(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163430
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/30 140A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079018
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弥永 浩輝
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 稔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和也
(72)【発明者】
【氏名】村田 尚彦
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC22
5B042MC35
5B042MC37
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】利用されていないリソースを検知できる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、リソース監視部と、利用傾向計算部と、判定部と、記録部と、出力部とを持つ。リソース監視部は、クラウドのリソースの状態を監視する。利用傾向計算部は、利用者の前記クラウドの利用傾向を計算する。判定部は、クラウドのリソースの状態と、利用者のクラウドの利用傾向とに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定する。記録部は、リソースが利用されているか否かの判定結果を記録する。出力部は、リソースが利用されているか否かの判定結果を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドのリソースの状態を監視するリソース監視部と、
利用者の前記クラウドの利用傾向を計算する利用傾向計算部と、
前記クラウドのリソースの状態と、前記利用者の前記クラウドの利用傾向とに基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定する判定部と、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を記録する記録部と、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を出力する出力部と
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記リソース監視部は、前記リソースのメトリクス、アクセスログおよび操作ログの少なくとも一つを監視し、
前記判定部は、前記リソース監視部が監視した前記リソースの前記メトリクス、前記アクセスログおよび前記操作ログの少なくとも一つに基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用者の属性を取得し、取得した前記利用者の前記属性を前記判定部に設定するルール設定部をさらに備え、
前記判定部は、前記ルール設定部が設定した前記利用者の前記属性にさらに基づいて、前記クラウドの前記リソースが不要であるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用者のリソースの利用期間属性を取得し、取得した前記利用者のリソースの前記利用期間属性を前記判定部に設定するルール設定部をさらに備え、
前記判定部は、前記ルール設定部が設定した前記利用者のリソースの前記利用期間属性にさらに基づいて、前記クラウドの前記リソースが不要であるか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記利用傾向計算部は、前回以前の前記利用傾向の計算結果に基づいて、前記利用者について、利用されていないリソースの発生頻度を計算し、
前記判定部は、前記利用傾向計算部が計算した前記リソースの前記発生頻度に基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
クラウドのリソースの状態を監視し、
利用者の前記クラウドの利用傾向を計算し、
前記クラウドのリソースの状態と、前記利用者の前記クラウドの利用傾向とに基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定し、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を記録し、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を出力する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
クラウドのリソースの状態を監視させ、
利用者の前記クラウドの利用傾向を計算させ、
前記クラウドのリソースの状態と、前記利用者の前記クラウドの利用傾向とに基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定させ、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を記録させ、
前記リソースが利用されているか否かの判定結果を出力させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して提供されるコンピュータリソースを、それらの所在を意識することなく利用可能なクラウドコンピューティングを用い、各種サービスを提供するクラウドコンピューティングサービスが普及している。クラウドコンピューティングサービスでは、クラウドサービス提供事業者は、仮想化や分散処理などの技術を利用してパブリッククラウドを構築し、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどのコンピューティングリソースを利用者に提供する。
【0003】
利用者は、他の利用者と共同で、コンピューティングリソースを利用する。各利用者のコンピューティングリソースの利用状況は、時間単位で記録され、利用時間に応じた課金が実施される。このように、パブリッククラウド上のコンピューティングリソースは、一般的に従量課金制でコストが請求され、時間単位のコストはコンピューティングリソースのタイプ(性能差)の違いによって異なる場合がある。パブリッククラウドで複数人が共同して開発をする場合には、それぞれがコンピューティングリソースを利用する。このため、コンピューティングリソースの削除忘れが発生した場合、想定外のコストを請求されることがある。
【0004】
非活性なリソースを検知し、再開に必要となる最小限のリソース(リクエストを検知するだけのリソース)を残し、リソースを開放することでコスト削減を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、非活性なリソースはCPUの消費状態などを監視することで検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、利用されていないリソースを検知できる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、リソース監視部と、利用傾向計算部と、判定部と、記録部と、出力部とを持つ。前記リソース監視部は、クラウドのリソースの状態を監視する。前記利用傾向計算部は、利用者の前記クラウドの利用傾向を計算する。前記判定部は、前記クラウドのリソースの状態と、前記利用者の前記クラウドの利用傾向とに基づいて、前記クラウドの前記リソースが利用されているか否かを判定する。前記記録部は、前記リソースが利用されているか否かの判定結果を記録する。前記出力部は、前記リソースが利用されているか否かの判定結果を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本実施形態の情報処理装置の動作の例1を示すシーケンス図
【
図3】本実施形態の情報処理装置の動作の例2を示すシーケンス図
【
図4】本実施形態の情報処理装置の動作の例3を示すシーケンス図
【
図5】本実施形態の情報処理装置の動作の例4を示すシーケンス図
【
図6】本実施形態の情報処理装置の動作の例5を示すフローチャート
【
図7】本実施形態の情報処理装置の動作の例6を示すフローチャート
【
図8】本実施形態の情報処理装置の動作の例7を示すフローチャート
【
図9】本実施形態の情報処理装置の動作の例7を示すフローチャート
【
図10】実施形態の変形例の情報処理装置の一例を示す図
【
図11】実施形態の変形例の情報処理装置の動作の例1を示すシーケンス図
【
図12A】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例
【
図12B】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例
【
図12C】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例
【
図13A】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例
【
図13B】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例
【
図13C】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例
【
図14A】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例
