(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163421
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】水洗システム及び洗面台
(51)【国際特許分類】
E03C 1/05 20060101AFI20241115BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
E03C1/05
A47K1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079001
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】園田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祐輔
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BC07
2D060BC30
2D060BE15
2D060CA04
2D060CA05
(57)【要約】
【課題】簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行すること。
【解決手段】実施形態に係る水洗システムは、電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部による受光量を検知するセンサと、前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、を備え、前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、前記制御部は、前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体
と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
【請求項2】
前記センサは、前記ボウル部よりも上側に配置され、
前記センサの検知方向は、斜め下方である
ことを特徴とする請求項1に記載の水洗システム。
【請求項3】
前記基準量と前記第1閾値との差の絶対値は、前記基準量と前記第2閾値との差の絶対値よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の水洗システム。
【請求項4】
前記制御部は、
第1所定時間の間、前記第1閾値より前記受光量が上回った場合、前記第1制御を実行し、
前記第1所定時間より長い第2所定時間の間、前記第2閾値より前記受光量が下回った場合、前記第2制御を実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の水洗システム。
【請求項5】
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記第1閾値よりも前記受光量が上回った後、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
【請求項6】
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
【請求項7】
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量が前記第2閾値となってから、前記基準量よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に前記受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1つに記載の水洗システム、
を備えることを特徴とする洗面台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗システム及び洗面台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台における自動水栓に関する技術が提供されている。例えば、赤外線を使用した光電センサやマイクロ波センサ等を用いて、手等の物体を検知して自動で吐水制御を実行する自動水栓に関するシステムが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4264882号公報
【特許文献2】特開2010-77653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は、自動で吐水を制御することは可能であるものの、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口等の詰まりの状態を検知する点については改善の余地がある。例えば、上述の従来技術では、詰まりを検知するために自動で吐水制御を行うためのセンサとは別のセンサを設ける必要があったり、自動で吐水制御を行うために検知対象とする領域と詰まりを検知するために検知対象とする領域とを分ける必要があったりする。そのため、上述の従来技術では、自動での吐水制御と詰まりの検知とを簡易な構成により両立させるという点では改善の余地がある。
【0005】
開示の実施形態は、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行する水洗システム及び洗面台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る水洗システムは、電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、を備え、前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、前記制御部は、前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0007】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、吐水を制御するための第1閾値と、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口の詰まりを検知するための第2閾値との2つの閾値を用いて制御を実行することで、一つのセンサの検知を基に自動吐水制御及び詰まりの検知の両方を実行することが可能となる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。例えば、水洗システムによれば、センサでボウル部に溜まった水からの反射光を検出することで、ボウル部の排水口の詰まりが行った等を検知できる。水洗システムでは、ボウル部に水が溜まっていない状態より、ボウル部に水が溜まった際に投光部からの光の反射量(反射光量)が減少するため、手の検知と同一のセンサを使っても、手からの反射光とボウル部に溜まった水からの反射光とをセンサが誤認してしまうことを抑制することができる。
【0008】
実施形態の一態様に係る水洗システムにおいて、前記センサは、前記ボウル部よりも上側に配置され、前記センサの検知方向は、斜め下方である。
【0009】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、検知方向を斜めに設置することで、鏡面反射等により反射光量を低下させ、手検知(吐水制御)と閾値を変えやすくなり、精度よく詰まりを検知することができる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。
【0010】
実施形態の一態様に係る水洗システムにおいて、前記基準量と前記第1閾値との差の絶対値は、前記基準量と前記第2閾値との差の絶対値よりも大きい。
【0011】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、基準からの閾値の差を吐水制御の方を詰まり検知よりも大きくすることで、手等の誤検知による吐水制御の誤作動を抑制しつつ、早期(例えばボウル部から水があふれる前等)に詰まりを検知することができる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。
【0012】
実施形態の一態様に係る水洗システムにおいて、前記制御部は、第1所定時間の間、前記第1閾値より前記受光量が上回った場合、前記第1制御を実行し、前記第1所定時間より長い第2所定時間の間、前記第2閾値より前記受光量が下回った場合、前記第2制御を実行する。
【0013】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、詰まりの検知の方の時間を長くすることで、基準量と第2閾値との差の絶対値を、基準量と第1閾値との差の絶対値より小さくした場合であっても、ボウル部からの水のあふれ等が生じる可能性を低減させることができる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。
【0014】
実施形態の一態様に係る水洗システムは、電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、を備え、前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、前記制御部は、前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、前記第1閾値よりも前記受光量が上回った後、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0015】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、吐水を制御するための第1閾値と、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口の詰まりを検知するための第2閾値との2つの閾値を用いて制御を実行することで、一つのセンサの検知を基に自動吐水制御及び詰まりの検知の両方を実行することが可能となる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。また、水洗システム1によれば、吐水が行われた後に詰まりを検知する処理フローとすることで、吐水なしにボウル部の水位が増える場合を詰まりと判定する誤検知が生じる可能性を低減させることができる。これにより、水洗システムは、清掃員が掃除の際にバケツで一気に水を流した際などに、詰まりと誤検知してしまうことを抑制することができる。
【0016】
実施形態の一態様に係る水洗システムは、電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、を備え、前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、前記制御部は、前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0017】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、吐水を制御するための第1閾値と、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口の詰まりを検知するための第2閾値との2つの閾値を用いて制御を実行することで、一つのセンサの検知を基に自動吐水制御及び詰まりの検知の両方を実行することが可能となる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。また、水洗システムによれば、ボウル部から水が排水される傾きを基に詰まりを検知することで、排水を基に詰まりを適切に検知することができる。これにより、水洗システム1は、清掃員が掃除の際にバケツで一気に水を流した際などに、詰まりと誤検知してしまうことを抑制することができる。
