(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163468
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】光デバイス、光送信装置及び光受信装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/122 20060101AFI20241115BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20241115BHJP
G02B 6/126 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G02B6/122 311
G02B6/42
G02B6/126
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079087
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 徹
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AB05
2H137AB06
2H137BA52
2H137BA53
2H137BB02
2H137BB12
2H137DA39
2H147AB21
2H147AB29
2H147BA02
2H147BA05
2H147BE15
2H147EA12A
2H147EA13A
2H147EA14B
2H147EA25B
(57)【要約】
【課題】チャネル導波路とリブ導波路との間で不要モードへの遷移を抑制できる導波路変換を実現できる光デバイス等を提供する。
【解決手段】光デバイスは、第1のチャネル導波路と、第2のチャネル導波路と、スラブ発生部と、スラブ発生部と接続するリブ導波路と、を有する。第2のチャネル導波路は、第1のチャネル導波路と接続する第1の接続部と、スラブ発生部と接続する第2の接続部と、を有し、第1の接続部に比較して第2の接続部の第2のチャネル導波路の幅を広くする。スラブ発生部のスラブ領域は、リブ導波路と接続する第3の接続部を有し、第2のチャネル導波路の第2の接続部から第3の接続部に向けてスラブ領域の幅を広くする。第1の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TM0、TE1の順に大きく、第2の接続部及び第3の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された下部クラッドと、前記下部クラッド上に形成されたコアと、前記コアを覆う上部クラッドとを有する光デバイスであって、
前記光デバイスは、
第1のチャネル導波路と、
前記第1のチャネル導波路と接続する第2のチャネル導波路と、
前記第2のチャネル導波路と接続するスラブ発生部と、
前記スラブ発生部と接続するリブ導波路と、を有し、
前記第2のチャネル導波路は、
前記第1のチャネル導波路と接続する第1の接続部と、前記スラブ発生部と接続する第2の接続部と、を有し、前記第1の接続部に比較して前記第2の接続部の前記第2のチャネル導波路の幅を広くし、
前記スラブ発生部のスラブ領域は、
前記リブ導波路と接続する第3の接続部を有し、前記第2のチャネル導波路の前記第2の接続部から前記第3の接続部に向けて前記スラブ領域の幅を広くし、
前記第1の接続部における導波モードの実効屈折率がTE(Transverse Electric)0、TM(Transverse Magnetic)0、TE1の順に大きく、
前記第2の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きく、
前記第3の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きいことを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記上部クラッド及び前記下部クラッドの材料屈折率がほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記リブ導波路は、
前記TE1を除去する除去構造を含む導波路であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記除去構造は、
光の進行方向に垂直な方向に並列に配置された2本のリブ導波路で構成することを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記除去構造は、
曲げ状のリブ導波路で構成することを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記コアは、
シリコンを含む材料で構成し、
前記上部クラッド及び前記下部クラッドは、
SiO2を含む材料で構成することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記第1のチャネル導波路、前記第2のチャネル導波路、前記スラブ発生部及び前記リブ導波路のコアの厚みは、同一であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項8】
