(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163449
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ポンプ構造体及びポンプ内蔵装置
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20241115BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
F04B39/00 102Q
A61M1/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079049
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000227386
【氏名又は名称】日東工器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】小澤 真未
【テーマコード(参考)】
3H003
4C077
【Fターム(参考)】
3H003AC02
3H003BB06
3H003CD01
3H003CF00
4C077AA30
4C077DD01
4C077DD19
4C077JJ30
(57)【要約】
【課題】高い防振性を得られるようにしたポンプ構造体、及びそれを備えるポンプ内蔵装置を提供する。
【解決手段】ポンプ構造体10は、ポンプ本体38と、配管部材80とを備える。ポンプ本体38は、吸引口90と吐出口92を有する。配管部材80は、吸引口90に取り付けられ、吸引口90に連通する流路96を有する。配管部材80は、弾性材料で形成され、ポンプ本体38の底面38bに当接するように延びてポンプ本体38を下方から防振支持するようになっている。配管部材80は、流路96を画定して底面38bに当接する流路構成部98と、流路構成部98から下方に延びて流路構成部98を防振支持する防振脚部100とを有する。ポンプ構造体10はさらに、ポンプ本体38を保持するポンプ保持部材82を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口と吐出口を有するポンプ本体と、
前記吸引口又は吐出口に取り付けられ、前記吸引口又は吐出口に連通する流路を有する配管部材であって、弾性材料で形成され、前記ポンプ本体の底面に当接するように延びて前記ポンプ本体を下方から防振支持するようにされた配管部材と、
を備える、ポンプ構造体。
【請求項2】
前記配管部材が、前記流路を画定して前記底面に当接する流路構成部と、前記流路構成部から下方に延びて前記流路構成部を防振支持する防振脚部とを有する、請求項1に記載のポンプ構造体。
【請求項3】
前記防振脚部が、水平方向に開口した環状部と、前記環状部から下方に延びる取り付け部とを有する、請求項2に記載のポンプ構造体。
【請求項4】
前記ポンプ本体が2つの吸引口を有し、前記流路構成部が前記2つの吸引口からそれぞれ下方に延びる第1及び第2の垂直部と、前記第1及び第2の垂直部の間を水平方向に延びる水平部とを有し、前記水平部が前記ポンプ本体の底面に当接するようにされた、請求項2に記載のポンプ構造体。
【請求項5】
前記ポンプ本体の側面に取り付けられた弾性支持部材と、
前記ポンプ本体の前記底面から下方に離れて位置する下面部、及び前記ポンプ本体の前記側面から側方に離れて位置し前記下面部に連接した側面部、を有するポンプ保持部材であって、前記下面部が前記防振脚部を保持し、前記側面部が前記弾性支持部材を保持して、前記ポンプ本体を前記配管部材及び前記弾性支持部材を介して保持するようにされたポンプ保持部材と、
をさらに備える、請求項2に記載のポンプ構造体。
【請求項6】
請求項5に記載のポンプ構造体と、
前記ポンプ構造体を収容するケーシングと、
前記ポンプ構造体の前記ポンプ保持部材の前記下面部と前記ケーシングとの間に配置されて、前記ポンプ構造体を防振支持する防振脚部材と、
を備える、ポンプ内蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ構造体及びポンプ内蔵装置に関し、より詳細にはポンプ本体の振動が周囲に伝達することを抑制するための防振構造を備えたポンプ構造体及びポンプ内蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ内蔵装置が備えるポンプは、一般に駆動時に振動が生じる。ポンプ内蔵装置には種々のものがあるが、一例として、医療現場や介護現場において患者の口腔内から喀痰等の分泌物を吸引するために使用される医療介護用吸引装置がある(特許文献1、特許文献2)。このような医療介護用吸引装置は、ポンプにより生じる吸引力で喀痰等の吸引を行うものであり、人の近くに置かれて使用されることが多い。