【0018】
実施形態の一態様に係る水洗システムは、電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、を備え、前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、前記制御部は、前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量が前記第2閾値となってから、前記基準量よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に前記受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0019】
実施形態の一態様に係る水洗システムによれば、吐水を制御するための第1閾値と、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口の詰まりを検知するための第2閾値との2つの閾値を用いて制御を実行することで、一つのセンサの検知を基に自動吐水制御及び詰まりの検知の両方を実行することが可能となる。したがって、水洗システムは、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。また、水洗システムによれば、ボウル部から水が排水される時間を基に詰まりを検知することで、排水を基に詰まりを適切に検知することができる。これにより、水洗システム1は、清掃員が掃除の際にバケツで一気に水を流した際などに、詰まりと誤検知してしまうことを抑制することができる。
【0020】
実施形態の一態様に係る洗面台は、上述した水洗システムのいずれかを備える。
【0021】
実施形態の一態様に係る洗面台によれば、吐水を制御するための第1閾値と、ボウル部に水が溜まった状態、すなわち排水口の詰まりを検知するための第2閾値との2つの閾値を用いて制御を実行することで、一つのセンサの検知を基に自動吐水制御及び詰まりの検知の両方を実行することが可能となる。したがって、洗面台は、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。
【発明の効果】
【0022】
実施形態の一態様によれば、簡易な構成により自動吐水制御及び詰まりの検知に基づく制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、実施形態に係る水洗システムの概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る水洗システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、ボウル部の状態とセンサの関係を示す概念図である。
【
図4】
図4は、センサの受光量と閾値との関係を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第2の処理の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第2の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る第3の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る第4の処理の概要を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る第4の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る第5の処理の概要を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る第5の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、水洗システムを適用した洗面台の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
<1.実施形態>
まず、実施形態に係る水洗システム1の構成について説明した後、水洗システム1が実行する処理の例について説明する。水洗システム1は、1つのセンサ10による検知を基に、吐水に関する制御(「第1制御」ともいう)及び排水口21の詰まり(単に「詰まり」ともいう)の検知に基づく外部への報知に関する制御(「第2制御」ともいう)を実行する。なお、水洗システム1を処理主体として説明する処理は、水洗システム1に含まれる装置構成に応じて、その処理を実行可能ないずれの装置が行ってもよい。
【0026】
<1-1.水洗システムの構成>
実施形態に係る水洗システム1の構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る水洗システムの概略図である。具体的には、
図1は、排水口21を示すためにボウル部20を断面として側面視した概略図である。
図2は、実施形態に係る水洗システムの構成例を示す図である。
【0027】
図1及び
図2に示すように、水洗システム1は、水洗本体2と、センサ10と、制御部100とを有する。なお、
図1及び
図2では1つの水洗本体2を図示して説明するが、水洗システム1は、複数の水洗本体2を有してもよい。また、水洗システム1は、複数の水洗本体2を有する洗面台5等に適用されてもよいが、これらの点については後述する。
【0028】
水洗本体2は、ボウル部20と、吐水部30と、電磁弁40とを有する。このように、水栓本体2は、電磁弁40を有し、吐水部30からボウル部20に水を出す。
【0029】
ボウル部20は、吐水部30からの水を受ける水受け部として機能する。ボウル部20は、人の手等の洗浄に利用される。ボウル部20は、排水管22に連通する排水口21を有し、ボウル部20内に放出された水やボウル部20内に溜まった水等を排水口21から排水管22に水を排出する。
【0030】
吐水部30は、吐水管の先端側に吐水口31が設けられ、吐水口31から水の放出(吐水)を行う。
図1及び
図2の例では、吐水部30は、制御部100による電磁弁40の制御に応じて、水の吐水を行う。吐水部30は、電磁弁40の制御に応じて、水の流量が変更可能であってもよい。
【0031】
電磁弁40は、吐水部30に水(原水等)を吐水させるための弁として機能する。電磁弁40は、制御部100と接続され、制御部100による制御に応じて、吐水部30から水を出す吐水を行う吐水状態(弁が開放状態)になったり、吐水部30から出している水を止める止水を行う止水状態(弁が閉鎖状態)になったりする。例えば、電磁弁40は、センサ10による検知に応じて制御部100により状態が制御される。
【0032】
制御部100は、吐水に関する制御(第1制御)及び詰まりの報知に関する制御(第2制御)を行う制御装置である。制御部100は、センサ10からの信号に応じて、電磁弁40を制御可能である。制御部100は、センサ10により検知された情報を基に、電磁弁40の切替え制御を行うことにより、吐水に関する制御を行う。制御部100は、センサ10による検知結果に基づいて第1制御を実行する。例えば、制御部100は、吐水部30による水の吐水及び止水を切り替える電磁弁40と接続する。制御部100は、電磁弁40を開閉する制御信号によって、吐水部30による水の吐水及び止水を制御する。
【0033】
また、制御部100は、センサ10により検知された情報を基に、排水口21の詰まりを判定する。制御部100は、センサ10による検知に基づく詰まり判定結果に応じて第2制御を実行する。
【0034】
例えば、制御部100は、ボウル部20に水が溜まっていない状態(「第1状態」ともいう)の受光量である基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。制御部100は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。制御部100は、基準量との差の絶対値が第1閾値よりも大きい第2閾値を用いて、第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0035】
制御部100は、センサ10と情報を通信可能に接続される。例えば、制御部100は、センサ10と有線で接続される。なお、制御部100は、センサ10と、インターネット等の所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。制御部100は、他の装置との間で情報を送受信するための通信機能(通信部)を有する。制御部100の通信機能(通信部)は、通信装置、通信回路等によって実現される。制御部100は、通信機能により、任意のネットワークと有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、制御部100は、センサ10との間で情報の送受信を行う。なお、制御部100は、情報の送受信が可能であれば、センサ10とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。
【0036】
制御部100は、任意の箇所に配置されてもよい。制御部100は、水洗本体2内に設けられてもよいし、水洗本体2外に設けられてもよい。制御部100の装置構成及び配置は、電磁弁40の切替え制御、センサ10との通信、及び処理が実現可能であれば、任意の形態が採用可能である。また、制御部100は、水洗本体2内に配置されてもよい。制御部100は、水洗本体2内ではなく、水洗本体2外に配置されてもよい。なお、制御部100の詳細については後述する。
【0037】
センサ10は、制御を行うために用いる情報を取得するセンサ装置(検知装置)である。例えば、センサ10は、赤外線投受光式の光電センサである。例えば、センサ10は、ボウル部20内等の所定の領域を検知領域とする。センサ10は、ボウル部20に向けて赤外光を投光(放射)し、ボウル部20からの反射光を含む光を受光する。
【0038】
センサ10は、ボウル部20に水が溜まっていない状態(第1状態)における受光量である基準量よりも、ボウル部20に水が溜まった状態(「第2状態」ともいう)における受光量の方が減少するように配置されるが、この点の詳細については後述する。
【0039】
センサ10は、ボウル部20よりも上側に配置される。センサ10は、検知方向が斜め下方である。例えば、センサ10は、ボウル部20よりも上側に配置され、ボウル部20内を検知するように検知方向が斜め下方になるように配置される。
図1では、センサ10は、検知方向が斜め下方を含み検知範囲DDを検知するように配置される。なお、
図1に示す検知範囲DDは、例示に過ぎず、検知方向にセンサ10の斜め下方が含まれれば、センサ10の検知範囲は任意の範囲であってもよい。
【0040】
センサ10は、投光部11と、受光部12とを備える。例えば、センサ10は、投光部11、及び投光部11から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部12を有し、受光部12による受光量を検知する。
