(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163473
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ハウジングおよびコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/518 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
H01R13/518
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079094
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】三輪 真之介
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF08
5E087FF13
5E087GG15
5E087JJ09
5E087MM05
5E087RR04
5E087RR06
(57)【要約】
【課題】カバー部が収容部から分離することを抑制するハウジングおよびコネクタを提供する。
【解決手段】
L字状に屈曲した圧着端子を収容するためのハウジング2は、上端面に収容開口部1を開口させた収容室に圧着端子を収容可能に形成される収容部10と、収容開口部を閉塞するように収容部10に取り付けられるカバー部11と、カバー部11を収容部10に取り付けた状態に保持する取付構造5と、を備え、取付構造5は、収容部10に凹設される一対の係合溝22と、カバー部11に設けられ、カバー部11によって収容開口部を閉塞した状態で一対の係合溝22に嵌合する一対の係合片21と、を有し、係合溝22の内斜面22Rは、上方から下方に向けて後方に傾斜し、係合片21の外斜面21Rは、上方から下方に向けて後方に傾斜し、カバー部11によって収容開口部を閉塞した状態で、内斜面22Rと外斜面21Rとは、下方を互いに接触させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在するケーブルの一端部に圧着される圧着部と、前記圧着部に対して前記第1方向に直交する第2方向の一方に向けて屈曲して設けられる端子接続部とを有する圧着端子を収容するためのハウジングであって、
前記第2方向の他端面に収容開口部を開口させた収容室に前記圧着端子を収容可能に形成される収容部と、
前記収容開口部を閉塞するように前記収容部に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部を前記収容部に取り付けた状態に保持する取付構造と、を備え、
前記取付構造は、
前記収容部と前記カバー部の何れか一方において前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向の両側に凹設される一対の係合溝と、
前記収容部と前記カバー部の何れか他方において前記第3方向の両側に設けられ、前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で一対の前記係合溝に嵌合する一対の係合片と、を有し、
前記係合溝の前記第1方向の両内端面のうち少なくとも前記第1方向の他方は、前記第2方向の他方から一方に向けて前記第1方向の他方に傾斜する内斜面とされ、
前記係合片の前記第1方向の両外端面のうち少なくとも前記第1方向の他方は、前記第2方向の他方から一方に向けて前記第1方向の他方に傾斜する外斜面とされ、
前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で、前記第1方向の他方に位置する前記内斜面と前記外斜面とは、少なくとも前記第2方向の一方を互いに接触させることを特徴とするハウジング。
【請求項2】
前記取付構造は、
一対の前記係合溝の形成範囲と一対の前記係合片の何れか一方に形成される一対の掛止穴と、
一対の前記係合溝の形成範囲と一対の前記係合片の何れか他方に突設され、前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で一対の前記掛止穴の縁部に掛合する一対の掛止爪と、を更に有していることを特徴とする請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記掛止穴および前記掛止爪は、前記係合溝の形成範囲の前記第1方向の中央よりも一方にずれた位置で互いに掛合するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載のハウジング。
【請求項4】
前記掛止穴の縁部と、前記掛止穴の縁部に掛合する前記掛止爪の掛止面との何れか一方は、何れか他方に対し、前記第1方向の一方を接触させ、前記第1方向の他方を離間させるように傾斜していることを特徴とする請求項2または3に記載のハウジング。
【請求項5】
前記第2方向と平行に延びる基準線に対し、前記係合片の前記外斜面は、前記係合溝の前記内斜面よりも大きく傾斜していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハウジング。
【請求項6】
前記第1方向に対向する一対の前記内斜面は、互いに平行に形成され、
前記第1方向に対向する一対の前記外斜面は、互いに平行に形成され、
前記係合片は、前記第1方向の一方に位置する前記外斜面を、前記第1方向の一方に位置する前記内斜面の前記第2方向の他方に接触させながら、前記係合溝に進入することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハウジング。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハウジングと、
前記ハウジングに収容される前記圧着端子と、を備えていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルに圧着される圧着端子を収容するためのハウジングおよびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
側面視でL字状に形成されたライトアングルコネクタが知られている(特許文献1)。このコネクタは、プラグ端子を支持するプラグハウジングと、プラグ端子をプラグハウジングに固定する固定部と、を含んでいる。プラグ端子は、ソケット端子と接触する接触部と、電源ケーブルに圧着されるカシメ部とを含み、L字状に形成されている。プラグハウジングは、接触部が挿入される被挿抜部と、カシメ部や電源ケーブルが配置される基体とを含み、L字状に形成されている。また、基体の天井面と側面には、それぞれ係止凸部が設けられている。固定部の3方には枠体が突設され、各枠体には係止穴が穿設されている。固定部がカシメ部や電源ケーブルを覆うようにプラグハウジングに取り付けられると、各係止凸部が係止穴に係止される。これにより、固定部がプラグハウジングに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなライトアングルコネクタによれば、電源ケーブルを無理に曲げることなく、電気基板上に実装されたソケットコネクタにライトアングルコネクタを容易に接続することが可能になる。また、コネクタの全高を低く抑えることも可能になる。
【0005】
