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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163455
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】制御システム、及び、設定変更方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
H04L12/28 500E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079061
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】行田 知晃
(57)【要約】
【課題】複数のシステムを利用して、機器連携を実現している状況であっても、機器を交換する際におけるユーザの操作負担を軽減することのできる制御システムを提供する。
【解決手段】機器管理システム10において、機器交換手段13は、機器交換の内容を示す交換通知を、機器連携システム20に送る。機器連携システム20において、連携制御手段22は、機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、連携設定に基づいて、連携対象機器に対する連携指令を、機器管理システム10に送り、連携変更手段23は、機器交換手段13から送られた交換通知に従って、連携制御手段22に保持される連携設定に含まれる連携対象機器を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器を管理する機器管理システムと、前記複数の機器を連携させる機器連携システムとが通信可能に接続された制御システムであって、
前記機器管理システムは、
機器交換の内容を示す交換通知を、前記機器連携システムに送る機器交換手段を備え、
前記機器連携システムは、
機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、前記連携設定に基づいて、前記連携対象機器に対する連携指令を、前記機器管理システムに送る連携制御手段と、
前記機器交換手段から送られた前記交換通知に従って、前記連携制御手段に保持される前記連携設定に含まれる前記連携対象機器を変更する連携変更手段と、を備える、
制御システム。
【請求項2】
前記機器管理システムは、
前記機器交換の前に、交換対象機器を無効化する無効化通知を、前記機器連携システムに送る機器無効化手段を更に備え、
前記機器連携システムは、
前記機器無効化手段から送られた前記無効化通知に従って、前記連携制御手段に保持される前記連携設定のうち、前記交換対象機器と一致する前記連携対象機器を含む前記連携設定を無効化する連携無効化手段を更に備える、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記機器連携システムにおいて、
前記連携無効化手段は、前記連携設定に含まれる前記連携対象機器であって、前記連携対象機器と一致する前記連携対象機器が前記連携変更手段によって変更された場合に、該当する前記連携設定の無効化を解除する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記機器管理システムは、
前記機器交換の前、及び、前記機器交換の後の何れかに、交換に伴って影響を受ける前記機器連携についての情報をユーザに提示する、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記機器管理システムは、
前記交換対象機器を無効化の前、及び、前記交換対象機器を無効化の後の何れかに、無効化に伴って影響を受ける前記機器連携についての情報をユーザに提示する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項6】
複数の機器を管理する機器管理システムと、前記複数の機器を連携させる機器連携システムとが通信可能に接続された制御システムにおける設定変更方法であって、
機器交換の内容を示す交換通知を、前記機器連携システムに送る機器交換ステップと、
機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、前記連携設定に基づいて、前記連携対象機器に対する連携指令を、前記機器管理システムに送る連携制御ステップと、
前記機器交換ステップから送られた前記交換通知に従って、前記連携制御ステップにて保持される前記連携設定に含まれる前記連携対象機器を変更する連携変更ステップと、
を備える設定変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム、及び、設定変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の機器を連携させて動作させるシステムが実用化されている。例えば、空調機器の運転開始をトリガとして、換気装置を稼働させるといった連携設定を、システムに登録することで、空調機器と換気装置とを機器連携させることが可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、連携設定をユーザが自由に変更することのできる遠隔制御システムの技術が開示されている。
この遠隔制御システムでは、ホームコントローラとしての役割を果たすアダプタに、連携設定を記憶させ、アダプタと接続されたHA(ホームオートメーション)端末を通じて、住宅内に設置されている各種の住宅設備機器を連携させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-166045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示される遠隔制御システムでは、1つのシステム内で機器連携を実現しているが、最近では、複数のシステムを協働させて、機器連携を実現させるサービスも提供されている。
例えば、複数の機器を管理する機器管理システムと、複数の機器を連携させる機器連携システムとによって、機器連携のサービスをユーザに提供できるようになっている。
この場合、例えば、ユーザは、自身が所有する各機器の機器情報を機器管理システムに登録し、また、これらの機器を任意に組み合わせた各機器の機器情報を含む連携設定を機器連携システムに登録することで、容易に機器連携を実現させることができる。
【0006】
しかしながら、ひとたび、機器の交換が必要となった際に、ユーザは、各システムに対して、設定内容の変更をそれぞれ行う必要があり、極めて煩雑であった。例えば、古くなった旧機器を、新機器と交換する場合に、ユーザは、機器管理システムに対して、旧機器の機器情報を削除すると共に、新機器の機器情報を登録する。それに加えて、ユーザは、機器連携システムに対して、連携設定の対象を旧機器から新機器に変更する必要があった。
【0007】
なお、仮に、機器管理システムと機器連携システムとが同じ会社から提供されているのであれば、例えば、機器管理システムにおいて機器情報が削除及び登録されたことによる変更前・変更後のデータを元にして、機器連携システムにおける連携設定を内部処理で変更するといったことも考えられる。
【0008】
それでも、現実には、例えば、家電機器のメーカAが提供する機器管理システムと、IT(Information Technology)企業Bが提供する機器連携システムとをユーザが利用するようなケース、或いは、家電機器のメーカCが提供する機器管理システムと、電力会社Dが提供する機器連携システムとをユーザが利用するといったケースが多いため、内部処理で連携設定を変更するといったことが困難な状況となっていた。
【0009】
また、機器に異常が生じた場合、その機器の全機能が使えなくなるのではなく、一部の機能だけが正しく動作しなくなることが多い。そのような機器が、連携設定の対象となっている場合において、異常が発生してからその機器を交換するまでの間、連携設定をそのままにしておくと、システムで想定している動作が実現できない可能性がある。
そのような状況で、その機器の連携動作を停止させるべく、機器の登録を解除してしまうと、その機器の連携設定がクリアされてしまうシステムも多く、機器を交換した後に、ユーザが、連携設定をやり直さなくてはならないという課題もあった。
【0010】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数のシステムを利用して、機器連携を実現している状況であっても、機器を交換する際におけるユーザの操作負担を軽減することのできる制御システム、及び、設定変更方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本開示に係る制御システムは、
複数の機器を管理する機器管理システムと、前記複数の機器を連携させる機器連携システムとが通信可能に接続された制御システムであって、
前記機器管理システムは、
機器交換の内容を示す交換通知を、前記機器連携システムに送る機器交換手段を備え、
前記機器連携システムは、
機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、前記連携設定に基づいて、前記連携対象機器に対する連携指令を、前記機器管理システムに送る連携制御手段と、
