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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163534
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079244
(22)【出願日】2023-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】502439625
【氏名又は名称】株式会社サファリゲームズ
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岡 展宏
(57)【要約】
【課題】メンテナンス作業をしやすくするため、筐体内に作業員の動きに制約の少ない空間を形成する。
【解決手段】景品が収納されるゲーム空間13における底の一部に景品を落とす落下口15が形成され、ゲーム空間13より下における落下口15の下方に景品払出口16を有し、景品払出口16の横方向の隣接位置に下部収容空間25を有した景品獲得ゲーム機11において、筐体を構成する縦面のうち、落下口15および景品払出口16を有する部位の横方向の隣接位置に、ゲーム空間13と下部収容空間25を開閉し筐体12の内外を連通させる開閉部51を形成する。そして、ゲーム空間13の底を形成する底板21における開閉部51に対向する部に、ゲーム空間13と下部収容空間25を連通する連通部21aを形成する。連通部21aには、ゲーム空間13の底を形成し連通部21aを開閉する開閉底板22を設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が収納されるゲーム空間における底の一部に景品を落とす落下口が形成され、前記ゲーム空間より下における前記落下口の下方に景品払出口を有し、前記景品払出口の横方向の隣接位置に下部収容空間を有する景品獲得ゲーム機であって、
筐体を構成する縦面のうち、前記落下口および前記景品払出口を有する部位の横方向の隣接位置に、前記ゲーム空間と前記下部収容空間を開閉し前記筐体の内外を連通させる開閉部が形成され、
前記ゲーム空間の底を形成する底板における前記開閉部に対向する部位に、前記ゲーム空間と前記下部収容空間を連通する連通部が形成され、
前記連通部に、前記ゲーム空間の底を形成する開閉底板が前記連通部を開閉可能に設けられた
景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記下部収容空間の下方に必要機器格納部が形成された
請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項3】
前記開閉底板が前記底板に対して着脱可能である
請求項1または請求項2に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項4】
前記開閉部が前記筐体の正面に形成された
請求項1または請求項2に記載の景品獲得ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、筐体のなかのゲーム空間に収容した景品を遊戯者に獲得させる景品獲得ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
景品獲得ゲーム機では、クレーンなどの獲得機構を操作して獲得した景品をゲーム空間の底に形成した落下口に落とす構成が採用されている。落下口に落ちた景品は、落下口の下方に続く景品払出口から取り出される。
【0003】
獲得される景品には、小さいものから大きいものまでさまざまなものがある。大きな景品を獲得させるゲーム機では、落下口と景品払出口も必然的に大きくなる。
【0004】
これらが大きい場合、2つの問題点がある。
【0005】
一つは、景品の盗難である。
【0006】
すなわち、景品の盗難について、獲得される景品は筐体のなかのゲーム空間にあるので、景品払出口が大きいと、景品払出口を通して不正に景品が盗られてしまうことがある。このため、景品獲得ゲーム機では、景品の盗難を防ぐ構成が採用されている。
【0007】
下記特許文献1の発明には、落下口の周りに仕切り板を立てる構成が開示されている。仕切り板は、落下口の下方から手を入れようとしたときに、景品に手が届かないように邪魔をするというものである。
【0008】
下記特許文献2には、仕切り板(衝立)を備えて盗難防止をはかることに加えて、落下口の奥行の長さを変更する規制部を設ける構成が開示されている。規制部は、落下口の下に前後方向に移動可能に設けられたものであり、手前側に移動して落下口の奥行の長さを短くしたときに、落下口の下方からのばした手が景品に届きにくくなるようにする。
【0009】
他の問題点は、メンテナンス作業のしにくさである。
【0010】
つまり、景品の大型化や興味を惹くレイアウトのためにゲーム空間が大きくなると、ゲーム空間をあける扉から手を入れたのでは、景品の補充や、ディスプレイ、レイアウト変更等のメンテナンス作業に必要な位置に手が届かないことがある。手が届かなければ容易には作業ができず、手が届きにくい場合には、届かせるために無理な体勢をとらざるを得ない。
