(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163453
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】クーポン発行システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241115BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079058
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】323009977
【氏名又は名称】カタリナマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】デュベイ ニティン
(72)【発明者】
【氏名】ウィジャヤ カルヴィン パウルス
(72)【発明者】
【氏名】アーメッド マスムーディ
(72)【発明者】
【氏名】松永 健作
(72)【発明者】
【氏名】松田 伊三雄
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】田頭 耕司
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各顧客に適したクーポンを紙クーポンと電子クーポンの形態で自動的に発行し、クーポンを受領した顧客が何れの形態のクーポンを使用しても処理可能とするクーポン発行システムを提供する。
【解決手段】クーポン発行システム1は、クーポンの発行を依頼するクライアント・サーバーと接続されて、クーポン発行の条件及び利用条件を含むクーポン内容を取り決めるための処理を行うクーポン・キャンペーン用インターフェースと、クライアント・サーバーとの間で取り決められたクーポンの発行条件及び利用条件に適合する選択された顧客に対して、クーポンの同一性を示すクーポンコードが記載された電子クーポン又は紙クーポンの何れか一方の形態のクーポンを発行する発行手段と、顧客が、電子クーポン又は紙クーポンの何れかを使用した時、そのクーポンコードが記載されたクーポンの二重使用ができないように処理するクーポンチェック機能部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーポンの発行を依頼する複数のクライアント事業者が運営するクライアント・サーバーと、前記クライアントと会員登録している複数の顧客消費者(以下、「顧客」という)が使用する通信端末装置と、前記クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の事業体サーバーと、にそれぞれ通信回線を介して接続され、前記クライアント事業者からクーポン発行の依頼を受けてクーポンの発行処理を行うクーポン発行処理装置と、を備えたクーポン発行システムであって、
前記クーポン発行処理装置は、
顧客によるクーポン使用の有効性をチェックするクーポンチェック機能部と、
前記クライアント・サーバーと接続されて、少なくとも、前記クーポン発行の条件及び利用条件を含むクーポン内容を取り決めるための処理を行うクーポン・キャンペーン用インターフェースと、
前記クーポン・キャンペーン用インターフェースと前記クライアント・サーバー間において取り決められた前記クーポン内容のクーポン発行条件及び利用条件に適合し当該クーポン内容に基づいて抽出又は選択された前記顧客の通信端末装置に対して、当該クーポン内容を記載した電子クーポンを送信する電子クーポン発行手段と、
前記抽出又は選択された顧客が、前記クライアント事業者が運営する前記事業体の一つにおいて商品購入等の取引をした場合、当該顧客が前記取引を処理した取引装置又は当該取引装置に接続された印字装置に前記クーポン内容を記載した紙クーポンの印字指令を送信する紙クーポン発行手段と、を備え、
前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れか一方の形態のクーポン又は両方の形態のクーポンを通信回線を介して発行し、
前記電子クーポンと前記紙クーポンにはそれぞれ、前記抽出又は選択された顧客に対して提供されるクーポンの同一性を示すクーポンコードが記載されており、
前記クーポンチェック機能部は、前記クーポンコードが記載されたクーポンについて、前記顧客が、前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れかを使用した時、当該クーポンコードが記載されたクーポンの二重使用ができないように処理する、
ことを特徴とするクーポン発行システム。
【請求項2】
前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決める前記クーポン内容は、クーポン発行のためのキャンペーン開始日時とその終了日時、クーポン利用開始日時及び利用終了日時、当該クーポンの発行数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン発行システム。
【請求項3】
前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決めて発行するクーポンは、前記顧客が、当該クライアント事業者が運営する事業体において、過去の所定期間に当該クーポンに係る商品又はサービス(以下、「商品」という)を購入した数量、金額、購入金額を含む購買データに基づいて発行されることを特徴とする請求項2に記載のクーポン発行システム。
【請求項4】
前記クーポンは、発行するクーポンに係る商品を製造する者の識別子、当該クーポンの値引き額、次回引換券、ポイント付与等の特典の内容を含むことを特徴とする請求項3に記載のクーポン発行システム。
【請求項5】
前記クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の各事業体サーバーは、顧客による前記事業体が運営する実店舗又はオンライン店舗において商品購入の精算時に当該顧客の顧客識別子で管理可能な購買データを生成する販売時点情報管理システム(以下、「販売管理装置」という)を備え、
