(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163537
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079252
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】大野 治隆
(72)【発明者】
【氏名】小澤 祐士
(72)【発明者】
【氏名】田岡 大和
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC08
2C088BC23
2C088EB78
2C333AA11
2C333DA01
2C333GA04
2C333GA05
(57)【要約】
【課題】LED等の発光手段の輝度、音量を変更可能な構成であって、該輝度レベル、音量レベルがどのように変更されていても、待機状態時に行われるデモ演出を好適に実施する遊技機を提案する。
【解決手段】遊技者により操作可能に設けられた輝度調整手段、音量調整手段によって輝度レベル、音量レベルが設定変更された状態でも、デモ演出が実施される際は予め設定された輝度レベル、音量レベルに変更して実施し、デモ演出が終了すると変更前の輝度レベル、音量レベルの設定内容、またはデフォルトの輝度レベル、音量レベルに変更される。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機において、
操作により音量レベルを調整できる音量調整手段と、操作により輝度レベルを調整できる輝度調整手段とを備え、
遊技が行われていない待機状態を条件に、デモ演出が実行可能な構成で、
前記デモ演出は、前記音量レベルがいずれのレベルに調整されていても予め定められた音量レベルで出力するとともに、前記輝度レベルがいずれのレベルに調整されていても輝度レベルを最大にして演出を実行する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が音量調節や輝度調節が可能な弾球式遊技機や回胴式遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
従来、この種の遊技機としては、液晶画面での演出表示やスピーカからの音の出力、LEDランプの発光などにより、遊技の進行に伴う各種演出を行うものにおいて、スピーカの音量や、液晶画面やLEDランプの輝度などを遊技者に選択させるものが知られている。例えば、特許文献1の遊技機では、スピーカから出力される音量のレベルを遊技者の操作により調整(選択)可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した遊技機では、遊技者が音量、輝度レベルを調整できることから、遊技機毎に音量、輝度レベルが異なる状況になることがある。その状況で遊技していないお客に対して遊技意欲を喚起させようとするデモ演出などを実施すると、音量、輝度レベルの設定次第では有効に効果を発揮することができない場合がある。
【0005】
本発明の遊技機は、音量、輝度調整を遊技者が自由に設定できるとともに、特定の演出については音量、輝度の設定内容に関係なく効果を発揮できるものを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の遊技機は、
遊技を行うことが可能な遊技機において、
操作により音量レベルを調整できる音量調整手段と、操作により輝度レベルを調整できる輝度調整手段とを備え、
遊技が行われていない待機状態を条件にデモ演出が実行可能な構成で、
前記デモ演出は、前記音量レベルがいずれのレベルに調整されていても予め定められた音量レベルで出力するとともに、前記輝度レベルがいずれのレベルに調整されていても輝度レベルを最大にして演出を実行することを特徴とする。
【0008】
デモ演出とは、待機状態になって所定時間経過すると演出を実施することにより遊技をしていないお客や他の遊技機で遊技している遊技者にアピールをして遊技を促すことを目的とするものや、計時手段を備えて所定の時間になると複数台で一斉に同一の演出を行うことにより、遊技機としての演出力の向上を目的とするものなどがある。
音量調整手段や輝度調整手段は専用の操作装置を遊技機に設けていてもよいし、同様に遊技機に設けられたシステムキーや演出用操作装置で操作ができる構成でもよい。
音量レベルの最小レベルは消音状態としてもよい。また、輝度レベルの最小レベルは消灯状態としてもよい。
また、音量レベルや輝度レベルは、一旦レベルを設定されたらそのままの状態を維持する構成でもよいし、待機状態になって所定時間経過すると初期値に戻る構成や、待機状態になってデモ演出が行われると初期値に戻る構成、待機状態になると初期値に戻る構成などでもよい。
【0009】
本発明は遊技者が設定した音量レベル、輝度レベルがいかなる設定内容だったとしても輝度レベルを最大レベルにすることが好ましい。例えば輝度レベルを最小レベルに設定された状態でデモ演出を実行する際に、そのまま最小レベルで実行しても遊技をしていないお客の目に留まりにくいが、輝度を最大レベルで実行すれば目に留まりやすくなる。その際に、音量レベルはその時に設定されている音量レベルで出力してもよいし、予め設定した音量レベルで出力してもよい。遊技が行われていない遊技機から大音量が出力するのは隣で遊技をしている遊技者に迷惑をかけることになるから、あまり遊技の邪魔にならない音量レベルで出力する設定であることが望ましい。
隣の遊技者に最大限配慮する構成としては、音量レベルは最小レベル、または無音とすることも考えられる。あくまで遠くの遊技していないお客にアピールするために輝度レベルを最大レベルにするのは、遠くからでも気づきやすくなる効果を奏するが、音量で同様な効果を奏しようとすると大音量にする必要があり、隣で遊技している遊技者に迷惑をかける事になる。そのため、デモ演出は演出表示装置やLED等、光で行ない、音を用いないことが考えられる。
【0010】
第1特徴の遊技機は、デモ演出にて、周りの遊技者に配慮しつつ遠くの遊技をしていないお客に好適にアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。
【
図3】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技盤2に配設された第一~第三演出可動役物41~43を夫々の進出位置とした状態を示す説明図である。
【
図5】メインルーチンの概要を示すフローチャートである。
【
図7】当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図8】当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図9】当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図10】当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図11】大当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図12】大当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図13】大当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図14】実施例1の、輝度レベルに割り当てられた演出動作パターンを示す図表である。
【
図15】演出制御処理を示すフローチャートである。
【
図16】輝度設定処理を示すフローチャートである。
【
図17】特図変動演出処理を示すフローチャートである。
【
図18】演出図柄表示装置6で表示する輝度レベル選択画像107の表示態様を示す説明図である。
【
図19】演出図柄表示装置6で表示する特別演出図柄121a~121cの表示態様を示す説明図である。
【
図20】演出可動役物41,42による動作を示す説明図である。
【
図21】その他の実施例の、演出モードに割り当てられた輝度レベルおよび演出動作パターンを示す図表である。
【
図22】演出モード設定処理を示すフローチャートである。
【
図23】演出図柄表示装置6で表示する演出モード選択画像の表示態様を示す説明図である。
【
図24】(a)演出図柄表示装置6で表示する音量レベル選択画像147の表示態様を示す説明図である。 (b)演出図柄表示装置6で表示するデモ演出の一例を示す説明図である。
【
図25】デモ演出開始処理1を示すフローチャートである。
【
図26】デモ演出終了処理1を示すフローチャートである。
【
図27】デモ演出開始処理2を示すフローチャートである。
【
図28】デモ演出終了処理2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
【0013】
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造を有している。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52および後述の内枠が、外枠51に対して開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0014】
前枠52の上部の左右両側には、スピーカ66が配設されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが配設されている。
【0015】
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられている。また、下皿63の右方には発射ハンドル64が配設されており、該発射ハンドル64が遊技者により時計回りに回動操作されることによって、図示しない発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0016】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバー(図示せず)が遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球をドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央部には、演出ボタン67と十字ボタン68とが設けられている。
【0017】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されていると共に、上皿55の右側には、球貸ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59が設けられている。
【0018】
また、
図2に示すように、遊技盤2には、外レール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、センターケース5が装着され、センターケース5の左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
【0019】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第一始動口11および第二始動口12が上下に並んで配設されている。上側の第一始動口11は、常時遊技球を入球可能に構成されている一方、下側の第一始動口11は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物13として構成されており、普通図柄抽選での当選時のみ入球可能となっている。
【0020】
第一,第二始動口11,12に遊技球が入球すると、複数種類の乱数が抽出され、保留記憶して記憶される。
【0021】
普通電動役物13の第二始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、後述する非時短モードで、一回の当選により約0.2秒の開放が一回行われ、後述の時短モードで、約1秒の開放が三回行われる。
【0022】
