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特開2024-163529ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163529
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/533 20140101AFI20241115BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241115BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20241115BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20241115BHJP
【FI】
A63F13/533
A63F13/79
A63F13/5375
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079237
(22)【出願日】2023-05-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「My Nintendo Store」の「信長の野望・新生」(https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000032612.html) (2)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「PlayStation.Store」の「信長の野望・新生」(https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0106-CUSA23843_00-HDDBOOT000000001) (3)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「STEAM」の「信長の野望・新生」(https://store.steampowered.com/app/1336980/_/) (4)令和4年7月28日発行,週刊ファミ通,2022年7/28号,第26~29頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage (5)令和4年8月4日発行,週刊ファミ通,2022年8/4号,第88~93頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 航
(57)【要約】
【課題】プレイヤーの理解促進を支援する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、
ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、ゲーム進行状況が、複数のコマンドの各々に対して予め関連付けられた提案条件を満たす場合、前記提案条件を満たすコマンドを前記選択肢として前記遷移元画面に提示することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、選択可能なコマンド数が複数ある一のコマンド受付画面のコマンドを前記選択肢として提示することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムであって、
選択可能なコマンド数が多い一のコマンド受付画面のコマンドほど、選択可能なコマンド数が少ない他のコマンド受付画面のコマンドに比べて前記選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう前記選択肢を決定する提案決定部として、前記情報処理装置を機能させ、
前記表示制御部は、前記提案決定部が決定した前記選択肢を前記遷移元画面に提示することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記遷移元画面から遷移する場合に経由する画面数が多い一のコマンド受付画面のコマンドほど、前記遷移元画面から遷移する場合に経由する画面数が少ない他のコマンド受付画面のコマンドに比べて前記選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう前記選択肢を決定する提案決定部として、前記情報処理装置を機能させ、
前記表示制御部は、前記提案決定部が決定した前記選択肢を前記遷移元画面に提示することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、
パラメータの設定が必要なコマンドを前記選択肢として前記遷移元画面に提示し、
複数のパラメータの中から前記プレイヤーによるパラメータの選択を受け付け、受け付けた前記パラメータが設定されたコマンドを実行するための入力操作を受け付ける前記コマンド受付画面を表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のゲームプログラムであって、
プレイヤーからの入力操作を検出する操作検出部として、前記情報処理装置を機能させ、
前記表示制御部は、前記複数のパラメータのうち、ゲーム進行が有利になるパラメータを前記遷移元画面に表示させ、
前記操作検出部は、前記遷移元画面において、前記ゲーム進行が有利になるパラメータの入力を受け付けないことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1または2に記載のゲームプログラムであって、
ゲーム進行状況に応じて、プレイヤーが保有する保有キャラクターの中から提案を行う前記保有キャラクターを決定し、決定した前記保有キャラクターに前記選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案させる提案キャラクター決定部として、情報処理装置を機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項9】
ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御部を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御手順を備えることを特徴とする、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤーからの入力操作に応じて進行するゲームにおいて、操作方法を案内する種々の技術が存在する。
【0003】
特許文献1に開示されたゲームプログラムでは、プレイヤー手番処理と、コンピューター手番処理とが交互に繰り返して実行される。本ゲームにおいて、第1ステージから所定数のステージは、予め準備された助言の内容をプレーヤーユニットに実行させるチュートリアルステージである。チュートリアルステージでは、×ボタンの入力操作を契機として、プレイヤーに対する助言を表示する。プレイヤーは、助言を受け入れるか、助言対象のオブジェクトを自ら操作するか、又は助言を取り消すか、のいずれかの入力操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-087459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームを進行させる方法が複雑であれば、プレイヤーが操作に迷うことがある。特に、ゲームルール上、多岐にわたる選択肢がプレイヤーに与えられ、プレイヤーの入力操作に応じてパラメータを設定するゲームでは、次にどのような入力操作を行うことが適切であるのかが分からない状況は、ゲームを進行させる意欲を損なう可能性がある。従って、ゲーム展開に応じた操作方法をプレイヤーに分かりやすく伝達する技術が望まれる。
【0006】
特許文献1は、チュートリアルステージにおいて助言を表示するものであり、ゲームを有利に進行させる操作方法が分からないことから生じるプレイヤーの不満を解消することを想定していない。
【0007】
そこで、本発明は、プレイヤーの理解促進を支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【0009】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、ゲーム進行状況が、複数のコマンドの各々に対して予め関連付けられた提案条件を満たす場合、前記提案条件を満たすコマンドを前記選択肢として前記遷移元画面に提示することを特徴としてもよい。
【0010】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、選択可能なコマンド数が複数ある一のコマンド受付画面のコマンドを前記選択肢として提示することを特徴としてもよい。
【0011】
上記のゲームプログラムは、選択可能なコマンド数が多い一のコマンド受付画面のコマンドほど、選択可能なコマンド数が少ない他のコマンド受付画面のコマンドに比べて前記選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう前記選択肢を決定する提案決定部として、前記情報処理装置を機能させ、前記表示制御部は、前記提案決定部が決定した前記選択肢を前記遷移元画面に提示することを特徴としてもよい。
