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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163504
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J2/01 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079192
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】伊原 清二
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056FA10
2C056HA37
2C056HA46
(57)【要約】
【課題】印刷媒体に付着した液体の乾燥ムラを抑制する。
【解決手段】支持部4と、印刷部3と、キャリッジ7とキャリッジ7の移動部82と、送風部10と、を備え、送風部10は、キャリッジ7が第1方向における一方側に向かいつつ印刷部3から液体を吐出している際において印刷部3よりも後端側に配置されるとともに、気流を生成する気流生成部13と気流生成部13で生成された気流が流れる導風部11とを有し、導風部11は、第2方向に延在し支持部4に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部14を有する印刷装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を支持する支持部と、
前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、
前記印刷部を支持するキャリッジと、
前記印刷媒体に対して前記キャリッジを第1方向に移動させる移動部と、
前記移動部による前記キャリッジの前記第1方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、
を備え、
前記送風部は、
前記キャリッジが前記第1方向における一方側に向かいつつ前記印刷部から前記液体を吐出している際において前記印刷部よりも後端側に配置され、
前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、
前記導風部は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載された印刷装置において、
前記導風部は、前記導風部内に設けられ前記気流を前記開口部へ向かわせる複数の整流板を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載された印刷装置において、
複数の前記整流板は、前記第2方向において等間隔に配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載された印刷装置において、
前記導風部は、前記気流生成部と接続し前記第2方向に延在する本体部と、前記本体部から前記支持部へ向かって延在する開口部形成部と、を有し、
複数の前記整流板及び前記開口部は前記開口部形成部に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載された印刷装置において、
前記開口部は、前記気流が前記支持部に向かうとともに前記印刷部から離れる方向に向かう配置で開口していることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項2または3に記載された印刷装置において、
前記開口部を部分的に開閉可能なシャッターと、前記シャッターの開閉を制御可能な制御部と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載された印刷装置において、
前記制御部は、指定された前記開口部の開口領域情報に基づいて、前記シャッターの開閉を制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項7に記載された印刷装置において、
前記支持部に配置される加熱部を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項7に記載された印刷装置において、
前記支持部と対向する位置に配置され、前記第2方向において複数のファンを備え、
前記制御部は、前記開口領域情報に基づいて、前記ファンの駆動及び非駆動を制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項2または3に記載された印刷装置において、
前記送風部は、前記キャリッジが前記第1方向における前記一方側とは反対側の他方側に向かいつつ前記印刷部から前記液体を吐出している際において前記印刷部よりも後端側にも配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
印刷媒体を支持する支持部と、
前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、
前記印刷部に対して前記印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記印刷媒体の前記搬送方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、
