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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163502
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/04 20060101AFI20241115BHJP
   H01H 9/06 20060101ALI20241115BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B62D1/04
H01H9/06
H01H9/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079188
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】鍋 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】松澤 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】鬼児島 理香
(72)【発明者】
【氏名】塚原 靖典
(72)【発明者】
【氏名】石垣 誠司
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
【テーマコード(参考)】
3D030
5G052
【Fターム(参考)】
3D030DB13
5G052AA14
5G052AA35
5G052HC06
(57)【要約】
【課題】移動体の機能操作に関し操作性をより高める。
【解決手段】移動体の機能制御に用いられるスイッチ装置であって、ユーザを基準としてより手前側に配置される上段部と、前記ユーザを基準としてより奥側に配置される下段部と、を備え、前記上段部には、表示装置による情報表示と連動する機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられ、前記下段部には、前記移動体の走行に係る機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられる、スイッチ装置が提供される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の機能制御に用いられるスイッチ装置であって、
ユーザを基準としてより手前側に配置される上段部と、
前記ユーザを基準としてより奥側に配置される下段部と、
を備え、
前記上段部には、表示装置による情報表示と連動する機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられ、
前記下段部には、前記移動体の走行に係る機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられる、
スイッチ装置。
【請求項2】
前記ユーザの手が把持部に接触した状態で前記ユーザの指により操作可能な位置に配置される、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記下段部は、前記手前側および前記奥側にそれぞれ操作が可能なパドルスイッチを含む、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記パドルスイッチは、前記奥側への操作に関し、前記ユーザの指の接触位置を検出し、前記下段部に割り当てられた複数の機能のうち前記接触位置に応じた機能に対する前記ユーザの操作を検出する、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記パドルスイッチの前記手前側の面は、前記下段部に割り当てられた複数の機能の各々に対応するエリアごとに異なる傾斜を有する、
請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記パドルスイッチは、前記手前側への操作に関し、前記ユーザの指の接触位置に依らず、前記下段部に割り当てられた複数の機能のうち規定の機能に対する前記ユーザの操作を検出する、
請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記規定の機能は、方向指示機能を含む、
請求項6に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記パドルスイッチは、前記手前側に対する操作と前記奥側に対する操作とで異なる方向に対する方向指示操作を検出する、
