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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163532
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】工具収納ラック
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079241
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】594151715
【氏名又は名称】株式会社Sakatec
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】福永 正樹
(72)【発明者】
【氏名】望月 潤
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 淳一
(72)【発明者】
【氏名】高山 竜司
(57)【要約】
【課題】作業車から取り外されたブレーカ等の工具を各種作業の邪魔にならないように収容することができるとともに、必要に応じて作業車から容易に取り外すことが可能な工具収納ラックを提供する。
【解決手段】土木作業用の作業車から取り外された工具が収容されるラック本体4と、前記ラック本体4の背面側に設けられた取付ブラケット5と、を備え、前記取付ブラケット5には、前記作業車に設けられた排土板19の上辺部に外嵌される逆U字状の係合部53が形成されている、工具収納ラック3。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木作業用の作業車から取り外された工具が収容されるラック本体と、
前記ラック本体の背面側に設けられた取付ブラケットと、を備え、
前記取付けブラケットには、前記作業車に設けられた排土板の上辺部に外嵌される逆U字状の係合部が形成されている、工具収納ラック。
【請求項2】
前記工具は、破砕用チゼルと、前記破砕用チゼルを駆動するブレーカ本体と、を有するブレーカであり、
前記排土板の左右方向に沿って延びる前記ラック本体の長さ方向寸法は、前記ブレーカの全長よりも小さく、かつ、前記ブレーカ本体の軸方向寸法よりも大きい値に設定され、
前記ラック本体の長さ方向の一側方側に位置する側面板には、前記破砕用チゼルの軸部が挿入されるU字状の切欠き部が設けられている、請求項1に記載の工具収納ラック。
【請求項3】
前記ラック本体の底部に位置する底面板は、その長さ方向の一側方側から他側方側に向けて設置高さが低くなるように傾斜し、
前記底面板の他側方側には、排水孔が設けられている、請求項1又は2に記載の工具収納ラック。
【請求項4】
前記ラック本体の背面側に位置する背面板には、前記ラック本体を軽量化するため開口部が設けられ、
前記開口部の形成範囲を除く部位に位置する前記背面板の上辺部に、前記取付ブラケットが設けられている、請求項1又は2に記載の工具収納ラック。
【請求項5】
前記ラック本体の背面側に位置する背面板には、前記係合部を前記排土板の上辺部に外嵌した状態で、前記排土板の下辺部に当接する当接部が設けられている、請求項1または2に記載の工具収納ラック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ショベルカー等からなる作業車に取り付けられる工具収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械のアームの先端に取り付けられるバケットの背面上部に、軸受用凹部を備えた左右一対の平板を取付け、またバケットの背面下部に、軸受用筒体を水平に取り付け、ブレーカのブラケットには、水平軸とその下方に位置する取付穴とを形成し、ブレーカの水平軸を前記軸受用凹部に支持させ、ブレーカの取付穴を前記軸受用筒体の両端に合わせたうえ、貫通軸を差し込むことにより、バケットの背面にブレーカを取付けてなるバケットへのブレーカ取付構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、排土板の作用面側に積載土砂を放出するためのバケットを、放出のための駆動揺動操作自在に設けるとともに、前記バケットを排土板に一体昇降される状態で取り付けてなるドーザ作業車が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-178358号公報
