(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163415
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】液状物供給装置及び液状物供給方法
(51)【国際特許分類】
B05B 12/00 20180101AFI20241115BHJP
B05B 12/12 20060101ALI20241115BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20241115BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B05B12/00 Z
B05B12/12
B05C11/10
B05D1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078987
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】514277592
【氏名又は名称】有限会社バベッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】舟久保 五一
【テーマコード(参考)】
4D075
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA71
4D075AA76
4D075AA81
4D075AA83
4D075AA85
4D075CA45
4D075CA47
4D075CA48
4D075EA05
4F035AA04
4F035BB07
4F035BB16
4F035BC01
4F035BC06
4F042BA08
4F042BA09
4F042BA19
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB19
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】簡易な取り扱いによって管端からの液だれを抑制可能な液状物供給装置及び液状物供給方法を提供すること。
【解決手段】液状物供給装置10は、本体11と、除菌消臭剤Eが貯留された内蔵タンク12と、除菌消臭剤Eを霧状に変換して吐出する噴霧部13と、除菌消臭剤Eを給液部15より吸引して噴霧部13へ送液する蠕動ポンプ15と、除菌消臭剤Eの送液を制御する制御部16と、を備え、制御部16が、蠕動ポンプ15の駆動停止後、蠕動ポンプ15が所定時間反転駆動して再度駆動停止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
液状物が貯留された第一給液部と、
前記液状物を霧状に変換して吐出する噴霧部と、
前記液状物を前記第一給液部より吸引して前記噴霧部へ送液するポンプと、
前記ポンプの駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部が、前記ポンプの駆動停止後、前記ポンプを所定時間反転駆動して再度駆動停止する液状物供給装置。
【請求項2】
前記本体が、該本体から所定距離内における作用対象物の距離を検知する検出部を備え、
前記距離に応じて前記液状物の噴霧の可否が決定される請求項1に記載の液状物供給装置。
【請求項3】
液状物が貯留される第一給液部へ前記液状物を補充するための第二給液部と前記液状物を吸引するポンプとを配管で接続する工程と、
前記ポンプを駆動する工程と、
前記ポンプを停止する工程と、
前記配管の接続を前記第二給液部側で解除する工程と、
接続が解除された前記配管の端部から前記液状物が溢出しない状態に前記配管端部を配置する工程と、
前記蠕動ポンプを所定時間再駆動する工程と、
を備える液状物供給方法。
【請求項4】
液状物が貯留された第一給液部から前記液状物を吸引して前記液状物を霧状に変換して吐出する噴霧部へ送液するポンプを駆動する工程と、
前記ポンプを停止する工程と、
前記ポンプを所定時間反転させる工程と、
を備える液状物供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状物供給装置及び液状物供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配管内に液体を挿通させて液体を供給する場合がある。しかし、液体の表面張力が低い場合に管端にて液面を保持できず、供給終了後に管端から液だれするおそれがある。そこで、ノズル先端部にフィルターメッシュを有し、液体の吐出、停止を行う吐出バルブを有し、該吐出バルブが閉塞して液体の吐出が停止した時点で、前記フィルターメッシュの直前に残留した液体を連続的に吸引除去する液体吸引機構を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の場合、液体の供給機構と、残留した液体を連続的に吸引除去する液体吸引機構と、を配置する必要があり、構造や取り扱いが複雑になる。