【
図14B】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例
【
図14C】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例
【
図15A】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例
【
図15B】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例
【
図15C】実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0010】
本実施形態の情報処理装置1は、クラウドコンピューティング環境において、クラウド上に存在するコンピューティングリソース(以下「リソース」という)の内、利用されていないリソース(以下「不要リソース」という)を検出する。クラウドの一例は、パブリッククラウドである。
【0011】
コンピューティングリソースは、クラウド上で利用者に提供されるリソースであり、CPUの計算能力、メモリ、ストレージ容量が含まれる。例えば、クラウドコンピューティング環境では、クラウド上で仮想マシンが提供される。情報処理装置1は、不要リソースを検出する場合に、メトリクスに加え、リソースに対するアクセスログの記録日付および時刻、操作ログの記録日付および時刻などを用いる。
【0012】
情報処理装置1は、不要リソースを検出する対象であるクラウド上に存在するリソースのメトリクス、アクセスログの情報、操作ログの情報などを取得できる環境であれば、不要リソースを検出する対象であるクラウドと同一クラウドに設置されてもよいし、異なるクラウドに設置されてもよいし、オンプレミスに設定されてもよい。情報処理装置1は、不要リソースの検出結果を出力することによって、運用者に通知する。例えば、情報処理装置1は、表示装置に不要リソースの検出結果を出力する。
【0013】
また、情報処理装置1は、前回以前の不要リソースの検出結果から利用者ごとにリソースの利用傾向を計算する。情報処理装置1は、利用者ごとに計算された利用傾向に基づいて重み付けを行い、不要リソースを検出する。これにより、情報処理装置1は、利用者ごとのリソースの利用傾向に基づいて、不要リソースを検出できる。例えば、情報処理装置1は、頻繁に不要リソースを作成する人に対して、不要リソースの検出を厳しくできる。以下、情報処理装置1について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置1は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置1は、判定部13と、制御部14と、リソース監視部15と、利用傾向計算部16と、記録部17と、出力部18とを備える。
【0015】
記録部17は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記録部17には、利用者一覧データテーブルと、リソース一覧データテーブルと、判定結果一覧データテーブルとが記憶される。
【0016】
利用者一覧データテーブルは、利用者一覧を含む。利用者一覧は、利用者名と、最終ログイン日付および時刻と、環境利用頻度と、不要リソース発生頻度と、属性とを関連付けたテーブル形式の情報である。利用者一覧データテーブルは、利用者ごとにクラウドコンピューティング環境でのリソースの利用を管理する。利用者名の一例は利用者識別情報であり、最終ログイン日付および時刻は仮想マシンにログインした最終の日付および時刻であり、環境利用頻度はクラウド環境の利用頻度であり、不要リソース発生頻度は利用者に提供されている全リソース数に対する不要リソースの割合であり、属性は、不要リソースの検出を調整するための属性である。属性の一例は、利用者属性、利用期間属性である。利用者属性の一例は、クラウドコンピューティング環境を利用している一般的な利用者である標準者、クラウドコンピューティング環境を利用して間もない初心者である。利用期間属性の一例は、開発前、開発終了後である。
【0017】
リソース一覧データテーブルは、リソース一覧を含む。リソース一覧は、リソース名と、リソース作成者と、CPU利用率(%)と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを関連付けたテーブル形式の情報である。リソース一覧データテーブルは、リソースごとにクラウドコンピューティング環境でのリソースの利用を管理する。リソース名の一例はリソース識別情報であり、リソース作成者の一例はリソース作成者の識別情報であり、CPU利用率(%)はCPUが一度に扱える処理量のうちリソースが利用している割合を示した値であり、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻はリソースへのアクセス履歴を記録した最終の日付および時刻であり、操作ログ最終レコード記録日付および時刻はリソース操作の履歴を記録した最終の日付および時刻である。
【0018】
判定結果一覧データテーブルは、判定結果一覧を含む。判定結果一覧は、リソース名と、リソース作成者と、判定結果と、判定日付および時刻とを関連付けたテーブル形式の情報である。判定結果一覧データテーブルは、リソースごとに不要リソースであるか否かの判定結果を管理する。リソース名の一例はリソース識別情報であり、リソース作成者の一例はリソース作成者の識別情報であり、判定結果は不要リソースであるか否かの判定結果であり、判定日付および時刻は不要リソースであるか否かを判定した日付および時刻である。
【0019】
制御部14は、リソースの監視を開始する場合に、リソース監視部15にリソースの監視を依頼するためのリソース監視開始リクエストをリソース監視部15に出力する。リソース監視部15は、制御部14が出力したリソース監視開始リクエストを取得し、取得したリソース監視開始リクエストに基づいて、リソース情報を取得する処理を実行する。例えば、リソース監視部15は、クラウドサービスのリソースを監視する装置(図示なし)から、リソース情報を取得してもよい。クラウドサービスのリソースを監視する装置の一例は、AWS(Amazon Web Services)、Azure(Microsoft Azure)などのクラウドサービスを提供するパブリッククラウドである。リソース情報には、リソース名とリソース作成者とCPU利用率とアクセスログ最終レコード記録日付および時刻と操作ログ最終レコード記録日付および時刻とが含まれる。また、例えば、リソース監視部15は、リソース情報を監視しているクラウドサービスが複数あり、それらのクラウドサービスからリソース情報を取得するようにしてもよい。リソース監視部15がリソース情報を取得する処理の詳細については後述する。
【0020】
リソース監視部15は、取得したリソース情報を、記録部17のリソース一覧データテーブルに出力することで登録させる。記録部17は、リソース監視部15が出力したリソース情報をリソース一覧データテーブルに登録し、登録が完了した場合にリソース情報の登録が完了したことを通知するための登録完了レスポンスを出力する。リソース監視部15は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了レスポンスに基づいて、制御部14にリソースの監視が完了したことを通知するためのリソース監視完了レスポンスを、制御部14に出力する。制御部14は、リソース監視部15が出力したリソース監視完了レスポンスを取得する。
【0021】
制御部14は、利用傾向を計算する場合に、利用傾向計算部16に利用傾向の計算を依頼するための利用傾向計算リクエストを、利用傾向計算部16に出力する。利用傾向計算部16は、制御部14からの利用傾向計算リクエストに基づいて、記録部17に利用者一覧を要求するための利用者一覧リクエストを、記録部17に出力し、記録部17が出力した利用者一覧レスポンスを取得する。利用者一覧レスポンスには、利用者名と最終ログイン日付および時刻と環境利用頻度と不要リソース発生頻度と属性とが含まれる。
【0022】
利用傾向計算部16は、記録部17に判定結果一覧を要求するための判定結果一覧リクエストを、記録部17に出力し、記録部17が出力した判定結果一覧レスポンスを取得する。判定結果一覧レスポンスには、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とが含まれる。利用傾向計算部16は、取得した利用者一覧レスポンスおよび判定結果一覧レスポンスに基づいて利用者ごとに利用傾向を計算する。利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理の詳細については後述する。
【0023】
利用傾向計算部16は、利用傾向の計算結果である環境利用頻度を、記録部17の利用者一覧データテーブルに出力することで登録させる。記録部17は、利用傾向計算部16が出力した環境利用頻度を利用者一覧データテーブルに登録し、登録が完了したことを通知するための登録完了レスポンスを、利用傾向計算部16に出力する。利用傾向計算部16は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了リクエストに基づいて、制御部14に利用傾向の計算が完了したことを通知するための利用傾向計算完了レスポンスを出力する。制御部14は、利用傾向計算部16が出力した利用傾向計算完了レスポンスを取得する。
【0024】
