(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163544
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241115BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079262
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】522430109
【氏名又は名称】株式会社on call
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】符 毅欣
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】任意の地域において、医療従事者が不足している状況の改善を図ることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、患者から往診の依頼があった際に入力される患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に許可情報を入力した医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に患者情報に対応する患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、
前記患者から往診の依頼があった際に入力される前記患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、
該患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記許可情報を入力した前記医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、
該医療従事者検出処理で検出した前記医療従事者の端末装置に前記患者情報に対応する前記患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、
を実行する情報処理システム。
【請求項2】
前記医療従事者検出処理は、
前記患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記患者が存在する場所から任意の距離範囲に存在する前記医療従事者を該医療従事者の前記端末装置が存在する位置に関する位置情報に基づいて検出する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記患者が存在する場所と前記位置情報とに基づいて前記患者が存在する場所に前記医療従事者が赴くまでに要する時間を算出する時間算出処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記確認情報送信処理に先立って、医療従事者検出処理で検出した前記医療従事者の前記端末装置に前記往診依頼通知を送信する往診依頼通知送信処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記患者の診療記録を診療記録情報として受け付ける診療記録情報受付処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記医療従事者の専門性に関する専門性情報を記憶する記憶部を備え、
前記医療従事者検出処理は、
前記患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記患者の症状に適合する前記専門性を有する前記医療従事者を前記専門性情報に基づいて検出する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記医療従事者が対応可能な手技に関する手技情報を記憶する記憶部を備え、
前記医療従事者検出処理は、
前記患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記患者の症状に適合する前記手技の実施が可能な前記医療従事者を前記手技情報に基づいて検出する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリを備える情報処理装置であって、
医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、
前記患者から往診の依頼があった際に入力される前記患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、
該患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記許可情報を入力した前記医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、
該医療従事者検出処理で検出した前記医療従事者の端末装置に前記患者情報に対応する前記患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、
を実行する情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータによって実装される情報処理装置に、
医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許否情報受付処理と、
前記患者から往診の依頼があった際に入力される前記患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、
該患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記許可情報を入力した前記医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、
該医療従事者検出処理で検出した前記医療従事者の端末装置に前記患者情報に対応する前記患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、
医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、
前記患者から往診の依頼があった際に入力される前記患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、
