(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163423
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】光源ユニット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241115BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241115BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241115BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20241115BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20241115BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241115BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20241115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241115BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20241115BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241115BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V19/00 510
F21V29/503 100
F21V29/70
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y113:13
F21Y103:10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079008
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真也
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA03
3K013EA09
3K013EA13
3K014AA01
3K014GA03
(57)【要約】
【課題】光源ユニットの放熱の問題及び背面部品取り付けの問題を解決して、軽量化を図った照明器具を提供すること。
【解決手段】中空構造を有するカバー部と、前記カバー部の内部に取り付けられた光源基板を備える光源ユニットであって、前記光源基板は、基板及び光源を備え、前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記光源基板を支持する支持カバー部が一体とされ、前記光出射カバー部は透光性を備え、前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低く、前記支持カバー部の内側には、前記光源基板を取り付けるための平坦部が設けられ、前記平坦部の外側は前記中空構造の外部に露出しており、前記光源基板は、前記平坦部に密着または近接して取り付けられ、前記支持カバー部の外側に背面部品を取り付け可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造を有するカバー部と、前記カバー部の内部に取り付けられた光源基板を備える光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記光源基板を支持する支持カバー部が一体とされ、
前記光出射カバー部は透光性を備え、
前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低く、
前記支持カバー部の内側には、前記光源基板を取り付けるための平坦部が設けられ、前記平坦部の外側は前記中空構造の外部に露出しており、
前記光源基板は、前記平坦部に密着または近接して取り付けられ、
前記支持カバー部の外側に背面部品を取り付け可能である
光源ユニット。
【請求項2】
カバー部と、光源基板と、背面部品を備えた光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられる、
光源ユニット。
【請求項3】
前記背面部品取付部は、前記背面部品の取り付け用の孔が形成されている、
請求項2記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記背面部品は、電源、光源ユニット側連結部品、通信ユニット、バネ保護部から選ばれた少なくとも一つの部品である、請求項1又は2記載の光源ユニット。
【請求項5】
器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に設けられた平坦部に密着又は近接して取り付けられ、前記平坦部の外側は外部に露出しており、
前記支持カバー部の外側に前記背面部品を取り付け可能であり
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記器具本体側連結部品と前記光源ユニット側連結部品が連結されることにより前記器具本体と前記光源ユニットが一体化された、
照明器具。
【請求項6】
器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれる、
照明器具。
【請求項7】
器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記支持カバー部は前記光出射カバー部に比べて透光性が小さく、
前記支持カバー部が前記器具本体に接触して取り付けられる、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及び光源ユニットを備えた照明器具に関し、特に、器具本体と光源ユニットとが分離する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井に配される照明器具の1つに、光源ユニットと、光源ユニットを収容する凹部を有した器具本体とを備えるものがある(特許文献1参照)。この照明器具では、器具本体が備えるバネ受けに、光源ユニットが備える取付バネが引っかけられると、取付バネの弾性力により光源ユニットが照明器具側に引き寄せられて、器具本体に光源ユニットが収容される。
【0003】
特許文献2に記載の照明器具は、器具本体と発光モジュールを備え、発光モジュールは、透光性の樹脂からなる包囲体の内部に発光モジュール(LED基板相当)が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207784号公報
【特許文献2】特開2012-084367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の照明器具においては、光源ユニットの重量が重いという課題があり、その理由としてLEDを搭載した基板を取り付ける支持体が金属製であることが挙げられる。
【0006】
一方、特許文献2の照明器具においては、透光性の樹脂からなる包囲体を用いているため、金属製の支持体に相当する構成部品はない。ただし、強度を保つ・放熱性を確保するなどの目的のために、縦ルーバーを備えた発光モジュールが配設されており、十分な軽量化は図られていないものと考えられる。
【0007】
金属製の支持体は、前面にLED搭載基板を支持するだけでなく、背面に電源や器具本体との連結部品などの背面部品を取り付けている。その際、金属製の支持体にタップを切った孔を設け、ネジをその孔に入れて締め付け、背面部品を固定していた。支持体を樹脂製にする場合の問題点として、樹脂にタップを切った孔を設けて固定することが、樹脂の強度の問題がありできない。また、支持体を前面カバーと一体化した中空構造の樹脂製にする場合の問題点として、支持体の中空部分に工具を入れ、背面部品を取り付けることが困難である。
【0008】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、光源ユニットの放熱の問題及び背面部品取り付けの問題を解決して、軽量化を図った照明器具を提供することを目的とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、中空構造を有するカバー部と、前記カバー部の内部に取り付けられた光源基板を備える光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記光源基板を支持する支持カバー部が一体とされ、
前記光出射カバー部は透光性を備え、
前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低く、
前記支持カバー部の内側には、前記光源基板を取り付けるための平坦部が設けられ、前記平坦部の外側は前記中空構造の外部に露出しており、
前記光源基板は、前記平坦部に密着または近接して取り付けられ、
前記支持カバー部の外側に背面部品を取り付け可能である。
【0010】
本発明は、カバー部と、光源基板と、背面部品を備えた光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられる。
【0011】
本発明において、前記背面部品取付部は、前記背面部品の取り付け用の孔が形成されていてもよい。
【0012】
本発明において、前記背面部品は、電源、光源ユニット側連結部品、通信ユニット、バネ保護部から選ばれた少なくとも一つの部品であってもよい。
【0013】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に設けられた平坦部に密着又は近接して取り付けられ、前記平坦部の外側は外部に露出しており、
前記支持カバー部の外側に前記背面部品を取り付け可能であり
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記器具本体側連結部品と前記光源ユニット側連結部品が連結されることにより前記器具本体と前記光源ユニットが一体化された、
照明器具である。
【0014】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれる、
照明器具である。
【0015】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記支持カバー部は前記光出射カバー部に比べて透光性が小さく、
前記支持カバー部が前記器具本体に接触して取り付けられる、
照明器具である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光源ユニットは、光出射カバー部と支持カバー部が一体化された中空構造のカバー部の支持カバー部の内側に光源基板を取り付けるとともに、支持カバー部の外側が露出しているため、金属を用いず軽量でありながら、放熱を確保することができる。
【0017】
また、本発明に係る光源ユニットは、光出射カバー部と支持カバー部が一体化された中空構造のカバー部を備え、支持カバー部より突出する背面部品取付部を設けることにより、光源ユニット連結部品などの背面部品を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】光源ユニットのX
F方向から見た側面図及びZ
B方向から見た上面図
【
図5】エンドキャップのY
F方向から見た正面図及びZ
B方向から見た上面図
【
図8】光源ユニットの連結バネ部を含む切断部端面図
【
図9】光源ユニットと器具本体とが分離された状態の照明器具の斜視図
【
図12】実施形態2の光源ユニットの側面図及び平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
<概要>
本実施形態に係る照明器具100について図面を参照しながら説明する。
