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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163428
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】複合電解質膜及び膜電極接合体
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1051 20160101AFI20241115BHJP
   H01M 8/1039 20160101ALI20241115BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20241115BHJP
【FI】
H01M8/1051
H01M8/1039
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079014
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110227
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 文夫
(72)【発明者】
【氏名】篠原 朗大
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 数馬
(72)【発明者】
【氏名】川角 明人
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA05
5H126BB06
5H126GG17
5H126JJ01
5H126JJ05
(57)【要約】
【課題】微細なメタルヘキサシアノフェレート(M-HCF)粒子を含む複合電解質膜、及び、これを備えた膜電極接合体を提供すること。
【解決手段】複合電解質膜は、固体高分電解質と、前記固体高分子電解質内に分散しているM-HCF粒子とを備えている。前記M-HCF粒子は、第3族から第15族に属する少なくとも1つの金属元素Mを含むメタルヘキサシアノフェレートを含み、D90(体積基準の粒径の積算分布が90%であるときの粒径)が3.0μm以下である。膜電極接合体は、電解質膜として、このような複合電解質膜を用いたものからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体高分電解質と、
前記固体高分子電解質内に分散しているM-HCF粒子と
を備え、
前記M-HCF粒子は、
第3族から第15族に属する少なくとも1つの金属元素Mを含むメタルヘキサシアノフェレートを含み、
90(体積基準の粒径の積算分布が90%であるときの粒径)が3.0μm以下である
複合電解質膜。
【請求項2】
前記固体高分子電解質は、フッ素系高分子電解質である請求項1に記載の複合電解質膜。
【請求項3】
前記M-HCF粒子の含有量が0.01mass%以上10.0mass%以下である請求項1に記載の複合電解質膜。
【請求項4】
前記金属元素Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Tb、及び、Luからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1に記載の複合電解質膜。
【請求項5】
電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と
を備え、
前記電解質膜は、請求項1から4までのいずれか1項に記載の複合電解質膜からなる
膜電極接合体。
【請求項6】
前記M-HCF粒子は、Ce-HCF粒子を含む請求項5に記載の膜電極接合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合電解質膜及び膜電極接合体に関し、さらに詳しくは、微細なメタルヘキサシアノフェレート(M-HCF)粒子を含む複合電解質膜、及び、このような複合電解質膜を備えた膜電極接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーダ電解装置、水電解装置、燃料電池などの固体高分子電解質を用いた各種の電気化学デバイスにおいて、電気化学反応を生じさせる部位に膜電極接合体(MEA)が用いられている。MEAは、酸素と水素の直接反応若しくは電気化学反応によって直接的に生成するラジカル、又は、過酸化水素を経て生成するラジカルにより、電解質が攻撃され劣化すると言われている。
例えば、燃料電池においては、ラジカル攻撃により電解質膜の抵抗増加、クロスリークの増加、薄膜化による短寿命化などが起こることが知られている。さらには、ラジカル攻撃により生成する劣化生成物により触媒被毒が起こり、電解性能や電池性能が低下するおそれがある。
【0003】
