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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163493
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】モータ、流体吸引装置、及び掃除機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/22 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
H02K9/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079133
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 亮二
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP09
5H609QQ23
5H609RR61
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータの放熱性を向上する。
【解決手段】モータは、ロータ1と、ステータ2と、を備える。ロータ1は、軸方向に延びる中心軸CA回りに回転可能である。ステータ2は、ロータ1を回転駆動する。ステータ2は、ステータコア21と、コイル部23と、内側筐体24と、熱伝導部材25と、を有する。ステータコア21は、中心軸CAを囲む環状である。コイル部23は、ステータコア21に配置される。内側筐体24は、ステータコア21及びコイル部23を囲んで内部に収容して、ステータコア21を保持する。熱伝導部材25は、コイル部23の軸方向端部と内側筐体24とに接する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸回りに回転可能なロータと、
前記ロータを回転駆動するステータと、
を備え、
前記ステータは、
前記中心軸を囲む環状のステータコアと、
前記ステータコアに配置されるコイル部と、
前記ステータコア及び前記コイル部を囲んで内部に収容して前記ステータコアを保持する内側筐体と、
前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体とに接する熱伝導部材と、
を有する、モータ。
【請求項2】
前記内側筐体は、
軸方向一方に向かって開口する有蓋筒状であって前記ステータコアを保持する第1内側筐体と、
前記第1内側筐体に連結される第2内側筐体と、
を有し、
前記熱伝導部材は、
前記コイル部の軸方向他方端部と前記第1内側筐体とに接する第1熱伝導部材と、
前記コイル部の軸方向一方端部と前記第2内側筐体とに接する第2熱伝導部材と、
の少なくともどちらかを含む、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記内側筐体は、軸方向に凹む凹部を有し、
前記熱伝導部材の一部は、前記凹部に収容される、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記内側筐体は、
軸方向一方に向かって開口する有蓋筒状であって前記ステータコアを保持する第1内側筐体と、
前記第1内側筐体に連結される第2内側筐体と、
を有し、
前記第2内側筐体は、前記ステータコアの軸方向一方端面に接し、
前記ステータコアの軸方向他方端面は、前記第1内側筐体に接する、請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1内側筐体及び前記第2内側筐体の一方を介して他方に螺合される螺合部材をさらに備え、
前記螺合部材の螺合により、前記第2内側筐体は、前記第1内側筐体に連結される、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記螺合部材は、前記ステータコアの径方向外側面に接する、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記コイル部は、複数であって、周方向に並び、
各々の前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体との間には、個別の前記熱伝導部材が配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
個別の前記熱伝導部材はそれぞれ、周方向において等間隔に配置される、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記コイル部の総数は、3の倍数であって、
各々の前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体との間には、個別の前記熱伝導部材が配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項10】
流体を吸引可能な流体吸引装置であって、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータと、
前記モータの前記ロータとともに前記中心軸回りに回転可能なインペラと、
前記モータの軸方向他方側の部分と前記インペラとを囲む外側筐体と、
を備え、
