(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163444
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】防水構造及び、防水工法
(51)【国際特許分類】
E01D 19/12 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
E01D19/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079039
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100171619
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 顕雄
(72)【発明者】
【氏名】米津 佳佑
(72)【発明者】
【氏名】大場 誠道
(72)【発明者】
【氏名】富井 孝喜
(72)【発明者】
【氏名】川西 貴士
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一成
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059AA19
2D059GG37
(57)【要約】
【課題】接合部の防水構造及び、防水工法に関し、簡素な構成で、工期の短縮及び、工費の削減を図る。
【解決手段】床版20の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部25と壁高欄50側の地覆本体部81との接合部、又は、床版20の端部と壁高欄50側の地覆部80との接合部の防水構造であって、接合部の道路側に臨む端部に所定の第1空間S1が設けられるとともに、第1空間S1内に水の浸入を防止するための止水材11が充填される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床版の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部、又は、床版の端部と壁高欄側の地覆部との接合部の防水構造であって、
前記接合部の道路側に臨む端部に所定の第1空間が設けられるとともに、前記第1空間内に水の浸入を防止するための止水材が充填された
ことを特徴とする防水構造。
【請求項2】
請求項1に記載の防水構造であって、
前記接合部の前記第1空間よりも道路側の端部に所定の第2空間が設けられるとともに、前記第2空間内に前記止水材の道路側に臨む端面を覆う保護層が設けられた
ことを特徴とする防水構造。
【請求項3】
請求項2に記載の防水構造であって、
前記第1空間を画定する面に、前記止水材を定着させるための第1プライマ塗膜が形成されるとともに、前記第2空間を画定する面に、前記保護層を定着させるための第2プライマ塗膜が形成される
ことを特徴とする防水構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の防水構造であって、
前記止水材は、変成シリコーン系止水材、又は、エポキシ樹脂系止水材の何れかであり、
前記保護層は、ポリマーセメントモルタルである
ことを特徴とする防水構造。
【請求項5】
請求項1から3の何れか一項に記載の防水構造であって、
前記床版の少なくとも前記接合部に臨む上部に、超高強度繊維補強コンクリートを打設することにより形成された防水層が設けられている
ことを特徴とする防水構造。
【請求項6】
床版の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部、又は、床版の端部と壁高欄側の地覆部との接合部の防水工法であって、
前記接合部の道路側に臨む端部に設けられた所定の第1空間内に、水の浸入を防止するための止水材を充填する
ことを特徴とする防水工法。
【請求項7】
請求項6に記載の防水工法であって、
前記第1空間内に前記止水材を充填した後、前記接合部の前記第1空間よりも道路側の端部に設けられた所定の第2空間内に、前記止水材の道路側に臨む端面を覆う保護層を形成する
ことを特徴とする防水工法。
【請求項8】
請求項7に記載の防水工法であって、
前記第1空間内に前記止水材を充填するよりも前に、前記第1空間を画定する面に前記止水材を定着させるための第1プライマを塗布し、
前記第1空間内に前記止水材を充填した後、前記第2空間内に前記保護層を形成するよりも前に、前記第2空間を画定する面に前記保護層を定着させるための第2プライマを塗布する