請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記パドルスイッチは、前記手前側および前記奥側にそれぞれ多段操作が可能に設けられる、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記上段部は、少なくとも前記奥側に操作が可能に設けられ、前記ユーザの指の接触位置を検出し、前記上段部に割り当てられた複数の機能のうち前記接触位置に応じた機能に対する前記ユーザの操作を検出する、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記上段部は、前記ユーザを基準として左右方向にそれぞれ操作が可能なトグルスイッチを含む、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項12】
操舵装置に配置される、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体の機能制御に用いられる多種多様なスイッチ装置が開発されている。例えば、特許文献1には、ステアリング(操舵装置)と一体に形成されるステアリングスイッチ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-41541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操舵装置の周辺に多数のスイッチが配置される場合、ユーザが各スイッチにどの機能が対応しているかを覚える必要があり、ユーザの負担が増大する。また、上記の場合、各スイッチの識別がしづらくなり操作性が低下する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、移動体の機能操作に関し操作性をより高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、移動体の機能制御に用いられるスイッチ装置であって、ユーザを基準としてより手前側に配置される上段部と、前記ユーザを基準としてより奥側に配置される下段部と、を備え、前記上段部には、表示装置による情報表示と連動する機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられ、前記下段部には、前記移動体の走行に係る機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられる、スイッチ装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、移動体の機能操作に関し操作性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る操舵装置1の構成例を示す図である。
図2】同実施形態に係るスイッチ装置20Lの構成例を示す図である。
図3】同実施形態に係る上段部210Lの構成例を示す図である。
図4】同実施形態に係る下段部220Lの構成例を示す図である。
図5】同実施形態に係るスイッチ装置20Lの形状に関する特徴について説明するための図である。
図6】同実施形態に係るスイッチ装置20Rの構成例を示す図である。
図7】同実施形態に係る上段部210Rの構成例を示す図である。
図8】同実施形態に係る下段部220Rの構成例を示す図である。
図9】同実施形態に係るスイッチ装置20Rの形状に関する特徴について説明するための図である。
図10】同実施形態に係る上段部210に係る機能割り当て例を示す図である。
図11】同実施形態に係る下段部220に係る機能割り当て例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
また、本明細書及び図面においては、複数存在する同種の構成を区別して説明する場合に、符号の末尾にアルファベット等を付す場合がある。一方、複数存在する同種の構成を区別する必要がない場合、上記アルファベット等を省略し、複数存在する同種の構成のすべてに共通する説明がなされる場合がある。
【0011】
<1.実施形態>
近年、車両等の移動体に搭載される機能が拡充している。また、機能の拡充に伴い、機能操作に用いられるスイッチの数が増加する傾向がある。
【0012】
しかし、スイッチの数が増加するほど、各スイッチがどの機能に対応するかを覚える負担が増大してしまい、識別性、操作性が低下する可能性がある。
【0013】
また、多数のスイッチを操舵装置の周辺に集約しようとする場合、見た目が煩雑となり、デザイン性が低下する可能性がある。
【0014】
さらには、操舵装置の周辺の物理的スペースは限られていることから、配置可能なスイッチの大きさ・数にも制限が生じる。近年においては、自動運転技術の向上等に伴い操舵装置の小型化も進んでおり、上記のような制限がより厳しくなることも想定される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る技術思想は、上記のような各点に着目して発想されたものであり、簡易な構成で操作性をより高めることを可能とする。