図1に照明器具100を斜め下方向から見た斜視図を示す。照明器具100は、器具本体110に光源ユニット130が取り付けられることにより構成されており、取付対象の一例としての天井190に取り付けられ、室内側に光を照射する。
【0020】
照明器具100は壁面や床面に設置することも可能だが、どのような向きで設置しても、照明器具100に対してZF-ZB方向などと表記し、わかりやすくするためZB方向を下と表記する場合がある。つまり下などの表記は照明器具の方向を説明するための用語であって、は重力方向の下とは無関係である。
【0021】
なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために構成の一部を省略、誇張して表わすなど模式的に表している。また、左右対称な形状を有する部品の構成について説明する際に、明らかに同じ説明の繰り返しとなる場合に、左右の一方についてのみ説明して繰り返しを避けている場合がある。
【0022】
<照明制御装置>
図1における照明制御装置170は、タブレット、スマートホン、PCなどからなり、照明制御プログラム171(図示せず)がインストールされている。ユーザーは、照明制御プログラム171を操作して、無線178により照明器具100と通信し、照明条件を変えることができる。照明条件としては、色合い(調色)、明るさ(調光)、点灯・消灯があり、マニュアル制御の他に、あらかじめ登録されたスケジュールに従って、設定時間に自動的に照明条件を変えるスケジュール運転を行うことができる。
【0023】
照明制御装置170は必須ではなく、照明制御装置170を備えない場合であっても、電灯線のON/OFFにより照明器具100のON/OFFを行うことができる。照明制御装置は有線で制御する方式であってもよい。
【0024】
<光源ユニット>
光源ユニット130は、右側からの側面図である
図2(a)及び上側からの上面図である
図2(b)に示すように、カバー部134、電源部136及び連結バネ部135を備える。
【0025】
<カバー部>
図2(b)に示したA-A線における、器具本体110も含めた切断部端面図を
図3に示す。
【0026】
カバー部134は、光源133の前面側に設けられた光出射カバー部134Aと、光源基板131の後面側に設けられた支持カバー部134Bからなる中空構造の部材である。光出射カバー部134Aは透光性であり、適宜光拡散材を分散させている。支持カバー部はほとんど透光性を有さないように、白色になっているが、熱伝導率が高い樹脂とすることにより灰色や黒色など他の色に着色していてもよい。光出射カバー部134Aと支持カバー部134Bは、二色成形法により一体的に押し出し成形される。カバー部134の材質は樹脂であり、ポリカーボネート又はアクリルが好適に用いられる。
【0027】
カバー部134は、光出射カバー部134Aと支持カバー部134Bが一体化された中空構造をしているため、軽量でありながら十分な強度を備え、それによりカバー部134の長尺方向のたわみが抑制されている。従来の支持体は長尺状の平板で構成されていたため、長尺方向に曲がり(たわみ)が起こりやすかったが、カバー部134の支持カバー部134Bが曲がろうとしても、側面を備える光出射カバー部134Aが曲がらないため、全体としてたわまないという利点がある。
【0028】
<光出射カバー部>
光出射カバー部134Aは、曲面により形成されており、光源133が発する光を透過するとともに適宜拡散する機能を有する。なお、拡散性を抑えて透明にしてもよい。
【0029】
<支持カバー部>
支持カバー部134Bは、
図3に示すように、第1平坦部134B01、内部突出部134B02、基板支持部134B03、第2平坦部134B04、スペーサ部134B05、背面部品取付部134B06、第3平坦部134B07、反射部134B08を備える。
【0030】
背面部品取付部134B06は、中空構造のカバー部134の外周を形成する第2平坦部134B04、第3平坦部134B07から中空構造の外側に突出しており、中空構造の外周を形成する部分ではない。
【0031】
後述する光源基板131は第1平坦部134B01の下面(支持カバー部134Bの内側)に密着又は近接して取り付けられるが、その際に、第1平坦部134B01から下向きに突出する内部突出部134B02の下端部分から内向きに突出する基板支持部134B03が、光源基板131を支持する。なお、光源基板131を第1平坦部134B01に接着する場合には、内部突出部134B02・基板支持部134B03を省略してもよいが、接着力が低下した場合に支持状態を保つために残しておいてもよい。
【0032】
第1平坦部134B01、第2平坦部134B04は、一面が中空構造の内側であり、他面が中空構造の外側に露出している。そのため、光源基板131が発した熱が、第1平坦部134B01を通して外部に排出されやすい。そのため、少なくとも第1平坦部134B01は134Aなどに比べて熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。二色成形を行って製造することを考えると、支持カバー部134B全体が光出射カバー部134Aよりも熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。
【0033】
図3を参照して、光源ユニット130が連結バネ部135により器具本体110側に引き上げられることにより、第3平坦部134B07は器具本体110の長辺側面部115の先端と接触している。第3平坦部134B07から第1平坦部134B01までが不透明なカバー部となっていることにより、光源133から収容凹部112へ向かいロスとなる光をなくすことができる。支持カバー部134Bは樹脂製なので完全に不透明にすることは難しく、透光性を有する光出射カバー部134Aに比べて透光性が少なければ足りる。
【0034】
背面部品取付部134B06は、スペーサ部134B05によって第2平坦部134B04と距離を離して設けられ、背面部品の支持部(バネ保持部135Bなど)が入るようにしている。
【0035】
反射部134B08は、第2平坦部134B04の終端と二色成形の境界A/Bとの間に位置する部材である。この部材は、光源133aから出射し、光出射カバー部134Aで反射されて戻された光Pを再反射して、光出射カバー部134Aをその境界A/B付近まで明るく光らせる作用がある。
【0036】
<光源基板・光源>
光源基板131は、
図4に示すように、長尺状のプリント基板132上に、表面実装型LEDからなる複数の光源133が長手方向に間隔を空けて列状に配されている。光源133を配置する列数は、
図1に示すように2列としているが、1列でもよいし、3列以上としてもよい。表面実装型LED以外に、基板に下記の青色LEDチップを実装したCOB(Chip On Board)型LEDや、CSP(Chip Scale Package)型LEDを用いてもよい。
【0037】
光源133は、InGaN発光層を備える青色LEDチップを、蛍光体含有封止樹脂で封止したLEDが好適に用いられる。発光色は蛍光体の種類及び量により調整することができる。
【0038】
光源133としては、例えば1つの発光色のLEDだけを用いてもよく、2つの発光色(例えば昼白色(色温度6500K)と電球色(色温度2700K))のLEDを交互に配置してもよい。この2つのLEDを用いることにより、ほぼ黒体放射線に沿った色の変更(調色)が可能となる。
【0039】
さらに、3つの発光色のLEDを色が混合するように配置してもよい。例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のLEDを用いることにより、非常に広い範囲の発光色が得られる。
【0040】
3つの発光色の光源の他の例として、下記の赤色LED、黄白色LED、青白色LEDを組み合わせたものであってもよい。
【0041】
赤色LED(R)は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)、(0.736,0.264)で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.60,0.38)である。
【0042】
黄白色LED(Yw)は、CIE1931色度座標において、(0.5,0.5)、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.44,0.47)である。
【0043】
青白色LED(Bw)は、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.23,0.26)である。
【0044】
単色に近いスペクトルを有するB(青色)の光に比べ、比視感度の高い他のスペクトルの光が混合されたBw(青白色)の光の方が視感度が高いなどのため、R・Yw・Bwの三色の発光素子を用いた場合は、R・G・Bの三原色の発光素子を用いる場合に比べて、電力光束変換効率(lm/W)を比較的良好にできるという利点を有する。
【0045】
<エンドキャップ>
エンドキャップ140は、
図2に示すように、カバー部134の短手側端部に取り付けられる部材である。
【0046】
図2(a)のY
B側端部に装着されるエンドキャップ140は、Y
F方向から見た正面図である
図5(a)及びZ
B方向から見た上面図である
図5(b)に示すように、蓋部141、枠部142、ネジ受け部143a、固定部143bを備える。枠部142が光出射カバー部134A、反射部134B08、第1平坦部134B01、第2平坦部134B04で囲まれた領域の内部に挿入される。ネジ受け部143aは、貫通孔143cが設けられた部材である。固定部143bは、支持カバー部134Bに設けられた溝に挿通され嵌合する部材であり、ネジ受け部143aの貫通孔よりも孔径の広い貫通孔143cが設けられている。ネジ受け部143a、固定部143bは、エンドキャップ140と支持カバー部134Bの固定に用いられる。エンドキャップ140と支持カバー部134Bの固定については後述する。
【0047】
また、エンドキャップ140には、切り欠きN1が設けられている。切り欠きN1は、光源と電源部136との結線に必要なLED駆動ケーブル139を挿通するのに用いられる(
図2(b)参照)。
【0048】
エンドキャップ140の材質としては、光出射カバー部134Aと同じ樹脂、または同程度の透光性の樹脂が好ましい。
【0049】
<電源部>
光源ユニット130の電源部136を含む
図2のC-C‘切断部端面図である
図6及び
図9を参照して、背面部品の一つである電源部136は、光源ユニット側ACケーブル138から供給されるAC電力を、光源を駆動するためのDC電力に変換し、LED駆動ケーブル139を通して光源に供給する機能を有する。電源部136の出力は固定であってもよいが、外部から制御されてもよく、その際、外部からの制御信号を無線モジュール137で受信してもよい。
【0050】
電源部136は主に電源主部136A及び電源取付部136Bからなり、電源取付部136Bは、支持カバー部134Bの背面部品取付部134B06に、ネジやリベットなどの締結材136Fを用いて取り付けられる。
【0051】
電源取付部136Bは、電源主部136Aを保持するとともに光源ユニットのカバー部134に取り付けるための部材である。電源取付部136Bを背面部品取付部134B06に取り付けるために、
図6に示すように、ネジ又はリベットなどの締結材136Fを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09、電源取付部136Bの孔部136Bcに通して、締結材136Fにより取り付けられる。なお、
図6は締結材136Fがネジの図だが、リベットでもよい。
【0052】
<連結バネ部>
光源ユニット側連結部品である連結バネ部135の斜視図を
図7(a)に、光源ユニット130の
図2(b)に示したB-B線(連結バネ部)における切断部端面図を