【0041】
投光部11は、所定の波長の電磁波(光)を投光する。例えば、投光部11は、所定の波長の光を出力するLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有する。なお、投光部11は、LEDに限らず、所定の波長の光を出力する任意の構成を有してもよい。
【0042】
投光部11は、赤外光を放射する。投光部11は、ボウル部20に向けて赤外光を照射する。投光部11は、検知範囲DDに対応する検知方向に向けて赤外光を照射する。
【0043】
受光部12は、所定の波長の電磁波(光)を受光する。例えば、受光部12は、所定の波長の光を受光する受光素子を有する。受光部12は、赤外光を受光する。例えば、受光部12は、赤外光を受光する受光素子を有する。受光部12は、ボウル部20からの反射光を含む光を受光する。受光部12は、検知範囲DDに対応する検知方向からの反射光を含む光を受光する。
【0044】
例えば、センサ10は、制御部100と有線で接続される。なお、センサ10は、制御部100と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。センサ10は、各種の情報を制御部100へ送信する。例えば、センサ10は、検知により取得した情報(「検知情報」ともいう)を制御部100へ送信する。例えば、検知情報は、制御を行うためにセンサ10により取得される各種情報を含む。
【0045】
例えば、センサ10は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、制御部100と通信可能に接続されてもよい。なお、制御部100とセンサ10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、センサ10は、制御部100と、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0046】
なお、センサ10は、所望の検知が可能であれば、どのような配置態様であってもよい。例えば、センサ10は、吐水口31に限らず、吐水管の途中の箇所等、吐水部30の任意の箇所に配置されてもよい。また、センサ10は、例えば投光部11と受光部12とが分離して配置されてもよい。また、センサ10は、赤外線センサに限らず、以下に示す処理により、吐水の制御及び詰まり検知が処理可能であれば、任意のセンサが採用可能である。
【0047】
水洗システム1は、報知デバイス200に情報を提供する。例えば、水洗システム1の制御部100は、詰まりを示す情報を報知デバイス200へ送信する。
【0048】
報知デバイス200は、各種の報知(情報の出力)を行うための情報処理装置(コンピュータ)である。報知デバイス200は、制御部100から受信した情報を報知する。例えば、報知デバイス200は、制御部100から受信したボウル部20の排水口21の詰まりを示す情報をディスプレイ等の表示装置に表示する。報知デバイス200は、制御部100から受信したボウル部20の排水口21の詰まりを示す情報をスピーカ等の音声出力装置で音声出力する。
【0049】
報知デバイス200は、ボウル部20の排水口21の詰まりを水洗システム1の管理者や水洗本体2の清掃を行う清掃者等に報知する。例えば、報知デバイス200は、水洗システム1の管理者が利用するノートパソコンといったPC(Personal Computer)等のコンピュータであってもよい。また、例えば、報知デバイス200は、水洗本体2の清掃者が携帯するスマートフォン等の携帯デバイスであってもよい。
【0050】
このように、水洗システム1は、詰まり状態(水位上昇)を検知した場合、任意の報知(通知)態様が採用可能である。例えば、水洗システム1は、詰まり状態(水位上昇)を検知した場合、水洗本体2で通知したり、クラウドに通知したり、PCやスマホ等の端末に通知したりしてもよい。また、水洗システム1は、詰まり状態(水位上昇)を検知した場合、自動水栓を吐水しないように制御したりしてもよい。
【0051】
また、
図1及び
図2に示す水洗システム1の装置構成は一例に過ぎず、水洗システム1は、任意の装置構成が採用可能である。例えば、水洗システム1には、報知デバイス200が含まれてもよい。この場合、水洗システム1の報知デバイス200は、水洗本体2等に内蔵される報知装置であってもよい。例えば、水洗システム1の報知デバイス200は、情報の表示、音声の出力、光の出力(点滅等)等により詰まりを報知してもよい。
【0052】
<1-2.制御部の構成>
ここから、制御部100の各構成の詳細について説明する。制御部100は、例えば各種構成や処理を制御するために用いられる情報処理装置(コンピュータ)であってもよい。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等を有し、制御部100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る情報処理プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現されてもよい。また、制御部100は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を有してもよい。
【0053】
図2に示すように、制御部100は、切替部110と、処理部120と、記憶部130と、取得部140と、出力部150とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部100の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0054】
切替部110は、処理部120からの指示に応じて、電磁弁40の開閉を切り替える。切替部110は、制御信号を電磁弁40に送信し、電磁弁40の開閉を切り替えることにより、吐水部30による吐水状態を切り替える。
【0055】
切替部110は、センサ10からの信号に応じて、電磁弁40を制御する。例えば、切替部110は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。切替部110は、第1所定時間の間、第1閾値より受光量が上回った場合、第1制御を実行する。
【0056】
処理部120は、各種の制御に関する処理を実行する。処理部120は、記憶部130に記憶された情報を用いて処理を実行する。処理部120は、取得部140に記憶された情報を用いて処理を実行する。処理部120は、検知情報を用いて制御に関する判定を行う判定部として機能する。処理部120は、判定結果に応じて処理を実行する。
【0057】
処理部120は、吐水を行うか否かの判定を行う。例えば、処理部120は、第1制御を実行するか否かの判定を行う。処理部120は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、第1制御を実行すると判定する。処理部120は、第1所定時間の間、第1閾値より受光量が上回った場合、第1制御を実行すると判定する。
【0058】
処理部120は、詰まりが生じているか否かの判定を行う。例えば、処理部120は、第2制御を実行するか否かの判定を行う。処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、第2制御を実行すると判定する。処理部120は、基準量との差の絶対値が第1閾値よりも大きい第2閾値を用いて、第2閾値よりも受光量が下回った場合、第2制御を実行すると判定する。
【0059】
処理部120は、第1所定時間より長い第2所定時間の間、第2閾値より受光量が下回った場合、第2制御を実行すると判定する。処理部120は、第1閾値よりも受光量が上回った後、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、第2制御を実行すると判定する。処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量の傾きが所定値以下である場合、第2制御を実行すると判定する。処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量が第2閾値となってから、基準量よりも小さくかつ第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、第2制御を実行すると判定する。
【0060】
処理部120は、切替部110に指示することにより第1制御に関する処理を実行する。処理部120は、センサ10からの信号に応じて、電磁弁40を制御可能である。処理部120は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。処理部120は、第1所定時間の間、第1閾値より受光量が上回った場合、第1制御を実行する。
【0061】
また、処理部120は、出力部150に指示することにより第2制御に関する処理を実行する。処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。処理部120は、基準量との差の絶対値が第1閾値よりも大きい第2閾値を用いて、第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0062】
処理部120は、第1所定時間より長い第2所定時間の間、第2閾値より受光量が下回った場合、第2制御を実行する。処理部120は、第1閾値よりも受光量が上回った後、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0063】
処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する。処理部120は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量が第2閾値となってから、基準量よりも小さくかつ第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0064】
記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部130は、情報処理プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部130は、センサ10等により検知された情報等の様々な情報を記憶する。記憶部130は、吐水の制御及び詰まり検知に用いる様々な情報を記憶する。
【0065】
記憶部130は、受光量の検出に用いる様々な情報を記憶する。例えば、記憶部130は、受光量の検出、吐水および止水の判定などを実施するプログラムを記憶する。例えば、記憶部130は、受光量に基づく判定処理に用いる閾値を記憶する。記憶部130は、第1閾値、第2閾値、第3閾値等の閾値を記憶する。上記は一例に過ぎず、記憶部130は、処理に関する様々な情報を記憶する。
【0066】
なお、記憶部130は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、記憶部130は、検知情報を取得された日時に対応付けて記憶してもよい。記憶部130は、検知情報として受光量を記憶してもよい。記憶部130は、検知した日時に、その日時で検知された受光量を対応付けて記憶する。記憶部130は、検知した日時に、その日時で検知された受光量に基づく判定や制御等の処理(どのような制御を行ったかを示す情報等)を対応付けて記憶する。