電気信号に対する信号処理を実行するプロセッサと、
光を発生させる光源と、
前記プロセッサから出力される電気信号を用いて、前記光源から発生する光を変調する光送信器と、を有する光送信装置であって、
前記光送信器内の光デバイスは、
基板上に形成された下部クラッドと、前記下部クラッド上に形成されたコアと、前記コアを覆う上部クラッドとを有し、
前記光デバイスは、
第1のチャネル導波路と、
前記第1のチャネル導波路と接続する第2のチャネル導波路と、
前記第2のチャネル導波路と接続するスラブ発生部と、
前記スラブ発生部と接続するリブ導波路と、を有し、
前記第2のチャネル導波路は、
前記第1のチャネル導波路と接続する第1の接続部と、前記スラブ発生部と接続する第2の接続部と、を有し、前記第1の接続部に比較して前記第2の接続部の前記第2のチャネル導波路の幅を広くし、
前記スラブ発生部のスラブ領域は、
前記リブ導波路と接続する第3の接続部を有し、前記第2のチャネル導波路の前記第2の接続部から前記第3の接続部に向けて前記スラブ領域の幅を広くし、
前記第1の接続部における導波モードの実効屈折率がTE(Transverse Electric)0、TM(Transverse Magnetic)0、TE1の順に大きく、
前記第2の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きく、
前記第3の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きいことを特徴とする光送信装置。
【請求項9】
光を発生させる光源と、
前記光源からの光を用いて受信光を復調する光受信器と、を有する光受信装置であって、
前記光受信器内の光デバイスは、
基板上に形成された下部クラッドと、前記下部クラッド上に形成されたコアと、前記コアを覆う上部クラッドとを有し、
前記光デバイスは、
第1のチャネル導波路と、
前記第1のチャネル導波路と接続する第2のチャネル導波路と、
前記第2のチャネル導波路と接続するスラブ発生部と、
前記スラブ発生部と接続するリブ導波路と、を有し、
前記第2のチャネル導波路は、
前記第1のチャネル導波路と接続する第1の接続部と、前記スラブ発生部と接続する第2の接続部と、を有し、前記第1の接続部に比較して前記第2の接続部の前記第2のチャネル導波路の幅を広くし、
前記スラブ発生部のスラブ領域は、
前記リブ導波路と接続する第3の接続部を有し、前記第2のチャネル導波路の前記第2の接続部から前記第3の接続部に向けて前記スラブ領域の幅を広くし、
前記第1の接続部における導波モードの実効屈折率がTE(Transverse Electric)0、TM(Transverse Magnetic)0、TE1の順に大きく、
前記第2の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きく、
前記第3の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きいことを特徴とする光受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス、光送信装置及び光受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、コヒーレント光通信技術を使用することで、光ファイバ通信網での高速大容量の通信を実現している。コヒーレント光通信用の光トランシーバ内に使用する光デバイスは小型であることが好ましい。そこで、光デバイスは、例えば、SOI(Silicon-On-Insulator)ウェハの基板と、基板上に形成されたBOX(Buried Oxide)層であるSiO2の下部クラッドと、下部クラッド上に形成されたSiの任意形状のコアと、を有する。更に、光デバイスは、下部クラッド及びコア上に積層されたSiO2の上部クラッドを有する。このようなシリコンフォトニクス技術を使用して基板型光導波路等の光デバイスを形成している。
【0003】
基板型光導波路では、例えば、チャネル導波路と、リブ導波路との2種類の導波路が利用されることが一般的である。チャネル導波路は、導波路幅方向に大きな屈折率差を有するので、導波路を急峻に曲げて光デバイスの小型化が可能となる。一方、リブ導波路は、コアの側壁荒れによる伝搬損を小さくできるので、長い引き回しにはロスの観点で有利となる。従って、光デバイスでは、チャネル導波路とリブ導波路との導波路構造を適宜変えて最適設計を行うことができる。そこで、リブ導波路とチャネル導波路とを接続する際にリブ導波路とチャネル導波路とを変換する導波路変換構造がある(例えば、非特許文献1)。
【0004】
図10は、従来の導波路変換構造の一例を示す模式図である。
