(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163618
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】睡眠時無呼吸症候群治療システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241115BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20241115BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B5/08
A61B5/145
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079386
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000200677
【氏名又は名称】泉工医科工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 利佳
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KL05
4C038SS08
4C038SS09
4C038SX20
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】本発明は、大掛かりなシステムを必要とせず、患者ごとに適切な睡眠時無呼吸症候群の治療法を提案することができる、睡眠時無呼吸症候群治療システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムは、情報処理装置と、刺激付与装置と、を備え、前記情報処理装置は、ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、前記刺激付与装置は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて前記ユーザに刺激を与える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠時無呼吸症候群の治療システムであって、
情報処理装置と、刺激付与装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記刺激付与装置は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて前記ユーザに刺激を与える、睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項2】
複数の前記情報処理装置と接続された医療支援装置をさらに備え、
前記医療支援装置は、前記情報処理装置ごと取得された、複数の、前記生体情報、前記呼吸状態に関する情報、並びに、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、前記ユーザごとに与える前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する決定部を備える、請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項3】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する、情報処理装置。
【請求項4】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理方法であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定ステップと、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する、情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する、情報処理装置、として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時無呼吸症候群治療システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome;SAS)の患者数は世界で約9億人、重傷のSAS患者数は約4億人と推定されている。日本においても、SAS患者数は約2200万人、重症SAS患者数は約940万人と言われている。SASの患者には、投薬治療、マウスピースを用いた治療、CPAP(持続陽圧呼吸療法)、又は外科的手術の少なくともいずれかが、重症度に応じて適用される。CPAPは、ユーザが装着したマスクからユーザの気道に空気を持続的に送り込む治療方法である。
【0003】
マウスピースを用いた治療やCPAPは、ユーザが不快に感じやすい部分に治療器具が装着されて行われる治療法であるため、ユーザによっては治療器具を外してしまうことがある。
【0004】
このような不快感を軽減するために、例えば、特許文献1には、被験者に刺激を与えるように構成された刺激デバイスと、前記被験者によって生成された複数の音を受信し、前記音を複数の受信音信号に変換し、前記受信音信号からいびき音情報を取得し、前記いびき音情報に基づいて前記被験者によって生成されたいびき音の影響を計算し、前記影響がしきい値より高いときに、前記刺激デバイスに、前記被験者に前記刺激を与えさせるように構成された回路を備えるコントローラと、を備える、睡眠時無呼吸治療装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、被検体の生体情報を取得する生体情報取得部と、被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルに対して、就寝時における被検体の生体情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する予測部と、前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う介入部と、を備える生体情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2022-509989号公報
【特許文献2】特開2023-3299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、基本的にいびき音に基づいて患者の状態を判断しており、患者の無呼吸を把握するために超広帯域ドップラーレーダーシステムなるシステムを必要としている。したがって、システム構成が大がかりとなる。