本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、簡易な取り扱いによって管端からの液だれを抑制可能な液状物供給装置及び液状物供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る液状物供給装置は、本体と、液状物が貯留された第一給液部と、前記液状物を霧状に変換して吐出する噴霧部と、前記液状物を前記第一給液部より吸引して前記噴霧部へ送液するポンプと、前記ポンプの駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記ポンプの駆動停止後、前記蠕動ポンプを所定時間反転駆動して再度駆動停止する。
【0006】
また、本発明に係る液状物供給装置は、さらに、前記本体が、該本体から所定距離内における作用対象物の有無を検知する検出部を備え、前記有無に応じて前記液状物の噴霧の可否が決定される。
【0007】
また、本発明に係る液状物供給方法は、液状物が貯留される第一給液部へ前記液状物を補充するための第二給液部と前記液状物を吸引するポンプとを配管で接続する工程と、前記ポンプを駆動する工程と、前記ポンプを停止する工程と、前記配管の接続を前記第二給液部側で解除する工程と、接続が解除された前記配管の端部から前記液状物が溢出しない状態に前記配管端部を配置する工程と、前記ポンプを所定時間再駆動する工程と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る液状物供給方法は、液状物が貯留された給液部から前記液状物を吸引して前記液状物を霧状に変換して吐出する噴霧部へ送液するポンプを駆動する工程と、前記ポンプを停止する工程と、前記ポンプを所定時間反転させる工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な取り扱いによって管端からの液だれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る液状物供給装置の噴霧モードにおける概要を示す側面構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る液状物供給装置の噴霧モードにおける概要を示す正面構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る液状物供給装置の制御部を示す機能構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る液状物供給方法における噴霧モードを示すフロー図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る液状物供給方法における補給モードを示すフロー図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る液状物供給装置の補給モードにおける概要を示す側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る一実施形態について、
図1から
図6を参照して説明する。
本実施形態に係る液状物供給装置10は、本体11と、液状の除菌消臭剤(液状物)Eが貯留された内蔵タンク(第一給液部)12と、除菌消臭剤Eを霧状に変換して吐出する噴霧部13と、除菌消臭剤Eを内蔵タンク12より吸引して噴霧部13へ送液する蠕動ポンプ(ポンプ)15と、除菌消臭剤Eの送液を制御する制御部16と、内蔵タンク12内の除菌消臭剤Eが消費されたときにこれを補充するために本体11と接続される補充液格納容器(第二給液部)18と、を備える。
【0012】
噴霧部13は、液状の除菌消臭剤Eを霧状に変換する不図示の機構を有し、本体11内の場所に応じて配置された第一噴霧部20及び第二噴霧部21を備える。蠕動ポンプ15は、内蔵タンク12と第一噴霧部20との間に配される第一蠕動ポンプ22と、内蔵タンク12と第二噴霧部21との間に配される第二蠕動ポンプ23と、内蔵タンク12と補充液格納容器18との間に配される第三蠕動ポンプ25とを備える。内蔵タンク12には、内蔵タンク12内の除菌消臭剤Eの量を検知するレベルセンサ26が配されている。
【0013】
本体11は他に、第一設置位置P1に配されて通過者(作用対象物)Pの手と第一設置位置P1との距離を検知する第一距離センサ(検出部)27と、第二設置位置P2に配されて通過者Pと第二設置位置P2との距離を検知する第二距離センサ(検出部)28と、通過者Pの体温を検知する温度センサ30と、補充液格納容器18からの給液を開始するスイッチ31と、補充液格納容器18との接続に使用される継手部32と、を備える。
