(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163595
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】効率的な接続設定情報の管理のための基地局装置、端末装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/08 20090101AFI20241115BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20241115BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20241115BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W36/08
H04W72/0457 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079348
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ヤンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】高久 淑考
(72)【発明者】
【氏名】洪 禎延
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端末装置における条件付きハンドオーバや条件付きのセカンダリセルの追加又は変更に関するリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いた設定処理を効率的に行う。
【解決手段】無線通信システムにおいて、基地局装置は、接続中の端末装置における条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加あるいは変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための、2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグと、その2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの識別情報と、を含む情報を、端末装置へ提供し、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかを削除または変更を行うべき場合に、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定して、端末装置に削除または変更を指示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置であって、
接続中の端末装置における条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報を取得する取得手段と、
前記情報と前記CHOまたは前記CPACを実行する条件とを前記端末装置へ提供する提供手段と、
前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを削除または変更を行うべき場合に、当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定して削除または変更を前記端末装置へ指示する指示手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記指示手段は、前記リファレンスコンフィグを指定するために、前記識別情報を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記指示手段は、前記デルタコンフィグを指定するために、当該デルタコンフィグが用いられるセルのセル識別子、又は、前記CHO又は前記CPACのための前記条件と前記デルタコンフィグと当該デルタコンフィグと組み合わせられるべきかを示すリファレンスコンフィグの前記識別情報を組み合わせた情報要素を特定する情報を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記指示手段は、前記リファレンスコンフィグと組み合わせられるべき前記デルタコンフィグがない場合に、当該リファレンスコンフィグの削除を指示する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記指示手段は、前記リファレンスコンフィグ又は前記デルタコンフィグの変更を指示する場合に、当該リファレンスコンフィグ又は当該デルタコンフィグのうちの変更されるべき設定項目を示す差分の情報を前記端末装置へ通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記指示手段は、前記リファレンスコンフィグ又は前記デルタコンフィグの変更を指示する場合に、置き換えられるべき当該リファレンスコンフィグ又は当該デルタコンフィグを前記端末装置へ通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項7】
端末装置であって、
接続中の基地局装置から、条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報と、前記CHOまたは前記CPACを実行する条件と、を取得する取得手段と、
前記2つ以上のセルの少なくともいずれかのセルについて、前記デルタコンフィグと、当該デルタコンフィグと組み合わせられるべきと前記識別情報によって指定される前記リファレンスコンフィグとを用いて、当該セルでの通信のための設定情報を生成する生成手段と、
前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定した削除または変更の指示を受信した場合に、指定された当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかの削除または変更を実行する実行手段と、
前記条件が満たされたことに応じて、生成した前記設定情報を用いて前記CHOまたは前記CPACを実行する実行手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記削除または変更の指示は、前記リファレンスコンフィグを指定する情報として、前記識別情報を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記削除または変更の指示は、前記デルタコンフィグを指定する情報として、当該デルタコンフィグが用いられるセルのセル識別子、又は、前記CHO又は前記CPACのための前記条件と前記デルタコンフィグと当該デルタコンフィグと組み合わせられるべきかを示すリファレンスコンフィグの前記識別情報を組み合わせた情報要素を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項10】
前記リファレンスコンフィグの削除が指示された場合、当該リファレンスコンフィグを削除すると共に、当該リファレンスコンフィグと組み合わせられるべき前記デルタコンフィグを削除する、ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項11】
前記リファレンスコンフィグ又は前記デルタコンフィグの変更の指示は、当該リファレンスコンフィグ又は当該デルタコンフィグのうちの変更されるべき設定項目を示す差分の情報を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項12】
前記リファレンスコンフィグ又は前記デルタコンフィグの変更の指示は、置き換えられるべき当該リファレンスコンフィグ又は当該デルタコンフィグを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項13】
基地局装置によって実行される制御方法であって、
接続中の端末装置における条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報を取得することと、
前記情報と前記CHOまたは前記CPACを実行する条件とを前記端末装置へ提供することと、
前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを削除または変更を行うべき場合に、当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定して削除または変更を前記端末装置へ指示することと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
端末装置によって実行される制御方法であって、
接続中の基地局装置から、条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報と、前記CHOまたは前記CPACを実行する条件と、を取得することと、
前記2つ以上のセルの少なくともいずれかのセルについて、前記デルタコンフィグと、当該デルタコンフィグと組み合わせられるべきと前記識別情報によって指定される前記リファレンスコンフィグとを用いて、当該セルでの通信のための設定情報を生成することと、
前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定した削除または変更の指示を受信した場合に、指定された当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかの削除または変更を実行することと、
前記条件が満たされたことに応じて、生成した前記設定情報を用いて前記CHOまたは前記CPACを実行することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の基地局装置として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項7から12のいずれか1項に記載の端末装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線接続設定の効率的な管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信システムでは、通信の連続性を確保するために、端末装置の移動などに応じてその端末装置の接続先を切り替えるハンドオーバ技術が用いられている。ハンドオーバは、端末装置において接続中の無線リンクの通信品質が劣化した後にコアネットワーク側におけるハンドオーバのための設定処理が開始され、基地局装置から端末装置への指示メッセージが送信されるのが標準的な手法である。しかしながら、この手法では、実際に通信品質が劣化してからハンドオーバの指示が送信されるまでの処理に時間を要するため、通信できない又は通信品質が不十分な時間が長期化してしまいうる。これに対して、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))において、この設定処理を事前に実行しておき、端末装置において所定の条件が満たされた場合に、基地局装置からの指示メッセージを受信せずに接続先のセルを切り替える手法が議論されている(非特許文献1参照)。所定の条件は、例えば、端末装置において、隣接セルの無線品質が接続中のセルの無線品質より所定レベル以上良好となった場合や接続中のセルの無線品質が所定値以下となった場合を含む。この手法によれば、ハンドオーバが実行されるべき通信品質の低下などが生じる前にコアネットワーク側におけるハンドオーバの設定処理が完了しているため、通信できない又は通信品質が不十分な時間を大幅に低減することができる。このようなハンドオーバを条件付きハンドオーバ又はCHOと呼ぶ。