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)フェロシアン化カリウム水溶液と硝酸塩水溶液とを混合することにより、フェロシアン錯体を生成させ、
(b)フェロシアン錯体を分散させた分散液にフッ素系電解質膜を浸漬し、フッ素系電解質膜の膨潤及びフェロシアン錯体の含浸を行う
ことにより得られる電解質膜が開示されている。
同文献には、このようにして得られた電解質膜は、未処理の電解質膜と比べて過酸化水素に対する耐久性が向上する(F排出量が少なくなる)点が記載されている。
【0004】
非特許文献1には、Kn[Fe(CN)6](n=3、4)を膜溶液に添加して乾燥させ、酸洗浄することにより得られる電解質膜が開示されている。
同文献には、このようにして得られた電解質膜は、高耐久である点が記載されている。
【0005】
特許文献1に記載されているように、フェロシアン化カリウム水溶液と、金属元素Mを含む硝酸塩水溶液とを混合すると、フェロシアン錯体の粒子が生成する。フェロシアン錯体粒子は過酸化水素分解能を持つため、これを電解質膜に添加すると、ラジカルによる電解質膜の劣化を抑制することができる。
しかしながら、このようにして得られたフェロシアン錯体粒子は、通常、微粒子だけでなく、粗粒子も含む。フェロシアン錯体粒子に含まれる粗粒子の割合が多くなるほど、粒子の比表面積が小さくなるために、過酸化水素の分解効率が低下する場合がある。
【0006】
また、非特許文献1には、電解質膜にKn[Fe(CN)6]を添加すると、電解質膜の耐久性が向上する点が記載されている。しかし、Kn[Fe(CN)6]がプロトン化したHn[Fe(CN)6]は、水溶性の化合物である。そのため、Kn[Fe(CN)6]が添加された電解質膜を用いて燃料電池を作製した場合、発電中にKn[Fe(CN)6]がプロトン化し、外部に流出してしまう懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6665714号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Liu, X. et al., J. Memb. Sci., 2021, 629, 119282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、微細なメタルヘキサシアノフェレート(M-HCF)粒子を含む複合電解質膜を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような複合電解質膜を備えた膜電極接合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る複合電解質膜は、
固体高分電解質と、
前記固体高分子電解質内に分散しているM-HCF粒子と
を備え、
前記M-HCF粒子は、
第3族から第15族に属する少なくとも1つの金属元素Mを含むメタルヘキサシアノフェレートを含み、
90(体積基準の粒径の積算分布が90%であるときの粒径)が3.0μm以下である。
【0011】
本発明に係る膜電極接合体は、
電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と
を備え、
前記電解質膜は、本発明に係る複合電解質膜からなる。
【発明の効果】
【0012】
固体高分子電解質が溶解又は分散している溶液に金属元素Mのイオンを添加し、その後にフェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンをさらに添加すると、溶液中に微細なM-HCF粒子が生成する。この溶液を基板上に塗工し、乾燥させると、微細なM-HCF粒子を含む複合電解質膜が得られる。
【0013】
このようにして得られた複合電解質膜は、他の方法を用いて製造された複合電解質膜に比べて、粗大なM-HCF粒子の割合が少ない。そのため、本発明に係る複合電解質膜は、M-HCF粒子の含有量が少ない場合であっても、高い耐久性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1~2及び比較例1で得られた複合電解質膜の全F排出量を示す図である。
図2】実施例3及び比較例2で得られたCe-HCF粒子の粒度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[構成1]
固体高分電解質と、
前記固体高分子電解質内に分散しているM-HCF粒子と
を備え、
前記M-HCF粒子は、
第3族から第15族に属する少なくとも1つの金属元素Mを含むメタルヘキサシアノフェレートを含み、
90(体積基準の粒径の積算分布が90%であるときの粒径)が3.0μm以下である
複合電解質膜。
【0016】
[構成2]
前記固体高分子電解質は、フッ素系高分子電解質である構成1に記載の複合電解質膜。