【0014】
第一噴霧部20と第一蠕動ポンプ22とは第一配管33で接続され、第二噴霧部21と第二蠕動ポンプ23とは第二配管35で接続され、第一蠕動ポンプ22と内蔵タンク12とは第三配管36で接続され、第二蠕動ポンプ23と内蔵タンク12とは第四配管37で接続されている。内蔵タンク12と第三蠕動ポンプ25とは第五配管38で接続され、第二蠕動ポンプ23と継手部32とは第六配管40で接続されている。継手部32と補充液格納容器18とは通常は接続されていないが、内蔵タンク12内の除菌消臭剤Eを補充する際、補充配管(配管)41を介して両者が接続される。
【0015】
制御部16は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、液状物供給装置10に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行される。また、制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。なお、制御部16の内部構成は、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0016】
制御部16は、通過者Pに対する除菌消臭剤Eの噴霧モード(FM)と除菌消臭剤Eの補給モード(SM)とを切り替えるとともに以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部16が有する各部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、制御部16は、各種情報が表示される不図示の表示部と接続されている。
【0017】
制御部16は、レベルセンサ26からの信号を受けて除菌消臭剤Eの量を算出する残量検出部42と、スイッチ31からの信号を受けて噴霧モード(FM)から補給モード(SM)への切り替えを判定する第一判定部43と、第一距離センサ27の信号を受けて第一設置位置P1から通過者Pの手までの第一距離R1を算出する第一距離算出部45と、通過者Pの手の有無を判定する第二判定部46と、温度センサ30からの信号を受けて通過者Pの体温を算出する温度検出部47と、通過者Pの通過の可否を判定する第三判定部48と、第一蠕動ポンプ22の駆動を制御する第一駆動部50と、通過者Pが手以外の箇所への噴霧の可否を選択させる選択部51と、経過時間を測定する時間計測部52と、第二距離センサ28からの信号を受けて第二設置位置P2から通過者Pまでの第二距離R2を算出する第二距離算出部53と、通過者Pへの除菌消臭剤Eの噴霧の要否を判定する第四判定部55と、第二蠕動ポンプ23の駆動を制御する第二駆動部56と、第三蠕動ポンプ25の駆動を制御する第三駆動部57と、を備える。
【0018】
次に本実施形態に係る液状物供給装置10の作用について液状物供給方法とともに説明する。
【0019】
液状物供給装置10を立上げ後、残量確認工程(S01)では、レベルセンサ26が内蔵タンク12内の除菌消臭剤Eの残量を算出する。残量が所定量以上の場合、噴霧モード(FM)を開始するため、第一判定部43が、体温測定工程(S02)へ移行するよう判定する。一方、残量が所定量未満の場合、残量を不図示の表示部に表示する。
【0020】
体温測定工程(S02)は、測定準備工程(S021)と測定工程(S022)とを備える。測定準備工程(S021)では、通過者Pに対して手を第一設置位置P1に差し出すよう第二判定部46が不図示の表示部に表示させた後、第一距離算出部45が第一距離センサ27の信号を受けて第一設置位置P1から通過者Pの手までの第一距離R1を算出する。第一距離R1が第一所定距離L1以内の場合、第二判定部46が通過者Pの手が有ると判定し、測定工程(S022)へ移行する。測定工程(S022)では、通過者Pの体温を検知した温度センサ30の信号に基づき温度検出部47が体温を算出する。
【0021】
一方、第一距離R1が第一所定距離L1を超えたり測定不能の場合、第二判定部46が通過者Pの手がないと判定する。そして、通過者Pに対して手を第一設置位置P1に差し出すよう不図示の表示部に再表示させる。
【0022】
測定工程(S022)にて体温が所定温度以下の場合、第三判定部48は通過者Pの通過を可と判定して第一噴霧工程(S03)へ移行する。一方、体温が所定温度を超える場合、第三判定部48は通過者Pの通過を不可と判定して通過者Pの通過を不可とする旨を不図示の表示部に表示してリセット工程(S06)へ移行する。
【0023】