前記クーポン発行処理装置は、通信回線を介して前記販売管理装置に接続され、前記顧客毎の購買データを入力し蓄積する購買データ記憶部を備え、
前記購買データ記憶部に記憶された前記顧客毎の購買データが、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決めた条件に合致している場合に、当該合致したクーポンを当該顧客に対して通信回線を介して前記顧客通信手段に電子クーポンを送信し又は/及び当該顧客が商品取引を処理した前記取引装置又は前記印字装置に紙クーポンの印字指令を送信する、ことを特徴とする請求項4に記載のクーポン発行システム。
【請求項6】
前記購買データ記憶部は、前記クライアント事業体とは異なる外部の消費動向を記録蓄積する消費動向データベースと接続されることを特徴とする請求項5に記載のクーポン発行システム。
【請求項7】
前記電子クーポンと前記紙クーポンにクーポンの同一性を示すクーポンコードは、少なくともクーポンのシリアル番号を含み、その他、クーポン発行者の識別コードと、クーポンの種別コードと、クーポン・キャンペーンの識別コードと、クーポンに係る割引額を示すコードと、クーポンの処理内容と、の一つ又は複数を含むことを特徴とする請求項5に記載のクーポン発行システム。
【請求項8】
前記同一性を示す前記電子クーポン又は紙クーポンのクーポン発行総数は、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースと前記クライアント・サーバーとの間で予め設定されており、
前記クーポンチェック機能部は、前記クーポンコードが記載されたクーポンについて、前記顧客が、前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れかを使用した時点で、前記設定されたクーポン発行総数からデクリメントし、当該クーポンコードが記載されたクーポンの使用が発行総数に至った時点でリアルタイムに当該クーポンの利用を不可にすることを特徴とする請求項7に記載のクーポン発行システム。
【請求項9】
前記クーポンチェック機能部は、クーポン発行処理装置の機能として若しくはクーポン発行処理装置と独立する装置として設けられることを特徴とする請求項8に記載のクーポン発行システム。
【請求項10】
前記クーポン発行処理装置は、クーポン発行の依頼をした前記クライアント事業者が運営するクライアント・サーバーに対して、クーポンの使用状況又は使用結果について送信することを特徴とする請求項9に記載のクーポン発行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン発行システムに関し、特に、商品の販売を行う実店舗等で発行する紙クーポンと、主にインターネット等の通信ネットワークを介して顧客に発行される電子クーポンと、を統一的に取り扱うクーポン発行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小売店等においては、消費者である顧客が商品又はサービス(以下、単に「商品」という)を購入する際に、事前に入手しているクーポンを提示することにより、クーポンの対象となっている商品について、割引やポイントの付与といった特典を提供することが行われている。
【0003】
消費者に提供されるクーポンの中には、広告用チラシや刊行物等の紙の媒体物に印刷されて一般消費者に配布されるものもあるが、このようなクーポンは、不特定の消費者に大量に配布するものであるから、実質的に商品の単なる値引きに相当し、小売店にとって顧客の固定化に寄与しないばかりか、実際に消費者によるそのようなクーポンの使用は少数に留まり、コスト的にも効率的にも無駄が多く、クーポン発行のコストパフォーマンスの点において劣っていた。
【0004】
このため、小売店や商品のメーカが、例えば、販売促進を図りたい新商品を、一定の条件下において選択された特定の消費者(顧客)に発行するクーポンの発行方法が採用されるようになってきた(例えば、「特許文献1」を参照)。
【0005】
このような一定の条件下で特定の消費者に発行されるクーポンの例としては、そのクーポンに係る新商品に関連する商品(例えば旧商品)を過去購入したことがある顧客に対して発行したり、当該小売店において一定の期間において所定金額以上の商品の購入をした顧客に対して、割引券や商品券を配布するようなクーポンの発行の例がある。
【0006】
このようなクーポンは、ECR(電子式金銭登録機)やPOS端末装置に備えられている印字プリンタ(レシート印字装置)や、ECRやPOS端末装置の近傍に配置されたクーポン・プリンタから印字出力されて顧客に手渡しされることになる。このようにして小売店のレジ等で印字プリンタから印字出力されて、顧客に手渡しされるクーポンは、「紙クーポン」と言われる。
【0007】
一方、近年においては、消費者の多くがスマートフォン(以下、適宜「携帯情報端末」という)やパーソナルコンピュータ(タブレット端末装置等を含む)を所持していることから、消費者は、小売店(サーバー)と通信ネットワークを介しての相互接続が可能である。このような場合、顧客は、予め小売店に対して、例えば、電子メール・アドレス、年齢、性別、居住地等の属性データを届け出た上で会員登録を行い、会員番号を取得するのが通常である。
【0008】
このようにして会員登録をした顧客は、会員登録した小売店において商品の購入等を行う際に、自己が所有するスマートフォンや、小売店から顧客毎に発行される磁気カード若しくはICカードを使用する。これによって、小売店は、顧客毎の商品購入履歴や購入実績を当該顧客の属性データと関連付けて常時アップデートした状態で顧客毎の消費動向を把握できるのである。
【0009】
