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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163578
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】フットプレートの揺動装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/12 20060101AFI20241115BHJP
   A61G 5/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
A61G5/12 705
A61G5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079321
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】503399920
【氏名又は名称】株式会社アステア
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久山 昌広
(72)【発明者】
【氏名】畝延 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】井元 孝行
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーがフットプレートに手で触れなくともフットプレートを揺動させることが可能であり、既存の車椅子に対しても装置を取り付けることが可能な車椅子のフットプレートの揺動装置を提供する。
【解決手段】車椅子のフットプレートを揺動させる装置であり、当該装置は、車椅子のフレームに対する取付ブラケットと、前記取付ブラケットにより支持されるフットプレートの支持部と、当該支持部に固定されるフットプレートと、前記支持部を回転させる操作部とを有しており、前記取付ブラケットと前記支持部とは、軸部と軸受部とを備えており、前記操作部は、ユーザーが手で捻る動作を回転力として前記支持部に伝達するものであり、ユーザーが前記操作部を回転させることにより、前記支持部は前記軸部と前記軸受部を中心として、フットプレートの支持部を揺動させるフットプレートの揺動装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子のフットプレートを揺動させる装置であり、
当該装置は、車椅子のフレームに対する取付ブラケットと、
前記取付ブラケットにより支持されるフットプレートの支持部と、
当該支持部に固定されるフットプレートと、
前記支持部に接続されており前記支持部を回転させる操作部とを有しており、
前記取付ブラケットと前記支持部とは、軸部と軸受部とを備えており、
前記操作部は、ユーザーが手で捻る動作を回転力として前記支持部に伝達するものであり、ユーザーが前記操作部を回転させることにより、前記支持部は前記軸部と前記軸受部を中心として、フットプレートの支持部を揺動させるフットプレートの揺動装置。
【請求項2】
前記取付ブラケットは、車椅子のフレームの延在方向に交差する方向に延びる部分を有する請求項1に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項3】
前記フットプレートは、前記支持部に対して、回転可能な状態で支持されている請求項1又は2に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項4】
前記取付ブラケットは、車椅子のフレームの端部を受け入れる筒状部を備える請求項1又は2に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記筒状部の延在方向に延びる第1部分と、当該第1部分に交差する方向に延在する第2部分とを備えており、
前記第1部分に前記軸部又は軸受部が配されており、
前記第2部分に回転可能な状態でフットプレートが固定されている請求項4に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項6】
前記操作部は、棒状体、又はフレキシブルシャフトである請求項1又は2に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項7】
前記軸部と前記軸受部とは、ロックピンと当該ロックピンを受け入れる切欠部とからなるロック部を有する請求項1又は2に記載のフットプレートの揺動装置。
【請求項8】