図8に示す。背面部品の一つである連結バネ部135は、支持カバー部134Bの上面に取り付けられ、器具本体110が有するバネ受け117に係合することにより、光源ユニット130を器具本体110に連結する光源ユニット側連結部品である。
【0053】
図7(a)に示すように、連結バネ部135は、連結バネ135A、バネ保持部135B、バネ保護部135D、締結材135Fを備える。
【0054】
連結バネ135Aは、一例として、ダブルトーションバネであり、バネ線材を曲げ加工等して形成される。連結バネ135Aは、バネ先端部135Aa、バネ先端部からつながるフレーム部135Ab、フレーム部に連続しコイル状に曲げられたコイルバネ部135Ac、コイルバネ部に連続しバネ保持部135Bに掛止される棒状の部分である掛止部135Adを含む。
【0055】
バネ保持部135Bは、連結バネ135Aを保持するとともに光源ユニットのカバー部134に取り付けるための部材である。バネ保持部135Bを背面部品取付部134B06に取り付けるために、
図7(a)及び
図8に示すように、ネジ又はリベットなどの締結材135Fを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09、バネ保持部135Bの孔部135Bcに通して、締結材135Fにより取り付けられる。なお、
図7(a)は締結材135Fがネジ、
図8は締結材135Fがリベットの図だが、
図7(a)におけるプラスネジを入れる部分の模様を丸形状に見立てることによりリベットとみなすことができ、
図8において締結材135Fの下側をナットと見ることにより締結材135Fがネジ及びナットである場合を示していると見なすことができる。
【0056】
バネ保持部135Bは、金属板を折り曲げ加工等して形成される。バネ保持部135Bは、板部135Ba、バネ固定部135Bb、締結材135Fを通す孔部135Bc、アーチ部135Bdを備える。板部135Baは、板状部分であり、支持カバー部134Bの光源基板131が取り付けられる面に対向する面に固定される。バネ固定部135Bbは、連結バネ135Aのコイルバネ部135Acが掛止される平板状の部分である。孔部135Bcは、板部135Baに設けられた孔であり、板部135Baと支持カバー部134Bとを固定するためのネジ山(タップ)が切られてもよい(ナット固定あるいはリベット固定の場合にはネジ山は不要)。アーチ部135Bdは、アーチ状に加工された部分であり、アーチ内に連結バネ135Aの掛止部135Adが挿通され掛止される。突出部135Beは、板部135Baの端部において折り曲げられて起立する部分である。
【0057】
バネ保護部135Dは、バネ先端部135Aaがバネの力により勢いよく支持カバー部134Bに当たり、支持カバー部134Bを損傷するのを防止するための金属板で、支持体が金属製であった時には不要であった部材である。バネ保護部135Dも締結材135Fにより光源ユニットの背面部品取付部134B06に取り付けられる。
【0058】
バネ保持部135Bの板部135Baとバネ保護部135Dは、締結材135Fによりカバー部の背面部品取付部134B06に取り付けられるが、その際、板部135Baとカバー部134の背面部品取付部134B06は距離Wの範囲で面接触することにより、力が分散されるため、カバー部134の割れや疲労を防止することができる。
【0059】
図7(b)は、板状のバネ保護部135Dを、弾性体(ゴムなど)のバネ保護部135D2に置き換えた場合の斜視図である。バネ保護部135D2は例えば直方体であり、第1平坦部134B01などに接着剤で固定されている。なお、バネ保護部135D2は、X方向に、背面部品取付部134B06の下まで延びていてもよい。
【0060】
<器具本体>
光源ユニット130と器具本体110とが分離された状態の照明器具100を示す斜視図を
図9に示す。器具本体110は、筐体111と、筐体111の底面部114に配されたバネ受け117及び端子台118を備える。
【0061】
筐体111は、断面図である
図3に示すように、長尺状の底面部114と、底面部114の長辺からZ
F方向に延びた2つの長辺側面部115を備え、これらにより、X
F方向に開口し、光源ユニットの背面部品を収容可能な収容凹部112が形成されている。
【0062】
底面部114には、天井190から露出し照明器具100に電力を供給するための電灯線198などの電線を通すための電灯線挿通孔120Aが設けられている。また、底面部114には、天井190から露出する吊りボルト196、又は天井190の補強部へ器具本体を取り付けるネジを通すための器具取付孔120Bが長手方向における両端寄りの位置に2個設けられている。吊りボルトで固定する場合は、
図9を参照して、器具取付孔120Bに吊りボルト196がそれぞれ通されたのち、吊りボルト196にナット197(ワッシャー、スプリングワッシャーと合わせて用いてもよい)が締め付けられることで、器具本体110が天井190に固定される。
【0063】
<バネ受け>
図10に、光源ユニット側連結部品である連結バネ部135と連結して光源ユニットと器具本体を一体化させるための、器具本体側連結部品であるバネ受けの斜視図を示す。
図10に示すように、バネ受け117は、器具本体の底面部114に取り付けられるバネ受け固定部117Aと、底面部からZ
F方向に突出するバネ受け主部117Bを備え、バネ受け主部117Bに、フック部117D及びバネ挿通孔117Cを有する。フック部117Dは、幅広で扁平なフック形状を有し、後述する光源ユニット係止状態において、連結バネ135Aのフレーム部135Ab(
図6参照)が引っ掛けられる。バネ挿通孔117Cは、略矩形状の孔であり、後述する光源ユニット設置状態において、連結バネ135Aのフレーム部135Abが挿通される。なお、バネ受け117は、通常金属板を孔あけ加工、折り曲げ加工等して形成される。
【0064】
<端子台・電灯線挿通孔>
底面部114に設けられた端子台118は、電灯線挿通孔120Aを通して器具本体内部に入った電灯線198を接続するとともに、電源部136につながる器具本体側ACケーブル119を接続する機能を有する。
【0065】
<取付孔>
器具本体の底面部114には、吊りボルト196を貫通させナット197で締め付けることにより、器具本体110を天井190に取り付けるための、器具取付孔120Bが設けられている。これらの器具取付孔120Bに吊りボルト196がそれぞれ通されたのち、吊りボルト196にナット197が締め付けられることで、器具本体110が天井190に固定される。
【0066】
<光源ユニットの組み立て>
(1)光源基板131の支持カバー部134B内部への取り付け
カバー部134のY
FまたはY
B側の開口部から、光源基板131の長辺及びその近傍が、
図3記載の支持カバー部134Bの第1平坦部134B01、内部突出部134B02、基板支持部134B03で囲まれた領域内に位置するようにし、光源基板131を支持カバー部134Bの長手方向にスライドさせる。
【0067】
(2)背面部品(連結バネ部135、バネ保護部135D、電源部136)の支持カバー部134Bへの取り付け(ネジ止め又はリベット止め)
背面部品の取り付けについて、連結バネ部135を例にとって説明する。
連結バネ部135を支持カバー部134Bに取り付けるため、カバー部134のY
FまたはY
B側から、
図6記載の連結バネ部135の板部135Baが、
図7記載の支持カバー部134Bの第2平坦部134B04と背面部品取付部134B06の間に位置するようにスライドさせる。そして、連結バネ部135のバネ保持部135Bの孔部135Bcを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09に合わせ、Z
B側から締結材135Fを取付孔134B09に取り付ける。
【0068】
締結材135Fがリベットの場合は、取付孔134B09にネジ山を設ける必要はない。また、締結材135Fがネジの場合、板部135Baの下側にナットを入れて、ネジとナットを締め付けてもよい。
【0069】
ネジ止めに比べて、リベット止めは作業が単純化されるというメリットがある反面、リベットが変形するため背面部品の取り外しができなくなるというデメリットがある。そのため、修理などのための背面部品の取り外しの必要性を勘案して、どちらの締結手段を採用するかを決めることが望ましい。なお、接着剤やベルトでの締付など、他の締結手段を用いてもよい。
【0070】
(3)LED駆動ケーブル139の電源部136への接続
光源基板131の端部にLED駆動ケーブル139が接続されている。これをエンドキャップの切り欠きN1を通して中空構造のカバー部134の外部に引き出し、電源部136に接続する。
【0071】
(4)エンドキャップ140のカバー部134への取り付け
図5を参照して、エンドキャップ140をカバー部134の開口部に対して、エンドキャップ140の枠部142が中空のカバー部134の内部に入るように取り付ける。
【0072】
ここで、支持カバー部134Bにおいて、固定部143bの貫通孔と重なる部分には、貫通孔が設けられている。この状態で、固定部143b側から、固定部143bの貫通孔、背面部品取付部134B06の貫通孔を通して、ネジ受け部143aの貫通孔へとタッピングネジを締め付ける。タッピングネジは、ネジ受け部143aの貫通孔にねじ立てする。これにより、背面部品取付部134B06がネジ受け部143aと固定部143bとに挟まれ、エンドキャップ140とカバー部134とが固定される。
【0073】
<器具本体の天井への設置、光源ユニットの器具本体への取り付け>
以下の手順で、照明器具100を天井に設置する。なお、天井でなくレースウェイ等のバー金具に設置してもよい。
【0074】
(1)
図9を参照し、天井側から延びた2本の吊りボルト196を器具本体110の器具取付孔120Bに通し、ナット197を締め付けることにより、器具本体110を天井190に固定する。なお、吊りボルトを用いずに器具取付孔120Bの下からビスで天井190の補強部にネジ止めすることにより、器具本体110を固定してもよい。
【0075】
(2)天井190側の電灯線198を電灯線挿通孔120Aに通し、端子台118と接続する。
【0076】
(3)光源ユニット130側の2カ所の連結バネ部135の連結バネ135Aを、それぞれ器具本体110側のバネ受け117のフック部117Dに掛ける。この状態を「光源ユニット係止状態」とする。
【0077】
(4)係止状態において、器具本体110の端子台118から延びた器具本体側ACケーブル119のコネクタ(図示せず)と、光源ユニット130から延びた光源ユニット側ACケーブル138のコネクタ(図示せず)を接続する。
【0078】
(5)光源ユニット130を上に押し上げる。すると、連結バネ135Aがバネ受け117のバネ挿通孔117Cに入る。バネの力により光源ユニット130が引き上げられ、光源ユニット130の支持カバー部134Bが器具本体110に押し付けられて接触する。この状態が
図1に示した照明器具100であり、「光源ユニット設置状態」という。
【0079】
<カバー部の変形例>
図11(a)、(b)、(c)は、カバー部134の変形例であるカバー部234、334、434の断面図である。背面部品取付部134B06に相当する部分である背面部品取付部234B06、背面部品取付部334B06、背面部品取付部434B06にそれぞれ設けられた、取付孔134B09に相当する部分である取付孔234B09、取付孔334B09、取付孔434B09の位置を一点鎖線で示す。
【0080】
図11(a)に示すカバー部234は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部234B07が、スペーサ部134B05に相当するスペーサ部234B05の中間部に接続している。そのため、光源とカバー部234との距離がカバー部134の場合に比べて若干広くなる。背面部品取付部234B06はスペーサ部234B05の先端から内側に向いて延びている。
【0081】
