(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163589
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079339
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
(72)【発明者】
【氏名】堀井 大介
(72)【発明者】
【氏名】岡田 淳
(72)【発明者】
【氏名】太田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】島田 昂季
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC53
2C088BC60
2C088BC62
2C333AA11
2C333CA58
2C333DA03
2C333FA05
2C333FA09
(57)【要約】
【課題】遊技機の制御に関する確認を行う際の利便性を向上させることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御CPUは、操作ボタンによる第1の操作を検出したことを契機として、特別RAMチェック状態に制御可能であるとともに、操作ボタンによる第2の操作を検出したことを契機として、特別RAMチェック状態を終了可能である。特別RAMチェック状態では、主制御RAMの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行可能である。そして、副制御CPUは、特別RAMチェック状態であるときには、待機演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段と、
遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記制御状態変更手段は、
前記操作検出手段が前記操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、特殊制御状態に制御可能であるとともに、
前記特殊制御状態である場合に、前記操作検出手段が前記操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態を終了可能であり、
前記特殊制御状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態であり、
前記演出制御手段は、前記特殊制御状態であるときには、前記演出実行手段が実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段を制御するゲーム制御手段と、
前記変動ゲームの実行を規制する遊技停止状態に制御可能な停止制御手段と、を備え、
前記制御状態変更手段は、前記遊技停止状態中であっても、前記操作検出手段が前記操作手段による前記第1の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態に制御可能である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行手段は、演出に関する確認動作を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記特殊制御状態に制御された場合、該特殊制御状態において前記操作検出手段により前記操作手段による前記第2の操作が検出されたタイミングに応じて前記確認動作を実行させる制御が可能である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、所定の契機で遊技機の制御に関する確認を行うものがある。
例えば、特許文献1に記載の遊技機では、電源投入時にRAMクリアスイッチがON状態に操作されていない場合、遊技機の制御に関する確認として、主制御RAMの記憶内容に異常があるか否かを確認するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技機では、遊技機の制御に関する確認を行う際の利便性をさらに向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、操作手段と、前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段と、遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記制御状態変更手段は、前記操作検出手段が前記操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、特殊制御状態に制御可能であるとともに、前記特殊制御状態である場合に、前記操作検出手段が前記操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態を終了可能であり、前記特殊制御状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態であり、前記演出制御手段は、前記特殊制御状態であるときには、前記演出実行手段が実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の制御に関する確認を行う際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、パチンコ遊技機を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5(a)は、待機状態中における画像の表示態様を示す模式図であり、
図5(b)は、エラー状態中における画像の表示態様を示す模式図である。
【
図6】
図6(a)は、待機状態から特別RAMチェック状態に移行するときの制御の流れを示すタイミングチャートであり、
図6(b)は、待機状態から特別RAMクリア状態に移行するときの制御の流れを示すタイミングチャートである。
【
図7】
図7(a)は、エラー状態から特別RAMチェック状態に移行するときの制御の流れを示すタイミングチャートであり、
図7(b)は、エラー状態から特別RAMクリア状態に移行するときの制御の流れを示すタイミングチャートである。
【
図8】
図8(a)は、待機状態中にメニュー画面が表示されるときの表示態様を示す模式図であり、
図8(b)は、エラー状態中にメニュー画面が表示されるときの表示態様を示す模式図である。
【
図9】
図9(a)~
図9(c)は、特別RAMチェック状態中における画像の表示態様を示す模式図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(e)は、特別RAMクリア状態中における画像の表示態様を示す模式図である。
【
図11】
図11は、待機演出の制限の態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0009】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段である。発射ハンドルHDは、搭載枠11bの前面側に設けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。
【0010】
パチンコ遊技機10は、所定の操作が可能な操作手段として、操作ボタンBTを備える。本実施形態において、操作ボタンBTは、パチンコ遊技機10の前面側に配設されている。本実施形態において、操作ボタンBTは、押下操作が可能に構成されたボタン式の手段である。操作ボタンBTは、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。
【0011】
図2に示すように、本実施形態の操作ボタンBTは、操作可能な複数の部分を含んで構成される。具体的に、本実施形態の操作ボタンBTは、左ボタンBT1、右ボタンBT2、上ボタンBT3、下ボタンBT4、及び中央ボタンBT5を含んで構成される。
【0012】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、発光手段としての装飾ランプLaを備える。装飾ランプLaは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。即ち、装飾ランプLaは、発光体を発光させて行う発光演出を実行可能である。本実施形態において、装飾ランプLaは、演出を実行する演出実行手段に相当するとともに、所定の報知を行う報知手段に相当する。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。以下の説明では、装飾ランプLaの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLaが発光する」と示す場合がある。
【0013】
パチンコ遊技機10は、音声出力手段としてのスピーカSpを備える。スピーカSpは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。本実施形態において、スピーカSpは、演出を実行する演出実行手段に相当するとともに、所定の報知を行う報知手段に相当する。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSpは、例えば、枠体11に設けられる。
【0014】
パチンコ遊技機10は、可動演出手段としての演出用可動体EKを備える。演出用可動体EKは、所定の動作により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、演出用可動体EKの動作による演出を「可動体演出」と示す。即ち、演出用可動体EKは、所定の動作により行う可動体演出を実行可能である。本実施形態において、演出用可動体EKは、演出を実行する演出実行手段に相当するとともに、所定の報知を行う報知手段に相当する。パチンコ遊技機10は、演出用可動体EKを動作させる図示しないアクチュエータを備える。図示しないが、演出用可動体EKは、アクチュエータの作動により演出用可動体EKの原位置から演出用可動体EKの演出位置の範囲内で動作可能に構成されている。
【0015】
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、情報表示装置13を備える。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置13では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0016】
情報表示装置13は、図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。本実施形態において、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、変動ゲームを実行するゲーム実行手段に相当する。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する当り抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、当り表示結果としての当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、当り抽選にて当りに当選すると、特別ゲームにて当り図柄が導出され、該当りの特別ゲームの終了後、当り遊技が付与される。本実施形態における当りは全て大当りであり、当り図柄は全て大当り図柄である。このため、本実施形態では、当りの特別ゲームの終了後には大当り遊技が付与される。
【0017】
情報表示装置13は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0018】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果としての普通当り図柄と、普通はずれ表示結果としての普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、画像表示手段としての演出表示装置12を備える。演出表示装置12は、画像の表示により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。演出表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置12は、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置12は、画像を表示する画像表示部GHを備える。演出表示装置12は、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置12は、演出を実行する演出実行手段に相当するとともに、所定の報知を行う報知手段に相当する。
【0020】
演出表示装置12では、表示演出の1つとして、変動ゲームとしての演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の図柄組合せが導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた演出図柄の図柄組合せが導出される。演出図柄の図柄組合せには、はずれ表示結果としてのはずれの図柄組合せと、大当り表示結果としての大当りの図柄組合せと、がある。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。また、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0022】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域YBaに開口する。複数の入賞口は、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15と、大入賞口17と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0023】
第1始動入賞口14は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動入賞口14は、演出表示装置12の下方にある。第1始動入賞口14は、常に遊技球を入球させうるように開口される。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(
図4参照)。本実施形態では、第2始動入賞センサSE2により遊技球が検知されると、賞球の付与条件が成立する。
【0024】
第2始動入賞口15は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動入賞口15は、演出表示装置12の右下方にある。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(
図4参照)。本実施形態では、第2始動入賞センサSE2により遊技球が検知されると、賞球の付与条件が成立する。
【0025】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように第2始動入賞口15を開放する開放状態と、遊技球が入球不能又は開放状態と比較して遊技球が入球困難となるように第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる普通可動片16を備える。例えば、普通可動片16は、第2始動入賞口15を開閉させる扉状の部材であってもよい。普通可動片16は、常には閉鎖状態となっており、普通当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第2始動入賞口15は、普通当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるようになる。遊技盤YBは、普通可動片16を動作させる手段として、第1ソレノイドSL1を備える(
図4参照)。
【0026】
大入賞口17は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口17は、第2始動入賞口15の右上方にある。パチンコ遊技機10は、大入賞口17へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(
