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特開2024-163568食事支援装置および食事支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163568
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】食事支援装置および食事支援システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A47J27/00 109P
A47J27/00 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079306
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】竹内 史朗
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA31
4B055CA65
4B055CC17
4B055CD31
4B055GB31
4B055GD02
(57)【要約】
【課題】ユーザが食べ物を摂取しようとするタイミングで栄養学に基づく注意をユーザに促す食事支援装置および食事支援システムを得る。
【解決手段】食べ物を収容する貯蔵室または容器と、食べ物が貯蔵室または容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、検知手段によって食べ物が取り出されたことが検知されると、時刻判定手段によって判定された時刻および記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された食べ物に関するアドバイスをユーザに報知する報知手段と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食べ物を収容する貯蔵室または容器と、
前記食べ物が前記貯蔵室または前記容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、
前記食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、
1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記食べ物が取り出されたことが検知されると、前記時刻判定手段によって判定された時刻および前記記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された前記食べ物に関するアドバイスを前記ユーザに報知する報知手段と、
を有する食事支援装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、
前記1日当たりのエネルギー摂取量の情報について、摂取の仕方が体内時計に基づくモデルである栄養情報モデルを記憶する、
請求項1に記載の食事支援装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記アドバイスとして、
前記食べ物について摂取する量、前記食べ物を摂取するタイミング、前記食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動、および前記食べ物の替わりに摂取する食べ物のうち、少なくとも1つ以上のアドバイスを前記ユーザに報知する、
請求項1または2に記載の食事支援装置。
【請求項4】
前記ユーザが就寝する時刻の範囲である就寝時間帯の情報を取得する取得手段を有し、
前記報知手段は、
前記取得手段によって取得された前記就寝時間帯の情報を基に前記食べ物を摂取するタイミングまたは前記食べ物の替わりに摂取する食べ物に関するアドバイスを報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項5】
前記ユーザの行動予定を示すスケジュール情報を取得する情報処理手段を有し、
前記報知手段は、
前記情報処理手段によって取得された前記スケジュール情報を基に、前記アドバイスとして、前記食べ物を摂取するタイミングまたは前記食べ物の替わりに摂取する食べ物を報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項6】
複数のユーザのうち、前記食べ物を前記貯蔵室または前記容器から取り出すユーザの指定が入力される、または前記食べ物を前記貯蔵室または前記容器から取り出すユーザの身体的特徴の情報を取得する取得手段を有し、
前記指定または前記身体的特徴によって特定された前記ユーザに対して複数の前記アドバイスから選択されるアドバイスを報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項7】
前記報知手段は、
特定された前記ユーザに対して摂取すべきエネルギーに相当する食事量を報知し、前記摂取すべきエネルギーよりも前記ユーザが摂取するエネルギーが過剰である場合、前記食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動に関する前記アドバイスとして、過剰分のエネルギーを消費するために必要な運動の情報を報知する、
請求項6に記載の食事支援装置。
【請求項8】
前記報知手段は、
特定された前記ユーザに対して摂取すべきエネルギーに相当する食事量を報知し、前記摂取すべきエネルギーよりも前記ユーザが摂取するエネルギーが過剰または不足する場合、前記食べ物を摂取するタイミングに関する前記アドバイスとして、前記過剰または前記不足するエネルギーの分を前記ユーザの次の食事量で調整することを報知する、
請求項6に記載の食事支援装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記複数のユーザ毎に身体に関する情報であるユーザ情報を記憶し、
前記報知手段は、
特定された前記ユーザの前記ユーザ情報に基づいて摂取すべきエネルギーに相当する食事量の情報を、前記食べ物について摂取する量に関する前記アドバイスとして報知する、
請求項7に記載の食事支援装置。
【請求項10】
前記報知手段は、
報知しようとする前記アドバイスが過去に前記ユーザに報知したアドバイスと同じ場合、同じ前記アドバイスを報知しない、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項11】
前記報知手段は、
前記アドバイスとして、前記ユーザが摂取しようとするエネルギーを減らす、または前記ユーザが摂取したエネルギーを消費させる基本的な内容のアドバイスを報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項12】
前記報知手段は、
前記アドバイスとして、過去に前記ユーザに報知した前記アドバイスの内容よりも、前記ユーザが1日当たりに摂取するエネルギーの規制のレベルを上げるアドバイスを報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、予め決められた管理対象期間において前記ユーザが摂取するエネルギーを記憶し、
前記報知手段は、前記アドバイスとして、前記管理対象期間に前記ユーザが過剰に摂取した分のエネルギーを前記管理対象期間に減らすアドバイスを報知する、
請求項3に記載の食事支援装置。
【請求項14】
食べ物を収容する貯蔵室または容器を有する機器と、
前記食べ物が前記貯蔵室または前記容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、
前記食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、
1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記食べ物が取り出されたことが検知されると、前記時刻判定手段によって判定された時刻および前記記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された前記食べ物に関するアドバイスを前記ユーザに報知する報知手段と、
を有する食事支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザに情報を報知する食事支援装置および食事支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対して最適な食事に関する情報を提案する情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された情報処理装置は、ユーザのスケジュール情報を取得するスケジュール取得部と、ユーザの過去に摂取した食事に関する情報を取得する食事情報取得部と、ユーザの属性情報、スケジュール情報および過去に摂取した食事に関する情報に基づき、ユーザの食事に関する情報を生成する情報生成部と、ユーザの食事に関する情報を提案するレコメンド部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された情報処理装置によって提案された通りに、過不足なく食事を摂る生活は、摂取するエネルギーを厳しく管理するユーザでない限り、多くのユーザには難しいと予想される。そのため、多くのユーザは、情報処理装置から提案された通りに食事を摂ることを諦めてしまうと、栄養学に関する知識がないので、タイミングを考えずに食べ物を過剰に摂取してしまうおそれがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ユーザが食べ物を摂取しようとするタイミングで適切なエネルギー摂取量に基づく注意をユーザに促す食事支援装置および食事支援システムを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る食事支援装置は、食べ物を収容する貯蔵室または容器と、前記食べ物が前記貯蔵室または前記容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、前記食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、前記検知手段によって前記食べ物が取り出されたことが検知されると、前記時刻判定手段によって判定された時刻および前記記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された前記食べ物に関するアドバイスを前記ユーザに報知する報知手段と、を有するものである。
【0007】
本開示に係る食事支援システムは、食べ物を収容する貯蔵室または容器を有する機器と、前記食べ物が前記貯蔵室または前記容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、前記食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、前記検知手段によって前記食べ物が取り出されたことが検知されると、前記時刻判定手段によって判定された時刻および前記記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された前記食べ物に関するアドバイスを前記ユーザに報知する報知手段と、を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザが食べ物を貯蔵室または容器から取り出したとき、現在の時刻および1日当たりのエネルギー摂取量に基づいて、ユーザが摂取しようとしている食べ物に関するアドバイスがユーザに報知される。そのため、ユーザは、食べ物を食べようとしたときに、栄養学の知識がなくても、摂取するエネルギーおよびタイミングを考慮して食べ物を摂ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る炊飯器100の一構成例を示す断面模式図である。
図2】実施の形態1に係る炊飯器100において、入力手段2および表示手段3の一構成例を示す外観図である。
図3】実施の形態1に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
図4】実施の形態1に係る炊飯器100が炊飯機能を実行する際の動作手順の一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出す際の炊飯器100の動作手順を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出した際、表示手段3によって報知されるアドバイスの一例を示す図である。
図7】実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出した際、表示手段3によって報知されるアドバイスの別の例を示す図である。
図8】実施の形態2に係る炊飯器100において、入力手段2および表示手段3の一構成例を示す外観図である。
図9】実施の形態2に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
図10】実施の形態2に係る炊飯器100が炊飯機能を実行する際の動作手順の一例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出す際の炊飯器100の動作手順を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2に係る炊飯器100が炊飯を終了したときに、表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。
図13】ユーザの体重当たりの推定エネルギー必要量を示す表である。
図14】一般的な食事バランスガイドにおける、摂取エネルギーと主食の適切量との関係、および摂取エネルギーに対する適切な米飯量への換算値を示す図である。
図15】実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザAが米飯を容器1から取り出す際、表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。
図16】実施の形態2に係る炊飯器100において、図11に示すステップS38で表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。
図17】実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザAが夕飯時に2回目の米飯を容器1から取り出そうとしたときのアドバイスの一例を示す図である。
図18】実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザAが夕飯時に2回目の米飯を容器1から取り出そうとしたときのアドバイスの別の例を示す図である。
図19】変形例1に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
図20】変形例2に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
図21】実施の形態3に係る冷蔵庫60の外観の一例を示す正面図である。
図22図21に示した冷蔵室111について扉117および118を図に示すことを省略した状態の正面図である。
図23】実施の形態3に係る冷蔵庫60の一構成例を示すブロック図である。
図24】実施の形態4に係る食事支援システムの一構成例を示すブロック図である。
図25図24に示した食事支援システム40の各構成の具体例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、実施の形態を説明する。各図における同一の符号は、同一の構成または同一に相当する構成を示す。また、本開示では、重複する説明については、適宜、簡略化または省略する。本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下に説明する実施の形態によって開示される構成のあらゆる変形およびあらゆる組み合わせを含み得るものである。
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態1の食事支援装置について説明する。本実施の形態1は、食事支援装置が炊飯器の場合である。図1は、実施の形態1に係る炊飯器100の一構成例を示す断面模式図である。炊飯器100は、米および水を含む被加熱物を加熱することによって炊飯を行う加熱調理器である。本実施の形態1においては、米は玄米を含む。
【0012】
炊飯器100は、炊飯機能のみを有するものでもよいし、炊飯機能を有した上でその他の機能を有するものであってもよい。本開示に係る加熱調理器は、いわゆる「炊飯器」に限られるものではなく、少なくとも炊飯機能を有するものであればよい。本開示に係る加熱調理器は、米以外の食品を被加熱物として加熱調理する機能を有するものであってもよい。本実施の形態1においては、米および水を含む各種の食品の加熱調理を行うことができる炊飯器100を、本開示に係る加熱調理器の一例として説明する。
【0013】
図1を参照して、炊飯器100の全体構成を説明する。図1には、説明の便宜上、方向を定義する3つの軸を示している。X軸矢印方向を炊飯器100の前側とし、X軸矢印の反対方向を炊飯器100の後側とする。
【0014】
炊飯器100は、鍋状の容器1と、本体10と、蓋体20と、本体10と蓋体20とを接続するヒンジ部14とを有する。容器1は、上方に開口した鍋状の容器である。容器1は、被加熱物を収容する容器の一例である。容器1に収容される被加熱物は、主に米および水等の食品である。容器1は、「炊飯釜」と称される。容器1は、米に限らず、例えば、肉および野菜等の、米以外の食品を被加熱物として収容してもよい。
【0015】
本体10は、炊飯器100の主要構造部分である。本体10は、その外観が有底の筒状である。本体10は、図1に示すように、上方に開口した形状をしている。容器1は、この本体10に着脱自在に収容される。本体10は、本体10に収容された容器1を加熱する。容器1が本体10によって加熱されることで、容器1に収容された被加熱物が加熱調理される。炊飯器100は、米および水が収容された容器1を本体10で加熱することによって米飯を炊き上げる加熱調理器である。
【0016】