を備え、
前記印刷部は、前記液体を吐出するノズルが前記搬送方向と交差する幅方向に複数並べられるラインヘッドであって、
前記送風部は、
前記印刷部よりも前記搬送方向における下流側に配置され、
前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、
前記導風部は、前記幅方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部と、前記導風部内に設けられ前記気流を前記開口部へ向かわせる複数の整流板と、を有することを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷媒体に液体を吐出して印刷する様々な印刷装置が使用されている。このうち、印刷媒体に付着した液体に対して気流を送風する送風部を備え、印刷媒体に吐出された液体を乾燥させることが可能な印刷装置がある。例えば、特許文献1には、媒体に向けて風を送る送風機を有するヘッドユニットを備える液体吐出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-230657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷媒体に付着した液体に対して気流を送風する送風部を備える従来の印刷装置においては、媒体の幅方向に亘って均一な風速で送風することが困難な場合が多い。このため、印刷媒体に付着した液体の乾燥ムラが生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の印刷装置は、印刷媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、前記印刷部を支持するキャリッジと、前記印刷媒体に対して前記キャリッジを第1方向に移動させる移動部と、前記移動部による前記キャリッジの前記第1方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、を備え、前記送風部は、前記キャリッジが前記第1方向における一方側に向かいつつ前記印刷部から前記液体を吐出している際において前記印刷部よりも後端側に配置され、前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、前記導風部は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部を有することを特徴とする。
【0006】
また、上記課題を解決するための本発明の別の印刷装置は、印刷媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、前記印刷部に対して前記印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部による前記印刷媒体の前記搬送方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、を備え、前記印刷部は、前記液体を吐出するノズルが前記搬送方向と交差する幅方向に複数並べられるラインヘッドであって、前記送風部は、前記印刷部よりも前記搬送方向における下流側に配置され、前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、前記導風部は、前記幅方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部と、前記導風部内に設けられ前記気流を前記開口部へ向かわせる複数の整流板と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例1に係る印刷装置の概略側面図。
図2図1の印刷装置のファンユニットの概略底面図。
図3図1の印刷装置のキャリッジの概略側面図。
図4図1の印刷装置のキャリッジ周辺の斜視図。
図5図1の印刷装置の送風部周辺の斜視図。
図6図5の送風部の一部の拡大斜視図。
図7】本発明の実施例2に係る印刷装置の送風部の一部の拡大斜視図。
図8】本発明の実施例3に係る印刷装置の送風部の一部の拡大斜視図。
図9】本発明の実施例4に係る印刷装置の概略側面図。
図10図9の印刷装置の送風部の一部の拡大斜視図。
図11図9の印刷装置の送風部の平面図であって、最大幅の印刷媒体がプラテンに支持されている状態を表す図。
図12図9の印刷装置の送風部の平面図であって、最小幅の印刷媒体がプラテンに支持されている状態を表す図。
図13図9の印刷装置の送風部の背面図であって、最大幅の印刷媒体がプラテンに支持されている状態を表す図。
