(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016360
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】メンテナンス情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240131BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240131BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118415
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】相馬 康幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】住宅のオーナーに対して妥当性の高いメンテナンス情報を提供できるようにし、適切な時期を逃さずにメンテナンスが行われるようにする。
【解決手段】オーナー1が使用する第一情報端末1a及びメンテナンスを請け負う業者2が使用する第二情報端末2aと通信可能に接続されたサーバー20は、住宅に係る情報31、外装部材に係る情報32,33及び過去の気象情報41に基づいて外装部材のメンテナンス時期を分析して予測するための分析予測手段と、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けて、分析予測手段によるメンテナンス時期の分析を開始させる操作受付手段と、操作受付手段が第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けた履歴22fと、当該操作を受け付けたときに分析予測手段によって分析予測されたメンテナンス時期の分析結果22gと、を記憶する記憶手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に使用されている外装部材のメンテナンス時期を予測する機能を有するサーバーと、
前記住宅のオーナーが使用する第一情報端末と、
前記外装部材のメンテナンスを請け負う業者が使用する第二情報端末と、を備えており、
前記第一情報端末は、前記サーバーと通信可能に接続されており、
前記第二情報端末は、前記サーバーと通信可能に接続されており、
前記サーバーは、
前記住宅に係る情報、前記外装部材に係る情報及び過去の気象情報に基づいて前記外装部材のメンテナンス時期を分析して予測するための分析予測手段と、
前記第一情報端末又は前記第二情報端末からの操作を受け付けて、前記分析予測手段による前記メンテナンス時期の分析を開始させる操作受付手段と、
前記操作受付手段が前記第一情報端末又は前記第二情報端末からの操作を受け付けた履歴と、当該操作を受け付けたときに前記分析予測手段によって分析予測された前記メンテナンス時期の分析結果と、を記憶する記憶手段と、を有することを特徴とするメンテナンス情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記サーバーは、
前記操作受付手段によって前記第一情報端末と前記第二情報端末のうちの一方からの操作を受け付けて、前記分析予測手段によって前記メンテナンス時期が分析予測された場合に、前記第一情報端末と前記第二情報端末のうちの他方に対し、前記履歴及び前記分析結果が前記記憶手段によって記憶されたことを通知する第一通知手段を更に有することを特徴とするメンテナンス情報提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記サーバーは、
前記分析予測手段による前記メンテナンス時期の分析が行われてから一定期間が経過した場合又は/及び所定期間ごとに、前記第一情報端末及び前記第二情報端末に対し、前記メンテナンス時期の分析開始を促す通知を行う第二通知手段を更に有することを特徴とするメンテナンス情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記外装部材に係る情報には、現在使用されている前記外装部材に係る第一情報と、メンテナンスが行われた後に使用される前記外装部材に係る第二情報と、が含まれており、
前記分析予測手段は、前記第一情報と前記過去の気象情報に基づく前記メンテナンス時期と、前記第二情報と前記過去の気象情報に基づく前記メンテナンス時期と、を分析可能に設定されていることを特徴とするメンテナンス情報提供システム。
【請求項5】
請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記第一情報端末及び前記第二情報端末は、表示部及び操作部を有し、
前記表示部には、前記操作部によって操作可能とされて、前記サーバーにおける前記操作受付手段に対して操作信号を送信するための分析開始ボタンが表示されることを特徴とするメンテナンス情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅に使用されている各種建築部材のメンテナンス情報を、住宅のオーナー自身がメンテナンスを希望する場合はもとより、オーナーがメンテナンスの時期を失念していても、最適なタイミングでメンテナンス情報を提供できる技術が知られている。
例えば特許文献1のメンテナンス情報提供システムにおいては、予め記憶されている建築部材の情報に基づいて、その建築部材が施工後、何年経過しているかが分かり、それを判断材料として、最適なタイミングでメンテナンスの時期を、オーナーが使用する情報端末に送信できるようになっている。すなわち、メンテナンス情報が、必要な時期に自動的にオーナーの元に通知されるので、各建築部材のメンテナンスの時期をオーナー自ら管理する必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、住宅のオーナーは、情報端末に送られてきたメンテナンス情報が正しいかどうかを判断できないばかりか、オーナー自身が、送られてきたメンテナンス情報(通知)への対処をしなければメンテナンスが行われることもない。さらには、特に屋根材や外壁材等の外装部材における耐久限界は、例えば立地や気候等の条件によって変化するものであって、送られてきたメンテナンス情報に含まれるメンテナンスの必要時期が、実際と乖離している場合も十分に考えられる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、住宅のオーナーに対して妥当性の高いメンテナンス情報を提供できるようにし、適切な時期を逃さずにメンテナンスが行われるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1~