【特許文献2】実開昭56-110163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているように、ショベルカーに設けられたアームの先端にバケットとブレーカとの両方を取り付けた場合には、アタッチメントの交換作業を要することなく、バケットを用いた掘削作業等と、ブレーカを用いた破砕作業等等の両方を行うことが可能である。この反面、アーム先端部の重量が過大になって作業性が悪くなるとともに、前記バケットを用いて掘削作業等を行う際には、ブレーカが邪魔になり、逆に前記ブレーカを用いて破砕作業等を行う際にはバケットが邪魔になるという欠点がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載されているように、排土板の作用面側に積載土砂を放出するためのバケットを設けた構成とした場合には、このバケットをブレーカ等からなる工具の収容部として利用することも可能である。しかし、特許文献2に開示されたドーザ作業車では、その排土板の上部に横軸周りで揺動自在にバケットを枢支連結するとともに、トラックフレームに揺動自在に枢支連結した左右一対のアーム及び前記バケットとトレックフレームとに亘ってそれぞれ流体シリンダを取り付けているため、バケットを排土板から容易に取り外すことができず、排土板を用いて整地作業等を行う際に、バケットが邪魔になるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、作業車から取り外されたブレーカ等の工具を各種作業の邪魔にならないように収容することができるとともに、必要に応じて作業車から容易に取り外すことが可能な工具収納ラックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を包含する。
【0009】
(1)土木作業用の作業車から取り外された工具が収容されるラック本体と、前記ラック本体の背面側に設けられた取付ブラケットと、を備え、前記取付けブラケットには、前記作業車に設けられた排土板の上辺部に外嵌される逆U字状の係合部が形成されている、工具収納ラック。
【0010】
(2)前記工具は、破砕用チゼルと、前記破砕用チゼルを駆動するブレーカ本体と、を有するブレーカであり、前記排土板の左右方向に沿って延びる前記ラック本体の長さ方向寸法は、前記ブレーカの全長よりも小さく、かつ、前記ブレーカ本体の軸方向寸法よりも大きい値に設定され、前記ラック本体の長さ方向の一側方側に位置する側面板には、前記破砕用チゼルの軸部が挿入されるU字状の切欠き部が設けられている、(1)に記載の工具収納ラック。
【0011】
(3)前記ラック本体の底部に位置する底面板は、その長さ方向の一側方側から他側方側に向けて設置高さが低くなるように傾斜し、前記底面板の他側方側には、排水孔が設けられている、(1)又は(2)に記載の工具収納ラック。
【0012】
(4)前記ラック本体の背面側に位置する背面板には、前記ラック本体を軽量化するため開口部が設けられ、前記開口部の形成範囲を除く部位に位置する前記背面板の上辺部に、前記取付ブラケットが設けられている、(1)から(3)の何れかに記載の工具収納ラック。
【0013】
(5)前記ラック本体の背面側に位置する背面板には、前記係合部を前記排土板の上辺部に外嵌した状態で、前記排土板の下辺部に当接する当接部が設けられている、(1)から(4)の何れかに記載の工具収納ラック。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成を有する本願発明の工具収納ラックによれば、排土板に取り付けられた工具収納ラック内に工具を収納した状態で、作業車のバケット等を用いた掘削作業等を行うことができるため、工具に邪魔にされることなく、作業車による土木作業を容易かつ適正に行うことができる。また、必要に応じて、作業車からバケット等を取り外した後、工具収納ラックから工具を取り出して作業位置に取り付けることにより、所定の作業を行うことができる。しかも、工具収納ラックを持ち上げて取付ブラケットを排土板から離脱させるだけで容易に取り外すことができるため、排土板を用いた整地作業等を、工具収納ラックに邪魔されることなく適正に行うことができる。