第二始動口12の直下には、後述する大当り遊技又は小当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、第一,第二始動口11,12の左方には、複数の一般入賞口20が配設されている。
【0023】
遊技盤2における向かって右下の領域には、複数個のLEDからなる第一特図表示装置9および第二特図表示装置10と、7セグメントの第一特図保留数表示装置18および第二特図保留数表示装置19と、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、7セグメントの普図保留数表示装置8とが設置されている。
【0024】
図2に示す遊技盤2のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)が配設され、該演出図柄表示装置6の表示画面(LCDパネル)では、演出図柄の変動表示等を行うことで大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。
【0025】
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等も設けられている。なお、遊技盤2の遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
【0026】
また、センターケース5には、演出図柄表示装置6の上側と左右両側とに、演出可動役物41~43が配設されている(
図4も参照)。これら演出可動役物41~43は、所定のタイミングで、予め定められた演出動作パターンに従って作動される。そして、これら演出可動役物41~43には、LEDを備えた役物点灯具47~49が夫々配設されており、該役物点灯具47~49は、演出可動役物41~43の動作に応じて発光(点灯や点滅)制御される。
さらに、センターケース5には、演出図柄表示装置6の周囲に、複数の演出点灯具31~34が配設されている。これら演出点灯具31~34は、一又は複数のLEDを夫々備えた構成からなり、遊技の進行状況に応じて発光(点灯や点滅)制御される。さらに、遊技盤2にも、LEDやランプからなる演出点灯具(図示せず)が複数配設されており、遊技の進行状況に応じて発光制御される。
これら演出可動役物41~43、役物点灯具46~48、および演出点灯具31~34は、本発明の要部にかかることから、詳細は後述する。
【0027】
図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。尚、発射制御装置84と電源基板とにはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0028】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口20に入球した遊技球を夫々検出する一般入賞口スイッチ20a等からの検出信号が入力される。
【0029】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81及びサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板89を介して、第一特図表示装置9、第二特図表示装置10、及び普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特図保留数表示装置18、第二特図保留数表示装置19、及び普図保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bと普通電役ソレノイド12bとが接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで大入賞口14を開閉制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第二始動口12の開閉を制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、該出力信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に送る。
【0030】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0031】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0032】
払出制御装置81は、CRユニット端子板94を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板94は、精算表示装置95とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置95に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、球貸ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0033】
発射制御装置84は、発射モータ99を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ97からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ97を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0034】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータ及びコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用及びランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。ここで、本実施例にあって、サブ統合制御装置83には、前記演出点灯具31~34を夫々構成するLEDと、前記した役物点灯具47~49を夫々構成するLEDとが夫々接続されており、これら各LEDを前記ランプドライバを作動制御することによって発光制御する。
【0035】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67および十字ボタン68等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。また、本実施例にあって、サブ統合制御装置83には、前記した演出可動役物41~43を駆動するための役物駆動装置(ソレノイドやステッピングモータなどを備えたもの)44~46が接続されている。サブ統合制御装置83は、各役物駆動装置44~46を駆動制御することにより、各演出可動役物41~43を所定の演出動作パターンで夫々作動させる。こうした各演出可動役物41~43の作動制御は、本発明の要部にかかることから、詳細は後述する。
【0036】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータ及びコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力及び演出ボタン67等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0037】
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けても良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0038】
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
パチンコ機1は、常時入賞が可能な第一始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第二始動口12が設けられており、第一,第二始動口11,12への入賞に起因して抽出された乱数によって、大当りと小当りとの当否抽選が行われる。そして、第一始動口11への入球により抽出された乱数を当否抽選する際には、第一特図表示装置9で第一特別図柄の変動表示が行われ、該第一特別図柄を停止表示することで抽選結果が報知される。同様に、第二始動口12への入球により抽出された乱数を当否抽選する際には、第二特図表示装置10で第二特別図柄の変動表示が行われ、該第二特別図柄を停止表示することで抽選結果が報知される。さらに、こうした第一特図表示装置9と第二特図表示装置10での変動表示と並行して、演出図柄表示装置6の表示画面上で、各特別図柄に対応した特別演出図柄を変動表示させた後にこれらを停止表示させ、抽選の結果を報知する演出が行われる。
【0039】
また、パチンコ機1では、第一,第二始動口11,12への入賞により抽出された乱数(数値データ)が、それぞれ最大四個まで保留記憶として記憶され、第一特図保留数表示装置18と第二特図保留数表示装置19で夫々の保留記憶の数が表示される。そして、この保留記憶が消化されることによって、上述した大当りと小当りとの当否抽選を行う。この当否抽選の結果が大当りであると、第一,第二特図表示装置9,10で大当りを示す図柄を確定表示すると共に、演出図柄表示装置6で大当りを示す演出図柄を確定表示する。さらに、この大当りに伴って、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを所定数繰り返す大当り遊技が実行される。また、前記抽選結果が小当りであると、第一,第二特図表示装置9,10で小当りを示す図柄を確定表示すると共に、演出図柄表示装置6で小当りを示す演出図柄を表示する。さらに、小当りに伴って、大入賞口14を一回開閉する小当り遊技が実行される。
【0040】
大当り遊技の終了後は、一定期間(所定回数の上記当否抽選が行われるまでの期間)にわたり、当否抽選での大当りの当選確率が上昇する確変モードとなり、また、これと同時に、普通図柄の抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄の当選時の第二始動口12の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モードとなる。尚、普通図柄の抽選における当選確率の上昇、第二始動口12の開放時間の延長、および普通図柄の変動時間の短縮などの機能を、電チューサポート(所謂、電サポ)機能とも呼称する。
【0041】
本実施例のパチンコ機1では、遊技状態が、大入賞口14を閉鎖したままの遊技と、該大入賞口14を開閉する大当り遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖したままの遊技状態で、前記確変モードと時短モードとが実行され得る。また、大入賞口14を閉鎖したままの遊技状態では、確変モードの一定期間が終了すると、当否抽選での大当りの当選確率が該確変モードよりも低い非確変モードに移行する。同様に、時短モードが終了すると、前記の電サポ機能の無い非時短モードに移行する。尚、本実施例にあって、大入賞口14を閉鎖したままの遊技状態を、大当りの当選確率の高低と上記電サポ機能の有無とに関してカテゴリー分けすると、非確変モード/非時短モードの状態、非確変モード/時短モードの状態、確変モード/非時短モードの状態、および確変モード/時短モードの状態、の四種類の状態に分類される。
【0042】
本実施例にあって、大当りの当選確率は、非確変モードで1/300に設定され、確変モードで1/50に設定されている。尚、本実施例では、大当りの抽選確率を、第一始動口11と第二始動口12とのいずれに入球した場合も同じとしている。また、小当りの当選確率は、第一始動口11への入賞に伴う第一特別図柄の変動の場合に1/285であり、第二始動口12への入賞に伴う第二特別図柄の変動の場合に1/14である。
尚、本実施例では、小当りの当選確率を、非確変モードと確変モードとのいずれの場合も同じとしている。こうした大当りの当選確率や小当りの当選確率は、本実施例に限らず、適宜設定することができる。大当りの当選確率を、第一始動口11と第二始動口12との入賞で相互に異なるように設定されていても良いし、小当り当選確率を、非確変モードと確変モードとで相互に異なるように設定されていても良い。