【0067】
取得部140は、情報を取得する。取得部140は、記憶部130から各種情報を取得する。取得部140は、水洗本体2から各種情報を取得する。取得部140は、水洗本体2の使用に関する各種情報を水洗本体2から取得する。
【0068】
取得部140は、センサ10が検知した検知情報をセンサ10から取得する。取得部140は、センサ10によりセンシングされた利用者の検知情報を取得する。取得部140は、センサ10からセンサ10により取得された検知情報を受信する。取得部140は、受信した各種情報を記憶部130に格納してもよい。
【0069】
出力部150は、各種情報を出力する出力処理を実行する。出力部150は、各種情報を送信する送信部として機能する。出力部150は、外部の情報処理装置へ情報を送信する。例えば、出力部150は、報知デバイス200へ各種情報を送信する。例えば、出力部150は、報知デバイス200である管理者が利用するパソコン、スマートフォン等の管理者装置へ各種情報を送信する。
【0070】
出力部150は、処理部120の指示に応じた処理を実行する。例えば、出力部150は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。出力部150は、基準量との差の絶対値が第1閾値よりも大きい第2閾値を用いて、第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0071】
出力部150は、第1所定時間より長い第2所定時間の間、第2閾値より受光量が下回った場合、第2制御を実行する。出力部150は、第1閾値よりも受光量が上回った後、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0072】
出力部150は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する。出力部150は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量が第2閾値となってから、基準量よりも小さくかつ第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0073】
なお、上述した制御部100の構成は一例に過ぎず、制御部100は、上記に限らず様々な構成を有してもよい。例えば、制御部100は、情報を表示する機能を有する場合、表示部を有してもよい。
【0074】
<1-3.センサの検知(受光)と閾値の関係>
ここで、
図3及び
図4を用いて、センサの検知(受光)と閾値の関係について説明する。
図3は、ボウル部の状態とセンサの関係を示す概念図である。また、
図4は、センサの受光量と閾値との関係を示す図である。
【0075】
まず、最初に自動吐水を行う場合の一例について説明する。ボウル部20内に人の手等の物体がある場合では、センサ10から投光された光(赤外光)は、ボウル部20の内表面よりも近い人の手等の物体から反射され、センサ10に戻る反射光の量が増加する。すなわち、ボウル部20内に人の手等の物体がある状態(「第3状態」ともいう)では、センサ10の受光量が、ボウル部20内に水が溜まっていない状態(第1状態)の受光量(基準量)よりも大きくなる。
【0076】
そのため、水洗システム1は、人が手をかざして吐水を要求している第3状態を受光量により検知する場合、その閾値(手検知閾値)である第1閾値を基準量よりも大きい値に設定する。これにより、水洗システム1は、吐水を行うべき第3状態を受光量により検知することができる。このように、水洗システム1は、反射して返ってきた赤外線等の光をセンサ10(の受光部12)で検知し、その受光量が一定の閾値を越えた時点で手と認識して吐水する。
【0077】
次に、
図3を用いて、ボウル部20内に水が溜まっている場合のセンサ10の受光について説明する。
図3では、
図1に示す水洗本体2のうち、説明に必要な箇所のみを図示する。具体的には、
図3は、ボウル部20内に水が溜まった状態(第2状態)において、センサ10から投光された赤外光の反射を可視化した図である。
【0078】
図3に示すように、ボウル部20内に水が溜まった第2状態では、センサ10から斜め下方に投光された光(赤外光)は、水面WSで鏡面反射する光(
図3中の光SR)や水中で乱反射する光(
図3中の光DR等)が生じ、センサ10に戻る反射光(
図3中の光LR)の量が減少する。すなわち、ボウル部20内に水が溜まった第2状態では、センサ10の受光量が、ボウル部20内に水が溜まっていない状態(第1状態)の受光量(基準量)よりも小さくなる。このように、センサ10(の受光部12)に返ってくる赤外線の反射光量が、水が溜まった状態では減少する。
【0079】
そのため、水洗システム1は、ボウル部20内に水が溜まった第2状態、すなわち詰まりの状態を受光量により検知する場合、その閾値(水位検知閾値)である第2閾値を基準量よりも小さい値に設定する。これにより、水洗システム1は、ボウル部20内に水が溜まった第2状態、すなわち詰まりの状態を受光量により検知することができる。
【0080】
図3に示すように、センサ10から斜め下方に光を投光することで、水面SRで鏡面反射する過程が入るため、センサに戻る反射光量を減らすことができ、水の有無で受光量に差をつけやすい。一方で、従来のように垂直に投光された光は全反射してそのままセンサに戻るため、水の有無による反射光量に差がつきにくい。そこで、水洗システム1は、センサ10の検知方向を斜め下方にすることが、後述するように、第1閾値(手検知閾値)と第2閾値(水位検知閾値)の差を確保することができる。
【0081】
次に、
図4を用いて、上述した関係に基づく第1閾値及び第2閾値の設定について説明する。
図4中のグラフGR1は、各状態での受光量及び閾値の一例を示す。グラフGR1の縦軸は、受光量を示す。
【0082】
図4中の受光量V1は、ボウル部20内に水が溜まっておらず、人の手等の物体もボウル部20内にない場合でのセンサ10の受光量を示す。
図4では、受光量V1が水洗システム1で用いられる基準量SVとして設定される。
【0083】
図4中の第1閾値FTは、基準量SVよりも大きい値であり、吐水を行うべき第3状態を検知するために用いられる閾値である。
図4中の受光量V2は、ボウル部20内に人の手等の物体がある場合でのセンサ10の受光量を示す。受光量V2は、第1閾値FTよりも大きいため、水洗システム1は、受光量V2がセンサ10により検知された場合、吐水を行う第3状態であると判定することができる。
【0084】
図4中の第2閾値STは、基準量SVよりも小さい値であり、ボウル部20に水が溜まった第2状態を検知するために用いられる閾値である。
図4中の受光量V3は、ボウル部20内に水が溜まっている場合でのセンサ10の受光量を示す。受光量V3は、第2閾値STよりも小さいため、水洗システム1は、受光量V3がセンサ10により検知された場合、ボウル部20内に水が溜まっている第2状態、すなわち詰まりが生じている状態であると判定することができる。
【0085】
また、
図4に示すように、基準量SVと第1閾値FTとの差である第1差FDの絶対値が基準量SVと第2閾値STとの差である第2差SDの絶対値よりも大きくなるように、第1閾値FT及び第2閾値STは、設定される。これにより、水洗システム1は、手等の誤検知による吐水制御の誤作動を抑制しつつ、詰まりを早期に検知することができる。すなわち、手があることを確実に検知するために、第1閾値を十分に大きく取る必要があるため、第1差FDの絶対値が2差SDの絶対値よりも大きくなるように設定される。また、詰まりは早めに検知することが望ましいため、第2閾値は低めに設定したいため、第2差SDの絶対値が第1差FDの絶対値よりも小さくなるように設定される。
【0086】
図4中のグラフGR2は、受光量0を基準(原点)としたグラフGR1を違う基準を基に図示したグラフである。具体的には、グラフGR2では、基準量SVを基準として、そこからの差異を図示したグラフである。例えば、差D2は、基準量SVと受光量V2との差を示し、差D3は、基準量SVと受光量V3との差を示す。グラフGR2で示すように、基準量SVを基準として、そこからの差異で表現した場合でも、それぞれの閾値を超えたか否かに応じて、各状態を検知(判定)することができる。
【0087】
例えば、水洗システム1は、差D2が第1閾値FTを超えた場合、すなわち差D2の絶対値が第1差FDの絶対値よりも大きい場合、吐水を行う第3状態であると判定することができる。また、水洗システム1は、差D3が第2閾値STを超えた場合、すなわち差D3の絶対値が第2差SDの絶対値よりも大きい場合、ボウル部20内に水が溜まっている第2状態、すなわち詰まりが生じている状態であると判定することができる。
【0088】
グラフGR2に示すように、ボウル部20からの反射、第1状態の受光量を基準とした時に、手を検知する第1閾値(プラス側)とは別に、マイナス側に水位を検知するための第2閾値を設定することで、同じセンサ10で、手と詰まりを検知することができる。
【0089】
例えば、従来のように、手を検知する閾値(第1閾値)と、水位を検知する閾値(第2閾値)が同じプラス側に設定されている場合、第1閾値と第2閾値との間で確保出来る差が小さくなるため、誤検知を起こしやすくなる。一方で、水洗システム1では、第1状態の受光量を基準として、水位を検知する閾値(第2閾値)が手を検知する閾値(第1閾値)とは逆方向(マイナス側)に設定される。
【0090】
これにより、水洗システム1では、第1閾値と第2閾値との間の差が大きくすることができるため、誤検知が生じる可能性を低減させることができる。このように、水洗システム1では、基準を挟んで各々異なる方向、すなわちプラス方向とマイナス方向との各々の側に閾値を設定することで、一つのセンサ10を用いつつ、手と詰まりを誤検知の可能性を低減させて判定することが可能となる。
【0091】
<1-4.処理例>
ここから、上述した前提を基に、実施形態に関する各種処理例について説明する。水洗システム1は、以下の第1~5の処理を実行する。水洗システム1は、第1~5の処理のうち、少なくとも1つを実行する。なお、水洗システム1は、第1~5の処理の各処理を組み合わせて制御を実行してもよい。また、以下では、水洗システム1を処理主体として説明するが、第1~5の処理は、水洗システム1に含まれる装置構成に応じて、制御部100、センサ10、水洗本体2等、水洗システム1に含まれるいずれの装置が行ってもよい。
【0092】
<1-4-1.第1の処理>
まず、
図5を用いて、第1の処理について説明する。
図5は、実施形態に係る第1の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図5は、第1の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。
【0093】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS101)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0094】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS102)。例えば、制御部100は、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0095】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS102:Yes)、電磁弁40を開く制御を実行する(ステップS103)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きいと判定した場合、電磁弁40を開き吐水を行わせる第1制御を実行する。