【0015】
ここで、排土板の左右方向に沿って延びるように設置されるラック本体の長さ方向寸法を、破砕用チゼルとブレーカ本体とを有するブレーカからなる工具の全長よりも小さく、かつ、ブレーカ本体の軸方向寸法よりも大きい値に設定し、ラック本体の長さ方向の一側方側に位置する第一側面板に、破砕用チゼルの軸部が挿入されるU字状の切欠き部を設けることが好ましい。この場合、ラック本体の長さ方向寸法を必要以上に大きな値とすることなく、破砕用チゼルの軸部を切欠き部内に挿入した状態で、ブレーカ本体をラック本体内に安定して収納することができる。
【0016】
また、ラック本体の底部に位置する底面板を、その長さ方向の一側方側から他側方側に向けて設置高さが低くなるように傾斜させるとともに、底面板の他側方側に排水孔を設けることが好ましい。この場合、使用により土砂等が付着した工具を工具収納ラック内に収納した状態で、これに洗浄水を吹き付けることにより、工具の汚れを落とすことができるとともに、洗浄水及び土砂等を底面板に沿って下流側に流下させることにより排水孔から容易に排出できる等の利点がある。
【0017】
また、ラック本体の背面板にラック本体を軽量化するため開口部を設けるとともに、この開口部の形成範囲を除く部位に位置する背面板の上辺部に、取付ブラケットを設けることが好ましい。この場合、前記開口部の形成範囲の上方部に取付ブラケットを設けた場合のように、取付ブラケットに設置された背面板の上辺部が大きく変形して損傷し易くなるのを防止することができる。したがって、ラック本体の強度を低下させることなく、ラック本体を効果的に軽量化することが可能である。
【0018】
また、取付ブラケットの係合部を排土板の上辺部に外嵌した状態で、排土板の下辺部に当接する当接部をラック本体の背面板に設けることが好ましい。この場合、簡単な構成で工具収納ラックを排土板に対して安定して取り付けることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の工具収納ラックの使用状態を示す斜視図である。
図2】作業車に工具収納ラックを取り付ける過程を示す斜視図である。
図3】工具収納ラックに工具を収納した状態を示す正面断面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5】本発明の工具収納ラックの構成を示す斜視図である。
図6】本発明の工具収納ラックを排土板に取り付けた状態を示す断面図である。
図7】作業車に工具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、符号1は、ショベルカー等からなる土木作業用の作業車1を示し、符号3は、作業車1に着脱可能に取り付けられる工具2が収容される本発明に係る工具収容ラックを示している。
【0021】
作業車1は、例えば、クローラ式の下部走行体11と、その上部に旋回可能に搭載された上部旋回体12と、その前面上部に設けられたブーム13と、これを駆動するブームシリンダ14と、ブーム13の先端部に枢支されたアーム15と、これを駆動するアームシリンダ16と、アーム15の先端部に枢支された掘削作業用のバケット17と、これを駆動するバケットシリンダ18と、下部走行体11の前方部に設けられた整地作業用の排土板19と、を有している。
【0022】
工具2は、図3に示すように、岩石やコンクリート等を破砕する破砕用チゼル21と、この破砕用チゼル21を高速で往復駆動するブレーカ本体22と、を有している。ブレーカ本体22の側面には、これをアーム15の先端部に取り付けるための一対の取付板23が設けられている。そして、後述のように、前記バケット17が取り外されたアーム15の先端部に工具2の取付板23が取り付けられることにより、作業車1による破砕作業が行われるようになっている(図7を参照)。
【0023】
当実施形態に係る工具収納ラック3は、図3から図5に示すように、作業車1から取り外されたブレーカからなる工具2を収容するラック本体4と、その背面側に設けられた三個の取付ブラケット5と、を有している。そして、取付ブラケット5が作業車1の排土板19に係合されることにより、作業車1に対して工具収納ラック3が着脱可能に搭載されるように構成されている。
【0024】
