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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163496
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】関係性判定装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/35 20190101AFI20241115BHJP
【FI】
G06F16/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079180
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】川原田 将之
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175FA03
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】より容易にテキスト間の関係性を判定すること。
【解決手段】関係性判定装置1は、一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する分類モデルに対して、第1のテキストである第1テキストを入力することで出力される確率情報である第1確率情報と、第2のテキストである第2テキストを入力することで出力される確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された第1確率情報及び第2確率情報に基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する判定部を備える。複数の所定のラベルそれぞれと、第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは異なってもよい。複数の所定のラベルの何れかと、第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは同じであってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する分類モデルに対して、第1の前記テキストである第1テキストを入力することで出力される前記確率情報である第1確率情報と、第2の前記テキストである第2テキストを入力することで出力される前記確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された前記第1確率情報及び前記第2確率情報に基づいて前記第1テキストと前記第2テキストとの関係性を判定する判定部を備える関係性判定装置。
【請求項2】
前記複数の所定のラベルそれぞれと、前記第1テキスト又は前記第2テキストの少なくとも一方とは異なる、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項3】
前記複数の所定のラベルの何れかと、前記第1テキスト又は前記第2テキストの少なくとも一方とは同じである、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記第1確率情報と前記第2確率情報との類似性に基づいて前記関係性を判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記第1確率情報が示す前記複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率と、前記第2確率情報が示す前記複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率との類似度に基づいて前記関係性を判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項7】
前記第1テキストは単語又は句であり、
前記第2テキストは句又は文であり、
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項8】
前記第1テキストは予め指定された単語又は句であり、
前記第2テキストは人が作成した句又は文であり、
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項9】
複数の前記テキストから構成される第1テキスト群に含まれる一の前記テキストと複数の前記テキストから構成される第2テキスト群に含まれる一の前記テキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出された前記ペアである抽出ペアそれぞれについて、前記第1テキスト群からの前記テキストを前記第1テキストとして及び前記第2テキスト群からの前記テキストを前記第2テキストとして前記分類モデルに対して順次入力する入力部をさらに備え、
前記判定部は、前記抽出ペアそれぞれについて前記関係性を判定し、前記抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて前記第1テキスト群と前記第2テキスト群との関係性を判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【請求項10】
複数の前記テキストであって単語又は句である前記テキストから構成される第1テキスト群に含まれる一の前記テキストと複数の前記テキストであって句又は文である前記テキストから構成される第2テキスト群に含まれる一の前記テキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出された前記ペアである抽出ペアそれぞれについて、前記第1テキスト群からの前記テキストを前記第1テキストとして及び前記第2テキスト群からの前記テキストを前記第2テキストとして前記分類モデルに対して順次入力する入力部をさらに備え、