【0043】
また、大当り遊技では、上述したように、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドが所定回数繰り返される。本実施例では、一回の大当り遊技で16回の開閉ラウンドが行われる。そして、一回の開閉ラウンドでは、大入賞口14を開放し、所定の閉鎖条件の成立により該大入賞口14を閉鎖する。すなわち、開閉ラウンドの開放状態は、前記閉鎖条件の成立により終了する。この閉鎖条件は、大入賞口14の開放開始から所定の開放制限時間(例えば、28秒)が経過するか、又は、該開放制限時間内で大入賞口14に所定の規定入賞数(例えば、10個)を入賞したかのいずれかを満足することに、設定されている。
【0044】
また、本実施例のパチンコ機1では、上述したように、第一特図表示装置9と第二特図表示装置10での特別図柄の変動に対応させて、演出図柄表示装置6の画面上で演出表示を実行する。具体的には、前記特別図柄の変動開始に伴って、演出図柄表示装置6で、該特別図柄に対応する特別演出図柄121a~121cを変動表示し(
図19参照)、その後、該特別図柄の変動停止に伴って、該特別図柄の停止態様に対応した図柄態様で該特別演出図柄121a~121cを停止表示する。このように特別図柄の変動に対応して、演出図柄表示装置6で一連の演出が実行される。さらに、こうした特別図柄の変動に伴って実行される演出では、特別図柄の停止態様によって確定する大当り発生への遊技者の期待感を煽るリーチ演出(通常リーチ演出、ロングリーチ演出、又はスペシャルリーチ演出など)が選択的に表示実行される。
【0045】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図5に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0046】
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
【0047】
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図6のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。
【0048】
S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特図保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
【0049】
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。
【0050】
S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特図保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
【0051】
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図7~10のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンの当否判定処理(S65)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0052】
当否判定処理では、
図7に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図9のS260に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図10のS300に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0053】
S165では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S175に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第二保留記憶を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S185に進む。
【0054】
S175では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、当否判定処理を終了する。S180では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶を選択し、上記S170と同様に、当該第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させ、その後に、S185に進む。尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
【0055】
S185では、確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S185:Yes)、S190に進み、否定判定の場合には(S185:No)、S195に進む。ここで、確変フラグ=1は、前記した確変モードであることを示し、該確変フラグ=0は、前記した非確変モードであることを示す。
【0056】
S190では、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS190の処理後に、
図8のS200に進む。
【0057】
一方、S195では、非確変モードに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、非確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS195の処理後に、
図8のS200に進む。
【0058】
図8のS200では、S190又はS195の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
【0059】
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。S210では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S215に進む。尚、この変動パターン決定処理により、リーチ演出の実行有無とリーチ演出の種別とを決定する。
S215では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、及びインターバル時間等を設定し、S250に進む。
【0060】
S220では、S190又はS195の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S220:Yes)、S225に進み、否定判定の場合には(S220:No)、S240に進む。
【0061】
S225では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S230に進む。S230では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S235に進む。S235では、小当り遊技における大入賞口の開放パターンや小当り遊技に係る演出時間などを設定し、S250に進む。尚、S230では、前記S215と同様に、リーチ演出の実行有無とリーチ演出の種別とを決定する。
【0062】
さらに、S220の否定判定から続くS240では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS240の後に、S245に進み、ハズレにかかる処理を行う。尚、本実施例では、S240でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S240の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0063】
S250では、上記したS170およびS180でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンド、特別図柄の変動時間、大当り抽選の結果、リーチ演出の情報、および特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンド等をサブ統合制御装置83に送信すると共に、特別図柄の変動を開始させ、当否判定処理を終了する。この変動開始コマンドでは、大当り抽選により消化された保留記憶が、第一始動口11への入賞により生成されたものであるか、第二始動口12への入賞により生成されたものであるかを示しても良い。
尚、サブ統合制御装置83は、こうした変動開始コマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(保留記憶数、特別図柄の変動時間、大当り抽選結果、リーチ演出の情報、特別図柄の停止態様など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドの受信に伴って、大当り抽選結果と特別図柄の変動時間とに基づいて、特別図柄の変動に対応する特別演出図柄の変動停止演出とリーチ演出等を決定し、決定した演出を演出図柄表示装置6で表示制御する。
【0064】
上記したS155の肯定判定から続く
図9のS260では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S260:Yes)、S265に進み、否定判定の場合には(S260:No)、当否判定処理を終了する。S265では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205で決定した大当り図柄、S225で決定した小当り図柄、又はS240で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、特別演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0065】
また、上記したS160の肯定判定から続く
図10のS300では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、当否判定処理を終了する。S305では、特別図柄の確定表示を終了し、S310に進む。S310では、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S315に進み、否定判定の場合には(S310:No)、S360に進む。S315では、確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアする(S320)。続くS325では、時短フラグを参照すると共に、時短フラグ=1である場合には時短フラグをクリアし(S330)、S340に進む。ここで、時短フラグ=1では、前記した時短モードであることを示し、時短フラグ=0では、前記した非時短モードであることを示す。
その後、状態指定コマンド送信処理(S340)、条件装置作動開始処理(S345)、役物連続作動装置作動開始処理(S350)、大当り開始演出処理(S355)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
【0066】
一方、S310の否定判定から続くS360では、確変フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S360:Yes)、確変モード中に実行可能な当否判定の残り回数(確変回数の残数)を参照する(S365)。そして、確変回数の残数=0である場合には(S365:Yes)、確変フラグをクリアし(S370)、S375に進む。S375では、時短フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S375:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数の残数)を参照する(S380)。そして、時短回数の残数=0である場合には(S380:Yes)、時短フラグをクリアし(S385)、S390に進む。S390では、状態指定コマンド送信処理を実行し、S395に進む。