ことを特徴とする防水工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防水構造及び、防水工法に関し、特に、床版の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部、又は、床版の端部と壁高欄側の地覆部との接合部の防水に好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速道路等の道路橋は、橋脚に架設される主桁と、主桁の上部に設置される床版と、床版の上部に設置される壁高欄とを含んで構成される。凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの浸入や漏水は、床版を劣化させる要因となる。このため、床版の新設工事や取替工事においては、床版を主桁に設置した後、床版の上面にシート系や塗膜系の防水材による防水層(以下、従前防水層と称する)が施工される。
【0003】
しかしながら、従前防水層は多層構造であり、工程が多いことから、施工不良が起きやすく、さらには、工期や工費が嵩むといった課題がある。また、従前防水層は、雨天時や多湿時には施工することができず、天候不順による工期の遅延を招くといった課題がある。また、従前防水層は、舗装打替え工事のたびに再施工しなければならない課題もある。
【0004】
このような課題を解決する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1記載のプレキャストコンクリート床版は、工場にて型枠内に普通コンクリートを打ち込んで床版コンクリート部を構築した後、当該床版コンクリート部の上部に超高強度繊維補強コンクリート(Ultra high strength Fiber reinforced Concrete:以下、UFCとも称する)を打ち重ねてUFC防水層を構築することにより、現場での防水工を不要とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載のプレキャストコンクリート床版は、床版の防水機能を備えているが、床版側の地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部には防水対策が施されていない。すなわち、端部防水層を備えていない。端部防水層としては、壁高欄を設置した後、それらの接合部にシート系や塗膜系の防水材を用いる従前防水層を施工することが考えられる。しかしながら、前述したように、従前防水層は、施工不良が起きやすく、工期や工費が嵩み、さらには、天候不順の影響を受けるといった課題がある。
【0007】
本開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、床版の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部、又は、床版の端部と壁高欄側の地覆部との接合部の防水構造及び、防水工法に関し、簡素な構成で、工期の短縮及び、工費の削減を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の防水構造(10)は、
床版(20)の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部(25)と壁高欄(50)側の地覆本体部(81)との接合部、又は、床版(20)の端部と壁高欄側の地覆部(80)との接合部の防水構造(10)であって、
前記接合部の道路側に臨む端部に所定の第1空間(S1)が設けられるとともに、前記第1空間(S1)内に水の浸入を防止するための止水材(11)が充填された
ことを特徴とする。
【0009】
本開示の他の態様の防水構造(10)は、
前記接合部の前記第1空間(S1)よりも道路側の端部に所定の第2空間(S2)が設けられるとともに、前記第2空間(S2)内に前記止水材(11)の道路側に臨む端面(11A)を覆う保護層(12)が設けられた
ことを特徴とする。
【0010】
本開示の他の態様の防水構造(10)は、
前記第1空間(S1)を画定する面に、前記止水材(11)を定着させるための第1プライマ塗膜(13)が形成されるとともに、前記第2空間(S2)を画定する面に、前記保護層(12)を定着させるための第2プライマ塗膜(14)が形成される
ことを特徴とする。
【0011】
本開示の他の態様の防水構造(10)において、
前記止水材(11)は、変成シリコーン系止水材、又は、エポキシ樹脂系止水材の何れかであり、
前記保護層(12)は、ポリマーセメントモルタルである
ことを特徴とする。
【0012】
本開示の他の態様の防水構造(10)において、
前記床版(20)の少なくとも前記接合部に臨む上部に、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を打設することにより形成された防水層(26)が設けられている
ことを特徴とする。
【0013】
本開示の防水工法は、
床版(20)の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部(25)と壁高欄(50)側の地覆本体部(81)との接合部、又は、床版(20)の端部と壁高欄(50)側の地覆部(80)との接合部の防水工法であって、