【0003】
ブロワとして使用される別のポンプ内蔵装置においては、ポンプを防振用のゴム脚で支持することにより、防振性を確保するようにしたものもある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-136987号公報
【特許文献2】特開2021-62112号公報
【特許文献3】特許第4348304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなポンプ内蔵装置においては、より高い防振性を有することが望まれている。特に、医療介護用吸引装置のような人の近くに配置されて使用されるポンプ内蔵装置においては、小型でありながら高い防振性を有することが望まれている。
【0006】
そこで本発明は、高い防振性を得られるようにしたポンプ構造体、及びそれを備えるポンプ内蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、
吸引口と吐出口を有するポンプ本体と、
前記吸引口又は吐出口に取り付けられ、前記吸引口又は吐出口に連通する流路を有する配管部材であって、弾性材料で形成され、前記ポンプ本体の底面に当接するように延びて前記ポンプ本体を下方から防振支持するようにされた配管部材と、
を備える、ポンプ構造体を提供する。
【0008】
当該ポンプ構造体においては、弾性材料で形成された中空の配管部材によってポンプ本体を支持するようになっているため、この配管部材によって効果的に振動を吸収することが可能となる。また、配管部材を防振部材としても利用しているため、別途防振部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑えると共に構造を簡略化して装置をコンパクトに設計することも可能となる。
【0009】
また、前記配管部材が、前記流路を画定して前記底面に当接する流路構成部と、前記流路構成部から下方に延びて前記流路構成部を防振支持する防振脚部とを有するようにすることができる。
【0010】
さらに、前記防振脚部が、水平方向に開口した環状部と、前記環状部から下方に延びる取り付け部とを有するようにすることができる。
【0011】
このような防振脚部をさらに備えることにより、流路構成部に伝達した振動を防振脚部で吸収することができ、外部に伝達される振動をさらに低減することが可能となる。
【0012】
また、前記ポンプ本体が2つの吸引口を有し、前記流路構成部が前記2つの吸引口からそれぞれ下方に延びる第1及び第2の垂直部と、前記第1及び第2の垂直部の間を水平方向に延びる水平部とを有し、前記水平部が前記ポンプ本体の底面に当接するようにすることができる。
【0013】
さらに、
前記ポンプ本体の側面に取り付けられた弾性支持部材と、
前記ポンプ本体の前記底面から下方に離れて位置する下面部、及び前記ポンプ本体の前記側面から側方に離れて位置し前記下面部に連接した側面部、を有するポンプ保持部材であって、前記下面部が前記防振脚部を保持し、前記側面部が前記弾性支持部材を保持して、前記ポンプ本体を前記配管部材及び前記弾性支持部材を介して保持するようにされたポンプ保持部材と、
をさらに備えるようにすることができる。
【0014】
このような構成とすることにより、ポンプ本体をより安定した状態で保持することが可能となる。
【0015】
本発明はまた、
上述のポンプ構造体と、
前記ポンプ構造体を収容するケーシングと、
前記ポンプ構造体の前記ポンプ保持部材の前記下面部と前記ケーシングとの間に配置されて、前記ポンプ構造体を防振支持する防振脚部材と、
を備える、ポンプ内蔵装置を提供する。
【0016】
以下、本発明に係るポンプ内蔵装置の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るポンプ内蔵装置(医療介護用吸引装置)の斜視図である。
【
図2】
図1のポンプ内蔵装置のカバーを外した状態の斜視図である。
【
図3】
図2のポンプ内蔵装置の第1ボトルを外した状態の斜視図である。
【
図4】
図2のポンプ内蔵装置の第1ボトルを外した状態の別の視点からの斜視図である。