図11(b)に示すカバー部334は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部334B07が、スペーサ部134B05に相当するスペーサ部334B05の下端に接続している。そのため、光源とカバー部234との距離がカバー部134の場合に比べてさらに広くなる。背面部品取付部334B06はスペーサ部234B05の先端から内側に向いて延びている。
【0082】
図11(c)に示すカバー部334は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部434B07が、第2平坦部134B04に相当する第2平坦部434B04に接続しており、その接続部から図の上方向に背面部品取付部434B06が延びている。このような縦に延びる背面部品取付部への背面部品の取り付けについては、実施形態3において詳しく説明する。
【0083】
<実施形態2>
<概要>
本実施形態に係る照明器具500は、照明器具100に比べてX方向の幅が狭く、デザイン性が考慮された器具形状になっている。照明器具500は、器具本体510に光源ユニット530が取り付けられることにより構成されている。
【0084】
<光源ユニット>
光源ユニット530は、X
F方向からの側面図である
図12(a)及びZ
B方向からの上面図である
図12(b)に示すように、カバー部534、電源部536及び連結バネ部535を備える。光源ユニット530の幅が狭くなったことに伴い、電源取付部536Bが、電源主部536AのX方向でなくY方向に設けられている。
【0085】
<カバー部>
図12(b)に示した電源部536近傍のA-A線における、照明器具500の要部のみ示す断面図を
図13に示す。
【0086】
カバー部534は、光源533の前面側に設けられた光出射カバー部534Aと、光源基板531(プリント基板532)の後面側に設けられた支持カバー部534Bからなる中空の部材である。光出射カバー部534Aは透光性であり、適宜光拡散材を分散させている。支持カバー部はほとんど透光性を有さないように、白色になっているが、熱伝導率が高い樹脂とすることにより灰色や黒色など他の色に着色していてもよい。光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bは、二色成形法により一体的に押し出し成形される。カバー部534の材質は樹脂であり、ポリカーボネート又はアクリルが好適に用いられる。
【0087】
カバー部534は、光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bが一体化された中空構造をしているため、軽量でありながらカバー部534の長尺方向のたわみが抑制されている。
【0088】
<光出射カバー部>
光出射カバー部534Aは、側面及び前面が平面により形成されており、光源533が発する光を透過するとともに適宜拡散する機能を有する。なお、拡散性を抑えて透明にしてもよい。
【0089】
<支持カバー部>
支持カバー部534Bは、
図13に示すように、第1平坦部534B01、内部突出部534B02、基板支持部534B03、第2平坦部534B04、スペーサ部534B05、背面部品取付部534B06、第3平坦部534B07、接触部534B10を備える。
【0090】
背面部品取付部534B06は、中空構造のカバー部534の外周を形成するスペーサ部534B05、第3平坦部534B07から突出しており、中空構造を形成する部分ではない。
【0091】
第1平坦部534B01、第2平坦部534B04は、一面が中空構造の内側であり、他面が中空構造の外側に露出している。そのため、光源基板531が発した熱が、第1平坦部534B01を通して外部に排出されやすい。そのため、少なくとも第1平坦部534B01は534Aなどに比べて熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。二色成形を行って製造することを考えると、支持カバー部534B全体が光出射カバー部534Aよりも熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。
【0092】
背面部品取付部534B06は、スペーサ部534B05によって第2平坦部534B04と距離を離して設けられ、ネジ(タップ)を切った孔が設けられている取付板536Gが入るようにしている。
【0093】
<光源基板>
光源基板531は、長尺状のプリント基板532上に、表面実装型LEDからなる複数の光源533が長手方向に間隔を空けて列状に配されてなる。光源533を配置する列数は、
図13に示すように1列としている。
【0094】
<器具本体>
器具本体510は、筐体511と、筐体511の底面部514に配されたバネ受け117及び端子台118を備える。
【0095】
筐体511は、断面図である
図13に示すように、長尺状の底面部514と、底面部514の長辺からZ
F方向に延びた2つの長辺側面部515を備え、これらにより、X
F方向に開口し、光源ユニットの背面部品を収容可能な収容凹部512が形成されている。また、長辺側面部515の開口部近くに突出部521が設けられている。連結バネ部535によりZ
B方向に引き上げられた光源ユニットの接触部534B10が、突出部521と接触することにより、光源ユニットが固定される。
【0096】
<電源部、その支持カバー部への取り付け>
図13を参照して、背面部品の一つである電源部536は、光源ユニット側ACケーブルから供給されるAC電力を、光源を駆動するためのDC電力に変換し、LED駆動ケーブルを通して光源に供給する機能を有する。
【0097】
電源部536は電源主部536A及び電源取付部536Bを備える。電源取付部536Bは、電源取付部536Bに設けられた取付孔536BH、背面部品取付部534B06に設けられた取付孔534B06Hを通して、ネジ山を切った取付孔536GHが設けられた取付板536Gに、ネジなどの締結材536Fを用いて取り付けられ、これにより電源取付部536Bが支持カバー部534Bに取り付けられる。なお、ネジ以外にリベットで取り付けてもよく、その場合は取付板536Gが不要である。
【0098】
<連結バネ部、その支持カバー部への取り付け>
連結バネ部535のバネ保持部535Bも、電源取付部536Bが支持カバー部534Bに取り付けられるのと同様の方法で、支持カバー部534Bに取り付けられる。
【0099】
<実施形態3>
<概要>
本実施形態に係る光源ユニット550は、光源ユニット530に対して背面部品の取り付け構造が異なる。
【0100】
<カバー部>
光源ユニット550の電源部536近傍の、要部のみ示す断面図を
図14に示す。
【0101】
カバー部534は、光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bが一体化された中空構造を有している。
【0102】
<支持カバー部への電源部の締結>
支持カバー部534Bは、
図13に示すように、第3平坦部534B07から縦方向(Z
B方向)に延びる背面部品取付部534B11を備え、背面部品取付部534B11に取付孔534B11Hが設けられている。
【0103】
<電源部、その支持カバー部への取り付け>
図14を参照して、電源取付部536Tと、支持カバー部534Bの背面部品取付部534B11に設けられた取付孔534B11Hを通して、ナット536Nに、ネジなどの締結材536Fを用いて取り付けられる。なお、ネジ以外にリベットで取り付けてもよく、その場合はナット536Nが不要である。電源取付部536Tは、電源主部536AのZ
F側とZ
B側に2カ所設けられているため、十分安定した取り付けが可能であるが、さらに他の部分で取り付けを行ってもよい。
【0104】
なお、連結バネなど他の背面部品に対しても、縦に延びる電源取付部536Tに相当する部分を設け、光源ユニットの背面部品取付部534B11を用いた取り付けが可能である。
【0105】
<変形例その他>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を例えば以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0106】
実施形態の光源ユニットは、器具本体と組み合わせて用いるものとしたが、器具本体として機能するライティングレール(ライティングダクト)や、レースウェイに取り付けてもよく、器具本体を用いずに天井などの取付対象に直接取り付けてもよい。
【0107】
中空のカバー部は、断面形状が閉じた中空形状に限られず、孔が設けられていてもよい。また、断面形状においてX方向の幅よりも短いX方向の切れ込みや、Y方向の高さよりも短いY方向の切れ込みがあってもよい。
【0108】
実施形態1の例では、電源部136に設けられたスロットに無線モジュール137を差し込んだ構造としたが、背面部品として独立した通信ユニット(無線モジュールと同様の機能を備えるもの)をカバー部に取り付けてもよく、その際、通信ユニットの取付部(電源取付部136Bに相当する部分)をカバー部の「背面部品取付部134B06」に取り付けることができる。
【0109】
器具本体は、実施形態1では逆富士形、実施形態2・3ではトラフ形の例を用いて説明したが、どの実施形態についても、逆富士形・トラフ形・下面開放形・その他の形状の器具本体であってもよい。
【0110】
光源は、光源基板の表面上に実装する他、例えば、光源基板131を用いずに光源133を支持カバー部134Bに直接実装してもよい。
【0111】
基板は、プリント基板に限られず、メタルコア基板(金属板表面に絶縁膜を設け、その上に配線パターンを設けた基板)を用いてもよく、表面に配線パターンを形成したセラミック基板を用いてもよい。このように基板の材料は特に限定されない。また、COB型LEDのボード部分や表面実装型LEDのパッケージ部分に基板としての役割を担わせ、プリント基板などを用いなくてもよい。
【0112】
カバー部の二色成形の境界A/Bは、光源のZB方向に光出射カバー部(A)、光源のZF方向に支持カバー部(B)があれば、その途中のどこに設けてもよい。
【0113】
カバー部は二色成形でなく、三色成形など多色成形にしてもよい。例えば反射部134B08は白色とし、光源基板を取り付ける部分である第1平坦部134B01は熱伝導率の高い着色樹脂としてもよい。その場合、支持カバー部の色は特に限定されない。
【0114】
実施形態においては、連結バネ部が光源ユニット側、バネ受け部が器具本体側の場合を示したが、連結バネ部が器具本体側、バネ受け部が光源ユニット側であってもよい。その場合、光源ユニット側連結部品であるバネ受け部が、背面部品として光源ユニットに取り付けられる。
【0115】
連結バネとしては線状のダブルトーションバネの場合を示したが、湾曲した板状のバネなど、形状を問わない。連結をするための部材であれば、弾性がなくてもよい。
【0116】
本発明の各部構成は上記実施形態及び変形例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記照明器具の各部構成は、LEDに係る照明器具に限定されていない様々な照明器具に適用することが出来る。
【0117】
上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0118】
100、500 照明器具
110、510 器具本体
111、511 筐体
112、512 収容凹部
113 反射板部
114、514 底面部
115、515 長辺側面部
116 短辺側面部
117 バネ受け(器具本体側連結部品)
117A バネ受け固定部
117B バネ受け主部
117C バネ挿通孔
117D フック部
118 端子台
119 器具本体側ACケーブル
120A 電灯線挿通孔
120B 器具取付孔
521 突出部
130、530、550 光源ユニット
131、531 光源基板
132、532 プリント基板
133、533 光源
134、234、334、434、534 カバー部
134A、534A 光出射カバー部
134B、534B 支持カバー部
134B01 第1平坦部
134B02、534B02 内部突出部