前記操作部を軸方向に引くことにより、操作部に連動して前記支持部を変位させて、前記ロックピンを前記切欠部から外して、ロックを解除する請求項7に記載のフットプレートの揺動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子のフットプレートを揺動させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、フットプレートを水平方向に揺動させることができる車椅子が知られている。特許文献1の車椅子では、回転支軸の先端部にフットプレートが固定される。回転支軸の基端部は、揺動ブロックに固定される。フットプレートが固定された回転支軸は揺動ブロックを中心として水平方向に揺動する。回転支軸は上部にピンを備える。ピンが溝に収まり拘束されフットプレートが動かない状態になるとされている。フットプレートを持ち上げるとピンが溝から外れて、水平方向に回転させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-65755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、フットプレートを収納する際に、手でフットプレートを持ち上げて、ピンと溝との係合関係を解除したうえで、手でフットプレートを回転させなければならなかった。
【0005】
フットプレートは汚れや細菌等が付着していることがあり、手でフットプレートを操作するのは感染症対策など衛生管理のうえで問題がある。
【0006】
また、特許文献1の装置は、既存の車椅子に対して、装置を取り付けることを前提とした構造ではない。
【0007】
本発明は、ユーザーが車椅子に乗降する際にフットプレートがユーザーの足に接触し、皮膚損傷の外傷を負う様な医療事故の発生を防ぐために、ユーザーがフットプレートに手で触れなくともフットプレートを揺動させることが可能であり、既存の車椅子に対しても装置を取り付けることが可能な車椅子のフットプレートの揺動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
車椅子のフットプレートを揺動させる装置であり、当該装置は、車椅子のフレームに対する取付ブラケットと、前記取付ブラケットにより支持されるフットプレートの支持部と、当該支持部に固定されるフットプレートと、前記支持部に接続されており前記支持部を回転させる操作部とを有しており、前記取付ブラケットと前記支持部とは、軸部と軸受部とを備えており、前記操作部は、ユーザーが手で捻る動作を回転力として前記支持部に伝達するものであり、ユーザーが前記操作部を回転させることにより、前記支持部は前記軸部と前記軸受部を中心として、フットプレートの支持部を揺動させるフットプレートの揺動装置により、上記の課題を解決する。前記揺動装置は、取付ブラケットにより既存の車椅子のフレーム取り付けて使用することが可能である。ユーザーが前記操作部を操作することで、ユーザーはフットプレートに手を触れなくても、ユーザーの下肢に干渉しないようにフットプレートを任意の位置に自由に揺動させることが可能である。
【0009】
前記フットプレートの揺動装置において、前記取付ブラケットは、車椅子のフレームの延在方向に交差する方向に延びる部分を有することが好ましい。
【0010】
前記フットプレートの揺動装置において、前記フットプレートは、前記支持部に対して、回転可能な状態で支持される構成とすることが好ましい。当該構成によれば、例えば、フットプレートを揺動させて、フットプレートを回転させることにより、フットプレートが障害物やユーザーの下肢に接触しにくい位置に退避させることができる。
【0011】
前記フットプレートの揺動装置において、前記取付ブラケットは、車椅子のフレームの端部を受け入れる筒状部を備える構成とすることが好ましい。当該構成によれば、例えば、前記筒状部を市販の車椅子のフレームの端部に嵌めることで、前記フットプレートの揺動装置を市販の車椅子のフレームに固定することができる。
【0012】
前記フットプレートの揺動装置において、前記支持部は、前記筒状部の延在方向に延びる第1部分と、当該第1部分に交差する方向に延在する第2部分とを備えており、前記第1部分に前記軸部又は軸受部が配されており、前記第2部分に回転可能な状態でフットプレートが固定された構成にすることができる。当該構成によれば、フットプレートをブラケットなどの他の部品に干渉しにくくすることができる。
【0013】
前記フットプレートの揺動装置において、前記操作部は、棒状体、又はフレキシブルシャフトにすることができる。当該構成によれば、簡素な構成により、ユーザーが手で捻る動作をフットプレートを揺動させる回動力として、伝達することができる。
【0014】
前記フットプレートの揺動装置において、前記軸部と前記軸受部とは、ロックピンと当該ロックピンを受け入れる切欠部とからなるロック部を有するものとすることが好ましい。当該構成によれば、簡素な構成により、フットプレートの位置をロックして、フットプレートがユーザーの意思とは関係なく揺動することを防止することができる。