蓋体20は、ヒンジ部14を介して、開閉自在に本体10に取り付けられている。蓋体20は、本体10の上部の開口を開閉可能に構成されている。蓋体20は、本体10の上部の開口を開閉すると同時に、本体10に収容された容器1の上部の開口も開閉する。図1に示される状態において、蓋体20は、本体10の上部の開口を閉じると同時に、容器1の上部の開口を閉じている。また、蓋体20の開閉を検知する開閉センサ27が設けられている。開閉センサ27は、例えば、リードスイッチである。
【0017】
次に、図1に示した炊飯器100における容器1および本体10等の各構成を詳しく説明する。はじめに、容器1について説明する。容器1は、被加熱物を収容する有底の円筒形状の容器である。容器1は、例えば、電磁誘導によって発熱する磁性体の金属を含む。一例として、容器1の上端部は、フランジ状に形成されている。
【0018】
容器1には、炊飯条件毎に適した水位目盛りが印字(図示せず)されている。具体的には、後述する炊飯メニュー毎の目盛りとして、「ふつう」、「かため」および「やわらかめ」の3種類の場合で共用される炊飯合数毎の水位目盛りと、「おかゆ」用の目盛りとが印字されている。また、米の種類毎の目盛りとして、「白米」および「無洗米」で共用される目盛りと、「発芽玄米」用および「玄米」用のそれぞれの目盛りとが印字されている。
【0019】
次に、蓋体20について説明する。蓋体20は、外蓋21および内蓋22を有する。外蓋21は、蓋体20の上部および側部を構成している。例えば、外蓋21のヒンジ部14とは反対側の側面には、開ボタン(図示せず)が設けられている。この開ボタン(図示せず)が押されると、ばね等の力によって、ヒンジ部14を中心に蓋体20が開く。
【0020】
内蓋22は、例えば、ステンレス等の金属材料で構成される。内蓋22は、外蓋21の本体10側の面に、係止材23を介して取り付けられる。蓋体20が閉じられた状態において、内蓋22は、外蓋21よりも内側、すなわち被加熱物に近い側に位置する。
【0021】
内蓋22の周縁部には、シール材である蓋パッキン22aが取り付けられている。蓋パッキン22aは、蓋体20が閉じられたときに、容器1の上端部の内側の部分と密着して容器1内を外部から密閉する。なお、本開示における「容器1内」または「容器1の内部」とは、蓋体20が閉じられたときに容器1と内蓋22とで囲まれる領域のことを意味する。
【0022】
内蓋22には、内蓋蒸気口22bが形成されている。外蓋21には外蓋蒸気口26が形成されている。内蓋蒸気口22bおよび外蓋蒸気口26は、容器1内で発生した蒸気を炊飯器100の外部へ排出するための開口である。
【0023】
外蓋21には、カートリッジ24が着脱自在に取り付けられている。カートリッジ24には、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bが形成されている。内蓋蒸気口22b、外蓋蒸気口26、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bは、一続きになって、容器1の内部と外部とを連通している。カートリッジ24に形成された容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bは、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bと共に、容器1内で発生する蒸気を外部に排出するための蒸気口を構成している。
【0024】
外蓋21の内蓋22側には、内部温度センサ16が取り付けられている。内部温度センサ16は、内蓋22に形成された貫通孔内を通されるように配置されている。内部温度センサ16は、容器1の内部空間の温度すなわち容器1内の被加熱物の上方における温度を検出する。内部温度センサ16は、例えば、サーミスタ等の部材によって構成される。内部温度センサ16は、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と電気的に接続される。内部温度センサ16は、検出した、容器1内の温度の値を示す温度情報を、信号線(図示せず)を介してコントローラ18に送信する。
【0025】
次に、ヒンジ部14について説明する。ヒンジ部14は、本体10の上部の後側の端部に設けられている。ヒンジ部14は、蓋体20を開閉自在な状態で支持する。蓋体20は、ヒンジ部14を支点として回動することで開閉する。ヒンジ部14は、蓋体20が本体10の上部の開口を開閉できるように、蓋体20を支持している。
【0026】
次に、本体10について説明する。本体10は、容器カバー11と、鍋底温度センサ13と、加熱手段12と、重量計測手段15とを有する。また、本体10は、ユーザが指示を入力するための入力手段2と、ユーザに報知する情報を表示する表示手段3と、コントローラ18とを有する。
【0027】
容器カバー11は、有底の筒状に形成されている。容器カバー11の内側には、容器1が着脱自在に収容される。容器カバー11の底部の中央には、孔部11aが形成されている。孔部11aの内側に、鍋底温度センサ13が挿入されている。
【0028】
鍋底温度センサ13は、容器1の温度を検出するためのものである。鍋底温度センサ13は、例えば、サーミスタ等の部材によって構成される。鍋底温度センサ13は、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と電気的に接続される。孔部11aに挿入された鍋底温度センサ13は、ばね等の弾性部材の手段によって、上方に付勢されている。上方に付勢されている鍋底温度センサ13は、容器カバー11に容器1が収容されると、容器1の下面に押し付けられる。鍋底温度センサ13は、容器1の下面に接触した状態で、容器1の下面の温度を検出する。鍋底温度センサ13は、検出した、容器1の温度の値を示す温度情報を、信号線(図示せず)を介してコントローラ18に送信する。鍋底温度センサ13は、容器1の温度を検出する温度検出手段の一例を構成する。
【0029】
加熱手段12は、容器1を加熱するためのものである。加熱手段12は、例えば、加熱コイルである。本実施の形態1においては、加熱コイルが被加熱物を収容する容器1を加熱する加熱手段12の一例として説明する。加熱手段12は、例えば、容器カバー11の底部において孔部11aの周囲に円環状に配置されている。加熱手段12は、容器1の底部に対向するように配置されている。加熱手段12は、コントローラ18の制御により通電されることで、容器1を誘導加熱する。
【0030】
なお、本実施の形態1においては、加熱手段12が誘導加熱を行う加熱コイルの場合で説明したが、加熱手段12は誘導加熱を行うものに限定されない。加熱手段12は、例えば、電気ヒータであるシーズヒータ等であってもよい。
【0031】
炊飯器100の本体10の下面の四隅に脚部が設けられ、4つの脚部に重量計測手段15が取り付けられている。重量計測手段15は、例えば、重量センサである。図1は、炊飯器100の断面を説明する都合上、4つの脚部のうち、2つの脚部のみが示されており、2つの重量計測手段15が示されている。図1に示されていない残り2つの脚部にも重量計測手段15が取り付けられている。4つの重量計測手段15の情報から容器1内に収容された米や水の重量を検知することができる。重量計測手段15は、例えば、ひずみゲージ等の部材によって構成される。4つの重量計測手段15のそれぞれは、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と電気的に接続される。各重量計測手段15は、容器1および容器1の収容物の重量を計測すると、計測値を含む重量情報を、信号線(図示せず)を介して、コントローラ18に送信する。
【0032】
本実施の形態1において、開閉センサ27および重量計測手段15の一方または両方は、米飯が容器1からユーザによって取り出されることを検知する検知手段19である。
【0033】
入力手段2および表示手段3は、例えば、図1に示すように、本体10の前上面に設けられている。入力手段2および表示手段3のそれぞれは、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と電気的に接続される。入力手段2は、ユーザが炊飯器100を使用する際に操作される。入力手段2は、ユーザが入力手段2を操作することで入力した各種の指示に関する情報を電気信号としてコントローラ18に送る。また、表示手段3は、炊飯器100に関する各種の情報を表示する。
【0034】
図2は、実施の形態1に係る炊飯器100において、入力手段2および表示手段3の一構成例を示す外観図である。入力手段2には、ユーザが行う各種の指示の操作を受け付ける複数の操作ボタンが含まれる。ユーザが操作ボタンによって行う各種の指示とは、例えば、炊飯の開始、炊飯動作の取り消し、炊飯開始時刻の予約、炊飯メニューの設定等である。入力手段2は、ユーザによって入力された各種の指示を、指示情報としてコントローラ18に送信する。
【0035】
入力手段2は、米種選択ボタン31、メニュー選択ボタン32および取消ボタン34を有する。入力手段2は、予約ボタン35、時間設定ボタン36、アップボタン37a、ダウンボタン37bおよび決定ボタン38を有する。
【0036】
米種選択ボタン31は、ユーザが米の種類を選択するためのボタンである。米の種類は、「白米」、「無洗米」、「発芽米」および「玄米」である。メニュー選択ボタン32は、ユーザが炊飯メニューまたはユーザ登録を選択するためのボタンである。炊飯メニューは、「ふつう」、「かため」、「やわらかめ」、「お急ぎ」および「おかゆ」の炊飯モードに分類される。
【0037】
取消ボタン34は、ユーザが選択した項目または入力した値を取り消すためのボタンである。また、表示手段3がユーザによって取り出された米飯に関するアドバイスを表示している状態で、取消ボタン34は、ユーザによって長押しされると、アドバイスの表示を表示手段3に終了させる役目も果たす。長押しとは、例えば、3秒以上長い時間押されることをいう。ユーザによって取り出された米飯に関するアドバイスの具体例は、後で説明する。
【0038】
予約ボタン35は、ユーザがタイマーによる自動炊飯機能を選択する際に押すボタンである。時間設定ボタン36は、現在の時刻および自動炊飯機能による炊飯の完了時刻を設定するためのボタンである。アップボタン37aは、表示手段3に表示されたパラメータの値を大きくするためのボタンである。ダウンボタン37bは、表示手段3に表示されたパラメータの値を小さくするためのボタンである。決定ボタン38は、ユーザが選択した項目または数値を決定するとき、およびユーザが炊飯開始の指示を入力するときに押すボタンである。
【0039】
上記した、炊飯メニューとは、例えば、標準時間での炊飯か標準時間よりも短い時間での早炊き炊飯か、仕上がりはかため食感がやわらかめ食感か、おかゆを炊くのか、等を示すものである。ユーザは、例えば、メニュー選択ボタン32を操作することで、炊飯メニューの設定を行うことができる。
【0040】
図2に示すように、入力手段2には、炊飯器100によって炊き上げる米の種類を選ぶための操作ボタンが設けられていてもよい。なお、米の種類の選択は、メニュー選択ボタン32によって行われてもよい。
【0041】
表示手段3は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成される。表示手段3は、炊飯器100に関する各種の情報を表示する。表示手段3は、炊飯器100のユーザに対する各種の報知を行う。表示手段3は、報知手段の一例である。また、入力手段2および表示手段3は、例えば、一体の液晶ディスプレイ等として形成されていてもよい。
【0042】
表示手段3に表示される情報には、ユーザがメニュー選択ボタン32等の操作ボタンによって設定した炊飯メニューの情報が含まれる。すなわち、表示手段3には、標準時間での炊飯か早炊き炊飯かの選択結果、仕上がりは硬めか軟らかめの選択結果、米の種類は白米か無洗米か等の選択結果が表示される。図2は、表示方法の一例として、表示手段3が、米種が「白米」であって、米飯の仕上がりが「ふつう」となるモードで炊き上げると設定された炊飯メニューの情報を表示する場合を示す。
【0043】
また、表示手段3には、図2に示すように、現在の時刻から炊飯が完了するまでの残り時間等も表示される。さらに、表示手段3は、炊飯器100に異常が起こった場合に、異常の報知をユーザへ行う機能を有していてもよい。炊飯器100に、音声によってユーザに情報を報知するスピーカ等の音声出力手段(図示せず)が報知手段の一例として設けられていてもよい。
【0044】
続いて、コントローラ18の構成を説明する。図3は、実施の形態1に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。コントローラ18は、炊飯器100の動作全般を制御する。コントローラ18は、例えば、マイクロコンピュータである。コントローラ18は、記憶手段5と、情報処理手段6と、加熱制御手段7と、時間を計測するタイマー8と、時刻判定手段9とを有する。コントローラ18は、入力手段2からの電気信号に応じて動作する。
【0045】
記憶手段5は、1日当たりのエネルギー摂取量について摂取の仕方が体内時計に基づくモデルである栄養情報モデルを記憶する。栄養情報モデルは、1日当たりのエネルギー摂取量について摂取の仕方に体内時計の概念が取り入れられた時間栄養学に基づくものである。時間栄養学では、1日当たりのエネルギー摂取量の配分を、朝食および昼食に多くし、夕食を少なくすることがよいとされている。また、時間栄養学では、夕食が就寝2時間前までに終了することがよいとされている。夕食直後は血糖値が高くなるため、血糖値が高い状態のまま就寝してしまうと血糖が体脂肪として蓄積されてしまうからである。そのため、時間栄養学では、就寝時刻の4~5時間前、遅くとも就寝時刻の2時間前までに夕食を食べ終えたほうがよいとされている。また、時間栄養学では、就寝時刻まで2時間未満になった場合、固形物は液体よりも消化吸収に時間を要するため、固形物の摂取を控えたほうがよいとされる。記憶手段5が記憶する栄養情報モデルは、このような時間栄養学に基づく情報が含まれている。また、記憶手段5は、ユーザが摂取したエネルギーを記録するために、ユーザが米飯を摂取する度に、ユーザによって摂取された米飯量および摂取された時刻の情報を記憶する。
【0046】
タイマー8は時間計測手段の一例である。タイマー8は、時刻判定手段9が判定する時刻、情報処理手段6が実行する演算処理および加熱制御手段7が実行する加熱制御に必要な時間を計測する。タイマー8は、計測した時間に関する情報である時間情報を、情報処理手段6、加熱制御手段7および時刻判定手段9に提供する。
【0047】
時刻判定手段9は、検知手段19によって食べ物が取り出されたことが検知されると、タイマー8が計測する時間を参照し、食べ物が取り出された時刻を判定する。時刻判定手段9は、判定した時刻の情報を情報処理手段6に送信する。時刻とは、24時間における時間である。
【0048】
情報処理手段6は、検知手段19によって食べ物が取り出されたことが検知されると、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5によって記憶される栄養情報モデルに基づいて、取り出された食べ物に関するアドバイスの情報を生成する。情報処理手段6は、生成したアドバイスの情報を表示手段3に表示させる。情報処理手段6は、ユーザによって摂取された米飯量および摂取された時刻の情報を記憶手段5に記憶させる。
【0049】
ここで、ユーザによって容器1から取り出された米飯に関するアドバイスの具体例を説明する。アドバイスは、例えば、(1)食べ物について摂取する量に関するアドバイス、(2)食べ物を摂取するタイミング、(3)食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動、および(4)替わりに摂取することを推奨する食べ物に関する情報などである。情報処理手段6は、(1)~(4)を含む複数のアドバイスのうち、少なくとも1つ以上の情報をユーザへのアドバイスとして表示手段3に報知させる。これら4つのアドバイスの内容を、栄養情報モデルの観点で、詳しく説明する。
【0050】
(1)食べ物について摂取する量に関するアドバイス
この場合のアドバイスは、例えば、「朝食よりも少なめがお勧めです」というものである。ユーザは、このアドバイスによって、食べようとしているものの適量を知ることができる。例えば、朝食、昼食および夕食に関わらず、いつも漫然と茶碗9分目までご飯を入れるユーザに対して、表示手段3が、夕食時に「茶碗7分目がお勧め。朝食よりも少なめにしましょう」とアドバイスする。この場合、朝食、昼食および夕食の際、無意識に同じ量の米飯を食べていた人にとって、夕飯時の食べ過ぎを防ぐことができる。
【0051】
(2)食べ物を摂取するタイミングに関するアドバイス
この場合のアドバイスは、例えば、「今ではなく翌朝に食べることをお勧めします」というものである。ユーザは、このアドバイスによって、時間さえずらせば食べたいものを食べたい分だけ食べることができる。中途半端に残せない食べ物、例えば、冷蔵庫に入れておいたシュークリームを食べたいが、運動などの追加行動はしたくない、という人にとって、別のタイミングで食べることは実行しやすい。また、ユーザが夜遅い時間に、食べ物について「明日が賞味期限だから食べておこう」と思って食べ物を取り出した場合、「翌朝をお勧めします」とアドバイスすることが考えられる。この場合、ユーザが食べようと思った理由が賞味期限近いというものなので、どうしても今すぐユーザが食べたいものではない。そのため、ユーザは無理して夜遅い時間に食べずに済み、より健康によいタイミングで食べ物を摂取することができる。
【0052】
(3)取り出された食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動に関するアドバイス
この場合のアドバイスは、例えば、「今、食べるのであれば、食後にウォーキング30分を推奨します」というものである。運動することに抵抗がないユーザは、このアドバイスによって、食べたいものを食べたい分だけ、今、食べることができる。ユーザの欲求を承認することで、ユーザは、「否定された」という気持ちを抱かずないので、ストレスを感じないで済む。
【0053】
(4)取り出された食べ物の替わりに摂取することを推奨する食べ物に関するアドバイス
この場合のアドバイスは、例えば、「この食べ物(アイスクリーム)ではなく、ゼリーをお勧めします」というものである。ユーザは、このアドバイスによって、少なくとも、今、何かしらを食べることができる。例えば、夜遅い時間帯にユーザが「何となく口寂しいから、とりあえず適当なものを食べたい」と思う場合、アイスクリームよりもエネルギー摂取量が少なく、夜遅い時間帯に適した別の食べ物を知ることができる。