【0003】
同様に、端末装置が複数のセルに接続するマルチコネクティビティ(MC)等において、設定処理を事前に実行しておき、端末装置において所定の条件が満たされた場合に、基地局装置からの指示メッセージを受信せずに、セカンダリセルの追加又は変更を端末装置が行うこともできる。なお、以下では、この条件付きのセカンダリセルの追加又は変更をCPACと呼ぶ場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TR38.874、V16.0.0、2018年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3GPPのリリース18規格の検討において、上述の設定処理において、複数の候補セルに対して共通のリファレンスコンフィグと、候補セルごとにリファレンスコンフィグと異なる設定値を指定するデルタコンフィグとを用いた設定処理を行うことが合意されている。しかしながら、このような設定処理の実行手順については明らかになっておらず、効率的な手順を定めることが要求される。
【0006】
本発明は、端末装置における条件付きハンドオーバや条件付きのセカンダリセルの追加又は変更に関するリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いた設定処理を効率的に行う手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による基地局装置は、接続中の端末装置における条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報を取得する取得手段と、前記情報と前記CHOまたは前記CPACを実行する条件とを前記端末装置へ提供する提供手段と、前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを削除または変更を行うべき場合に、当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定して削除または変更を前記端末装置へ指示する指示手段と、を有する。
【0008】
本発明の別の一態様による端末装置は、接続中の基地局装置から、条件付きハンドオーバ(CHO)または条件付きセカンダリセルの追加または変更(CPAC)のための複数のセルに関する設定情報を生成するための情報であって、前記複数のセルのうちの2つ以上のセルに共通のリファレンスコンフィグであって当該リファレンスコンフィグを一意に特定する識別情報が割り当てられた前記リファレンスコンフィグと、当該2つ以上のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグと、前記デルタコンフィグが組み合わせられるべきリファレンスコンフィグの前記識別情報と、を含む前記情報と、前記CHOまたは前記CPACを実行する条件と、を取得する取得手段と、前記2つ以上のセルの少なくともいずれかのセルについて、前記デルタコンフィグと、当該デルタコンフィグと組み合わせられるべきと前記識別情報によって指定される前記リファレンスコンフィグとを用いて、当該セルでの通信のための設定情報を生成する生成手段と、前記リファレンスコンフィグと前記デルタコンフィグとの少なくともいずれかを指定した削除または変更の指示を受信した場合に、指定された当該リファレンスコンフィグと当該デルタコンフィグとの少なくともいずれかの削除または変更を実行する実行手段と、前記条件が満たされたことに応じて、生成した前記設定情報を用いて前記CHOまたは前記CPACを実行する実行手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、端末装置における条件付きハンドオーバや条件付きのセカンダリセルの追加又は変更に関するリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いた設定処理を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】無線通信システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【
図3】無線通信システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【
図4】無線通信システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【
図5】設定情報の更新処理の流れの例を示す図である。
【
図6】設定情報の適切性の判定処理の流れの例を示す図である。
【
図7】設定情報の適切性の判定処理の流れの例を示す図である。
【
図8】MN、SN、端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1に、本実施形態にかかる無線通信システムの構成例を示す。本無線通信システムは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって規定された第5世代(5G)規格等のセルラ通信規格に準拠したセルラ通信システムである。なお、これは一例であり、端末装置が、接続先のセルを切り替えながら通信を継続することができる任意のシステムにおいて、以下の議論を適用することができる。
【0013】
図1の無線通信システムでは、基地局装置が、端末装置151に対して無線通信サービスを提供する。端末装置151は、並行して2つ以上のセルと接続することができる。この2つ以上のセルのうち、端末装置151の通信を制御するセルがプライマリセルと呼ばれ、プライマリセルの基地局装置(マスタノード:MN100)の制御の下で端末装置151と接続するセルがセカンダリセルと呼ばれる。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために、端末装置151がMN100に接続しているものとして、追加でセカンダリセルに接続するものとする。
図1の例では、端末装置151のセカンダリセルとしての接続先の候補となるセルが2つの基地局装置(セカンダリノード:SN101及びSN102)によって提供される例を示している。
【0014】
基地局装置は、セントラルユニット(CU)とディストリビューテッドユニット(DU)とにより構成されうる。DUは、例えば、アンテナ及び無線周波数の信号処理機能等を含み、端末装置との間で無線信号を送受信するインタフェースとしての機能を担当する。DUは、それぞれ、少なくとも1つのセルを形成する。一方、CUは、1つ以上のDUを収容し、それらのDUによって行われる通信の制御等を行うように構成される。例えば、CUは、端末装置が各DUに接続する際の設定情報の生成と、端末装置への通知を行う。なお、
図1の例では、SN101がCUとしての機能を有し、DU111~DU113によって、それぞれセル131~セル133を提供しうる。また、SN102も同様にCUとしての機能を有し、DU121~DU123によって、それぞれセル141~セル143を提供する。端末装置151は、これらのセルの少なくともいずれかに接続して、その接続先のセルにおいて無線信号を送受信することにより、無線通信サービスの提供を受けるように構成される。なお、端末装置151は、端末装置151自身が滞在する位置を含んだセルを構成する基地局装置と接続するが、以下では、このことを指して「(その基地局装置によって提供された)セルに接続する」と呼ぶ。
【0015】
本実施形態では、端末装置151が、例えば、プライマリセルとの接続を確立したことに応じて、又は、接続中のセカンダリセルにおける無線品質が一定程度劣化したことに応じて、セカンダリセルの追加又は変更のための事前設定が行われる。ここでの事前設定が行われた状態は、端末装置151が接続先の候補セルと接続するとした場合のパラメータ等の設定が完了しており、一方で、端末装置151が実際にそのセルへの接続を確立しない状態である。事前設定は、接続先のセルの変更や追加などのためのセルへ接続する条件を含み、端末装置151は、その条件が満たされたと判定した場合に、新たな接続先のセルにおいて同期を確立して接続を試みる。なお、接続先のセカンダリセルの変更を行う場合には、端末装置151は、接続元のセカンダリセルからの切断処理を行う。このような事前設定を用い、端末装置151が条件の充足を判定したことに応じて自律的にセカンダリセルの切り替え又は追加を行う処理を、条件付きセカンダリセル追加又は変更(CPAC)と呼ぶ。なお、端末装置151が条件の充足を判定したことに応じて自律的に接続先のプライマリセルを切り替える処理は、条件付きハンドオーバ(CHO)と呼ばれる。なお、以下の実施形態は、CPACに着目して説明するが、CHOにも適用することができる。すなわち、CPACの条件をCHOの条件に、CPACのための事前設定をCHOのための事前設定に、それぞれ読み替えることにより、以下の議論がCHOに適用されうる。なお、メッセージの種類は、CHOとCPACとで異なりうるが、当業者であれば、適宜適切なメッセージと置き換えることができる。
【0016】
CPACが行われる場合、接続中のMN100は、追加又は変更先のセカンダリセルの候補となるセルを提供する他の基地局装置に対して、セカンダリセルの追加要求メッセージ(SgNB Addition Request)を送信する。なお、このセカンダリセルの追加要求は、例えば、端末装置151が現在接続中のセカンダリセルを提供している基地局装置から、接続中のMN100に対して、所定のメッセージ(例えば、SgNB Change Required)が通知されたことに応じて、開始されてもよい。この場合、MN100は、その所定のメッセージを受信したことに応じて、上述のようなセカンダリセルの追加要求を送信するようにしうる。そして、追加又は変更先のセカンダリセルの候補となるセルを提供する他の基地局装置(以下では、この基地局装置のことを「候補基地局」と呼ぶ場合がある。)は、そのメッセージへの応答メッセージ(SgNB Addition Request Acknowledge)に、端末装置151がセカンダリセルの追加又は変更を行った場合に使用されるべき通信パラメータ等の情報を含めて、MN100へ送信する。ここで、候補基地局は、送信した通信パラメータ等の情報を事前設定情報として保持する。また、MN100又は候補基地局は、そのセカンダリセルを追加又は変更する際に満たされているべき条件を決定する。そして、MN100は、端末装置151へ、候補基地局が提供するセルをセカンダリセルとしてセカンダリセルの追加又は変更を行った場合に使用されるべき通信パラメータの情報と、そのような接続を行う条件とを含んだ事前設定情報を通知する。この通知は、例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージを用いて行われうる。一例において、RRC Reconfigurationメッセージにより、事前設定情報が端末装置151へ通知される。