図4参照)。本実施形態では、カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、賞球の付与条件が成立する。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能となるように大入賞口17を開放する開放状態と、遊技球が入球不能又は開放状態と比較して遊技球が入球困難となるように大入賞口17を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる特別開閉片18を備える。例えば、特別開閉片18は、大入賞口17を開閉させる扉状の部材であってもよい。特別開閉片18は、常には閉鎖状態となっており、大当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、大入賞口17は、大当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、特別開閉片18を動作させる手段として、第2ソレノイドSL2を備える(
図4参照)。
【0028】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(
図4参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0029】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2始動入賞口15への遊技球の入球を補助する入球補助機能を搭載している。
【0030】
入球補助機能は、普通電動役物としての第2始動入賞口15への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口15への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0031】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可動片16の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可動片16の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可動片16の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0032】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0033】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口17を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口17は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0034】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、高入球率状態に制御することが定められている。
【0035】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10におけるエラーについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、各種のエラーを検出可能に構成されている。本実施形態において検出可能なエラーには、図示しない磁気センサが所定の強さ以上の磁気を検出したときに検出される磁気エラーがある。また、本実施形態において検出可能なエラーには、図示しない電波センサが所定の周波数帯の電波を検出したときに検出される電波エラーがある。また、本実施形態において検出可能なエラーには、搭載枠11bが開放されていることを検出可能な図示しない枠開放センサが搭載枠11bの開放を検出しているときに検出される枠開放エラーがある。枠開放エラーは、パチンコ遊技機10の管理者が適正な鍵を用いて施錠装置11cを操作して搭載枠11bを開放しているときに検出される場合がある。また、枠開放エラーは、不正行為者が不正な手段により搭載枠11bを開放しているときにも検出される場合がある。
【0036】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。パチンコ遊技機10は、電源ユニット60を備える。電源ユニット60は、主制御基板40及び副制御基板50と接続されている。本実施形態において、主制御基板40及び副制御基板50は、電源ユニット60を介して外部電源からの電力供給を受けることによって動作する。
【0037】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU41aと示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM41bと示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRAM領域(以下、主制御RAM41cと示す)とが含まれる。
【0038】
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、変動ゲームの内容を特定可能な変動情報である。特に、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出の内容を特定可能な情報であってもよい。
【0039】
主制御RAM41cは、主制御CPU41aによる処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。本実施形態において、主制御RAM41cは、遊技に関する各種の情報を記憶する記憶手段に相当する。例えば、主制御RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数回路を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、及び主制御RAM41cは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0040】
主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13の表示内容を制御可能に構成されている。特に、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bの表示内容を制御することにより、ゲーム実行手段を制御するゲーム制御手段として機能する。
【0041】
主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1及び第2ソレノイドSL2と接続されている。主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1を制御することによって、普通可動片16の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第2ソレノイドSL2を制御することによって、特別開閉片18の動作を制御可能に構成されている。
【0042】
また、主制御基板40は、RAMクリアスイッチ61と接続されている。RAMクリアスイッチ61は、主制御RAM41cに記憶されている各種の情報の消去(初期化)を指示する操作を可能に構成された初期化操作手段である。RAMクリアスイッチ61は、押し込み操作をしたときにはON状態となる一方、押し込み操作をしていないときにはOFF状態となるように構成されている。RAMクリアスイッチ61の操作は、例えば遊技場の管理者による人的操作である。
【0043】
主制御CPU41aは、操作ボタンBTと接続されている。主制御CPU41aは、操作ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。具体的に、主制御CPU41aは、左ボタンBT1、右ボタンBT2、上ボタンBT3、下ボタンBT4、及び中央ボタンBT5の各ボタンが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。これにより、主制御CPU41aは、操作ボタンBTの各ボタンのうち何れのボタンが操作されたかを検出可能である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、操作手段の操作を検出可能な操作検出手段として機能する。
【0044】
主制御CPU41aは、図示しない磁気センサと接続されている。主制御CPU41aは、磁気センサが所定の強さ以上の磁気を検出したときに出力する磁気検出信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、図示しない電波センサと接続されている。主制御CPU41aは、電波センサが所定の周波数帯の電波を検出したときに出力する電波検出信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、図示しない枠開放センサと接続されている。主制御CPU41aは、枠開放センサが搭載枠11bの開放を検出したときに出力する開放検出信号を入力可能に構成されている。
【0045】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cとを備える。副制御CPU50aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0046】
副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0047】
副制御CPU50aは、演出表示装置12と接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLaと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSpと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSpの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、演出用可動体EKと接続されている。副制御CPU50aは、演出用可動体EKの動作を制御可能に構成されている。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、演出実行手段を制御する演出制御手段として機能する。
【0048】
次に、電源ユニット60について詳しく説明する。
電源ユニット60は、外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧に変換して主制御基板40及び副制御基板50へ供給する。
【0049】
電源ユニット60は、電源スイッチ(接点装置)60aを備えている。電源スイッチ60aは、ON状態及びOFF状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成されている。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをOFF状態からON状態に操作にすると、主制御基板40及び副制御基板50に電力が供給され、さらにOFF状態に操作すると主制御基板40及び副制御基板50への電力供給が停止される。したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをON状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをOFF状態からON状態に操作する。本明細書において、「電力供給を開始する(電源を投入する)」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、主制御基板40及び副制御基板50に対して電力が供給されている状態にすることを意味する。また、本明細書において、「電力供給を停止する」ことは、外部電源から主制御基板40及び副制御基板50に対して電力が供給されていない状態にすることを意味する。
【0050】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、外部電源からの電力供給が停止された場合に、図示しないバックアップ用電源から供給される電力によって所定の情報を保持可能なバックアップ機能を搭載している。
【0051】
本実施形態において、バックアップ機能の対象となる情報には、主制御RAM41cに記憶されている各種の情報を含んでいる。具体的に、本実施形態において、バックアップ機能の対象となる情報には、特別ゲームに関する情報、当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報などを含んでいる。特別ゲームに関する情報としては、例えば特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。当り遊技に関する情報としては、当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、現在の遊技状態を特定可能な情報、高入球率状態が付与される残り回数を特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
【0052】
一方で、本実施形態において、バックアップ機能の対象となる情報には、副制御RAM50cに記憶されている各種の情報を含んでいない。このため、副制御RAM50cに記憶されている情報は、外部電源からの電力供給が停止したことを契機として消去される。
【0053】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
まず、電源投入時に主制御CPU41aが実行する電源投入処理について説明する。
電源投入処理において、主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチ61から操作信号を受信しているか否かに基づいて、RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されているか否かを判定する。
【0054】
RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されている場合、主制御CPU41aは、RAMクリア処理を行う。RAMクリア処理において、主制御CPU41aは、主制御RAM41cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。続いて、主制御CPU41aは、RAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、RAMクリア処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0055】
一方、RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されていない場合、主制御CPU41aは、バックアップ異常であるか否か、つまり、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を行う。バックアップ異常である場合、主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されているときと同様にRAMクリア処理を行う。
【0056】
バックアップ異常ではない場合、主制御CPU41aは、主制御復帰処理を行う。主制御復帰処理において、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御復帰処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0057】
また、主制御CPU41aは、RAMクリア処理の開始に伴ってRAMクリア処理開始コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。さらに、主制御CPU41aは、主制御復帰処理の開始に伴って復帰処理開始コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0058】
次に、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、主制御CPU41aが行う各種処理について説明する。主制御CPU41aは、主制御プログラムに基づいて、タイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0059】