【
図5】
図1のポンプ内蔵装置が備える第1ボトルの断面図である。
【
図6】
図1のポンプ内蔵装置が備える第2ボトルの断面図である。
【
図7】
図1のポンプ内蔵装置が備えるポンプ構造体の斜視図である。
【
図10】
図7のポンプ構造体のポンプ本体の正面図である。
【
図11】
図7のポンプ構造体の配管部材の斜視図である。
【
図12】
図7のポンプ構造体の配管部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係るポンプ内蔵装置1は、医療・介護現場において患者の口腔内から喀痰等の分泌物を吸引するための医療介護用吸引装置である。
【0019】
当該ポンプ内蔵装置1は、
図1に示すように、後述するポンプ構造体10(
図7乃至
図9)を収容するケーシング12と、ケーシング12の外側に着脱可能に取り付けられた第1ボトル14及び第2ボトル16を備える。ケーシング12は、下側のベースプレート18と、上側のカバー20とからなる。第1ボトル14には、喀痰等の分泌物を吸引するための吸引チューブ22が取り付けられている。吸引チューブ22の先端には患者の口腔内に挿入されるカテーテルが取り付けられ、このカテーテルを介して分泌物は吸引される。第1ボトル14と第2ボトル16は、ケーシング12の外側を延びるチューブ24で相互に接続されている。また、ケーシング12の上面には、吸引の流量と圧力の調整を行なうための調整つまみ26が配置されている。
【0020】
ポンプ内蔵装置1のケーシング12内には、
図2乃至
図4に示すように、第2ボトル16にチューブ28で接続された中間ドレイン部30と、中間ドレイン部30にチューブ32で接続されたポンプ構造体10と、を備える。第2ボトル16は、その出口接続部34をケーシング12のカバー20(
図1)に嵌合することによりカバー20に対して外側から着脱可能に取り付けられる。第2ボトル16の出口接続部34とチューブ28とは、第2ボトル16をカバー20に取り付けたときに、カバー20に設けられた接続流路(図示しない)を介して接続される。ケーシング12の側面位置に配置されたスイッチ36をONにするとポンプ構造体10のポンプ本体38が駆動して吸引チューブ22(
図1、
図2)の先端から空気が吸引される。その空気は吸引チューブ22から第1ボトル14、第2ボトル16、及び中間ドレイン部30を通ってポンプ構造体10のポンプ本体38に至る。ポンプ本体38内に吸引された空気は、吐出チューブ40を通ってケーシング12のベースプレート18に設けられた最終ドレイン部42(
図4)に至り、ベースプレート18の下面から外部に排出される。なお、中間ドレイン部30及び最終ドレイン部42は、ベースプレート18の下面に設けられた蓋(図示しない)を開けることでそれらの内部にアクセスすることができ、必要に応じて内部を洗浄することができるようになっている。
【0021】
第1ボトル14は、
図5に示すように、カップ44と蓋46とを有し、蓋46には入口接続部48を有する入口継手部材50と、出口接続部52を有する出口継手部材54とが取り付けられている。蓋46にはさらに、下方に延びる筒状のボール保持部材56が取り付けられている。このボール保持部材56の中には、中空のボール58が上下方向で変位可能となるように配置されている。ボール58の上方には、出口継手部材54の流路60と連通した円錐状のボール吸着部材62が設けられている。入口接続部48に接続される吸引チューブ22からは、空気と共に喀痰等の液状の分泌物も吸引されるが、それら分泌物のほとんどはカップ44内に溜まっていく。カップ44内にある程度の分泌物が溜まったら、第1ボトル14をケーシング12から外してカップ44内を洗浄するようにする。一方で、分泌物がボール58の高さにまで溜まると、ボール58は分泌物によって上方に浮き上がる。そうするとボール58がボール吸着部材62に真空吸着されて流路60を塞ぐようになり、吸引チューブ22からの吸引が停止される。これにより、カップ44の上部にまで溜まった分泌物が第1ボトル14の出口接続部52から吸引されて下流に流れ出ていくことを未然に防止するようになっている。
【0022】
第2ボトル16は、第1ボトル14よりも小型であり、