図14】本発明の実施例5に係る印刷装置の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の印刷装置は、印刷媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、前記印刷部を支持するキャリッジと、前記印刷媒体に対して前記キャリッジを第1方向に移動させる移動部と、前記移動部による前記キャリッジの前記第1方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、を備え、前記送風部は、前記キャリッジが前記第1方向における一方側に向かいつつ前記印刷部から前記液体を吐出している際において前記印刷部よりも後端側に配置され、前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、前記導風部は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部を有することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、送風部の導風部は、キャリッジの移動方向と交差する第2方向に延在し支持部に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部を有する。このような構成により、導風部内において好適な気流を生成することができる。このため、支持部に支持される印刷媒体に対して、印刷媒体の幅方向に亘って均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能になる。したがって、印刷媒体に付着した液体の乾燥ムラが生じる虞を抑制することができる。
【0010】
本発明の第2の態様の印刷装置は、前記第1の態様において、前記導風部は、前記導風部内に設けられ前記気流を前記開口部へ向かわせる複数の整流板を有することを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、送風部の導風部は、導風部内に、気流を開口部へ向かわせる複数の整流板を有する。すなわち、複数の整流板により、導風部内において特に好適な気流を生成することができる。したがって、印刷媒体に付着した液体の乾燥ムラが生じる虞を抑制することができる。
【0012】
本発明の第3の態様の印刷装置は、前記第2の態様において、複数の前記整流板は、前記第2方向において等間隔に配置されていることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、複数の前記整流板は第2方向において等間隔に配置されている。このような構成とすることで、導風部内において特に好適な気流を生成することができ、印刷媒体の幅方向に亘って特に均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能になる。
【0014】
本発明の第4の態様の印刷装置は、前記第2または第3の態様において、前記導風部は、前記気流生成部と接続し前記第2方向に延在する本体部と、前記本体部から前記支持部へ向かって延在する開口部形成部と、を有し、複数の前記整流板及び前記開口部は前記開口部形成部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、複数の整流板及び開口部は、本体部から支持部へ向かって延在する開口部形成部に設けられている。このため、支持部に支持された印刷媒体の近傍から送風することができ、乾燥効率を向上することができる。
【0016】
本発明の第5の態様の印刷装置は、前記第2または第3の態様において、前記開口部は、前記気流が前記支持部に向かうとともに前記印刷部から離れる方向に向かう配置で開口していることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、開口部は、気流が支持部に向かうとともに印刷部から離れる方向に向かう配置で開口している。このため、気流が印刷部に向かうことで印刷部から吐出された液体の印刷媒体への着弾位置が所望の位置からズレることを抑制することができる。
【0018】
本発明の第6の態様の印刷装置は、前記第2または第3の態様において、前記開口部を部分的に開閉可能なシャッターと、前記シャッターの開閉を制御可能な制御部と、を有することを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、開口部を部分的に開閉可能なシャッターと、シャッターの開閉を制御可能な制御部と、を有する。このため、印刷媒体の幅に合わせて効率的に印刷媒体に送風することができる。
【0020】
本発明の第7の態様の印刷装置は、前記第6の態様において、前記制御部は、指定された前記開口部の開口領域情報に基づいて、前記シャッターの開閉を制御することを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、制御部は開口領域情報に基づいてシャッターの開閉を制御する。このため、開口領域情報に基づいて自動的にシャッターを開閉することができる。
【0022】
本発明の第8の態様の印刷装置は、前記第7の態様において、前記支持部に配置される加熱部を有することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、支持部に配置される加熱部を有する。このため、送風部の送風に加えて加熱部の加熱により印刷媒体を乾燥させることができ、効率的に印刷媒体を乾燥させることができる。
【0024】