この場合、顧客にとっては、それまでの商品購入履歴や購入実績に基づいて小売店から通信回線を介して、例えば、ポイント付与を含むクーポン発行の配信を受け、これを使用することによってクーポンに記載された特定の経済的な特典(クーポン)を受けることができるのである。このように、インターネット等の通信回線を介して配信されるクーポンは、「電子クーポン」(デジタルクーポン)と言われる。
【0010】
電子クーポン発行の例としては、上述した紙クーポンと同様に、新商品に関連する商品(例えば旧商品)を過去購入したことがある顧客に対して発行したり、当該小売店において一定の期間において所定金額以上の商品の購入をした特定の顧客に対して発行する、割引券や商品券を配布するようなクーポンの例がある。
【0011】
比較的大規模な小売業者は、紙クーポンを取り扱い例が少なく、デジタル通信の仕組みで、すなわち電子クーポンの形態で単独運用する場合が多く、紙クーポンと電子クーポンでは、クーポンとして求められる要件(サイズ、画像、記載内容)が異なるため、これを取り扱うシステムの共通化が難しい等の事情もある。
【0012】
このような条件で発行されるクーポンは、紙クーポン若しくは電子クーポンの何れであっても、クーポンの発行者である小売店のみならず、このクーポンを実際に使用する顧客の双方にメリットがあることは言うまでもない。小売店にとっては、当該小売店における顧客(消費者)吸引力と顧客の固定化に寄与することになる。
【0013】
しかし、現実的に、上述したような電子クーポンを発行するためには、顧客管理を行うサーバー、クーポンを発行しそのクーポンの使用又は不使用を管理するサーバー、顧客毎の購買履歴等を記録管理するPOSサーバー等を備えなければならないことから、全ての小売店において電子クーポンを利用可能にすることは困難である。そして、中小の小売店においては、ECR(POS端末装置)を備えているものの、電子クーポンを発行して管理するようにするためには、上記したような各種サーバー等の設備投資を必要とし、経済的及び人員的なハードルがある。
【0014】
また、紙クーポンは、実際に手に取って見て管理することができる上に、商品購入の清算の際にそれを店頭のレジ担当者に提出するだけで利用できることから、消費者によっては、スマートフォンの操作をする必要もなく、むしろ、電子クーポンよりも紙クーポンの方が利用しやすいと感じることもある。
【0015】
このような状況において、従来においては、顧客が携帯情報端末を使用し、通信ネットワークを介して小売店におけるクーポンに関する情報を管理する管理サーバーと通信することにより入手したクーポン情報を、当該小売店の店頭で、購入商品清算の際にそのディスプレイ上に表示等することでクーポンに係る特典を受けることができるクーポン発行システムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0016】
また、消費者が、例えば自宅で通信回線を介しての小売業者のWEBホームページを訪れ、そこに提示されているクーポンをプリントアウトし、このようにしてプリントアウトした紙クーポンを当該小売業者の店舗に持参してこれを利用することが行われていた(例えば、特許文献3を参照)。この例では、小売業者から元々通信回線を介して発行された電子クーポンを、消費者自身が紙クーポンに変換して利用していたのである。
【0017】
この場合、消費者がウェブサイトにアクセスしてクーポンを取得することができるため、クーポンを発行する小売業者は、運営する各小売店で、ECR(電子式金銭登録機)やPOS端末装置に備えられている印字プリンタ(レシート印字装置)や、ECRやPOS端末装置の近傍に配置されたクーポン・プリンタから印字出力クーポンを発行するための装置の設置の必要がない。また、購入商品の清算を行うECRやPOS端末装置毎に、顧客が所有する携帯端末装置やICカードとデータを送受信するためのコストも手間も掛らないという利点がある。
【0018】
さらに、特許文献4は、顧客の過去の商品購入実績やその属性データ等を記録するPOSデータに基づいて、顧客毎に適した商品のクーポンを当該顧客が使用する携帯端端末装置に送信して発行するようにしたクーポン発行システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2007-018042号公報
【特許文献2】特開2014-203373号公報
【特許文献3】特開2002-352131号公報
【特許文献4】特開2019-197448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述した特許文献1に係る従来技術は、消費者の購買データに基づいて紙クーポンを発行し、当該紙クーポンを提示しなければ紙クーポンの利用をすることができない。
【0021】
また、上述した特許文献2に係る従来技術は、消費者が所有する携帯端末装置に通信ネットワークを介して配信されてきた電子クーポンを、商品購入の清算の際に当該携帯端末のディスプレイ上に表示して利用するものであり、紙クーポンの形態で特定の消費者に特典を提供したり利用をすることができない。
【0022】
さらに、上述した特許文献3に係る従来技術は、消費者が、自宅等で通信回線を介して小売業者のWEBホームページを訪れ、そこに提示されているクーポンをプリントアウトした紙クーポン使用するものであり、消費者にとって手間が煩雑である。
【0023】
そして、現在行われているクーポンを介した小売ビジネスにおいては、店内で配布される紙クーポンと、通信回線を介して配信される電子クーポンは、独立して運用されているのが実情である。また、最近、小売店の従業者がフルサービスを提供するセルフレーン処理から消費者自らが、購入商品のスキャニングや支払い処理を行うことが増えてきていることから、紙クーポンの取り扱いは難しくなってきている。
【0024】
一方で、年代等の人によるが、上述したように、紙クーポンは、実際に手に取って見て管理することができる上に、商品購入の清算の際にそれを店頭のレジ担当者に提出するだけで利用できることから、消費者によっては、スマートフォンの操作をする必要もなく、むしろ、電子クーポンよりも紙クーポンの方が利用しやすいと感じる消費者が多いことも事実である。