【0012】
上記のゲームプログラムは、前記遷移元画面から遷移する場合に経由する画面数が多い一のコマンド受付画面のコマンドほど、前記遷移元画面から遷移する場合に経由する画面数が少ない他のコマンド受付画面のコマンドに比べて前記選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう前記選択肢を決定する提案決定部として、前記情報処理装置を機能させ、前記表示制御部は、前記提案決定部が決定した前記選択肢を前記遷移元画面に提示することを特徴としてもよい。
【0013】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、パラメータの設定が必要なコマンドを前記選択肢として前記遷移元画面に提示し、複数のパラメータの中から前記プレイヤーによるパラメータの選択を受け付け、受け付けた前記パラメータが設定されたコマンドを実行するための入力操作を受け付ける前記コマンド受付画面を表示させることを特徴としてもよい。
【0014】
上記のゲームプログラムは、プレイヤーからの入力操作を検出する操作検出部として、前記情報処理装置を機能させ、前記表示制御部は、前記複数のパラメータのうち、ゲーム進行が有利になるパラメータを前記遷移元画面に表示させ、前記操作検出部は、前記遷移元画面において、前記ゲーム進行が有利になるパラメータの入力を受け付けないことを特徴としてもよい。
【0015】
上記のゲームプログラムは、ゲーム進行状況に応じて、プレイヤーが保有する保有キャラクターの中から提案を行う前記保有キャラクターを決定し、決定した前記保有キャラクターに前記選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案させる提案キャラクター決定部として、情報処理装置を機能させることを特徴としてもよい。
【0016】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置であって、ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御部を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ゲームの進行が有利になる選択肢を提示する画面である遷移元画面から、プレイヤーにより選択された前記選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を前記プレイヤーから受け付けるコマンド受付画面へ遷移させる表示制御手順を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、プレイヤーの理解促進を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】保有キャラクター情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3】行動情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】提案条件情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】提案処理の一例を示すフローチャートである。
図7】遷移元画面の一例を示す図(その1)である。
図8】遷移元画面の一例を示す図(その2)である。
図9】コマンド受付画面の一例を示す図(その1)である。
図10】コマンド受付画面の一例を示す図(その2)である。
図11】コマンド受付画面の一例を示す図(その3)である。
図12】第1の変形例におけるコマンド受付画面の一例を示す図である。
図13】第3の変形例における情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図14】第3の変形例における遷移条件情報のデータ構造の一例を示す図である。
図15】第3の変形例における画面遷移処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。理解の向上のため、本実施形態に係るゲームプログラムが適用されたゲームシステムが、いわゆる戦略シミュレーションゲームである例を用いて説明する。このゲームでは、プレイヤーは仮想ゲーム空間における当事者として、仮想ゲーム空間内に設定された所定の地域を統治する。プレイヤーは、入力操作により他者の領地を奪って自らの領地としたり、配下となる武将を増やしたり、自分の領地に領主を設定したり、各政策を講じたりなどすることにより、統治において自己に有利となるようゲームを進行させる。
【0021】
以下、ゲーム内において、プレイヤーの管理下にある物(「者」を含む)、及び管理下にある物の能力を、保有パラメータとして説明する。プレイヤーの管理下にある物とは、例えば配下の武将や領地である。なお、プレイヤーは、仮想ゲーム空間内のプレイヤーキャラクターを操作してゲームを進行させてもよい。
【0022】
また、本ゲームでは、例えばノンプレイヤーキャラクターが所定の地域を統治している。ノンプレイヤーキャラクターの中には、プレイヤーと利害が対立する者も存在すれば、プレイヤーと協力関係にある者も存在し、ゲーム内の時間軸における時間進行に応じて各々のノンプレイヤーキャラクターに関するパラメータが変更される。プレイヤーは、ゲーム内の時間進行を停止させたり、早めたりしてもよい。
【0023】
なお、以下に示す例では、プレイヤーは情報処理装置により制御されるノンプレイヤーキャラクターが存在する仮想ゲーム空間内でゲームをプレイする。しかしながら、他の例において、ネットワークを介して通信可能に接続される複数の情報処理装置を用いて、複数の者がプレイヤーとしてゲームに参加することができる。
【0024】
図1は、実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットコンピューター等の汎用的なコンピューター、又はゲーム専用のゲーム機である。情報処理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150とを備える。
【0025】
処理部110は、情報処理装置10の全体を統括的に制御する。例えば、処理部110は、プレイヤーの操作を検出するとともに、検出したプレイヤーの操作に従ってゲーム進行を制御し、ゲーム進行に従ったゲーム画像やゲーム音声を生成する。また、処理部110は、検出したプレイヤーの操作や時間経過などに従って、仮想ゲーム空間の外観を変化させたり、保有パラメータ及びノンプレイヤーキャラクターのパラメータを変化させたりする。
【0026】
記憶部120は、ゲームの進行に必要な情報を記憶する。入力部130は、入力装置を用いてプレイヤーからの入力操作を受け付ける。出力部140は、出力装置を介して情報処理装置10の有する情報を出力する。通信部150は、ネットワークを介して接続された図示しないサーバー装置や他の情報処理装置10との間で情報の送信及び受信を行う。
【0027】
上述のような機能を実現するため、処理部110は、操作検出部111と、提案決定部112と、パラメータ設定部113と、提案キャラクター決定部114と、表示制御部115とを備える。操作検出部111は、プレイヤーの入力操作を検出し、検出した操作を示す操作情報を他の機能部に出力する。例えば、操作検出部111は、後述の遷移元画面に提示された選択肢の中から、1つの選択肢を選択する入力操作を受け付ける。操作検出部111は、遷移元画面から遷移するコマンド受付画面に表示された複数のパラメータの中から、1つのパラメータを選択する入力操作を受け付ける。また、操作検出部111は、コマンド受付画面に対するコマンド実行指示の入力操作を受け付ける。
【0028】
提案決定部112は、ゲームの進行が有利になる選択肢を決定する。ゲームの進行が有利になる選択肢は、プレイヤーが行うことを推奨する行動を示している。また、ゲームの進行が有利になる選択肢は、例えば、実行可能なコマンドに対応する選択肢、ゲームのシナリオが進行する選択肢、ユーザのゲームの理解を促す選択肢、又は他の選択肢に比べて所定のパラメータが高くなる選択肢等である。また、ゲームの進行が有利になる選択肢は、不利な状況からの回復、又は将来的に有利になる可能性が高い選択肢等を含む。
【0029】
提案決定部112は、ゲーム進行状況が、複数のコマンドの各々に対して予め関連付けられた、提案条件のいずれかを満たすか否かを判定する。なお、ゲーム進行状況は、ゲームの進行に伴って変更される各パラメータにより決定される。ゲームの進行に伴って変更されるパラメータには、プレイヤーの入力操作により変更される保有パラメータが含まれる。例えば提案決定部112は、後述の提案条件情報123を参照し、ゲーム進行状況が提案条件情報123に含まれるいずれかの提案条件を満たすか否かを判定する。提案決定部112は、ゲーム進行状況が提案条件を満たす場合に、提案条件を満たすコマンドと予め関連付けられた生成確率に基づいて、選択肢を提示するか否かを決定する。
【0030】