該患者情報受付処理で前記患者情報を受け付けた際に前記許可情報を入力した前記医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、
該医療従事者検出処理で検出した前記医療従事者の端末装置に前記患者情報に対応する前記患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法、特に、任意の医療従事者を検出する情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体の任意の部位に疾患が発生した場合には、その部位を専門とする医師等の医療従事者に診断してもらうことになるところ、その部位を専門とする医療従事者の中から更に、自らの症状や治療方針等に関する要望に適合する医療従事者を検索することは、一般的には困難である。
【0003】
特許文献1には、患者であるユーザの端末と医療従事者である提供者の端末とがサーバを介して接続され、端末を介して入力されたユーザの要望に応じた提供者を検索することを目的とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、任意の地域における保健、医療及び福祉の連携のなかで医療を行うことと一般的に規定される地域医療においては、医療従事者が不足しているという実情がある。
【0006】
特に、高齢化社会の到来により在宅医療の要望が増加することが見込まれるところ、医療従事者も高齢化している一方で若手の医療従事者が都市部の医療機関に集中する傾向があること、あるいは労働時間の大半が移動時間に占有されてしまうこと等といった要因から、在宅医療に対応することができる医療従事者の数が減少することが想定される。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、任意の地域において、医療従事者が不足している状況の改善を図ることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムは、医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、患者から往診の依頼があった際に入力される患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に許可情報を入力した医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に患者情報に対応する患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、を実行するものである。
【0009】
これによれば、患者の患者情報を受け付けた際に、許可情報を入力した医療従事者を検出して、患者を往診することが可能であるか否かの確認情報を送信することから、医療従事者の空き時間を有効に活用しながら患者の往診対応を行うことができる。
【0010】
したがって、任意の地域において医療従事者の数が不足している状況である場合、特に、在宅医療の要望があるような地域においては、医療従事者が不足している状況の改善を図ることができる。
【0011】
この情報処理システムで実行する医療従事者検出処理は、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に患者が存在する場所から任意の距離範囲に存在する医療従事者を医療従事者の端末装置が存在する位置に関する位置情報に基づいて検出するものである。
【0012】
この情報処理システムは、患者が存在する場所と位置情報とに基づいて患者が存在する場所に医療従事者が赴くまでに要する時間を算出する時間算出処理を実行するものである。
【0013】
この情報処理システムは、確認情報送信処理に先立って、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に往診依頼通知を送信する往診依頼通知送信処理を実行するものである。
【0014】
さらに、この情報処理システムは、患者の診療記録を診療記録情報として受け付ける診療記録情報受付処理を実行するものである。
【0015】
この情報処理システムは、医療従事者の専門性に関する専門性情報を記憶する記憶部を備え、医療従事者検出処理は、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に患者の症状に適合する専門性を有する医療従事者を専門性情報に基づいて検出するものであってもよい。
【0016】
さらに、この情報処理システムは、医療従事者が対応可能な手技に関する手技情報を記憶する記憶部を備え、医療従事者検出処理は、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に患者の症状に適合する手技の実施が可能な医療従事者を手技情報に基づいて検出するものであってもよい。
【0017】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理装置は、プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリを備える情報処理装置であって、医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、患者から往診の依頼があった際に入力される患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に許可情報を入力した医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に患者情報に対応する患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、を実行するものである。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、コンピュータによって実装される情報処理装置に、医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、患者から往診の依頼があった際に入力される患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に許可情報を入力した医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に患者情報に対応する患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、を実行させるものである。