【0025】
本発明は、上述した従来のクーポン発行装置の課題に鑑みて、商品の販売を行う実店舗等で発行する紙クーポンと、主にインターネット等の通信ネットワークを介して特定の消費者に発行される電子クーポンと、を統一的に取り扱うクーポン発行システムを提供することを目的としている。
【0026】
尚、本願では、「クーポン」の用語を、主に、小売業者から、特定に消費者に発行される割引券、引換券、ポイント付与等の意味合いで用いているが、本願発明は、上述したように、紙媒体の形態で発行される紙クーポンと、インターネット等の通信回線を介して特定の人に発行される電子クーポンと、を統一的に取り扱うことを可能とするものである。
【0027】
従って、本願では、ある一つの内容のクーポンについて、紙クーポン又は電子クーポンの形態で、あるいは、その同一内容のクーポンを紙クーポン及び電子クーポンの形式で発行される商品券、お買物券、旅行券、宿泊券、地域振興券等の有価証券又は債権等を含みものであり、その同一内容のクーポンを紙クーポン又は/及び電子クーポンの形態で発行された場合、何れかの形態のクーポンが使用された場合、その使用によるクーポンの消し込み処理(債権の消滅処理)を行い、再度使用することができないようにするものである。
【0028】
このことから、本発明に係るクーポン発行システムにおいては、同一内容のクーポン(特典又は債権等)が、特定人(消費者等)に郵送又は手渡し等で渡される紙クーポンと、特定人に対して通信ネットワークを介してその者の携帯通信端末装置等に配信される電子クーポンの何れか一方の形態か、または、その両方の形態で発行されても、処理可能とするものであり、二重使用等の問題は生じない。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するために、本発明は、クーポンの発行を依頼する複数のクライアント事業者が運営するクライアント・サーバーと、前記クライアントと会員登録している複数の顧客消費者(顧客)が使用する通信端末装置と、前記クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の事業体サーバーと、にそれぞれ通信回線を介して接続され、前記クライアント事業者からクーポン発行の依頼を受けてクーポンの発行処理を行うクーポン発行処理装置と、を備えたクーポン発行システムであって、前記クーポン発行処理装置は、顧客によるクーポン使用の有効性をチェックするクーポンチェック機能部と、前記クライアント・サーバーと接続されて、少なくとも、前記クーポン発行の条件及び利用条件を含むクーポン内容を取り決めるための処理を行うクーポン・キャンペーン用インターフェースと、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースと前記クライアント・サーバー間において取り決められた前記クーポン内容のクーポン発行条件及び利用条件に適合し当該クーポン内容に基づいて抽出又は選択された前記顧客の通信端末装置に対して、当該クーポン内容を記載した電子クーポンを送信する電子クーポン発行手段と、を備え、前記抽出又は選択された顧客が、前記クライアント事業者が運営する前記事業体の一つにおいて商品購入等の取引をした場合、当該顧客が前記取引を処理した取引装置又は当該取引装置に接続された印字装置に前記クーポン内容を記載した紙クーポンの印字指令を送信する紙クーポン発行手段と、を備え、前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れか一方の形態のクーポン又は両方の形態のクーポンを通信回線を介して発行し、前記電子クーポンと前記紙クーポンにはそれぞれ、前記抽出又は選択された顧客に対して提供されるクーポンの同一性を示すクーポンコードが記載されており、前記クーポンチェック機能部は、前記クーポンコードが記載されたクーポンについて、前記顧客が、前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れかを使用した時、当該クーポンコードが記載されたクーポンの二重使用ができないように処理する、ことを特徴とするクーポン発行システムを提供するものである。
【0030】
これにより、本発明に係るクーポン発行システムは、同一内容のクーポンを同一の顧客に発行する際に、例えば店頭のクーポン・プリンタにより印刷して発行する紙クーポンの形態と、インターネット等の通信ネットワークを介して顧客の携帯通信端末装置等に配信する電子クーポンの何れか一方の形態、またはその両方の形態で発行して処理することを可能にしたのである。
【0031】
ここで、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決める前記クーポン内容は、クーポン発行のためのキャンペーン開始日時とその終了日時、クーポン利用開始日時及び利用終了日時、当該クーポンの発行数の記載を含む。
【0032】
これによって、顧客は、発行されたクーポンが何時から、また何時まで使用できるか、取得したクーポンに係る特典の内容を知ることができるのである。
【0033】
ところで、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決めて発行するクーポンは、前記顧客が、当該クライアント事業者が運営する事業体において、過去の所定期間に当該クーポンに係る商品又はサービス(以下、単に「商品」という)を購入した数量、金額、購入金額を含む購買データに基づいて発行される。
【0034】
これによって、ある顧客に発行されたクーポンは、当該顧客が使用する蓋然性が高いものであり、クーポン発行の利便性が確保されるのである。
【0035】
そして、前記クーポンは、発行するクーポンに係る商品を製造する者の識別子、当該クーポンの値引き額、次回引換券、ポイント付与等の特典の内容を含み、クーポンを発行する事業体にとって、クーポンの利用結果とクーポン発行に伴うコスト等を確認できるのである。