【0011】
このため、特許文献2では、筐体における景品払出口を有する部分と、それより上方の部分を開閉可能にする開閉部を形成して、メンテナンス作業の際に作業員が筐体のなかに入れるように構成している。つまり、落下口と景品払出口を作業員が立ち入る空間に利用している。
【0012】
このような開閉部を有する構成では、開閉部がない場合に比べて作業員の負担を軽減できる。しかし、盗難防止のための構造によって、作業員の体の動きが制約を受けるという難点がある。
【0013】
すなわち、落下口の周りの仕切り板は、高さが高いほど盗難防止効果がある。しかし、仕切り版は体の前に立ち上がっているので、作業員にとっては、体の一部や景品が引っかかるなどして邪魔になることがある。
【0014】
また、落下口の下に設けられた規制部は、作業員に向かって飛び出していることになるので、十分な空間が得られない場合には、移動させなければならず、手間が増える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第4720503号公報
【特許文献2】特許第6562384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この発明は、メンテナンス作業をしやすくするため、作業員の動きに制約の少ない空間をつくることを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そのために、この発明は下記の景品獲得ゲーム機を提供する。
【0018】
すなわち、景品獲得ゲーム機は、景品が収納されるゲーム空間における底の一部に景品を落とす落下口が形成され、ゲーム空間より下における落下口の下方に景品払出口を有し、景品払出口の横方向の隣接位置に下部収容空間を有している。この景品獲得ゲーム機の筐体を構成する縦面のうち、落下口および景品払出口を有する部位の横方向の隣接位置に、ゲーム空間と下部収容空間を開閉し筐体の内外を連通させる開閉部を形成する。そして、ゲーム空間の底を形成する底板における開閉部に対向する部位に、ゲーム空間と下部収容空間を連通する連通部を形成し、連通部に、ゲーム空間の底を形成し連通部を開閉可能にする開閉底板を設ける。
【0019】
この構成では、筐体に設けた開閉部が、落下口と景品払出口のある部位の横方向の隣接位置をあけて、ゲーム空間と下部収容空間を開放する。ゲーム空間の底を構成する底板における開閉部に対向する部位の連通部は、盗難防止のための構成が不要な部分であり、開閉底板を取り外したり回転させたり、スライドさせたりして開いて、作業員の立入りを許容する。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、落下口と景品払出口を有する部分の隣接位置に開閉部を設けるとともに、ゲーム空間の底を構成する底板に、開閉底板を有する連通部を形成することで、作業員の動作に制約の少ない空間を形成できるようにしている。これによって、盗難防止効果を減殺することになく、メンテナンス作業をしやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】景品獲得ゲーム機の正面図。
図2】開閉部をあけた景品獲得ゲーム機の斜視図。
図3】開閉部を示すための景品獲得ゲーム機の正面図。
図4】開閉底板の周辺を示す断面図。
図5】作用状態を示す断面図。
図6】他の例に係る開閉底板の構造を示す断面図。
図7】他の例に係る開閉底板の構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0023】
図1に景品獲得ゲーム機11の正面図を、図2にその一部を開いた作用状態の斜視図を示している。
【0024】
景品獲得ゲーム機11は、筐体12のなかのゲーム空間13にぬいぐるみなどの景品(図示せず)を収容して、興味を惹くように展示したり、獲得できるように並べたりしている。遊戯者が、ゲーム空間13に設けた獲得機構14を筐体12の外から操作して景品を獲得できた場合には、ゲーム空間13の底の一部に形成された落下口15に景品が落下し、落下口15の下方に設けられた景品払出口16から取り出される。
【0025】
このような景品獲得ゲーム機11は、たとえば直方体形状に形成された筐体12の上側部12aにゲーム空間13を有している。ゲーム空間13は外部から透視可能に構成されている。筐体12は、少なくともいずれか一方の面を遊戯者が立つ正面12xとしている。
【0026】
図示例のような直方体形状の筐体12の場合、筐体12の縦面のうち、一つの面が正面12xであり、これに隣接する2つの側面12yと、正面12xとは反対側の背面12zを有している。側面12yと背面12zは、透明な板材で閉塞され、開閉不能である。ゲーム空間13における背面12zに沿った部分には、景品を展示するバー等の展示装置17が備えられている。正面12xは、左右2枚の引き戸式の開閉扉18で構成されている。開閉扉18を構成する右側の引き戸18aと左側の引き戸18bの大きさは同じである。