前記接合部の道路側に臨む端部に設けられた所定の第1空間(S1)内に、水の浸入を防止するための止水材(11)を充填する
ことを特徴とする。
【0014】
本開示の他の態様の防水工法は、
前記第1空間(S1)内に前記止水材(11)を充填した後、前記接合部の前記第1空間(S1)よりも道路側の端部に設けられた所定の第2空間(S2)内に、前記止水材(11)の道路側に臨む端面(11A)を覆う保護層(12)を形成する
ことを特徴とする。
【0015】
本開示の他の態様の防水工法において、
前記第1空間(S1)内に前記止水材(11)を充填するよりも前に、前記第1空間(S1)を画定する面に前記止水材(11)を定着させるための第1プライマを塗布し、
前記第1空間(S1)内に前記止水材(11)を充填した後、前記第2空間(S2)内に前記保護層(12)を形成するよりも前に、前記第2空間(S2)を画定する面に前記保護層(12)を定着させるための第2プライマを塗布する
ことを特徴とする。
【0016】
上記説明においては、本開示の理解を助けるために、実施形態に対応する構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
本開示の技術によれば、床版の端部に一体に設けられた地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部、又は、床版の端部と壁高欄側の地覆部との接合部の防水構造及び、防水工法に関し、簡素な構成で、工期の短縮及び、工費の削減を図ることができる。また、従前防水層は、アスファルト舗装の敷き直し工事をするたびに端部防水工を再施工しなければならないが、本開示の技術を採用することで、端部防水工の再施工が不要となる。すなわち、維持管理作業の簡素化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る防水構造を備える床版及び、壁高欄を示す模式的な斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る地覆立ち上がり部と壁高欄側の地覆本体部との接合部及び、防水構造を示す模式的な縦断面図である。
【
図4】止水材用プライマ塗膜形成工程を説明する模式的な斜視図である。
【
図5】止水材充填工程を説明する模式的な斜視図である。
【
図6】保護モルタル用プライマ塗膜形成工程を説明する模式的な斜視図である。
【
図7】保護層形成工程を説明する模式的な斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る防水構造の施工手順(防水工法)を説明するフロー図である。
【
図9】耐薬品性試験の概要を説明する模式図である。
【
図10】温度変化及び薬品負荷試験で用いた供試体を説明する模式図である。
【
図11】他の実施形態に係る防水構造を示す模式的な縦断面図である。
【
図12】他の実施形態に係る防水構造を示す模式図である。
【
図13】他の実施形態に係る防水構造を示す模式図である。
【
図14】他の実施形態に係る防水構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る防水構造及び、防水工法について説明する。
【0020】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る防水構造10を備える床版20,20’及び、壁高欄50を示す模式的な斜視図である。なお、便宜的に、床版20,20’を橋軸方向Yに切断した断面図とすることにより、橋軸直交方向X(道路幅員方向)の略半分の構成については図示を省略している。また、床版20,20’及び、壁高欄50の個数や形状は、図示例に限定されるものではない。
【0021】
図1に示すように、複数の床版20,20’は、主桁90の上部に設置され、互いに橋軸方向Yに接続されることにより道路橋を構成する。床版20,20’は、予め工場などで製造されたプレキャストコンクリート床版であって、施工現場まで運搬されて設置される。床版20,20’には、主桁90の上側フランジ91に設けられたスタッドジベルを挿入する不図示のジベル孔が設けられている。床版20,20’は、スタッドジベルをジベル孔に挿入し、ジベル孔にモルタル等の充填剤を打ち込むことにより、主桁90に固結される。
【0022】
床版20,20’は、版状の床版本体部21,21’と、床版本体部21,21’の橋軸直交方向Xの端部に設けられた地覆立ち上がり部25,25’とを有する。地覆立ち上がり部25,25’は、床版本体部21,21’よりも鉛直方向Zの上方に突出する。地覆立ち上がり部25,25’の突出高さは特に制限されないが、一例として、約110mm程度である。地覆立ち上がり部25,25’は、レベリング層よりも低くてもよく、或は、レベリング層と略同じ高さでもよく、或は、レベリング層よりも高くてもよい。本実施形態において、床版本体部21,21’及び、地覆立ち上がり部25は、好ましくは、継ぎ目なく一体に形成されている。床版本体部21,21’及び、地覆立ち上がり部25,25’は、PCコンクリートであってもよく、RCコンクリートであってもよい。地覆立ち上がり部25,25’は、後述する地覆本体部81が接合されることにより地覆部80を構成する。
