(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163479
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079107
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森永 雄司
(72)【発明者】
【氏名】湧口 純弥
(57)【要約】
【課題】寄生インダクタンスの低減化を図ることができる半導体モジュールを提供する。
【解決手段】第1半導体チップと第3半導体チップ、第2半導体チップと第4半導体チップ、第1配線パターンと第3配線パターン、第2配線パターンと第4配線パターン、第1中点端子と第2中点端子、及び、第1の第2電源端子と第2の第2電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン及び第1電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に形成され、第1中点端子及び第2中点端子は、半導体モジュールの一方側に隣接して配置され、第1電源端子、第1の第2電源端子及び第2の第2電源端子は、半導体モジュールの他方側に配置され、第1電源端子は、第5配線パターンの上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターンと第3配線パターンとを接続している半導体モジュール。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1~第4半導体チップ、第1~第5配線パターン、第1電源端子、第1の第2電源端子、第2の第2電源端子、第1中点端子及び第2中点端子を備え、前記第1半導体チップ及び前記第3半導体チップをハイサイドとし、前記第2半導体チップ及び前記第4半導体チップをローサイドとするブリッジ回路が構成されている半導体モジュールであって、
前記第1半導体チップと前記第3半導体チップ、前記第2半導体チップと前記第4半導体チップ、前記第1配線パターンと前記第3配線パターン、前記第2配線パターンと前記第4配線パターン、前記第1中点端子と前記第2中点端子、及び、前記第1の第2電源端子と前記第2の第2電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、
前記第5配線パターン及び前記第1電源端子は、それぞれ前記中心線を基準に対称に形成され、
前記第1中点端子及び前記第2中点端子は、前記半導体モジュールの一方側に隣接して配置され、
前記第1電源端子、前記第1の第2電源端子及び前記第2の第2電源端子は、前記半導体モジュールの他方側に配置され、
前記第1電源端子は、前記第5配線パターンの上部空間に非接触状態で配置され、かつ、前記第1配線パターンと前記第3配線パターンとを接続していることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
前記第2配線パターン及び前記第4配線パターンは、前記第1中点端子と前記第2中点端子を接続する隣接領域が近接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記第1配線パターン及び前記第3配線パターンは、前記第5配線パターンの両側に近接して配置されており、
前記第1の第2電源端子及び前記第2の第2電源端子は、前記第5配線パターンの両側に配置されており、
前記第1電源端子は、T字形状を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記第1半導体チップと前記第2半導体チップの近傍に配置され、前記第1配線パターンと前記第5配線パターンとに接続されている第1デカップリングコンデンサ、及び、前記第3半導体チップと前記第4半導体チップの近傍に配置され、前記第3配線パターンと前記第5配線パターンとに接続されている第2デカップリングコンデンサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記第5配線パターンは、平面的に見て中央部に配置され、
前記第5配線パターンは、前記半導体モジュールの前記他方側に位置し、前記第1の第2電源端子と前記第2の第2電源端子が接続されている第1部分と、前記第1配線パターンと前記第3配線パターンの間に位置する第2部分と、前記第2部分から前記半導体モジュールの前記一方側に向けて突出する第3部分とを有し、前記第3部分には、第1斜辺及び第2斜辺を有する先細り形状の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記第1半導体チップは、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を備え、前記第1ゲート電極は第1制御用接続部材及び第1制御用配線パターンを介して第1制御用端子に接続され、前記第1ソース電極は第1検出用接続部材及び第1検出用配線パターンを介して第1検出用端子に接続されるとともに第1接続部材を介して前記第2配線パターンに接続され、前記第1ドレイン電極は前記第1配線パターンに接続され、
前記第2半導体チップは、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を備え、前記第2ゲート電極は第2制御用接続部材及び第2制御用配線パターンを介して第2制御用端子に接続され、前記第2ソース電極は第2検出用接続部材及び第2検出用配線パターンを介して第2検出用端子に接続されるとともに第2接続部材を介して前記第5配線パターンに接続され、前記第2ドレイン電極は前記第2配線パターンに接続され、
前記第3半導体チップは、第3ゲート電極、第3ソース電極及び第3ドレイン電極を備え、前記第3ゲート電極は第3制御用接続部材及び第3制御用配線パターンを介して第3制御用端子に接続され、前記第3ソース電極は第3検出用接続部材及び第3検出用配線パターンを介して第3検出用端子に接続されるとともに第3接続部材を介して前記第4配線パターンに接続され、前記第3ドレイン電極は前記第3配線パターンに接続され、
前記第4半導体チップは、第4ゲート電極、第4ソース電極及び第4ドレイン電極を備え、前記第4ゲート電極は第4制御用接続部材及び第4制御用配線パターンを介して第4制御用端子に接続され、前記第4ソース電極は第4検出用接続部材及び第4検出用配線パターンを介して第4検出用端子に接続されるとともに第4接続部材を介して前記第5配線パターンに接続され、前記第4ドレイン電極は前記第4配線パターンに接続され、
前記第2配線パターンには前記第5配線パターンの前記第1斜辺に沿った斜辺が形成され、前記第4配線パターンには前記第5配線パターンの前記第2斜辺に沿った斜辺が形成され、
前記第2半導体チップは、当該第2半導体チップの複数の辺のうちの1つの辺を当該第2半導体チップの第1辺としたとき、当該第2半導体チップの第1辺が前記第5配線パターンの前記第1斜辺に沿って配置され、
前記第4半導体チップは、当該第4半導体チップの複数の辺のうちの1つの辺を当該第4半導体チップの第1辺としたとき、当該第4半導体チップの第1辺が前記第5配線パターンの前記第2斜辺に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記第1電源端子、前記第1の第2電源端子、前記第2の第2電源端子、前記第1中点端子及び前記第2中点端子は、インナーリード部の幅がアウターリード部の幅よりも広くなっていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体チップからブリッジ回路を構成することが広く行われている。ブリッジ回路において、回路内の寄生インダクタンスが要因で損失やリンギングが発生することがある。特に、半導体チップとしてワイドバンドギャップ半導体を使用する場合においては、その高スルーレートと高い動作周波数により、回路内の寄生インダクタンスが要因で損失やリンギングが発生し易い。寄生インダクタンスは、配線経路長(電流経路長ともいう。)に大きく依存するので、寄生インダクタンスを低減するためにモジュール化することも考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図14は、特許文献1に記載されている半導体装置900の内部構成を示す平面図である。特許文献1に開示されている半導体装置900は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときの電流経路は、