ここで、例えば、コネクタがソケットコネクタに接続された状態で、電源ケーブルを整列させる等の作業を行うことがある。この際、不注意で電源ケーブルに手が引っ掛かる等して、電源ケーブルが延在方向に交差する方向(コネクタの分離方向)に引っ張られることがあった。電源ケーブルが引っ張られることに伴って、固定部も基体の天井面側を支点にして回動し、固定部の下側がプラグハウジングから浮き上がることがあった。電源ケーブルを引っ張る力の大きさによっては、固定部の左右両側の枠体が開いてしまい、各係止凸部が係止穴から外れ、固定部がプラグハウジングから分離してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、カバー部が収容部から分離することを抑制するハウジングおよびコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1のハウジングは、第1方向に延在するケーブルの一端部に圧着される圧着部と、前記圧着部に対して前記第1方向に直交する第2方向の一方に向けて屈曲して設けられる端子接続部とを有する圧着端子を収容するためのハウジングであって、前記第2方向の他端面に収容開口部を開口させた収容室に前記圧着端子を収容可能に形成される収容部と、前記収容開口部を閉塞するように前記収容部に取り付けられるカバー部と、前記カバー部を前記収容部に取り付けた状態に保持する取付構造と、を備え、前記取付構造は、前記収容部と前記カバー部の何れか一方において前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向の両側に凹設される一対の係合溝と、前記収容部と前記カバー部の何れか他方において前記第3方向の両側に設けられ、前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で一対の前記係合溝に嵌合する一対の係合片と、を有し、前記係合溝の前記第1方向の両内端面のうち少なくとも前記第1方向の他方は、前記第2方向の他方から一方に向けて前記第1方向の他方に傾斜する内斜面とされ、前記係合片の前記第1方向の両外端面のうち少なくとも前記第1方向の他方は、前記第2方向の他方から一方に向けて前記第1方向の他方に傾斜する外斜面とされ、前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で、前記第1方向の他方に位置する前記内斜面と前記外斜面とは、少なくとも前記第2方向の一方を互いに接触させる。
【0008】
本発明の第1のハウジングでは、第1方向の他方で互いに対向する係合溝の内斜面と係合片の外斜面とが、第2方向の他方から一方に向けて第1方向の他方(圧着端子に接続されたケーブルが延び出る方向)に傾斜する構成とした。また、カバー部が収容開口部を閉塞すると、上記した対向する斜面同士が少なくとも第2方向の一方で互いに接触する構成とした。仮に、ケーブルがコネクタの分離方向に引っ張られると、カバー部が第1方向の一端部を支点として僅かに回動する。しかしながら、上記の構成によれば、係合片の外斜面が係合溝の内斜面に押し当てられることになるため、カバー部11の過度な回動が規制され、カバー部の第1方向の他方が収容部から大きく浮き上がることを抑制することができる。その結果、係合片が係合溝から外れることで、カバー部が収容部から分離することを抑制することができる。
【0009】
本発明の第2のハウジングは、上記した第1のハウジングにおいて、前記取付構造は、一対の前記係合溝の形成範囲と一対の前記係合片の何れか一方に形成される一対の掛止穴と、一対の前記係合溝の形成範囲と一対の前記係合片の何れか他方に突設され、前記カバー部によって前記収容開口部を閉塞した状態で一対の前記掛止穴の縁部に掛合する一対の掛止爪と、を更に有しているとよい。
【0010】
本発明の第2のハウジングによれば、カバー部で収容開口部を閉塞した場合に、係合片と係合溝との斜面同士が干渉することに加え、掛止爪を掛止穴の縁部に掛合させることができる。これにより、収容部とカバー部とを接続した状態を強固にすることができ、収容部からのカバー部の分離を有効に抑制することができる。
【0011】
本発明の第3のハウジングは、上記した第2のハウジングにおいて、前記掛止穴および前記掛止爪は、前記係合溝の形成範囲の前記第1方向の中央よりも一方にずれた位置で互いに掛合するように設けられているとよい。
【0012】
本発明の第3のハウジングによれば、掛止穴および掛止爪が第1方向の一方寄りで互いに掛合するため、主に、カバー部の第1方向の一方が収容部から浮き上がることを有効に抑制することができる。
【0013】
本発明の第4のハウジングは、上記した第2または第3のハウジングにおいて、前記掛止穴の縁部と、前記掛止穴の縁部に掛合する前記掛止爪の掛止面との何れか一方は、何れか他方に対し、前記第1方向の一方を接触させ、前記第1方向の他方を離間させるように傾斜しているとよい。
【0014】
ところで、掛止爪の掛止面全体が掛止穴の縁部全体に接触していると仮定した場合、ケーブルがコネクタの分離方向に引っ張られると、僅かではあるが、カバー部は第1方向の一端部を支点として回動し、掛止面は、掛止穴の縁部の第1方向の他方のみに接触し、掛止穴の縁部の第1方向の一方で離間した片当たり状態になる。この状態で、ケーブルが更に引っ張られると、掛止穴の下縁部が掛止面から外れて掛止爪に乗り上げてしまう虞がある。これに対し、本発明の第4のハウジングでは、掛止穴の縁部または掛止爪の掛止面が傾斜しており、カバー部で収容開口部を閉塞すると、掛止面が掛止穴の縁部の第1方向の一方のみに接触する構成とした。この構成によれば、ケーブルが引っ張られ、カバー部が第1方向の一端部を支点として僅かに回動すると、掛止面全体が掛止穴の縁部全体に接触した全当たり状態になる。これにより、ケーブルが更に引っ張られたとしても、掛止爪の掛止面を掛止穴の縁部に確りと掛合させた状態を保持することができる。
【0015】
本発明の第5のハウジングは、上記した第1ないし第3のいずれかのハウジングにおいて、前記第2方向と平行に延びる基準線に対し、前記係合片の前記外斜面は、前記係合溝の前記内斜面よりも大きく傾斜しているとよい。
【0016】
本発明の第5のハウジングによれば、係合片の外斜面が、係合溝の内斜面よりも寝かせられているため、係合片を係合溝に嵌合(挿入)した状態で、係合片の第1方向の他方の先端角部(外斜面)を、第1方向の他方に位置する内斜面の下側に食い込ませることができる。これにより、第1方向の他方に位置する内斜面と外斜面とを接触させた状態に保持することができ、係合片が係合溝から外れることを抑制することができる。
【0017】
本発明の第6のハウジングは、上記した第1ないし第3のいずれかのハウジングにおいて、前記第1方向に対向する一対の前記内斜面は、互いに平行に形成され、前記第1方向に対向する一対の前記外斜面は、互いに平行に形成され、前記係合片は、前記第1方向の一方に位置する前記外斜面を、前記第1方向の一方に位置する前記内斜面の前記第2方向の他方に接触させながら、前記係合溝に進入するとよい。
【0018】
本発明の第6のハウジングでは、係合片が、第1方向の一方に位置する外斜面を、第1方向の一方に位置する内斜面の第2方向の他方に接触させながら、係合溝に嵌合する構成とした。この構成によれば、内斜面の第2方向の他方をガイドにして、円滑に係合片を係合溝に嵌合させることができる。
【0019】
本発明の第1のコネクタは、上記した第1ないし第3のいずれかのハウジングと、第1ないし第3のいずれかのハウジングと、前記ハウジングに収容される前記圧着端子と、を備えている。