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動入賞口14に遊技球が入球したと判定する。第1始動入賞口14に遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置13を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動入賞口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動入賞センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。
【0060】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。例えば、乱数は、当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、第1特別ゲームの保留条件の成立を契機として第1特別ゲームの実行を保留可能である。また、このとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御CPU50aへと出力される。
【0061】
また、第1始動入賞口14に遊技球が入球していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動入賞口15に遊技球が入球したと判定する。第2始動入賞口15に遊技球が入球していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動入賞口15に遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置13を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動入賞口15に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。
【0062】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。このとき、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、第2特別ゲームの保留条件の成立を契機として第2特別ゲームの実行を保留可能である。また、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0063】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0064】
第1特別保留数が零である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41c内の所定の記憶領域に出力済フラグが設定されているか否かを判定する。出力済フラグは、待機状態であることを特定可能な待機状態コマンドが出力済であることを特定可能な情報である。待機状態とは、特別ゲームが実行されておらず、大当り遊技が付与されておらず、且つ特別ゲームが保留されていないときの状態である。出力済フラグが設定されていない場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41cに出力済フラグを設定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、出力済フラグが設定されている場合、主制御CPU41aは、新たに待機状態コマンドを生成することなく、特別図柄開始処理を終了する。なお、以下の説明では、待機状態中ではない期間を「遊技期間」と示す。言い換えれば、本実施形態において、遊技期間とは、特別ゲームの実行中、大当り遊技の実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中(以下、変動待機中と示す)である期間である。
【0065】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。またこのとき、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに出力済フラグが設定されている場合、該出力済フラグを消去する。
【0066】
次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、当りに当選とするか否かの当り抽選(当り判定)を行う。上述したように、本実施形態における当りは全て大当りである。このため、本実施形態において、当り抽選は、大当りに当選とするか否かの大当り抽選として把握できる。
【0067】
大当りに当選した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU41aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。このとき、主制御CPU41aは、現在の第1特別保留数に応じて異なる決定割合ではずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0069】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41aは、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0070】
主制御CPU41aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御CPU50aへ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0071】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件の成立を契機として、主制御CPU41aが以下の処理を行うことにより、保留中の特別ゲームを開始させる。
【0072】
具体的に、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御CPU50aに出力する。
【0073】
一方、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御CPU50aに出力する。
【0074】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0075】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて第2ソレノイドSL2を制御し、大入賞口17を開状態とする。主制御CPU41aは、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口17を閉状態とするように第2ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御CPU50aへ出力する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU41aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御CPU50aへ出力する構成であってもよい。
【0076】
次に、遊技状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU41aは、大当り遊技が終了すると、主制御RAM41cに作動フラグを設定することにより、高入球率状態に制御する。主制御CPU41aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RAM41cに記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが設定されているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU41aは、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0077】
また、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリア処理において、作動フラグを消去することにより、現在の遊技状態を通常状態に制御する。
そして、主制御CPU41aは、遊技状態を移行させた場合、現在の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0078】
次に、各種のエラーを検出する処理について説明する。
主制御CPU41aは、磁気センサから磁気検出信号を入力したことを契機として、遊技を一時的に停止する遊技停止エラー状態に制御する。本実施形態において、遊技停止エラー状態は、特別ゲーム及び大当り遊技の実行を規制する遊技停止状態である。また、主制御CPU41aは、電波センサから電波検出信号を入力したことを契機として、遊技停止エラー状態に制御する。さらに、主制御CPU41aは、枠開放センサから開放検出信号を入力したことを契機として、遊技を継続可能な遊技可能エラー状態に制御する。本実施形態において、遊技可能エラー状態は、特別ゲーム及び大当り遊技を実行可能である一方で、一部の制御が制限される状態である。例えば、本実施形態において、遊技可能エラー状態において制限される一部の制御には、遊技球を払い出す制御が含まれる。
【0079】
以上のような制御により、本実施形態において、主制御CPU41aは、変動ゲームの実行を規制する遊技停止状態に制御可能な停止制御手段として機能する。なお、以下の説明では、遊技停止エラー状態と遊技可能エラー状態とをまとめて「エラー状態」と示す場合がある。
【0080】
主制御CPU41aは、エラーを検出したことを契機として、主制御RAM41c内のエラー状態フラグをON状態に設定する。エラー状態フラグは、エラー状態であることを特定可能な情報である。なお、主制御CPU41aは、エラー状態フラグに所定の値を記憶させることによりエラー状態フラグをON状態に設定するとともに、エラー状態フラグの値を消去することによりエラー状態フラグをOFF状態に設定する。また、主制御CPU41aは、エラーを検出したことを契機として、エラーの発生を示すエラー状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0081】
本実施形態のエラー状態コマンドには磁気エラーの発生を示す磁気検出コマンドと、電波エラーの発生を示す電波検出コマンドと、枠開放エラーの発生を示す開放検出コマンドとがある。具体的に、主制御CPU41aは、磁気センサから磁気検出信号を入力したことを契機として磁気検出コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。また、主制御CPU41aは、電波センサから電波検出信号を入力したことを契機として電波検出コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。さらに、主制御CPU41aは、枠開放センサから開放検出信号を入力したことを契機として開放検出コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0082】
また、主制御CPU41aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU41aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通当りか否かの普通抽選を実行する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
【0083】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板50の副制御CPU50aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0084】
まず、RAMクリア処理開始コマンドの入力を契機として副制御CPU50aが実行する副制御RAMクリア処理について説明する。
副制御RAMクリア処理において、副制御CPU50aは、副制御RAM50cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、副制御CPU50aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として副制御RAM50cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。続いて、副制御CPU50aは、副制御RAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU50aは、副制御RAMクリア処理を終了する。
【0085】
次に、復帰処理開始コマンドの入力を契機として副制御CPU50aが実行する副制御復帰処理について説明する。
副制御復帰処理において、副制御CPU50aは、副制御RAM50cに記憶保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU50aは、副制御復帰処理を終了し、主制御CPU41aから所定のコマンドが入力されるまで待機する。本実施形態において、所定のコマンドとは、例えば、変動開始コマンド、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、エンディングコマンド、待機状態コマンドなどである。
【0086】
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU50aは、特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄コマンドから特定した特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特別図柄の大当り図柄を特定した場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU50aは、特別図柄のはずれ図柄を特定した場合、変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0087】
また、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動開始コマンドから特定した変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU50aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaを制御する。以下の説明では、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaをまとめて「演出装置群」と示す場合がある。
【0088】
その後、副制御CPU50aは、変動終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置12を制御する。なお、副制御CPU50aは、変動開始コマンドを入力したことを契機として変動時間の計測を開始し、変動開始コマンドから特定した変動パターンに定められた変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板40から変動終了コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0089】
次に、大当り遊技に関する制御について説明する。
副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちオープニング演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちラウンド演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちエンディング演出を行わせるように演出装置群を制御する。
【0090】
次に、待機状態に関する制御について説明する。
副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機状態中の演出を実行させるように演出装置群を制御する。
【0091】
図5(a)に示すように、本実施形態において、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機状態用の背景画像G20を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機状態用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSpを制御する。
【0092】