前記判定部は、前記抽出ペアそれぞれについて当該抽出ペアの前記第2テキストの内容に当該抽出ペアの前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定し、前記抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて前記第2テキスト群の内容に前記第1テキスト群の内容が含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の関係性判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、一つ以上の単語から構成されるテキスト間の関係性を判定する関係性判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、電子メール及びWeb上のBBS機能によって投稿されたメッセージに対して形態素解析を行い、解析結果と予め定められた行為の種別(質問、確認、要望、疑問、回答及び同意など)、適合パターン(品詞を用いて表現されたパターン)及び適合例から構成された行為判定用パターンとのパターンマッチングを行い、メッセージごとに行為の種別を特定し、メッセージ間の関係性を求める議論状況把握支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-26137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記議論状況把握支援装置では、メッセージ間の関係性を求めるために、形態素解析を行った上で、複雑に構成された行為判定用パターンとのパターンマッチングを行うなど、複雑な処理を必要とする。そこで、より容易にテキスト間の関係性を判定することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る関係性判定装置は、一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する分類モデルに対して、第1のテキストである第1テキストを入力することで出力される確率情報である第1確率情報と、第2のテキストである第2テキストを入力することで出力される確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された第1確率情報及び第2確率情報に基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する判定部を備える。
【0006】
このような側面においては、分類モデルに対して第1テキストを入力することで出力される第1確率情報と、分類モデルに対して第2テキストを入力することで出力される第2確率情報とに基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性が判定される。すなわち、より容易にテキスト間の関係性を判定することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、より容易にテキスト間の関係性を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る関係性判定装置の機能構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る関係性判定装置が実行する判定処理の一例を示すフローチャートである。
図3】英作文の問題例を示す図である。
図4図3に示す問題例に対する受験生による回答例を示す図である。
図5】問題の定式化例を示す図である。
図6】分類モデルの学習例を示す図である。
図7】実施形態に係る関係性判定装置による判定例を示す図である。
図8】実施形態に係る関係性判定装置が実行する判定処理の別の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る関係性判定装置で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0010】
図1は、実施形態に係る関係性判定装置1の機能構成の一例を示す図である。関係性判定装置1は、一つ以上の単語から構成されるテキスト間の関係性を判定するコンピュータ装置である。図1に示す通り、関係性判定装置1は、格納部10、取得部11、学習部12、入力部13(入力部)及び判定部14(判定部)を含んで構成される。
【0011】
関係性判定装置1の各機能ブロックは、関係性判定装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、関係性判定装置1の機能ブロックの一部は、関係性判定装置1とは異なるコンピュータ装置であって、関係性判定装置1とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、関係性判定装置1と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、関係性判定装置1の一部の機能ブロックは無くてもよいし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合してもよいし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解してもよい。
【0012】
以下、図1に示す関係性判定装置1の各機能について説明する。
【0013】
格納部10は、関係性判定装置1における算出などで利用される任意の情報及び関係性判定装置1における算出の結果などを格納する。格納部10によって格納された情報は、関係性判定装置1の各機能によって適宜参照されてもよい。
【0014】
格納部10は、例えば後述の、テキスト、第1テキスト、第2テキスト、第1テキスト群、第2テキスト群、ペア、抽出ペア、(学習済みの)分類モデル、複数の所定のラベル、確率情報、第1確率情報、又は、第2確率情報を格納してもよい。
【0015】
取得部11は、関係性判定装置1における算出などで利用される任意の情報を取得する。取得部11は、後述の通信装置1004によりネットワークを介して他の装置から情報を取得してもよいし、入力装置1005により関係性判定装置1のユーザから入力された情報を取得してもよい。取得部11は、取得した情報を、格納部10によって格納させてもよいし、学習部12、入力部13及び判定部14に出力してもよい。
【0016】
