(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163523
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】治療用アプリケーション、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241115BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079219
(22)【出願日】2023-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 健太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療保険の適用期間外でも、継続して治療用アプリを使用する治療アプリケーション及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システム100において、治療アプリケーションの一種である治療用アプリ103は、医師101が患者に処方し、医療保険が適用するためのアプリケーションであって、端末装置110を、患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段、入力されたデータを記憶する記憶手段及び医療保険の適用期間中にデータを利用可能な第1の動作モードを設定し、かつ、医療保険の適用期間外にデータを利用可能な、第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段として、機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションであって、
コンピュータを、
前記患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段、
入力された前記データを記憶する記憶手段、及び
前記医療保険の適用期間中に前記データを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び前記医療保険の適用期間外に前記データを利用可能なモードであって前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段、として機能させる
ことを特徴とする治療用アプリケーション。
【請求項2】
前記設定手段は、前記治療用アプリケーションを医師が患者に処方するときに患者に発行されるコードの入力に従って前記第1の動作モードを設定し、特定の操作入力に従って前記第2の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項3】
前記設定手段は、前記医療保険の適用期間終了時に前記入力手段としての機能を制限する又は前記記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項4】
前記記憶手段によって記憶されたデータは、前記医師の端末装置に提供され、
前記コンピュータを、
前記医師の端末装置と通信する通信手段、として機能させ、
前記第1の動作モードでは、前記通信手段としての機能が有効になり、前記第2の動作モードでは、前記通信手段としての機能が無効になる
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項5】
前記設定手段は、前記第1の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に前記第1の動作モードを設定可能とし、前記第2の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記第1の支払い方法とは異なる第2の支払い方法により前記所定の支払先に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用アプリケーション。
【請求項6】
前記第2の支払い方法は、前記医療機関を介さずに前記料金を前記所定の支払先に支払う支払い方法である
ことを特徴とする請求項5に記載の治療用アプリケーション。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記患者を対象とする保険に関する情報を管理する保険管理装置に、前記治療用アプリケーションの動作モードを示す情報を通知する通知手段、として機能させる
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項8】
医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションを実行することが可能な情報処理装置であって、
前記患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段と、
入力された前記データを記憶する記憶手段と、
前記医療保険の適用期間中に前記データを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び前記医療保険の適用期間外に前記データを利用可能なモードであって前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記設定手段は、前記治療用アプリケーションを医師が患者に処方するときに医師が患者に発行するコードの入力に従って前記第1の動作モードを設定し、特定の操作入力に従って前記第2の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、前記医療保険の適用期間終了時に前記入力手段としての機能を制限する又は前記記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶手段によって記憶されたデータは、前記医師の端末装置に提供され、
前記医師の端末装置と前記治療用アプリケーションの上で通信する通信手段を備え、
前記第1の動作モードでは、前記通信手段としての機能が有効になり、前記第2の動作モードでは、前記通信手段としての機能が無効になる