【0008】
また、特許文献2には、被検体に種々の生体的な刺激を印加すること、当該刺激の程度を調整することが開示されているが、被検体に印加する刺激のうち、いずれの種類の刺激が被検体に効果的であるかについては何ら開示されていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大掛かりなシステムを必要とせず、患者ごとに適切な睡眠時無呼吸症候群の治療法を提案することができる、睡眠時無呼吸症候群治療システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1] 本発明の一態様に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムは、情報処理装置と、刺激付与装置と、を備え、上記情報処理装置は、ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、上記生体情報を基に上記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、機械学習により、上記生体情報及び上記ユーザの呼吸状態に応じた、上記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、上記決定部は、上記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、上記刺激付与装置は、上記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて上記ユーザに刺激を与える。
[2] 上記[1]に記載の睡眠時無呼吸症候群治療システムは、複数の上記情報処理装置と接続された医療支援装置をさらに備え、上記医療支援装置は、上記情報処理装置ごと取得された、複数の、上記生体情報、上記呼吸状態に関する情報、並びに、上記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、上記ユーザごとに与える上記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する決定部を備えていてもよい。
【0011】
[3] また、本発明の別の態様に係る情報処理装置は、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、上記生体情報を基に上記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、機械学習により、上記生体情報及び上記ユーザの呼吸状態に応じた、上記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、上記決定部は、上記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する。
【0012】
[4] また、本発明の更に別の態様に係る情報処理方法は、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理方法であって、ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得ステップと、上記生体情報を基に上記ユーザの呼吸状態を判定する判定ステップと、機械学習により、上記生体情報及び上記ユーザの呼吸状態に応じた、上記ユーザに与える刺激を決定する決定ステップと、を含み、上記決定ステップでは、上記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する。
【0013】
[5] また、本発明の更に別の態様に係るプログラムは、コンピュータを、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、ユーザの酸素飽和度及び呼吸数のうちの少なくともいずれかを含む生体情報を取得する生体情報取得部と、上記生体情報を基に上記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、機械学習により、上記生体情報及び上記ユーザの呼吸状態に応じた、上記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、上記決定部は、上記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する、情報処理装置、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態によれば、大掛かりなシステムを必要とせず、患者ごとに適切な睡眠時無呼吸症候群の治療法を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムのブロック図である。
【
図2】同実施形態における情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態における刺激付与装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムのブロック図である。
【
図6】同実施形態における医療支援装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
<睡眠時無呼吸症候群治療システム1>
図1~3を参照して本発明の一実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムを説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムのブロック図である。
図2は、同実施形態における情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3は、同実施形態における刺激付与装置の機能構成の一例を示すブロック図である。睡眠時無呼吸症候群治療システム1は、情報処理装置10と、刺激付与装置20と、を備える。
【0018】
[情報処理装置10]
本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部110と、生体情報を基にユーザの呼吸状態を判定する判定部120と、機械学習により、生体情報及びユーザの呼吸状態に応じた刺激を決定する決定部130と、を備える。また、情報処理装置10は、例えば、
図2に示すように、指示部140、記憶部150、制御部160、通信部170、及び表示部180を備えることができる。情報処理装置10は、例えば、ウェアラブルデバイス、例えばスマートウォッチによって実現される。
【0019】
(生体情報取得部110)