【0016】
まず、図1を参照して本発明の一実施形態に係る操舵装置1の構成例について説明する。
【0017】
本実施形態に係る操舵装置1は、移動体の進行方向の操作に用いられるステアリングホイールであってもよい。
【0018】
なお、以下においては、上記移動体が車両である場合を主な例として説明を行うが、本実施形態に係る移動体は車両に限定されない。本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機等であってもよい。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る操舵装置1は、把持部10L、把持部10R、スイッチ装置20L、スイッチ装置20R、ホーンスイッチ30、シフトスイッチ40、表示装置50を備えてもよい。
【0020】
(把持部10)
本実施形態に係る把持部10は、ユーザ(操作者)の手により把持される、いわゆるグリップである。把持部10Lはユーザの左手により把持され、把持部10Rはユーザの右手により把持される。
【0021】
(スイッチ装置20)
本実施形態に係るスイッチ装置20は、移動体の機能操作に用いられる。本実施形態に係る操舵装置1には、スイッチ装置20Lおよびスイッチ装置20Rの2つのスイッチ装置20が配置されてもよい。
【0022】
スイッチ装置20Lは、ユーザの左手が把持部10Lに接触した状態で当該ユーザの左手の指により操作可能な位置に配置される。同様に、スイッチ装置20Rは、ユーザの右手が把持部10Rに接触した状態で当該ユーザの右手の指により操作可能な位置に配置される。
【0023】
本実施形態に係るスイッチ装置20の詳細については後述する。
【0024】
(ホーンスイッチ30)
本実施形態に係るホーンスイッチ30は、ホーン操作に用いられる。例えば、ホーンスイッチ30を押下している間、ホーンが鳴るよう設計されてもよい。
【0025】
(シフトスイッチ40)
本実施形態に係るシフトスイッチ40は、トランスミッションの変速等の制御に用いられる。シフトスイッチ40は、例えば、ユーザの指等の接触位置を検出可能な静電プッシュスイッチであってもよい。
【0026】
シフトスイッチ40には、例えば、リターンエリア41、ドライブエリア42、ニュートラルエリア43、パーキングエリア44等の複数のエリアが設けられ、押下時にユーザの指等の接触位置に応じたトランスミッション制御が実行される。
【0027】
例えば、リターンエリア41が押下された場合、移動体が後退するようトランスミッション制御が行われる。
【0028】
また、例えば、ドライブエリア42が押下された場合、移動体が前進するようトランスミッション制御が行われる。
【0029】
また、例えば、ニュートラルエリア43が押下された場合、エンジンからタイヤに伝わる駆動力が切り離されるようトランスミッション制御が行われる。
【0030】
また、例えば、パーキングエリア44が押下された場合、トランスミッション内にロックが掛かり、移動体が前後に移動しないようトランスミッション制御が行われる。
【0031】
なお、操作頻度が高いことが想定されるリターンエリア41およびドライブエリア42は、それぞれ把持部10に近い位置に配置されてもよい。図1に示す一例の場合、リターンエリア41は、シフトスイッチ40において把持部10Lに近い位置に配置され、ドライブエリア42は、シフトスイッチ40において把持部10Rに近い位置に配置される。
このような配置により操作性の向上が期待される。
【0032】
一方、操作頻度が低いことが想定される、ニュートラルエリア43およびパーキングエリア44は、把持部10からは離れた位置に配置されてもよい。図1に示す一例の場合、ニュートラルエリア43は、リターンエリア41とドライブエリア42との間に配置され、パーキングエリア44は、ニュートラルエリア43の下方に配置される。このような配置によりニュートラルエリア43およびパーキングエリア44に対する誤操作が防止される。
【0033】
また、パーキングエリア44は、ニュートラルエリア43と比較して、ユーザを基準としてより奥側に配置されてもよい。このように、手前‐奥方向の高さに差をつけることで、ニュートラルエリア43およびパーキングエリア44の識別性が高まるとともに両エリアに関する誤操作が防止される。
【0034】
さらには、リターンエリア41、ドライブエリア42、ニュートラルエリア43、パーキングエリア44は、スイッチ装置20Lおよびスイッチ装置20Rとは、比較的離れた位置に配置されてもよい。このような配置によれば、ユーザがスイッチ装置20を操作しようとした際に誤ってシフトスイッチ40を操作してしまうことを防止することができる。