図10に示す導波路変換構造100では、チャネル導波路110と、リブ導波路130と、チャネル導波路110とリブ導波路130との間に接続された変換部120とを有する。変換部120は、変換部120内のチャネル型のコア120Cと、チャネル導波路110からリブ導波路130に向けてコア120Cの両側から徐々に広がるテーパ状のスラブ120Dと、を有する。変換部120は、光の進行方向に沿ってチャネル導波路110からリブ導波路130へと連続的な構造になっているため、非常に低損失の導波路変換が可能となる。
【0005】
一般的にチャネル導波路110は、導波モードとして高次モードが導波しにくいことで知られている。また、チャネル導波路110では、曲げ導波路として使用されることが多く、曲げ部で高次モードが信号伝搬で使用する低次モードにモード変換し、モード変換後の低次モードが信号伝搬に使用する低次モードと干渉することも知られている。
【0006】
導波モードには、基板に水平方向の電界が主成分のTE(Transverse Electric)モードと、垂直方向の電界が主成分のTM(Transverse Magnetic)モードとがある。更に、TEモード及びTMモードには、それぞれTEi、TMi(i=0,1,2..)等の導波モードがある。ここでTEi、TMiは、それぞれTEモード、TMモードのうち実効屈折率Neffが(i+1)番目に大きな導波モードとする。特に、TE0とTM0は基本モードと呼ばれる。
【0007】
導波モードの個数は、導波路断面のサイズが大きくなるに連れて増えることになる。
図11は、チャネル導波路110の一例を示す断面模式図である。チャネル導波路110は、図示せぬ基板上に形成されたSiO
2の下部クラッド140Aと、下部クラッド140Aに形成されたSiのコア110Aと、下部クラッド140A及びコア110A上に積層されたSiO
2の上部クラッド140Bとを有する。尚、チャネル導波路110を導波する光の波長は1.55um、チャネル導波路110のコア110Aの幅であるコア幅をw(nm)、チャネル導波路110のコア110Aの厚みを0.22umとする。
図12は、コア幅wと、実効屈折率Neffとの対応関係の一例を示す説明図である。尚、実効屈折率は、有限要素法を使用して計算する。
図12を参照すると、コア幅w=400nmでは、チャネル導波路110内のコア110AをTE0及びTM0のみが導波モードとして導波する。また、コア幅wが460nmを超えた、例えば、コア幅w=500nmでは、TE0及びTM0の他に、TE1が導波することが分かる。
【0008】
一般的に、光トランシーバの信号伝搬には、最も光閉じ込めの強いTE0の導波モードを採用している。コア幅w<0.46umの場合、TE1を導波しないため、シングルモード動作を実現できる。しかしながら、コア幅wが狭くなると、チャネル導波路110の側壁荒れによる伝搬損失が大きくなる。従って、一般的に、チャネル導波路110は、TE1が導波する程度のコア幅を採用しているものの、TE1を導波しづらくする方が好ましい。しかしながら、実効屈折率Neffが小さいほど、コアへの光閉じ込めが弱くなるので、一般的には、TE1はTM0に比較して実効屈折率が低くなる領域で発生することが望ましい。従って、チャネル導波路110のコア幅wは、例えば、0.46um<w<0.66umの範囲で使用されることが望ましい。
【0009】
チャネル導波路110では、TE1を導波してしまうが、TE1がTE0にモード変換された場合、モード変換後のTE0が信号伝播で使用するTE0と干渉し、光パワーの変動が生じて光通信の品質の観点から好ましくない。そこで、チャネル導波路110から出力されるTE1を除去する構造として方向性結合器がある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
方向性結合器は、2本の導波路で構成し、光のコアからの浸み出し(エバネッセント波)を利用して、一方の導波路から、隣接する他方の導波路へ光を遷移させるものであるが、光の浸み出しが大きいほど効果が大きくなる。効果が大きいと除去するのに必要なデバイスのサイズも小さくできる。
【0011】
従って、チャネル導波路110に比較してリブ導波路130の方がスラブ130Bへの光の浸み出しが大きくなるため、リブ導波路130による方向性結合器の方が特性を改善できる。そのため、チャネル導波路110を導波する不要なTE1は、チャネル導波路110からリブ導波路130へ変換した後の方向性結合器で除去する方が全体サイズの小型化の観点から好ましい。
【0012】
しかしながら、チャネル導波路110からリブ導波路130へ変換する際にTE1とTM0との実効屈折率の大小関係が逆転した場合、リブ導波路130は導波路断面の屈折率分布が非対称な構造であるため、TE1からTM0へのモード変換が発生してしまう(非特許文献1参照)。従って、チャネル導波路110のTE1は、リブ導波路130でTM0等の他のモードにモード変換する可能性があるため、光パワーの変動が生じて光通信品質が低下してしまう。
【0013】
そこで、
図13は、導波路変換構造100の一例を示す平面模式図である。