制御部14は、判定を開始する場合に、判定部13に判定を依頼するための判定開始リクエストを、判定部13に出力する。判定部13は、制御部14からの判定開始リクエストに基づいて、記録部17にリソース一覧を要求するためのリソース一覧リクエストを出力し、記録部17が出力したリソース一覧レスポンスを取得する。リソース一覧レスポンスには、リソース名とリソース作成者とCPU利用率とアクセスログ最終レコード記録日付および時刻と操作ログ最終レコード記録日付および時刻とが含まれる。
【0025】
さらに、判定部13は、判定開始リクエストに基づいて、記録部17に利用者一覧を要求するための利用者一覧リクエストを、記録部17に出力し、記録部17が出力した利用者一覧レスポンスを取得する。利用者一覧レスポンスには、利用者名と最終ログイン日付および時刻と環境利用頻度と不要リソース発生頻度とステータスとが含まれる。
【0026】
判定部13は、取得したリソース一覧レスポンスおよび利用者一覧レスポンスに基づいて、リソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理を行う。判定部13がリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理の詳細については後述する。判定部13は、リソースごとに不要リソースであるか否かを判定した結果を、記録部17の判定結果一覧データテーブルに出力することで登録させる。記録部17は、判定部13が出力したリソースごとに不要リソースであるか否かを判定した結果を判定結果一覧データテーブルに登録し、登録が完了した場合にリソースごとに不要リソースであるか否かを判定した結果の登録が完了したことを通知するための登録完了レスポンスを出力する。判定部13は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了リクエストに基づいて、制御部14に計算完了レスポンスを出力する。制御部14は、判定部13が出力した計算完了レスポンスを取得する。
【0027】
出力部18は、利用者Uからの判定結果を出力することを要求するための判定結果リクエストに基づいて、記録部17に判定結果一覧を要求するための判定結果一覧リクエストを、記録部17に出力し、記録部17が出力した判定結果一覧レスポンスを取得する。判定結果一覧レスポンスには、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とが含まれる。出力部18は、取得した判定結果一覧レスポンスに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力する。例えば、出力部18は、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを音声で出力してもよいし、表示装置(図示なし)に表示することで出力してもよい。
【0028】
(情報処理装置1の動作)
図2は、本実施形態の情報処理装置の動作の例1を示すシーケンス図である。
図2を参照して、リソース監視部15がリソース情報を取得する処理について説明する。制御部14は、リソースの監視を開始する場合に、リソース監視開始リクエストをリソース監視部15に出力する(ステップS1-1)。
【0029】
リソース監視部15は、制御部14が出力したリソース監視開始リクエストを取得し、取得したリソース監視開始リクエストに基づいて、リソース情報を取得する(ステップS2-1)。リソース監視部15は、取得したリソース情報を、記録部17へ出力する(ステップS3-1)。
【0030】
記録部17は、リソース監視部15からのリソース情報を取得し、取得したリソース情報を、リソース一覧データテーブルに登録し、登録完了レスポンスを、リソース監視部15へ出力する(ステップS4-1)。リソース監視部15は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了レスポンスに基づいて、制御部14にリソース監視完了レスポンスを出力する(ステップS5-1)。制御部14は、リソース監視部15が出力したリソース監視完了レスポンスを取得する。
【0031】
図3は、本実施形態の情報処理装置の動作の例2を示すシーケンス図である。
図3を参照して、利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理について説明する。制御部14は、利用傾向計算リクエストを利用傾向計算部16に出力する(ステップS1-2)。利用傾向計算部16は、制御部14が出力した利用傾向計算リクエストを取得し、取得した利用計算リクエストに基づいて、記録部17に利用者一覧リクエストを出力する(ステップS2-2)。記録部17は、利用傾向計算部16が出力した判定結果リクエストを取得し、取得した利用者一覧リクエストに基づいて利用者一覧レスポンスを出力する(ステップS3-2)。利用傾向計算部16は、記録部17が出力した利用者一覧レスポンスを取得する。
【0032】
利用傾向計算部16は、記録部17に判定結果一覧リクエストを出力する(ステップS4-2)。記録部17は、利用傾向計算部16が出力した判定結果一覧リクエストを取得し、取得した判定結果一覧リクエストに基づいて判定結果一覧レスポンスを出力する(ステップS5-2)。利用傾向計算部16は、記録部17が出力した判定結果一覧レスポンスを取得する。
【0033】
利用傾向計算部16は、記録部17が出力した利用者一覧レスポンスおよび判定結果一覧レスポンスを取得し、取得した利用者一覧レスポンスおよび判定結果一覧レスポンスに基づいて利用傾向を計算する(ステップS6-2)。利用傾向計算部16は、利用傾向の計算結果である環境利用頻度を、記録部17に出力する。
【0034】
記録部17は、利用傾向計算部16が出力した環境利用頻度を取得し、取得した環境利用頻度を、利用者一覧データテーブルに登録し(ステップS7-2)、登録完了レスポンスを、利用傾向計算部16へ出力する(ステップS8-2)。利用傾向計算部16は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了レスポンスに基づいて、利用傾向計算完了レスポンスを、制御部14へ出力する(ステップS9-2)。
【0035】
図4は、本実施形態の情報処理装置の動作の例3を示すシーケンス図である。
図4を参照して、判定部13がリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理について説明する。制御部14は、判定開始リクエストを判定部13に出力する(ステップS1-3)。判定部13は、制御部14からの判定開始リクエストに基づいて、記録部17にリソース一覧リクエストを出力し(ステップS2-3)、記録部17が出力したリソース一覧レスポンスを取得する(ステップS3-3)。
【0036】
判定部13は、記録部17に利用者一覧リクエストを出力し(ステップS4-3)、記録部17が出力した利用者一覧レスポンスを取得する(ステップS5-3)。判定部13は、取得したリソース一覧レスポンスと利用者一覧レスポンスとに基づいて、リソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理を行う(ステップS6-3)。
【0037】
判定部13は、リソースごとに判定結果を、記録部17の判定結果一覧データテーブルに出力することで登録し(ステップS7-3)、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得する(ステップS8-3)。判定部13は、記録部17が出力した登録完了レスポンスを取得し、取得した登録完了レスポンスに基づいて、判定完了レスポンスを、制御部14に出力する(ステップS9-3)。制御部14は、判定部13が出力した判定完了レスポンスを取得する。
【0038】
図5は、本実施形態の情報処理装置の動作の例4を示すシーケンス図である。
図5を参照して、出力部18が判定結果を出力する処理について説明する。利用者Uによって、出力部18に、判定結果表示リクエストが行われる(ステップS1-4)。出力部18は、利用者Uからの判定結果表示リクエストに基づいて記録部17に判定結果一覧リクエストを出力する(ステップS2-4)。
【0039】
記録部17は、出力部18が出力した判定結果取得リクエストに基づいて判定結果一覧レスポンスを、出力部18へ出力する(ステップS3-4)。出力部18は、記録部17が出力した判定結果一覧レスポンスを取得し、取得した判定結果一覧レスポンスに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力する(ステップS4-4)。
【0040】
図6は、本実施形態の情報処理装置の動作の例5を示すフローチャートである。
図6を参照して、リソース監視部15がリソース情報を取得する処理の詳細について説明する。具体的には、
図2のステップS2-1~S3-1のリソースを監視する処理の詳細について説明する。リソース監視部15は、クラウドリソース情報を取得する。具体的には、リソース監視部15は、取得したクラウドリソース情報について、リソースのリソース名を取得する(ステップS1-5)。リソース監視部15は、取得したクラウドリソース情報について、リソース作成者を取得する(ステップS2-5)。リソース監視部15は、取得したクラウドリソース情報について、取得したリソース名およびリソース作成者の一又は複数の組み合わせについて、ステップS3-5からステップS8-5の処理を繰り返し行う。
【0041】
リソース監視部15は、リソースのメトリクスを、取得可能か否かを判定し(ステップS3-5)、取得可能である場合にメトリクスを取得する(ステップS4-5)。メトリクスは、CPU利用率などのリソース状態を示す情報である。リソース監視部15は、メトリクスを取得した後又はメトリクスを取得可能でない場合に、アクセスログを、取得可能か否かを判定し(ステップS5-5)、取得可能である場合にアクセスログ最終レコード記録日付および時刻を取得する(ステップS6-5)。