前記外側筐体と前記モータの軸方向他方側の部分との間には、前記流体の流通通路が配置される、流体吸引装置。
【請求項11】
請求項10に記載の流体吸引装置を備える、掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、流体吸引装置、及び掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インペラの回転により、水などの液体を含む気流などの流体を吸引する装置が知られている。この装置では、モータ部分が、ハウジングに囲まれて、流体の流通通路とは区切られる(たとえば中国特許公開公報第112688471号明細書参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許公開公報第112688471号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中国特許公開公報第112688471号明細書のようなモータ部分の構成では、モータ部分がハウジングで囲まれるため、ハウジングの内部(特にコイル部)で発生する熱は外部に放散され難い。そのため、モータ部分の放熱性を向上させることが難しい。
【0005】
本発明は、モータの放熱性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、ロータと、ステータと、を備える。前記ロータは、軸方向に延びる中心軸回りに回転可能である。前記ステータは、前記ロータを回転駆動する。前記ステータは、ステータコアと、コイル部と、内側筐体と、熱伝導部材と、を有する。前記ステータコアは、前記中心軸を囲む環状である。前記コイル部は、前記ステータコアに配置される。前記内側筐体は、前記ステータコア及び前記コイル部を囲んで内部に収容して、前記ステータコアを保持する。前記熱伝導部材は、前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体とに接する。
【0007】
本発明の例示的な流体吸引装置は、流体を吸引可能である。前記流体吸引装置は、上記のモータと、インペラと、外側筐体と、を備える。前記インペラは、前記モータの前記ロータとともに前記中心軸回りに回転可能である。前記外側筐体は、前記モータの軸方向他方側の部分と前記インペラとを囲む。前記外側筐体と前記モータの軸方向他方側の部分との間には、前記流体の流通通路が配置される。
【0008】
本発明の例示的な掃除機は、上記の流体吸引装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の例示的なモータ、流体吸引装置、及び掃除機によれば、モータの放熱性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、モータを搭載する流体吸引装置の構成例を示す断面図である。
図2図2は、流体吸引装置の外観を示す斜視図である。
図3図3は、流体吸引装置を搭載する掃除機の例示的な概略図である。
図4図4は、ステータの構成例を示す斜視図である。
図5図5は、第2熱伝導部材の配置例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0012】
なお、本明細書では、モータ100及び流体吸引装置500において、中心軸CAと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、回路基板5からステータコア21への向きを「軸方向一方Da」と呼び、ステータコア21から回路基板5への向きを「軸方向他方Db」と呼ぶ。また、中心軸CAに直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸CAを中心とする回転方向を「周方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CAへと近づく向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CAを中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、中心軸CAを中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、中心軸CAを中心として、中心軸CAと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0014】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0015】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0016】
<1.実施形態>
図1は、モータ100を搭載する流体吸引装置500の構成例を示す断面図である。図2は、流体吸引装置500の外観と示す斜視図である。図3は、流体吸引装置500を搭載する掃除機600の例示的な概略図である。なお、図1は、図2の二点鎖線I-I及び中心軸CAを含む仮想の平面で流体吸引装置500を切断した場合の断面構造を示す。また、図1では、流体Fの流れを太い矢印で示す。
【0017】
<1-1.流体吸引装置500>
モータ100を搭載する流体吸引装置500は、流体Fを吸引可能であって、吸引口501から吸引した流体Fを送出口502から外部に送出する。本実施形態では、流体Fは、主に空気などの気体であるが、塵埃及び水などの液体を含んでいてもよい。或いは、流体Fは、液体であってもよい。