【0035】
(表示装置50)
本実施形態に係る表示装置50は、各種の視覚情報を表示する。表示装置50は、例えば、移動体の速度、自動運転の実行有無、移動体に搭載されるカメラが撮影する映像、オーディオの実行状況、音声認識機能、電話機能等に関する情報を表示してもよい。
【0036】
以上、本実施形態に係る操舵装置1の構成例について述べた。続いて、図2図5を参照して、本実施形態に係るスイッチ装置20Lの構成について詳細に説明する。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係るスイッチ装置20Lは、ドット柄で示す上段部210Lと斜線柄で示す下段部220Lとを備える。
【0038】
スイッチ装置20Lは、ユーザが左手で把持部10Lを把持したまま左手の親指を伸ばした場合に上段部210Lおよび下段部220Lの各々の手前側の面に接触可能なように配置される。
【0039】
また、上段部210Lは、ユーザを基準としてより下段部220Lより手前側に配置され、下段部220Lは、ユーザを基準としてより上段部210Lより奥側に配置される。
【0040】
このように、上段部210Lと下段部220Lとで手前‐奥方向の高さに差をつけることで、ユーザが上段部210Lと下段部220Lとをより直感的に区別することが可能となり、また誤操作が防止される。
【0041】
なお、上段部210Lおよび下段部220Lの手前‐奥方向の高さは、把持部10Lの大きさ・形状、操舵装置1の大きさ・形状、スイッチ装置20Lの大きさ・形状等に応じて適宜設計されてよい。
【0042】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る上段部210Lの構成例について説明する。
【0043】
本実施形態に係る上段部210Lは、少なくとも奥側に操作が可能に設けられ、ユーザの指の接触位置を検出し、上段部210Lに割り当てられた複数の機能のうち上記接触位置に応じた機能に対するユーザの操作を検出することを特徴の一つとする。
【0044】
より具体的には、本実施形態に係る上段部210Lは、図3に示すように、ユーザを基準として左右方向にそれぞれ操作が可能な静電トグルスイッチ212L、および静電プッシュスイッチ215Lを備えてもよい。
【0045】
静電トグルスイッチ212Lは、静電容量の変化に基づきユーザの指の接触位置を検出する。例えば、静電トグルスイッチ212Lは、上エリア213Lが押下されたことと下エリア214Lが押下されたこととを区別して検出可能であってもよい。
【0046】
この場合、静電トグルスイッチ212Lは、上エリア213Lの押下操作、下エリア214Lの押下操作、静電トグルスイッチ212Lの左方向への操作、静電トグルスイッチ212Lの右方向への操作の4つの操作を検出することができる。
【0047】
静電トグルスイッチ212Lは、例えば、自動運転・運転支援等における車間距離・車速の調節制御に用いられてもよい。
【0048】
また、静電プッシュスイッチ215Lも、静電容量の変化に基づきユーザの指の接触位置を検出する。例えば、静電プッシュスイッチ215Lは、上エリア216Lが押下されたことと下エリア217Lが押下されたこととを区別して検出可能であってもよい。
【0049】
上エリア216Lと下エリア217Lとの間には、突起や溝などが設けられてもよい。これにより、ユーザが、上エリア216Lと下エリア217Lとを直感的に区別することが可能となる。
【0050】
例えば、ユーザは、静電プッシュスイッチ215Lの上エリア216Lを押下することで、自動運転のオン/オフを切り替えられてもよい。また、例えば、ユーザは、静電プッシュスイッチ215Lの上エリア216Lを押下することで、表示装置50等に表示させるカメラの映像を切り替えられてもよい。
【0051】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る下段部220Lの構成例について説明する。
【0052】
本実施形態に係る下段部220Lは、手前側および奥側にそれぞれ操作が可能な静電パドルスイッチ221Lを含むことを特徴の一つとする。
【0053】
なお、図4には、下段部220Lが静電パドルスイッチ221Lのみで構成される場合が例示される(すなわち、下段部220L=静電パドルスイッチ221L)。
【0054】
本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Lは、奥側への操作に関し、ユーザの指の接触位置を検出し、下段部220Lに割り当てられた複数の機能のうち上記接触位置に応じた機能に対するユーザの操作を検出する。