【0042】
リソース監視部15は、アクセスログを取得した後又はアクセスログを取得可能でない場合に、操作ログを、取得可能か否かを判定し(ステップS7-5)、取得可能である場合に操作ログ最終レコード記録日付および時刻を取得する(ステップS8-5)。
【0043】
リソース監視部15は、メトリクス、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻、および操作ログ最終レコード記録日付および時刻のうち取得できた情報を、記録部17のリソース一覧データテーブルに記録させる。具体的には、リソース監視部15は、リソース名およびリソース作成者と関連付けて、メトリクス、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻、および操作ログ最終レコード記録日付および時刻のうち取得できた情報をリソース一覧データテーブルに記憶させる。
【0044】
図6では、リソース監視部15が、メトリクス、アクセスログ、操作ログを、この順に取得可能か否か判定することによって取得できる情報を取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、リソース監視部15は、メトリクス、アクセスログ、操作ログを、任意の順に取得可能か否かを判定することによって取得できる情報を取得するようにしてもよい。以下、メトリクスの一例として、CPU利用率を使用した場合について説明を続ける。
【0045】
図7は、本実施形態の情報処理装置の動作の例6を示すフローチャートである。
図7を参照して、利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理の詳細について説明する。具体的には、
図3のステップS6-2~S7-2の利用傾向を計算する処理の詳細について説明する。利用傾向計算部16は、取得した利用者一覧レスポンスから、利用者一覧を取得する(ステップS1-6)。利用傾向計算部16は、取得した利用者一覧に含まれる全利用者について、ステップS2-6からステップS8-6の処理を繰り返し行う。
【0046】
利用傾向計算部16は、利用者一覧から、利用者の最終ログイン日付および時刻を取得する(ステップS2-6)。利用傾向計算部16は、取得した判定結果一覧レスポンスから、その利用者が作成したリソースの判定結果を一覧で取得する(ステップS3-6)。利用傾向計算部16は、前回の判定結果があるか否かを判定し(ステップS4-6)、判定結果がある場合に不要リソース発生頻度を計算する(ステップS5-6)。具体的には、利用傾向計算部16は、式(1)によって、不要リソース発生頻度を計算する。不要リソース発生頻度の計算の対象は、前回の判定が完了した後から現在までの期間中のリソースである。
不要リソース発生頻度=利用者の不要リソース数/利用者の全リソース数 (1)
【0047】
利用傾向計算部16は、不要リソース発生頻度を計算した後、又は前回の判定結果がない場合に、利用者一覧からその利用者の最終ログイン日付および時刻を取得し、取得した最終ログイン日付および時刻に基づいて、最終ログインからn日以上経過したか否かを判定する(ステップS6-6)。ここで、nは日数である。例えば半年以上クラウドにログインしていない場合に、この利用者は環境を触っていない、リソースを気にしていない、もうクラウドを使わなくなったのかも、という状態と想定される。この場合、nの一例としては、180(日)が該当する。
【0048】
利用傾向計算部16は、最終ログインからn日以上経過したと判定した場合にはクラウド環境利用頻度が低いと判定し(ステップS7-6)、最終ログインからn日以上経過していないと判定した場合にはクラウド環境利用頻度が高いと判定する(ステップS8-6)。利用傾向計算部16は、記録部17の利用者一覧データテーブルに、利用者名に関連付けて、クラウド環境利用頻度と、不要リソース発生頻度とのうち、取得できた情報を関連付けて記憶させる。
【0049】
図8および
図9は、本実施形態の情報処理装置の動作の例7を示すフローチャートである。
図8および
図9を参照して、判定部13がリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理の詳細について説明する。具体的には、
図4のステップS2-3~S7-3のリソースのステータス(状態)を判定する処理の詳細について説明する。判定部13は、リソース一覧と利用者一覧とを取得する(ステップS1-7)。判定部13は、リソースのステータスを判定する処理を開始した時点で稼働中のリソースの全てについて、ステップS2-7からS20-7の処理を繰り返し行う。
【0050】
判定部13は、取得したリソース一覧に含まれるリソース作成者を取得する(ステップS2-7)。判定部13は、利用者一覧から、取得したリソース作成者を利用者名とするものを検索する(ステップS3-7)。判定部13は、検索した結果、ヒットした利用者情報が0件であるか否かを判定する(ステップS4-7)。判定部13は、ヒットした利用者情報が0件である場合(ステップS4-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS5-7)。判定部13は、リソースのステータスの判定結果を記録部17の判定結果一覧データテーブルに記録する(ステップS6-7)。
【0051】
判定部13は、ヒットした利用者情報が0件でない場合(ステップS4-7:NO)、つまりリソース作成者を利用者名とするものがある場合に、その利用者名に関連付けられている環境利用頻度が低いか否かを判定する(ステップS7-7)。判定部13は、その利用者名に関連付けられている環境利用頻度が低い場合(ステップS7-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS8-7)。その後、ステップS6-7へ移行する。
【0052】
判定部13は、その利用者名に関連付けられている環境利用頻度が低くない(高い)と判定した場合(ステップS7-7:NO)、リソース一覧から、リソース名に関連付けられているCPU利用率がu未満であるか否かを判定する(ステップS9-7)。ここで、uはCPU利用率の判定基準である。判定部13は、リソース名に関連付けられているCPU使用率がu未満である場合(ステップS9-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS10-7)。その後、ステップS6-7へ移行する。
【0053】
判定部13は、リソース名に関連付けられているCPU使用率がu未満でない場合(ステップS9-7:NO)、その利用者名に関連付けられている不要リソース発生頻度がmより多いか否かを判定する(ステップS11-7)。ここで、mは不要リソース発生頻度の判定基準である。判定部13は、その利用者名に関連付けられている不要リソース発生頻度がmより多いと判定した場合に(ステップS11-7:YES)w=bとし(ステップS12-7)、不要リソース発生頻度がm以下と判定した場合に(ステップS11-7:NO)w=1.0とする(ステップS13-7)。ここで、wは利用者ごとに決定する判定の重み付けの値であり、bは不要リソース発生頻度による重み付けの値である。例えば、発生頻度が高い人のbは0.7である。
【0054】
判定部13は、操作ログ未出力期間を計算し(ステップS14-7)、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×wより長いか否かを判定する(ステップS15-7)。例えば、判定部13は、式(2)によって、操作ログ未出力期間を計算する。
操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻 (2)
【0055】
ここで、t1は操作ログ未取得期間の基準である。操作ログ未取得期間の基準t1の一例は30日である。操作ログ未取得期間の基準t1が30日であるということは、30日操作がないリソースは不要と判定されることを意味する。判定部13は、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×wより長い場合に(ステップS15-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS16-7)。その後、ステップS6-8へ移行する。
【0056】
判定部13は、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×w以下である場合に(ステップS15-7:NO)、アクセスログ未出力期間を計算し(ステップS17-7)、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×wより長いか否かを判定する(ステップS18-7)。例えば、判定部13は、式(3)によって、アクセスログ未出力期間を計算する。
アクセスログ未出力期間=判定日付および時刻-アクセスログ最終レコード記録日付および時刻 (3)
【0057】
ここで、t2はアクセスログ未取得期間の基準である。アクセスログ未取得期間の基準t2の一例は180日である。アクセスログ未取得期間の基準t2が180日であるということは、180日アクセスがないリソースは不要と判定されることを意味する。判定部13は、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×wより長い場合に(ステップS18-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS19-7)。その後、ステップS6-8へ移行する。判定部13は、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×w以下である場合に(ステップS18-7:NO)、リソースのステータスを「必要」に決定する(ステップS20-7)。その後、ステップS6-7へ移行する。