【0018】
流体吸引装置500は、たとえば図3に示すように、気流とともに塵埃及び水などの液体を吸引可能な掃除機600に搭載される。つまり、掃除機600は、流体吸引装置500を備える。なお、掃除機600は、図3ではステック型であるが、この例示に限定されず、ハンディ型であってもよいし、キャニスター型であってもよい。こうすれば、掃除機600では、後述如く、モータ部分の放熱性を向上できる。但し、流体吸引装置500の用途は、この例示に限定されない。たとえば、流体吸引装置500は、掃除機600以外の装置に搭載され、たとえば送風装置として用いられてもよい。
【0019】
図1に示すように、流体吸引装置500は、モータ100と、インペラ200と、外側筐体300と、を備える。
【0020】
モータ100は、インペラ200の軸方向一方Da側に配置され、インペラ200を回転駆動する。
【0021】
インペラ200は、モータ100のロータ1とともに、中心軸CA回りに回転可能である。前述の如く、流体吸引装置500は、インペラ200を有する。インペラ200は、底板201と、上板202と、複数の動翼203と、を有する。底板201は、径方向に広がる板状であり、モータ100のシャフト11を囲む。底板201の径方向内端部は、固定部材13により、シャフト11の軸方向他方端部に固定される。上板202は、中心軸CAを囲む環状であり、底板201よりも軸方向他方Dbに配置される。動翼203は、底板201及び上板202間の径方向外方側に配置され、周方向に複数並ぶ。インペラ200の回転に応じて、各々の動翼203が中心軸CA回りの周方向に回転することで、流体Fは、吸引口501から吸引され、周方向に隣り合う動翼203間を通じて、インペラ200から径方向外方に送出される。
【0022】
外側筐体300は、軸方向に延びる有蓋筒状であり、モータ100の軸方向他方Db側の部分とインペラ200とを収容する。前述の如く、流体吸引装置500は、外側筐体300を有する。外側筐体300は、モータ100の軸方向他方Db側の部分とインペラ200とを囲む。外側筐体300とモータ100の軸方向他方Db側の部分との間には、流体の流通通路503が配置される。流通通路503は、吸引口501から吸引されてインペラ200から送出された流体Fが送出口502に向かって流れる風洞である。送出口502は、流通通路503の軸方向一方端部に配置される。モータ100の軸方向他方Db側の部分(たとえば後述する第1内側筐体241の第1筒部24111)は、流通通路503に面する。従って、モータ100は、流通通路503を流れる流体Fに効率良く放熱できる。よって、モータ100の放熱性を向上できる。
【0023】
外側筐体300は、第1外側筐体301と、第2外側筐体302と、取付部303と、静翼304と、を有する。
【0024】
第1外側筐体301は、軸方向一方Daに向かって開口して中心軸CAを囲む有蓋筒状であり、少なくともインペラ200を収容する。第1外側筐体301の蓋部分の中央部には、吸引口501が配置される。第1外側筐体301の筒部分は、蓋部分の径方向外端部から軸方向一方Daに延びる。
【0025】
第2外側筐体302は、中心軸CAを囲む筒状であり、第1外側筐体301の筒部分の軸方向一方端部から軸方向一方Daに延びる。第2外側筐体302は、モータ100の軸方向他方Db側の部分を囲み、軸方向に延びる流通通路503をモータ100の軸方向他方Db側の部分(第1内側筐体241の第1筒部24111)との間に形成する。
【0026】
取付部303は、モータ100の軸方向他方端部に嵌め込まれて固定される。これにより、外側筐体300は、モータ100に取り付けられる。なお、この例示に限定されず、固定手段は、嵌合以外でも良く、たとえば接着剤を用いた接着、銀ろうなどを用いたろう付け、溶接、螺合などであってもよい。
【0027】
静翼304は、流通通路503内に配置されて少なくとも軸方向に延び、流通通路503を流れる流体Fを整流する。静翼304は、周方向に複数並ぶ。各々の静翼304の径方向外端部は、第2外側筐体302の径方向内側面に接続される。各々の静翼304の径方向内端部は、取付部303に接続される。本実施形態では、静翼304は、第2外側筐体302及び取付部303と一体である。
【0028】
<1-2.モータ100>
次に、図1及び図2を参照して、モータ100の構成例を説明する。モータ100は、ロータ1と、ステータ2と、ベアリング31,32と、ブラケット4と、回路基板5と、を備える。
【0029】
<1-2-1.ロータ1>
ロータ1は、軸方向に延びる中心軸CA回りに回転可能である。前述の如く、モータ100は、ロータ1を備える。図1に示すように、ロータ1は、シャフト11と、マグネット12と、固定部材13と、を有する。
【0030】
シャフト11は、中心軸CAに沿って軸方向に延びる。モータの100のシャフト11の軸方向他方端部には、インペラ200が接続される。
【0031】
マグネット12は、シャフト11の径方向外側面に配置され、シャフト11を囲む。マグネット12の少なくともステータコア21と径方向に対向する面(たとえば径方向外側面)では、異なる磁極(S極、N極)が周方向において交互に並ぶ。
【0032】