【0017】
ここで、事前設定情報の情報は、基準となるリファレンス設定情報(リファレンスコンフィグ)と、セカンダリセルの候補の各設定情報とそのリファレンスコンフィグとの差分の設定情報(デルタコンフィグ)とを含んで構成されうる。リファレンスコンフィグは、複数のセルに共通の設定情報であり、デルタコンフィグは、各セルの設定情報のうち、リファレンスコンフィグと異なる部分に関する情報である。すなわち、デルタコンフィグは各セルに固有の設定情報である。端末装置151は、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを受信すると、デルタコンフィグに含まれている設定項目については、その設定値を使用する。一方で、端末装置151は、デルタコンフィグに含まれていない設定項目については、リファレンスコンフィグにおいて指定されている設定値を使用する。なお、端末装置151は、デルタコンフィグに含まれていない設定項目のうち、リファレンスコンフィグにおいて維持することが必要と規定されている(「Need M」と指定されている)設定項目について、リファレンスコンフィグの設定値を使用し、他の設定項目については使用しないようにしうる。また、端末装置151は、デルタコンフィグに含まれていない設定項目のうち、リファレンスコンフィグにおいて、設定項目に関する動作を1回限り行うことが必要と規定されている(「Need N」と指定されている)設定項目については、リファレンスコンフィグの設定値に従い、設定項目に関する動作を1回限り実行するのか、リファレンスコンフィグの設定値を削除する意図と解釈して設定項目に関する動作を実行しないと判断するのか、のいずれとするかを判断するための情報が、MN100から端末装置151に通知されうる。また、この場合に、その情報の通知を不要として、いずれかの動作を固定的に実行するように、MN100、および、端末装置151が、あらかじめ設定されていてもよい。このようなリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの組み合わせを用いることにより、端末装置151へ通知される設定情報のデータ量を削減することができる。すなわち、N個のセルに共通の設定情報はリファレンスコンフィグとして複数のセルに対して1度だけ、各セルに固有の設定情報はデルタコンフィグによってセルごとに、それぞれ端末装置151へ通知されることにより、(N-1)個のセルについての設定情報のうちリファレンスコンフィグに相当する設定情報の部分の通知が省略されるため、通知される設定情報のデータ量を削減することができる。また、MN100は、複数存在する候補セルとなるセルのうちの1つのセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用すること、又は、現在通信に使用されているサービングセル(複数のセルをサービングセルとして使用している場合は、その複数のセルのうちのいずれかのセル)の設定情報をリファレンスコンフィグとして使用すること、候補セルやサービングセル以外のセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用すること、ができる。その場合、MN100は、どのセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用するかを特定するための情報を、端末装置151へ通知しうる。一例として、MN100は、複数存在するサービングセル(又は候補セル)のうちの1つのセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用する場合に、リファレンスコンフィグとして使用する設定情報を、設定情報に固有に付与されるCellGroupId、SCellIndex、condReconfigIdなどの既存の識別情報を用いて効率的に指定することができる。
【0018】
上述のように、デルタコンフィグは、各セルの設定情報のうち、リファレンスコンフィグと異なる設定値を含んだ設定項目によって構成される。このため、各セルの設定情報とリファレンスコンフィグとの差分が小さいほど、デルタコンフィグに含まれる設定項目の数が減少し、デルタコンフィグ全体のデータ量を低減することができる。一方で、各セルの設定情報とリファレンスコンフィグとが大きく乖離していると、デルタコンフィグに含まれる設定項目が増大し、そのデータ量も増大してしまう。場合によっては、リファレンスコンフィグの設定項目のほぼ全てをデルタコンフィグの設定項目によって置き換えられてしまい、設定情報全体のデータ量までもが増大してしまいうる。
【0019】
本実施形態では、このような事情に鑑み、複数のリファレンスコンフィグを設定可能とし、端末装置151に対して、その複数のリファレンスコンフィグに加え、各候補セルについてのデルタコンフィグが、その複数のリファレンスコンフィグのいずれを基準とするかを示す情報を通知するようにする。例えば、MN100は、
・第1のリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=1)
・第2のリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=2)
・セル131の情報(第1のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・セル132の情報(第2のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・・
・セル142の情報(第5のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=2)
・セル143の情報(第6のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=2)
のような形式の情報を端末装置151へ通知する。ここで、リファレンスコンフィグIDは、1つのリファレンスコンフィグを一意に特定可能な識別情報である。これらの情報のうち、第1のリファレンスコンフィグ及び第2のリファレンスコンフィグの情報は、ReferenceConfigAddModlistなどの情報要素として、端末装置151へ通知される。また、各セルに固有のデルタコンフィグの情報は、CondReconfigToAddMod情報要素として、端末装置151へ通知される。CondReconfigToAddMod情報要素は、例えば、候補セルごとに用意される。CondReconfigToAddMod情報要素は、その情報要素に固有の識別情報(condReconfigId)と、各セルについての、セル識別子と、リファレンスコンフィグIDと、CPACが行われるべき条件と、そのセルのデルタコンフィグとを示す情報を含む。なお、CPACは、条件付きのセカンダリセルの追加及び変更を指すが、セカンダリセルの追加とセカンダリセルの変更とで、それぞれ異なる条件が用意されうる。端末装置151は、例えば、セル131に関して、受信した情報の中から、リファレンスコンフィグID=1の情報を用いて第1のリファレンスコンフィグを抽出し、その第1のリファレンスコンフィグと、第1のデルタコンフィグとに基づいて、セル131の設定情報を生成しうる。同様に、端末装置151は、第2のリファレンスコンフィグと第6のデルタコンフィグとを用いて、セル143の設定情報を生成することができる。このような構成によれば、例えば、セル131やセル132と、セル143とでその接続のための設定情報が大きく異なる場合であっても共通のリファレンスコンフィグを用いることの不利益を解消することができる。なお、いずれかのセルにおいて、リファレンスコンフィグそのものを、そのセルの設定情報として使用してもよい。換言すれば、いずれかのセルの設定情報を、リファレンスコンフィグとして使用しうる。例えば、セル131の設定情報を、第1のリファレンスコンフィグとして使用し、及び/又は、セル143の設定情報を第2のリファレンスコンフィグとして使用してもよい。この場合、例えば、MN100は、
・第1のリファレンスコンフィグ(セル131、リファレンスコンフィグID=1)
・第2のリファレンスコンフィグ(セル143、リファレンスコンフィグID=2)
・セル132の情報(第2のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・・
・セル142の情報(第5のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=2)
のような形式の情報を端末装置151へ通知する。なお、これは一例であり、端末装置151が各セルの設定情報を構成可能な範囲において、他の形式の情報が端末装置151へ通知されてもよい。なお、各セルの設定情報は、通信パラメータのみならず、CPACの条件(condExecutionCond、セルの追加/変更を行う条件や、別途定義された実行条件を指定するための識別子)を含む。
【0020】
一例において、各SNに対して異なるリファレンスコンフィグが使用されてもよいし、複数のSNに対して共通のリファレンスコンフィグが使用されると共に別の1つ以上のSNに対して別のリファレンスコンフィグが使用されてもよい。また、1つのSNの中で、複数のリファレンスコンフィグが使用されてもよい。このような共通のリファレンスコンフィグを使用するセルのグループは、例えば、端末装置151が接続中のMN100が決定してもよいし、SNが決定してもよく、また、MN100とSN101及びSN102との間でこのようなセルのグループが決定されてもよい。また、共通のリファレンスコンフィグを使用するグループが事前に定められていてもよい。
【0021】
続いて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの決定処理の流れについて、いくつかの例を説明する。
【0022】
まず、第一の例として、MN100が、リファレンスコンフィグを決定する場合について説明する。MN100は、リファレンスコンフィグを決定すると、そのリファレンスコンフィグを使用するセルを提供するSNに対して、そのリファレンスコンフィグを通知する。SNは、自装置が提供するセルのそれぞれにおける設定情報と、通知されたリファレンスコンフィグとの差分を、そのセルのデルタコンフィグとして決定し、MN100へ通知する。なお、SNは、通知されたリファレンスコンフィグの使用を拒否してもよい。この場合、SNは、通知されたリファレンスコンフィグの代わりに使用する別のリファレンスコンフィグと、その別のリファレンスコンフィグに基づいて生成されたデルタコンフィグとを、MN100へ通知しうる。なお、MN100は、SNへ通知するリファレンスコンフィグの識別情報(リファレンスコンフィグID)と、そのリファレンスコンフィグの使用が拒否される場合に別のリファレンスコンフィグに割り当てることが可能な1つ以上の識別情報を、SNへ通知してもよい。この場合、SNは、例えば上述の別のリファレンスコンフィグをMN100へ通知する際に、その別のリファレンスコンフィグに割り当てた識別情報をMN100へ通知しうる。
【0023】
例えば、