図14の実線Aで示すように、第1電源端子911から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子921に至り、第1中点端子921から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子922から第4半導体チップQ4を通って第2電源端子912に至る経路である。
【0004】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときの電流経路は、
図14の破線Bで示すように、第1電源端子911から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子922に至り、第2中点端子922から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子921から第2半導体チップQ2を通って第2電源端子912に至る経路である。
【0005】
なお、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときは第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2はともにオフになっており、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときは第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4はともにオフになっているが、半導体チップがオフになっていることの記載は以下の説明においては省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/241239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような電流経路を有する半導体モジュールは、単純にモジュール化しただけであるため、寄生インダクタンスの低減効果は不十分であり、これが問題となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体モジュールは、第1~第4半導体チップ、第1~第5配線パターン、第1電源端子、第1の第2電源端子、第2の第2電源端子、第1中点端子及び第2中点端子を備え、前記第1半導体チップ及び前記第3半導体チップをハイサイドとし、前記第2半導体チップ及び前記第4半導体チップをローサイドとするブリッジ回路が構成されている半導体モジュールであって、前記第1半導体チップと前記第3半導体チップ、前記第2半導体チップと前記第4半導体チップ、前記第1配線パターンと前記第3配線パターン、前記第2配線パターンと前記第4配線パターン、前記第1中点端子と前記第2中点端子、及び、前記第1の第2電源端子と前記第2の第2電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、前記第5配線パターン及び前記第1電源端子は、それぞれ前記中心線を基準に対称に形成されており、前記第1中点端子及び前記第2中点端子は、前記半導体モジュールの一方側に隣接して配置されており、前記第1電源端子、前記第1の第2電源端子及び前記第2の第2電源端子は、前記半導体モジュールの他方側に配置されており、前記第1電源端子は、前記第5配線パターンの上部空間に非接触状態で配置され、かつ、前記第1配線パターンと前記第3配線パターンとを接続していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体モジュールにおいては、第1半導体チップと第3半導体チップ、第2半導体チップと第4半導体チップ、第1配線パターンと第3配線パターン、第2配線パターンと第4配線パターン、第1中点端子と第2中点端子、及び、第1の第2電源端子と第2の第2電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン及び第1電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されている。このため、本発明の半導体モジュールによれば、第1半導体チップ及び第4半導体チップをともにオンしたときと第3半導体チップ及び第2半導体チップをともにオンしたときとで流れる電流経路の長さ(配線経路長)を合わせることができる。その結果、第1半導体チップ及び第4半導体チップをともにオンしたときと第3半導体チップ及び第2半導体チップをともにオンしたときとで流れる電流経路(配線)の寄生インダクタンスを合わせることができ、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0011】
また、本発明の半導体モジュールにおいては、第1中点端子と第2中点端子、及び、第1の第2電源端子と第2の第2電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン及び第1電源端子は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されており、第1中点端子及び第2中点端子は、半導体モジュールの一方側に隣接して配置されており、第1電源端子、第1の第2電源端子及び第2の第2電源端子は、半導体モジュールの他方側に配置されており、第1電源端子は、第5配線パターンの上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターンと第3配線パターンとを接続している。このため、本発明のモジュールによれば、第1半導体チップ及び第4半導体チップをともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子から第1半導体チップを通って第1中点端子に至り、第1中点端子から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子から第4半導体チップを通って第5配線パターンに入った後、第1の第2電源端子及び第2の第2電源端子に至る電流経路となる。また、第3半導体チップ及び第2半導体チップをともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子から第3半導体チップを通って第2中点端子に至り、第2中点端子から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子から第2半導体チップを通って第5配線パターンに入った後、第1の第2電源端子及び第2の第2電源端子に至る電流経路となる。このため、上記のいずれの場合も、第1電源端子と第5配線パターンとでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子と第2中点端子とでは逆方向に電流が流れることとなり、第1電源端子及び第5配線パターンに発生する磁界、及び、第1中点端子及び第2中点端子に発生する磁界を相殺することができることから、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る半導体モジュール1の概念図である。
【
図2】実施形態に係る半導体モジュール1の内部構成を示す平面図である。
【
図3】実施形態に係る半導体モジュール1から第1電源端子51を分離した状態を示す平面図である。
【
図6】実施形態に係る半導体モジュール1の等価回路図である。
【
図7】
図2の平面図に電流経路を書き込んだ電流経路説明図である。
【
図8】比較例に係る半導体モジュール1Aの内部構成を示す平面図である。
【
図9】
図8の平面図に電流経路を書き込んだ電流経路説明図である。
【
図10】実施形態に係る半導体モジュール1と比較例に係る半導体モジュール1Aについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。
【
図11】実施形態に係る半導体モジュール1と比較例に係る半導体モジュール1Aについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。
【
図12】変形例1に係る半導体モジュールの等価回路図である。
【
図13】変形例2に係る半導体モジュールの等価回路図である。
【
図14】特許文献1に記載されている半導体装置900の内部構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の半導体モジュールの実施形態について説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る半導体モジュール1の概念図である。