パラメータ設定部113は、ゲーム進行状況に応じた各種パラメータを設定する。例えば、パラメータ設定部113は、後述のコマンド受付画面に対するプレイヤーの入力操作に応じて、プレイヤーが保有する保有パラメータを後述の保有パラメータ情報121に設定する。なお、パラメータ設定部113は、ゲーム進行状況に応じて、ノンプレイヤーキャラクターに関するパラメータを後述のゲーム内パラメータ情報124に設定する。
【0031】
提案キャラクター決定部114は、ゲーム進行状況に応じて、プレイヤーが保有するキャラクターである保有キャラクターの中から、提案を行う保有キャラクターを決定する。保有キャラクターは、保有パラメータの一種であって、例えば配下の武将である。提案キャラクター決定部114は、決定した保有キャラクターに、選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案させる。
【0032】
表示制御部115は、ゲーム画像を出力装置に表示させる。例えば、表示制御部115は、選択肢を提示する画面である遷移元画面を表示させる。遷移元画面は、パラメータの設定が必要なコマンドの選択肢を提示する画面である。表示制御部115は、提案決定部112が満たすと判定した提案条件と関連付けられたコマンドを、選択肢として遷移元画面に提示する。遷移元画面は、提案キャラクター決定部114により決定された保有キャラクターが、選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案する画像を含む。
【0033】
表示制御部115は、遷移元画面からコマンド受付画面へ表示を遷移させる。コマンド受付画面は、複数のパラメータの中から、例えば1つのパラメータの選択をプレイヤーから受け付ける画面である。また、コマンド受付画面は、遷移元画面において選択された選択肢に対応するコマンドを実行するための入力操作を受け付ける画面である。コマンド受付画面において、コマンドの実行指示を受け付けると、選択されたパラメータが確定する。即ち、コマンド受付画面は、選択されたパラメータが設定されたコマンドを実行するための入力操作を受け付ける画面である。
【0034】
記憶部120は、保有パラメータ情報121と、行動情報122と、提案条件情報123と、ゲーム内パラメータ情報124と、を記憶している。保有パラメータ情報121は、プレイヤーの保有パラメータを種別ごとに管理する情報である。保有パラメータの種別とは、例えば家臣等の保有キャラクター、兵糧や金銭等の保有財産、領地、実行政策、他者の領地との信用度等の区別をいう。
【0035】
行動情報122は、プレイヤーの行動に関する情報であって、1つの行動に対し、1又は複数の保有パラメータの設定に関する情報が関連付けられている。本例では、コマンドの入力操作が検出された際、行動情報122に基づいて、パラメータ設定処理が実行される。行動情報122は、1又は複数の表示画面を示す情報を含む。例えば、行動情報122には、図示しないメニュー画面に表示された選択肢が選択された場合に表示されるコマンド受付画面と、当該コマンド受付画面に対する何らかの入力操作を受け付けた場合に表示される他のコマンド受付画面と、が段階的に関連付けられている。
【0036】
提案条件情報123は、各コマンドに対し、プレイヤーに提案を行う際の提案条件と、提案を取り下げる場合の消去条件とを関連付けた情報である。ゲーム内パラメータ情報124は、ノンプレイヤーキャラクターの保有するパラメータを含む、ゲーム進行における各パラメータに関する情報である。ゲーム内パラメータ情報124には、例えばゲーム内の時間進行に関する情報が含まれていてもよい。
【0037】
保有パラメータ情報121は、例えば、保有キャラクター情報1211と、領地情報1212と、実行政策情報1213と、を含む。保有キャラクター情報1211は、プレイヤーの保有キャラクターのパラメータに関する情報であるが、詳細は後述する。領地情報1212は、プレイヤーが保有する領地に関する情報である。例えば領地情報1212には、各領地の領主や、領地に関連する財産等に関する情報が含まれる。実行政策情報1213は、プレイヤーが実行した政策に関する情報である。なお、保有キャラクター情報1211と、領地情報1212と、実行政策情報1213とは、保有パラメータ情報121の一例である。保有パラメータ情報121には、保有キャラクター情報1211、領地情報1212、又は実行政策情報1213のいずれか又はすべてが含まれていなくてもよいし、他の情報が含まれていてもよい。
【0038】
図2は、保有キャラクター情報1211のデータ構造の一例を示す図である。保有キャラクター情報1211は、キャラクター識別子1211aと、キャラクター名1211bと、1又は複数の能力値1211cと、を含む。キャラクター識別子1211aは、保有キャラクターを特定する識別情報である。キャラクター名1211bは、保有キャラクターの名称を示す情報である。能力値1211cは、1又は複数の能力種別ごとに保有キャラクターの能力を数値化した情報である。
【0039】
図3は、行動情報122のデータ構造の一例を示す図である。行動情報122は、行動識別子122aと、行動名122bと、1又は複数の遷移先画面特定情報122cと、を含む。行動識別子122aは、プレイヤーの行動を特定する識別情報である。行動名122bは、行動の名称を示す情報である。遷移先画面特定情報122cは、コマンド受付画面を特定する情報と、当該コマンド受付画面において選択を受け付けるパラメータの種別を特定する情報と、の組み合わせを含む情報である。
【0040】
行動情報122に複数の遷移先画面特定情報122cが含まれる場合、対応する行動識別子122aにより特定される行動に関するコマンドの実行指示を受け付けると、複数のコマンド受付画面が段階的に遷移する。即ち、コマンドの選択肢が選択されると、上位の遷移先画面特定情報122cのコマンド受付画面が表示され、当該コマンド受付画面への入力操作を受け付けると、遷移先画面特定情報122cにおいて次の段階に該当するコマンド受付画面が表示される。
【0041】
図4は、提案条件情報123のデータ構造の一例を示す図である。提案条件情報123は、提案識別子123aと、行動識別子123bと、提案対象特定要否123cと、1又は複数の提案条件123dと、提案対象特定条件123eと、1又は複数の消去条件123fと、生成確率123gと、を含む。なお、提案条件情報123のレコードの各々は、コマンドと提案条件とを関連付けた情報といえる。提案識別子123aは、コマンドを特定する識別情報である。行動識別子123bは、行動を特定する識別情報であって、行動情報122の行動識別子122aと対応している。
【0042】
提案対象特定要否123cは、ゲームを有利に進行するために入力を推奨するパラメータを遷移元画面に表示するか否かを特定する情報である。提案条件123dは、提案識別子123aにより特定されるコマンドを候補として提示するか否かを判定する際の条件を示す情報である。提案対象特定条件123eは、提案対象特定要否123cが提案対象特定要である場合に、提案対象を特定するために使用する条件を示す情報である。消去条件123fは、提案を消去するか否かを判定する際の条件を示す情報である。生成確率123gは、提案を生成する際の抽選確率を示す情報であるが、詳細は後述する。
【0043】
図5は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ストレージ13と、音声処理装置14と、メディアインターフェイス装置15と、画像プロセッサ16と、画像メモリ17と、入力インターフェイス装置18と、出力インターフェイス装置19と、通信インターフェイス装置20とを有し、各構成要素はバスにより接続されている。
【0044】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算ユニットであって、メインメモリ12又はストレージ13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。処理部110を構成する各要素は、プロセッサ11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。メインメモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。ストレージ13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)などの記録装置である。
【0045】
音声処理装置14は、入力された音声データを処理して音声信号を生成する装置である。生成された音声信号は、出力インターフェイス装置19を介してスピーカー(図示しない)に出力され、音声として出力される。メディアインターフェイス装置15は、ストレージ13から情報を読み取るための装置であるが、ストレージ13に情報を書き込めてもよい。メディアインターフェイス装置15は、例えば、光ディスクを読み取るディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体メモリを読み取るリーダである。
【0046】