【0096】
そして、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS104)。例えば、制御部100は、ステップS101と同様に受光量を示す情報をセンサ10から取得し、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0097】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さくなっていない場合(ステップS104:No)、ステップS103に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さくなっていないと判定した場合、電磁弁40が開いた状態を維持する。
【0098】
一方、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さい場合(ステップS104:Yes)、電磁弁40を閉じる制御を実行する(ステップS105)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さいと判定した場合、電磁弁40を閉じ吐水を終了させる制御を実行する。
【0099】
また、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きくない場合(ステップS102:No)、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS106)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きくないと判定した場合、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0100】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さくない場合(ステップS106:No)、ステップS101に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さくないと判定した場合、ステップS101に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0101】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さい場合(ステップS106:Yes)、外部への報知を実行する(ステップS107)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さいと判定した場合、報知デバイス200等により外部に報知する第2制御を実行する。
【0102】
図5に示すように、水洗システム1は、第1閾値に基づく判定を行った後、第2閾値に基づく判定を行う順番とすることで、自動水栓が吐水するまでのタイムラグを小さくすることができ、吐水機能を遅延させることなく詰まり検知を実施することが可能となる。例えば、第2閾値に基づく判定が第1閾値に基づく判定よりも先に実施された場合、吐水が遅れる可能性があるが、水洗システム1では、第2閾値に基づく判定よりも第1閾値に基づく判定を先に行うことで、自動水栓本来の吐水機能を遅延させることがない。
【0103】
<1-4-2.第2の処理>
次に、
図6及び
図7を用いて、第2の処理について説明する。
図6は、実施形態に係る第2の処理の概要を示す図である。
図7は、実施形態に係る第2の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図7は、第2の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した処理と同様の点についての説明は適宜省略する。
【0104】
まず、
図6を用いて、第2の処理の概要について説明する。
図6中のグラフGR11は、
図4中のグラフGR2での表現に対応し、基準量SVを基準としたグラフを示す。グラフGR11の縦軸は、受光量を示し、グラフGR11の横軸は、時間を示す。
図6中のカウント値t1の時間長に対応する第1所定時間(
図7中の第1所定時間Aに対応)は、第1制御(吐水)を実行するまでの時間を示す。
図6中のカウント値t2の時間長に対応する第2所定時間(
図7中の第2所定時間Bに対応)は、第2制御(詰まりに関する報知)を実行するまでの時間を示す。
【0105】
図6に示すように、第2の処理では、制御部100は、第1所定時間の間、第1閾値FTより受光量が上回った場合、第1制御を実行する。また、制御部100は、第1所定時間より長い第2所定時間の間、第2閾値STより受光量が下回った場合、第2制御を実行する。
【0106】
吐水は即座に開始する必要があるため、水洗システム1では、第1所定時間は第2所定時間より短く設定される。一方で、詰まりはアラートが頻発するのを避けるためにオンディレイをかけ、水洗システム1では、第2所定時間は第1所定時間より長く設定される。
【0107】
洗面ボウルが小さくて且つ水の勢いがいい状況や、排水栓の隙間が小さい洗面台などでは、吐水により一瞬水が溜まる状況が考えられる。そこで、水洗システム1では、詰まり報知のオンディレイを入れる事で、上記状況において詰まりと誤検知する可能性を低減させることができる。
【0108】
次に、
図7を用いて、第2の処理の手順について説明する。
図7は、第2の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した第1の処理と同様の点については適宜説明を省略する。
【0109】
水洗システム1は、カウント値t1及びカウント値t2を0に設定する(ステップS201)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値を上回っている時間をカウントするカウント値t1、及び受光量が第2閾値を下回っている時間をカウントするカウント値t2をリセット(すなわち0に設定)する。
【0110】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS202)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0111】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。例えば、制御部100は、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0112】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS203:Yes)、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS204)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きいと判定した場合、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいか否かを判定する。なお、第1所定時間Aは任意の時間が設定可能である。
【0113】
水洗システム1は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きくない場合(ステップS204:No)、カウント値t1を1増加させ(ステップS205)、ステップS202に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きくないと判定した場合、カウント値t1をインクリメントして1増加させ、ステップS202に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0114】
一方、水洗システム1は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きい場合(ステップS204:Yes)、電磁弁40を開く制御を実行する(ステップS206)。例えば、制御部100は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいと判定した場合、電磁弁40を開き吐水を行わせる第1制御を実行する。
【0115】
そして、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS207)。例えば、制御部100は、ステップS202と同様に受光量を示す情報をセンサ10から取得し、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0116】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さくなっていない場合(ステップS207:No)、ステップS206に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さくなっていないと判定した場合、電磁弁40が開いた状態を維持する。
【0117】
一方、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さい場合(ステップS207:Yes)、電磁弁40を閉じる制御を実行する(ステップS208)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さいと判定した場合、電磁弁40を閉じ吐水を終了させる制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t1を0に設定する(ステップS209)。例えば、制御部100は、カウント値t1をリセット(すなわち0に設定)する。
【0118】
また、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きくない場合(ステップS203:No)、カウント値t1を0に設定する(ステップS210)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きくないと判定した場合、カウント値t1をリセット(すなわち0に設定)する。
【0119】
そして、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS211)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0120】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さくない場合(ステップS211:No)、カウント値t2を0に設定し(ステップS212)、ステップS202に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さくないと判定した場合、カウント値t2をリセット(すなわち0に設定)し、ステップS202に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0121】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さい場合(ステップS211:Yes)、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS213)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さいと判定した場合、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいか否かを判定する。なお、第2所定時間Bは第1所定時間Aよりも長い任意の時間が設定可能である。