134B03、534B03 基板支持部
134B04 第2平坦部
134B05、234B05、334B05,534B05 スペーサ部
134B06、234B06、334B06、434B06、534B06、534B11 背面部品取付部
134B07 第3平坦部
134B08 反射部
134B09、234B09、334B09、434B09、534B06H、534B11H、536BH、536GH 取付孔
534B10 接触部
135、535 連結バネ部
135A 連結バネ(背面部品、光源ユニット側連結部品)
135Aa バネ先端部
135Ab フレーム部
135Ac コイルバネ部
135Ad 掛止部
135B、535B バネ保持部
135Ba 板部
135Bb バネ固定部
135Bc 孔部
135Bd アーチ部
135Be 突出部
135D 135D2 バネ保護部
135F、136F、536F 締結材
136、536 電源部(背面部品)
136A、536A 電源主部
136B、536B、536T 電源取付部
136Bc 孔部
536G 取付板
536N ナット
137 無線モジュール
138 光源ユニット側ACケーブル
139 LED駆動ケーブル
140 エンドキャップ
141 蓋部
142 枠部
143a ネジ受け部
143b 固定部
143c 貫通孔
170 照明制御装置
171 照明制御プログラム
178 無線
190 天井
196 吊りボルト
197 ナット
198 電灯線
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー部と、光源基板と、背面部品を備えた光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に設けられた平坦部に密着又は近接して取り付けられ、前記平坦部の外側は外部に露出しており、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付け可能であり、
前記背面部品取付部には、取付孔が形成されている、
光源ユニット。
【請求項2】
前記背面部品は、電源、光源ユニット側連結部品、通信ユニット、バネ保護部から選ばれた少なくとも一つの部品である、請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記光出射カバー部は透光性を備え、
前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低い、
請求項1記載の光源ユニット。
【請求項4】
器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に設けられた平坦部に密着又は近接して取り付けられ、前記平坦部の外側は外部に露出しており、
前記支持カバー部の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に前記背面部品を取り付け可能であり
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記器具本体側連結部品と前記光源ユニット側連結部品が連結されることにより、前記器具本体と前記光源ユニットが一体化された、
照明器具。
【請求項5】
前記器具本体側連結部品と前記光源ユニット側連結部品が連結されることにより、前記カバー部が、前記器具本体の長辺側面部の先端又は前記長辺側面部に設けられた突出部と接触し、前記光源ユニットが前記器具本体に固定される、
請求項4記載の照明器具。
【請求項6】
前記背面部品取付部には、取付孔が形成されている、
請求項4記載の照明器具。
【請求項7】
前記背面部品は、電源、通信ユニット、バネ保護部から選ばれた少なくとも一つの部品を含む、
請求項4記載の照明器具。
【請求項8】
前記光出射カバー部は透光性を備え、
前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低い、
請求項4記載の照明器具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及び光源ユニットを備えた照明器具に関し、特に、器具本体と光源ユニットとが分離する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井に配される照明器具の1つに、光源ユニットと、光源ユニットを収容する凹部を有した器具本体とを備えるものがある(特許文献1参照)。この照明器具では、器具本体が備えるバネ受けに、光源ユニットが備える取付バネが引っかけられると、取付バネの弾性力により光源ユニットが照明器具側に引き寄せられて、器具本体に光源ユニットが収容される。
【0003】
特許文献2に記載の照明器具は、器具本体と発光モジュールを備え、発光モジュールは、透光性の樹脂からなる包囲体の内部に発光モジュール(LED基板相当)が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207784号公報
【特許文献2】特開2012-084367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の照明器具においては、光源ユニットの重量が重いという課題があり、その理由としてLEDを搭載した基板を取り付ける支持体が金属製であることが挙げられる。
【0006】
一方、特許文献2の照明器具においては、透光性の樹脂からなる包囲体を用いているため、金属製の支持体に相当する構成部品はない。ただし、強度を保つ・放熱性を確保するなどの目的のために、縦ルーバーを備えた発光モジュールが配設されており、十分な軽量化は図られていないものと考えられる。
【0007】
金属製の支持体は、前面にLED搭載基板を支持するだけでなく、背面に電源や器具本体との連結部品などの背面部品を取り付けている。その際、金属製の支持体にタップを切った孔を設け、ネジをその孔に入れて締め付け、背面部品を固定していた。支持体を樹脂製にする場合の問題点として、樹脂にタップを切った孔を設けて固定することが、樹脂の強度の問題がありできない。また、支持体を前面カバーと一体化した中空構造の樹脂製にする場合の問題点として、支持体の中空部分に工具を入れ、背面部品を取り付けることが困難である。
【0008】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、光源ユニットの放熱の問題及び背面部品取り付けの問題を解決して、軽量化を図った照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、中空構造を有するカバー部と、前記カバー部の内部に取り付けられた光源基板を備える光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記光源基板を支持する支持カバー部が一体とされ、
前記光出射カバー部は透光性を備え、
前記支持カバー部は、前記光出射カバー部に比べて透光性が低く、
前記支持カバー部の内側には、前記光源基板を取り付けるための平坦部が設けられ、前記平坦部の外側は前記中空構造の外部に露出しており、
前記光源基板は、前記平坦部に密着または近接して取り付けられ、
前記支持カバー部の外側に背面部品を取り付け可能である。
【0010】
本発明は、カバー部と、光源基板と、背面部品を備えた光源ユニットであって、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられる。
【0011】
本発明において、前記背面部品取付部は、前記背面部品の取り付け用の孔が形成されていてもよい。
【0012】
本発明において、前記背面部品は、電源、光源ユニット側連結部品、通信ユニット、バネ保護部から選ばれた少なくとも一つの部品であってもよい。
【0013】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に設けられた平坦部に密着又は近接して取り付けられ、前記平坦部の外側は外部に露出しており、
前記支持カバー部の外側に前記背面部品を取り付け可能であり、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記器具本体側連結部品と前記光源ユニット側連結部品が連結されることにより前記器具本体と前記光源ユニットが一体化された、
照明器具である。
【0014】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品は、前記中空構造の外側に突出する前記支持カバー部の背面部品取付部に取り付けられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれる、
照明器具である。
【0015】
本発明は、器具本体側連結部品を備えた器具本体と、光源ユニットを有する照明器具であって、
前記光源ユニットは、カバー部と、光源基板と、背面部品を備え、
前記光源基板は、基板及び光源を備え、
前記カバー部は、前記光源から発した光を出射する光出射カバー部と、前記基板を支持する支持カバー部が一体とされた中空構造を備え、
前記光源基板は、前記支持カバー部の内側に備えられ、
前記背面部品には、光源ユニット側連結部品が含まれ、
前記支持カバー部は前記光出射カバー部に比べて透光性が小さく、
前記支持カバー部が前記器具本体に接触して取り付けられる、
照明器具である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光源ユニットは、光出射カバー部と支持カバー部が一体化された中空構造のカバー部の支持カバー部の内側に光源基板を取り付けるとともに、支持カバー部の外側が露出しているため、金属を用いず軽量でありながら、放熱を確保することができる。
【0017】
また、本発明に係る光源ユニットは、光出射カバー部と支持カバー部が一体化された中空構造のカバー部を備え、支持カバー部より突出する背面部品取付部を設けることにより、光源ユニット連結部品などの背面部品を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】光源ユニットのX
F方向から見た側面図及びZ
B方向から見た上面図
【
図5】エンドキャップのY
F方向から見た正面図及びZ
B方向から見た上面図
【
図8】光源ユニットの連結バネ部を含む切断部端面図
【
図9】光源ユニットと器具本体とが分離された状態の照明器具の斜視図
【
図12】実施形態2の光源ユニットの側面図及び平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
<概要>
本実施形態に係る照明器具100について図面を参照しながら説明する。
図1に照明器具100を斜め下方向から見た斜視図を示す。照明器具100は、器具本体110に光源ユニット130が取り付けられることにより構成されており、取付対象の一例としての天井190に取り付けられ、室内側に光を照射する。
【0020】
照明器具100は壁面や床面に設置することも可能だが、どのような向きで設置しても、照明器具100に対してZF-ZB方向などと表記し、わかりやすくするためZB方向を下と表記する場合がある。つまり下などの表記は照明器具の方向を説明するための用語であって、重力方向の下とは無関係である。
【0021】
なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために構成の一部を省略、誇張して表わすなど模式的に表している。また、左右対称な形状を有する部品の構成について説明する際に、明らかに同じ説明の繰り返しとなる場合に、左右の一方についてのみ説明して繰り返しを避けている場合がある。
【0022】
<照明制御装置>
図1における照明制御装置170は、タブレット、スマートホン、PCなどからなり、照明制御プログラム171(図示せず)がインストールされている。ユーザーは、照明制御プログラム171を操作して、無線178により照明器具100と通信し、照明条件を変えることができる。照明条件としては、色合い(調色)、明るさ(調光)、点灯・消灯があり、マニュアル制御の他に、あらかじめ登録されたスケジュールに従って、設定時間に自動的に照明条件を変えるスケジュール運転を行うことができる。