次に、エラー状態に関する制御について説明する。
副制御CPU50aは、エラーの発生を示すエラー状態コマンドを入力すると、エラーの報知を実行させるように演出装置群を制御する。
【0093】
図5(b)に示すように、本実施形態において、副制御CPU50aは、エラー状態コマンドを入力すると、エラー報知用の第1エラー報知画像G30を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、エラー状態コマンドを入力すると、エラー報知用の音声を出力させるようにスピーカSpを制御する。
【0094】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な特別RAMチェック処理及び特別RAMクリア処理について説明する。
特別RAMチェック処理は、パチンコ遊技機10への電源投入を伴わずに主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行する処理である。具体的に、本実施形態において、主制御CPU41aは、待機状態中又はエラー状態中に操作ボタンBTが操作されたことを契機として特別RAMチェック処理を実行可能である。なお、以下の説明では、特別RAMチェック処理の実行中であるときの状態を「特別RAMチェック状態」と示す場合がある。本実施形態において、異常判定は、遊技機の制御に関する確認の一例である。即ち、本実施形態において、特別RAMチェック状態は、遊技機の制御に関する確認を行う特殊制御状態に相当する。
【0095】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別RAMチェック処理の終了後に、演出用可動体EKの動作チェックを実行可能である。具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態中に操作ボタンBTが操作されたことを契機として特別RAMチェック処理が実行された場合に、該特別RAMチェック処理の終了後に演出用可動体EKの動作チェックが実行される。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10では、エラー状態中に操作ボタンBTが操作されたことを契機として特別RAMチェック処理が実行された場合には、該特別RAMチェック処理の終了後に演出用可動体EKの動作チェックが実行されない。本実施形態において、演出用可動体EKの動作チェックでは、演出用可動体EKが予め定めた動作態様で動作する。例えば、演出用可動体EKの動作チェックにおける動作態様は、演出用可動体EKが原位置から演出位置に動作した後、再び原位置に動作する動作態様である。本実施形態において、演出用可動体EKの動作チェックは、演出に関する確認動作の一例である。
【0096】
特別RAMクリア処理は、パチンコ遊技機10への電源投入を伴わずに主制御RAM41cの記憶内容を消去する処理である。具体的に、本実施形態において、主制御CPU41aは、待機状態中又はエラー状態中に操作ボタンBTが操作されたことを契機として特別RAMクリア処理を実行可能である。なお、以下の説明では、特別RAMクリア処理の実行中であるときの状態を「特別RAMクリア状態」と示す場合がある。
【0097】
また、詳しくは後述するが、本実施形態において、特別RAMクリア状態では、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定が実行される場合がある。即ち、本実施形態において、特別RAMクリア状態は、遊技機の制御に関する確認を行う特殊制御状態に相当する。
【0098】
ここで、特別RAMチェック処理及び特別RAMクリア処理を実行するための制御について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、以下のような制御により、遊技機の制御状態を、待機状態と、エラー状態と、特別RAMチェック状態と、特別RAMクリア状態と、に変更可能である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段に相当する。
【0099】
まず、待機状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定される場合の制御について説明する。待機状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定される場合とは、即ち、待機状態から特別RAMチェック状態に移行する場合に相当する。
【0100】
図6(a)に示す例において、パチンコ遊技機10は、待機状態に制御されており、待機演出が実行されているものとする(時点t0)。即ち、時点t0において、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20が表示されており、スピーカSpからは、待機状態用の背景楽曲が出力されているものとする。
【0101】
ここで、中央ボタンBT5が操作されると、主制御CPU41aは、所定のメニュー画面MGの表示を指示するメニュー表示コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のメニューフラグをON状態に制御する(時点t1)。メニューフラグは、メニュー画面MGの表示中であることを特定可能な情報である。なお、主制御CPU41aは、メニューフラグに所定の値を記憶させることによりメニューフラグをON状態に設定するとともに、メニューフラグの値を消去することによりメニューフラグをOFF状態に設定する。
【0102】
そして、副制御CPU50aは、待機状態中に中央ボタンBT5が操作されたことを示す操作コマンドを入力すると、所定のメニュー画面MGを表示させるように演出表示装置12を制御する。このとき、副制御CPU50aは、待機状態用の背景画像G20に重畳する態様でメニュー画面MGを表示させるように演出表示装置12を制御する。言い換えれば、副制御CPU50aは、待機状態中にメニュー画面MGを表示させる場合、待機状態用の背景画像G20の一部を非表示とする。
【0103】
図8(a)に示すように、メニュー画面MGでは、特別RAMチェック処理と特別RAMクリア処理とが可能であることが特定可能である。具体的に、本実施形態のメニュー画面MGでは、特別RAMチェック処理に対応する「RAMチェック」の文字列と、特別RAMクリア処理に対応する「RAMクリア」の文字列と、特別RAMチェック処理及び特別RAMクリア処理の何れも実行することなくメニュー画面MGの表示を終了する処理に対応する「戻る」の文字列とが表示される。また、本実施形態のメニュー画面MGでは、選択中の処理を示すマーカが表示される。マーカは、選択中の処理を示す文字列の左方に表示される。
【0104】
また、主制御CPU41aは、メニューフラグがON状態であるときに上ボタンBT3又は下ボタンBT4が操作されたことを契機として、主制御RAM41c内のメニュー選択フラグの値を更新することにより、選択中の処理を切り替え可能である。メニュー選択フラグには、特別RAMチェック処理を特定可能な値と、特別RAMクリア処理を特定可能な値と、メニュー画面MGの表示を終了することを特定可能な値と、のうち何れかが記憶される。具体的に、主制御CPU41aは、待機状態中に中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、メニュー選択フラグに特別RAMチェック処理を特定可能な値を記憶させる。また、主制御CPU41aは、メニューフラグがON状態であるときに上ボタンBT3又は下ボタンBT4が操作されたことを契機として、所定の順序でメニュー選択フラグの値を更新する。例えば、主制御CPU41aは、上ボタンBT3が操作されたときには、「特別RAMチェック処理を特定可能な値」→「特別RAMクリア処理を特定可能な値」→「メニュー画面MGの表示を終了することを特定可能な値」→「特別RAMチェック処理を特定可能な値」→・・・の順でメニュー選択フラグの値を更新する。また例えば、主制御CPU41aは、下ボタンBT4が操作されたときには、「特別RAMチェック処理を特定可能な値」→「メニュー画面MGの表示を終了することを特定可能な値」→「特別RAMクリア処理を特定可能な値」→「特別RAMチェック処理を特定可能な値」→・・・の順でメニュー選択フラグの値を更新する。主制御CPU41aは、メニュー選択フラグの値を更新すると、更新後のメニュー選択フラグの値を特定可能な選択コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。副制御CPU50aは、選択コマンドを入力すると、メニュー画面MGにおいて、入力した選択コマンドから特定可能な処理に対応する文字列を示す位置にマーカを表示させるように制御する。
【0105】
そして、主制御CPU41aは、メニューフラグがON状態であるときに中央ボタンBT5が操作されると、選択中の処理を実行するように制御する。
図6(a)の例では、特別RAMチェック処理が選択されたものとする。この場合、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理を開始するとともに、メニューフラグ及びメニュー選択フラグの値を消去する(時点t2)。即ち、主制御CPU41aは、特別RAMチェック状態に制御する。また、このとき、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理の開始を示す特別チェック開始コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。副制御CPU50aは、特別チェック開始コマンドを入力すると、メニュー画面MGの表示を終了させるとともに、特別RAMチェック処理の実行中であることを特定可能な各種の画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、特別チェック開始コマンドを入力したことを契機として、待機状態用の背景画像G20の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。
【0106】
図9(a)に示すように、副制御CPU50aは、特別チェック開始コマンドを入力すると、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定中であることを示すチェック進行中画像CG1を表示させるとともに、異常判定の進捗を特定可能な進捗画像G50を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、特別RAMチェック処理において、主制御CPU41aは、所定の制御周期で異常判定の進捗を特定するとともに、特定した進捗を示す進捗コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。副制御CPU50aは、入力した進捗コマンドに基づいて、進捗画像G50の表示態様を更新させるように制御する。
【0107】
図6(a)に示すように、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理において、異常判定が終了すると、異常判定の結果を特定可能な制御コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する(時点t3)。具体的に、主制御CPU41aは、異常判定において主制御RAM41cの記憶内容に異常がないと判定した場合、正常判定コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。一方、主制御CPU41aは、異常判定において主制御RAM41cの記憶内容に異常があると判定した場合、異常判定コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。そして、副制御CPU50aは、異常判定の結果を特定可能な制御コマンドを入力すると、入力したコマンドに応じた画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0108】
図9(b)に示すように、副制御CPU50aは、正常判定コマンドを入力すると、チェック進行中画像CG1及び進捗画像G50の表示を終了させるとともに、主制御RAM41cの記憶内容に異常がないことを示す正常判定画像CG2を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0109】
一方、
図9(c)に示すように、副制御CPU50aは、異常判定コマンドを入力すると、チェック進行中画像CG1及び進捗画像G50の表示を終了させるとともに、主制御RAM41cの記憶内容に異常があることを示す異常判定画像CG3を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0110】
また、副制御CPU50aは、正常判定コマンド及び異常判定コマンドの何れを入力した場合であっても、所定の操作により特別RAMチェック処理を終了可能であることを示す第1終了操作画像G51を表示させるように演出表示装置12を制御する。第1終了操作画像G51は、例えば、「中央ボタンで終了」の文字列である。
【0111】
図6(a)に示すように、主制御CPU41aは、異常判定の終了後に中央ボタンBT5が操作されると、特別RAMチェック処理を終了して待機状態に制御するとともに、特別RAMチェック処理の終了を示す特別チェック終了コマンドと、待機状態コマンドと、を生成して副制御CPU50aへ出力する(時点t4)。
【0112】
副制御CPU50aは、特別チェック終了コマンドを入力すると、正常判定画像CG2又は異常判定画像CG3の表示を終了させるとともに、第1終了操作画像G51の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機演出を実行させるように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、待機状態用の背景画像G20を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0113】
さらに、副制御CPU50aは、特別チェック終了コマンド及び待機状態コマンドを入力したことを契機として、演出用可動体EKの動作チェックを実行させるように制御する。演出用可動体EKの動作チェックは、予め定めた動作態様で演出用可動体EKが動作された後、終了する(時点t5)。
【0114】
以上のような制御により、本実施形態では、待機状態中に特別RAMチェック処理を実行可能である。
上述のように、主制御CPU41aは、メニュー選択フラグに特別RAMチェック処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMチェック状態に制御する。本実施形態において、メニュー選択フラグに特別RAMチェック処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5を操作することは、第1の操作の一例である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1の操作を検出したことを契機として、特別RAMチェック状態に制御可能である。また、主制御CPU41aは、特別RAMチェック状態に制御した場合、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行する。即ち、本実施形態において、メニュー選択フラグに特別RAMチェック処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5を操作することは、確認条件の成立の一例である。
【0115】
そして、主制御CPU41aは、異常判定が終了した場合であっても特別RAMチェック状態を終了することなく、異常判定の終了後に中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMチェック状態を終了させる。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、確認条件の成立を契機としては特別RAMクリア状態を終了しない。本実施形態において、異常判定の終了後に中央ボタンBT5を操作することは、第2の操作の一例である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第2の操作を検出したことを契機として、特別RAMチェック状態を終了可能である。
【0116】