【0122】
水洗システム1は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きくない場合(ステップS213:No)、カウント値t2を1増加させ(ステップS214)、ステップS202に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きくないと判定した場合、カウント値t2をインクリメントして1増加させ、ステップS202に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0123】
一方、水洗システム1は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きい場合(ステップS213:Yes)、外部への報知を実行する(ステップS215)。例えば、制御部100は、制御部100は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいと判定した場合、報知デバイス200等により外部に報知する第2制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t2を0に設定する(ステップS216)。例えば、制御部100は、カウント値t2をリセット(すなわち0に設定)する。
【0124】
<1-4-3.第3の処理>
次に、
図8を用いて、第3の処理について説明する。
図8は、実施形態に係る第3の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図8は、第3の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した処理と同様の点についての説明は適宜省略する。
【0125】
第3の処理では、制御部100は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。制御部100は、第1閾値よりも受光量が上回った後、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する。なお、第1閾値に基づく判定から、第2閾値に基づく判定までに所定時間(例えば5分等の任意の時間)を設定してもよい。この場合、制御部100は、受光量が第1閾値よりも上回ってから所定時間内に受光量が第2閾値よりも下回った場合、外部に報知する第2制御を実行してもよい。制御部100は、受光量が第1閾値よりも上回ってから所定時間を経過した後に受光量が第2閾値よりも下回った場合、外部に報知する第2制御を実行しなくてもよい。
【0126】
例えば、単純に第2閾値よりも受光量が下回った場合に詰まりと検知した場合、バケツによる吐水などで水栓が反応せずに洗面ボウルに一気に水が溜まった場合において、誤検知する可能性がある。そこで、水洗システム1は、第3の処理においては、吐水が行われた後に詰まりを検知する処理フローとすることで、吐水なしに水位が増える(反射光量がいきなり下がる)場合は詰まりと判定しないことで、誤検知の可能性を低減させることができる。
【0127】
ここから、
図8を用いて、第3の処理の手順について説明する。
図8は、第3の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した第1の処理や第2の処理と同様の点については適宜説明を省略する。
【0128】
水洗システム1は、カウント値t1及びカウント値t2を0に設定する(ステップS301)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値を上回っている時間をカウントするカウント値t1、及び受光量が第2閾値を下回っている時間をカウントするカウント値t2をリセット(すなわち0に設定)する。
【0129】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS302)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0130】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS303)。例えば、制御部100は、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0131】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きくない場合(ステップS303:No)、ステップS302に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きくないと判定した場合、ステップS302に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0132】
また、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS303:Yes)、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS304)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きいと判定した場合、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいか否かを判定する。
【0133】
水洗システム1は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きくない場合(ステップS304:No)、カウント値t1を1増加させ(ステップS305)、ステップS302に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きくないと判定した場合、カウント値t1をインクリメントして1増加させ、ステップS302に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0134】
一方、水洗システム1は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きい場合(ステップS304:Yes)、電磁弁40を開く制御を実行する(ステップS306)。例えば、制御部100は、カウント値t1が第1所定時間Aよりも大きいと判定した場合、電磁弁40を開き吐水を行わせる第1制御を実行する。
【0135】
そして、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS307)。例えば、制御部100は、ステップS302と同様に受光量を示す情報をセンサ10から取得し、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0136】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さくない場合(ステップS307:No)、ステップS306に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さくないと判定した場合、電磁弁40が開いた状態を維持する。
【0137】
一方、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも小さい場合(ステップS307:Yes)、電磁弁40を閉じる制御を実行する(ステップS308)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも小さいと判定した場合、電磁弁40を閉じ吐水を終了させる制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t1を0に設定する(ステップS309)。例えば、制御部100は、カウント値t1をリセット(すなわち0に設定)する。
【0138】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS310)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0139】
そして、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS311)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0140】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さくない場合(ステップS311:No)、処理を終了する。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さくないと判定した場合、外部報知を実行せずに処理を終了する。
【0141】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さい場合(ステップS311:Yes)、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS312)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さいと判定した場合、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいか否かを判定する。
【0142】
水洗システム1は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きくない場合(ステップS312:No)、カウント値t2を1増加させ(ステップS313)、ステップS310に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きくないと判定した場合、カウント値t2をインクリメントして1増加させ、ステップS310に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0143】
一方、水洗システム1は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きい場合(ステップS312:Yes)、外部への報知を実行する(ステップS314)。例えば、制御部100は、制御部100は、カウント値t2が第2所定時間Bよりも大きいと判定した場合、報知デバイス200等により外部に報知する第2制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t2を0に設定する(ステップS315)。例えば、制御部100は、カウント値t2をリセット(すなわち0に設定)する。
【0144】
<1-4-4.第4の処理>
次に、
図9及び