前記機器交換手段から送られた前記交換通知に従って、前記連携制御手段に保持される前記連携設定に含まれる前記連携対象機器を変更する連携変更手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、複数のシステムを利用して、機器連携を実現している状況であっても、機器を交換する際におけるユーザの操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る制御システムの全体構成を示すブロック図
図2】機器連携システムに保持される連携設定を説明するための図であって、(a)がユーザ・サービステーブルの一例を示す図であり、(b)がサービステーブルの一例を示す図
図3】実施形態1に係る制御処理、及び、指令処理の一例を示すフローチャート
図4】実施形態1に係る交換処理、及び、変更処理の一例を示すフローチャート
図5】実施形態2に係る制御システムの全体構成を示すブロック図
図6】実施形態2の機器連携システムに記憶されるユーザ・サービステーブルの一例を示す図
図7】実施形態2のユーザ端末に表示される各画面の一例を示す図
図8】実施形態2に係る無効受付処理、及び、無効化処理の一例を示すフローチャート
図9】実施形態2に係る制御処理、及び、指令処理の一例を示すフローチャート
図10】実施形態2に係る交換処理、及び、変更処理の一例を示すフローチャート
図11】実施形態3のユーザ端末に表示される各画面の一例を示す図
図12】実施形態3に係る交換処理、及び、変更処理の一例を示すフローチャート
図13】実施形態4のユーザ端末に表示される各画面の一例を示す図
図14】実施形態4に係る交換処理、変更前処理、及び、変更処理の一例を示すフローチャート
図15】実施形態5のユーザ端末に表示される各画面の一例を示す図
図16】実施形態5に係る無効受付処理、及び、無効化処理の一例を示すフローチャート
図17】実施形態6のユーザ端末に表示される各画面の一例を示す図
図18】実施形態6に係る無効受付処理、無効化前処理、及び、無効化処理の一例を示すフローチャート
図19】他の実施形態に係る複数の制御システムの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、複数の機器を管理する機器管理システムと、複数の機器を機器連携させる機器連携システムとを含む制御システムにおいて、空調機器及び換気装置を含む各機器を、管理対象、及び、連携対象とする場合について説明するが、他の設備機器、家電機器等を管理対象、及び、連携対象とする制御システムにおいても、同様に本開示を適用することができる。すなわち、以下に述べる実施形態は説明のためのものであり、本開示の範囲を制限するものではない。
従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本開示の範囲に含まれる。つまり、本開示は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
また、以下の実施形態で説明する各図においては、共通する要素に同一の符号を付けるものとする。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る制御システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、制御システム1は、機器管理システム10と、機器連携システム20と、ユーザ端末30と、空調機器40(40a,40b)と換気装置50とを備えている。この制御システム1における機器管理システム10と、機器連携システム20とは、一例として、別会社のシステムであり、機器の管理、機器の連携等のサービスをユーザに提供する。つまり、ユーザ端末30を使用するユーザが、空調機器40、換気装置50等の機器を登録し、それぞれのサービスを受けることが可能となっている。
【0017】
まず、機器管理システム10について説明する。機器管理システム10は、例えば、単独のコンピュータ、又は、複数台のコンピュータから構成され、機器連携システム20、ユーザ端末30、空調機器40、及び、換気装置50と、インターネット、無線ネットワーク等を介して通信可能に接続されている。機器管理システム10は、主に、空調機器40、換気装置50等の機器を管理し、これらの機器を適宜制御する。
【0018】
この機器管理システム10は、機器操作手段11と、機器管理手段12と、機器交換手段13とを備える。
なお、機器管理システム10を構成するコンピュータは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等に代表される補助記憶装置、及び、有線LAN、無線LAN等に代表される通信ユニットを有している。そして、機器管理システム10では、例えば、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROM、又は、補助記憶装置に記憶されたプログラムを実行して、通信ユニットを適宜制御することにより、機器操作手段11、機器管理手段12、及び、機器交換手段13が実現される。
【0019】
機器操作手段11は、ユーザ端末30から送られた機器に対する操作入力を受け付けると、その操作入力に応じて、空調機器40、及び、換気装置50についての設定、状態等を変更する。
【0020】
機器管理手段12は、空調機器40、及び、換気装置50についての機器設定、及び、機器状態を保持することで、各機器を適宜管理する。
例えば、機器管理手段12は、空調機器40、及び、換気装置50から現在のデータを逐次取得し、各機器の機器状態を更新する。また、機器管理手段12は、機器操作手段11が受け付けた操作入力に従って、機器設定又は機器状態を変更する。なお、操作入力の内容が、空調機器40又は換気装置50への制御を伴う場合に、対象の機器をその内容に応じて制御する。
また、機器管理手段12は、現在の機器状態を含む機器データを、定期的に機器連携システム20へ送信する。そして、機器管理手段12は、送信した機器データに応答して、機器連携システム20から連携指令が送られると、その連携指令に基づいて、空調機器40又は換気装置50を制御する。
【0021】
機器交換手段13は、ユーザ端末30から送られた機器についての交換入力を受け付けると、その交換入力に応じて、機器管理システム10において情報の引き継ぎを行うと共に、機器連携システム20に対して機器の交換を通知する。
具体的に、旧機器の空調機器40aから新機器の空調機器40bに交換された場合を一例として説明する。この場合、機器交換手段13は、空調機器40aと空調機器40bとを指定した交換入力をユーザ端末30から受け付ける。この交換入力を受け付けると、機器交換手段13は、機器管理手段12に管理されている情報の引き継ぎとして、例えば、空調機器40aの機器設定及び機器状態を、空調機器40bの機器設定及び機器状態にコピーする。また、機器交換手段13は、機器交換の内容を示す交換通知を、機器連携システム20に送信する。例えば、機器交換手段13は、空調機器40aから空調機器40bに交換されたことを示す交換通知を、機器連携システム20に送信する。
【0022】
次に、機器連携システム20について説明する。機器連携システム20は、例えば、単独のコンピュータ、又は、複数台のコンピュータから構成され、機器管理システム10、及び、ユーザ端末30と、インターネット、無線ネットワーク等を介して通信可能に接続されている。機器連携システム20は、ユーザ端末30から登録された連携設定に従い、機器管理システム10を通じて、空調機器40と換気装置50とを連携制御する。
【0023】
この機器連携システム20は、設定登録手段21と、連携制御手段22と、連携変更手段23とを備える。
なお、機器連携システム20を構成するコンピュータは、例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等に代表される補助記憶装置、及び、有線LAN、無線LAN等に代表される通信ユニットを有している。そして、機器連携システム20では、例えば、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROM、又は、補助記憶装置に記憶されたプログラムを実行して、通信ユニットを適宜制御することにより、設定登録手段21、連携制御手段22、及び、連携変更手段23が実現される。
【0024】
設定登録手段21は、ユーザ端末30から送られた機器連携のための設定入力を受け付けると、その設定入力に応じて、後述する連携制御手段22に連携設定を登録する。なお、設定登録手段21は、連携制御手段22に連携設定を登録した後に、ユーザ端末30から受け付けた設定入力に応じて連携設定を変更することも可能となっている。
【0025】
連携制御手段22は、設定登録手段21によって登録された連携設定を保持しており、機器管理システム10から定期的に送られる機器データを監視しつつ、機器連携の発動条件が満たされた場合に、連携動作を対象機器に指令するための連携指令を機器管理システム10へ送信する。
例えば、連携制御手段22は、連携設定として、図2(a)に示すようなユーザ・サービステーブルと、図2(b)に示すようなサービステーブルとを保持する。
図2(a)に示すユーザ・サービステーブルは、ユーザとそのユーザが利用しているサービスとを紐づけると共に、ユーザが利用しているサービスの種類を管理するために用いられる。