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記設定手段は、前記第1の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に前記第1の動作モードを設定可能とし、前記第2の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記第1の支払い方法とは異なる第2の支払い方法により前記所定の支払先に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第2の支払い方法は、前記医療機関を介さずに前記料金を前記所定の支払先に支払う支払い方法である
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記患者を対象とする保険に関する情報を管理する保険管理装置に、前記治療用アプリケーションの動作モードを示す情報を通知する通知手段を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用アプリケーション、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療や健康の分野でもデジタル技術の活用が進み、患者が日常生活の中で病気の治療や健康の増進を図るために、医師が患者に治療用アプリケーションを処方する場合がある(例えば、特許文献1)。患者は、スマートフォンなどに当該治療用アプリケーションをダウンロードし、日常生活の中で健康状態を示すデータを逐次入力する。健康状態を示すデータは医師等の医療従事者に提供され、医療従事者は、健康状態を示すデータに基づいて適切なタイミングで患者に健康指導などのアドバイスを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような治療用アプリケーション(以下、治療用アプリと略する)には、医療保険が適用されるものがある。治療用アプリを用いて医師の管理の下で治療を行っている期間中は、保険適用された治療用アプリを使用することができる。しかし、治療期間が終了し、医療保険が適用されなくなると、治療用アプリを使用することができなくなる。
【0005】
一方で、治療期間終了後(医療保険の非適用後)でも、そのまま自己の健康管理のために治療用アプリを継続して使用したいと要望する患者も存在する。このような場合、例えば、別のアプリベンダーが提供する類似の健康管理アプリ(ここでは、類似アプリと呼ぶ)を使用する等が考えられるが、この類似アプリに治療用アプリからのデータ移行機能がない場合には、治療用アプリを用いて記録した過去のデータを移行することができず、過去の健康状態を示すデータを参照などすることができなくなる。なお、データを移行できるとしても、データの移行作業が煩雑な場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、医療保険の適用期間外でも、継続して治療用アプリを使用することが可能な治療用アプリケーション、及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の治療用アプリケーションは、医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションであって、コンピュータを、患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段、入力されたデータを記憶する記憶手段、及び医療保険の適用期間中にデータを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び医療保険の適用期間外にデータを利用可能なモードであって第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の情報処理装置は、医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションを実行することが可能な情報処理装置であって、患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段と、入力されたデータを記憶する記憶手段と、医療保険の適用期間中にデータを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び医療保険の適用期間外にデータを利用可能なモードであって第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医療保険の適用期間外でも、継続して治療用アプリを使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システム100を示した全体構成図である。
【
図2】端末装置110のハードウェアブロック図である。
【
図3】治療用アプリ103の画面の一例を示した図である。
【
図5】治療用アプリ管理装置120の管理DB121の一例を示す図である。
【
図6】治療用アプリ103の動作モードの設定方法を示したフローチャートである。
【
図7】治療用アプリ103のコード読み込み画面710及びロック画面720の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はここで説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。
【0012】
図1を参照して、治療用アプリケーション103がインストールされた端末装置110を含む情報処理システム100の全体構成を説明する。