図1の概念図は、本発明の上位概念を示す図であって、主な電流経路(制御系や検出系の電流経路を除外した、比較的大きな電流が流れる電流経路)を構成する構成要素(部材)を示す図である。
図1における黒丸は、構成要素の区切りを示すものである。
図2は、実施形態に係る半導体モジュール1の内部構成を示す平面図である。
図3は、実施形態に係る半導体モジュール1から第1電源端子51を分離した状態を示す平面図である。
図4は、
図3の要部拡大図である。
図5は、第1電源端子51の説明図である。
【0015】
以下、
図1~
図5を参照して実施形態に係る半導体モジュール1について説明する。
【0016】
実施形態に係る半導体モジュール1は、DC-DCコンバータであって、
図1~
図4に示すように、第1~第4半導体チップQ1~Q4、第1~第5配線パターン10~50、第1電源端子51、第1の第2電源端子52、第2の第2電源端子53、第1中点端子61及び第2中点端子62を備え、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするブリッジ回路が構成されている。第1電源端子51、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は入力電源端子として機能し、第1中点端子61及び第2中点端子62は出力電源端子として機能する。このようなブリッジ回路において、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンする動作と、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする動作とを交互に繰り返す。ブリッジ回路は、基板70に形成されている。半導体モジュール1は樹脂封止されており、モールドMは外縁を表示している。
【0017】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1半導体チップQ1と第3半導体チップQ3、第2半導体チップQ2と第4半導体チップQ4、第1配線パターン10と第3配線パターン30、第2配線パターン20と第4配線パターン40、第1中点端子61と第2中点端子62、及び、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン50及び第1電源端子51は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されている。
【0018】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1中点端子61及び第2中点端子62は、半導体モジュール1の一方側に隣接して配置され、第1電源端子51、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は、半導体モジュール1の他方側に配置され、第1電源端子51は、第5配線パターン50の上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続している。
【0019】
なお、実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1~第4半導体チップQ1~Q4は、第1半導体チップQ1、第2半導体チップQ2、第3半導体チップQ3及び第4半導体チップQ4である。また、第1~第5配線パターン10~50は、第1配線パターン10、第2配線パターン20、第3配線パターン30、第4配線パターン40及び第5配線パターン50である。また、以下の説明において、第1~第4半導体チップQ1~Q4をまとめて説明する場合には、「第1」、「第2」等を省略して、「半導体チップQ1~Q4」と表記する場合もある。また、第1~第5配線パターン10~50も同様に、第1~第5配線パターン10~50をまとめて説明する場合には、「第1」、「第2」等を省略して、「配線パターン10~50」と表記する場合もある。
【0020】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、半導体チップQ1~Q4はMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるとし、その平面視形状は矩形をなしているものとして説明する。また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、セラミック(アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等)からなるベースに金属(銅)を直接接合したセラミック基板であるDCB(Direct Copper Bonding)基板70上に配線パターン10~50が形成されているものとする。なお、本発明の半導体モジュールに用いる基板はDCB基板に限られるものではなく、AMB(Active Metal Brazing)基板のような他のセラミック基板や、銅ベースやアルミニウムベースの金属ベース基板等を用いることもできる。セラミック基板に接合する金属としては、銅以外の金属(例えば、アルミニウム)を用いることもできる。
【0021】
半導体チップQ1~Q4はそれぞれソース電極S、ドレイン電極D、ゲート電極Gを有しているが、半導体チップQ1~Q4として縦型トランジスタチップ(SiやSiC材料で構成されるMOSFET等の縦型トランジスタチップ)を用いた場合のドレイン電極Dは、半導体チップQ1~Q4における配線パターン10~40側の面(半導体チップQ1~Q4の裏面)に設けるように構成する。なお、実施形態に係る半導体モジュール1においては、半導体チップQ1~Q4として縦型トランジスタチップを用いた場合を例示している。従って、ドレイン電極Dは配線パターン10~40側に設けられていて目視できないため、ドレイン電極を示す符号「D」は図示されていない。また、ゲート電極Gは、半導体チップQ1~Q4におけるソース電極S側の面に設けられている。
【0022】
また、半導体チップQ1~Q4は、本発明の要旨を変更しない範囲であれば適宜変更可能であり、例えば、半導体チップQ1~Q4として、例えば、横型トランジスタチップ(例えば、GaNオンSi材料で構成されるGaN-HEMT、その他Ga2O3オンSi材料で構成される化合物半導体トランジスタ等)を用いてもよい。なお、横型トランジスタチップの場合、ドレイン電極Dを含め、ゲート電極G及びソース電極Sは、半導体チップの表面に複数形成すると好適である。また、半導体チップQ1~Q4は、トランジスタチップに限定せず、回路アプリケーションに対応して、適宜、トランジスタチップをダイオードチップに置き換えた変形的構成としてもよい。
【0023】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第2配線パターン20及び第4配線パターン40は、第1中点端子61と第2中点端子62を接続する隣接領域が近接して配置されている。
【0024】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1配線パターン10及び第3配線パターン30は、第5配線パターン50(後述する第2部分)の両側に近接して配置されており、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は、第5配線パターン50(後述する第1部分)の両側に配置されており、第1電源端子51は、T字形状を有する。
【0025】
実施形態に係る半導体モジュール1は、
図2~
図4に示すように、第1半導体チップQ1と第2半導体チップQ2の近傍に配置され、第1配線パターン10と第5配線パターン50とに接続されている第1デカップリングコンデンサ91、及び、第3半導体チップQ3と第4半導体チップQ4の近傍に配置され、第3配線パターン30と第5配線パターン50とに接続されている第2デカップリングコンデンサ92をさらに備える。第1デカップリングコンデンサ91及び第2デカップリングコンデンサ92は電源電圧の変動を回避したり、各種ノイズを除去したりする機能を有している。