【0067】
S395では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S395:Yes)、S400に進み、特別電動役物作動開始処理(S400)、小当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S395で否定判定の場合(S395:No)には、当否判定処理を終了する。
【0068】
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図11~13のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される処理である。
【0069】
大当り遊技処理では、
図11に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0070】
S505では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図12のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。S510では、大当り遊技における各開閉ラウンドのインターバル中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図12のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図13のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
【0071】
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0072】
S525では、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、大入賞口14の開放開始と同期して、一回の開閉ラウンドにおける大入賞口14の最大開放時間として予め設定された上記の開放制限時間(例えば、28秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放制限時間の時間消化は、開放制限タイマの減算処理により行う。具体的には、開放制限タイマは、開放制限時間(28秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放制限時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放制限時間の計測手段は、こうした開放制限タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
【0073】
上記のS505の肯定判定から続く
図12のS550では、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個(規定入賞数)となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、上記した開放制限時間の時間消化により該開放制限時間が経過したか否か(すなわち、大入賞口14の開放時間が終了したか否か)を判定する。そして、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S565に進む。この大入賞口閉鎖処理では、上記した開放制限時間(開放制限時間のカウンタ値)をリセットする。S565では、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0074】
一方、上記のS510の肯定判定から続くS570では、インターバル時間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンド(16ラウンド)の終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0075】
S585の大入賞口開放処理では、大入賞口14を開放させる処理を実行すると共に、今回の大入賞口14の開放により開始される開閉ラウンドが最終ラウンド(16ラウンド目)であるか否かを判定する処理を実行して、最終ラウンド開始の場合に、最終ラウンド開始を示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。このS585の後に、大当り遊技処理を終了する。
【0076】
また、上記のS515の肯定判定から続く
図13のS600では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S615:Yes)、確変モード中に実行可能な当否抽選の回数(確変回数)を設定し(S620)、確変フラグをセットし(S625)、S630に進む。S630では、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S630:Yes)、時短モード中に実行可能な当否抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S635)、時短フラグをセットし(S640)、S645に進む。S645とS650とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0077】
次に、本発明の要部を、実施例1,2により説明する。
【実施例0078】
実施例1の構成は、
図2,4に示すように、演出図柄表示装置6の表示画面の前面側で動作する第一~第三演出可動役物41~43と、各演出可動役物41~43を作動させる役物駆動装置44~46(
図3参照)とを備えている。
【0079】
第一演出可動役物41は、剣を象った形状からなり、センターケース5の左側部の裏側に隠れる退避位置(
図2参照)と、演出図柄表示装置6の表示画面の前面側に進出する進出位置(
図4参照)とに、役物駆動装置44によって位置変換作動されるものである。この役物駆動装置44は、図示しないロータリーソレノイドから構成されており、該ロータリーソレノイドの出力軸に第一演出可動役物41の下部が軸支されている。ここで、ロータリーソレノイドは、出力軸に連結された永久磁石からなる円筒状のロータと、通電によりコイルに発生する電磁力との反発・吸引力によって出力軸とが回転するものであり、一般的な構成のものを適用できる。こうした第一演出可動役物41は、図示しない付勢手段(例えば、バネ等)により常態で前記退避位置に保持されており、役物駆動装置44のロータリーソレノイドに通電することにより該退避位置から傾動して前記進出位置へ位置変換される。そして、ロータリーソレノイドの通電を切断すると、前記付勢手段により進出位置から逆方向に傾動して退避位置へ位置変換される。このように第一演出可動役物41は、役物駆動装置44により退避位置と進出位置とに位置変換作動される。
さらに、第一演出可動役物41は、剣の刃を象った部位が、複数のLEDを備えた役物点灯具47により構成されており、該LEDを発光制御することにより該役物点灯具47を点灯(又は点滅)させる。この役物点灯具47の各LEDは、前述したようにサブ統合制御装置83に接続されており、該サブ統合制御装置83がランプドライバを駆動制御することによって発光制御されて、役物点灯具47を点灯(又は点滅)させる。
【0080】
また、第二演出可動役物42は、看板を象った矩形板状からなり、演出図柄表示装置6の上縁の傍らに位置する退避位置(
図2参照)と、該演出図柄表示装置6の表示画面の上部前面側に進出する進出位置(
図4参照)とに、役物駆動装置45によって位置変換作動されるものである。この役物駆動装置45は、図示しないソレノイドから構成されており、該ソレノイドの可動軸に第二演出可動役物42が連結されている。ここで、ソレノイドは、通電によりコイルに発生する電磁力との反発・吸引力によって可動軸を進退移動させるものであり、一般的な構成のものを適用できる。こうした第二演出可動役物42は、図示しない付勢手段(例えば、バネ等)により常態で前記退避位置に保持され、役物駆動装置45のソレノイドに通電することにより該退避位置から降動して前記進出位置へ位置変換される。そして、ソレノイドの通電を切断すると、前記付勢手段により進出位置から昇動して退避位置へ位置変換される。このように第二演出可動役物42は、役物駆動装置45により退避位置と進出位置とに位置変換作動される。
さらに、第二演出可動役物42は、文字列からなる役物点灯具48を備えており、該役物点灯具48が複数のLEDにより構成されている。この役物点灯具48の各LEDは、前述の役物点灯具47と同様に、サブ統合制御装置83に接続されており、該サブ統合制御装置83がランプドライバを駆動制御することによって発光制御されて、役物点灯具47を点灯(又は点滅)させる。
【0081】
また、第三演出可動役物43は、アーム部43bと該アーム部43bの一端部に設けられた役物主部43aとにより構成されており、該役物主部43aを演出図柄表示装置6の左上縁の傍らに位置する退避位置(
図2参照)と、該役物主部43aを演出図柄表示装置6の表示画面の前面側に進出する進出位置(
図4参照)とに、役物駆動装置46によって位置変換作動されるものである。この役物駆動装置46は、前述した第一演出可動役物41の役物駆動装置44と同様に、ロータリーソレノイドから構成されており、該ロータリーソレノイドの出力軸に前記アーム部43bの他端が連結されている。そして、第三演出可動役物43は、図示しない付勢手段(例えば、バネ等)により常態で前記退避位置に保持され、役物駆動装置46のロータリーソレノイドに通電することにより該退避位置から傾動して前記進出位置へ位置変換される。そして、ロータリーソレノイドの通電を切断すると、前記付勢手段により進出位置から逆方向に傾動して退避位置へ位置変換される。このように第3演出可動役物43は、役物駆動装置46により退避位置と進出位置とに位置変換作動される。
さらに、第三演出可動役物43の役物主部43aは、一又は複数のLEDからなる役物点灯具49を備えており、該LEDを発光制御することにより該役物点灯具49を点灯(又は点滅)される。この役物点灯具49のLEDは、前述の役物点灯具47と同様に、サブ統合制御装置83に接続されており、該サブ統合制御装置83がランプドライバを駆動制御することによって発光制御されて、役物点灯具49を点灯(又は点滅)させる。
【0082】
また、センターケース5には、前述したように、複数の演出点灯具31~34が配設されている。各演出点灯具31~34は、夫々が複数のLEDにより構成されており、各LEDがサブ統合制御装置83に夫々接続されている。そして、サブ統合制御装置83がランプドライバを駆動制御することによって発光制御されて、各演出点灯具31~34を夫々点灯(又は点滅)させる。
【0083】
本実施例では、第一~第三演出可動役物41~43を、予め定められた第1~第4演出動作パターンに従って位置変換作動させる。
ここで、第1演出動作パターンは、役物駆動装置44を駆動制御することにより、第一演出可動役物41を退避位置から進出位置へ位置変換させて、該進出位置で所定時間保った後に、該進出位置から退避位置へ位置変換させる。尚、この第1演出動作パターンでは、第2演出可動役物41と第3演出可動役物43とを夫々の退避位置で保持して、位置変換作動させない。
第2演出動作パターンは、役物駆動装置44,45を夫々駆動制御することにより、第一演出可動役物41と第二演出可動役物42とを夫々の退避位置から進出位置へ位置変換させる。そして、第一演出可動役物41と第二演出可動役物42とを各進出位置で所定時間保った後に、各退避位置へ位置変換させる。尚、第2演出動作パターンでは、第三演出可動役物43を退避位置で保持して、位置変換作動させない。
第3演出動作パターンは、役物駆動装置44,46を夫々駆動制御することにより、第一演出可動役物41と第三演出可動役物43とを夫々の退避位置から進出位置へ位置変換させる。そして、第一演出可動役物41と第三演出可動役物43とを各進出位置で所定時間保持した後に、各退避位置へ位置変換させる。尚、第3演出動作パターンでは、第二演出可動役物42を退避位置で保持して、位置変換作動させない。