学習部12は、分類モデルの学習を行い、学習済みの分類モデルを格納部10によって格納させる。分類モデルは、一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する。分類モデルは、いわゆるマルチラベル分類を行う。
【0017】
マルチラベル分類とは、一つの対象(テキスト)に対して複数のラベルが割り当てられる(付与される)分類問題である。一般的に、マルチラベル分類では、まず、ラベル付けを行いたい対象をモデルに入力し、それぞれのラベルに対する確率値(例えば「0」~「1」の実数)を計算する。次に、モデルで計算した各ラベルの確率値に対して、予め定めた閾値を超えた場合に当該ラベルを割り当て(当該ラベルのフラグを「1」(真)とし)、当該閾値以下の場合には当該ラベルを割り当てない(当該ラベルのフラグを「0」(偽)とする)という2値分類を全てのラベルで行う。
【0018】
テキストは、例えば、一つの単語であってもよいし、二つ以上の単語であってもよいし、熟語であってもよいし、句であってもよいし、節であってもよいし、文節であってもよいし、文であってもよいし、段落であってもよいし、文章であってもよい。
【0019】
ラベルは、一つ以上の単語である。ラベルは、例えば、一つの単語であってもよいし、二つ以上の単語であってもよいし、熟語であってもよいし、句であってもよいし、節であってもよいし、文節であってもよい。
【0020】
複数の所定のラベルは、例えば、「Women」、「Children」、「Pressure」及び「Life style」の四つのラベルから構成されてもよい。複数の所定のラベルは、例えば、「社会」、「政治」、「経済」及び「歴史」の四つのラベルから構成されてもよい。複数の所定のラベルは、四つのラベルに限らず、二つ以上の任意の数の任意のラベルから構成されてもよい。
【0021】
確率情報の具体例として、ラベル「社会」が割り当てられる確率が「0.9」(90%)、ラベル「政治」が割り当てられる確率が「0.2」(20%)、ラベル「経済」が割り当てられる確率が「0.1」(10%)、及び、ラベル「歴史」が割り当てられる確率が「0.1」(10%)という情報が挙げられる。
【0022】
学習部12による分類モデルの学習は、マルチラベル分類におけるモデルの学習と同様に、機械学習などの既存技術によって行う。
【0023】
入力部13は、格納部10によって格納された分類モデルに対して、任意のテキストを入力する。分類モデルは、入力部13によってテキストが入力されると、当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する。分類モデルによって出力された確率情報は、後述の判定部14によって利用される。
【0024】
入力部13は、分類モデルに対して、第1のテキストである第1テキストを入力してもよい。入力部13は、分類モデルに対して、第2のテキストである第2テキストを入力してもよい。実施形態において、第1テキストと第2テキストとは異なるものを想定するが、同じものであってもよい。
【0025】
第1テキストは単語又は句であってもよい。第1テキストは予め(人によって)指定された単語又は句であってもよい。第2テキストは句又は文であってもよい。第2テキストは人が作成した句又は文であってもよい。
【0026】
(分類モデルの分類先である)複数の所定のラベルそれぞれと、(当該分類モデルに入力される)第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは異なってもよい。より具体的には、複数の所定のラベルそれぞれと第1テキストとは異なってもよいし、複数の所定のラベルそれぞれと第2テキストとは異なってもよいし、複数の所定のラベルそれぞれと第1テキスト及び第2テキスト(の両方)とは異なってもよい。
【0027】
(分類モデルの分類先である)複数の所定のラベルの何れかと、(当該分類モデルに入力される)第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは同じであってもよい。より具体的には、複数の所定のラベルの何れかと第1テキストとは同じであってもよいし、複数の所定のラベルの何れかと第2テキストとは同じであってもよいし、複数の所定のラベルの何れかと第1テキスト及び第2テキスト(の両方)とは同じであってもよい。
【0028】
入力部13は、複数のテキストから構成される第1テキスト群に含まれる一のテキストと複数のテキストから構成される第2テキスト群に含まれる一のテキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出されたペアである抽出ペアそれぞれについて、第1テキスト群からのテキストを第1テキストとして及び第2テキスト群からのテキストを第2テキストとして分類モデルに対して順次入力してもよい。
【0029】
入力部13は、複数のテキストであって単語又は句であるテキストから構成される第1テキスト群に含まれる一のテキストと複数のテキストであって句又は文であるテキストから構成される第2テキスト群に含まれる一のテキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出されたペアである抽出ペアそれぞれについて、第1テキスト群からのテキストを第1テキストとして及び第2テキスト群からのテキストを第2テキストとして分類モデルに対して順次入力してもよい。
【0030】
分類モデルは、入力部13によって抽出ペアそれぞれの第1テキスト及び第2テキストが順次入力されると、抽出ペアそれぞれについて、当該抽出ペアの第1テキストに関する確率情報及び当該抽出ペアの第2テキストに関する確率情報を順次出力する。分類モデルによって順次出力された抽出ペアそれぞれの確率情報は、後述の判定部14によって利用される。
【0031】
判定部14は、分類モデルに対して、第1のテキストである第1テキストを入力することで出力される確率情報である第1確率情報と、第2のテキストである第2テキストを入力することで出力される確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された第1確率情報及び第2確率情報に基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する。