【0019】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、医療従事者の端末装置を介して入力される、患者の往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報を受け付ける許可情報受付処理と、患者から往診の依頼があった際に入力される患者の属性に関する患者情報の入力を受け付ける患者情報受付処理と、患者情報受付処理で患者情報を受け付けた際に許可情報を入力した医療従事者を検出する医療従事者検出処理と、医療従事者検出処理で検出した医療従事者の端末装置に患者情報に対応する患者を往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を送信する確認情報送信処理と、を実行するものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、医療従事者が不足している状況の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置及びクリニック端末を実装するコンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される医療従事者情報の概略を説明する図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される患者情報の概略を説明する図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで実行される許可情報受付処理の概略を説明する図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで実行される医療従事者検出処理の概略を説明する図である。
【
図8】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの医療従事者端末の画面インターフェースの一例を示す図である。
【
図9】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの医療従事者端末の構成の概略を説明する図である。
【
図10】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの医療従事者端末に格納されるアプリケーションの機能の概略を説明する図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、
図1~
図11に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、情報処理装置20、クリニック端末30及び端末装置である複数の医療従事者端末40を主要構成として備え、情報処理装置20とクリニック端末30及び情報処理装置20と医療従事者端末40とがそれぞれインターネット網等のネットワークを介して接続される。
【0024】
本実施の形態では、情報処理装置20は、情報処理システム10を用いたサービスを提供する事業者1に管理され、クリニック端末30は、サービスを利用する医療事業者であって患者2aから往診依頼を受けるクリニック2に配備され、医療従事者端末40は、サービスを利用する複数の医療従事者3(典型的には医師が想定される。)にそれぞれ保有される。
【0025】
情報処理システム10を用いたサービスは、本実施の形態では、クリニック2に患者2aから往診依頼があった際に任意の医療従事者3を検出して、検出した医療従事者3が往診可能である場合に、医療従事者3を往診対応に充てるサービスである。
【0026】
次に、情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0027】
情報処理装置20及びクリニック端末30は、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0028】
図2は、コンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【0029】
図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0030】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0031】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、次述するメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0032】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置によって実装される。
【0033】
このメモリ102は、プロセッサ21の作業領域として使用される一方、情報処理装置20の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0034】
ストレージ103には、アプリケーションプログラム等による各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0035】
送受信部104は、コンピュータをネットワークに接続する。この送受信部104は、Wi-Fi等の無線通信規格に対応するものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0036】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0037】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0038】
図3は、情報処理システム10の情報処理装置20の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、第1記憶部21、第2記憶部22、第3記憶部23、許可情報受付部24a、患者情報受付部24b、診療記録情報受付部24c、位置情報受付部24d、医療従事者検出部24e、時間算出部24f、往診依頼通知送信部24g、確認情報送信部24h、応答受付部24i及びURL送信部24jを備える。
【0039】
第1記憶部21、第2記憶部22及び第3記憶部23は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。
【0040】
本実施の形態では、第1記憶部21には医療従事者情報D1が記憶され、第2記憶部22には患者情報D2が記憶され、第3記憶部23には診療記録情報D3が記憶される。