図2に示すように、MN100は、SN101に対して、SgNB addition requestに、第1のリファレンスコンフィグ(Reference config #1)を含めて送信する(S201)。SN101は、この第1のリファレンスコンフィグの使用を受け入れ、配下の各DU(DU111~DU113)に対して、この第1のリファレンスコンフィグを通知して、デルタコンフィグを生成させうる(S202)。各DUは、UE151の自装置への接続のための設定情報を用意し、その設定情報と、第1のリファレンスコンフィグとの差分情報であるデルタコンフィグをSN101へ通知する(S205)。なお、SN101は、各DUに対してUE151の接続のための設定情報を通知するように要求し、DUは、設定情報をSN101へ通知してもよい。この場合、SN101が、第1のリファレンスコンフィグと、通知された設定情報とから、各DUに関するデルタコンフィグを生成しうる。SN101は、各DUについてのデルタコンフィグを取得すると、そのデルタコンフィグの情報を、MN100へ通知しうる(S207)。なお、SN101は、MN100から通知された第1のリファレンスコンフィグを使用していることをMN100へ通知してもよい。なお、SNからMN100への通知は、例えば、SgNB addition request ACKにおける情報要素を用いて行われうる。例えば、CG-CandidateListによって、情報の通知が行われうる。また、CG-CandidateList以外の新たに定義された情報要素が用いられてもよい。MN100とSNとの間のXnインタフェースによる情報交換に使用可能な任意のメッセージによって、この情報交換が行われてもよい。
【0024】
一方で、MN100は、SN102に対して、SgNB addition requestに、第2のリファレンスコンフィグ(Reference config #2)を含めて送信する(S203)。SN102は、この第2のリファレンスコンフィグの使用を拒否し、第3のリファレンスコンフィグを、配下の各DU(DU121~DU123)に通知して、デルタコンフィグを生成させうる(S204)。各DUは、UE151の自装置への接続のための設定情報を用意し、その設定情報と、第3のリファレンスコンフィグとの差分情報であるデルタコンフィグをSN102へ通知する(S206)。この場合も、上述の場合と同様に、各DUからSN102へは、設定情報そのものを通知し、SN102が第3のリファレンスコンフィグを用いてデルタコンフィグを生成してもよい。SN102は、各DUについてのデルタコンフィグを取得すると、そのデルタコンフィグの情報を、MN100へ通知しうる(S208)。なお、この場合、SN102は、第2のリファレンスコンフィグの代わりに使用している第3のリファレンスコンフィグをMN100へ通知する。
【0025】
なお、SNのCUとDUとの間の情報の送受信は、UE context setup request、UE context setup request response、UE context release request、UE context release command、UE context release complete、UE context modification request、又はUE context modification responseに含まれるCPACに関連する情報要素(IE)を用いて行われうる。また、既存のF1インタフェースのメッセージにおいて、リファレンスコンフィグを用いた通信設定のためのIEが新たに用意されてもよいし、F1インタフェースの新たなメッセージが用意されてもよい。なお、これは、以下の説明においても同様である。なお、CUからDUへの情報は、CU to DU RRCinformation情報要素を用いて、DUからCUへの情報は、DU to CU RRCinformation情報要素を用いて、情報が通知されてもよい。なお、1つのDUにおいて複数のセルが形成される場合、DUとCUとの間で、送受信される情報がどのセルに関するものであるかを指定する情報も併せて送受信されうる。
【0026】
MN100は、このようにしてセカンダリセルの候補セルとなる各セルについてのデルタコンフィグを取得すると、そのデルタコンフィグと、リファレンスコンフィグの情報とをUE151へ通知する(S209)。
図2の例では、SN101の配下のセルの設定情報に関する第1のリファレンスコンフィグと、SN102の配下のセルの設定情報に関する第3のリファレンスコンフィグと、各セルのデルタコンフィグとが、UE151へ通知される。ここでは、上述のように、各デルタコンフィグは、どのリファレンスコンフィグと関連付けられているかを示す情報(リファレンスコンフィグID)と共にUE151へ通知される。
図2の例では、DU111~DU113のデルタコンフィグが、第1のリファレンスコンフィグと関連付けられており、DU121~DU123のデルタコンフィグが、第3のリファレンスコンフィグと関連付けられていることが、UE151へ通知される。
【0027】
続いて、第二の例として、SNがリファレンスコンフィグを決定する例について説明する。
図3に示すように、MN100は、SgNB addition requestをSN101及びSN102へ送信する。MN100は、このSgNB addition requestにおいて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを生成すべきことを、SNへ通知しうる。また、このときに、MN100は、使用可能なリファレンスコンフィグIDを、各SNへ通知しうる。これにより、SNにおいて設定可能なリファレンスコンフィグの最大数が規定されうる。
図3の例では、SN101に対して、リファレンスコンフィグID=1及び2が通知され(S301)、SN102に対して、リファレンスコンフィグID=3及び4が通知されている(S304)。なお、
図3の例では、MN100とSNとの間でリファレンスコンフィグIDに関する認識を一致させるために、また、各SNにおいて使用されるリファレンスコンフィグIDが重複しないように、MN100からリファレンスコンフィグIDが通知されている。ただし、これは一例であり、複数のSNにおいて、同一のIDが設定されてもよい。例えば、SNを示す識別情報と、そのIDとを組み合わせることにより、リファレンスコンフィグIDが指定されてもよい。すなわち、SN101のリファレンスコンフィグID=1のリファレンスコンフィグと、SN102のリファレンスコンフィグID=1のリファレンスコンフィグは、互いに異なるコンフィグでありうる。なお、この場合、
・SN=101のリファレンスコンフィグ
・・第1のリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=1)
・・第2のリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=2)
・SN=102のリファレンスコンフィグ
・・第3のリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=1)
・SN=101のデルタコンフィグ
・・セル131の情報(第1のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・セル132の情報(第2のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・セル133の情報(第3のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=2)
・SN=102のデルタコンフィグ
・・セル141の情報(第4のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・セル142の情報(第5のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
・・セル143の情報(第6のデルタコンフィグ、リファレンスコンフィグID=1)
のような情報が、MN100から端末装置151へ通知される(S310)。端末装置151は、例えば、セル132の設定情報を取得する際には、SN=101とリファレンスコンフィグID=1に基づいて、第1のリファレンスコンフィグを抽出する。そして、端末装置151は、その第1のリファレンスコンフィグと第2のデルタコンフィグとを用いて、セル132の設定情報を取得することができる。一方で、端末装置151は、例えば、セル143の設定情報を取得する際には、SN=102とリファレンスコンフィグID=1に基づいて、第3のリファレンスコンフィグを抽出する。そして、端末装置151は、その第3のリファレンスコンフィグと第6のデルタコンフィグとを用いて、セル143の設定情報を取得することができる。なお、上述の例では、各SNの識別情報とリファレンスコンフィグIDとを組み合わせることにより、1つのリファレンスコンフィグを特定する例について説明したが、これに限られない。例えば、より一般化して、セルのグループを定義し、そのセルのグループの識別情報とリファレンスコンフィグIDとに基づいて、1つのリファレンスコンフィグが特定されるようにしてもよい。ここで、セルのグループは、複数のSNの配下の複数のセルでありうる。ここで、1つのSNの配下のセルは1つのグループに属するようにしてもよいし、1つのSNの配下の1つ以上のセルが第1のグループに属し、そのSNの配下の別のセルが第2のグループに属するようにしてもよい。この構成においても、リファレンスコンフィグIDのみによれば、2つ以上のグループにおいてそれぞれ設定された、2つ以上のリファレンスコンフィグが特定されうるが、グループの識別情報と組み合わせてリファレンスコンフィグIDを用いることにより、1つのリファレンスコンフィグを一意に特定することが可能となる。
【0028】
なお、MN100において、候補セルを提供するSNの数の最大数が指定されていてもよい。この場合、MN100は、最大数を超えるSNが提供するセルに関する設定情報が設定されるべき場合に、その最大数を超える分のSNについてはリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いず、通常の設定情報(フルコンフィグ)がそのまま使用されるようにSNに指示しうる。この場合、SNは、配下のDUに対して、デルタコンフィグではなく、フルコンフィグを提供するように、指示しうる。
【0029】
なお、複数のSN(又はセルのグループ)において、重複するリファレンスコンフィグIDを用いることが許容される場合に、例えば、各SNに対して、そのSNにおいて設定可能なリファレンスコンフィグの最大数を示す数値が通知されてもよい。なお、複数のSNにおいて別個のリファレンスコンフィグIDを用いるように上述のように通知されるリファレンスコンフィグIDに加えて、各SNにおいて設定可能なリファレンスコンフィグの最大数を示す数値が通知されてもよい。一例として、MN100は、端末装置151において設定可能なリファレンスコンフィグの最大数を保持しておき、現在設定中(通知済み)のリファレンスコンフィグの数と、その最大数とから、端末装置151においてさらに設定可能なリファレンスコンフィグの数を判定しうる。そして、MN100は、その数に基づいて、各SNへ通知する上述の最大数を決定しうる。また、MN100は、最大数を示す数値やリファレンスコンフィグIDを通知せず、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを生成すべきことのみをSNへ通知してもよい。例えば、リファレンスコンフィグの最大数がSNにおいて事前に定められている場合などには、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを生成すべきことのみが通知されれば足りる。