【0020】
本発明の第1のコネクタによれば、ハウジングや圧着端子がL字状に形成されているため、例えば、電気基板上に実装された相手側コネクタに対しても、ケーブルを無理に曲げることなく、容易に接続することができる。これにより、両コネクタを配置する空間を必要以上に広くする必要がなくなり、両コネクタを備える装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、カバー部が収容部から分離することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコネクタおよび相手側コネクタを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るコネクタの一部を断面で示す斜視図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係るコネクタに装着される圧着端子を示す斜視図(斜め下方)である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係るコネクタに装着される圧着端子を示す斜視図(斜め上方)である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るコネクタに装着される圧着端子を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るハウジングの収容部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るハウジングのカバー部を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るハウジングを示す分解側面図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係るコネクタ(ハウジング)であって、収容部にカバー部を取り付ける過程を示す側面図である。
【
図9B】本発明の一実施形態に係るコネクタ(ハウジング)を示す側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るコネクタを相手側コネクタに接続した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示すX1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2は、左、右、前、後、上、下を示している。また、「前後方向」、「上下方向」および「左右方向」は、請求項でいう「第1方向」、「第2方向」および「第3方向」の一例であって、互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
図1ないし
図8を参照して、本実施形態に係るコネクタ1について説明する。
図1はコネクタ1および相手側コネクタ90を示す斜視図である。
図2はコネクタ1を示す分解斜視図である。
図3はコネクタ1の一部を断面で示す斜視図である。
図4Aおよび
図4Bは圧着端子3を示す斜視図である。
図5は圧着端子3を示す断面図である。
図6はハウジング2の収容部10を示す斜視図である。
図7はハウジング2のカバー部11を示す斜視図である。
図8はハウジング2を示す分解側面図である。
【0025】
図1に示すように、コネクタ1は、2つのケーブル4の先端部に取り付けられ、電気基板(図示せず)に実装された相手側コネクタ90に嵌合可能に形成されている。以下、コネクタ1の説明に先立って、ケーブル4および相手側コネクタ90について簡単に説明する。なお、2つのケーブル4は、それぞれ同一構造であるため、本明細書では、主に、1つのケーブル4について説明する。
【0026】
[ケーブル]
ケーブル4は、導体(金属)で形成される芯線(図示せず)と、絶縁体で形成されて芯線を被覆する被覆部(図示せず)と、を有している。芯線はケーブル4の先端側の被覆部を除去することで露出する。
【0027】
[相手側コネクタ]
相手側コネクタ90は、相手側ハウジング91に2つの相手側端子(図示せず)を収容して構成されている。相手側ハウジング91は、例えば、非導電性の合成樹脂製で、上下方向の両端面を開口させた略矩形筒状に形成されている。相手側ハウジング91は、電気基板上に立設されている。相手側ハウジング91の前部には、コネクタ1との接続を保持するための一対の被ロック部92が設けられている。相手側ハウジング91の内部は左右方向に2つの空間に仕切られており、相手側ハウジング91の上端面には2つの空間に対応するように2つの嵌合穴93が開口している。2つの相手側端子は、相手側ハウジング91の内部の2つの空間に配置され、電気基板に電気的に接続されている。なお、相手側コネクタ90(相手側端子)は、電気基板に実装されたものに限らず、例えば、本実施形態に係るコネクタ1と同様に、ケーブル4の先端部に取り付けられてもよい(図示せず)。
【0028】
[コネクタ]
図1ないし
図3に示すように、コネクタ1は、主要な外観を成すハウジング2と、ハウジング2に収容される2つの圧着端子3と、を備えている。以下、ハウジング2の説明に先立って、圧着端子3について説明する。なお、2つの圧着端子3は、それぞれ同一構造であるため、本明細書では、主に、1つの圧着端子3について説明する。また、本実施形態では、相手側コネクタ90に2つの相手側端子が設けられ、コネクタ1に2つの圧着端子3が設けられていたが、これに限らず、相手側端子および圧着端子3は、それぞれ、1つ以上設けられていればよい。
【0029】
<圧着端子>
図2および
図3に示すように、圧着端子3は、側面から見て略L字状に形成され、ケーブル4の先端部に固定されている。圧着端子3は、前後方向(第1方向)に延在するケーブル4の前端部(一端部)に圧着される圧着部30と、圧着部30に対して下方(第2方向の一方)に向けて屈曲して設けられる端子接続部40と、を有している。なお、圧着端子3は、一枚の金属板を打ち抜き、曲げ加工されることで形成される。つまり、圧着部30および端子接続部40は一体に形成されている。
【0030】
<圧着部>
図4A、
図4Bおよび
図5に示すように、圧着部30は、被覆圧着部31と、芯線圧着部34と、を有している。
【0031】
被覆圧着部31は、後方から見て湾曲するように形成される被覆基板部32と、被覆基板部32の上下両端から右方に突設される一対の被覆バレル片33と、を有している。被覆基板部32と一対の被覆バレル片33とは、後方から見て略U字状に形成されている。被覆基板部32には、前後方向に伸長したケーブル4の被覆部が載置される。一対の被覆バレル片33は、被覆基板部32に載置された被覆部を包むように加締められることで被覆部に圧着される(
図2および
図3参照)。なお、
図2および
図3では、被覆圧着部31の具体的な図示を省略している。
【0032】
芯線圧着部34は、略平板状に形成される芯線基板部35と、芯線基板部35の上下両端から右方に突設される一対の芯線バレル片36と、を有している。芯線基板部35は、傾斜板部37を介して被覆基板部32の前端に連設されている。傾斜板部37は、被覆基板部32から芯線基板部35に向かって右側に傾斜しており、被覆基板部32と芯線基板部35との間にはケーブル4の被覆部の厚みに相当する段差が形成されている。芯線基板部35と一対の芯線バレル片36とは、後方から見て略コ字状に形成されている。芯線基板部35には、前後方向に伸長したケーブル4の芯線が載置される。一対の芯線バレル片36は、芯線基板部35に載置された芯線を包むように加締められることで芯線に圧着される(