【0023】
照明制御装置170は必須ではなく、照明制御装置170を備えない場合であっても、電灯線のON/OFFにより照明器具100のON/OFFを行うことができる。照明制御装置は有線で制御する方式であってもよい。
【0024】
<光源ユニット>
光源ユニット130は、右側からの側面図である
図2(a)及び上側からの上面図である
図2(b)に示すように、カバー部134、電源部136及び連結バネ部135を備える。
【0025】
<カバー部>
図2(b)に示したA-A線における、器具本体110も含めた切断部端面図を
図3に示す。
【0026】
カバー部134は、光源133の前面側に設けられた光出射カバー部134Aと、光源基板131の後面側に設けられた支持カバー部134Bからなる中空構造の部材である。光出射カバー部134Aは透光性であり、適宜光拡散材を分散させている。支持カバー部はほとんど透光性を有さないように、白色になっているが、熱伝導率が高い樹脂とすることにより灰色や黒色など他の色に着色していてもよい。光出射カバー部134Aと支持カバー部134Bは、二色成形法により一体的に押し出し成形される。カバー部134の材質は樹脂であり、ポリカーボネート又はアクリルが好適に用いられる。
【0027】
カバー部134は、光出射カバー部134Aと支持カバー部134Bが一体化された中空構造をしているため、軽量でありながら十分な強度を備え、それによりカバー部134の長尺方向のたわみが抑制されている。従来の支持体は長尺状の平板で構成されていたため、長尺方向に曲がり(たわみ)が起こりやすかったが、カバー部134の支持カバー部134Bが曲がろうとしても、側面を備える光出射カバー部134Aが曲がらないため、全体としてたわまないという利点がある。
【0028】
<光出射カバー部>
光出射カバー部134Aは、曲面により形成されており、光源133が発する光を透過するとともに適宜拡散する機能を有する。なお、拡散性を抑えて透明にしてもよい。
【0029】
<支持カバー部>
支持カバー部134Bは、
図3に示すように、第1平坦部134B01、内部突出部134B02、基板支持部134B03、第2平坦部134B04、スペーサ部134B05、背面部品取付部134B06、第3平坦部134B07、反射部134B08を備える。
【0030】
背面部品取付部134B06は、中空構造のカバー部134の外周を形成する第2平坦部134B04、第3平坦部134B07から中空構造の外側に突出しており、中空構造の外周を形成する部分ではない。
【0031】
後述する光源基板131は第1平坦部134B01の下面(支持カバー部134Bの内側)に密着又は近接して取り付けられるが、その際に、第1平坦部134B01から下向きに突出する内部突出部134B02の下端部分から内向きに突出する基板支持部134B03が、光源基板131を支持する。なお、光源基板131を第1平坦部134B01に接着する場合には、内部突出部134B02・基板支持部134B03を省略してもよいが、接着力が低下した場合に支持状態を保つために残しておいてもよい。
【0032】
第1平坦部134B01、第2平坦部134B04は、一面が中空構造の内側であり、他面が中空構造の外側に露出している。そのため、光源基板131が発した熱が、第1平坦部134B01を通して外部に排出されやすい。そのため、少なくとも第1平坦部134B01は134Aなどに比べて熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。二色成形を行って製造することを考えると、支持カバー部134B全体が光出射カバー部134Aよりも熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。
【0033】
図3を参照して、光源ユニット130が連結バネ部135により器具本体110側に引き上げられることにより、第3平坦部134B07は器具本体110の長辺側面部115の先端と接触している。第3平坦部134B07から第1平坦部134B01までが不透明なカバー部となっていることにより、光源133から収容凹部112へ向かいロスとなる光をなくすことができる。支持カバー部134Bは樹脂製なので完全に不透明にすることは難しく、透光性を有する光出射カバー部134Aに比べて透光性が少なければ足りる。
【0034】
背面部品取付部134B06は、スペーサ部134B05によって第2平坦部134B04と距離を離して設けられ、背面部品の支持部(バネ保持部135Bなど)が入るようにしている。
【0035】
反射部134B08は、第2平坦部134B04の終端と二色成形の境界A/Bとの間に位置する部材である。この部材は、光源133aから出射し、光出射カバー部134Aで反射されて戻された光Pを再反射して、光出射カバー部134Aをその境界A/B付近まで明るく光らせる作用がある。
【0036】
<光源基板・光源>
光源基板131は、
図4に示すように、長尺状のプリント基板132上に、表面実装型LEDからなる複数の光源133が長手方向に間隔を空けて列状に配されている。光源133を配置する列数は、
図1に示すように2列としているが、1列でもよいし、3列以上としてもよい。表面実装型LED以外に、基板に下記の青色LEDチップを実装したCOB(Chip On Board)型LEDや、CSP(Chip Scale Package)型LEDを用いてもよい。
【0037】
光源133は、InGaN発光層を備える青色LEDチップを、蛍光体含有封止樹脂で封止したLEDが好適に用いられる。発光色は蛍光体の種類及び量により調整することができる。
【0038】
光源133としては、例えば1つの発光色のLEDだけを用いてもよく、2つの発光色(例えば昼白色(色温度6500K)と電球色(色温度2700K))のLEDを交互に配置してもよい。この2つのLEDを用いることにより、ほぼ黒体放射線に沿った色の変更(調色)が可能となる。
【0039】
さらに、3つの発光色のLEDを色が混合するように配置してもよい。例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のLEDを用いることにより、非常に広い範囲の発光色が得られる。
【0040】
3つの発光色の光源の他の例として、下記の赤色LED、黄白色LED、青白色LEDを組み合わせたものであってもよい。
【0041】
赤色LED(R)は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)、(0.736,0.264)で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.60,0.38)である。
【0042】
黄白色LED(Yw)は、CIE1931色度座標において、(0.5,0.5)、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.44,0.47)である。
【0043】
青白色LED(Bw)は、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.23,0.26)である。
【0044】
単色に近いスペクトルを有するB(青色)の光に比べ、比視感度の高い他のスペクトルの光が混合されたBw(青白色)の光の方が視感度が高いなどのため、R・Yw・Bwの三色の発光素子を用いた場合は、R・G・Bの三原色の発光素子を用いる場合に比べて、電力光束変換効率(lm/W)を比較的良好にできるという利点を有する。
【0045】
<エンドキャップ>
エンドキャップ140は、
図2に示すように、カバー部134の短手側端部に取り付けられる部材である。
【0046】
図2(a)のY
B側端部に装着されるエンドキャップ140は、Y
F方向から見た正面図である
図5(a)及びZ
B方向から見た上面図である
図5(b)に示すように、蓋部141、枠部142、ネジ受け部143a、固定部143bを備える。枠部142が光出射カバー部134A、反射部134B08、第1平坦部134B01、第2平坦部134B04で囲まれた領域の内部に挿入される。ネジ受け部143aは、貫通孔143cが設けられた部材である。固定部143bは、支持カバー部134Bに設けられた溝に挿通され嵌合する部材であり、ネジ受け部143aの貫通孔よりも孔径の広い貫通孔143cが設けられている。ネジ受け部143a、固定部143bは、エンドキャップ140と支持カバー部134Bの固定に用いられる。エンドキャップ140と支持カバー部134Bの固定については後述する。
【0047】
また、エンドキャップ140には、切り欠きN1が設けられている。切り欠きN1は、光源と電源部136との結線に必要なLED駆動ケーブル139を挿通するのに用いられる(
図2(b)参照)。
【0048】
エンドキャップ140の材質としては、光出射カバー部134Aと同じ樹脂、または同程度の透光性の樹脂が好ましい。
【0049】
<電源部>
光源ユニット130の電源部136を含む
図2のC-C‘切断部端面図である
図6及び
図9を参照して、背面部品の一つである電源部136は、光源ユニット側ACケーブル138から供給されるAC電力を、光源を駆動するためのDC電力に変換し、LED駆動ケーブル139を通して光源に供給する機能を有する。電源部136の出力は固定であってもよいが、外部から制御されてもよく、その際、外部からの制御信号を無線モジュール137で受信してもよい。
【0050】
電源部136は主に電源主部136A及び電源取付部136Bからなり、電源取付部136Bは、支持カバー部134Bの背面部品取付部134B06に、ネジやリベットなどの締結材136Fを用いて取り付けられる。
【0051】
電源取付部136Bは、電源主部136Aを保持するとともに光源ユニットのカバー部134に取り付けるための部材である。電源取付部136Bを背面部品取付部134B06に取り付けるために、
図6に示すように、ネジ又はリベットなどの締結材136Fを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09、電源取付部136Bの孔部136Bcに通して、締結材136Fにより取り付けられる。なお、
図6は締結材136Fがネジの図だが、リベットでもよい。
【0052】
<連結バネ部>
光源ユニット側連結部品である連結バネ部135の斜視図を
図7(a)に、光源ユニット130の
図2(b)に示したB-B線(連結バネ部)における切断部端面図を
図8に示す。背面部品の一つである連結バネ部135は、支持カバー部134Bの上面に取り付けられ、器具本体110が有するバネ受け117に係合することにより、光源ユニット130を器具本体110に連結する光源ユニット側連結部品である。
【0053】
図7(a)に示すように、連結バネ部135は、連結バネ135A、バネ保持部135B、バネ保護部135D、締結材135Fを備える。
【0054】
連結バネ135Aは、一例として、ダブルトーションバネであり、バネ線材を曲げ加工等して形成される。連結バネ135Aは、バネ先端部135Aa、バネ先端部からつながるフレーム部135Ab、フレーム部に連続しコイル状に曲げられたコイルバネ部135Ac、コイルバネ部に連続しバネ保持部135Bに掛止される棒状の部分である掛止部135Adを含む。
【0055】
バネ保持部135Bは、連結バネ135Aを保持するとともに光源ユニットのカバー部134に取り付けるための部材である。バネ保持部135Bを背面部品取付部134B06に取り付けるために、
図7(a)及び
図8に示すように、ネジ又はリベットなどの締結材135Fを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09、バネ保持部135Bの孔部135Bcに通して、締結材135Fにより取り付けられる。なお、
図7(a)は締結材135Fがネジ、
図8は締結材135Fがリベットの図だが、
図7(a)におけるプラスネジを入れる部分の模様を丸形状に見立てることによりリベットとみなすことができ、