【0032】
関係性は、例えば、第1テキストと第2テキストとの類似度、第1テキストと第2テキストとが同じであるか否か、第1テキストと第2テキストとがほぼ同じであるか否か、第1テキストと第2テキストとが意味的に近いか否か、第1テキストの内容に第2テキストの内容が含まれているか否か、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否か、第1テキストの内容が第2テキストの内容に沿っているか否か、又は、第2テキストの内容が第1テキストの内容に沿っているか否かなどである。
【0033】
判定部14は、判定結果を、格納部10によって格納させてもよいし、後述の通信装置1004によりネットワークを介して他の装置に出力(送信)してもよいし、出力装置1006により関係性判定装置1のユーザに出力(表示)してもよい。
【0034】
判定部14は、第1確率情報と第2確率情報との類似性に基づいて関係性を判定してもよい。判定部14は、第1確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率と、第2確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率との類似度に基づいて関係性を判定してもよい。類似度は、例えばコサイン類似度などの既存技術を用いる。
【0035】
判定部14は、第1テキストの内容に第2テキストの内容が含まれているか否かを判定してもよい。判定部14は、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否かを判定してもよい。
【0036】
判定部14は、(分類モデルによって順次出力された抽出ペアそれぞれの確率情報に基づいて)抽出ペアそれぞれについて関係性を判定し、抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて第1テキスト群と第2テキスト群との関係性を判定してもよい。
【0037】
判定部14は、(分類モデルによって順次出力された抽出ペアそれぞれの確率情報に基づいて)抽出ペアそれぞれについて当該抽出ペアの第2テキストの内容に当該抽出ペアの第1テキストの内容が含まれているか否かを判定し、抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて第2テキスト群の内容に第1テキスト群の内容が含まれているか否かを判定してもよい。
【0038】
続いて、図2を参照しながら、関係性判定装置1が実行する処理の例を説明する。図2は、関係性判定装置1が実行する判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、学習部12が、分類モデルを学習し、学習済みの分類モデルを格納部10によって格納させる(ステップS1)。次に、入力部13が、S1にて格納された分類モデルに第1テキストを入力する(ステップS2)。次に、判定部14が、S2に基づいて分類モデルが出力する第1確率情報を取得する(ステップS3)。次に、入力部13が、S1にて格納された分類モデルに第2テキストを入力する(ステップS4)。次に、判定部14が、S4に基づいて分類モデルが出力する第2確率情報を取得する(ステップS5)。次に、判定部14が、S3にて取得した第1確率情報及びS5にて取得した第2確率情報に基づいて、第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する(ステップS6)。
【0040】
なお、S2~S5は、S1の後、かつ、S6の前、かつ、S2の後にS3を行う、S4の後にS5を行う、という条件を満たす限り、順番は変えてもよい。例えば、S1、S2、S4、S3、S5及びS6という順であってもよいし、S1、S4、S5、S2、S3及びS6という順であってもよい。また、S1は省略し、S2及びS4では既に学習済みの分類モデルを利用してもよい。
【0041】
以降では、具体的な実施例を用いて関係性判定装置1の各処理の詳細を説明する。具体的な実施例として、英語の検定試験で出題される英作文の問題に対して受験生(人、ユーザ)が作成した英文を、関係性判定装置1を用いて採点する例を説明する。
【0042】
図3は、英作文の問題例を示す図である。図3に示す問題例ではTOPIC(トピック、話題)とPOINTS(ポイント)とが含まれる。受験生は、与えられたTOPICについてエッセイ(英文)を書くことが求められる。また、エッセイでは、受験生の回答をサポートするため、POINTSのうち二つを用いることが求められる。その他にエッセイは、導入、本文及び結論からなる構成が求められると共に120~150ワードの長さが推奨される。図3に示す問題例では、「Is marriage less important today than in the past?」(結婚が過去に比べて今日では重要性が低いか否か)というTOPICについて、「Women」、「Children」、「Pressure」及び「Life style」の四つのPOINTSのうち二つを用いてエッセイを書くことが求められている。図4は、図3に示す問題例に対する受験生による回答例を示す図である。すなわち、図4に示す回答例は、受験生が書いたエッセイである。
【0043】
以上の通り、図3に示す問題例では、POINTSの中からキーワード(POINTS)を選んで回答する必要がある。回答(エッセイ)には、キーワードが含まれている必要があるだけで、(POINTSの)単語又はフレーズそのものが含まれている必要はない。POINTSは単語であるとは限らない。本実施例では、関係性判定装置1は、受験生が書いたエッセイにキーワードが含まれているかどうかを自動で判別することを目的とする。
【0044】
本実施例の問題を定式化すると、回答文書を複数の単位に分割した後、複数のラベル付けを行うマルチラベル分類問題と定式化できる。キーワードをラベルとした上で、教師データを用いて分類モデルを学習する。図5は、問題の定式化例を示す図である。図5に示す定式化例では、図4に示すエッセイから抽出した単位(句又は文など)である「For example, women who are married and have children tend to be unable to maintain their careers.」を分類モデルに入力した際に、該当するラベル(「Women」及び「Children」)が出力される(複数ラベル出力も可)ように分類モデルを学習する場面を示している。