そして、副制御CPU50aは、特別RAMチェック状態の終了後に演出用可動体EKの動作チェックを実行させる制御が可能である。上述したように、特別RAMチェック状態は、主制御CPU41aにより第2の操作が検出されたことを契機として終了される。即ち、副制御CPU50aは、特別RAMチェック状態に制御された場合、該特別RAMチェック状態において主制御CPU41aにより第2の操作が検出されたタイミングに応じて演出用可動体EKの動作チェックを実行させる制御が可能である。
【0117】
また、特別RAMチェック状態中である場合、演出表示装置12は、異常判定の結果に応じて正常判定画像CG2又は異常判定画像CG3を表示可能である。本実施形態において、正常判定画像CG2又は異常判定画像CG3は、現在の状況に関する特定報知の一例である。即ち、本実施形態において、演出表示装置12が行う報知には、現在の状況に関する特定報知が含まれる。
【0118】
次に、待機状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定される場合の制御について説明する。待機状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定される場合とは、即ち、待機状態から特別RAMクリア状態に移行する場合に相当する。
【0119】
図6(b)に示す例において、パチンコ遊技機10は、待機状態に制御されており、待機演出が実行されているものとする(時点t10)。即ち、時点t10において、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20が表示されており、スピーカSpからは、待機状態用の背景楽曲が出力されているものとする。
【0120】
ここで、中央ボタンBT5が操作されると、主制御CPU41aは、メニュー表示コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のメニューフラグをON状態に制御する(時点t11)。そして、副制御CPU50aは、待機状態中に中央ボタンBT5が操作されたことを示す操作コマンドを入力すると、メニュー画面MGを表示させるように演出表示装置12を制御する。メニュー画面MGを表示させる制御、及び、操作ボタンBTの操作により実行する処理を選択する制御(時点t11~t12)については、待機状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定されるとき(
図6(a)の時点t1~t2)と同様であるため、説明を省略する。
【0121】
その後、操作ボタンBTの操作により特別RAMクリア処理が選択されると、主制御CPU41aは、特別RAMクリア処理を開始するとともに、メニューフラグ及びメニュー選択フラグの値を消去する(時点t12)。即ち、主制御CPU41aは、特別RAMクリア状態に制御する。このとき、主制御CPU41aは、所定のクリア用メニュー画面G41の表示を指示する特別クリア開始コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のクリア用メニューフラグをON状態に制御する。特別クリア開始コマンドは、特別RAMクリア処理の開始を示す制御コマンドとしても把握できる。クリア用メニューフラグは、クリア用メニュー画面G41の表示中であることを特定可能な情報である。なお、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグに所定の値を記憶させることによりクリア用メニューフラグをON状態に設定するとともに、クリア用メニューフラグの値を消去することによりクリア用メニューフラグをOFF状態に設定する。
【0122】
そして、副制御CPU50aは、特別クリア開始コマンドを入力すると、メニュー画面MGの表示を終了させるとともに、特別RAMクリア処理の実行中であることを特定可能な各種の画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、特別クリア開始コマンドを入力したことを契機として、待機状態用の背景画像G20の表示を終了させるように演出表示装置12を制御するとともに、待機状態用の背景楽曲の出力を終了させるようにスピーカSpを制御する。
【0123】
図10(a)に示すように、副制御CPU50aは、特別クリア開始コマンドを入力すると、主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御の待機中であることを示すクリア待機中画像G40を表示させるとともに、クリア用メニュー画面G41を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0124】
クリア用メニュー画面G41では、主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御と、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定とが可能であることが特定可能である。具体的に、本実施形態のクリア用メニュー画面G41では、消去制御に対応する「RAMクリア」の文字列と、異常判定に対応する「RAMチェック」の文字列と、消去制御及び異常判定の何れも実行することなくクリア用メニュー画面G41の表示を終了する処理に対応する「終了」の文字列とが表示される。また、本実施形態のクリア用メニュー画面G41では、選択中の処理を示すマーカが表示される。マーカは、選択中の処理を示す文字列の左方に表示される。
【0125】
また、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグがON状態であるときに上ボタンBT3又は下ボタンBT4が操作されたことを契機として、主制御RAM41c内のクリア用メニュー選択フラグの値を更新することにより、選択中の処理を切り替え可能である。クリア用メニュー選択フラグには、消去制御を特定可能な値と、異常判定を特定可能な値と、クリア用メニュー画面G41の表示を終了することを特定可能な値と、のうち何れかが記憶される。具体的に、主制御CPU41aは、特別RAMクリア処理が開始されたことを契機として、クリア用メニュー選択フラグに消去制御を特定可能な値を記憶させる。また、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグがON状態であるときに上ボタンBT3又は下ボタンBT4が操作されたことを契機として、所定の順序でクリア用メニュー選択フラグの値を更新する。例えば、主制御CPU41aは、上ボタンBT3が操作されたときには、「消去制御を特定可能な値」→「異常判定を特定可能な値」→「クリア用メニュー画面G41の表示を終了することを特定可能な値」→「消去制御を特定可能な値」→・・・の順でクリア用メニュー選択フラグの値を更新する。また例えば、主制御CPU41aは、下ボタンBT4が操作されたときには、「消去制御を特定可能な値」→「クリア用メニュー画面G41の表示を終了することを特定可能な値」→「異常判定を特定可能な値」→「消去制御を特定可能な値」→・・・の順でクリア用メニュー選択フラグの値を更新する。主制御CPU41aは、クリア用メニュー選択フラグの値を更新すると、更新後のクリア用メニュー選択フラグの値を特定可能な選択コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。副制御CPU50aは、選択コマンドを入力すると、クリア用メニュー画面G41において、入力した選択コマンドから特定可能な処理に対応する文字列を示す位置にマーカを表示させるように制御する。
【0126】
そして、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグがON状態であるときに中央ボタンBT5が操作されると、選択中の処理を実行するように制御する。
図6(b)の例では、異常判定が選択されたものとする。この場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を開始するとともに、クリア用メニューフラグ及びクリア用メニュー選択フラグの値を消去する(時点t13)。また、このとき、主制御CPU41aは、異常判定の開始を示す異常判定開始コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0127】
図10(c)~
図10(e)に示すように、副制御CPU50aは、異常判定開始コマンドを入力すると、クリア用メニュー画面G41の表示を終了させるとともに、異常判定の実行中であることを特定可能な各種の画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。なお、特別RAMクリア状態中に異常判定が実行されるときの制御は、異常判定の実行中もクリア待機中画像G40が表示されることと、正常判定コマンド又は異常判定コマンドの入力後に第1終了操作画像G51が表示されないことを除いて、特別RAMチェック処理が実行されるときと同様であるため、説明を省略する。
【0128】
図6(b)に示すように、主制御CPU41aは、正常判定コマンド又は異常判定コマンドを出力してから所定時間が経過すると、再びクリア用メニュー画面G41の表示を指示する特別クリア再開コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のクリア用メニューフラグをON状態に制御する。副制御CPU50aは、特別クリア再開コマンドを入力すると、クリア用メニュー画面G41を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0129】
また、主制御CPU41aは、操作ボタンBTの操作により消去制御が選択されると、主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御を開始するとともに、クリア用メニューフラグ及びクリア用メニュー選択フラグの値を消去する(時点t15)。また、このとき、主制御CPU41aは、消去制御コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。副制御CPU50aは、消去制御コマンドの入力を契機として、副制御RAM50cの記憶内容を消去(初期化)する。続いて、副制御CPU50aは、副制御RAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。
【0130】
また、
図10(b)に示すように、副制御CPU50aは、消去制御の実行に伴って、クリア待機中画像G40の表示を終了させるとともに、消去制御が実行されたことを示す消去完了画像G42と、所定の操作により特別RAMクリア処理を終了可能であることを示す第2終了操作画像G52と、を表示させるように演出表示装置12を制御する。第2終了操作画像G52は、例えば、「中央ボタンで終了」の文字列である。
【0131】
そして、
図6(b)に示すように、主制御CPU41aは、消去制御の終了後に中央ボタンBT5が操作されると、特別RAMクリア処理を終了して待機状態に制御するとともに、特別RAMクリア処理の終了を示す特別クリア終了コマンドと、待機状態コマンドと、を生成して副制御CPU50aへ出力する(時点t16)。
【0132】
副制御CPU50aは、特別クリア終了コマンドを入力すると、消去完了画像G42及び第2終了操作画像G52の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機演出を実行させるように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、待機状態用の背景画像G20を表示させるように演出表示装置12を制御するとともに、待機状態用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSpを制御する。また、副制御CPU50aは、特別クリア終了コマンド及び待機状態コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0133】
以上のような制御により、本実施形態では、待機状態中に特別RAMクリア処理を実行可能である。
上述のように、主制御CPU41aは、メニュー選択フラグに特別RAMクリア処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMチェック状態に制御する。本実施形態において、メニュー選択フラグに特別RAMクリア処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5を操作することは、第1の操作の一例である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1の操作を検出したことを契機として、特別RAMクリア状態に制御可能である。
【0134】
また、主制御CPU41aは、消去制御の終了後に中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMクリア状態を終了させる。本実施形態において、消去制御の終了後に中央ボタンBT5を操作することは、第2の操作の一例である。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第2の操作を検出したことを契機として、特別RAMクリア状態を終了可能である。
【0135】
また、本実施形態において、特別RAMクリア状態では、クリア用メニュー選択フラグに異常判定を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行可能である。本実施形態において、クリア用メニュー選択フラグに異常判定を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5を操作することは、確認条件の成立の一例である。即ち、本実施形態において、特別RAMクリア状態では、確認条件の成立を契機として異常判定を実行可能である。
【0136】
そして、主制御CPU41aは、異常判定が終了した場合であっても特別RAMクリア状態を終了しない。一方で、主制御CPU41aは、クリア用メニュー選択フラグにクリア用メニュー画面G41の表示を終了することを特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたこと、又は、消去制御の終了後に中央ボタンBT5が操作されたことを契機として特別RAMクリア状態を終了する。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、確認条件の成立を契機としては特別RAMクリア状態を終了しない。
【0137】
また、特別RAMクリア状態中である場合、演出表示装置12は、特別RAMチェック状態中であるときと同様に、異常判定の結果に応じて正常判定画像CG2又は異常判定画像CG3を表示可能である。即ち、本実施形態において、演出表示装置12は、複数の特殊制御状態のうち何れの制御状態であっても、現在の状況に関する特定報知を実行可能である。
【0138】
次に、エラー状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定された場合の制御について説明する。エラー状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定される場合とは、即ち、エラー状態から特別RAMチェック状態に移行する場合に相当する。
【0139】
図7(a)に示す例において、パチンコ遊技機10は、待機状態中にエラーが検出されたことによりエラー状態に制御されており、エラーの報知が実行されているものとする(時点t20)。即ち、時点t20において、演出表示装置12では、エラー報知用の第1エラー報知画像G30が表示されており、スピーカSpからは、エラー報知用の音声が出力されているものとする。なお、本実施形態において、副制御CPU50aは、エラー状態に制御されたことを契機として待機演出を終了させる。即ち、本実施形態において、エラー状態では、待機状態用の背景画像G20が表示されず、待機状態用の背景楽曲が出力されない。
【0140】
ここで、中央ボタンBT5が操作されると、主制御CPU41aは、メニュー表示コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のメニューフラグをON状態に制御する(時点t21)。
【0141】