【0030】
各SNは、それぞれ設定可能なリファレンスコンフィグの最大数の範囲内で、リファレンスコンフィグを設定する。そして、SNは、配下のDUのそれぞれに対して、そのリファレンスコンフィグを通知してデルタコンフィグの生成を指示しうる(S302、S303、S305)。DUは、通知されたリファレンスコンフィグに基づいてデルタコンフィグを生成し、生成したデルタコンフィグをSNへ通知する(S306、S307)。SNは、各DUにおいて生成されたデルタコンフィグを集約し、設定されたリファレンスコンフィグと、デルタコンフィグとの全てをMN100へ通知する(S308、S309)。なお、デルタコンフィグは、どのリファレンスコンフィグと関連付けられているかを示す情報と共にMN100へ通知される。例えば、DU111及びDU112のデルタコンフィグは、リファレンスコンフィグID=1のリファレンスコンフィグと関連付けられており、DU113のデルタコンフィグは、リファレンスコンフィグID=2のリファレンスコンフィグと関連付けられていることが、SN101からMN100へ通知される。なお、上述の例では、SNがリファレンスコンフィグを生成して、生成したリファレンスコンフィグをDUへ通知し、DUがデルタコンフィグを生成する例を示したが、これに限られない。例えば、SNは、DUに対して端末装置151に通知すべき設定情報の提供を要求し、その設定情報を集約して、それらの設定情報に基づいてリファレンスコンフィグを生成してもよい。例えば、SNは、複数の設定情報に対して共通のリファレンスコンフィグにより、デルタコンフィグとリファレンスコンフィグとのデータ量の合計が最小となるようなリファレンスコンフィグを生成しうる。
【0031】
なお、SNは、通知されたリファレンスコンフィグIDの全てを使い切る必要はない。
図3の例では、SN102は、リファレンスコンフィグID=3及び4を使用可能であるが、1つのリファレンスコンフィグ(リファレンスコンフィグID=3)のみを使用して、DU121~DU123のデルタコンフィグが、このリファレンスコンフィグに基づいて生成されうる。そして、これらのデルタコンフィグとリファレンスコンフィグの全てと、全てのデルタコンフィグがリファレンスコンフィグID=3のリファレンスコンフィグと関連付けられていることが、SN102からMN100へ通知される。その後、MN100は、取得したリファレンスコンフィグとデルタコンフィグ、及び、各デルタコンフィグがどのリファレンスコンフィグと関連付けられているかを示す情報を、端末装置151へ通知する。
【0032】
第三の例として、MN100は、リファレンスコンフィグを有していない場合には、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグの生成をSNへ指示し、リファレンスコンフィグを有している場合には、そのリファレンスコンフィグをSNへ通知して、デルタコンフィグの生成をSNへ指示しうる。例えば、
図4に示すように、MN100は、リファレンスコンフィグを有していない間に、SN101に対して、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグの生成をSNへ指示する(S401)。そして、SN101は、例えば自装置内でリファレンスコンフィグを生成し、DU111~DU113に対してデルタコンフィグを生成するように指示しうる(S402)。なお、
図4の例では、SN101がリファレンスコンフィグを生成して、生成したリファレンスコンフィグをDU111~113へ通知し、DU111~113がデルタコンフィグを生成する例を示したが、これに限られない。例えば、SN101は、DU111~113に対して端末装置151に通知すべき設定情報の提供を要求し、その設定情報を集約して、リファレンスコンフィグを生成するようにしてもよい。いずれの場合も、SN101は、取得したリファレンスコンフィグと、各DUが形成するセルのためのデルタコンフィグとを、MN100へ通知する(S403、S404)。
【0033】
その後、MN100は、SN102に対して、デルタコンフィグの生成を指示するものとする(S405)。この場合、MN100は、SN101から通知されたリファレンスコンフィグを有しているため、SN102に対して、そのリファレンスコンフィグを通知して、デルタコンフィグの生成を指示しうる。SN102は、このリファレンスコンフィグの使用を受け入れてもよいし、拒否してもよい。
図4の例では、SN102がこのリファレンスコンフィグの使用を拒否し、別のリファレンスコンフィグを使用することを決定したものとする。この場合、SN102は、この別のリファレンスコンフィグをDU121~DU123へ通知し(S406)、DU121~DU123は、その別のリファレンスコンフィグに基づいて、デルタコンフィグを生成する。そして、SN102は、DU121~DU123からデルタコンフィグを収集して(S407)、MN100へ、そのデルタコンフィグを通知しうる(S408)。なお、SN102は、例えば、DU121~DU123のそれぞれから設定情報を収集し、その設定情報と、MN100から通知されたリファレンスコンフィグとの差分を、デルタコンフィグの候補として生成しうる。そして、SN102は、そのデルタコンフィグのデータ量が所定値を超える場合に、別のリファレンスコンフィグを生成しうる。なお、これは一例であり、SN102が別のリファレンスコンフィグを生成する基準は任意に定められうる。MN100は、保持しているリファレンスコンフィグと、収集したデルタコンフィグとを端末装置151へ通知する(S409)。
【0034】
上述のようにして、
図4の処理の終了後には、MN100は、SN101で使用される第1のリファレンスコンフィグと、SN102で使用される第2のリファレンスコンフィグとを保持することとなる。この後、MN100は、さらに別のセルをセカンダリセルの候補として事前設定を行わせる場合には、第1のリファレンスコンフィグと第2のリファレンスコンフィグとをSNへ通知して、デルタコンフィグの生成を指示しうる。このように、MN100は、保持しているリファレンスコンフィグの全てをSNへ通知して、デルタコンフィグの生成を指示しうる。ただし、これは一例であり、MN100は、例えば、保持しているリファレンスコンフィグの一部のみをSNへ通知して、デルタコンフィグの生成を指示してもよい。
【0035】
端末装置151は、上述のようにして、セカンダリセルとして追加又は変更先の候補とされる複数のセルについて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得することができる。MN100は、これらの複数のセルのうち、その一部のみを有効化するように、端末装置151に指示を送信してもよい。例えば、MN100は、端末装置151の移動に伴い、その端末装置151の位置から所定距離内のセルについて、事前設定を有効化し、その他のセルについては事前設定を無効化しうる。端末装置151は、例えば、事前設定が有効化されたセルについて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いて設定情報を再現して保持するようにしうる。なお、端末装置151は、有効化されたセルについての無線品質の測定を実行し、有効化されていないセルについては無線品質を測定しないようにしうる。MN100は、例えば、各セルに関する情報要素に固有の識別情報(condReconfigId)を用いて、有効化/無効化するセルを指定することができる。なお、共通のリファレンスコンフィグを用いる複数のセルを一括して有効化/無効化する場合、そのリファレンスコンフィグのリファレンスコンフィグIDを指定してもよい。例えば、
・リファレンスコンフィグID=1:無効
・リファレンスコンフィグID=2:一部有効
・・condReconfigId=A:有効
・・condReconfigId=B:無効
・リファレンスコンフィグID=3:全部有効
などのような情報が、端末装置151に通知されうる。なお、上述の例では、リファレンスコンフィグを一部有効とする場合に、そのリファレンスコンフィグを使用するデルタコンフィグのそれぞれについて有効又は無効を示す情報が指定され、リファレンスコンフィグを全部有効とする場合に、そのリファレンスコンフィグを使用するデルタコンフィグの全てが有効であるものとした。ただし、これに限られず、リファレンスコンフィグを使用するデルタコンフィグの一部のみを有効とする場合と全部を有効とする場合との両方において、リファレンスコンフィグを「有効」とし、その場合にはそのリファレンスコンフィグを使用するデルタコンフィグのそれぞれについて、常に個別に有効/無効が示されるようにしてもよい。
【0036】
端末装置151は、測定対象の(有効化された)セルについて無線品質を測定し、特定のセルに関してセカンダリセルの追加/変更のための条件を満たしたと判定したことに応じて、RRC Reconfiguration CompleteメッセージをMN100へ通知して、その特定のセルへアクセスする。すなわち、端末装置151は、その特定のセルへのアクセスのために、ランダムアクセス手順を実行しうる。
【0037】
なお、端末装置151が候補セルに関する設定情報を、セカンダリセルの追加又は変更後にも維持するが、例えば端末装置151がその候補セルから遠く離れて移動した場合などには、この設定情報を削除すべきことが想定される。また、例えば端末装置151にリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとが通知された後に一定の時間が経過したことなどに応じて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかに変更が必要となることが想定されうる。このような設定の削除や変更は、例えばMN100からの指示によって行われる。
【0038】
端末装置151と接続中のMN100又はSNは、例えば、セカンダリセル候補の変更や追加に応じて、又は、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとに基づく新たな通信パラメータの設定に応じて、端末装置151において設定されているリファレンスコンフィグの削除を決定しうる。以下では、端末装置151と接続中のMN100又はSNを指して、「ネットワーク」と呼ぶ場合がある。なお、MN100やSN以外のネットワークノードにおいて、端末装置151に設定されているリファレンスコンフィグの削除を決定し、MN100やSNを介してその削除指示が端末装置151へ送信されるようにしてもよい。
【0039】