固定部材13は、インペラ200の底板201をシャフト11の軸方向他方端部に固定する。たとえば、固定部材13は、環状のワッシャ、フランジ付き筒状のT字ワッシャ、及び環状のスペーサを介して、シャフト11の軸方向他方端部に螺合されるナット131とベアリング31(の内輪)の軸方向他方端部との間に底板201を挟んで保持する。なお、ベアリング31は、本実施形態ではボールベアリングである。但し、この例示に限定されず、ベアリング31は、ボールベアリング以外の転がり軸受、滑り軸受であってもよい。
【0033】
<1-2-2.ステータ2>
次に、図1及び図4を参照して、ステータ2の構成例を説明する。図4は、ステータ2の構成例を示す斜視図である。なお、図4では、ステータ2の内部構成を見易くするため、第1内側筐体241を透明で表示している。
【0034】
ステータ2は、ロータ1を回転駆動する。前述の如く、モータ100は、ステータ2を備える。図1及び図4に示すように、ステータ2は、ステータコア21と、インシュレータ22と、コイル部23と、内側筐体24と、熱伝導部材25と、雄螺子26と、を有する。
【0035】
<1-2-2-1.ステータコア21>
ステータコア21は、中心軸CAを囲む環状である。前述の如く、ステータ2は、ステータコア21を有する。詳細には、ステータコア21は、シャフト11及びマグネット12を囲む環状の磁性体であり、本実施形態では電磁鋼板の積層体である。ステータコア21は、マグネット12と径方向に対向する。ステータコア21の径方向内端部には、周方向に並ぶ複数のスロット211が配置される。各々のスロット211は、ステータコア21の径方向内側面から径方向外方に凹み、ステータコア21の軸方向両端面に開口する。
【0036】
<1-2-2-2.インシュレータ22>
インシュレータ22は、電気絶縁性を有し、ステータコア21の一部(ステータコア21の軸方向端面、スロット211の内面など)を覆う。
【0037】
<1-2-2-3.コイル部23>
コイル部23は、ステータコア21に配置される。前述の如く、ステータ2は、コイル部23を有する。コイル部23は、複数であって、周方向に並ぶ。なお、コイル部23の数は、本実施形態では図3に示すように3個であるが、この例示に限定されず、3以外の複数であってもよい。好ましくは、コイル部23の総数は、3の倍数である。こうすれば、三相交流電流を用いてモータ100を駆動することができる。但し、この例示は、コイル部23の総数が3の倍数でない構成を排除しない。
【0038】
各々のコイル部23では、導線(符号省略)が、インシュレータ22を介してステータコア21にコイル状に配置される。なお、導線は、たとえばエナメル被覆銅線,電気絶縁部材で被覆された金属線などであり、ステータコア21のティース(図示省略)に巻き回されることでコイル部23を形成する。各々のコイル部23に駆動電流が供給されると、ステータ2は励磁されてロータ1を回転させる。
【0039】
<1-2-2-4.内側筐体24>
内側筐体24は、ステータコア21及びコイル部23などを囲んで、これらをその内部に収容する。前述の如く、ステータ2は、内側筐体24を有する。内側筐体24は、ステータコア21を保持する。内側筐体24は、第1内側筐体241と、第2内側筐体242と、を有する。
【0040】
<1-2-2-4-1.第1内側筐体241>
第1内側筐体241は、軸方向一方Daに向かって開口する有蓋筒状であり、軸方向に延びる。前述の如く、ステータ2は、第1内側筐体241を有する。第1内側筐体241は、ステータコア21を保持する。図1に示すように、第1内側筐体241は、筒部2411と、蓋部2412と、ベアリングホルダ2413と、を有する。
【0041】
筒部2411は、第1筒部24111と、第2筒部24112と、第3筒部24113と、を有する。これらは、軸方向に延びる筒状であり、一体に形成される。
【0042】
第1筒部24111は、第2外側筐体302よりも径方向内方に配置され、言い換えると第2外側筐体302に囲まれる。第1筒部24111の軸方向他方端部には、外側筐体300の取付部303が取り付けられる。第1筒部24111の外周面(つまり径方向外側面)と取付部303の径方向外側面とは、第2外側筐体302の内周面(つまり径方向内側面)と隙間を空けて径方向に対向し、第2外側筐体302の内周面との間に流通通路503を形成する。
【0043】
第2筒部24112は、第1筒部24111の軸方向一方端部から軸方向一方Da且つ径方向外方に延びる。言い換えると、第2筒部24112は、軸方向一方Daに向かうにつれて径方向外方に延びる。たとえば、周方向から見た第2筒部24112の断面は、図1に示すように軸方向一方Da且つ径方向内方に突出する形状であってもよいし、軸方向一方Da且つ径方向外方に向かって直線的に延びてもよい。この形状により、送出口502から送出された流体Fは、第2筒部24112の外周面(径方向外側面)に沿って軸方向一方Da且つ径方向外方に向かって流れ、流体吸引装置500の径方向外方に送出される。
【0044】
また、第2筒部24112は、ステータコア21の軸方向他方Db側を囲んで保持する。言い換えると、第2筒部24112の内周面(つまり径方向内側面)には、ステータコア21の軸方向他方Db側が固定される。
【0045】
第3筒部24113は、第2筒部24112の軸方向一方端部から軸方向一方Daに延びる。第3筒部24113は、ステータコア21の軸方向一方Da側の部分、第2内側筐体242などを囲む。