第一噴霧工程(S03)は、第一蠕動ポンプ駆動工程(S031)と、第一蠕動ポンプ停止工程(S032)と、第一蠕動ポンプ反転工程(S033)と、を備える。第一蠕動ポンプ駆動工程(S031)では、第一駆動部50により第一蠕動ポンプ22を所定時間駆動して内蔵タンク12から第三配管36及び第一配管33を介して除菌消臭剤Eを吸引して第一噴霧部20へ送液する。この際、第一噴霧部20にて除菌消臭剤Eが噴霧状に変換されて通過者Pの手に向かって所定時間吐出される。
【0024】
除菌消臭剤Eが所定時間吐出された後、第一蠕動ポンプ停止工程(S032)に移行して第一駆動部50が第一蠕動ポンプ22の駆動を停止する。この際、第一配管33及び第三配管36内に除菌消臭剤Eが残留するので、第一噴霧部20から噴霧状に変換されない除菌消臭剤Eが吐出されようとする。そこで第一蠕動ポンプ反転工程(S033)に移行して、第一駆動部50が第一蠕動ポンプ22を所定時間反転させる。そのため、第一配管33及び第三配管36内に残留した除菌消臭剤Eの少なくとも一部が内蔵タンク12に戻される。こうして第一噴霧部20から液状の除菌消臭剤Eが吐出されるのが抑制される。所定時間反転させた後、第一蠕動ポンプ停止工程(S032)に移行して第一駆動部50が第一蠕動ポンプ22の駆動を停止して第一噴霧工程(S03)を終了する。
【0025】
第一噴霧工程(S03)の後、第二噴霧工程(S04)に移行する。第二噴霧工程(S04)は、第二噴霧判定工程(S041)と、第二蠕動ポンプ駆動工程(S042)と、第二蠕動ポンプ停止工程(S043)と、第二蠕動ポンプ反転工程(S044)と、を備える。第二噴霧判定工程(S041)では、選択部51が通過者Pが手以外の箇所への噴霧の可否を選択させるために、本体11から第二所定距離L2までの範囲を歩くか、第二所定距離L2から第三所定距離L3までの範囲を歩くか選択するよう不図示の表示部にその旨を表示させる。同時に、時間計測部52が経過時間の測定を開始する。
【0026】
そして、第二距離センサ28の信号に基づき第二距離算出部53が第二距離R2を算出する。時間計測部52が経過時間の測定を開始してから所定時間内、かつ、第二距離R2が第二所定距離L2以内の場合、第四判定部55は噴霧要と判定して第二蠕動ポンプ駆動工程(S042)へ移行する。一方、時間計測部52が経過時間の測定を開始してから所定時間内、かつ、第二距離R2が第二所定距離L2を超えて第三所定距離L3以内の場合、また、時間計測部52が経過時間の測定を開始してから所定時間経過後、又は、第二距離R2が第三所定距離L3を超えた場合、第四判定部55は噴霧不要と判定してリセット工程(S06)へ移行する。
【0027】
第二蠕動ポンプ駆動工程(S042)では、第二駆動部56により第二蠕動ポンプ23を所定時間駆動して内蔵タンク12から第四配管37及び第二配管35を介して除菌消臭剤Eを吸引して第二噴霧部21へ送液する。この際、第二噴霧部21にて除菌消臭剤Eが噴霧状に変換されて通過者Pに向かって吐出される。
【0028】
除菌消臭剤Eが所定時間吐出した後、第二蠕動ポンプ停止工程(S043)に移行して第二駆動部56が第二蠕動ポンプ23の駆動を停止する。この際、第二配管35及び第四配管37内に除菌消臭剤Eが残留するので、第二噴霧部21からは噴霧状に変換されない除菌消臭剤Eが吐出されようとする。そこで第二蠕動ポンプ反転工程(S044)に移行して、第二駆動部56が第二蠕動ポンプ23を所定時間反転させる。そのため、第二配管35及び第四配管37内に残留した除菌消臭剤Eの少なくとも一部が内蔵タンク12に戻される。こうして第二噴霧部21から液状の除菌消臭剤Eが吐出されるのが抑制される。所定時間反転させた後、第二蠕動ポンプ停止工程(S043)に移行して第二駆動部56が第二蠕動ポンプ23の駆動を停止して第二噴霧工程(S04)を終了する。その後、リセット工程(S06)へ移行する。
【0029】
補充工程(S05)は、補充配管接続工程(S051)と、第三蠕動ポンプ駆動工程(S052)と、残量確認工程(S053)と、第三蠕動ポンプ停止工程(S054)と、補充配管解除工程(S055)と、補充配管配置工程(S056)と、第三蠕動ポンプ再駆動工程(S057)と、を備える。
【0030】
補充配管接続工程(S051)では、継手部32及び補充液格納容器18が補充配管41によって接続されたことを検知する。この状態でスイッチ31が操作された場合、第一判定部43は、噴霧モード(FM)を停止して補給モード(SM)を開始する。そして第三蠕動ポンプ駆動工程(S052)に移行し、第三駆動部57によって第三蠕動ポンプ25を駆動して補充液格納容器18から除菌消臭剤Eを吸引して内蔵タンク12へ送液する。そして残量確認工程(S053)に移行して、レベルセンサ26の信号に基づき残量検出部42が除菌消臭剤Eの残量を算出する。所定量以上の残量となった場合、第三蠕動ポンプ停止工程(S054)へ移行する。
【0031】