【0054】
次に、加熱制御手段7について説明する。加熱制御手段7は、炊飯器100の炊飯工程および保温工程において、図に示さないインバータ回路を介して、加熱手段12を制御する。炊飯工程とは、炊飯器100が米飯を炊き上げる際に実施される工程を意味する。保温工程とは、容器1の収容物を炊飯工程よりも低い温度であって予め決められた温度に維持する工程である。
【0055】
加熱制御手段7は、情報処理手段6または入力手段2を介して、各種の指示、例えば、炊飯の開始、炊飯動作の取り消しおよび炊飯開始時刻の予約設定等が入力されると、入力された指示にしたがって加熱手段12を制御する。加熱制御手段7は、ユーザによって入力手段2の米種選択ボタン31を介して、米の種類が選択されると、選択された米の種類にしたがって加熱手段12を制御する。加熱制御手段7は、ユーザによって入力手段2のメニュー選択ボタン32を介して、炊飯メニューが選択されると、選択された炊飯メニューにしたがって加熱手段12を制御する。
【0056】
コントローラ18のハードウェアの構成例を説明する。コントローラ18は、図3に示した各手段の機能を実現するASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用回路で構成されてもよい。また、コントローラ18は、プログラムを記憶するメモリと、メモリが記憶するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサとを有する構成であってもよい。さらに、タイマー8は、コントローラ18のハードウェアとは別のハードウェアに設けられていてもよい。
【0057】
なお、炊飯器100の本体10には、炊飯器100を運搬するためのハンドル(図示せず)が設けられていてもよい。ハンドルは、例えば、本体10の一端側と他端側との2箇所を繋ぐように設けられる。ハンドルは、本体10の側面上部の前後の中央付近において回転できるように回転軸で支持される。この場合、ハンドルの回転軸は、ヒンジ部14の回転軸と平行になるように設けられることが望ましい。このような構成にすることで、ユーザがハンドルを掴んで炊飯器100を持ち上げようとすると、ハンドルは、ユーザが掴んだ部分がハンドルの回転軸の直上の位置になるように回転する。これにより、ユーザはハンドルのみを持って容易に炊飯器100を運搬することができる。
【0058】
また、本実施の形態1においては、4つの重量計測手段15が炊飯器100に設けられている場合で説明したが、容器1の重さM1および容器1の収容物の重さを計測できればよいので、重量計測手段15は4つ以外、例えば、1つであってもよい。また、重量計測手段15は、計測値から容器1の重さM1を減算した値を重量情報として、コントローラ18に送信してもよい。この場合、情報処理手段6は、容器1の収容物の重さを算出する際、重量計測手段15から受信した重量情報から容器1の重さM1を減算する演算を行う必要がないので、演算処理の負荷が軽減する。
【0059】
次に、本実施の形態1の炊飯器100の動作を説明する。図4は、実施の形態1に係る炊飯器100が炊飯機能を実行する際の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0060】
(ステップS1)
はじめに、ユーザは、入力手段2を介して、米の種類および炊飯メニューを入力する。ここでは、ユーザは、米の種類として「白米」を選択し、炊飯メニューとして「ふつう」を選択したものとする。
【0061】
(ステップS2)
情報処理手段6は、炊飯開始の指示が入力されたか否かを判定する。ユーザは、入力手段2を介して、炊飯開始の指示を入力する。情報処理手段6は、ユーザによって決定ボタン38が押されると、炊飯開始の指示が入力されたと判定し、情報処理手段6は加熱制御手段7に炊飯開始を指示する。
【0062】
(ステップS3)
加熱制御手段7は、炊飯開始の指示を受け付けると、米種「白米」および炊飯メニュー「ふつう」が設定された炊飯モードにしたがって、加熱手段12に対して加熱制御を実行する。
【0063】
(ステップS4)
加熱制御手段7は、米種「白米」および炊飯メニュー「ふつう」が設定された炊飯モードによる加熱制御が終了すると、炊飯工程を終了させ、加熱手段12を制御して保温工程に移行する。
【0064】
次に、炊飯器100の炊飯が終了した後、ユーザが炊飯器100から米飯を茶碗に取り出す際の炊飯器100の動作を説明する。図5は、実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出す際の炊飯器100の動作手順を示すフローチャートである。
【0065】
(ステップS11)
情報処理手段6は、ユーザによって米飯が容器1から取り出されたか否かを判定する。具体的には、情報処理手段6は、検知手段19である4つの重量計測手段15の重量情報を監視し、炊飯終了時の米飯全重量および容器1の重さM1の和の値と、4つの重量計測手段15の計測値の合計値Sumとの差分を、ユーザによって取り出された米飯量と判定する。
【0066】
(ステップS12)
時刻判定手段9は、米飯が容器1からユーザによって取り出されることが検知手段19によって検知されると、米飯が取り出された時刻を判定する。情報処理手段6は、時刻判定手段9によって判定された時刻の情報を時刻判定手段9から取得する。
【0067】
(ステップS13)
情報処理手段6は、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5によって記憶される栄養情報モデルに基づいてアドバイスの情報を生成し、生成したアドバイスの情報を表示手段3に報知させる。
【0068】
図6は、実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出した際、表示手段3によって報知されるアドバイスの一例を示す図である。図6は、上述した(1)~(4)の4つのアドバイスのうち、(2)について、表示手段3がユーザに報知する場合を示す。具体的には、図6に示すように、表示手段3は、現在の時刻がユーザの就寝2時間前であることを理由に、ユーザに米飯を食べることを控えることを勧めるとともに、次の日の朝に米飯を摂ることを勧めるメッセージを表示する。
【0069】
図7は、実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出した際、表示手段3によって報知されるアドバイスの別の例を示す図である。図7は、上述した(1)~(4)の4つのアドバイスのうち、(4)について、表示手段3がユーザに報知する場合を示す。具体的には、図7に示すように、表示手段3は、ユーザに米飯よりも野菜などの副菜を食べることを勧めるメッセージを表示する。
【0070】
なお、ユーザによって容器1から米飯が取り出された場合、図6および図7において、情報処理手段6は、4つの重量計測手段15の重量情報から求めた米飯量を表示手段3に表示してもよい。この場合、ユーザは、自分が食べようとした米飯の量を重さの単位で知ることができ、取り出した米飯を摂取するとどうなるか、より冷静に判断することができる。
【0071】
ステップS14において、情報処理手段6は、開閉センサ27から受信する検知信号を基に、炊飯器100の蓋体20が閉じられたか否かを判定する。ステップS14の判定の結果、情報処理手段6は、蓋体20が閉じられたと判定すると、現在の時刻およびユーザによって容器1から取り出された米飯量の情報を記憶手段5に記憶させる(ステップS15)。一方、ステップS14の判定の結果、情報処理手段6は、蓋体20が閉じられていないと判定すると、ステップS11に戻る。
【0072】
ステップS16において、情報処理手段6は、取消ボタン34が長押しされたか否かを判定する。取消ボタン34の長押しは、アドバイスの表示を終了することができる操作である。取消ボタン34の長押しが実行されると、コントローラ18は処理を終了する。一方、取消ボタン34の長押しが実行されない場合、コントローラ18は、ステップS11に戻る。
【0073】
このようにして、炊飯器100から米飯を取り出すユーザに対して、栄養情報モデルに基づく、食べ物に関するアドバイスが報知される。そのため、ユーザは、摂取しようとする食べ物に関して、現在の時刻に適切なアドバイスを得ることができる。例えば、夜遅い時間に米飯を食べようとしたユーザに対して、米飯量を少なくするアドバイスを報知することで、ユーザの消化器系への負担を軽減させることができる。
【0074】
上述のようにして、ユーザが炊飯器100から米飯を取り出そうとすると、アドバイスがユーザに報知されるが、アドバイスの内容がユーザの状態に相応しくない場合がある。この場合、報知されるアドバイスは、ユーザに効果的なアドバイスとならない。ユーザに対して相応しいアドバイスにならないと、ユーザの実行率が低下してしまう可能性がある。そのため、情報処理手段6が表示手段3に報知させるアドバイスの内容をユーザの状態に対応して自動的に変更する。または、報知されるアドバイスの内容をユーザが選択できるようにしてもよい。アドバイスにしたがって行動することをユーザに継続してもらうことで、ユーザの健康状態の維持を図ることができる。以下に、ユーザの状態に相応したアドバイスの内容の具体例(a)~(d)を説明する。
【0075】
(a)過去のアドバイスと同じアドバイスの報知の有無
ユーザは、過去に報知されたアドバイスと同じアドバイスが報知されると、既にアドバイスの内容を理解しているので、同じアドバイスの2回目以降の報知は不要と考える場合がある。そのため、情報処理手段6は、表示手段3にアドバイスを報知させる際、報知させるアドバイスが過去にユーザに報知したアドバイスと同じ場合、そのアドバイスを表示手段3に報知させる指示をしない。一方、同じアドバイスの2回目以降の報知の有無を、ユーザが入力手段2を操作して予め記憶手段5に設定できるようにしてもよい。ユーザによっては、何度もアドバイスをしてもらわないと、食べ過ぎてしまう人もいるからである。
【0076】
(b)アドバイスがユーザに行動しやすい内容
本実施の形態1において、表示手段3は、上記の(1)~(4)のうち、少なくとも1つ以上のアドバイスをユーザに報知するため、2つ以上のアドバイスを報知する場合もある。ユーザは、2つ以上のアドバイスが通知されると、どのアドバイスも煩わしいと感じてしまうことがある。その結果、ユーザがどのアドバイスにも抵抗を感じ、1つもアドバイスにも従わない可能性がある。そこで、情報処理手段6は、上記の(1)~(4)のうち、少なくとも1つ以上のアドバイスを表示手段3に報知させる際、基本的な内容のアドバイスを報知させる。基本的な内容とは、ユーザが摂取しようとするエネルギーを減らす、またはユーザが摂取したエネルギーを消費させるものであって、ユーザによって行動しやすい内容である。例えば、情報処理手段6は、「30分ジョギングをしましょう」というアドバイスの代わりに、「寝る前に軽く柔軟体操をしましょう」というアドバイスを表示手段3に報知させる。また、情報処理手段6は、「お茶碗に入れる米飯量をあと50g減らしましょう」というアドバイスの代わりに、「あと少しだけ米飯量を減らしましょう」というアドバイスを表示手段3に報知させてもよい。
【0077】
(c)アドバイスの内容のステップアップ
ユーザによっては、上記(b)のような基本的な内容のアドバイスでは物足りないと感じる人もいる。そこで、情報処理手段6は、過去にユーザに報知したアドバイスの内容よりも、ユーザが1日当たりに摂取するエネルギーの規制のレベルを上げるアドバイスを表示手段3に報知させてもよい。上記(b)で説明した具体例の場合で3種類のレベルを説明する。「寝る前に軽く柔軟体操をしましょう」という基本的な内容のアドバイスを第1レベルとし、「30分ジョギングをしましょう」というアドバイスを第2レベルとし、「1時間ジョギングしましょう」というアドバイスを第3レベルのアドバイスとする。情報処理手段6は、過去に第1レベルのアドバイスを表示手段3に報知させていた場合、第2レベルのアドバイスを表示手段3に報知させる。
【0078】
(d)アドバイスがユーザのエネルギー摂取行動を管理対象期間でリカバリーする内容
食べ過ぎを注意するアドバイスが報知されても、ユーザは、食欲を抑えることができずに米飯を食べ過ぎてしまうことがある。また、朝に米飯を食べることを勧めるアドバイスが報知されても、ユーザは、夜遅い時間に米飯を食べ過ぎてしまうことがある。このようなユーザの行動に対して、ユーザが1日に摂取する適切なエネルギー摂取量で調整しようとすると、ユーザに過剰な負荷がかかってしまうことがある。そこで、情報処理手段6は、1日よりも長い期間であって予め決められた管理対象期間tpに、ユーザが過剰に摂取した分のエネルギーを減らすアドバイスを表示手段3に報知させる。管理対象期間tpは、例えば、1週間または1カ月である。以下に、具体例を説明する。
【0079】
成人男性の1日当たりの摂取エネルギー量を2500[kcal]とし、米飯で1日当たりに摂取されるエネルギーを1200[kcal]とする。管理対象期間tpを1週間とした場合、情報処理手段6は、1週間において、ユーザが米飯で摂取するエネルギーを記憶手段5に記憶させ、1週間にユーザが摂取するエネルギーを推定する。1週間にユーザが摂取するエネルギーが7×1200[kcal]を超えると推定される場合、情報処理手段6は、上記の(1)~(4)の4つのアドバイスのうち、いずれか1つ以上のアドバイスを表示手段3に報知させる。その際、情報処理手段6は、管理対象期間tpの1週間において、ユーザの食生活を分析し、分析結果に対応するアドバイスを表示手段3に報知させてもよい。例えば、ユーザが夕食を摂る時間が21時以降の遅い時間である場合、情報処理手段6は、上記(2)のアドバイスとして、「1週間のうち、1日でもよいから早めに夕食を摂る」ことを勧めるアドバイスを表示手段3に表示させる。夕食を摂る時間が早くなると、米飯の量が遅い時間に夕食を摂る場合に比べて食べ過ぎが減る傾向があるので、ユーザがエネルギーを過剰に摂取してしまうことを抑制できる。
【0080】
なお、本実施の形態1においては、食事支援装置の調理手段として炊飯器の場合を例として説明したが、本開示の食事支援装置における調理手段は炊飯器に限らない。例えば、調理手段は、IH(Induction Heating)クッキングヒータまたは電子レンジなどであってもよい。時刻判定手段9によって判定された時刻が、例えば、夜10時など遅い時間である場合、情報処理手段6は、ユーザに対するアドバイスとして、食事の摂取量を控える旨のメッセージを表示手段3に報知させる。また、本実施の形態1においては、記憶手段5がユーザの1日当たりのエネルギー摂取量の情報として栄養情報モデルを記憶する場合で説明したが、1日当たりのエネルギー摂取量の情報は栄養情報モデルに限らない。
【0081】
本実施の形態1の炊飯器100は、食べ物を収容する容器1と、食べ物が容器1からユーザによって取り出されることを検知する検知手段19と、食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段9と、1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段5と、検知手段19によって食べ物が取り出されたことが検知されると、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5によって記憶される情報に基づく、食べ物に関するアドバイスをユーザに報知する報知手段とを有する。報知手段は、例えば、表示手段3である。
【0082】
本実施の形態1によれば、ユーザが食べ物を容器1から取り出したとき、現在の時刻および1日当たりのエネルギー摂取量に基づいて、ユーザが摂取しようとしている食べ物に関するアドバイスがユーザに報知される。そのため、ユーザは、食べ物を食べようとしたときに、栄養学の知識がなくても、摂取するエネルギーおよびタイミングを考慮して食べ物を摂ることができる。
【0083】
健康な体を維持するためには、必要な栄養素の種類および量を、過不足なく摂取することが大切だが、摂取する時間帯も重要である。時間栄養学的の知識がない一般的なユーザは、自分にとって最適な食事内容および摂取量に加えて、摂取するタイミングまで正確に判断することは難しい。これに対して、本実施の形態1の食事支援装置によれば、時間栄養学の知識がないユーザであっても、これから食べようとした食べ物を手にとったタイミングで、食べ物に対してすべき食行動がアドバイスとして報知される。そのため、ユーザは、時間栄養学に基づくアドバイスの内容を考慮しながら、自分の健康にとって好ましい行動をとることができる。
【0084】
また、本実施の形態1においては、ユーザが食べ物を炊飯器100等の機器から取り出そうとしたとき、すなわち、ユーザが食べ物を食べようと行動したときに、その食べ物に関するアドバイスが報知される。そのため、ユーザは、アドバイスに沿った食行動を実行に移しやすく、ユーザの健康に繋がりやすい。
【0085】
従来の情報処理装置はユーザの食事に関する情報を提案するが、ユーザが情報処理装置によって提案されるとおりに食事を摂りづらい傾向がある。これは、ユーザ自身の食べものに対する欲求は無視され、情報処理装置の提案にユーザが食行動を合わせなければならないため、ユーザは実行しにくいためである。食事に関して、従来の情報処理装置が栄養学に基づく提案を行っても、ユーザがその提案を無視すれば、健康に繋がらない。これに対して、本実施の形態1は、ユーザが食べようとした食べ物を手にとったとき、ユーザに実行にしてもらいやすいタイミングで、実行しやすい内容のアドバイスが報知される。そのため、ユーザの健康状態の維持を実現し得るという点で重要である。
【0086】
例えば、ユーザが何かを食べようとした際、例えば、「今、茶碗に持ったご飯はあと少し減らすことをお勧めします」という「量の調整を促す食べ方」がアドバイスとして報知される。また、ユーザが何かを食べようとした際、「手に取っているアイスクリームよりも、ゼリーをお勧めします」という「低カロリーのものに替える」アドバイスが報知される。さらに、ユーザが何かを食べようとした際、「手に取ったビールを飲むのであれば、ジョギングを○○分行ってください」という「摂取されるエネルギーを消費する行動に置換」するアドバイスが報知される。このようにアドバイスをユーザに伝えた方が、ユーザが実行しやすいという利点がある。
【0087】
実施の形態2.