図6に示すように、カップ64と蓋66とを有し、蓋66には入口接続部68と出口接続部34とが形成されている。蓋66にはさらに、第2ボトル16をケーシング12に取り付けたときにケーシング12の外面と面一になるように構成された外壁部69が形成されている。カップ64内には中空のボール70が配置されており、カップ64にはボール70の水平方向位置を制限してボール70が上下に移動するようにするガイド72が設けられている。このガイド72により、ボール70はカップ64の中心から出口接続部34の側にずれた位置で上下方向に変位するように保持される。ボール70の上方には、出口接続部34の流路74と連通した円錐状のボール吸着部材76が設けられている。第1ボトル14を通過した空気は、入口接続部68の流路78を通ってカップ64内に至る。吸引された空気に連行されていた分泌物の殆どは第1ボトル14で取り除かれているが、一部の分泌物は空気と共に第2ボトル16に到達する。その分泌物は第2ボトル16のカップ64内に溜まり、第2ボトル16の出口接続部34から出ていく空気には分泌物がほぼ含まれないようになる。第2ボトル16内に分泌物が溜まっていくとボール70がそれによって上方に浮き上がり、一定以上の分泌物がカップ64内に溜まるとボール70がボール吸着部材76に吸着されて出口接続部34の流路74を塞ぐようになり、吸引チューブ22からの吸引が停止される。これにより、第2ボトル16のカップ64の上部にまで溜まった分泌物が第2ボトル16の出口接続部34から出ていくことを未然に防止するようになっている。第1ボトル14と第2ボトル16とで2段階に分泌物を取り除くことにより、ポンプ本体38に向かって流れる空気内に分泌物が実質的に含まれないようにして、ポンプ本体38内に分泌物が到達することを防止するようになっている。
【0023】
ポンプ構造体10は、
図7乃至
図9からよく分かるように、ポンプ本体38と、配管部材80と、これらを保持するポンプ保持部材82とからなる。ポンプ構造体10は、ポンプ保持部材82に取り付けられた4つの防振脚部材84(
図7では3つのみが見えている)を介して、ケーシング12のベースプレート18上に固定される。
【0024】
ポンプ本体38は、
図10に示すように、駆動部86と、駆動部86の上に配置されたタンク88とからなる。駆動部86には、横方向に往復動する往復動部材(図示しない)が内蔵されている。ポンプ本体38は、下方に延びる2つの吸引口90と、タンク88に設けられた1つの吐出口92を有する。往復動部材が往復動することにより、吸引口90から空気が吸引され、タンク88を通過した空気が吐出口92から吐出されるようになっている。ポンプ本体38の側面38a(
図10の裏側の面)には、4つの弾性支持部材94(
図7、
図9)が取り付けられるようになっている。
【0025】
配管部材80は、
図11及び
図12に示すように、流路96を画定する管状の流路構成部98と、流路構成部98から下方に延びる2つの防振脚部100とを有し、その全体がゴム等の弾性材料で形成されている。流路構成部98は、ポンプ本体38の吸引口90に接続される第1及び第2の垂直部102、104と、それらの間を水平方向に延びる水平部106とを有する。水平部106の一端には、中間ドレイン部30から延びるチューブ32(
図3)が接続されるチューブ接続部108が設けられている。防振脚部100は、水平方向に開口して横方向にやや扁平した六角形状の環状部110と、環状部110から下方に延びる取り付け部112とを有する。配管部材80は、
図8に示すように、第1及び第2の垂直部102、104をポンプ本体38の吸引口90に取り付けたときに、流路構成部98の水平部106がポンプ本体38の底面38bに当接してポンプ本体38を下方から支持するようになっている。ポンプ本体38の底面38bに当接する水平部106の上面106aは平らな面となっている。第1の垂直部102の外方面102a(第2の垂直部104に対して反対側の面)から水平部106の下面106bにかけて、リブ114が形成されている。また、第2の垂直部104の外方面104a(第1の垂直部102に対して反対側の面)からチューブ接続部108にかけても同様なリブ116が形成されている。さらに、水平部106のチューブ接続部108の近くでは、水平部106の側面位置にもリブ118が形成されている。
【0026】
ポンプ保持部材82は、
図13に示すように、下面部120とそれに連接した側面部122とからなる略L字状の部材である。下面部120は、2つの上段部124と、その間の下段部126とからなる。下段部126には、