【0026】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第5配線パターン50は、平面的に見て中央部に配置され、第5配線パターン50は、半導体モジュール1の他方側に位置し、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53が接続されている第1部分と、第1配線パターン10と第3配線パターン30の間に位置する第2部分と、第2部分から半導体モジュール1の一方側に向けて突出する第3部分とを有し、第3部分には、第1斜辺55及び第2斜辺56を有する先細り形状の凸部54が形成されている。
【0027】
なお、「先細り形状の凸部54」は、以下では「先細り形状の」を省略して、単に「凸部54」と表記する場合もある。凸部54の第1斜辺55と第2斜辺56とのなす角度θ(
図4参照。)は、特に限定されるものではないが、実施形態に係る半導体モジュール1においては90度として示している。このため、第2配線パターン20の斜辺22及び第4配線パターン40の斜辺42は、角度がそれぞれ45度である。
【0028】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1半導体チップQ1は、第1ゲート電極G1、第1ソース電極S1及び第1ドレイン電極を備える。第1ゲート電極G1はアルミニウムワイヤなどからなる第1制御用接続部材131及び第1制御用配線パターン111を介して第1制御用端子T11に接続されている。第1ソース電極S1はアルミニウムワイヤなどからなる第1検出用接続部材141及び第1検出用配線パターン121を介して第1検出用端子T21に接続されるとともにアルミニウムワイヤなどからなる第1接続部材81を介して第2配線パターン20に接続されている。第1ドレイン電極は第1配線パターン10に接続されている。
【0029】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第2半導体チップQ2は、第2ゲート電極G2、第2ソース電極S2及び第2ドレイン電極を備える。第2ゲート電極G2はアルミニウムワイヤなどからなる第2制御用接続部材132及び第2制御用配線パターン112を介して第2制御用端子T12に接続されている。第2ソース電極S2はアルミニウムワイヤなどからなる第2検出用接続部材142及び第2検出用配線パターン122を介して第2検出用端子T22に接続されるとともにアルミニウムワイヤなどからなる第2接続部材82を介して第5配線パターン50に接続されている。第2ドレイン電極は第2配線パターン20に接続されている。
【0030】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第3半導体チップQ3は、第3ゲート電極G3、第3ソース電極S3及び第3ドレイン電極を備える。第3ゲート電極G3はアルミニウムワイヤなどからなる第3制御用接続部材133及び第3制御用配線パターン113を介して第3制御用端子T13に接続されている。第3ソース電極S3はアルミニウムワイヤなどからなる第3検出用接続部材143及び第3検出用配線パターン123を介して第3検出用端子T23に接続されるとともにアルミニウムワイヤなどからなる第3接続部材83を介して第4配線パターン40に接続されている。第3ドレイン電極は第3配線パターン30に接続されている。
【0031】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、第4半導体チップQ4は、第4ゲート電極G4、第4ソース電極S4及び第4ドレイン電極を備える。第4ゲート電極G4はアルミニウムワイヤなどからなる第4制御用接続部材134及び第4制御用配線パターン114を介して第4制御用端子T14に接続されている。第4ソース電極S4はアルミニウムワイヤなどからなる第4検出用接続部材144及び第4検出用配線パターン124を介して第4検出用端子T24に接続されるとともにアルミニウムワイヤなどからなる第4接続部材84を介して第5配線パターン50に接続されている。第4ドレイン電極は第4配線パターン40に接続されている。
【0032】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第2配線パターン20には第5配線パターン50の第1斜辺55に沿った斜辺が形成され、第4配線パターン40には第5配線パターン50の第2斜辺56に沿った斜辺が形成されている。
【0033】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第2半導体チップQ2は、第2半導体チップQ2の複数の辺のうちの1つの辺を第2半導体チップQ2の第1辺a1としたとき、第2半導体チップQ2の第1辺a1が第5配線パターン50の第1斜辺55に沿って配置され、第2半導体チップQ2のソース電極S2が第2接続部材82を介して第5配線パターン50に接続されている。
【0034】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第4半導体チップQ4は、第4半導体チップQ4の複数の辺のうちの1つの辺を第4半導体チップQ4の第1辺a1としたとき、第4半導体チップQ4の第1辺a1が第5配線パターン50の第2斜辺56に沿って配置され、第4半導体チップQ4のソース電極S4が第4接続部材84を介して第5配線パターン50に接続されている。
【0035】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、
図2~
図4に示すように、第1電源端子51、第1の第2電源端子52、第2の第2電源端子53、第1中点端子61及び第2中点端子62は、インナーリード部51a,52a,53a,61a,62aの幅がアウターリード部51b,52b,53b,61b,62bの幅よりも広くなっている。
【0036】
第1電源端子51、第1及び第2の第2電源端子52,53並びに第1及び第2中点端子61,62について説明する。第1電源端子51並びに第1及び第2の第2電源端子52,53は、ブリッジ回路への電力を供給する端子であり、電流の流れとしてみた場合、第1電源端子51が電流の入力側、第1及び第2の第2電源端子52,53が電流の出力側であるとする。
【0037】
第1電源端子51は第1配線パターン10及び第3配線パターン30に接続されている。第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は第5配線パターン50(両側部)に接続されている。
【0038】
第1中点端子61及び第2中点端子62は、図示しない負荷が接続される端子である。第1中点端子61は第2配線パターン20に接続されており、第2中点端子62は第4配線パターン40に接続されている。そして、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときとでは、第1中点端子61と第2中点端子62との間を流れる電流の向きが反転する。
【0039】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときには、第1中点端子61から第2中点端子62へと電流が流れ、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときには、第2中点端子62から第1中点端子61へと電流が流れる。実施形態に係る半導体モジュール1における全体的な電流経路については後述する。
【0040】
また、
図2~
図4に示すように、第1電源端子51のアウターリード部並びに第1の第2電源端子52のアウターリード部及び第2の第2電源端子53のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の反対側に配置されている。ここで、「半導体モジュール1の反対側」というのは、半導体モジュール1の図示の上側と図示の下側である。また、アウターリード部というのは、樹脂封止したときに樹脂の外側に存在する部分のことをいう。なお、実施形態1に係る半導体モジュール1は樹脂封止されているが、
図2及び
図3においては、半導体モジュール1の内部構成を示すため、樹脂については符号Mで示す外縁のみを表示している。
【0041】
なお、
図2~
図4に示すように、第1制御端子T11のアウターリード部及び第3制御端子T13のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部、第1の第2電源端子52のアウターリード部及び第2の第2電源端子53のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。また、第2制御端子T12のアウターリード部及び第4制御端子T14のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。