また、図2(b)に示すサービステーブルは、機器連携の対象機器を示す情報、及び、サービスの固有パラメータを含んでおり、各サービスにおける設定内容を管理するために用いられる。
【0026】
図1に戻って、連携変更手段23は、機器管理システム10から送られた交換通知を受け付けると、その交換通知に従って、連携制御手段22にて保持される連携設定を変更する。
【0027】
ユーザ端末30は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット等の端末装置であり、機器管理システム10、及び、機器連携システム20のサービスを利用するユーザによって操作される。
ユーザ端末30は、ユーザインターフェース(UI)を通じて、ユーザからの種々の入力を受け付ける。例えば、ユーザ端末30は、空調機器40、換気装置50等の機器に対する操作入力、機器についての交換入力、及び、機器連携のための設定入力等を受け付ける。ユーザ端末30は、受け付けた操作入力、及び、交換入力を、機器管理システム10へ送信し、また、受け付けた設定入力を、機器連携システム20へ送信する。
【0028】
空調機器40(40a,40b)は、例えば、ユーザが使用する建物内に設置されており、機器管理システム10からの制御に従って、建物内の対象空間を空気調和する。なお、空調機器40は、機器の一例であり、他の設備機器、家電機器等であってもよい。
【0029】
換気装置50は、例えば、空調機器40と同じ建物内に設置されており、機器管理システム10からの制御に従って、建物内の空気を屋外に排出すると共に、屋外の空気を建物内に供給する。なお、換気装置50は、機器の一例であり、他の設備機器、家電機器等であってもよい。
【0030】
以下、このような構成の制御システム1の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
最初に、図3を参照して、複数の機器を機器連携させる機器連携動作について説明する。図3は、機器管理システム10が実行する制御処理と、機器連携システム20が実行する指令処理との一例を示すフローチャートである。
この制御処理は、機器管理システム10にて、一例として、1分毎、5分毎等のように、定期的に開始される。また、指令処理は、機器管理システム10から機器データが送られる度に、機器連携システム20にて開始される。
【0032】
図3の制御処理が開始されると、まず、機器管理システム10は、機器からデータを収集する(ステップS101)。
すなわち、機器管理手段12は、空調機器40、及び、換気装置50からデータを取得し、各機器の機器状態を更新する。
【0033】
機器管理システム10は、機器データを機器連携システム20へ送信する(ステップS102)。
例えば、機器管理手段12は、現在の機器状態を含む機器データを、機器連携システム20へ送信する。
【0034】
一方の機器連携システム20は、機器管理システム10から送られた機器データを受信する(ステップS103)。
例えば、連携制御手段22は、現在の機器状態を含む機器データを機器管理システム10から受信する。
【0035】
機器連携システム20は、状態変化があったか否かを判別する(ステップS104)。
例えば、連携制御手段22は、監視対象となる機器の機器データに機器連携を発動させる状態変化があったかどうかを判別する。
【0036】
機器連携システム20は、状態変化がなかったと判別した場合(ステップS104;No)に、そのまま指令処理を終える。
この場合、機器管理システム10において、後述するステップ107以降の処理が、例えば、タイムアウトによって、実行されないことになる。
【0037】
一方、状態変化があったと判別すると(ステップS104;Yes)、機器連携システム20は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS105)。
例えば、連携制御手段22は、上述した図2(a)に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「ユーザA」が利用している機器連携のサービスである「サービスYYYY」において、トリガ機器となる「空調機器XXXX」の状態変化があった場合に、連携制御手段22は、図2(b)に示すサービステーブルから、「サービスYYYY」の対象機器が「換気装置XXXX」であることを示すデータを検索する。
【0038】
機器連携システム20は、連携動作を指令するための連携指令を、機器管理システム10へ送信する(ステップS106)。
例えば、上記のステップS105にて、「サービスYYYY」の対象機器が「換気装置XXXX」であることを示すデータを検索していた場合に、連携制御手段22は、「換気装置XXXX」を連携動作させるための連携指令を、機器管理システム10へ送信する。
なお、このようなステップS106が、連携制御ステップの一例となる。
【0039】
機器管理システム10側に戻って、機器管理システム10は、機器連携システム20から送られた連携指令を受信する(ステップS107)。
例えば、機器管理手段12は、「換気装置XXXX」を連携動作させるための連携指令を、機器連携システム20から受信する。
【0040】
機器管理システム10は、連携指令に基づいて、対象機器を制御する(ステップS108)。
例えば、上記のステップS107にて、「換気装置XXXX」を連携動作させるための連携指令を受信した場合に、機器管理手段12は、「換気装置XXXX」である換気装置50を制御する。
【0041】
次に、図4を参照して、旧機器を新機器に交換する際の機器交換動作について説明する。図4は、機器管理システム10が実行する交換処理と、機器連携システム20が実行する変更処理との一例を示すフローチャートである。この交換処理は、機器についての交換入力がユーザ端末30からなされた際に、機器管理システム10にて開始される。また、変更処理は、機器管理システム10から交換通知が送られた際に、機器連携システム20にて開始される。
【0042】
図4の交換処理が開始されると、まず、機器管理システム10は、機器の交換入力を受け付ける(ステップS201)。
すなわち、機器交換手段13は、ユーザ端末30から送られた旧機器を指定した交換入力を受け付ける。
【0043】
機器管理システム10は、新機器を登録する(ステップS202)。
例えば、機器交換手段13は、ユーザ端末30から送られる情報に従って、交換先となる新機器の情報を、機器管理手段12に登録する。
【0044】
機器管理システム10は、機器の情報を引き継ぐ(ステップS203)。
例えば、機器交換手段13は、機器管理手段12に保持されている旧機器の機器設定及び機器状態を、新機器の機器設定及び機器状態にコピーすることで、機器の情報を引き継ぐ。
【0045】
機器管理システム10は、旧機器の登録を削除する(ステップS204)。
例えば、機器交換手段13は、交換元となる旧機器の機器設定及び機器状態等を、機器管理手段12から削除する。
【0046】
機器管理システム10は、交換通知を機器連携システム20へ送信する(ステップS205)。
例えば、旧機器の「空調機器XXXX」から新機器の「空調機器ZZZZ」に交換された場合に、機器交換手段13は、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されたことを示す交換通知を、機器連携システム20に送信する。
なお、このようなステップS205が、機器交換ステップの一例となる。
【0047】
一方の機器連携システム20は、機器管理システム10から送られた交換通知を受信する(ステップS206)。
例えば、連携変更手段23は、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されたことを示す交換通知を、機器管理システム10から受信する。
【0048】
機器連携システム20は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS207)。
例えば、連携変更手段23は、上述した図2(a)に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されたことを示す交換通知が受信された場合に、連携変更手段23は、図2(b)に示すサービステーブルから、「サービスXXXX」の対象機器1が「空調機器XXXX」であり、また、「サービスYYYY」のトリガ機器が「空調機器XXXX」であることを示すデータを検索する。
【0049】
機器連携システム20は、連携対象機器を変更する(ステップS208)。
すなわち、連携変更手段23は、交換通知に応じて、連携制御手段22にて保持される連携設定を変更する。例えば、上記のステップS207にて、「サービスXXXX」の対象機器1が「空調機器XXXX」であり、また、「サービスYYYY」のトリガ機器が「空調機器XXXX」であることを示すデータが検索されている場合に、連携変更手段23は、図2(b)のサービステーブルにおける「空調機器XXXX」を「空調機器ZZZZ」に変更する。
なお、このようなステップS208が、連携変更ステップの一例となる。
【0050】
以上説明したように、実施形態1に係る制御システム1では、旧機器を新機器に交換する際に、旧機器の情報が新機器に引き継がれ、また、連携設定における連携対象が旧機器から新機器に変更される。