本発明の第9の態様の印刷装置は、前記第7の態様において、前記支持部と対向する位置に配置され、前記第2方向において複数のファンを備え、前記制御部は、前記開口領域情報に基づいて、前記ファンの駆動及び非駆動を制御することを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、第2方向において複数のファンを支持部と対向する位置に備え、制御部は開口領域情報に基づいてファンの駆動及び非駆動を制御する。このため、送風部の送風に加えてこれらのファンの送風により印刷媒体を乾燥させることができるとともに、これらのファンを用いて印刷媒体の幅に合わせて効率的に印刷媒体に送風することができる。
【0026】
本発明の第10の態様の印刷装置は、前記第2または第3の態様において、前記送風部は、前記キャリッジが前記第1方向における前記一方側とは反対側の他方側に向かいつつ前記印刷部から前記液体を吐出している際において前記印刷部よりも後端側にも配置されていることを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、送風部がキャリッジの第1方向における印刷部の両側に配置されている。このため、キャリッジが第1方向における一方側に向かいつつ印刷部から液体を吐出する場合と、キャリッジが第1方向における他方側に向かいつつ印刷部から液体を吐出する場合と、の両方において効率的に印刷媒体に送風することができる。
【0028】
本発明の第11の態様の印刷装置は、印刷媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持された前記印刷媒体に対して液体を吐出する印刷部と、前記印刷部に対して前記印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部による前記印刷媒体の前記搬送方向への移動中に前記印刷部から吐出されることで前記印刷媒体に付着した前記液体に対して気流を送風する送風部と、を備え、前記印刷部は、前記液体を吐出するノズルが前記搬送方向と交差する幅方向に複数並べられるラインヘッドであって、前記送風部は、前記印刷部よりも前記搬送方向における下流側に配置され、前記気流を生成する気流生成部と、前記気流生成部で生成された気流が流れる導風部と、を有し、前記導風部は、前記幅方向に延在し前記支持部に向けて前記気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部と、前記導風部内に設けられ前記気流を前記開口部へ向かわせる複数の整流板と、を有することを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、送風部の導風部は、搬送方向と交差する幅方向に延在し支持部に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部を有するとともに、導風部内に設けられ気流を開口部へ向かわせる複数の整流板を有する。すなわち、複数の整流板により、導風部内において好適な気流を生成することができる。このため、支持部に支持される印刷媒体に対して、印刷媒体の幅方向に亘って均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能になる。したがって、印刷媒体に付着した液体の乾燥ムラが生じる虞を抑制することができる。
【0030】
[実施例1]
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を具体的に説明する。最初に、本発明の印刷装置1の一例としての実施例1の印刷装置1Aの概要について図1を参照して説明する。図1で表されるように、本実施例の印刷装置1Aは、ロール状の印刷媒体Pをセットするセット部2と、セット部2から搬送される印刷媒体Pを巻き取る巻取部5と、セット部2から巻取部5までの搬送経路において搬送方向Aに搬送される印刷媒体Pの画像形成面P1にインクを吐出して画像を形成する印刷部としての印刷ヘッド3と、を備えている。また、印刷ヘッド3によって画像が形成される画像形成領域において印刷媒体Pを支持する支持部としてのプラテン4と、印刷媒体Pの搬送経路に複数設けられた印刷媒体Pの搬送部としての複数の搬送ローラー6と、を備えている。さらに、本実施例の印刷装置1Aは、CPUや記憶部などを有する制御部8を備えている。本実施例の印刷装置1Aの各構成部材は、例えば操作パネル81や不図示のPCなどを介してユーザーにより入力された指示などに従い、制御部8による制御により駆動する。
【0031】
印刷ヘッド3は、搬送方向Aに搬送される印刷媒体Pの画像形成面P1と対向する側に配置されるキャリッジ7に設けられ、印刷媒体Pの画像形成面P1とは反対側の反対面P2がプラテン4で支持された状態で、画像形成面P1に液体の一例であるインクを吐出して画像を形成する。詳細には、本実施例の印刷装置1Aは、印刷ヘッド3を搭載したキャリッジ7を搬送方向Aに沿う走査方向Cに往復移動させて印刷する。さらに詳細には、本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pを搬送方向Aに間欠駆動(間欠搬送)させるとともに、走査方向Cにキャリッジ7を往復移動させ、印刷ヘッド3からインクを吐出方向Dに吐出して印刷する。キャリッジ7は、制御部8の制御により駆動されるキャリッジモーター82の駆動力により移動する。なお、本実施例においては、走査方向Cは水平方向であり、吐出方向Dは鉛直下方向である。
【0032】