【0036】
また、本クーポン発行システムにおいて、前記クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の各事業体サーバーは、顧客による前記事業体が運営する実店舗又はオンライン店舗において商品購入の精算時に当該顧客の顧客識別子で管理可能な購買データを生成する販売時点情報管理システム(以下、「販売管理装置」という)を備え、前記クーポン発行処理装置は、通信回線を介して前記販売管理装置に接続され、前記顧客毎の購買データを入力し蓄積する購買データ記憶部を備える。
【0037】
そして、前記購買データ記憶部に記憶された前記顧客毎の購買データが、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースが前記クライアント・サーバーと取り決めた条件に合致している場合に、当該合致したクーポンを当該顧客に対して通信回線を介して前記顧客通信手段に電子クーポンを送信し又は/及び当該顧客が商品取引を処理した前記取引装置又は前記印字装置に紙クーポンの印字指令を送信するようにしている。
【0038】
ここで、前記購買データ記憶部は、前記クライアント事業体とは異なる外部の消費動向を記録蓄積する消費動向データベースと接続され、クライアント事業者以外の商品売れ行きデータ等を知ることができるので、逐次リアルタイムで如何なる商品のクーポンの発行が有効であるかを知り、発行するクーポンの選択に反映させることができるのである。
【0039】
ところで、前記電子クーポンと前記紙クーポンにクーポンの同一性を示すクーポンコードは、少なくともクーポンのシリアル番号を含み、その他、クーポン発行者の識別コードと、クーポンの種別コードと、クーポン・キャンペーンの識別コードと、クーポンに係る割引額を示すコードと、クーポンの処理内容と、の一つ又は複数を含む。これにより、発行したクーポンの同定とクーポン内容を知ることができる。
【0040】
そして、前記同一性を示す前記電子クーポン又は紙クーポンのクーポン発行総数は、前記クーポン・キャンペーン用インターフェースと前記クライアント・サーバーとの間で予め設定されており、前記クーポンチェック機能部は、前記クーポンコードが記載されたクーポンについて、前記顧客が、前記電子クーポン又は前記紙クーポンの何れかを使用した時点で、前記設定されたクーポン発行総数からデクリメントし、当該クーポンコードが記載されたクーポンの使用が発行総数に至った時点でリアルタイムに当該クーポンの利用を不可にすることができるのである。これによって、同一クーポンが、二重に使用されることを排除している。
【0041】
ところで、前記クーポンチェック機能部は、クーポン発行処理装置の機能としてまたはクーポン発行処理装置と独立する装置として設けることも可能である。
【0042】
そして、前記クーポン発行処理装置は、クーポン発行の依頼をした前記クライアント事業者が運営するクライアント・サーバーに対して、クーポンの使用状況又は使用結果について送信する。
【発明の効果】
【0043】
本発明は、顧客の購買履歴や属性等に応じて特典内容を決定することで、個々の顧客をターゲットにした適切なクーポンを発行するようにしたによるクーポン発行システム(例えば、本願と同一出願人による「特許文献4」を参照)において、上記構成により、同一内容のクーポンを同一の顧客に発行する際に、紙クーポンの形態と電子クーポンの形態の何れか一方、またはその両方で発行して処理することを可能にしたのである。
【0044】
また、本発明を構成するクーポン・キャンペーン用インターフェースがクライアント・サーバーと取り決めるクーポン内容は、クーポン発行のためのキャンペーン開始日時とその終了日時、クーポン利用開始日時及び利用終了日時、当該クーポンの発行数の記載を含むことにより、顧客は、発行されたクーポンが何時から、また何時まで使用できるか、取得したクーポンに係る特典の内容を知ることができる、さらに、クーポンは、発行するクーポンに係る商品を製造する者の識別子、当該クーポンの値引き額、次回引換券、ポイント付与等の特典の内容を含み、クーポンを発行する事業体にとっても、クーポンの利用結果とクーポン発行に伴うコスト等を確認することを可能としたのである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明に係わるクーポン発行システムの全体構成を説明するブロック図を示す。
【
図2】
図1に示すクーポンチェック機能部が、クーポン発行処理装置とクライアント事業者の販売管理装置と送受信するデータの内容の例を示す。
【
図3】本発明において発行されるクーポンの同一性を示すクーポンコードの例を示す。
【
図4】クライアント事業者の販売管理装置とクーポンチェック機能部との間で送受信されるクーポンチェック時のやり取りの例を示す。
【
図5】クライアント事業者の販売管理装置とクーポンチェック機能部との間で送受信されるデータの内容の例を示す。
【
図6】本クーポン発行システムにおいて使用される紙クーポンの例を示す。
【
図7】本クーポン発行システムにおいて使用される紙クーポンの例を示す。
【
図8】本クーポン発行システムにおいて使用される電子クーポンの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明に係わるクーポン発行システムの全体構成を説明するブロック図を示す。
【0047】
図1に示すように、本クーポン発行システムは、クーポンの発行を依頼する複数のクライアント事業者が運営するクライアント・サーバー11、クライアントと会員登録している複数の顧客消費者(顧客)が使用する通信端末装置16、クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の事業体サーバー(事業体が運営するPOSサーバー/販売管理装置)18と、にそれぞれ通信回線を介して接続され、クライアント事業者からクーポン発行の依頼を受けてクーポンの発行処理を行うクーポン発行処理装置10と、から構成されている。