【0023】
床版20,20’は、UFCにより形成されたUFC防水層26,26’を有する。UFC防水層26,26’は、予め工場にて、所定の型枠内に普通コンクリートを打ち込んで床版本体部21,21’及び、地覆立ち上がり部25,25’を構築した後、これら床版本体部21,21’の上面と、地覆立ち上がり部25,25’の上面及び道路側の側面とに、好ましくは常温硬化型のUFCを打ち重ねることにより構築される。UFCは、鋼繊維等を配合した高強度、且つ、高耐久のコンクリートである。UFCは、透水係数が小さく、さらには高い水密性を有することから、UFC防水層26,26’を床版本体部21,21’及び、地覆立ち上がり部25,25’の防水層として機能させることができる。
【0024】
床版本体部21,21’の橋軸方向Yの端部には、凸型の剪断キー22,22’が設けられている。また、剪断キー22,22’には、異形鉄筋23,23’が橋軸方向Yに突出して設けられている。各床版20,20’は、床版本体部21,21’の間に、打ち継ぎコンクリート24を打ち込むことにより接続される。打ち継ぎコンクリート24は、特に限定されないが、常温硬化型のUFCを用いることが好ましい。本実施形態において、剪断キー22,22’の一部は、異形鉄筋23,23’のかぶり部に形成されている。このような構成にすることで、床版本体部21,21’と打ち継ぎコンクリート24との間の付着抵抗及び、剪断抵抗が高められるようになる。すなわち、各床版本体部21,21’の端部と、打ち継ぎコンクリート24との接続強度を効果的に向上することが可能になる。
【0025】
UFC防水層26,26’の橋軸方向Yの端部には、上面視で略三角形状の凸部27,27’が橋軸直交方向Xに複数設けられている。橋軸方向Yに互いに対抗する凸部27と凸部27’と間には、前述の打ち継ぎコンクリート24が打設される。このように、UFC防水層26,26’の打ち継ぎ面となる端部に、略三角形状の凸部27,27’を複数設けることにより、UFC防水層26,26’と打ち継ぎコンクリート24との間の付着抵抗及び、剪断抵抗が高められるようになる。すなわち、各UFC防水層26,26’の端部と打ち継ぎコンクリート24との接続強度を効果的に向上することが可能になる。
【0026】
壁高欄50は、予め工場などで製造されたプレキャストコンクリート壁高欄であって、施工現場まで運搬されて設置される。
【0027】
壁高欄50は、長手方向が橋軸方向Yに延び、且つ、橋軸直交方向Xの断面視において、下端側の部分が道路側に広がるように形成されている。以下では、壁高欄50の下端側の部分を地覆本体部81と称する。壁高欄50は、床版20,20’を主桁90に設置した後、床版20,20’の橋軸直交方向Xの端部となる地覆立ち上がり部25,25’の上部に接合される。壁高欄50は、橋軸方向Yに複数連結されることにより、道路橋の防護柵として機能する。
【0028】
壁高欄50と地覆立ち上がり部25,25’(UFC防水層26,26’)との隙間には、これら壁高欄50及び、地覆立ち上がり部25,25’を互いに固結させるために、例えば、無収縮モルタルM1が充填される。無収縮モルタルM1は、壁高欄50に設けられた注入孔51から注入され、余剰の無収縮モルタルは溝部52から排出される。本実施形態の防水構造10は、地覆立ち上がり部25,25’と壁高欄50側の地覆本体部81との接合部のうち、道路側に臨む部分に橋軸方向Yに沿って設けられる。以下、地覆立ち上がり部25,25’と地覆本体部81との接合部及び、防水構造10の詳細を説明する。
【0029】
[接合部]
図2は、本実施形態に係る地覆立ち上がり部25,25’と地覆本体部81との接合部及び、防水構造10を示す模式的な縦断面図である。なお、図中の符号Rは、床版本体部21のコンクリートに埋設された鉄筋を示している。
【0030】
床版本体部21には、下部固定部61が埋設されている。下部固定部61は、アンカーボルトABを支持する平板状のアンカープレート62と、アンカープレート62の下面側に接続され、アンカーボルトABの下側のねじ部に螺合可能な下部ナット63とを含む。アンカープレート62と、下部ナット63とは、好ましくは、溶接等によって一体に形成されている。下部固定部61に固定されたアンカーボルトABは、壁高欄50に形成された挿通孔53に挿通される。アンカーボルトABの上部側には、上部固定部70が固定される。
【0031】
上部固定部70は、壁高欄50の地覆本体部81の側面よりも内側に窪む凹部54内に配置される。上部固定部70は、アンカーボルトABに螺合されることにより、壁高欄50の挿通孔53の上方側の開口周縁の少なくとも一部を圧接し、地覆立ち上がり部25に壁高欄50を固定する。上部固定部70は、アンカーボルトABの上側のねじ部に螺合する上部ナット71と、アンカーボルトABに螺合することにより上部ナット71によって下方に押圧されて、挿通孔53の周縁部を押圧する支圧板72とを有する。