これにより、旧機器を対象としたサービスが、交換後も、新機器を対象としたサービスとして引き継ぐことができ、連携を再設定する必要がなくなることで、ユーザの操作負担を軽減することができる。特に、多数の機器連携を連携設定に登録しているユーザにとって有益となる。
また、連携設定において複雑な対応付けが行われているような場合でも、変更処理において、対象データを検索して変更するため、旧機器から新機器への交換後も複雑な対応付けを維持したまま、サービスを継続することができる。
例えば、空調機器40と換気装置50とを機器連携させるために、空調機器40に紐付けて、連携対象となる換気装置50を連携設定に規定しておくような場合において、旧機器の換気装置50を新機器の換気装置50に交換した後も、そのままサービスを継続して利用することができる。
【0051】
この結果、複数のシステムを利用して、機器連携を実現している状況であっても、機器を交換する際におけるユーザの操作負担を軽減することができる。
【0052】
上記の実施形態1では、旧機器と新機器とを直ぐに交換できる場合に好適であるが、現実には、旧機器が急に故障して使用できなくなってしまい、慌てて、新機器を購入するというような場合が多い。この場合、旧機器が故障してから、新機器との交換が完了するまでに、ある程度の日数を要することになる。つまり、旧機器と新機器との交換が完了するまでに、旧機器が使用できない交換準備期間が生じることになる。
【0053】
(実施形態2)
以下、旧機器が使用できない交換準備期間が生じる場合に好適な制御システムについて、図面を参照して説明する。
図5は、本開示の実施形態2に係る制御システム2の全体構成を示すブロック図である。
【0054】
図5に示すように、制御システム2は、機器管理システム60と、機器連携システム70と、ユーザ端末30と、空調機器40(40a,40b)と、換気装置50とを備えている。この制御システム2における機器管理システム60、及び、機器連携システム70も、実施形態1と同様に、別会社のシステムであり、機器の管理、機器の連携等のサービスをユーザに提供する。
【0055】
機器管理システム60は、例えば、実施形態1に係る機器管理システム10と同様に、単独のコンピュータ、又は、複数台のコンピュータから構成され、機器連携システム70、ユーザ端末30、空調機器40、及び、換気装置50と、インターネット、無線ネットワーク等を介して通信可能に接続されている。
【0056】
この機器管理システム60は、機器操作手段11と、機器管理手段12と、機器交換手段13と、機器無効化手段61とを備える。つまり、機器管理システム60は、実施形態1に係る機器管理システム10に、機器無効化手段61を追加した構成となっている。
この機器管理システム60でも、例えば、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROM、又は、補助記憶装置に記憶されたプログラムを実行して、通信ユニットを適宜制御することにより、機器操作手段11、機器管理手段12、機器交換手段13、及び、機器無効化手段61が実現される。
【0057】
機器操作手段11、機器管理手段12、及び、機器交換手段13は、実施形態1に係る機器管理システム10と同様であるため、説明を省略する。
それでも、機器管理システム60において、機器管理手段12は、機器データを機器連携システム70へ送信し、また、連携指令を機器連携システム70から受信する。また、機器交換手段13は、交換通知を機器連携システム70へ送信する。
【0058】
機器無効化手段61は、ユーザ端末30から送られた機器についての無効入力を受け付けると、機器連携システム20に対して機器の無効化を通知する。
例えば、機器無効化手段61は、空調機器40aについての無効入力を受け付けると、その空調機器40aを示す「空調機器XXXX」についての無効化通知を、機器連携システム70に送信する。この無効化通知は、「空調機器XXXX」を対象とした機器連携を停止させるために、機器連携システム70に送られる。
【0059】
機器連携システム70は、例えば、実施形態1に係る機器連携システム20と同様に、単独のコンピュータ、又は、複数台のコンピュータから構成され、機器管理システム60、及び、ユーザ端末30と、インターネット、無線ネットワーク等を介して通信可能に接続されている。
【0060】
この機器連携システム70は、設定登録手段21と、連携制御手段71と、連携変更手段23と、連携無効化手段72とを備える。つまり、機器連携システム70は、実施形態1に係る機器連携システム20の連携制御手段22を連携制御手段71に変更すると共に、連携無効化手段72を追加した構成となっている。
この機器連携システム70でも、例えば、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROM、又は、補助記憶装置に記憶されたプログラムを実行して、通信ユニットを適宜制御することにより、設定登録手段21、連携制御手段71、連携変更手段23、及び、連携無効化手段72が実現される。
【0061】
設定登録手段21、及び、連携変更手段23は、実施形態1に係る機器連携システム20と同様であるため、説明を省略する。
それでも、機器連携システム70において、連携変更手段23は、交換通知を機器管理システム60から受信する。
【0062】
連携制御手段71は、実施形態1に係る機器連携システム20の連携制御手段22と概ね同様であるが、上述した図2(a)に示すユーザ・サービステーブルの代わりに、図6に示すようなユーザ・サービステーブルを保存する。つまり、連携制御手段71は、連携設定として、図6に示すユーザ・サービステーブルと、図2(b)に示すサービステーブルとを保持する。
なお、図6に示すユーザ・サービステーブルには、図2(a)のユーザ・サービステーブルに、サービスの有効・無効を表す項目が追加されている。
このようなユーザ・サービステーブルを保持する連携制御手段71は、機器管理システム60から定期的に送られる機器データを監視しつつ、機器連携の発動条件が満たされた場合に、サービスが有効であることを確認した後に、連携指令を機器管理システム60へ送信する。
【0063】
図5に戻って、連携無効化手段72は、機器管理システム60から送られた無効化通知を受け付けると、その無効化通知に応じて、連携制御手段71にて保持される連携設定を変更する。
例えば、連携無効化手段72は、「空調機器XXXX」についての無効化通知を受け付けると、「空調機器XXXX」を対象としたサービスを停止させるために、対象となるサービスを無効化する。より詳細に、連携無効化手段72は、図2(b)に示すサービステーブルを基に、「空調機器XXXX」を対象としたサービスであるサービスXXXX」及び「サービスYYYY」を特定し、図6に示すユーザ・サービステーブルにおいて、「サービスXXXX」及び「サービスYYYY」の有効・無効の項目を、「有効」から「無効」に変更する。
【0064】
また、図5に示す制御システム2において、ユーザ端末30、空調機器40(40a、40b)、及び、換気装置50は、実施形態1に係る制御システム1と同様であるため、説明を省略する。
それでも、制御システム2において、ユーザ端末30は、図7に示すような各画面GM1~GM3を表示する。
【0065】
図7に示す画面GM1は、交換準備操作が行われる前に表示されている画面の一例である。例えば、「空調機器XXXX」が急に故障して使用できなくなり、実際に交換が行えるまでの交換準備期間が生じる場合に、ユーザ端末30に画面GM1が表示された状態で、「空調機器XXXX」を選択した無効入力を含む交換準備操作がユーザによってなされる。
【0066】
画面GM2は、交換準備操作が行われた後に、機器の無効化が表示される画面の一例である。例えば、画面GM2では、鍵アイコンを付加することによって、「空調機器XXXX」及び「一括操作」が無効化された状態であることを表している。なお、鍵アイコンの代わりに、グレーアウト表示、斜線表示等によって、無効化された状態を表すようにしてもよい。
【0067】
このような無効化が表示された後に、旧機器と新機器との交換が可能となると、交換操作が行われる。そして、機器登録の画面GM3にて新機器が登録されると、画面GM2における無効化の表示が解除され、ユーザ端末30は、再び画面GM1を表示することになる。
【0068】
以下、このような構成の制御システム2の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0069】
最初に、図8を参照して、旧機器、及び、旧機器を対象としたサービスを無効化させる交換準備動作について説明する。図8は、機器管理システム60が実行する無効受付処理と、機器連携システム70が実行する無効化処理との一例を示すフローチャートである。この無効受付処理は、機器管理システム60にて、機器についての無効入力がユーザ端末30からなされた際に、機器管理システム60にて開始される。また、無効化処理は、機器管理システム60から無効化通知が送られた際に、機器連携システム70にて開始される。
【0070】
図8の無効受付処理が開始されると、まず、機器管理システム60は、機器の無効入力を受け付ける(ステップS301)。
例えば、機器無効化手段61は、交換する予定の「空調機器XXXX」についての無効入力を含む交換準備操作を受け付ける。
【0071】
機器管理システム60は、機器の無効化を表示する(ステップS302)。