第三蠕動ポンプ停止工程(S054)では、第三駆動部57により第三蠕動ポンプ25を停止する。補充配管解除工程(S055)では、補充配管41と補充液格納容器18との接続が補充液格納容器18側で解除されたことを検知する。その後、補充配管配置工程(S056)に移行して、接続が解除された補充配管41の端部から除菌消臭剤Eが溢出しないよう、補充配管41の端部を補充液格納容器18よりも上方に配置する。
【0032】
この状態でスイッチ31を再び操作することによって第三蠕動ポンプ再駆動工程(S057)に移行して、第三駆動部57により第三蠕動ポンプ25を所定時間再駆動する。この際、補充配管41内に残留する除菌消臭剤Eが吸引されて内蔵タンク12に送液される。再駆動により補充配管41内から除菌消臭剤Eがなくなり、第五配管38及び第六配管40内に除菌消臭剤Eが残留していたとしても継手部32から補充配管41を取り外した際に補充配管41から除菌消臭剤Eが溢出されない。所定時間経過後、第三蠕動ポンプ停止工程(S054)に移行して第三駆動部57により第三蠕動ポンプ25を停止して補充工程(S05)を終了し、噴霧モード(FM)へ移行する。
【0033】
リセット工程(S06)では、時間計測部52が経過時間の測定を開始する。所定時間経過後、残量確認工程(S01)に移行して新たな通過者に対応する。
【0034】
この液状物供給装置10によれば、除菌消臭剤Eが所定時間吐出された後、第一蠕動ポンプ停止工程(S032)に移行して第一駆動部50が第一蠕動ポンプ22の駆動を停止する。この際、第一配管33及び第三配管36内に除菌消臭剤Eが残留するので、第一噴霧部20から噴霧状に変換されない除菌消臭剤Eが吐出されようとしても、第一蠕動ポンプ反転工程(S033)に移行して、第一駆動部50が第一蠕動ポンプ22を所定時間反転させる。そのため、第一配管33及び第三配管36内に残留した除菌消臭剤Eの少なくとも一部が内蔵タンク12に戻され、第一噴霧部20から液状の除菌消臭剤Eが吐出されるのを抑制することができる。
【0035】
同様に、除菌消臭剤Eが所定時間吐出した後、第二蠕動ポンプ停止工程(S043)に移行して第二駆動部56が第二蠕動ポンプ23の駆動を停止する。この際、第二配管35及び第四配管37内に除菌消臭剤Eが残留するので、第二噴霧部21からは噴霧状に変換されない除菌消臭剤Eが吐出されようとしても第二蠕動ポンプ反転工程(S044)に移行して、第二駆動部56が第二蠕動ポンプ23を所定時間反転させる。そのため、第二配管35及び第四配管37内に残留した除菌消臭剤Eの少なくとも一部が内蔵タンク12に戻され、第二噴霧部21から液状の除菌消臭剤Eが吐出されるのを抑制することができる。
【0036】
また、第三駆動部57により第三蠕動ポンプ25を停止した後、補充配管解除工程(S055)にて補充配管41と補充液格納容器18との接続を補充液格納容器18側で解除する際、補充配管41内には除菌消臭剤Eが残留して補充配管41の端部から配管内の除菌消臭剤Eが溢出しようとする。しかし、補充配管配置工程(S056)に移行して、接続が解除された補充配管41の端部から除菌消臭剤Eが溢出しないよう、補充配管41の端部を補充液格納容器18よりも上方に配置するとともに、第三蠕動ポンプ再駆動工程(S057)に移行して、第三駆動部57により第三蠕動ポンプ25を所定時間再駆動する。こうして、補充配管41内に残留する除菌消臭剤Eが吸引されて内蔵タンク12に送液され、再駆動により補充配管41内から除菌消臭剤Eがなくなるので、第五配管38及び第六配管40内に除菌消臭剤Eが残留していたとしても継手部32から補充配管41を取り外した際に補充配管41から除菌消臭剤Eが溢出されず、除菌消臭剤Eを手に触れることなく補充することができる。
【0037】
さらに、第一噴霧工程(S03)の後、第二噴霧工程(S04)に移行して、手以外の箇所にも除菌消臭剤Eを噴霧する工程を備えているので、手以外の除菌も行うことができる。この際、手以外の除菌が不要な場合には、第二所定距離L2以遠を歩くことによって、除菌消臭剤Eが噴霧されないようにすることができる。
【0038】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では液状物を除菌消臭剤Eとしているが、これに限定されるものではない。そして、液状物の機能に応じて液状物供給装置の用途も変化可能であり、上記実施形態に限定されない。また、液状物供給装置10は蠕動ポンプ15を備えるとしているが、蠕動ポンプに限らず、他のポンプでも構わない。
【符号の説明】
【0039】
10 液状物供給装置
11 本体
12 内蔵タンク(第一給液部)
13 噴霧部
15 蠕動ポンプ(ポンプ)
16 制御部
18 補充液格納容器(第二給液部)
27 第一距離センサ(検出部)
28 第二距離センサ(検出部)
E 除菌消臭剤(液状物)
P 通過者(作用対象物)