図5に示すように、住宅10,10Aに使用されている外装部材のメンテナンス時期を予測する機能を有するサーバー20と、
前記住宅10,10Aのオーナー1が使用する第一情報端末1aと、
前記外装部材のメンテナンスを請け負う業者2が使用する第二情報端末2aと、を備えており、
前記第一情報端末1aは、前記サーバー20と通信可能に接続されており、
前記第二情報端末2aは、前記サーバー20と通信可能に接続されており、
前記サーバー20は、
前記住宅10,10Aに係る情報31、前記外装部材に係る情報32,33及び過去の気象情報41に基づいて前記外装部材のメンテナンス時期を分析して予測するための分析予測手段と、
前記第一情報端末1a又は前記第二情報端末2aからの操作を受け付けて、前記分析予測手段による前記メンテナンス時期の分析を開始させる操作受付手段と、
前記操作受付手段が前記第一情報端末1a又は前記第二情報端末2aからの操作を受け付けた履歴22fと、当該操作を受け付けたときに前記分析予測手段によって分析予測された前記メンテナンス時期の分析結果22gと、を記憶する記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、サーバー20が、住宅10、10Aに係る情報31、住宅10,10Aに使用されている外装部材に係る情報32,33及び過去の気象情報41に基づいて外装部材のメンテナンス時期を分析して予測するための分析予測手段を有するので、この分析予測手段によって、例えば住宅10、10Aの立地条件や外装部材の耐用年数と過去の気象情報41を加味したメンテナンス時期を分析できる。そのため、住宅10,10Aのオーナー1に対して妥当性の高いメンテナンス情報を提供することができる。
また、このような分析予測手段によるメンテナンス時期の分析は、サーバー20が有する操作受付手段が、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けたときに開始されるので、オーナー1とメンテナンスを請け負う業者2の少なくとも一方が、メンテナンス時期の分析を開始できることとなる。
そして、記憶手段には、操作受付手段が第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けた履歴22fと、当該操作を受け付けたときに分析予測手段によって分析予測されたメンテナンス時期の分析結果22gと、が記憶されるので、オーナー1とメンテナンスを請け負う業者2のうちどちらが、いつ、メンテナンス時期の分析を行ったかを把握することが可能となる。
これにより、オーナー1とメンテナンスを請け負う業者2は、互いに相手の動静を窺い知ることができる。つまり、例えば、オーナー1がメンテナンス時期に留意しているか否か、メンテナンスを請け負う業者2がメンテナンス時期を把握しているか否か、といったことを互いに認識することが可能となるので、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1,
図2に示すように、請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記サーバー20は、
前記操作受付手段によって前記第一情報端末1aと前記第二情報端末2aのうちの一方からの操作を受け付けて、前記分析予測手段によって前記メンテナンス時期が分析予測された場合に、前記第一情報端末1aと前記第二情報端末2aのうちの他方に対し、前記履歴22f及び前記分析結果22gが前記記憶手段によって記憶されたことを通知する第一通知手段を更に有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうちの一方からの操作を受け付けてメンテナンス時期が分析予測されたタイミングで、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうちの他方に対し、履歴22f及び分析結果22gが記憶手段によって記憶されたことが通知されるので、オーナー1又はメンテナンスを請け負う業者2は、サーバー20にアクセスしなくても相手の動静を窺い知ることができる。これにより、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1,
図2に示すように、請求項1又は2に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記サーバー20は、
前記分析予測手段による前記メンテナンス時期の分析が行われてから一定期間が経過した場合又は/及び所定期間ごとに、前記第一情報端末1a及び前記第二情報端末2aに対し、前記メンテナンス時期の分析開始を促す通知を行う第二通知手段を更に有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、分析予測手段によるメンテナンス時期の分析が行われ
てから一定期間が経過した場合又は/及び所定期間ごとに、第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対し、メンテナンス時期の分析開始を促す通知が行われるので、オーナー1とメンテナンスを請け負う業者2の双方がメンテナンス時期に留意していなくても、自動的に第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対する通知が行われる。そのため、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1~
図3に示すように、請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記外装部材に係る情報32,33には、現在使用されている前記外装部材に係る第一情報32aと、メンテナンスが行われた後に使用される前記外装部材に係る第二情報32bと、が含まれており、