本実施の形態2は、実施の形態1で説明した炊飯器100が複数のユーザによって共用される場合、ユーザ毎にユーザに対応する適切なアドバイスを報知するものである。本実施の形態2においては、実施の形態1で説明した構成と同一の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
本実施の形態2の炊飯器100の全体構成は、図1を参照して説明した構成と同様なため、その詳細な説明を省略する。図8は、実施の形態2に係る炊飯器100において、入力手段2および表示手段3の一構成例を示す外観図である。図9は、実施の形態2に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
【0089】
図8に示すように、本実施の形態2の入力手段2は、ユーザ選択ボタン33を有する。ユーザ選択ボタン33は、ユーザがユーザ名およびユーザ情報を登録する際に使用させるボタンである。また、ユーザ選択ボタン33は、ユーザが炊飯器100の容器1から米飯を取り出す前に、容器1から米飯を取り出すユーザを指定するためのボタンである。
【0090】
ユーザは炊飯器100に炊飯を開始させる前に、入力手段2を操作して、ユーザの身体に関する情報であるユーザ情報を、ユーザに固有な識別子とともにコントローラ18に登録する。ユーザ情報とは、例えば、年齢、性別、体重および身体活動レベルなどである。ユーザに固有な識別子は、例えば、ユーザ名である。ユーザに固有の識別子は、ユーザ毎に異なる番号であってもよい。
【0091】
ユーザ情報は、ユーザが習慣的に就寝する時刻の範囲である就寝時間帯の情報を含んでいてもよい。例えば、ユーザが日曜日から土曜日までの一週間において、習慣的に就寝する時刻が21時~23時の間である場合、ユーザ情報は、就寝時間帯として、21時~23時の情報を含む。実施の形態1で説明したが、夕食直後は血糖値が高くなり、血糖値が高い状態のまま就寝してしまうと血糖が体脂肪として蓄積されてしまうので、時間栄養学では、就寝時刻の2時間前までに夕食を食べ終えたほうがよいとされている。そのため、ユーザ情報としては、年齢、性別、体重および身体活動レベルだけでなく、就寝時間帯の情報もあるとよい。登録されるユーザ情報は、年齢、性別、体重、身体活動レベルおよび就寝時間帯の少なくとも1つ以上の情報であればよい。
【0092】
複数のユーザが炊飯器100を共用する場合、各ユーザのユーザ名およびユーザ情報が入力手段2を介して炊飯器100に登録される。例えば、ユーザ名が「Aさん」および「Bさん」の2人のユーザが炊飯器100を共用する場合、各人のユーザ情報がユーザ名に対応して、入力手段2を介して炊飯器100に登録される。以下では、ユーザ名「Aさん」をユーザAと表記し、ユーザ名「Bさん」をユーザBと表記する。
【0093】
図9に示すように、記憶手段5aは、栄養情報モデルの他に、ユーザに対応して、ユーザ名およびユーザ情報を記憶する。複数のユーザが炊飯器100を共用する場合、記憶手段5aは、複数のユーザ毎に、ユーザ名に対応してユーザ情報を記憶する。また、記憶手段5aは、ユーザ毎に、摂取された米飯量および摂取された時刻の情報を記憶する。
【0094】
ユーザ情報のうち、身体活動レベルについて説明する。身体活動レベルは、例えば、レベルI~IIIの3つに分類される。レベルIは身体活動レベルが「低い」場合である。レベルIIIは身体活動レベルが「高い」場合である。レベルIIは、身体活動レベルが「低い」と「高い」との間の「ふつう」の場合である。
【0095】
レベルI(低い)は、生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合である。レベルII(ふつう)は、座位中心の仕事だが、職場内で移動もしくは立位での作業または接客等、通勤または買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合である。レベルIII(高い)は、移動もしくは立位の多い仕事への従事者、または、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合である。
【0096】
ユーザ情報の炊飯器100への登録は、炊飯器100が炊飯する度に行われる必要はなく、一度、登録されると、記憶手段5aに記憶される。ユーザ情報のうち、年齢は、タイマー8によって計測される時間によって更新される。また、ユーザ情報のうち、体重および身体活動レベルは、大きく増減したとき、ユーザによって入力手段2を介して更新されてもよい。
【0097】
さらに、登録される体重の情報は、炊飯器100の入力手段2と通信接続される体重計(図示せず)と連携し、ユーザの現在または直近の過去の体重が予め決められた周期で反映されるようにしてもよい。また、登録される身体活動レベルの情報は、炊飯器100の入力手段2と通信接続される活動量計(図示せず)と連携し、ユーザの現在または直近の過去の身体活動レベルが予め決められた周期で反映されるようにしてもよい。活動量計は、例えば、歩数計、心拍数計、消費カロリー計、および移動距離計測器などがある。移動距離計測器は、GPS(Global Positioning System)または携帯端末の基地局電波を利用して、ユーザの移動距離を計測する機器である。
【0098】
情報処理手段6は、入力手段2を介してユーザ名およびユーザ情報が入力されると、ユーザ名に対応してユーザ情報を記憶手段5aに記憶させる。情報処理手段6は、複数のユーザのユーザ名およびユーザ情報が入力手段2を介して入力されると、複数のユーザ毎に、ユーザ名に対応してユーザ情報を記憶手段5aに記憶させる。複数のユーザのユーザ名がユーザAおよびユーザBである場合、情報処理手段6は、ユーザAについてユーザ名に対応してユーザ情報を記憶手段5aに記憶させ、ユーザBについてユーザ名に対応してユーザ情報を記憶手段5aに記憶させる。
【0099】
また、情報処理手段6は、容器1から米飯を取り出すユーザの指定が入力手段2に入力されると、指定されたユーザを特定し、特定したユーザのユーザ情報に基づく、食べ物に関するアドバイスを表示手段3に表示させる。例えば、情報処理手段6は、入力手段2を介して入力された指定によってユーザを特定すると、特定したユーザのユーザ情報に基づいて摂取すべきエネルギーに相当する食事量を求める。そして、情報処理手段6は、求めた食事量の情報を、食べ物に関するアドバイスとして表示手段3に表示させる。情報処理手段6は、ユーザ毎に、摂取された米飯量および摂取された時刻の情報を記憶手段5aに記憶させる。
【0100】
情報処理手段6は、特定したユーザによって米飯が取り出されることが検知されると、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5aによって記憶される栄養情報モデルに基づいて、複数のアドバイスのうち、特定したユーザに適したアドバイスを選択し、アドバイスの情報を生成する。複数のアドバイスとは、実施の形態1で説明した(1)~(4)のアドバイスを含む。情報処理手段6は、特定したユーザに適したアドバイスの情報を表示手段3に報知させる。アドバイスの具体例は、後で説明する。
【0101】
なお、本実施の形態2においては、ユーザが入力手段2を介してユーザ情報の登録を炊飯器100に行う場合で説明したが、ユーザが携帯するスマートフォン等の携帯端末(図示せず)を介して炊飯器100にユーザ情報を登録してもよい。この場合、携帯端末(図示せず)は入力手段および表示手段を有し、炊飯器100は携帯端末と近距離無線通信等によって無線通信する通信手段(図示せず)を有する。
【0102】
例えば、炊飯器100の製造メーカが、携帯端末(図示せず)から炊飯器100を無線通信によって操作するためのアプリケーションソフトウェアプログラムを、炊飯器100を購入したユーザに提供する。以下では、このアプリケーションソフトウェアプログラムをASプログラムと称する。ユーザは携帯端末(図示せず)を操作して、製造メーカによって指定されたウェブサイトにインターネット等のネットワークを介して携帯端末をアクセスさせ、ASプログラムを携帯端末にインストールさせる。ユーザは、携帯端末にASプログラムを実行させ、入力手段2の代わりに、携帯端末に指示を入力することで炊飯器100を操作する。この場合、入力手段2および表示手段3の機能は携帯端末で実現されるため、入力手段2および表示手段3が炊飯器100に設けられていなくてもよい。
【0103】
次に、本実施の形態2の炊飯器100の動作を説明する。図10は、実施の形態2に係る炊飯器100が炊飯機能を実行する際の動作手順の一例を示すフローチャートである。図10に示すステップS22~S25は、実施の形態1において図4を参照して説明したステップS1~S4と同様な処理であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。図10のステップS21に示す、炊飯器100へのユーザ情報の登録方法を説明する。
【0104】
(ステップS21)
ユーザは、炊飯器100に炊飯を開始させる前に、ユーザ名およびユーザ情報を炊飯器100に登録する。ユーザ情報は、年齢、性別、体重および身体活動レベルのうち、少なくとも1つ以上の情報を含む。例えば、ユーザがユーザ選択ボタン33を押すと、初期化後の炊飯器100には、まだユーザ情報が登録されていないので、表示手段3は、ユーザを登録するか否かの確認を促すメッセージ「ユーザ登録?」を表示する。ユーザが決定ボタン38を押すと、表示手段3は、「ユーザ名」、「年齢」および「性別」等の項目を順に表示して、項目毎にユーザに入力を促す。ユーザは、項目毎に表示される数字、ローマ字およびひらがな文字等の文字列を参照し、アップボタン37aおよびダウンボタン37bを操作して、入力したい文字にカーソルを移動させ、入力したい文字にカーソルを合わせて決定ボタンを押す。登録されるユーザ名は、フルネームに限らず、名前の頭文字のローマ字であってもよく、ユーザ毎に異なる番号であってもよい。本実施の形態2においては、ユーザAおよびユーザBの2人のユーザが炊飯器100を共用する場合で説明する。
【0105】
情報処理手段6は、入力手段2を介して2人のユーザ名およびユーザ情報が入力されると、2人のユーザについて、ユーザ名に対応してユーザ情報を記憶手段5aに記憶させる。ユーザAについて、「年齢:46歳、性別:女性、体重:53.0kg、身体活動レベル:I(低い)」が記憶手段5aに登録される。また、ユーザBについて、「年齢:50歳、性別:男性、体重:75.0kg、身体活動レベル:II(ふつう)」が記憶手段5aに登録される。
【0106】
次に、炊飯器100の炊飯が終了した後、ユーザが炊飯器100から米飯を茶碗に取り出す際の炊飯器100の動作を説明する。図11は、実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザが米飯を容器1から取り出す際の炊飯器100の動作手順を示すフローチャートである。図11に示すステップS39~S41は、実施の形態1において図5を参照して説明したステップS14~S16と同様な処理であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0107】
(ステップS31)
炊飯器100が炊飯を終了した後、情報処理手段6は、図12に示すように、ユーザの指定を促す「ユーザを指定してください」というメッセージを表示手段3に表示させる。図12は、実施の形態2に係る炊飯器100が炊飯を終了したときに、表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。ここでは、2人のユーザが炊飯器100に登録されている場合で説明しているので、ユーザは、米飯を容器1から取り出す際、入力手段2のユーザ選択ボタン33を押して、ユーザを選択する入力を行う。ユーザがユーザ選択ボタン33を押す度に、情報処理手段6は、選択されるユーザをユーザAとユーザBとの間で切り替え、選択されたユーザに対応して、表示手段3に強調表示させるユーザ名を切り替える。
【0108】
(容器1からユーザAの米飯の取り出し)
(ステップS32)
情報処理手段6は、入力手段2を介して、ユーザが選択されたか否かを判定する。はじめにユーザAが米飯を容器1から取り出す場合、ユーザAは、ユーザ選択ボタン33を押して、表示手段3によって強調表示されているユーザ名が「Aさん」であることを確認する。米飯を容器1から取り出すユーザとしてユーザAが選択されている場合、図6に示した「Aさん」の部分の白黒が反転し、他の表示部分と比べて強調的に表示される。情報処理手段6は、ユーザAがユーザ選択ボタン33を押し、選択されたユーザがユーザAに設定されると、容器1から米飯を取り出すユーザがユーザAと判定する。そして、情報処理手段6はステップS23の処理に進む。
【0109】