画像プロセッサ16は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)などの、ゲーム画像等のグラフィックスを生成するための演算ユニットである。画像メモリ17は、例えば、VRAM(Video RAM)などの、ゲーム画像等のグラフィックスをレンダリングするために使用される記憶装置である。レンダリングされたグラフィックスは、出力インターフェイス装置19を介してディスプレイ(図示しない)に出力され、表示される。
【0047】
入力インターフェイス装置18は、例えば、メカニカルキー、タッチパネル、又はゲームコントローラーなどの入力装置に接続され、当該入力装置からの操作信号を受け付ける装置である。出力インターフェイス装置19は、ディスプレイやスピーカー等の出力装置に接続され、当該出力装置へと出力を行う装置である。例えば、出力インターフェイス装置19は、画像プロセッサ16の生成したグラフィックス等の表示データを、ディスプレイに出力する。また、出力インターフェイス装置19は、音声処理装置14の生成した音声信号を、スピーカーに出力する。通信インターフェイス装置20は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う通信装置、アンテナを介して無線通信を行う通信装置を含む、情報を送受信する装置である。
【0048】
例えば、プロセッサ11は、クラウド上に保存されたゲームソフト(ゲームプログラムやゲームデータを含む)の少なくとも一部を、通信インターフェイス装置20を介して読み込み、メインメモリ12に展開する。なお、プロセッサ11は、ストレージ13に記憶されているゲームソフトを、メディアインターフェイス装置15を介して読み込んでもよいし、メインメモリ12に記憶されているゲームソフトを読み込んでもよい。また例えば、プロセッサ11は、読み込んだゲームソフトを実行し、プレイヤー操作による入力装置からの操作信号に従ってゲーム進行を制御する。
【0049】
また例えば、プロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム画像の内容を決定し、その内容を構成する描画データを画像プロセッサ16に生成させる。画像プロセッサ16は、描画データを用いて画像データを画像メモリ17上にレンダリングする。レンダリングされた画像データ(ゲーム画像)は、外部のディスプレイに出力される。また例えばプロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム音声を決定し、当該音声の音声信号を音声処理装置14に生成させ、スピーカーに出力させる。
【0050】
処理部110は、プロセッサ11がゲームプログラムを実行することによって実現される。処理部110の少なくとも一部の機能は、画像プロセッサ16により実現されてもよい。また、情報処理装置10の有する図示しない記憶部120は、例えば、メインメモリ12又はストレージ13によりその機能が実現される。
【0051】
図6は、提案処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、情報処理装置10において、例えば定期的に実行される。
【0052】
まず、提案決定部112は、保有パラメータ情報121及びゲーム内パラメータ情報124を取得する(ステップS11)。換言すれば、提案決定部112は、保有パラメータ情報121及びゲーム内パラメータ情報124を監視し、定期的にこれらの情報を記憶部120から取得する。なお、保有パラメータ情報121及びゲーム内パラメータ情報124は、ゲーム進行状況を示す情報といえる。
【0053】
次に、提案決定部112は、提案条件情報123の提案条件123dを参照する(ステップS12)。
【0054】
次に、提案決定部112は、提案条件を満たすコマンドが存在するか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、提案決定部112は、提案条件情報123の各レコードに含まれる1又は複数の提案条件123dを参照し、ステップS11で取得したゲーム進行状況を示す情報が、提案条件123dのすべてを満たす提案条件情報123のレコードがあるか否かを判定する。提案決定部112は、提案条件123dのすべてを満たす提案条件情報123のレコードを、提案条件を満たすコマンドとして抽出する。
【0055】
提案決定部112は、提案条件を満たすコマンドが存在すると判定する場合(ステップS13で「YES」の場合)、まだ特定されていないコマンドのうち、生成確率の最も高いコマンドを特定する(ステップS14)。提案決定部112は、ステップS13で抽出したコマンドの各々について、提案条件情報123の生成確率123gを参照し、まだ特定されていないコマンドのうち、生成確率が最も高いコマンドを処理対象として特定する。換言すれば、提案決定部112は、ステップS13で抽出したコマンドを、生成確率の高い順に1つずつ処理対象として特定し、ステップS15からステップS22までの処理を実行する。
【0056】
なお、提案決定部112は、本ステップでは、提案条件を満たすコマンドの1つを処理対象として特定すればよい。例えば提案決定部112は、提案条件を満たすコマンドが複数である場合、生成確率に関わらず任意のコマンドを特定してもよい。
【0057】
次に、提案決定部112は、所定期間内に同じ選択肢を提示しているか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、提案決定部112は、記憶部120の図示しない領域に記憶された操作履歴情報を参照し、現時点から遡って所定期間内に、ステップS14で特定したコマンドを選択肢として後述の遷移元画面に提示したか否かを判定する。付言すれば、提案決定部112は、所定期間内に既に同じ提案を行った場合、既に同じ種別のパラメータの設定を促したものとして、提案を抑制する。
【0058】
提案決定部112は、所定期間内に同じ選択肢を提示していないと判定する場合(ステップS15で「NO」の場合)、生成確率を用いて、選択肢を提示するか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、提案決定部112は、ステップS14で特定したコマンドの生成確率123gを用いて抽選を実行する。例えば、提案決定部112は、生成確率が「40」である場合、ステップS14で特定したコマンドの40パーセントが、抽選に当選すると判定する。
【0059】
提案決定部112は、生成確率を用いて、選択肢を提示すると判定した場合(ステップS16で「YES」の場合)、選択肢の提示が表示条件を満たすか否かを判定する(ステップS17)。具体的には、提案決定部112は、記憶部120に予め設定された表示条件を参照し、選択肢を提示することが表示条件を満たすか否かを判定する。表示条件は、例えば提案数の上限値である。なお、表示条件は提案数の上限値に限定されない。例えば、あるゲーム内パラメータを設定してから、ゲーム内の時間進行において所定期間は提案を行わないこと等を表示条件としてもよい。
【0060】
提案決定部112は、選択肢の提示が表示条件を満たすと判定する場合(ステップS17で「YES」の場合)、提案対象要である場合に提案対象特定条件を用いて提案対象を決定する(ステップS18)。具体的には、提案決定部112は、ステップS14で特定したコマンドの提案対象特定要否123cが、提案対象要であることを示す場合、ゲームを有利に進行するために入力を推奨するパラメータを遷移元画面に表示する処理を実行するため、提案対象特定条件123eを用いて提案対象を決定する。提案決定部112は、ステップS11で取得したゲーム進行を示す情報と、提案対象特定条件123eとを比較し、入力を推奨するパラメータを提案対象として特定する。
【0061】
次に、提案キャラクター決定部114は、提案を行う保有キャラクターを決定する(ステップS19)。具体的には、提案キャラクター決定部114は、ステップS11で取得したゲーム進行を示す情報と、保有キャラクター情報1211とを用いて、提案を行う保有キャラクターを決定する。なお、本処理開始前に、提案を行う保有キャラクターを決定するための提案キャラクター決定条件が、記憶部120に記憶されている。
【0062】
例えば、提案キャラクター決定部114は、提案条件情報123に対して予め設定された提案のジャンルと、保有キャラクター情報1211の能力値1211cとを用いて、保有キャラクターを決定する。一例として、提案キャラクター決定部114は、「外交」に関するジャンルの提案を行う際、「外交」の能力値1211cを有する(又は当該能力値1211cが他のキャラクターに比べて高い)保有キャラクターを、提案を行う保有キャラクターに決定する。
【0063】
次に、表示制御部115は、特定した選択肢を含む遷移元画面を表示させる(ステップS20)。表示制御部115は、ステップS14で特定したコマンドを選択肢として含む遷移元画面を表示させる。
【0064】