【0017】
[構成3]
前記M-HCF粒子の含有量が0.01mass%以上10.0mass%以下である構成1又は2に記載の複合電解質膜。
【0018】
[構成4]
前記金属元素Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Tb、及び、Luからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む構成1から3までのいずれか1つに記載の複合電解質膜。
【0019】
[構成5]
電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と
を備え、
前記電解質膜は、構成1から4までのいずれか1項に記載の複合電解質膜からなる
膜電極接合体。
【0020】
[構成6]
前記M-HCF粒子は、Ce-HCF粒子を含む構成5に記載の膜電極接合体。
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 複合電解質]
本発明に係る複合電解質膜は、
固体高分電解質と、
前記固体高分子電解質内に分散しているM-HCF粒子と
を備えている。
【0022】
[1.1. 固体高分子電解質]
本発明において、固体高分子電解質の材料は、特に限定されない。
固体高分子電解質は、フッ素系高分子電解質又は炭化水素系高分子電解質のいずれであっても良い。複合電解質には、これらのいずれか1種の固体高分子電解質が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
高い耐久性を得るためには、固体高分子電解質は、フッ素系高分子電解質が好ましい。
【0023】
固体高分子電解質に含まれる酸基の種類も、特に限定されない。酸基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホンイミド基等がある。固体高分子電解質には、これらの酸基のいずれか1種類のみが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
【0024】
フッ素系高分子電解質としては、例えば、ナフィオン(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アクイヴィオン(登録商標)、アシプレックス(登録商標)などがある。
フッ素系高分子電解質は、高分子の構造内にC-H結合を含まない全フッ素系電解質であっても良く、あるいは、高分子の構造内にC-H結合とC-F結合とを含む部分フッ素系電解質であっても良い。
【0025】
炭化水素系高分子電解質としては、例えば、
(a)スルホン酸基などの酸基が導入されたポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、又は、これらの誘導体からなる全芳香族炭化水素系高分子電解質、
(b)脂肪族炭化水素系電解質の高分子鎖の一部に芳香環を有する部分芳香族炭化水素系高分子電解質、
などがある。
【0026】
[1.2. M-HCF粒子]
[1.2.1. 定義]
固体高分子電解質内には、M-HCF粒子が分散している。
本発明において、「M-HCF粒子」とは、第3族から第15族に属する少なくとも1つの金属元素Mを含むメタルヘキサシアノフェレートを含む粒子をいう。
【0027】
「メタルヘキサシアノフェレート(M-HCF)」とは、対カチオンと、フェロシアンイオン又はフェリシアンイオンとの錯体であって、対カチオンが金属元素Mのイオンであるものをいう。
具体的には、「M-HCF」とは、対カチオン(金属元素Mのイオン)の価数をn価とした場合に、
(a)錯イオン内にある鉄イオンの酸化状態がII価であるフェロシアン錯体:Mm[Fe(CN)6]k・rH2O(但し、n×m=4×k、r=0~14)、又は、
(b)錯イオン内にある鉄イオンの酸化状態がIII価であるフェリシアン錯体:Mp[Fe(CN)6]q・rH2O(但し、n×p=3×q、r=0~14)
をいう。
【0028】
[1.2.2. 対カチオン]
本発明において、対カチオンは、金属元素Mのイオン(以下、「Mイオン」ともいう)からなる。対カチオンは、1種類のMイオンであっても良く、あるいは、2種以上のMイオンであっても良い。但し、対カチオンが2種以上のMイオンからなる場合、対カチオンと、アニオン(フェロシアンイオン(Fe(II);[Fe(CN)6]4-)又はフェリシアンイオン(Fe(III);[Fe(CN)6]3-))との間で電気的中性が保たれている必要がある。
さらに、対カチオンとして2種以上のMイオンを含む場合、これらのイオンは必ずしも整数比の塩を形成するとは限らず、アニオンとの間で電気的中性が保たれる限りにおいて、任意の組成の固溶体を形成する場合もある。
【0029】
本発明において、金属元素Mは、周期律表第3族~第15族に属する少なくとも1つの金属元素からなる。