【0041】
図4は、医療従事者情報D1の構成の概略を説明する図である。図示のように、医療従事者情報D1は、本実施の形態では、氏名情報、所属情報、専門性情報、手技情報等といった医療従事者3の属性に関する種々の情報によって構成される。
【0042】
氏名情報は、医療従事者3の氏名に関する情報であり、所属情報は、医療従事者3が所属する医療機関等に関する情報であり、専門性情報は、医療従事者3が専門とする医療分野(例えば泌尿器科学等)に関する情報であり、手技情報は、医療従事者が得手とする手技(例えば採血、中心静脈穿刺、気管挿管等といった侵襲的な処置)に関する情報である。
【0043】
図5は、患者情報D2の構成の概略を説明する図である。患者情報D2は、患者2aから往診の依頼があった際に入力される情報であって、図示のように、本実施の形態では、氏名情報、年齢情報、性別情報、住所情報、症状情報等といった患者2aの属性に関する種々の情報によって構成される。
【0044】
氏名情報は、患者2aの氏名に関する情報であり、年齢情報は、患者2aの年齢に関する情報であり、性別情報は、患者2aの性別に関する情報であり、住所情報は、患者2aの住所に関する情報であり、症状情報は、患者2aの症状(例えば発熱、めまい等)に関する情報である。
【0045】
図3で示す診療記録情報D3は、本実施の形態では、医療従事者3が患者2aを診療した際の診療記録に関する情報である。
【0046】
許可情報受付部24a、患者情報受付部24b、診療記録情報受付部24c、位置情報受付部24d、医療従事者検出部24e、時間算出部24f、往診依頼通知送信部24g、確認情報送信部24h、応答受付部24i及びURL送信部24jは、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現される。
【0047】
許可情報受付部24aは、本実施の形態では、医療従事者端末40を介して医療従事者3に入力される、患者2aの往診に関する往診依頼通知を受け取ることを許可する許可情報の入力を受け付ける処理を実行するものである(許可情報受付処理)。
【0048】
許可情報受付処理は、本実施の形態では、例えば
図6で一例を示すような医療従事者端末40に表示される画面インターフェースIF1において、「往診依頼通知を受け取りますか」といった表示のもとで表示される「ON」と「OFF」とが切り替え可能なアイコンを「ON」にすることによって、許可情報の入力を受け付ける処理を実行する。
【0049】
本実施の形態では、医療従事者3が許可情報を入力する場合としては、医療従事者3の例えば休日等といった業務外の時間であって他に予定のない医療従事者3の空き時間がある場合等が想定される。
【0050】
さらに、許可情報受付部24aは、本実施の形態では、許可情報の入力を受け付けるとフラグ情報を作成し、作成したフラグ情報を、許可情報を入力した医療従事者3に対応する医療従事者情報D1に関連づける処理を実行する。
【0051】
患者情報受付部24bは、本実施の形態では、事業者1によって入力される患者情報D2を受け付けて、受け付けた患者情報D2をそれぞれ案件として管理する処理を実行する(患者情報受付処理)。
【0052】
案件管理は、例えば、受け付けた患者情報D2の順番ごとに案件番号を付与する処理、予め設定された基準に基づいて事業者における担当者を割り当てる処理等によって実現される。
【0053】
診療記録情報受付部24cは、本実施の形態では、医療従事者端末40を介して医療従事者3に入力される診療記録情報D3を受け付ける処理を実行するものである(診療記録情報受付処理)。
【0054】
位置情報受付部24dは、本実施の形態では、医療従事者端末40から送信される、医療従事者3の医療従事者端末40が存在する位置に関する位置情報を受け付ける処理を実行するものである。
【0055】
医療従事者検出部24eは、患者情報受付処理で患者情報D2を受け付けた際に、許可情報を入力した医療従事者3を検出する処理を実行するものである(医療従事者検出処理)。
【0056】
具体的には、医療従事者3による許可情報の入力によって作成されたフラグ情報が関連づけられた医療従事者情報D1に対応する医療従事者3を、フラグ情報に基づいて検出する処理を実行する。
【0057】
さらに、医療従事者検出部24eは、患者情報受付処理で患者情報D2を受け付けた際に、位置情報受付部24dで受け付けた位置情報に基づいて、患者2aが存在する場所から任意の距離範囲(例えば半径5km以内)に存在する医療従事者3を検出する処理を実行するものである(医療従事者検出処理)。
【0058】
本実施の形態では、患者情報受付処理で患者情報D2を受け付けた際に、許可情報を入力した医療従事者3であって、患者2aが存在する場所から任意の距離範囲に存在する医療従事者3を検出する。
【0059】
例えば、
図7で示すように、患者情報D2を受け付けた際に空き時間があって、患者情報D2に対応する患者2aが存在する場所Lから半径5km以内に存在する12名の医療従事者3を検出する。
【0060】
図3で示す時間算出部24fは、本実施の形態では、患者2aが存在する場所Lと位置情報によって把握される医療従事者3が存在する場所との間の距離及び予め設定された速度基準に基づいて、患者2aが存在する場所Lに医療従事者3が赴くまでに要する時間を算出する処理を実行するものである(時間算出処理)。
【0061】
往診依頼通知送信部24gは、本実施の形態では、医療従事者検出処理で検出した医療従事者3の医療従事者端末40に往診依頼通知を送信する処理を実行するものである(往診依頼通知送信処理)。
【0062】
この往診依頼通知は、医療従事者端末40において、例えば「あなたに往診依頼が届いています。至急ご確認ください。」といったようなメッセージとともに表示されることが想定される。
【0063】
この往診依頼通知送信処理では、医療従事者検出処理で検出した全ての医療従事者3に一斉に送信するようにしてもよいし、医療従事者検出処理で検出した医療従事者3の中から任意に選択した医療従事者3のみに送信するようにしてもよい。
【0064】
確認情報送信部24hは、本実施の形態では、患者情報D2に対応する患者2aを往診することが可能であるか否かの確認を求める確認情報を、医療従事者検出処理で検出した医療従事者3の医療従事者端末40に送信する処理を実行するものである(確認情報送信処理)。
【0065】
この確認情報は、本実施の形態では、医療従事者端末40に表示される往診依頼通知に対する任意の操作を行うことによって、医療従事者端末40に表示される。