なお、本実施例の印刷ヘッド3は、キャリッジ7の1回の走査(1パス)で画像形成面P1におけるプラテン4に支持された画像形成領域全体の画像形成を完了させることができる。さらには、本実施例の印刷ヘッド3は、画像形成領域全体を複数回の走査(複数パス)を行うことにより画像形成を完了させることもできる。
【0033】
また、図1で表されるように、本実施例の印刷装置1Aは、画像形成面P1に向けて送風することで印刷媒体Pに吐出されたインクを乾燥させるための送風部10をキャリッジ7に備えている。また、本実施例の印刷装置1Aは、プラテン4と対向する位置に、画像形成面P1に向けて送風することでプラテン4に支持された印刷媒体Pに吐出されたインクを乾燥させるためのファンユニット20を備えている。送風部10及びファンユニット20の詳細については後述する。
【0034】
さらに、本実施例の印刷装置1Aは、反対面P2側から印刷媒体Pを加熱する加熱部としてのプラテンヒーター30をプラテン4の内部に備えている。また、印刷媒体Pの搬送経路において印刷ヘッド3よりも搬送方向Aの下流に、印刷媒体Pに吐出されたインクを乾燥させる乾燥炉40を備えている。
【0035】
次に、図2を参照してファンユニット20の詳細について説明する。図2で表されるように、本実施例の印刷装置1Aは、画像形成面P1に向けて送風することが可能な複数のファン21を備えている。本実施例においては、各々のファン21の送風方向は、吐出方向Dと同様に鉛直下方向である。図2で表されるように、本実施例のファンユニット20は、底面視で複数のファン21が互い違いに千鳥配置されている。
【0036】
次に、図3から図6を参照して送風部10の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pを支持するプラテン4と、プラテン4に支持された印刷媒体Pに対して液体であるインクを吐出する印刷ヘッド3と、印刷ヘッド3を支持するキャリッジ7と、印刷媒体Pに対してキャリッジ7を第1方向としての走査方向Cに移動させる移動部としてのキャリッジモーター82と、を備えている。
【0037】
また、本実施例の印刷装置1Aは、送風部10を備えており、図2及び図3で表されるように、送風部10として送風部10A及び送風部10Bを備えている。送風部10A及び送風部10Bはともに、キャリッジモーター82によるキャリッジ7の走査方向Cへの移動中に印刷ヘッド3から吐出されることで印刷媒体Pに付着したインクに対して気流を送風する。
【0038】
ここで、送風部10A及び送風部10Bは同様の構成をしており、いずれも、気流を生成する気流生成部であるブロアー13と、ブロアー13で生成された気流が流れる導風部である送風ダクト11と、を有している。送風ダクト11は、本体部17が搬送方向Aと交差する第2方向としての幅方向Bに延設され、本体部17に接続されるとともに幅方向Bに延設される平板状の開口部形成部12を有している。送風ダクト11は、本体部17及び開口部形成部12の両方において内部が空洞化している。そして、図6で表されるように、開口部形成部12の先端部分の傾斜面12aには、プラテン4に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部14が設けられている。また、図5で表されるように、送風ダクト11の開口部形成部12の内部には、気流を開口部14へ向かわせる複数の整流板16が設けられている。なお、図6などで表されるように、本実施例においては、開口部14として円形の開口部14Aを幅方向Bに複数有している。開口部14Aは、プラテン4の幅方向Bの全体を含む位置に設けられている。別の表現をすると、本実施例においては、幅方向Bにおける開口部14の形成領域はプラテン4の幅方向Bの配置領域の全体を含んでいる。ここで気流生成部としては、ブロアー13に代えて軸流ファンなどの送風手段を用いてもよい。また送風ダクト11の内部には、ヒーターなどの加熱機構を配置してもよい。送風ダクト11にヒーターを配置して、ブロワー13で生成された気流を加熱することで、開口部14から加熱された気流を送風することが可能となり、乾燥効率を高めることができる。
【0039】
上記のように、本実施例の印刷装置1Aは、画像形成領域全体を複数回の走査を行うことにより画像形成を完了させることができる。このような場合、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C1側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際は送風部10Aを駆動させ、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C2側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際は送風部10Bを駆動させる。すなわち、本実施例の印刷装置1Aにおいては、送風部10は、キャリッジ7が第1方向における一方側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出している際において印刷ヘッド3よりも後端側に配置されていると表現することができる。