【0048】
ここで、クーポン発行処理装置10は、顧客によるクーポン使用の有効性をチェックするクーポンチェック機能部15と、クライアント・サーバー11とインターネット等の通信回線と接続されて、クライアント企業から依頼を受けたクーポン発行の条件及び利用条件を含むクーポン内容を取り決めるための処理を行うクーポン・キャンペーン用インターフェース13を備える。
【0049】
そして、クーポン・キャンペーン用インターフェース13は、クライアント・サーバー11間において取り決められた発行するクーポンの内容(割引等の特典等)、どのような条件を満たす顧客に対してクーポンを発行するのか等の発行条件、どのような商品を購入する顧客に対してクーポンを発行するのか等の利用条件に適合した顧客を抽出又は選択し、そのような条件を満たす顧客に対して顧客(消費者)の携帯通信端末装置に対して、クーポン内容(対象商品と特典)を記載した電子クーポン21を送信するのである電子クーポン発行手段14と、さらに、このように抽出又は選択された顧客が、クライアント事業者が運営する前記事業体の一つにおいて商品購入等の商取引をした場合、顧客がこのような商取引を処理した取引装置又は当該取引装置に接続されたクーポン・プリンタ25にクーポン内容を記載した紙クーポン22の印字指令を送信する紙クーポン発行手段17を備える。
【0050】
このように発行される電子クーポン21又は紙クーポン22の何れか一方の形態のクーポン又は両方の形態のクーポンは、インターネット等の通信回線を介して発行され、電子クーポン21と紙クーポン22にはそれぞれは、抽出又は選択された顧客消費者に対して提供される。そして、そのクーポン21、22には、クーポンの同一性を示す同一のクーポンコード(
図3に示す)が記載されるである。
【0051】
このクーポンコードは、発行される電子クーポン21及び/又は紙クーポン22の両方に表示または印字される。ところで、このクーポンコードは、
図3に示すような複数の識別コード、種別コード、シリアル番号等の複数のコード及びデータにより構成されている。ここで、このバーコードは、2次元コード、または例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードで表示またか記載される。
【0052】
そして、クーポンチェック機能部15は、クーポンコードが記載されたクーポンについて、何れか又は両方の形態のクーポンを受け取った顧客が、電子クーポン又は前記紙クーポンの何れかを使用した時、クーポンコードが記載されたクーポンの二重使用ができないように処理するのである。また、同一性を示すクーポンコードを有するクーポンの発行枚数が制限されている場合は、その総発行枚数から、顧客がそのクーポンを紙クーポン又は電子クーポンの何れかの形態で使用された場合、クーポンチェック機能部は、使用される毎リアルタイムに、発行されているクーポンリスト23における当該クーポンコードに記載された総発行枚数からマイナス1だけデクリメント処理することにより、例えば、当該クーポンコードに係るクーポンが複製または偽造されたとしても、当該クーポンの総発行枚数以上に使用されることはないのである。
【0053】
尚、クーポンリスト23に格納される各クーポンは、クーポン・キャンペーン用インターフェース13とクライアント・サーバー11との取り決めに基づいて作成される。そして格納されるクーポンは、クライアント事業体が運営する販売管理装置(POSターミナル)からのビッグデータを各顧客毎の過去の購買実績や属性を関連付けて格納する購買データ記憶部19や、外部の消費動向データベース20にアクセスして、得られた種々のデータに基づいて、選択された顧客に提供されるのである。
【0054】
このように、クーポン・キャンペーン用インターフェース13がクライアント・サーバー11と取り決めて発行するクーポンは、顧客(会員顧客)が、そのクライアント事業者が運営する事業体において、過去の所定期間にクーポンに係る商品を購入した数量、金額、購入金額を含む購買データに基づいて発行されるのである。
【0055】
そして、クライアント事業者が運営する一又は複数の事業体が運営する一又は複数の各事業体は、顧客によるこの事業体が運営する実店舗又はオンライン店舗において商品購入の精算時に当該顧客の顧客IDで管理可能な購買データを生成する販売時点情報管理システム(販売管理装置)を備えている。
【0056】
一方、クーポン発行処理装置10は、通信回線を介して販売管理装置に接続され、前記顧客毎の購買データを入力し蓄積する購買データ記憶部を備える。
【0057】
これにより、本クーポン発行処理装置10を構成する購買データ記憶部19に記憶された顧客毎の購買データが、クーポン・キャンペーン用インターフェース13がクライアント・サーバー11と予め取り決めた条件に合致している場合に、合致したクーポンを顧客に対して通信回線を介して顧客の通信端末装置16に電子クーポンを送信し、当該顧客が商品取引を処理した取引装置又は前記印字装置に紙クーポンの印字指令を送信することができるのである。
【0058】
尚、
図1に示すように、クーポン・キャンペーン用インターフェース13は、クライアント・サーバー11とクーポン発行の条件等を定めるが、クーポン・キャンペーン用インターフェース13とクライアント・サーバー11間は、アプリケーションインターフェースを介してデータの送受信が行われる。
【0059】
ここで、アプリケーションプログラム(API)とは、一般的に、ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにするものであるが、ここでは、クーポン・キャンペーン用インターフェース13とクライアント・サーバー11を相互に繋ぐインターフェースを意味し、クーポン・キャンペーン用インターフェース13及びクライアント・サーバー11において、異なるソフトウェアやサービス間で認証機能を共有したり、チャット機能を共有したり、片方から数値データを取り込み、別のプログラムでそのデータを解析したりできるようにする機能を有します。