例えば、ネットワークは、設定されたリファレンスコンフィグの数が最大数に達した(最大数を超えた)ことに応じて、いずれかのリファレンスコンフィグを削除することを決定しうる。ネットワークは、例えば、最も古いリファレンスコンフィグを削除するように、端末装置151へ指示を送信しうる。また、ネットワークは、端末装置151における無線品質の測定結果に基づいて、削除するリファレンスコンフィグを決定しうる。例えば、ネットワークは、複数のリファレンスコンフィグのそれぞれを使用しているセルの無線品質の最大値を特定し、その最大値が最も低い(又は、無線品質が良好と判定することができるセルにおいて使用されていない)リファレンスコンフィグを削除すると決定してもよい。また、ネットワークは、例えば端末装置151の移動などに伴って、端末装置151の位置から所定距離以上離れたセルについてのデルタコンフィグを削除していき、特定のリファレンスコンフィグを参照するデルタコンフィグの全てが削除された場合に、その特定のリファレンスコンフィグを削除すると決定してもよい。また、ネットワークは、リファレンスコンフィグを設定している端末装置151に対してリファレンスコンフィグの削除を指示し、どのリファレンスコンフィグを削除するかについては端末装置151に選択させてもよい。この場合、端末装置151は、リファレンスコンフィグを選択して削除し、その削除したリファレンスコンフィグのリファレンスコンフィグIDをネットワークへ通知しうる。
【0040】
ネットワークは、削除されるリファレンスコンフィグを用いてデルタコンフィグを生成したセルに関して、端末装置151のセカンダリセルの候補から除く。例えば、MN100は、削除されるリファレンスコンフィグを使用しているセルを配下に有するSNに対して、SgNB Release Requestを送信し、そのセルに関する設定情報を削除するように指示しうる。なお、特定のリファレンスコンフィグが削除される場合であって、その特定のリファレンスコンフィグを参照するデルタコンフィグが維持されている場合、そのデルタコンフィグも全て削除される。また、そのデルタコンフィグに対応するセルは、セカンダリセルの候補から除かれる。なお、特定のリファレンスコンフィグが削除される場合であって、その特定のリファレンスコンフィグを参照するデルタコンフィグが維持されている場合に、そのデルタコンフィグが、別のリファレンスコンフィグに基づいて再構成されてもよい。なお、この場合、MN100が、別のリファレンスコンフィグを指定して、そのデルタコンフィグを用いているセルを配下に有するSNに対して、デルタコンフィグを更新するように指示しうる。なお、この場合、SNは、別のリファレンスコンフィグを使用することが強制されてもよい。すなわち、SNが、その別のリファレンスコンフィグの使用を拒否することが許されないようにしうる。例えば、1つのSNにおいて、リファレンスコンフィグID=1及び2のリファレンスコンフィグが使用されている状態において、リファレンスコンフィグID=2のリファレンスコンフィグの削除が決定されたものとする。この場合、MN100は、そのSNに対して、リファレンスコンフィグID=2のリファレンスコンフィグに基づくデルタコンフィグを、リファレンスコンフィグID=1のリファレンスコンフィグを用いて再構成するように指示しうる。なお、いずれかのセルにおいて使用されているリファレンスコンフィグは削除されないようにしうる。
【0041】
また、端末装置151が、セカンダリセルの使用を停止した場合やプライマリセルのハンドオーバを行った場合であっても、MN100からの明示的な指示がない限り、リファレンスコンフィグ及びデルタコンフィグを削除しないようにしてもよい。ただし、これに限られない。例えば、ハンドオーバ元のMN100において生成したリファレンスコンフィグについては削除しうる。一方で、SNにおいて生成したリファレンスコンフィグについては削除しないようにしてもよい。なお、この場合、ハンドオーバ元のMN100は、ハンドオーバ先のMN100に対して、リファレンスコンフィグIDと対応するリファレンスコンフィグの内容、そのリファレンスコンフィグを生成したSN、セカンダリセルの候補セルの情報などを通知しうる。また、ハンドオーバ元のMN100は、ハンドオーバ先のMN100へ、そのリファレンスコンフィグを参照するデルタコンフィグ(デルタコンフィグのID、デルタコンフィグの内容、そのデルタコンフィグに対応するセルの追加/変更が行われる条件)の情報を通知しうる。これにより、ハンドオーバ先のMN100において、セカンダリセルの追加/変更のための設定処理を再度実行する必要がなくなる。また、セカンダリセルの使用を停止した場合やプライマリセルのハンドオーバを行った場合、プライマリセルの使用を中止、又は、中断する場合(RRC状態がconnected modeからidle modeやinactive modeへ遷移する場合)などに、端末装置151は、MN100からの明示的な指示を待たず、自発的に、リファレンスコンフィグ及びデルタコンフィグ、又は、そのいずれか一方を削除しうる。この場合、ネットワーク側でのリファレンスコンフィグを保持するための動的メモリの削減や、他基地局装置へリファレンスコンフィグ及びデルタコンフィグを共有する処理を行う必要がなくなるため、ネットワーク側の実装を簡略化することができる。
【0042】
リファレンスコンフィグが変更される場合、リファレンスコンフィグのうちの変更されるべき設定項目のみを示す「デルタ・リファレンスコンフィグ」が用いられてもよい。デルタ・リファレンスコンフィグにおいて設定されている設定項目については、その設定項目の値によりリファレンスコンフィグを変更し、その他の設定項目については、リファレンスコンフィグを維持するようにしうる。このとき、リファレンスコンフィグが変更されることにより、デルタコンフィグも変更される場合がある。このため、デルタコンフィグのうちの変更されるべき設定項目のみを示す「デルタ・デルタコンフィグ」が用いられてもよい。デルタ・デルタコンフィグにおいて設定されている設定項目については、その設定項目の値によりデルタコンフィグを変更し、その他の設定項目については、デルタコンフィグを維持するようにしうる。このようにして、リファレンスコンフィグ(及びデルタコンフィグ)を変更する際に、その差分値のみがMN100、SN、端末装置の間で交換されることとなるため、少ないデータ量で設定情報の更新を行うことができるようになる。なお、リファレンスコンフィグやデルタコンフィグが大幅に変更される場合には、デルタ・リファレンスコンフィグやデルタ・デルタコンフィグを使用せず、新規に生成されたリファレンスコンフィグやデルタコンフィグによって、それまでに使用されていたリファレンスコンフィグやデルタコンフィグが置き換えられてもよい。すなわち、それまでに使用されていたリファレンスコンフィグやデルタコンフィグが削除され、新たに生成されたリファレンスコンフィグやデルタコンフィグが端末装置151において記憶されうる。
【0043】
リファレンスコンフィグを変更する際には、ネットワークは、端末装置151に対して、(1)デルタ・リファレンスコンフィグ、又は、(2)新たに生成されたリファレンスコンフィグのいずれかを通知する。端末装置151は、デルタ・リファレンスコンフィグを受信した場合、現在使用しているリファレンスコンフィグの設定項目のうち、デルタ・リファレンスコンフィグによって指定されている設定項目を、そのデルタ・リファレンスコンフィグの設定値により置き換える。また、端末装置151は、新たに生成されたリファレンスコンフィグを受信した場合、保持しているリファレンスコンフィグの全体を、新たに生成されたリファレンスコンフィグと置き換える。また、端末装置151は、そのリファレンスコンフィグを使用する各セルに関するデルタコンフィグによって指定されていない設定項目に変更があった場合、そのセルに関するその設定項目を変更して、設定情報を更新する。このような構成では、リファレンスコンフィグに変更が行われても、デルタコンフィグにより、各セルに関する設定情報には更新がない場合が発生しうる。ただし、端末装置151は、その後の別のセルのデルタコンフィグを用いた設定情報の生成に使用するために、更新後のリファレンスコンフィグを維持する。なお、リファレンスコンフィグの更新の際には、更新の対象のリファレンスコンフィグが、リファレンスコンフィグIDを用いて指定されうる。なお、更新されたリファレンスコンフィグは、更新前のリファレンスコンフィグのリファレンスコンフィグIDを引き継いでもよいし、更新されたリファレンスコンフィグに新たなリファレンスコンフィグIDが割り当てられてもよい。
【0044】
一方で、デルタコンフィグを変更する際には、ネットワークは、端末装置151に対して、(1)デルタ・デルタコンフィグ、又は、(2)新たに生成されたデルタコンフィグのいずれかを通知する。端末装置151は、特定のセルに関するデルタ・デルタコンフィグを受信した場合、そのセルに関して現在使用しているデルタコンフィグの設定項目のうち、デルタ・デルタコンフィグによって指定されている設定項目を、そのデルタ・デルタコンフィグの設定値により置き換える。また、端末装置151は、特定のセルに関して、新たに生成されたデルタコンフィグを受信した場合、保持しているそのセルのデルタコンフィグの全体を、新たに生成されたデルタコンフィグと置き換える。なお、デルタコンフィグの更新の際には、更新の対象のデルタコンフィグが、セル識別子や、condReconfigIdによって指定されうる。端末装置151は、デルタコンフィグの変更に伴い、そのデルタコンフィグを用いるセルの設定情報を更新する。端末装置151は、更新されたデルタコンフィグに対応するセルの設定情報のうち、更新されたデルタコンフィグの設定項目を、そのデルタコンフィグの更新に合わせて変更して、設定情報を更新する。
【0045】
なお、ネットワークは、端末装置151に対して、既存の第1のリファレンスコンフィグに対するデルタ・リファレンスコンフィグを通知し、第2のリファレンスコンフィグを生成すべき指示を送信する際に、第1のリファレンスコンフィグをそのまま維持すべきことを指示してもよい。例えば、第1のリファレンスコンフィグを使用する複数のセルのうちの一部のセルについて、リファレンスコンフィグを第2のリファレンスコンフィグを用いるようにし、他のセルについてはリファレンスコンフィグを第1のリファレンスコンフィグとするようにする場合に、既存の第1のリファレンスコンフィグに基づく新たな第2のリファレンスコンフィグを生成し、第1のリファレンスコンフィグを維持するようにしうる。なお、この場合、第2のリファレンスコンフィグに対して、リファレンスコンフィグIDが新規に付与され、端末装置151に対して、そのリファレンスコンフィグIDが通知されうる。なお、MN100がリファレンスコンフィグの変更を決定した場合、MN100は、そのリファレンスコンフィグを使用しているSNに対して、上述の端末装置151への通知と同様にして、リファレンスコンフィグの変更を指示しうる。また、SNがリファレンスコンフィグの変更を決定した場合、SNは、MN100に対して、リファレンスコンフィグを指定してその変更を要求し、その要求が許可された場合に、リファレンスコンフィグを変更しうる。この場合、MN100は、リファレンスコンフィグの変更を許可した場合に、許可を示す情報をSNへ通知すると共に、端末装置151へも、許可されたリファレンスコンフィグを通知する。
【0046】
なお、上述の説明では、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとのいずれかが更新される場合の処理について説明したが、例えば