図9に示すように、ポンプ構造体10の防振脚部100の取り付け部112が取り付けられるようになっている。また、側面部122にはポンプ本体38に取り付けられた4つの弾性支持部材94を取り付けるための取り付け部128が形成されている。
図7乃至
図9に示すように、ポンプ本体38及び配管部材80がポンプ保持部材82に取り付けられた状態では、ポンプ保持部材82の下面部120はポンプ本体38の底面38bから下方に離れて位置しており、またポンプ保持部材82の側面部122はポンプ本体38の側面38aから側方に離れて位置している。すなわち、ポンプ本体38は、ポンプ保持部材82とは直接接触しておらず、配管部材80と弾性支持部材94とを介して間接的にポンプ保持部材82によって保持されている。当該実施形態においては、ポンプ本体38は、
図10で見た時の奥行き方向の幅が高さに比べて小さくなっており、ポンプ本体38はその荷重が配管部材80によって実質的に支持されているが、幅方向での安定性を確保するために弾性支持部材94によって側方からも保持されるようにしている。
【0027】
当該ポンプ構造体10においては、ポンプ本体38はその下方に配置された配管部材80によって主として防振支持されている。配管部材80は、弾性材料で形成された中空の部材であるため、ポンプ本体38の振動を効果的に吸収して、ポンプ保持部材82やケーシング12等に伝達する振動を効果的に抑制することができる。また、配管部材80には防振脚部100が設けられており、配管部材80はこの防振脚部100を介してポンプ保持部材82に保持されるため、流路構成部98にまで伝達した振動を防振脚部100でさらに減衰させることができ、ポンプ保持部材82やケーシング12等に伝達する振動をより一層抑制することができる。特に防振脚部100は側方に開口した環状部110が設けられているため、この環状部110において振動を大きく減衰させることができる。配管部材80を防振部材としても利用することにより、部品点数の増加を抑えるとともに構造が複雑になるのを防止することもできる。さらには、ポンプ構造体10のポンプ保持部材82を防振脚部材84で支持するようにすることにより、ケーシング12に伝達される振動をさらに低減できるようになっている。
【0028】
通常、ポンプ本体38はその安定性を考慮して高さが抑えられるように配置することが多いが、当該実施形態に係るポンプ内蔵装置1(医療介護用吸引装置)は、特に第1ボトル14や第2ボトル16の配置の関係で、ポンプ本体38を縦長に配置した方が装置全体の外形寸法をコンパクトにすることができる。ポンプ構造体10の上記構成は、ポンプ本体38を縦長に配置しながら振動を効果的に抑制することを可能としている。
【0029】
以上に本発明の実施形態について説明をしたが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。例えば、ポンプ内蔵装置は、上記の医療介護用吸引装置以外の、例えばブロワや真空ポンプ装置などの他の装置とすることもできる。防振機能を有する配管部材は、例えば吐出口が下方位置にある場合などは、ポンプ本体の吐出口に取り付けられるものとして構成してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 ポンプ内蔵装置
10 ポンプ構造体
12 ケーシング
14 第1ボトル
16 第2ボトル
18 ベースプレート
20 カバー
22 吸引チューブ
24 チューブ
26 調整つまみ
28 チューブ
30 中間ドレイン部
32 チューブ
34 出口接続部
36 スイッチ
38 ポンプ本体
38a 側面
38b 底面
40 吐出チューブ
42 最終ドレイン部
44 カップ
46 蓋
48 入口接続部
50 入口継手部材
52 出口接続部
54 出口継手部材
56 ボール保持部材
58 ボール
60 流路
62 ボール吸着部材
64 カップ
66 蓋
68 入口接続部
69 外壁部
70 ボール
72 ガイド
74 流路
76 ボール吸着部材
78 流路
80 配管部材
82 ポンプ保持部材
84 防振脚部材
86 駆動部
88 タンク
90 吸引口
92 吐出口
94 弾性支持部材
96 流路
98 流路構成部
100 防振脚部
102 第1の垂直部
102a 外方面
104 第2の垂直部
104a 外方面
106 水平部
106a 上面
106b 下面
108 チューブ接続部
110 環状部
112 取り付け部
114 リブ
116 リブ
118 リブ
120 下面部
122 側面部
124 上段部
126 下段部
128 取り付け部