【0015】
前記フットプレートの揺動装置において、前記操作部を軸方向に引くことにより、操作部に連動して前記支持部を変位させて、前記ロックピンを前記切欠部から外して、ロックを解除する構成とすることが好ましい。当該構成によれば、簡素な構成により、ユーザーはフットプレートのロックを解除することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザーが車椅子に乗降する際にフットプレートがユーザーの足に接触し、皮膚損傷の外傷を負う様な医療事故の発生を防ぐために、ユーザーがフットプレートに手で触れなくともフットプレートを揺動させることが可能であり、既存の車椅子に対しても装置を取り付けることが可能な車椅子のフットプレートの揺動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】揺動装置の一例を示す分解斜視図である。
図2】支持部が下死点にあるときの断面図である。
図3】支持部が上死点にあるときの断面図である。
図4】支持部が下死点にあるときの状態を示す斜視図である。
図5】支持部を引き上げた状態を示す斜視図である。
図6】支持部を揺動させた状態を示す斜視図である。
図7】支持部を図6の状態からさらに揺動させた状態を示す斜視図である。
図8】フットプレートを跳ね上げた状態を示す斜視図である。
図9】フットプレートを跳ね上げた状態を示す正面図である。
図10】左足用のフットプレートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のフットプレートの揺動装置の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
【0019】
フットプレートの揺動装置(以下、単に揺動装置と称する。)の一例を図1ないし図10に示す。本実施形態の揺動装置1は、車椅子9のフレーム91に対する取付ブラケット11と、前記取付ブラケット11により支持されるフットプレート13の支持部12と、当該支持部12に固定されるフットプレート13と、前記支持部12を回転させる操作部14とを有する。前記取付ブラケット11と前記支持部12とは、軸部123と軸受部112とを備える。前記操作部14は、ユーザーが手で捻る動作を回転力として前記支持部12に伝達するものであり、ユーザーが前記操作部14を回転させることにより、前記支持部12は前記軸部123と前記軸受部112を中心として、フットプレート13の支持部12を揺動させる。
【0020】
取付ブラケット11は、図1に示したように、車椅子9のフレーム91の端部を受け入れる筒状部111と、車椅子のフレーム91の延在方向に交差する方向に伸びる形状の基部113と、前記フレーム91の延在方向に突出する軸受部112とを有する形状である。
【0021】
図1等に示した揺動装置1では、基部113は、軽量化を図るために、板状の部材から構成される。基部の形状は、板状に限定されず、例えば、厚みのあるブロック状であってもよい。
【0022】
図1等に示した揺動装置1では、基部113の縁部を覆うカバー114が、基部113の縁部に固定される。ユーザーの身体が基部113に接触した際に、カバー114によってユーザーが怪我をしないように保護する。
【0023】
前記筒状部111は、基部113から上方に突出し、上端部がフレーム91を受け入れる開口部となっている。図2等に示した車椅子9では、車椅子9のフレーム91が断面円形であるため、筒状部111の断面形状はフレーム91に合わせて断面円形としている。筒状部の断面形状は、車椅子のフレームの形状に合わせて、適宜変更することができる。
【0024】
前記筒状部111には、壁面を貫通する一対の貫通孔が設けられる。車椅子9のフレーム91にも対応する貫通孔が設けられる。フレーム91の貫通孔と前記筒状部111の貫通孔に螺子116を挿通してナット117で固定することにより、取付ブラケット11をフレーム91に対して、固定する。筒状部と車椅子のフレームとの固定方法は、上記の例に限定されず、カシメ止めなど適宜の方法で固定することができる。
【0025】
基部113に設けられる前記軸受部112は、前記フレーム91の延在方向に沿って延びる円筒状であり、上端部に後述する支持部12に設けられた軸部123を受け入れる開口部を備える形状である。当該開口部の縁部には、後述する支持部12に設けられたロックピン124を受け入れる切欠部119が設けられる。切欠部119は、上方が解放された凹形状である。
【0026】
前記軸受部112と前記筒状部111とは、基部113により、互いに離隔した位置に設けられる。基部113により、例えば、各部品に加工精度の振れがあっても、支持部12が揺動する際に支持部12が前記筒状部111に接触しないようにクリアランスが確保される。
【0027】