金属元素Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Ag、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属元素が好ましい。
また、金属元素Mは、特に、Ceが好ましい。換言すれば、M-HCF粒子は、特に、Ce-HCF粒子が好ましい。
【0030】
対カチオンとして、金属イオン(周期律表第3族~第15族のイオン)を含むM-HCFは、電解質の劣化を抑制する効果が大きい。これは、
(a)これらのM-HCF自身のラジカル不活性作用が大きいため、及び、
(b)M-HCFのMがフェントン活性を有する元素M'(例えば、Fe、Cuなど)以外の元素である場合において、外部からM'のイオン(例えば、Feイオン、Cuイオンなど)が混入したときには、M-HCFのMとM'のイオンとが交換し、M'がM'-HCFとして固定され、不活性化するため
と考えられる。
【0031】
[1.2.3. M-HCFの具体例]
M-HCFとしては、例えば、以下のようなものがある。
(1)Ti-HCF: Ti[Fe(CN)6]・2H2Oなど。
(2)V-HCF: V1.5[Fe(CN)6]など。
(3)Cr-HCF: Cr[Fe(CN)6]、K2Cr[Fe(CN)6]、Cr2[Fe(CN)6]など。
【0032】
(4)Mn-HCF: KMn[Fe(CN)6]2・2H2O、Mn2[Fe(CN)6]、Mn2[Fe(CN)6]・0.5H2O、Mn2[Fe(CN)6]・4H2O、Cs2Mn2[Fe(CN)6]、Cs2Mn2[Fe(CN)6]・4H2O、Cs4Mn4[Fe(CN)6]3など。
(5)Fe-HCF: Fe4[Fe(CN)6]3、Fe2[Fe(CN)6]など。
(6)Co-HCF: Cs2Co[Fe(CN)6]2、Cs4Co4[Fe(CN)6]6、Co2[Fe(CN)6]、Co3[Fe(CN)6]2・3H2O、Co3[Fe(CN)6]2・10H2O、Co2[Fe(CN)6]・2H2O、Co2[Fe(CN)6]・10H2O、(Co,Na)2[Fe(CN)6]・3H2O、(Co,Na)Zn[Fe(CN)6]・3H2O、Na2Co[Fe(CN)6]、K2Co[Fe(CN)6]など。
【0033】
(7)Ni-HCF: Ni3[Fe(CN)6]2・10H2O、KNi[Fe(CN)6]、Na2Ni[Fe(CN)6]、Na2Ni[Fe(CN)6]・3H2Oなど。
(8)Cu-HCF: Cu2[Fe(CN)6]、Cu4[Fe(CN)6]、Cu3[Fe(CN)6]2、Cu3[Fe(CN)6]など。
(9)Zn-HCF: Zn3[Fe(CN)6]2、Zn2[Fe(CN)6]、Zn3[Fe(CN)6]2・xH2O、Cs2Zn3[Fe(CN)6]2・6H2Oなど。
(10)Zr-HCF:Zr[Fe(CN)6]、Zr[Fe(CN)6]・2H2Oなど。
【0034】
(11)Ag-HCF: Ag4[Fe(CN)6]、K2Ag2[Fe(CN)6]・2H2O、Cu3AgxFey[Fe(CN)6]2(x+y=1)、(NH4)2Ag2[Fe(CN)6]・2.5H2O、Ag3Co[Fe(CN)6]など。
(12)In-HCF: In4[Fe(CN)6]3・10H2O、CsIn[Fe(CN)6]3・2H2Oなど。
(13)Sn-HCF: Sn2[Fe(CN)6]・3.33H2Oなど。
【0035】
(14)Bi-HCF: Bi4[Fe(CN)6]3、BiK[Fe(CN)6]など。
(15)La-HCF: La[Fe(CN)6]・5H2O、CsLa[Fe(CN)6]・H2Oなど。
(16)Ce-HCF: Ce[Fe(CN)6]、Ce4[Fe(CN)6]3、CsCe[Fe(CN)6]、CsCe[Fe(CN)6]・H2O、Ce4[Fe(CN)6]3・14H2Oなど。
【0036】
(17)Pr-HCF: Pr4[Fe(CN)6]3、Pr[Fe(CN)6]、Pr4[Fe(CN)6]3・10H2O、CsPr[Fe(CN)6]・5H2Oなど。
(18)Nd-HCF: Nd[Fe(CN)6]、Nd[Fe(CN)6]・4H2O、Nd4[Fe(CN)6]3、CsNd[Fe(CN)6]・5H2O、KNd[Fe(CN)6]など。
(19)Sm-HCF: Sm[Fe(CN)6]・4H2O、CsSm[Fe(CN)6]・5H2Oなど。
【0037】
(20)Eu-HCF: Eu4[Fe(CN)6]3、Eu[Fe(CN)6]など。
(21)Gd-HCF: Gd4[Fe(CN)6]3、Gd[Fe(CN)6]、CsGd[Fe(CN)6]・4H2O、KGd[Fe(CN)6]・4H2Oなど。
(22)Tb-HCF: Tb4[Fe(CN)6]3、Tb[Fe(CN)6]など。
【0038】
(23)Dy-HCF: Dy4[Fe(CN)6]3、Dy[Fe(CN)6]など。