次に、提案キャラクター決定部114は、決定した保有キャラクターに、コマンドを実行するよう提案させる(ステップS21)。具体的には、提案キャラクター決定部114は、ステップS19で決定した保有キャラクターが、選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案する画像を、表示制御部115を介して遷移元画面160表示させる。なお、提案キャラクター決定部114は、保有キャラクターが、選択肢に対応するコマンドを実行するように提案するものであればよい。提案キャラクター決定部114は、出力部140を介して、遷移元画面への保有キャラクターの表示に代えて、又は保有キャラクターの表示に加えて、保有キャラクターが選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案する音声を出力してもよい。
【0065】
図7は、遷移元画面160の一例を示す図(その1)である。遷移元画面160は、選択肢表示領域161と、キャラクター表示領域162と、提案内容表示領域163と、を含む。選択肢表示領域161は、選択肢を示す1又は複数のアイコンが表示される領域である。各々のアイコンには、選択肢に対応するコマンドの名称を示す文字列が表示される。表示制御部115は、コマンドの名称として、行動情報122における行動名122bを示す文字列をアイコンと関連付けて表示させる。
【0066】
キャラクター表示領域162は、上述の図6のステップS19において決定された、提案を行う保有キャラクターを示す画像が表示される領域である。提案内容表示領域163は、保有キャラクターが、選択肢に対応するコマンドを実行するよう提案する文字列を表示する領域である。
【0067】
遷移元画面160において、選択肢表示領域161に提示された選択肢の1つが選択されると、表示制御部115は、選択肢に対応する行動情報122のレコードを特定し、特定したレコードの遷移先画面特定情報122cにより特定されるコマンド受付画面を表示させる。
【0068】
図7に示す遷移元画面160は、コマンドの名称が「代官任命」、「知行付与」及び「交渉」である選択肢が提示され、「代官任命」に関する提案を、「武将A」が行っている状態を示している。
【0069】
図8は、遷移元画面160の一例を示す図(その2)である。本図に示す遷移元画面160では、行動名が「政策発令」である行動が、「武将B」により提案されている。本図に示す提案内容表示領域163は、提案対象表示領域1631を含む。提案対象表示領域1631は、ゲームを有利に進行するために入力を推奨するパラメータを表示する領域である。表示制御部115は、上述のステップS18において提案決定部112が提案対象として決定したパラメータを、提案対象表示領域1631に表示させる。
【0070】
なお、遷移元画面160が、提案対象表示領域1631を含む場合、操作検出部111は、遷移元画面160において、提案対象表示領域1631に表示されるパラメータの入力を受け付けない。操作検出部111は、提案対象表示領域1631に表示されたパラメータの入力操作を、遷移元画面160ではなく、遷移元画面160から遷移して表示されるコマンド受付画面において受け付ける。入力を推奨するパラメータを、パラメータが表示される画面とは別の画面に入力させることで、プレイヤーのゲームプレイの習熟を促進することができる。
【0071】
説明を図6に戻す。提案決定部112が、所定期間内に選択肢を提示していると判定する場合(ステップS15で「YES」の場合)、又は、提案決定部112が、生成確率を用いて、提案を生成しないと判定する場合(ステップS16で「NO」の場合)、又はステップS20の処理に続いて、提案決定部112は、すべてのコマンドを特定したか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、提案決定部112は、ステップS13で抽出したコマンドのすべてを、ステップS14で特定したか否かを判定する。
【0072】
提案決定部112は、すべてのコマンドを特定していないと判定する場合(ステップS22で「NO」の場合)、即ち、まだ特定していないコマンドがあると判定する場合、処理をステップS14に戻す。その後、まだ特定していないコマンドの1つが処理対象として特定される。
【0073】
提案決定部112が、提案条件を満たすコマンドが存在しないと判定する場合(ステップS13で「NO」の場合)、又は提案決定部112が、選択肢の提示が表示条件を満たさないと判定する場合(ステップS17で「NO」の場合)、又は提案決定部112が、すべてのコマンドを特定したと判定する場合(ステップS22で「YES」の場合)、提案決定部112は、消去条件を満たす選択肢が存在するか否かを判定する(ステップS23)。具体的には、提案決定部112は、提案条件情報123の各レコードに含まれる1又は複数の消去条件123fを参照し、ステップS11で取得したゲーム進行を示す情報が、複数の消去条件123fのすべてを満たす提案条件情報123のレコードがあるか否かを判定する。
【0074】
例えば、消去条件には、所定期間が経過していることが含まれる。その場合、提案決定部112は、選択肢の提示を開始したタイミングを始期として、ゲームプレイ時間が所定期間を越えた場合に、消去条件を満たすと判定する。なお、提案決定部112は、ゲーム内の時間進行を参照し、提示の開始時期から所定期間を超えた場合に、消去条件を満たすと判定してもよい。他の例において、提案決定部112は、ゲーム進行状況が提案条件を満たさなくなった場合に、消去条件を満たすと判定してもよいし、遷移元画面160に何らかの入力操作がなされた場合に、消去条件を満たすと判定してもよい。提案決定部112は、消去条件を満たす選択肢が存在しないと判定する場合(ステップS23で「NO」の場合)、本フローチャートの処理を終了する。
【0075】
提案決定部112が、消去条件を満たす選択肢が存在すると判定する場合(ステップS23で「YES」の場合)、表示制御部115は、選択肢が提示されていたら選択肢を消去する(ステップS24)。具体的には、表示制御部115は、ステップS23において消去条件を満たすと判定した提案条件情報123のレコードに対応する選択肢が、遷移元画面160の選択肢表示領域161に提示されている場合に、該当する選択肢を選択肢表示領域161から消去する。その後、提案決定部112は本フローチャートの処理を終了する。
【0076】
なお、本フローチャートの終了後、遷移元画面160の選択肢表示領域161に提示された選択肢が選択されると、表示制御部115は、選択された選択肢に対応する提案条件情報123のレコードを特定する。表示制御部115は、特定したレコードに対応する行動情報122の遷移先画面特定情報122cを用いて、提案決定部112が満たすと判定した提案条件に対応付けられたコマンド受付画面の表示内容を特定し、出力部140を介してコマンド受付画面を表示させる。
【0077】
図9は、コマンド受付画面170の一例を示す図(その1)である。本図に示すコマンド受付画面170は、図7に示す遷移元画面160において、「代官任命」の選択肢が選択された場合に表示される。以下に示す例では、コマンド受付画面170は、パラメータを表示する第1のコマンド受付画面170Aと、第1のコマンド受付画面170Aに表示されたパラメータの中から選択されたパラメータを確定させるための入力操作を受け付ける第2のコマンド受付画面170Bとを含む。図9は、第1のコマンド受付画面170Aの一例を示す図である。第1のコマンド受付画面170Aは、行動名表示領域171と、パラメータ入力領域172と、パラメータ種別表示領域173とを含む。
【0078】
行動名表示領域171は、遷移元画面160において選択されたコマンドに対応する行動名を表示する領域である。パラメータ入力領域172は、入力を受け付けるパラメータの候補を選択可能に表示する領域である。
【0079】
パラメータ種別表示領域173は、入力を受け付けるパラメータの種別を表示する領域である。なお、パラメータ種別表示領域173はコマンド受付画面170に必須の構成ではなく、例えば入力を受け付けるパラメータの種別が明白である場合等には、パラメータ種別表示領域173が表示されなくてもよい。また、表示制御部115は、記憶部120に予め設定された図示しないコマンド受付画面設定条件を示す情報と、保有パラメータ情報121とを用いて、選択することができないパラメータを抽出することができる。表示制御部115は、抽出したパラメータを選択することができないよう、パラメータ入力領域172の表示情報を生成する。
【0080】
図3に示す行動情報122のレコードのうち、行動識別子122aが「003」のレコードは、行動名122bが「代官任命」であって、2つの遷移先画面特定情報122cを含む。これは、「代官任命」を示すコマンドを実行する場合、複数段階の第1のコマンド受付画面170Aが表示されることを示す。
【0081】
行動情報122の当該レコードは、「遷移先画面特定情報1」が「群選択」であって、「設定パラメータ種別」が「郡」である遷移先画面特定情報122cと、「遷移先画面特定情報2」が「家臣選択」であって、「設定パラメータ情報」が「武将」である遷移先画面特定情報122cを含む。図9に示す第1のコマンド受付画面170Aは、行動名122bが「代官任命」である行動において、種別が「郡」であるパラメータの入力を受け付ける画面である。
【0082】
図10は、コマンド受付画面170の一例を示す図(その2)である。本図に示すコマンド受付画面170は、図9に示すパラメータ入力領域172において、1つの「郡」が選択された場合に表示される、第1のコマンド受付画面170Aである。本図に示すコマンド受付画面170は、行動名122bが「代官任命」である行動において、種別が「武将」であるパラメータの入力を受け付ける画面である。