図1は、情報処理システム100を示した全体構成図である。医師101は、患者102の健康状態に応じて、治療用アプリケーション103(以下、適宜「アプリケーション」を「アプリ」と省略し、例えば「治療用アプリケーション103」を「治療用アプリ103」と省略する)を処方することがある。治療用アプリ103は、例えば、高血圧患者向けに処方されるアプリである。患者102は日々の血圧情報を当該アプリに入力する。アプリに入力された血圧情報は、医師101などの医療従事者に提供され、医師101は、提供された血圧情報に基づいて適切でタイムリーなアドバイスを患者に提供することができる。なお、治療用アプリ103は、上記した高血圧患者向けのアプリケーションだけでなく、日々の血糖値情報を管理する等の機能を有する糖尿病患者向けに処方されるアプリであってもよいし、日々の呼気CO濃度情報を管理する等の機能を有するニコチン依存症患者向けに処方されるアプリケーションであってもよい。なお、本実施の形態の治療用アプリ103は、医療保険(公的な保険)が適用されるアプリであって、例えば、医師101が使用期間を指定して治療用アプリ103を患者に処方し、この使用期間の間、当該治療用アプリ103の対価(医療費)に医療保険が適用される。医師101は、患者102の疾患内容又は健康状態に応じて治療用アプリ103の使用期間を決定し、この使用期間を示す使用期間データ105を治療用アプリ管理装置120に送信する。治療用アプリ103の対価は、例えば、治療用アプリ103自体の購入費であってもよいし、治療用アプリ103の使用料(例えば、月額使用料)であってもよいし、治療用アプリ103に入力されたデータの管理に要する管理料であってもよいし、治療用アプリ103に入力されたデータに基づく医師からの指導に要する技術料であってもよい。
【0013】
(情報処理システム100)
情報処理システム100は、治療用アプリ103がインストールされる患者102の端末装置110と、端末装置110や医師101が利用可能な端末装置(図示せず)とネットワークを介して通信可能に接続され、治療用アプリ103に入力された各種データを管理する治療用アプリ管理装置120と、治療用アプリ管理装置120とネットワークを介して通信可能に接続され、各種保険の情報を管理する保険管理装置130と、を備える。
【0014】
(端末装置110)
端末装置110は、患者102が所有する端末装置110であって、例えば、スマートフォン、タブレット、又はノートパソコンである。医師101は患者102に治療用アプリ103を処方し、患者102は処方された治療用アプリ103を端末装置110にインストールする。患者102が処方された治療用アプリ103を利用するためには、治療用アプリ103のアクティベート操作が必要となる。例えば、医師101は、治療用アプリ103の処方時に患者102にコードを発行し、患者102は、当該コードを治療用アプリ103に入力することにより、治療用アプリ103をアクティベートする。コードは、バーコードであってもよいし、二次元コードであってもよいし、アルファベットや数字などを組み合わせた文字情報であってもよい。なお、各国の制度において、薬局などの薬剤師が治療用アプリ103を患者102に提供できる場合、薬剤師が治療用アプリ103を処方してもよい。この場合、薬剤師が患者102にコードを発行することになる。
【0015】
(治療用アプリ103)
治療用アプリ103は、日々の健康状態を示すデータ(例えば、血圧情報、血糖値情報、呼気CO濃度情報)を入力する機能、入力された入力データ104を治療用アプリ管理装置120に送信する機能、及び医師101からアドバイスを受信する機能などを有する。なお、治療用アプリ103は、医師101からのアドバイスを受信するだけでなく、医師101と患者102との間で相互にメッセージ等のやりとりを行う機能を有してもよい。
【0016】
治療用アプリ103は、医師101が患者102に処方し、医療保険(公的な保険)が適用される治療用アプリケーションであって、
プロセッサ201や主記憶部202を有するコンピュータ(端末装置110)を、
患者102の健康状態を示すデータを入力する入力手段、
入力されたデータを記憶する記憶手段、及び
医療保険の適用期間中にデータを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び医療保険の適用期間外にデータを利用可能なモードであって第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段、として機能させる。
【0017】
入力手段は、例えば、患者102の健康状態を示すデータ(例えば、血圧情報、血糖値情報、呼気CO濃度情報)を入力する。入力手段は、患者102がソフトウェア又はハードウェアキーボードで入力したデータを入力したり、有線又は無線通信可能に接続されたデバイスを用いて患者102が入力したデータを入力したりする。無線通信可能に接続されたデバイスは、例えば、Bluetooth(登録商標)通信可能な汎用デバイス又は専用デバイス(例えば、血圧計、血糖値測定器、CO濃度測定器)である。また、記憶手段は、例えば、入力された入力データを、端末装置110の補助記憶部203に記憶する、又は端末装置110とネットワークを介して接続される治療用アプリ管理装置120に記憶する。また、設定手段は、治療用アプリ103を、補助記憶部203や治療用アプリ管理装置120に記憶されたデータを利用可能な第1の動作モード及び第2の動作モードに設定する。データの利用とは、データの参照、データの編集、データの移動、データの削除などである。
【0018】
設定手段は、治療用アプリ103を医師101が患者102に処方するときに患者に発行されるコードの入力に従って第1の動作モードを設定し、特定の操作(後述するアクティベート操作)入力に従って第2の動作モードを設定する。そして、設定手段は、医療保険の適用期間終了時に入力手段としての機能を制限する又は記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する。
【0019】
設定手段は、第1の動作モードで使用される治療用アプリ103に要する料金を、医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先(例えば、治療用アプリ103の販売元)に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に第1の動作モードを設定可能とし、第2の動作モードで使用される治療用アプリ103に要する料金を、第1の支払い方法とは異なる第2の支払い方法により所定の支払先に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする。第2の支払い方法は、当該医療機関を介さずに料金を所定の支払先に支払う支払い方法である。