図10を用いて、第4の処理について説明する。
図9は、実施形態に係る第4の処理の概要を示す図である。
図10は、実施形態に係る第4の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図10は、第4の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した処理と同様の点についての説明は適宜省略する。
【0145】
まず、
図9を用いて、第4の処理の概要について説明する。
図9中のグラフGR12は、
図4中のグラフGR2での表現に対応し、基準量SVを基準としたグラフを示す。グラフGR12の縦軸は、受光量を示し、グラフGR12の横軸は、時間を示す。
【0146】
図9中の直線IN1は、詰まりが生じていない場合、例えば疑似的に満水にしてから水が無くなるまでの水の減り方(傾き)を示す線(接線)である。直線IN1は、基準傾きZに対応する傾きを示す。
図9中の直線IN2は、水洗本体2が使用された際に受光量が第2閾値STを下回った場合に水が無くなるまでの水の減り方(傾き)の一例を示す線(接線)である。直線IN2は、傾きYに対応する傾きを示す。
【0147】
例えば、水洗システム1は、所定値(基準傾きZ)よりも傾きYが小さい(Y<Z)場合、詰まっている(チョロチョロと流れている状態)と判定することができる。このように、第4の処理では、水洗システム1は、水が溜まった状態から詰まっていない状態になる時の水の減り(傾き)が、所定値より小さい時に詰まりと判定する。
【0148】
図9に示すように、第4の処理では、制御部100は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。制御部100は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0149】
水洗システム1は、第4の処理においては、水が無くなる最速の傾きを所定値(基準傾きZ)とした場合、水が無くなるまでの傾きYが、基準傾きZより小さい、すなわちY<Zになった際に、詰まりと判定する。このように、第4の処理では、水洗システム1は、水が排水される最速の傾き(基準傾きZ)を設定し、その数値より小さい傾きの場合は詰まりと判定する。
【0150】
次に、
図10を用いて、第4の処理の手順について説明する。
図10は、第4の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した第1の処理、第2の処理、第3の処理等と同様の点については適宜説明を省略する。
【0151】
水洗システム1は、カウント値t3を0に設定する(ステップS401)。例えば、制御部100は、カウント値t3をリセット(すなわち0に設定)する。
【0152】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS402)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0153】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS403)。例えば、制御部100は、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0154】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS403:Yes)、電磁弁40を開く制御を実行する(ステップS404)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きいと判定した場合、電磁弁40を開き吐水を行わせる第1制御を実行する。
【0155】
また、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きくない場合(ステップS403:No)、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS405)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きくないと判定した場合、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0156】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さくない場合(ステップS405:No)、ステップS402に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さくないと判定した場合、ステップS402に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0157】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さい場合(ステップS405:Yes)、受光量が第2閾値よりも大きくなったか否かを判定する(ステップS406)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくないと判定した場合、受光量が第2閾値よりも大きくなったか否かを判定する。
【0158】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも大きくなっていない場合(ステップS406:No)、ステップS406の判定を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくなっていないと判定した場合、ステップS406の判定を繰り返す。
【0159】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも大きくなった場合(ステップS406:Yes)、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きいか否かを判定する(ステップS407)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくなったと判定した場合、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きいか否かを判定する。なお、第3所定時間Cは後述する傾きが算出可能な任意の時間が設定可能である。
【0160】
水洗システム1は、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きくない場合(ステップS407:No)、カウント値t3を1増加させ(ステップS408)、ステップS407に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きくないと判定した場合、カウント値t3をインクリメントして1増加させ、ステップS407に戻り処理を繰り返す。
【0161】
一方、水洗システム1は、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きい場合(ステップS407:Yes)、反射量を取得する(ステップS409)。例えば、制御部100は、カウント値t3が第3所定時間Cよりも大きいと判定した場合、その時点においての反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0162】
水洗システム1は、傾きYを算出する傾き演算を実行する(ステップS410)。例えば、制御部100は、ステップS406で第2閾値よりも大きいと判定した時点の受光量と、ステップS409で取得した受光量との差を第3所定時間Cで除算することにより、傾きYを算出する。
【0163】
水洗システム1は、傾きYが基準傾きZよりも小さいか否かを判定する(ステップS411)。例えば、制御部100は、ステップS410の傾き演算で算出した傾きYが基準傾きZよりも小さいか否かを判定する。
【0164】
水洗システム1は、傾きYが基準傾きZよりも小さくない場合(ステップS411:No)、処理を終了する。例えば、制御部100は、傾きYが基準傾きZよりも小さくないと判定した場合、外部報知を実行せずに処理を終了する。
【0165】
一方、水洗システム1は、傾きYが基準傾きZよりも小さい場合(ステップS411:Yes)、外部への報知を実行する(ステップS412)。例えば、制御部100は、傾きYが基準傾きZよりも小さいと判定した場合、報知デバイス200等により外部に報知する第2制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t3を0に設定する(ステップS413)。例えば、制御部100は、カウント値t3をリセット(すなわち0に設定)する。
【0166】
<1-4-5.第5の処理>
次に、
図11及び
図12を用いて、第5の処理について説明する。
図11は、実施形態に係る第5の処理の概要を示す図である。
図12は、実施形態に係る第5の処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図12は、第5の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した処理と同様の点についての説明は適宜省略する。
【0167】
まず、
図11を用いて、第5の処理の概要について説明する。
図11中のグラフGR13は、
図4中のグラフGR2での表現に対応し、基準量SVを基準としたグラフを示す。グラフGR13の縦軸は、受光量を示し、グラフGR13の横軸は、時間を示す。
【0168】
図11中の点線で示す曲線CV1は、詰まりが生じていない場合、例えば疑似的に満水にしてから水が無くなるまでの水の減り方(時間のかかり方)を示す。第4所定時間Dは、曲線CV1が示す受光量が第2閾値STに達した時間から、基準量SVよりも小さくかつ第2閾値STよりも大きい第3閾値TTに達するまでの時間を示す。
図11中の実線で示す曲線CV2は、水洗本体2が使用された際に受光量が第2閾値STを下回った場合に水が無くなるまでの水の減り方(時間のかかり方)の一例を示す。カウント値t4は、曲線CV2が示す受光量が第2閾値STに達した時間から、基準量SVよりも小さくかつ第2閾値STよりも大きい第3閾値TTに達するまでの時間を示す。
【0169】
例えば、水洗システム1は、所定値(第4所定時間D)よりもカウント値t4に対応する時間長が大きい(t4>D)場合、詰まっている(チョロチョロと流れている状態)と判定することができる。このように、第5の処理では、水洗システム1は、水が溜まった状態から詰まっていない状態になる時の水の減り(所要時間)が、所定値より大きい時に詰まりと判定する。
【0170】
図11に示すように、第5の処理では、制御部100は、基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも受光量が上回った場合、電磁弁40を開いて水栓本体2から水を吐水する第1制御を実行する。制御部100は、基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも受光量が下回った後、受光量が第2閾値となってから、基準量よりも小さくかつ第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する。
【0171】
水洗システム1は、第5の処理においては、水が排水される最速の時間(第4所定時間D)を予め設定しておき、排水にかかる時間(