前記分析予測手段は、前記第一情報32aと前記過去の気象情報41に基づく前記メンテナンス時期と、前記第二情報32bと前記過去の気象情報41に基づく前記メンテナンス時期と、を分析可能に設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、分析予測手段は、第一情報32aと過去の気象情報41に基づくメンテナンス時期と、第二情報32bと過去の気象情報41に基づくメンテナンス時期と、を分析可能に設定されているので、オーナー1に対し、現在使用されている外装部材のメンテナンス時期の情報と、メンテナンスが行われた後に使用される外装部材のメンテナンス時期の情報を提供することができる。これにより、オーナー1やメンテナンスを請け負う業者2は、メンテナンスが行われた後のことを踏まえたメンテナンス時期の検討を行ったり、メンテナンス時に使用される新しい外装部材についての検討を行ったりすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図4,
図5に示すように、請求項1に記載のメンテナンス情報提供システムにおいて、
前記第一情報端末1a及び前記第二情報端末2aは、表示部1b,2b及び操作部を有し、
前記表示部1b,2bには、前記操作部によって操作可能とされて、前記サーバー20における前記操作受付手段に対して操作信号を送信するための分析開始ボタン4a,5a(自動点検開始ボタン4a,5a)が表示されることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、第一情報端末1a及び第二情報端末2aにおける表示部1b,2bに、操作部によって操作可能とされて、サーバー20における操作受付手段に対して操作信号を送信するための分析開始ボタン4a,5aが表示されるので、オーナー1又はメンテナンスを請け負う業者2は、分析開始ボタン4a,5aを押す操作を行うだけで、外装部材におけるメンテナンス時期の分析予測を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、住宅のオーナーに対して妥当性の高いメンテナンス情報を提供できるようにし、適切な時期を逃さずにメンテナンスが行われるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】メンテナンス情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】メンテナンス情報提供サーバーの構成を示すブロック図である。
【
図3】部材情報等データベースの構成を示す図である。
【
図4】第一情報端末又は第二情報端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図5】第一情報端末又は第二情報端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
図1において符号10は、オーナー1(顧客又はユーザーともいう)が所有する住宅であるオーナー宅を示す。オーナー宅10は、所定の緯度・経度の位置に、所定の方角に向けて建築されている。なお、本実施形態のオーナー宅10は、例えば日本国内において、バルコニー又は主要な窓が設けられた外壁が南の方角を向くような状態に配置されているものとする。
【0020】
また、オーナー宅10は、屋根材や外壁材、ルーフィング、シーリング等を始めとする各種外装部材によって外装仕上げが施されている。
そして、このオーナー宅10には、例えば気温や湿度、日射、降雨、風等のような、オーナー宅10における各種外装部材を劣化させ得る劣化因子を測定するための各種センサーが備えられていない。すなわち、オーナー宅10には、温度センサーや湿度センサー、日射量センサー、降雨センサー、風向風速センサー等が設けられていない。そのため、各種外装部材の劣化状態を直接的に測定することはできないようになっている。
【0021】
このようなオーナー宅10は、一軒だけに限られず、日本各地にある。これら他のオーナー宅(以下、他のオーナー宅10A)はそれぞれ、所定の緯度・経度の位置に、所定の方角に向けて建築されている。
他のオーナー宅10Aも、各種外装部材を劣化させ得る劣化因子を測定するための各種センサーが備えられていない。
【0022】
なお、本実施形態におけるオーナー宅10,10Aは、新築、中古は問わない。
また、本実施形態においては、オーナー宅10と、他のオーナー宅10Aは、同一の住宅メーカー(又はビルダー、工務店等)が施工したものとするが、別々の住宅メーカー(又はビルダー、工務店等)が施工したものであってもよい。
【0023】
図1において符号20は、メンテナンス情報提供サーバー(以下、サーバー20)を示す。サーバー20は、オーナー宅10,10Aに関する情報と、部材情報等データベース30及び気象情報データベース40から取得した情報によって、オーナー宅10,10Aのメンテナンスに係る情報を分析するためのものである。
このようなサーバー20は、PC、専用の装置・端末等で構成されており、
図2に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備えている。各部21~23は、バス等で電気的に接続されている。
なお、サーバー20の詳細については後述する。
【0024】
サーバー20は、外装部材のメンテナンス(リフォーム)を請け負う管理業者2によって管理されている。
本実施形態における管理業者2は、例えばオーナー宅10(10A)の施工を行った住宅メーカー(又はビルダー、工務店等)とされている。ただし、これに限られるものではなく、サーバー20を構築した業者や、アフターメンテナンスを行うメンテナンス業者3でもよい。
なお、メンテナンス業者3は、管理業者2からの委託を受けて、オーナー宅10,10Aのメンテナンスを行う。
本実施形態において、管理業者2とメンテナンス業者3は、別々の組織・団体とされている。ただし、これに限られるものではなく、同一の組織・団体内における異なる部門で
あってもよい。
【0025】