図8(b)に示すように、副制御CPU50aは、エラー状態中に中央ボタンBT5が操作されたことを示す操作コマンドを入力すると、メニュー画面MGを表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、第1エラー報知画像G30の表示を終了させる一方で、第2エラー報知画像G31を表示させるように演出表示装置12を制御する。本実施形態において、第2エラー報知画像G31は、第1エラー報知画像G30よりも小さい画像である。本実施形態において、副制御CPU50aは、メニュー画面MGに重畳する態様で第2エラー報知画像G31を表示させるように演出表示装置12を制御する。
【0142】
その後、
図7(a)に示すように、操作ボタンBTの操作により特別RAMチェック処理が選択されると、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理を開始するとともに、メニューフラグ及びメニュー選択フラグの値を消去する(時点t22)。即ち、主制御CPU41aは、特別RAMチェック状態に制御する。なお、エラー状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定された場合の特別RAMチェック処理に関する主制御CPU41a及び副制御CPU50aの制御(時点t22~t24)は、待機状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定されたとき(
図6(a)の時点t2~t4)と同様であるため、説明を省略する。
【0143】
そして、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理において異常判定が終了し(時点t23)、その後に中央ボタンBT5が操作されると、特別RAMチェック処理を終了する(時点t24)。このとき、主制御CPU41aは、エラー状態フラグがON状態に設定されていることから、エラー状態に制御する。このため、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理の終了を示す特別チェック終了コマンドと、エラー状態コマンドと、を生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0144】
副制御CPU50aは、特別チェック終了コマンドを入力すると、正常判定画像CG2又は異常判定画像CG3の表示を終了させるとともに、第1終了操作画像G51の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、エラー状態コマンドを入力すると、エラーの報知を実行させるように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、第2エラー報知画像G31の表示を終了させる一方で、第1エラー報知画像G30を表示させるように演出表示装置12を制御する。なお、副制御CPU50aは、特別チェック終了コマンド及びエラー状態コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0145】
以上のような制御により、本実施形態では、エラー状態中に特別RAMチェック処理を実行可能である。
上述のように、主制御CPU41aは、エラー状態中であっても、メニュー選択フラグに特別RAMチェック処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMチェック状態に制御可能である。このため、主制御CPU41aは、エラー状態中のうち、遊技停止状態の一例である遊技停止エラー状態中であっても、第1の操作を検出したことを契機として、特別RAMチェック状態に制御可能である。
【0146】
次に、エラー状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定された場合の制御について説明する。エラー状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定される場合とは、即ち、エラー状態から特別RAMクリア状態に移行する場合に相当する。
【0147】
図7(b)に示す例において、パチンコ遊技機10は、待機状態中にエラーが検出されたことによりエラー状態に制御されており、エラーの報知が実行されているものとする(時点t30)。即ち、時点t30において、演出表示装置12では、エラー報知用の第1エラー報知画像G30が表示されており、スピーカSpからは、エラー報知用の音声が出力されているものとする。
【0148】
ここで、中央ボタンBT5が操作されると、主制御CPU41aは、メニュー表示コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力するとともに、主制御RAM41c内のメニューフラグをON状態に制御する(時点t31)。そして、副制御CPU50aは、エラー状態中に中央ボタンBT5が操作されたことを示す操作コマンドを入力すると、メニュー画面MGを表示させるように演出表示装置12を制御する。メニュー画面MGを表示させる制御、及び、操作ボタンBTの操作により実行する処理を選択する制御(時点t31~t32)については、エラー状態中に特別RAMチェック処理の実行が決定されるとき(
図7(a)の時点t21~t22)と同様であるため、説明を省略する。
【0149】
その後、操作ボタンBTの操作により特別RAMクリア処理が選択されると、主制御CPU41aは、特別RAMクリア処理を開始するとともに、メニューフラグ及びメニュー選択フラグの値を消去する(時点t32)。即ち、主制御CPU41aは、特別RAMクリア状態に制御する。なお、エラー状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定された場合の特別RAMクリア処理に関する主制御CPU41a及び副制御CPU50aの制御(時点t32~t36)は、待機状態中に特別RAMクリア処理の実行が決定されたとき(
図6(b)の時点t12~t16)と同様であるため、説明を省略する。
【0150】
そして、主制御CPU41aは、消去制御の終了後に中央ボタンBT5が操作されると、特別RAMクリア処理を終了する(時点t36)。このとき、主制御CPU41aは、消去制御においてエラー状態フラグの値が消去されることによりエラー状態フラグがOFF状態に設定されていることから、待機状態に制御する。このため、主制御CPU41aは、特別RAMクリア処理の終了を示す特別クリア終了コマンドと、待機状態コマンドと、を生成して副制御CPU50aへ出力する。
【0151】
副制御CPU50aは、特別クリア終了コマンドを入力すると、消去完了画像G42及び第2終了操作画像G52の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機演出を実行させるように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、待機状態用の背景画像G20を表示させるように演出表示装置12を制御するとともに、待機状態用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSpを制御する。なお、副制御CPU50aは、特別クリア終了コマンド及び待機状態コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0152】
以上のような制御により、本実施形態では、エラー状態中に特別RAMクリア処理を実行可能である。
上述のように、主制御CPU41aは、エラー状態中であっても、メニュー選択フラグに特別RAMクリア処理を特定可能な値が記憶されている状態で中央ボタンBT5が操作されたことを契機として、特別RAMクリア状態に制御可能である。このため、主制御CPU41aは、エラー状態中のうち、遊技停止状態の一例である遊技停止エラー状態中であっても、第1の操作を検出したことを契機として、特別RAMクリア状態に制御可能である。
【0153】
また、図示しないが、本実施形態では、メニューフラグがON状態であるときに操作ボタンBTの操作によりメニュー画面MGの表示を終了する処理が選択されると、主制御CPU41aは、メニューフラグ及びメニュー選択フラグの値を消去する。さらに、主制御CPU41aは、メニュー画面MGの表示を終了させることを指示するメニュー終了コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。そして、副制御CPU50aは、メニュー終了コマンドを入力すると、メニュー画面MGの表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。なお、副制御CPU50aは、メニュー終了コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0154】
さらに、図示しないが、本実施形態では、クリア用メニューフラグがON状態であるときに操作ボタンBTの操作によりクリア用メニュー画面G41の表示を終了する処理が選択されると、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグ及びクリア用メニュー選択フラグの値を消去するとともに、特別RAMクリア処理を終了する。このとき、主制御CPU41aは、クリア用メニュー画面G41の表示を終了させることを指示するクリア用メニュー終了コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。そして、副制御CPU50aは、クリア用メニュー終了コマンドを入力すると、クリア用メニュー画面G41の表示を終了させるように演出表示装置12を制御する。
【0155】
また、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグがON状態であるときに操作ボタンBTの操作によりクリア用メニュー画面G41の表示を終了する処理が選択された場合に、エラー状態フラグがOFF状態に設定されているときには、待機状態に制御する。この場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。そして、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、待機演出を実行させるように演出装置群を制御する。なお、副制御CPU50aは、クリア用メニュー終了コマンド及び待機状態コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0156】
一方、主制御CPU41aは、クリア用メニューフラグがON状態であるときに操作ボタンBTの操作によりクリア用メニュー画面G41の表示を終了する処理が選択された場合に、エラー状態フラグがON状態に設定されているときには、エラー状態に制御する。この場合、主制御CPU41aは、エラー状態コマンドを生成して副制御CPU50aへ出力する。そして、副制御CPU50aは、エラー状態コマンドを入力すると、エラーの報知を実行させるように演出装置群を制御する。なお、副制御CPU50aは、クリア用メニュー終了コマンド及びエラー状態コマンドを入力したことを契機としては、演出用可動体EKの動作チェックを実行させない。
【0157】
また、上述したような制御によれば、本実施形態では、パチンコ遊技機10の制御状態に応じて待機演出の実行が制限されることとなる。
図11に示すように、待機状態中であってメニュー画面MGが表示されておらず、且つ、エラー状態中ではない場合、演出表示装置12では待機状態用の背景画像G20が表示されるとともに、スピーカSpからは待機状態用の背景楽曲が出力される。
【0158】
待機状態中であってメニュー画面MGが表示されており、且つ、エラー状態中ではない場合、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20に重畳する態様でメニュー画面MGが表示されることにより待機状態用の背景画像G20の一部が非表示となる。一方で、待機状態中であってメニュー画面MGが表示されており、且つ、エラー状態中ではない場合、スピーカSpからは、メニュー画面MGが表示されていないときと同様に待機状態用の背景楽曲が出力される。即ち、待機状態中であってメニュー画面MGが表示されておらず、且つ、エラー状態中ではない場合には、待機状態用の背景画像G20の一部が非表示となる態様により待機演出の実行が制限される。
【0159】
特別RAMチェック状態中であり、且つ、エラー状態中ではない場合、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20が表示されない一方で、スピーカSpからは待機状態中であるときと同様に待機状態用の背景楽曲が出力される。即ち、特別RAMチェック状態中であり、且つ、エラー状態中ではない場合には、待機状態用の背景画像G20の全体が非表示となる態様により待機演出の実行が制限される。
【0160】
特別RAMクリア状態中であり、且つ、エラー状態中ではない場合、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20が表示されないとともに、スピーカSpから待機状態用の背景楽曲が出力されない。即ち、特別RAMクリア状態中であり、且つ、エラー状態中ではない場合には、待機状態用の背景画像G20の全体が非表示となるとともに、待機状態用の背景楽曲が出力されない態様により待機演出の実行が制限される。言い換えれば、特別RAMクリア状態中であり、且つ、エラー状態中ではない場合には、待機演出が実行されない。
【0161】
そして、エラー状態中である場合には、待機状態中、特別RAMチェック状態中、及び特別RAMクリア状態中の何れであるかに関わらず、演出表示装置12では、待機状態用の背景画像G20が表示されないとともに、スピーカSpから待機状態用の背景楽曲が出力されない。即ち、エラー状態中である場合には、待機状態用の背景画像G20の全体が非表示となるとともに、待機状態用の背景楽曲が出力されない態様により待機演出の実行が制限される。言い換えれば、エラー状態中である場合には、待機演出が実行されない。
【0162】
このように、本実施形態では、パチンコ遊技機10の制御状態に応じて、演出の実行が制限される態様が異なる。特に、本実施形態において、特別RAMチェック状態中と、特別RAMクリア状態中とでは、何れも、待機演出のうち少なくとも一部の演出の実行が制限される。言い換えれば、本実施形態において、副制御CPU50aは、特別RAMチェック状態又は特別RAMクリア状態であるときには、演出装置群において実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限する。また、本実施形態において、特別RAMチェック状態中と、特別RAMクリア状態中とでは、待機演出の実行が制限される態様が異なる。即ち、本実施形態において、複数の特殊制御状態は、演出の実行が制限される態様が異なる。
【0163】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、特別RAMチェック処理により、パチンコ遊技機10への電源投入を伴わずに主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行できるため、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを簡便に確認することができる。したがって、本実施形態では、パチンコ遊技機10の制御に関する確認を行う際の利便性を向上させることができる。
【0164】
(2)本実施形態では、特別RAMクリア処理により、パチンコ遊技機10への電源投入を伴わずに主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御を実行できるため、主制御RAM41cの記憶内容を簡便に初期化することができる。したがって、本実施形態では、パチンコ遊技機10における記憶内容の初期化を行う際の利便性を向上させることができる。
【0165】
(3)本実施形態における特別RAMクリア処理では、主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御を実行する前に主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定を実行できる。これによれば、特別RAMクリア処理において、異常判定の結果に基づいて主制御RAM41cの記憶内容の初期化が必要か否かを判断することができる。したがって、本実施形態では、主制御RAM41cの記憶内容を不必要に初期化してしまうことを抑制できる。
【0166】