【0046】
蓋部2412は、第1筒部24111の軸方向他方端部から径方向内方に広がり、周方向に延びる。本実施形態では、蓋部2412は、シャフト11を囲む環状である。前述の如く、第1内側筐体241は、蓋部2412を有する。蓋部2412は、中心軸CAを囲んで径方向に広がる。
【0047】
本実施形態では、蓋部2412の径方向内端部は、ベアリング31(の外輪)を保持し、ベアリングホルダ2413として機能する。但し、この例示に限定されず、ベアリングホルダ2413は、蓋部2412とは別部材であってもよい。ベアリングホルダ2413は、ベアリング31を介してロータ1(特にシャフト11)を回転可能に支持する。
【0048】
<1-2-2-4-2.第2内側筐体242>
第2内側筐体242は、第1内側筐体241に連結される。前述の如く、モータ100は、第2内側筐体242を備える。詳細には、第2内側筐体242は、第1内側筐体241の第2筒部24112の軸方向一方端部に連結され、第1内側筐体241の第1筒部24111、第2筒部24112、及び蓋部2412とともに第1の収容空間を形成する。この第1の収容空間は、シャフト11の一部、マグネット12、ステータコア21、及びコイル部23などを収容する。
【0049】
また、第2内側筐体242は、軸方向において第1内側筐体241との間にステータコア21を挟持する。第2内側筐体242は、ステータコア21の軸方向一方端面に接し、たとえば該軸方向一方端面の径方向外端部に接する。一方、第1内側筐体241(の第2筒部24112)は、ステータコア21の軸方向他方端面に接し、たとえば該軸方向他方端面の径方向外端部に接する。こうすれば、コイル部23からステータコア21に伝達される熱は、第1内側筐体241及び第2内側筐体242に伝達される。なお、第2内側筐体242に伝達された熱は、第2内側筐体242の外部に放散される。或いは、この熱は、ロータ1のシャフト11及びベアリング31、又は、第1内側筐体241及び第2内側筐体242間を連結する部材(たとえば雄螺子26)などを介して、第1内側筐体241に伝達されて外部に放散される。従って、コイル部23で発生した熱を効率良く外部に放散できる。
【0050】
次に、第2内側筐体242は、蓋部2421と、ベアリングホルダ2422と、連結部2423と、を有する。
【0051】
蓋部2421は、中心軸CAから径方向外方に広がる。軸方向から見て、蓋部2421の中央部には、ベアリングホルダ2422が配置される。
【0052】
ベアリングホルダ2422は、蓋部2421の軸方向他方端面から軸方向一方Daに凹む凹部である。但し、この例示に限定されず、ベアリングホルダ2422は、蓋部2421の軸方向に貫通してもよい。ベアリングホルダ2422は、ベアリング32(の外輪)がを保持し、シャフト11の軸方向一方端部を収容する。ベアリングホルダ2422は、ベアリング32を介して、シャフト11の軸方向一方端部を回転可能に支持する。なお、ベアリング32は、本実施形態ではボールベアリングであるが、この例示に限定されず、ボールベアリング以外の転がり軸受、滑り軸受であってもよい。
【0053】
連結部2423は、蓋部2421の径方向外端部から軸方向他方Dbに突出する。本実施形態では、連結部2423は、複数であって、周方向に並ぶ。連結部2423は、図1に示すように雄螺子26の螺合により、第1内側筐体241の第2筒部24112に連結される。たとえば、連結部2423には、軸方向に延びる貫通孔24231が配置される。また、第2筒部24112には、軸方向他方Dbに延びる雌螺子孔24114が配置される。雄螺子26は、本発明の「螺合部材」の一例であり、貫通孔24231に挿通され、雌螺子孔24114に螺合される。なお、雄螺子26のヘッド部は、連結部2423の軸方向一方Da側に配置される。連結部2423は、雄螺子26のヘッド部と第2筒部24112との間に挟持されることで、第2筒部24112に連結される。
【0054】
なお、上述の例示に限定されず、貫通孔24231は第1内側筐体241側に配置され、雌螺子孔24114は第2内側筐体242側に配置されてもよい。つまり、雄螺子26のような螺合部材は、第1内側筐体241及び第2内側筐体242の一方を介して他方に螺合される。モータ100は、該螺合部材をさらに備える。該螺合部材の螺合により、第2内側筐体242は、第1内側筐体241に連結される。こうすれば、両者が直接に接していなくても、第2内側筐体242は、雄螺子26のような螺合部材を介して第1内側筐体241に熱伝達できる。
【0055】
好ましくは、図1に示すように、雄螺子26のような螺合部材は、ステータコア21の径方向外側面に接する。こうすれば、ステータコア21から螺合部材(雄螺子26)へと直接に放熱できる。この熱は、螺合部材(雄螺子26)から第1内側筐体241に熱伝達されて外部に放散される。但し、この例示は、雄螺子26のような螺合部材がステータコア21の径方向外側面と接しない構成を排除しない。たとえば、雄螺子26は、ステータコア21の径方向外側面から径方向に離れて配置されてもよい。
【0056】
また、上述の例示に限定されず、連結部2423と第2筒部24112との連結の手段は、雄螺子26のような螺合部材の螺合以外であってもよく、たとえば接着剤、溶接、ろう付けなどの手段が採用されてもよい。
【0057】
<1-2-2-5.熱伝導部材25>