例えば、機器管理システム60は、ユーザ端末30に送る画面情報を変更して、図7に示すような画面GM2をユーザ端末30に表示させることで、「空調機器XXXX」の無効化を表示する。
【0072】
機器管理システム60は、無効化通知を機器連携システム70へ送信する(ステップS303)。
例えば、「空調機器XXXX」の無効入力が行われた場合に、機器無効化手段61は、「空調機器XXXX」についての無効化通知を、機器連携システム70に送信する。
【0073】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた無効化通知を受信する(ステップS304)。
例えば、連携無効化手段72は、「空調機器XXXX」についての無効化通知を、機器管理システム60から受信する。
【0074】
機器連携システム70は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS305)。
例えば、連携無効化手段72は、上述した図6に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「空調機器XXXX」についての無効化通知が受信された場合に、連携無効化手段72は、図2(b)に示すサービステーブルから、「サービスXXXX」の対象機器1が「空調機器XXXX」であり、また、「サービスYYYY」のトリガ機器が「空調機器XXXX」であることを契機として、図6に示すユーザ・サービステーブルから、「サービスXXXX」、「サービスYYYY」の有効・無効の項目が共に「有効」であることを示すデータを検索する。
【0075】
機器連携システム70は、サービスを無効に設定する(ステップS306)。
すなわち、連携無効化手段72は、無効化通知に従って、連携制御手段71にて保持される連携設定を変更する。例えば、上記のステップS305にて、「サービスXXXX」、「サービスYYYY」の有効・無効の項目が共に「有効」であることを示すデータが検索されている場合に、連携無効化手段72は、図6に示すユーザ・サービステーブルにおける「サービスXXXX」及び「サービスYYYY」の有効・無効の項目を、どちらも、「有効」から「無効」に変更する。
【0076】
このような無効受付処理、及び、無効化処理により、故障した旧機器についての無効化通知が機器連携システム70に送られ、故障した旧機器を対象とするサービスが無効化される。
【0077】
次に、図9を参照して、機器連携動作について説明する。図9は、機器管理システム60が実行する制御処理と、機器連携システム70が実行する指令処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図9に示す制御処理は、上述した図3で説明した実施形態1に係る制御処理と同じである。また、図9に示す指令処理は、同図3で説明した指令処理に、ステップS111を追加した構成となっている。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
【0078】
図9の制御処理が開始されると、機器管理システム60は、機器からデータを収集し(ステップS101)、機器データを機器連携システム70へ送信する(ステップS102)。
【0079】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた機器データを受信し(ステップS103)、状態変化があったか否かを判別する(ステップS104)。
【0080】
機器連携システム70は、状態変化がなかったと判別した場合(ステップS104;No)に、そのまま指令処理を終える。一方、状態変化があったと判別すると(ステップS104;Yes)、機器連携システム70は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS105)。
例えば、連携制御手段71は、上述した図6に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「ユーザA」が利用している機器連携のサービスである「サービスYYYY」の有効・無効についてのデータを、図6のユーザ・サービステーブルから検索する。
【0081】
機器連携システム70は、サービスが有効であるか否かを判別する(ステップS111)。
例えば、連携制御手段71は、上記のステップS105で検索した「サービスYYYY」の有効・無効のデータが、「有効」であるかどうかを判別する。
【0082】
機器連携システム70は、サービスが有効でないと判別した場合(ステップS111;No)に、そのまま指令処理を終える。つまり、無効となっている機器連携のサービスについては、機器連携の発動条件が満たされた場合でも、連携指令が機器管理システム60へ送られないことになる。
この場合、機器管理システム10におけるステップ107以降の処理も、例えば、タイムアウトによって、実行されないことになる。
【0083】
一方、サービスが有効であると判別すると(ステップS111;Yes)、機器連携システム70は、連携動作を指令するための連携指令を、機器管理システム60へ送信する(ステップS106)。
【0084】
機器管理システム60側に戻って、機器管理システム60は、機器連携システム20から送られた連携指令を受信し(ステップS107)、連携指令に基づいて、対象機器を制御する(ステップS108)。
【0085】
このように、制御処理、及び、指令処理において、無効化されている機器連携のサービスについては、機器連携の発動条件が満たされた場合でも、連携動作が行われないことになる。
【0086】
次に、図10を参照して、機器交換動作について説明する。図10は、機器管理システム60が実行する交換処理と、機器連携システム70が実行する変更処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図10の交換処理は、上述した図4で説明した実施形態1に係る交換処理と同じである。また、図10の変更処理は、同図4で説明した変更処理に、ステップS211を追加した構成となっている。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
【0087】
図10の交換処理が開始されると、機器管理システム60は、機器の交換入力を受け付け(ステップS201)、新機器を登録し(ステップS202)、機器の情報を引き継ぐ(ステップS203)。
【0088】
機器管理システム60は、旧機器の登録を削除し(ステップS204)、交換通知を機器連携システム70へ送信する(ステップS205)。
【0089】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた交換通知を受信し(ステップS206)、登録サービスの対象データを検索し(ステップS207)、連携対象機器を変更する(ステップS208)。
【0090】
そして、機器連携システム70は、サービスを有効に設定する(ステップS211)。
すなわち、連携無効化手段72は、連携制御手段71にて保持される連携設定における有効・無効の内容を変更する。例えば、上述したステップS208にて変更した対象機器を対象としたサービスが無効化されていた場合に、連携無効化手段72は、そのサービスの無効化を解除する。より具体的に、ステップS208にて変更した対象機器を対象としたサービスが、「サービスXXXX」及び「サービスYYYY」であり、図6に示すユーザ・サービステーブルにおける「サービスXXXX」及び「サービスYYYY」の有効・無効の項目が、「無効」に設定されていた場合に、連携無効化手段72は、それらの有効・無効の内容を、「無効」から「有効」に変更する。
【0091】
このように、交換処理、及び、変更処理によって、連携設定における対象機器が、旧機器から新機器に変更されると共に、連携設定において、無効化されていたサービスが適宜、有効化される。
【0092】
以上説明したように実施形態2に係る制御システム2では、機器に異常が発生してから交換するまでの交換準備期間において、連携動作により機器が想定外の動作をしてしまうことを防ぐことができる。
例えば、特定の空調機器40の運転開始をトリガに、複数の換気装置50を同時に稼働させることで、意図した気流を生じさせるような連携設定がなされている状態で、一方の換気装置50が故障してしまうと、従来であれば、連携動作によって故障していない方の換気装置50だけが稼働してしまい、想定外の気流が形成されてしまうことも起こり得る。
これに対して、実施形態2に係る制御システム2では、一方の換気装置50が故障した際に、故障した換気装置50の無効化通知が機器連携システム70に送られ、そして、故障した換気装置50を対象とする機器連携のサービスが無効化される。このため、連携動作によって故障していない方の換気装置50だけが稼働してしまい、想定外の気流が形成されてしまう、といった事象を防ぐことができる。
【0093】
上記の実施形態1,2では、機器の交換によって、サービスに影響がない場合について説明したが、実際には、旧機器を新機器に交換することで、機能、性能等の違いにより、今までのサービスの一部が使用できなくなるようなことも起こり得る。そのため、機器の交換後に、影響サービスをユーザに提示するようにしてもよい。
【0094】
(実施形態3)
以下、機器の交換後に、影響サービスをユーザに提示することが可能な制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0095】