【0042】
また、
図2~
図4に示すように、第1検出端子T21のアウターリード部及び第3検出端子T23のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部、第1の第2電源端子52のアウターリード部及び第2の第2電源端子53のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。さらに、第2検出端子T22のアウターリード部及び第4検出端子T24のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュールの同じ側に配置されている。
【0043】
第1電源端子51は、
図5の正面図に示すように、第1配線パターン10との接続部511、第3配線パターン30との接続部512、及び、第1配線パターン10との接続部511と第3配線パターン30との接続部512との間に位置し第5配線パターン50との間に空間を形成するための空間形成部513を有する。このため、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1電源端子51は、
図2~
図5からも分かるように、第5配線パターン50の上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続する。
【0044】
図6は、
図2に示す半導体モジュール1のブリッジ回路100の等価回路図である。
図7は、
図2の平面図に電流経路を書き込んだ電流経路説明図である。
図6及び
図7において、
図2と同一構成要素には基本的には同一符号が付されている。但し、
図6においては、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53を総称して第2電源端子52として表し、以下の説明でも第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53を総称して第2電源端子52として説明する。
【0045】
図6に示すブリッジ回路100は、前述したように、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするブリッジ回路である。このようなブリッジ回路100において、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4の各ゲート電極G(ゲート電極G1,G4)に所定の電圧が同時に印加されることにより、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンする。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2の各ゲート電極G(ゲート電極G3,G2)に所定の電圧が同時に印加されることにより、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする。
【0046】
ここで、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路は、
図6の実線Aで示すように、第1電源端子51から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子61に至り、第1中点端子61から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子62から第4半導体チップQ4を通って第2電源端子52に至る経路である。
【0047】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路は、
図6の破線Bで示すように、第1電源端子51から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子62に至り、第2中点端子62から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子61から第2半導体チップQ2を通って第2電源端子52に至る経路である。
【0048】
このような電流経路を、実施形態に係る半導体モジュール1の電流経路の説明図である
図7を参照して具体的に説明する。なお、
図7は、
図2の平面図に電流経路を加えた図である。但し、
図7においては、
図2に示した各構成要素を示す符号は、一部が省略されており、主に、電流経路の説明に必要な構成要素の符号が記載されている。
【0049】
第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路は、
図7の実線Aで示す経路となる。具体的には、第1電源端子51から第1配線パターン10に入り、当該第1配線パターン10に搭載されている第1半導体チップQ1のドレイン電極からソース電極S1を経て、当該ソース電極S1と第2配線パターン20とを接続する第1接続部材81を介して第2配線パターン20を通って第1中点端子61へと流れる。その後、図示しない負荷を経て第2中点端子62から第4配線パターン40に入り、当該第4配線パターン40に搭載されている第4半導体チップQ4のドレイン電極からソース電極S4を経て、当該ソース電極S4と第5配線パターン50とを接続する第4接続部材84を介して第5配線パターン50を通って第2電源端子52(第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53)へと流れる。
【0050】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路は、
図7の破線Bで示す経路となる。具体的には、第1電源端子51から第3配線パターン30に入り、当該第3配線パターン30に搭載されている第3半導体チップQ3のドレイン電極からソース電極S3を経て、当該ソース電極S3と第4配線パターン40とを接続する第3接続部材83を介して第4配線パターン40を通って第2中点端子62へと流れる。その後、図示しない負荷を経て第1中点端子61から第2配線パターン20に入り、当該第2配線パターン20に搭載されている第2半導体チップQ2のドレイン電極からソース電極S2を経て、当該ソース電極S2と第5配線パターン50とを接続する第2接続部材82から第5配線パターン50を通って第2電源端子52(第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53)へと流れる。
【0051】
このように、半導体モジュール1の使用時においては、第1電源端子51と第2電源端子52(第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53)とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れる。
【0052】
以上説明したように、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1と第3半導体チップQ3、第2半導体チップQ2と第4半導体チップQ4、第1配線パターン10と第3配線パターン30、第2配線パターン20と第4配線パターン40、第1中点端子61と第2中点端子62、及び、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン50及び第1電源端子51は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されている。このため、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときと第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときとで流れる電流経路の長さ(配線経路長)を合わせることができる。