図2および
図3参照)。なお、芯線基板部35は、一対の芯線バレル片36が設けられた位置から前方に延長されている。芯線基板部35の前部は前方に向かって上下方向に幅広くなる略台形状に形成されている(
図5参照)。
【0033】
<端子接続部>
端子接続部40は、第1平板40A、左側板40B、右側板40Cおよび第2平板40Dを巻くように折り曲げることで、左右方向を長辺とする略長方形の断面を持つ略角筒状に形成されている。端子接続部40の内部には接続空間S4が形成され、端子接続部40の下端面には相手側コネクタ90の相手側端子を挿入するための接続開口部41が開口している。
【0034】
(第1平板)
第1平板40Aは、芯線基板部35の前端に連設され、芯線基板部35に対して右方(各バレル片33,36の延設方向)に向けて略直角に折り曲げられている。第1平板40Aは、芯線基板部35の前端から右方に延設されると共に下方に延設されている。第1平板40Aは、圧着部30の前端面を覆うように(蓋をするように)設けられている。第1平板40Aの下部には、2つの圧接凸部42が接続空間S4(前方)に向かって突設され、第1平板40Aの上部には、第1凸部43が後方に向かって突設されている(
図4Aおよび
図5参照)。
【0035】
(一対の側板)
左側板40Bは、第1平板40Aの左端に連設され、第1平板40Aに対して前方に向けて略直角に折り曲げられている。右側板40Cは、第1平板40Aの右端に連設され、第1平板40Aに対して前方に向けて略直角に折り曲げられている。左右一対の側板40B,40Cは、第1平板40Aの左右両端から前方に延設されている。また、右側板40Cの上部には、第2凸部44が右方に向かって突設されている(
図4B参照)。なお、第1平板40Aの左端上部には、芯線基板部35が連設されているため、左側板40Bは、芯線基板部35よりも下方において第1平板40Aの左端に連設されている(
図4A参照)。
【0036】
(第2平板)
第2平板40Dは、第1平板40Aに隙間(接続空間S4)を挟んで対向している。第2平板40Dは、内平板40Eと、外平板40Fと、補強平板40Gと、を有している。
【0037】
内平板40Eは、右側板40Cの上端の上下方向の中間部に連設され、右側板40Cに対して左方に向けて略直角に折り曲げられている。内平板40Eは右側板40Cの上端から左方に延設され、内平板40Eの左端部は左側板40Bの上端面に重なっている。内平板40Eの下部には、3つの圧接片部45が左右方向に間隔をあけて設けられている。各圧接片部45は上方から下方に向かって斜め後方に傾斜しながら延設され、その先端部は屈曲して斜め前方に向いている(
図5参照)。各圧接片部45は、弾性力をもって基部(上部)を支点に前後方向に変位可能に設けられている。なお、上記した右側板40Cには、内平板40Eの下端に隣接する位置に切欠き部が凹設されている(
図4B参照)。
【0038】
外平板40Fは、左側板40Bの前端の下部に連設され、左側板40Bに対して右方に向けて略直角に折り曲げられている。外平板40Fは、左側板40Bの前端から右方に延設され、外平板40Fの右端部は、右側板40Cの上端面に重なっている(覆っている)。また、外平板40Fは、内平板40Eの下方に配置され、外平板40Fの上部は、内平板40Eの下部前面に重なっている。外平板40Fの上部には、内平板40Eの前面に当接する支持凸部46が突設されている(
図4Bおよび
図5参照)。外平板40Fは、支持凸部46のみで内平板40Eに接触している。また、端子接続部40の下部には、左側板40Bの前部から外平板40Fに亘って、係止穴47が穿設されている(
図4Bおよび
図5参照)。
【0039】
補強平板40Gは、右側板40Cの前端の上部に連設され、右側板40Cに対して左方に向けて略直角に折り曲げられている。補強平板40Gは、右側板40Cの前端から左方に延設されている。補強平板40Gは、内平板40Eの上方に配置され、補強平板40Gの下端は、内平板40Eの上端から前上方に離間している(
図5参照)。
【0040】
(補強片)
端子接続部40は、補強平板40Gから第1平板40Aに向かって延設される補強片48を更に有している。補強片48は、補強平板40Gの上端に連設され、補強平板40Gに対して後方に向けて略直角に折り曲げられている。補強片48は、補強平板40Gの上端から後方に延設され、補強片48の先端(後端)は、第1平板40Aに僅かな隙間(例えば0.1~1.0mm程度)を挟んで対向している(
図4Bおよび
図5参照)。なお、圧着端子3を左側方から見て、第1平板40A(芯線基板部35)、左側板40B、内平板40E、補強平板40Gおよび補強片48で囲まれた範囲には、接続空間S4に通じる開口が形成されている(
図4A参照)。また、上記した第1平板40Aの上端は、補強片48の上面(表面)よりも僅かに上方(カバー部11側)に位置している(
図5参照)。
【0041】
以上説明した圧着端子3は、帯状のキャリア(図示せず)に複数連結されて端子連結体(図示せず)を構成する。この端子連結体は、被覆基板部32の後端をキャリアに接続し、各バレル片33,36を外側に向けるようにしてリール(図示せず)に巻回され、端子圧着装置(図示せず)に装着される。端子圧着装置は、リールから端子連結体を繰り出し、圧着端子3を圧着位置に供給し、圧着端子3をキャリアから分離しながら、圧着部30をケーブル4に圧着する。詳細には、一対の被覆バレル片33は、加締められてケーブル4の被覆部に圧着され、一対の芯線バレル片36は、加締められてケーブル4の芯線に圧着される。以上によって、圧着端子3がケーブル4の先端部に固定される(
図2および
図3参照)。なお、端子圧着装置を利用せずに、例えば、作業者が、圧着工具を用いて手作業で圧着端子3をケーブル4に固定(圧着)してもよい。
【0042】
<ハウジング>
次に、圧着端子3を収容するためのハウジング2について説明する。
【0043】
図1ないし
図3に示すように、ハウジング2は、収容部10と、カバー部11と、を備えている。収容部10とカバー部11とは、例えば、合成樹脂等の絶縁体で成型されている。カバー部11は、収容部10に着脱可能に構成されている。
【0044】
<収容部>
収容部10は、収容本体部12と、2つの嵌合凸部13と、を有している。収容本体部12および各嵌合凸部13は、一体に成型されている。
【0045】
(収容本体部)
図2に示すように、収容本体部12は、上面および後面を開放した箱状に形成されている。収容本体部12の内底面の左右方向の略中央には、前後方向に延びる仕切壁14が立設されている。仕切壁14の前側には、仕切凸部14Aが上方に向けて突設されている。収容本体部12の内部は、仕切壁14によって2つの第1収容空間S1に仕切られている。各第1収容空間S1は、収容開口部12Aおよび延出開口部12Bによって外部に開放されている。各収容開口部12Aは、収容本体部12の上端面(第2方向の他端面)に開口している。各延出開口部12Bは、収容開口部12Aに連続するように収容本体部12の後端面に開口している。
【0046】