ラック本体4は、その底部に位置する底面板41と、排土板19の左右方向(図2を参照)に沿って延びるラック本体4の長さ方向の一側方側に位置する第一側面板42と、同他側方側に位置する第二側面板43と、ラック本体4の正面側に位置する正面板44と、ラック本体4の背面側に位置する背面板45と、を有している。図3に示すように、ラック本体4の長さ方向寸法(ラック本体4の長さ方向の内寸)Lは、ブレーカからなる工具2の全長L1よりも小さく、かつ、ブレーカ本体22の軸方向寸法L2よりも大きい値に設定されている。
【0025】
ラック本体4の長さ方向の一側方側に位置する第一側面板42には、破砕用チゼル21の軸径と略同一か、あるいはこの軸径よりよりもやや大きい幅寸法を有するU字状の切欠き部31と、その上部に形成された上広がりテーパ部32とを有するチゼル保持部が設けられている。これにより、破砕用チゼル21の軸部が切欠き部31内に挿入されて保持されるとともに、ブレーカ本体22及び取付板23がラック本体4内に収納されるようになっている。
【0026】
ラック本体4の底面板41は、その長さ方向の一側方側から他側方側に向けて設置高さが次第に低くなるように傾斜している。また、底面板41の他側方側には、排水孔46となる開口が設けられている。ラック本体4の正面板44及び背面板45の左右二箇所には、図5に示すように、ラック本体4を軽量化するための開口部47が設けられている。
【0027】
取付ブラケット5は、図4に示すように、背面板45の上端部から後方側(正面板44の設置方向と逆方向)に延びる上壁部51と、その後端部から下方に延びる後壁部52と、を有している。そして、上壁部51の下方側には、作業車1に設けられた排土板19の上辺部に外嵌される逆U字状の係合部53が形成されている。また、取付ブラケット5は、図5に示すように、前記開口部47の形成範囲を除く部位において背面板45の上辺部に設けられている。
【0028】
ラック本体4の背面板45には、図6に示すように、取付ブラケット5の係合部53を排土板19の上辺部に外嵌した状態で、排土板19の下辺部に当接する当接部48が設けられている。すなわち、当実施形態では、係合部53の上端から背面板45の下端までの距離が、排土板19の上下寸法Jと同一か、あるいはこの上下寸法Jよりも大きい値に設定されている。これにより、工具収納ラック3を排土板19に取付けた際に、背面板45の下端部近傍が、排土板19に下辺部に当接するように構成されている。
【0029】
なお、工具収納ラック3に設けられた取付ブラケット5の個数は、三個に限られず、二個であってもよく、あるいは四個以上であってもよい。例えば、背面板45の左右二箇所に取付ブラケット5を設けるとともに、両取付ブラケット5の間に単一、あるいは複数の開口部47を設けた構造としてもよい。また、背面板45の上辺部に4個以上の取付ブラケット5を設けるとともに、相隣接する取付ブラケット5の間にそれぞれ開口部47を設けた構造としてもよい。
【0030】
上述の構成を有する工具収納ラック3は、図6に示すように、取付ブラケット5の係合部53が排土板19の上辺部に外嵌されることより、排土板19の正面側に吊下された状態で取り付けられる。そして、図3に示すように、破砕用チゼル21の軸部が切欠き部31内に挿入されるとともに、ブレーカ本体22及び取付板23がラック本体4内に収納される。この結果、作業車1を作業現場に搬入することにより、バケット17を用いた掘削作業や、工具2を用いた破砕作業、及び排土板19を用いた整地作業等をそれぞれ適正に行うことができる。
【0031】
すなわち、排土板19の正面側に取り付けられた工具収納ラック3内に工具2を保持させた状態で、バケット17を用いた掘削作業等を行うことができるため、工具2に邪魔にされることなく、作業車1による土木作業を容易かつ適正に行うことができる。また、必要に応じて、アーム15の先端部からバケット17を取り外した後、工具収納ラック3から工具2を取り出して、図7に示すように、工具2の取付板23をアーム15の先端部における使用位置に取り付けることにより、破砕用チゼル21を用いた岩石やコンクリート等の破砕作業を行うことができる。しかも、工具収納ラック3を持ち上げて取付ブラケット5を排土板19から離脱させるだけで容易に取り外すことができるため、排土板19を用いた整地作業等を、工具収納ラック3に邪魔されることなく適正に行うことができる。