熱伝導部材25は、軸方向において、コイル部23の軸方向端部と内側筐体24との間に配置される。前述の如く、ステータ2は、熱伝導部材25を有する。熱伝導部材25は、コイル部23の軸方向端部(つまり、コイルヘッド)と内側筐体24とに接する。
【0058】
こうすれば、熱伝導部材25を介してコイル部23の軸方向端部を内側筐体24と熱伝導可能に接続することができる。従って、モータ100の内部(特にコイル部23)で発生した熱は、熱伝導部材25を介して内側筐体24に伝達され、内側筐体24からモータ100の外部に放散される。よって、モータ100(特にコイル部23)の放熱性を向上できる。
【0059】
熱伝導部材25は、熱伝導率の高い材料で構成され、好ましくは電気絶縁性を有する。但し、この例示は、熱伝導部材25の電気絶縁性が低い構成を排除しない。熱伝導部材25には、放熱シート、放熱性接着剤、放熱性グリスなどを採用できる。放熱シートは、たとえば、金属粉などの高熱伝導性の充填剤を含むシート状の複合樹脂である。或いは、放熱シートは、グラファイトシートであってもよい。放熱性接着剤は、金属粉などの高熱伝導性の充填剤を含む接着剤である。放熱性グリスは、金属粉などの高熱伝導性の充填剤を含むグリス(粘弾性体)である。
【0060】
図1及び図4では、熱伝導部材25は、第1熱伝導部材251を有する。第1熱伝導部材251は、コイル部23の軸方向他方端部(つまり、軸方向他方Db側のコイルヘッド)と第1内側筐体241(の蓋部2412)とに接する。第1熱伝導部材251は、軸方向において、コイル部23の軸方向他方端部と第1内側筐体241の蓋部2412との間に配置される。
【0061】
こうすれば、第1熱伝導部材251を介してコイル部23の軸方向他方端部を第1内側筐体241と熱伝導可能に接続することができる。従って、モータ100の内部(特にコイル部23)で発生した熱は、第1熱伝導部材251を介して第1内側筐体241に伝達され、第1内側筐体241からモータ100の外部に放散される。よって、モータ100(特にコイル部23)の放熱性を向上できる。
【0062】
なお、熱伝導部材25の構成は、図1及び図4の例示に限定されない。熱伝導部材25は、第2熱伝導部材252を有してもよい。図5は、第2熱伝導部材252の配置例を示す断面図である。なお、図5は、図1の破線で囲まれた部分Vの断面構造に対応する。
【0063】
たとえば図5に示すように、第2熱伝導部材252は、軸方向において、コイル部23の軸方向他方端部と第2内側筐体242の蓋部2421との間に配置される。第2熱伝導部材252は、コイル部23の軸方向一方端部(つまり、軸方向一方Da側のコイルヘッド)と第2内側筐体242(の蓋部2421)とに接する。
【0064】
こうすれば、第2熱伝導部材252を介してコイル部23の軸方向一方端部を第2内側筐体242と熱伝導可能に接続することができる。従って、モータ100の内部(特にコイル部23)で発生した熱は、第2熱伝導部材252を介して第2熱伝導部材252を介して第2内側筐体242に伝達され、第2内側筐体242から放散される。或いは、該熱は、第2熱伝導部材252及び第2内側筐体242を介して第1内側筐体241に伝達され、第1内側筐体241からモータ100の外部に放散される。よって、モータ100(特にコイル部23)の放熱性を向上できる。
【0065】
ここで、熱伝導部材25は、第1熱伝導部材251及び第2熱伝導部材252の少なくともどちらかを含んでいればよい。
【0066】
好ましくは、内側筐体24は、軸方向に凹む凹部240を有する。熱伝導部材25の一部は、凹部240に収容され、好ましくは凹部240に嵌る。こうすれば、熱伝導部材25の径方向及び周方向における位置を容易に決めることができる。なお、凹部240は、第1凹部2414及び第2凹部2424の少なくともどちらかを含む。
【0067】
たとえば、図1では、第1内側筐体241には、第1凹部2414が配置される。第1凹部2414は、第1内側筐体241の蓋部2412の軸方向一方端面に配置されて、軸方向他方Dbに凹む。第1内側筐体241は、第1凹部2414を有する。熱伝導部材25の一部は、第1凹部2414に収容される。より好ましくは、第1熱伝導部材251の一部は、第1凹部2414に嵌る。こうすれば、第1熱伝導部材251の径方向及び周方向における位置を容易に決めることができる。但し、この例示は、第1熱伝導部材251の一部が第1凹部2414に収容されず又は嵌まらない構成を排除しないし、第1内側筐体241に第1凹部2414が配置されない構成を排除しない。
【0068】
また、図5では、第2内側筐体242には、第2凹部2424が配置される。第2凹部2424は、第2内側筐体242の蓋部2421の軸方向一方端面に配置されて、軸方向一方Daに凹む。第2内側筐体242は、第2凹部2424を有する。第2熱伝導部材252の一部は、第2凹部2424に収容される。より好ましくは、第2熱伝導部材252の一部は、第2凹部2424に嵌る。こうすれば、第2熱伝導部材252の径方向及び周方向における位置を容易に決めることができる。但し、この例示は、第2熱伝導部材252の一部が第2凹部2424に収容されず又は嵌まらない構成を排除しないし、第2内側筐体242に第2凹部2424が配置されない構成を排除しない。
【0069】