ただし、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C1側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際にも送風部10Bを駆動させ、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C2側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際にも送風部10Aを駆動させてもよい。この場合、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C1側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際は送風部10Bを送風部10Aよりも少ない送風量となるように駆動させ、キャリッジ7が走査方向Cにおける方向C2側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する際は送風部10Aを送風部10Bよりも少ない送風量となるように駆動させることが好ましい。
【0040】
上記のように、本実施例の印刷装置1Aにおいては、送風部10の送風ダクト11は、キャリッジ7の移動方向と交差する幅方向Bに延在しプラテン4に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部14を有する。このような構成とすることで、送風ダクト11内において好適な気流を生成することができる。さらに、本実施例の送風ダクト11は、送風ダクト11内に設けられ気流を開口部14へ向かわせる複数の整流板16を有する。すなわち、複数の整流板16により、送風ダクト11内において特に好適な気流を生成することができる。このため、本実施例の印刷装置1Aは、プラテン4に支持される印刷媒体Pに対して、印刷媒体Pの幅方向Bに亘って均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能である。したがって、本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pに付着したインクの乾燥ムラが生じる虞を抑制することができる。
【0041】
また、本実施例の印刷装置1Aは、送風部10がキャリッジ7の走査方向Cにおける印刷ヘッド3の両側に配置され、送風部10は、キャリッジ7が第1方向における一方側(例えば走査方向Cにおける方向C1)とは反対側の他方側(例えば走査方向Cにおける方向C2)に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出している際において印刷ヘッド3よりも後端側にも配置されていると表現することができる。このため、本実施例の印刷装置1Aは、キャリッジ7が走査方向Cにおける一方側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する場合と、キャリッジ7が走査方向Cにおける他方側に向かいつつ印刷ヘッド3からインクを吐出する場合と、の両方において効率的に印刷媒体Pに送風することができる。
【0042】
ここで、本実施例の印刷装置1Aにおいては、複数の整流板16は、幅方向Bにおいて等間隔に配置されている。このような構成とすることで、送風ダクト11内において特に好適な気流を生成することができ、印刷媒体Pの幅方向Bに亘って特に均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能になる。
【0043】
また、上記のように、本実施例の印刷装置1Aにおいては、送風ダクト11は、ブロアー13と接続し幅方向Bに延在する本体部17と、本体部17からプラテン4へ向かって延在する開口部形成部12と、を有している。そして、複数の整流板16及び開口部14は開口部形成部12に設けられている。このように、複数の整流板16及び開口部14が本体部17からプラテン4へ向かって延在する開口部形成部12に設けられている構成とすることで、プラテン4に支持された印刷媒体Pの近傍から送風することができ、乾燥効率を向上することができる。
【0044】
また、図4及び図5などで表されるように、本実施例の印刷装置1Aにおいては、開口部14は、水平方向及び鉛直方向に対して傾斜した傾斜面12aに設けられている。このため、開口部14からの送風方向は、鉛直下方向のベクトル成分を有し印刷ヘッド3から離れる方向に傾いた方向Fである。別の観点から説明すると、本実施例の印刷装置1Aにおいては、開口部14は、気流がプラテン4に向かうとともに印刷ヘッド3から離れる方向に向かう配置で開口している。このため、本実施例の印刷装置1Aは、気流が印刷ヘッド3に向かうことで印刷ヘッド3から吐出されたインクの印刷媒体Pへの着弾位置が所望の位置からズレることを抑制することができる。
【0045】
また、上記のように、本実施例の印刷装置1Aにおいては、プラテン4に配置されるプラテンヒーター30を有する。このため、本実施例の印刷装置1Aは、送風部10の送風に加えてプラテンヒーター30の加熱により印刷媒体Pを乾燥させることができ、効率的に印刷媒体Pを乾燥させることができる。
【0046】
また、上記のように、本実施例の印刷装置1Aにおいては、プラテン4と対向する位置に配置され、幅方向Bにおいて複数のファン21を備えている。このため、送風部10の送風に加えてこれらのファン21の送風により印刷媒体Pを効率的に乾燥させることができる。