図5のように、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの両方が更新されうる。すなわち、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとのいずれかを更新すべきかが判定される(S501、S503)。そして、リファレンスコンフィグが更新されるべき場合(S501でYES)、デルタ・リファレンスコンフィグ又は新たに用意されたリファレンスコンフィグが、端末装置(及び必要に応じてSN)へ提供される(S502)。同様に、デルタコンフィグが更新されるべき場合(S503でYES)、デルタ・デルタコンフィグ又は新たに用意されたデルタコンフィグが、端末装置(及び必要に応じてSN)へ提供される(S504)。
【0047】
なお、端末装置151は、取得したリファレンスコンフィグ及びデルタコンフィグに基づいて各セルについての設定情報を生成しうるが、その設定情報が適切であるか否かを確認する必要がある。例えば、端末装置151は、その設定情報が自装置の能力を超えた(すなわち端末装置151が実行することができない)パラメータを含む場合に、その設定情報が適切でないと判定しうる。また、端末装置151は、設定情報に、必要なパラメータが含まれていない場合や、その設定情報の内容を端末装置151が解釈することができない場合などにも、その設定情報が適切でないと判定しうる。例えば、リファレンスコンフィグが誤って削除された場合に、デルタコンフィグのみでは、必要なパラメータが存在しなくなりうるため、設定情報が不適切であると判定される。
【0048】
例えば、端末装置151は、
図6に示すように、セカンダリセルの候補について、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得した時点で(S601)、それらの情報を用いてそのセルの設定情報を生成し(S602)、その設定情報が適切であるか否かを判定しうる(S603)。すなわち、端末装置151は、設定情報を用意できる環境となった(リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとが揃った)セルについて、その設定情報を使用することができるかを判定する。そして、端末装置151は、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを組み合わせて生成された設定情報が適切である場合には、その設定情報を維持する。一方で、端末装置151は、その設定情報が適切でない場合に、リファレンスコンフィグIDとデルタコンフィグの識別情報(condReconfigId)をネットワーク(接続中のMN100又はSN)へ通知する(S604)。この通知は、例えば、RRC Reconfiguration Completeメッセージによって行われる。ここで、エラーが発生していることを示す情報が、ネットワークに通知される。この通知は、例えば、メッセージ内のfailuretypeが、srb3-IntegrityFailure又はscg-reconfigFailureに設定されることにより行われうる。ネットワークは、この通知を受信すると、リファレンスコンフィグID及びデルタコンフィグの識別情報に基づいて、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグ、及びリファレンスコンフィグIDを端末装置151へ通知する。なお、端末装置151は、リファレンスコンフィグの部分とデルタコンフィグの部分のいずれが適切でないかを判定して、不適切性の原因となったコンフィグを送信するように、ネットワークへ通知してもよい。なお、ネットワークは、端末装置151が使用することのできないパラメータが設定されていた場合には、リファレンスコンフィグやデルタコンフィグを再設定するように、SNに指示しうる。これによれば、端末装置151は、セカンダリセルの追加/変更を実際に行う前に設定情報の適切性を判定し、事前に適切な設定情報が用意されるようにすることができる。
【0049】
また、端末装置151は、
図7に示すように、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを取得した時点において設定情報を生成せず、例えば、無線品質の測定結果が所定の条件を満たすセルについて、設定情報を生成するようにしてもよい(S701、S702)。この場合、端末装置151は、生成した設定情報について、適切性の確認を行う(S703)。端末装置151は、生成した設定情報が不適切であると判定した場合、続いて、無線品質の測定結果が所定の条件を満たす別のセルについて、設定情報を生成しうる。なお、端末装置151は、無線品質の測定結果が所定の条件を満たすセカンダリセルがない場合であっても、現在のセカンダリセルより無線品質が良好な他のセルが存在し、そのセルにおける設定情報が適切である場合には、そのセルに接続を切り替えうる。端末装置151は、不適切な設定情報が存在した場合には、上述のようにネットワークに対して、不適切な設定情報に関する通知を行いうる(S704)。一例において、端末装置151は、設定情報が適切なセルに接続した後に、UE assistance informationを用いて、その不適切な設定情報に対応するリファレンスコンフィグIDやデルタコンフィグの識別情報(condReconfigId)を、ネットワークへ通知しうる。ネットワークは、この通知を受信すると、リファレンスコンフィグID及びデルタコンフィグの識別情報に基づいて、そのリファレンスコンフィグとデルタコンフィグを修正し、再度、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグ及びリファレンスコンフィグIDを端末装置151へ通知する。このように、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを取得した時点において設定情報を生成せずに、無線品質の条件などの所定の条件が満たされたことに応じて設定情報を生成して、その適切性を評価することにより、端末装置151における設定情報を保持するメモリの容量を削減することができる。
【0050】
なお、サービングセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用する場合、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得した時点から、いずれかの候補セルの無線品質の測定結果が所定の条件を満たす時点までに、サービングセルの設定情報が変更される可能性がある。その場合、リファレンスコンフィグも変更されることとなるため、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得した時点で、それらの情報を用いてそのセルの設定情報を生成する場合と、候補セルの無線品質の測定結果が所定の条件を満たす時点で、そのセルの設定情報を生成する場合とで、生成される設定情報が異なるものになりうる。したがって、どちらの時点でセルの設定情報を生成するかを、ネットワークと端末装置151で認識を合わせる必要がある。このため、どちらのタイミングでセルの設定情報を生成するかを指定する情報が、ネットワークから端末装置151へ通知されてもよい。また、その情報の通知を行わずに、任意に事前設定された固定的なタイミングにおいてセルの設定情報を生成するように、ネットワーク及び端末装置151が、予め設定されていてもよい。
【0051】
サービングセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして使用する場合、端末装置151は、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得した時点において、端末装置151が保持するサービングセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして保存しうる。また、端末装置151における設定情報を保持するメモリの容量を削減するために、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグを取得した時点においてリファレンスコンフィグを保存せずに、無線品質の条件等の所定の条件が満たされたことに応じて、その時点でのサービングセルの設定情報を、リファレンスコンフィグとして保存することもできる。なお、端末装置151が、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを取得した時点においてサービングセルの設定情報をリファレンスコンフィグとして保存する場合、リファレンスコンフィグの保存後にネットワークからサービングセルの設定変更指示を受信すると、サービングセルの設定情報とリファレンスコンフィグの内容が一致しなくなることが想定される。このため、この不一致を防止するために、リファレンスコンフィグの保存後に、ネットワークからサービングセルの設定変更指示を受信した場合に、サービングセルとリファレンスコンフィグの両方に対する同一内容の変更を行うように、ネットワークから端末装置151へ指示が送信されうる。この場合に、重複する変更内容を指示するのではなく、サービングセルの設定変更のみをネットワークから指示し、端末装置151は、明示的な指示がなくとも自発的に、リファレンスコンフィグに対してサービングセルの設定と同一内容の変更を行うようにしてもよい。
【0052】
また、セルに関する設定情報の各設定項目については、マンダトリ(必須)とオプショナル(非必須)の2種類の情報種別が規定されており、マンダトリ(必須)とされる設定項目が端末装置151に通知されない場合は、設定情報が不適切であると判定される。そのため、リファレンスコンフィグを用いない従来のセルに関する設定情報を通知するメッセージフォーマット(メッセージ形式)では、マンダトリ(必須)となる設定項目を含めなければならない。しかしながら、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いて設定情報が生成される場合、候補セルに関する設定項目のうち、マンダトリ(必須)とされるものをリファレンスコンフィグに含めずに、デルタコンフィグに含めて通知されてもよい。この場合は、リファレンスコンフィグにおいて、マンダトリ(必須)となる設定項目が省略されうる。
【0053】
図8は、上述のMN100、SN、及び端末装置151のハードウェア構成例を示す図である。MN100、SN、及び端末装置151は、一例において、プロセッサ801、ROM802、RAM803、記憶装置804、及び通信回路805を含んで構成される。プロセッサ801は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM802や記憶装置804に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、MN100、SN、及び端末装置151の全体の処理や後述の各処理を実行する。ROM802は、MN100、SN、及び端末装置151が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM803は、プロセッサ801がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置804は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路805は、MN100、SN、及び端末装置151が相互に通信するための、有線インタフェース又は無線インタフェースを含んだ通信回路である。