【0083】
図11は、コマンド受付画面170の一例を示す図(その3)である。本図に示すコマンド受付画面170は、図10に示すコマンド受付画面170において、1つの「武将」が選択された場合に表示される、第2のコマンド受付画面170Bである。第2のコマンド受付画面170Bは、指示入力領域174を含む。指示入力領域174は、第1のコマンド受付画面170Aに表示されたパラメータの中から選択されたパラメータを確定させるための入力操作を受け付ける領域である。
【0084】
図11に示す第2のコマンド受付画面170Bの指示入力領域174には、「はい」及び「いいえ」と記した2つの指示ボタンが表示されている。「はい」が選択されると、パラメータ設定部113は、遷移元画面160に提示された選択肢に対応する、「代官任命」のコマンドを実行する。即ち、パラメータ設定部113は、「代官任命」のコマンドの実行処理として、コマンド受付画面170において選択されたパラメータを用いて、保有パラメータ情報121を更新する。
【0085】
換言すれば、第1のコマンド受付画面170A及び第2のコマンド受付画面170Bは、遷移元画面160で選択された選択肢に対応するコマンドを実行するために、複数のパラメータを選択可能に表示するとともに、選択された一のパラメータが設定されたコマンドの実行指示を受け付ける画面といえる。
【0086】
なお、上記の例では、遷移元画面160において選択肢が選択されると、パラメータ入力領域172を含む2段階の第1のコマンド受付画面170Aが表示される。表示制御部115は、2段階の第1のコマンド受付画面170Aに表示されたパラメータ入力領域172に対し、それぞれパラメータの選択を受け付けると、指示入力領域174を含む第2のコマンド受付画面170Bを表示する。
【0087】
付言すれば、遷移元画面160において選択された選択肢に対応するコマンドが、複数段階のパラメータの設定を要求するコマンドでない場合、表示制御部115は、1つの第1のコマンド受付画面170Aを表示させる。表示制御部115は、当該第1のコマンド受付画面170Aにおいてパラメータの選択を受け付けると、指示入力領域174を含む第2のコマンド受付画面170Bに表示を遷移させる。
【0088】
なお、1つのコマンド受付画面170が、パラメータ入力領域172と、当該領域において選択されたパラメータを確定させるためのコマンドの実行指示を受け付ける指示入力領域174と、の両方を有していてもよい。その場合、表示制御部115は、例えば遷移元画面160において選択肢が選択されると、パラメータ入力領域172及び指示入力領域174を有するコマンド受付画面170を表示させる。パラメータ設定部113は、コマンド受付画面170の指示入力領域174において、コマンドの実行指示を受け付けると、パラメータ入力領域172において選択されたパラメータを用いて、保有パラメータ情報121を更新する。
【0089】
付言すれば、提案決定部112は、コマンド受付画面170のパラメータ入力領域172に表示するパラメータの数に応じて、遷移元画面160に提示する選択肢の提示回数又は頻度を変更するよう選択肢を決定してもよい。その場合、提案決定部112は、図6のステップS16において、生成確率を用いて選択肢を提示すると判定した後、当該選択肢が選択された場合に表示されるコマンド受付画面170を、行動情報122を用いて抽出する。
【0090】
提案決定部112は、抽出したコマンド受付画面170に表示されるパラメータの総数を算出する。提案決定部112は、パラメータの総数が多いコマンド受付画面170のコマンドほど、総数が少ない他のコマンド受付画面170のコマンドに比べて、選択肢として提示する回数又は頻度を増加させる。これにより、プレイヤーに対して表示するパラメータが多いほど、高い頻度でコマンドの選択肢が遷移元画面160に提示されるため、パラメータの多いコマンドについて、より深くプレイヤーの理解を促進することができる。
【0091】
以上、本実施形態によれば、プレイヤーの入力操作を含むゲーム進行状況を監視し、適切な選択肢を提案として提示させることができるため、ゲームの適切な進行方法が分からないといったプレイヤーのストレスを軽減することができる。特に、プレイの選択肢が多い戦略シミュレーションゲーム等において、ゲーム進行状況に応じて1又は複数の提案を出力することにより、プレイヤーは効率的にゲームを進行させることができ、ゲーム進行への意欲が促進される。
【0092】
また、遷移元画面160に提示された選択肢が選択されると、パラメータの入力操作を受け付けるコマンド受付画面170に表示画面が遷移するため、プレイヤーは自分の意思でパラメータを入力することができる。従って、ゲームシステムにより決定される解答が提示される場合に比べ、プレイヤーはゲームプレイに関して、習熟する機会を得られ、より深くゲームを楽しむことができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、提案を行うのに適した保有キャラクターが遷移元画面160に表示されるため、提案内容に深い印象を与えることができる。さらに、提案内容に応じて、遷移元画面160に提案対象を表示するか否かが定まるため、より複雑な提案にはパラメータのヒントを与えるなど、ゲーム進行のために適切な情報をプレイヤーに与えることができる。
【0094】
また、本実施形態では、生成確率を用いて、提案を生成するか否かを判定する。例えば、より優先度の高い提案にはより高い生成確率を付与しておけば、重要な提案をより高い頻度で出力することができ、ゲームが円滑に促進できるよう導くことができる。一方で、抽選により提案を表示するか否かが決定されるため、優先度が高い提案が必ず表示されるとは限らず、プレイヤーがゲーム進行に退屈することを防ぐことができる。
【0095】
また、本実施形態では、表示する提案の数が所定数を超えるなど、提案が所定の表示条件を満たさないと判定する場合に、その他のコマンドに関する判定を抑制する。これにより、ゲームの進行状況に応じた提案を表示する一方で、不要な判定を行うことによる処理負荷を軽減することができる。また、所定期間内に同じ提案をしている場合に、提案の出力を抑制することにより、多種の提案を出力することができる。
【0096】
付言すれば、遷移元画面160において、選択肢表示領域161に複数の選択肢を提示する場合、選択肢の生成タイミングに応じた順序で選択肢を並べて提示してもよいし、提案の生成確率の順に選択肢を並べて提示してもよい。また、表示制御部115は、キャラクター表示領域162及び提案内容表示領域163に、最も新しい提案に係る提案内容及び保有キャラクターが表示されるよう制御することができる。
【0097】
<第1の変形例>
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本変形例におけるコマンド受付画面170は、選択可能な複数のコマンドを含む。
【0098】
図12は、第1の変形例におけるコマンド受付画面170の一例を示す図である。コマンド受付画面170は、選択可能な複数のコマンドを表示する領域である、コマンド表示領域175を含む。
【0099】
本図に示すコマンド受付画面170は、図7に示す遷移元画面160の選択肢表示領域161において、「代官任命」、又は「知行付与」の選択肢が選択された際に表示される。本図に示すコマンド表示領域175に表示された、「代官任命」のコマンドが選択されると、代官任命の対象となる群の選択を受け付ける、図9に示す第1のコマンド受付画面170Aに表示画面が遷移する。なお、本図に示すコマンド表示領域175に表示された、「知行付与」のコマンドが選択されると、知行付与の対象となる城を選択する第1のコマンド受付画面170Aに表示画面が遷移する。
【0100】
換言すれば、本変形例において、コマンド受付画面170は、パラメータ入力領域172を含む第1のコマンド受付画面170Aと、指示入力領域174を含む第2のコマンド受付画面170Bとのほか、コマンド表示領域175を含む第3のコマンド受付画面170Cを含むといえる。遷移元画面160において、所定の選択肢が選択されると、例えば図12に示すように、コマンド表示領域175を含む第3のコマンド受付画面170Cが表示される。遷移元画面160において、他の所定の選択肢が選択されると、例えば図9に示すように、パラメータ入力領域172を含む第1のコマンド受付画面170Aが表示される。上述したように、第1のコマンド受付画面170Aにおいて、コマンドを実行するために必要なパラメータが選択されると、指示入力領域174を含む第2のコマンド受付画面170Bが表示される。
【0101】
なお、図12に示すコマンド受付画面170のコマンド表示領域175には、2つのコマンドが選択可能に表示されている。本変形例において、提案決定部112は、選択可能なコマンド数が多いコマンド受付画面170のコマンドほど、選択可能なコマンド数が少ない他のコマンド受付画面170のコマンドに比べて、遷移元画面160に選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう選択肢を決定してもよい。