部材情報等データベース30は、本実施形態においては管理業者2が管理するデータベースとされているが、これに限られるものではなく、他の企業や業者が管理するものであってもよい。また、部材情報等データベース30は、一つのデータベースで構築されている必要はなく、複数のデータベースが複合して構築されたものであってもよい。その場合、これら複数のデータベースは、その全てを、管理業者2又は他の企業や業者が管理してもよいし、管理業者2と他の企業や業者が別々に管理してもよい。管理業者2と他の企業や業者が別々に複数のデータベースを管理する場合も、これら複数のデータベースは連動し、部材情報等データベース30としての機能を発揮する。
【0026】
このような部材情報等データベース30には、
図3に示すように、オーナー1に係る情報を含む各オーナー宅10,10Aの情報(すなわち、顧客情報)と、各種外装部材に係る情報(すなわち、部材情報)と、積算紫外線照度設定値データと、が記憶されている。
サーバー20は、通信ネットワークを介して部材情報等データベース30と通信可能に接続されており、部材情報等データベース30から取得した情報に基づいて、メンテナンスに係る情報を分析する。
なお、部材情報等データベース30に記憶されている各情報については後述する。
【0027】
気象情報データベース40は、本実施形態においては管理業者2が管理するデータベースとされているが、これに限られるものではなく、他の企業や業者が管理するものであってもよい。また、気象情報データベース40は、一つのデータベースで構築されている必要はなく、複数のデータベースが複合して構築されたものであってもよい。その場合、これら複数のデータベースは、その全てを、管理業者2又は他の企業や業者が管理してもよいし、管理業者2と他の企業や業者が別々に管理してもよい。管理業者2と他の企業や業者が別々に複数のデータベースを管理する場合も、これら複数のデータベースは連動し、気象情報データベース40としての機能を発揮する。
【0028】
このような気象情報データベース40には、日本全国の様々な地点における過去(昨日以前)の気象情報41が記憶されている。過去の気象情報41には、気温や湿度、日射、降雨、風等のような上記劣化因子に係る情報が含まれている。日射に係る情報には、日射量の年月、日照時間、全天日射量、到達日射量、方位別日射量などが含まれている。
サーバー20は、通信ネットワークを介して気象情報データベース40と通信可能に接続されており、気象情報データベース40から取得した過去の気象情報41に基づいて、メンテナンスに係る情報を分析する。
【0029】
オーナー1は、第一情報端末1aを通じてサーバー20にアクセス可能とされている。すなわち、第一情報端末1aとサーバー20は、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
第一情報端末1aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、オーナー宅10,10Aに設置されるか又はオーナー1によって所持、使用される。
第一情報端末1aは、表示部1bを備え、サーバー20から受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第一情報端末1aは、ブラウザ及び操作部を有し、オーナー1によって操作部になされた操作に従ってサーバー20が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、オーナー1の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部1bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第一情報端末1aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、サーバー20から受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0030】
管理業者2は、第二情報端末2aを通じてサーバー20にアクセス可能とされている。すなわち、第二情報端末2aとサーバー20は、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
第二情報端末2aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、オフィス等に設置されるか又は管理業者2の担当者によって所持、使用される。
第二情報端末2aは、表示部2bを備え、サーバー20から受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第二情報端末2aは、ブラウザ及び操作部を有し、管理業者2の担当者によって操作部になされた操作に従ってサーバー20が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、管理業者2の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部2bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第二情報端末2aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、サーバー20から受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0031】
また、管理業者2は、第二情報端末2aを通じて、メンテナンス業者3の担当者が使用する第三情報端末3aにアクセス可能とされている。すなわち、第二情報端末2aと第三情報端末3aは、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
第三情報端末3aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、オフィス等に設置されるか又はメンテナンス業者3の担当者によって所持、使用される。