【0032】
壁高欄50は、以下の工程(1)~(5)に従って、地覆立ち上がり部25に設置される。
(1)配置工程:壁高欄50を地覆立ち上がり部25の上方に位置させた状態で、地覆立ち上がり部25から突出しているアンカーボルトABが、壁高欄50の挿通孔53に挿入されるように位置合わせする。位置合わせが終了したならば、壁高欄50を上方から床版20に降下させる。
(2)仮固定工程:支圧板72にアンカーボルトABを挿入し、アンカーボルトABに上部ナット71を螺合させ、壁高欄50を仮固定する。
(3)第1モルタル充填工程:壁高欄50と地覆立ち上がり部25との隙間Sに、注入孔51(
図1参照)から無収縮モルタルM1を充填する。
(4)本固定工程:無収縮モルタルM1が硬化した後、アンカーボルトABに螺合されている上部ナット71を増し締めすることにより、壁高欄50を本固定する。
(5)第2モルタル充填工程:凹部54内に無収縮モルタルM2を充填する。無収縮モルタルM2が十分に硬化すると、地覆立ち上がり部25と壁高欄50側の地覆本体部81のとの接合が完成する。
【0033】
ところで、床版20の橋軸直交方向Xの端部は、路面排水の導水路であり、地覆立ち上がり部や排水桝周辺からの漏水によって変状が起きやすい。床版20の地覆立ち上がり部25と壁高欄50との接合部に防水工を施さない場合には、それらの接合部から雨水等が浸入し、劣化等を引き起こす要因となる。このため、端部防水層を施工する必要がある。端部防水層としては、シート系や塗膜系の防水材を用いる従前防水層がある。しかしながら、従前防水層は、多層構造であり、工程が多いことから、施工不良が起きやすく、さらには、工期や工費が嵩むといった課題がある。また、従前防水層は、雨天時や多湿時には施工することができず、天候不順による工期の遅延を招くといった課題もある。さらに、従前防水層は、舗装打替え工事のたびに再施工しなければならない課題もある。
【0034】
そこで、本実施形態では、地覆立ち上がり部25と壁高欄50側の地覆上側部81との接合部に、端部防水層の代替として、従前防水層よりも工期の短縮及び工費の削減を図ることができ、施工不良が起き難く、雨天時や多湿時においても施工可能(但し、雨天時は雨養生を行う)であり、さらには、舗装打替え時に再施工が不要な防水構造10を適用した。以下、防水構造10の詳細について説明する。
【0035】
[防水構造]
図2及び、
図3に示されるように、本実施形態の防水構造10は、止水材11と、保護層12とを備えている。
【0036】
止水材11は、地覆立ち上がり部25の上部に形成されたUFC防水層26の上面と、壁高欄50の下面との隙間Sのうち、無収縮モルタルM1よりも道路側の端部となる空間S1(第1空間)に、壁高欄50の橋軸方向Yの全長に亘って充填される。止水材11は、道路側の端面11A(
図3参照)が、好ましくは、地覆立ち上がり部25のUFC防水層26の側面26A(
図3参照)と鉛直方向Zに同一面となるように充填される。空間S1は、例えば、前述の壁高欄50を設置する際の「(3)第1モルタル充填工程」にて、UFC防水層26の上面と壁高欄50の下面との隙間Sの端部にスポンジ等の型材を設置し、無収縮モルタルM1の充填後に当該型材を取り外すことにより形成すればよい。
【0037】
本実施形態において、止水材11は、以下の特性を有する。
(1)止水性能に優れること。
(2)耐久性を有すること。
(3)コーキングガン打ちが可能であること。
(4)地覆立ち上がり部25(UFC防水層26)と壁高欄50との接合部に密実に充填可能であること。
(5)雨天時や多湿時においても施工可能であること(但し、雨天時は雨養生を行う)。
このような特性(1)~(5)を有する止水材としては、例えば、変成シリコーン系の止水材、エポキシ樹脂系の止水材等が挙げられる。
【0038】
このように、地覆立ち上がり部25と壁高欄50側の地覆上側部81との接合部に止水材11を設けることで、地覆立ち上がり部25と壁高欄50(地覆上側部81)との打継ぎ目となる無収縮モルタルM1に雨水や凍結防止剤に含まれる塩化物等が浸入することを効果的に防止することが可能になる。また、雨水や塩化物等の浸入が防止されることで、壁高欄50や床版20の劣化も効果的に抑止することが可能になる。
【0039】
止水材11を空間S1に充填するタイミングは、壁高欄50を設置する「(3)第1モルタル充填工程」を終了した後であれば、無収縮モルタルM1が硬化する前であってもよい。空間S1を画定する壁高欄50の下面、無収縮モルタルM1の道路側の端面及び、UFC防水層26の上面26B(
図3参照)には、好ましくは、止水材用プライマが塗布される。
図2及び