【0045】
しかしながら上記の定式化では、分類モデルの学習の前にラベル数をあらかじめ決定しておく必要がある。また、表層的な文字列だけではなく、使われる文脈を理解しながらラベル付けを行う必要がある。その他の課題として、分類モデルの学習データが存在せず、問題によってラベル(POINTS)が異なる(「Women」、「Children」、「Pressure」及び「Life style」の四つとは限らない)ことが挙げられる。具体的には、(1)エッセイをドメインとした学習データが存在しないこと、(2)問題によってPOINTSは異なることから、全ての問題に対応させるとラベル数が膨大になること、(3)新たな問題を追加すると分類モデルの再学習が必要になることが挙げられる。
【0046】
関係性判定装置1を用いた採点では、分類モデルの(学習部12による)学習において、一般的なマルチラベル分類のデータセットで分類器を学習を行う。学習の際に、POINTSとラベルが一致していなくてもよい。図6は、分類モデルの学習例を示す図である。図6に示す学習例では、一般的なマルチラベル分類のデータセットである、テキスト「The ex-president announced his candidacy almost four months ago.」と正解データである「ラベル:社会、フラグ:0」、「ラベル:政治、フラグ:1」、「ラベル:経済、フラグ:1」及び「ラベル:歴史、フラグ:0」とから構成されるデータセットで学習されている。ここで、ラベル「社会」、「政治」、「経済」及び「歴史」(複数の所定のラベル)は、ある程度エッセイで想定されるようなラベルを予め何個か用意してそれを固定にしたものである。このように、複数の所定のラベルは、POINTSとは関係無いラベル(データ外のラベル、目的データ外のラベル)であってもよい。正解データは、人が予め作成したものであってもよい。
【0047】
関係性判定装置1を用いた採点では、上述の通り学習された分類モデルを利用して(判定部14が)関係性を判定(推論)する。図7は、関係性判定装置1による判定例を示す図である。図7に示す判定例では、まず、上述の通り学習された分類モデルに対して、(入力部13が)図3に示すPOINTSの一つである「Women」を第1テキストとして入力することで出力される第1確率情報である「ラベル:社会、確率:0.9」、「ラベル:政治、確率:0.2」、「ラベル:経済、確率:0.1」及び「ラベル:歴史、確率:0.1」を(判定部14が)取得する。次に、上述の通り学習された分類モデルに対して、(入力部13が)図4に示すエッセイの一部(一文)である「For example, women who are married and have children tend to be unable to maintain their careers.」を第2テキストとして入力することで出力される第2確率情報である「ラベル:社会、確率:0.8」、「ラベル:政治、確率:0.1」、「ラベル:経済、確率:0」及び「ラベル:歴史、確率:0.2」を(判定部14が)取得する。次に、(判定部14が)取得された第1確率情報の分布と第2確率情報の分布との類似度を比較して、第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する。例えば、分布が似ている(類似度が所定の基準を満たす)場合は、第1テキストと第2テキストとが意味的に近いと判定する。また例えば、分布が似ていない(類似度が所定の基準を満たさない)場合は、第1テキストと第2テキストとが意味的に近くない(遠い)と判定する。
【0048】
続いて、図8を参照しながら、本実施例において関係性判定装置1が実行する処理の例を説明する。図8は、関係性判定装置1が実行する判定処理の別の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、学習部12が、一般的なラベルがついたデータを用いて学習して分類モデルを作成し、格納部10によって格納させる(ステップS10)。次に、受験生がエッセイを回答し、回答されたエッセイが取得部11によって取得されて格納部10によって格納される(ステップS11)。次に、入力部13が、S11にて格納されたエッセイを句又は文に分割する(ステップS12)。次に、入力部13が、(格納部10によって予め格納された、又は、取得部11によって予め取得された)POINTSの一つと(S12にて)分割されたエッセイの一つとから構成されるペアを一つ以上抽出する(ステップS13)。
【0050】
S13にて抽出されたペアである抽出ペアそれぞれに対して以降のS14~S18を繰り返し実施する。まず、入力部13が、S10にて格納された分類モデルに抽出ペアのPOINTSを入力する(ステップS14)。次に、判定部14が、S14に基づいて分類モデルから出力される第1確率情報を取得する(ステップS15)。次に、入力部13が、S10にて格納された分類モデルに抽出ペアの分割されたエッセイを入力する(ステップS16)。次に、判定部14が、S16に基づいて分類モデルから出力される第2確率情報を取得する(ステップS17)。次に、判定部14が、S15にて取得された第1確率情報及びS17にて取得された第2確率情報に基づいて、抽出ペアの分割されたエッセイの内容に抽出ペアのPOINTSの内容が含まれているか否かを判定する(ステップS18)。
【0051】
抽出ペアそれぞれに対してS14~S18が実施された後に、判定部14が、抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて、(受験生によって回答された)エッセイの内容に(英作文の問題の)POINTSの内容が含まれているか否かを判定する(ステップS19)。
【0052】