【0020】
さらに、治療用アプリ103は、コンピュータ(端末装置110)を、医師101の端末装置と通信する通信手段、として機能させる。第1の動作モードでは、通信手段としての機能が有効になり、第2の動作モードでは、通信手段としての機能が無効になる。
【0021】
さらに、治療用アプリ103は、コンピュータ(端末装置110)を、患者102を対象とする保険に関する情報を管理する保険管理装置130(保険システム)に治療用アプリ103の動作モードを示すモード情報106を通知する通知手段、として機能させる。
【0022】
(治療用アプリ103の動作モード)
次に、
図1(b)を参照して、治療用アプリ103の動作モードを説明する。上記したように、治療用アプリ103を使用するためには、治療用アプリ103をアクティベートするためのコードが必要となる。医師101は、治療開始時に患者102に対してコードを発行する。患者102は、治療用アプリ103に当該コードを入力することにより、治療用アプリ103が使用可能となる。治療用アプリ103は、医師101から発行されたコードの入力に従って、第1の動作モードで動作する。すなわち、患者102は、保険適用期間中に治療用アプリ103を第1の動作モード(通常モード)で使用することができる。例えば、第1の動作モードでは、治療用アプリ103の全ての機能が使用することができる。
【0023】
保険適用期間が終了すると、治療用アプリ103は、第3の動作モード(制限モード)となり、治療用アプリ103の全ての機能が使用不可となる。保険適用期間の終了後に、治療用アプリ103が起動されると、例えば、治療用アプリ103の画面に、治療用アプリ103の使用にはアクティベート操作が必要である旨の通知がなされる。このアクティベート操作がなされない限り、治療用アプリ103の機能を使用することができない。
【0024】
アクティベート操作がなされると、治療用アプリ103は、第2の動作モード(一部制限モード)となる。この第2の動作モードでは、治療用アプリ103が有する機能の内の一部の機能のみが使用可能となる。例えば、第2の動作モードでは、日々の健康状態を示すデータを入力する機能、及び入力された入力データ104を治療用アプリ管理装置120に送信する機能を使用することができるが、医師101からアドバイスを受信する機能は使用することができない。
【0025】
第2の動作モードにするためのアクティベート操作は、例えば、アプリ内課金であってもよいし、アプリ外課金であってもよい。アプリ内課金は、治療用アプリ103等の各種アプリを管理するプラットフォームを経由して治療用アプリ103の販売元に治療用アプリ103の利用に要する料金を支払う方法である。アプリ外課金は、治療用アプリ103の販売元などのウェブサイトの決済ページへ誘導し、当該決済ページで治療用アプリ103の利用に要する料金を支払う方法である。なお、治療用アプリ103を第2の動作モードにするためのアクティベート操作は、上記したアプリ内課金、及びアプリ外課金に限定されない。治療用アプリ103が専用デバイスを利用する治療用アプリの場合、第2の動作モードにおいて当該専用デバイスの継続利用(又は使用期間制限による再購入)を行うか否かを患者102に問い合わせてもよい。また、専用デバイスを継続利用しない場合であっても、第2の動作モードの機能として、手入力により入力可能な状態にしておくことにより、かかりつけの医療機関や別のデバイスで測定したデータを入力できるようにしてもよい。
【0026】
以上のように、治療用アプリ103は、保険適用期間では第1の動作モードで動作し、保険適用期間の終了に従って第3の動作モードで動作し、そして、所定のアクティベート操作に従って保険適用期間外では第2の動作モードで動作する。
【0027】
(治療用アプリ管理装置120)
治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103に入力された入力データ104を受信し、治療用アプリ103ごとに管理する。治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103に入力された入力データなどを治療用アプリ103毎に管理する管理DB121を有する。管理DB121の詳細は後述する。例えば、治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103を提供するアプリメーカが運営及び管理するシステムであり、クラウドサーバ又はオンプレミスサーバなどである。治療用アプリ管理装置120が管理する入力データ104は、医師101などの医療従事者が使用可能な端末装置(図示せず)に提供される。医師101は、提供された入力データ104を参照して、患者102の治療用アプリ103上にアドバイスを送信する。
【0028】
(保険管理装置130)
保険管理装置130は、患者102を対象とする保険の各種情報を管理する。患者102を対象とする保険は、例えば、患者102が被保険者となっている保険であって、当該患者102の健康状態に応じて、保険条件が判定される保険である。具体的には、患者102を対象とする契約済みの保険の保険条件は、保険金の支払い可否である。また、患者102を対象とする未契約の保険(加入しようとしている保険)の保険条件は、保険への加入可否、又は当該保険の保険料である。患者102を対象とする保険は、患者102が契約者でなくてもよいし、患者102が受取人でなくてもよい。なお、保険金とは、保険会社から保険契約に従って受取人に支払われるお金であり、保険料は、保険契約者が保険契約に従って保険会社に支払うお金である。
【0029】
例えば、保険管理装置130は、各種の保険商品を扱う保険会社が運営及び管理する保険システムであり、クラウドサーバ又はオンプレミスサーバなどである。そして、保険管理装置130は、患者102が使用する治療用アプリ103の動作モードを示すモード情報106を受信して、保険契約に従って保険金の支払い処理を実行したり、保険料の見直しを実行したりする。