図3中の符号13は、止水材用プライマ塗膜を示している。止水材用プライマは、止水材11を空間S1に充填するよりも前に塗布される。止水材用プライマとしては、例えば、ウレタン樹脂系のプライマが挙げられる。止水材用プライマ塗膜13を設けることにより、止水材11の接着性及び、定着性を確実に向上することが可能になる。
【0040】
保護層12は、地覆立ち上がり部25と壁高欄50(地覆上側部81)との接合部の、止水材11よりも道路側の端部に、止水材11の端面11Aを覆うように設けられる。本実施形態において、壁高欄50には、道路側の下角部を略L字状に切り欠いた切り欠き凹部57(
図3参照)が設けられている。壁高欄50は、切り欠き凹部57の道路側に臨む側面58が、UFC防水層26の側面26Aと鉛直方向Zに略同一面となるように設置される。保護層12は、切り欠き凹部57の上面59及び側面58と、止水材11の端面11Aと、UFC防水層26の側面26A及び上面26Cとにより画定される凹状空間S2(第2空間)内に、例えば、左官鏝等を用いてモルタルを鏝塗りすることにより形成される。保護層12を形成するモルタルとしては、例えば、鏝塗りが可能なポリマーセメントモルタルを用いることが好ましい。
【0041】
このように、止水材11の端面11Aを覆う保護層12を設けることで、止水材11が舗装時の衝撃やアスファルト混合物の舗装熱等によって損傷することを効果的に防止することが可能になる。また、工事完了後の供用時には、保護層12によって紫外線が遮られるようになり、止水材11の紫外線劣化を効果的に防止することが可能になる。すなわち、耐候性を確実に向上することができる。
【0042】
保護層12のモルタルを凹状空間S2に塗り込むタイミングは、壁高欄50を設置する「(3)第1モルタル充填工程」を終了し、且つ、止水材11を充填した後であれば特に制限されない。凹状空間S2を画定する切り欠き凹部57の側面58及び上面59と、止水材11の端面11Aと、UFC防水層26の側面26A及び上面26Cには、好ましくは、保護モルタル用プライマが塗布される。
図2及び
図3中の符号14は、保護モルタル用プライマ塗膜を示している。保護モルタル用プライマは、モルタルを凹状空間S2に塗り込むよりも前に塗布される。保護モルタル用プライマとしては、例えば、エチレン酢酸ビニル系のプライマが挙げられる。保護モルタル用プライマ塗膜14を設けることにより、保護層12の接着性及び、定着性を確実に向上することが可能になる。
【0043】
[防水工法]
次に、
図4~8に基づき、本実施形態に係る防水構造10の施工手順(防水工法)を説明する。当該施工は、前述の壁高欄50を設置する際の「(3)第1モルタル充填工程」にて、無収縮モルタルM1を充填した後に開始することができる。当該施工は、無収縮モルタルM1が硬化するよりも前に開始してもよい。なお、以下の説明において、地覆立ち上がり部25と壁高欄50との隙間Sに設けられる内空間S1は、既に完成しているものとする。
【0044】
第1工程(
図4及び、
図8のS100参照)では、空間S1を画定する面に、止水材用プライマを塗布することにより、止水材用プライマ塗膜13を形成する(止水材用プライマ塗膜形成工程)。
【0045】
次いで、第2工程(
図5及び、
図8のS200参照)では、空間S1の内部にコーキングガン等を用いて止水材11を橋軸方向Yに沿って充填する(止水材充填工程)。
【0046】
次いで、第3工程(
図6及び、
図8のS300参照)では、凹状空間S2を画定する面に、保護モルタル用プライマを塗布することにより、保護モルタル用プライマ塗膜14を形成する(保護モルタル用プライマ塗膜形成工程)。
【0047】
次いで、第4工程(
図7及び、
図8のS400参照)では、凹状空間S2の内部にモルタルを橋軸方向Yに沿って鏝塗りすることにより、保護層12を形成する(保護層形成工程)。保護層12を形成したならば、防水構造10の施工を終了する。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る防水工法によれば、第1~第4工程は、全ての工程が降雨時(但し、雨養生を行う)や降雪時等の悪天候下であっても施工することができる。すなわち、天候不順に伴う工期の遅延を効果的に防止することが可能になる。また、湿度が比較的高くなる夜間であっても施工でき、さらには、工程数が4工程と少ないため、施工に伴う車線規制や通行止め規制を夜間のみとすることができる。すなわち、交通規制に伴う周囲への影響を効果的に低減することが可能になる。また、壁高欄50を設置する「(3)第1モルタル充填工程」を終了した後は、壁高欄50を設置する「(4)本固定工程」又は「(5)第2モルタル充填工程」と並行して施工できるため、壁高欄50の設置が完了した後でなければ施工できない従前防水層に比べ、工期を確実に短縮することが可能になる。
【0049】
[性能評価試験]