【0047】
また、図3で表されるように、本実施例の印刷装置1Aは、異物検出センサー50をキャリッジ7に備えている。異物検出センサー50は、画像形成面P1上にあるゴミなどの異物や印刷媒体Pに皴が発生することによる該皴を異物としての検出することができる。制御部8は、異物検出センサー50が異物を検出した場合、キャリッジ7の走査や印刷媒体Pの搬送を停止することができる。
【0048】
[実施例2]
次に、実施例2の印刷装置1Bについて、図7を用いて説明する。なお、図7は実施例1の印刷装置1Aにおける図6に対応する図である。図7において上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Bは、開口部14の構成以外は実施例1の印刷装置1Aと同様の構成をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Bは、実施例1の印刷装置1Aと同様の特徴を有している。
【0049】
図6などで表されるように、実施例1の印刷装置1Aにおいては、開口部14として円形の開口部14Aを幅方向Bに複数有していた。一方、図7で表されるように、本実施例の印刷装置1Bにおいては、開口部14として矩形の開口部14Bを幅方向Bに複数有している。このように、開口部14の形状に特に限定は無い。
【0050】
[実施例3]
次に、実施例3の印刷装置1Cについて、図8を用いて説明する。なお、図8は実施例1の印刷装置1Aにおける図6に対応する図である。図8において上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Cは、開口部14の構成以外は実施例1及び実施例2の印刷装置1と同様の構成をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Cは、実施例1及び実施例2の印刷装置1と同様の特徴を有している。
【0051】
図6及び図7などで表されるように、実施例1及び実施例2の印刷装置1においては、開口部14として開口部14を幅方向Bに複数有していた。一方、図8で表されるように、本実施例の印刷装置1Bにおいては、開口部14として幅方向Bに延設される1つの矩形の開口部14Cを有している。このように、開口部14の形成数に特に限定は無い。
【0052】
[実施例4]
次に、実施例4の印刷装置1Dについて、図9から図13を用いて説明する。なお、図9は実施例1の印刷装置1Aにおける図1に対応する図であり、図10は実施例1の印刷装置1Aにおける図6に対応する図である。図9から図13において上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Dは、開口部14の開閉機構を有すること以外は実施例1の印刷装置1Aと同様の構成をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Dは、実施例1から実施例3の印刷装置1と同様の特徴を有している。
【0053】
ここで、実施例1から実施例3の印刷装置1においては、様々な種類の印刷媒体Pを使用可能に構成されていた。本実施例の印刷装置1Dも、様々な種類の印刷媒体Pを使用可能に構成されている。ただし、本実施例の印刷装置1Dは、使用する印刷媒体Pの種類に応じて、印刷媒体Pに画像を形成する際の印刷モードを変更可能に構成されている。そして、印刷モードを変更することに伴い、開口部14の一部をシャッター15で閉じることが可能に構成されている。
【0054】
本実施例の印刷装置1Dは、図10及び図13で表されるように複数のシャッター15を備えるとともに、図9で表されるように制御部8の制御によりシャッター15を開閉するシャッター駆動部9を備えている。そして、本実施例の印刷装置1Dは、印刷モードとして、図11で表されるように、例えば、最大幅の印刷媒体Pを使用する場合などにおいて、すべての開口部14を開状態とする第1モードを有している。第1モードでは、いずれのシャッター15も開口部14を閉じない状態とする。
【0055】
また、本実施例の印刷装置1Dは、印刷モードとして、図12で表されるように、例えば、最小幅の印刷媒体Pを使用する場合などにおいて、印刷媒体Pと対向しない領域R1に位置する開口部14を閉状態とするとともに、印刷媒体Pと対向する位置の開口部14を開状態とする第2モードを有している。さらに、図13で表されるように、例えば、最大幅の印刷媒体Pを使用する場合などにおいて、印刷媒体Pと対向しない領域R2に位置する開口部14を閉状態とするとともに、印刷媒体Pと対向する位置の開口部14を開状態とする第3モードを有している。
【0056】
このように、本実施例の印刷装置1Dは、開口部14を部分的に開閉可能なシャッター15と、シャッター15の開閉を制御可能な制御部8と、を有する。このため、印刷媒体Pの幅に合わせて効率的に印刷媒体Pに送風することができる。また、印刷媒体Pの幅に合わせて印刷媒体Pに気流が向かない開口部14をシャッター15で閉じることで、シャッター15で閉じられていない開口部14からの風量を強くすることができる。このため、例えば乾燥しにくいインクなどを乾燥させる場合や、画像形成面P1に吐出されたインク量が多い場合などにおいても、効率的にインクを乾燥させることができる。さらには、印刷媒体Pの幅に合わせて印刷媒体Pに気流が向かない開口部14をシャッター15で閉じることで、開口部14からプラテン4に直接気流が向かないようにすることができ、プラテン4を冷やしてしまうことで印刷媒体Pの乾燥効率が低下することも抑制することができる。