【0060】
図2は、
図1に示すクーポンチェック機能部15が、クーポン発行処理装置10とクライアント事業者の販売管理装置(POSシステム)と送受信するデータの内容の例を示す。
【0061】
図2に示すように、本発明に係るクーポン発行システムを構成するク本チェック機能15がチェックするクーポンの利用条件としては、以下の(a)乃至(f)を含み、これらのデータは、クーポンチェック機能部15が迅速に処理するために、内部に格納するようにしていても良いが、通常、クーポンリスト23(
図1)に格納され、リアルタイムに更新されることになる。
(a)クーポンキャンペーン開始日時(前もってクーポンが発行される日時をお知らせする)
(b)クーポンキャンペーン開始日時(前もってクーポンの発行が終了する日時をお知らせする)
(c)クーポンキャンペーン利用開始日時(クーポンの利用が開始される日時)
(d)クーポンキャンペーン利用終了日時(クーポンの利用が終了する日時)
(e)総クーポン発行数(CAP)
(f)クーポン利用条件情報
・対称JAN(複数:Rangede設定可能)
・対称JANの合計注文数/金額
・バスケット(同一顧客の過去の購入実績)の合計金額
・対象商品の製造者(メーカID)
・特典の内容(値引額や商品交換)
・その他(例外、注意書き等)
【0062】
図2に示すように、クライアント・サーバー11は、例えば、クーポン発行処理装置10が発行したクーポンがそのクーポンの利用条件に合致して使用された場合は、販売管理装置18からは返答がなく。対象クーポンが利用されたlogを残すようにする。また、クーポンの使用が、利用条件に合致しなかった場合や、商品の購入が取り消された(返品も含む)場合、対象クーポンは利用されていないとのレスポンスをクーポンチェック機能部10に返すのである。この場合、当該クーポンが最終的に利用されなかった理由(対象JANが存在しない、合計金額の未達、返品)を示す所定のデータが、クライアント・サーバー11に送信される。
【0063】
ここで、本システムを構成するクーポンチェック機能部15からクーポン発行処理装置10を介してクライアント・サーバー11に送信するデータとしては、以下のデータが含まれる。
(a)クーポンの利用ステータス:利用可能な状態/利用不可能な状態
(b)クーポン利用条件情報
i)対称Jan(複数:Rangeで設定可能)
ii)対称Janの合計注文数/金額
iii)バスケットの合計金額
iv)対象商品の製造者(メーカID)
v)特典の内容(値引額や商品交換)
vi)その他(例外、注意書き等)
【0064】
そして、クライアント・サーバー(図において「POS」と表示)11からクーポン発行処理装置10に対する返答値としては、以下のものが含まれる。
(a)利用条件に合致した場合は、クライアント・サーバー(POS)からの返答値はなし(対象クーポンは利用されたlog(利用記録)が残る)。
(b)利用条件に合致しなかった場合や会計がキャンセルされた場合、ロールバックがおこり、対象クーポンは利用されていないという返答をクーポンチェック機能部(TCB)15に返す。
この際に、利用できなかった理由がその返答値としてクーポンチェック機能部(TCB)15に返答される。例えば、クーポンの対象商品のJANが存在しない、若しくは、買い上げ合計金額が満たない等。
【0065】
図3は、本発明において発行されるクーポンの同一性を示すクーポンコードの例を示す。
【0066】
図3に示すように、本クーポン発行システム1で発行される電子クーポンと紙クーポンは、同一のクーポンコードを有し、例えば、次のようなコード及びデータにより構成される。そして、このクーポンコードは、上述したように、発行される電子クーポン21及び/又は紙クーポン22の両方に表示または印字され、2次元コード、または例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードで表示またか記載される。
【0067】
i)クーポン発行者(本クーポン発行システムの運用者)を示す識別コード:2桁
ii)クーポンの種別コード:例えば、製造者クーポン2、リテーラクーポン9
iii)キャンペーン/プロモーションの識別コード:オファーコード5桁、トリガークラス1桁の6桁
iv)クーポンの内容(割引額等)
v)CD1桁(事業体が運営するPOSシステムにおいて、割引額等のバリューテーブルを使用して割引気を反映させる)
vi)値引き種別の管理(例えば、“0”であれば円で値引き、“1”であればサンプリングの処理、“2”であればポイントの付与
vii)各クーポンに割り振るシリアル番号
viii)CD1桁
【0068】
尚、
図3においては、クーポンコードをバーコードで表示しているが、2次元コードで表示することも可能である。
【0069】
図4は、クライアント事業者の販売管理装置とクーポンチェック機能部との間で送受信されるクーポンチェック時のデータ送受信例を示す。
【0070】
図4に示すように、クーポンチェック機能部15は、「クーポンコードのスキャン」があった場合、クライアント・サーバー(POS)11に対して、当該クーポンコードに係クーポンの「有効性確認ステップ1」を行う。そして、この「有効性確認ステップ1」においては、クーポンの有効性、当該クーポンの有効期限内の使用か否か、等々の確認(バリデーションチェック)を行い、当該クーポンの「利用可」又は「利用不可」の処理を行い、クーポンチェック機能部15側へその結果を送信する。
【0071】
そして、クライアント・サーバー(POS)11からの「利用可」の「有効性確認ステップ1の結果」の返信を受けた場合、クーポンチェック機能部15には、「バリデーションステップ2」の処理を行い、クーポンチェック機能部15内に記録されているデータに基づいて、「バリデーションステップ2」のチェック処理を行って、利用可能であれば、「値引額の反映と小計への表示」のためのデータ処理を行う。一方、上記した一連のデータ送受信と処理で「利用不可」だった場合には、クライアント・サーバー(POS)11に対して、「エラーメッセージの表示」のための処理を行う。ここで、有効性確認の結果が「利用不可」であった場合もクライアント・サーバー(POS)11側において、変更可能とすることも可能である。