図13に示す導波路変換構造100は、チャネル導波路110と、リブ導波路130と、チャネル導波路110とリブ導波路130との間を接続する変換部120と、を有する。変換部120は、チャネル導波路110と接続する第1の接続部120Aと、リブ導波路130と接続する第2の接続部120Bと、第1の接続部120Aと第2の接続部120Bとの間を接続するチャネル型のコア120Cと、を有する。更に、変換部120は、第1の接続部120Aから第2の接続部120Bに向けてコア120Cの両側から徐々に広がるテーパ状のスラブ120Dと、を有する。変換部120は、第1の接続部120Aと、第2の接続部120Bと、コア120Cと、テーパ状のスラブ120Dと、を有するスラブ発生部である。変換部120は、光の進行方向に沿ってチャネル導波路110からリブ導波路130へと連続的な構造となっているため、非常に低損失の導波路変換が可能となる。
【0014】
図14は、
図13に示すA-A線断面の一例を示す断面模式図である。
図14に示す断面部分はチャネル導波路110である。チャネル導波路110は、図示せぬ基板上に積層された下部クラッド140Aと、下部クラッド140A上に形成されたコア110Aと、下部クラッド140A及びコア110A上に積層された上部クラッド140Bとを有する。チャネル導波路110のコア110Aのコア幅は0.5um、チャネル導波路110のコア110Aの厚さは0.22umとする。
【0015】
図15は、
図13に示すB-B線断面の一例を示す断面模式図である。
図15に示す断面部分はリブ導波路130である。リブ導波路130は、図示せぬ基板上に積層された下部クラッド140Aと、下部クラッド140A上に形成されたコア130A及びスラブ130Bと、下部クラッド140A及びコア130A上に積層された上部クラッド140Bとを有する。リブ導波路130のコア130Aのコア幅は0.5um、スラブ幅は3um、コア130Aの厚さは0.22umとする。
【0016】
変換部(スラブ発生部)120の長さは30um、変換部120の厚さは0.22umとする。導波路変換構造100を導波する光の波長は1.55umとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2014-041253号公報
【特許文献2】特表2006-517673号公報
【特許文献3】国際公開第2014/196103号
【特許文献4】米国特許出願公開第2016/0246005号明細書
【特許文献5】特開2016-188956号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】D. Dai, Y. Tang, and J. E. Bowers, “Mode conversion in tapered submicron silicon ridge optical waveguides,” Opt. Express 20(12), 13425-13439 (2012).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図13に示す導波路変換構造100では、変換後のリブ導波路130の断面の導波モードの実効屈折率Neffを計算した場合、TE0が2.586、TE1が2.191、TM0が2.1以下となる。これに対して、
図12に示すコア幅w=500nmの結果を参照すると、チャネル導波路110では、TE1の実効屈折率に比較してTM0の実効屈折率の方が大きい。つまり、変換後のリブ導波路130では、TM0の実効屈折率に比較してTE1の実効屈折率の方が大きくなる。
【0020】
導波路変換構造100のチャネル導波路110の断面の屈折率分布が上下対称の場合は、TE1はTE1として、TM0はTM0として出力される。これに対して、導波路変換構造100のリブ導波路130の断面の屈折率分布が上下非対称の場合は、光の進行方向に沿って導波路が連続的にモード変換してTE1とTM0とが相互作用して、例えば、TE1がTM0、TM0がTE1にモード変換されてしまう。
【0021】
導波路変換構造100では、チャネル導波路110側に入力されたTE1の透過率を有限差分時間領域法(FDTD)で計算した。尚、透過率は、チャネル導波路110に入力されるTE1の光強度に対するリブ導波路130に出力されるTE1の光強度の比を表すことができる。計算した結果、TE1の透過率は、導波する光の波長が1.55umの場合、-10.07dBとなる。TE1が失ったエネルギは他のモードに遷移するため、リブ導波路130でTE1の除去を意図した構造を配置したとしても、TE1の透過率は、-10.07dB分の割合にしか効果を持たない。
【0022】
TE1から別のモードに遷移したエネルギは、再度、リブ導波路130からチャネル導波路110に戻す際に逆動作するため、最大で-10.07dBの透過率でリブ導波路130をすり抜けてしまい、除去効果が限定される。従って、TE1を除去する観点で、チャネル導波路110とリブ導波路130との導波路変換構造100では、TE1が他のモードに変換されるのは好ましくない。つまり、チャネル導波路とリブ導波路との間で不要モードへの遷移を抑制できる導波路変換を実現する導波路変換構造が求められているのが実情である。
【0023】
一つの側面では、チャネル導波路とリブ導波路との間で不要モードへの遷移を抑制できる導波路変換を実現できる光デバイス等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