【0057】
また、本実施例の印刷装置1Dにおいては、制御部8は、例えば、操作パネル81などを介して指定された印刷モードによって設定される開口部14の開口領域情報に基づいて、シャッター15の開閉を制御することができる。このため、本実施例の印刷装置1Dは、開口領域情報に基づいて自動的にシャッター15を開閉することができる。ただし、例えば、ユーザーが手動でシャッター15を開閉する構成などとしてもよい。なお、開口領域情報とは、例えば、複数のシャッター15のうちのいずれを開状態としいずれを閉状態にするかに関する情報や、印刷媒体Pの幅に関する情報などとすることができる。
【0058】
また、本実施例の印刷装置1Dは、実施例1から実施例3の印刷装置1と同様、ファンユニット20を備えている。すなわち、プラテン4と対向する位置に、幅方向Bにおいて複数のファン21を備えている。そして、本実施例の印刷装置1Dにおいては、制御部8は、開口領域情報に基づいて、ファン21の駆動及び非駆動を制御することができる。具体的には、例えば、開口領域情報に基づいて、印刷媒体Pと対向する位置のファン21を駆動し、印刷媒体Pと対向しない位置のファン21を非駆動とすることができる。このため、本実施例の印刷装置1Dは、送風部10の送風に加えてこれらのファン21の送風により印刷媒体Pを乾燥させることができるとともに、これらのファン21を用いて印刷媒体Pの幅に合わせて効率的に印刷媒体Pに送風することができる。
【0059】
[実施例5]
次に、実施例5の印刷装置1Eについて、図14を用いて説明する。なお、図14は実施例1の印刷装置1Aにおける図1に対応する図である。図14において上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Eは、印刷ヘッド3を移動させることなく印刷する構成である。
【0060】
上記のように、実施例1から実施例4の印刷ヘッド3は、キャリッジ7に搭載され、搬送方向Aに沿う走査方向Cにキャリッジ7を往復移動させて印刷する構成である。一方、本実施例の印刷装置1Eは、搬送方向Aに沿う走査方向Cに往復移動させて印刷する印刷ヘッド3の代わりに、印刷媒体Pの幅方向Bの全体に亘ってインクを吐出するノズルが幅方向Bに沿って並べて設けられ印刷ヘッド3が停止した状態で印刷する所謂ラインヘッドを有する、ヘッドユニット70を備えている。
【0061】
図14で表されるように、本実施例の印刷装置1Eは、印刷媒体Pを支持するプラテン4と、ヘッドユニット70に設けられプラテン4に支持された印刷媒体Pに対してインクを吐出する印刷ヘッド3と、印刷ヘッド3に対して印刷媒体Pを搬送方向Aに搬送する搬送ローラー6と、ヘッドユニット70に設けられ搬送ローラー6による印刷媒体Pの搬送方向Aへの移動中に印刷ヘッド3から吐出されることで印刷媒体Pに付着したインクに対して気流を送風する送風部10と、を備えている。ここで、印刷ヘッド3は、インクを吐出するノズルが幅方向Bに複数並べられるラインヘッドである。
【0062】
また、図14で表されるように、送風部10は、印刷ヘッド3よりも搬送方向Aにおける下流側に配置されている。ここで、本実施例においては、送風部10は、実施例1の印刷装置1Aの送風部10と同様の構成をしている。すなわち、気流を生成するブロアー13と、ブロアー13で生成された気流が流れる送風ダクト11と、を有し、送風ダクト11は、幅方向Bに延在しプラテン4に向けて気流を向かわせることが可能な位置に配置される開口部14と、送風ダクト11内に設けられ気流を開口部14へ向かわせる複数の整流板16と、を有している。このため、本実施例の印刷装置1Eにおいても、実施例1から実施例4の印刷装置1と同様、プラテン4に支持される印刷媒体Pに対して、印刷媒体Pの幅方向Bに亘って均一な風速で送風することが可能な気流を向かわせることが可能になり、印刷媒体Pに付着したインクの乾燥ムラが生じる虞を抑制することができる。
【0063】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…印刷装置、1A…印刷装置、1B…印刷装置、1C…印刷装置、1D…印刷装置、1E…印刷装置、2…セット部、3…印刷ヘッド(印刷部)、4…プラテン(支持部)、5…巻取部、6…搬送ローラー(搬送部)、7…キャリッジ、8…制御部、9…シャッター駆動部、10…送風部、10A…送風部、10B…送風部、11…送風ダクト(導風部)、12…開口部形成部、12a…傾斜面、13…ブロアー(気流生成部)、14…開口部、14A…開口部、14B…開口部、14C…開口部、15…シャッター、16…整流板、17…本体部、20…ファンユニット、21…ファン、30…プラテンヒーター、40…乾燥炉、50…異物検出センサー、70…ヘッドユニット、81…操作パネル、82…キャリッジモーター(移動部)、P…印刷媒体、P1…画像形成面、P2…反対面
図1
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