【0032】
上述の実施形態では、排土板19の左右方向に沿って延びるように設置されるラック本体4の長さ方向寸法Lを、破砕用チゼル21とブレーカ本体22とを有するブレーカからなる工具2の全長L1よりも小さく、かつ、ブレーカ本体22の軸方向寸法L2よりも大きい値に設定し、ラック本体4の長さ方向の一側方側に位置する第一側面板42に、破砕用チゼルの軸部が挿入されるU字状の切欠き部31を設けた構成としている。この構成によれば、ラック本体4の長さ方向寸法Lを必要以上に大きな値とすることなく、破砕用チゼル21の軸部を切欠き部31内に挿入した状態で、ブレーカ本体22等をラック本体4内に安定して収納することができる。
【0033】
なお、工具収納ラック3内に保持される工具2としては、上述のブレーカに限られず、岩屋や木材を掴む機械式フォーク、又は穴掘り用のアースオーガー等が考えられる。また、作業車1としては、上述のショベルカーに限られず、排土板19を備えた削孔用作業車、その他の多目的作業車についても本発明を適用可能である。
【0034】
上述の実施形態では、ラック本体4の底部に位置する底面板41を、その長さ方向の一側方側から他側方側に向けて設置高さが低くなるように傾斜させるとともに、底面板41の他側方側に排水孔46を設けた構成としている。この構成によれば、使用により土砂等が付着した工具2を工具収納ラック3内に収納した状態で、これに洗浄水を吹き付けることにより、工具2の汚れを落とすことができるとともに、洗浄水及び土砂等を底面板41に沿って流下させて排水孔46から容易に排出できるという利点がある。
【0035】
しかも、図3に示すように、ブレーカ本体22からなる工具2の本体部を底面板41上に載置するとともに、工具2の後端部を第二側面板43に当接させることにより、工具2の軸方向への移動を効果的に規制して安定した収納状態が得られるという利点がある。なお、底面板41を一直線上に傾斜させてなる上述の実施形態に代え、例えば底面板41の一端部側における傾斜角度が底面板41の他端部側に比べて大きくなるように底面板41を屈曲させた構造としてもよい。
【0036】
上述の実施形態では、ラック本体4の背面側に位置する背面板45にラック本体4を軽量化するため開口部47を設けるとともに、この開口部47の形成範囲を除く部位に位置する背面板45の上辺部に、取付ブラケット5を設けた構成としたため、ラック本体4の強度を低下させることなく、ラック本体4を効果的に軽量化することができる。
【0037】
例えば、開口部47の形成範囲の上方部に取付ブラケット5を設けた構成とすることも考えられるが、この場合には、取付ブラケット5に設置された背面板45の上辺部が大きく変形して損傷し易いという問題がある。このため、上述のようにラック本体4の背面板45に設けられた開口部47の形成範囲を除く部位に位置する背面板45の上辺部に、取付ブラケット5を設けた構成とすることが好ましい。
【0038】
また、図6に示すように、取付ブラケット5の係合部53を排土板19の上辺部に外嵌した状態で、排土板19の下辺部に当接する当接部48をラック本体4の背面板45に設けた場合には、簡単な構成で工具収納ラック3を排土板19に対して安定して取り付けることができるという利点がある。すなわち、取付ブラケット5の係合部53を排土板19の上端部に外嵌するだけで、工具2及び工具収納ラック3の自重に応じて背面板45の当接部48を排土板19の下辺部に当接させた状態に維持できるため、工具収納ラック3をぐらつかせることなく、排土板19に安定して取り付けることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 作業車 2 工具
3 工具収納ラック 4 ラック本体
5 取付ブラケット 11 下部走行体
12 上部旋回体 13 ブーム
14 ブームシリンダ 15 アーム
16 アームシリンダ 17 バケット
18 バケットシリンダ 19 排土板
21 破砕用チゼル 22 ブレーカ本体
23 取付板 31 切欠き部
32 テーパ部 41 底面板
42 第一側面板 43 第二側面板
44 正面板 45 背面板
46 排水孔 47 開口部
51 上壁部 52 後壁部
53 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7