一つの態様の光デバイスは、基板上に形成された下部クラッドと、前記下部クラッド上に形成されたコアと、前記コアを覆う上部クラッドとを有する。前記光デバイスは、第1のチャネル導波路と、前記第1のチャネル導波路と接続する第2のチャネル導波路と、前記第2のチャネル導波路と接続するスラブ発生部と、前記スラブ発生部と接続するリブ導波路と、を有する。前記第2のチャネル導波路は、前記第1のチャネル導波路と接続する第1の接続部と、前記スラブ発生部と接続する第2の接続部と、を有し、前記第1の接続部に比較して前記第2の接続部の前記第2のチャネル導波路の幅を広くする。前記スラブ発生部のスラブ領域は、前記リブ導波路と接続する第3の接続部を有し、前記第2のチャネル導波路の前記第2の接続部から前記第3の接続部に向けて前記スラブ領域の幅を広くする。前記第1の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TM0、TE1の順に大きくする。前記第2の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きくする。前記第3の接続部における導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きくする。
【発明の効果】
【0025】
一つの側面によれば、チャネル導波路とリブ導波路との間で不要モードへの遷移を抑制できる導波路変換を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本実施例の光デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すA-A線断面の一例を示す断面模式図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すB-B線断面の一例を示す断面模式図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すC-C線断面の一例を示す断面模式図である。
【
図5】
図5は、光デバイス内の各部位の導波モードの遷移の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、台形形状の第1のチャネル導波路(第2のチャネル導波路)の一例を示す断面模式図である。
【
図7】
図7は、変換部の一例を示す平面模式図である。
【
図8A】
図8Aは、実施例2の光デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図8B】
図8Bは、実施例2の光デバイスの一例を示す平面模式図である。
【
図9】
図9は、光デバイスを採用した光トランシーバの一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、従来の導波路変換構造の一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、チャネル導波路の一例を示す断面模式図である。
【
図12】
図12は、コア幅と実効屈折率との対応関係の一例を示す説明図である。
【
図13】
図13は、導波路変換構造の一例を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本願の開示する光デバイス等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0028】
図1は、実施例1の光デバイス1の一例を示す平面模式図である。
図1に示す光デバイス1は、第1のチャネル導波路2とリブ導波路4との間を接続する接続変換構造である。光デバイス1は、第1のチャネル導波路2と、リブ導波路4と、第1のチャネル導波路2とリブ導波路4との間を接続する変換部3とを有する。変換部3は、第1のチャネル導波路2と接続する第2のチャネル導波路11と、第2のチャネル導波路11と接続すると共に、リブ導波路4と接続するスラブ発生部12とを有する。
【0029】
第2のチャネル導波路11は、第1のチャネル導波路2と接続する第1の接続部11Aと、スラブ発生部12と接続する第2の接続部11Bと、を有する。第2のチャネル導波路11は、第1の接続部11Aと第2の接続部11Bとの間を第1の接続部11Aから第2の接続部11Bに向けて徐々に広がるチャネル型のコア11Cを有する。スラブ発生部12は、第2のチャネル導波路11と接続する第3の接続部12Aと、リブ導波路4と接続する第4の接続部12Bと、を有する。スラブ発生部12は、第3の接続部12Aと第4の接続部12Bとの間を接続するチャネル型のコア12Cと、第2のチャネル導波路11からリブ導波路4に向けてコア12Cの両側から徐々に広がるテーパ状のスラブ12Dと、を有する。
【0030】
図2は、
図1に示すA-A線断面の一例を示す断面模式図である。
図2に示す断面部分は、第1の接続部11Aの断面部分である。第1の接続部11Aは、図示せぬ基板と、基板上に積層されたSiO