第4演出動作パターンは、役物駆動装置44~46を夫々駆動制御することにより、第一~第三演出可動役物41~43を夫々の退避位置から進出位置へ位置変換させ、該進出位置で所定時間保った後に、該進出位置から退避位置へ夫々位置変換させる。
【0084】
本実施例にあって、これら第一~第三演出可動役物41~43の位置変換作動は、前記特別図柄の変動中に大当り確定を予告する演出として実行される。
具体的には、特別図柄の変動中に、遊技者により前記演出ボタン67が押圧操作された場合に、当該特別図柄の変動により大当り確定するものであると、第一~第三演出可動役物41~43の位置変換作動を実行して、該大当り確定を予告する。ここで、演出ボタン67の操作を有効とする操作有効期間が設定されており、この操作有効期間に該演出ボタン67が操作されると、前記大当り予告を行う。この操作有効期間は、本実施例にあって、特別図柄の変動中に、演出図柄表示装置6でリーチ演出の表示開始に伴って期間開始され、該期間開始から所定時間の経過(当該特別図柄の変動停止前)に伴って期間終了する。
又は、大当り確定する特別図柄の変動中に、前記演出ボタン67が押圧操作されない場合には、当該特別図柄を大当り確定する前の所定タイミング(前記した操作有効期間を終了したタイミング)で、第一~第三演出可動役物41~43の位置変換作動を実行して、該大当り確定を予告する。このように第一~第三演出可動役物41~43の位置変換作動により大当り確定の予告を行うことにより、特別図柄の変動を盛り上げる演出が行われる。
【0085】
一方、本実施例の構成では、前記した演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDの輝度を、予め定められた輝度レベルに選択的に変更可能とする機能を備えたものであり、該輝度レベルを遊技者が任意に変更できるようになっている。ここで、輝度レベルには、最も輝度の低い(最も暗い)第1輝度レベルから最も輝度の高い(最も明るい)第5輝度レベルまで段階的に輝度が上昇する5段階の輝度レベルと、前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させない第0輝度レベルとが予め定められている。すなわち、本実施例では、前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させる第1~第5輝度レベルと、該各LEDを発光しない第0輝度レベルとの合計6段階輝度レベルが予め定められている。
【0086】
こうした演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との第1~第5輝度レベルの制御は、夫々のLEDに供給する電流量を変化させることにより行う。すなわち、演出点灯具31~34のLEDと役物点灯具47~49のLEDとに電流を供給する回路に、一又は複数の可変抵抗器が配設されており、該可変抵抗器の抵抗値を5段階で変化させることにより、各LEDへの電流量を変化させて、各LEDを第1~第5輝度レベルで発光制御する。尚、前記可変抵抗器は、前記サブ統合制御装置83によって、前記5段階の抵抗値に変化させる制御が実行される。
また、前記第0輝度レベルとする場合には、サブ統合制御装置83が演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDへ電流を供給しない。ここで、サブ統合制御装置83は、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDへ電流を供給するON/OFF制御を行っており、OFF制御することにより、該LEDへの電流の供給を停止する。
【0087】
さらに、本実施例では、
図14に示すように、前記第0~第5輝度レベルに、前記した第一~第三演出可動役物41~43の第1~第4演出動作パターンが夫々割り当てられており、遊技者により設定された輝度レベルに応じて一の演出動作パターンが選択されて、第一~第三演出可動役物41~43を作動制御する。
具体的には、第1輝度レベル又は第2輝度レベルが設定された場合には、サブ統合制御装置83が、前記第1演出動作パターンに従って第一演出可動役物41を位置変換作動させる(第二,第三演出可動役物42,43は退避位置で保持する)。そして、この場合には、第一演出可動役物41の位置変換作動に伴って、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とを第1輝度レベル又は第2輝度レベルで発光制御する。
第3輝度レベルが設定された場合には、サブ統合制御装置83が、前記第2演出動作パターンに従って第一演出可動役物41と第二演出可動役物42とを位置変換作動させる(第三演出可動役物43は退避位置で保持する)。そして、この場合には、第一,第二演出可動役物41,42の位置変換作動に伴って、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とを第3輝度レベルで発光制御する。
第4輝度レベルが設定された場合には、サブ統合制御装置83が、前記第3演出動作パターンに従って第一演出可動役物41と第三演出可動役物43とを位置変換作動させる(第二演出可動役物42は退避位置で保持する)。そして、この場合には、第一,第三演出可動役物41,43の位置変換作動に伴って、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とを第4輝度レベルで発光制御する。
第5輝度レベルが設定された場合には、サブ統合制御装置83が、前記第4演出動作パターンに従って第一~第三演出可動役物41~43を位置変換作動させる。そして、この場合には、第一~第三演出可動役物41~43の位置変換作動に伴って、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とを第5輝度レベルで発光制御する。
一方、第0輝度レベルが設定された場合には、サブ統合制御装置83が、第一~第三演出可動役物41~43の位置変動作動を実行せず(以下、非動作パターンという)に、夫々の退避位置で保持する。そして、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とも発光させない。
【0088】
このように第0~第5輝度レベルには、輝度レベルが上がるにつれて、各演出可動役物41~43の動作により遊技者の受けるインパクトが大きくなるように、第1~第4演出動作パターンが夫々割り当てられている。すなわち、輝度の最も低い第0輝度レベルには、非動作パターンが割り当てられ、輝度の低い第1,第2輝度レベルには、第一演出可動役物41のみを動作させる第1演出動作パターンが割り当てられている。また、輝度の最も高い第5輝度レベルには、全ての演出可動役物41~43を動作させる第4演出動作パターンが割り当てられている。さらに、第三演出可動役物43は、第二演出可動役物42に比して、動作が大きいことから、第3輝度レベルに第2演出動作パターンが割り当てられ、第4輝度レベルに第3演出動作パターンが割り当てられている。
【0089】
また、本実施例では、スピーカから出力される音の音量レベルも遊技者が選択可能に構成されている。この場合も、最も音量の小さい第1音量レベルから最も音量の大きい第5音量レベルまで段階的に音量が上昇する5段階の音量レベルと、音を出力させない第0音量レベルとが予め定められている。すなわち、合計6段階音量レベルが設定されている。無論、段階数は任意であり、もっと段階数を増やして、より遊技者の理想の音量に調整可能にしてもよい。また、ホール側の設定により、遊技者が可能な音量設定の範囲を設定することも考えられる。音量を最大にすると周りの遊技客に迷惑を与えると判断した場合は、ホール側が予め遊技者の設定可能なレベルを第4音量レベルまでにするといったことが行なえる。
なお、第0音量レベルにしても、異常を示す報知などは音量レベルに関係なく最大音量で出力される構成が考えられる。遊技に関する音を消音させていても、遊技の結果に影響を与えるような重要な音に関しては出力されるため、遊技者も安心して音量レベルを下げることができる。
【0090】
次に、前記した輝度レベルを設定するための処理と、第一~第三演出可動役物41~43を作動するための処理とについて、以下に説明する。
【0091】
図15のフローチャートは、サブ統合制御装置83により実行される演出制御処理である。この演出制御処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される。
【0092】
演出制御処理は、S700でデモ演出処理を実行する。デモ演出処理では、非遊技中に所定のデモ演出開始条件が成立すると、予め設定されたデモ演出パターンに従ってデモ演出を実行開始し、所定のデモ演出終了条件が成立すると、該デモ演出を終了する。ここで、非遊技中は、遊技者により遊技が行われていない場合であり、特別図柄が変動せず、大当り遊技が実行されず、特別図柄や普通図柄の保留記憶が無い等の状態が、所定時間継続している状況である。また、デモ演出開始条件としては、発射ハンドル64、演出ボタン67、および十字ボタン68が操作されていない状態が、所定時間経過することである。また、デモ演出終了条件は、デモ演出を予め設定された時間継続して実行すること、発射ハンドル64、演出ボタン67、および十字ボタン68が操作されること、特別図柄の変動が開始すること等である。
【0093】
続くS705では、輝度設定処理を実行する。輝度設定処理では、演出図柄表示装置6に輝度レベルの選択に用いる輝度レベル選択画像107(
図18参照)を表示して、遊技者による十字ボタン68と演出ボタン67との操作に基づいて輝度レベルを設定する処理である。
【0094】
続くS710では、特図変動演出処理を実行する。特図変動演出処理では、主制御装置80から送信された変動開始コマンドを受信すると、該変動開始コマンドに含まれる各種情報に従って、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を変動表示する演出を実行する。そして、特別演出図柄を停止表示することにより、大当り、小当り、又はハズレの確定を報知する。さらに、大当り確定する場合には、前記した第一~第三演出可動役物41~43を作動させると共に演出点灯具31~34と役物点灯具47~49とを発光制御することにより、前記大当り予告を行う。
【0095】
続くS715では、大当り遊技演出処理を実行する。大当り遊技演出処理では、主制御装置80から大当り遊技の開始を示すコマンドを受信すると、大当り遊技用の演出を実行開始し、その後に、大当り遊技の終了を示すコマンド受信すると、該大当り遊技用の演出を終了する。
【0096】
尚、演出制御処理にあって、前記デモ演出処理と大当り遊技演出処理とは、一般的に用いられている処理を適用できることから、詳細を省略する。輝度設定処理と特図変動処理とは、以下で詳細に説明する。
【0097】
前記した輝度設定処理を、
図16のフローチャートを用いて説明する。
輝度設定処理では、S800で輝度レベル選択画像を表示中か否かを判定する。肯定判定の場合には(S800:Yes)、S820へ進み、否定判定の場合には(S800:No)、S805に進む。ここで、輝度レベル選択画像107は、後述するように、演出図柄表示装置6で表示される画像(
図18参照)であり、遊技者が十字ボタン68と演出ボタン67とを操作することによって輝度レベルを設定変更するために用いられる。
【0098】
S805では、非遊技中またはデモ演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S805:Yes)、S810へ進み、否定判定の場合には(S800:No)、輝度設定処理を終了する。ここで、非遊技中か否かの判定は、前記デモ演出処理(S700)での判定結果を用い、デモ演出を実行中か否かの判定は、該デモ演出処理によりデモ演出を実行しているか否かにより行う。
【0099】