【0066】
図8は、医療従事者端末40に確認情報が表示される場合の画面インターフェースの一例を示す図である。図示のように、確認情報送信処理は例えば、患者2aの症状、患者2aが存在する場所(自宅)までの所要時間や距離等といった患者2aの属性とともに、「キャンセルする」あるいは「往診へ向かう」の択一的な選択を求めるアイコンを画面インターフェースIF2に表示させることによって確認を求める確認情報を、医療従事者端末40に送信する。
【0067】
図3で示す応答受付部24iは、本実施の形態では、確認情報に対して医療従事者端末40を介して入力される医療従事者3の応答を受け付ける処理を実行するものである。
【0068】
本実施の形態では、
図8で示したように、「キャンセルする」のアイコンが押下されることによって「往診できない」旨の応答を受け付け、「往診へ向かう」のアイコンが押下されることによって「往診可能である」旨の応答を受け付ける。
【0069】
この応答受付部24iは、本実施の形態では、「往診可能である」旨の応答を受け付けると、それ以降は「往診可能である」旨の応答を受け付けないように処理する。
【0070】
URL送信部24jは、本実施の形態では、対象となる患者2aに往診することが決定した医療従事者3の医療従事者端末40に、案件として管理された患者情報D2の詳細にアクセス可能なURLを送信する処理を実行するものである。
【0071】
図1で示すクリニック端末30には、本実施の形態では、情報処理装置20にアクセス可能なアプリケーションあるいはウェブサイトを閲覧可能なブラウザが格納され、アプリケーションあるいはブラウザを介して、例えば患者情報D3を入力する、診療記録情報D4を閲覧する等の処理を実行することができる。
【0072】
医療従事者端末40は、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンで実装されるが、例えばタブレット型のコンピュータ、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータ等といった任意の情報処理端末によって実装されるものであってもよい。
【0073】
図9は、医療従事者端末40の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、医療従事者端末40は、制御部41、ディスプレイ42、センサ類43及び電波受信部44を主要構成として備える。
【0074】
制御部41は、本実施の形態では、ディスプレイ42、センサ類43あるいは電波受信部44等の医療従事者端末40の各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0075】
この制御部41には、本実施の形態では、情報処理装置20にアクセス可能な後述するアプリケーションが格納され、アプリケーションを介して、例えば患者情報D3を閲覧する、診療記録情報D4を入力する等の処理を実行することができる。
【0076】
ディスプレイ42には、本実施の形態では、
図6で示した画面インターフェースIF1及び
図8で示した画面インターフェースIF2を含め、医療従事者端末40で実行されるサービスの各種の画面インターフェース等が表示される。
【0077】
このディスプレイ42は、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるいわゆるタッチパネルであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0078】
本実施の形態では、このディスプレイ42を介して、サービスを実行するアプリケーションを操作する操作情報が入力される。この操作情報は、ディスプレイ42に対する医療従事者3の任意の動作(例えば画面をタップあるいはスワイプする動作や、画面に表示されるアイコン等をドラッグしてドロップする動作等)に基づいて入力される。
【0079】
センサ類43は、本実施の形態では、医療従事者端末40に入力される傾斜角度や加速度等を検知するジャイロセンサや加速度センサ等の各種のセンサによって構成される。
【0080】
電波受信部44は、本実施の形態では、例えばGPS衛星等といった人工衛星が発信する電波を受信するものである。
【0081】
これらセンサ類43で検知した傾斜角度等と電波受信部44で受信した電波とに基づいて、本実施の形態では、医療従事者端末40が存在する位置が測位されて位置情報として取得される。
【0082】
図10は、医療従事者端末40に格納されるアプリケーションの機能の概略を説明する図である。図示のように、アプリケーション50は、位置情報送信処理S1、許可情報送信処理S2、通知表示処理S3、確認情報表示処理S4、応答送信処理S5及びURL表示処理S6を実行するものである。
【0083】
位置情報送信処理S1は、本実施の形態では、医療従事者端末40の位置情報を情報処理装置に送信する処理を実行する。この位置情報送信処理S1は、位置情報を常時送信する、あるいはアプリケーション50が起動している際に送信するようにアプリケーション50で設定することができる。
【0084】
許可情報送信処理S2は、本実施の形態では、医療従事者3によって入力される許可情報を情報処理装置20に送信する処理を実行する。
【0085】
通知表示処理S3は、本実施の形態では、情報処理装置20から医療従事者端末40に確認情報が送信される際に、往診依頼通知を医療従事者端末40に表示する処理を実行する。
【0086】
確認情報表示処理S4は、本実施の形態では、医療従事者3による任意の操作情報の入力に応じて、確認情報を医療従事者端末40のディスプレイ42に表示する処理を実行する。
【0087】
応答送信処理S5は、本実施の形態では、確認情報に表示される、患者2aを往診することが可能であるか否かの確認のアイコンが押下されることによって入力される医療従事者3の応答を、情報処理装置20に送信する処理を実行する。
【0088】
URL表示処理S6は、本実施の形態では、医療従事者3による任意の操作情報の入力に応じて、情報処理装置20から医療従事者端末40に送信されたURLを医療従事者端末40のディスプレイ42に表示する処理を実行する。
【0089】
次に、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明する。
【0090】
図11は、情報処理システムの処理の概略を説明するフローチャートである。まず、事業者1が提供するサービスの利用開始に際して、医療従事者端末40を介して医療従事者3が医療従事者情報D1を入力すると、医療従事者情報D1が情報処理装置20の第1記憶部21に格納される。