2の下部クラッド21Aと、下部クラッド21A上に形成されたチャネル型のコア11Cと、下部クラッド21A及びコア11Cを覆うSiO
2の上部クラッド21Bとを有する。
図2に示すコア11Cは、第1のチャネル導波路2のコア2Aと接続し、コア11Cのコア幅とコア2Aのコア幅とが同一である。コア11Cのコア幅は、例えば、0.5umである。尚、説明の便宜上、コア2A及びコア11Cは、光の進行方向に対して垂直となる断面形状が、例えば、上下対称の矩形形状とする。
【0031】
図3は、
図1に示すB-B線断面の一例を示す断面模式図である。
図3に示す断面部分は、第2の接続部11B及び第3の接続部12Aの断面部分である。
図3に示す第2の接続部11Bは、図示せぬ基板と、基板上に積層された下部クラッド21Aと、下部クラッド21A上に形成されたチャネル型のコア11Cと、下部クラッド21A及びコア11C上に積層された上部クラッド21Bとを有する。
図3に示すコア11Cは、スラブ発生部12のコア12Cと接続し、コア11Cのコア幅とコア12Cのコア幅とが同一である。コア11Cのコア幅は、例えば、0.8umである。
【0032】
図4は、
図1に示すC-C線断面の一例を示す断面模式図である。
図4に示す断面部分は、第4の接続部12Bの断面部分である。
図4に示す第4の接続部12Bは、図示せぬ基板と、基板上に積層された下部クラッド21Aと、下部クラッド21A上に形成されたコア12C及び、コア12C両側のスラブ12Dと、コア12C及びスラブ12D上に積層された上部クラッド21Bとを有する。
図4に示すコア12Cは、リブ導波路4のコア4Aと接続し、コア12Cのコア幅とコア4Aのコア幅とが同一である。コア11Cのコア幅は、例えば、0.8umである。
【0033】
図5は、光デバイス1内の各部位の導波モードの遷移の一例を示す説明図である。第2のチャネル導波路11の長さ、すなわち第1の接続部11Aと第2の接続部11Bとの間の長さは、例えば、10um、スラブ発生部12の長さ、すなわち第3の接続部12Aと第4の接続部12Bとの間の長さは、例えば、30umとする。リブ導波路4の導波路幅(コア幅+スラブ幅)は、例えば、3umとする。第1のチャネル導波路2、第2のチャネル導波路11、スラブ発生部12及びリブ導波路4のコアの厚みは、例えば、0.22umとする。つまり、第1のチャネル導波路2、第2のチャネル導波路11、スラブ発生部12及びリブ導波路4のコアの厚みは、同一である。スラブ発生部12のテーパ状のスラブ12D及びリブ導波路4のスラブ4Bの厚みは、例えば、0.09umとする。
【0034】
上部クラッド21Bの材料屈折率N1は、下部クラッド21Aの材料屈折率N2に対して、N2×0.95<N1<N2×1.05の範囲内である。尚、下部クラッド21Aの材料屈折率に対する上部クラッド21Bの材料屈折率の差は±5%以内である。特に、上部クラッド21Bの材料屈折率N1は、N2×0.97<N1<N2×1.03の範囲内であることが好ましい。尚、下部クラッド21Aの材料屈折率に対する上部クラッド21Bの材料屈折率の差は±3%以内である。
【0035】
第1の接続部11Aの切断部分での実効屈折率はTE0、TM0、TE1の順に大きくなる。また、第2の接続部11Bの切断部分での実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きくなる。また、第4の接続部12Bの切断部分での実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きくなる。
【0036】
第2のチャネル導波路11は、ほぼ上下対称のチャネル型の導波路の構成であるためにモード変換される量はほぼ無視できるため、TE0はTE0、TM0はTM0、TE1はTE1に出力し、かつ、出力での実効屈折率は、TE0>TE1>TM0の順となる。これに対して、スラブ発生部12の出力での実効屈折率も、TE0>TE1>TM0の順となる。つまり、第2のチャネル導波路11の出力及びスラブ発生部12の出力の実効屈折率は、TE0>TE1>TM0の関係である。尚、説明の便宜上、寸法パラメータは上記条件を満たすための一例であり、適宜変更可能である。
【0037】
第2のチャネル導波路11は、上部クラッド21Bの実効屈折率と下部クラッド21Aの実効屈折率との差が所定の許容範囲であるため、屈折率断面がどの断面でも上下対称である。一方、TE1の実効屈折率とTM0の実効屈折率との大小関係が逆転しているが、屈折率断面が上下対称となる条件が成り立つためテーパの途中でTE1の実効屈折率とTM0の実効屈折率とが逆転しても相互作用を弱められる。その結果、TE1が他のモードにほとんど遷移することなく、TE1の実効屈折率とTM0の実効屈折率との大小関係を逆転できる。
【0038】
第1の接続部11Aの断面の実効屈折率は、第1の接続部11Aを導波する光の波長を1.55umとした場合、TE0は2.446、TM0は1.771、TE1は1.493である。第2の接続部11Bの断面の実効屈折率は、第2の接続部11Bを導波する光の波長を1.55umとした場合、TE0は2.689、TM0は1.907、TE1は2.169である。
【0039】