生体情報取得部110は、ユーザの生体情報を取得する。生体情報は、ユーザの生命に関する情報であり、生体情報としては、例えば、酸素飽和度、呼吸数、体温、及び心拍数等が挙げられる。生体情報取得部110は、少なくとも、ユーザの酸素飽和度を取得する。生体情報取得部110は、任意のタイミングで生体情報を取得することができ、例えば、予め設定された間隔で生体情報を取得してもよいし、ユーザによる操作のタイミングで生体情報を取得してもよい。生体情報取得部110は、短い間隔で生体情報を取得することが好ましい。短い間隔で生体情報を取得することで、ユーザの生体情報の推移をより正確に把握することができる。また、ユーザが刺激を受けたときに、刺激の種類、タイミング、程度によって、どの程度睡眠状態が変化するかをより正確に把握することができる。
【0020】
酸素飽和度は、酸素飽和度取得部111によって取得される。酸素飽和度取得部111は、酸素飽和度を測定する公知のセンサによって実現される。
【0021】
呼吸数は、単位時間当たり(例えば1分間当たり)の呼吸数であり、呼吸数取得部112によって取得される。呼吸数は、例えば、ユーザに装着された、加速度センサ及びジャイロスコープによってユーザの動きを検出することで測定することができる。
【0022】
ユーザの体温及び心拍数は、それぞれ体温取得部113、心拍数取得部114によって取得される。体温及び心拍数は、公知の方法で取得されてよい。
【0023】
また、生体情報取得部110は、ユーザが発する音声情報、例えばいびきの有無、及び、ユーザの動きに関する情報(動作情報)、例えば、寝返りの有無を取得してもよい。音声情報は、例えば、マイクなどの集音装置により取得することができる。動作情報は、加速度センサ及びジャイロスコープにより取得することができる。音声情報及び動作情報は、生体情報に含まれる。
【0024】
(判定部120)
判定部120は、生体情報を基にユーザの呼吸状態を判定する。判定部120は、例えば、低呼吸状態と判定するための閾値及び無呼吸状態と判定するための閾値を設け、睡眠時において酸素飽和度が第一の閾値超である場合、又は、呼吸数が第一の閾値超である場合、ユーザの呼吸状態を通常状態であると判定する。睡眠時において酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、又は、呼吸数が第一の閾値以下である場合、判定部120は、ユーザの呼吸状態を低呼吸状態であると判定する。また、酸素飽和度が第一の閾値よりも小さな第二の閾値以下である場合、又は、呼吸数が第一の閾値よりも小さな第二の閾値以下である場合、判定部120は、ユーザの呼吸状態が無呼吸状態であると判定する。低呼吸状態とは、低呼吸は換気が通常の50%以下になる浅い呼吸が10秒以上続く状態をいい、無呼吸状態とは、呼吸が10秒以上止まっている状態を言う。
【0025】
また、判定部120は、機械学習により、生体情報に基づいて、酸素飽和度の第一の閾値及び第二の閾値、並びに呼吸数の第一閾値及び第二閾値を変更することができる。
判定部120は、例えば、ユーザの生体情報に基づいて呼吸状態を予測する学習済みモデルを生成する。この学習済みモデルは、未学習の状態から、ユーザの生体情報に基づいて学習をさせる。または、複数の生体情報に基づいて学習済みモデルを生成し、この学習済みモデルに対して、さらに、ユーザの生体情報に基づいて学習をさせる。そして、この学習が行われた学習済みモデルに、ユーザの生体情報を入力することにより、呼吸状態を予測する。
【0026】
(決定部130)
決定部130は、機械学習により、生体情報及びユーザの呼吸状態に応じた、ユーザに与える刺激を決定する。刺激の種類としては、視覚的な刺激、聴覚的な刺激、嗅覚的な刺激、及び、触覚的な刺激のうちの少なくとも一種以上が挙げられる。刺激としては、詳細には、光、音、振動、温度、匂い、及び空気の流れ等が挙げられる。
【0027】
また、決定部130は、刺激の種類、タイミング、及び強さ(刺激情報)を決定する。ユーザごとに効果的な刺激の種類は異なるため、ユーザに応じた刺激の種類を決定することで、低呼吸状態又は無呼吸状態の継続時間を短縮することができる。また、ユーザに応じた刺激の種類を決定することで、ユーザが目覚めない刺激を与えることができる。
【0028】
決定部130は、ユーザの呼吸状態が低呼吸状態と無呼吸状態とで、異なる刺激を決定することができる。決定部130は、例えば、機械学習により、無呼吸状態の場合に、呼吸状態を通常状態にするのにより効果的な刺激の種類を決定することができる。また、決定部130は、同一の刺激の種類であっても、低呼吸状態と無呼吸状態とで、タイミング及び強さの少なくともいずれかを異ならせることができる。
【0029】
決定部130は、例えば、ユーザの生体情報及び刺激情報の少なくともいずれかに基づいて呼吸状態を予測する学習済みモデルを生成する。この学習済みモデルは、未学習の状態から、ユーザの生体情報及び刺激情報に基づいて学習をさせる。または、複数の生体情報及び刺激情報に基づいて学習済みモデルを生成し、この学習済みモデルに対して、さらに、ユーザの生体情報及び刺激情報に基づいて学習をさせる。そして、この学習が行われた学習済みモデルに、ユーザの生体情報及び刺激情報を入力することにより、呼吸状態を予測する。この学習には、ユーザの身体に関連する情報(身体関連情報)が更に用いられてもよい。身体関連情報としては、例えば、ユーザの生年月日、性別、身長、体重、持病、既往歴等が挙げられる。
【0030】
刺激の種類、タイミング及び強さが機械学習により決定されることで、低呼吸状態又は無呼吸状態をより効果的に改善することができる。
【0031】
上記では、決定部130は、通常状態、低呼吸状態、及び無呼吸状態に区分して、ユーザに与える刺激を決定しているが、ユーザの呼吸状態の区分をさらに細分化して、細分化された区分ごとにユーザに与える刺激を決定してもよい。呼吸状態の区分の細分化は、生体情報を基に行うことができる。
【0032】
(指示部140)
指示部140は、通信部170を介して刺激情報を送信する。本実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システム1では、指示部140は、通信部170を介して刺激付与装置20に刺激情報を送信する。
【0033】
(記憶部150)
記憶部150は、生体情報、刺激情報、身体関連情報、呼吸状態の情報(呼吸状態情報)、及び、制御部160が種々の制御を行うためのプログラムを記憶する。また、記憶部150は、生体情報に紐づけられた、生体情報が取得された日時、位置情報、又は気象情報等を記憶してもよい。
【0034】
(制御部160)