軸受部112の底部を構成する基部113には、図2及び図3に示したように、後述する支持部12の第1部分121に設けられた軸部123を通すための貫通孔が設けられる。軸受部112と貫通孔とは連通する。支持部12の軸部123の下端部には、螺子118を螺合させる螺子穴211が設けられる。そして、第1部分121の先端部と螺子118との間には、抜止用の部材としてワッシャー115が配置される。支持部12の第1部分121を基部113に設けた前記貫通孔に挿通して、第1部分121の先端部にワッシャー115を当てて、第1部分121の螺子穴211に螺子118を螺合させる。螺子118の頭部の突起部によりワッシャー115が第1部分121の先端部に対して固定される。ワッシャー115の外径は、基部113に設けた貫通孔の内径より大きく構成される。
【0028】
図2及び図4に示したように、ロックピン124が切欠部119に収容され、支持部12が下死点にあるときは、図2に示したように、支持部12の先端部が基部113に設けられた貫通孔の縁部から下方に突出する。図3及び図5に示したように、支持部12が後述する操作部14によって引き上げられると、支持部12とワッシャー115と螺子118とが一体に引き上げられる。ワッシャー115が基部113に設けられた貫通孔の縁部に接触して、支持部12が基部113から脱落しないように保持される。
【0029】
フットプレート13の支持部12は、図1に示したように、前記筒状部111の延在方向に延びる第1部分121と、当該第1部分121に交差する方向に延在する第2部分122とを備える形状である。第1部分121は、先端部が円柱状に形成された棒状であり、先端部は軸部123となっており、上述の軸受部112に嵌められる。軸部123の先端部には、前記螺子118を螺合する螺子穴が設けられる。支持部12には、第2部分122の延在方向に突出する上述のロックピン124が設けられる。
【0030】
前記第1部分121は、図1に示したように、先端部と基端部との間に段差125が設けられる。段差125を境に基端部の外径が大きく、先端部の外径が小さい形状とされる。段差125が前記軸受部112の上端に接触し、ロックピン124が前記切欠部119の縁部に接触することにより、支持部12の下死点が定まる。
【0031】
支持部12の基端部には、図1に示したように、後述する操作部14の先端部に設けられた螺子144に螺合する螺子穴125が設けられる。前記螺子144を螺子穴125に螺合させることにより、操作部14と支持部12とが固定される。操作部の先端に螺子穴を設けて、操作部の基端部に螺子を設けるようにしてもよい。
【0032】
支持部12の第2部分122は、図1に示したように、前記第1部分121に交差する方向に延在する形状である。第2部分122は、円柱状に形成された棒状である。第2部分122には、後述するフットプレート13の基端部に設けられた軸受部112が挿通される。第2部分122の先端部には、フットプレート13の脱落を防止する目的で環状部を有するキャップ132が嵌められる。
【0033】
フットプレート13は、図1に示したように、ユーザーの足を乗せるのに適した板状の部材である。なお、揺動したフットプレート13がユーザーの下肢に接触した際に、衝撃を緩和する目的で緩衝材133がフットプレート13の縁部に固定される。緩衝材133は、合成ゴムなどの軟質な素材で構成される。フットプレート13の基端部には、上述の通り、支持部12の第2部分122を挿通する円形の貫通孔で構成される軸受部131が設けられる。フットプレート13は、第2部分122を挿通した状態で、第2部分を軸として自由に回転させることができる。フットプレート13の貫通孔と第2部分122とは、重力でフットプレート13が自由回転しない程度の寸法とする。
【0034】
操作部14は、図1に示したように、定形性を有する棒状体141を有する。棒状体141の基端部には、ユーザーが操作するハンドル143が、ワッシャー142を介して、螺合により固定される。具体的には、棒状体141の基端部に螺子145が設けられており、当該螺子145をハンドル14の先端部に設けた螺子穴に螺合させる。ハンドルに螺子を設けて、棒状体の基端部に螺子穴を設けるようにしてもよい。
【0035】
ハンドル143は、ユーザーが車椅子に座った状態で、ユーザーの手の届く範囲に位置するように支持部12に固定される。図2の例では、ハンドル143は、車椅子のひじ掛けの斜め前方の下方に配置される。ハンドル143には、操作部14を引き上げる際に使用する指掛部を有する。指掛部は、操作部14の軸方向に交差する方向に突出する突起部で構成される。
【0036】
前記操作部14は、ユーザーが手で捻る動作を回転力として前記支持部12に伝達する。ユーザーが前記操作部14を回転させることにより、前記支持部12は前記軸部123と前記軸受部112を中心として、フットプレート13の支持部12を揺動させる。