(ステップS33)
情報処理手段6は、ステップS21で登録されたユーザ情報に基づいて、ステップS32で選択されたユーザに適切な米飯量を算出する。以下に、適切な米飯量の算出方法の具体例を説明する。
【0110】
図13は、ユーザの体重当たりの推定エネルギー必要量を示す表である。図13は、厚生労働省が公開する報告書「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に開示されている表である。図13に示す表には、ユーザの年齢、性別および身体活動レベルに対応して、単位体重あたりに推定されるエネルギー必要量[kcal/kg/日]が開示されている。
【0111】
また、文部科学省が公開する日本食品標準成分表(2020年版(八訂))には、精白米のうるち米を炊飯した後の米飯100gあたりの成分として、炭水化物が37.1g、たんぱく質が2.5g、脂質が0.3gであることが開示されている。また、この成分表には、うるち米の米飯100gあたりのエネルギーが156kcalであることが開示されている。日本食品標準成分表には、うるち米の米飯以外にも玄米等の各米種およびおかず情報として使用される各種食材の栄養成分、全エネルギーが開示されており、これらを記憶手段5aが記憶している。
【0112】
情報処理手段6は、ステップS21で登録されたユーザ情報および図13から、ユーザAの1日当たりのエネルギー必要量を、次の式(1)によって求める。
32.9[kcal/kg/日]×53.0[kg]=1744[kcal]
・・・(1)
【0113】
図14は、一般的な食事バランスガイドにおける、摂取エネルギーと主食の適切量との関係、および摂取エネルギーに対する適切な米飯量への換算値を示す図である。
【0114】
農林水産省が開示する食事バランスガイドにおいては、「主食」、「副菜」、「主菜」、「牛乳および乳製品」ならびに「果物」の5つに区分されている。そして、区分ごとに「(何)個[SV]」という単位が用いられ、1日のエネルギー量に対する主食の適切量が「個[SV]」という単位で示されている。また、1個[SV]=主材料に由来する炭水化物約40gと説明されている。上述したように、うるち米の米飯100gあたりの炭水果物が37.1gであることから、米飯100gあたり0.9275SVであるといえる。以上のことから、1日当たりのエネルギーE、主食の適切な数K、米飯に換算した量Jおよび、1日3食摂取する場合の1食あたりの米飯の適切量Wは、図14に示すとおりである。
【0115】
1日当たりのエネルギー必要量が1400~2000kcalの人は、図14に示す1日当たりのエネルギーEと1食あたりの米飯の適切量Wとから求められる回帰直線により、1食当たりの米飯の適切量W[g]は、次の式(2)によって算出される。
W[g]=0.052×1日当たりのエネルギー必要量[kcal/日]+51.6
・・・(2)
【0116】
情報処理手段6は、式(1)および式(2)を用いて、ユーザAの1食当たりの米飯の適切量Wを求める。ユーザAの1食当たりの米飯の適切量Wは、式(3)に示す通りとなる。
W[g]=0.052×1744[kcal/日]+51.6=142[g]
・・・(3)
【0117】
情報処理手段6は、ユーザAの1食当たりの米飯の適切量W[g]を求めると、記憶手段5aに記憶させていた、現在時刻よりも前の時間であって予め決められた時間内(例えば、4時間以内)にユーザAが容器1から取り出した米飯量の積算値S[g]を読み出す。そして、情報処理手段6は、今回の食事でユーザAが摂取する適切な米飯量(W-S)[g]を求める。例えば、S=0[g]である場合、W=142[g]なので、(W-S)=142-0=142gとなる。現在時刻よりも前の4時間以内にユーザAが摂取した米飯量の積算値S[g]も考慮することで、ユーザAが間食した分のエネルギーも摂取量として加算さえるため、ユーザAが過剰にエネルギーを摂取してしまうことを防げる。
【0118】
(ステップS34)
情報処理手段6は、ステップS33で求められた適切な米飯量を表示手段3に表示させることで、食べ物に関するアドバイスとして、ユーザAに適切な米飯量を報知する。具体的には、情報処理手段6は、図15に示すように、表示手段3に「適切量は142gです 現在0g」と表示させる。図15は、実施の形態1に係る炊飯器100において、ユーザAが米飯を容器1から取り出す際、表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。
【0119】
(ステップS35)
情報処理手段6は、ユーザAによって米飯が容器1から取り出されたか否かを判定する。具体的には、情報処理手段6は、検知手段19である4つの重量計測手段15の重量情報を監視し、炊飯終了時の米飯全重量および容器1の重さM1の和の値と、4つの重量計測手段15の計測値の合計値Sumとの差分を、ユーザによって取り出された米飯量と判定する。
【0120】
(ステップS36)
情報処理手段6は、ステップS34で表示手段3に表示した米飯量(W-S)[g]が容器1から取り出されたか否かを判定する。具体的には、情報処理手段6は、4つの重量計測手段15の重量情報を監視し、炊飯終了時の米飯全重量および容器1の重さM1の和の値と、4つの重量計測手段15の計測値の合計値Sumとの差分を、ユーザAによって取り出された米飯量と判定し、判定した米飯量を表示手段3に表示する。情報処理手段6は、ユーザAによって容器1から取り出された米飯量に対する、ユーザAの1食分の米飯量との過不足を判定する。
【0121】
(ステップS37)
時刻判定手段9は、米飯が容器1からユーザAによって取り出されることが検知手段19によって検知されると、米飯が取り出された時刻を判定する。情報処理手段6は、時刻判定手段9によって判定された時刻の情報を時刻判定手段9から取得する。
【0122】
(ステップS38)
情報処理手段6は、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5によって記憶される栄養情報モデルに基づいてアドバイスの情報を生成し、生成したアドバイスの情報を表示手段3に報知させる。例えば、図15に示すように、情報処理手段6は、米飯量を朝食よりも少なくすることをユーザAに推奨するメッセージを表示手段3に表示させる。
【0123】
また、ユーザAのユーザ情報に就寝時間帯の情報が含まれている場合のユーザAに対するアドバイスの一例を説明する。情報処理手段6は、時刻判定手段9によって判定された時刻がユーザAの就寝時間帯までの残り時間が2時間未満である場合、米飯の量を少なめにするアドバイスを表示手段3に表示させる。夕食直後は血糖値が高くなるため、血糖値が高い状態のまま就寝してしまうと血糖が体脂肪として蓄積されてしまうからである。
【0124】
また、ステップS36の判定において、例えば、ユーザAが容器1から取り出した米飯量が(W-S)[g]より多い場合、情報処理手段6は、(W-S)[g]との差分だけ過剰となるエネルギーを消費するために必要な運動の情報を表示手段3に報知させる。図16は、実施の形態2に係る炊飯器100において、図11に示すステップS38で表示手段3によって報知される情報の一例を示す図である。
【0125】
情報処理手段6は、図16に示すように、「ジョギング15分相当過剰 現在171g」というメッセージを表示手段3に表示させる。このメッセージは、ユーザAに対するアドバイスの一例であり、ユーザAがジョギングを15分行うことで過剰に摂取した米飯量のエネルギーが消費されることを意味する。
【0126】
一方、ステップS36の判定において、ユーザAが容器1から取り出した米飯量が(W-S)[g]より少ない場合、情報処理手段6は、不足分の米飯量を表示手段3に表示させる。ユーザAは表示手段3の表示が「1食は142gです 現在142g」と表示されるまで、容器1内の米飯を取り出す。これにより、ユーザAは、自分の1食分に適切な米飯を過不足なく容器1から茶碗に取り出すことができる。
【0127】
図15および図16は、ユーザAが夕飯時に1回目の米飯を容器1から取り出そうとしたときのアドバイスの一例を示す図である。図17は、実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザAが夕飯時に2回目の米飯を容器1から取り出そうとしたときのアドバイスの一例を示す図である。図18は、実施の形態2に係る炊飯器100において、ユーザAが夕飯時に2回目の米飯を容器1から取り出そうとしたときのアドバイスの別の例を示す図である。すなわち、図17および図18は、ユーザAがご飯をおかわりしようとしたときのアドバイスである。
【0128】
なお、ステップS36の判定の結果、ユーザAが容器1から取り出した米飯量が(W-S)[g]に対して過剰または不足する場合、情報処理手段6は、過剰または不足するエネルギーの分をユーザAの次の食事量で調整することを表示手段3に報知させてもよい。この場合、ユーザAは、食事の度に摂取エネルギーが過剰にならないように、茶碗に入れる米飯量を過剰に意識する必要がない。
【0129】
ステップS38において、情報処理手段6は、ユーザAの1食分に適切な米飯量が取り出されたと判定すると、表示手段3に「1食は142gです 現在142g」と表示させる。ユーザAは、表示手段3の表示が「1食は142gです 現在142g」と表示されると、決定ボタン38を押す。
【0130】
このようにして、炊飯器100が複数のユーザに共用されるものであっても、炊飯器100から米飯を取りだそうとするユーザを特定し、特定したユーザに、食べ物に関するアドバイスを報知する。そのため、各ユーザは、食事に関して、自分にとって最適なアドバイスを得ることができる。アドバイスの情報が、ユーザにとって適切な米飯量である場合、ユーザが食べ過ぎてしまうことを防ぐことができる。また、ユーザ毎に適切な米飯量を情報処理手段6が求めて表示手段3に報知させるので、年齢または性別等の属性が異なるユーザが炊飯器100を使用する場合でも、ユーザ情報を炊飯器100に登録することで、各ユーザは自分に適した食事をすることができる。
【0131】
なお、ステップS32において、炊飯器100がスマートスピーカ(図示せず)と連携し、ユーザが音声でユーザの選択を炊飯器100に指示するようにしてもよい。スマートスピーカ(図示せず)は、例えば、炊飯器100の入力手段2と有線または無線で通信する通信手段(図示せず)と、ユーザの音声を収録するマイク(図示せず)と、収録されたユーザの音声の内容を解析してユーザ選択の指示を、通信手段を介して入力手段2に送信する制御手段(図示せず)とを有する。ユーザが米飯を容器1から取り出す際、通常、一方の手に茶碗などの容器を持ち、他方の手にしゃもじを持っていることが多い。この場合、ユーザは、両手に物を持っているので、入力手段2のユーザ選択ボタン33を指で操作することは難しく、音声でユーザ選択の指示を炊飯器100に入力できるので、利便性が高まる。
【0132】
また、ユーザが容器1から取り出した米飯量が適切な量よりも多い状態、または適切な量よりも少ない状態で、ステップS41において、ユーザが取消ボタン34を長押して食事を終了する場合が考えられる。この場合、情報処理手段6は、ユーザの次回以降の食事で、前の食事の過剰分または不足分を解消する適切な米飯量を求めて表示手段3に報知させてもよい。具体例として、ユーザが、表示手段3に表示された(W-S)[g]よりも20g分多く米飯を食べて食事を終了した場合を考える。この場合、情報処理手段6は、次回の食事で算出する(W-S)[g]から20g分を減じた値を、米飯についてユーザが摂取すべき米飯量として表示手段3に報知させる。これにより、ユーザは、食事の度に、適切な米飯量を守らなければならないストレスを感じることもなく、食べ過ぎの問題は長い期間で解消することができる。
【0133】
また、ステップS39においてユーザが蓋体20を閉じた後、取消ボタン34の長押し(ステップS41)を実行しなくても、情報処理手段6は、ユーザが米飯の取り出しを終了したと判定してもよい。
【0134】
本実施の形態2においては、炊飯メニューとして「ふつう」が選択された場合について説明したが、他の炊飯メニューが選択された場合について説明する。例えば、ユーザが炊飯メニューとして「かため」を選択した場合、炊飯器100は、炊飯メニューが「ふつう」の場合よりも単位重量あたりの米飯の水分量が少なくなるように炊き上げる。言い換えると、炊飯器100は、水分以外の成分が高濃度の状態となるように炊飯する。すなわち、単位重量あたりの米飯の栄養およびエネルギーは、炊飯メニューが「ふつう」の場合よりも「かため」の場合の方が高くなっている。
【0135】