図12中のカウント値t4に対応)を測定して第4所定時間Dと比較することで、排水に時間がかかっている(t4>D)場合詰まりと判定する。このように、第5の処理では、水洗システム1は、水が排水される最速の時間(第4所定時間D)を設定し、その数値より大きい場合(排水に時間がかかる場合)は詰まりと判定する。
【0172】
次に、
図12を用いて、第5の処理の手順について説明する。
図12は、第5の処理における吐水の制御及び詰まり検知に関する制御の概要を示すフローチャートである。なお、上述した第1の処理、第2の処理、第3の処理、第4の処理等と同様の点については適宜説明を省略する。
【0173】
水洗システム1は、カウント値t4を0に設定する(ステップS501)。例えば、制御部100は、カウント値t4をリセット(すなわち0に設定)する。
【0174】
水洗システム1は、反射量を確認する(ステップS502)。例えば、制御部100は、反射した光の反射量を含む受光した光の量(受光量)を示す情報をセンサ10から取得する。
【0175】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS503)。例えば、制御部100は、センサ10から取得した情報が示す受光量が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0176】
水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS503:Yes)、電磁弁40を開く制御を実行する(ステップS504)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きいと判定した場合、電磁弁40を開き吐水を行わせる第1制御を実行する。
【0177】
また、水洗システム1は、受光量が第1閾値よりも大きくない場合(ステップS503:No)、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS505)。例えば、制御部100は、受光量が第1閾値よりも大きくないと判定した場合、受光量が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0178】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さくない場合(ステップS505:No)、ステップS502に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも小さくないと判定した場合、ステップS502に戻り受光量を示す情報をセンサ10から取得する。
【0179】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも小さい場合(ステップS505:Yes)、受光量が第2閾値よりも大きくなったか否かを判定する(ステップS506)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくないと判定した場合、受光量が第2閾値よりも大きくなったか否かを判定する。
【0180】
水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも大きくなっていない場合(ステップS506:No)、ステップS506の判定を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくなっていないと判定した場合、ステップS506の判定を繰り返す。
【0181】
一方、水洗システム1は、受光量が第2閾値よりも大きくなった場合(ステップS506:Yes)、受光量が第3閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS507)。例えば、制御部100は、受光量が第2閾値よりも大きくなったと判定した場合、受光量が第3閾値よりも大きいか否かを判定する。なお、第3閾値は、第2閾値よりも小さく、基準値よりも大きい任意の値が設定可能である。
【0182】
水洗システム1は、受光量が第3閾値よりも大きくない場合(ステップS507:No)、カウント値t4を1増加させ(ステップS508)、ステップS507に戻って処理を繰り返す。例えば、制御部100は、受光量が第3閾値よりも大きくないと判定した場合、カウント値t4をインクリメントして1増加させ、ステップS507に戻り処理を繰り返す。
【0183】
一方、水洗システム1は、受光量が第3閾値よりも大きい場合(ステップS507:Yes)、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きいか否かを判定する(ステップS509)。例えば、制御部100は、受光量が第3閾値よりも大きいと判定した場合、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きいか否かを判定する。
【0184】
水洗システム1は、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きくない場合(ステップS509:No)、処理を終了する。例えば、制御部100は、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きくないと判定した場合、外部報知を実行せずに処理を終了する。
【0185】
一方、水洗システム1は、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きい場合(ステップS509:Yes)、外部への報知を実行する(ステップS510)。例えば、制御部100は、カウント値t4が第4所定時間Dよりも大きいと判定した場合、報知デバイス200等により外部に報知する第2制御を実行する。そして、水洗システム1は、カウント値t4を0に設定する(ステップS511)。例えば、制御部100は、カウント値t4をリセット(すなわち0に設定)する。
【0186】
<2.洗面台(水洗システムの適用例)>
上述した第1の処理~第5の処理の少なとも1つを実行する水洗システム1は、その処理が適用可能な対象であれば、任意の対象に適用されてもよい。例えば、水洗システム1は、駅やビル等の様々な施設のようなパブリックな空間に配置される洗面台等に適用されてもよい。水洗システムを適用した洗面台の一例について、
図13を用いて説明する。
図13は、水洗システムを適用した洗面台の一例を示す図である。
【0187】
図13に示す洗面台5は、水洗システム1を含む。
図13では、洗面台5は、水洗本体2
1、2
2、2
3の3つの水洗本体2を有する。また、洗面台5は、水洗本体2
1、2
2、2
3の各々の吐水部30の吐水口に配置される3つのセンサ10を有する。また、洗面台5は、水洗本体2
1、2
2、2
3の制御する1つの制御部100を有してもよい。この場合、洗面台5は、複数の水洗本体2
1、2
2、2
3を含む1つの水洗システム1を有してもよい。
【0188】
なお、洗面台5は、任意の構成が採用可能である。例えば、洗面台5は、水洗本体21、22、23の各々の制御する3つの制御部1001、1002、1003を有してもよい。この場合、洗面台5は、水洗本体21を含む水洗システム11、水洗本体2を含む水洗システム12、水洗本体23を含む水洗システム13の3つの水洗システム1を有してもよい。
【0189】
なお、
図13に示す洗面台5は一例に過ぎず、上述した水洗システム1が適用可能であれば、洗面台5の構成は
図13に示すものに限られない。例えば、
図13では、複数の水洗本体2が配置された洗面台5を一例として示すが、洗面台5は、1つの水洗本体2が配置されたものであってもよい。また、
図13では、水洗システム1の適用場所として、
図13の洗面台5等のように、パブリックな空間に配置される洗面台を一例として説明してきたが、水洗システム1は、例えば、住宅等のプライベートな空間に配置される洗面台に適用してもよい。
【0190】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0191】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0192】
上述してきた各実施形態及び変形例について、以下のような構成であってもよいが、以下には限られない。
(1)
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
(2)
前記センサは、前記ボウル部よりも上側に配置され、
前記センサの検知方向は、斜め下方である
ことを特徴とする(1)に記載の水洗システム。
(3)
前記基準量と前記第1閾値との差の絶対値は、前記基準量と前記第2閾値との差の絶対値よりも大きい
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の水洗システム。
(4)
前記制御部は、
第1所定時間の間、前記第1閾値より前記受光量が上回った場合、前記第1制御を実行し、
前記第1所定時間より長い第2所定時間の間、前記第2閾値より前記受光量が下回った場合、前記第2制御を実行する
ことを特徴とする(3)に記載の水洗システム。
(5)
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記第1閾値よりも前記受光量が上回った後、前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
(6)
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量の傾きが所定値以下である場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
(7)
電磁弁を有し、排水口を有するボウル部に水を出す水栓本体と、
投光部及び前記投光部から放射された光の反射光を含んだ光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光量を検知するセンサと、
前記センサからの信号に応じて、前記電磁弁を制御可能な制御部と、
を備え、
前記センサは、前記ボウル部に水が溜まっていない状態である第1状態における前記受光量である基準量よりも、前記ボウル部に水が溜まった状態である第2状態における前記受光量の方が減少するように配置されており、
前記制御部は、
前記基準量よりも大きい値に設定された第1閾値よりも前記受光量が上回った場合、前記電磁弁を開いて水栓本体から水を吐水する第1制御を実行し、
前記基準量よりも小さい値に設定された第2閾値よりも前記受光量が下回った後、前記受光量が前記第2閾値となってから、前記基準量よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きい値に設定された第3閾値に前記受光量が達するまでの時間が所定値以上である場合、外部に報知する第2制御を実行する
ことを特徴とする水洗システム。
(8)
(1)~(7)のうちいずれか1つに記載の水洗システム、
を備えることを特徴とする洗面台。
【符号の説明】
【0193】
1 水洗システム
2 水洗本体
5 洗面台
10 センサ
11 投光部
12 受光部
20 ボウル部
30 吐水部
31 吐水口
40 電磁弁
100 制御部
110 切替部
120 処理部
130 記憶部
140 取得部
150 出力部
200 報知デバイス