本開示の実施形態3に係る制御システム1は、図1と同じ構成である。そして、実施形態3に係る制御システム1では、ユーザ端末30が、図11に示すような画面GM1、画面GM3、及び、画面GM4を表示する。
なお、画面GM1,GM3は、上述した図7と同じ画面である。
【0096】
画面GM4は、交換操作が行われ、機器登録の画面GM3にて新機器が登録された際に、影響を受けるサービスが表示される画面の一例である。例えば、旧機器を新機器に交換することで、機能、性能等の違いにより、今までのサービスの一部が使用できなくなる場合がある。この場合に、画面GM4に示すような内容をユーザ端末30に表示して、ユーザに注意を促す。
そして、画面GM4がユーザ端末30に表示された状態で、「OK」ボタンがユーザによって押下されると、ユーザ端末30は、再び画面GM1を表示する。
【0097】
以下、実施形態3に係る制御システム1の動作の一例として、図12を参照して、機器交換動作について説明する。
【0098】
図12は、機器管理システム10が実行する交換処理と、機器連携システム20が実行する変更処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図12に示す交換処理は、上述した図4で説明した実施形態1に係る交換処理に、ステップS225を追加した構成となっている。また、図12に示す変更処理は、同図4で説明した変更処理に、ステップS221~S224を追加した構成となっている。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
【0099】
図12の交換処理が開始されると、機器管理システム10は、機器の交換入力を受け付け(ステップS201)、新機器を登録し(ステップS202)、機器の情報を引き継ぐ(ステップS203)。
【0100】
機器管理システム10は、旧機器の登録を削除し(ステップS204)、交換通知を機器連携システム20へ送信する(ステップS205)。
【0101】
一方の機器連携システム20は、機器管理システム10から送られた交換通知を受信し(ステップS206)、登録サービスの対象データを検索する(ステップS207)。
【0102】
機器連携システム20は、交換後の機能をチェックする(ステップS221)。
例えば、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換された場合に、連携変更手段23は、「空調機器ZZZZ」の機能、及び、サービスにおける他の対象機器との関係性をチェックする。
【0103】
機器連携システム20は、サービスが継続可能であるか否か判別する(ステップS222)。
例えば、連携変更手段23は、上記のステップS221でのチェック結果から、「空調機器ZZZZ」を使用して、サービスが今まで通り継続できるかどうかを判別する。
【0104】
機器連携システム20は、サービスが継続できると判別した場合(ステップS222;Yes)に、連携対象機器を変更する(ステップS208)。
すなわち、サービスが継続できるため、連携変更手段23は、連携制御手段22にて保持される連携設定のうち、旧機器の情報を新機器の情報に変更する。
【0105】
一方、サービスが継続できないと判別すると(ステップS222;No)、機器連携システム20は、連携設定を削除する(ステップS223)。
すなわち、サービスが継続できないため、連携変更手段23は、連携制御手段22にて保持される連携設定のうち、旧機器の情報を削除する。
【0106】
機器連携システム20は、影響サービスを機器管理システム10に通知する(ステップS224)。
例えば、連携変更手段23は、上記のステップS223にて、旧機器の情報を削除したサービスの内容を機器管理システム10に通知する。
【0107】
機器管理システム10側に戻って、機器管理システム10は、影響サービスをユーザ端末30に表示する(ステップS225)。
例えば、機器管理システム10は、ユーザ端末30に送る画面情報を変更して、図11に示すような画面GM4をユーザ端末30に表示させることで、機器の交換によって影響を受けるサービスについて、ユーザに注意を促す。
【0108】
以上説明したように実施形態3に係る制御システム1では、機器の交換後に、影響を受けるサービスがある場合に、その影響サービスをユーザに提示することができる。
これにより、影響サービスをユーザに報知できると共に、他のサービスへの代替、又は、新たな機器を対象とした連携設定の登録といった対応をユーザに促すことができる。
【0109】
上記の実施形態3では、影響サービスを機器の交換後にユーザへ提示する場合について説明したが、機器の交換前に影響サービスを提示するようにしてもよい。
【0110】
(実施形態4)
以下、機器の交換前に、影響サービスをユーザに提示することが可能な制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0111】
本開示の実施形態4に係る制御システム1は、図1と同じ構成である。そして、実施形態4に係る制御システム1では、ユーザ端末30が、図13に示すような画面GM1、画面GM3、及び、画面GM5を表示する。
なお、画面GM1,GM3は、上述した図7と同じ画面である。
【0112】
画面GM5は、機器交換動作の途中で、影響サービスが表示される画面の一例である。例えば、このまま旧機器を新機器に交換することによって、今までのサービスの一部が使用できなくなる場合に、画面GM5に示すような内容をユーザ端末30に表示して、ユーザに注意を促す。
そして、画面GM5がユーザ端末30に表示された状態で、「OK」ボタンがユーザによって押下されると、機器交換動作が継続し、ユーザ端末30には画面GM1が再び表示される。
一方、画面GM5がユーザ端末30に表示された状態で、「戻る」ボタンがユーザによって押下されると、機器交換動作がキャンセルされる。
【0113】
以下、実施形態4に係る制御システム1の動作の一例として、図14を参照して、機器交換動作について説明する。
【0114】
図14は、機器管理システム10が実行する交換処理と、機器連携システム20が実行する変更前処理、及び、変更処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図14に示す交換処理は、上述した図4で説明した実施形態1に係る交換処理に、ステップS231,S236,S237を追加した構成となっている。また、図14に示す変更処理は、上述した図12で説明した実施形態3に係る変更処理から、ステップS224を削除した構成となっている。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
なお、図14に示す交換前処理は、新たな処理であり、機器管理システム10から交換予告通知が送られた際に、機器連携システム20にて開始される。
【0115】
図14の交換処理が開始されると、機器管理システム10は、機器の交換入力を受け付け(ステップS201)、新機器を登録する(ステップS202)。
【0116】
機器管理システム10は、交換予告通知を機器連携システム20へ送信する(ステップS231)。
例えば、旧機器の「空調機器XXXX」から新機器の「空調機器ZZZZ」に交換される予定である場合に、機器交換手段13は、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されることを予告する交換予告通知を、機器連携システム20に送信する。
【0117】
一方の機器連携システム20は、機器管理システム10から送られた交換予告通知を受信する(ステップS232)。
例えば、連携変更手段23は、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されることを予告する交換予告通知を、機器管理システム10から受信する。
【0118】
機器連携システム20は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS233)。
例えば、連携変更手段23は、上述した図2(a)に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されることを予告する交換予告通知が受信された場合に、連携変更手段23は、図2(b)に示すサービステーブルから、「サービスXXXX」の対象機器1が「空調機器XXXX」であり、また、「サービスYYYY」のトリガ機器が「空調機器XXXX」であることを示すデータを検索する。
【0119】
機器連携システム20は、交換後の機能をチェックする(ステップS234)。
例えば、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換される予定である場合に、連携変更手段23は、「空調機器ZZZZ」の機能、及び、サービスの他の対象機器との関係性を事前にチェックする。
【0120】
機器連携システム20は、影響サービスを機器管理システム10に通知する(ステップS235)。
例えば、連携変更手段23は、上記のステップS234でのチェック結果から、「空調機器XXXX」が「空調機器ZZZZ」に交換されることで、影響を受けるサービスがあることを機器管理システム10に通知する。
なお、影響を受けるサービスがない場合に、連携変更手段23は、影響サービスがない旨を機器管理システム10に通知する。
【0121】