【0027】
左右の引き戸18a,18bは、吊り下げ式であり、正面12xの面方向のうち左右方向に沿って移動可能である。引き戸18a,18bの下端部はレール19a,19bの凹溝を走行する。このような引き戸18a,18bには、正面12xを閉じた状態を維持するロック機構18cがそれぞれ備えられている。ロック機構18cは、管理者が有する鍵で操作するものである。左右の引き戸18a,18bの下端を案内するレール19には、右側のレール19aと左側のレール19がある。
【0028】
ゲーム空間13における天井部には、獲得機構14が備えられる。図示例の獲得機構14はクレーンである。クレーンは、前後左右に移動可能であるとともに、上下動可能であり、先端の爪で景品を掴む構成である。
【0029】
落下口15は、平面視で方形状であり、正面側の一側に形成されている。具体的には筐体12の正面に接する部位における左右方向の一方、左側である。落下口15の左右方向の大きさは、開閉扉18における左側の引き戸18bの幅に収まる大きさである。落下口15の前後方向の大きさは、景品の落下を可能とする適宜の大きさに設定される。
【0030】
落下口15を形成しているため、ゲーム空間13の底を形成する底板21は、正面側左角を四角く切り欠いたような形状である。底板21における落下口15を形成する2辺、つまり、正面から見て奥側にある左右方向に延びる辺と、右側にある前後方向に延びる辺との直角をなす2辺には、盗難防止と仕切りとしての機能を果たす仕切り板23が立設されている。仕切り板23は高さ調節可能に構成されており、収容する景品に合わせて高さを変更できる。
【0031】
筐体12におけるゲーム空間13より下方の下側部には、景品払出口16と下部収容空間25が並設されている。景品払出口16は、落下口15の下方に落下口15と同じ幅で設けられた空間であり、その内底は、筐体12の内底の高さ、つまり最も低い位置にある。景品払出口16は、正面に形成された開口部16aに連通している。開口部16aの幅は、落下口15の幅と同程度である。開口部16aには開閉可能なフラップ16bが設けられている。
【0032】
下部収容空間25は、景品の予備などを収容する部分であり、正面側の部分における景品払出口16よりも左右方向右側の部分全体に形成されている。下部収容空間25の左右方向の幅は、景品払出口の幅が開閉扉18の左側の引き戸18bよりも狭いため、右側の引き戸18aの幅よりも幅広である。また、下部収容空間25の天井高さは、底板21の下面の高さと同じである。下部収容空間25の奥行は適宜設定され、図示例の下部収容空間25の場合には、景品払出口16の奥行と同じに設定されている。
【0033】
下部収容空間25の内底は、その下方に必要機器格納部27が形成されているので、景品払出口16の内底よりも高い位置にある。必要機器格納部27とは、景品獲得ゲーム機11に必要な機器を収める部分であり、図示例の景品獲得ゲーム機11では、遊戯媒体や硬貨を貯留する金庫28と、コントロールボックスやメイン基板などの制御機構を有する管理庫29が並設状態で格納されている。
【0034】
金庫28と管理庫29には開閉ドア28a,29aが形成され、それぞれ開閉ドア28a,29aを閉じるロック機構28b,29bが設けられている。これら金庫28と管理庫29の高さhは同じに形成されており、下部収容空間25の内底は平らである。金庫28と管理庫29の高さhについては、景品獲得ゲーム機11を設置する設置面と下部収容空間25の内底との間の高さの差が、人体が足を踏み入れにくくなるほどの高さにならないように設定される。
【0035】
筐体12の下側部12bにおける正面12xには、景品払出口16の開口部16aのほかに、遊戯操作や管理等に必要な機構が備えられている。景品払出口16の右隣に備えられた縦長の装置は、チケットディスペンサ31である。チケットディスペンサ31は景品獲得ゲーム機11での遊戯が終了した後にチケット(図示せず)を供給するものである。チケットは、集めると景品と交換できる、というようなシステムを構成するための媒体である。
【0036】
チケットディスペンサ31よりも右側であって、上側部12aの右側の引き戸18aを最大限に開いたときにその開口幅に対応する位置には、必要機器格納部を除いて、開閉部51の一部としての開閉ドア33が形成されている(図3参照)。図3において、開閉部51は、わずかに広めの範囲を太線の一点鎖線で囲って示した部分である。
【0037】
開閉部51とは、筐体12を構成する縦面のうち、落下口15および景品払出口16を有する部位の横方向の隣接位置に、ゲーム空間13と下部収容空間25を開閉して筐体12の内外を連通させる構成である。すなわち、開閉部51は、上側部12aの右側の引き戸18aと、下側部12bの開閉ドア33で構成されている。
【0038】
開閉ドア33は、開き戸であり、開閉ドア33の上端には、引き戸18a,18bの下端を走行させるレール19のうち、右側のレール19aが設けられている。また、上部の正面には遊戯操作を行う操作ユニット部34が装着されている。操作ユニット部34のうち、34aは決定ボタン、34bは表示器、34cは遊戯媒体や硬貨の投入口、34dは操作レバーである。操作ユニット部34にはその他の必要な機器を備え得る。開閉ドア33の下部の正面における34eは返却口である。この開閉ドア33においても、閉じた状態を維持するための鍵で操作されるロック機構33aが備えられている。