そのため、情報処理手段6は、炊飯メニューが「ふつう」の場合よりも「かため」の場合の水以外の成分が高濃度になっている分だけ、「ふつう」の場合よりも1食当たりの米飯の適切量を少なくする。例えば、米飯100gあたりの炭水化物量は、「ふつう」の場合の37.1gから、「かため」の場合、39.0gに高くなる。つまり、「かため」の場合、「ふつう」の場合に比べて、炭水化物量が5%分だけ高濃度になっている。この場合、図11に示したステップS33において、情報処理手段6は、炊飯メニューが「ふつう」の場合のユーザの1食当たりの米飯の適切量W[g]に対し、0.95(=(100-5)/100)を乗算する。情報処理手段6は、「ふつう」の場合の米飯の適切量W[g]に0.95を乗算して求めた値Wk[g]を、炊飯メニューが「かため」の場合の1食当たりの米飯の適切量とすればよい。W=142gの場合、Wk=142×95%=135[g]となる。
【0136】
一方、炊飯メニューが「やわらかめ」および「おかゆ」の場合、「ふつう」の場合よりも水以外の成分が低濃度になっている。そのため、情報処理手段6は、炊飯メニューが「やわらかめ」および「おかゆ」の場合、「ふつう」の場合よりも水以外の成分が低濃度になっている分だけ、「ふつう」の場合よりも1食当たりの米飯の適切量を多くする。例えば、米飯100gあたりの炭水化物量は、「ふつう」の場合の37.1gから、「やわらかめ」の場合、31.5gに低くなる。つまり、「やわらかめ」の場合、「ふつう」に比べて炭水化物量が15%分だけ低濃度になっている。この場合、図11に示したステップS33において、情報処理手段6は、炊飯メニューが「ふつう」の場合のユーザの1食当たりの米飯の適切量W[g]に対し、1.15(=(100+15)/100)を乗算する。情報処理手段6は、「ふつう」の場合の米飯の適切量W[g]に1.15を乗算して求めた値Wk[g]を、炊飯メニューが「やわらかめ」の場合の1食当たりの米飯の適切量とすればよい。W=142gの場合、Wk=142×115%=163[g]となる。
【0137】
また、時間栄養学では、穀類デンプン、すなわち米飯は、夕食よりも朝食に摂取するほうが健康に良いとされている。そのため、図11に示したステップS33において、情報処理手段6は、ユーザAの1食当たりの米飯の適切量Wを求める際、米飯が炊飯器100から取り出されるタイミングが朝である場合、朝時間帯係数として、1よりも大きい補正係数(例えば、1.1)を式(3)の算出式に乗算する。具体的には、情報処理手段6は、ユーザAの朝食時の米飯の適切量Wを、式(4)を用いて算出する。
W[g]=(0.052×1744[kcal/日]+51.6)×1.1=156[g] ・・・(4)
【0138】
また、米飯が炊飯器100から取り出されるタイミングが夜である場合、情報処理手段6は、夜時間帯係数として、1よりも小さい補正係数(例えば、0.9)を式(3)の算出式に乗算してもよい。さらに、朝時間帯係数+夜時間帯係数=2とするとよい。このように喫食する時間帯によって適切量を調整することで、ユーザは時間栄養学の視点に即した食事を摂ることができる。
【0139】
調理器の場合、調理制御によって水分蒸発量および栄養成分の増減があるため、調理前の食材が同じであっても調理後の成分および成分濃度が同一とは限らない。具体的には、上述したように、炊飯のメニューが「ふつう」の場合に比べ、「かため」の場合は成分濃度が高く、「やわらかめ」の場合は成分濃度が低い。そのため、本実施の形態2においては、調理手段である炊飯器自体が調理情報に基づいて食事の適切量を算出するため、情報処理手段6が適切と判定した量を、精度良くユーザに提示することができる。
【0140】
また、本実施の形態2においては、食事支援装置の調理手段として炊飯器の場合を例として説明したが、本開示の食事支援装置における調理手段は炊飯器に限らない。例えば、調理手段は、IHクッキングヒータまたは電子レンジなどであってもよい。上述したように、調理制御によって調理前後の成分および成分濃度が変化する。例えば、調理器がIHクッキングヒータである場合、よく煮込んで濃縮されたカレーと、短時間だけ煮て濃縮されていないカレーとでは、単位重量あたりの栄養およびエネルギーが異なる。そのため、IHクッキングヒータの情報処理手段6は、調理時間に基づいてカレーの適切量を算出することで、適切と判定した量を、精度良くユーザに提示することができる。
【0141】
また、表示手段3が表示する米飯の適切量の単位は重量[g]に限らない。表示手段3が表示する米飯の適切な量を示す単位は、例えば、エネルギー[kcal]でもよい。適切な米飯量が重量[g]で表示される場合、ユーザは、しゃもじにのせた米飯の重さを手で感じることで、取り出す米飯量が表示手段3によって表示された適切量になるように、分量を調節しやすいというメリットがある。一方、適切な米飯量がエネルギー[kcal]で表示される場合、ユーザは、表示されるエネルギーの消費に必要な活動量に置き換えやすく、食べ過ぎ抑制の効果が高くなるというメリットがある。
【0142】
また、本実施の形態2においては、ユーザの体重を維持する場合に適した米飯量を提示する場合について説明したが、ユーザの体重を維持するためのアドバイスに限らない。例えば、ユーザが現在よりも「体重を減らしたい」と希望する考える場合を仮定する。この場合、図10に示したステップS21において、ユーザは、ユーザ情報を入力する際、体重を減らすことを希望する旨の情報を入力する。この場合、情報処理手段6は、図11に示したステップS33において、1食当たりの米飯の適切量W[g]に対して、ダイエット係数として1よりも小さい補正係数(例えば、0.95)を乗算する。そして、情報処理手段6は、その演算結果を適切な米飯量の補正値とする。これにより、ユーザの健康をサポートするとともに、ユーザのニーズに応えることができる。
【0143】
本実施の形態2によれば、複数のユーザが炊飯器100を共用していても、炊飯器100から米飯を取りだそうとするユーザが特定され、特定されたユーザに対して、食べ物に関するアドバイスが報知される。そのため、各ユーザは、食べようとした食べ物に関して、自分にとって最適なアドバイスを得ることができる。
【0144】
また、本実施の形態2において、情報処理手段6は、特定されたユーザに対して、ユーザ情報に基づいて摂取すべきエネルギーに相当する米飯量を求め、求めた米飯量の情報をアドバイスとして表示手段3に報知させてもよい。栄養学の知識を持たない一般的なユーザは、自分にとって最適なカロリーを正確に判断することは難しいが、自分に適した米飯量および取り出された米飯量が報知されるため、茶碗に入れた米飯量が自分に適切か否かを判断することができる。
【0145】
また、本実施の形態2においては、容器1から米飯を取り出すユーザを特定することで、何度も米飯をおかわりすると、過剰に摂取していることを報知する。これにより、ユーザが食べ過ぎてしまうことを防ぐことができる。また、容器1から米飯を取り出すユーザが子供である場合、ユーザが子供であることが判定され、子供に適切な米飯量が報知される。そのため、子供が誤って大人の米飯量を食べてしまうことを防ぐことができる。このようにして、炊飯器100は、容器1から米飯を取り出すユーザを特定することで、特定したユーザが容器1から取り出した米飯の摂取量が最適か否かを報知することができる。本実施の形態2の炊飯器100は、ユーザ毎に適切な摂取量および摂取エネルギーを提示することで、各ユーザの健康の維持をサポートすることができる。
【0146】
本実施の形態2においては、調理器が炊飯器100について説明したが、調理器は炊飯器の場合に限らない。また、ユーザが摂取する対象が米飯の場合で説明したが、ユーザが摂取する対象は、米飯に限らず、おかずを含む食事であってもよい。
【0147】
また、本実施の形態2においては、ユーザを特定する情報を取得する取得手段として、ユーザの指定が入力される入力手段2の場合で説明したが、取得手段は、入力手段2に限らない。複数のユーザに対して、ユーザの指紋または顔の特徴など身体的特徴を基にユーザを判定してもよい。以下に、変形例を説明する。
【0148】
(変形例1)
本変形例1は、ユーザの身体的特徴として指紋パターンによってユーザを特定するものである。図19は、変形例1に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
【0149】
本変形例1の炊飯器100の構成を説明する。図1に示した炊飯器100において、蓋体20が閉じた状態で、蓋体20を本体10に係合するロック機構(図示せず)が設けられている。また、蓋体20の上面には、ロック機構(図示せず)を解除するための開ボタン(図示せず)が設けられている。開ボタン(図示せず)には、開ボタンに触れるユーザの指から指紋の特徴を示す指紋パターンを検出するタッチセンサ55が設けられている。タッチセンサ55は、調理済みの食物を調理器から取り出すユーザから指紋パターンを取得する取得手段の役目を果たす。本変形例1においては、調理器は炊飯器100である。タッチセンサ55は、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と接続されている。
【0150】
記憶手段5aは、複数のユーザ毎にユーザの識別子に対応してユーザの指紋パターンを身体的特徴として記憶する。指紋パターンは、例えば、ユーザ情報が登録される際、ユーザの識別子に対応して記憶手段5aに登録される。この場合、入力手段2の複数のボタンのうち、少なくとも一部のボタンにもタッチセンサ55が設けられていてもよい。情報処理手段6は、記憶手段5aが記憶した複数のユーザの指紋パターンから、タッチセンサ55が取得した指紋パターンに一致する指紋パターンを選択し、選択した指紋パターンに対応して記憶手段5aが記憶した識別子によってユーザを特定する。
【0151】
本変形例1によれば、複数のユーザが共用する調理器において、各ユーザは、調理器から調理済みの食物を取り出す際、指をタッチセンサ55に触れることでコントローラ18にユーザが特定されるため、ユーザの指定を入力する必要がない。
【0152】
(変形例2)
本変形例2は、ユーザの身体的特徴として顔の特徴によってユーザを特定するものである。図20は、変形例2に係る炊飯器100のコントローラ18の一構成例を示す機能ブロック図である。
【0153】
本変形例2の炊飯器100の構成を説明する。図1に示した炊飯器100において、蓋体20が閉じた状態で、蓋体20を本体10に係合するロック機構(図示せず)が設けられている。また、蓋体20の上面には、ロック機構(図示せず)を解除するための開ボタン(図示せず)が設けられている。開ボタン(図示せず)には、開ボタンにユーザが触れたことを検出するタッチセンサ57が設けられている。また、図1に示した蓋体20にカメラ56が設けられている。カメラ56は、入力手段2および表示手段3と同様に、図1に示した本体10の前上面に設けられていてもよい。タッチセンサ55およびカメラ56のそれぞれは、信号線(図示せず)を介してコントローラ18と接続されている。
【0154】
記憶手段5aは、複数のユーザ毎にユーザの識別子に対応してユーザの顔の特徴を示す特徴パターンを身体的特徴として記憶する。顔の特徴パターンは、顔における目、鼻および口などの特徴点の位置と、顔の輪郭と、顔領域の位置および大きさとを、複数の折れ線および複数の折れ線の交点とによって表されるパターンである。顔の特徴パターンは、例えば、ユーザ情報が登録される際、ユーザの識別子に対応して記憶手段5aに登録される。
【0155】
タッチセンサ57は、ユーザの指が触れたことを検出すると、検出したことを示す接触検出信号を情報処理手段6に送信する。情報処理手段6は、タッチセンサ57から接触信号を受信すると、カメラ56にユーザの顔を撮影させる撮影指示信号を送信する。カメラ56は、情報処理手段6から撮影指示信号を受信すると、ユーザの顔を撮影する。カメラ56は、調理済みの食物を調理器から取り出すユーザの顔を撮影して身体的特徴の情報を取得する取得手段の役目を果たす。本変形例2においては、調理器は炊飯器100である。カメラ56は、撮影した顔の画像から特徴パターンを抽出し、抽出した特徴パターンの情報を情報処理手段6に送信する。
【0156】
情報処理手段6は、記憶手段5aが記憶した複数のユーザの顔の特徴パターンから、カメラ56が撮影した顔の画像から抽出される特徴パターンに一致する特徴パターンを選択し、選択した特徴パターンに対応して記憶手段5aが記憶した識別子によってユーザを特定する。
【0157】
本変形例2によれば、複数のユーザが共用する調理器において、各ユーザは、調理器から調理済みの食物を取り出す際、カメラ56によってユーザの顔が撮影されることでコントローラ18にユーザが特定されるため、ユーザの指定を入力する必要がない。
【0158】
なお、上述の実施の形態1および2においては、本開示の食事支援装置として、家電機器が調理手段の場合で説明したが、食事支援装置として機能する家電機器は炊飯器等の調理手段に限らない。
【0159】
実施の形態3.