制御部160は、情報処理装置10の動作全般を制御する機能を有する。制御部160は、例えば、情報処理装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0035】
(通信部170)
通信部170は、刺激付与装置20及び外部の情報処理装置と各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部170は、ネットワークNWを介して、刺激情報を刺激付与装置20に送信することができる。また、通信部170は、ネットワークNWを介して、生体情報、刺激情報、呼吸状態情報、及び身体関連情報等を他の情報処理装置に送信することができる。
【0036】
(表示部180)
表示部180は、生体情報、刺激情報、呼吸状態情報、及び身体関連情報のうちの少なくともいずれかを表示する機能を有する。例えば、表示部180は、取得タイミングごとの生体情報、及び呼吸状態情報のうちの少なくともいずれかの項目を表示してもよいし、表として、これらのうちの複数を表示してもよい。また、表示部180は、生体情報、呼吸状態情報及び刺激情報のうちの少なくともいずれかの項目の推移をグラフとして表示してもよい。また、表示部180は、各生体情報の平均値、最大値、最小値を表示してもよいし、酸素飽和度又は呼吸数が所定の閾値以下となった時間、回数などを表示してもよい。表示部180は、例えば、ディスプレイによって実現される。
【0037】
[刺激付与装置20]
刺激付与装置20は、各刺激の種類に応じた刺激を与えることができる装置であり、例えば、発光装置、音声出力装置、振動装置、空調装置、又は芳香装置等である。異なる種類の刺激を与えるために、複数の刺激付与装置20を備えることが好ましい。当然ながら、刺激付与装置20は、異なる種類の複数の刺激をユーザに与えることができる装置であってもよい。刺激付与装置20は、
図3に示すように、出力部210、制御部220、及び通信部230を備える。また、刺激付与装置20は、記憶部240及び表示部250を備えることができる。
【0038】
(出力部210)
出力部210は、情報処理装置10から受信した刺激情報を基に刺激を出力する。出力部210は、刺激情報を基に制御部220によって制御されたタイミング及び強さで刺激を出力する。
【0039】
(制御部220)
制御部220は、刺激付与装置20の動作全般を制御する機能を有する。制御部220は、例えば、刺激付与装置20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
【0040】
(通信部230)
通信部230は、情報処理装置10及び外部の情報処理装置と各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部230は、ネットワークを介して、情報処理装置10が送信する刺激情報を受信する。
【0041】
(記憶部240)
記憶部240は、刺激情報、及び、制御部220が種々の制御を行うためのプログラムを記憶する。
【0042】
(表示部250)
表示部250は、刺激の強さを表示する機能を有する。表示部250は、例えば、ディスプレイによって実現される。
【0043】
<処理の流れ>
以上、本実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システム1の機能構成について説明した。続いて、
図4を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図4は、本実施形態に係る形態に処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0044】
生体情報取得部110がユーザの生体情報を取得する(ステップS101)。次いで、判定部120が生体情報を基にユーザの呼吸状態が無呼吸状態であるか否かを判定する(ステップS103)。ユーザの呼吸状態が無呼吸状態であると判定された場合(ステップS103/YES)、決定部130がユーザに与える刺激を決定し、刺激情報を指示部140に送信する(ステップS105)。次いで、指示部140が刺激付与装置20に刺激情報を送信する(ステップS107)。刺激情報を受信した刺激付与装置20は、刺激情報を基にユーザに刺激を与える。ステップS107の後、ステップS101から処理が繰り返される。
【0045】
ユーザの呼吸状態が無呼吸状態ではないと判定された場合(ステップS103/NO)、低呼吸状態であるか否かを判定する(ステップS104)。ユーザの呼吸状態が低呼吸状態であると判定された場合(ステップS104/YES)、ステップS105、S107が行われる。刺激情報を受信した刺激付与装置20は、刺激情報を基にユーザに刺激を与える。ステップS107の後、ステップS101から処理が繰り返される。
【0046】
ユーザの呼吸状態が無呼吸状態であると判定された場合、ステップS101から処理が繰り返される。
【0047】
ステップS101~S107が繰り返されることで、患者ごとに適切な刺激が与えられ、低呼吸状態又は無呼吸状態を脱することができる。
【0048】
本実施形態に係る睡眠時無呼吸症候群治療システムによれば、生体情報に基づき、機械学習によりユーザに与える刺激が決定される。当該刺激によって、無呼吸状態を回避することができる。また、無呼吸状態であったとしても、その状態を脱することができる。生体情報は、ユーザごとに異なり、また、同一ユーザであってもユーザの状態によって異なるため、ユーザごとに無呼吸状態を回避、脱するための適切な刺激を与えることができる。
【0049】
ユーザにとっては、低呼吸状態及び無呼吸状態が改善されるため、日中の体調が向上し、かつ合併症が低減する。また、投薬、CPAPや外科的手術が抑制されるため、医療費が削減される。
【0050】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、ウェアラブルデバイス、例えばスマートウォッチによって実現できるため、CPAPやマウスピースと比較して不快感が少なく、継続した利用が可能となる。
【0051】
<第2の実施形態>
本開示に係る睡眠時無呼吸症候群治療システム1Aは、
図5に示すように、複数の睡眠時無呼吸症候群治療システム1及び医療支援装置30を有することが好ましい。睡眠時無呼吸症候群治療システム1の機能は、ネットワークNWを介して医療支援装置30と通信可能な点以外は、第1の実施形態におけるものと同様であるためここでの詳細な説明は省略する。ただし、1つの睡眠時無呼吸症候群治療システム1は、一人のユーザに利用される。よって、複数の睡眠時無呼吸症候群治療システム1は、ユーザの人数分だけ、ネットワークNWを介して医療支援装置30と通信可能である。また、ユーザごとの、生体情報、身体関連情報、及び刺激情報は、匿名化されて医療支援装置30に送信することができる。