【0039】
このような開閉部51を有する筐体12は、開閉部51を構成する右側の引き戸18aと開閉ドア33を開くことで、筐体12内のゲーム空間13と下部収容空間25が内外に連通することになる。
【0040】
開閉部51を開いたときにゲーム空間13と下部収容空間25を仕切ることになる底板21には、図2に見られるように、連通部21aが形成されている。すなわち、底板21における開閉部51に対応する部位に、ゲーム空間13と下部収容空間25を連通する連通部21aが形成されている。
【0041】
連通部21aは、開閉部51に臨む平面視の輪郭線を開閉部51から離れる方向に適宜の形状に窪ませた態様に形成される。図示例の連通部21aは平面視で方形状であり、底板21の手前側右隅を四角く切り欠いて連通部21aとしている。
【0042】
そして、連通部21aには、ゲーム空間13の底を形成して連通部21aを開閉する開閉底板22が設けられている。
【0043】
図4に、連通部21aと開閉底板22の概略構造を、左右方向に切断した断面図で示す。図4の(a)は連通部21aに開閉底板22が嵌った状態の断面図であり、(b)は連通部21aから開閉底板22を上方に外した状態の断面図である。
【0044】
この図に示すように、底板21はアクリル板21xと木板21yが一体になった構成であり、開閉底板22も同じく、アクリル板22xと木板22yを一体にした構成である。開閉底板22は、連通部21aに嵌る大きさに形成されており、底板21の下面における連通部側の縁には、内側に突出する受け金具21bが固定されている。つまり、開閉底板22を連通部21aに対して上から嵌めると開閉底板22が受け金具21bに受け止められて連通部21aを塞ぐことになる。
【0045】
開閉底板22における筐体12の側面12yに接する右側の端部は、筐体12を構成するフレーム部材12fの段差12gに受けられる。
【0046】
このように連通部21aを底板21の手前側右隅に形成するほか、連通部21aは、右側の端から左側に後退させた位置に形成してもよい。
【0047】
以上のように構成された景品獲得ゲーム機11においてメンテナンス作業は、次のように行う。
【0048】
まず、筐体12の上側部12aにおける右側の引き戸18aを全開する。つぎに、下側部12bの開閉ドア33を開く。すると、筐体12内のゲーム空間13と下部収容空間25が開放される。下部収容空間25に収容物があればそれを出すとともに、開閉底板22の上をあける。
【0049】
つづいて、開閉底板22を底板21から外して、筐体内か、筐体外の作業に邪魔にならない適宜の場所に置く。これによって、底板21の連通部21aが開放される。
【0050】
作業員は、図5に示したように筐体内に入って、下部収容空間25の内底に立つ。この状態において、連通部21aの周囲には、起立した壁状のものや、手前側に張り出すものなどが存在しないので、作業員の動作を制約するものはない。このため、背面側にある展示装置17にも容易に手が届き、窮屈な思いをせずに自由に作業ができる。
【0051】
ゲーム空間13の奥の部分に対するメンテナンス作業を終えたあとは、開閉底板22を連通部21aに嵌めて元に戻し、筐体12の外からゲーム空間13の手前側部分へのメンテナンス作業を行い、最後に、開閉部51を閉じる。
【0052】
このように、メンテナンス作業は行いやすい。
【0053】
しかも、下部収容空間25の下方に必要機器格納部27を形成したので、下部収容空間25の内底は、景品払出口16の内底よりも高を高くできる。このため、筐体内における作業員の高さを、景品払出口16に立つ場合に比べて、高くすることができる。これによっても、ゲーム空間13内での手が届く範囲が広がり、作業性が向上される。
【0054】
あわせて、作業員が筐体内に入っても盗難防止のための機構には触れる必要器がないので、その機能を不測に毀損するようなことも抑制でき、盗難防止機能を確保できる。
【0055】
くわえて、底板21の連通部21aを開閉する開閉底板22は、底板21に対して着脱可能であるので、連通部21a周辺の構成を簡素にできる。このため、コストの低減や取扱いの簡素化ができる。なお、開閉底板22は、単なる板状であるので、立てかけるなどして容易に取り扱える。
【0056】
開閉部51は筐体12の正面に形成されているので、景品獲得ゲーム機11の横に別のゲーム機を並べた場合でも、メンテナンス作業を容易に行わせるという機能を確保できる。
【0057】
その開閉部51は、上側部12aにある引き戸式の右側の引き戸18aを利用して構成しているので、この点でも、景品獲得ゲーム機11の構成を簡素にできる。
【0058】
以上の構成はこの発明を実施するための一形態であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
【0059】