【0030】
(端末装置110のハードウェア構成)
図2は、端末装置110のハードウェアブロック図である。次に、
図2を参照して、端末装置110(情報処理装置)のハードウェア構成を説明する。
【0031】
端末装置110は、プロセッサ201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、通信I/F204と、入出力I/F205と、を備える。プロセッサ201は、各種の演算を行う中央処理演算装置である。プロセッサ201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。主記憶部202は、プロセッサ201が実行するプログラム、当該プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。主記憶部202は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。補助記憶部203は、各種のプログラム(例えば、治療用アプリ103)および各種のデータを記憶する。補助記憶部203は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)装置、ハードディスク(HDD、Hard Disk Drive)装置、又はそれらの組み合わせである。通信I/F204は、ネットワークと通信可能に接続されるネットワークコントローラである。入出力I/F205は、タッチパネル、及びディスプレイなどと通信可能に接続されるデバイスコントローラである。
【0032】
入出力I/F205は、患者102の健康状態を示すデータを入力する入力手段の一例であり、通信I/F204は、入力されたデータを治療用アプリ管理装置120に記憶する記憶手段の一例である。
【0033】
また、プロセッサ201は、医療保険の適用期間中に入力データ104を利用可能な第1の動作モードを設定し、及び医療保険の適用期間外に入力データ104を利用可能な第2の動作モードを設定する設定手段の一例である。この設定手段は、治療用アプリ103を医師101が患者102に処方するときに医師101が患者102に発行するコードの入力に従って第1の動作モードを設定し、特定の操作入力に従って第2の動作モードを設定する。さらに、設定手段は、医療保険の適用期間終了時に入力手段としての機能を制限する又は記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する。設定手段は、第1の動作モードで使用される治療用アプリ103に要する料金を、医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に第1の動作モードを設定可能とし、第2の動作モードで使用される治療用アプリ103に要する料金を、第2の支払い方法により所定の支払先(例えば、治療用アプリ103の販売元)に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする。第2の支払い方法は、医療機関を介さずに料金を所定の支払先に支払う支払い方法である。
【0034】
また、通信I/F204は、医師101の端末装置と治療用アプリ103上で通信する通信手段の一例である。第1の動作モードでは、通信手段としての機能が有効になり、第2の動作モードでは、通信手段としての機能が無効になる。
【0035】
(治療用アプリ103の画面)
図3は、治療用アプリ103の画面の一例を示した図である。次に、
図3を参照して、治療用アプリ103の画面の一例を説明する。
図3に示した画面は、高血圧患者向けに処方された治療用アプリ103が表示する画面である。なお、治療用アプリ103が別種類のアプリケーションである場合には、当然画面の内容も異なる。なお、治療用アプリ103は、Webアプリであってもよいし、ネイティブアプリであってもよいし、ハイブリッドアプリであってもよい。
【0036】
治療用アプリ103は、例えば、
図3(a)に示した血圧登録画面310、及び
図3(b)に示した外来受診日登録画面320を表示する。
【0037】
患者102は、血圧計で測定した血圧を血圧登録画面310に入力する。
図3(a)の血圧登録画面310の例では、最高血圧入力欄311に測定した最高血圧「140」が入力され、及び最低血圧入力欄312に測定した最低血圧「89」が入力されている。最高血圧及び最低血圧が入力された状態で登録ボタン313が選択されると、登録ボタン313が選択された日時と共に最高血圧及び最低血圧が治療用アプリ管理装置120に送信され、登録される。また、戻るボタン314が選択されると、前画面に戻る。
【0038】
また、患者102は、外来受診日を外来受診日登録画面320に入力する。
図3(b)の外来受診日登録画面320の例では、外来受診日入力欄321に外来受診日「4/4」が入力され、及び医療機関名入力欄322に受診した医療機関名「XXクリニック」が入力されている。外来受診日及び医療機関名が入力された状態で登録ボタン323が選択されると、登録ボタン323が選択された日時と共に外来受診日及び医療機関名が治療用アプリ管理装置120に送信され、登録される。また、戻るボタン324が選択されると、前画面に戻る。
【0039】
(入力データ104)
図4は、入力データ104の一例を示す図である。次に、
図4を参照して、入力データ104の一例を説明する。入力データ104は、治療用アプリ103から治療用アプリ管理装置120に送信される。入力データ104を治療用アプリ103にデータが登録される度に治療用アプリ管理装置120に送信してもよいし、治療用アプリ103が確保したバッファに蓄積された入力データ104を、所定のタイミングで一括して送信してもよい。
【0040】
入力データ104は、治療用アプリ103のユーザ(患者102)が入力した各種データ(最高血圧、査定血圧、外来受診日、医療機関名など)に当該治療用アプリ103を識別するためのアプリIDを紐づけたデータである。