【0102】
より具体的には、図6に示すステップS16において、提案決定部112は、生成確率を用いて提示すると判定した選択肢について、遷移先のコマンド受付画面170にコマンド表示領域175が含まれるか否かを判定する。提案決定部112は、コマンド表示領域175が含まれると判定する場合に、コマンド表示領域175に表示されるコマンドの数を決定する。なお、記憶部120の図示しない領域には、コマンドとコマンド表示領域175の表示の有無、及びコマンド表示領域175に含まれるコマンドを特定する情報が予め関連付けられている。
【0103】
提案決定部112は、コマンド表示領域175に含まれる、選択可能なコマンドの数に基づいて、選択肢を提示するか否かを判定する。結果として、提案決定部112は、選択可能なコマンド数が多いコマンド受付画面のコマンドほど、コマンド数が少ない他のコマンド受付画面のコマンドに比べて、選択肢として提示する回数又は頻度を増加させるよう選択肢を決定する。表示制御部115は、提案決定部112が決定した選択肢を遷移元画面160に提示する。
【0104】
例えば提案決定部112は、コマンド表示領域175に含まれる、選択可能なコマンドの数に応じて予め設定された提示度合に応じて、選択肢を提示するか否かを判定する。提示度合は、コマンドの数が多いほど提示する確率が高くなるよう設定されている。
【0105】
以上、第1の変形例によれば、コマンド受付画面170に表示される選択可能なコマンドの数が多いほど、高い回数又は頻度で遷移元画面160に選択肢が提示される。選択可能なコマンドの数が多いということは、プレイヤーにとって選択の余地が大きく、ゲーム進行を有利に働かせるための難易度が高いことが想定される。本変形例によれば、コマンド数が多いほど高い回数又は頻度で選択肢が提示されるため、より深くゲームへの理解を促進することができる。
【0106】
<第2の変形例>
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本変形例では、提案決定部112は、遷移元画面160から遷移する場合に経由するコマンド受付画面170の画面数に基づいて、遷移元画面160に選択肢を提示するか否かを判定する。
【0107】
具体的には、図6に示すステップS16において、提案決定部112は、生成確率を用いて提案すると判定した選択肢に対応する提案条件情報123の行動識別子123bを特定する。提案決定部112は、特定した行動識別子123bを含む行動情報122のレコードを特定する。提案決定部112は、特定した行動情報122の遷移先画面特定情報122cを参照することにより、遷移元画面160から遷移する場合に経由するコマンド受付画面170の画面数を決定する。例えば提案決定部112は、遷移元画面160から、第2のコマンド受付画面170Bが表示されるまでに経由する第1のコマンド受付画面170Aの画面数を決定する。
【0108】
一例として、図3に示す行動情報122のレコードのうち、行動識別子122aが「003」のレコードは、2つの第1のコマンド受付画面170Aを経由すると判定される。
【0109】
提案決定部112は、経由するコマンド受付画面170の画面数に基づいて、選択肢を提示するか否かを判定する。提案決定部112は、経由する画面数が多いほど、経由する画面数が少ないコマンドの選択肢よりも提示する回数又は頻度を増加させるよう選択肢を決定する。例えば提案決定部112は、経由する画面数に応じて設定された提示度合に応じて、選択肢を提示するか否かを判定する。提示度合は、画面数が多いほど提示する確率が高くなるよう設定されている。結果として、表示制御部115は、遷移元画面から遷移する場合に経由するコマンド受付画面170の画面数が多いコマンドほど、経由するコマンド受付画面170の画面数が少ないコマンドに比べて、選択肢として提示する回数又は頻度が多くなるよう、遷移元画面160の選択肢表示領域161に選択肢を提示する。
【0110】
以上、第2の変形例によれば、経由する画面数が多いほど、高い回数又は頻度で遷移元画面160に選択肢が提示される。経由する画面数が多いということは、プレイヤーに表示される情報の量が多く、難易度が高いことが想定される。本変形例によれば、経由する画面数が多いコマンドほど高い回数又は頻度で選択肢が提示されるため、より深くゲームへの理解を促進することができる
【0111】
<第3の変形例>
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0112】
図13は、第3の変形例における情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10の記憶部120は、保有パラメータ情報121と、行動情報122と、提案条件情報123と、ゲーム内パラメータ情報124とのほか、遷移条件情報125を含む。遷移条件情報125は、提案を行う行動が複数のコマンド受付画面170の遷移を伴う場合において、表示するコマンド受付画面170を特定する遷移条件を含む。
【0113】
上述の実施形態において、表示制御部115は、遷移元画面160に提示された選択肢が選択されると、行動情報122を参照してコマンド受付画面170を決定する。本変形例では、表示制御部115は、行動情報122に代えて遷移条件情報125を参照し、複数段階に遷移するコマンド受付画面170のうちいずれのコマンド受付画面170に遷移させるかを決定する。
【0114】
図14は、第3の変形例における遷移条件情報125のデータ構造の一例を示す図である。遷移条件情報125は、提案識別子125aと、1又は複数の遷移画面情報125bと、を含む。提案識別子125aは、提案を特定する識別情報であって、提案条件情報123の提案識別子123aと対応する。
【0115】
各々の遷移画面情報125bは、1又は複数の遷移条件と、設定パラメータ情報と、遷移先画面特定情報と、を含む。遷移条件は、表示する第1のコマンド受付画面170Aを判定する条件を示す情報である。設定パラメータ情報は、ゲーム進行状況が対応する遷移条件を満たす場合に、保有パラメータ情報121に設定するパラメータを示す情報である。例えば設定パラメータ情報は、設定パラメータ種別と、設定するパラメータと、の組み合わせを含む。
【0116】
遷移画面情報125bに含まれる遷移先画面特定情報は、対応する遷移条件を満たす場合において、遷移元画面160に提示された選択肢が選択された場合に表示する第1のコマンド受付画面170Aを示す情報である。付言すれば、第1のコマンド受付画面170Aは、入力操作に応じて複数段階に遷移する画面であって、遷移条件情報125は、いずれの第1のコマンド受付画面170Aに遷移させるかを決定するために用いられる。即ち、ある遷移先画面特定情報により特定される第1のコマンド受付画面170Aにおいて、パラメータの選択を受け付けた場合、他の遷移先画面特定情報により特定される第1のコマンド受付画面170A又は第2のコマンド受付画面170Bに表示画面が遷移する。先に表示されるコマンド受付画面170を上位とし、遷移後のコマンド受付画面170を下位であるとして説明する。なお、遷移先画面特定情報は、行動情報122の遷移先画面特定情報122cと対応していてもよい。
【0117】
なお、設定パラメータ情報は、対応する遷移条件を満たす場合に表示される第1のコマンド受付画面170Aよりも前段階の第1のコマンド受付画面170Aに入力可能なパラメータを含む。即ち、遷移条件の充足により、遷移元画面160から第1のコマンド受付画面170Aに遷移する場合、前段階の第1のコマンド受付画面170Aにおいて入力可能なパラメータが既に入力されたものと取り扱い、保有パラメータに設定する。
【0118】
図15は、第3の変形例における画面遷移処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、遷移元画面160が表示されている場合に実行される。
【0119】
まず、表示制御部115は、遷移元画面160に提示された選択肢の選択を受け付ける(ステップS31)。次に、ステップS32で実行される処理は、図6のステップS11で実行される処理と同様であるため、説明を省略する。
【0120】
次に、表示制御部115は、遷移条件を用いて、表示する第1のコマンド受付画面170Aを決定する(ステップS33)。具体的には、表示制御部115は、ステップS31で選択された選択肢を特定する提案識別子123aを特定する。表示制御部115は、当該提案識別子123aと遷移条件情報125において関連する遷移画面情報125bを参照し、ゲーム進行状況が1又は複数の遷移条件のすべてを満たす遷移画面情報125bを、表示する第1のコマンド受付画面170Aとして特定する。換言すれば、表示制御部115は、遷移元画面160の選択肢が選択されると、ゲーム進行状況に基づいて、複数段階のうちいずれの段階の第1のコマンド受付画面170Aに遷移させるかを決定する。
【0121】
次に、パラメータ設定部113は、対応する設定パラメータ情報を用いて保有パラメータ情報121を更新する(ステップS34)。具体的には、パラメータ設定部113は、ステップS33で特定した遷移先に係る遷移画面情報125bに含まれる設定パラメータ情報を用いて、保有パラメータ情報121を更新する。