【0072】
ところで、クーポンチェック機能部15において最終的にクーポンの有効性が否定された場合には、「POSへのエラーメッセージの表示および利用不可の理由」を送信して、クライアント・サーバー(POS)11との「利用不可」の理由を共有するようにする。
【0073】
図5は、クライアント事業者の販売管理装置とクーポンチェック機能部との間で送受信されるデータの内容の例を示す。
【0074】
図4において説明したように、各クーポンに対して割り振られる個別シリアルコードを含んだ識別コードをクーポンチェック機能部15とクライアント・サーバー(POS)11との連携によりクーポンの利用有無を判別した後は、
図5に示すように、以下(1)乃至(3)の処理を行う。
(1)クーポンコードスキャンのタイミングでクーポン有効期限などのクーポンの有効性を確認する。その上で、Look up code APIを使ってMOFの呼び出しを行う。
(2)呼び出した利用条件に応じてクライアント・サーバー(POS)11にてバスケットバリデーション実行を行う。
(3)発行した個別シリアルコードをTCBSと連携し、クーポン利用数をカウントする。ここで、各クーポンに対して割り振られる個別シリアルコードを含んだ識別コードによりクーポンの利用有無を判別する。
【0075】
図6は、本クーポン発行システムにおいて使用される紙クーポンの例を示す。
図6(a)は、「新ドラフトビール」の紙クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「バーコード表示」の例である。
図6(b)は、「500円分お買い物券」の紙クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「バーコード表示」の例である。
【0076】
図7は、本クーポン発行システムにおいて使用される紙クーポンの例を示す。
図7(a)は、「新ドラフトビール」の紙クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「二次元コード表示」の例である。
図7(b)は、「500円分お買い物券」の紙クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「バーコード表示」のものを示す。
【0077】
図8は、本クーポン発行システムにおいて使用されるスマートフォンのディスプレイ上に表示される電子(デジタル)クーポンの例を示す。
図8(a)は、ある商品の電子クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「バーコード表示」の例である。
図8(a)は、ある商品の電子クーポンによる割引クーポンであって、そのクーポンコードは、「二次元コード表示」の例である。
【0078】
上述したように、本発明に係るクーポン発行システム1は、顧客に適したクーポンを電子クーポン21と紙クーポン22の形態で予め設定されたルールにもとづいて選択して発行し、クーポンを受領した顧客が何れの形態のクーポンを使用しても処理可能とするクーポン発行システムを提供する。
【0079】
そして、クーポンの発行を依頼するクライアント・サーバー11と接続されて、クーポン発行の条件及び利用条件を含むクーポン内容を取り決めるための処理を行うクーポン・キャンペーン用インターフェース13を備え、クライアント・サーバー11間との取り決められたクーポン内容のクーポン発行条件及び利用条件に適合し選択された顧客に対して、クーポンの同一性を示すクーポンコードが記載された電子クーポン21又は紙クーポン22の何れか一方の形態のクーポンを発行し、顧客が、電子クーポン21又は紙クーポン22の何れかを使用した時、そのクーポンコードが記載されたクーポンの二重使用ができないように処理するクーポンチェック機能部を備える。
【0080】
これにより、本発明は、顧客の購買履歴や属性等に応じて特典内容を決定することで、個々の顧客をターゲットにした適切なクーポンを発行するようにしたによるクーポン発行システムにおいて、上記構成により、同一内容のクーポンを同一の顧客に発行する際に、紙クーポン22の形態と電子クーポン21の形態の何れか一方、またはその両方で発行して処理することを可能にしたのである。
【0081】
また、本発明を構成するクーポン・キャンペーン用インターフェース13がクライアント・サーバー11と取り決めるクーポン内容は、クーポン発行のためのキャンペーン開始日時とその終了日時、クーポン利用開始日時及び利用終了日時、当該クーポンの発行数の記載を含むことにより、顧客は、発行されたクーポンが何時から、また何時まで使用できるか、取得したクーポンに係る特典の内容を知ることができる、さらに、クーポンは、発行するクーポンに係る商品を製造する者の識別子、当該クーポンの値引き額、次回引換券、ポイント付与等の特典の内容を含み、クーポンを発行する事業体にとっても、クーポンの利用結果とクーポン発行に伴うコスト等を確認することを可能としたのである。
【符号の説明】
【0082】
1 クーポン発行システム
10 クーポン発行処理装置
11 クライアント・サーバー
12 事業体サーバー(クライアント)
13 クーポン・キャンペーン用インターフェース
14 電子クーポン発行手段
15 クーポンチェック機能部
16 通信端末装置(携帯通信端末装置を含む)
17 紙クーポン発行手段
18 販売管理装置(事業体におけるPOSシステム)
19 購買データ記憶部
20 消費動向データベース(外部)
21 電子クーポン(デジタルクーポン)
22 紙クーポン
23 クーポンリスト
25 クーポン・プリンタ
26-1:バーコード表示によるクーポンコード
26-2:二次元コード表示によるクーポンコード