【0055】
例えば、上エリア222Lが押下されたこと、中エリア223Lが押下されたこと、および下エリア224Lが押下されたことを区別して検出可能であってもよい。
【0056】
一方、静電パドルスイッチ221Lは、手前側への操作に関し、ユーザの指の接触位置に依らず、下段部220Lに割り当てられた複数の機能のうち規定の機能に対するユーザの操作を検出してもよい。
【0057】
静電パドルスイッチ221Lの手前側への操作については、ユーザが指の接触位置を調整しづらいことから、当該接触位置に依らない操作検出を行うことで誤操作を防止することができる。
【0058】
なお、上記規定の機能の一例としては、方向指示機能(方向指示器の操作機能)が挙げられる。
【0059】
この場合、静電パドルスイッチ221Lは、手前側に対する操作と奥側に対する操作とで異なる方向に対する方向指示操作を検出する。
【0060】
より具体手には、静電パドルスイッチ221Lは、手前側に操作が行われた場合、右方向に関する方向指示操作を検出し、上エリア222Lが奥側に押下された場合、左方向に関する方向指示操作を検出する。
【0061】
上記のような構成によれば、片手により左右両方への方向指示操作を実現可能である。
【0062】
また、図4に示すように、静電パドルスイッチ221Lの上エリア222Lおよび側面エリア225Lの各々には、方向を示す矢印が表記されてもよい。図4に示す一例の場合、上エリア222Lには、左方向矢印が表記され、側面エリア225Lには、右方向矢印が表記される。また、側面エリア225Lは操舵装置1の回転軸方向へ傾斜している。これにより側面エリア225Lの右方向矢印がユーザにより視認可能となる。
【0063】
また、本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Lは、手前側および奥側にそれぞれ多段操作が可能に設けられてもよい。
【0064】
例えば、本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Lは、手前側および奥側にそれぞれ2段階の接点を有してもよい。
【0065】
上記のような構成によれば、例えば、方向指示器のレーンチェンジ/ターン、ライトのパッシング/ディマー等を簡易かつ直感的に操作することが可能となる。
【0066】
次に、図5を参照して、スイッチ装置20Lの形状に関する特徴について述べる。
【0067】
図5において一点鎖線を用いて示すように、静電パドルスイッチ221Lの手前側の面は、下段部220Lに割り当てられた複数の機能の各々に対応するエリア(すなわち、上エリア222L、中エリア223L、および下エリア224L)ごとに異なる傾斜を有してもよい。
【0068】
上記のような構成によれば、ユーザが左手の親指で目的のエリアを押下する際に、各エリアを直感的に区別することができ、誤操作が防止される。
【0069】
また、図5において一点鎖線を用いて示すように、静電トグルスイッチ212Lは、中央付近に凹みを有してもよい。
【0070】
上記のような構成によれば、静電トグルスイッチ212Lの左右方向への操作が容易になるとともに、静電トグルスイッチ212Lと静電プッシュスイッチ215Lの直感的な区別が可能となる。
【0071】
以上、図2図5を参照して、本実施形態に係るスイッチ装置20Lの構成例について説明した。
【0072】
続いて、図6図9を参照して、本実施形態に係るスイッチ装置20Rの構成例について説明する。本実施形態に係るスイッチ装置20Rは、左右対称であることを除き、スイッチ装置20Lと同等の構成であってよい。ただし、本実施形態に係るスイッチ装置20Rとスイッチ装置20Lは、割り当てられる機能が少なくとも一部異なってよい。スイッチ装置20Rおよびスイッチ装置20Lに係る機能割り当て例については後述する。
【0073】
図6に示すように、本実施形態に係るスイッチ装置20Rは、ドット柄で示す上段部210Rと斜線柄で示す下段部220Rとを備える。
【0074】
本実施形態に係る上段部210Rは、図7に示すように、ユーザを基準として左右方向にそれぞれ操作が可能な静電トグルスイッチ212R、および静電プッシュスイッチ215Rを備えてもよい。
【0075】
静電トグルスイッチ212Rは、静電容量の変化に基づきユーザの指の接触位置を検出する。例えば、静電トグルスイッチ212Rは、上エリア213Rが押下されたことと下エリア214Rが押下されたこととを区別して検出可能であってもよい。
【0076】
また、静電プッシュスイッチ215Rも、静電容量の変化に基づきユーザの指の接触位置を検出する。例えば、静電プッシュスイッチ215Rは、上エリア216Rが押下されたことと下エリア217Rが押下されたこととを区別して検出可能であってもよい。