S810では、遊技者による操作を検出したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S810:Yes)、S815へ進み、否定判定の場合には(S810:No)、輝度設定処理を終了する。ここで、遊技者による操作は、遊技者により操作可能なボタン等のいずれかが操作されたことを示し、遊技者が遊技を開始する際に行う必須の操作だけでなく、遊技者が習慣的または突発的に行う操作をも含む。例えば、遊技者が遊技を開始する際に、球貸ボタン57を操作すると、この操作信号が主制御装置80を介してサブ統合制御装置83に送信されて、これに伴って、遊技者による操作を検出したと判定する。又は、遊技者が演出ボタン67や十字ボタン68等を操作すると、この操作を検知することで、遊技者による操作を検出したと判定する。
【0100】
S815では、輝度レベル選択画像表示処理を実行する。輝度レベル選択画像表示処理は、遊技者に輝度レベルを選択させるための輝度レベル選択画像107(
図18参照)を、演出図柄表示装置6に表示する処理であり、該輝度レベル選択画像107を表示するためのコマンドを演出図柄制御装置82に送信する。このコマンドの送信により、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で輝度レベル選択画像107を表示制御する。ここで、輝度レベル選択画像107は、前記した第0~第5輝度レベルを表示し、遊技者が前記十字ボタン68と演出ボタン67とを操作することによって、いずれか一の輝度レベルを選択できるようにしたものである。
【0101】
続くS820では、十字ボタン68が操作されたか否かを判定する。肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825へ進み、否定判定の場合には(S820:No)、S830に進む。ここで、十字ボタン68は、前記S815で表示された輝度レベル選択画像で、第0~第5輝度レベルのなかから一の輝度レベルを選ぶための操作に用いられる。尚、この十字ボタン68を用いた操作は、一の輝度レベルを選ぶためのみであり、当該操作のみでは輝度レベルの設定を完了しない(すなわち、輝度レベルを決定しない)。
S825では、選択レベル表示処理を実行する。選択レベル表示処理では、十字ボタン68の操作により選ばれる輝度レベルを表示するためのコマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。演出図柄制御装置82は、このコマンドに従って、前記輝度レベル選択画像上で、十字ボタン68の操作により選ばれた一の輝度レベルを、所定の選択表示態様(
図18の114’および112’)で表示する処理を行う。これにより、遊技者に、十字ボタン68により選んだ輝度レベルを報知する。
【0102】
S830では、演出ボタン67が操作されたか否かを判定する。肯定判定の場合には(S830:Yes)、S835へ進み、否定判定の場合には(S830:No)、輝度設定処理を終了する。ここで、演出ボタン67は、十字ボタン68の操作により遊技者に選ばれた輝度レベル(S825で選択表示態様により表示された輝度レベル)を確定するための操作に用いられる。
【0103】
S835では、輝度レベル決定処理を実行する。輝度レベル決定処理は、前記十字ボタン68により選ばれた一の輝度レベルを、前記演出ボタン67の操作によって決定する。S840では、決定レベル表示処理を実行する。決定レベル表示処理では、演出ボタン67の操作により決定された輝度レベルを表示するためのコマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。演出図柄制御装置82は、このコマンドに従って、前記輝度レベル選択画像上で、演出ボタン67の操作により決定された一の輝度レベルを、所定の選択決定表示態様(
図18の選択決定図柄118)により示す。これにより、遊技者に設定された輝度レベルを報知する。尚、本実施例にあっては、前記決定表示態様による表示を、所定の表示終了条件の成立まで継続する。この表示終了条件としては、例えば、所定の継続表示時間の経過、デモ演出の終了、および遊技の開始(非遊技の終了)を定めることができる。
【0104】
S850では、輝度制御処理を実行する。輝度制御処理は、前記した演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDへの電流供給回路に配設された可変抵抗器の抵抗値を、前記S830で決定した第1~第5輝度レベルに応じて設定する。これにより、電流供給回路で電流を供給すると、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDを、S830で決定した輝度レベルで発光できる。また、第0輝度レベルが設定された場合には、該輝度レベルが変更されるまで、前記電流供給回路への電流供給をOFFで保持する。
尚、こうして決定された輝度レベルは、次に十字ボタン68と演出ボタン67との操作により輝度レベルが決定されるまで保持され、機台の電源遮断によりリセットされる。本実施例では、第3輝度レベルを基準値として設定されることから、前記リセットにより第3輝度レベル(抵抗値)が設定される。そのため、機台の電源投入時には、第3輝度レベルが設定される。
【0105】
前記した特図変動演出処理を、
図17のフローチャートを用いて説明する。
特図変動演出処理では、S900で、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S900:Yes)、S905へ進み、否定判定の場合には(S900:No)、S920に進む。ここで、変動開始コマンドは、前述したように、当否判定処理のS250により主制御装置80から送信されるコマンドであり、特別図柄の変動時間、大当り抽選の結果、リーチ演出の情報(リーチ演出の実行有無やリーチ種別)、および特別図柄の停止態様等が含まれている。
【0106】
S905では、特図演出表示パターン決定処理を実行する。特図演出表示パターン決定処理では、前記した変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動時間、大当り抽選の結果、リーチ演出の情報、および特別図柄の停止態様等を確認し、これら情報に基づいて、特別図柄の変動に合わせて演出図柄表示装置6で表示する演出の表示パターン(特別演出図柄121a~121cの変動表示開始から確定停止に至るまでの一連の演出表示パターン)を決定する処理を行う。さらに、リーチ演出を実行する場合には、演出ボタン67の操作を有効とする期間を決定すると共に、大当りを確定する場合には、前記第一~第三演出可動役物41~43による予告演出を実行するタイミングを決定する。ここで、本実施例にあっては、演出ボタン67の操作を有効とする期間は、決定した演出表示パターンに従って、リーチ演出の開始タイミングから所定時間の経過までに設定される。そして、予告演出のタイミングは、演出ボタン67の操作有効期間を終了したタイミングに設定される。
【0107】
S910では、特図演出表示処理を実行する。特図演出表示処理では、前記S905で決定した演出表示パターンの情報を含むコマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。演出図柄制御装置82では、このコマンドを受信すると、該コマンドに含まれる演出表示パターンの情報に従って、特別演出図柄の変動開始から確定停止に至る演出表示の動画データを生成する。そして、演出図柄表示装置6を駆動制御して、この動画データを再生することにより、前記演出表示パターンによる一連の演出表示を行う。
尚、演出表示パターンには、リーチ演出の表示や演出ボタン67の操作を促す演出表示なども含まれている。そのため、前記動画データの再生によって、リーチ演出や演出ボタン67の操作を促す演出が表示される。
【0108】
前記S900の否定判定から続くS920では、前記演出表示パターンによる特別演出図柄の表示中か否かを判定する。肯定判定の場合には(S920:Yes)、S925へ進み、否定判定の場合には(S920:No)、特図変動演出処理を終了する。
【0109】
S925では、演出ボタン67の操作を有効とする期間中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S925:Yes)、S930へ進み、否定判定の場合には(S925:No)、S940へ進む。尚、演出ボタン67の操作を有効とする期間は、前記S905により設定される。
【0110】
S930では、演出ボタン67が操作されたか否かを判定する。肯定判定の場合には(S930:Yes)、S935へ進み、否定判定の場合には(S930:No)、S940に進む。
S940では、予告演出のタイミングとなったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S940:Yes)、前記S935へ進み、否定判定の場合には(S940:No)、特図変動演出処理を終了する。尚、予告演出のタイミングは、前記S905により設定される。
【0111】
S935では、大当り確定するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S935:Yes)、S950へ進み、否定判定の場合には(S935:No)、特図変動演出処理を終了する。ここで、大当り確定するか否かの情報は、変動開始コマンドに含まれる情報により確認する。
【0112】
S950では、演出動作パターン選定処理を実行する。演出動作パターン選定処理では、前記輝度設定処理のS835により決定した輝度レベルに従って、第一~第三演出可動役物41~43を動作させるための演出動作パターンを決定する。例えば、第5輝度レベルが設定されている場合には、第4演出動作パターンを決定する。また、第0輝度レベルが設定されている場合には、第一~第三演出可動役物41~43を動作しない非動作パターンを決定する。
【0113】
続くS955では、予告演出処理を実行する。予告演出処理では、S950で決定した演出動作パターンに従って第一~第三演出可動役物41~43を作動制御すると共に、前記した演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDへの電流供給回路に電流を供給する制御を行う。これにより、第一~第三演出可動役物41~43の動作と、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の点灯とによる大当りの予告演出が実行される。ここで、第5輝度レベルが設定されている場合には、第4演出動作パターンに従って、第一~第三演出可動役物41~43が夫々の進出位置に位置変換すると共に、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDが最も高い輝度で発光する。また、第0輝度レベルが設定されている場合には、第一~第三演出可動役物41~43が夫々の退避位置で保持されると共に、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDが発光しない。
【0114】
次に、前記した輝度レベル選択画像107の表示態様およびリーチ演出の表示態様と、第一~第三演出可動役物41~43の動作態様との演出例を、
図18~
図20を用いて説明する。
【0115】
前記した非遊技中にデモ演出開始条件が成立すると、
図18(A)に示すように、演出図柄表示装置6では、デモ演出パターンに従って、デモ中であることを示すメッセージ図柄101と、達吉のキャラクタからなるキャラクタ図柄102とが表示される。
【0116】
こうしたデモ演出中に、遊技者による操作(例えば、遊技開始に際して行う球貸ボタン57の操作など)を検知すると、演出図柄表示装置6では、デモ演出を終了して、十字ボタン68の左右いずれかを操作すると
図18(B)に示すように輝度レベル選択画像107が表示され、十字ボタン68の上下のいずれかを操作すると
図24(a)に示す音量レベル選択画像147が表示される。ここで、輝度レベル選択画像107は、現状で設定されている輝度レベルを示すメッセージ図柄108と、第0~第5輝度レベルを夫々示すレベル図柄110~115と、十字ボタン68の操作を説明する説明図柄105とから構成されている。