第三情報端末3aは、表示部3bを備え、第二情報端末2aから受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第三情報端末3aは、ブラウザ及び操作部を有し、メンテナンス業者3の担当者によって操作部になされた操作に従ってサーバー20が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、メンテナンス業者3の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部3bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第三情報端末3aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、サーバー20や第二情報端末2aから受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0032】
なお、本実施形態における通信ネットワークは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0033】
次に、サーバー20の詳細について説明する。
サーバー20は、上記のように、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備えており、部材情報等データベース30及び気象情報データベース40から取得した情報に基づいて、メンテナンスに係る情報を分析する。分析して得られたメンテナンス情報は、通信ネットワークを介して、オーナー1が使用する第一情報端末1aや、管理業者2の担当者が使用する第二情報端末2aに表示できるようになっている。すなわち、オーナー1や管理業者2は、サーバー20にアクセスして、メンテナンス情報を確認できる。
【0034】
制御部21は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。
ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶している。
そして、制御部21のCPUは、記憶部22に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、本システムにおける各手段の動作を集中制御するようになっている。
【0035】
記憶部22は、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成されている。
記憶部22には、制御部21が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。
各種プログラムには、例えば、分析予測プログラム22aと、操作受付プログラム22bと、記憶プログラム22cと、第一通知プログラム22dと、第二通知プログラム22eが含まれている。その他、オーナー1や管理業者2によって、第一情報端末1aや第二情報端末2aの操作部になされた操作に従って各種画面のウェブページを生成する画面生成プログラム等、本システムの動作に必要なプログラムが適宜含まれているものとする。これらのプログラムは、制御部21や記憶部22、通信部23との協働により、本システムの一手段として機能することになる。
また、各種データには、例えば、画面生成に必要とされる各種データや、その他、本システムの動作に必要なデータやパラメーターが適宜含まれているものとする。
【0036】
通信部23は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部23は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された他の装置(第一情報端末1a、第二情報端末2a、部材情報等データベース30、気象情報データベース40)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0037】
次に、部材情報等データベース30に記憶されている各情報について説明する。
部材情報等データベース30には、顧客情報31と、外装部材に係る種々の情報32,33と、が記憶されている。
【0038】
顧客情報31には、オーナー1の基本情報(氏名、住所、連絡先、家族構成等)や、そのオーナー1が所有するオーナー宅10,10Aの基本情報(築年数、木質・鉄骨造り等の種別、階層、延床面積等)が含まれている。
【0039】
外装部材に係る種々の情報32,33には、部材情報32と、積算紫外線照度設定値データ33が含まれている。
【0040】
部材情報32は、外装部材の種類や商品に係る諸情報(発注情報、納品情報、仕入れ情報、現場への出荷情報、耐用年数など)、オーナー宅10,10Aごとに使用されている外装部材の種類や商品に係る情報を有する。
さらに、この部材情報32は、オーナー宅10,10Aで現在使用されている外装部材に係る第一情報32aと、メンテナンスが行われた後に使用される外装部材に係る第二情報32bと、を含んでいる。
第二情報32bは、メンテナンス時に外装部材の交換が必要と判断された場合に用いら
れる外装部材の情報である。この第二情報32bは、仮の情報でもよく、メンテナンス前であれば適宜変更可能となっている。したがって、メンテナンスが行われた後に使用される外装部材の商品を選択するときに、オーナー1の要望に応じやすい。
外装部材の種類や商品に係る諸情報には、外装部材の耐用年数が含まれている。この耐用年数は、外装部材のメーカーが実験を重ねたうえで導き出された数値であり、サーバー20は、この耐用年数を基準にして、外装部材のメンテナンス時期の分析予測を行う。なお、この耐用年数は、耐久性限界値ともいう。
【0041】
積算紫外線照度設定値データ33は、部材情報32に含まれている外装部材ごとに設定された紫外線照度の積算値に関する設定値データであり、メンテナンス時期の分析予測を行う判断材料として用いることができる。
すなわち、サーバー20が、オーナー宅10,10Aで現在使用されている外装部材がこれまで受けてきた紫外線(紫外線照度)の積算値(例えば気象情報データベース40における過去の気象情報41から判定)と、積算紫外線照度設定値データ33とを比較し、メンテナンス時期の分析予測を行う。
【0042】