(24)Ho-HCF: Ho4[Fe(CN)6]3、Ho[Fe(CN)6]など。
(25)Er-HCF: Er4[Fe(CN)6]3、Er[Fe(CN)6]、Er[Fe(CN)6]・10H2Oなど。
【0039】
(26)Tm-HCF: Tm4[Fe(CN)6]3、Tm[Fe(CN)6]など。
(27)Yb-HCF: Yb4[Fe(CN)6]3、Yb[Fe(CN)6]など。
(28)Lu-HCF: Lu4[Fe(CN)6]3、Lu[Fe(CN)6]など。
【0040】
[1.2.4. D90
「D90」とは、レーザー回折散乱法を用いて粒度分布を測定した場合において、体積基準の粒径の積算分布が90%であるときのM-HCF粒子の粒径をいう。
本発明に係るM-HCF粒子は、後述する方法を用いて製造されるため、従来の方法を用いて製造されたM-HCF粒子に比べて、D90が小さい。製造条件を最適化すると、M-HCF粒子のD90は、3.0μm以下となる。
【0041】
[1.2.5. M-HCF粒子の含有量]
「M-HCF粒子の含有量」とは、複合電解質膜の総乾燥質量に対する、M-HCF粒子の質量の割合をいう。
【0042】
M-HCF粒子の含有量が多くなるほど、固体高分子電解質のラジカル劣化が抑制される。このような効果を得るためには、M-HCF粒子の含有量は、0.01mass%以上が好ましい。含有量は、さらに好ましくは、0.05mass%以上、あるいは、0.10mass%以上である。
一方、M-HCF粒子の含有量が過剰になると、複合電解質膜の機械的強度が低下したり、あるいは、プロトン伝導性の低下を引き起こす場合がある。従って、M-HCF粒子の含有量は、10.0mass%以下が好ましい。含有量は、さらに好ましくは、5.0mass%以下、あるいは、3.0mass%以下である。
【0043】
[1.3. 補強材]
本発明に係る複合電解質膜は、固体高分子電解質及びM-HCF粒子のみからなるものでも良く、あるいは、これらと補強材との複合体であっても良い。
この場合、補強材の種類は、特に限定されない。補強材としては、例えば、
(a)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)などのフッ素系樹脂の多孔膜や不織布、
(b)ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの炭化水素系樹脂の多孔膜や不織布、
などがある。
【0044】
[2. 膜電極接合体]
本発明に係る膜電極接合体は、
電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と
を備えている。
【0045】
[2.1. 電解質膜]
本発明に係る膜電極接合体において、電解質膜は、本発明に係る複合電解質膜からなる。複合電解質膜に含まれるM-HCF粒子は、特に、Ce-HCF粒子が好ましい。複合電解質膜に関するその他の点については、上述した通りであるので、説明を省略する。
【0046】
[2.2. アノード触媒層、カソード触媒層]
アノード触媒層及びカソード触媒層は、それぞれ、電極触媒と、触媒層アイオノマとの複合体からなる。本発明において、電極触媒及び触媒層アイオノマの材料及び含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
【0047】
[3. 複合電解質膜の製造方法]
本発明に係る複合電解質は、
(a)固体高分子電解質が溶解又は分散している溶液に金属元素Mのイオンを添加し、第1溶液を得る第1工程と、
(b)第1溶液に、フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンをさらに添加し、第2溶液を得る第2工程と、
(c)第2溶液を基板上に塗工し、塗膜を乾燥させる第3工程と
を備えている。
【0048】
[3.1. 第1工程]
まず、固体高分子電解質が溶解又は分散している溶液に金属元素Mのイオンを添加する(第1工程)。これにより、固体高分子電解質及びMイオンを含む第1溶液が得られる。
【0049】
第1溶液中の固体高分子電解質の濃度及びMイオンの濃度は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な濃度を選択することができる。
Mイオンの原料は、固体高分子電解質を溶解又は分散させるための溶媒に可溶なものであれば良い。Mイオンの原料としては、例えば、硝酸塩、塩化物塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩などがある。
【0050】
[3.2. 第2工程]