なお、S10は省略し、S14及びS16では既に学習済みの分類モデルを利用してもよい。また、S14~S17は、S13の後、かつ、S18の前、かつ、S14の後にS15を行う、S16の後にS17を行う、という条件を満たす限り、順番は変えてもよい。また、S19の後に、判定部14はS19での判定結果を出力してもよい。また、S13にて抽出するペアは、全てのペア(POINTSと分割されたエッセイとの全ての組み合わせのペア)であってもよいし、そのうちの一部のペアであってもよい。また、S14~S18の繰り返し処理は、途中で所定の条件を満たした場合、例えばエッセイの内容に(英作文の問題で求められている)二つのPOINTSの内容が含まれていることが判定された場合に、(三つ以上のPOINTSの内容が含まれていることを確認するのは無駄なので)当該繰り返し処理を中止してS19に進んでもよい。
【0053】
以上により、関係性判定装置1は、受験生が書いたエッセイ(第2テキスト又は第2テキスト群)にキーワード又はPOINTS(第1テキスト又は第1テキスト群)が含まれているかどうかを自動で判別することができる。
【0054】
続いて、実施形態に係る関係性判定装置1の作用効果について説明する。
【0055】
関係性判定装置1によれば、一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する分類モデルに対して、第1のテキストである第1テキストを入力することで出力される確率情報である第1確率情報と、第2のテキストである第2テキストを入力することで出力される確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された第1確率情報及び第2確率情報に基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性を判定する判定部14を備える。この構成により、分類モデルに対して第1テキストを入力することで出力される第1確率情報と、分類モデルに対して第2テキストを入力することで出力される第2確率情報とに基づいて第1テキストと第2テキストとの関係性が判定される。すなわち、より容易にテキスト間の関係性を判定することができる。
【0056】
また、関係性判定装置1において、複数の所定のラベルそれぞれと、第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは異なってもよい。この構成により、分類モデルによる分類先となる複数の所定のラベルを、第1テキスト又は第2テキストに合わせる必要がなくなる。それにより例えば、一般的なラベルから構成される複数の所定のラベルを分類先とする分類モデルを用いることができる。すなわち、関係性判定装置1、第1テキスト又は第2テキストなどに特化していない、一般的な分類モデルを用いて関係性を判定することができる。それにより、より容易にテキスト間の関係性を判定することができる。
【0057】
また、関係性判定装置1において、複数の所定のラベルの何れかと、第1テキスト又は第2テキストの少なくとも一方とは同じであってもよい。この構成により、より正確な関係性を判定することができる。
【0058】
また、関係性判定装置1において、判定部14は、第1確率情報と第2確率情報との類似性に基づいて関係性を判定してもよい。この構成により、第1確率情報と第2確率情報との類似性に基づいて、より正確な関係性を判定することができる。
【0059】
また、関係性判定装置1において、判定部14は、第1確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率と、第2確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率との類似度に基づいて関係性を判定してもよい。この構成により、第1確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率と、第2確率情報が示す複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率との類似度に基づいて、より正確な関係性を判定することができる。
【0060】
また、関係性判定装置1において、判定部14は、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否かを判定してもよい。この構成により、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否かというより具体的な関係性を判定することができる。
【0061】
また、関係性判定装置1において、第1テキストは単語又は句であり、第2テキストは句又は文であり、判定部14は、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否かを判定してもよい。この構成により、句又は文である第2テキストの内容に、単語又は句である第1テキストの内容が含まれているか否かというより具体的な関係性を判定することができる。
【0062】
また、関係性判定装置1において、第1テキストは予め指定された単語又は句であり、第2テキストは人が作成した句又は文であり、判定部14は、第2テキストの内容に第1テキストの内容が含まれているか否かを判定してもよい。この構成により、人が作成した句又は文である第2テキストの内容に、予め指定された単語又は句である第1テキストの内容が含まれているか否かというより具体的な関係性を判定することができる。
【0063】
また、関係性判定装置1において、複数のテキストから構成される第1テキスト群に含まれる一のテキストと複数のテキストから構成される第2テキスト群に含まれる一のテキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出されたペアである抽出ペアそれぞれについて、第1テキスト群からのテキストを第1テキストとして及び第2テキスト群からのテキストを第2テキストとして分類モデルに対して順次入力する入力部13をさらに備え、判定部14は、抽出ペアそれぞれについて関係性を判定し、抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて第1テキスト群と第2テキスト群との関係性を判定してもよい。この構成により、複数のテキストから構成される第1テキスト群と複数のテキストから構成される第2テキスト群との関係性を判定することができる。