収容本体部12の内面や仕切壁14には、各第1収容空間S1を前後方向に仕切るように第1位置決めリブ15Aおよび第2位置決めリブ15Bが突設されている。第1位置決めリブ15Aは、第1収容空間S1の左右方向の略中央部をあけつつ、第1収容空間S1の左右両側に形成されている。第2位置決めリブ15Bは、第1位置決めリブ15Aよりも前方に間隔をあけて配置されている。第2位置決めリブ15Bは、第1収容空間S1の左側に隙間をあけつつ、主に第1収容空間S1の右側に形成されている。
【0047】
(嵌合凸部)
図1および
図2に示すように、2つの嵌合凸部13は、それぞれ、略角筒状に形成され、収容本体部12の下面前部から下方に突設されている。
図3に示すように、各嵌合凸部13の内部には、第1収容空間S1に連通する第2収容空間S2が形成されている。上記した第1収容空間S1と第2収容空間S2とは、一体となって、側方からの断面で見て略L字状となる収容室S3を構成する。収容部10は、収容室S3に圧着端子3を収容可能に形成されている。なお、上記した仕切壁14(仕切凸部14A)は、2つの収容室S3に収容された2つの圧着端子3間の必要な沿面距離を担保するように形成されている。
【0048】
各嵌合凸部13(第2収容空間S2)には、前側内面から後方に延びた後、屈曲して下方に伸長するランス部16が設けられている。ランス部16は、弾性力をもって屈曲部分を支点として前後方向に変位可能に形成されている。また、ランス部16の後面の先端側には、収容室S3に収容された圧着端子3の係止穴47に掛合する端子爪部16Aが突設されている。
【0049】
図6に示すように、各嵌合凸部13の下端面には、第2収容空間S2に連通するように、接続穴17Aと解除穴17Bとが当接部17を挟んで前後方向に並んで開口している。解除穴17Bは、接続穴17Aの前方、且つ左側に寄った位置に開口している。接続穴17Aは、相手側コネクタ90の相手側端子が挿入される。解除穴17Bは、収容室S3に収容された圧着端子3を取り外す際に、端子爪部16Aを係止穴47から離脱させる操作を行えるように開口している。
【0050】
図1および
図3に示すように、2つ嵌合凸部13には、前面下部から前方に延びた後、屈曲して上方に伸長する一対のロックアーム18が設けられている。一対のロックアーム18は、弾性力をもって屈曲部分を支点に前後方向に変位可能に形成されている。各ロックアーム18の前面には、ロック爪部18Aが突設されている。また、一対のロックアーム18の上端部には、操作部18Bが架設されている。
【0051】
<カバー部>
図2に示すように、カバー部11は、正面(または背面)から見て下方を開放した略U字状(コ字状)に形成されている。カバー部11は、収容部10を抱え込んで、収容室S3の収容開口部12Aを閉塞するように収容部10に取り付けられる(
図1参照)。カバー部11は、略平板状のカバー本体部20と、カバー本体部20の左右両端から下方に延設(垂設)される一対の係合片21と、を有している。カバー本体部20の前側には、左右方向の略中央に仕切穴20Aが穿設され、カバー本体部20の内面には、仕切穴20Aを挟んで左右両側に2つの押圧部20B(
図7参照)が突設されている。
【0052】
<取付構造>
図1に示すように、コネクタ1には、カバー部11を収容部10に取り付けた状態に保持する取付構造5が備えられている。取付構造5は、収容部10の一部とカバー部11の一部とで構成されている。取付構造5は、一対の係合溝22と、一対の係合片21と、一対の掛止穴23と、一対の掛止爪24と、を有している。なお、一対の係合片21は、カバー部11の構成要素であるが、取付構造5の構成要素でもある。また、一対の係合溝22、一対の係合片21、一対の掛止穴23および一対の掛止爪24は、それぞれ左右方向に対称となる形状であるため、本明細書では、主に、それぞれ1つの部分について説明する。
【0053】
(係合溝)
図2、
図6および
図8に示すように、一対の係合溝22は、収容部10(収容本体部12)の左右方向の両側(両側面)に凹設されている。係合溝22は、側面から見て、上下両辺を略水平とし、前後両辺を上方から下方に向けて後方に傾斜させた略平行四辺形状に形成されている(
図8参照)。係合溝22の前後方向の両内端面は、上方から下方に向けて後方に傾斜する一対の内斜面22F,22Rとされている。前後方向に対向する一対の内斜面22F,22Rは、互いに略平行に形成されている。なお、後方に位置する内斜面22Rの下端部は、略垂直に形成されている。また、一対の内斜面22F,22Rの上端部は、上方に向かって広がるように隅切り(面取り)されている。
【0054】
(係合片)
図2、
図7および
図8に示すように、一対の係合片21は、カバー部11(カバー本体部20)の左右方向の両側に設けられている。係合片21は、側面から見て、上下両辺を略水平とし、前後両辺を上方から下方に向けて後方に傾斜させた略平行四辺形状に形成されている(
図8参照)。係合片21の前後方向の両外端面は、上方から下方に向けて後方に傾斜する一対の外斜面21F,21Rとされている。前後方向に対向する一対の外斜面21F,21Rは、互いに略平行に形成されている。上下方向と平行に延びる基準線(
図8に一点鎖線で示す垂直線)に対し、係合片21の外斜面21F,21Rは、係合溝22の内斜面22F,22Rよりも大きく傾斜している。具体的な一例としては、基準線に対する外斜面21F,21Rの角度αは約23度で、基準線に対する内斜面22F,22Rの角度βは約19度である(α>β(
図8参照))。なお、上記した角度α,βは、自由に変更することができるが、例えば5度~60度の範囲で設定されるとよい。
【0055】
(掛止穴)
図2、
図7および
図8に示すように、一対の掛止穴23は、一対の係合片21に形成されている。掛止穴23は、カバー部11を側面から見て、係合片21の下部を残し、係合片21の上端から下方に向けて略長方形状に切り欠くようにして形成されている。掛止穴23は、係合片21の前後方向の中央よりも若干前方にずれた位置に開口している。係合片21の下端と掛止穴23の下縁部23Aとは、カバー部11を側面から見て、略水平に形成されている(
図8参照)。
【0056】
(掛止爪)
図2、
図6および
図8に示すように、一対の掛止爪24は、一対の係合溝22の形成範囲(収容部10の左右両側)に突設されている。掛止爪24は、正面(または背面)から見て、略台形状を成す突起である。また、掛止爪24は、側面から見て、掛止穴23よりも前後幅の狭い略四角形状に形成されている。掛止爪24は、係合溝22の形成範囲の前後方向の中央よりも若干前方にずれた位置に突設されている。掛止爪24の左右方向の外面には、上端から下方に向けて左右方向の外側に傾斜するガイド面24Aが形成されている。掛止爪24の下端は、掛止穴23の下縁部23Aに掛合する掛止面24Bとされている。掛止面24Bの前部は略水平な面とされ、掛止面24Bの前後方向の中間から後部までの範囲は前方から後方に向けて上方に傾斜した面とされている。
【0057】
[コネクタの組立]
次に、
図3、
図8、
図9Aおよび
図9Bを参照して、コネクタ1の組立手順について説明する。
図9Aは収容部10にカバー部11を取り付ける過程を示す側面図である。
図9Bはコネクタ1(ハウジング2)を示す側面図である。なお、
図9Aおよび
図9Bでは、ケーブル4の図示を省略している。
【0058】
作業者は、圧着端子3の端子接続部40を、ハウジング2の嵌合凸部13の第2収容空間S2に差し込む(