なお、サーバー20が、オーナー宅10,10Aで現在使用されている外装部材について、メンテナンス時期の分析予測を行う材料としては、積算紫外線照度設定値データ33や上記の部材情報32における外装部材の耐用年数だけに限られるものではない。例えばオーナー宅10,10Aの周囲にある隣家等の遮蔽物の多寡に関する情報を、オーナー宅10,10Aの環境条件として考慮し、それをメンテナンス時期の分析予測の判断材料として用いてもよい。
また、他のオーナー宅10Aが、オーナー宅10とは異なる住宅メーカーによって施工されたものであった場合、他のオーナー宅10Aにおける基本設計書や仕様書に記載された情報から、外装部材に係る種々の情報32,33を導き出すものとする。
【0043】
本実施形態におけるメンテナンス情報提供サーバー20は、以下のように動作する。
なお、以下の説明では、オーナー宅10を対象とするが、他のオーナー宅10Aでもメンテナンス情報提供サーバー20の動作は同様である。
【0044】
(メンテナンス時期の分析予測処理)
制御部21は、オーナー宅10,10Aで現在使用されている外装部材のメンテナンス時期を分析予測する場合、まずは操作受付プログラムを実行して、サーバー20を、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作信号の受付待機状態とする。
さらに、制御部21は、通信部23を通じて、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作信号を受け付けると、部材情報等データベース30及び気象情報データベース40に対し、通信ネットワークを通じて外装部材に係る情報32,33及び過去の気象情報41の提供を要求する信号を送信する。
つまり、制御部21による操作受付処理においては、通信部23と協働し、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作信号の受け付けと、部材情報等データベース30及び気象情報データベース40に対する要求信号の送信と、が行われる。
【0045】
図4,
図5は、第一情報端末1a又は第二情報端末2aの表示部1b,2bに表示される表示画面4,5の一例である。特に、
図4は、第一情報端末1a及び第二情報端末2aの表示部1b,2bがタブレット端末のタッチパネルであった場合の表示画面4である。一方、
図5は、第一情報端末1a及び第二情報端末2aの表示部1b,2bが、PCの表示ディスプレイであった場合の表示画面5である。
各表示画面には、自動点検開始ボタン4a,5aが表示されている。オーナー1又は管理業者2が、この自動点検開始ボタン4a,5aを押すと、操作信号が、通信ネットワークを介してサーバー20に送信される。
すなわち、自動点検開始ボタン4a,5aは、メンテナンス時期の分析予測処理を開始するためのボタンであり、第一情報端末1a及び第二情報端末2aにおける操作部によって操作可能とされている。換言すれば、オーナー1又は管理業者2は、この自動点検開始ボタン4a,5aを押す操作を行うだけで、メンテナンス時期の分析予測処理を開始(完了)することができる。
【0046】
なお、表示画面4,5には、自動点検開始ボタン4a,5aの他に、オーナー1の氏名や住所などの顧客情報31を示す基本情報表示欄4b,5bや、オーナー宅10に現在使用されている外装部材に係る情報32(32a)を示す外装部材表示欄4c,5cが表示される。その他にも、後述する分析結果22gを示すグラフ表示欄4d,5dが表示される。
【0047】
操作受付処理が完了すると、制御部21は、通信ネットワークを介して部材情報等データベース30から、オーナー1及びオーナー宅10に関する顧客情報31と、オーナー宅10で現在使用されている外装部材に係る情報32,33を取得する。また、制御部21は、通信ネットワークを介して気象情報データベース40から過去の気象情報41を取得する。そして、制御部21は、部材情報等データベース30及び気象情報データベース40からの情報31,32,33,41を取得したことを契機にして、分析予測プログラム22aを実行してメンテナンス時期の分析予測を行う。
【0048】
より具体的に説明すると、顧客情報31には、オーナー1の基本情報やオーナー宅10の基本情報が含まれているため、過去の気象情報41と照合すると、オーナー宅10の周辺地域における過去の気象情報41が判明する。
さらに、外装部材に係る情報32,33には、オーナー宅10に使用されている外装部材の種類や商品に係る情報として、部材情報32(第一情報32a、第二情報32b)及び積算紫外線照度設定値データ33が含まれている。そのため、これらの情報32,33とオーナー宅10の周辺地域における過去の気象情報41とを照合すると、オーナー宅10に使用されている外装部材がどれだけ劣化因子の影響を受けているかを推測することができる。これにより、制御部21は、オーナー宅10に使用されている外装部材が、いつ耐久性限界値に到達するのかを分析予測することができる。
なお、外装部材が、いつ耐久性限界値に到達するのかは、月単位で分析予測することができるようになっている。
【0049】
分析予測処理によって分析予測されたメンテナンス時期の分析結果22gは、制御部21が記憶プログラムを実行することによって記憶部22に記憶される。このとき、制御部21は、その分析予測処理を開始するための操作信号を送信した情報端末が、第一情報端末1aと第二情報端末2aのどちらであるかを記憶部22に記憶する処理も同時に行う。
すなわち、記憶処理においては、操作受付処理において第一情報端末1aと第二情報端末2aのうちどちらの操作を受け付けたかという内容の履歴に係る情報22fと、当該操作を受け付けたときに行われた分析予測処理の分析結果22gと、を記憶することが行われる。
【0050】
表示画面4,5には、分析予測処理による分析結果22gを示すグラフを表示するためのグラフ表示欄4d,5dが表示される。グラフは、外装部材表示欄4c,5cに表示された外装部材に対応する分析結果22gを示している。さらに、グラフ表示欄4d,5dに表示されるグラフは、自動点検開始ボタン4a,5aを押すたびに更新される。すなわち、グラフ表示欄4d,5dには、常に新たなグラフが表示されるようになっている。
【0051】
グラフ表示欄4d,5dの上辺には、複数のタブ4e,5eが設けられている。複数のタブ4e,5eは、外装部材表示欄4c,5cに表示された外装部材の種類に対応してい