図4に示すように、入力データ104は、アプリID400、日時データ401、属性データ402、及び入力値403を有する。アプリID400は、患者に処方された治療用アプリ103を識別するIDである。日時データ401は、治療用アプリ103が操作された日時を示し、上記した登録ボタン313及び323が選択された日時に対応する。また、属性データ402は、入力値403の属性を示し、最高血圧や最低血圧を示す「血圧」、又は外来受診日や医療機関名を示す「外来受診」を示す。入力値403は、治療用アプリ103のユーザが各入力欄311、312、321及び322に入力した値に対応する。
【0041】
治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103から送信された入力データ104をアプリ毎に記憶し、医師101などからのリクエスト又は所定のタイミングで当該入力データ104を医師101などが使用する端末装置に送信する。なお、治療用アプリ管理装置120は、入力データ104を医師101が勤務する医療機関のサーバに送信し、医師101は、医師101が使用する端末から当該サーバにアクセスして入力データ104を参照してもよい。
【0042】
(管理DB121)
図5は、治療用アプリ管理装置120の管理DB121の一例を示す図である。次に、
図5を参照して、管理DB121の詳細を説明する。治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103から受信した入力データ104を治療用アプリ103毎に管理して記憶する。管理DB121は、アプリID500、入力データ501、使用期間502、コード503、及びモード値504を有する。
【0043】
アプリID500は、患者に処方された治療用アプリ103を識別するIDである。
【0044】
入力データ501は、治療用アプリ103から受信した入力データ104に対応するデータである。
【0045】
使用期間502は、医師101から受信した使用期間に対応するデータ(使用期間データ105)である。医師101は、患者102に治療用アプリ103を処方するときに、当該治療用アプリ103を使用する期間(つまりは、治療用アプリ103に保険が適用される期間)を設定し、この使用期間を示す使用期間データ105を治療用アプリ管理装置120に送信する。使用期間502は、医師101から受信した使用期間データ105に対応する。
【0046】
コード503は、治療用アプリ103を使用可能にするコードである。治療用アプリ管理装置120は、コード503を医師101に発行し、医師101は、治療用アプリ103を患者102に処方するときに、当該コード503を患者102に発行する。治療用アプリ103にコード503が入力されると、治療用アプリ103がアクティベートされ、治療用アプリ103は、第1の動作モードとなる。モード値504は、治療用アプリ103の動作モードを示す値である。動作モードは、例えば、上記した第1の動作モード、第2の動作モード、及び第3の動作モードを有する。なお、治療用アプリ管理装置120は、モード値504を保険管理装置130に送信してもよい。保険管理装置130(保険システム)は、受信したモード値から、治療が完了したこと、保険適用後も治療に専念していること、などを把握することが可能となり、上記した保険条件を判定することができる。
【0047】
(治療用アプリ103の動作モードの設定方法)
図6は、治療用アプリ103の動作モードの設定方法を示したフローチャートである。端末装置110の各処理は、端末装置110のプロセッサ201が治療用アプリ103を実行することによって、実行される。
【0048】
まず、医師101は、患者102を診察して、患者102の健康状態に応じて、治療用アプリ103を処方する(S601)。このとき、医師101は、治療用アプリ管理装置120に治療用アプリ103を処方したことを通知する。例えば、当該通知は、医師101が使用可能な端末装置からネットワークを介して治療用アプリ管理装置120に通知される。また、医師101は、患者102の診察結果から治療に必要な期間を決定し、治療用アプリ103の使用期間を設定する。設定した使用期間を示す使用期間データ105は、治療用アプリ管理装置120に通知される。
【0049】
治療用アプリ管理装置120は、当該通知に従って、医師101にコードを発行する(S602)。
【0050】
そして、医師101は、治療用アプリ管理装置120から発行されたコードを受信し、患者102に当該コードを発行する(S603)。
【0051】
本フローチャートでは、治療用アプリ管理装置120は、医師101が治療用アプリ103を処方したときに、医師101からの通知に応じてコードを発行したが、事前に(治療用アプリ103の処方前に)、1又は複数のコードを医師101に発行してもよい。この場合、医師101は、事前に発行されたコードを患者102に発行することができる(S603)。
【0052】
また、治療用アプリ管理装置120は、医師101から通知された使用期間データ105を管理DB121の使用期間502に登録する(S604)。医師101は、例えば、治療用アプリ103の使用期間を、患者102の健康状態や治療期間に応じて設定することができる。なお、治療用アプリ103の使用期間は、予め決められた期間であってもよい。この場合、医師101は、患者102の健康状態に応じて、治療期間を延長し、治療用アプリ103の使用期間を延長してもよいし、治療期間を短縮し、治療用アプリ103の使用期間を短縮してもよい。
【0053】
一方、患者102は、端末装置110に治療用アプリ103をインストールし、端末装置110のプロセッサ201は、当該治療用アプリ103を起動する(S605)。治療用アプリ103を起動しただけでは、治療用アプリ103の機能を使用することができない。治療用アプリ103を起動すると、コードを入力するための画面、又はコードの入力を促す画面を表示する。例えば、患者102に発行されるコードが、バーコードや二次元コードの場合には、当該コードを読み込むためのカメラを起動するための画面710(
図7(a)参照)を表示してもよい。また、患者102に発行されるコードが、アルファベットや数字などの組み合わせた文字である場合には、当該文字を入力するための画面を表示してもよい。端末装置110は、医師101から発行されたコードを治療用アプリ103に入力する(S606)。