【0052】
医療支援装置30は、医療従事者により利用される装置である。医療支援装置30は、例えば、
図6に示すように、生体情報取得部310、判定部320、決定部330、指示部340、記憶部350、制御部360、通信部370、及び表示部380を備えることができる。これらの機能は、基本的に情報処理装置10における各機能と基本的に同様である。ただし、医療支援装置30は、複数の情報処理装置10から生体情報及び刺激情報を受信することができる点で情報処理装置10と異なる。また、決定部330は、情報処理装置10ごと取得された、複数の、生体情報、呼吸情報、並びに、刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、ユーザごとに与える刺激の種類、タイミング、及び強さを決定することができる。
【0053】
医療支援装置30を備える睡眠時無呼吸症候群治療システム1によれば、ユーザごとの生体情報、身体関連情報、刺激情報等で構成される多数の組合せ情報から、機械学習により、ユーザごとに与える刺激を決定することができるため、ユーザごとにより適切な刺激を与えることが可能となる。
【0054】
<ハードウェア構成>
情報処理装置10、刺激付与装置20、及び医療支援装置30は、CPU(Central ProcessingUnit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、内部バスと、入出力インターフェースと、表示装置と、入力装置と、音声出力部と、記憶装置と、ドライブと、ネットワークインターフェースと、外部インターフェースと、を備えることができる。
【0055】
CPUは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置10、刺激付与装置20、及び医療支援装置30内の動作全般を制御する。CPUが後述するROM、RAMおよびソフトウェアと協働することにより、制御部160、220、360の機能が実現される。
【0056】
ROMは、CPUが使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAMは、CPUの実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0057】
CPU、ROM、RAMは、内部バスによって相互に接続され、さらに入出力インターフェースを介して後述する表示装置、入力装置、音声出力部、記憶装置、ドライブ、ネットワークインターフェースおよび外部インターフェースと接続される。
【0058】
表示装置は、本実施形態による表示部180、250、380の例であり、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力装置は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチおよび制御回路などから構成され得る。また、音声出力部は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0059】
記憶装置は、本実施形態による記憶部150、240、350の一例として構成されたデータ記憶用の装置である。記憶装置は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでいてもよい。記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶装置は、ストレージを駆動し、CPUが実行するプログラムまたは各種データを記憶する。
【0060】
ドライブは、記憶媒体用リーダライタであり、内蔵、または外付けされ得る。ドライブは、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAMに出力する。また、ドライブは、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0061】
ネットワークインターフェースは、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェースは、有線LAN(Local Area Network)または無線LAN対応通信装置であってもよいし、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0062】
外部インターフェースは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0063】
ここまで、本実施形態に係る情報処理システムを説明した。ただし、本発明の技術的範囲は上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0064】
例えば、
図1では、3台の刺激付与装置20A、20B、20Cが示されているが、刺激付与装置は1台又は2台であってもよいし、4台以上であってもよい。各刺激付与装置が1種の刺激を出力する場合には、異なる種類の刺激をユーザに与えることができるという点から、睡眠時無呼吸症候群治療システムは、複数の刺激付与装置を備えることが好ましい。
【0065】
また、上記実施形態では、
図2に示すように、情報処理装置10が備える指示部140によって、刺激情報を刺激付与装置20に送信しているが、情報処理装置10及び刺激付与装置20と同じネットワークNWに接続された、情報処理装置10とは別の情報処理装置が刺激情報を刺激付与装置20に送信してもよい。別の情報処理装置としては、例えば、刺激付与装置を操作ためのスマートリモコン、スマートスピーカー等が挙げられる。
【0066】
また、上記実施形態において、
図4に示すように、呼吸状態の判定は、無呼吸状態であるか否か、低呼吸状態であるか否かの順で行われるとしたが、この順に限られず、低呼吸状態であるか否か、無呼吸状態であるか否かの順で行われてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における睡眠時無呼吸症候群治療システム1の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。また、睡眠時無呼吸症候群治療システム1の一部又は全部をコンピュータで実現する場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 睡眠時無呼吸症候群治療システム
10 情報処理装置
20 刺激付与装置
30 医療支援装置
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠時無呼吸症候群の治療システムであって、