る。
各タブ4e,5eは、操作部による操作が可能となっている。各タブ4e,5eを押す操作を行うとグラフが切り替わり、各タブ4e,5eに対応する種類の外装部材の分析結果22gを示すグラフを表示できるようになっている。また、グラフ表示欄4d,5dに表示されたグラフに対応して、タブ4e,5eはアクティブ化(色付け処理)される。これにより、グラフ表示欄4d,5dに表示されているグラフが、外装部材のうち、どの種類であるかが判別しやすくなる。なお、
図4,
図5に示す例においては、外装部材のうち外壁のグラフがグラフ表示欄4d,5dに表示され、タブ4e,5eも、外壁に対応するものがアクティブ化している。
【0052】
各タブ4e,5eには、メンテナンスに関するコメントが表示される。コメントとしては、例えば、早急にメンテナンスが必要な場合のコメント(「メンテナンス工事をお願いします」)、メンテナンスの計画を立てる段階に到達している場合のコメント(「メンテナンス計画をお願いします」)、メンテナンスの必要がない場合のコメント(「充分な耐久性があります」)等が用意されている。そして、分析予測の結果に応じて適宜選択されてタブ4e,5eに表示される。
【0053】
グラフ表示欄4d,5dに表示されたグラフのうち、一点鎖線で表された水平な直線は、初期の耐久性限界値を示している。このような初期の耐久性限界値は、外装部材に係る情報32のうち、オーナー宅10で現在使用されている外装部材に関する第一情報32aに基づくものである。
また、グラフ表示欄4d,5dに表示されたグラフのうち、右に向かうにつれて上がっていく線分は、外装部材の劣化度合いを示している。すなわち、横軸は時間(年月)を表し、縦軸は劣化因子の積算値(例えば積算受光量)を表しているため、グラフでは、外装部材の経年劣化の状態が分かるようになっている。
また、このグラフでは、オーナー宅10の方角ごとに外装部材の劣化度合いを示している。例えば日本では最も日射しの影響を受ける南側の外壁が最も劣化しやすく、北側の外壁が最も劣化しにくいことがグラフから読み取ることができる。
そして、オーナー宅10の方角ごとに用意された外装部材の劣化度合いを示す斜めの線分のうちいずれかが、耐久性限界値を示す一点鎖線の直線に達すると、外装部材には、メンテナンスの計画を立てる段階に達しているか、あるいは早急にメンテナンス工事が必要な段階であるかの判断が下されることとなる。
【0054】
また、グラフ表示欄4d,5dに表示されたグラフのうち、実線で表された水平な直線は、メンテナンスが行われた後(リフォーム後)に使用される外装部材の耐久性限界値を示している。すなわち、このグラフには、オーナー宅10で現在使用されている外装部材の耐久性限界値と、オーナー宅10で将来的に使用されることが推測される外装部材の耐久性限界値が表示されていることとなる。
このようなメンテナンス後の耐久性限界値は、外装部材に係る情報32のうち、オーナー宅10でメンテナンスが行われた後に使用される外装部材に係る第二情報32bに基づくものである。すなわち、グラフには、メンテナンス前後の外装部材の耐久性限界値を並べて表示することができる。
【0055】
分析予測処理は、オーナー宅10における各種外装部材を劣化させ得る劣化因子を測定するための各種センサーを用いずに行われるものの、オーナー宅10に係る情報31や、オーナー宅10に使用されている外装部材の情報32,33、過去の気象情報41に基づいて行われるため、その妥当性は高い。
また、分析予測処理による分析結果22gは、自動点検開始ボタン4a,5aを押す操作を行うだけで導き出すことができるので、外装部材の点検としては極めて簡易に行うことができる。換言すれば、自動点検開始ボタン4a,5aを押すだけで、妥当性の高いメ
ンテナンス時期の分析予測(すなわち、外装部材の自動点検)を行うことができるので、その有用性は極めて高い。
【0056】
(第一通知処理)
制御部21は、分析予測処理が行われて分析結果22gが導き出された場合に、第一通知プログラム22dを実行して、第一情報端末1a又は第二情報端末2aに対し、上記の履歴22f及び分析結果22gが記憶部22に記憶されたことを通知する。
より具体的に説明すると、分析予測処理は、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうち、いずれか一方による操作(自動点検開始ボタン4a,5aの操作)を受け付けたときに行われる。そして、第一通知処理による通知は、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうち、分析予測処理の開始操作を行わなかった方の端末に対して行われる。
例えばオーナー1が第一情報端末1aの自動点検開始ボタン4aを押す操作を行い、上記の分析予測処理が行われて分析結果22gが導き出されたときは、第一情報端末1aからの操作を受け付けた履歴22fと分析結果22gが記憶部22に記憶される。そして、このように履歴22fと分析結果22gが記憶部22に記憶されると、第一通知処理が行われて通知が生成され、当該通知が、管理業者2が使用する第二情報端末2aへと送信されることとなる。
第一通知処理によって送られる通知の内容は、履歴22fと分析結果22gが記憶部22に記憶されたことと、分析予測処理が第一情報端末1aからの操作を受け付けて行われたことが分かる内容となっている。
なお、履歴22fと分析結果22gが記憶部22に記憶されたときに第一通知処理が行われるかどうかは、設定で変更できるものとする。
【0057】
(第二通知処理)
制御部21は、分析予測処理によってメンテナンス時期の分析が行われてから一定期間が経過した場合又は/及び所定期間ごとに、第二通知プログラム22eを実行して、第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対し、メンテナンス時期の分析開始を促す通知を行う。
より具体的に説明すると、第二通知処理は、前回の分析予測処理からある程度の時間が経過したときに、再度の分析予測処理を促すための通知を、第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対して送信する処理である。サーバー20には、時計及びカレンダーの機能が備わっており、制御部21は、当該機能を利用して、前回の分析予測処理からの期間や所定期間を判断している。前回の分析予測処理からのどれだけの期間が空いたら第二通知処理を行うか、あるいは所定期間を具体的にどの程度の期間とするかは設定で変更でき、その設定内容は、記憶部22に記憶されているものとする。