【0054】
図9は、端末装置151の機能構成例を概説する図である。なお、
図9に示す各機能部は、例えば、プロセッサ801がROM802等に記憶されたプログラムを実行することによって具現化されてもよいし、各機能を実現する専用のハードウェアが用意されてもよい。また、
図9は、本実施形態に係る処理に関する機能を特に示しており、端末装置151は、例えば3GPP(登録商標)のセルラ通信規格に準拠した通信を行う通常の端末装置としての機能を当然に有しうる。また、
図9に示す2つ以上の機能ブロックが統合されて1つの機能ブロックとして実現されてもよいし、1つの機能ブロックが複数の機能ブロックに分割されてもよい。端末装置151は、その機能として、例えば、リファレンスコンフィグ取得部901、デルタコンフィグ取得部902、設定情報生成部903、適切性判定部904、及び情報通知部905を含む。なお、ここでは、セカンダリセルについての機能として説明するが、プライマリセルのハンドオーバ先の候補セルについても、端末装置151が同様の機能を有しうる。
【0055】
リファレンスコンフィグ取得部901は、例えば、MN100からセカンダリセルの追加/変更のための候補セルの設定情報に使用されうるリファレンスコンフィグを取得する。リファレンスコンフィグ取得部901は、リファレンスコンフィグと、そのリファレンスコンフィグIDとを関連付けた情報を取得する。デルタコンフィグ取得部902は、上述の候補セルのそれぞれに関する設定情報の生成に使用されるデルタコンフィグを取得する。デルタコンフィグは、セルに固有の情報であり、どのリファレンスコンフィグと組み合わせて使用されるべきかを示すために、リファレンスコンフィグIDと関連付けられた形式で取得される。なお、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグは、MN100から一括(1つのメッセージ内)で取得されうるが、必ずしもこれに限られない。すなわち、第1のメッセージにおいてリファレンスコンフィグが取得され、第1のメッセージとは異なる第2のメッセージにおいてデルタコンフィグが取得されてもよい。また、設定情報の更新が行われる場合に、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとのいずれかのみが端末装置151へ通知されてもよい。設定情報生成部903は、取得されたデルタコンフィグと、そのデルタコンフィグが関連付けられているリファレンスコンフィグIDを有するリファレンスコンフィグとを組み合わせて、そのデルタコンフィグと関連する候補セルの設定情報を生成する。なお、設定情報生成部903は、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとが取得された時点で設定情報を生成してもよいし、例えば、端末装置151において測定された無線品質が所定の条件を満たしたセルについて設定情報を生成するようにし、所定の条件が満たされない限りは設定情報を生成しないようにしてもよい。適切性判定部904は、設定情報生成部903によって生成された設定情報が、端末装置151によって利用可能であるか、必須のパラメータの欠落がないか、端末装置151が解釈可能であるか、などの評価を行い、設定情報が適切であるかを判定する。情報通知部905は、設定情報が適切でなかった場合に、接続中のMN100やSNへ、所定の通知を行う。その後、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかが更新された場合、リファレンスコンフィグ取得部901又はデルタコンフィグ取得部902によって情報が取得され、設定情報が更新されうる。
【0056】
図10は、MN100の機能構成例を概説する図である。なお、
図10に示す各機能部は、例えば、プロセッサ801がROM802等に記憶されたプログラムを実行することによって具現化されてもよいし、各機能を実現する専用のハードウェアが用意されてもよい。また、
図10は、本実施形態に係る処理に関する機能を特に示しており、MN100は、例えば3GPP(登録商標)のセルラ通信規格に準拠した通信を行う通常の基地局装置としての機能を当然に有しうる。また、
図10に示す2つ以上の機能ブロックが統合されて1つの機能ブロックとして実現されてもよいし、1つの機能ブロックが複数の機能ブロックに分割されてもよい。MN100は、その機能として、例えば、設定生成指示部1001、リファレンスコンフィグ取得部1002、デルタコンフィグ取得部1003、更新処理部1004、及び情報通知部1005を含む。なお、ここでは、セカンダリセルについて説明するが、プライマリセルのハンドオーバ先の候補セルについても、MN100が同様の機能を有しうる。
【0057】
設定生成指示部1001は、セカンダリセルの候補セルを配下に有するSNに対して、そのセルへの接続のための設定情報を生成するように指示する。ここで、設定生成指示部1001は、例えば、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグの組み合わせの形式で、設定情報を生成するようにSNへ指示する。設定生成指示部1001は、例えば、リファレンスコンフィグの数が最大数に達したことに応じて、それ以降はリファレンスコンフィグが新たに設定されることがないように、フルコンフィグを生成するようにSNへ指示しうる。リファレンスコンフィグ取得部1002は、例えば、自装置においてリファレンスコンフィグを生成しうる。また、リファレンスコンフィグ取得部1002は、例えば、SNにおいて生成されたリファレンスコンフィグを、そのSNから受信しうる。デルタコンフィグ取得部1003は、SNから、そのSNの配下のセルのそれぞれに固有のデルタコンフィグを取得する。デルタコンフィグは、どのリファレンスコンフィグと組み合わせられるべきかを示すリファレンスコンフィグIDと関連付けられる。更新処理部1004は、例えば、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかに更新が必要となったことに応じて、新たにリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを生成するように、SNへ指示を送信する。更新処理部1004によってこの指示が送信された後に、更新後のリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかが、リファレンスコンフィグ取得部1002やデルタコンフィグ取得部1003によって取得される。情報通知部1005は、取得されたリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを、端末装置151へ提供する。情報通知部1005は、デルタコンフィグがどのリファレンスコンフィグと組み合わせられるべきかを示すリファレンスコンフィグIDを含んだ情報を、端末装置151へ通知しうる。
【0058】
図11は、SN101及びSN102の機能構成例を概説する図である。なお、
図11に示す各機能部は、例えば、プロセッサ801がROM802等に記憶されたプログラムを実行することによって具現化されてもよいし、各機能を実現する専用のハードウェアが用意されてもよい。また、
図11は、本実施形態に係る処理に関する機能を特に示しており、SN101及びSN102は、例えば3GPP(登録商標)のセルラ通信規格に準拠した通信を行う通常の基地局装置としての機能を当然に有しうる。また、
図11に示す2つ以上の機能ブロックが統合されて1つの機能ブロックとして実現されてもよいし、1つの機能ブロックが複数の機能ブロックに分割されてもよい。SN101及びSN102は、その機能として、例えば、指示受信部1101、リファレンスコンフィグ取得部1102、デルタコンフィグ取得部1103、及び情報通知部1104を含む。なお、ここでは、セカンダリセルについて説明するが、SNに代えて、MNの候補となる基地局装置が、プライマリセルのハンドオーバ先の候補セルに関して同様の機能を有しうる。
【0059】
指示受信部1101は、MNからの指示を受信する。例えば、指示受信部1101は、デルタコンフィグを生成すべきことを指示するメッセージをMNから受信しうる。また、指示受信部1101は、さらに、リファレンスコンフィグを生成すべきことを示す指示をMNから受信しうる。例えば、指示受信部1101は、MNによって生成されたリファレンスコンフィグを含んだ指示を受信した場合、その指示が、デルタコンフィグの生成指示であることを特定しうる。また、指示受信部1101は、リファレンスコンフィグを含まない指示を受信した場合、その指示が、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグの生成指示であることを特定しうる。また、指示受信部1101は、MNから、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとの少なくともいずれかの更新指示を受信しうる。リファレンスコンフィグ取得部1102は、例えば、指示受信部1101において受信した指示に含まれているリファレンスコンフィグを取得しうる。また、リファレンスコンフィグ取得部1102は、例えば、指示受信部1101において受信した指示にリファレンスコンフィグが含まれていない場合や、指示に含まれているリファレンスコンフィグの使用を拒否する場合に、新たなリファレンスコンフィグを生成して取得する。デルタコンフィグ取得部1103は、配下のセルでの通信のための設定情報と、リファレンスコンフィグ取得部1102によって取得されたリファレンスコンフィグとの差分を、デルタコンフィグとして取得する。なお、デルタコンフィグ取得部1103は、例えば、配下のDUに対してデルタコンフィグを生成させて、その生成されたデルタコンフィグをDUから取得しうる。情報通知部1104は、MNに対して、取得されたデルタコンフィグの情報を通知する。なお、情報通知部1104は、リファレンスコンフィグがSNにおいて生成された場合には、そのリファレンスコンフィグをMNに通知する。なお、情報通知部1104は、デルタコンフィグがどのリファレンスコンフィグと組み合わせられるべきかを示すリファレンスコンフィグIDを、デルタコンフィグと関連付けて、MNへ通知する。
【0060】
なお、上述のMNとしての機能の少なくとも一部は、端末装置151が接続中のSNによって果たされてもよい。
【0061】
このように、本実施形態によれば、端末装置が新規に接続すべきセルでの通信を行うための設定情報を、リファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いて適切に設定し、また、管理することが可能となる。したがって、端末装置における条件付きハンドオーバや条件付きのセカンダリセルの追加又は変更に関するリファレンスコンフィグとデルタコンフィグとを用いた設定処理を効率的に行うことが可能となる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0062】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。