実施の形態1および2では食事支援装置として機能する家電機器が炊飯器の場合で説明したが、本実施の形態3は、食事支援装置が冷蔵庫の場合である。本実施の形態3においては、実施の形態1および2で説明した構成と同一の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0160】
本実施の形態3の食事支援装置である冷蔵庫60の構成を説明する。図21は、実施の形態3に係る冷蔵庫60の外観の一例を示す正面図である。図21において、説明の便宜上、3次元空間における方向を定義するX軸、Y軸及びZ軸の3つの軸を表示する。図21に示すY軸矢印方向を冷蔵庫60の正面側とし、Y軸矢印の反対方向を冷蔵庫60の背面側とする。
【0161】
冷蔵庫60は、内部に貯蔵室(図示せず)が形成された筐体120を有する。食品等の被冷却物が収容される貯蔵室(図示せず)は、複数の仕切り(図示せず)によって複数の貯蔵室に区画されている。冷蔵庫60は、複数の貯蔵室として、冷蔵室111と、製氷室112と、切替室113と、野菜室114と、冷凍室115とを有する。冷蔵室111は、最上段に配置されている。製氷室112および切替室113は、冷蔵室111の下に配置されている。製氷室112および切替室113は隣接して水平面に沿って並列に配置されている。野菜室114は、切替室113および製氷室112の下に配置されている。冷凍室115は、野菜室114の下に配置されている。製氷室112、切替室113、野菜室114及び冷凍室115は、ユーザが冷蔵庫60の正面側に引き出すことができる引き出し式の貯蔵室である。
【0162】
冷蔵室111の正面には、ヒンジ116を軸に回転させることによって、開閉動作する扉117および118が設けられている。扉117には、操作パネル68が内蔵されている。操作パネル68は、各貯蔵室の設定温度等を調整するための操作部119と、各貯蔵室の温度および庫内の在庫情報などを表示する表示手段3とを有する。操作部119は、例えば、操作スイッチまたはタッチパネルなどで構成される。操作部119がタッチパネルである場合、操作パネル68は、表示手段3の上に操作部119が重ねられた構成であってもよい。
【0163】
図22は、図21に示した冷蔵室111について扉117および118を図に示すことを省略した状態の正面図である。冷蔵室111の貯蔵空間は、複数の棚73および74によって区分けされている。棚73および74の材質は、例えば、透明なガラスである。図22は、冷蔵室111の床面72の上に食べ物Fsw1が置かれ、棚74の上にも食べ物Fsw2が置かれている場合を示す。食べ物Fsw1およびFsw2は、例えば、円形のチーズケーキである。
【0164】
冷蔵室111の正面側の下方の筐体120の内部に、扉117および118の開閉状態を検知する扉開閉センサ69が設けられている。扉開閉センサ69は、例えば、リードスイッチである。冷蔵室111の背面には、レンズ71を備えたカメラ70が設けられている。冷蔵室111の床面近くの背面に、冷気を冷蔵室111内に吹き出す吹出口75と、冷蔵室111の空間の温度である冷蔵温度を検出する温度センサ67aとが設けられている。カメラ70が冷蔵室111内を撮影した場合、カメラ70は、棚74が透明なガラスなので、棚74の上に置かれた食べ物Fsw2だけでなく、カメラ70の位置から棚74の影になる食べ物Fsw1も撮影できる。
【0165】
図23は、実施の形態3に係る冷蔵庫60の一構成例を示すブロック図である。冷蔵庫60は、温度センサ67aおよび67bと、操作パネル68と、検知手段19aと、圧縮機63と、送風ファン64と、ダンパ65と、ヒータ66と、コントローラ18aとを有する。検知手段19aは、で構成される。温度センサ67aおよび67b、操作パネル68、扉開閉センサ69、カメラ70、圧縮機63、送風ファン64、ダンパ65ならびにヒータ66のそれぞれは、信号線(図示せず)を介してコントローラ18aと接続されている。
【0166】
温度センサ67bは、冷凍室115の空間の温度である冷凍温度を検出する温度センサである。圧縮機63は、冷媒が循環する冷媒回路(図示せず)に設けられ、吸入する冷媒を圧縮して吐出する。送風ファン64は、冷媒回路(図示せず)における冷媒の冷凍サイクルによって生成された冷気を冷蔵室111等の各貯蔵室に供給する。ダンパ65は、冷媒の冷凍サイクルによって生成された冷気が各貯蔵室に流入する量を調整する。
【0167】
カメラ70は、扉開閉センサ69が扉117および118の開状態を検知すると、撮影動作を開始し、画像データを情報処理手段6に送信する。カメラ70は、扉開閉センサ69が扉117および118の閉状態を検知すると、撮影動作を終了する。ヒータ66は、レンズ71を加熱するヒータである。扉開閉センサ69が扉117および118の開状態を検知すると、ヒータ66は、オフ状態からオン状態に切り替わり、レンズ71を加熱する。これにより、扉117および118が開いたとき、レンズ71が結露することを防ぐことができる。扉開閉センサ69が扉117および118の閉状態を検知すると、ヒータ66は、オン状態からオフ状態に切り替わる。
【0168】
コントローラ18aは、記憶手段5と、情報処理手段6と、タイマー8と、時刻判定手段9と、冷凍サイクル制御手段62とを有する。冷凍サイクル制御手段62は、温度センサ67aの測定値がユーザによって設定された冷蔵温度を基準に予め決められた範囲に収まるように、圧縮機63の運転周波数、送風ファン64の回転数およびダンパ65の開度を制御する。冷凍サイクル制御手段62は、温度センサ67bの測定値がユーザによって設定された冷凍温度を基準に予め決められた範囲に収まるように、圧縮機63の運転周波数、送風ファン64の回転数およびダンパ65の開度を制御する。
【0169】
記憶手段5は、栄養情報モデルの他に、複数種の食べ物の種類毎に食べ物の外観を示す画像のデータを記憶している。情報処理手段6は、ユーザが冷蔵室111に食べ物を入れると、カメラ70によって撮影された食べ物の画像と記憶手段5が記憶する複数種の食べ物の画像とを比較して、冷蔵室111に保存される食べ物を特定して記憶手段5に記憶させる。また、情報処理手段6は、ユーザが冷蔵室111から食べ物を取り出そうとすると、カメラ70によって撮影された食べ物の画像と記憶手段5が記憶する複数種の食べ物の画像とを比較して、ユーザによって取り出される食べ物の種類を判定する。
【0170】
例えば、ユーザが就寝1時間前に冷蔵室111からチーズケーキを取り出して食べようとした場合を考える。一般的な就寝時刻が21時~22時とする。時刻判定手段9は、ユーザが冷蔵室111からチーズケーキを取り出さそうとしている時刻を23時と判定する。情報処理手段6は、カメラ70から受信する画像データと記憶手段5が記憶する複数種の食べ物の画像とを比較し、ユーザによって取り出された食べ物がチーズケーキと判定する。この場合、情報処理手段6は「チーズケーキよりも冷蔵室の中段の右側にあるゼリーをお勧めします」というメッセージを生成して表示手段3に報知させる。チーズケーキは脂肪分が多く、消化が遅いためユーザが就寝前に食べると体脂肪が増えてしまう。そのため、チーズケーキよりも消化の早いゼリーを勧めることで体脂肪の増加を抑制することができる。このようにして、ユーザが食べようとした食べ物の代替品として、冷蔵庫60に保存された別の食べ物を推奨するアドバイスを報知することで、ユーザは、食べることを否定されるよりも、冷蔵庫60のアドバイスに耳を傾ける気になりやすくなる。
【0171】
本実施の形態3の冷蔵庫60は、食べ物を収容する貯蔵室と、食べ物が貯蔵室からユーザによって取り出されることを検知する検知手段19aと、食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段9と、栄養情報モデルを記憶する記憶手段5と、検知手段19aによって食べ物が取り出されたことが検知されると、時刻判定手段9によって判定された時刻および記憶手段5によって記憶される栄養情報モデルに基づく、食べ物に関するアドバイスをユーザに報知する報知手段とを有する。報知手段は、例えば、操作パネル68の表示手段3である。
【0172】
本実施の形態3によれば、ユーザが冷蔵庫60の貯蔵室から食べ物を取り出そうとすると、取り出された食べ物に関するアドバイスがユーザに報知される。そのため、ユーザは、不快な思いをせずにより健康な身体を保つことができる。
【0173】
なお、本実施の形態3においては、実施の形態1を適用する場合で説明したが、実施の形態2を適用してもよい。この場合、変形例2と同様にして、カメラ70が撮影したユーザの顔の画像を基に情報処理手段6は、冷蔵庫60から食べ物を取り出そうとしたユーザを特定することができる。
【0174】
また、本実施の形態3においては、冷蔵室111にカメラ70を設ける場合で説明したが、冷凍室115など他の貯蔵室にもカメラ70を設けてもよい。例えば、冷凍室115にカメラ70が設けられた場合、夜遅い時間にユーザが冷凍室115からアイスクリームを取り出そうとしたとき、情報処理手段6は、(2)食べ物を摂取するタイミング、または(3)食べ物の替わりに摂取する食べ物に関するアドバイスをユーザに報知する。具体的には、情報処理手段6は、「明日の朝、食べることをお勧めします」というアドバイスの情報を生成して表示手段3に報知させる。また、情報処理手段6は、「アイスクリームよりも冷蔵室にあるゼリーをお勧めします」というアドバイスの情報を生成して表示手段3に報知させてもよい。
【0175】
実施の形態4.
本実施の形態4は、食事支援システムに関するものである。実施の形態1~3においては、食事支援装置が炊飯器100または冷蔵庫60などの家電機器単体の構成の場合で説明したが、家電機器単体の場合に限らない。炊飯器および他の装置を含むシステムによって、実施の形態1~3で説明した食事支援装置の機能が実現されてもよい。本実施の形態4においては、実施の形態1~3で説明した構成と同一の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0176】
本実施の形態4の食事支援システムの構成を説明する。図24は、実施の形態4に係る食事支援システムの一構成例を示すブロック図である。本実施の形態4の食事支援システム40は、実施の形態2で説明した炊飯器100の記憶手段5a、情報処理手段6および時刻判定手段9が炊飯器100とは別の構成に設けられたものである。実施の形態1で説明した炊飯器100の記憶手段5、情報処理手段6および時刻判定手段9が炊飯器100とは別の構成に設けられたものであってもよい。
【0177】
図24に示すように、炊飯器100aは、ネットワーク50を介して、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ41と接続される。ネットワーク50は、ホームネットワークである。ネットワーク50は、例えば、Wi-Fi(登録商標)ルータによるLAN(Local Area Network)である。ウェアラブル端末43、体重計47、調理機器48、冷蔵庫81、照明85、情報処理端末90およびスマートスピーカ51は、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41と接続される。
【0178】
図25は、図24に示した食事支援システム40の各構成の具体例を示すブロック図である。ウェアラブル端末43は、ユーザに携帯される情報処理端末である。ウェアラブル端末43は、ユーザの身体活動レベルを計測する活動量計の一例である。ウェアラブル端末43は、例えば、腕時計型端末である。
【0179】
ウェアラブル端末43は、制御手段44と、加速度センサ46とを有する。制御手段44は、例えば、マイクロコンピュータである。制御手段44は、活動量計測手段45を有する。活動量計測手段45は、加速度センサ46の検出値を基に、ユーザの1日の歩数をカウントし、カウントした歩数の情報を、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の入力手段2に送信する。歩数の情報は、身体活動レベルを示す情報の一例である。
【0180】
照明85は、LED(Light Emitting Diode)等の光源(図示せず)と、光源のオン状態およびオフ状態を制御するコントローラ(図示せず)とを有する。照明85は、ユーザの寝室の天井に設置されている。照明85のコントローラ(図示せず)は、点灯の指示が入力されると、光源(図示せず)を点灯させるとともに、光源がオン状態であることを示すオン信号をHEMSコントローラ41に送信する。照明85のコントローラ(図示せず)は、消灯の指示が入力されると、光源(図示せず)を消灯させるとともに、光源がオフ状態であることを示すオフ信号をHEMSコントローラ41に送信する。
【0181】
情報処理端末90は、ユーザによって操作されるスマートフォンまたはPDA(Personal Digital Assistants)等の情報処理装置である。情報処理端末90は、記憶部91と、表示部92と、操作部93と、制御部94とを有する。記憶部91は、ユーザの行動予定を示すスケジュールの情報を記憶する。スケジュール情報は、ユーザの就寝時間帯の情報を含む。制御部94は、予め決められた周期TLで記憶部91からスケジュール情報を読み出し、読み出したスケジュール情報をHEMSコントローラ41に送信する。予め決められた周期TLは、例えば、24時間である。
【0182】
体重計47は、ユーザが体重計47に乗ると、ユーザの体重を計測し、計測した体重の情報を、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の情報処理手段6に送信する。調理機器48は、炊飯器100a以外の調理機器である。調理機器48は、例えば、自動調理鍋またはIHクッキングヒータである。調理機器48は、調理するおかずの情報を、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の入力手段2に送信する。
【0183】
冷蔵庫81は、食材を保存する装置の一例である。冷蔵庫81は、貯蔵庫に保存された食材を撮影するカメラ82と、冷蔵庫81の冷凍サイクルを制御するコントローラ83とを有する。コントローラ83は、プログラムを記憶するメモリ(図示せず)と、プログラムにしたがって処理を実行するプロセッサ(図示せず)とを有する。コントローラ83のメモリ(図示せず)は、各種食材の画像のデータを記憶している。コントローラ83のプロセッサ(図示せず)は、カメラ82によって撮影された食材の画像とメモリ(図示せず)が記憶する画像とを比較することで貯蔵庫に保存された食材の種類を判定する。コントローラ83のプロセッサ(図示せず)は、判定した食材の情報を、おかず情報として、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の入力手段2に送信する。
【0184】
例えば、調理機器48がIHクッキングヒータであり、ユーザが調理機器48を操作して自動調理メニューの「カレー」を選択すると、調理機器48はおかず情報として「カレー」の情報を、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の入力手段2に送信する。また、ユーザが、おかず「サラダ」を作るために、冷蔵庫81からトマト、レタスおよびドレッシングから取り出すと、コントローラ83は、カメラ82によって撮影された貯蔵庫の画像から、トマト、レタスおよびドレッシングが取り出されたと判定する。そして、コントローラ83は、おかず情報として、トマト、レタスおよびドレッシングの情報を、ネットワーク50を介して、HEMSコントローラ41の入力手段2に送信する。