【0058】
ステップS6-7で、判定部13が、リソースの全てについて、ステータスの判定結果を記録部17の判定結果一覧データテーブルに記録した後、出力部18は、利用者Uからの判定結果リクエストに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力する。このように構成することによって、情報処理装置1は、利用者Uに、リソースの全てについて、不要リソースであるか否かの判定結果を知らせることができる。利用者Uは、リソースの全てについての不要リソースであるか否かの判定結果に基づいて、必要に応じてリソースを削除するなどの対応を取ることができる。ここで、判定部13が、リソースの全てについて、ステータスの判定結果を記録部17の判定結果一覧データテーブルに記録するとともに、出力部18は、利用者Uからの判定結果リクエストに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力するようにしてもよい。
【0059】
図8および
図9では、判定部13が、クラウド利用環境、CPU利用率、不要リソース発生率、操作ログ未出力期間、アクセスログ未出力期間を、この順に判定することによってリソースのステータスを決定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、判定部13は、CPU利用率、不要リソース発生率、操作ログ未出力期間、アクセスログ未出力期間を、任意の順に判定することによってリソースのステータスを決定するようにしてもよい。
【0060】
本実施形態の情報処理装置1によれば、情報処理装置1は、クラウドのリソースの状態を監視するリソース監視部15と、利用者のクラウドの利用傾向を計算する利用傾向計算部16と、クラウドのリソースの状態と、利用者のクラウドの利用傾向とに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定する判定部13と、リソースが利用されているか否かの判定結果を記録する記録部17と、リソースが利用されているか否かの判定結果を出力する出力部18とを備える。
【0061】
このように構成することによって、情報処理装置1は、クラウドのリソースの状態と、利用者のクラウドの利用傾向とに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定できる。CPU利用率などのリソースのメトリクスのみに基づいて非活性リソースを判定する場合と比較して、誤って作成されたリソースや削除忘れのリソースのうち、稼働中のリソースであっても不要リソースとして検出できるため、クラウドを利用する利用者の性格に合わせて不要リソースの判定が可能となる。活性リソースの中に存在する不要リソースを検出できるため、検出された不要リソースに対して利用者U又は運用者に対応させることによってコスト浪費を低減できる。例えば、ストレージサービスに格納されたファイルやデータの容量に対する課金、固定IPアドレスの取得、ドメインの取得に対する課金などのコンピューティングリソース以外のコスト浪費を低減できる。
【0062】
情報処理装置1において、リソース監視部15は、リソースのメトリクス、アクセスログおよび操作ログの少なくとも一つを監視し、判定部13は、リソース監視部15が監視したリソースのメトリクス、アクセスログおよび操作ログの少なくとも一つに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定する。
【0063】
このように構成することによって、情報処理装置1は、クラウドのリソースのメトリクス、アクセスログおよび操作ログの少なくとも一つと、利用者のクラウドの利用傾向とに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定できる。CPU利用率などのリソースのメトリクスのみに基づいて非活性リソースを判定する場合と比較して、誤って作成されたリソースや削除忘れのリソースのうち、稼働中のリソースであっても不要リソースとして検出できるため、クラウドを利用する利用者の性格に合わせて不要リソースの判定が可能となる。
【0064】
情報処理装置1において、利用傾向計算部16は、以前の利用傾向の計算結果に基づいて、利用者について、利用されていないリソースの発生頻度を計算し、判定部13は、利用傾向計算部16が計算したリソースの発生頻度に基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定する。
【0065】
このように構成することによって、情報処理装置1は、クラウドのリソースの状態と、利用者の利用されていないリソースの発生頻度とに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定できる。CPU利用率などのリソースのメトリクスのみに基づいて非活性リソースを判定する場合と比較して、誤って作成されたリソースや削除忘れのリソースのうち、稼働中のリソースであっても不要リソースとして検出できるため、クラウドを利用する利用者の性格に合わせて不要リソースの判定が可能となる。
【0066】
(実施形態の変形例)
実施形態の変形例の情報処理装置1aは、情報処理装置1において、属性情報を登録し、登録した属性情報で重み付けを実施するようにしたものである。属性情報を登録し、登録した属性情報で重み付けを実施することによって、不要リソースの検出を調整する。例えば、利用者属性を登録し、登録した利用者属性で重み付けを実施することによってクラウド初心者のようにリソースの利用に不慣れな人に対して、不要リソースの検出を厳しくできる。利用期間属性を登録し、登録した利用期間属性で重み付けを実施することで、開発後半などリソースの削除忘れが頻発する時期に、不要リソースの検出を厳しくできる。
【0067】
図10は、実施形態の変形例の情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置1aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置1aは、入力部11aと、ルール設定部12aと、判定部13aと、制御部14と、リソース監視部15と、利用傾向計算部16と、記録部17aと、出力部18とを備える。
【0068】
情報処理装置1aは、不要リソースを検出する対象であるクラウド上に存在するリソースのメトリクス、アクセスログの情報、操作ログの情報などを取得できる環境であれば、不要リソースを検出する対象であるクラウドと同一クラウドに設置されてもよいし、異なるクラウドに設置されてもよいし、オンプレミスに設定されてもよい。
【0069】
入力部11aは、情報を入力する。一例として、入力部11aは、キーボードおよびマウスなどの操作部を有してもよい。この場合、入力部11aは、ユーザーによって当該操作部に対して行われる操作に応じた情報を入力する。他の例として、入力部11aは、外部の装置から情報を入力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬な記憶媒体であってもよい。入力部11aには、属性情報が入力される。
【0070】
記録部17aは、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記録部17aには、利用者一覧データテーブルと、リソース一覧データテーブルと、判定結果一覧データテーブルとが記憶される。
【0071】
利用者一覧データテーブルは、利用者名と、最終ログイン日付および時刻と、環境利用頻度と、不要リソース発生頻度と、属性とを関連付けたテーブル形式の情報であり、利用者ごとにクラウドコンピューティング環境でのリソースの利用を管理する。属性は、不要リソースの検出を調整するための属性である。属性の一例は、利用者属性、利用期間属性である。利用者属性の一例は、クラウドコンピューティング環境を利用している一般的な利用者である標準者、クラウドコンピューティング環境を利用して間もない初心者である。利用期間属性の一例は、開発前、開発終了後である。
【0072】
リソース一覧データテーブルは、リソース名と、リソース作成者と、CPU利用率(%)と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0073】
判定結果一覧データテーブルは、リソース名と、リソース作成者と、判定結果と、判定日付および時刻とを関連付けたテーブル形式の情報である。
【0074】
ルール設定部12aは、入力部11aに入力された属性情報を取得する。ルール設定部12aは、取得した属性情報を、判定部13aに出力し、反映させる。判定部13aは、ルール設定部12aが出力した属性情報を取得し、取得した属性情報を判定ルールに反映する。判定部13aは、属性情報の反映が完了した場合に、ルール設定部12aに属性情報の反映が完了したことを通知するための反映完了レスポンスを、ルール設定部12aに出力する。ルール設定部12aは、判定部13aが出力した反映完了レスポンスを取得し、取得した反映完了レスポンスを、入力部11aへ出力する。
【0075】
(情報処理装置1aの動作)
図11は、実施形態の変形例の情報処理装置の動作の例1を示すシーケンス図である。
図11を参照して、情報処理装置1aに属性情報を入力する処理について説明する。利用者Uによって、入力部11aには、利用者属性、利用期間属性などの属性情報が入力される(ステップS1-8)。ルール設定部12aは、入力部11aに入力された属性情報を取得する(ステップS2-8)。