本実施形態に係る止水材11及び、保護層12の性能評価試験を行った。性能評価試験は、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社「舗装施工管理要領(令和2年7月)」IIに示されているコンクリート床版における防水層に適用される各種試験を準用し、(1)耐薬品性試験、(2)温度変化及び薬品負荷試験、(3)ひび割れ開閉負荷試験及び、(4)防水性能試験の計4件の試験を行った。以下、各試験の詳細について説明する。
【0050】
[(1)耐薬品性試験]
耐薬品性試験では、止水材11の耐アルカリ性及び、耐塩水性を評価した。試験方法は、道路橋床版防水便覧JIS K 5600に準拠した。具体的には、
図9に示すように、ステンレス板100に止水材11を施工した供試体110を作製し、当該供試体110を容器120内の試験液Fに浸漬した。止水材11には、変成シリコーン系の止水材(コニシ社製:MSシール超耐久)を用いた。試験液Fは、飽和水酸化カルシウム溶液、3%の塩化ナトリウム溶液及び、3%の塩化カルシウム溶液をそれぞれ準備した。
【0051】
耐薬品性試験では、23±2℃の試験液F(飽和水酸化カルシウム溶液、3%の塩化ナトリウム溶液及び、3%の塩化カルシウム溶液のそれぞれ)に供試体110を所定期間に亘って浸漬し、止水材11にひび割れや膨れ、剥離等の異常がないかを目視により確認した。舗装施工管理要領では、浸漬期間は30年相当の負荷を与えるために15日間とされているが、試験では100年相当の耐久性を評価するために、浸漬期間は50日(≒15日×3.3)とした。
【0052】
供試体110を試験液Fに50日間浸漬させた後、供試体110を容器120から取り出して目視観察を行ったところ、止水材11にひび割れや膨れ、剥離等の異常は発見されなかった。すなわち、本実施形態の防水構造10を構成する止水材11は、耐薬品性に関し、100年相当の耐久性を備えていることを確認できた。
【0053】
[(2)温度変化及び薬品負荷試験]
温度変化及び薬品負荷試験では、止水材11に供用期間中の気象変化やコンクリートからの影響に相当する負荷を与えることにより、止水材11の耐候性及び、耐薬品性を評価した。試験方法は、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社「NEXCO 試験方法 第2編 アスファルト舗装関係試験方法(令和2年7月)」の「床版防水品質試験方法(試験法252-2020)」6.温度変化および薬品負荷試験に準拠した。
【0054】
図10は、作製した供試体210の模式的な斜視図である。供試体210は、略直方体状をなしており、UFC部220及び、コンクリート部230を備える。また、UFC部220とコンクリート部230との間の凹部には止水材11を充填し、これらUFC部220、コンクリート部230部及び、止水材11の上部には保護層12を設けた。止水材11には、変成シリコーン系の止水材(コニシ社製:MSシール超耐久)を用いた。保護層12には、ポリマーセメントモルタル(デンカ社製:RISライトハードエース)を用いた。また、保護層12の上部には、後述するひび割れ開閉負荷試験にてひび割れを誘発するための切り欠き240を設けた。なお、切り欠き240は、温度変化及び薬品負荷試験の終了後、ひび割れ開閉負荷試験を開始するよりも前に形成してもよい。
【0055】
温度変化及び薬品負荷試験では、供試体210を23±2℃の飽和水酸化カルシウム溶液に16時間浸漬した後、-30±2℃の恒温器の中で4時間冷却し、次いで50±3℃の恒温器の中で4時間加熱し、これを1サイクルとする手順を繰り返した。舗装施工管理要領では、サイクルを繰り返す回数は30年相当の負荷を与えるために30回とされているが、試験では100年相当の耐候性及び、耐薬品性を評価するために、繰り返し回数は100回(≒30回×3.3)とした。
【0056】
サイクルを100回繰り返した後、供試体210の目視観察を行ったところ、止水材11や保護層12にひび割れや膨れ、剥離等の異常は発見されなかった。すなわち、本実施形態の防水構造10を構成する止水材11及び、保護層12は、供用期間中の耐候性及び、耐薬品性に関し、100年相当の性能を備えていることを確認できた。
【0057】
[(3)ひび割れ開閉負荷試験]
ひび割れ開閉負荷試験では、供用期間中における止水材11の耐変形性及び、耐久性を評価した。試験方法は、「床版防水品質試験方法(試験法252-2020)」7.ひび割れ開閉負荷試験に基づき、「道路橋床版防水便覧」付録-1 試験方法14.ひび割れ開閉負荷試験に準拠した。供試体は、前述の(2)温度変化及び薬品負荷試験を終了した供試体210を用いた。
【0058】
ひび割れ開閉負荷試験では、供試体210をひび割れ開閉試験機に設置し、初期ひび割れ幅を0.25mmに調整した。また、ひび割れ振幅を±0.15mmとし、正弦波5~10Hzでひび割れ開閉を繰り返し行った。舗装施工管理要領では、繰り返し回数は30年相当の負荷を与えるために480万回とされているが、試験では100年相当の耐変形性及び、耐久性を評価するために、繰り返し回数は1600万回(≒480万回×3.3)とした。