また、スラブ発生部12は、第3の接続部12Aの断面及び第4の接続部12Bの断面で、TE1とTM0との大小関係は変わらないため、TE1とTM0との間のモード変換は発生しない。第4の接続部12Bの断面の実効屈折率は、導波する光の波長を1.55umとした場合、TE0は2.719、TM0は2.1、TE1は2.356である。その結果、上部クラッド21Bの実効屈折率と下部クラッド21Aの実効屈折率との差が所定の許容範囲内であるため、チャネル型の導波路の屈折率断面が上下対称になることを利用する。そして、TE1の実効屈折率とTM0の実効屈折率との大小関係のモード変換を、従来技術のようにリブ導波路ではなくチャネル導波路で実行する。その結果、第2のチャネル導波路11では、TE1の他モードへのモード変換を抑制できる。
【0040】
また、第1のチャネル導波路2の断面形状は、矩形形状を例示したが、矩形形状に近似する台形形状であっても良い。同様に、チャネル型の導波路で構成する第2のチャネル導波路11の断面形状は、矩形形状を例示したが、矩形形状に近似する台形形状であっても良く、適宜変更可能である。尚、実際の製造では、第1のチャネル導波路2及び第2のチャネル導波路11の断面は台形形状になる場合もあるが、上下非対称性の大きいリブ導波路4に比較した場合、上下対称性も高いため、TE1の他モードへのモード変換を抑制できる。
図6は、台形形状の第1のチャネル導波路2(第2のチャネル導波路11)の一例を示す断面模式図である。
図6に示す第2のチャネル導波路11のコア11C1の断面は、台形形状である。第1のチャネル導波路2のコア2A1の断面は、台形形状である。そのコア11C1(2A1)のコア幅は、上底と下底の平均値とする。第2のチャネル導波路11(第1のチャネル導波路2)は、コア11C1(2A1)の上辺W1と下辺W2とが異なり、コア11C1(2A1)の厚さをhとした場合、側壁角θは、tanθ=2h/|W2-W1|のように定義できる。
【0041】
この際、側壁角θは、例えば、70度~90度の範囲内、特に、75度~85度が好ましい。側壁角θを70度≦θ≦90度とした場合、第2のチャネル導波路11の断面の屈折率分布が上下非対称であるものの、矩形形状の屈折率分布が上下対称の第2のチャネル導波路11とほぼ同じように、TE1はTE1のまま、TM0はTM0のまま出力できる。
【0042】
また、スラブ発生部12のテーパ状のスラブ12Dは、第3の接続部12Aのスラブ幅を0umとし、第3の接続部12Aから第4の接続部12Bに向けて連続的に徐々に広くなる構造にしたが、これに限定されるものはない。
図7は、変換部3の一例を示す平面模式図である。第3の接続部12Aのテーパ状のスラブ12D1が発生する第3の接続部12Aの断面は、スラブ幅が0umから連続的に生じず、
図7に示す一点鎖線Yで示すように、わずかに不連続になる。しかしながら、波長の大きさに対してこの不連続部が十分小さいとみなせる場合は、これも連続的な構造とみなすことができる。
【0043】
TE1が第1のチャネル導波路2に入力した際のリブ導波路4へぬけるTE1の透過率をFDTDで計算した。第1のチャネル導波路2を導波する光の波長は1.55umとした場合、透過率は-0.13dB(97.1%)となった。その結果、第1のチャネル導波路2を導波するTE1は、ほとんど他のモードに遷移することなく、リブ導波路4に出力されることが分かる。
【0044】
実施例1の光デバイス1では、第1のチャネル導波路2と、第2のチャネル導波路11と、スラブ発生部12と、リブ導波路4と、を有する。第2のチャネル導波路11は、第1のチャネル導波路2と接続する第1の接続部11Aと、スラブ発生部12と接続する第2の接続部11Bと、を有し、第1の接続部11Aに比較して第2の接続部11Bの第2のチャネル導波路11の幅を広くする。スラブ発生部12のスラブ12Dは、リブ導波路4と接続する第4の接続部12Bを有し、第2のチャネル導波路11の第2の接続部11Bから第4の接続部12Bに向けて広くする。第1の接続部11Aにおける導波モードの実効屈折率がTE0、TM0、TE1の順に大きく、第2の接続部11B及び第4の接続部12Bにおける導波モードの実効屈折率がTE0、TE1、TM0の順に大きくなる。その結果、TM0及びTE1の大小関係を逆転しながら、TE1及びTM0のモード変換を抑制する。そして、リブ導波路4と第1のチャネル導波路2との間を不要モードへの遷移を抑制しながら変換できる。
【0045】
光デバイス1は、上部クラッド21B及び下部クラッド21Aの実効屈折率がほぼ等しく、第2のチャネル導波路11の屈折率断面が上下対称になることを利用する。そして、TE1の実効屈折率とTM0の実効屈折率との大小関係のモード変換を、従来技術のようにリブ導波路ではなくチャネル導波路で実行する。その結果、第2のチャネル導波路11では、TE1の他モードへのモード変換を抑制できる。
【0046】
第2のチャネル導波路11は、断面が矩形形状又は略矩形形状のコアを含む導波路であるので、リブ導波路に比較して第2のチャネル導波路11の屈折率断面が上下対称になる。その結果、TM0及びTE1の大小関係を逆転しながら、TE1及びTM0のモード変換を抑制する。そして、リブ導波路4と第1のチャネル導波路2との間を不要モードへの遷移を抑制しながら変換できる。