図8において締結材135Fの下側をナットと見ることにより締結材135Fがネジ及びナットである場合を示していると見なすことができる。
【0056】
バネ保持部135Bは、金属板を折り曲げ加工等して形成される。バネ保持部135Bは、板部135Ba、バネ固定部135Bb、締結材135Fを通す孔部135Bc、アーチ部135Bdを備える。板部135Baは、板状部分であり、支持カバー部134Bの光源基板131が取り付けられる面に対向する面に固定される。バネ固定部135Bbは、連結バネ135Aのコイルバネ部135Acが掛止される平板状の部分である。孔部135Bcは、板部135Baに設けられた孔であり、板部135Baと支持カバー部134Bとを固定するためのネジ山(タップ)が切られてもよい(ナット固定あるいはリベット固定の場合にはネジ山は不要)。アーチ部135Bdは、アーチ状に加工された部分であり、アーチ内に連結バネ135Aの掛止部135Adが挿通され掛止される。突出部135Beは、板部135Baの端部において折り曲げられて起立する部分である。
【0057】
バネ保護部135Dは、バネ先端部135Aaがバネの力により勢いよく支持カバー部134Bに当たり、支持カバー部134Bを損傷するのを防止するための金属板で、支持体が金属製であった時には不要であった部材である。バネ保護部135Dも締結材135Fにより光源ユニットの背面部品取付部134B06に取り付けられる。
【0058】
バネ保持部135Bの板部135Baとバネ保護部135Dは、締結材135Fによりカバー部の背面部品取付部134B06に取り付けられるが、その際、板部135Baとカバー部134の背面部品取付部134B06は距離Wの範囲で面接触することにより、力が分散されるため、カバー部134の割れや疲労を防止することができる。
【0059】
図7(b)は、板状のバネ保護部135Dを、弾性体(ゴムなど)のバネ保護部135D2に置き換えた場合の斜視図である。バネ保護部135D2は例えば直方体であり、第1平坦部134B01などに接着剤で固定されている。なお、バネ保護部135D2は、X方向に、背面部品取付部134B06の下まで延びていてもよい。
【0060】
<器具本体>
光源ユニット130と器具本体110とが分離された状態の照明器具100を示す斜視図を
図9に示す。器具本体110は、筐体111と、筐体111の底面部114に配されたバネ受け117及び端子台118を備える。
【0061】
筐体111は、断面図である
図3に示すように、長尺状の底面部114と、底面部114の長辺からZ
F方向に延びた2つの長辺側面部115を備え、これらにより、X
F方向に開口し、光源ユニットの背面部品を収容可能な収容凹部112が形成されている。
【0062】
底面部114には、天井190から露出し照明器具100に電力を供給するための電灯線198などの電線を通すための電灯線挿通孔120Aが設けられている。また、底面部114には、天井190から露出する吊りボルト196、又は天井190の補強部へ器具本体を取り付けるネジを通すための器具取付孔120Bが長手方向における両端寄りの位置に2個設けられている。吊りボルトで固定する場合は、
図9を参照して、器具取付孔120Bに吊りボルト196がそれぞれ通されたのち、吊りボルト196にナット197(ワッシャー、スプリングワッシャーと合わせて用いてもよい)が締め付けられることで、器具本体110が天井190に固定される。
【0063】
<バネ受け>
図10に、光源ユニット側連結部品である連結バネ部135と連結して光源ユニットと器具本体を一体化させるための、器具本体側連結部品であるバネ受けの斜視図を示す。
図10に示すように、バネ受け117は、器具本体の底面部114に取り付けられるバネ受け固定部117Aと、底面部からZ
F方向に突出するバネ受け主部117Bを備え、バネ受け主部117Bに、フック部117D及びバネ挿通孔117Cを有する。フック部117Dは、幅広で扁平なフック形状を有し、後述する光源ユニット係止状態において、連結バネ135Aのフレーム部135Ab(
図6参照)が引っ掛けられる。バネ挿通孔117Cは、略矩形状の孔であり、後述する光源ユニット設置状態において、連結バネ135Aのフレーム部135Abが挿通される。なお、バネ受け117は、通常金属板を孔あけ加工、折り曲げ加工等して形成される。
【0064】
<端子台・電灯線挿通孔>
底面部114に設けられた端子台118は、電灯線挿通孔120Aを通して器具本体内部に入った電灯線198を接続するとともに、電源部136につながる器具本体側ACケーブル119を接続する機能を有する。
【0065】
<取付孔>
器具本体の底面部114には、吊りボルト196を貫通させナット197で締め付けることにより、器具本体110を天井190に取り付けるための、器具取付孔120Bが設けられている。これらの器具取付孔120Bに吊りボルト196がそれぞれ通されたのち、吊りボルト196にナット197が締め付けられることで、器具本体110が天井190に固定される。
【0066】
<光源ユニットの組み立て>
(1)光源基板131の支持カバー部134B内部への取り付け
カバー部134のY
FまたはY
B側の開口部から、光源基板131の長辺及びその近傍が、
図3記載の支持カバー部134Bの第1平坦部134B01、内部突出部134B02、基板支持部134B03で囲まれた領域内に位置するようにし、光源基板131を支持カバー部134Bの長手方向にスライドさせる。
【0067】
(2)背面部品(連結バネ部135、バネ保護部135D、電源部136)の支持カバー部134Bへの取り付け(ネジ止め又はリベット止め)
背面部品の取り付けについて、連結バネ部135を例にとって説明する。
連結バネ部135を支持カバー部134Bに取り付けるため、カバー部134のY
FまたはY
B側から、
図6記載の連結バネ部135の板部135Baが、
図7記載の支持カバー部134Bの第2平坦部134B04と背面部品取付部134B06の間に位置するようにスライドさせる。そして、連結バネ部135のバネ保持部135Bの孔部135Bcを、背面部品取付部134B06の取付孔134B09に合わせ、Z
B側から締結材135Fを取付孔134B09に取り付ける。
【0068】
締結材135Fがリベットの場合は、取付孔134B09にネジ山を設ける必要はない。また、締結材135Fがネジの場合、板部135Baの下側にナットを入れて、ネジとナットを締め付けてもよい。
【0069】
ネジ止めに比べて、リベット止めは作業が単純化されるというメリットがある反面、リベットが変形するため背面部品の取り外しができなくなるというデメリットがある。そのため、修理などのための背面部品の取り外しの必要性を勘案して、どちらの締結手段を採用するかを決めることが望ましい。なお、接着剤やベルトでの締付など、他の締結手段を用いてもよい。
【0070】
(3)LED駆動ケーブル139の電源部136への接続
光源基板131の端部にLED駆動ケーブル139が接続されている。これをエンドキャップの切り欠きN1を通して中空構造のカバー部134の外部に引き出し、電源部136に接続する。
【0071】
(4)エンドキャップ140のカバー部134への取り付け
図5を参照して、エンドキャップ140をカバー部134の開口部に対して、エンドキャップ140の枠部142が中空のカバー部134の内部に入るように取り付ける。
【0072】
ここで、支持カバー部134Bにおいて、固定部143bの貫通孔と重なる部分には、貫通孔が設けられている。この状態で、固定部143b側から、固定部143bの貫通孔、背面部品取付部134B06の貫通孔を通して、ネジ受け部143aの貫通孔へとタッピングネジを締め付ける。タッピングネジは、ネジ受け部143aの貫通孔にねじ立てする。これにより、背面部品取付部134B06がネジ受け部143aと固定部143bとに挟まれ、エンドキャップ140とカバー部134とが固定される。
【0073】
<器具本体の天井への設置、光源ユニットの器具本体への取り付け>
以下の手順で、照明器具100を天井に設置する。なお、天井でなくレースウェイ等のバー金具に設置してもよい。
【0074】
(1)
図9を参照し、天井側から延びた2本の吊りボルト196を器具本体110の器具取付孔120Bに通し、ナット197を締め付けることにより、器具本体110を天井190に固定する。なお、吊りボルトを用いずに器具取付孔120Bの下からビスで天井190の補強部にネジ止めすることにより、器具本体110を固定してもよい。
【0075】
(2)天井190側の電灯線198を電灯線挿通孔120Aに通し、端子台118と接続する。
【0076】
(3)光源ユニット130側の2カ所の連結バネ部135の連結バネ135Aを、それぞれ器具本体110側のバネ受け117のフック部117Dに掛ける。この状態を「光源ユニット係止状態」とする。
【0077】
(4)係止状態において、器具本体110の端子台118から延びた器具本体側ACケーブル119のコネクタ(図示せず)と、光源ユニット130から延びた光源ユニット側ACケーブル138のコネクタ(図示せず)を接続する。
【0078】
(5)光源ユニット130を上に押し上げる。すると、連結バネ135Aがバネ受け117のバネ挿通孔117Cに入る。バネの力により光源ユニット130が引き上げられ、光源ユニット130の支持カバー部134Bが器具本体110に押し付けられて接触する。この状態が
図1に示した照明器具100であり、「光源ユニット設置状態」という。
【0079】
<カバー部の変形例>
図11(a)、(b)、(c)は、カバー部134の変形例であるカバー部234、334、434の断面図である。背面部品取付部134B06に相当する部分である背面部品取付部234B06、背面部品取付部334B06、背面部品取付部434B06にそれぞれ設けられた、取付孔134B09に相当する部分である取付孔234B09、取付孔334B09、取付孔434B09の位置を一点鎖線で示す。
【0080】
図11(a)に示すカバー部234は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部234B07が、スペーサ部134B05に相当するスペーサ部234B05の中間部に接続している。そのため、光源とカバー部234との距離がカバー部134の場合に比べて若干広くなる。背面部品取付部234B06はスペーサ部234B05の先端から内側に向いて延びている。
【0081】
図11(b)に示すカバー部334は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部334B07が、スペーサ部134B05に相当するスペーサ部334B05の下端に接続している。そのため、光源とカバー部
334との距離がカバー部134の場合に比べてさらに広くなる。背面部品取付部334B06はスペーサ部234B05の先端から内側に向いて延びている。
【0082】
図11(c)に示すカバー部
434は、第3平坦部134B07に相当する第3平坦部434B07が、第2平坦部134B04に相当する第2平坦部434B04に接続しており、その接続部から図の上方向に背面部品取付部434B06が延びている。このような縦に延びる背面部品取付部への背面部品の取り付けについては、実施形態3において詳しく説明する。
【0083】
<実施形態2>
<概要>
本実施形態に係る照明器具500は、照明器具100に比べてX方向の幅が狭く、デザイン性が考慮された器具形状になっている。照明器具500は、器具本体510に光源ユニット530が取り付けられることにより構成されている。
【0084】
<光源ユニット>
光源ユニット530は、X
F方向からの側面図である
図12(a)及びZ
B方向からの上面図である
図12(b)に示すように、カバー部534、電源部536及び連結バネ部535を備える。光源ユニット530の幅が狭くなったことに伴い、電源取付部536Bが、電源主部536AのX方向でなくY方向に設けられている。
【0085】
<カバー部>
図12(b)に示した電源部536近傍のA-A線における、照明器具500の要部のみ示す断面図を