【0122】
次に、表示制御部115は、第1のコマンド受付画面170Aを表示させる(ステップS35)。具体的には、表示制御部115は、ステップS33において決定した第1のコマンド受付画面170Aを表示させる。
【0123】
次に、表示制御部115は、次の第1のコマンド受付画面170Aがあるか否かを判定する(ステップS36)。即ち、表示制御部115は、遷移条件情報125を参照し、ステップS35で表示した第1のコマンド受付画面170Aの次に表示する遷移先画面特定情報の有無を判定する。
【0124】
表示制御部115は、次の第1のコマンド受付画面170Aがあると判定する場合(ステップS36で「YES」の場合)、次の第1のコマンド受付画面170Aを表示させる(ステップS37)。本処理の後、パラメータ設定部113は処理をステップS36に移行する。
【0125】
表示制御部115は、次の第1のコマンド受付画面170Aがないと判定する場合(ステップS36で「NO」の場合)、第2のコマンド受付画面170Bを表示させる(ステップS38)。
【0126】
次に、パラメータ設定部113は、実行指示に応じて、入力されたパラメータを用いて保有パラメータ情報121を更新する(ステップS39)。具体的には、パラメータ設定部113は、第2のコマンド受付画面170Bにおいてコマンドの実行指示を受け付けると、ステップS35又はステップS37で表示させた第1のコマンド受付画面170Aにおいて選択されたパラメータを用いて、保有パラメータ情報121を更新する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0127】
一例として、提案条件情報123の提案条件123dに、「一定期間、「知行付与」の行動が実行されていない」、及び、「まだ「家臣」が選択されていない「郡」が存在する」という条件が含まれている場合について説明する。提案決定部112は、当該条件を用いて、遷移元画面160に提示する選択肢として、「知行付与」の行動を決定する。
【0128】
提案決定部112は、「知行付与」の行動の提案識別子125aを含む遷移条件情報125のレコードを特定する。提案決定部112は、ゲーム進行状況が、特定したレコードのどの遷移条件を満たすかを判定し、第1のコマンド受付画面170Aを決定する。例えば遷移条件は、プレイヤーがゲーム進行に不案内である場合に下位の第1のコマンド受付画面170Aを、ゲーム進行に習熟している場合に上位の第1のコマンド受付画面170Aを表示するよう設定することができる。
【0129】
例えば表示制御部115は、プレイヤーがゲーム進行に習熟していると判定する場合、遷移条件を用いて、より上位である、「城選択」の第1のコマンド受付画面170Aを表示させる。表示制御部115は、プレイヤーの習熟度が中程度である場合、「郡選択」の第1のコマンド受付画面170Aを表示させる。この場合において、パラメータ設定部113は、「郡選択」よりも前段階の第1のコマンド受付画面170Aである、「城選択」の第1のコマンド受付画面170Aにおいて入力可能なパラメータを、遷移画面情報125bの設定パラメータ情報を用いて特定する。
【0130】
即ち、パラメータ設定部113は、設定パラメータ情報を用いて、種別が「城」であるパラメータを特定して保有パラメータ情報121を更新する。換言すれば、パラメータ設定部113は、遷移元画面160から最初に遷移した段階の第1のコマンド受付画面170Aよりも前段階の第1のコマンド受付画面170Aに入力可能なパラメータを特定し、プレイヤーの保有パラメータに設定する。
【0131】
表示制御部115は、プレイヤーがゲーム進行に習熟していないと判定する場合、より下位である、「家臣選択」の第1のコマンド受付画面170Aを表示させる。この場合において、パラメータ設定部113は、遷移画面情報125bの設定パラメータ情報を用いて、種別が「城」であるパラメータと、「郡」であるパラメータとを特定して保有パラメータ情報121を更新する。
【0132】
なお、本変形例においても、第1のコマンド受付画面170Aは、複数のパラメータを表示するパラメータ入力領域172と、当該領域において選択されたパラメータが設定されたコマンドの実行指示を受け付ける指示入力領域174との両方を有していてもよい。この場合、遷移条件情報125に含まれる遷移条件は、コマンド受付画面170に表示する表示領域を決定するために使用される。即ち、遷移画面情報125bに含まれる遷移先画面特定情報は、遷移元画面160に提示された選択肢が選択された場合に表示するコマンド受付画面170に含まれる表示領域を示す情報である。
【0133】
この場合、図4に示すステップS33において、表示制御部115は、遷移条件を用いて、コマンド受付画面170にどの表示領域を表示するかを決定する。次に、ステップS34において、パラメータ設定部113は、遷移条件情報125を参照し、遷移元画面160から最初に遷移したコマンド受付画面170よりも前段のコマンド受付画面170のパラメータ入力領域172に入力可能なパラメータを特定する。パラメータ設定部113は、特定したパラメータを用いて、保有パラメータ情報121を更新する。
【0134】
その後、表示制御部115は、ステップS35において、ステップS33で決定したコマンド受付画面170を表示させる。ステップS38において、コマンド受付画面170がコマンドの実行指示を受け付けると、パラメータ設定部113は、選択されたパラメータを用いて、保有パラメータ情報121を更新する。
【0135】
以上、本変形例によれば、提案条件を満たす場合において、段階的に表示するコマンド受付画面170のうち、ゲーム進行状況に応じて適したコマンド受付画面170を表示することができる。これにより、例えばプレイヤーの習熟度に応じた画面を表示させることができ、よりゲーム進行に深みを持たせることができる。
【0136】
以上、図1及び図13に示した情報処理装置10の構成は、情報処理装置10及びゲームプログラムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの構成は、処理内容に基づいて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理又は機能の分担は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。また、図5で示した情報処理装置10のハードウェア構成は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。
【0137】
また、図6図7、及び図15等で示したフローチャートの処理単位は、情報処理装置10及びゲームプログラムの処理を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの処理は、処理内容に基づいて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。また、図8図8に示したゲーム画像は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示した構成態様に限られない。
【0138】
また、本発明は、単独の情報処理装置10によってゲームプログラムが実行される場合に限らず、複数の情報処理装置10あるいは情報処理装置10とサーバーによってゲームプログラムが実行される場合にも適用できる。
【0139】
また、本発明は、上述したようなゲームに限らず、例えば、プレイヤーに操作されるオブジェクト(プレイヤーキャラクター等のプレイヤーオブジェクトであって、画面に表示されなくてもよい)を有する様々なゲームに適用できる。
【0140】
また、本発明は、ゲームプログラムだけでなく、当該ゲームプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、当該ゲームプログラムを実行するゲーム装置あるいはコンピューター、ゲーム進行制御方法、などの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0141】
10:情報処理装置、11:プロセッサ、12:メインメモリ、13:ストレージ、14:音声処理装置、15:メディアインターフェイス装置、16:画像プロセッサ、17:画像メモリ、18:入力インターフェイス装置、19:出力インターフェイス装置、20:通信インターフェイス装置、110:処理部、111:操作検出部、112:提案決定部、113:パラメータ設定部、114:提案キャラクター決定部、115:表示制御部、120:記憶部、121:保有パラメータ情報、122:行動情報、123:提案条件情報、124:ゲーム内パラメータ情報、125:遷移条件情報、130:入力部、140:出力部、150:通信部、160:遷移元画面、161:選択肢表示領域、162:キャラクター表示領域、163:提案内容表示領域、170:コマンド受付画面、171・181:行動名表示領域、172:パラメータ入力領域、173:パラメータ種別表示領域、174:指示入力領域、175:コマンド表示領域、1631:提案対象表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15