音量レベル選択画像147も現状で設定されている音量レベルを示すメッセージ図柄148と、第0~第5音量レベルを夫々示すレベル図柄140~145と、十字ボタン68の操作を説明する説明図柄とから構成されている。
【0117】
輝度レベル選択画像107、音量レベル選択画像147の表示中に、遊技者により十字ボタン68が操作されると、該十字ボタン68の操作により選ばれたレベル図柄110~115または140~145を変える。例えば、第4輝度レベルが選ばれた場合には、
図18(C)または
図24(a)に示すように、該第4輝度レベルを示すレベル図柄114または144を、所定の表示色のレベル図柄(選択表示態様)114’または114’に表示変更する。そして、演出ボタン67が操作されると、第4輝度レベルまたは第4音量レベルを確定し、
図18(D)に示すように、当該確定を示す選択決定図柄118が、レベル図柄114’の左横に表示される。本実施例では音量レベル選択画像147では選択決定図柄118に対応する図柄を設けていないが、備えた構成でも構わない。
一方、前記輝度レベル選択画像107の表示中に、遊技者の十字ボタン68の操作により、第2輝度レベルが選ばれた場合には、
図18(E)に示すように、該第2輝度レベルを示すレベル図柄112を、所定の表示色のレベル図柄112’に表示変更する。そして、演出ボタン67が操作されると、第2輝度レベルを確定し、
図18(F)に示すように、選択決定図柄118がレベル図柄112’の左横に表示される。
【0118】
このように輝度レベルまたは音量レベルが設定されて遊技者が遊技を開始すると、遊技中となる。そして、前記した第一始動口11または第二始動口12への入球を契機として、第一特別図柄または第二特別図柄が変動開始すると、これに伴って、演出図柄表示装置6では、
図19(A)に示すように特別演出図柄121a~121cを変動表示する。その後、
図19(B)に示すように、特別演出図柄121a,121cが所定のリーチ態様で停止表示すると、リーチとなって、該リーチを示すメッセージ図柄123が表示される。そして、
図19(C)に示すように、キャラクタ図柄125a,125bによる空手リーチ演出が開始される。このリーチ演出中では、
図19(D)、(E)に示すように、演出ボタン67を象ったボタン図柄126が表示されると共に、該演出ボタン67の操作を促す演出図柄127,128が表示される。
【0119】
前記したリーチ演出中に演出ボタン67が操作された場合、又は演出ボタン67が操作されずに前記予告演出のタイミングとなった場合に、変動中の特別図柄が大当り確定するものであると、第一~第三演出可動役物41~43の動作と、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の点灯とによる大当りの予告演出が実行される。
ここで、第4輝度レベルが設定されている場合には、
図20(A)に示すように、第3演出動作パターンに従って、第一演出可動役物41と第三演出可動役物43とを夫々の退避位置から進出位置へ位置変換作動させる。さらに、こうした演出可動役物41,42の作動に伴って、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを、第4輝度レベルにより発光させる。こうした大当りの予告演出が実行された後に、特別演出図柄121a~121cが所定の大当り図柄態様(組み合わせ)で停止表示されて、大当りが確定する。尚、進出位置に位置変換した第一演出可動役物41と第三演出可動役物43は、該進出位置で所定時間留まった後に、退避位置へ戻る。
一方、第2輝度レベルが設定されている場合には、
図20(B)に示すように、第一演出動作パターンに従って、第一演出可動役物41を退避位置から進出位置へ位置変換作動させると共に、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを、第2輝度レベルにより発光させる。こうした大当りの予告演出後に、大当りが確定する。
【0120】
同様に、第5輝度レベル設定されている場合には、
図4に示すように、第4演出動作パターンに従って、第一~第三演出可動役物41~43を夫々進出位置へ位置変換作動すると共に、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを、第5輝度レベルにより発光させる。また、第0輝度レベルが設定されている場合には、第一~第三演出可動役物41~43を夫々の退避位置で保持する(
図2参照)と共に、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを発光させない。
【0121】
[デモ演出]
本実施例のデモ演出は、
図24(b)に示すように、遊技者が輝度レベル、音量レベルをいずれの設定にしていても輝度は第5輝度レベル、音量は第0音量レベルで実行される。そのため、デモ演出開始時は輝度レベル図柄161と音量レベル図柄162を表示して、遊技者にレベル設定内容を視認できるようにする。これにより、遊技していた遊技者の好みに合わせたレベルが設定されていても、常に同一の音量、輝度でデモ演出を実行することができる。
デモ演出は、遊技していないお客にアピールするために行うものであり、遊技機の前に座っているお客以外にも目に留まるようにする必要がある。そのため、輝度レベルを最大の5にして、遠くにいても気付きやすくする。
逆に音量を最大にすると、デモ演出を実行している遊技機の隣で遊技している遊技者などは、自分が遊技している遊技機の演出音が聞き取りづらくなったり、単純に騒音レベルが高くなったり不快感が増大するおそれがある。そのため、音量レベルを最小の0にすることにより周囲の遊技客の遊技を阻害することなく好適にアピールすることができる。
【0122】
前記したデモ演出の開始処理を
図25のフローチャートを用いて説明する。
待機状態になると(S1100:yes)、待機状態が維持されている時間の計時を開始し、所定時間経過しても遊技がされない場合(S1105:yes)は、現在設定されている輝度レベル、音量レベルの値を記憶し(S1110)、音量レベルを0に設定(S1115)、輝度レベルを5に設定(S1120)する。その上でデモ演出を実行する(S1125)。
待機状態ではなく(S1100:no)、待機状態が維持されている時間が所定時間に達していない場合は(S1105:no)はリターンに抜ける。
【0123】
デモ演出が終了すると開始されるデモ演出の終了処理を
図26のフローチャートを用いて説明する。デモ演出が終了すると(S1150:yes)、S1110で記憶していた輝度レベル、音量レベルに再設定し(S1155)、待機状態に移行する。
待機状態に移行すると、再び待機状態が維持されている時間の計時を開始する(S1160)。
なお、デモ演出が終了せず実施中は(S1150:no)そのままリターンに抜ける。
このようにすることにより、待機状態が続く限り、定期的に何度でもデモ演出が行われる仕様となる。
【0124】
なお、待機状態が継続されている時間は、デモ演出が実施されると計時をクリアする構成で説明したが、クリアすることなくデモ演出が実施されても計時を継続してデモ演出の実行タイミングを管理する構成でも良い。デモ演出に係る時間は予め定まっているため、デモ演出に係る時間を考慮して実行タイミングを定めておけばよい。この構成ならば、デモ演出として第1デモ演出、第2デモ演出など、複数のデモ演出を順番に実施したい場合などに有効となる。
無論、デモ演出を実施したらクリアする構成でも、どのデモ演出を実施したかを記憶しておき、実行タイミングが来たら次のデモ演出を選択するといった構成でもよい。
【0125】
次に実施例1の特徴を説明する。
実施例1のパチンコ機1は、前述したように、待機状態が所定時間継続するとデモ演出を実行するが、その際に直前まで遊技していた遊技者が設定した輝度レベル、音量レベルの設定情報を記憶し、その上で輝度レベルを最大、音量レベルを最小に設定し、デモ演出を実行する。
また、デモ演出を終了した際は、記憶していた直前まで遊技していた遊技者が設定した輝度レベル、音量レベルに復帰させる。
したがって、本実施例の構成によれば、デモ演出は輝度レベルが最大になるため遠くのお客の目にも留まりやすく、且つ、音量レベルが最小になるためデモ演出を実施する遊技機の周囲のお客の印象を悪くするような大音量を避けてデモ演出を実施することができ、好適にアピール力を発揮することができる。
なお、遠くのお客の目に留まりやすくするために輝度レベルを最大としたが、効果を奏するならば最大レベルである必要はなく任意のレベルでよい。
また、周囲のお客の邪魔にならないように音量レベルを最小としたが、邪魔にならないという効果を奏するならば最小レベルである必要はなく、こちらも任意のレベルでよい。なお、最小レベルが無音となる構成でもよいし、最小で音が出力される構成でもよい。
実施例1の構成がデモ演出実施直前の輝度レベル、音量レベル設定を記憶し、デモ演出実施後に記憶したレベル設定に復帰させる構成だったが、実施例2の構成は、デモ演出実施直前の輝度レベル、音量レベルがいずれの設定内容だったとしても、デモ演出実施後はデフォルト(初期設定)のレベルに設定させるものとなる。
なお、実施例2でも待機状態が継続されている時間はデモ演出が実施されると計時をクリアする構成で説明したが、クリアすることなくデモ演出が実施されても計時を継続してデモ演出の実行タイミングを管理する構成でも良い。デモ演出に係る時間は予め定まっているため、デモ演出に係る時間を考慮して実行タイミングを定めておけばよい。この構成ならば、デモ演出として第1デモ演出、第2デモ演出など、複数のデモ演出を順番に実施したい場合などに有効となる。
無論、デモ演出を実施したらクリアする構成でも、どのデモ演出を実施したかを記憶しておき、実行タイミングが来たら次のデモ演出を選択するといった構成でもよい。
その他の実施例の構成は、遊技者により演出モードを設定変更可能とし、設定された演出モードに割り当てられた輝度レベルと演出動作パターンとに従って、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを発光制御すると共に第一~第三演出可動役物41~43を作動制御することにより、大当りの予告演出を行う。すなわち、本構成では、遊技者に、演出モードを介して輝度レベルを間接的に選択させ、演出モード(輝度レベル)に応じた演出動作パターンにより演出可動役物41~43を動作させる。
以下では、実施例1と相違する点を中心に説明する。そして、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を適宜省略する。
尚、その他の実施例にあって、第1輝度レベルは最も低い輝度であり、前述の実施例1の第1輝度レベルに相当する。第3輝度レベルは最も高い輝度であり、前述の実施例1の第5輝度レベルに相当する。第2輝度レベルは、第1輝度レベルと第3輝度レベルとの中間であり、前述の実施例1の第3輝度レベルに相当する。
また、第1演出動作パターンは、第一演出可動役物41を進出位置へ位置変換させた後に退避位置へ戻るパターンであり、前述の実施例1の第1演出動作パターンと同じである。第二演出動作パターンは、第一演出可動役物41と第三演出可動役物43とを夫々の進出位置へ位置変換させた後に退避位置へ戻るパターンであり、実施例1の第3演出動作パターンと同じである。第3演出動作パターンは、第一~第三演出可動役物41~43を夫々の進出位置へ位置変換させた後に退避位置へ戻るパターンであり、実施例1の第4演出動作パターンに相当する。
このように各演出モードに輝度レベルと演出動作パターンとが夫々割り当てられていることから、遊技者の操作により演出モードが設定されると、設定された演出モードに割り当てられた輝度レベルに従って、演出点灯具31~34および役物点灯具47~49の各LEDを発光制御すると共に、該演出モードに割り当てられた演出動作パターンに従って、第一~第三演出可動役物41~43を作動制御する。
具体的には、派手演出モードが設定された場合には、第3輝度レベルに従って前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させると共に、第3演出動作パターンに従って第一~第三演出可動役物41~43を動作させる。