図13に示す。
【0086】
カバー部534は、光源533の前面側に設けられた光出射カバー部534Aと、光源基板531(プリント基板532)の後面側に設けられた支持カバー部534Bからなる中空の部材である。光出射カバー部534Aは透光性であり、適宜光拡散材を分散させている。支持カバー部はほとんど透光性を有さないように、白色になっているが、熱伝導率が高い樹脂とすることにより灰色や黒色など他の色に着色していてもよい。光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bは、二色成形法により一体的に押し出し成形される。カバー部534の材質は樹脂であり、ポリカーボネート又はアクリルが好適に用いられる。
【0087】
カバー部534は、光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bが一体化された中空構造をしているため、軽量でありながらカバー部534の長尺方向のたわみが抑制されている。
【0088】
<光出射カバー部>
光出射カバー部534Aは、側面及び前面が平面により形成されており、光源533が発する光を透過するとともに適宜拡散する機能を有する。なお、拡散性を抑えて透明にしてもよい。
【0089】
<支持カバー部>
支持カバー部534Bは、
図13に示すように、第1平坦部534B01、内部突出部534B02、基板支持部534B03、第2平坦部534B04、スペーサ部534B05、背面部品取付部534B06、第3平坦部534B07、接触部534B10を備える。
【0090】
背面部品取付部534B06は、中空構造のカバー部534の外周を形成するスペーサ部534B05、第3平坦部534B07から突出しており、中空構造を形成する部分ではない。
【0091】
第1平坦部534B01、第2平坦部534B04は、一面が中空構造の内側であり、他面が中空構造の外側に露出している。そのため、光源基板531が発した熱が、第1平坦部534B01を通して外部に排出されやすい。そのため、少なくとも第1平坦部534B01は534Aなどに比べて熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。二色成形を行って製造することを考えると、支持カバー部534B全体が光出射カバー部534Aよりも熱伝導率が高い樹脂とすることが好ましい。
【0092】
背面部品取付部534B06は、スペーサ部534B05によって第2平坦部534B04と距離を離して設けられ、ネジ(タップ)を切った孔が設けられている取付板536Gが入るようにしている。
【0093】
<光源基板>
光源基板531は、長尺状のプリント基板532上に、表面実装型LEDからなる複数の光源533が長手方向に間隔を空けて列状に配されてなる。光源533を配置する列数は、
図13に示すように1列としている。
【0094】
<器具本体>
器具本体510は、筐体511と、筐体511の底面部514に配されたバネ受け117及び端子台118を備える。
【0095】
筐体511は、断面図である
図13に示すように、長尺状の底面部514と、底面部514の長辺からZ
F方向に延びた2つの長辺側面部515を備え、これらにより、X
F方向に開口し、光源ユニットの背面部品を収容可能な収容凹部512が形成されている。また、長辺側面部515の開口部近くに突出部521が設けられている。連結バネ部535によりZ
B方向に引き上げられた光源ユニットの接触部534B10が、突出部521と接触することにより、光源ユニットが固定される。
【0096】
<電源部、その支持カバー部への取り付け>
図13を参照して、背面部品の一つである電源部536は、光源ユニット側ACケーブルから供給されるAC電力を、光源を駆動するためのDC電力に変換し、LED駆動ケーブルを通して光源に供給する機能を有する。
【0097】
電源部536は電源主部536A及び電源取付部536Bを備える。電源取付部536Bは、電源取付部536Bに設けられた取付孔536BH、背面部品取付部534B06に設けられた取付孔534B06Hを通して、ネジ山を切った取付孔536GHが設けられた取付板536Gに、ネジなどの締結材536Fを用いて取り付けられ、これにより電源取付部536Bが支持カバー部534Bに取り付けられる。なお、ネジ以外にリベットで取り付けてもよく、その場合は取付板536Gが不要である。
【0098】
<連結バネ部、その支持カバー部への取り付け>
連結バネ部535のバネ保持部535Bも、電源取付部536Bが支持カバー部534Bに取り付けられるのと同様の方法で、支持カバー部534Bに取り付けられる。
【0099】
<実施形態3>
<概要>
本実施形態に係る光源ユニット550は、光源ユニット530に対して背面部品の取り付け構造が異なる。
【0100】
<カバー部>
光源ユニット550の電源部536近傍の、要部のみ示す断面図を
図14に示す。
【0101】
カバー部534は、光出射カバー部534Aと支持カバー部534Bが一体化された中空構造を有している。
【0102】
<支持カバー部への電源部の締結>
支持カバー部534Bは、
図13に示すように、第3平坦部534B07から縦方向(Z
B方向)に延びる背面部品取付部534B11を備え、背面部品取付部534B11に取付孔534B11Hが設けられている。
【0103】
<電源部、その支持カバー部への取り付け>
図14を参照して、電源取付部536T
に設けられた取付孔536THと、支持カバー部534Bの背面部品取付部534B11に設けられた取付孔534B11Hを通して、ナット536Nに、ネジなどの締結材536Fを用いて取り付けられる。なお、ネジ以外にリベットで取り付けてもよく、その場合はナット536Nが不要である。電源取付部536Tは、電源主部536Aの
Y
F側と
Y
B側に2カ所設けられているため、十分安定した取り付けが可能であるが、さらに他の部分で取り付けを行ってもよい。
【0104】
なお、連結バネなど他の背面部品に対しても、縦に延びる電源取付部536Tに相当する部分を設け、光源ユニットの背面部品取付部534B11を用いた取り付けが可能である。
【0105】
<変形例その他>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を例えば以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0106】
実施形態の光源ユニットは、器具本体と組み合わせて用いるものとしたが、器具本体として機能するライティングレール(ライティングダクト)や、レースウェイに取り付けてもよく、器具本体を用いずに天井などの取付対象に直接取り付けてもよい。
【0107】
中空のカバー部は、断面形状が閉じた中空形状に限られず、孔が設けられていてもよい。また、断面形状においてX方向の幅よりも短いX方向の切れ込みや、Z方向の高さよりも短いZ方向の切れ込みがあってもよい。
【0108】
実施形態1の例では、電源部136に設けられたスロットに無線モジュール137を差し込んだ構造としたが、背面部品として独立した通信ユニット(無線モジュールと同様の機能を備えるもの)をカバー部に取り付けてもよく、その際、通信ユニットの取付部(電源取付部136Bに相当する部分)をカバー部の「背面部品取付部134B06」に取り付けることができる。
【0109】
器具本体は、実施形態1では逆富士形、実施形態2・3ではトラフ形の例を用いて説明したが、どの実施形態についても、逆富士形・トラフ形・下面開放形・その他の形状の器具本体であってもよい。
【0110】
光源は、光源基板の表面上に実装する他、例えば、光源基板131を用いずに光源133を支持カバー部134Bに直接実装してもよい。
【0111】
基板は、プリント基板に限られず、メタルコア基板(金属板表面に絶縁膜を設け、その上に配線パターンを設けた基板)を用いてもよく、表面に配線パターンを形成したセラミック基板を用いてもよい。このように基板の材料は特に限定されない。また、COB型LEDのボード部分や表面実装型LEDのパッケージ部分に基板としての役割を担わせ、プリント基板などを用いなくてもよい。
【0112】
カバー部の二色成形の境界A/Bは、光源のZB方向に光出射カバー部(A)、光源のZF方向に支持カバー部(B)があれば、その途中のどこに設けてもよい。
【0113】
カバー部は二色成形でなく、三色成形など多色成形にしてもよい。例えば反射部134B08は白色とし、光源基板を取り付ける部分である第1平坦部134B01は熱伝導率の高い着色樹脂としてもよい。その場合、支持カバー部の色は特に限定されない。
【0114】
実施形態においては、連結バネ部が光源ユニット側、バネ受け部が器具本体側の場合を示したが、連結バネ部が器具本体側、バネ受け部が光源ユニット側であってもよい。その場合、光源ユニット側連結部品であるバネ受け部が、背面部品として光源ユニットに取り付けられる。
【0115】
連結バネとしては線状のダブルトーションバネの場合を示したが、湾曲した板状のバネなど、形状を問わない。連結をするための部材であれば、弾性がなくてもよい。
【0116】
本発明の各部構成は上記実施形態及び変形例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記照明器具の各部構成は、LEDに係る照明器具に限定されていない様々な照明器具に適用することが出来る。
【0117】
上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0118】
100、500 照明器具
110、510 器具本体
111、511 筐体
112、512 収容凹部
114、514 底面部
115、515 長辺側面部
117 バネ受け(器具本体側連結部品)
117A バネ受け固定部
117B バネ受け主部
117C バネ挿通孔
117D フック部
118 端子台
119 器具本体側ACケーブル
120A 電灯線挿通孔
120B 器具取付孔
521 突出部
130、530、550 光源ユニット
131、531 光源基板
132、532 プリント基板
133、533 光源
134、234、334、434、534 カバー部
134A、534A 光出射カバー部
134B、534B 支持カバー部
134B01、534B01 第1平坦部
134B02、534B02 内部突出部
134B03、534B03 基板支持部
134B04、434B04、534B04 第2平坦部
134B05、234B05、334B05,534B05 スペーサ部
134B06、234B06、334B06、434B06、534B06、534B11 背面部品取付部
134B07、234B07、334B07、434B07、534B07 第3平坦部
134B08 反射部
134B09、234B09、334B09、434B09、534B06H、534B11H、536BH、536GH、536TH 取付孔
534B10 接触部
135、535 連結バネ部
135A 連結バネ(背面部品、光源ユニット側連結部品)
135Aa バネ先端部
135Ab フレーム部
135Ac コイルバネ部
135Ad 掛止部
135B、535B バネ保持部
135Ba 板部
135Bb バネ固定部
135Bc 孔部
135Bd アーチ部
135Be 突出部
135D 135D2 バネ保護部
135F、136F、536F 締結材
136、536 電源部(背面部品)
136A、536A 電源主部
136B、536B、536T 電源取付部
136Bc 孔部
536G 取付板
536N ナット
137 無線モジュール
138 光源ユニット側ACケーブル
139 LED駆動ケーブル
140、540 エンドキャップ
141 蓋部
142 枠部
143a ネジ受け部
143b 固定部
143c 貫通孔
170 照明制御装置
171 照明制御プログラム
178 無線
190 天井
196 吊りボルト
197 ナット
198 電灯線
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】