【0091】
続いて、アプリケーション50の各種の設定の後、医療従事者3によってアプリケーション50が起動されると、情報処理装置20に記憶されたプログラムが実行される。
【0092】
プログラムの実行後、医療従事者端末40を介して医療従事者3が許可情報を入力すると、ステップS10において、情報処理装置20が許可情報を受け付ける処理を実行する(許可情報受付処理)。
【0093】
一方、クリニック2から患者2aの往診依頼の入電があった際、あるいはクリニック2からの転送で患者2aからの往診依頼の入電があった際に、事業者1が患者情報D2を入力すると、ステップS11において、患者情報D2を受け付ける処理を実行する(患者情報受付処理)。
【0094】
患者情報D2を受け付けた後、事業者1による情報処理装置20の任意の操作に応じて、ステップS12において、許可情報を入力した医療従事者3を検出する処理を実行する(医療従事者検出処理)。
【0095】
医療従事者3の検出に応じて、ステップS13において、患者2aが存在する場所Lに医療従事者3が赴くまでに要する時間を算出する処理を実行する(時間算出処理)。
【0096】
次に、ステップS14において、医療従事者検出処理で検出した医療従事者3の医療従事者端末40に往診依頼通知を送信する(往診依頼通知送信処理)。これにより、医療従事者端末40に往診依頼通知が表示される。
【0097】
医療従事者端末40のディスプレイ42に表示される往診依頼通知を、例えば医療従事者3がタップする等の任意の操作を行うと、ステップS15において、情報処理装置20が医療従事者端末40に確認情報を送信し(確認情報送信処理)、確認情報が医療従事者端末40のディスプレイ42に表示される。
【0098】
医療従事者端末40のディスプレイ42に表示された確認情報に対して、患者2aを往診することが可能であるか否かの応答として、
図8において一例として示した「キャンセルする」あるいは「往診へ向かう」の択一的な選択を求めるアイコンを医療従事者3が押下する。
【0099】
医療従事者3がいずれかのアイコンを押下して、アイコンに対応した応答が医療従事者端末40から情報処理装置20に送信されると、ステップS16において、情報処理装置20が応答を受け付ける。
【0100】
受け付けた応答が「往診へ向かう」に対応するものであって、かつ最先の応答であった場合、この応答を送信した医療従事者3を、対象となる患者2aに往診する医療従事者3であると決定し、ステップS17において、決定した医療従事者3の医療従事者端末40にURLを送信する。
【0101】
医療従事者3がURLを介して患者情報D2にアクセスして案件の詳細を確認した後、本実施の形態では、医療従事者3は事業者1の担当者と同道して、患者2aの存在する場所(自宅)に赴いて診療を行う。
【0102】
医療従事者3は、診療に応じて、医療従事者端末40を介して診療記録情報D3を入力する。一方、クリニック2は、医療従事者3が診療記録情報D3を入力している際に、クリニック端末30を介して情報処理装置20に実時間でアクセスすることによって、診療記録情報D3を閲覧することができる。
【0103】
このように、患者2aの患者情報D2を受け付けた際に、許可情報を入力した医療従事者3を検出して、患者2aを往診することが可能であるか否かの確認情報を送信することから、医療従事者の空き時間を有効に活用しながら患者2aの往診対応を行うことができる。
【0104】
したがって、任意の地域において医療従事者3の数が不足している状況である場合、特に、在宅医療の要望があるような地域においては、医療従事者3が不足している状況の改善を図ることができる。
【0105】
しかも、本実施の形態では、患者情報D2を受け付けた際に、許可情報を入力した医療従事者3であって、患者2aが存在する場所から任意の距離範囲に存在する医療従事者3を検出することから、医療従事者3が患者2aの自宅に赴く際の移動時間が削減されるとともに、迅速な往診対応を行うことが可能となる。
【0106】
ところで、例えば医療従事者3の数が不足している地域のクリニック2では、在宅医療の往診依頼があった際に、少ない数の医療従事者3で往診対応を行っているという実情があり、医療従事者3の身体的負担及び精神的負担が増大している。
【0107】
このような場合において、本実施の形態の情報処理システム10を用いることによって、患者情報D2を受け付けた際に、往診対応が可能な医療従事者3を患者2aの自宅に赴かせることができることから、任意の地域における医療従事者3の不足という深刻な状況が改善されるとともに、医療従事者3の過大な負担が軽減されることが期待される。
【0108】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0109】
上記実施の形態では、許可情報と位置情報とに基づいて医療従事者3を検出する場合を説明したが、患者情報D2、許可情報、位置情報及び医療従事者情報D1に含まれる専門性情報を照合して、患者2aの症状に適合する専門性を有する医療従事者3を検出するように構成してもよい。
【0110】
さらに、患者情報D2、許可情報、位置情報及び医療従事者情報D1に含まれる手技情報を照合して、患者2aの症状に適合する手技の実施が可能な医療従事者3を検出するように構成してもよい。
【0111】
上記実施の形態では、クリニック2からの入電あるいはクリニック2から転送された患者2aの入電に基づいて事業者1が患者情報D2を入力する場合を説明したが、患者2aからの往診依頼を受けたクリニック2が、クリニック端末30を介して患者情報D2を入力するものであってもよい。
【0112】
上記実施の形態では、応答受付部24iが「往診可能である」旨の応答を受け付けると、それ以降は「往診可能である」旨の応答を受け付けないように処理することを説明したが、この場合において、対象となる患者2aに往診することが決定した医療従事者3以外の他の医療従事者3の医療従事者端末40から往診依頼通知を消去するように構成してもよい。
【0113】
上記実施の形態では、情報処理装置20が事業者1に管理されるコンピュータで実装される場合を説明したが、情報処理装置20はクラウド環境で実装されるコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 事業者
2 クリニック
2a 患者
3 医療従事者
10 情報処理システム
20 情報処理装置
30 クリニック端末
40 医療従事者端末(端末装置)