【0059】
ひび割れ開閉を1600万回繰り返した後に、防水性能試験に進んだ。
【0060】
[(4)防水性能試験]
防水性能試験では、供用期間中における止水材11の防水性能を評価した。試験方法は、「道路橋床版防水便覧」付録-1 試験方法3.防水性試験IIに準拠した。供試体は、前述のひび割れ開閉負荷試験を終了した供試体210を用いた。
【0061】
防水性能試験では、前述の(3)ひび割れ開閉負荷試験を終了した供試体210から円筒状の試験体を作製し、保護層12が加圧面となるように防水性試験機に設置した。また、防水性試験機の注入口から検査液(ウラニン水溶液)を流し込み、加圧内部を検査液で満たした。温度23±2℃の試験室において、コンプレッサを用いて24時間加圧した。舗装施工管理要領では、圧力は0.5MPaとされている。これは、大型トラックの通常走行時における車輪の接地圧が、概ね0.5MPa程度であるためである。しかしながら、本実施形態が対象とする地覆端部には、車輪の接地圧は作用しない。このため、試験では、最大可能滞水量の10倍の安全を見込み、加圧する圧力は0.1MPaとした。
【0062】
0.1MPaの圧力で24時間加圧した後、試験体を防水性試験機から取り出し、乾燥後にUFC部220とコンクリート部230との間で割裂した。割裂した試験体の断面にブラックライトを照射し、止水材11に対する検査液の浸透の有無を目視により確認したところ、検査液の浸透は発見されなかった。すなわち、本実施形態の防水構造10を構成する止水材11及び、保護層12は、供用期間中の耐変形性及び、耐久性、さらには、防水性に関し、100年相当の性能を備えていることを確認できた。
【0063】
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態において、壁高欄50は、切り欠き凹部57を備えるものとして説明したが、切り欠き凹部57を備えていなくてもよい。この場合は、
図11に示すように、地覆立ち上がり部25の上部に形成されたUFC防水層26の上面と、壁高欄50側の地覆本体部81の下面との隙間Sに、道路外側から順に止水材11及び、保護層12を設ければよい。
【0065】
また、上記実施形態において、保護層12の道路側に臨む端面に、保護塗料を塗布した保護塗膜をさらに形成してもよい。保護塗膜を設ければ、供用期間中に保護層12のひび割れ等を効果的に抑止することが可能になる。
【0066】
また、上記実施形態では、
図4~8に示されるように、防水構造10の施工は、壁高欄50の「(3)第1モルタル充填工程」が終了した後に開始するものとして説明したが、地覆立ち上がり部25と壁高欄50との隙間Sに止水材11を堰き止めるための部材を配すれば、防水構造10の施工を壁高欄50の「(2)仮固定工程」が終了した後から開始することも可能である。
【0067】
また、床版20は、床版本体部21及び、地覆立ち上がり部25の上部にUFC防水層26を備えるものとして説明したが、UFC防水層26以外の防水機能を備える床版であってもよい。例えば、UFC防水層26を備えない既設の床版は取り替えず、壁高欄のみをリニューアルする場合等に、本開示の防水構造10を適用することも可能である。
【0068】
また、上記実施形態では、地覆本体部81は、壁高欄50に一体に設けられるものとしたが、本開示の防水構造10は、
図12に示すように、地覆本体部81と壁高欄50とが別体に形成される構成にも適用することが可能である。
【0069】
また、本開示の防水構造10は、地覆立ち上がり部25を備えない床版20にも適用することが可能である。具体的には、
図13(A)に示すように、本開示の防水構造10は、床版20の橋軸直交方向の端部と、壁高欄50に一体に設けられた地覆部80との接合部に適用することもできる。また、
図13(B)に示すように、本開示の防水構造10は、床版20の橋軸直交方向の端部と、壁高欄50とが別体の地覆部80との接合部に適用することもできる。また、
図14に示すように、本開示の防水構造10は、場所打ちコンクリート壁高欄500との接合部に適用することも可能であり、詳細な図示は省略するが、鋼製壁高欄との接合部にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
10…防水構造,11…止水材,12…保護層,13…止水材用プライマ塗膜,14…保護モルタル用プライマ塗膜,20,20’…床版,21,21’…床版本体部,22,22’… 剪断キー,23,23’…異形鉄筋,24…打ち継ぎコンクリート,25,25’…地覆立ち上がり部,26,26’…UFC防水層,27,27’…凸部,50…壁高欄,51…注入孔,52…溝部,53…挿通孔,54…凹部,61…下部固定部,62…アンカープレート,63…下部ナット,70…上部固定部,71…上部ナット,72…支圧板,80…地覆部,81…地覆上側部,AB…アンカーボルト,S1…空間(第1空間),S2…凹状空間(第2空間),M1…無収縮モルタル