【0077】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る下段部220Rの構成例について説明する。
【0078】
本実施形態に係る下段部220Rは、手前側および奥側にそれぞれ操作が可能な静電パドルスイッチ221Rを含むことを特徴の一つとする。
【0079】
なお、図8には、下段部220Rが静電パドルスイッチ221Rのみで構成される場合が例示される(すなわち、下段部220R=静電パドルスイッチ221R)。
【0080】
本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Rは、奥側への操作に関し、ユーザの指の接触位置を検出し、下段部220Rに割り当てられた複数の機能のうち上記接触位置に応じた機能に対するユーザの操作を検出する。
【0081】
例えば、上エリア222Rが押下されたこと、中エリア223Rが押下されたこと、および下エリア224Rが押下されたことを区別して検出可能であってもよい。
【0082】
一方、静電パドルスイッチ221Rは、手前側への操作に関し、ユーザの指の接触位置に依らず、下段部220Rに割り当てられた複数の機能のうち規定の機能に対するユーザの操作を検出してもよい。
【0083】
なお、スイッチ装置20Rに方向指示機能が割り当てられる場合、図8に示すように、静電パドルスイッチ221Rの上エリア222Rおよび側面エリア225Rの各々には、方向を示す矢印が表記されてもよい。図8に示す一例の場合、上エリア222Rには、右方向矢印が表記され、側面エリア225Rには、左方向矢印が表記される。また、側面エリア225Rは操舵装置1の回転軸方向へ傾斜している。これにより側面エリア225Rの左方向矢印がユーザにより視認可能となる。
【0084】
また、本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Rは、手前側および奥側にそれぞれ多段操作が可能に設けられてもよい。
【0085】
例えば、本実施形態に係る静電パドルスイッチ221Rは、手前側および奥側にそれぞれ2段階の接点を有してもよい。
【0086】
また、図9に示すように、本実施形態に係るスイッチ装置20Rは、スイッチ装置20Lと同等の形状的特徴を有してもよい。
【0087】
次に、図10を参照して、上段部210に係る機能割り当て例について説明する。
【0088】
本実施形態に係る上段部210には、例えば、表示装置50等による情報表示と連動する機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられてもよい。
【0089】
図10に示す一例のように、スイッチ装置20Lの静電トグルスイッチ212L(図10においては符号を省略する)には、自動運転・運転支援等における車間距離・車速の調節機能が割り当てられてもよい。
【0090】
例えば、位置に依らず静電トグルスイッチ212Lが押下された場合、「AUTO」から車間距離・車速の調整モードへの移行が行われてもよい。
【0091】
上記調整モードにおいて、上エリア213Lが押下された場合、車速がプラスされ、下エリア214Lが押下された場合、車速がマイナスされてもよい。また、上記調整モードにおいて、静電トグルスイッチ212Lが左方向に操作された場合、車間距離がマイナスされ、静電トグルスイッチ212Lが右方向に操作された場合、車間距離がプラスされてもよい。
【0092】
また、例えば、静電プッシュスイッチ215L(図10においては符号を省略する)の上エリア216Lには、自動運転のオン/オフの切り替え機能が、下エリア217Lには、カメラビューの切り替え機能が割り当てられてもよい。
【0093】
一方、スイッチ装置20Rの静電トグルスイッチ212R(図10においては符号を省略する)には、オーディオの操作機能が割り当てられてもよい。
【0094】
例えば、上エリア213Rが押下された場合、ボリュームがプラスされ、下エリア214Rが押下された場合、ボリュームがマイナスされてもよい。また、静電トグルスイッチ212Rが左方向に操作された場合、前の曲/チャンネルへの移行が行われ、静電トグルスイッチ212Rが右方向に操作された場合、次の曲/チャンネルへの移行が行われてもよい。
【0095】
また、例えば、静電プッシュスイッチ215R(図10においては符号を省略する)の上エリア216Rには、音声認識の実行/停止の切り替え機能が、下エリア217Rには、電話の着呼/切断機能が割り当てられてもよい。
【0096】
続いて、図11を参照して、下段部220に係る機能割り当て例について説明する。
【0097】