第二通知処理による通知は、第一情報端末1aと第二情報端末2aの双方に対して送信されるため、再度の分析予測処理は、オーナー1と管理業者2のどちらか一方が行うものとする。
なお、この第二通知処理における期間の長さは特に限定されるものではなく、例えば月単位で変更可能とされている。
【0058】
なお、第一通知処理及び第二通知処理による通知の方法は特に限定されるものではないが本実施形態においては、所謂プッシュ通知が採用されている。その他にも、Eメール等による通知を行ってもよいし、自動音声等による通知を行ってもよい。
【0059】
以上のようなメンテナンス情報提供システムにおいて、メンテナンス業者3は、管理業者2とは別々の組織・団体とされているものとしたが、同一の組織・団体内における異なる部門であった場合は、メンテナンス業者3が使用する第三情報端末3aも、第二情報端末2aと同様の条件で、サーバー20と通信可能に接続される。
したがって、制御部21は、第三情報端末3aからの操作も受け付けて分析予測処理を
行うことが可能となる。第一通知処理による通知や第二通知処理による通知も、第三情報端末3aに送信されることとなる。
【0060】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、サーバー20が、住宅10、10Aに係る情報31、住宅10,10Aに使用されている外装部材に係る情報32,33及び過去の気象情報41に基づいて外装部材のメンテナンス時期を分析して予測するための分析予測手段を有するので、この分析予測手段によって、例えば住宅10、10Aの立地条件や外装部材の耐用年数と過去の気象情報41を加味したメンテナンス時期を分析できる。そのため、住宅10,10Aのオーナー1に対して妥当性の高いメンテナンス情報を提供することができる。
また、このような分析予測手段によるメンテナンス時期の分析は、サーバー20が有する操作受付手段が、第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けたときに開始されるので、オーナー1と管理業者2の少なくとも一方が、メンテナンス時期の分析を開始できることとなる。
そして、記憶手段には、操作受付手段が第一情報端末1a又は第二情報端末2aからの操作を受け付けた履歴22fと、当該操作を受け付けたときに分析予測手段によって分析予測されたメンテナンス時期の分析結果22gと、が記憶されるので、オーナー1と管理業者2のうちどちらが、いつ、メンテナンス時期の分析を行ったかを把握することが可能となる。
これにより、オーナー1と管理業者2は、互いに相手の動静を窺い知ることができる。つまり、例えば、オーナー1がメンテナンス時期に留意しているか否か、管理業者2がメンテナンス時期を把握しているか否か、といったことを互いに認識することが可能となるので、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0061】
また、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうちの一方からの操作を受け付けてメンテナンス時期が分析予測されたタイミングで、第一情報端末1aと第二情報端末2aのうちの他方に対し、履歴22f及び分析結果22gが記憶手段に記憶されたことが通知されるので、オーナー1又は管理業者2は、サーバー20にアクセスしなくても相手の動静を窺い知ることができる。これにより、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0062】
また、分析予測手段によるメンテナンス時期の分析が行われてから一定期間が経過した場合又は/及び所定期間ごとに、第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対し、メンテナンス時期の分析開始を促す通知が行われるので、オーナー1と管理業者2の双方がメンテナンス時期に留意していなくても、自動的に第一情報端末1a及び第二情報端末2aに対する通知が行われる。そのため、適切な時期を逃さずにメンテナンスを行うことができる。
【0063】
また、分析予測手段は、第一情報32aと過去の気象情報41に基づくメンテナンス時期と、第二情報32bと過去の気象情報41に基づくメンテナンス時期と、を分析可能に設定されているので、オーナー1に対し、現在使用されている外装部材のメンテナンス時期の情報と、メンテナンスが行われた後に使用される外装部材のメンテナンス時期の情報を提供することができる。これにより、オーナー1や管理業者2は、メンテナンスが行われた後のことを踏まえたメンテナンス時期の検討を行ったり、メンテナンス時に使用される新しい外装部材についての検討を行ったりすることができる。
【0064】
また、第一情報端末1a及び第二情報端末2aにおける表示部1b,2bに、操作部によって操作可能とされて、サーバー20における操作受付手段に対して操作信号を送信するための分析開始ボタン4a,5aが表示されるので、オーナー1又は管理業者2は、分析開始ボタン4a,5aを押す操作を行うだけで、外装部材におけるメンテナンス時期の
分析予測を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1 オーナー
1a 第一情報端末
1b 表示部
2 管理業者
2a 第二情報端末
2b 表示部
4 表示画面
4a 自動点検開始ボタン
5 表示画面
5a 自動点検開始ボタン
10 オーナー宅
20 メンテナンス情報提供サーバー
21 制御部
22 記憶部
22a 分析予測プログラム
22b 操作受付プログラム
22c 記憶プログラム
22d 第一通知プログラム
22e 第二通知プログラム
22f 履歴
22g 分析結果
23 通信部
30 部材情報等データベース
31 顧客情報
32 部材情報
33 積算紫外線照度設定値データ
40 気象情報データベース
41 過去の気象情報