機器管理システム10側に戻って、機器管理システム10は、影響サービスをユーザ端末30に表示する(ステップS236)。
例えば、機器管理システム10は、ユーザ端末30に送る画面情報を変更して、図13に示すような画面GM5をユーザ端末30に表示させることで、このまま機器の交換を進めるとサービスに影響があることについて、ユーザに注意を促す。
【0122】
機器管理システム10は、ユーザから承認があったか否かを判別する(ステップS237)。
例えば、図13に示すような画面GM5がユーザ端末30に表示された状態で、「OK」ボタンが押下された場合に、機器管理システム10は、ユーザから承認があったと判別する。逆に、画面GM5の「戻る」ボタンが押下された場合に、機器管理システム10は、ユーザから承認が得られなかったと判別する。
【0123】
機器管理システム10は、ユーザから承認が得られなかったと判別した場合(ステップS237;No)に、そのまま交換処理を終える。なお、ステップS202にて登録した新機器の情報を機器管理システム10から削除した後に、交換処理を終えるようにしてもよい。
【0124】
一方、ユーザから承認があったと判別すると(ステップS237;Yes)、機器管理システム10は、機器の情報を引き継ぎ(ステップS203)、旧機器の登録を削除し(ステップS204)、交換通知を機器連携システム20へ送信する(ステップS205)。
【0125】
一方の機器連携システム20は、機器管理システム10から送られた交換通知を受信し(ステップS206)、登録サービスの対象データを検索する(ステップS207)。
【0126】
機器連携システム20は、交換後の機能をチェックし(ステップS221)、サービスが継続できるか否か判別する(ステップS222)。
【0127】
機器連携システム20は、サービスが継続できると判別した場合(ステップS222;Yes)に、連携対象機器を変更する(ステップS208)。一方、サービスが継続できないと判別すると(ステップS222;No)、機器連携システム20は、連携設定を削除する(ステップS223)。
【0128】
以上説明したように実施形態4に係る制御システム1では、機器の交換前に、影響を受けるサービスがある場合に、その影響サービスをユーザに提示することができる。
これにより、影響を受けるサービスをユーザが事前に把握できるため、例えば、一旦機器の交換を中止し、他のサービスへの代替、又は、新たな機器を対象とした連携設定の登録等を検討した後に、機器の交換を行うかどうかを決定することができる。
例えば、機器の交換前に、ある機器を連携動作させることができなくなってしまうことが影響サービスによって提示された場合に、ユーザは、時間設定に従って、その機器を稼働させるようにすることで、同じような動作の実現を検討することができる。
【0129】
上記の実施形態3,4では、機器を交換する前後に、影響サービスをユーザへ提示する場合について説明したが、機器を無効化した後に、影響サービスをユーザへ提示するようにしてもよい。
【0130】
(実施形態5)
以下、機器を無効化した後に、影響サービスをユーザに提示することが可能な制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0131】
本開示の実施形態5に係る制御システム2は、図5と同じ構成である。そして、実施形態5に係る制御システム2では、ユーザ端末30が、図15に示すような画面GM1、画面GM2、画面GM3、及び、画面GM6を表示する。
なお、画面GM1~GM3は、上述した図7と同じ画面である。
【0132】
画面GM6は、交換準備操作が行われた後に、無効化によって影響を受けるサービスが表示される画面の一例である。例えば、交換準備期間にサービスの一部が使用できなくなる場合に、画面GM6に示すような内容をユーザ端末30に表示して、ユーザに注意を促す。
【0133】
以下、実施形態5に係る制御システム2の動作の一例として、図16を参照して、交換準備動作について説明する。
【0134】
図16は、機器管理システム60が実行する無効受付処理と、機器連携システム70が実行する無効化処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図16に示す無効化受付処理は、上述した図8で説明した実施形態2に係る無効化受付処理に、ステップS312を追加した構成となっている。また、図16に示す無効化処理は、同図8で説明した無効化処理に、ステップS311を追加した構成となっている。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
【0135】
図16の無効受付処理が開始されると、機器管理システム60は、機器の無効入力を受け付け(ステップS301)、機器の無効化を表示し(ステップS302)、無効化通知を機器連携システム70へ送信する(ステップS303)。
【0136】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた無効化通知を受信し(ステップS304)、登録サービスの対象データを検索し(ステップS305)、サービスを無効に設定する(ステップS306)。
【0137】
機器連携システム70は、影響サービスを機器管理システム60に通知する(ステップS311)。
例えば、連携無効化手段72は、上記のステップS306にて無効に設定したサービスの内容を機器管理システム60に通知する。
【0138】
機器管理システム60側に戻って、機器管理システム60は、影響サービスをユーザ端末30に表示する(ステップS312)。
例えば、機器管理システム60は、ユーザ端末30に送る画面情報を変更して、図15に示すような画面GM6をユーザ端末30に表示させることで、機器の無効化に伴い影響を受けるサービスがあることについて、ユーザに注意を促す。
【0139】
以上説明したように実施形態5に係る制御システム2では、機器の無効化後に、影響を受けるサービスがある場合に、その影響サービスをユーザに提示することができる。
これにより、機器を無効化に伴って、連携動作が停止されたサービスをユーザに報知することができる。
【0140】
上記の実施形態5では、影響サービスを機器の無効化後にユーザへ提示する場合について説明したが、機器の無効化前に影響サービスを提示するようにしてもよい。
【0141】
(実施形態6)
以下、機器を無効化する前に、影響サービスをユーザに提示することが可能な制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0142】
本開示の実施形態6に係る制御システム2は、図5と同じ構成である。そして、実施形態6に係る制御システム1では、ユーザ端末30が、図17に示すような画面GM1、画面GM2、画面GM3、及び、画面GM7を表示する。
なお、画面GM1~GM3は、上述した図7と同じ画面である。
【0143】
図17に示す画面GM7は、交換準備動作の途中で、影響サービスが表示される画面の一例である。例えば、このまま機器の交換準備動作を進めることで、サービスの一部が使用できなくなる場合に、画面GM7に示すような内容をユーザ端末30に表示して、ユーザに注意を促す。
そして、画面GM7がユーザ端末30に表示された状態で、「OK」ボタンがユーザによって押下されると、交換準備動作が継続し、ユーザ端末30には、機器の無効化を表示する画面GM2が表示される。
一方、画面GM7がユーザ端末30に表示された状態で、「戻る」ボタンがユーザによって押下されると、交換準備動作がキャンセルされる。
【0144】
以下、実施形態6に係る制御システム2の動作の一例として、図18を参照して、交換準備動作について説明する。
【0145】
図18は、機器管理システム60が実行する無効受付処理と、機器連携システム70が実行する無効化前処理、及び、無効化処理との一例を示すフローチャートである。
なお、図18に示す交換処理は、上述した図8で説明した実施形態2に係る無効受付処理から、ステップS302を削除すると共に、ステップS321,S325,S326を追加した構成となっている。また、図18の無効化処理は、同図8で説明した無効化処理と同じである。
そのため、説明済みの処理内容については、以下、簡略化して説明する。
なお、図18に示す無効化前処理は、新たな処理であり、機器管理システム60から無効化予告通知が送られた際に、機器連携システム70にて開始される。
【0146】
図18の無効受付処理が開始されると、機器管理システム60は、機器の無効入力を受け付ける(ステップS301)。
【0147】
機器管理システム60は、無効化予告通知を機器連携システム70へ送信する(ステップS321)。
例えば、「空調機器XXXX」を選択した交換準備操作が行われている場合に、機器無効化手段61は、「空調機器XXXX」が無効化されることを予告する無効化予告通知を、機器連携システム70に送信する。
【0148】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた無効化予告通知を受信する(ステップS322)。
例えば、連携無効化手段72は、「空調機器XXXX」が無効化されることを予告する無効化予告通知を、機器管理システム60から受信する。
【0149】
機器連携システム70は、登録サービスの対象データを検索する(ステップS323)。