【0076】
ルール設定部12aは、取得した属性情報を、判定部13aに出力する。判定部13aは、ルール設定部12aが出力した属性情報を取得し、取得した属性情報を判定ルールに反映する(ステップS3-8)。判定部13aは、属性情報の反映が完了した場合に、反映完了レスポンスを、ルール設定部12aへ出力する(ステップS4-8)。ルール設定部12aは、判定部13aが出力した反映完了レスポンスを取得し、取得した反映完了レスポンスを、入力部11aへ出力する(ステップS5-8)。
【0077】
リソース監視部15がリソース情報を取得する処理については
図2を適用でき、利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理については
図3を適用でき、判定部13aがリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理については
図4を適用でき、出力部18が判定結果を出力する処理については
図5を適用できるため、説明を省略する。さらに、リソース監視部15がリソース情報を取得する処理の詳細については
図6を適用でき、利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理の詳細については
図7を適用できるため、説明を省略する。
【0078】
判定部13aがリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理の詳細については
図8および
図9を適用できる。ただし、ステップS15-7からS20-7の処理が異なる。判定部13aは、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×(w+a1+a2)より長いか否かを判定する(ステップS15-7)。
【0079】
ここで、a1は利用者属性による重み付けの値である。例えば、新人などの初心者はa1=-0.1~-0.2であり、ベテランなどの標準者はa1=0.1~0.2である。a2は利用期間属性による重み付けの値である。例えば、開発前はa2=-0.1であり、開発終了後はa2=0.1である。判定部13aは、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×(w+a1+a2)より長い場合に(ステップS15-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS16-7)。その後、ステップS6-8へ移行する。
【0080】
判定部13aは、操作ログ未出力期間の計算結果がt1×(w+a1+a2)以下である場合に(ステップS15-7:NO)、アクセスログ未出力期間を計算し(ステップS17-7)、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×(w+a1+a2)より長いか否かを判定する(ステップS18-7)。
【0081】
判定部13aは、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×(w+a1+a2)より長い場合に(ステップS18-7:YES)、リソースのステータスを「不要候補」に決定する(ステップS19-7)。その後、ステップS6-8へ移行する。判定部13aは、アクセスログ未出力期間の計算結果がt2×(w+a1+a2)以下である場合に(ステップS18-7:NO)、リソースのステータスを「必要」に決定する(ステップS20-7)。その後、ステップS6-7へ移行する。
【0082】
実施形態の変形例の情報処理装置1aの適用例について初回判定と2回目判定とに分けて説明する。3回目判定以降は、2回目判定を適用できるため、説明を省略する。一例として、初回判定実施日時は2022/4/1 10:00:00であり、2回目判定実施日時は2022/5/1 10:00:00である。利用者Uはユーザー1からユーザー4の4人であり、そのうちユーザー1からユーザー3の3人が標準者であり、ユーザー4の1人が初心者であるとする。既に作成されているリソースはリソースAからリソースDの4つであるとする。リソースはCPUなどのメトリクス、操作ログ、アクセスログのいずれから取得できるものであることを想定する。
【0083】
情報処理装置1aには、操作ログ未取得期間の基準t1について30(日)、タイムスタンプ表記とすると2592000が設定されている。情報処理装置1aには、アクセスログ未取得期間の基準t2について180(日)、タイムスタンプ表記とすると15552000が設定されている。
【0084】
情報処理装置1aには、CPU利用率の判定基準uについて20(%)が設定されている。情報処理装置1aには、不要リソース発生頻度の判定基準mについて0.5が設定されている。不要リソース発生頻度の判定基準mが0.5であることは、利用者が、50%の確率で不要リソースを発生させる人であることを意味する。
【0085】
情報処理装置1aには、不要リソース発生頻度による重み付けの値bについて0.7が設定されている。不要リソース発生頻度による重み付けの値bが0.7であることは、重み付けの値bが1.0と比較して判定を厳しくすることを意味する。情報処理装置1aには、利用者属性による重み付けの値a1について、初心者はa1=-0.2、標準者はa1=0.2が設定されている。
【0086】
情報処理装置1aには、利用期間属性による重み付けの値a2について、開発前はa2=-0.1、開発終了後はa=0.1が設定されている。ただし、利用期間属性による重みづけの値は、利用者属性による重み付けの値a1と同様の使われ方であるため、ここでは、利用期間属性による重み付けの値a2を利用しない場合について説明を続ける。
【0087】
図8および
図9に示したフローチャートにおいて、以下の判定が行われる。ステップS9-7では、判定部13aはCPU使用率が20(%)未満であるか否かを判定する。ステップS11-7では、判定部13aは不要リソース発生頻度が0.5より多いか否かを判定する。ステップS15-7では、判定部13aは操作ログ未出力期間の計算結果が2592000×(w+a1)より長いか否かを判定する。ステップS18-7では、判定部13aはアクセスログ未出力期間の計算結果が15552000×(w+a1)より長いか否かを判定する。
【0088】
図12Aは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例を示す。利用者一覧データテーブルによれば、利用者属性が登録されている。利用者属性の一例は、ユーザー1からユーザー4のうち、ユーザー1からユーザー3が標準者であり、ユーザー4が初心者である。初回判定前は、最終ログイン日付および時刻は登録されていない。初回判定前は、利用傾向計算部16によって利用傾向を計算する処理が行われていないため、環境利用頻度にはデータが登録されていない。初回判定前は、利用傾向計算部16によって不要リソース発生頻度を計算する処理が行われていないため、不要リソース発生頻度にはデータが登録されていない。
【0089】
図12Bは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例を示す。
図12Bによれば、リソース名として、リソースAからリソースDが登録されている。初回判定前は、リソース監視部15によってリソース情報を取得する処理が行われていないため、リソース作成者、CPU利用率(%)、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻および操作ログ記録日付および時刻にはデータが登録されていない。
【0090】
図12Cは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例を示す。初回判定前は、判定部13aによってリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理が行われていないため、リソース名、リソース作成者、判定結果および判定日付および時刻にはデータが格納されていない。
【0091】
初回判定では、以下の処理が行われる。
図11を参照して説明した情報処理装置1aに属性情報を入力する処理のステップS1-8において、ユーザー1からユーザー3の利用者属性として「標準者」を示す情報と、ユーザー4の利用者属性として「初心者」を示す情報とが、入力部11aに入力される。
図2および
図6を参照して説明したリソース監視部15がリソース情報を取得する処理において、リソース監視部15は、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを取得する。
【0092】
リソース監視部15は、リソース名と、リソース作成者と、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを関連付けてリソース一覧データテーブルに記憶させる。
図3および
図7を参照して説明した利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理において、利用傾向計算部16は、ユーザーごとに環境利用頻度を判定する。
【0093】
利用傾向計算部16は、前回の判定記録がないため、不要リソース発生頻度は算出しない。利用傾向計算部16は、記録部17aの利用者一覧データテーブルに、利用者名と、最終ログイン日付および時刻と、クラウド環境利用頻度とを関連付けて記憶させる。
【0094】