シンプル演出モードが設定された場合には、第2輝度レベルに従って前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させると共に、第2演出動作パターンに従って第一,第三演出可動役物41,43を動作させる。
控えめ演出モードが設定された場合には、第1輝度レベルに従って前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させると共に、第1演出動作パターンに従って第一演出可動役物41~43を動作させる。
演出OFFモードが設定された場合には、第0輝度レベルと非動作パターンとが選択されることから、前記点灯具31~34,47~49の各LEDを発光させず、第一~第三演出可動役物41~43を動作させない。
ここで、前記した四種類の演出モードは、特別図柄の変動中における演出や大当り遊技中における演出を制御するものであり、これら演出が各演出モードに応じて変わる。すなわち、各演出モードで、前記演出のBGM、演出図柄表示装置6で表示される演出画像の表示内容(キャラクタ、背景など)、および予告の内容等が相互に異なるように設定されている。例えば、前記派手演出モードでは、BGMが比較的激しい音楽である一方、控えめ演出モードでは、BGMがゆったりとした音楽である。
このように各演出モードには、輝度レベルが上がるにつれて、各演出可動役物41~43の動作によるインパクトが大きくなるように、各輝度レベルと各演出動作パターンとが組み合わされて夫々割り当てられている。すなわち、演出OFFモードには、輝度の最も低い第0輝度レベルと非動作パターンとが割り当てられ、控えめ演出モードには、輝度の低い第1輝度レベルと第一演出可動役物41のみを動作させる第1演出動作パターンとが割り当てられている。そして、派手演出モードには、輝度の最も高い第3輝度レベルと、全ての演出可動役物41~43を動作させる第3演出動作パターンとが割り当てられ、シンプル演出モードには、中間の第2輝度レベルと第2演出動作パターンとが割り当てられている。
また、輝度レベルに応じて変更される演出動作パターンの数についても、適宜変更して設定することができる。例えば、実施例1では、輝度レベルの段階数よりも少ない個数の演出動作パターンを設定したが、輝度レベルと同数の演出動作パターンを定めた構成としても良いし、逆に輝度レベルよりも多い個数の演出動作パターンを設定して、特定の輝度レベルの場合には、複数の演出動作パターンのなかから選択的に実行する構成とすることも可能である。
また、演出動作パターンとして、演出可動役物を動作させる一の演出動作パターンと非動作パターンとの二種類のみを備えた構成とすることもできる。この構成では、例えば、第0輝度レベルの場合に非動作パターンを選択し、該第0輝度レベルを除く他の輝度レベルの場合に前記演出動作パターンを選択する構成とできる。さらには、第0輝度レベルと低い輝度の輝度レベル(例えば、実施例1における第1輝度レベルなど)との場合に非動作パターンを選択し、この他の輝度レベルの場合に前記演出動作パターンを選択する構成としても良い。
また、各実施例では、点灯具31~34,47~49のLEDを発光しない第0輝度レベルを選択可能としたが、これに限らず、該第0輝度レベルを備えない(選択不能)とする構成としても良い。同様に、演出動作パターンにあっても、演出可動役物41~43を動作しない非動作パターンを備えない(選択不能)とすることも可能である。
尚ここで、第0輝度レベルを備えない構成にあっては、例えば、輝度の最も低い輝度レベル(例えば、第1輝度レベル)が選択された場合に、演出可動役物41~43を動作しない(非動作パターン)ように制御する構成とできる。また、非動作パターンを備えない構成にあっては、例えば、第0輝度レベルが選択された場合に、第1演出動作パターンに従って演出可動役物41~43を作動制御する構成とできる。
また、各実施例では、予め定められた複数段階の輝度レベルから一の輝度レベルを選択することにより輝度を変更可能とする構成であるが、これに限らず、輝度をアナログ的(実質的に無段階)に変更可能とすることもできる。この場合には、輝度の変更可能な範囲(調整可能範囲)を複数に区分けして、各区分けした輝度に、相互に異なる演出動作パターンを割り当てることにより、輝度に応じて演出動作役物を動作させる構成とすることが好適である。
また、各実施例では、十字ボタン68の操作により輝度レベルを変更可能とした構成であるが、これに限らず、様々な操作手段を適用することが可能である。例えば、ジョグダイヤル、複数のボタン、回動操作できる摘まみ、上下動できるレバー等により輝度レベルを操作するようにしても良い。
さらに、各実施例では、演出図柄表示装置6で輝度レベルを表示したが、これに限らず、例えば、前記ジョグダイヤルや摘まみの回転位置によって輝度レベルを変更する構成とすることもできる。
また、各実施例では、演出点灯具31~34と役物点灯具47~49との各LEDの輝度を変更可能としたが、これに限らず、輝度を変更可能なLEDやランプは適宜変更して設定可能である。例えば、機台に備えた全てのLEDやランプを、遊技者が変更可能とする構成としても良いし、演出可動役物に配設したLEDやランプ(実施例の役物点灯具47~49に相当)のみを、輝度変更可能とする構成としても良い。又は、遊技盤に備えたLEDのみ、遊技盤を除く他のLEDのみを、輝度変更可能としても良い。
さらに、各実施例にあって、演出可動役物の動作に応じて各LEDの発光パターンが設定された構成とし、各発光パターンで発光するLEDの輝度レベルを変更させるようにしても良い。例えば、第1輝度レベルの場合には、第1演出動作パターンに従って動作する第一演出可動役物41の近傍に配設された演出点灯具31と役物点灯具47との各LEDを第1輝度レベルの輝度で発光し、他の演出点灯具32~34と役物点灯具48,49とを発光しない発光パターンを選択する構成とする。同様に、第3輝度レベルの場合には、第2演出動作パターンに従って動作させる第一演出可動役物41と第二演出可動役物42との近傍の、演出点灯具31,32と役物点灯具47,48との各LEDを第3輝度レベルの輝度で発光し、他の演出点灯具33,34と役物点灯具49とを発光しない発光パターンを選択する構成とする。このように予め定められた発光パターンに従って発光するLEDの輝度レベルを変更させる構成とすることにより、輝度と演出可動役物の動作とのバランスを一層高めることができ、さらに高い演出効果を発揮できる。
また、各実施例は、輝度レベルに応じて動作させる演出可動役物41~43を変える(動作させる個数を変える)ようにした構成であるが、これに限らず、輝度レベルに応じた演出可動役物の動作態様は様々に設定変更可能である。例えば、各実施例と異なる複数の演出可動役物を備え、これら演出可動役物の組み合わせを変えて動作させる演出動作パターンが輝度レベルに応じて選択される構成とすることができる。又は、同一の演出可動役物の演出動作パターンが、輝度に応じて変わるようにした構成とすることもできる。後者の具体例としては、一個の演出可動役物を備え、相互に異なる進出位置に移動させる複数の演出動作パターンのなかから、輝度に応じて一の演出動作パターンを選択して、該演出可動役物を作動制御する構成とすることができる。ここで、輝度に応じて選択される演出動作パターンとしては、この他に、相互に異なる移動速度で動作させる演出動作パターン、異なる移動範囲で動作させる演出動作パターン、異なる動作回数で動作させる演出動作パターン等を定めることができる。また、複数の演出可動役物を備えた構成にあっても、同様に、各演出可動役物が複数の演出動作パターンにより夫々動作するものとし、輝度に応じた演出動作パターンにより各演出可動役物を作動制御する構成とすることもできる。
また、各実施例は、輝度レベルに応じた演出可動役物41~43の動作を、大当りの予告演出として実行するようにしたが、これに限らず、演出可動役物41~43の動作を様々な演出として用いることが可能である。例えば、輝度に応じた演出可動役物41~43の動作を、リーチ演出として実行するようにしても良いし、大当り遊技中の演出、特別図柄の変動開始演出、確変遊技状態での演出などとしても良い。さらには、大当り以外の予告演出(例えば、大当り遊技のラウンド数、確変遊技状態へ移行するか否か、小当りか否か等の予告演出)として、演出可動役物41~43を動作させるようにしても良い。また、先読み判定手段(始動口に遊技球が入球すると、取得した乱数値を当否判定する前に判定を行う手段であり、この判定結果を用いて、対象となる乱数値による図柄変動演出よりも前から先読み演出を行うことが可能となる)を備える遊技機の場合には、先読み演出として演出可動役物41~43を動作させても良い。
また、各実施例は、輝度レベルに応じて演出可動役物41~43を動作させるものであり、演出図柄表示装置6で表示する演出が輝度レベルの変更に伴って変化しない構成としたが、これに限らず、輝度レベルに応じて、演出可動役物の動作と、演出図柄表示装置6で表示する演出とが変化する構成とすることも可能である。同様に、輝度レベルに応じて、スピーカから発する音声の発生態様(音声の種類、音の強弱など)が変化する構成とすることもできる。このようにすれば、音、輝度、および演出表示内容を総合的に調整することができるため、遊技者に多様な遊技間隔を提供することができる。
また、この他の構成として、例えば、遊技の様々な演出内容を遊技者がカスタマイズできる構成であって、該カスタマイズ可能な項目として輝度レベルが設定され、該輝度レベルの変更に応じた演出動作パターンにより演出可動役物を作動させるようにしても良い。ここで、遊技者により変更可能なカスタマイズとしては、BGM、演出画像の表示内容、予告の出現率などの変更可能な項目を個別に設定変更できるものである。このカスタマイズの項目として、輝度レベルの設定変更を定めた構成とする。又は、カスタマイズの項目として、演出可動役物の演出動作パターンの設定変更を定め、該演出動作パターンに応じた輝度レベルが選択される構成としても良い。この構成にあっても、輝度レベルに応じて演出可動役物を動作させることとなるため、該輝度レベルを設定変更可能な構成と実質的に同じと言える。こうしたカスタマイズ可能な構成によれば、その他の実施例の演出モードと異なり、同じ演出モードでもカスタマイズの設定内容によって異なる輝度や異なる動作(演出可動役物の動作)とすることが可能となるため、遊技者の意に沿った演出を実行することができる。
また、各実施例は、非遊技中に輝度レベル(および演出動作パターン)を設定変更可能をしたものであるが、これに限らず、遊技中に設定変更可能な構成とすることもできる。このように遊技中に設定変更可能とする構成では、該設定変更後に開始される特別図柄の変動から、該設定された輝度レベルと演出動作パターンとを有効とする構成が好ましい。具体的には、特別図柄の変動中に前記設定変更されると、当該特別図柄の変動終了後に、設定された輝度レベルと演出動作パターンとを有効とする。また、輝度レベルについては特別図柄の変動中に変更し、演出動作パターンは次の特別図柄の変動開始時に変更する構成も考えられる。輝度レベルだけならば変動中に変更することは容易であるが、演出動作パターンを変動中に変更させるのは制御が複雑になる虞があることから、輝度レベルは設定変更操作とともに変化させることにより遊技者に設定変更操作が有効に行なわれたことを報せるとともに、演出変動パターンは次の特別図柄の変動開始時に有効にすることにより制御処理を複雑にすることなく遊技者の意に沿った輝度レベルに即座に変更することができるようになる。又は、次の特別図柄の変動開始時に、設定された輝度レベルと演出動作パターンとを有効とする。こうした制御を行うことにより、遊技中に輝度レベルと演出動作パターンとを変更する制御処理が複雑化することを抑制でき、さらに、進行中の特別図柄の変動を中断させること無く、輝度レベルと演出動作パターンとを変更できる。
また、各実施例は、パチンコ遊技機に、本発明の構成を適用したものであるが、これに限らず、スロットマシンに本発明の構成を適用することも可能である。スロットマシンに適用した場合にあっても、各実施例と同様の作用効果を奏し得る。