(4)特別RAMチェック状態は、操作ボタンBTによる第2の操作を契機として終了される。このため、本実施形態では、操作ボタンBTを操作するタイミングを調整することにより、特別RAMチェック状態に制御される期間が短くなりすぎたり長くなりすぎたりすることを抑制できる。したがって、本実施形態では、特別RAMチェック状態においてより確実にパチンコ遊技機10の制御に関する確認を行うことができる。
【0167】
(5)特別RAMクリア状態は、操作ボタンBTによる第2の操作を契機として終了される。このため、本実施形態では、操作ボタンBTを操作するタイミングを調整することにより、特別RAMクリア状態に制御される期間が短くなりすぎたり長くなりすぎたりすることを抑制できる。したがって、本実施形態では、特別RAMクリア状態において主制御RAM41cの記憶内容が初期化されたことをより確実に確認させることができる。
【0168】
(6)特に、特別RAMチェック状態及び特別RAMクリア状態では、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かの異常判定が終了したことを契機としては各状態が終了されないため、より確実に遊技機の制御に関する確認を行うことができる。
【0169】
(7)特別RAMチェック状態及び特別RAMクリア状態では、待機演出のうち一部の演出の実行が制限される。これによれば、演出の実行により各状態中に実行された制御の内容を確認しにくくなってしまうことを抑制できる。このため、本実施形態では、パチンコ遊技機10の制御に関する確認を行う際の利便性を向上させることができる。
【0170】
(8)特別RAMチェック状態と特別RAMクリア状態とでは、待機演出の実行が制限される態様が異なる。言い換えれば、特別RAMチェック状態と特別RAMクリア状態とでは、各状態に応じて適切な態様で待機演出の実行が制限されるため、各状態中に実行された制御の内容を確認しにくくなってしまうことをより好適に抑制できる。
【0171】
(9)遊技停止エラー状態を含むエラー状態中であっても、操作ボタンBTによる第1の操作を契機として特別RAMチェック処理を実行可能であるため、パチンコ遊技機10の制御に関する確認を行う際の利便性を向上させることができる。
【0172】
(10)遊技停止エラー状態を含むエラー状態中であっても、操作ボタンBTによる第1の操作を契機として特別RAMクリア処理を実行可能である。これによれば、電源投入を伴わずにエラー状態を解消することができるため、エラー状態を解消する際の利便性を向上できる。
【0173】
(11)本実施形態において、待機状態から特別RAMチェック状態に移行した場合には、特別RAMチェック状態の終了後に演出用可動体EKの動作チェックが実行される。これによれば、特別RAMチェック状態において主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを確認できることに加えて、演出用可動体EKの動作に異常があるか否かも確認することができる。
【0174】
(12)演出用可動体EKの動作チェックは、操作ボタンBTによる第2の操作により特別RAMチェックが終了されたことを契機として実行される。言い換えれば、演出用可動体EKの動作チェックを行うタイミングは、操作ボタンBTによる第2の操作によって調整できるため、演出用可動体EKの動作チェックが見逃されてしまうことを抑制できる。
【0175】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0176】
・パチンコ遊技機10は、演出用可動体EKの動作チェックに代えて又は加えて、演出に関する確認動作を実行可能に構成されてもよい。例えば、演出に関する確認動作は、演出表示装置12において所定の画像を表示することであってもよい。また、演出に関する確認動作は、スピーカSpから所定の音声を出力することであってもよいし、装飾ランプLaを所定の発光態様で発光させることであってもよい。
【0177】
・演出に関する確認動作を実行する契機は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、エラー状態から特別RAMチェック状態に移行した場合であっても、該特別RAMチェック状態が終了したことを契機として演出に関する確認動作を実行してもよい。また、特別RAMクリア状態が終了したことを契機として演出に関する確認動作を実行してもよいし、特別RAMチェック状態中や特別RAMクリア状態中に演出に関する確認動作を実行してもよい。
【0178】
・副制御CPU50aは、操作ボタンBTによる操作によらず、所定のタイミングで演出用可動体EKの動作チェックを実行するようにしてもよい。
・副制御CPU50aは、パチンコ遊技機10への電源投入に伴って、演出用可動体EKの動作チェックを実行するようにしてもよい。この場合、副制御CPU50aは、パチンコ遊技機10への電源投入時に主制御RAM41cの記憶内容が消去されたか否かに応じて、演出用可動体EKの動作チェックを実行するか否かを異ならせてもよい。この場合、副制御CPU50aは、特別RAMチェック状態の終了に伴って演出用可動体EKの動作チェックを実行しなくてもよい。
【0179】
・各状態において実行が制限される演出の種類は、適宜変更してもよい。言い換えれば、各状態において演出の実行を制限するときの態様は、適宜変更してもよい。例えば、特別RAMチェック状態と特別RAMクリア状態とで、待機演出の実行が制限される態様が同一であってもよい。また、各状態において、待機演出に代えて又は加えて、待機演出以外の演出の実行を制限してもよい。また、特別RAMチェック状態及び特別RAMクリア状態の一方又は両方について、演出の実行を制限しなくてもよい。
【0180】
・特別RAMチェック状態中に演出表示装置12に表示される画像の種類は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、特別RAMチェック状態中に進捗画像G50を表示させないように制御してもよい。同様に、特別RAMクリア状態中に演出表示装置12に表示される画像の種類は、適宜変更してもよい。
【0181】
・特別RAMチェック処理において主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを判定する異常判定と、電源投入処理において主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを判定する異常判定とは、同一の内容であってもよいし、異なる内容であってもよい。また、特別RAMチェック処理を実行せず、電源投入処理における異常判定のみを実行する遊技機に具体化してもよい。この場合、電源投入処理は、電源スイッチ60aの操作を検出したことを契機として実行される一方で、操作ボタンBTによる所定の操作が検出されたことを契機として終了されるようにしてもよい。この例において、電源投入処理を実行しているときの制御状態は、特殊制御状態に相当する。即ち、この例では、電源スイッチ60aの操作が第1の操作に相当するとともに、操作ボタンBTによる所定の操作が第2の操作に相当する。
【0182】
・特別RAMクリア処理において主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御と、RAMクリア処理において主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御とは、同一の内容であってもよいし、異なる内容であってもよい。例えば、消去制御において消去される記憶領域が異なってもよい。また、特別RAMクリア処理を実行せず、RAMクリア処理における消去制御のみを実行する遊技機に具体化してもよい。この場合、RAMクリア処理は、RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されている状態で電源スイッチ60aの操作を検出したことを契機として実行される一方で、操作ボタンBTによる所定の操作が検出されたことを契機として終了されるようにしてもよい。この例において、RAMクリア処理を実行しているときの制御状態は、特殊制御状態に相当する。即ち、この例では、RAMクリアスイッチ61がON状態に操作されている状態での電源スイッチ60aの操作が第1の操作に相当するとともに、操作ボタンBTによる所定の操作が第2の操作に相当する。
【0183】
・主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理における異常判定において、主制御RAM41cの記憶内容に異常があると判定したときには、遊技を停止するように制御してもよい。また、主制御CPU41aは、特別RAMチェック処理における異常判定において、主制御RAM41cの記憶内容に異常があると判定したときには、主制御RAM41cの記憶内容を消去する消去制御を実行するようにしてもよい。これらの場合、特別RAMチェック状態中に、特別RAMチェック処理における異常判定の結果を報知する判定画像を表示しないようにしてもよい。即ち、パチンコ遊技機10は、特別RAMチェック処理における異常判定において主制御RAM41cの記憶内容に異常があると判定したときには、異常が発生した状態のまま遊技が継続されないように制御すればよく、必ずしも異常判定の結果を報知しなくてもよい。また、特別RAMクリア処理における異常判定において主制御RAM41cの記憶内容に異常があると判定した場合についても、同様に制御してもよい。
【0184】
・特別RAMチェック状態中及び特別RAMクリア状態中に実行可能な特定報知において報知される内容は、適宜変更してもよい。例えば、特別RAMチェック状態中及び特別RAMクリア状態中に実行可能な特定報知は、現在の制御状態を示す報知であってもよい。また、特別RAMチェック状態中に実行される特定報知と、特別RAMクリア状態中に実行される特定報知とは、報知される対象が同一であれば、具体的な報知の内容は異なっていてもよい。例えば、特別RAMチェック状態中に実行される特定報知と、特別RAMクリア状態中に実行される特定報知とが、何れも異常判定の結果を報知するものである場合に、特定報知を実行する報知手段の種類や、表示される画像の種類といった具体的な報知の態様は異なっていてもよい。また、特別RAMチェック状態中に実行される特定報知と、特別RAMクリア状態中に実行される特定報知とが、何れも現在の制御状態を報知するものである場合に、報知される内容は異なっていてもよい。
【0185】
・特別RAMチェック処理は、異常判定が終了した後、操作ボタンBTによる操作によらずに終了されてもよい。即ち、主制御CPU41aは、確認条件の成立を契機として異常判定を実行する場合、該異常判定の終了を契機として特別RAMチェック状態を終了させるようにしてもよい。
【0186】
・特別RAMクリア処理は、消去制御が終了した後、操作ボタンBTによる操作によらずに終了されてもよい。即ち、主制御CPU41aは、消去制御を実行する場合、該消去制御の終了を契機として特別RAMクリア状態を終了させるようにしてもよい。
【0187】
・特別RAMチェック処理の実行を決定するための操作ボタンBTの操作は、現在の制御状態に応じて異なっていてもよい。例えば、エラー状態中であるときとエラー状態中ではないときとで、特別RAMチェック処理の実行を決定するための操作ボタンBTの操作が異なっていてもよい。同様に、特別RAMクリア処理の実行を決定するための操作ボタンBTの操作は、現在の制御状態に応じて異なっていてもよい。
【0188】
・主制御CPU41aは、エラー状態中であるときには特別RAMチェック処理の実行を決定しないようにしてもよい。即ち、主制御CPU41aは、エラー状態中であるときには特別RAMチェック状態に制御しないようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、エラー状態の種類に応じて特別RAMチェック処理の実行を決定可能とするか否かを異ならせてもよい。例えば、主制御CPU41aは、遊技可能エラー状態中であるときには特別RAMチェック処理の実行を決定可能である一方で、遊技停止エラー状態中であるときには特別RAMチェック処理の実行を決定しないようにしてもよい。
【0189】
・主制御CPU41aは、エラー状態中であるときには特別RAMクリア処理の実行を決定しないようにしてもよい。即ち、主制御CPU41aは、エラー状態中であるときには特別RAMクリア状態に制御しないようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、エラー状態の種類に応じて特別RAMクリア処理の実行を決定可能とするか否かを異ならせてもよい。例えば、主制御CPU41aは、遊技可能エラー状態中であるときには特別RAMクリア処理の実行を決定可能である一方で、遊技停止エラー状態中であるときには特別RAMクリア処理の実行を決定しないようにしてもよい。
【0190】
・主制御CPU41aは、待機状態中ではない場合であっても、特別RAMチェック処理の実行を決定可能であってもよい。例えば、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行中に特別RAMチェック処理の実行を決定可能であってもよいし、大当り遊技の実行中に特別ゲームの実行中に特別RAMチェック処理の実行を決定可能であってもよい。同様に、主制御CPU41aは、待機状態中ではない場合であっても、特別RAMクリア処理の実行を決定可能であってもよい。
【0191】
・エラー状態中におけるエラーの報知の態様は、適宜変更してもよい。例えば、各エラー状態中は、発生しているエラーの種類を特定可能な態様でエラーの報知が実行されてもよい。即ち、エラー状態は、発生しているエラーを確認可能な制御状態であってもよい。例えば、主制御CPU41aは、搭載枠11bを開放させる操作を検出したことを契機として、枠開放エラーが発生していることを確認可能な枠開放エラー状態に制御可能であるとともに、搭載枠11bを閉鎖させる操作を検出したことを契機として、枠開放エラー状態を終了可能であってもよい。この例において、枠開放エラー状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態に相当する。即ち、主制御CPU41aは、搭載枠11bを開放させる操作である第1の操作を検出したことを契機として、枠開放エラー状態に制御可能である一方で、搭載枠11bを閉鎖させる操作である第2の操作を検出したことを契機として、枠開放エラー状態を終了させるようにしてもよい。
【0192】
・操作ボタンBTは、施錠装置11cを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない機裏側に配設されていてもよい。この場合、特別RAMチェック処理又は特別RAMクリア処理を実行させるための操作ボタンBTの操作は、施錠装置11cに適合する鍵を所有する遊技機の管理者によって行われることとなる。
【0193】
・操作ボタンBTに代えて又は加えて、パチンコ遊技機10とは別体である特定部材を用いて操作される特定操作手段を備えてもよい。この場合、副制御CPU50aは、特定部材を用いた特定操作手段の操作を契機として、特別RAMチェック処理又は特別RAMクリア処理を実行可能であってもよい。これによれば、特定部材を所持する者以外の者によって特別RAMチェック処理及び特別RAMクリア処理が実行されてしまうことを抑制できるため、パチンコ遊技機10を適切に管理することができる。
【0194】
・パチンコ遊技機10は、電源投入時の操作により、特別RAMチェック処理を実行可能な状態に制御されるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が操作されているか否かに応じて、特別RAMチェック処理を実行可能な状態に制御するか否かを異ならせてもよい。この場合、例えば、パチンコ遊技機10の検査時には特別RAMチェック処理を実行可能な状態に制御することで、検査中に電源投入を伴うことなく主制御RAM41cの記憶内容に異常が発生したか否かを確認できるため、パチンコ遊技機10の検査時において、遊技機の制御に関する確認を行う際の利便性をさらに向上させることができる。同様に、パチンコ遊技機10は、電源投入時の操作により、特別RAMクリア処理を実行可能な状態に制御されるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が操作されているか否かに応じて、特別RAMクリア処理を実行可能な状態に制御するか否かを異ならせてもよい。この場合、例えば、パチンコ遊技機10の検査時には特別RAMクリア処理を実行可能な状態に制御することで、検査中に電源投入を伴うことなく主制御RAM41cの記憶内容を初期化できるため、パチンコ遊技機10の検査時において、主制御RAM41cの記憶内容を初期化する際の利便性をさらに向上させることができる。