また、好ましくは、各々のコイル部23の軸方向端部と内側筐体24との間には、個別の熱伝導部材25が配置される。たとえば、図1では、各々のコイル部23の軸方向他方端部と第1内側筐体241(の蓋部2412)との間には、個別の第1熱伝導部材251が配置される。また、図5では、各々のコイル部23の軸方向一方端部と第2内側筐体242(の蓋部2421)との間には、個別の第2熱伝導部材252が配置される。
【0070】
こうすれば、各々のコイル部23で発生した熱を個別の熱伝導部材25を介して内側筐体24に伝達できる。複数のコイル部23の軸方向端部に単一の熱伝導部材25が配置される構成と比べて、熱伝導部材25の総体積をより少なくできる。つまり、熱伝導部材25の材料をより少なくできるので、製造コストを低減できる。従って、モータ100の生産性を向上できる。
【0071】
また、各々のコイル部23のコイルヘッドに配置される熱伝導部材25は、軸方向から見て、周方向に複数並ぶ。たとえば、コイル部23の軸方向他方Db側において、第1熱伝導部材251は、軸方向から見て、周方向に複数並ぶ。コイル部23の軸方向一方Da側において、第2熱伝導部材252は、軸方向から見て、周方向に複数並ぶ。第1熱伝導部材251及び第2熱伝導部材252の数はそれぞれ、本実施形態では3個であり、好ましくはコイル部23の数と同じとされる。さらに好ましくは、各々のコイル部23のコイルヘッドに対して個別に配置される熱伝導部材25の数は、3の倍数とされる。つまり、前述の如く、コイル部23の総数も、3の倍数とされる。こうすれば、三相交流電流で駆動するモータ100の各々のコイル部23の放熱性を向上できる。
【0072】
この際、好ましくは、各々の熱伝導部材25は、周方向において等間隔に配置される。たとえば、コイル部23の軸方向他方Db側において、各々の第1熱伝導部材251は、周方向において等間隔に配置される。コイル部23の軸方向一方Da側において、各々の第2熱伝導部材252は、周方向において等間隔に配置される。こうすれば、各々の熱伝導部材25と内側筐体24との接触部分は、周方向において等間隔に配置される。そのため、各々の熱伝導部材25から内側筐体24に伝達される熱の周方向における分布の偏りを抑制できる。従って、モータ100の外部に対する内側筐体24の放熱性を向上できる。但し、この例示は、少なくとも一部の熱伝導部材25が周方向において異なる間隔で配置される構成を排除しない。
【0073】
また、上述の例示は、第1熱伝導部材251及び第2熱伝導部材252のすくなくともどちらかの数がコイル部23の数未満である構成を排除しない。
【0074】
たとえば、少なくとも一部のコイル部23の軸方向他方端部には、単一の第1熱伝導部材251が接してもよい。また、単一であって環状又は円弧形状の第1熱伝導部材251が、複数或いは全てのコイル部23の軸方向他方端部に接してもよい。また、第1熱伝導部材251は、少なくとも1つのコイル部23の軸方向他方端部に接していればよい。言い換えると、いずれかのコイル部23の軸方向他方端部には、第1熱伝導部材251が接しなくてもよい。
【0075】
また、少なくとも一部のコイル部23の軸方向一方端部には、単一の第2熱伝導部材252が接してもよい。また、単一であって環状又は円弧形状の第2熱伝導部材252が、複数或いは全てのコイル部23の軸方向一方端部に接してもよい。また、第2熱伝導部材252は、少なくとも1つのコイル部23の軸方向一方端部に接していればよい。言い換えると、いずれかのコイル部23の軸方向一方端部には、第2熱伝導部材252が接しなくてもよい。
【0076】
<1-2-3.ブラケット4>
次に、図1を参照して、ブラケット4の構成例を説明する。ブラケット4は、軸方向他方Dbに向かって開口して軸方向に延びる有蓋筒状である。ブラケット4は、第1内側筐体241の第3筒部24113の軸方向一方端部に配置されて、第1内側筐体241の第2筒部24112及び第3筒部24113,第2内側筐体242とともに第2の収容空間を形成する。第2の収容空間は、回路基板5を収容する。
【0077】
ブラケット4は、筒部41と、蓋部42と、を有する。筒部41は、第1内側筐体241の第3筒部24113の軸方向一方端部から軸方向一方Da側に延び、回路基板5を囲む。蓋部42は、筒部41の軸方向一方端部から径方向内方に広がる。また、軸方向から見て、蓋部42の外縁部には、開口421が配置される。開口421を通じて、上述の第2の収容空間は、流体吸引装置500の外部と繋がる。
【0078】
<1-2-4.回路基板5>
次に、図1を参照して、回路基板5を説明する。回路基板5は、中心軸CAと交差する方向(たとえば径方向)に広がる板状であり、軸方向における第2内側筐体242の蓋部2421とブラケット4の蓋部42との間に配置される。本実施形態では、回路基板5は、蓋部2421から軸方向一方Daに延びる取付部材(符号省略)を用いて、蓋部2421に取り付けられる。
【0079】
回路基板5には、ステータ2の駆動回路(図示省略)などが搭載される。また、回路基板5には、コイル部23の引出線及び外部接続線(ともに図示省略)が接続される。なお、引出線は、コイル部23を構成する導線の端部である。外部接続線は、回路基板5から流体吸引装置500の外部に引き出される接続線であり、外部の装置などに接続される。
【0080】
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【0081】
たとえば、上述の実施形態では、本発明は、流体吸引装置500に搭載されるモータ100に適用される。但し、この例示に限定されず、本発明は、流体吸引装置500以外の装置に搭載されるモータに適用されてもよいし、単体で使用されるモータに適用されてもよい。