その結果、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときと第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときとで流れる電流経路(配線)の寄生インダクタンスを合わせることができ、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0053】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1中点端子61と第2中点端子62、及び、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン50及び第1電源端子51は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されており、第1中点端子61及び第2中点端子62は、半導体モジュール1の一方側に隣接して配置されており、第1電源端子51、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は、半導体モジュール1の他方側に配置されており、第1電源端子51は、第5配線パターン50の上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続している。このため、実施形態に係るモジュール1によれば、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子51から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子61に至り、第1中点端子61から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子62から第4半導体チップQ4を通って第5配線パターン50に入った後、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53に至る電流経路となる。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子51から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子62に至り、第2中点端子62から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子61から第2半導体チップQ2を通って第5配線パターン50に入った後、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53に至る電流経路となる。このため、上記のいずれの場合も、第1電源端子51と第5配線パターン50とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れることとなり、第1電源端子51及び第5配線パターン50に発生する磁界、及び、第1中点端子61及び第2中点端子62に発生する磁界を相殺することができることから、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0054】
以上説明したように、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、寄生インダクタンスを低減化できる効果が得られるが、これらの効果を検証するために発明者がシミュレーションを行った。以下、発明者がシミュレーションを行った結果について説明する。
【0055】
図8は、実施形態に係る半導体モジュール1との比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの内部構成の平面図である。なお、以下の説明においては、比較を行うために準備した半導体モジュール1Aは単に「半導体モジュール1A」と表記する場合もある。
【0056】
半導体モジュール1Aは、基本的には実施形態に係る半導体モジュール1と同様の構成要素を有している。なお、
図8においては、半導体モジュール1Aの構成要素を示す符号は、説明に必要な符号が示されている。ここで、半導体モジュール1Aにおいては、実施形態に係る半導体モジュール1における第1~第4配線パターン10~40を第1~第4配線パターン210~240とし、第1電源端子51を第1電源端子251とし、第2電源端子(第1の第2電源端子)52,53に対応する電源端子を第2電源端子252とし、第1、第2中点端子61,62を第1、第2中点端子261,262とし、第1~第4接続部材81~84を第1~第4接続部材281~284とする。
【0057】
なお、実施形態に係る半導体モジュール1における第1~第4半導体チップQ1~Q4は、半導体モジュール1Aにおいても第1~第4半導体チップQ1~Q4とし、実施形態に係る半導体モジュール1における基板70は半導体モジュール1Aにおいても基板70とする。また、ここでも第1~第4半導体チップQ1~Q4をまとめて説明する場合には、半導体チップQ1~Q4と表記する場合もあり、第1~第4配線パターン210~240をまとめて説明する場合には、配線パターン210~240と表記する場合もある。
【0058】
半導体モジュール1Aのブリッジ回路の構成は、実施形態に係る半導体モジュール1と同様であり、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするブリッジ回路であり、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンし、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする。
【0059】
但し、半導体モジュール1Aにおいては、
図8からも分かるように、第1電源端子251が第2電源端子252よりも短く形成されていることから第1電源端子251及び第2電源端子252に発生する磁界の一部しか相殺できない構成となっている。また、半導体モジュール1Aにおいては、第1中点端子261と第1中点端子262とが基板の両側に離隔して配置されていることから、そもそも第1中点端子261及び第2中点端子262に発生する磁界をほとんど相殺できない構成となっている。
【0060】
図9は、比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの電流経路の説明図である。なお、
図9は、
図8に示す半導体モジュール1Aに電流経路を加えた図であり、
図9における半導体モジュール1Aとしての構成は
図8に示した半導体モジュール1Aと同様である。半導体モジュール1Aの電流経路は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときは、
図9において実線Aで示すような経路となる。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときは、
図9において破線Bで示すような経路となる。
【0061】
ここで、実施形態に係る半導体モジュール1において発生する寄生インダクタンスと半導体モジュール1Aにおいて発生する寄生インダクタンスとをシミュレーションによって比較した結果を説明する。ここでは、ブリッジ回路のオン・オフ動作の周波数を1kHz~1GHz超までの範囲において、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がオンしたときの電流経路に発生する寄生インダクタンスと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がオンしたときの電流経路に発生する寄生インダクタンスとを測定した。
【0062】
図10は、実施形態に係る半導体モジュール1と比較例に係る半導体モジュール1Aについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。
図10は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときの図である。
図11は、実施形態に係る半導体モジュール1と比較例に係る半導体モジュール1Aについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。
図11は、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときの図である。
【0063】
半導体モジュール1Aにおいては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路A(
図10参照。)に発生する寄生インダクタンスは、1kHzで48ナノヘンリー(48nH)、100kHzで35ナノヘンリー(35nH)、1GHzで30ナノヘンリー(30nH)であり、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路B(