【0064】
また、関係性判定装置1において、複数のテキストであって単語又は句であるテキストから構成される第1テキスト群に含まれる一のテキストと複数のテキストであって句又は文であるテキストから構成される第2テキスト群に含まれる一のテキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出されたペアである抽出ペアそれぞれについて、第1テキスト群からのテキストを第1テキストとして及び第2テキスト群からのテキストを第2テキストとして分類モデルに対して順次入力する入力部13をさらに備え、判定部14は、抽出ペアそれぞれについて当該抽出ペアの第2テキストの内容に当該抽出ペアの第1テキストの内容が含まれているか否かを判定し、抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて第2テキスト群の内容に第1テキスト群の内容が含まれているか否かを判定してもよい。この構成により、複数のテキストであって句又は文であるテキストから構成される第2テキスト群の内容に、複数のテキストであって単語又は句であるテキストから構成される第1テキスト群の内容が含まれているか否かを判定することができる。
【0065】
関係性判定装置1は、データ外のラベルを用いた文書内に含まれるキーワードの抽出手法を実行する。関係性判定装置1によれば、意味上でPOINTSの観点からエッセイが書かれているかどうかを判定することができる。関係性判定装置1によれば、エッセイの採点で回答の指定(POINTSのうち二つを用いる)を正しく守ってるかどうかを自動で判定することができる。
【0066】
本開示の関係性判定装置1は、以下の構成を有してもよい。
【0067】
[1]
一つ以上の単語から構成されるテキストが入力されると当該テキストが複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率に関する確率情報を出力する分類モデルに対して、第1の前記テキストである第1テキストを入力することで出力される前記確率情報である第1確率情報と、第2の前記テキストである第2テキストを入力することで出力される前記確率情報である第2確率情報とを取得し、取得された前記第1確率情報及び前記第2確率情報に基づいて前記第1テキストと前記第2テキストとの関係性を判定する判定部を備える関係性判定装置。
【0068】
[2]
前記複数の所定のラベルそれぞれと、前記第1テキスト又は前記第2テキストの少なくとも一方とは異なる、
[1]に記載の関係性判定装置。
【0069】
[3]
前記複数の所定のラベルの何れかと、前記第1テキスト又は前記第2テキストの少なくとも一方とは同じである、
[1]に記載の関係性判定装置。
【0070】
[4]
前記判定部は、前記第1確率情報と前記第2確率情報との類似性に基づいて前記関係性を判定する、
[1]~[3]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0071】
[5]
前記判定部は、前記第1確率情報が示す前記複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率と、前記第2確率情報が示す前記複数の所定のラベルそれぞれに分類される確率との類似度に基づいて前記関係性を判定する、
[1]~[4]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0072】
[6]
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
[1]~[5]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0073】
[7]
前記第1テキストは単語又は句であり、
前記第2テキストは句又は文であり、
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
[1]~[6]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0074】
[8]
前記第1テキストは予め指定された単語又は句であり、
前記第2テキストは人が作成した句又は文であり、
前記判定部は、前記第2テキストの内容に前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定する、
[1]~[7]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0075】
[9]
複数の前記テキストから構成される第1テキスト群に含まれる一の前記テキストと複数の前記テキストから構成される第2テキスト群に含まれる一の前記テキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出された前記ペアである抽出ペアそれぞれについて、前記第1テキスト群からの前記テキストを前記第1テキストとして及び前記第2テキスト群からの前記テキストを前記第2テキストとして前記分類モデルに対して順次入力する入力部をさらに備え、
前記判定部は、前記抽出ペアそれぞれについて前記関係性を判定し、前記抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて前記第1テキスト群と前記第2テキスト群との関係性を判定する、
[1]~[8]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0076】
[10]
複数の前記テキストであって単語又は句である前記テキストから構成される第1テキスト群に含まれる一の前記テキストと複数の前記テキストであって句又は文である前記テキストから構成される第2テキスト群に含まれる一の前記テキストとから構成されるペアを一つ以上抽出し、抽出された前記ペアである抽出ペアそれぞれについて、前記第1テキスト群からの前記テキストを前記第1テキストとして及び前記第2テキスト群からの前記テキストを前記第2テキストとして前記分類モデルに対して順次入力する入力部をさらに備え、
前記判定部は、前記抽出ペアそれぞれについて当該抽出ペアの前記第2テキストの内容に当該抽出ペアの前記第1テキストの内容が含まれているか否かを判定し、前記抽出ペアそれぞれの判定結果に基づいて前記第2テキスト群の内容に前記第1テキスト群の内容が含まれているか否かを判定する、
[1]~[9]の何れか一項に記載の関係性判定装置。
【0077】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0078】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0079】
例えば、本開示の一実施の形態における関係性判定装置1などは、本開示の関係性判定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、本開示の一実施の形態に係る関係性判定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の関係性判定装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0080】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。関係性判定装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0081】
関係性判定装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0082】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、学習部12、入力部13及び判定部14などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0083】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、取得部11、学習部12、入力部13及び判定部14は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0084】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0085】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0086】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、学習部12、入力部13及び判定部14などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0087】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0088】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0089】
また、関係性判定装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0090】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0091】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0092】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0093】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0094】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0095】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0096】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0097】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0098】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0099】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0100】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0101】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0102】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0103】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0104】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0105】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0106】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0107】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0108】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0109】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0110】
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0111】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…関係性判定装置、10…格納部、11…取得部、12…学習部、13…入力部、14…判定部、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9