【0047】
第2のチャネル導波路11は、導波する導波モードの内、TE1からTM0へのモード変換及び、TM0からTE1へのモード変換の量を抑制する。その結果、第2のチャネル導波路11では、TE1の他モードへのモード変換を抑制できる。
【0048】
光デバイス1のリブ導波路4では、TE1を除去することで第1のチャネル導波路2に入力されたTE1を効率的に除去できる。TE1除去構造としては、例えば、リブ導波路4から成る方向性結合器である。その結果、第1のチャネル導波路2に入力された不要なTE1を効率的に除去できる。
【0049】
TE1除去構造である方向性結合器は、光の進行方向に垂直な方向に並列に配置された2本のリブ導波路で構成し、光のコアからの浸み出しを利用して、一方のリブ導波路から隣接する他方のリブ導波路へ光を遷移させる。その結果、第1のチャネル導波路2に入力された不要なTE1を効率的に除去できる。
【0050】
尚、光デバイス1では、TE1を除去する構造として直線状のリブ導波路4を例示したが、リブ導波路4は曲げ状のリブ導波路でも良く、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
図8Aは、実施例2の光デバイス1Aの一例を示す平面模式図である。
特に、直線状のリブ導波路は、チャネル導波路よりも幅方向の閉じ込めが弱いので、TE1のロスを大きくしてTE1を除去する除去効果が大きい。曲線状のリブ導波路は、円弧状でも良く、クロソイド曲線のような緩和曲線、例えば、曲率が光の進行方向に沿って連続な曲線でも良く、適宜変更可能である。緩和曲線の場合、円弧よりもモード不整合によるロスが小さいことからTE0のロスを小さくできる。尚、説明の便宜上、第1のリブ導波路31及び第2のリブ導波路32の形状は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。つまり、直線状の第1のリブ導波路31及び曲線状の第2のリブ導波路32を使用して、TE1を選択的に除去できる。
実施例2の光デバイス1Aでは、第2のチャネル導波路11及びスラブ発生部12を使用して、TM0及びTE1の大小関係を逆転しながら、TE1及びTM0のモード変換を抑制する。そして、リブ導波路4と第1のチャネル導波路2との間を不要モードへの遷移を抑制しながら変換できる。更に、光デバイス1Aでは、直線状の第1のリブ導波路31及び曲線状の第2のリブ導波路32を使用して、TE0のロスを抑制しながら、TE1を選択的に除去できる。
特に、リブ導波路は、チャネル導波路よりも幅方向の閉じ込めが弱く、TE1は第1のリブ導波路31から第3のリブ導波路33に選択的に遷移するため、TE1を除去する除去効果が大きい。尚、説明の便宜上、第1のリブ導波路31及び第3のリブ導波路33の形状は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。つまり、直線状の第1のリブ導波路31及び曲線状の第3のリブ導波路33を使用して、TE1を選択的に除去できる。その結果、第1のチャネル導波路2に入力された不要なTE1を効率的に除去できる。
光源82は、例えば、レーザダイオード等を備え、所定の波長の光を発生させて光送信器83及び光受信器84へ供給する、例えば、ITLA(Integrated Tunable Laser Assembly)である。光送信器83は、DSP81から出力される電気信号によって、光源82から供給される光を変調し、得られた送信光を光ファイバに出力する光変調器である。光送信器83は、光源82から供給される光が導波路を伝搬する際に、この光を光変調器へ入力される電気信号によって変調することで、送信光を生成する。光送信器83は、光を導波する本実施例の光デバイス1(1A)を内蔵している。
光受信器84は、光ファイバから光信号を受信し、光源82から供給される光を用いて受信光を復調する。そして、光受信器84は、復調した受信光を電気信号に変換し、変換後の電気信号をDSP81に出力する。光受信器84は、光を導波する本実施例の光デバイス1(1A)を内蔵している。
光トランシーバ80では、光デバイス1(1A)を採用しているので、TM0及びTE1の大小関係を逆転しながら、TE1及びTM0のモード変換を抑制する。そして、リブ導波路4と第1のチャネル導波路2との間を不要モードへの遷移を抑制しながら変換できる。
尚、説明の便宜上、光トランシーバ80は、光送信器83及び光受信器84両方を内蔵する場合を例示したが、光送信器83及び光受信器84の何れか一つのみを内蔵しても良い。例えば、光送信器83のみを内蔵している場合は光送信装置、光受信器84のみを内蔵している場合は光受信装置となる。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
(付記9)前記第1のチャネル導波路、前記第2のチャネル導波路、前記スラブ発生部及び前記リブ導波路のコアの厚みは、同一であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。