図11参照。)に発生する寄生インダクタンスは、1kHzで44ナノヘンリー(44nH)、100kHzで34ナノヘンリー(34nH)、1GHzで29ナノヘンリー(29H)であった。
【0064】
一方、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路A(
図10参照。)に発生する寄生インダクタンスは、1kHzで23ナノヘンリー(23nH)、100kHzで17ナノヘンリー(17nH)、1GHzで14ナノヘンリー(14nH)であり、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路B(
図11参照。)に発生する寄生インダクタンスは、1kHzで23ナノヘンリー(23nH)、100kHzで17ナノヘンリー(17nH)、1GHzで14ナノヘンリー(14nH)であった。
【0065】
この結果から、実施形態に係る半導体モジュール1は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときのいずれの場合においても、半導体モジュール1Aに比べて、寄生インダクタンスを低減できることが確認された。
【0066】
以上説明したように、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1と第3半導体チップQ3、第2半導体チップQ2と第4半導体チップQ4、第1配線パターン10と第3配線パターン30、第2配線パターン20と第4配線パターン40、第1中点端子61と第2中点端子62、及び、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン50及び第1電源端子51は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されている。このため、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときと第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときとで流れる電流経路の長さ(配線経路長)を合わせることができる。その結果、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときと第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときとで流れる電流経路(配線)の寄生インダクタンスを合わせることができ、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0067】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1中点端子61と第2中点端子62、及び、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子53は、それぞれ中心線を基準に対称に配置され、第5配線パターン50及び第1電源端子51は、それぞれ中心線を基準に対称に形成されており、第1中点端子61及び第2中点端子62は、半導体モジュール1の一方側に隣接して配置されており、第1電源端子51、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53は、半導体モジュール1の他方側に配置されており、第1電源端子51は、第5配線パターン50の上部空間に非接触状態で配置され、かつ、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続している。このため、実施形態に係るモジュール1によれば、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4をともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子51から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子61に至り、第1中点端子61から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子62から第4半導体チップQ4を通って第5配線パターン50に入った後、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53に至る電流経路となる。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2をともにオンしたときの電流経路は、第1電源端子51から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子62に至り、第2中点端子62から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子61から第2半導体チップQ2を通って第5配線パターン50に入った後、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53に至る電流経路となる。このため、上記のいずれの場合も、第1電源端子51と第5配線パターン50とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れることとなり、第1電源端子51及び第5配線パターン50に発生する磁界、及び、第1中点端子61及び第2中点端子62に発生する磁界を相殺することができることから、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0068】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第2配線パターン20及び第4配線パターン40は、第1中点端子61と第2中点端子62を接続する隣接領域が近接して配置されていることから、これらの隣接領域を流れる電流により発生する磁界を効率良く相殺することができ、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0069】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1配線パターン10及び第3配線パターン30が、第5配線パターン50の両側に近接して配置されており、第1の第2電源端子52及び第2の第2電源端子53が、第5配線パターン50の両側に配置されており、さらには、第1電源端子51がT字形状を有することから、これらの領域を流れる電流により発生する磁界を効率良く相殺することができ、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0070】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1半導体チップQ1と第2半導体チップQ2の近傍に配置され、第1配線パターン10と第5配線パターン50とに接続されている第1デカップリングコンデンサ91、及び、第3半導体チップQ3と第4半導体チップQ4の近傍に配置され、第3配線パターン30と第5配線パターン50とに接続されている第2デカップリングコンデンサ92をさらに備えることから、これらのデカップリングコンデンサが一時的に電気を蓄えることでノイズとなる電流変化を吸い込み、ノイズの発生や電源電圧の変化を防ぐことができる。また、2つの並列するスイッチング回路のそれぞれにデカップリングコンデンサを備えているため、効率よくノイズの発生や電源電圧の変化を防ぐことができる。