図3参照)。端子接続部40の外平板40Fは、ランス部16の端子爪部16Aに接触し、ランス部16を前方に弾性変形させながら差し込まれて行く。端子接続部40の差し込みに伴って、端子爪部16Aは、ランス部16の復元力(弾性力)によって外平板40Fの前面に押し付けられながら相対的に上方へ移動し、外平板40Fの係止穴47に嵌り込む(
図3参照)。この状態で、端子接続部40の先端(下端)が接続穴17Aの縁部(当接部17)に当接し、端子接続部40の接続開口部41が接続穴17Aに対向する(連通する)。
【0059】
また、端子爪部16Aを係止穴47に係止させた状態で、圧着端子3の圧着部30は、ハウジング2の収容本体部12の第1収容空間S1に嵌り込んでいる(
図3参照)。詳細には、芯線バレル片36は、第1位置決めリブ15Aに支持され、芯線バレル片36よりも前方に位置する芯線基板部35は、第2位置決めリブ15Bによって形成された第1収容空間S1の左側の隙間に差し込まれる。
【0060】
以上によって、圧着端子3が、収容部10の収容開口部12Aを通して収容室S3に収容される。なお、圧着端子3の補強平板40G、第1凸部43および第2凸部44は、嵌合凸部13(第2収容空間S2)の内面に僅かな隙間を挟んで近接(または接触)している(図示せず)。これにより、第2収容空間S2において、端子接続部40が位置決めされる。また、ケーブル4は、収容部10の延出開口部12Bから後方に向けて延出する(収容部10の外部に露出する)。
【0061】
作業者は、収容開口部12Aを閉塞し、収容室S3に収容された圧着端子3を覆うようにカバー部11を収容部10に取り付ける。具体的には、作業者は、カバー部11を収容部10の上方に配置し(
図8参照)、一対の係合片21の下端部を一対の係合溝22の上端部に合せ、カバー部11を下方へと押し込む。この際、係合片21は、前方(第1方向の一方)に位置する外斜面21Fを、前方に位置する内斜面22Fの上側(第2方向の他方)に接触させながら、係合溝22に進入して行く(
図9A参照)。作業者はカバー部11を略真下に押すだけで、カバー部11は、外斜面21Fを接触させた内斜面22Fの上部にガイドされながら、略水平な姿勢を維持して自然に斜め後下方に略平行移動する(
図9Aに示す白抜き矢印参照)。
【0062】
カバー部11が斜め後下方へスライドして行くと、係合片21の下端部が掛止爪24のガイド面24Aに接触する(
図9A参照)。カバー部11のスライドが進むと、係合片21はカバー本体部20との接続部分を支点に左右方向の外側に広がるように撓み、係合片21の下端部はガイド面24Aに接触しながら下方に移動する。更にカバー部11のスライドが進むと、掛止穴23の下縁部23Aが掛止爪24を乗り越え、係合片21がカバー本体部20との接続部分まわりの復元力によって元に戻り、掛止爪24が掛止穴23に嵌り込む(
図9B参照)。
【0063】
以上によって、カバー部11が収容開口部12Aを閉塞するように収容部10に取り付けられる(
図9B参照)。つまり、コネクタ1が完成する(
図1および
図3も参照)。なお、カバー部11によって収容開口部12Aを閉塞した状態、つまり、コネクタ1が完成した状態で、収容部10の仕切壁14に突設された仕切凸部14Aは、カバー部11の仕切穴20Aに嵌り込んでいる(
図1参照)。また、カバー部11の押圧部20B(第1平板40Aの上端)は、収容室S3に収容された圧着端子3の補強片48に僅かな隙間を挟んで近接(または接触)している(
図3参照)。これにより、圧着端子3がハウジング2(収容室S3)の内部で位置決めされる。
【0064】
図9Bに示すように、カバー部11によって収容開口部12Aを閉塞した状態(コネクタ1が完成した状態)で、係合片21は係合溝22に嵌合し、掛止爪24(掛止面24B)は掛止穴23の下縁部23Aに掛合する。詳細には、前方に位置する係合片21の外斜面21Fと係合溝22の内斜面22Fとは、上端付近のみを互いに接触させ、その他の部分を互いに離間させている(隙間を開けている)。後方に位置する係合片21の外斜面21Rと係合溝22の内斜面22Rとは、互いに下端付近のみを接触させ、その他の部分を互いに離間させている(隙間を開けている)。また、掛止穴23および掛止爪24は、それぞれ係合溝22の形成範囲等のやや前方に配置されているため、係合溝22の形成範囲の前後方向の中央よりも前方にずれた位置で互いに掛合する。さらに、掛止爪24の掛止面24Bのうち略水平な前部は、掛止穴23の下縁部23Aに接触(掛合)しているが、前部を除いた傾斜した部分(中間部から後部)は、下縁部23Aから上方に離間している(隙間を開けている)。なお、本明細書において、「係合片21が係合溝22に嵌合する」とは、係合片21と係合溝22とが略同一形状で、あまり隙間を有さずに嵌り合うことに限らず、係合片21と係合溝22とが概ね同じような形状とされ、僅かな隙間を有しつつ緩く嵌り合うことを含む意味である。
【0065】
ここで、収容部10に取り付けられたカバー部11が鉛直上方または斜め前上方に持ち上げられたとしても、係合片21の外斜面21Rが係合溝22の内斜面22Rに干渉し、且つ、掛止爪24の掛止面24Bが掛止穴23の下縁部23Aに干渉するため、収容部10に対するカバー部11の取り外しが規制される(
図10も参照)。カバー部11を収容部10から取り外す場合、作業者は、一対の係合片21を左右方向の外側に開き、掛止爪24を掛止穴23から離脱させ、カバー部11を斜め前上方にスライドさせるとよい。この際、係合片21の外斜面21Fを係合溝22の内斜面22Fの上側に接触させながら、カバー部11をスライドさせるとよい。なお、ハウジング2から圧着端子3を取り外す場合には、作業者は、収容部10からカバー部11を取り外し、細い針状の治具を嵌合凸部13の解除穴17Bに差し込んでランス部16を上方に弾性変形させることで、端子爪部16Aを係止穴47から離脱させ、圧着端子3を収容室S3から引き抜けばよい。
【0066】
[コネクタと相手側コネクタとの接続]
次に、
図10を参照して、コネクタ1と相手側コネクタ90との接続について簡単に説明する。
図10はコネクタ1を相手側コネクタ90に接続した状態を示す側面図である。
【0067】
コネクタ1を相手側コネクタ90に接続する場合、作業者は、コネクタ1の2つの嵌合凸部13を相手側コネクタ90の2つの嵌合穴93に差し込み、且つ、コネクタ1の一対のロックアーム18を相手側コネクタ90の一対の被ロック部92に差し込む(図示せず)。各々の相手側端子は、相対的に、接続開口部41から接続空間S4に進入し、3つの圧接片部45を前方に弾性変形させながら差し込まれ、3つの圧接片部45と2つの圧接凸部42との間に挟み込まれる(図示せず)。各々のロックアーム18のロック爪部18Aは、被ロック部92の内部の凹部に係止される(図示せず)。以上によって、コネクタ1が相手側コネクタ90に接続される(
図10参照)。なお、コネクタ1を相手側コネクタ90から分離する場合には、作業者は、操作部18Bを押してロック爪部18Aの係止状態を解除しながら引き抜けばよい(図示せず)。
【0068】
ところで、L字状に屈曲したコネクタ1(ライトアングルコネクタ)は、ケーブル4を無理に曲げることなく、電気基板上に実装された相手側コネクタ90に容易に接続することができる。また、L字状に屈曲したコネクタ1では、その全高を低く抑えることもできる。ここで、例えば、コネクタ1が相手側コネクタ90に接続された状態で、ケーブル4を整列させる等の作業を行うことがある。この際、不注意でケーブル4に手が引っ掛かる等して、ケーブル4が上方(延在方向に交差する方向)に引っ張られることがあった(