【0054】
治療用アプリ103に入力されたコードは、端末装置110から治療用アプリ管理装置120に送信され、治療用アプリ管理装置120は、受信したコードがS602で発行したコードと一致するかどうかを判定する(S607)。治療用アプリ管理装置120は、コードが一致すると判定すると、管理DB121のモード値504を第1の動作モードを示す値を設定する。
【0055】
そして、治療用アプリ管理装置120は、コードが一致すると判定すると、端末装置110に治療用アプリ103の各種機能を使用するための機能画面(
図3の画面310や画面320)を提供する。例えば、治療用アプリ103が組み込みブラウザを有するものである場合には、治療用アプリ管理装置120(Webサーバ)は、治療用アプリ103の組み込みブラウザに
図3の画面310や画面320を表示させるHTMLデータを送信する。これにより、治療用アプリ103は、機能画面を表示する(S608)。このとき、治療用アプリ103は、第1の動作モードとなっており、患者102は、治療用アプリ103が有する全ての機能を使用することができる。第1の動作モードにおいて、患者102は、日々の健康状態を示すデータを入力する機能、入力された入力データ104を治療用アプリ管理装置120に送信する機能、及び医師101からアドバイスを受信する機能、を使用することができる。
【0056】
患者102は、保険が適用される期間、治療用アプリ103を利用することができる。したがって、治療用アプリ103の使用が、保険が適用される期間での使用であるか否かを判定しなければならない。そこで、患者102による治療用アプリ103の起動操作によって、治療用アプリ103が起動されると(S609)、治療用アプリ103は、治療用アプリ103が起動されたことを治療用アプリ管理装置120に通知する。
【0057】
治療用アプリ管理装置120は、当該治療用アプリ103から送信された当該通知を受信し、治療用アプリ103の使用が、保険が適用される期間での使用であるか否かを判定する(S610)。例えば、治療用アプリ管理装置120は、治療用アプリ103からの通知を受信した日が、管理DB121の使用期間502に属するか否かを判定することによって、治療用アプリ103の使用が、保険が適用される期間での使用であるか否かを判定する。
【0058】
治療用アプリ103の使用が、保険が適用される期間での使用である場合、すなわち使用期間502内での治療用アプリ103の起動である場合、治療用アプリ管理装置120は、端末装置110に治療用アプリ103の各種機能を使用するための機能画面(
図3の画面310や画面320)を提供する。一方で、治療用アプリ103の使用が、保険が適用される期間での使用でない場合、すなわち使用期間502を過ぎた治療用アプリ103の起動である場合、治療用アプリ管理装置120は、端末装置110に治療用アプリ103の各種機能の使用を禁止するロック画面720(
図7(b)参照)を提供する。これにより、治療用アプリ103は、ロック画面720を表示する(S611)。ロック画面720は、例えば、治療用アプリ103の使用期間が終了したこと、及び治療用アプリ103を引き続き使用するための案内などを表示する。また、ロック画面720は、治療用アプリ103を引き続き使用するための手続きを行うための画面を表示するボタンなどを表示する。そして、治療用アプリ管理装置120は、管理DB121のモード値504に第3の動作モードを示す値を設定する。第3の動作モードでは、患者102は、治療用アプリ103が有する全ての機能を使用することができない。第3の動作モードにおいて、患者102は、日々の健康状態を示すデータを入力する機能、入力された入力データ104を治療用アプリ管理装置120に送信する機能、及び医師101からアドバイスを受信する機能、を使用することができない。
【0059】
患者102は、治療用アプリ103を引き続き使用するためのアクティベート操作を行うことができる(S612)。アクティベート操作は、アプリ内課金、又はアプリ外課金などである。
【0060】
治療用アプリ103の使用がサブスクリプションサービスである場合、治療用アプリ管理装置120は、使用期間502に新たな使用期間を登録する(S613)。例えば、患者102が1か月分の利用料金を支払った場合には、治療用アプリ管理装置120は、1か月分の使用期間502に使用期間を登録する。そして、治療用アプリ管理装置120は、管理DB121のモード値504に第2の動作モードを示す値を設定する。第2の動作モードにおいて、患者102は、一部の機能を使用することができない。例えば、患者102は、第2の動作モードにおいて、日々の健康状態を示すデータを入力する機能、及び入力された入力データ104を治療用アプリ管理装置120に送信する機能を使用することができるが、医師101からアドバイスを受信する機能を使用することができない。
【0061】
そして、治療用アプリ管理装置120は、端末装置110に治療用アプリ103の各種機能を使用するための機能画面(
図3の画面310や画面320)を提供する。これにより、治療用アプリ103は、機能画面を表示する(S614)。例えば、第2の動作モードにおいて、医師101と患者102との間で相互にメッセージ等のやりとりを行う機能の使用が制限される場合、治療用アプリ管理装置120は、当該メッセージ等のやりとりを行うための画面を提供しない。
【0062】
(治療用アプリ103に要する料金について)
治療用アプリ103は、医師101から処方され、医療保険が適用される場合がある。患者102は、医療機関の窓口において、治療用アプリ103の対価の一部を負担する。そして、医療機関は、患者102が支払った一部の治療用アプリ103の対価、及び保険者から支払われた残りの対価の中から、治療用アプリ103の販売元に料金の一部(例えば、治療用アプリ103自体の購入費、治療用アプリ103の使用料(例えば、月額使用料)、治療用アプリ103に入力されたデータの管理に要する管理料)を支払う。このように、治療用アプリ103の販売元には、医療機関が受け取った料金の一部が、当該医療機関を介して支払われる。
【0063】