【0071】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第5配線パターン50は、平面的に見て中央部に配置され、第5配線パターン50は、半導体モジュール1の他方側に位置し、第1の第2電源端子52と第2の第2電源端子52が接続されている第1部分と、第1配線パターン10と第3配線パターン30の間に位置する第2部分と、第2部分から半導体モジュール1の一方側に向けて突出する第3部分とを有し、第3部分には、第1斜辺55及び第2斜辺56を有する先細り形状の凸部54が形成されていることから、第5配線パターン50の広い幅部分(第1部分及び第2部分)の上部空間に第1電源端子51を非接触状態で配置できるので、第1電源端子51の幅を広くでき、結果として寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0072】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第2配線パターン20には第5配線パターン50の第1斜辺55に沿った斜辺が形成され、第4配線パターン40には第5配線パターン50の第2斜辺56に沿った斜辺が形成され、第2半導体チップQ2は、当該第2半導体チップQ2の第1辺a1が第5配線パターン50の第1斜辺55に沿って配置され、当該第2半導体チップQ2のソース電極S2が第2接続部材82を介して第5配線パターン50に接続され、第4半導体チップQ4は、当該第4半導体チップQ4の第1辺a1が第5配線パターン50の第2斜辺56に沿って配置され、当該第4半導体チップQ4のソース電極S4が第4接続部材84を介して第5配線パターン50に接続されていることから、負荷から第5配線パターン50までの電流経路が短くなり、結果として、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0073】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1電源端子51、第1の第2電源端子52、第2の第2電源端子53、第1中点端子61及び第2中点端子62は、インナーリード部51a,52a,53a,61a,62aの幅がアウターリード部51b,52b,53b,61b,62bの幅よりも広くなっていることから、電流経路の幅が広くなり、結果として、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0074】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0075】
(1)本発明に係る構成要素の形状、数、大きさ、位置等は、
図2に示したものに限定されず、本発明の特徴を損ねない限りにおいて、適宜変更することができる。
【0076】
(2)上記の実施形態においては、DC-DCコンバータを例にとって本発明の半導体モジュールを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明はDC-DCコンバータ以外の回路(例えば、トーテムポール型ブリッジレスPFC回路などのAC-DCコンバータ)にも適用できる。この場合、本発明の第1及び第2中点端子(実施形態の第1及び第2中点端子61,62)が各入力電源端子となる。また、本発明の第1電源端子並びに第1及び第2の第2電源端子(実施形態の第1電源端子51並びに第1及び第2の第2電源端子52,53)が各出力電源端子となる。トーテムポール型ブリッジレスPFC回路は、特に高周波用途に用いられることから、本発明をトーテムポール型ブリッジレスPFC回路に適用した場合には特に顕著な寄生インダクタンス低減化効果が得られる。
【0077】
(3)上記の実施形態においては、半導体チップQ1~Q4としてMOSFETを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。半導体チップとして、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaNトランジスタなど他のタイプのトランジスタを用いてもよいし、ダイオードを用いてもよい。
図12は、変形例1に係る半導体モジュールの等価回路図である。
図13は、変形例2に係る半導体モジュールの等価回路図である。本発明を、
図12に示すブリッジレスPFC回路(2つのトランジスタ及び2つのダイオードを用いた、ブリッジレスPFC回路)、
図13に示すトーテムポールブリッジレスPFC回路((2つのトランジスタ及び2つのダイオードを用いた、トーテムポール型ブリッジレスPFC回路)に適用することもできる。なお、これらの場合、トランジスタとして、例えば、MOSFET、IGBT、GaNトランジスタなど種々のトランジスタを用いることができる。
【0078】
(4)上記した実施形態においては、第5配線パターン50に形成されている凸部54が有する第1斜辺55及び第2斜辺56が直線である場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1斜辺55及び第2斜辺56は、例えば、緩やかにカーブする曲線であってもよく、階段状など多少の凹凸を有するものであってもよい。このようなものも本発明の第1斜辺及び第2斜辺に含まれる。また、凸部は上記した実施形態の説明では先端が尖っている場合を例示したが、先端が丸みを帯びていたり平坦であったりする凸部も本発明の凸部に含まれる。
【0079】
(5)上記した実施形態においては、第5配線パターン50に形成されている凸部54が有する第1斜辺55と第2斜辺56とのなす角度は90度である場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記の角度は必ずしも90度である必要はなく、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4から第5配線パターン50に至る電流経路をできるだけ短く、即ち寄生インダクタンスを低減化できるような角度を設定することができる。
【0080】
(6)上記の実施形態においては、第1~第4接続部材、第1~第4制御用接続部材及び第1~第4検出用接続部材としてアルミニウムワイヤを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。アルミニウムワイヤに代えて、例えば、銅ワイヤ、金ワイヤなどの金属ワイヤを用いることができる。また、アルミリボンなどの金属リボンを用いることもできるし、板状の銅クリップなどの金属クリップを用いることもできる。
【0081】
(7)本発明においては、配線パターンの形状も
図2に示した形状に限定されることなく、適宜の変更が可能であり様々な形状とすることができる。
【符号の説明】
【0082】
1・・・半導体モジュール、1A・・・比較を行うために準備した半導体モジュール、10・・・第1配線パターン、20・・・第2配線パターン、22・・・第2配線パターン20の斜辺、30・・・第3配線パターン、40・・・第4配線パターン、42・・・第4配線パターン40の斜辺、50・・・第5配線パターン、51・・・第1電源端子、51a・・・第1電源端子51のインナーリード部、51b・・・第1電源端子52のアウターリード部、52・・・第1の第2電源端子、52a・・・第1の第2電源端子52のインナーリード部、52b・・・第1の第2電源端子52のアウターリード部、53・・・第2の第2電源端子、53a・・・第2の第2電源端子52のインナーリード部、53b・・・第2の第2電源端子52のアウターリード部、54・・・先細り形状の凸部、55・・・第1斜辺、56・・・第2斜辺、61・・・第1中点端子、61a・・・第1中点端子61のインナーリード部、61b・・・第1中点端子61のアウターリード部、62・・・第2中点端子、62a・・・第2中点端子62のインナーリード部、62b・・・第2中点端子62のアウターリード部、70・・・基板、81~84・・・第1~第4接続部材、90・・・半導体モジュール1Aのデカップリングコンデンサ、91・・・第1デカップリングコンデンサ、92・・・第2デカップリングコンデンサ、100・・・ブリッジ回路、111~114・・・第1~第4制御用配線パターン、121~124・・・第1~第4検出用配線パターン、131~134・・・第1~第4制御用接続部材、141~144・・・第1~第4検出用接続部材、210・・・半導体モジュール1Aの第1配線パターン、220・・・半導体モジュール1Aの第2配線パターン、230・・・半導体モジュール1Aの第3配線パターン、240・・・半導体モジュール1Aの第4配線パターン、251・・・半導体モジュール1Aの第1電源端子、252・・・半導体モジュール1Aの第2電源端子、261・・・半導体モジュール1Aの第1中点端子、262・・・半導体モジュール1Aの第2中点端子、511・・・第1配線パターン10との接続部、512・・・第3配線パターン30との接続部、513・・・空間形成部、Q1・・・第1半導体チップ、Q2・・・第2半導体チップ、Q3・・・第3半導体チップ、Q4・・・第4半導体チップ、a1・・・半導体チップQ1~Q4の第1辺(第1短辺)、D1~D4・・・半導体チップQ1~Q4のドレイン電極、G1~G4・・・半導体チップQ1~Q4のゲート電極、M・・・モールド、S1~S4・・・半導体チップQ1~Q4のソース電極、T11~T14・・・第1~第4制御用端子、T21~T24・・・第1~第4検出用端子