図13Aは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、利用者一覧データテーブルには、利用者名がユーザー1からユーザー4の各々について、最終ログイン日付および時刻と、環境利用頻度と、属性とが関連付けて記録される。不要リソース発生頻度については、前回の判定記録が無いため、記録されていない。
【0095】
図13Bは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、リソース一覧データテーブルには、リソース名がリソースAからリソースDの各々について、リソース作成者と、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とが関連付けて記録される。
【0096】
さらに、初回判定では、以下の処理が行われる。
図4、
図8および
図9を参照して説明した判定部13aがリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理において、判定部13aは、リソースAについて、ステップS4-7、S7-7、S9-7、S11-7、S15-7およびS17-7のいずれにも該当しないため、ステータスを「必要」に決定する。
【0097】
判定部13aは、リソースBについて、ステップS4-7、S7-7、S9-7およびS11-7のいずれにも該当しないと判定し、ステップS14-7において、式(2)より操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻=1648774800-1638320400=10454400を計算する。
【0098】
さらに、判定部13aは、リソースBについて、ステップS15-7において、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0+0)よりも長いか否かを判定する。判定部13aは、リソースBについて、10454400>2592000であり、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0+0)よりも長いため、ステータスを「不要候補」に決定する。
【0099】
判定部13aは、リソースCについて、ステップS4-7およびS7-7のいずれにも該当しないと判定し、ステップS9-7において、CPU利用率<20であるため、ステータスを「不要候補」に決定する。
【0100】
判定部13aは、リソースDについて、ステップS4-7に該当しないと判定し、ステップS7-7において、環境利用頻度が低いため、ステータスを「不要候補」に決定する。判定部13aは、リソースAからリソースDの各々のステータスの判定結果を記録部17の判定結果一覧データテーブルに記録させる。
【0101】
図13Cは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、判定結果一覧データテーブルには、リソース名がリソースAからリソースDの各々について、リソース作成者と、判定結果と、判定日付および時刻とが関連付けて記録される。
【0102】
2回目判定について説明する。利用する条件は初回判定と同様とする。つまり、情報処理装置1aには、操作ログ未取得期間の基準t1について30(日)、タイムスタンプ表記とすると2592000が設定されている。情報処理装置1aには、アクセスログ未取得期間の基準t2について180(日)、タイムスタンプ表記とすると15552000が設定されている。
【0103】
情報処理装置1aには、CPU利用率の判定基準uについて20(%)が設定されている。情報処理装置1aには、不要リソース発生頻度の判定基準mについて0.5が設定されている。情報処理装置1aには、不要リソース発生頻度による重み付けの値bについて0.7が設定されている。情報処理装置1aには、利用者属性による重み付けの値a1について、初心者はa1=-0.2、標準者はa1=0.2が設定されている。
【0104】
2回目判定は前回の判定の1ヶ月後、具体的には、2022/5/1 10:00:00に実施することを想定する。前回の判定で「不要候補」と判定されたリソースBからリソースDは、例えば利用者U又は運用者によって削除されたものとする。初回判定から2回目判定の間の1ヶ月の間にリソースE、リソースF、リソースGが追加されている。
【0105】
図14Aは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、利用者一覧データテーブルには、利用者名がユーザー1からユーザー4の各々について、最終ログイン日付および時刻と、環境利用頻度と、属性とが関連付けて記録される。不要リソース発生頻度については、前回の判定記録が無いため、記録されていない。
【0106】
図14Bは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、リソース一覧データテーブルには、リソース名がリソースAからリソースDの各々について、リソース作成者と、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とが関連付けて記録されていた。しかし、「不要候補」と判定されていたリソースB、リソースCおよびリソースDは、例えば利用者Uによって削除された。その後、リソースE、リソースFおよびリソースGが検出されたため、追加されている。
【0107】
図14Cは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例を示す。初回判定が行われることによって、判定結果一覧データテーブルには、リソース名がリソースAからリソースDの各々について、リソース作成者と、判定結果と、判定日付および時刻とが関連付けて記録されている。
【0108】
2回目判定では、以下の処理が行われる。
図2および
図6を参照して説明したリソース監視部15がリソース情報を取得する処理において、リソース監視部15は、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを取得する。リソース監視部15は、リソース名と、リソース作成者と、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とを関連付けてリソース一覧データテーブルに記憶させる。
【0109】
図3および
図7を参照して説明した利用傾向計算部16が利用傾向を計算する処理において、利用傾向計算部16は、ユーザーごとにクラウドの環境利用頻度を判定する。利用傾向計算部16は、前回の判定記録があるため、不要リソース発生頻度を算出する。利用傾向計算部16は、ユーザー1およびユーザー4については、提供されているリソースが無いため、不要リソース発生頻度を0(零)とする。
【0110】
利用傾向計算部16は、ユーザー2について、ユーザー2に提供されているリソースA、リソースBおよびリソースCのうち、リソースBおよびリソースCが不要リソースであるため、3分の2で「不要候補」を発生させている。このため、利用傾向計算部16は、不要リソース発生頻度として2/3=0.67を算出する。利用傾向計算部16は、ユーザー3について、ユーザー3に提供されているリソースDが不要リソースであるため、1分の1で「不要候補」を発生させている。このため、利用傾向計算部16は、不要リソース発生頻度として1/1=1.0を算出する。利用傾向計算部16は、記録部17aの利用者一覧データテーブルに、利用者名と関連付けて、不要リソース発生頻度を記憶させる。
【0111】
図15Aは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている利用者一覧データテーブルの一例を示す。2回目判定が行われることによって、利用者一覧データテーブルには、利用者名がユーザー1からユーザー4の各々について、最終ログイン日付および時刻と、環境利用頻度と、不要リソース発生頻度と、属性とが関連付けて記録される。
【0112】
図15Bは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されているリソース一覧データテーブルの一例を示す。2回目判定が行われることによって、リソース一覧データテーブルには、リソース名がリソースA、リソースE、リソースFおよびリソースGの各々について、リソース作成者と、CPU利用率と、アクセスログ最終レコード記録日付および時刻と、操作ログ最終レコード記録日付および時刻とが関連付けて記録される。
【0113】
さらに、2回目判定では、以下の処理が行われる。
図4、
図8および
図9を参照して説明した判定部13がリソースごとに不要リソースであるか否かを判定する処理において、判定部13aは、リソースAについて、ステップS4-7、S7-7およびS9-7のいずれにも該当しないと判定する。さらに、判定部13aは、リソースAについて、ステップS11-7において、不要リソース発生頻度>0.5であるため、ステップS12-7において、重み付けとしてw=0.7を設定する。
【0114】
さらに、判定部13aは、リソースAについて、ステップS14-7において、式(2)より操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻=1651366800-1649984400=1382400を計算する。さらに、判定部13aは、リソースAについて、ステップS15-7において、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(0.7+0)=1814400よりも長いか否かを判定する。
【0115】
さらに、判定部13aは、リソースAについて、1382400<1814400であり、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(0.7+0)以下であるため、ステップS17-7において、式(3)よりアクセスログ未出力期間=判定日付および時刻-アクセスログ最終レコード記録日付および時刻=1651366800-1649984400=1382400を計算する。