【0037】
ユーザーが操作部14のハンドル143を引き上げると、図4に示したように、操作部14に連動して、支持部12が上方に移動する。この時、ロックピン124と切欠部119との係合関係が解除され、ロックが解除される。また、ユーザーがハンドル143を過剰に引き上げた場合には、図3に示したように、ワッシャー115が基部113の貫通孔の縁部に接触して、ハンドル143及び支持部12の上昇が規制される。
【0038】
ユーザーが操作部14を引き上げた状態のまま、ハンドル143を回転させると、図5ないし図7に示したように、軸部123及び軸受部112を中心として、支持部12が揺動する。フットプレート13は、図4に示したように、フットプレート13が内側に位置する使用位置と、図7に示したように、使用位置の外側の反対側に位置する退避位置まで揺動させることができる。
【0039】
フットプレート13は、支持部12の第2部分122を中心として、回動させることができる。退避位置においてフットプレート13を上方に回動させることにより、図8及び図9に示したように、フットプレート13の延在方向が、車椅子9のフレーム91の延在方向にほぼ一致するように、フットプレート13を跳ね上げて収納することができる。これにより、フットプレート13がユーザーの下肢や障害物に接触しにくくなる。図9に示した例では、車椅子を正面から見た際に、フットプレート13は、フレーム91の外側に位置し、フレーム91の内側には突出しない。
【0040】
図10に示したように、軸部123及び軸受部112の中心と基部113の筒状部111とを結ぶ直線と、使用位置を基準として基部113の筒状部111から車椅子の正面に延びる直線とが為す角度Aは、40~50°となるようにすることが好ましい。角度Aを上記のようにすることにより、右足用のフットプレート13と左足用のフットプレート13との間隔を大きくして、ユーザーが車椅子に乗降しやすくなる。また、車椅子に揺動装置1を取り付けて、フットプレート13を揺動させた際に、フットプレート13が車椅子の他の部品に干渉しにくくなる。また、フットプレート13を上述の収納位置において跳ね上げた際に、フットプレート13が車椅子のフレーム91の内側に突出しないように収納することができる。これにより、フットプレート13がユーザーの下肢に接触しにくくすることができる。また、フットプレート13を使用位置に移動させた際の耐荷重値を確保し、フットプレート13を退避位置に移動させた際にフットプレート13をコンパクトに収納することができる。
【0041】
揺動装置1は、既存の車椅子のフレームにも取り付けて使用することができる。例えば、既存の車椅子のフットプレートが装着されているフレームから既存のフットプレートを取り外して、当該フレームの端部に取付ブラケットを介して揺動装置を取り付けることができる。
【0042】
揺動装置の構成は、上記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
例えば、取付ブラケットは、筒状部111と軸受部112とを、筒状部111及び軸受部112の周面が長手方向に沿って接するように、溶接等により直接に固定した構成としてもよい。この構成では、基部113は省略される。
【0044】
例えば、上記の取付ブラケット11の基部113に、軸受部112に替えて、前記フレーム91の延在方向に突出する軸部を設けてもよい。この場合、前記支持部に前記軸部を受け入れる凹穴又は貫通孔で構成される軸受部を設ける。軸受部の縁部には、上記と同様の切欠部を設けて、軸部には、上記と同様のロックピンを設けることができる。
【0045】
例えば、前記操作部は、前記棒状体に替えて、フレキシブルシャフトを用いることができる。フレキシブルシャフトは、可撓性を備えており、駆動軸側から従動軸側へ回転とトルクを伝達することができる。フレキシブルシャフトとしては、例えば、ワイヤーなどで構成されるインナーシャフトと、当該インナーシャフトを内蔵するアウターチューブと、インナーシャフトの端部に配される接続金具とを有するものを使用することができる。フレキシブルシャフトを利用すれば、車椅子の部品のレイアウトに合わせて、操作部の位置を柔軟に変更することができる。
【0046】
揺動装置を構成製する素材は、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチックなど適宜の素材で構成することができる。
【符号の説明】
【0047】
13 フットプレート
11 取付ブラケット
12 支持部
14 操作部
123 軸部
112 軸受部
111 筒状部
121 第1部分
122 第2部分
124 ロックピン
119 切欠部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10