【0082】
<3.総括>
以下では、これまでに説明した実施形態について総括的に述べる。
【0083】
たとえば、本明細書に開示されているモータは、
軸方向に延びる中心軸回りに回転可能なロータと、
前記ロータを回転駆動するステータと、
を備え、
前記ステータは、
前記中心軸を囲む環状のステータコアと、
前記ステータコアに配置されるコイル部と、
前記ステータコア及び前記コイル部を囲んで内部に収容して前記ステータコアを保持する内側筐体と、
前記コイル部の軸方向他方端部と前記内側筐体とに接する熱伝導部材と、
を有する構成(第1の構成)とされる。
【0084】
なお、第1の構成のモータは、
前記内側筐体は、
軸方向一方に向かって開口する有蓋筒状であって前記ステータコアを保持する第1内側筐体と、
前記第1内側筐体に連結される第2内側筐体と、
を有し、
前記熱伝導部材は、
前記コイル部の軸方向他方端部と前記第1内側筐体とに接する第1熱伝導部材と、
前記コイル部の軸方向一方端部と前記第2内側筐体とに接する第2熱伝導部材と、
の少なくともどちらかを含む構成(第2の構成)にしてもよい。
【0085】
また、第1又は第2の構成のモータは、
前記内側筐体は、軸方向に凹む凹部
を有し、
前記熱伝導部材の一部は、前記凹部に収容される構成(第3の構成)にしてもよい。
【0086】
また、第1から第3のいずれかの構成のモータは、
前記内側筐体は、
軸方向一方に向かって開口する有蓋筒状であって前記ステータコアを保持する第1内側筐体と、
前記第1内側筐体に連結される第2内側筐体と、
を有し、
前記第2内側筐体は、前記ステータコアの軸方向一方端面に接し、
前記ステータコアの軸方向他方端面は、前記第1内側筐体に接する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0087】
また、第6の構成のモータは、
前記第1内側筐体及び前記第2内側筐体の一方を介して他方に螺合される螺合部材をさらに備え、
前記螺合部材の螺合により、前記第2内側筐体は、前記第1内側筐体に連結される構成(第5の構成)にしてもよい。
【0088】
また、第5の構成のモータは、
前記螺合部材は、前記ステータコアの径方向外側面に接する構成(第6の構成)にしてもよい。
【0089】
また、第1から第6のいずれかの構成のモータは、
前記コイル部は、複数であって、周方向に並び、
各々の前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体との間には、個別の前記熱伝導部材が配置される構成(第7の構成)にしてもよい。
【0090】
また、第7の構成のモータは、
個別の前記熱伝導部材はそれぞれ、周方向において等間隔に配置される構成(第8の構成)にしてもよい。
【0091】
また、第1から第8のいずれかの構成のモータは、
前記コイル部の総数は、3の倍数であって、
各々の前記コイル部の軸方向端部と前記内側筐体との間には、個別の前記熱伝導部材が配置される構成(第9の構成)にしてもよい。
【0092】
また、本明細書に開示されている流体吸引装置は、
流体を吸引可能な流体吸引装置であって、
第1から第9のいずれかの構成のモータと、
前記モータの前記ロータとともに前記中心軸回りに回転可能なインペラと、
前記モータの軸方向他方側の部分と前記インペラとを囲む外側筐体と、
を備え、
前記外側筐体と前記モータの軸方向他方側の部分との間には、前記流体の流通通路が配置される構成(第10の構成)とされる。
【0093】
また、本明細書に開示されている掃除機は、
第10の構成の流体吸引装置を備える構成(第11の構成)とされる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、様々な装置に搭載されるモータ(特にコイル部)の放熱に有用である。
【符号の説明】
【0095】
100・・・モータ、1・・・ロータ、11・・・シャフト、12・・・マグネット、13・・・固定部材、131・・・ナット、2・・・ステータ、21・・・ステータコア、211・・・スロット、22・・・インシュレータ、23・・・コイル部、24・・・内部筐体、240・・・凹部、241・・・第1内側筐体、2411・・・筒部、24111・・・第1筒部、24112・・・・第2筒部、24113・・・・第3筒部、24114・・・雌螺子孔、2412・・・蓋部、2413・・・ベアリングホルダ、2414・・・第1凹部、242・・・第2内側筐体、2421・・・蓋部、2422・・・ベアリングホルダ、2423・・・連結部、24231・・・貫通孔、2424・・・第2凹部、25・・・熱伝導部材、251・・第1・熱伝導部材、252・・・第2熱伝導部材、26・・・雄螺子、31,32・・・ベアリング、4・・・・ブラケット、41・・・筒部、42・・・蓋部、421・・・開口、5・・・回路基板、200・・・インペラ、201・・・底板、202・・・上板、203・・・動翼、300・・・外側筐体、301・・・第1外側筐体。302・・・第2外側筐体、303・・・取付部、304・・・静翼、500・・・流体吸引装置、501・・・吸引口、502・・・送出口、503・・・流通通路、600・・・掃除機、F・・・流体、CA・・・中心軸、Da・・・軸方向一方、Db・・・軸方向他方
図1
図2
図3
図4
図5