【0185】
HEMSコントローラ41は、制御手段42を有する情報処理装置である。制御手段42は、例えば、マイクロコンピュータである。制御手段42は、記憶手段5a、情報処理手段6、時刻判定手段9およびタイマー49を有する。情報処理手段6は、炊飯器100aおよび調理機器48を含む複数の家電機器と通信接続し、複数の家電機器の電力消費量を監視する。タイマー49は、炊飯器100aのタイマー8と同一の機能を有し、タイマー8と同期している。
【0186】
時刻判定手段9は、情報処理手段6を介して照明85からオン信号およびオフ信号を受信すると、オン信号およびオフ信号を受信した時刻を判定し、オン信号およびオフ信号を受信した時刻の情報を情報処理手段6に送信する。情報処理手段6は、オン信号およびオフ信号を受信した時刻を基にユーザの就寝時間帯を把握する。情報処理手段6は、アドバイスの情報を生成し、アドバイスの情報をスマートスピーカ51に送信する。
【0187】
食物の消化、吸収および代謝と体内時計とには密接な関係があることが知られている。多くの人は夜寝て、朝起きる生活をしており、このような生活スタイルをおくる人にとって「早起きをして、しっかり朝ご飯を食べる」という食事リズムが健康にとって好ましい。しかし、全ての人が上記の生活スタイルをおくれるわけではない。常に夜勤の人または昼と夜とを交代で働いていたりする人もいる。このような場合でも、情報処理手段6は、個々のユーザの生活スタイルに適したアドバイスをユーザに報知できる。
【0188】
情報処理手段6は、情報処理端末90からスケジュール情報を受信する場合、受信したスケジュール情報を基にユーザの就寝時間帯を把握してもよい。情報処理手段6は、スケジュール情報から、ユーザの当日の就寝予測時刻を補正することで、健康によいアドバイスをより精度よくユーザに報知することができる。
【0189】
また、情報処理手段6は、体重計47から入力手段2を介して、ユーザの体重の情報を受信する。情報処理手段6は、ウェアラブル端末43から入力手段2を介して、歩数の情報を受信する。情報処理手段6は、記憶手段5aに登録されるユーザの体重を、体重計47から受信する体重の情報を用いて、ユーザの現在または直近の過去の体重の値に更新する。また、情報処理手段6は、記憶手段5aに登録される、ユーザの身体活動レベルを、受信する歩数の情報を用いて、ユーザの現在または直近の過去の身体活動レベルの値に更新する。
【0190】
情報処理手段6は、記憶手段5aが記憶するユーザ情報を用いて、実施の形態2と同様に、ユーザに適切な米飯量を算出する。情報処理手段6は、ユーザに適切な米飯量の情報をスマートスピーカ51に送信する。
【0191】
炊飯器100aは、入力手段2と、発光手段86と、加熱手段12と、コントローラ18bとを有する。コントローラ18bは、例えば、マイクロコンピュータである。コントローラ18bは、図9に示したコントローラ18と比較すると、記憶手段5a、情報処理手段6および時刻判定手段9を有していないが、加熱制御手段7が加熱手段12の制御に必要な情報を記憶するメモリ(図示せず)を有する。発光手段86は、例えば、LEDである。発光手段86は、少なくとも炊飯中、保温中および電源オフの情報をユーザに報知する機能を備えていればよい。
【0192】
スマートスピーカ51は、制御手段52と、音声出力手段53とを有する。制御手段52は、例えば、マイクロコンピュータである。音声出力手段53は、ユーザに情報を報知する報知手段として機能する。音声出力手段53は、例えば、スピーカである。制御手段52は、HEMSコントローラ41から受信する情報を音声情報に変換して音声出力手段53に出力させる。例えば、制御手段52は、ユーザに適切な米飯量の情報をHEMSコントローラ41から受信すると、受信した米飯量の情報を音声出力手段53に音声で出力させる。また、制御手段52は、ユーザに対するアドバイスの情報をHEMSコントローラ41から受信すると、受信したアドバイスの情報を音声出力手段53に音声で出力させる。
【0193】
本実施の形態4の食事支援システム40の動作は、ユーザに情報を報知する方法が実施の形態2と異なる方法であることを除いて、実施の形態2で説明した動作と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
【0194】
また、本実施の形態4において、ネットワーク50は家屋内のネットワークではなく、外部のネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク50はインターネットである。この場合、制御手段42を有する情報処理装置は、インターネット等のネットワーク50に接続されるサーバ装置(図示せず)であってもよい。
【0195】
また、本実施の形態4においては、活動量計がウェアラブル端末43の場合で説明したが、活動量計はウェアラブル端末43に限らず、ユーザの消費エネルギー算出の基になるデータを計測できる機器であればよい。活動量計は、例えば、歩数計、心拍数計、消費カロリー計および移動距離計測器などがある。歩数計の機能は、ユーザが携帯するスマートフォン等の携帯端末(図示せず)で実現されてもよい。移動距離計測器は、GPSまたは携帯端末の基地局電波を利用して、ユーザの移動距離を計測する機器である。
【0196】
本実施の形態4によれば、実施の形態2で説明した炊飯器100の機能が食事支援システム40によって実現される。具体的には、炊飯器100aは、情報処理手段6、時刻判定手段9、記憶手段5aおよび表示手段3を有していなくても、他の装置として、情報処理手段6、時刻判定手段9および記憶手段5aを有するHEMSコントローラ41ならびに音声出力手段53を有するスマートスピーカ51と連携する。この構成により、ユーザが食べようとする食べ物に関して、ユーザに適切なアドバイスが音声出力手段53から報知される。その結果、ユーザが食べ過ぎてしまうことを防ぐことができる。
【0197】
また、本実施の形態4によれば、スケジュール情報または照明の消灯時間の情報と連携することで、情報処理手段6がユーザのスケジュールまたは就寝時間帯を把握し、ユーザの生活に合ったアドバイスを精度よく報知することができる。例えば、スケジュール情報に、翌朝の出張または早朝に使用予定のチケットの予約が登録されている場合、普段よりもユーザの就寝時間が早まることが考えられる。この場合、情報処理手段6は、ユーザに早めに夕食を摂ることをアドバイスすることができる。
【0198】
実施の形態2においては、ユーザ自身が、ユーザ情報の1つとして、就寝時間帯を記憶手段5aに登録する場合について説明した。本実施の形態4においては、情報処理手段6が、ユーザが照明85を消灯した時刻を就寝時刻と判定することで、ユーザの就寝時間帯を把握することができる。そのため、ユーザが就寝時間帯を記憶手段5aに登録する必要がなく、ユーザの操作負担が軽減する。なお、情報処理手段6は、ユーザが照明を点灯した時刻を起床時刻と判定してもよい。
【0199】
また、食事支援システム40は、ネットワーク50を介して、自動調理鍋もしくはIHクッキングヒータなどの調理機器48、または冷蔵庫81から得たおかずに関する情報から、ユーザに提示する米飯の適切量を補正してもよい。
【0200】
例えば、おかずに含まれる炭水化物が多すぎる場合、実施の形態1で説明した計算方法をそのまま用いて米飯の適切量を求めると、ユーザの1食あたりの炭水化物が摂取過剰になってしまう。そのため、おかずの炭水化物量が適切量に比べて予め決められた上限値よりも多い場合、情報処理手段6は、1食当たりの米飯の適切量W[g]に対して、1よりも小さい補正係数(例えば、0.95)を乗算する。そして、情報処理手段6は、その演算結果の値を、米飯の適切量の補正値とする。その反対に、おかずの量が少なく、1食全体のエネルギーが適切なエネルギーに比べて予め決められた下限値より少ない場合、情報処理手段6は、1食当たりの米飯の適切量W[g]に対して、1よりも大きい補正係数(例えば、1.10)を乗算する。そして、情報処理手段6は、その演算結果の値を、米飯の適切量の補正値とする。
【0201】
なお、本実施の形態4においては、家電機器とは別の装置に、情報処理手段6、時刻判定手段9および記憶手段5aが設けられるシステムの場合で説明したが、実施の形態1もしくは2の炊飯器100または実施の形態3の冷蔵庫60が情報処理端末90等の他の装置と通信接続されてもよい。この場合、例えば、炊飯器100は、情報処理端末90からスケジュール情報を受信し、スケジュール情報を基にユーザの就寝時間帯を把握できる。
【0202】
以下、本開示の食事支援装置の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0203】
(付記1)
食べ物を収容する貯蔵室または容器と、
前記食べ物が前記貯蔵室または前記容器からユーザによって取り出されることを検知する検知手段と、
前記食べ物が取り出された時刻を判定する時刻判定手段と、
1日当たりのエネルギー摂取量の情報を記憶する記憶手段と、
前記検知手段によって前記食べ物が取り出されたことが検知されると、前記時刻判定手段によって判定された時刻および前記記憶手段によって記憶される情報に基づく、取り出された前記食べ物に関するアドバイスを前記ユーザに報知する報知手段と、
を有する食事支援装置。
(付記2)
前記記憶手段は、
前記1日当たりのエネルギー摂取量の情報について、摂取の仕方が体内時計に基づくモデルである栄養情報モデルを記憶する、
付記1に記載の食事支援装置。
(付記3)
前記報知手段は、前記アドバイスとして、
前記食べ物について摂取する量、前記食べ物を摂取するタイミング、前記食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動、および前記食べ物の替わりに摂取する食べ物のうち、少なくとも1つ以上のアドバイスを前記ユーザに報知する、
付記1または2に記載の食事支援装置。
(付記4)
前記ユーザが就寝する時刻の範囲である就寝時間帯の情報を取得する取得手段を有し、
前記報知手段は、
前記取得手段によって取得された前記就寝時間帯の情報を基に前記食べ物を摂取するタイミングまたは前記食べ物の替わりに摂取する食べ物に関するアドバイスを報知する、
付記3に記載の食事支援装置。
(付記5)
前記ユーザの行動予定を示すスケジュール情報を取得する情報処理手段を有し、
前記報知手段は、
前記情報処理手段によって取得された前記スケジュール情報を基に、前記アドバイスとして、前記食べ物を摂取するタイミングまたは前記食べ物の替わりに摂取する食べ物を報知する、
付記3に記載の食事支援装置。
(付記6)
複数のユーザのうち、前記食べ物を前記貯蔵室または前記容器から取り出すユーザの指定が入力される、または前記食べ物を前記貯蔵室または前記容器から取り出すユーザの身体的特徴の情報を取得する取得手段を有し、
前記指定または前記身体的特徴によって特定された前記ユーザに対して複数の前記アドバイスから選択されるアドバイスを報知する、
付記3に記載の食事支援装置。
(付記7)
前記報知手段は、
特定された前記ユーザに対して摂取すべきエネルギーに相当する食事量を報知し、前記摂取すべきエネルギーよりも前記ユーザが摂取するエネルギーが過剰である場合、前記食べ物を摂取する場合に追加ですべき行動に関する前記アドバイスとして、過剰分のエネルギーを消費するために必要な運動の情報を報知する、
付記6に記載の食事支援装置。
(付記8)
前記報知手段は、
特定された前記ユーザに対して摂取すべきエネルギーに相当する食事量を報知し、前記摂取すべきエネルギーよりも前記ユーザが摂取するエネルギーが過剰または不足する場合、前記食べ物を摂取するタイミングに関する前記アドバイスとして、前記過剰または前記不足するエネルギーの分を前記ユーザの次の食事量で調整することを報知する、
付記6に記載の食事支援装置。
(付記9)
前記記憶手段は、前記複数のユーザ毎に身体に関する情報であるユーザ情報を記憶し、
前記報知手段は、
特定された前記ユーザの前記ユーザ情報に基づいて摂取すべきエネルギーに相当する食事量の情報を、前記食べ物について摂取する量に関する前記アドバイスとして報知する、
付記7または8に記載の食事支援装置。
(付記10)
前記報知手段は、
報知しようとする前記アドバイスが過去に前記ユーザに報知したアドバイスと同じ場合、同じ前記アドバイスを報知しない、
付記3~9のいずれか1つに記載の食事支援装置。
(付記11)
前記報知手段は、
前記アドバイスとして、前記ユーザが摂取しようとするエネルギーを減らす、または前記ユーザが摂取したエネルギーを消費させる基本的な内容のアドバイスを報知する、
付記3~9のいずれか1つに記載の食事支援装置。
(付記12)
前記報知手段は、
前記アドバイスとして、過去に前記ユーザに報知した前記アドバイスの内容よりも、前記ユーザが1日当たりに摂取するエネルギーの規制のレベルを上げるアドバイスを報知する、
付記3~9のいずれか1つに記載の食事支援装置。
(付記13)
前記記憶手段は、予め決められた管理対象期間において前記ユーザが摂取するエネルギーを記憶し、
前記報知手段は、前記アドバイスとして、前記管理対象期間に前記ユーザが過剰に摂取した分のエネルギーを前記管理対象期間に減らすアドバイスを報知する、
付記3~9のいずれか1つに記載の食事支援装置。
【符号の説明】
【0204】
1 容器、2 入力手段、3 表示手段、5、5a 記憶手段、6 情報処理手段、7 加熱制御手段、8 タイマー、9 時刻判定手段、10 本体、11 容器カバー、11a 孔部、12 加熱手段、13 鍋底温度センサ、14 ヒンジ部、15 重量計測手段、16 内部温度センサ、18、18a、18b コントローラ、19、19a 検知手段、20 蓋体、21 外蓋、22 内蓋、22a 蓋パッキン、22b 内蓋蒸気口、23 係止材、24 カートリッジ、24a 容器側孔、24b 蒸気排出孔、26 外蓋蒸気口、27 開閉センサ、31 米種選択ボタン、32 メニュー選択ボタン、33 ユーザ選択ボタン、34 取消ボタン、35 予約ボタン、36 時間設定ボタン、37a アップボタン、37b ダウンボタン、38 決定ボタン、40 食事支援システム、41 HEMSコントローラ、42 制御手段、43 ウェアラブル端末、44 制御手段、45 活動量計測手段、46 加速度センサ、47 体重計、48 調理機器、49 タイマー、50 ネットワーク、51 スマートスピーカ、52 制御手段、53 音声出力手段、55 タッチセンサ、56 カメラ、57 タッチセンサ、60 冷蔵庫、62 冷凍サイクル制御手段、63 圧縮機、64 送風ファン、65 ダンパ、66 ヒータ、67a、67b 温度センサ、68 操作パネル、69 扉開閉センサ、70 カメラ、71 レンズ、72 床面、73、74 棚、75 吹出口、81 冷蔵庫、82 カメラ、83 コントローラ、85 照明、86 発光手段、90 情報処理端末、91 記憶部、92 表示部、93 操作部、94 制御部、100、100a 炊飯器、111 冷蔵室、112 製氷室、113 切替室、114 野菜室、115 冷凍室、116 ヒンジ、117、118 扉、119 操作部、120 筐体、Fsw1、Fsw2 食べ物。
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