【0116】
さらに、判定部13aは、リソースAについて、ステップS18-7において、アクセスログ未出力期間が15552000×(w+a1)=15552000×(0.7+0)=10886400よりも長いか否かを判定する。判定部13aは、リソースAについて、1382400<10886400であり、アクセスログ未出力期間が15552000×(w+a1)=15552000×(0.7+0)以下であるため、ステータスを「必要」に決定する。
【0117】
判定部13aは、リソースEについて、ステップS4-7、S7-7およびS9-7のいずれにも該当しないと判定し、ステップS11-7において、不要リソース発生頻度>0.5であるため、ステップS12-7において、重み付けとしてw=0.7を設定する。さらに、判定部13aは、リソースEについて、ステップS14-7において、操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻=1651330800-1649379600=1951200を計算する。
【0118】
さらに、判定部13aは、リソースEについて、ステップS15-7において、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(0.7+0)=1814400よりも長いか否かを判定する。さらに、判定部13aは、リソースEについて、1951200>1814400であり、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0+0)より長いため、ステータスを「不要候補」に決定する。
【0119】
判定部13aは、リソースFについて、ステップS4-7、S7-7およびS9-7のいずれにも該当しないと判定し、ステップS11-7において、不要リソース発生頻度>0.5でないため、ステップS13-7において、重み付けとしてw=1.0を設定する。さらに、判定部13aは、リソースFについて、ステップS14-7において、式(2)より操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻=1651366800-1649120400=2246400を計算する。
【0120】
さらに、判定部13aは、リソースFについて、ステップS15-7において、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0+0)=2592000よりも長いか否かを判定する。判定部13aは、リソースFについて、2246400<2592000であり、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0+0)以下であるため、ステップS17-7において、アクセスログ未出力期間=判定日付および時刻-アクセスログ最終レコード記録日付および時刻=1651366800-1649120400=2246400を計算する。
【0121】
さらに、判定部13aは、リソースFについて、ステップS18-7において、アクセスログ未出力期間が15552000×(w+a1)=15552000×(1.0+0)=15552000よりも長いか否かを判定する。判定部13aは、リソースFについて、2246400<15552000であり、アクセスログ未出力期間が15552000×(w+a1)=15552000×(1.0+0)以下であるため、ステータスを「必要」に決定する。
【0122】
判定部13aは、リソースGについて、ステップS4-7、S7-7およびS9-7のいずれにも該当しないと判定し、ステップS11-7において、不要リソース発生頻度>0.5でないため、ステップS13-7において、重み付けとしてw=1.0を設定する。さらに、判定部13aは、リソースGについて、ステップS14-7において、式(2)より操作ログ未出力期間=判定日付および時刻-操作ログ最終レコード記録日付および時刻=1651366800-1649120400=2246400を計算する。さらに、判定部13aは、リソースGについて、ステップS15-7において、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0-0.2)=2073600よりも長いか否かを判定する。
【0123】
判定部13aは、リソースGについて、2210400>2073600であり、操作ログ未出力期間が2592000×(w+a1)=2592000×(1.0-0.2)より長いため、ステータスを「不要候補」に決定する。判定部13aは、リソースA、リソースE、リソースFおよびリソースGの各々のステータスの判定結果を記録部17の判定結果一覧データテーブルに記録する。
【0124】
図15Cは、実施形態の変形例の情報処理装置に記録されている判定結果一覧データテーブルの一例を示す。2回目判定が行われることによって、判定結果一覧データテーブルには、リソース名がリソースA、リソースE、リソースFおよびリソースGの各々について、リソース作成者と、判定結果と、判定日付および時刻とが関連付けて記録されている。
【0125】
判定部13aが、リソースの全てについて、ステータスの判定結果を記録部17aの判定結果一覧データテーブルに記録した後、出力部18は、利用者Uからの判定結果リクエストに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力する。このように構成することによって、情報処理装置1は、利用者Uに、リソースの全てについて、不要リソースであるか否かの判定結果を知らせることができる。利用者Uは、リソースの全てについての不要リソースであるか否かの判定結果に基づいて、必要に応じてリソースを削除するなどの対応を取ることができる。ここで、判定部13aが、リソースの全てについて、ステータスの判定結果を記録部17aの判定結果一覧データテーブルに記録するとともに、出力部18は、利用者Uからの判定結果リクエストに基づいて、リソース名とリソース作成者と判定結果と判定日付および時刻とを出力するようにしてもよい。
【0126】
実施形態の変形例の情報処理装置1aによれば、情報処理装置1において、利用者Uの属性を取得し、取得した利用者の属性を判定部13aに設定するルール設定部12aをさらに備える。判定部13aは、ルール設定部12aが設定した利用者Uの属性にさらに基づいて、クラウドのリソースが不要であるか否かを判定する。
【0127】
このように構成することによって、情報処理装置1aは、利用者の属性情報を利用して、判定部13aにおける不要リソースの判定に重み付けが可能となる。情報処理装置1aは、クラウドのリソースの状態と、利用者の利用されていないリソースの発生頻度とに加え、利用者Uの属性にさらに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定できる。CPU利用率などのリソースのメトリクスのみに基づいて非活性リソースを判定する場合と比較して、誤って作成されたリソースや削除忘れのリソースのうち、稼働中のリソースであっても不要リソースとして検出できるため、クラウドを利用する利用者の性格に合わせて不要リソースの判定が可能となる。例えば、利用者の技術レベルが初心者、標準者、ベテランなど複数あった場合に、初心者は不要となるリソースを発生させる可能性が高いと判断し、不要リソース判定に利用する条件式をより厳しいものとすることができる。
【0128】
実施形態の変形例の情報処理装置1aによれば、情報処理装置1において、利用者のリソースの利用期間属性を取得し、取得した利用者のリソースの利用期間属性を判定部13aに設定するルール設定部12aをさらに備える。判定部13aは、ルール設定部12aが設定した利用者のリソースの利用期間属性にさらに基づいて、クラウドのリソースが不要であるか否かを判定する。
【0129】
このように構成することによって、情報処理装置1aは、利用期間の属性情報を利用して、判定部における不要リソースの判定に重み付けが可能となる。情報処理装置1aは、クラウドのリソースの状態と、利用者の利用されていないリソースの発生頻度とに加え、利用者のリソースの利用期間属性にさらに基づいて、クラウドのリソースが利用されているか否かを判定できる。CPU利用率などのリソースのメトリクスのみに基づいて非活性リソースを判定する場合と比較して、誤って作成されたリソースや削除忘れのリソースのうち、稼働中のリソースであっても不要リソースとして検出できるため、クラウドを利用する利用者の性格に合わせて不要リソースの判定が可能となる。例えば、利用期間が開発後半であるため、開発繁忙時に作成したリソースの削除忘れが頻発する、といったことが予想できるため、不要となるリソースの発生や削除忘れが起きる可能性が高い。そのため、開発開始前の期間は不要リソース判定に利用する条件式をより厳しいものとすることができる。
【0130】
以上、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、これらの実施形態およびその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態およびその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態およびその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0131】
1、1a…情報処理装置、11a…入力部、12a…ルール設定部、13a…判定部、14…制御部、15…リソース監視部、16…利用傾向計算部、17a…記録部、18…出力部