次に、第1溶液に、フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンをさらに添加する(第2工程)。第1溶液に、フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンを添加すると、Mイオンと、フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンとが反応し、微細なM-HCF粒子が生成する。その結果、固体高分子電解質と、微細なM-HCF粒子とが分散している第2溶液が得られる。
第2溶液へのフェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンの添加量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な添加量を選択することができる。
【0051】
フェロシアンイオン及びフェリシアンイオンの原料は、固体高分子電解質を溶解又は分散させるための溶媒に可溶なものであれば良い。
フェロシアンイオン及びフェリシアンイオンの原料としては、例えば、
(a)対カチオンがアルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+、Cs+)である可溶性のM-HCF、
(b)対カチオンがアルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+)である可溶性のM-HCF、
(c)対カチオンがAlイオン(Al3+)、又は、Gaイオン(Ga3+)である可溶性のM-HCF
などがある。
【0052】
[3.3. 第3工程]
次に、第2溶液を基板上に塗工し、塗膜を乾燥させる(第3工程)。これにより、本発明に係る複合電解質が得られる。溶液の塗工条件、及び、塗膜の乾燥条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な条件を選択することができる。
【0053】
[4. 作用]
M-HCF粒子を含む複合電解質膜を得るための方法としては、例えば、
(a)固体高分子電解質が溶解又は分散している溶液にフェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンを添加し、その後に金属Mのイオンを添加して溶液とし、この溶液を基板上に塗工し、乾燥させる第1の方法、あるいは、
(b)先にM-HCF粒子及び電解質膜をそれぞれ作製し、次いで種々の方法を用いて電解質膜にM-HCF粒子を添加する第2の方法
などがある。
【0054】
しかしながら、上記の方法を用いて製造された複合電解質膜は、粗大なM-HCF粒子の割合が多い。
第1の方法により粗大なM-HCF粒子が形成されやすいのは、次のように考える。フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンはアニオンであり、固体高分子電解質のスルホン酸基との電子反発で電解質の二次粒子内部には取り込まれず、溶液部分に存在する。ここに金属元素Mのイオンを添加しても、溶液部分が反応場になり、粒径サイズを制御できないためと考えられる。
第2の方法により粗大なM-HCF粒子が形成されやすいのは、次のように考える。M-HCFを合成した後に、ろ過・乾燥させる工程で、粒子間で凝集が生じる。この粗大なM-HCF粒子は、溶液中でも分散しづらいためと考えられる。
【0055】
これに対し、固体高分子電解質が溶解又は分散している溶液に金属元素Mのイオンを添加し、その後にフェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンをさらに添加すると、溶液中に微細なM-HCF粒子が生成する。この溶液を基板上に塗工し、乾燥させると、微細なM-HCF粒子を含む複合電解質膜が得られる。
【0056】
このようにして得られた複合電解質膜は、他の方法を用いて製造された複合電解質膜に比べて、粗大なM-HCF粒子の割合が少ない。そのため、本発明に係る複合電解質膜は、M-HCF粒子の含有量が少ない場合であっても、高い耐久性を示す。
本発明に係る方法により粗大なM-HCF粒子の形成が抑制されるのは、次のように考える。固体高分子電解質溶液に金属元素Mのイオンを添加すると、スルホン酸基のH+とイオン置換して、二次粒子の内外にMイオンが取り込まれる。このとき、溶媒中にMイオンはほとんど存在していない。次いで、フェロシアンイオン及び/又はフェリシアンイオンを添加すると、固体高分子電解質の二次粒子が反応場となってM-HCF粒子を形成するため、二次粒子よりも大きな径のM-HCF粒子にはなりにくいと考えられる。
【0057】
燃料電池の電解質膜に外部からFeが混入すると、電極で生じた過酸化水素とFeとが反応し、ヒドロキシラジカルが発生する。その結果、電解質膜がラジカルにより劣化する。この問題を解決するために、電解質膜にCeイオンを添加すると、過酸化水素がヒドロキシラジカルになる前に無害な水と酸素に分解されやすくなる。その結果、電解質膜の劣化が抑制される。しかしながら、この方法では、運転中に、耐久性が必要とされる部分からCeイオンが移動・流出し、十分な耐久性が得られない場合があった。