例えば、連携無効化手段72は、上述した図6に示すユーザ・サービステーブル、及び、図2(b)に示すサービステーブルから、対象データを検索する。具体例として、「空調機器XXXX」が無効化されることを予告する無効化予告通知が受信された場合に、連携無効化手段72は、図2(b)に示すサービステーブルから、「サービスXXXX」の対象機器1が「空調機器XXXX」であり、また、「サービスYYYY」のトリガ機器が「空調機器XXXX」であることを契機として、図6に示すユーザ・サービステーブルから、「サービスXXXX」、「サービスYYYY」の有効・無効の項目が共に「有効」であることを示すデータを検索する。
【0150】
機器連携システム70は、影響サービスを機器管理システム60に通知する(ステップS324)。
すなわち、連携無効化手段72は、機器の無効化に伴って、無効化されるサービスの内容を、機器管理システム60に通知する。例えば、連携無効化手段72は、上記のステップS323にて、「サービスXXXX」、「サービスYYYY」の有効・無効の項目が共に「有効」であることを示すデータが検索されている場合に、これらのサービスが無効化されるとこを、機器管理システム60に通知する。
【0151】
機器管理システム60側に戻って、機器管理システム60は、影響サービスをユーザ端末30に表示する(ステップS325)。
例えば、機器管理システム60は、ユーザ端末30に送る画面情報を変更して、図17に示すような画面GM7をユーザ端末30に表示させることで、このまま交換準備動作を続けることで、影響を受けるサービスがあることについて、ユーザに注意を促す。
【0152】
機器管理システム60は、ユーザから承認があったか否かを判別する(ステップS336)。
例えば、図17に示すような画面GM7がユーザ端末30に表示された状態で、「OK」ボタンが押下された場合に、機器管理システム60は、ユーザから承認があったと判別する。逆に、画面GM7の「戻る」ボタンが押下された場合に、機器管理システム60は、ユーザから承認が得られなかったと判別する。
【0153】
機器管理システム60は、ユーザから承認が得られなかったと判別した場合(ステップS326;No)に、そのまま無効受付処理を終える。この場合、以下に説明する無効化通知が機器連携システム70へ送られないため、無効化処理が行われずに、交換準備動作がキャンセルされることになる。
【0154】
一方、ユーザから承認があったと判別すると(ステップS326;Yes)、機器管理システム60は、無効化通知を機器連携システム70へ送信する(ステップS303)。
【0155】
一方の機器連携システム70は、機器管理システム60から送られた無効化通知を受信し(ステップS304)、登録サービスの対象データを検索し(ステップS305)、サービスを無効に設定する(ステップS306)。
【0156】
以上説明したように実施形態6に係る制御システム2では、機器の無効化前に、影響を受けるサービスがある場合に、その影響サービスをユーザに提示することができる。
これにより、機器を無効化する前に、連携動作が停止されるサービスをユーザに報知することができる。
【0157】
(他の実施形態)
以上、本開示の実施形態1~6を説明したが、本開示を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0158】
上記実施形態1~6では、理解を容易にするために、1つの機器管理システム10,60と、1つの機器連携システム20,70とを含む1つの制御システム1,2を一例として、説明したが、機器管理システム10,60、及び、機器連携システム20,70の何れかが複数であったり、機器管理システム10,60が、複数の制御システム1,2から共有されるような場合でも、適宜適用可能である。
【0159】
例えば、図19に示すような機器管理システム10b,60bが、制御システム1a,2aと、制御システム1b,2bとで共有される場合であっても、空調機器40a,40bを交換する際に、機器連携システム20a,70a、及び、機器連携システム20b,70bの両方の連携設定を適宜変更することができる。
【0160】
また、上記実施形態1~6では、機器管理システム10,60と、機器連携システム20,70とを協働させて、機器連携を実現する場合について説明したが、1つのシステムで機器管理の機能と、機器連携の機能とが分かれている場合であっても適用可能である。
【0161】
また、上記実施形態1~6において、機器管理システム10,60、及び、機器連携システム20,70の各機能が、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROM、又は、補助記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される場合について説明した。しかし、これらの各機能が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。
【0162】
また、上記実施形態1~6に係る機器管理システム10,60、及び、機器連携システム20,70の動作を規定するプログラムを、既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ又は情報端末装置を、実施形態1~6に係る機器管理システム10,60、及び、機器連携システム20,70として機能させることも可能である。
【0163】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットのような通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0164】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【0165】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0166】
(付記1)
複数の機器を管理する機器管理システムと、前記複数の機器を連携させる機器連携システムとが通信可能に接続された制御システムであって、
前記機器管理システムは、
機器交換の内容を示す交換通知を、前記機器連携システムに送る機器交換手段を備え、
前記機器連携システムは、
機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、前記連携設定に基づいて、前記連携対象機器に対する連携指令を、前記機器管理システムに送る連携制御手段と、
前記機器交換手段から送られた前記交換通知に従って、前記連携制御手段に保持される前記連携設定に含まれる前記連携対象機器を変更する連携変更手段と、を備える、
制御システム。
(付記2)
前記機器管理システムは、
前記機器交換の前に、交換対象機器を無効化する無効化通知を、前記機器連携システムに送る機器無効化手段を更に備え、
前記機器連携システムは、
前記機器無効化手段から送られた前記無効化通知に従って、前記連携制御手段に保持される前記連携設定のうち、前記交換対象機器と一致する前記連携対象機器を含む前記連携設定を無効化する連携無効化手段を更に備える、
付記1に記載の制御システム。
(付記3)
前記機器連携システムにおいて、
前記連携無効化手段は、前記連携設定に含まれる前記連携対象機器であって、前記連携対象機器と一致する前記連携対象機器が前記連携変更手段によって変更された場合に、該当する前記連携設定の無効化を解除する、
付記2に記載の制御システム。
(付記4)
前記機器管理システムは、
前記機器交換の前、及び、前記機器交換の後の何れかに、交換に伴って影響を受ける前記機器連携についての情報をユーザに提示する、
付記1又は2に記載の制御システム。
(付記5)
前記機器管理システムは、
前記交換対象機器を無効化の前、及び、前記交換対象機器を無効化の後の何れかに、無効化に伴って影響を受ける前記機器連携についての情報をユーザに提示する、
付記2又は3に記載の制御システム。
(付記6)
複数の機器を管理する機器管理システムと、前記複数の機器を連携させる機器連携システムとが通信可能に接続された制御システムにおける設定変更方法であって、
機器交換の内容を示す交換通知を、前記機器連携システムに送る機器交換ステップと、
機器連携の対象となる連携対象機器を含む連携設定を保持し、前記連携設定に基づいて、前記連携対象機器に対する連携指令を、前記機器管理システムに送る連携制御ステップと、
前記機器交換ステップから送られた前記交換通知に従って、前記連携制御ステップにて保持される前記連携設定に含まれる前記連携対象機器を変更する連携変更ステップと、
を備える設定変更方法。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本開示は、複数のシステムを利用して、機器連携を実現している状況であっても、機器を交換する際におけるユーザの操作負担を軽減することのできる制御システム、及び、設定反映方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0168】
1,2 制御システム、10,60 機器管理システム、11 機器操作手段、12 機器管理手段、13 機器交換手段、20,70 機器連携システム、21 設定登録手段、22,71 連携制御手段、23 連携変更手段、30 ユーザ端末、40 空調機器、50 換気機器、61 機器無効化手段、72 連携無効化手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19