図10に示す太矢印参照)。すると、ケーブル4に圧着された圧着部30は、端子接続部40との接続部分を支点に僅かに回動し(
図5に示す太矢印参照)、これに伴って、カバー部11も前端部(前方の外斜面21Fと内斜面22Fとの接触点付近)を支点にして回動する(
図10に示す太矢印参照)。そのため、カバー部11の後側が収容部10から浮き上がることがあった(
図10参照)。ケーブル4を引っ張る力の大きさによっては、カバー部11の左右両側の係合片21が外側に開いてしまい、掛止爪24が掛止穴23から外れ、カバー部11が収容部10から分離してしまう虞があった。
【0069】
上記のような問題に対し、本実施形態に係るハウジング2(コネクタ1)では、後方で互いに対向する係合溝22の内斜面22Rと係合片21の外斜面21Rとが、上方から下方に向けて後方(圧着端子3に接続されたケーブル4が延び出る方向)に傾斜する構成とした(
図8等参照)。また、カバー部11が収容開口部12Aを閉塞すると、上記した斜面21R,22R同士が下方で接触する構成とした(
図9B参照)。仮に、ケーブル4がコネクタ1の分離方向(上方)に引っ張られると、僅かではあるが、カバー部11が前端部(前方の外斜面21Fと内斜面22Fとの接触点付近)を支点として回動する。しかしながら、上記したハウジング2の構成によれば、係合片21の外斜面21Rが係合溝22の内斜面22Rに押し当てられるため(
図10参照)、カバー部11の過度な回動が規制され、カバー部11の後方が収容部10から大きく浮き上がることを抑制することができる。その結果、係合片21が係合溝22から外れることで、カバー部11が収容部10から分離することを抑制することができる。
【0070】
また、ハウジング2に収容された圧着端子3では、補強片48が、補強平板40Gの前端から第1平板40Aに向かって延設され、その先端が、第1平板40Aに僅かな隙間を挟んで対向する構成とした(
図5参照)。この構成によれば、ケーブル4が引っ張られ、圧着部30が端子接続部40に対して開かれるように回動したとしても、補強片48の先端が第1平板40Aに突き当たり、第1平板40Aと補強平板40Gとの間に架設された補強片48によって圧着部30の回動を規制することができる。これにより、圧着部30に作用する回動力に抵抗することができ、圧着端子3の過度な変形を抑制することができる。その結果、カバー部11の後方が収容部10から大きく浮き上がることが抑制され、カバー部11が収容部10から分離することを抑制することができる。以上のように、ハウジング2の取付構造5と圧着端子3(補強片48)とが協働することで、カバー部11が収容部10から分離することが有効に抑制されている。
【0071】
また、本実施形態に係るハウジング2によれば、カバー部11で収容開口部12Aを閉塞した場合に、後方の斜面21R,22R同士が干渉することに加え、掛止爪24を掛止穴23の下縁部23Aに掛合させることができる(
図9B参照)。これにより、収容部10とカバー部11とを接続した状態を強固にすることができ、収容部10からのカバー部11の分離を有効に抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態に係るハウジング2では、掛止穴23および掛止爪24が、係合溝22の形成範囲の前後方向の中央よりも前方にずれた位置で互いに掛合するように設けられていた(
図9B参照)。この構成によれば、掛止穴23と掛止爪24との掛合によって、主に、カバー部11の前方が収容部10から浮き上がることを有効に抑制することができる。
【0073】
ところで、掛止爪24の掛止面24B全体が掛止穴23の下縁部23A全体に接触していると仮定した場合(図示せず)、ケーブル4がコネクタ1の分離方向(上方)に引っ張られると、僅かではあるが、カバー部11は前端部を支点として回動し、掛止面24Bは、掛止穴23の下縁部23Aの後部のみに接触し、掛止穴23の下縁部23Aの前方で離間した片当たり状態になる。この状態で、ケーブル4が更に引っ張られると、掛止穴23の下縁部23Aが掛止面24Bから外れて掛止爪24に乗り上げてしまう虞がある。これに対し、本実施形態に係るハウジング2では、掛止面24Bが傾斜しており、カバー部11で収容開口部12Aを閉塞すると、掛止面24Bが掛止穴23の下縁部23Aの前方のみに接触する構成とした(
図9B参照)。この構成によれば、ケーブル4が引っ張られ、カバー部11が前端部を支点として微小回動すると、掛止面24B全体が掛止穴23の下縁部23A全体に接触した全当たり状態になる(
図10参照)。換言すると、掛止面24Bの下面と下縁部23Aの上面とが、面同士で接触した状態となる。これにより、ケーブル4が更に引っ張られたとしても、掛止爪24の掛止面24Bを掛止穴23の下縁部23Aに確りと掛合させた状態を保持することができる。
【0074】
また、本実施形態に係るハウジング2によれば、係合片21の外斜面21F,21Rが、係合溝22の内斜面22F,22Rよりも寝かせられているため、係合片21を係合溝22に嵌合(挿入)した状態で、係合片21の後方の下端角部(外斜面21R)を、後方に位置する内斜面22Rの下側に食い込ませることができる(
図9B参照)。これにより、後方に位置する内斜面22Rと外斜面21Rとを接触させた状態に保持することができ、係合片21が係合溝22から外れることを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るハウジング2では、係合片21が、前方に位置する外斜面21Fを、前方に位置する内斜面22Fの上部に接触させながら、係合溝22に嵌合する構成とした(
図9A参照)。この構成によれば、内斜面22Fの上部をガイドにして、円滑に係合片21を係合溝22に嵌合させることができる。
【0076】
本実施形態に係るコネクタ1によれば、ハウジング2や圧着端子3がL字状に形成されているため、例えば、電気基板上に実装された相手側コネクタ90に対しても、ケーブル4を無理に曲げることなく、容易に接続することができる。これにより、両コネクタ1,90を配置する空間を必要以上に広くする必要がなくなり、両コネクタ1,90を備える装置の小型化を図ることができる。
【0077】
なお、本実施形態に係るハウジング2では、一対の係合溝22が収容部10の左右両側に凹設され、一対の係合片21がカバー部11の左右両側に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の係合溝22がカバー部11の左右両側に凹設され、一対の係合片21が収容部10の左右両側に設けられてもよい(図示せず)。
【0078】
また、本実施形態に係るハウジング2では、係合溝22の前後方向の両側が一対の内斜面22F,22Rとされていたが、本発明はこれに限定されない。係合溝22の前後方向の両内端面のうち少なくとも後方が、内斜面22Rとされていればよい。つまり、一対の内斜面22F,22Rは、互いに平行でなくてもよい。例えば、後方の内斜面22Rのみとした場合、係合溝22の前方の内端面は、例えば垂直な面とされてもよい(図示せず)。また、係合溝22は、前後方向に対向する一対の内斜面22F,22R(内端面)で構成される必要はなく、例えば、係合溝22の前方上部には、外斜面21Fに接触して係合溝22への係合片21の進入をガイドする突起のみが突設されていてもよい(図示せず)。つまり、その突起を内斜面22Fとして捉え、係合溝22は突起と内斜面22Rとの間に構成されると考えてもよい。
【0079】