【0058】
これに対し、M-HCFは、それ自身のラジカル不活性作用が大きく、電解質膜の劣化を抑制する作用が大きい。
さらに、MがFe以外の金属元素(例えば、Ce)である場合において、M-HCFとFeイオンとが接触すると、MとFeとが交換し、Fe-HCFとなる。そのため、MがFe以外の金属元素であるM-HCFを電解質膜(特に、触媒層との界面近傍)に添加すると、外部から入ってきたFeがM-HCFのMと交換されることでFeが固定化される。その結果、過酸化水素のラジカル分解が抑制され、電解質膜の耐久性が向上すると考えられる。
【0059】
さらに、M-HCFを製造するための原料(前駆体)であるK4[Fe(CN)6]は水溶性であるのに対し、M-HCFは水に対して不溶又は難溶である。そのため、電解質膜からM-HCFが移動・流出するおそれは少ない。
【実施例0060】
(実施例1~2、比較例1)
[1. 試料の作製]
[1.1. 電解質膜A]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にCe(NO3)3・6H2Oを加えて攪拌した。Ce(NO3)3・6H2Oの添加量は、Ce3+によるスルホン酸基置換率が1mol%になる量とした。その後、溶液に1当量のK4[Fe(CN)6]を加え、溶液Aを得た。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Aを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Ce-HCF粒子を含む電解質膜Aを得た。
【0061】
[1.2. 電解質膜B]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にCe(NO3)3・6H2Oを加えて攪拌した。Ce(NO3)3・6H2Oの添加量は、Ce3+によるスルホン酸基置換率が2mol%となる量とした。その後、溶液に1当量のK4[Fe(CN)6]を加え、溶液Bを得た。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Bを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Ce-HCF粒子を含む電解質膜Bを得た。
【0062】
[1.3. 電解質膜C]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にFeSO4を加えて攪拌し、溶液Cを得た。FeSO4の添加量は、Fe2+によるスルホン酸基置換率が1mol%となる量とした。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Cを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Feイオンを含む電解質膜Cを得た。
【0063】
[1.4. 電解質膜D]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にFeSO4を加えて攪拌し、溶液Dを得た。FeSO4の添加量は、Fe2+によるスルホン酸基置換率が2mol%となる量とした。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Dを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Feイオンを含む電解質膜Dを得た。
【0064】
[1.5. MEA]
2.5cm角に切り出された電解質膜Aと、同じく2.5cm角に切り出された電解質膜Cとを重ね合わせ、積層電解質膜Aを得た。次いで、積層電解質膜Aの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(実施例1)。
2.5cm角に切り出された電解質膜Bと、同じく2.5cm角に切り出された電解質膜Dとを重ね合わせ、積層電解質膜Bを得た。次いで、積層電解質膜Bの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(実施例2)。
2.5cm角に切り出された2枚の電解質膜Cを重ね合わせ、積層電解質膜Cを得た。次いで、積層電解質膜Cの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(比較例1)。
【0065】
[2. 試験方法及び結果]
得られたMEAを用いて、95℃、30%RHの条件下において、開回路試験を実施した。90時間経過後にMEAから排出されたFの総量(全F排出量)を測定した。