【0195】
・演出に関するカスタマイズが可能なパチンコ遊技機10に具体化してもよい。演出に関するカスタマイズとしては、例えば、音声演出における音量の調整や発光演出における光量の調整を採用してもよい。
【0196】
・演出に関するカスタマイズの一例として、音声演出における音量の調整が可能なパチンコ遊技機10に具体化する場合、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が所定の態様で操作されているか否かに応じて、音声演出における音量の調整が可能な状態に制御するか否かを異ならせてもよい。言い換えれば、パチンコ遊技機10は、音声演出における音量の調整が可能な状態で起動される場合と、音声演出における音量の調整が不能な状態で起動される場合と、があってもよい。
【0197】
・電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が所定の態様で操作されているか否かに応じて、音声演出を実行可能な状態に制御するか否かを異ならせてもよい。言い換えれば、パチンコ遊技機10は、音声演出を実行可能な状態で起動される場合と、音声演出を実行不能な状態で起動される場合と、があってもよい。ここで、音声演出を実行不能な状態とは、音声演出における音声が消音されている状態を含む。そして、音声演出を実行不能な状態で起動されたときには、パチンコ遊技機10が電源断された後、改めて所定の操作手段が所定の操作態様で操作されている状態で電源投入が行われたことを契機として、音声演出を実行可能な状態で起動されるようにしてもよい。即ち、本別例において、パチンコ遊技機10は、所定の操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、音声演出を実行不能な状態に制御可能である一方で、所定の操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、音声演出を実行不能な状態を終了させるようにしてもよい。なお、この場合、音声演出を実行不能な状態は、例えば、パチンコ遊技機10の検査時に用いられる状態であってもよい。これによれば、パチンコ遊技機10の検査時においては、音声演出を実行不能な状態に制御することで、音声演出によって出力される音声に気を取られることなく遊技機の制御に関する確認を行うことができる。即ち、この例において、音声演出を実行不能な状態は、制御に関する確認を行うときの制御状態の一例として把握できる。
【0198】
・パチンコ遊技機10の動作に要する電力を節約する節電状態を備えた遊技機に具体化してもよい。この場合、主制御CPU41aは、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が所定の態様で操作されているか否かに応じて、節電状態に制御するか否かを異ならせてもよい。言い換えれば、パチンコ遊技機10は、節電状態で起動される場合と、節電状態ではない状態で起動される場合と、があってもよい。そして、節電状態で起動されたときには、パチンコ遊技機10が電源断された後、改めて所定の操作手段が所定の操作態様で操作されている状態で電源投入が行われたことを契機として、節電状態が終了されるようにしてもよい。即ち、本別例において、パチンコ遊技機10は、所定の操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、節電状態に制御可能である一方で、所定の操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、節電状態を終了させるようにしてもよい。なお、この場合、節電状態は、例えば、パチンコ遊技機10の検査時に用いられる状態であってもよい。これによれば、パチンコ遊技機10の検査時においては、パチンコ遊技機10の動作に要する電力を節約する節電状態に制御することで、遊技機の制御に関する確認を行うに際して不必要に電力を消費してしまうことを抑制できる。即ち、この例において、節電状態は、制御に関する確認を行うときの制御状態の一例として把握できる。
【0199】
・当り抽選で大当りに当選する確率を定めた設定情報を変更する設定変更機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が所定の態様で操作されているか否かに応じて、設定情報を変更可能な設定変更状態に制御するか否かを異ならせてもよい。この場合、設定変更状態は、該設定変更状態において所定の操作手段による所定の操作が検出されたことを契機として終了されるようにしてもよい。ここで、設定変更状態に制御するときの操作と、設定変更状態を終了させるときの操作とは、同一の操作手段を用いた操作であってもよいし、異なる操作手段を用いた操作であってもよい。また、設定変更状態に制御するときの操作と、設定変更状態を終了させるときの操作とは、同一の操作手段を用いた異なる操作であってもよい。また、この例において、副制御CPU50aは、設定変更状態であるときには、各種の演出のうち一部又は全部の演出の実行を制限するようにしてもよい。
【0200】
・当り抽選で大当りに当選する確率を定めた設定情報を変更する設定変更機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化する場合、電源投入時に機裏側に配設された所定の操作手段が所定の態様で操作されているか否かに応じて、現在の設定情報を確認可能な設定確認状態に制御するか否かを異ならせてもよい。この場合、設定確認状態は、該設定確認状態において所定の操作手段による所定の操作が検出されたことを契機として終了されるようにしてもよい。ここで、設定確認状態に制御するときの操作と、設定確認状態を終了させるときの操作とは、同一の操作手段を用いた操作であってもよいし、異なる操作手段を用いた操作であってもよい。また、設定確認状態に制御するときの操作と、設定確認状態を終了させるときの操作とは、同一の操作手段を用いた異なる操作であってもよい。この例において、設定確認状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態に相当する。即ち、この例において、主制御CPU41aは、所定の操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、設定確認状態に制御可能であるとともに、該設定確認状態である場合に、所定の操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、設定確認状態を終了可能としてもよい。また、この例において、副制御CPU50aは、設定確認状態であるときには、各種の演出のうち一部又は全部の演出の実行を制限するようにしてもよい。
【0201】
・大当り抽選に当選する確率を定めた確率状態として、2種類以上の確率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、確率変動機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0202】
・パチンコ遊技機10の入球率状態として、3種類以上の入球率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の入球率状態として、1種類の入球率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、入球補助機能を備えていないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0203】
・遊技に用いた遊技球の数に基づいて算出される第1球数と、賞球として獲得した遊技球の数に基づいて算出される第2球数と、の差が所定数に達したことを契機として遊技を停止する機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0204】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0205】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0206】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動入賞口14,15への遊技球の入球順序に従って実行されてもよく、同時に並行して実行されてもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0207】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、演出表示装置12に特別図柄を表示するとよい。
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
【0208】
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)操作手段と、前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段と、遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記制御状態変更手段は、前記操作検出手段が前記操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、特殊制御状態に制御可能であるとともに、前記特殊制御状態である場合に、前記操作検出手段が前記操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態を終了可能であり、前記特殊制御状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態であり、前記演出制御手段は、前記特殊制御状態であるときには、前記演出実行手段が実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【0209】
(付記2)図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するゲーム実行手段と、前記ゲーム実行手段を制御するゲーム制御手段と、前記変動ゲームの実行を規制する遊技停止状態に制御可能な停止制御手段と、を備え、前記制御状態変更手段は、前記遊技停止状態中であっても、前記操作検出手段が前記操作手段による前記第1の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態に制御可能である付記1に記載の遊技機。
【0210】
(付記3)前記演出実行手段は、演出に関する確認動作を実行可能であり、前記演出制御手段は、前記特殊制御状態に制御された場合、該特殊制御状態において前記操作検出手段により前記操作手段による前記第2の操作が検出されたタイミングに応じて前記確認動作を実行させる制御が可能である付記1又は付記2に記載の遊技機。
【0211】
(付記4)前記特殊制御状態は複数あり、複数の前記特殊制御状態は、演出の実行が制限される態様が異なることを特徴とする付記1~付記3のうち何れか1つに記載の遊技機。
【0212】
(付記5)前記特殊制御状態では、予め定めた確認条件の成立を契機として遊技機の制御に関する確認が可能であり、前記制御状態変更手段は、前記確認条件の成立を契機としては前記特殊制御状態を終了しない付記1~付記4のうち何れか1つに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0213】
BT…操作ボタン(操作手段) BT1…左ボタン BT2…右ボタン BT3…上ボタン BT4…下ボタン BT5…中央ボタン CG1…チェック進行中画像 CG2…正常判定画像 CG3…異常判定画像 EK…演出用可動体(演出実行手段、報知手段) G20…背景画像 G30…第1エラー報知画像 G31…第2エラー報知画像 G40…クリア待機中画像 G41…クリア用メニュー画面 G42…消去完了画像 G50…進捗画像 G51…第1終了操作画像 G52…第2終了操作画像 GH…画像表示部 HD…発射ハンドル La…装飾ランプ(演出実行手段、報知手段) MG…メニュー画面 SE1…第1始動入賞センサ SE2…第2始動入賞センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ SL1…第1ソレノイド SL2…第2ソレノイド Sp…スピーカ(演出実行手段、報知手段) YB…遊技盤 YBa…遊技領域 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…設置枠 11b…搭載枠 11c…施錠装置 12…演出表示装置(演出実行手段、報知手段) 13…情報表示装置 13a…第1特別図柄表示部(ゲーム実行手段) 13b…第2特別図柄表示部(ゲーム実行手段) 13c…第1特別保留表示部 13d…第2特別保留表示部 13e…普通図柄表示部 13f…普通保留表示部 14…第1始動入賞口 15…第2始動入賞口 16…普通可動片 17…大入賞口 18…特別開閉片 25…ゲート 40…主制御器板 41…マイクロプロセッサ 41a…主制御CPU(操作検出手段、制御状態変更手段、ゲーム制御手段) 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU(演出制御手段) 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM 60…電源ユニット 60a…電源スイッチ 61…RAMクリアスイッチ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段と、
遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記制御状態変更手段は、
少なくとも前記操作検出手段が前記操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、特殊制御状態に制御可能であるとともに、
前記特殊制御状態である場合に、少なくとも前記操作検出手段が前記操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態を終了可能であり、
前記特殊制御状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態であり、
前記演出制御手段は、前記特殊制御状態であるときには、前記演出実行手段が実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段を制御するゲーム制御手段と、
前記特別ゲームの実行を規制する特別ゲーム停止状態に制御可能な特別ゲーム停止制御手段と、を備え、
前記制御状態変更手段は、前記特別ゲーム停止状態中であっても、前記操作検出手段が前記操作手段による前記第1の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態に制御可能である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行手段は、演出に関する確認動作を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記特殊制御状態に制御された場合、該特殊制御状態において前記操作検出手段により前記操作手段による前記第2の操作が検出されたタイミングに応じて前記確認動作を実行させる制御が可能である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、操作手段と、前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段と、遊技機の制御状態を変更可能な制御状態変更手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記制御状態変更手段は、少なくとも前記操作検出手段が前記操作手段による第1の操作を検出したことを契機として、特殊制御状態に制御可能であるとともに、前記特殊制御状態である場合に、少なくとも前記操作検出手段が前記操作手段による第2の操作を検出したことを契機として、前記特殊制御状態を終了可能であり、前記特殊制御状態は、遊技機の制御に関する確認を行うときの制御状態であり、前記演出制御手段は、前記特殊制御状態であるときには、前記演出実行手段が実行可能な演出のうち少なくとも一部の演出の実行を制限することを要旨とする。