また、本実施形態に係るハウジング2では、係合片21の前後方向の両側が一対の外斜面21F,21Rとされていたが、本発明はこれに限定されない。係合片21の前後方向の両外端面のうち少なくとも後方が、外斜面21Rとされていればよい。つまり、一対の外斜面21F,21Rは、互いに平行でなくてもよい。例えば、後方の外斜面21Rのみとした場合、係合片21の前方の外端面は、例えば垂直な面とされてもよい(図示せず)。また、係合片21の外斜面21F,21Rが、係合溝22の内斜面22F,22Rよりも大きく傾斜していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、外斜面21F,21Rが、内斜面22F,22Rと同一の傾斜角度とされてもよい(図示せず)。
【0080】
また、本実施形態に係るハウジング2では、カバー部11で収容開口部12Aを閉塞すると、後方の内斜面22Rと外斜面21Rとが、互いに下部のみを接触させていたが、本発明はこれに限定されない。内斜面22Rと外斜面21Rとは、例えば、互いに上下方向の中央付近から下端まで接触してもよいし、上下方向の全域に亘って接触してもよい(いずれも図示せず)。これと同様に考え、前方に位置する内斜面22Fと外斜面21Fとは、例えば、互いに上下方向の中央付近から上端まで接触してもよいし、上下方向の全域に亘って接触してもよい(いずれも図示せず)。
【0081】
また、本実施形態に係るハウジング2では、掛止面24Bが水平な面と傾斜した面とを有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、掛止面24Bの全面が、前端から後端にわたって上方に傾斜した面とされてもよい(図示せず)。また、掛止面24Bの全面を略水平な面とすることを妨げない(図示せず)。また、本実施形態に係るハウジング2では、掛止穴23の下縁部23Aが略水平で、掛止爪24の掛止面24Bが傾斜していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、掛止穴23の下縁部23Aが前方から後方に向けて下方に傾斜する部分を有し、掛止爪24の掛止面24Bが略水平に形成されてもよい(図示せず)。すなわち、掛止穴23の下縁部23Aと、掛止爪24の掛止面24Bとの何れか一方が、何れか他方に対し、前方(第1方向の一方)を接触させ、後方(第1方向の他方)を離間させるように傾斜していればよい。
【0082】
また、本実施形態に係るハウジング2では、掛止穴23が係合片21に形成され、掛止爪24が係合溝22の形成範囲(収容部10の側面)に突設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、掛止穴23が係合溝22の形成範囲(収容部10の側面)に凹設され、掛止爪24が係合片21(の内面)に突設されてもよい(図示せず)。なお、掛止穴23は、貫通した開口である必要はなく、有底の凹み(窪み)であってもよい。
【0083】
また、本実施形態に係るハウジング2では、取付構造5が、係合溝22、係合片21、掛止穴23および掛止爪24を有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、掛止穴23および掛止爪24が省略され、取付構造5は係合溝22および係合片21で構成されてもよい(図示せず)。この場合、係合片21の先端(下端)に、収容本体部12の下角部に掛合するフックが設けられるとよい(図示せず)。また、他にも、カバー本体部20の前端部に、収容部10に掛合するフック等が設けられてもよい(図示せず)。
【0084】
なお、本実施形態に係る圧着端子3では、内平板40Eが右側板40Cの前端に連設され、外平板40Fが左側板40Bの前端に連設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、内平板40Eが左側板40Bの前端に連設され、外平板40Fが右側板40Cの前端に連設されてもよい(図示せず)。また、例えば、内平板40Eおよび外平板40Fは、左側板40Bと右側板40Cの何れか一方にのみ連設されてもよい(図示せず)。また、第2平板40Dには補強平板40Gが含まれていたが、これに限らず、補強平板40Gは省略されてもよい(図示せず)。この場合、補強片48は、内平板40Eに連設されるとよい(図示せず)。
【0085】
また、本実施形態に係る圧着端子3では、補強片48が、補強平板40Gの上端から第1平板40Aに向かって延設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、補強片48は、第1平板40Aから補強平板40Gに向かって延設されてもよい(図示せず)。また、補強片48は複数であってもよく、例えば、補強平板40Gから第1平板40Aに向かう補強片48と、第1平板40Aから補強平板40Gに向かう補強片48とが設けられてもよい(図示せず)。また、例えば、補強片48は、右側板40Cの上端から左側板40B側に向けて延設されてもよい(図示せず)。また、補強片48の先端が第1平板40Aから離間していたが、これに限らず、第1平板40Aに接触していてもよい(図示せず)。また、圧着部30と端子接続部40との継目部が、十分な剛性を備えているのであれば、補強片48は省略されてもよい(図示せず)。この場合、カバー部11の各押圧部20Bは、圧着端子3の端子接続部40の上端面に押し付けられるとよい(図示せず)。
【0086】
また、本実施形態に係る圧着端子3では、圧着部30の被覆基板部32と芯線基板部35との間に段差(傾斜板部37)が設けられていたが(
図4A参照)、これに限らず、被覆基板部32と芯線基板部35とは、同一平面を成すように設けられてもよい(図示せず)。また、被覆バレル片33および芯線バレル片36がそれぞれ一対設けられていたが、これに限らず、例えば、被覆バレル片33および芯線バレル片36は、それぞれ1つ設けられてもよい(図示せず)。また、圧着部30が被覆圧着部31と芯線圧着部34とで構成されていたが、これに限らず、被覆圧着部31を省略し、芯線圧着部34のみで構成されてもよい(図示せず)。この場合、芯線基板部35の基端がキャリアに連設されることになる(図示せず)。
【0087】
また、本実施形態に係る圧着端子3では、端子接続部40が略角筒状に形成されていたが、これに限らず、端子接続部40は、相手側端子と電気的に接続可能な形状であればよい。例えば、相手側端子が端子接続部40を挟み込むように形成されているのであれば、端子接続部40は、1枚の板状であってもよいし、1本の棒状であってもよい(図示せず)。
【0088】
また、本実施形態に係る圧着端子3では、端子接続部40が圧着部30に対して略直角に折曲していたが、直角に限らず、僅かに鈍角になってもよいし、鋭角になってもよい(図示せず)。
【0089】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係るハウジングおよびコネクタにおける一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0090】
1 コネクタ
2 ハウジング
3 圧着端子
4 ケーブル
5 取付構造
10 収容部
11 カバー部
12A 収容開口部
21 係合片
21F,21R 外斜面
22 係合溝
22F,22R 内斜面
23 掛止穴
23A 下縁部(縁部)
24 掛止爪
24B 掛止面
30 圧着部
40 端子接続部
S3 収容室