図1に、実施例1~2及び比較例1で得られた複合電解質膜の全F排出量を示す。実施例1の全F排出量は、0.08mg@90hrであった。実施例2の全F排出量は、0.06mg@90hrであった。一方、比較例1の全F排出量は、0.61mg@90hrであった。図1より、電解質膜にCe-HCF粒子を添加することによって、全F排出量が大幅に低下していることが分かる。
【0066】
(実施例3、比較例2)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例3]
実施例1で作製した溶液Aを試験に供した。
【0067】
[1.2. 比較例2]
フェロシアン化カリウム水溶液と硝酸セリウム水溶液を混合し、ろ過して洗浄することでCe-HCF粒子を得た。これをナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)に添加し、溶液Gを得た。Ce-HCF粒子の添加量は、Ce3+によるスルホン酸基置換率が1mol%となる量とした。
【0068】
[2. 試験方法及び結果]
溶液A及び溶液Gに含まれるCe-HCF粒子の粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(MT3300X、マイクロトラック(登録商標))を用いて測定した。図2に、実施例3及び比較例2で得られたCe-HCF粒子の粒度分布を示す。
実施例3のCe-HCF粒子のD90は、2.9μmであった。一方、比較例2のCe-HCF粒子のD90は、14.8μmであった。図2より、電解質溶液にCeイオン及びフェロシアンイオンをこの順で加えると、微細なCe-HCF粒子が得られることが分かる。
【0069】
(実施例4~5、比較例3)
[1. 試料の作製]
[1.1. 電解質膜E]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にFeSO4を加えて攪拌した。FeSO4の添加量は、Fe2+によるスルホン酸基置換率が1mol%となる量とした。その後、溶液に1当量のK4[Fe(CN)6]を加え、溶液Eを得た。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Eを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Fe-HCFを含む電解質膜Eを得た。
【0070】
[1.2. 電解質膜F]
ナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)にFeSO4を加えて攪拌した。FeSO4の添加量は、Fe2+によるスルホン酸基置換率が1mol%となる量とした。その後、溶液に0.5当量のK4[Fe(CN)6]を加え、溶液Fを得た。
次に、アプリケータを用いて、基板上に溶液Fを塗工した。塗膜を140℃で15分真空乾燥させ、Fe-HCFを含む電解質膜Fを得た。
【0071】
[1.3. MEA]
2.5cm角に切り出された電解質膜Eの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(実施例4)。
2.5cm角に切り出された電解質膜Fの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(実施例5)。
電解質膜Cの両面に触媒層を貼り合わせ、MEAを得た(比較例3)。
【0072】
[2. 試験方法及び結果]
得られたMEAを用いて、95℃、30%RHの条件下において、開回路試験を実施した。90時間経過後にMEAから排出されたFの総量(全F排出量)を測定した。
実施例4の全F排出量は、0.05mg@90hrであった。実施例5の全F排出量は、0.09mg@90hrであった。一方、比較例3の全F排出量は、0.39mg@90hrであった。電解質膜にFe-HCFが存在することによって、全F排出量が大幅に低下していることが分かる。
【0073】
(比較例4)
[1. 試料の作製]
フェロシアン化カリウム水溶液と硫酸鉄水溶液を混合し、ろ過して洗浄することでFe-HCF粒子を得た。これをナフィオン(登録商標)溶液(D2020、固形分:21.5mass%)に添加し、溶液Hを得た。Fe-HCF粒子の添加量は、Fe3+によるスルホン酸基置換率が1mol%となる量とした。
【0074】
[2. 試験方法及び結果]
溶液E及び溶液Hに含まれるFe-HCF粒子の粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(MT3300X、マイクロトラック(登録商標))を用いて測定した。
実施例4のFe-HCF粒子のD90は、1.5μmであった。一方、比較例4のFe-HCF粒子のD90は、252μmであった。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る複合電解質膜は、固体高分子形燃料電池や固体高分子形水電解装置の電解質膜などに用いることができる。
図1
図2