本実施形態に係る下段部220には、例えば、移動体の走行に係る機能を少なくとも含む複数の機能の操作が割り当てられてもよい。
【0098】
図11に示す一例のように、静電パドルスイッチ221Lの上エリア222Lには、左方向への方向指示機能が割り当てられてもよい。上エリア222Lが1段奥側へ押下操作された場合には左レーンチェンジが、上エリア222Lが2段奥側へ押下操作された場合には左ターンが指示されてもよい。
【0099】
また、静電パドルスイッチ221Lの中エリア223Lには、ライト操作機能が割り当てられてもよい。中エリア223Lが1段奥側へ押下操作された場合にはパッシングが、中エリア223Lが2段奥側へ押下操作された場合にはディマーが実行されてもよい。
【0100】
また、静電パドルスイッチ221Lの下エリア224Lには、回生ブレーキのマイナス方向への調整機能が割り当てられてもよい。下エリア224Lが1段奥側へ押下操作された場合には回生ブレーキが1段階マイナスされ、下エリア224Lが2段奥側へ押下操作された場合には回生ブレーキが2段階マイナスされてもよい。
【0101】
また、静電パドルスイッチ221Lの手前側への操作には、右方向への方向指示機能が割り当てられてもよい。静電パドルスイッチ221Lが手前側に1段階操作された場合には右レーンチェンジが、2段階操作された場合には右ターンが指示されてもよい。
【0102】
一方、静電パドルスイッチ221Rの上エリア222Rには、右方向への方向指示機能が割り当てられてもよい。上エリア222Rが1段奥側へ押下操作された場合には右レーンチェンジが、上エリア222Rが2段奥側へ押下操作された場合には右ターンが指示されてもよい。
【0103】
また、静電パドルスイッチ221Rの中エリア223Rには、ワイパー操作機能が割り当てられてもよい。中エリア223Rが1段奥側へ押下操作された場合にはワイパーのミストが、中エリア223Rが2段奥側へ押下操作された場合にはワイパーのウォッシャーが実行されてもよい。
【0104】
また、静電パドルスイッチ221Rの下エリア224Rには、回生ブレーキのプラス方向への調整機能が割り当てられてもよい。下エリア224Rが1段奥側へ押下操作された場合には回生ブレーキが1段階プラスされ、下エリア224Rが2段奥側へ押下操作された場合には回生ブレーキが2段階プラスされてもよい。
【0105】
また、静電パドルスイッチ221Rの手前側への操作には、左方向への方向指示機能が割り当てられてもよい。静電パドルスイッチ221Rが手前側に1段階操作された場合には左レーンチェンジが、2段階操作された場合には左ターンが指示されてもよい。
【0106】
以上、下段部220に係る機能割り当てに関し具体例を述べた。上記で述べた具体例のように、静電パドルスイッチ221Lおよび静電パドルスイッチ221Rの両方に方向指示機能が割り当てられることにより、ユーザが右手左手のうち任意の手で方向指示を行うことができ、操作性が向上する。
【0107】
ただし、下段部220に係る機能割り当ては、上記で述べた例に限定されない。例えば、操舵装置1がスイッチ装置20Lおよびスイッチ装置20Rを両方備える場合、上エリア222Lに左方向への方向指示機能を、上エリア222Rに右方向への方向指示機能を割り当てれば、左右両方に係る方向指示を実現可能である。このため、静電パドルスイッチ221Lの手前側への操作、および静電パドルスイッチ221Rの手前側への操作には、方向指示以外の任意の機能を割り当てることも可能である。
【0108】
また、操舵装置1がスイッチ装置20Lおよびスイッチ装置20Rを両方備える場合、一方のスイッチ装置20で選択した機能に対し、他方のスイッチ装置20を用いて操作を行うなどの構成を取ることも可能である。例えば、ユーザは、スイッチ装置20Rの静電パドルスイッチ221Rの上エリア222Rに接触することで選択した機能に対し、スイッチ装置20Lの静電パドルスイッチ221Lを手前側に操作することで実行指示を行えてもよい。
【0109】
また、本実施形態に係る操舵装置1は、単一のスイッチ装置20を備えてもよい。この場合であっても、上述したように、左右両方に係る方向指示を実現可能である。
【0110】
本実施形態に係るスイッチ装置20に係る機能割り当ては柔軟に設計可能である。
【0111】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0112】
1:操舵装置、10:把持部、20:スイッチ装置、30:ホーンスイッチ、40:シフトスイッチ、50:表示装置、210:上段部、212:静電トグルスイッチ、215:静電プッシュスイッチ、220:下段部、221:静電パドルスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11