情報処理装置と、刺激付与装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記刺激付与装置は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて前記ユーザに刺激を与え、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を低呼吸状態であると判定し、
前記刺激付与装置は、前記ユーザの呼吸状態が低呼吸状態であると判断された場合に、前記ユーザに前記刺激を与える、睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項2】
複数の前記情報処理装置と接続された医療支援装置をさらに備え、
前記医療支援装置は、前記情報処理装置ごとに取得された、複数の、前記生体情報、前記呼吸状態に関する情報、並びに、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、前記ユーザごとに与える前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する決定部を備える、請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項3】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を低呼吸状態であると判定する、情報処理装置。
【請求項4】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理方法であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
判定部が前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定ステップと、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定ステップでは、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を低呼吸状態であると判定する、情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を低呼吸状態であると判定する、情報処理装置、として機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
医療支援装置30は、医療従事者により利用される装置である。医療支援装置30は、例えば、
図6に示すように、生体情報取得部310、判定部320、決定部330、指示部340、記憶部350、制御部360、通信部370、及び表示部380を備えることができる。これらの機能は、基本的に情報処理装置10における各機能と基本的に同様である。ただし、医療支援装置30は、複数の情報処理装置10から生体情報及び刺激情報を受信することができる点で情報処理装置10と異なる。また、決定部330は、情報処理装置10ごと
に取得された、複数の、生体情報、呼吸情報、並びに、刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、ユーザごとに与える刺激の種類、タイミング、及び強さを決定することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠時無呼吸症候群の治療システムであって、
情報処理装置と、刺激付与装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記刺激付与装置は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて前記ユーザに刺激を与え、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を無呼吸状態ではない低呼吸状態であると判定し、
前記刺激付与装置は、前記ユーザの呼吸状態が無呼吸状態ではない低呼吸状態であると判断された場合に、前記ユーザに前記刺激を与える、睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項2】
複数の前記情報処理装置と接続された医療支援装置をさらに備え、
前記医療支援装置は、前記情報処理装置ごとに取得された、複数の、前記生体情報、前記呼吸状態に関する情報、並びに、前記刺激の種類、タイミング、及び強さに基づいて、前記ユーザごとに与える前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定する決定部を備える、請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群治療システム。
【請求項3】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を無呼吸状態ではない低呼吸状態であると判定する、情報処理装置。
【請求項4】
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理方法であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
判定部が前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定ステップと、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定ステップでは、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を無呼吸状態ではない低呼吸状態であると判定する、情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる情報処理装置であって、
ユーザの酸素飽和度及び呼吸数を含む生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報を基に前記ユーザの呼吸状態を判定する判定部と、
機械学習により、前記生体情報及び前記ユーザの呼吸状態に応じた、前記ユーザに与える刺激を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記刺激の種類、タイミング、及び強さを決定し、
前記判定部は、前記ユーザの睡眠時において前記酸素飽和度が第一の閾値以下である場合、及び、前記呼吸数が第一の閾値以下である場合のうちの少なくともいずれかである場合、前記ユーザの呼吸状態を無呼吸状態ではない低呼吸状態であると判定する、情報処理装置、として機能させるためのプログラム。