たとえば、底板21の連通部21aを開閉する開閉底板22は、底板21に対して着脱する構成ではなく、底板21と一体であってもよい。
【0060】
すなわち、図6に示したように、開閉底板22を回転可能に固定することができる。また、図7に示したように、開閉底板22を引き出し入れ可能に保持することもできる。
【0061】
前者の開閉底板22は、概略構成図である図6に見られるように、開閉底板22における右側の端に対応する部分に、筐体12に固定される固定部22aを有し、ヒンジ部22bを介して、開閉底板22の本体部22cを回転可能に連結した構成である。固定部22aを筐体12のフレーム部材12fに固定することで、メンテナンス作業時には開閉底板22の本体部22cを跳ね上げて連通部21aをあけることができる。
【0062】
後者の開閉底板22は、概略構成図である図7に見られるように、底板21の連通部21aよりも背面側の部分の下に収納可能な構成である。図7の(a)は底板21の連通部21aに開閉底板22が嵌った状態を正面側から見た断面図であり、(b)は、底板21の連通部21aから奥の部分を横方向から見た断面図である。
【0063】
開閉底板22の下方の側面には走行ローラ22dが支持されており、底板21の下方における走行ローラ22dに対応する部位には、ガイドレール24が保持されている。走行ローラ22dは前後に配設されており、ガイドレール24は、連通部21aにおいて開閉底板22を、その上面と底板21の上面を面一とする高さに支持するレール端部24aを有している。これらのレール端部24aから奥行方向に、斜め下方へ下がる傾斜部24bと、それより先で水平に延びる直線部24cを有している。
【0064】
このようなガイドレール24と走行ローラ22dとにより、開閉底板22を引き出したときに開閉底板22は連通部21aを埋めるように存在して、上面同士を面一にする。そして、メンテナンス作業にあたって連通部21aを開くときには、開閉底板22を奥に向けてスライドさせると、開閉底板22が下方に変位した後、奥に移動して、底板21の下に収まることになる。
【0065】
図示は省略するが、開閉底板22を引き出した状態を保持するストッパを、ガイドレール24の走行溝や、開閉底板22の側面に等に設けるとよい。
【0066】
このほか、開閉部51が形成される部位は、落下口15と景品払出口16との関係で適宜設定されるので、落下口15および景品払出口16を有する部分と幅方向の大きさを比較した場合に、前述例とは異なり、下部収容空間25を有する方が幅狭となる場合もある。このような場合でも、作業者の動きを制約する構成がないので、作業のしやすさは得やすい。
【0067】
また、連通部21aの平面視形状は、方形状であるほか、半円形などの他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
11…景品獲得ゲーム機
12…筐体
13…ゲーム空間
15…落下口
16…景品払出口
18a…右側の引き戸
21…底板
21a…連通部
22…開閉底板
25…下部収容空間
27…必要機器格納部
33…開閉ドア
51…開閉部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
景品が収納されるゲーム空間における底の一部に景品を落とす落下口が形成され、前記ゲーム空間より下における前記落下口の下方に景品払出口を有し、前記景品払出口の横方向の隣接位置に下部収容空間を有する景品獲得ゲーム機であって、
筐体を構成する縦面のうち、前記景品払出口が開口している面における前記景品払出口の横方向の隣接位置に、前記ゲーム空間と前記下部収容空間を開閉し、かつ前記筐体の内外を連通させる開閉部が形成され、
前記ゲーム空間の底を形成する底板における前記開閉部に対向する部位に、前記ゲーム空間と前記下部収容空間を連通する連通部が形成され、
前記連通部に、前記ゲーム空間の底を形成する開閉底板が前記連通部を開閉可能に設けられた
景品獲得ゲーム機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
前記開閉部の一部として前記下部収容空間を開閉する開閉ドアが設けられ、
前記開閉ドアには遊戯操作を行う操作ユニットが装着されるとともに、
前記下部収容空間の内底に必要機器格納部が形成された
請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
すなわち、景品獲得ゲーム機は、景品が収納されるゲーム空間における底の一部に景品を落とす落下口が形成され、ゲーム空間より下における落下口の下方に景品払出口を有し、景品払出口の横方向の隣接位置に下部収容空間を有している。この景品獲得ゲーム機の筐体を構成する縦面のうち、景品払出口が開口している面における景品払出口の横方向の隣接位置に、ゲーム空間と下部収容空間を開閉し、かつ筐体の内外を連通させる開閉部を形成する。そして、ゲーム空間の底を形成する底板における開閉部に対向する部位に、ゲーム空間と下部収容空間を連通する連通部を形成し、連通部に、ゲーム空間の底を形成し連通部を開閉可能にする開閉底板を設ける。