく、90%以上含まれていることがより好ましく、95%以上含まれていることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。
【0039】
本発明の組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの本発明の成分の摂取量が、10mg/日以上となるように摂取することが好ましく、100mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、800mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。本発明の組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0040】
キトサン及び他素材の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1~2000:1の範囲であることが好ましく、0.75:1~1000:1の範囲であることがより好ましく、1:1~500:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1~300:1の範囲であることが特に好ましい。キトサン及び他素材の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0041】
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の成分以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。本発明の成分以外の他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;カルシウム、マグネシウム、リン、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【実施例0042】
以下、実施例に基づき、本発明を説明する。
(サンプルの調製)
37℃に温めた食後人工腸液(FeSSIF:15mM タウロコール酸ナトリウム、3.75mM レシチン、144mM 酢酸 、101mM 水酸化ナトリウム、173mM 塩化ナトリウム、pH5.0)6mLに対して、被験物質を0.05%(W/V)濃度(「キトサン500μg/mL」「他素材500μg/mL」「キトサン450μg/mL+他素材50μg/mL」)で加え、ボルテックスをした。その後、37℃のウォーターバスにて30分間100rpmで揺らしながら温めた。また、コントロールとして食後人工腸液6mLを37℃のウォーターバスにて30分間100rpmで揺らしながら温めた。
【0043】
30分温めた後、2000rpmにて10分間遠心した。
【0044】
沈殿物(被験物質)を吸い取らないように、上清を3mLとり、等量の酢酸エチルを添加し、30秒ボルテックスした。ボルテックス後、2000rpmにて10分間遠心した。
【0045】
液の上層1.5mLを新しいファルコンに移し、遠心エバポレーターを用いて、乾固した。
【0046】
乾固物に2-プロパノール600μLを加え、10分間超音波をした。
【0047】
その後、800rpmにて3分間遠心し、上清を1.5mLチューブに回収し、サンプルを得た。
【0048】
なお、各種被験物質として、以下のものを用いた。
キトサンとして、カニからの抽出物を用いた。
ノニとして、ノニ葉殺菌粉砕品を用いた。
チアシードとして、60%EtOH抽出物を用いた。
オリーブとして、果汁(果実の搾汁)の濃縮エキスを用いた。
亜麻仁として、ロースト粉末を用いた。
レスベラトロールとして、ブドウからの抽出物を用いた。
フコイダンとして、オキナワモズクの精製粉末を用いた。
リコピン、ダイズイソフラボン、ナットウキナーゼ、カカオポリフェノール、オクタコサノール及びシトルリンについては、市販品を用いた。
【0049】
(胆汁酸濃度の測定)
総胆汁酸テストワコーを用いて、以下の方法でサンプル中の胆汁酸濃度を測定した。
【0050】
サンプル25μLに酵素液62.5μLを加え、よく混和した後に37℃で10分間加温した。その後、反応停止液を62.5μL加え、よく混和し、560nmにおける吸光度を測定した。また、サンプル25μLに盲検用酵素液62.5μLを加えたものも同様に反応させ、サンプルのブランクとした。
【0051】
2-プロパノールの濃度を10、20、30、40、50μmol/Lに調整したプロパノール水溶液25μLに、酵素液62.5μLを加え、よく混和した後に37℃で10分間加温した。その後、反応停止液を62.5μL加え、よく混和し、560nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成した。また、2-プロパノールの濃度を10μmol/Lに調整したプロパノール水溶液25μLに、盲検用酵素液62.5μLを加えたものも同様に反応させ、それを標準液のブランクとした。
【0052】
検量線より、サンプルの胆汁酸濃度(μmol/L)を算出し、コントロールを100%とした場合の相対値(%)を算出した。
【0053】
その結果を
図1~12に示す。各図は、添加成分ごとに、「キトサンの単独添加」、「他素材の単独添加」、「キトサン+他素材添加」の結果を表す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。縦軸は、胆汁酸結合率(コントロール(100%)中の胆汁酸のうちの何%が吸着したか)を示す。
【0054】
図1~12に示すように、キトサンと特定の素材を組み合わせることにより、胆汁酸結合率が相乗的に向上した。したがって、キトサンと特定の素材を組み合わせることにより、体内でのコレステロール吸収が阻害されることによる血中コレステロール上昇抑制効果が飛躍的に向上することがわかる。
【0055】
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分からなるタブレット(250mg)5錠を製造した。
【0056】
キトサン 70%
レスベラトロール 0.5%
カカオポリフェノール 0.5%
リコピン 0.5%
ステアリン酸カルシウム 2%
二酸化ケイ素 2%
還元麦芽糖 24.5%
[実施例3](錠剤の製造)
下記成分からなるタブレット(350mg)3錠を製造した。
【0057】
キトサン 86%
ダイズイソフラボン 1%
ナットウキナーゼ 1%
オクタコサノール 1%
ショ糖脂肪酸エステル 7%
還元麦芽糖 3%
プルラン 1%
【0058】
上記錠剤は一日に1回又は2、3回に分けて水と共に服用する。
【0059】
[実施例4](カプセル剤の製造)
下記混合物をハードカプセルに封入し、カプセル剤(300mg)を製造した。
【0060】
キトサン 40%
レスベラトロール 1%
リコピン 1%
ダイズイソフラボン 1%
ノニの葉 1%
チアシード 1%
オリーブ果汁エキス 1%
ナットウキナーゼ 1%
カカオポリフェノール 1%
亜麻仁 1%
オクタコサノール 1%
フコイダン 1%
シトルリン 1%
乳酸菌 10%
セルロース 36%
二酸化ケイ素 2%
【0061】
上記カプセル剤は4錠を一日に1回又は2~4回に分けて水と共に服用する。
【0062】
[実施例5](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(3000mg)を製造した。
【0063】
キトサン 10%
シトルリン 10%
アスパルテーム 5%
チアミン塩酸塩 0.33%
リボフラビン 0.33%
ビタミンB6 0.17%
シアノコバラミン6 0.17%
香料 0.17%
還元パラチノース 6.67%
ステアリン酸カルシウム 3.33%
ヒロドキシプロピルセルロース 残部
【0064】
[実施例6](インスタント粉末剤の製造)
下記成分を混合して常法によりインスタント粉末(2g)を製造した。
【0065】
キトサン 50%
フコイダン 5%
オリーブ果汁エキス 5%
アスパルテーム 8%
ステビア 3%
リンゴ酸 0.5%
色素製剤 0.5%
香料 0.25%
ポリデキストロース 残部
【0066】
[実施例7](液剤の製造)
下記成分からなる液剤(200mL)を製造した。
【0067】
キトサン 0.62%
ノニの葉 0.05%
チアシード 0.05%
亜麻仁 0.05%
プーアル茶加工食品 0.13%
ジャスミン茶加工食品 0.15%
フラクトオリゴ糖 0.075%
ビタミンC 0.25%
水 残量