一方、医療保険が適用されない場合には、アプリ内課金やアプリ外課金などにより、治療用アプリ103の販売元に、医療機関を介さずに料金が支払われる。
【0064】
以上のように、患者102は、医療保険の適用期間外でも、継続して治療用アプリ103を使用することができる。
【0065】
(変形例)
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
100:情報処理システム、 101:医師、 102:患者、 103:治療用アプリ、 104:入力データ、 105:使用期間データ、 106:モード情報、 110:端末装置(情報処理装置)、 120:治療用アプリ管理装置、 130:保険管理装置
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションであって、
コンピュータを、
前記患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段、
入力された前記データを記憶する記憶手段、及び
前記医療保険の適用期間中に前記データを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び前記医療保険の適用期間外に前記データを利用可能なモードであって前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段、として機能させ、
前記設定手段は、前記第1の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に前記第1の動作モードを設定可能とし、前記第2の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記第1の支払い方法とは異なる第2の支払い方法により前記所定の支払先に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする
ことを特徴とする治療用アプリケーション。
【請求項2】
前記設定手段は、前記治療用アプリケーションを医師が患者に処方するときに患者に発行されるコードの入力に従って前記第1の動作モードを設定し、特定の操作入力に従って前記第2の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項3】
前記設定手段は、前記医療保険の適用期間終了時に前記入力手段としての機能を制限する又は前記記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項4】
前記記憶手段によって記憶されたデータは、前記医師の端末装置に提供され、
前記コンピュータを、
前記医師の端末装置と通信する通信手段、として機能させ、
前記第1の動作モードでは、前記通信手段としての機能が有効になり、前記第2の動作モードでは、前記通信手段としての機能が無効になる
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項5】
前記第2の支払い方法は、前記医療機関を介さずに前記料金を前記所定の支払先に支払う支払い方法である
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記患者を対象とする保険に関する情報を管理する保険管理装置に、前記治療用アプリケーションの動作モードを示す情報を通知する通知手段、として機能させる
ことを特徴とする請求項1に記載の治療用アプリケーション。
【請求項7】
医師が患者に処方し、医療保険が適用される治療用アプリケーションを実行することが可能な情報処理装置であって、
前記患者の健康状態を示すデータを入力する入力手段と、
入力された前記データを記憶する記憶手段と、
前記医療保険の適用期間中に前記データを利用可能な第1の動作モードを設定し、及び前記医療保険の適用期間外に前記データを利用可能なモードであって前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードを設定する設定手段と、を備え、
前記設定手段は、前記第1の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記医療保険を適用するために医療機関を介して所定の支払先に支払う第1の支払い方法により支払われることを条件に前記第1の動作モードを設定可能とし、前記第2の動作モードで使用される前記治療用アプリケーションに要する料金を、前記第1の支払い方法とは異なる第2の支払い方法により前記所定の支払先に支払われることを条件に第2の動作モードを設定可能とする
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記治療用アプリケーションを医師が患者に処方するときに医師が患者に発行するコードの入力に従って前記第1の動作モードを設定し、特定の操作入力に従って前記第2の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定手段は、前記医療保険の適用期間終了時に前記入力手段としての機能を制限する又は前記記憶手段としての機能を制限する第3の動作モードを設定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶手段によって記憶されたデータは、前記医師の端末装置に提供され、
前記医師の端末装置と前記治療用アプリケーションの上で通信する通信手段を備え、
前記第1の動作モードでは、前記通信手段としての機能が有効になり、前記第2の動作モードでは、前記通信手段としての機能が無効になる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2の支払い方法は、前記医療機関を介さずに前記料金を前記所定の支払先に支払う支払い方法である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記患者を対象とする保険に関する情報を管理する保険管理装置に、前記治療用アプリケーションの動作モードを示す情報を通知する通知手段を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。